リプレイ
花塚・夜壱
🎃フランケンシュタインなバトラー姿で
カフカ君(g00583)と一緒に人間側参加
地の果てへでも逃げようじゃないか
よしよし、頑張ろうな
カラーボールは、鍛えた動体視力と武術で華麗に避けよう
おっと、カフカ君が弾いたカラーボールがこっちにまで…!?
カフカ君、賞賛を浴びたいのは分かるが、周囲を巻き込むのはやめなさい
周囲と言うのには、勿論俺も入っている
俺を巻き込むのはやめなさい
なるほど、これがゾンビ映画的展開…!
しかし助けは来そうにないぞ
さてカフカ君、この窮地をどう切り抜けようか…
…ん?待て、カフカ君が「人類最後の男」?
それって俺が死……っ!うわっ!
しまった、まさか俺がゾンビにされるとは…
ここからはゾンビ側参加だな
しかしカフカ君の裏切り…か
お兄ちゃんは、そんな風に育てた覚えはないぞ
お仕置きの時間だ、カフカ君をゾンビにしよう
カフカ君へ【熱波の支配者】で嫌がらせしつつ、全速力で追いかける
カラーボールは投げる、あとは如意棒でバッティグよろしく打ち込む
地の果てへでも追いかけてやる
おっ、ナイスバッティング!
本郷・夏深
🎃サイバーパンクな閻魔大王
夜壱兄ちゃん(g00016)と人間側へ
よし、決めました
カフカは人類最後の男となります
地の果てまで逃げましょう、兄ちゃん!
カラーボールは舞うように躱し、【飛翔】して避け、持ってる笏で弾き飛ばし
敢えてギリギリで回避する事で一般の方を楽しませつつ逃げます
最後の最後まで逃げ切って「カフカ様は偉大ですね」と周囲から盛大に称えられてみせますよ
おっと、これはお手本のような絶体絶命のシチュエーション
ゾンビ映画だと間一髪で助かったりするやつですが
ええ、そうならないのが現実ですよねえ
しかしカフカは人類最後の男となると決めたので──
兄ちゃん、私の為に死んでください
兄ちゃんを【怪力無双】でゾンビの群れへと突き出して生贄にして
ああ、そんな!カフカの為に犠牲になるなんて!
じゃっ、私は引き続き逃げますんで
兄ちゃんはゾンビ共とよろしくゾンビやっててくださいフハハ
…いや、暑っ!敗北者は嫌がらせやめてください!
愚昧なゾンビ如きが、小賢しい真似を…!
この、いい加減に──あっ(普通にカラーボール直撃
●裏切りはサバイバルの華
ハロウィンだというのに飾り気もなく、どことなく殺風景な街の中。灰色の建物が並ぶそこには、しかし極めて色鮮やかな存在――どろどろのゾンビが無数に蠢いていた。
「よし、決めました。カフカは人類最後の男となります」
やたら尊大そうな閻魔大王風の仮装、本郷・夏深(逢魔が夏・g00583)の言葉に、こちらはフランケンシュタイン執事風の花塚・夜壱(月下鬼人・g00016)が頷いて返す。肝試しの時の態度と違い、やる気があって大変よろしい。
「地の果てまで逃げましょう、兄ちゃん!」
「よしよし、頑張ろうな」
それぞれ人外じみた仮装をしてはいるが、ここではゾンビに追われる側。ということで、早速二人を発見したゾンビ達が、カラーボールを構えて走ってきている。
『グオォーーーッ』
『オマエモ……ゾンビニナレ……!』
演技はまちまちだがとにかく目的は同じ、迫り来る彼等から逃げつつも、二人は飛んでくるボールから身を躱す。武術で磨いた動体視力と身のこなし、ボールの軌道を見切った夜壱は危なげなくそれを避けて、夏深はさらにふわりと浮かび、舞うようにしてそれを捌く。
『こ、これは……!』『ディアボロスさん、すごーい!』
明らかに素人離れしたその避け方に、一般人のゾンビ達から感嘆の声が上がる。
「そうでしょうそうでしょう、もっと称えてもいいんですよ」
ふふんと得意気に笑って、夏深はさらに飛んできたボールを笏で逸らす。衝突の勢いで割れないように受け流す、その技量にさらなる称賛の声が上がったが。
「カフカ君、賞賛を浴びたいのは分かるが、周囲を巻き込むのはやめなさい」
ボールを逸らした先で直撃を喰らいかけた夜壱が、そう言って窘める。
「え、でも周りに兄ちゃんしかいませんよね?」
「うん、俺を巻き込むのはやめなさいと言っているんだよ?」
そんなよくあるやりとりをしている内に、二人はいつのまにやら忍び寄っていたゾンビ達に袋小路に追い詰められていた。
「兄ちゃん、ちゃんと逃走先を確認しないとダメじゃないですか」
「俺のせい……?」
言いたいことは多々あるが、とにかく今は絶体絶命というやつである。
「ゾンビ映画だと間一髪で助かったりするやつですよ」
「しかし助けは来そうにないぞ」
「ええ、それが現実ですよねえ……」
裏道を示してくれたり道を切り開いてくれたりする援軍には期待できない。
「さてカフカ君、この窮地をどう切り抜けようか…」
「甘いですね兄ちゃん、ここは当初の目的のために全力を尽くすまでですよ」
やる気があるのは素晴らしい、が……ん? 『当初の目的』? 夜壱がふと記憶を手繰る。彼は確か言っていた、「カフカは人類最後の男となります」と。それはつまり。
「それって俺が死……っ!」「兄ちゃん、私の為に死んでください」
どん、と怪力無双まで使った夏深によって、夜壱はゾンビの集団へと押し出された。
『今だーっ!』『ゾンビになれーっ!!』
「ああ、そんな! カフカの為に犠牲になるなんて!」
次々とカラーボールを投げ込まれる様子を嘆かわし気に見送って、夏深はその隙にゾンビ達の傍らを駆け抜けていった。
「じゃっ、私は引き続き逃げますんで、兄ちゃんはゾンビ共とよろしくゾンビやっててください!」
爽やかな笑顔で走り去る彼だが、そこに、じっとりとした嫌な気配が纏わりつく。
「カフカ君……」
振り返れば、どろどろゾンビと化した夜壱がゆっくりと立ち上がっていた。
「お兄ちゃんは、そんな風に育てた覚えはないぞ……」
実際育てた覚えはない、というかやるかやらないかで言えば夏深は「間違いなくやる」タイプだが、まあそれはそれだ。展開された熱波の支配者による熱気と共に、ゾンビメイクの下から彼を見据える。
「……暑っ! 敗北者は嫌がらせやめてください!」
「お仕置きの時間だ、カフカ君……!」
「愚昧なゾンビ如きが、小賢しい真似を……!」
熱気で体力とやる気を削りながらの追走、相手のことをよくわかっているからこその戦法で、ゾンビ夜壱は生存者を追い詰めていく。
「この、いい加減に──」
たまらず飛翔したそこへ、狙いすましたようにカラーボールが大きく打ち上げられて。
「――あっ」
「おっ、当たった」
ナイスバッティング。如意棒による打撃という曲芸じみた一撃で、夏深はあえなくゾンビとなった。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
舞剣・荊
神装】チームキッズ
ハピハロ~~~~~~🎃👻
ごーほー的に街ン中で騒いでいいって聞いた!
○ゾンビ化ゲーム
逃げる側
終末モノにいるヘラヘラしたタイプの生存者
小鳥遊を軸に散開し
ゾンビの動向を逐次報告
【地形の利用】で物陰から上空や路上を偵察
こちらファルコン3
今ねー
ビルの看板ウラ!どぞ
はるーちよく光ってるし良さげじゃん、どぞ
アタシもあねーち視認した
組長は別行動だろーけど
離れちゃないハズよ、どぞ
ウワッはるーち声デカ!めっちゃバレてんじゃん!!どぞ!!!
☆逃走中
【飛翔】【対空戦】【戦闘知識】をフル活用
縦横無尽に街を飛ぶ
最近砲撃もかわせたし
あねーちのホウキはヨユー…
ホウキじゃねーじゃん!
しかも組長
じゃなくてトンカラ包帯ヤクザゾンビも来た!
これがハロウィンコンビネーション
だはは
わり、はるーちたかなし
アタシ詰んだかも!
○ゾンビ後
ウキウキでゾンビ化させまくる
ただしゾンビはしゃべれないので
アイコンの表情で無言のままガンダッシュ
アドリブ・アレンジ大歓迎
奴崎・娑婆蔵
【神装】
●ゾンビ側
よう盾祀の、トンカラトンと言え……もとい、ハッピハァロウィーン
あっしにもそのゾンビの烙印をお願い致しやす――って何ぶつけ返してるんでござんすかユノの姉御ォ!?(焦る)
●追跡
全タテだァ?
ふふん、元よりその所存
昨今のゾンビものは『走るやつ』なんてのもザラだそうで
であれば、こいつを使おうが全く自然。よござんす(『トンカラ号』で発進)
●VS舞剣
まずは機動力に長ける舞剣のから叩くと致しやしょうか
ユノの姉御の使い魔達の索敵に沿って移動、コウモリらを遮蔽にカラーボールを投擲してやりまさァ
●VS春一
春一のを後回しにした理由……
そいつはこれこの通り、ユノの姉御へ向こうから近付いて来るものと踏んでいたからよォ、カハハ
そら春一の、お前さんも『こっち側』に――って捕まる相手を選びたがるだァ!?ちぃっどこまでも自由!
●VS小鳥遊
ふふん、隠れ上手も内通情報の前にゃ形無しか
カラーボールにマジックで回線安定丸の似顔絵をモリモリ描き込んでおき、そしてこれらをワッと投げ付けてやりまさァ(攪乱攻撃)
小鳥遊・英
【神装】チームキッズ
ゲーム。なるほど、ゲームですか
負けませんし負ける気がしませんね
🧟ルール
制限時間内に逃げる側が全員ゾンビになったらゾンビ側の勝利
てすてす。うん、パラドクス通信は回線安定してますね
樹さん、舞剣さん、現在地は細かく報告するんですよ
ビルの隙間、2、3階あたりの壁に【壁歩き】を利用してしゃがんで張り付くように身を隠します
室外機などの下に潜り込めれば上からの視線も切れるでしょう
戦いは高度を取った方が有利ですからね
舞剣さん、ゾンビを目視したら教えてくださいね、Over!
樹さんのおバカ!黙ッああ
ビルの隙間で高い所という情報と逆に出ましょう
見つかりそうになったら回線安定丸を囮にします
見たかった場合はゾンビの顔に張り付くよう指示
舞剣さん!今ドローンを飛ばします、踏んだら猛スピードで上昇しますのでその勢いを使って飛んでください!
ダッシュで逃げたあとは「ドローンちゃんに乗ればいいのでは?」と閃く
ゾンビにされたら無言でのたのた動きます
「モギュウウウウ……!💢」
勝敗はマスターさんにお任せ
樹・春一
【神装】
チームキッズです!
姉さんが追いかけてきてくれる素晴らしき催し……
これを堪能しないわけにはいきません!
連絡ですか? みんなで一緒じゃないんですか?
姉さんがそっち行ったらどうするんですか!
しかしゲームに詳しいアキラさんがおっしゃるなら仕方ありません
現在地は細かく報告ですね! 了解しました!
もしもし! こちら春一です! 今キュートなカボチャの飾りの並びにおります! 飾りに扮しております! 高いところで光ってたら案外バレないものですね! 姉さんを発見したのでお気をつけて!
アキラさんはビルの隙間ですって!? し、しかもそんな高いところに!? 落ちたら危ないですよ!!!(大声)
よし! 連絡オッケーです!
あっ
姉さんの哀れみの視線に心が癒されます……
先に向こう行くんですか? 僕放置ですか!?
待ってくださいよお~! 追いかけっこしましょうよお~!
あっ師匠
すいません僕姉さんに捕まりたいのでまた後で!
全力ダッシュを続けてたらだいたい捕まらないものです!
あーっ! 盾祀さんぶつかりますー! どいてー!
樹・由乃
【神装】
おい。おまえ。駅の人間
私にゾンビのやつをぶつけなさい。早く
(ッパーン)(当てられたら当て返すスタイル)
よし準備できましたね
しっかりやりなさいよ小僧。3点は稼いでくるように
全タテしろってことです
では大通りでものんびり見ていますか
まさかこんなところに出てくるやつはおりますまい。ふむ、冬フラペチーノの広告ですか……これはなかなか
……ん?
私の思い違いでなければ仲間の位置を堂々と内通しているやつがいるのですが
春一おまえ……(憐れみの視線)
呼べば出そうだから後回しにしておきましょう
ええいついてくるんじゃありません。臆病なのが逃げてしまうでしょうが
小僧、ちょっと相手してやりなさい
隙間、高所、とくればこいつらの方が適任でしょう
かぼちゃ飾りから使い魔を生成。コウモリが雰囲気出てますかね
向こうには壁もあります。数体で纏まって行動するように
発見次第大きく鳴き続け知らせること。逃げられたらどこまでも追うこと
いいですね
走らせてればそのうち息を切らすでしょうて
●ゾンビヤクザウォーズ
ゾンビが人間を追いかけ回し、次々と仲間を増やしていく……そんな会場の一角で、樹・由乃(堕ちた翠星・g06228)と奴崎・娑婆蔵(月下の剣鬼・g01933)はどろどろゾンビと化した楓に遭遇していた。
「出ましたね、駅の人間」
「よう盾祀の、トンカラトンと言え……もとい、ハッピハァロウィーン」
はっぴーはろうぃーん。少しは逃げるとかして良いんですよ? ゾンビらしくのろのろとした動きで首を傾げる彼に、二人は動じた様子もなく。
「私にゾンビのやつをぶつけなさい。早く」
「あっしにもお願い致しやす」
「ええ……」
まあいいですけど、仲間が増えるのは歓迎です。ということでカラーボールを一つずつ放り投げて、どろどろゾンビメイクが二人分。緑とピンクのどろどろを被ったところで、由乃はおもむろに拾ったカラーボールを楓に向かって叩きつけた。
「何ぶつけ返してるんでござんすかユノの姉御ォ!?」
「一回は一回、というやつです」
よりいっそうどろどろになった楓は、目元に流れてくるそれを拭いながら。
「……この人いっつもこんな感じなんですか?」
「ああ……まぁ……」
「準備ができたんだから行きますよ小僧。3点は稼いで来るように」
「3点ってぇと――」
「全タテしてこいってことですよ」
「ははあ、元よりその所存でさあ」
そんな感じで気合を入れて、ゾンビと化した彼等は生存者を求めて動き出した。彼等が狙うのは特定の三名、いつものメンツのキッズ組である。
「――それはつまり、姉さんが追いかけてきてくれる、ということですね」
何という素晴らしい催し、これは十分に堪能させてもらわなければ。うんうんと頷いていた樹・春一(だいたいかみさまのいうとおり・g00319)だが、気が付くと周囲にチームメイトの二人がいない。
「あれっ、皆さんどこいったんですか?」
「散開しましたけど」
「はるーちまだそこにいんの?」
通信機越しに小鳥遊・英(Code name/Falcon・g00772)と舞剣・荊(Thorm・g02226)の声が届いて、春一もようやくそこから動き出した。
「みんなで一緒に動くんじゃないんですか?」
「固まってると一気に捕まりそうじゃん」
「そんな! 姉さんがそっち行ったらどうするんですか!!」
「はいはい、見つけたら教えてあげますから」
だから通信機に向かって叫ばないでほしい。手持ちのそれを耳から遠ざけながら英が応じる。何にせよ今回は『ゲーム』と名の付く勝負である、負けるわけにはいかないだろう。とりあえずこのやりとりで通信の安定性は確認できたので。
「樹さん、舞剣さん、現在地は細かく報告するんですよ、Over!」
「おっけー」
「細かく報告ですね! 了解しました!」
今回は皆えらく素直で良い。ビルの隙間に逃げ込んだ英は、建物の側面を壁歩きで上って、3階の室外機の下に潜り込むようにして身を隠す。これならば側面はもとより、上から偵察されても発見されづらいだろう。
とりあえずの潜伏場所を確保したところで、他のメンバーからも連絡が入る。
「こちらファルコン3、今ねービルの看板ウラ! どぞ」
「なるほどビルの看板裏ですね! こちら春一です! 今キュートなカボチャの飾りの並びにおります! 飾りに扮しております! 高いところで光ってたら案外バレないものですね!」
「ほんとだ、はるーちよく光ってるし良さげじゃん、どぞ」
なにそれ大丈夫? かなり目立ってない? 気にはなるが今更覗きに出ていけないので、英はとりあえず索敵を任せるにとどめる。
「舞剣さん、ゾンビを目視したら教えてくださいね!」
「それでしたら僕、姉さんを発見しましたよ! 大通りの方です!」
「あっ、アタシもあねーち視認した」
なるほど、あまり離れてはいないらしい。互いの位置関係を整理しつつ、英は今後の動きを定めていく。幸いこちらはまだ発見されていないようだが……。
「物憂げになにか考えておられるようです! 絵になりますね!!」
「いやあれフラペチーノの看板見てるだけだわ」
「組長は居ます?」
「多分別行動だろーけど離れちゃないハズよ、どぞ」
「ちなみにアキラさんはどちらに?」
