リプレイ
クィト・メリトモナカアイス
推定でなんと一億年前の気候と生態を持つ地。
それが巨獣大陸ゴンドワナ。
以前見た不可思議な光景。我々は再度それの目撃者となれるのか?
未だ解明が進まぬクロノ・オブジェクト、オベリスク(港区)の前に、今日も探究心に溢れたディアボロスたちが集う……
というわけで。みんなが待ってた(?)
第三回、でぃあぼろすちゃんねるー!わーわー。
えー、もしかしたら忘れた人もいるかもなので。この放送はー……なんでやってたんだっけ?
んむ。ともかく。オベリスクの起動は記録に残しておく。なんか発見があるかもだし。
というわけで、前やったみたいにエネルギーを地獄変から送ってー、【無鍵空間】使ってー、祈りを捧げるためのミニチュア神殿作ってー、なんか文字を刻んでいく。𓅓𓈖𓐍𓄿𓇋𓋴っと。
んむー、あとは……そう。
なんか感情のぱわーをこめるのだ。
開けー、開けー。
ゴンドワナに行きたいかー、おー。
たぶんこんな感じでいいはず。
前の記録もあるし、24時間はかからぬ。たぶん。
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
開け、ゴンドワナへの門というために来たやつだ
単純に……試行回数を上げることと
以前にわりと反応良かった気がする(気がする)ので、呼び掛けの効果を確かめておきたい
正しい鍵はいつか見つかるのだろうかな
折り畳み式の梯子と機材を運び入れ
前回データを駆使して
称える文言を象形文字やヒエログリフで刻んだり
【無鍵空間】使いつつ
祈りを込め、祈りを唱え、オベリスクに順に触れて活性化を続ける
高所の活性化は梯子か飛翔や浮遊で作業を
そこそこ長い時間になりそうだ
温かいお茶と軽食を皆の分、持ち込んでおこう
……再びこれに触れることを躊躇った
しかし……知識を蓄積し、見届けるために……来た
すべての活性化を確認したら
感情と願いを込めて……命じる
開け、ゴンドワナへの門
巨獣の国へ過去と、未来のための一歩を
向こう側のオベリスクの所在地は……
人類史防衛戦では、サフィーナ・ミウの防衛箇所の近くと聞いていた
エチオピアの南の国境線付近
ケニアに当たる場所だろうか
ならば、ミウですでに経由した密林と、少々の見覚えもあるだろうか…?
推定でなんと一億年前の気候と生態を持つ地。それが巨獣大陸ゴンドワナ。
以前見た不可思議な光景。我々は再度それの目撃者となれるのか?
未だ解明が進まぬクロノ・オブジェクト、オベリスク(港区)の前に、今日も探究心に溢れたディアボロスたちが集う――。
●本格起動への道
という良い感じのナレーションを自分で加えて、クィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)は配信開始を宣言した。
「第三回、でぃあぼろすちゃんねるー!」
わーわー。ということで一同やってきたのは港区に鎮座しているオベリスクの前。半年程度の時を経て、ついにこいつを稼働させるタイミングが来たのだ。
「えー、もしかしたら忘れた人もいるかもなので。この放送はー……なんでやってたんだっけ?」
一応作業手順を映像で残して置くためだとか、視聴者の感情エネルギーを集められないか試すとか、色々理由はあったはずだ。今回は……まあ、お約束的な……?