そういえばこちらの位置報告はまだしていなかったな、と現在地を口にした。
「えっビルの隙間ですって!? し、しかもそんな高いところに!? 落ちたら危ないですよ!!!」
「大丈夫です、なので声抑えてくださいよ樹さん」
「あのさーたかなし」
声がデカい点については同意する、とばかりに荊が付け足す。
「はるーちの声、全部あねーちに聞こえてんじゃね?」
「えっ」
「あっ」
「樹さんのおバカ! 黙っ――ああっ!!」
何かもう色々と筒抜けだったらしい、英が空を見上げれば、小さな羽音が群れを成して迫ってきていた。
「上から来てます! なにあれコウモリ!?」
「やべ、こっちも来た!」
「えっ!? 僕のところには何にも来てないんですけど!?」
「お前は後回しです」
飛んできているのは由乃のパラドクスによって生み出されたコウモリ型の使い魔達だ。別段それらがゾンビ玉を投げつけてくるようなことはないが、捕捉されているとゾンビ側にすぐ見つかってしまうだろう。
「回線安定丸!!」
英の選んだ対処法は、二手に分かれる、というか目立つ囮としてモーラット・コミュを放り投げるというもの。白くてふわふわしたそれが迫ってくるのを見て、コウモリ達の動きが乱れる。その内に建物の中を突っ切るようにして離脱を試み――。
一方の荊は素早く看板裏から踊り出て、ビルの合間を飛翔する。最近の傾向から由乃の砲撃もホウキも余裕で躱せるはず、躱せるはずなのだが。
「ホウキじゃねーじゃん!」
「舞剣さん! ドローンを飛ばしましたからそれ使って逃げてください!」
そこに飛んできたのは英からの援護の一手。荊の元に召喚されたドローンは、彼女が上に乗っかったタイミングで急上昇するというもの。上空に隠れる場所は無いが、上昇と急降下でコウモリの追尾を振り切ることも可能だろう。しかし。
「そう上手くはいかねえもんでさァ」
「うわっ、トンカラ包帯ヤクザゾンビがチャリ乗って突っ込んできた! どーぞ!!」
「なんて??」
情報量が多い。その動きを読んでいたかのように現れた娑婆蔵が、英のドローンの前へと走り込んできている。昨今のゾンビものでは『素早く走る』なんてのもよくあること。それならばチャリくらい使うやつもいるだろう。知らんけど。
「わり、はるーちたかなし、アタシ詰んだかも!」
回避機動の方向選択を強いられてる状況だが、その選択肢がコウモリの群れに次々と潰されている。咄嗟の、というよりぎりぎりで飛んだ方向には、娑婆蔵の投げたゾンビボールが待っていた。
「まずは機動力に長ける舞剣の。一丁上がり、ってなもんでさァ」
そんな激戦が繰り広げられている区画に対し、春一のところでは基本的に平和な空気が漂っていた。
「アキラさんアキラさん、姉さんが追いかけてきてくれないんですよ」
「知りませんけど……?」
再度身を潜めた彼女の反応は冷たい。そして由乃の方もまた、英を探すべく春一に背を向けた。
「先に向こう行くんですか? 僕放置ですか!?」
「お前は後で良いでしょうに」
「待ってくださいよお~! 追いかけっこしましょうよお~!」
「ええいついてくるんじゃありません。臆病なのが逃げてしまうでしょうが」
もはやどちらがゾンビなのかわからないが、こうなるのは半ば予想できていたことである。。
「カハハ、見立て通り。春一のを後回しにして正解でございやしょう?」
「いいから小僧、ちょっと相手してやりなさい」
意気揚々と戻ってきた娑婆蔵を手招いて、由乃はとりあえずそちらの相手を任せた。
「そら春一の、お前さんも『こっち側』に――」
「すいません組長に捕まる予定はないのでまた後で!」
「捕まる相手を選びたがるだァ!? ちぃっどこまでも自由!!」
突然の全力疾走、徒歩移動に慣れた健脚の春一に、トンカラ号が追い縋る。加速と小回りに優れた春一はそう簡単には捕まらない、が。そこで角から急にゾンビの楓が姿を現した。
「盾祀の、捕まえ――」
「あーっ! 盾祀さんぶつかりますー! どいてー!」
「えっ」
トップスピードに乗った春一は急には止まれない。不幸な事故が発生し、ゾンビが轢かれて宙を舞った。
吹っ飛んだ楓があえなく地面を転がる横で、彼の持っていた複数のゾンビ玉が次々と降り注ぎ――。
「あぁーっ!! 姉さんに捕まりたかったのに!!!」
その中の一つが着弾し、めでたく春一もゾンビとなった。
俄かな騒ぎが収まって、また静寂の戻った路地裏を、英は足音を抑えながら移動していく。先程の通信で隠れ場所をバラされた以上、『上』は警戒されているだろう。ゆえにその逆を突けるようにと、彼女は地上を動き回っていた。幸い今のところ見つかってはいない、味方とは連絡がつかなくなってしまったが、この調子ならば制限時間まで逃げ切ることも可能なはず。
戻ってきた回線安定丸と二人きり、多少心細い思いをしながら歩いていた彼女は、そこで見知った後姿を発見する。
「舞剣さん! 無事で――」
いや無事なわけがあるものか。はっと足を止めた英の前で、荊がくるりと振り向く。その顔は、緑とピンクのどろどろメイクに仕上がっていた。
ゾンビと化した彼女は、一瞬の間を置いて、おもむろに英に向かって全力疾走を開始する。
「ちょっ、何か言ってくださいよ舞剣さん!? 無言こわっ!!」
ゾンビらしく、目と口をかっぴらいたまま疾走してくる彼女から、英もまた普段ほとんどしないダッシュで逃れる。しかしどうやら、今の騒ぎで捕捉されてしまったらしい、上空からはコウモリの羽音が迫り来て、ついでに自転車のベルも聴こえてくる。
「さァ覚悟しなせェ、小鳥遊のお嬢!」
飛び出してきた娑婆蔵は抱えていたカラーボール――回線安定丸のイラスト入り――を大量に展開した。
はい詰んだ。しかしながら英には残機が残っている。
「あああ回線安定丸!! 組長の顔に突っ込んで!!!」
無茶な指示にも即座に従い、「モギュウウ」と不機嫌そうな声を上げながら回線安定丸が飛び出して、カラーボールの盾となり、ゾンビ色に染まりながらも娑婆蔵の顔に貼り付いた。
「もがっ!?」
前が見えない息が出来ない、一時的に蛇行したトンカラ号の脇をすり抜け――通りに出たところで、姉弟ゾンビを発見して英の顔が引き攣る。
「ほれ、いってきなさい」
「了解しました姉さん!!」
「ああっ、こっちはこっちで生き生きしてる!!!?」
ゾンビなのに! 由乃の命令で俄然元気になった春一が駆け出して、後ろからは相変わらず無言の荊が迫ってきている。
――なにこれクソゲーじゃない?
カラフルなゾンビ色に染まりつつあるこの街に、悲鳴がひとつこだました。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
【水中適応】LV1が発生!
【植物活性】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【アヴォイド】がLV2になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
津・リビト
彗藍(g00192)と
はっぴー、はろうぃん
彗藍、とても可愛らしい仮装だな
お菓子を沢山与えたくなってしまう
……と、そんなことも言っていられないな
顔面に向って投げられたぼーるを避けて
よし、全力で逃げるぞ!
ぞろぞろと引き連れてやってきたゾンビ達を発見すれば
木の裏に隠れてやり過ごし
これは、使えそうだ
路地裏のバケツに捨ててあったびにーる傘を広げ
ふふ、彗藍がげっとしたそれも何か役に立ちそうだ
リビトはビニール傘をゲットした!
まだ生き残っている人達はいるのだろうか
! 彗藍、避けろ!
咄嗟に手首を引き、びにーる傘でぼーるを受け止める
――危なかったな
思い切り引っ張ってしまったが、怪我はないか?
横を振り向けばぼーるを当てている姿を見て
いいすいんぐだ
ゾンビ達も驚いているぞ
……良い匂いがするな
あれは――飯だ!彗藍、待っていろ。取って来る
それが囮だと思わず近寄れば
顔にボールが当たり全体がビビット色に染まっていく
……彗藍。すまない、先にあっちで待っている
気を失うように倒れ込み、くつりと笑みを浮かべ
次は此方が襲うば――あ
朔・彗藍
リビト(g00145)と
2023仮装着用
はっぴーはろうぃん!
ふふ、今年は時計ウサギになってみました
とりっくおあとりー…はっ
今はゾンビと追いかけっこでした
お菓子は後で沢山貰いましょう
飛んできたカラーボールをぴゃっと俊敏に躱し
今はウサギですから、逃げ足はお任せです
はい!逃げましょう…!
木の裏からちらり、何かないかと見回して
あれは…
路地裏に立て掛けられた長物を拾い上げる
リビトはビニール傘!防御はバッチリですねっ
私のはこれで打ち返せるでしょうか?
彗藍はばーるのようなもの(おもちゃ)をゲットした!
これでばっちりお守りしま……
!!ひゃわ……!
引かれるまま瞬間、傘が塗料に染まり
早速役に立ちましたね…
えへへ、リビトのおかげでゾンビ回避なのです!
わたしもー!とやる気満々素振り
…していれば後方からのボールが偶々弾かれて
どやっっな顔
えっ!?飯!?リビト待って、それ罠では
――ああ…!リビトがゾンビに…!
ん?ちょっと待ってください
とても嫌な予感がするのですが
わーん!置いてかないでくださーい!
あっ(べしゃっ)
●さばいばる
はっぴーはろうぃん、ということで本日のパーティ会場にて、津・リビト(釣人・g00145)と朔・彗藍(ベガ・g00192)が合流する。
「ふふ、今年は時計ウサギになってみました」
「彗藍、とても可愛らしい仮装だな」
不思議の国の住人を思わせるその仮装に、リビトはそう頷く。こう可愛らしいと、お菓子を沢山与えたくなってしまうほどだ。
「本当ですか? それでは早速、とりっくおあとりー……」
はっ、とそこで殺気に気付き、彗藍は咄嗟に身を躱す。すると向こうから投げ込まれたゾンビカラーの塗料入りボールが、彼女の肩を掠めて過ぎた。
『避けられた!?』『さすがディアボロスだなぁ』
「なるほど、あまりのんびりしている暇はなさそうだ」
続けて放られたボールを首を傾げて躱してみせて、リビトは迫り来るゾンビ達に背を向ける。
「よし、全力で逃げるぞ!」
「はい! 逃げましょう……!」
普段と違って今はウサギ、逃げ足はお任せですと首肯して、彗藍はその背中に続いていった。
「お菓子は後で沢山貰いますね……!」
「ああ、後でな」
生存者、しかもディアボロスを見つけたとあって、一般人のゾンビ達は仲間を呼び寄せて徐々に追手の数を増やしていく。公園の雑木林の影でその集団をやり過ごしながら、二人は周囲を注意深く見回す。ここまでは首尾良くゾンビ達から逃れられているが、移動を続けなくてはじきに捕まってしまうだろう。
「よし、今の内だ」
緑の多い公園から路地の方へ、ゾンビ達に発見されぬよう移動して。
「待ってください、あれは……」
「ああ、これは使えそうだな」
彗藍の発見に応じてリビトが続く。ハロウィンの飾りつけとは無縁の路地裏には、丁度役に立ちそうなものが放置されていた。
リビトの拾い上げたそれは、ビニール傘である。少し曲がってはいるけれど、穴が空いたりはしていない。まだ十分に使えるだろう。
「防御はバッチリですねっ、私のはこれで打ち返せるでしょうか?」
一方の彗藍が手にしたのは武器、というかバールのような長物の鈍器だった。
「まだ生き残っている人達はいるのだろうか……」
とにかく装備を調達したところで、路地からさらに先を目指し――。
「! 彗藍、避けろ!」
「!! ひゃわ……!」
咄嗟にそれを察知して、リビトが彗藍の手を引く。彼女の身を引き寄せたその眼前、広げられたビニール傘にボールが着弾し、透明な傘に塗料が広がった。
『ビニ傘だって……!?』
いつの間にか近づいてきていたゾンビ達に動揺が走る、何しろ傘はこのゲームにおいてかなり有用なアイテムである。
「――危なかったな」
「早速役に立ちましたね……」
リビトの、そしてビニール傘の活躍に助けられてしまった。
「それなら、わたしの番です!」
やる気十分、どこからでも来いと言わんばかりに彗藍は素振りを始める。すると偶然、後方から飛んできたボールを弾き返すことに成功した。
『見切られた!?』『背中に眼でも付いてるのか……!?』
「いいすいんぐだ、彗藍。ゾンビ達も驚いているぞ」
これは分が悪い、と逃げていくゾンビ達を見て、彗藍はドヤ顔で胸を張った。
装備は十分、この調子で切り抜けていこうと、二人は街中を隠れ進んでいく。勘の良い二人はそこからも上手くゾンビ達の巡回を捌いていったが――。
「……良い匂いがするな」
「え……?」
その鋭敏な感覚が、この街に漂うそれを察知してしまった。
「あれは――飯だ! 彗藍、待っていろ。取って来る」
「えっ!? 飯!? リビト待って――」
たしかにサバイバルにおいて食料は最重要。だがそんな古典的な罠を仕掛けるゾンビが居るものだろうか。そしてまさかそれに引っ掛かるものが居るなんてことが。
『出てきたぞ!』『いまだーーーっ!!』
「ああ……! リビトがゾンビに……!」
あったんだから仕方ない。隠れていたゾンビ達の投げたボールを顔面に食らったリビトは、ビビッドなカラーに染まりながら倒れゆく。
「……彗藍。すまない、先にあっちで待っている」
「わーん! 置いてかないでくださーい!」
思わず駆け寄った彗藍だけど、そこで嫌な予感を覚えて立ち止まった。視線の先では、気を失うように倒れたはずのリビトが、口元に笑みを浮かべている。
「そんな、リビト……!」
そう、既にリビトはゾンビとなった。ここからは彼も、生存者を狙う側である。頼もしい味方が敵となったこの状況に、彗藍はどうにか身構えて。
「次は此方が襲うば――あ」「あっ」
リビトが仰々しく立ち上がったところで、彗藍の背後から飛んできたボールが彼女に直撃した。
べしゃりと弾けた塗料が広がり、なんか悲劇的な戦いが始まりそうな緊迫した空気を、ゾンビカラーに染めていく。
『ああ……』『な、なんかすいません……』
微妙に締まらないその雰囲気に、リビトと彗藍は顔を見合わせて、ふと笑みを交わした。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【隔離眼】LV1が発生!
【寒冷適応】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
咲樂・神樂
冥夜(g06409)と
2023仮装:殺戮コックの迦楼羅
トリックオアトリート
アリスのめいちゃん!
此度は如何なる迷宮に囚われさ迷っているのかしら
あたしはちょっと料理してきたって感じなの
──そうだろうとも
翼は失くしたから張りぼてだけどね
猛禽の脚を動かせば
あら
狙われてるみたい!
追いかけっこなら得意よ
きゃっきゃと笑いめいちゃんと共に裏路地へ
どう?
ゾンビ来てる?
追われるのが愉快で堪らない
ゾンビって遅いと思ってたけど、速いのねぇ!
何か?包丁はあるわよ
ゾンビの千切りにしてあげましょうか?
と舌なめずり
腕がなるわ…うふふふ
え?だめなの?残念だわ
はぁいといい子に伏せるわね
めいちゃんったら、ホームラン!
いい感じに打ち返したわね!拍手喝采よ!
あたしは全然大丈夫!
今のうちに逃げま……あ、
視線を落とせば最愛の妹の貴重な写真が
…何故これがここに
まさか、罠─
!?
めいちゃんの手にはゾンビ玉!
なっ道連れっ……て裏切り者ー!
むしろこの場合
ゾンビ仲間ってことに…なるのかしら?
それもまた一興
さて
人間達をゾンビにしてまわりましょう!
朔・冥夜
神樂(g03059)と
2023南瓜仮装:男アリス
トリックオアトリート
神樂の仮装は――コックか
赤色に染まって……料理??
容姿の雰囲気もちょっと違う
仮装じゃないみたいだ
今日は翼、在るね
話していれば横を掠めていくカラーボール
まずい、逃げるぞ……!
路地裏へ逃げ込んで様子窺いゾンビの数はざっと数十人
凄い足の速さで追い掛けてくる…だと
丸腰だし何か身を守るものを
…いや、包丁はあるけど、それはめっ
舌なめずりが洒落にならない
ゲームならこんなとき何か武器を拾うだろ
見回すと、近場に塗料が付着した
ばーるのようなものが落ちている
ああ……逃げ組の落とし物かな
!!!伏せろ……!
片側から複数飛んできたカラーボールを
野球の様に打ち返す
はぁ、危なかった
神樂、ぶつけられてないか?
さあ、挟み撃ちにならないように
違う場所へ逃げ…るぞ…
何か落ちている
神樂の眼の前に
彼の妹のオフショット生写真(料理中)
ぽたりぽたり、いつの間にか滴る塗料
かぐら………すまない……
手にはボール、後方から振り被る俺
道連れだ
ふふ、今度は二人で追い掛ける番だぜ
●ゆめのあと
ハロウィンパーティの会場の一角、顔を合わせた朔・冥夜(星朧・g06409)と咲樂・神樂(離一匁・g03059)は、互いの姿に視線を落とす。時期が時期だけに双方とも仮装済み、見慣れぬ格好を上から下まで眺めてから。
「トリックオアトリート、アリスのめいちゃん!」
此度は如何なる迷宮に囚われさ迷っているのか――冗談めかした台詞を口にする神樂は料理人……のように見えるが。
「神樂の仮装は――コックか」
「そ、あたしはちょっと料理してきたって感じなの」
「……料理??」
ガルーダの意匠はもとより、赤く染まったその姿は普通に思い浮かぶ料理人とは少々乖離している。さらに言うなら、容姿の雰囲気も違っているようで。
「今日は翼、在るね」
「張りぼてだけどね」
そうだろうとも、といつもと違う調子で頷いて、神樂は猛禽の脚を踏み出す。とはいえその足取りは、目の前を掠めていったカラーボールによって遮られた。
「あら、いつの間にか狙われてるみたいね」
「まずい、逃げるぞ……!」
お披露目会はいったん終了、こちらを追いかけてくるゾンビ達から離れるように、二人はその場から駆け出す。できれば遮蔽物の多いところで、追っ手を撒いてしまいたいところだが。
「これ結構楽しいわね」
追いかけっこなら得意分野だ、と愉快気に笑う神樂を先頭に、二人は路地裏へと逃げ込んでいった。入り組んだ地形を活かして視線を切り、一息付けそうな場所を見つけて後ろを窺う。
「どう? ゾンビ来てる?」
「いや――」
二桁単位のゾンビの群れを見かけた時はどうなる事かと思ったが、さすがにここまでついてこれる者はいなかったらしい。
否、『ほとんどいなかった』、というべきか。
「まだ追い掛けてきている……だと……?」
「ゾンビって遅いと思ってたけど、速いのねぇ!」
どうも何人かディアボロスも混ざっているらしい、苦い表情を浮かべる冥夜と笑う神樂、二人のもとへゾンビの追手が向かってくる。このままでは埒が明かない――というか袋小路を引いたら終わってしまう。
「何か身を守るものは……」
「え、包丁ならあるわよ」
周囲を見回す冥夜に、仮装のそれを手にしたまま神樂は言う。
「ゾンビの千切りにしてあげましょうか?」
舌なめずりして低く笑うその様に、冥夜が「めっ」と制止をかけた。生き生きとしているのは良いけれど、今回の場合はその元気は別の方に向けてほしい。
「え? だめなの? 残念だわ」
はいはいいい子にしてるわよ、と矛を収めた神樂に代わって、冥夜は状況を打開できるアイテムを探す。ゲームなら、こんなとき何か武器が見つかるのがお約束だが……。
「これは……?」
目ぼしいのはこれくらいか、冥夜の手にしたのは、塗料の付着した長物……ばーるのようなものだった。
「ああ……逃げ組の落とし物かな」
「ふうん、それでどうするの?」
ここで繰り広げられた悲劇だか激戦だかの名残であろうそれを握った冥夜は――。
「!!! 伏せろ……!」
その気配を察して、神樂へと警句を飛ばす。路地の角に身を潜めていたゾンビ達の投げたカラーボール、同時に放られたそれらを、冥夜は野球のスイングの要領で弾き返した。
『おい、こいつも打ち返してきたぞ!』『ディアボロスってすごいねえ』
「めいちゃんったら、ホームラン!」
打球が直撃しててんやわんやしているゾンビ達を他所に、神樂が称賛の声を上げる。
「はぁ、危なかった。神樂、ぶつけられてないか?」
「あたしは全然大丈夫!」
元気の良い返事に、安堵の息をひとつ。危地は脱した、あとはこのまま安全圏へと移動を……。
「さあ、挟み撃ちにならないように違う場所へ逃げ……るぞ……?」
「ええ、今のうちに逃げま……あ」
と、そこで先行しようとしていた神樂の足が止まる。そこには何故か、彼女の――神樂にとって最愛の妹のオフショット生写真が落ちていた。
……なぜこれがここに。一瞬生じた思考の空白、そして神樂は悟る、こんな偶然はあり得ない、であればこれは――。
「かぐら………すまない……」
はっと振り返ったそこには、ゾンビボールを振りかぶった冥夜の姿があった。そう、彼は先程の攻防の中で塗料をその身に受けており、ゾンビと化していたのだ。
「――道連れだ」
「この裏切り者ー!」
さすがにこのタイミングから逃れることは出来なかった。あえなく神樂も猛禽料理人ゾンビと化す。
「とは言ったけれど、これでゾンビ仲間ってことに……なるのかしら?」
「まあ、そうなるな」
気を取り直すように溜息を一つ吐いて、神樂の方もまた、ゾンビ用のカラーボールを手に取った。
まあ、これはこれで、また一興。
「ふふ、今度は二人で追い掛ける番だぜ」
「ええ、人間達をゾンビにしてまわりましょう!」
ということで、ゾンビ側にまた大きな戦力が加わった。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!
咲樂・祇伐
🌸桜鴉
生き残り側?
わぁあ……カラスくん
ゾンビさんだらけですね
なんてリアルな特殊メイク
私の世話係であるカラスくんを見上げれば、何時になく真剣な様子
今は辛うじて、カラスくんのお陰で生き残れているのです、が
これでは時間の問題
ゾンビは増え続けているの
私を守るという真剣すぎる横顔に
少しばかり悪戯心が疼いてしまう
でも身を潜めてばかりでは面白くないわ!
思いっきり逃げて走って、楽しまなければ
…ち、違うもん
カラスくんの声が大きかったから
追跡してくるゾンビをカラスくんの導きのままにかわして逃げて、ギリギリで飛んできたゾンビ玉をかわして
楽しい
楽しいけれど
これでは皆様に圧勝してしまうわ
だから──えい!
隠し持っていたゾンビ玉をカラスくんの背後から、ぱしゃり
私からのトリックといったら許してくれるかしら?
ふふ、ゾンビカラスくんもイケメンさんですね
生き残るのはひとり、つまり──ね?
なんて
悪戯に咲う
鬼ごっこですよカラスくん
今度は私を捕まえてごらんと身を翻す
童心に帰ったようで楽しくて
ゾンビさんこちら、と手を招いて走り出す
帷・カラス
🪶桜鴉
生き残り側
気をつけろ
この街はゾンビにやられちまった
俺たちはまだゾンビ化していない
言わば生き残りってわけだ
そして俺は嬢ちゃんの世話係
例えゾンビになってでも嬢ちゃんを守る
使命感を胸に物陰に潜み注意深く周囲を見渡す
どこもかしこもゾンビだらけ
油断出来ねぇよ
嬢ちゃん!駄目だ!そんな闇雲に動くのは……嬢ちゃんはやたらとキラッキラしてんだから
ほら、見つかった!
え?俺の声がでかかったからって?
気のせいだろ
走れ!逃げるぞ!!
大丈夫だ、俺が守ってやるからな!
投げられるゾンビ玉を華麗に避けて、時に嬢ちゃんを抱えてアクロバティックに飛んでは跳ねて
塀をよじ登り追跡だってかわしてやる
はは!俺達を捕まえようだなんて100年はやいぜ!
柄でもなくマジになっちまってるが、こういうのは本気を出してこそ
なっ──!
嬢ちゃん!?
弾けるゾンビ玉
滴るゾンビ液
目の前で悪戯に咲う彼女をみつめ
そ、そんな…嬢ちゃん
俺をゾンビにするなんて…
う、裏切ったな!?
逃がさねぇよ!
笑って悪戯娘を追いかけるゾンビ従者になってやる
懐かしいな、鬼ごっこ
●ゾンビごっこ
逃げ込んだビルの窓から、表通りをそっと覗き見る。既に幾度も戦闘……そして捕食の行われた通りには、ぶちまけられた塗料の名残と幾人ものどろどろ人間が、ビビッドな色合いを加えていた。
「わぁあ……カラスくん、ゾンビさんだらけですね」
咲樂・祇伐(花祇ノ櫻禍・g00791)の感嘆の声に、帷・カラス(神遣・g08316)が真剣な面持ちで頷く。
「ああ、この街はゾンビにやられちまった……」
ゾンビに捕まった者もまたゾンビになる、時間が経つほどゾンビの数は増え続け、もはや生き残りが何人残っているのかも分からない。
「俺は嬢ちゃんの世話係、例えゾンビになってでも嬢ちゃんを守ってみせる……!」
「カラスくん……」
どこもかしこもゾンビだらけ、迂闊に外に出ては危険だ。カラスは注意深く周囲を探り、事態を打破する道を探る。
そんないつになくシリアスな表情を浮かべている彼の横顔に、祇伐は上手く言葉をかけられないでいた。
主に、そう、悪戯心のせいで。
「でも、いつまでもここに隠れてはいられないわ!」
このまま潜んでいても見つかるのは時間の問題、というか身を潜めてばっかりでは退屈、そんな調子で、祇伐は隠れ場所から飛び出した。
「嬢ちゃん! 駄目だ! そんな闇雲に動くのは……嬢ちゃんはやたらとキラッキラしてんだから!!」
『この輝きは……!』『居たぞ、生存者だ!!』
「ほら見つかった!」
あっという間じゃないか、と嘆くような呆れるような声を上げたカラスに、祇伐はせめてもの抵抗を試みる。そもそも、あのゾンビ達がすぐ近くまで来ていたのは、何かを察知していたからのはずで。
「……ち、違うもん、これはカラスくんの声が大きかったから……」
「え? 気のせいだろ」
こちらはこちらでするっと流した。何にせよ責任の所在を求めている時間はなさそうだ。
「走れ! 逃げるぞ!!」
カラスは祇伐にそう促して、ゾンビの蔓延る街を駆け始めた。
「大丈夫だ、俺が守ってやるからな!」
「う、うん……!」
ゾンビ達を引き付けるように先行するカラスは、投擲されたゾンビ玉を華麗に躱しつつ、より適切な逃走ルートを確保していく。世話係の本分を全うするかのように彼女を導き、時には祇伐を抱えてゾンビ玉の雨から身を躱す。
多勢に無勢にも関わらず、飛んで跳ねて、塀をよじ登ってでも追跡を遮る彼は襲い来るゾンビの群れを寄せ付けない。
「はは! 俺達を捕まえようだなんて100年はやいぜ!」
たかがゲーム、しかしこういうのこそ本気を出して楽しまなくては。大体ゾンビ側にもディアボロスが混ざっている可能性もあるのだし。
柄にもなく大人げもなく立ち回る彼の様子を、共に逃げる祇伐もまた楽しんでいた。楽しんではいた、けれど。
「カラスくん見て、あっちに――」
「お、ゾンビが居たか?」
「――えい!」
立ち止まり、振り返った。そんな彼に向かって、祇伐は隠し持っていたゾンビ玉を投げつけた。
「なっ──!」
「私からのトリックといったら許してくれるかしら?」
どういうことだ、嬢ちゃん。見開いた彼の目には、悪戯気に咲う彼女の顔が映っていた。
「ふふ、ゾンビカラスくんもイケメンさんですね」
「そ、そんな……嬢ちゃん」
緑とピンク、ゾンビ色に染まり行く視界の中でカラスが言う。それに応える祇伐の笑顔は、裏切ってなお眩く輝いて見えた。
「生き残るのはひとり、つまり──ね?」
「う、裏切ったな……!」
だってあのままだと圧勝しちゃうし。これはこれで彼女の気遣いなのかもしれないが、まあ半分はこっちの方が楽しいという動機が占めていそうではある。
「さあ、鬼ごっこですよカラスくん」
ここまでおいで、と誘うように身を翻し、彼女はカラスを手招いた。
「ゾンビさんこちら、でいいのかしら?」
「逃がさねぇよ!」
さて、鬼ごっこなどいつ以来か。懐かしいような感覚に笑みを零しながら、ゾンビ従者と化したカラスは、祇伐を追って走り始めた。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【ハウスキーパー】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!
ジェイ・スオウ
六宮(g01325)にHWの催しに誘われたケド‥モ?
誘っておいて何処にもいねージャン?
折角可愛い中華天使な仮装してきたのにナ
マッテ?何ココ‥
ろくみゃ?ドコ‥?
変な音シナイ?変なうめき声‥?
ギャア!バカバカ!ノーホラー!ノーゾンビ!!
オレ、怖いのチョットダケ…ほんの少しダケ苦手だって言ッタジャン!?
遠目から様子を窺って、って…ン?
何あのゾンビ‥?
怖くナイ…可愛いまでアル!
逃げてた生存者のコ達を追いかけて隠れる場所までついて行コ
皆お菓子をドウゾ♡詳しく教えテ?
後、六宮って復讐者を見なカッタ?
‥て、殺気?!
デッカゾンビ!
おい六宮ジャネーカ!何そのヤる気凄ナイ?
あっブネ!子供達まで使ッてオマエ!?
折角の衣装が、うわあぁッ!!
無事?ゾンビになったオレは、六宮のいる一帯を【泥濘の地】にして、『演説』で子供達を口説ク!
「あの海賊天使が一番悪いボスだからルール無用!もっと泥んこ&カラフルにシチャッテ♡」
全員ドロドロになって凄い笑って皆と仲良くなれたしサイコー♡
「アハハハ!ヤバイ!男前にナッタナァ六宮♡」
六宮・フェリクス
ジェイ(g10376)と!
海賊サマだぞ〜♪金銀財宝ついでにお菓子も置いてけッ!!…あ、子供らにはコレな〜、コインチョコ。おにーちゃんも遊びにいーれてっ♪「子分」って呼んでいい?よろしく〜♪
…さーて、ジェイにあんま詳細伝えずに誘った理由が、「ここ」にある
そう。……ゾンビ側がやりてぇんだオレは!
ジェイにはないしょっ!アイツのことだから察してそうだけどな!
……ディアボロス相手なら、そんなに遠慮ナシでいいんだよなァ?
まぁまぁ、ここはお兄さんにまぁーかせとけって♪
『精神集中』…呼ぶ声を頼りに〜…『投擲』活かしてジェイを、狙い、撃つッ!!
外そうが構わんッ、こっちに意識向けられりゃあとは…頼むぜ子供…じゃねーな子分ッ!!やったれェーッ!!
お前もゾンビになるんだよォ!アーッハッハッハ!!
…あっこのっ!当たっただろ今のっ!
投げ返してくんな!!コラ!えっ倍返しどころじゃなくない!?ルール守れーッ!!(翼でガード)
●ルール無用
徐々に界隈はビビッドな色合いに染まり、ゾンビが勢力を伸ばしつつあるこの街に、ついに海賊が上陸した。
「海賊サマだぞ~♪ 金銀財宝ついでにお菓子も置いてけッ!!」
ということでゾンビ達の前に姿を現した海賊こと六宮・フェリクス(An die Freude・g01325)は、第三勢力よろしく略奪者っぽい宣言をしていく。
『ええっ、なにそれずるい』『ゾンビ玉しかないよ……?』
「あー……じゃあしかたねえな」
どうやらフェリクスが現われたこの辺りには子供のゾンビしかいないらしい。となると略奪よりは……と頭を少し悩ませた彼は、持っていた財宝、もといコインチョコを差し出した。
「だったら、そこのゾンビ達にはこれをやろう」
『え、いいの?』
「その代わり、しばらくオレの子分になってもらうぜ?」
『ふーん、こようかんけいってやつ?』
「詳しいじゃねえか、じゃあそういうことでよろしく~♪」
そんな感じでませた子供のゾンビ達をリクルートし、フェリクスのゾンビ海賊団は侵攻を開始する。
『いくぜおやぶん!』『それで、どこいくのー?』
「まぁまぁ、ここはお兄さんにまぁーかせとけって♪」
早速ゾンビ色に染まったフェリクスが目指すのは、そう。呼び出しておいた『彼』のところだ。
「六宮のやつ、誘っておいて何処にもいねージャン……?」
ということで、ジェイ・スオウ(お茶友・g10376)は完全に待ちぼうけを食っていた。せっかく可愛い中華天使な仮装もしてきたのに、一向に姿を現す様子がない。というかパーティ会場と言う割に、周囲に飾り気もなく殺伐とした雰囲気が漂っているのはナゼ?
「どうなってんのココ……」
六宮はどこに居るんだ。何やら時間が経つごとに周囲は騒がしくなってきている。しかしそれはパーティの喧騒と言うにはほど遠く、変な音とか悲鳴とかうめき声のように聞こえるのだが。
「ギャア! バカバカ! ノーホラー! ノーゾンビ!!」
通りを覗き見てみると、案の定スプラッタな色をしたどろどろゾンビ達が元気に徘徊していた。
「オレ、怖いのチョットダケ……ほんの少しダケ苦手だって言ッタジャン!?」
呼び出し元のフェリクスからはこんなこと聞いていなかった。なにこれどうすればいいの? 隠れて周囲を窺いながら、ジェイはこの状況をどうすべきか思案する。
「……ン?」
と、遠くから探りを入れていると、次第に状況は掴めてきた。最初はゾンビのどろどろ顔に引いていたが、ちゃんと見れば塗料を被っただけの即席のものだとわかる。怖がるほどのものではない、というか可愛いまである。
「あれは……生存者かナ?」
そんな中で見つけたまだゾンビ化していない人達……生存者側のパーティ参加者を追って、ジェイは通りを隠れ進んでいった。
――皆お菓子をドウゾ♡詳しく教えテ? 後、六宮って復讐者を見なカッタ? 追い付いた彼等のもとで情報収集に回ったのも束の間、背後から迫る殺気に気付いて、ジェイは咄嗟に身を躱した。
飛来したのはゾンビの投げるカラーボールだ。すんでのところでジェイが回避したそれは、他の生存者に当たって中の塗料を撒き散らす。
「はっはァ! よく避けられたな、褒めてやるぜ!」
「デッカゾンビ!」
振り返ったそこには、いかにも尊大な海賊ゾンビの姿が――。
「っておい六宮ジャネーカ!」
ついに合流、と言いたいところだがフェリクスは既にゾンビと化しているし、殺気とヤる気に満ち溢れている。
「だがこれは躱せるかな? かかれ!!」
「あっブネ!子供達まで使ッてオマエ!?」
親分の指令を受けた子供ゾンビ達がワーッと群がり、さすがのジェイもこれには対抗の術がない。
「お前もゾンビになるんだよォ! アーッハッハッハ!!」
「折角の衣装が、うわあぁッ!!」
あえなくゾンビ玉の直撃を食らい、ジェイもまたゾンビとなった。フェリクスの勝ち誇った高笑いがこだまし――しかしながら、そこで終わりとなはならなかった。
「……あ?」
いつの間にやら足元に泥濘の地の効果が展開され、移動がしづらくなっていることに、フェリクスが気付く。すると。
「あの海賊天使が一番悪いボスだからルール無用!もっと泥んこ&カラフルにシチャッテ♡」
「おいお前何やって……あっこのっ! 当たっただろ今のっ!」
大人しくしろ、と訴えるが、ジェイはそのまま子供のゾンビ達を誘って反撃に出た。
「投げ返してくんな! お前らも雇用関係はどうしたんだコラ! ルール守れーッ!!」
その辺りはろくに説明しないで誘い出したこっちも悪い。ワーッと再突撃を開始した子供達は、今度はフェリクスへと襲い掛かる。
「えっ倍返しどころじゃなくない!?」
「アハハハ! ヤバイ! 男前にナッタナァ六宮♡」
ガードに回した翼までゾンビに色に染まったフェリクスの姿に、ジェイが愉快気に言う。こうまでされてはフェリクスも当然やり返しに走って――その場はゾンビ同士が染め合うしっちゃかめっちゃかの事態に陥った。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【猫変身】LV1が発生!
【照明】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
レジーナ・ネイサン
【CANVAS】
いくぞトト、ブラシ
唯一人残ったギィースを何としてもゾンビにしてやるんだ
私があっという間にトトとブラシの連投でゾンビになったのが悔しかったとか、そういう事じゃないぞ??
これはゲームだからな、うんうん
ギィース……みいぃつけた
あなたをゾンビに彩ってあげる!