「んむ。ともかく作業に取り掛かろう」
前回は肝心のゴンドワナがカメラに映らないという謎の耐久配信となってしまったが、今回は視聴者もその辺の覚悟ができているだろう。もしかしたら何か発見があるかもしれないし。
そんな風に頷いて、クィトは早速ミニチュア神殿の作成に取り掛かった。
「では、こちらは呼び掛けから確かめていくか」
一方のエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)もまた、無鍵空間の効果を発揮しつつオベリスクへの接触を開始する。前回は強い意志と祈りの言葉が決め手となった。特定の目的のために作られたクロノオブジェクトだからこそ、やはり使用者の願いこそが鍵となり、正常な機能を目覚めさせ――。
「――ないな」
「ないかー」
それも決して無駄ではないが、他の作業に対して優位性が見られるような結果は得られなかった。結局はコツコツと総当たりで試していくしかないらしい。新宿島の技術者達に用意してもらった梯子やら足場を再度設置してもらい、彼もまた象形文字やヒエログリフを刻み始めた。
「……今回も、そこそこ長い時間になりそうだな」
「とはいえ、前の記録もあるし、24時間はかからぬだろう」
たぶん、と用意された軽食の類をつまみながらクィトが応じる。
前回のデータから崩した部分を直したり、消した文字を戻したりと言った作業は手を動かすだけな分、気が楽ではある。そして前回の成果と言うか壊し残した箇所と言うか、手を加えずとも活性状態になっている部分もあるため、前回よりは早く済みそうな手応えは確かにあった。
しかし同時に、この手法はやはり新宿島という状況ありきであると実感する。今後使っていくことを考えると、できればこの辺りは改善していきたいのだが。
「正しい鍵は、いつか見つかるのだろうか……」
「誰か教えてくれる者でもおればなぁ……」
現状では望み薄と言うほかないだろう。溜息に混じりに翼を広げ、より高所の作業へと戻っていったエトヴァを見送って、クィトも手近なところへと文字を刻み始める。
無鍵空間による効力もあり、オベリスクは徐々に活性状態へと導かれていった。
物言わぬ石柱、本来の役目を果たさぬままに眠り続けていたそれは、目覚めの時を待っているようだ。空中でそれと向き合いながら、エトヴァは思う。再びこれに触れることには躊躇いがあったが、知識を蓄積し、見届けなくては――そんな意思を抱きながら、覚醒のために手を加える。
「ゴンドワナに行きたいかー、おー」
ついにやることがなくなったのか、気合を入れ始めたクィトの声が契機となったようで、地獄変からのエネルギーを供給されたオベリスクは、徐々に白く光を帯びてきていた。
時間はかかったものの、前回よりは遥かに早く、この時が訪れた。
この『先』へと向かうディアボロス以外の作業者を下がらせ、 光りを宿し始めたオベリスクへ、エトヴァは掌を掲げる。そして、これを言うために来たのだとばかりに命を下した。
「――開け、ゴンドワナへの門」
巨獣の国へ過去と、未来のための一歩を。
オベリスク全体が輝きを放ち、周囲に浮かび上がったヒエログリフが明滅し始める。前回とは明らかに違う挙動、これが十分なエネルギーを得た上での、正常な動作なのかも知れない。
「――ところで、転送先って今でいうどの辺?」
「さあ……どうだろうか」
クィトの問いに首を傾げる。前回の限定起動時にはサフィーナ・ミウを発見することができたが、あれはかなり遠かった。
「少なくともゴンドワナの北部であることは間違いない、と思う」
確実なのはそれくらいか。もっとも、詳細な位置を特定したところであまり意味はなさそうだが……。
エトヴァのそんな予測を最後に、光に包まれた一同は、新宿島から姿を消した。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【泥濘の地】LV1が発生!
【無鍵空間】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
●緑の地へ
一瞬の閃光は、すぐに消えてなくなる。白く染まった視界が元に戻ると、そこには濃い緑の光景、巨獣大陸ゴンドワナの森林が広がっていた。
振り返れば、先程まで港区で向き合っていたのとよく似た尖塔、オベリスクが緑の中に沈んでいる。同様に放置されていたとはいえ、新宿島とはさすがに環境が違うためか、オベリスクの下部はコケ状のものに覆われ、上部には蔦や枝が深く絡みついていた。
息づく緑の中には赤い花や、色鮮やかな果実が実っているのも見られる。しかし、いくら人の手の入らぬ密林とはいえ、10ヶ月でここまでになるものか?