逃げていくギィースに向け、
エアライドを駆使して空中から多角的に投球
これを避けるとか背中に目でもついてんの?
クソッ、背ぇ高いくせにちょこまかと!(完全に悪役のセリフ)
逃げるな!いや、本気で逃げろ
手加減されたら悔しいのでね!
はあ、全然当たらない…
だが視界にその赤い髪が入ればすぐに判る
伊達に長らく一緒には居ないからな
――見つけた!
ダッシュして両手を伸ばして、後ろから抱き着く
今だトト、ブラシ
私に構わずに放て!!
良し、当たったか?
巻き添えのインクでべとべとになりながらギィースの様子を……
ええぇ人形?変わり身の術ってやつ?
気の抜けた人形の顔がまた腹立つ!
あっちか!
お望み通りまだ続けようじゃない
諦めずに追うよトト、ブラシ
絶対に掴まえてやる!
ギィース・エレクレ
【CANVAS】
ゾンビ側のトトとブラシちゃんは何処かなぁ?
あの二人は小ちゃいしスピードあるから厄介だからね
アレ?そういえばレジーナちゃんは?
一緒に行動したら二人とも共倒れになると
二手にわかれたんだけど
あっ、レジーナちゃんみっけ!
彼女の身体にカラーが見えて
あーー!レジーナちゃんゾンビ化してるぅぅ!
なるほど、トトとブラシちゃんにやらてたんだね!
ん?笑顔でこちらに向かってる?手にはあのカラーボール
わぁーー!俺ってば狙われてる!
悪い姿のレジーナちゃんも可愛い!!
わぁ!怖いよー!といいつつ、楽しげにひょいひょいと逃げ回る
レジーナちゃんにならゾンビになっても良いだけど
と油断してると後ろからハグが!
きゃっ、レジーナちゃんてば大胆!
トトとブラシちゃんからの攻撃…
あーー、当たった
なーんてねとレジーナちゃんが抱きしめてるのは俺の似せたお人形(顔はへのへのもへじだが)
ふふふっ、まだまだ遊ぼー
手を振ってこっちだよーと合図する
だってレジーナちゃんと遊べる時間が無くなるの寂しいもの
だからレジーナちゃん色に染めてね!
●色染
ハロウィンパーティ、というには些か物騒な、ゾンビと生存者が鎬を削るこの街を、ゾンビモーラットとゾンビクダギツネが疾走していく。彼等が追うのは生存者である赤い影、ギィース・エレクレ(誘惑の道化師・g02447)だ。狭い路地や障害物を苦にしないその動きは、相手がディアボロスでも十分に通用するもので。
「あの二人は小ちゃいしスピードあるから厄介だね」
発見された以上、恐らく振り切るのは至難の業だろう。けれど特に悲壮感もなく、ギィースは逃走しながら辺りを見回していた。
「レジーナちゃんの方は大丈夫かな?」
一緒に行動していると共倒れになる恐れがあることから、二手に分かれたレジーナ・ネイサン(灰色キャンバス・g00801)――彼女のことは心配だけれど、この場合便りがないのは良い知らせと考えるべきだろう。
「ギィース……みいぃつけた」
「あっ、レジーナちゃんみっけ!」
まあ、こうしてすぐに合流できてしまったわけだが。ブラシとトトの後方、姿を現したレジーナは既にゾンビカラーに染まっていた。
「レジーナちゃん、またすぐに会えて嬉しいよ!」
「すぐに、ではなかったと思うな私は……!」
それだと二手に分かれた後、あっという間に捕まったみたいじゃないの。抵抗を試みるレジーナだが、実際あっという間に捕まったので、浮かべた笑顔も少々苦しい。
「いくぞトト、ブラシ! ギィースを何としてもゾンビにしてやるんだ!」
「えっ」
完全に徒党を組んで連携してくる構えだ。状況を察して、ギィースは速やかに踵を返した。
「安心して、あなたもすぐにゾンビに彩ってあげる!」
「わあ、悪い姿のレジーナちゃんも可愛い!」
さて、その余裕がいつまで続くか。トトとブラシの追走で逃げる経路を誘導し、レジーナ自身は空中に上がって、多角的な投球でギィースを狙う。緩急織り交ぜた投球は確実に獲物を仕留める……はずだったが、何かすんなりと避けられた。
「ええ……?」
ただの偶然? それとも背中に目でもついてんの? とはいえ諦めるわけにはいかない、今度こそはとその背中を追って。
「クソッ、背ぇ高いくせにちょこまかと!」
「わぁ! 怖いよー!」
続くボールも、飽くまで楽し気な様子のギィースには届かない。
「逃げるな! いや、本気で逃げろ! 手加減されたら悔しいから!」
「あはは、難儀だねえ」
別にレジーナちゃんにだったら捕まってもいいんだけど、と余裕を崩さないギィースに、レジーナが歯噛みする。
何度やっても全然当たる様子がない。ブラシも微妙に「次の作戦ないの?」という目で見てきている気がするので、レジーナは方針を切り替えた。
空中から急降下するようにして着地、目にも止まらぬ速さであっても、視界に入った赤い髪を見逃しはしない。余裕か油断か、逃走の足を緩めているギィースに向かって、レジーナはダッシュで飛び掛かった。
「きゃっ、レジーナちゃんてば大胆!」
両腕を回し、抱き着く形で捕獲する。一時的にせよ、これならば逃げられまい。
「今だトト、ブラシ! 私に構わずに放て!!」
身を呈した作戦に応えて、トトとブラシがカラーボールを投下する。まとめて降り注いだそれが割れ散って、一帯を緑とピンクの色合いに染め上げた。
当然レジーナ自身もさらなるどろどろゾンビ化に見舞われたが、これで目の前のギィースも――。
「ええぇ人形?」
腕の中にあったのは、顔にへのへのもへじの書かれた人形だった。変わり身の術とか使えたの? とにかくへのへのもへじと見つめ合っていても仕方がないので、本人ならぬ人形を放り投げた。
「ふふふっ、まだまだ遊ぼー」
「……あっちか!」
見れば、無事な様子のギィースがレジーナに向けて手を振っている。勝負がついてしまえば、この時間もお終いになってしまうだろう。彼は、まだまだ遊び足りないようで。
「諦めずに追うよトト、ブラシ! 絶対に掴まえてやる!」
「ふふ、できるかな?」
その身がレジーナ好みの色に染まるまで、まだまだ時間がかかりそうだ。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】がLV2になった!
【友達催眠】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV4になった!
【能力値アップ】がLV4になった!
喩・嘉
【鳳】の仲間たちと、ゾンビ側と生き残り側に別れてゾンビ化ゲームで遊ぶ
※アドリブ歓迎。年上に対しては敬語
俺は生き残り側から始めよう。
萬さん、蛇さん、シャムスと、ゾンビ側になった皆が強いんだよな
皆、潜むのが上手いので不意打ちに注意しなければ
特に曲がり角などでは物陰に注意……などと言っていたら、すでに萬さんが紛れ込んでいた
酒を要求するゾンビって聞いたことありませんよ
ソレイユの逃げっぷりがかなりの本気だが。
まあ主にはディアボロス同士だからな。多少なりとも本気になってもいいだろう
距離を詰められたら【泥濘の地】で追手の進行を妨げ、その隙に逃げる
幸児が壁になってくれたら、「すまない幸児! 絶対に助けに戻る」などと演技がかったセリフを言いつつちゃんと逃げる。
ゾンビになってしまったら、翅を羽ばたかせ【飛翔】をしつつ、上空からの絨毯爆撃。
空飛ぶゾンビってどうなんだろうな。
一般人に対しては地上に降りて、優しく投げよう。
皆で楽しんでこそのハロウィンパーティだからな。
守都・幸児
【鳳】の仲間たちと、ゾンビ側と生き残り側に別れてゾンビ化ゲームで遊ぶぞー
※アドリブ歓迎
俺は生き残り側から始めるぞ
だが敵は強力だ
皆を守るために俺は犠牲になる覚悟だぞ…っ
「俺を置いて先に行け」
迫るゾンビたちを前に【セルフクラフト】の壁を作って立ちはだかり
皆を逃がす時間を稼ぐ
きりっと決めるぞ
「必ず、生きてまた会おう」
笑顔で皆を見送り一人残る
こういうの、やってみたかったんだよなあ
だがいくら最終人類史の残留効果でも
セルフクラフトの壁くらいならディアボロスの皆は軽く乗り越えられちまうんだよなあ
というわけで抵抗虚しくゾンビになる俺だぞ
うわー
ゾンビになったらセルフクラフトの壁は安全のために消して、一般人にまじって楽しむぞ
がおー
俺はゾンビらしいゾンビになって腕を上げてのろのろ迫るぞ
でも【鳳】の仲間の生き残りを見つけたらダッシュで追いかけるっ
再会を誓った仲間がゾンビになってたって展開は物語なら悲しいが
これはゲームだから楽しもうっ
思いきり笑ってはしゃいで
皆を色とりどりにしてやるぞ
さあ、一緒にゾンビになろうなあ
鳴・蛇
【鳳】の仲間たちと、ゾンビ側と生き残り側に別れてゾンビ化ゲームで遊びます。
最初期の感染者としてゾンビ側で登場
残した知能は巨獣並みの設定なので対話能力はない
『大荒舊錄』を使って四翼大蛇の姿になり、始まる前にしっかり化粧して、ゾンビ化したB.O.W.(Bio Organic Weapon)として生き残りの人達を襲う。
理性の光が輝く金色の瞳は、今は食欲と残虐に覆われた。
人々を庇う真っ白な四翼は、今は骨まで枯れて腐れてゆく。
彼の自慢なる銀色の鱗皮は、今は赤色の血肉がむき出し緑い膿が出続けている。(赤色と緑は塗料です)
(以上全部化粧です)
ゾンビ化ゲーム始まった初期で冬眠のような感じで町の川中に眠る、周辺は生存者が来たら鐘のようなほえる声を出し、川から姿を現れ、生存者達を追う。
普通の蛇のような、生存者の味と体温を感知して追撃、一般人の方もあるから追撃速度をしっかりコントロールします。
適当に何回街中の雑物やバリケードなどに阻まれるとか、餌や大きな音に気を取られるとか、生存者に逃げるチャンスを与える。
ソレイユ・クラーヴィア
【鳳】
アドリブ歓迎
ゾンビと人間の2チームでゲームをします
私は人間側
全力で逃げますよ
妙に鮮やかすぎるゾンビ(シャムス)が居ますね…
ゾンビには詳しく無いので
出会った際、どういう行動を取ると生存率が上がるのかを調査すべく某生物災害な映画を見てきました
入り口が限られた建物内に逃げ込むのが良さそうですね
逃げる喩嘉にも、こっちですよ、声をかけます
建物の開口部をセルフクラフトで塞ぎ、更に迷宮化も発動
時間を稼いでいる間にエアライドでどんどん上の階に逃げます
映画では最後にヘリコプターが迎えに来ていたのですが、ロケットランチャーが無いと駄目な感じです?
いかに素早く逃げるかに注力
幸児のキメ台詞には「約束ですよ、破ったら承知しませんからね!」と返しておきます
屋上まで追い詰められたら、迷わずジャンプ
落下耐性と壁歩きで隣のビルに逃げましょう
ゾンビになったら狼変身して、ゾンビ狼になります
カラーボールを咥え、窓ガラスを突き破って室内に突入して驚かしたり
匂いを辿り隠れている人を探し、ゾンビ仲間に遠吠えで知らせますね
伏見・萬
【鳳】で参加(アドリブ歓迎)
(仲間は苗字呼び。喩嘉と鳴蛇は「喩嘉」「鳴蛇」)
ゾンビ側と生き残り側に分かれて、ゾンビ化ゲームに参加
俺はゾンビ側で。元々ゾンビみてェなもんだし
映画等のゾンビっぽく、呻きながらふらふら
一般人相手の追跡や攻撃は手加減有(塗料のボールを、わざとぎりぎりで外れるように投げる等)
ディアボロス仲間相手には容赦しねェぜ
ゾンビっぽいふらふらと【エアライド】を絡めた立体的な動きを組み合わせ、緩急つけて追いかける(だいぶ不気味)
「仲間がぼんやり佇んでる…よく見たらもうゾンビになってた!」ってのやりてェな。ホラー映画みてェな。
(攻撃に移るのは、皆の反応を楽しんでから)
あァ…うゥ…酒寄越せェ…酒ェ…ねェならおめェも、俺と同じになれェ…
(※本当に酒を出されたら、素で釣られる)
酒を欲しがるゾンビはなァ…イるンダよォ…ここにナァ…!
「生きてまた会おう」…かァ。
守都ォ…俺にゃァもう…できねェ約束だァ…
大丈夫…皆すぐ同ジになッかラよォ…(悪役風に守都を追い詰める)
ほラ…皆に会イに行コウぜェ…?
孫・リア
【鳳】
生き残りチームからスタートするよ!よーし!ゾンビにはならないわよー!絶対に逃げ切ってやるわ!………勿論ディアボロス以外には手加減するわよ……逃げるけどね!
【士気高揚】して同じ生き残りチームの皆の士気を上げるわよ!皆で生き延びる!協力などしつつ地形や建物を把握しながら逃げて行くわ、使えるものは使って利用できるものは利用する!あとはパルクール?だっけ?建物の合間をぬって飛んだり登ったりして逃げる!
ゾンビスタートの皆はそれはそれは歴戦のゾンビ……一筋縄じゃ行かないしディアボロス以外の人達はたちまちゾンビにされちゃうと思うわ……申し訳ないけど私はゾンビになっちゃった人を見捨てるわよ!士気上げておいてなんだけど今回の目標は一人でも生き残る!(心の中で決意)
ある程度後半になったら空飛んできたり不意打ちとかしてくるだろうから警戒を怠らずにしっかりと避けたり隠れたりするわ
……まぁそれでもゾンビになってしまったら……全力で生き残りを襲っちゃいましょう!
やっぱりハロウィンは楽しいわね!
【アドリブ歓迎】
シャムス・ライラ
【鳳】
ゾンビと人間に分かれてゲーム
私はゾンビ側で
ゾンビは即ち死体
そして私はリターナーなので間違ってはいない!
諜報員は顔出し不可につき
愛用の太陽仮面を着用しておりますが
カラーボールを浴びて立派なゾンビカラーに
何て鮮やかな色合いの死体
マミーとは一味も二味も違いますね
さぁ、皆さまもご一緒に
ア“ア“ア“ア“ア“
我ながら良い発声
え、仮面が目立つ?
それはもう楽しむ気満々ですので
高――――――くカラーボールを放り投げると
うきうき生き残りを追いかけますよ
貴方もゾンビにおなりなさーい☆(←潜んでいない)
【泥濘の地】も【エアライド】で軽やかに踏み越え
セルフクラフトの壁を踏み台にジャンプ
高い所に張り付いて、生き残り発見
高速で追いかけましょう
地上に気を取られると良いと思うのです
忘れた頃に高――――――く頬り投げたボールが落ちてきてあたるのも
また楽しからずや
建物に入りましたか
じゃあ、各部屋入口にカラーボールをさりげなく転がして
踏み割ってもゾンビカラーですから
一般人の方には程々に手加減いたします
アドリブ等歓迎
文月・雪人
【鳳】
※アドリブ大歓迎
皆と一緒に、ゾンビ側と生き残り側に別れてゾンビ化ゲームで遊ぶよ。
俺はそうだね、どちらの状況も楽しめそうな生き残り側から始めよう。
袋小路に追いつめられると大変だしね、事前に近辺地図を頭に入れておきつつ、
時折【スーパーGPS】で現在地を確認し、適した逃げ道を選んで進む。
曲がり角の先など、ゾンビが潜んでいそうな場所は、
隠密行動が得意なクダ吉に偵察して貰いつつ先へと進むよ。
屋上の給水塔の陰など、【光学迷彩】で上手く隠れられそうな場所を見つけたら、
休憩がてら偵察用の【フライトドローン】を飛ばして、全体の状況を確認する。
皆の楽しんでいる様子を、動画にも確りと撮っておきたいな。
しかしゾンビチームのゾンビっぷりもまた、それぞれに個性が出るものだね。
もし萬に見つかったら迷わず【トラップ生成】を。
美味しいお酒の罠に気を取られている隙に、ダッシュで逃げる!
そう易々と捕まるつもりは無いけれど、
ゾンビになったら、カラーボールと一緒にカメラも持って最前線へ。
より迫力のある映像が撮れそうな予感?
●劇場版鳳
「よーし! ゾンビにはならないわよー! 絶対に逃げ切ってやるわ!」
ゾンビ化ゲームの会場となった街の一角に、孫・リア(勇武と炎を胸に秘めて・g03550)の声が響く。普通にやればディアボロスが圧倒してしまうであろうこのゲームだが、今回は事前にゾンビ側に回った仲間も居る。仲間内でチーム分けをした彼女等にとっても、やり応えのある戦いとなるだろう。
「とりあえず、現在位置はこの辺りだね」
用意した会場の地図にスーパーGPSで現在地を表示して、文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)が周囲を見回す。生存者として逃げる上で、袋小路の存在は死活問題である。事前にその辺りを確かめてから、彼はどちらに移動するか吟味を始めた。
「できるだけゾンビの少なそうな方向に行きたいよね」
「とりあえずは、狭くとも視界の通りにくい場所を進みましょう」
ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)もそれに加わり、即席のルートを策定していく。ここまで入念に下準備に時間をかけているのは、もちろん『敵』の脅威度を加味した結果である。
「皆、潜むのは得意なはずだ。進むにしても不意打ちに注意しなければ」
「ええ、ゾンビスタートの皆はそれはそれは歴戦のゾンビ……一筋縄じゃ行かないと思うわ」
喩・嘉(瑞鳳・g01517)の見立てにリアが頷く。強敵があるがゆえに、油断なく、あらゆる事態を想定していかなくてはならないだろう。守都・幸児(祥雲・g03876)もまた、彼なりの決意を胸にして。
「いざとなったら俺が皆を守るからな……!」
「頼もしいが……そうならないように努めたいところだな」
「そうね、皆で生き延びるのよ!」
一行を鼓舞すようにリアが言って、ついでに周囲の一般人達の士気も上げておく。
とにかく、今は先に進もう。行先を決め、移動を開始した雪人達に続くように、喩嘉が幸児を促す。それを聞いた彼もまた、後続のメンバーに移動を開始するよう声をかけて。
「さあ行こうぜ、ゲームの始まりだ」
しかし、声が聞こえていたはずの彼に動く様子はない。ぼんやりと佇んでいるように見える後ろ姿に、幸児が駆け寄り――その途中で、『それ』に気付いて足を止めた。
「あァ……うゥ……」
ゆっくりと幸児の方へと振り返った伏見・萬(錆びた鉄格子・g07071)、その顔は既にゾンビの色に染まっていた。
「くっ、既に紛れ込んでいたか……!」
「皆、ゾンビが来てるぞー!」
仲間へ警告の声を投げながら、喩嘉と幸児が後退する。そんな彼等に向かって、萬はふらふらと動き出した。呻く声も、不吉ながらゆっくりとしたその動きも、割と堂に入ったものなのだが。
「酒ェ……酒寄越せェ……」
「は?」
「酒を要求するゾンビって聞いたことありませんけど」
「イるダろうがよォ……ここにナァ……!」
彼らしいと言えば彼らしいが、そんな欲望だだ漏れの訴えをされても困る。
「大体、それじゃいつも通りじゃないですか?」
「うるせェ……俺なンざ元々ゾンビみてェなモンだロ……」
それはそれで反論も飛んできそうなところだが、それらと一緒にぐだついた空気を吹き払うべく、萬ゾンビが咆哮する。
「酒ェ……ねェならおめェも、俺と同じになれェ……!!」
「仕方ない、今は逃げるか」
「走れ!」
とにかくここまで距離を詰められているのはまずい、襲い掛かってくるゾンビが逃れるべく、生存者達は一斉に走り出した。
「待ちヤガれェ……!」
それに追走する萬は、ふらふらとした仕草から一転、強い踏み込みからエアライド効果で空中へと駆け上がり、立体的な軌道で迫る。緩急付けた不気味な動きに脅かされながらも、先頭を走る雪人は的確に進路を定めていく。
「よし、こっちだよ!」
先行させていたクダ吉からの情報を元に、他のゾンビが待ち受けている道と、先程頭に叩き込んだマップから袋小路を避けて進む。しかし、いくつか目の角を曲がったところで、待ち受けるゾンビと出くわしてしまった。
「妙に鮮やかすぎるゾンビが居ますね……」
ソレイユがそう呟くのも無理はない、そこに居たのはシャムス・ライラ(極夜・g04075)……特徴的な眩しい太陽仮面が、今回はゾンビ用塗料も付け足され、さらにカラフルなことになっている。そう、単色で地味なマミーとは一味も二味も違うのだ。
「ア“ア“ア“ア“ア“」
こちらはこちらで全力で楽しむ構えなのだろう、愉快な太陽仮面の下からゾンビっぽい濁った叫びが響き渡る。こちらはこちらで厄介だが、後ろからも萬ゾンビが迫ってきている。この挟み撃ちの状況を打破すべく、雪人はトラップ生成の効果を展開した。
「そんなにお酒が欲しいんだったら――!」
萬ゾンビの視界の先に設置されたのは、美味しいお酒を釣り餌とした罠である。
「なンだよ……あルノかよ酒ェ……!」
ゲームの演出というよりほとんど素の様子、何にせよ萬がそちらに釣られた隙に――。
「散開しよう!」
このまま一塊で居ては埒が明かない、残った追手を撒くために、一行はそれぞれの方角へと駆け出した。
●
一時的に分かれ、追手を撹乱することに成功した生存者達。だが当然ながらゾンビ側も、それで足を止めるわけではない。幾つかの方角に分かれた生存者の中から、一番人数の多いグループへと狙いを絞り、すぐさま追走を再開していた。
「ア“ア“ア“……!」「うゥ……もっと……酒ェ……!」
唸る太陽仮面に酒瓶を抱えたゾンビが続き、さらに後ろには一般人のゾンビが大挙して続く。そんな彼等に追われた喩嘉と幸児を、ソレイユが「こっちですよ」と先導していく。
「私はゾンビには詳しくないので――どういう行動を取ると生存率が上がるのか、ゾンビ映画で予習をしてきました」
「なるほど……?」
「すごいな! それで、こういう時の対策は?」
「入り口が限られた建物内に逃げ込むのが良さそうです」
入口が狭ければ妨害もしやすい。今回のように相手の数が多いならなおさらだ。周囲にあったビルのひとつへと狙いを定め、そこへと逃げ込む。ソレイユがセルフクラフトで壁を生み出し、喩嘉は泥濘の地でそう簡単には通り抜けられない地形を作り出す。そしてそこで、幸児は足を止めて振り返った。
「幸児……!?」
彼の積み増したコンクリートのブロックは、彼自身の逃げ場さえも塞ぐようにして、行く手を遮る砦を成す。
「俺を置いて先に行け」
そして静かに、決意を込めてそう告げる。皆のために犠牲となる覚悟――それは嘘ではないと示す時が来たのだ。
「必ず、生きてまた会おう」
一度だけ笑みを浮かべながら振り返って、幸児はキメ顔でそう言った。
「すまない幸児! 絶対に助けに戻る」
「約束ですよ、破ったら承知しませんからね!」
喩嘉とソレイユの完璧な返答を背中で聞きながら、幸児はどことなく満足気に頷く。多分これを言ってみたかった者は何人も居るだろう、勿論幸児もそのうちの一人である。だがその時間も、そう長くは続かなかった。
「生きてまた会おう……かァ」
「泣かせますねえ」
泥沼と化した地面も分厚いコンクリの壁も、相手がディアボロスであればそこまでの障害にはならない。速やかにそれらを跳び越えてきたシャムスゾンビと萬ゾンビが、幸児のもとへと迫っていた。
「守都ォ……俺にゃァもう……できねェ約束だァ……」
そう、ここから「実は生きていました」という展開をやれるほど相手は甘くない。じり、と幸児が後退った分だけ、ゾンビ達は距離を詰めて――。
「大丈夫……皆すぐ同ジになッかラよォ……」
「う、うわー」
幸児の悲鳴が、ビルの中にこだました。
「これはまさか……」
階段の上方でそれを耳にした喩嘉は、吹き抜け状になったそこを見下ろす、すると。
「ほラ……皆に会イに行コウぜェ……?」
「がおー」
一階をのろのろと、ゾンビっぽく歩く二人を発見した。
「やはりダメだったか……」
「仕方ありませんね」
追ってくるのが敵だけとなれば手加減は無用、ソレイユは速やかに建物内に迷宮化をしかけ、自らはエアライドを駆使して素早く上階へと上がっていく。階段の出口にはセルフクラフトも積み増して。
「逃げっぷりが堂に入っているな……」
ディアボロス相手ならこれくらいやってもいいだろう、かなり本気な逃げ方を見せるソレイユに感心しながら喩嘉が続く。そうして彼等は、ひとます屋上まで逃げのびた。
「映画では最後にヘリコプターが迎えに来ていたのですが、ロケットランチャーが無いと駄目な感じです?」
ひとまず周囲を見回したところで、二人は丁度『目覚めの時』を目撃する。
付近を流れている川の水面が割れて、そこからゆっくりと、巨大な蛇が姿を現したのだ。
「……すごいのが出てきましたね」
暴君じみた巨大生物が出てくるのもお約束ではあったが、予習で見たシリーズ映画の中にここまでのやつが出てくるのはあっただろうか。現れたのはゾンビ騒動の初期に感染し、川の中で眠りについていた生物兵器……という感じの設定の鳴・蛇(墓作り手・g05934)だった。
パラドクスによる演出で、四翼持つ大蛇と化した彼は、鐘のようなほえる声を響かせる。金色の瞳は食欲と残虐性に染められて、真っ白なはずの四翼は枯れて腐れてゆくばかり、銀の鱗も色濃い赤と緑に覆われて――やたら気合の入った化粧を施した様を露にして。
「でもあれでどうやってボール投げるんです?」
「さあ……?」
多分大多数の一般人は途方に暮れているだろうが、仲間内であるディアボロスからするとそういう反応になってしまう。だが、このタイミングで姿を現したこと自体に意味があったのだと、危ういところで喩嘉は気付いた。
「……しまった、外を登ってきたのか」
「あ、バレました?」
巨大蛇の登場シーンに気を取られている内に、シャムスゾンビが屋上まで上ってきている。そのまま背中にボールを当てれば完了のはずだったが、そこまで上手くはいかなかったか。
「まあここまで来れれば十分でしょう! 貴方もゾンビにおなりなさーい☆」
「逃げるなら……」「隣のビルだな?」
彼等の能力を以てすれば、屋上は袋小路ではない。そちらに逃れようとする二人に向かって、シャムスはゾンビ用のカラーボールを投擲する。足元に向かって放たれたそれを、二人は跳躍して躱し――。
「そのまま地面を見ていくださいねー☆」
地面に着弾したカラーボールが塗料をぶちまけ、緑とピンクの色が広がる。まあ当然というか、別段変わったことは起きなかったが、その代わりに、頭上から別のボールが降ってきた。
「なに……!?」
鳴蛇に注意が向いている隙に上ってきたシャムスだが、その道中で先んじていくつかのボールを上空へと投擲していたものらしい。そのうちの一つが、逃げる喩嘉の背中を刺した。黒い翅が、ゾンビ色に染まりゆく。
そして喩嘉とは別方向に逃れ、壁歩きを駆使して隣のビルに移ったソレイユは、そのままいくつかの外壁を経由してさらに隣へと映っていた。
そんな中、「こっちだよ」と呼ぶ声を耳にして、彼を屋上へと上がる。すると給水塔の陰に隠れていた雪人が顔を出して、手招いた。
「無事でしたか」
「うん、そっちの様子はドローンのカメラで追ってたんだけどね……」
さすがに助けには行けなかった、と言いながら、雪人は手元の端末を示す。そこには、ビル屋上に居る彼等の姿と共に、周辺を俯瞰した映像が映っていた。
「なるほど、これで周囲を見張っているわけですね」
「今はこの上にドローンを飛ばしてあるんだ。とりあえずは休めるはずだよ」
今回のパーティゲームの様子を撮影しておく、という意味も兼ねているのだが、実際のところこれで周囲をうろつくゾンビの様子は丸分かりである。この建物に入ってきたのなら、先程のソレイユのようにすぐに隣のビルへと逃げて行けば良い――はずだったが。
「……ん?」
ふと影が差した気がして、二人は同時に上を見上げる。そこには周辺を俯瞰するフライトドローンが浮かんでいて――さらにその上に、ゾンビ色に染まった蝶の翅が見えていた。
「空飛ぶゾンビってどうなんだろうな……」
思わずそんな独り言が漏れるが、ディアボロスが相手であれば容赦は要らないだろう。喩嘉は抱え持ってきたゾンビボールの箱をぶちまけて、絨毯爆撃を開始した。
●
翼を広げたゾンビ鳴蛇が飛来して、ゾンビカラーに染まったビルへと至る。先程の絨毯爆撃の名残だろう、色とりどりのそこに近づいた鳴蛇は、正気を失った獣のような爛々とした瞳で辺りを見回し――ちょっと考え込んだ後、おもむろに口を開いた。
「もしやほとんど終盤でありますか?」
「まあ、そう言っても差し支えないかと」
「後逃げてるのはリアだけだな」
シャムスと、上空から降りてきた喩嘉がそれに応じる。隠れていた場所が悪かった……というか生存者がそちらに逃げていく流れにならなかったのが主な原因だろうか、登場シーンではかなりのインパクトを残した鳴蛇だが、合流したところで知己達は概ねゾンビと化していた。
「少し残念、ではありますね」
巨獣を参考にした演技もかなり気合が入っていたのだが。若干肩を落とした様子の鳴蛇に、新たにゾンビに加わったソレイユが声を掛ける。
「映画でも、巨大生物が出てくるのは終盤の盛り上がりどころでしたよ」
「なるほど……」
「一理ある、か……?」
「それ納得していいの?」
唸る萬達に雪人が苦笑を浮かべて、最後に幸児がそろそろ行こうと先を促す。
「よし、じゃあリアを捕まえに行こうぜ!」
「参りましょうか」
「あ、乗せていってもらってもいいですか?」
えっ、俺も乗りたい。ならじゃんけんで決めましょうか。そんな風に、生存者のいない舞台裏でわいわいとやりながら、ゾンビ一行は最終決戦の場へと向かっていった。
ということで最後の生き残り、リアはと言うと、一行と逸れた頃合いにビルの合間、路地へと身を隠し、ゾンビの追走を防いでいた。幸いゾンビ達は生存者の人数の多かった幸児達を追っていったため、彼女は一人、危なげなくここまで耐えてきている。運が良かったと言えばそれまでだが、天運とそれに対する差配もまた、このゲームにおいては重要なファクターである。
「皆の犠牲は無駄にはしないわ……!」
そう、最初に士気を上げておいてアレだけれど、彼女の目標は「一人でも生き残ること」だ。ゾンビになってしまった者を助けられるルールもない以上、それこそが皆に報いる唯一の方法と言っても良い。
「――来たわね」
だがその安全な時間も、これまでのようだ。接近する気配を察してリアが視線を上げると、ビルの合間で鎌首をもたげる巨大な白蛇の姿があった。遥か高みにあるその頭の上には、シャムスゾンビの太陽仮面が燦然と輝いている。
「そろそろ観念していただきましょうか?」
「うわー、このアングルすごいね」
ついでにその後方には雪人も乗っており、最前線であるその場所でカメラを構えていた。このまま行けば、多分大迫力の映像が撮れるだろう。
轟々と特徴的な声で吠えて、蛇がその身を大通りに這わせるのに合わせて、リアもまた逃れる方向へと駆け出していた。
迫り来る巨体の圧力を背中に感じながら、障害物を跳び越え、走る。とはいえこのままではすぐに追い付かれてしまう、巨大怪獣から逃げるのならやはりこちらだ、少しでも大蛇の進行を遅らせられるよう、彼女は路地の奥へと進路を取った。
薄暗い路地裏には障害物が散乱している。しかしパルクールの要領で駆け抜ける彼女にとっては苦にならないだろう。だがそこに、廃ビルの窓ガラスを盛大にぶち破って、狼が飛び込んできた。
「匂いで追ってきたの……!?」
狼変身を遂げたソレイユは、奇襲が避けられたことを悟ると咥えていたカラーボールを捨てて、合図を送るように遠吠えを上げた。すると路地の奥から、萬と幸児がゾンビらしからぬ全力ダッシュで迫ってくる。
「そろそロ、お終イの時間だぜェ……?」
「さあ、一緒にゾンビになろうなあ」
「そうはいかない……!」
意地の悪そうなものとただただ状況を楽しんでいるもの、それぞれに笑みを浮かべたゾンビ達から逃れるように駆けたリアは、自ずと大通りの方へと戻ってきてしまう。
「残念だが、ここまでだ」
上空を塞ぐ喩嘉、そして待ち受ける大蛇。行くべき道は断たれたようにも見えるが。
「生き残ってみせるわ! 絶対に!!」
追い詰められた生存者、リアと、それを取り囲むゾンビ達。怪物から色物、そして正統派まで取り揃えたゾンビ達は、間合いを測ってタイミングを合わせ、実戦慣れした巧みな連携で襲い掛かることだろう。リアは果たしてそれを凌ぎ、切り抜けることが出来るのか。
クライマックスシーンが、今始まる――!
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】がLV3になった!
【パラドクス通信】がLV4になった!
【隔離眼】がLV2になった!
【口福の伝道者】LV1が発生!
【影忍び】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
【命中アップ】がLV5(最大)になった!
【能力値アップ】がLV7になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!
鳴神・雷羅
・ゾンビ側
・アドリブ、連携歓迎
仮装?は白塗りに口裂けルージュな悪魔メイクのヘビメタロッカー
そんなのが更にゾンビカラーを被ってるもんだからそりゃもう怖いのなんの!
一般人なら多少手加減はするが
ディアボロスが相手ならガチで勝負を挑むぜ!!
ハロウィン装飾や流れ弾ペイントでサイケに彩られた会場を
光学迷彩で周囲の光景に紛れながら進み
油断してる奴にカラーボールをお見舞いだ!
こりゃあれだ、ガキの頃に泥だらけになって遊んだことあったろ?
あの頃と同じよ。泥遊びなら汚れてナンボ。
何事も全力投球、真剣勝負があたいのポリシーさ
自分だけはお綺麗なままでいようったって無駄だぜ
ここに来た時点で覚悟完了してるんだろ?
ほら見ろ、一般人だってあんなに楽しそうに笑ってるじゃねえか
まさか多少汚れた程度で天下のディアボロス様がビビってるなんて言わねえよなァ?
お前もゾンビになるんだよ!