だが、そんなディアボロス達の疑問は、低い唸り声によって断ち切られる。
『ゴォルルルルル……!』
突然の侵入者、ディアボロス達を縄張りを冒す者、そして食事を邪魔する者と判断したのだろう、草をムシャっていたコアラっぽい巨獣が、つぶらながら殺意の籠った視線を向けてきていた。
『ホワァ~~~~……』
さらに上方、濃い緑の中に隠れていた縄張りの主が、眠たげな咆哮を上げる。
どうやら分析や周囲の探索は、一旦置いておくしかなさそうだ。戦闘の過程でオベリスクを破壊されないように気を付けながら、この巨獣達を退ける必要があるだろう。
舞剣・荊
【楔】
オベリスクの使い方とか
こまいコトは分かんねーし
荒っぽいコトやっとくわ
○準備
なんも知らねーケド
無鍵空間てのがいるらしーよ
じゃ、たかなし先頭ね
いやかー
転移後すぐ応戦できるよう
前衛を陣取る
たかなしは落とさないよう
はるーちに括り付けて……
いやかー
○戦闘
マッスルローリングでオベリスクが意味なくなるとダルい
敵視界へオベリスクが入らない位置に移動しとく
はるーちが筋肉花火してるじゃん!
アタシもやろ……あれっ
アタシの荷物が花で見えねー
まいーや!たまヤーッ!!!🎇
WIZ:抵抗するぜ ノリで
水着に向け筋トレしたアタシに
筋肉美ームは効かん!
そもそも感情が無ぇケドな!
それはそれとして
たかなし筋トレさせっか!
でも筋肉ったらたかなしがコアラに……
いやゴリラ……ゴたリアかなしラ………
はっ!
今なんかしら感情戻りかけたケド
筋肉のコト考えてたら忘れた!
あと精神的ダメージってどんななん
はるーち腹筋割れてっし(水着参照)
あねーち腹筋存在するし(水着参照)
組長腹筋も胸筋も有るし(水着参照)
たかなしちょい見てみて
どう?痛い?
樹・由乃
【楔】
先にひとつ言っておくことがあります
私とアレを比べるのはおやめ
主張するのもおやめヘイトがこっちにくるでしょうが
いやまあ実際……物量の多さたる筋肉は……隆起する力強い大地や……大樹の堂々たる姿にも匹敵するところが……多少なりともなくは……
ないわーっ!!!
見せつけるな! 鬱陶しい! でかい! 鬱陶しい!
害のない瞳をするな! くっ顔だけはやたら可愛く見せやがりましてこいつ
よかろうでしょう。その姿美しく飾り立ててやります
花で埋め尽くして見えなくなれば多少景観もよくなりましょうて
的がでかけりゃ適当に撃ってもなんとなく当たるってもんです
花畑になるまで撃ち続けなさいお花たち。大地もとい筋肉ならいくらでもありますからね
小僧はあっちで暴れてるし、春一はまあ声がでかいので元気なことはわかります。なんでもいいです敵が倒せればもう何考えててもいいです。好きにおし
青いのー? 青いのちゃんといますか?
まあ平気だとは思いますが。ちょっとそっち向けて一発撃っときますか
白いの? いやあいつは平気でしょう
樹・春一
【楔】
おお、美しい……
筋肉筋肉。やはり筋肉に勝る美など姉さんくらいのもの
つまり姉さんこそが最強なのでは?
ごらんなさいコアラたち! 姉さんの真なる美を!!!
ジャンルが違う? そうでしょうか……
でも……よくないですか? 筋肉があればあんなポーズやこんなポーズも思いのまま!
特にアキラさん! 鍛え方が足りないと思いませんか!
なんですかそのコアラの指程にも及ばない細い脚は! もっと筋肉をつけるのです! マッスル!!!
はっ。いけません。姉さんへの信仰心(信仰心)を忘れるところでした
ご安心ください! 僕は浮気はしないタイプですので!
その筋肉が有する生命の躍動! 利用させていただきましょう!
参ります! 触ると破裂するパンチ!!!
……若干のグロさがありますね!
では括り付けてまいりましょう!
嫌? 何故ですか! いつもは近くにいた方がいいと言ってるじゃありませんか!
もしや筋肉に目覚めたのですか! 己の力でなんとかするぞと!
成長……この言葉には常に喜びを覚えます
では頑張ってください! 僕も頑張ります!