ヴォオオオオオオ!(地の底から唸るようなデスメタルボイス)
●天誅
それはまだ、ハロウィンパーティが始まって間もない頃、数少ないゾンビに対し、まだ無事だった頃の楓がある種の無双をかましていた。風塵魔術士の力を以てすれば、一般人の投げるカラーボールはほとんど防げてしまう。あまり目撃者もいない内に、ちょっとした全能感を味わっていた彼だったが。
「……はっ」
いやな予感を察知して、誰もいないはずの後ろを振り返る。飛んできていたゾンビ化ボールを倒れ込むようにして躱したそこで、光学迷彩で隠れていた鳴神・雷羅(獄道デスペラード・g02984)がハロウィン飾りの間から姿を現した。
「現れましたね、ディアボロスのゾンビ……!」
「おいおいさっきまでの勢いはどうした、腰が引けてるんじゃねえの?」
堂々と立つ彼女の顔は白く塗られ、口裂けルージュに悪魔メイクというヘビメタロッカーの仮装が為されている。さらにはゾンビメイク用の塗料で彩られたその姿は、他のゾンビとは一線を画す迫力を誇示していた。
プレッシャーによるものだろうか、顎を伝った汗を拭いながら楓が言う。
「中々……気合の入った仮装ですね」
「そっちはなんだ、『色』が足りてねぇよな」
対する雷羅は、当然まだまだ持っているカラーボールの一つを、手の裡で転がしてみせる。分かりやすい威嚇に、じり、と生存者が一歩下がった。
その分の間合いを詰めるように踏み出しながら、彼女は笑う。
「こりゃあれだ、ガキの頃に泥だらけになって遊んだことあったろ? あの頃と同じよ。泥遊びなら汚れてナンボだ。違うか?」
何事も全力投球、真剣勝負がポリシーだという雷羅の姿は、まさにそれを証明する色合いだった。そう、誰かさんと違って。
「散々無双してたみたいだがよぉ、自分だけはお綺麗なままでいようったって無駄だぜ?」
「くっ、いつから見てたんですか……!」
彼女の周囲の一般人ゾンビも「そうだそうだ」と言っている。頬を引き攣らせた生存者がまた一歩下がって、ゾンビが一歩前に出る。
「まさか多少汚れた程度で天下のディアボロス様がビビってるなんて言わねえよなァ?」
煽るような不敵な笑みに、相手もようやく覚悟を決めたか、踏み止まって――。
「いやでもほら! 説明時に率先して塗料を被った辺りで気概は示せたと思うんですよね」
「うるせええええ言い訳すんな! お前もゾンビになるんだよ!!」
なおも往生際の悪い事を言いながら全力で踵を返した楓に向かって、地の底から唸るようなデスメタルボイスが響き渡る。
「ヴォオオオオオオ!!」
「うわーーーーーッ!!!」
そこから対して間も置かず、雷羅は楓に追いついて、サイケデリックなゾンビ色に染め上げた。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【ダブル】がLV2になった!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
【社員旅行/南瓜チーム】15名
連携アドリブ歓迎
◆方針
・黒猫VS南瓜のチーム戦(腕章で見分け)
・最後の一人を擁したチームが勝利
展開お任せ、楽しくやります
○行動
今年の仮装、大陸軍軍服で参加
最初は人間としてうろうろ
ゾンビーズを惹きつけて、逃げ役から引き離そう
通信でチームの連携を取りつつ
ホラー映画で学んだ逃げ方……!
ふう……奴らはここまでは追ってこないだろう
振り返りつつフラグを踏む
ゾンビになれば地形を利用しつつ
物陰や曲がり角の向こう、壁歩きで死角からカラーボールをシュート
周囲を偵察、観察して捜索、スリングショットでボールを狙撃だ
華麗なる連携で仲間を逃がし
黒猫チームを探して情報共有、逃がさないよ
ゾンビの演技もぬかりなく
ぁ……ぁぁ~……
と雰囲気を醸す
疾走するけど
オマエモナカマニ~
カラーボールの混色に凝り
イエローにはグリーンを重ね……!
一般の方には手加減し忍び寄りゾンビ化
時代はゾンビも忍者だ
忍者を見たらクール!と盛り上げ
ゲーム後は健闘を称えあって、ゾンビパーティー
炭酸飲料開けようか(シャワーされてる)
レイラ・イグラーナ
【社員旅行/南瓜チーム】
南瓜行列SDイラスト2022の忍者コスで参加
逃げ役はお任せください。忍者ですから(キリッ
……とはいえ、あくまでパーティゲームですからね。
【パラドクス通信】で連携を取り適度に隠れたり、【壁歩き】【飛翔】で路地から突如消えた風に見せたり、あるいはビルの間を跳んでみたり。
ハロウィンのパレードをご覧になっている皆様も楽しめるような演出もしてまいりましょう。
一般の方が投げてくるペイントへは残留効果や武器を使わず、【黒猫チーム】からのペイントは「銀の針」の投擲で撃ち落としたり、【エアライド】の空中機動で避けたりと見栄えも重視した本気の回避で。
忍者がそう簡単に捕まっても興ざめでしょうから。
・捕まる時用セリフ
くっ、例え私がゾンビになろうと、第二第三の忍者が現れることでしょう……!
う、うー、あー……なりきるのはちょっと恥ずかしさが出ますね……
えぇ、来年もまた皆で楽しめますように。
ハッピーハロウィン!
弔焼月・咲菜
【社員旅行\南瓜チーム】
*アドリブ・絡み大歓迎
今年の仮装、赤ずきんの格好で参加。
なるほど、最近の生ける屍はまた随分とカラフルなんだな…。さて、全力で黒猫とやり合おうか。
くそっ…託されたからには全力で逃げないとなぁ。
使えそうな残留効果や障害物を利用して全力でゾンビから逃げるぜ。味方とは【パラドクス通信】を使って連絡を取りつつ、壁や障害物を利用して逃走。
くそっ、こんなのやってられるかよ。俺はさっさと帰らせて貰うとするぜ!(フラグ)
ゾンビに囲まれても悪あがきだ。最後くらいは仁王立ちで仲間の前に立ち塞がって時間を稼ぐ。
聞こえているか、同胞よ…弔焼月咲菜は転んで死んだ。伝記にはそう書いておけ!
ゾンビ状態になってもゾンビとは思えぬガチ走りで生存者を追いかけ、ディアボロスには全身全霊の豪速球をお見舞いする。ごらちょっとまてやこらー!逃げんなごらー!これが俺の恨みじゃー!
塗料と汗でドロドロで気持ち悪いぜ…とっとと洗い流したいもんだ。
三間・勲
【社員旅行/南瓜チーム】
仮装無し、連携アドリブ悪ノリ歓迎
僕、この戦いで最後まで逃げ切れたら沢山お菓子を貰うんだ……
大丈夫、僕達には頼もしいカニゾンビもついてますから
カニゾンビ?!(二度見)
冥海機との砲雷撃戦で詰んだ経験を活かす時
取り舵(面舵)いっぱーい!全速前進!
普通に走って逃げ回ります
月鏡さんを誘ったけど、こういう場は慣れていなさそうだったから少し心配
大丈夫ですかー?
見事な潜伏能力、振り返った時には見失っていました
効果は一般人を巻き込まないよう気を付けて
味方と連携し、細道や隙間に潜り込み
順調かと思いきや逃げた先でばったりゾンビに出くわし……
すごい色になっちゃった
ゾンビの事はよく分からないので、とりあえず近くのゾンビ役の真似をします
好機と見たらしっかり攻撃
主砲、打ち方始めー!
と言いながらカラーボールを全力投球
※普通の投球なので一般人でも回避可能
あはは、楽しかった
ラムネありがとうございます、たくさん動いたからお腹が空きますね
……え、飲むんじゃないんですか!?
では一思いに頭からお願いします!
赤上・イズル
■【社員旅行/黒猫チーム】
■アドリブ歓迎
CCTSでサバイバルゾンビゲーム!
最初はゾンビから逃げに徹します
固まっていると見つかりやすくなるのでここは各自散って行動すべきでしょうか
黒猫チームの皆さん!ご武運を!とかってムードを盛り上げてみる
物陰に隠れつつゾンビに見つからないようにしながら
時折【パラドクス通信】で仲間と無事を確認し合ったり
ゾンビの居場所情報など交換し合いますが
目の前で次々ドロドロゾンビ化する様を目の当たりにしたら、
い、嫌だー!あんな風(ゾンビ)になりたくないですー!!と取り乱してしまうやも
それがフラグですかね!取り乱した者は漏れなくやられるってセオリーですよね!
って事で俺にもカラーボールヒット
「あ」
俺もゾンビになってしまいましたね。紫と黄色のドロドロゾンビ…
もうこうなったら後はヤケですよ
「ゾンビです~~ゾンビですよ~~」と自己主張激しく生存者を追い駆ける
終わったらゾンビパーティー!
ここまでカラフルだともはや誰が誰だかわかりませんが
炭酸掛け合って塗料を落とすのですね!
シューニャ・シフル
【社員旅行】黒猫
アドリブ連携歓迎
全力の逃げ役
チーム戦に勝つだけなら銀行の金庫か公園辺りに穴掘って隠れてりゃ勝てるだろうけどな。
それじゃつまんねぇだろ。
相手チーム以外に一般人と他のディアボロス連中にも気をつけて動くか。基本は屋内を移動だな。
ゾンビが少ない間は雑居ビルの一室に潜む。
部屋に押し入られたら窓から飛び出して外壁に右腕の爪を引っ掛けて方向転換、着地して逃走。敵が窓から入ってくる場合も考えておくか。
マンホールがあれば適当に蓋をずらしておく。CCTSの連中なら俺が逃げ込んだ可能性を考えて足を止めることもあるだろ。
本当に逃げ込んでもいいけどな。
ゾンビっつっても人間だ。いくらでも撹乱はできる。変声機使って声を変えて「生き残りがいたぞ」と声をあげてゾンビを誘導、別方向に逃走。
後半ゾンビが増えたら遮蔽物が多い学校に逃げ込む。ここなら廊下で囲まれても左右の窓から逃げられるし隠れる場所も多いからな。
途中でやられてゾンビにされたら腹いせに手当たり次第生存者を襲う。
レイ・シャルダン
【社員旅行/黒猫チーム】
南瓜SDのメイドさんの格好で参加です。
ゾンビはやだぁ~~。って気持ちと、
でもこう言う時にしかゾンビの気分を味わう機会なんて…何て言う好奇心が争ってます。
ですが、負けませんよーー。(腕章をくいっ)
黒猫チームごー!
ホラー映画ではボクみたいな普通の女の子枠は結構助かるはず。
統計学を信じて逃げ回ります。
メイドとしての所作を大事に、スカートの裾をつまみながら走ります。
【パラドクス通信】を使って生存者と連絡を取り合い
〇〇さん!まだ無事ですか…!?〇〇さん…!?
うそ…返事がない…。
もうボク駄目かも…疲れちゃった…。
皆とまた猫カフェで美味しいご飯食べたかったな…。
何てちょっとノリで演技もします。
カラーボールがヒットしてゾンビになった場合は
最初はゆっくり「うぼぁぁぁあーーー」とゾンビ感出して歩きますが
速度的に追いつけないと判断してめっちゃ走りに切り替えます。
投げるカラーボールは黒色と黄色の模様
虎のエースらしい変則右腕フォームでとぉっ!
最後は皆とゲームを振り返りつつのゾンパです!
エリザベータ・シゲトヴァール
【社員旅行/南瓜チーム】
●心情
皆やる気満々ね。私も負けていられないわ。
……とは言ったものの、実はゾンビ映画ってあんまり好きじゃないの。
だって空を飛ぶと墜落したり、逃げ場のない機内でゾンビが現れたりで、航空突撃兵としては納得し難い展開が多いもの。
でも逆に言えば、それは空がゾンビ物における最適解であって、物語として面白くなくなってしまうからよね。
それなら私の土俵で戦っている限り、私に敗北は無い筈よ。(フラグ)
●行動
いつもの様に離陸し、建造物の間を縫う様に飛翔。
上空から周囲の参加者の動きを観測しながら、効果的な連携が出来る様にパラドクス通信で南瓜チームの皆に中継。
飛んで来るカラーボールもアクロバティックな機動で回避しながら……まあ、狙われるのは当然よね。(べちゃっ……)
ゾンビ化後も飛翔継続。
一体いつから……ゾンビが空を飛ばないと錯覚していたかしら?
上空からカラーボールを投下!投下!投下!投下!まさにインクの絨毯爆撃。
普段は窮屈な飛び方を強いられているもの。ちょっと今日は羽目を外させて貰うわよ。
一角・實生
【社員旅行/黒猫チーム】
遊びは全力で行く
おっと、腕章がずれt(速攻でカラーボール被弾)
……ゾンビの鳴き声ってどんなだ
……お、オ
オレサマ オマエ マルカジリ
一般人もゾンビ化させながら南瓜チームを追跡
中盤までは仲間から注意を逸らす為派手に動き回り南瓜チームを追う
シフルさんは特に逃がしたいね
蒼葉さんにこっそり後ろ手を振り応援
配信頑張って
途中から飛翔やエアライドで建物の上階に移動しカラーボール投擲
俺は知能あるゾンビに進化した
仲間のピンチには一度だけ翼を広げ庇いに行く
ゾンビ化し自我を失い見境なくなったくせに一瞬だけ戻るアレだ
『〇〇さん、行けッ! きみだけはこの地獄から生き延びてくれ……』
…………
よしマルカジリ再開
ゾンビな分索敵とカラーボール当てに極振り
パラドクス通信で南瓜チームについて情報提供をするよ
赤上さんの自己紹介するゾンビは初めて見た
シャルダンさん投擲フォーム綺麗だな
巴屋さん、それボールだけどボールじゃないから気を付け、
楽しんだ後は人に戻って八雲さんのお菓子を堪能したい
ハッピーハロウィン!
月鏡・サヨコ
【社員旅行/南瓜チーム】
兵器として作られた私に、遊興の場を盛り上げる機能は備わっていない
なのに誘われるとは、想定外だったけれど……必要とされているなら、徹底的にやらせてもらう
――私は、目的のための器だから
大丈夫、勲……今日も、いつも通り戦うだけ
カラーボールの投擲とはいえ本質は「撃ち合い」
建造物の壁や植え込みを活用し身を隠しつつ、同じように息を潜めた敵がいないか警戒
空戦が得意な者が敵に回る可能性を考慮し、【防空体制】も適宜使用
逃走時も袋小路に追い詰められないよう、周囲の地形を意識して動く
……蒼葉、目立ち過ぎだ
ゾンビにされたら死体らしい演技をすればいいのか、わかった
喉を撃たれて死ぬ者の末期の喘ぎや、炎に焼かれて筋肉が引き攣った者の不安定な歩みを真似して……
なに、怖すぎる? ……すまない、経験を活かし過ぎたようだ
ここからは過度に真に迫った表現は避け、民間人にも見せられる程度に旧軍人の怨霊を演じよう
戦闘後はラムネを飲み、喧騒を見守る
……中々手強い任務だった
だけど、皆が楽しめたのなら……それでいい
マティアス・シュトローマー
【社員旅行/南瓜チーム】
街の平和を守る保安官として黒猫チームにもゾンビにも屈する訳にはいかない……!
俺達南瓜チームのチームワークで目に物見せてやろう!
咲菜とレイラに逃げ役を託したら俺は囮役へ
フライトドローンを足場にエアライドで街中を跳び回ったり、壁歩きを駆使して高層ビルを登ったり、黒猫チームやゾンビの目を引き付けながらカラーボールを避け続けよう
中々良いコントロールをしてるけど相手が悪かったね
俺ならあと百球は躱せ――(顔面にボールが命中)
っは、今顔狙ったの誰……!?
ドッジボールならセーフだったのに、なんて思いながらゾンビ役も全力で!
……ヴヴ、ニンゲンモ…クロネコも……ミンナ…ナカマ……あ、黒猫チームの二人そっちに行ったよ
パラドクス通信で連携も取りつつ、相手チームも一般の人もカラーボールで狙い撃ち。狡いと言われようと囮役の時と同じように残留効果はフル活用!
負けるつもりはないからね
ゾンビパーティーでは炭酸飲料のかけ合いを
譲二のカップケーキ、俺にもひとつ!
お疲れ様と、ああ――ハッピーハロウィン!
鳴海・蒼葉
【社員旅行/黒猫チーム】
連携アドリブ喜んで!
時々:なのだ・なんだぜ☆
世界中に届くように生配信☆
あと【パラドクス通信】でみんなとのお喋り楽しんじゃお♪
あーあー、みんな聞こえる?今から実況生放送始めるけど気にしないで楽しんでね☆(クリームソーダモンスターの仮装で参上!カメラ回しUTYOU-TENぺカー)
Hello!世界、アタシの声が聞こえるかな?
はぴはろ☆ウェ~イ♪
実況&プレイヤーとして参加なんだよ、みんな応援シクヨロ~☆
目立つ・動画見れば位置バレが難点だけど、上手く利用してダンスの容量と軍曹やチームとの連携でカバー!
…最大の弱点は無いし大z『グェェグ(たしか黒髪短髪イケメン相手は夢女にn)』(口ガシッ)はわ(手を振り返す)
生き残れたら…アタシはアイドルになるんだ…
ゾンビになったら承認欲求ゾンビのお出まし☆(ゾンビメイクで変身)
可愛いって言わないと捕まえちゃうぞ♪
(本当に言ってもらったら立ち止まっちゃうかも)
サヨちゃんと桂ちゃんを見付けたらいの一番で追いかけるのだ☆
あーそーぼっ(ドドド)
ライカ・ネイバー
【社員旅行/南瓜チーム】
アドリブ連携大歓迎
実は……好きなんすよ、スプラッタ。
考えただけでドキドキっすね、コレ。
ふひひひ、スプラッタの話しようよ。
今日のわっちはゾンビーズ!
ゾンビと言えばそう……🦀だね
本日はカニクラブアーマーZ.O.M.B.I.Edition!
この最強最大のカニゾンビをもって並み居る敵をちぎり散らかしてやりましょうぞ
してホラーにチェーンソーは欠かせねぇ
ってわけで安全に配慮したハリボテチェーンソーを振り回し
一般人もディアボロスも関係ねぇ皆々様を皆ごr……恐怖のズンドコに落としてやりましょ
どるるるるぶおおおおおん!
ホラーのお約束ってば振り向いたら現れるあれそれなんで再現もぬかりなく
地形の利用で天井の隅っこに張り付いたりベッドや棚の下に潜んだりして全力で不意打ちしてきまっす
今時のゾンビは身軽っすからね
エアライドも駆使して四方八方から行くぜ
出会い頭にカラーボールをぶち当て
この磯臭さをトラウマにしてやるのじゃ……!
あっ『ここは俺に任せて』みたいなお約束はもちろん狩りにいきましょね
八雲・譲二
【社員旅行/黒猫チーム】
※アドリブ連携歓迎
事前に内容聞いて多少汚れてもいい服装で来るぜ
シャツとツナギとエプロンかな、あと長靴とゴム手袋
あ、一応クロノヴェーダの出現情報があったら即出撃できるように大包丁は持っていこう
…これアレだな
ホラー映画の肉屋だな
仮装はしない予定だったのにおかしいなぁ
ゾンビ物の料理人って籠城タイプな気がするしスーパーマーケット区画をメインにウロウロしよう
パラドクスは【PD通信】だけチームメンバーと繋げておく
通信先の仲間がやられたら『応答しろ〇〇!〇〇--!!』ってやりたい(中年声の有効活用)
しまった今ので俺も居場所がバレたぜ!
ゾンビ化後は…至近距離までダッシュで迫ってからカラーボール当てに行っちゃおう
はい、緑と赤でドロドロの肉屋が爆速で追ってくる構図になります
いや本来のゾンビって遠距離攻撃しないじゃん(言い訳)
イベント後は片付けも一通り済んだら【アイテムポケット】からカボチャのカップケーキを出して配ろう。店のハロウィン特集で作ったやつだ
今年も楽しかったな、皆お疲れさん!
巴屋・萩
【社員旅行/黒猫チーム】
黒猫チーム!
なるほど、私にぴったりでありますね。
ここはその名に恥じぬよう、全力でゾンビ殿から逃げる所存であります!
最初から【光学迷彩】駆使して隠れてやり過ごしたり【猫変身】して狭い隙間をすり抜けたりジャンプしたり……いやぁ、遊びとは言え相手にはディアボロスがいたりしますので中々緊張感がありますね!
そうですねぇ、逃げて隠れるだけでは名が廃ります。
そのディアボロスとしては、一般人の方々を助けて逃がしてあげたりしても良いですね。
ですがもしゾンビ役と遭遇したら、別れて逃げましょう!とか言って一般人を囮にして逃げる事も厭いません。
忍者の世界は非常ですからね!
ですが私にも弱点があります。
ボールなんかを見るとじゃれ付きたくなってしまうのです!
眼の前に転がってきたら我慢できません。
そこを狙われると弱いですね、簡単にやられてしまいます。
もしゾンビになってしまったら、猫の本能全開で人を襲いまくって、しっかり動いてお腹を空かせてケーキを美味しく頂くのであります。
いやー、楽しみましたね!
●
パーティ会場となった街の一角、大小の戦いと追走劇、ゾンビと生存者がやりあったそこは、カラーボールの名残によってビビッドな色合いに染められている。元の飾り気のなさ……ゲーム内容に準じた殺風景さを思えば、かなりハロウィンらしくなってきたと言うべきか。
ただそのように華やかな装いと同時に、同じ色に染められた人々――ゾンビ達が、そこら中をうろついていた。
「なるほど、最近の生ける屍はまた随分とカラフルなんだな……」
手頃な雑居ビルの屋上、仲間との合流場所からそんな風景を見下ろして、弔焼月・咲菜(葬不送動の報復者・g01723)が口を開く。誰にともなく呟いたそれに、いつの間にやら傍らに立っていたライカ・ネイバー(ハイパーエクストリームお手伝い・g06433)が応じた。
「ふひひひ、いいですよね、スプラッタな色合いで」
緑だの赤だのが入り混じったその色は、まあ確かにスプラッタと言っても差し支えないだろう。問題はライカ自身も同じ色に染まっていることなのだが。
「周り全部スプラッタにしていっていいんすよね……考えただけでドキドキっす」
夢見るようにつぶやく彼女は、ゲームルール上は既にゾンビと化している。それでも同席するディアボロス達を襲わないのは、彼女達がもう一つ別のルールを敷いているからである。
「『南瓜チーム』は、これで全員集まったようですね」
忍者風に仮装したレイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)が一同を見回して、腕に南瓜のマーク入りの腕章を装着する。そう、これから彼女等が行うのはチーム戦、この場に集まった八人ともう一方のチームの七人、『最後の生き残り』をどちらが擁することになるか、という戦いだ。単純に逃げ隠れだけで比べると、双方接触すらせず何もないまま終わりかねないということで、アタッカー替わりのゾンビに選出されたのがライカである。
「街の平和を守る保安官として黒猫チームにもゾンビにも屈する訳にはいかない……!」
「僕、この戦いで最後まで逃げ切れたら沢山お菓子を貰うんだ……」
「なぜ二人揃って早々に死亡フラグを……?」
マティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)と三間・勲(船無し提督・g10186)の意気込みらしきそれに、軍服姿のエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)が苦笑を浮かべる。とはいえ、これからのゲーム展開を考えると、あながち的外れとも言えないだろう。
「皆やる気満々ね」
私も負けていられない、というエリザベータ・シゲトヴァール(聖イシュトヴァンの剣・g00490)の言葉に月鏡・サヨコ(水面に揺らぐ月影・g09883)が頷く。名実ともに兵器として作られた彼女からすると、この場にはそぐわない……場違いだという感覚があるのかもしれない。しかしながら必要とされているのなら、この慣れぬ場でも力を尽くそうとするのが彼女である。
「――徹底的にやらせてもらう」
「よし、俺達南瓜チームのチームワークで目に物見せてやろう!」
「大丈夫、僕達には頼もしいカニゾンビもついてますから!」
改めて気合を入れるマティアスに、拳を握った勲が応じる。即席とはいえこれも一つのチームワーク、彼等は一丸となって戦いに挑むべく――。
「……カニゾンビ?」
と、そこで、先ほどの自分の言葉に勲が首を傾げた。
「え? ゾンビと言えば……🦀だよね?」
そうかなあ。真っ当な感想を踏み潰すような存在感を放つそれは、ライカがパラドクスで召喚したバカでかいカニクラブアーマーである。しかも今回はZ.O.M.B.I.Edition……つまりゾンビ塗料でド派手な装いとなっている。
「いざ! この最強最大のカニゾンビをもって並み居る敵をちぎり散らかしてやりましょうぞ!」
「ああ、うん……」
「とりあえず、任せておけばいいのかな……?」
実際のところ、この勝負の序盤はゾンビ以外逃げるくらいしかやることがない。ということでマティアスとエトヴァに見送られながら、ゾンビライカと巨大カニゾンビが発進した。
●
南瓜チームに対抗するは、黒猫マーク入りの腕章を身に着けた黒猫チームである。
「なるほど、私にぴったりでありますね」
チームの一員であるウェアキャット、巴屋・萩(迷猫魔忍帳・g09008)を筆頭に、こちらも腕利きのディアボロスが集まっていた。
「ここはその名に恥じぬよう、全力でゾンビ殿から逃げる所存であります!」
「ま、チーム戦に勝つだけなら銀行の金庫か公園辺りに穴掘って隠れてりゃ良いんだろうけどな」
シューニャ・シフル(廃棄個体 No00・g07807)の言うように、勝利だけを追い求めるならもっと確実な手がいくつもあるだろう。だがそれでは地獄変には何も寄与しない、というかやってる本人が一番つまらない――ということで、彼女は自らそう否定して、単純な『逃げ』に打って出ることにする。
「負けませんよーー」
「固まっていると見つかりやすくなるので、ここは各自散って行動すべきでしょうか」
やる気十分、腕章を引き上げるレイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)に続いて赤上・イズル(赤き悪魔・g04960)がそう提案する。全員で生き残る必要はない以上、それもまた有効だろう。特に異論もなく、黒猫チームは散開してゾンビから逃げることになった。
「皆さん! ご武運を!」
「黒猫チームごー!」
イズルとレイの声を号令代わりに、彼らはゾンビの蠢く街へと散っていった。
各々に策と考えがあるのだろう、隠れるにせよ逃げるにせよ、『生き残り』に有効な場所を目指して移動していく。とはいえ、当然ただただ散らばったというわけではない。相互の状況と、敵に対する情報を共有するため、彼等はみな通信機を手にしていた。
「ふむ、通信は問題なさそうだな」
まずは、いくらかテスト代わりに言葉を交わす。今のところチームメンバーは全員八雲・譲二(武闘派カフェマスター・g08603)の声を聴いているはずである。スーパーマーケットのある区画に向かう、という彼の言葉に続いて。
「あーあー、みんな聞こえる? 今から実況生放送始めるけど気にしないで楽しんでね☆」
「なに?」「今から?」
そう、今から。クリームソーダモンスターこと鳴海・蒼葉(💖爆殺天使💖・g09783)がカメラを回して、彼女の頭上で天使の輪がゴキゲンに発光し始める。
「Hello!世界、アタシの声が聞こえるかな? はぴはろ☆ウェ~イ♪」
ということで勝手に始まった生配信、蒼葉は新宿島全域に向けて愉快な挨拶と簡単な状況説明を展開し始めた。
殺伐とした雰囲気の街に、逃げ惑う生存者達。そしてそれを追う色鮮やかなゾンビが多数。あっカニの怪獣も居るわ草。
「カニの怪獣……?」
聞き覚えがあるようなそうでもないような単語が混ざり込み、思わずディアボロス達も配信の方の画面を確認する。蒼葉がカメラを向けたためだろう、そこにはなんか人の数倍くらいあるゾンビのカニが大写しになっていた。
クロノヴェーダが襲ってくるという予知はされていない、まあディアボロスのパラドクスによるものだというのは、すぐに予測できたが。
「あんなものを出してくるとは……相手のチームもかなり気合が入っているみたいだね」
おっと、腕章がずれてしまっている。一旦立ち止まった一角・實生(深い潭・g00995)は、ずれた腕章を直して――背筋を走る悪寒を察知し振り返る。
「とりっくおあすぷらった~?」
そこには、チェーンソーを振りかぶったライカゾンビが立っていた。
「それどっち選んでも一緒なやつかな?」
「正解っすー」
無慈悲に刃が振り下ろされ、赤い液体が周囲に飛び散った。
「――どうした、応答しろ實生! 實生ーーッ!」
「實生さん……うそ……返事がない……」
通信機からは、譲二とレイの声が聞こえてくる。しかしあるべき返答はいつまで待っても返ってこない。
「そんな……そんなはずは……!」
という感じの小芝居を挟みながらも、一番近くにいたイズルが様子を窺いに駆けつけると。
「ぶおんぶぉーん」
チェーンソーを唸らせているゾンビと、スプラッタゾンビカラーに染められた實生の姿があった。
ちなみにこの彩色は直接ぶつけられたカラーボールによるものであり、ライカの構えているチェーンソーはハリボテである。もちろんエンジン音は口で言っている。
「い、嫌だー! あんな風になりたくないですー!!」
「どるるるるぶおおおおおん!!」
「うわーーーーーーッ」
相手がカニゾンビに目を向けている内に奇襲するという戦法だったのか、それともただの偶然か、とにかく實生に引き続き、イズルもゾンビ色に染められてしまった。
●
ライカとカニゾンビによる襲撃は続いているようだが、パラドクス通信で實生が敵の現在地を伝えたこと、そして最初からの散開策がうまく嵌った形だろう、とりあえず黒猫チームは、ライカに見つかることなく身を隠せているようだ。
「俺もゾンビになってしまいましたね。紫と黄色のドロドロゾンビ……」
「ゾンビの鳴き声ってどんなだ……?」
そしてゾンビと化してしまったイズルと實生は、一路南瓜チームの潜伏しているであろう方角に向かう。やられてしまったものは仕方がない、ここは攻撃手が増えたことに活路を見い出すべきだろう。ゾンビが目立ち、暴れることは、攻撃と同時に撹乱に繋がるはずなのだから。
「オレサマ オマエ マルカジリ」
『腹ペコのゾンビが出たぞ!』『にげろー!』
一般人の生存者を見つけたところで實生が前に出て、逃げる彼等を追い立てる――そんな騒ぎを察知して、マティアスとエトヴァは逆に、そちらに向かって移動を開始した。
「ようやく囮役の出番か?」
「ゾンビーズを惹きつけにいこう」
それじゃ後は任せた、という彼等に、咲菜が渋々ながら応じる。
「くそっ……託されたからには全力で逃げないとなぁ」
「逃げ役はお任せください。忍者ですから」
一方のレイラは澄ました顔で請け負って、敵へと向かう二人を見送った。こういった役割分担もまたチーム戦の醍醐味、プレッシャーと期待、それぞれを背負って、彼女等はゾンビに見つからないよう動き始める。
「お、見つかった」
「人間、ダナ?」
エアライドで空中を駆けるマティアスと、地上を行くエトヴァ、二人を見つけた實生が引き続きゾンビっぽく応じる。そして半分自暴自棄になりながら、ゾンビのイズルが大きな声で吠えた。
「ゾンビです~~ゾンビですよ~~」
「自己紹介するゾンビ……」
味方ながらそんなものは初めて見た、と實生が呟く。一見すると妙な動きだが激しい自己主張はこの場合有効でもある、「なんだなんだ」と一般人ゾンビの視線が集まり始め、自然と彼の狙う生存者を発見することになるのだ。
「くっ、数が多い……!」
実質的には仲間を呼んだ形、逃げ道を制限されながらも駆け出すエトヴァを追って、イズルもまた駆け出した。フライトドローンや高層ビルの屋上を足場に移動しているマティアスはともかく、エトヴァの方は一般人でも追いやすい。
『ディアボロスさんだ!』『討ち取ったら自慢できるぞー!』
追走と同時にぽいぽいと放たれるカラーボール、それらを掻い潜りながらエトヴァは逃走を続ける。
「ここは、ホラー映画で学んだ逃げ方を……!」
周囲を素早く見回した彼は、無人と思しき雑居ビルへと駆けこんだ。閉めた扉がすぐに開かないように周囲の物で塞ぎながら上へと進んで、途中窓伝いに隣のビルへと移る――映画だかドラマの登場人物は、こうして追撃を振り切っていた。確かにこの方法ならそうそうついてこれる相手はいない、そしてその登場人物は、こんな風に言っていたはずだ。
「ふう……奴らはここまでは追ってこないだろう」
ようやく一息付けた、といったところで振り返ると、イズルが外壁から窓を乗り越えてくるところだった。
「ゾンビで~す」
――そういえばあの登場人物はその後すぐに死んでいたな。
エトヴァがそう思い至るのは、ゾンビ化塗料をぶちまけられた後だった。
一方の空中、壁歩きやエアライドを駆使してビルの合間を行くマティアスは、下から飛んでくるカラーボールを華麗に躱す。
「おっと、今のは惜しかった!」
彼の居る高さまでボールを届かせるにはそれなりの腕力が必要で、その上命中させるには距離感やコントロールまで重要になる。有効打の数自体が少ないこの状況ならば、ゾンビの群れ相手でも彼が捕まることは無い。
そうして予定通り、ひらひらと避けながら、彼は追ってくるゾンビ達を特定の方向へと誘導しいく。しかし、それも長くは続かなかった。
「中々良いコントロールをしてるけど相手が悪かったね。俺ならあと百球は躱せ――」
そこまで言ったところで、進化したゾンビ、もとい飛翔した實生が至近距離でカラーボールを投擲、その顔面に命中させる。強敵をゾンビに変えたことで、周囲の一般ゾンビ達からわっと歓声が上がった。
「……なんで顔面狙ったの?」
「いや、今のは偶然……」
ドッジボールだったらセーフだったのになあ、とぼやきながらも、マティアスは早速ゾンビとして振る舞い始める。
「……ヴヴ、ニンゲンモ……クロネコも……ミンナ……ナカマ……」
ごめんやられた。あと黒猫チームの二人そっちに行ったよ。生き残った仲間達にそう連絡を入れて、彼はエトヴァと合流する。そう、ここからはまだ、ゾンビとしての仕事があるのだから。
エトヴァとマティアスがゾンビにやられたという情報は、すぐに南瓜チームの間で共有される。それは同時に、彼等二人は囮役を全うし、ゾンビ達を引き付け、引き離すことに成功した、ということ。作戦は順調、となれば生き残った彼等にとって、ここからが本当の戦いと言えるだろう。
取り舵いっぱい、全速前進。追ってくる一般ゾンビから走って逃れていた勲は、そこでサヨコの姿を発見する。追手をきちんと撒けていることを確認してから、彼はふと思い浮かんだそれを口にした。
「月鏡さん、大丈夫ですかー?」
「大丈夫、勲……今日も、いつも通り戦うだけ」
何が、という問い返しがなかったところ、サヨコも心配される内容に心当たりがあったらしい。とにかく、彼女が言うにはこのゲームの本質は『撃ち合い』、それゆえにやり方は心得ているのだと。
「勲も気を付けた方が良い。こちらが身を隠せそう場所には、同じように息を潜めた敵がいるかもしれない」
警戒を、という彼女の言に従って、勲は周囲を確認してみる。そうして振り返ると、既にサヨコの姿は消えていた。
「……心配なさそうですね」
見事な潜伏能力。だが、一抹の不安と、ある種の期待はあるのだ。
今回の相手は、彼女の言う「いつも通り」で何とかなるものだろうか、と。
●
そして一方の黒猫チームサイド、こちらでは徐々に増えつつある一般ゾンビの数を抑える意図も兼ねて、萩達が生存者の救助に当たっていた。
「皆さん、ご無事でありますか?」
『た、助かった……』『ありがとうございます!』
ゾンビ達に襲われていた彼等を抱え、追手を振り切ったところで、生存者達が頭を下げる。同様にレイもまた、ゾンビに囲まれて追い詰められていた人々を連れ出すことに成功していた。
「う、うまくいきましたね」
「救助成功~」
「さ、カニゾンビが襲ってくる前に逃げるであります」
この手の善行はやはり伸びが良い。助けた生存者達と自撮りを始めた蒼葉は、配信の反響に満足気に頷く。敵がこの配信を見ていたら現在位置を知らせることになってしまうかもしれないが、きっと何とかなるだろう。
「まあ、今は最大の弱点も無いし、大丈――」「グェェグ」
最大の弱点、確かそれは――と口にしかけた軍曹の口を急いで塞ぐ。いつなら良いというものでもないが、ヘキを生配信で暴露するのはまずい。あと「配信頑張れ」というメッセージが飛んできてにやけていたのはカメラに撮られていないと信じたい。
「生き残れたら……アタシはアイドルになるんだ……」
テンパってわけのわからないフラグを立て始めた蒼葉だが、周囲への警戒が緩んだそこに、ゾンビ用のカラーボールがすごい勢いですっ飛んできた。
『な、なにっ!?』
「ゾンビの襲撃であります! 皆さん、分かれて逃げましょう!」
状況を察知した萩が素早く対応し、一般の生存者達をその場から散らす。ただし、これは彼等のことだけを考えてのものではなく――。
「……なるほど、紛れて逃げたか」