奴崎・娑婆蔵
【楔】
敵を知り己を知れば百戦危うからず
諸々調べて参りやしたぜ
まずコアラってェのは――えっ『ゴリアラ』?コアラ……ゴリラ?(識者ぶるの初手から頓挫)
……気を取り直して行きやしょうかァ
コアラ(と言い張る)は通常群れを作らず――(※トループス級たくさんいるね)
日の大半を寝て過ごし――(※ガンガン突っ込んで来るよ)
これは主食とする葉から得られるエネルギーが少ねえことから、その消耗を抑える為の生態であり――(※むしろムッキムキだね)
…………。
構えなせえ!
喧嘩ってェのはその時々で【臨機応変】にやるモンでさァ!
・オベリスク防衛の為、味方と対処する敵の方角を分担
・突っ込んで来るゴリアラに対し【早贄山麓刀輪処】発動
・剣山をいい感じに引っ掛け、相手の勢いをも利してブッた斬る狙い
・ゴリアラの回転は「ぐるぐる前転・ごろごろバレルロール・きりもみジャイロ回転」辺りを想定し、軌道や速度を予測
・破壊された地形でゴリアラが不意に曲がったり跳ねたりしないかも注意
・【泥濘の地】を敷き、ゴリアラの突貫を鈍らせられまいかトライ
小鳥遊・英
【楔】
いっけな〜い、遅刻遅刻〜⭐︎
あ、いえ。なんかやらなきゃいけない気がして。遅れてないです
m9(^Д^)プギャ
先頭?いやです
えっ、いやですが?
何故に括られにゃならんのですかわたしはちゃんと1人でアバー?!
でかい!いかつい!ちょっとキモい!!やだ樹さんやっぱ行かないでください!筋肉やだあああ!!
わたしは鍛えなくていいんです!これがわたしの個性なんですってば!
うああああコアラが!!わたしに向かって筋肉を魅せつけて?!イヤーーーーッ
精神が傷を負ったよお……嫌過ぎるよお……ちょい見てで見ていいものじゃないよお……痛いってかなんかヤダって気持ち……
……でも――
わたしのお腹はこんなに綺麗ですからね?!(服を捲り上げる。へそ)
筋肉など無くても美しさは魅せられます
おゆき。そなたは森で、わたしはコンクリートジャングルで暮らそう
あ、うそです。みんなにぼっこぼこにされてください
動き回る前衛の足場用にドローンを複数出現させます
うわやめてこっち来ないで見せつけんな暑苦しいーーー!!
イヤーーーーッ!
●筋肉は眠らない
唸り声を上げる巨獣の、やたらと綺麗な瞳を捉えて、奴崎・娑婆蔵(月下の剣鬼・g01933)が不敵に笑う。敵を知り己を知れば百戦危うからず、この一瞬で、彼は敵の特性を見抜いたのだ。
「各々方、あの純粋無垢な瞳はコアラに違いありやせんぜ!」
「うん……うん?」
そうですかね、と小鳥遊・英(Code name/Falcon・g00772)が声を上げる。異常に発達したその肉体を見て、多分喋っている本人も同じことを思っているが、今更引っ込みはつかないだろう。
「コアラの特徴と言えば!」
力ずくで押し通しにかかった彼の知識によれば、コアラとは通常群れを作らず、日の大半を寝て過ごすもの。これは主食とする葉から得られるエネルギーが少ねえことから、その消耗を抑える為の生態である。
「はーん、完璧に理解したわ」
「何をです??」
舞剣・荊(Thorm・g02226)が頷いているが、雄々しく育った樹木をバリバリ食っているこの巨獣は、見たまま元気に群れを成していた。
「つまり、無鍵空間てのが有効ってコト」
「そのターンもう終わったんですよねえ……」
良い感じにぐだついてきたがまあ問題はないだろう。元々今回は戦闘に関する前情報がなかったのだから、事前準備などできていなくて当然である。それに、少なくとも頭脳労働の時間はまだ先だ。
「構えなせえ! 喧嘩ってェのはその時々で臨機応変にやるモンでさァ!」
緩みかけた空気を、抜き放った娑婆蔵の刃が斬り裂いて、この縄張りを巡る戦いが幕を開けた。
「此方はあっしが受け持ちまさァ、オベリスクを確保――あァ?」