路地に身を潜め、スリングショットを使って狙撃の構えを取っていたエトヴァは、逃げ惑う人々の影で萩の姿を見失い、それを下ろす。一般人相手にこれを乱射するのはさすがにやり過ぎだ、狙撃はここまでだろう。後は近づいて直接狙うしかあるまい。
「ぁ……ぁぁ~……」
「オマエ……モ……ナカマニ……」
先行していたマティアスに追いついて、それらしき呻き声を上げてやる。すると逃げ遅れた生存者の中に、ディアボロス――メイド姿のレイが混ざっていた。
「ぞ、ゾンビ……」
ゾンビになるのは嫌だ、という気持ちは彼女の中に確かにある。しかし同時に浮かぶもう一つの思いが、先程から彼女の足を鈍らせていた。
「それ、どんな感じですか……?」
「え、まあ……」
「ナッテミレバ……ワカル……」
「それは……遠慮しておきます!」
そう、ゾンビになり切る機会なんてそうそうないのだ。逃げ切ってしまってはそれはそれでもったいないのでは? そんな好奇心である。どうにかそれを振り切って逃げだした彼女は、スカートの裾をつまみながら悲劇の現場となった街中を走る。忍びの世界は非情、ということなのか萩の姿は既になく、蒼葉の配信は無言のまま、けれど彼女はまだ諦めていなかった。
「ホラー映画ではボクみたいな普通の女の子枠は結構助かる」
「タシカニ……」
エトヴァゾンビが若干納得しかけているが、そういうのに限って次回作でさらに酷い状況に追い込まれていたりするものだ。残留効果をフル活用したゾンビから逃げ切るのは容易なものではなく、マティアスとエトヴァに挟み撃ちにされる形で、ついにレイもまた追い詰められてしまった。
「皆とまた猫カフェで美味しいご飯食べたかったな……」
なんか配信映えする言葉を最期に、彼女の声もまた聞こえなくなった。
●
――というわけで二人やられてしまったが、ダウンした配信主は少し間を置いたところで立ち上がる。
「こっからはゾンビ配信なんだぜ☆」
シクヨロ~☆
コメントと評価とチャンネル登録を求める承認欲求ゾンビという怪物が誕生してしまったが、これもまた時代とゲームの流れ上しかたのないことだろう。ゲーミング天使の輪でゾンビメイクを照らしながら、蒼葉はこちらも立ち上がったレイと共に、敵陣へと向かっていった。
「――ゾンビが近づいています。皆さんも早くお逃げください」
一般の生存者達にそう告げて、レイラは胸元で印を切る。一陣の風が巻き起こり、次の瞬間、彼女の姿は掻き消えていた。
『き、消えた……』
「あれ、レイラさんが居たと思ったんですけど……」
遅れて辿り着いたゾンビのレイが辺りを見回す。飛翔や壁歩きの類だろうが、レイラの忍者っぽい動きは随分胴に入ったものだった。
とりあえずここの皆さんにはゾンビになってもらいます、うぼぁぁぁあーー、ということで彼女がひと暴れしている内に、に蒼葉は隠れていたサヨコの姿を発見していた。
「サヨちゃんと桂ちゃん見っけ!」
「蒼葉……」
「あーそーぼっ」
言われるままに遊んであげる義理もないが、ゾンビに追われたら逃げるしかないのがこのゲームの生存者だ。「待てー」と楽し気に駆けてくる蒼葉から、サヨコは踵を返して逃げ出した。
通常の戦闘とは違う、反撃できないのはもどかしく、さらに蒼葉は「配信しながら」という状況のため、こちらの居所まで筒抜けにさせられるという酷い事態だ。どうにかこれを打破できないかと悩むサヨコの一方、勲もまたレイに追いかけられていた。
「うぼぁぁぁあーーー」
大仰な呻き声を上げたメイドゾンビは、勲を追いかけようとしたところで、この演技をしていると全く追い付けないことを悟る。
「うぼぁぁぁあーーー!」
「急にダッシュを!?」
こちらも全力疾走で逃げ始めた勲は、建物や細い通路を選んで追手を引き離しにかかる。しかし、いくつか目の角を曲がったところで。
「あっ!」
居合わせたサヨコとぶつかりそうになって立ち止まる。するとサヨコの後方から追って来ていた蒼葉と鉢合わせる事になった。
「計画通り☆」
「絶対偶然ですよね!?」
この距離ではさすがに躱せない。走ってきた勢いそのままに投げられたボールが勲に命中、塗料で彼の身体を染める。勢いづいた蒼葉は、そのまま続けてサヨコの方へと向かう。
「よーーし、可愛いって言わないと捕まえちゃうぞ♪」
「か、かわいい! かわいいです!」
えっほんとに? とっさに勲の口にした褒め言葉に、蒼葉が照れた様子で立ち止まる。それを見て、さすがに拍子抜けした様子のサヨコだったが。
「ボクはかわいいって言われてませんので! とぉっ!!!」
というか止まる理由もありませんので。勲の後方から、独特なサイドスローで放たれたレイのカラーボール、黄色と黒を選んだ特製のそれが、見事サヨコに命中した。
しばしの後、この場の生存者が殲滅したそこで、ゾンビ蒼葉は早速ゾンビサヨコに声を掛ける。
「サヨちゃん、ゾンビの真似できる?」
「ゾンビ……そうか、死体の演技をすればいいのか」
記憶を手繰った彼女は、かつて聞いた末期の喘ぎを、かつて見た傷病兵の歩みを真似て――。
「えっ」
「こ、こわ……」
「なに、ダメか?」
勲と蒼葉の反応からまずいと察したのか、サヨコが悩まし気に眉根を寄せる。民間人にも見せられる程度に、マイルドに。旧軍人の怨霊という設定で、演技指導はしばし続いた。
●
そんなこんなで双方共に半分以上がゾンビと化し、ゲームは終盤へとさしかかる。残ったメンバーはガン逃げや籠城などそれぞれに手を尽くしているためか、ゾンビと遭遇することすら難しい、一種の膠着状態になっていた。そんな中でも比較的……というか誰よりも自由に動き回っているのがエリザベータである。
航空突撃兵としての技能を活かし、空を舞う彼女は、基本的にそれだけでここまでの戦いを生き残ってきている。ゾンビものと言えば『飛べば堕ちる』のが定番だが、それは逆に、「本来は最有力の逃げ道である」ということを意味する。
「――それなら私の土俵で戦っている限り、私に敗北は無い筈よ」
実際のところこの高度と速度の飛翔物に一般人は手を出しようもないし、同じ飛翔能力を使えるディアボロスと言えど飛ぶことに熟達した彼女を追い切ることは出来ない。逆説連鎖戦ではないこの戦いにおいて、彼女は圧倒的優位を保持していた。
時々飛んでくるボールを容易く躱しながら、発見した敵の位置を味方に共有……ということを繰り返していたエリザベータは、今も敵の姿を探して、ビルの合間を飛びまわっている。
「生存者がいたぞ! スーパーマーケットの中だ!」
そんな索敵中、丁度良い騒ぎを察知して、彼女はそちらへと飛翔する。
「見つけたかもしれないわ」
確認する、と味方に連絡して急降下、目的の建物の窓辺に譲二の姿を発見した。が。
「今だ!」
「捕まえろー!」
實生とイズルの合図に合わせて、隠れていたゾンビ達がエリザベータの周囲のビルに顔を出す。窓や屋上、ここに彼女が来ることに賭けて潜んでいた彼等は、一斉にカラーボールを投擲し始めた。
「これは……!」
まあ、罠を張られるのは当然か。半ば納得しながら、彼女は回避不可能な範囲攻撃に呑まれ、ゾンビ色に染まっていった。
「――何とかなったみたいだな」
「ゾンビっつっても人間だ。いくらでも撹乱はできるさ」
エリザベータをゾンビ化したという報告を、変声機を使っての誘導役を担っていたシューニャから聞いて、スーパーマーケットで囮役になっていた譲二は、「お疲れさん」と通信機に向かって声を掛けた。シャツとツナギにエプロン、汚れてもいい作業着のような格好の彼は、改めて自分の服装を確認する。長靴とゴム手袋、不測の事態に備えて大包丁を持った姿はまるでホラー映画の肉屋である。
そういう意味ではスーパーマーケットを潜伏場所に選んだのは丁度良かったのかもしれない。仮装はしない予定だったのにおかしいなぁと一人苦笑して。
「! この磯臭さは――!」
そこで感じた異常な気配に天井を振り仰ぐ。するとそこには、ハリボテのチェーンソーを背負ったライカが、天井に貼り付いていた。
「バレたか~」
カニゾンビとしばらく行動を共にしていたのが仇となったか。意味が分かるような分らんようなことを言いながら、彼女は天上の梁を伝ってごそごそと移動を始める。
「まあいいってことっすよ、すぐにこの磯臭さをトラウマにしてやるのじゃ……!」
「それは勘弁してほしいな……」
カラーボールが飛んでくる前に背を向けた譲二は、裏口からスーパーの外へと逃れる。さて、どうやって撒くか、仲間達に報告と相談をしようとしたその矢先。
「ようやく外に出たわね」
「なに……!?」
その声は。遥か上空から降ってきた。
「一体いつから……ゾンビが空を飛ばないと錯覚していたかしら?」
そう、ゾンビ化後も飛翔することを選んだエリザベータである。さあ覚悟しなさい、と口の端を吊り上げ、どろどろゾンビと化した彼女は抱え持っていたカラーボールをまとめて投下し始めた。それはまさにインクの絨毯爆撃、屋根のない場所でそれを躱す術はなく、譲二はばら撒かれるゾンビ塗料の餌食となった。
やられた、そして討ち取ったという報告を、双方の生き残りは共にスーパーの中で受け取った。
猫の姿で隙間から潜り込んできた萩と、エリザベータの偵察情報を頼りに移動していたレイラと咲菜、そしてそのエリザベータを罠にかけるため付近に潜伏していたシューニャ、各々の思惑で集まった彼等は、共に顔を見合わせる。
敵チームとはいえ生存者同士が出会ったところで、特にできることは無い。ただ問題は、それぞれの後ろからゾンビのディアボロス達も入ってきているという点だ。
「くそっ、こんなのやってられるかよ。俺はさっさと帰らせて貰うとするぜ」
包囲し、そして包囲されているようなこの状況を揶揄する咲菜だが、イズルやレイの目が「そうはいかない」言っている。
「捌き切ってみせましょう、忍者として!」
「なんと、ではなおさら負けるわけにはいかないであります!」
レイラに続いて萩が応じ、そこにゾンビ達が仕掛けにかかった。
「ミンナ……ナカマニナレェ……!」
「主砲、打ち方始めー!」
マティアスのそれに勲が続いて、萩とシューニャは陳列棚を盾にしつつそれを躱す。一方の南瓜チームにも、黒猫チームのゾンビによる攻撃が始まって。
「いきますよ~」
レイによる猛虎魂の乗っていそうな投球に、回り込んだイズルが十字砲火の要領で追撃をかける。
そのほかのボールは針を投擲したレイラが叩き落としたりしているものの、ここにもはや活路は無い――そう悟ったところで、咲菜は身を呈してそれを切り開くことを選択した。悪足掻きとは言えばその通りだろう、しかし。
「聞こえているか、同胞よ……弔焼月咲菜は転んで死んだ。伝記にはそう書いておけ!」
「ええ、巻物に書き記しておきますよ」
愉快な遠足もここで終わりだ、咲菜は仁王立ちのままカラーボールによる塗料に塗れる。そしてそれによって生じた安全地帯に身を遣り、レイラは付近に転がっていたそれ――不発に終わったカラーボールを床に転がした。
「ぼ、ボールが――!」
耳と尻尾がピンと立って、萩は思わずそれを目で追ってしまう。
「やはり時代はゾンビも忍者――ということかな」
防御のおろそかになったそこに、背後に忍び寄っていたエトヴァが、手にしていたボールを一閃、萩をゾンビへと追いやった。
残すところは互いに一人、ゾンビ達はそれぞれに敵チームの最後の生き残りを狙う。いち早くとどめの一投を放ったのは、冷静に戦局を見ていたサヨコだった。
「――もらった」
素早く放たれたそれは、シューニャの背を捉える、はずだったが。その目前に、翼を広げたゾンビ、實生が立ち塞がった。
「シフルさん、行けッ! きみだけはこの地獄から生き延びてくれ……」
「えッ!!」
一瞬だけゾンビが正気戻った、みたいなアレだろうか。蒼葉が「なにあれアタシもやってほしい」みたいな声を上げているがそこはそれ。壁が生じたその隙に、シューニャは窓から外へと飛び出していた。
「ごらちょっとまてやこらー! ゾンビが盾になるのはライン超えてんだろうが!」
「いんじゃないっすかエモかったし~」
新参ゾンビこと咲菜が吠えるが、蒼葉の言うようにその辺りは特に明確になっていない。
「じゃあこれで手打ちでどっすか?」
言葉と共に降ってきたのは天井に貼り付いていたライカである。振り下ろされたハリボテチェーンソーと、そこに仕込まれたカラーボールが命中し、實生のどろどろゾンビ度を二段階くらい上げていった。
まあ、とりあえずそれを見届けてから。
「待てごら逃げんなー! これが俺の恨みじゃー!」
ゾンビらしからぬ全力疾走で、咲菜は先頭に立ってシューニャを追い、飛び出していった。
外に出たシューニャを待っていたのは、エリザベータによる上空からの爆撃である。
「まじか……!」
あらかじめ逃亡先に決めた建物――近辺の学校へと逃げ込むことで爆撃を凌いだ彼女は、さらなる追手から走って逃げ続ける。こんなもの、遠からず捕まってしまうだろうが……。
一方のレイラには、先程ゾンビ化した譲二が迫っていた。緑と赤でドロドロの肉屋は全力ダッシュで接近し、体当たりでもしそうな動きでカラーボールを当てにかかる。
「いや本来のゾンビって遠距離攻撃しないじゃん?」
「なんですか『本来のゾンビ』って」
言葉遊びの範疇で言い返しながら、レイラはエアライドを活かして素早く跳躍、狭い空間ながらも舞うようにしてそれを躱す。だが回避したその先に、野生の勘を活かしたゾンビ萩が飛び込んできていた。
しまった、と思った時には既に遅い、回避不可能だと、彼女は悟ってしまう。
「くっ、例え私がゾンビになろうと、第二第三の忍者が現れることでしょう……!」
次回作に続きそうな言葉を遺して、レイラは萩の放ったカラーボールを受け、ゾンビとなった。
「う、うー、あー……なりきるのはちょっと恥ずかしさが出ますね……」
まあ、幸いなのは、これでゲーム自体が決着になるということだろうか。
そう、生き残ったのは、最後まで全力で逃げを打ったシューニャだった。通信によるその報告を受けた彼女は、ふと笑って足を止める。
「どうやら、俺達の勝ちみたいだな」
「うおおおお! くらえ!!」
いや、聞けって。冷静に説き伏せようとしたシューニャの言葉を、勢い余った南瓜チームのゾンビボールが遮った。
●
最後にちょっと事故があったが、戦いも終わればノーサイド、ということで揃ってどろどろゾンビになった一行は、ちゃんとしたパーティを行っている会場へと雪崩れ込んだ。この辺りはゾンビ化ゲームの参加者も多数集まっており、極彩色の様相を呈している。
「いやー、楽しみましたね!」
「良い戦いでした! 勝てたのも嬉しいですね」
勝者の黒猫チーム、萩とレイが笑顔を交わす。けれど萩の方の視線は、そのままパーティ参加者の食べている料理の方へと流れていった。
「しっかり動いたのでお腹が空きました……」
「丁度いい、店のハロウィン特集で作ったやつを持ってきたぞ」
そんな彼女に、譲二がカボチャのカップケーキを差し出す。こういう時に便利なのがアイテムポケットだ。譲二の用意してきたのは、もちろんそれだけではないらしく。
「いいですね、いただきます」
「それ俺にもひとつ!」
「落ち着け、ちゃんと全員分あるからな」
實生やマティアスをはじめ、皆にそれが振舞われる。
「炭酸飲料開けようか」
「たくさん動いたから喉も渇きましたしね」
エトヴァと勲が「ラムネもあるんですね」と飲み物を取りに行くのを見送って、イズルは続けて周囲を見回した。見慣れたはずの仲間達も、今は各々カラフルに染まっている。
「ここまでカラフルだともはや誰が誰だかわかりませんね」
「まったくだ……」
それに応じた咲菜が、深い溜息を吐く。まあ仮装と言えば聞こえは良いが、実際はやはり塗料を塗りたくっただけなので。
「塗料と汗でドロドロで気持ち悪いぜ……とっとと洗い流したいもんだ」
そうぼやいたところで、「どうぞ」とエトヴァから飲み物が回ってきた。封のされた炭酸飲料の容器、これはつまり、とイズルが思い付きを口にする。
「なるほど、これを使って塗料を落とすのですね!」
「え?」
「え?」
咲菜の浮かべた疑問符に、全く躊躇いのない視線が帰ってくる。ついでにマティアスも炭酸を一つ手に取って。
「なるほど、ビールかけとかシャンパンでやるアレか」
「……え、飲むんじゃないんですか!?」
勲の真っ当な問いは、早速開始された炭酸飲料の掛け合いに掻き消されていく。速やかにエトヴァが巻き込まれていった次には、自分が狙われていると悟って。
「では一思いに頭からお願いします!」
「思い切りが良いな……」
「任せろ!」
そんな感じでソーダ水とか諸々が祝勝会みたいに消費されていくのを、サヨコは巻き込まれないように距離を取りつつ眺めていた。多分ラムネはこうやって普通に飲んだ方が美味しい。
思えば、今回の『任務』はこういう不条理なことばかりだった。彼女にとっては中々手強く、苦戦を強いられたとはいえ。
「皆が楽しめたのなら……それでいい」
少なくとも、素直にそう思えていた。
愉快な時間は飛ぶように過ぎていく。料理を平らげて、塗料を墜としたり追加したり一頻り騒いで――それでも、この宴はもう少しだけ続くだろう。
「今年も楽しかったな、皆お疲れさん!」
「えぇ、来年もまた皆で楽しめますように」
労いと、『これから』への希望を口にする譲二とレイラに合わせて、一同は杯を掲げる。
ハッピーハロウィン!
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】がLV14になった!
【強運の加護】がLV2になった!
【照明】がLV2になった!
【飛翔】がLV3になった!
【泥濘の地】LV1が発生!
【水中適応】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV9になった!
【能力値アップ】がLV9になった!
【アヴォイド】がLV4になった!
【反撃アップ】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV2になった!