構えろ、とは言ったものの、従ってくれたのは仲間だけではなかった。娑婆蔵が目を丸くするのも仕方のない事だろう、食事を中止し、迎撃に動いた巨獣達は、一斉にその肉体を誇示するような構えを取っていた。
「えっ何やってんですかこれ、こわ……」
20mを超えるサイズもさることながら、執拗なまでに鍛え上げられたその肉体は巌の如し。でかいしいかついしちょっとキモい、と完全に引いた英が味方の後ろに回り始めるが。
「おお、美しい……」
樹・春一(だいたいかみさまのいうとおり・g00319)には何か効いた。効果的だったのはその肉体美、つまり筋肉である。
「やはり筋肉に勝る美など姉さんくらいのものですね……」
「私とアレを並べるのはおやめ」
わけのわからないことを言い始めた彼に、樹・由乃(堕ちた翠星・g06228)が釘を刺す。しかしながらそれで止まるかと言うと話は別だ。
「もちろん、最強なのは姉さんですからね! ごらんなさいコアラたち!! 姉さんの真なる美を!!!」
「煽るなっつってんですよ」
ヘイトがこっちにくるでしょうが。何か拳を固く握っている春一を抑え、無理矢理黙らせることには成功したが、彼はどこか不服そうにしている。
「でも……よくないですか? 筋肉があればあんなポーズやこんなポーズも思いのままですよ!」
そう、両腕を折り曲げて胸筋をアピールする様も、拳大の岩を持ち上げる様も、鋼の筋肉があれば芸術品のように輝かしく見えるもの。春一の力説するそれに、由乃も理解できる部分はあるようで。
「実際……物量の多さたる筋肉は……隆起する力強い大地や……大樹の堂々たる姿にも匹敵するところが……多少なりともなくは……」
ううん、と眉根を寄せて考え込む。考え込んだけれど。
「ないわーっ!!!」
その一言でそれを投げ捨てて、彼女は魔弾を構える。
「見せつけるな! 鬱陶しい! でかい! 鬱陶しい!」
顔だけはやたら可愛く見せやがりましてこいつ。視界を襲う暴力を塗り替えてやろうと、彼女の放ったのは『弾丸鳳仙花』、種子から芽生えた魔性の花は、新たな種子を弾丸として射出する。鋭い一撃は巨獣の側頭部に命中し、すぐさまそこに次なる花を咲かせて。
「ああっ、さらに可愛い感じになるんじゃないですよお前! 追加でポーズを取るなーっ!!」
泥沼である。珍しくヒートアップした様子に、娑婆蔵が恐る恐る声を掛けるが。
「ゆ、ユノの姉御……?」
「小僧! お前も可愛くなったら許しませんよ!!」
ああ、そりゃァ「無差別に撃つけど全弾避けろよ」とかそういう。いつものことなのでスッと理解を示した彼は、その一撃に連携して踏み込んでいった。
「あっ、待ってください姉さん! 師匠!」
巨獣との応酬が始まったところで、それを追おうとした春一だが、その前に別の個体が立ちはだかる。足の筋肉を見せつけるそのポーズもまた見事なもので、思わず彼は共に戦う仲間の方を振り返ってしまう。
これに対抗し打ち勝つには、そう、筋肉が絶対的に足りていない。
「特にアキラさん! 鍛え方が足りないと思いませんか!」
「えっ、わたし??」
「なんですかそのコアラの指程にも及ばない細い脚は! もっと筋肉をつけなくてはジャングルでやっていけませんよ!! マッスル!!!」
「じゃあたかなし筋トレさせっか!」
「いやですけど!?」
はるーちもあねーちも組長も腹筋とか胸筋とかあるもんな。そうぐいぐいくる荊と春一に、英はどうにか押し負けまいと試みる。
「わたしは鍛えなくていいんです! これがわたしの個性なんですってば!」
細身であって何が悪い、やはり対抗するには肉体美のもう一つの形を見せつけねばなるまい、そう判断して。
「ほら、わたしのお腹はこんなに綺麗ですからね?!」
服を捲り上げた彼女は平らな腹とへそを示して訴えた。
「甘いですよアキラさん! それで勝ったつもりですか!!」
「ちゃんとメシ食ってる?」
思ってた反応と違う。しかしながら、彼女なりの必死の抵抗は一定の成果を上げていた。
「ですが、前に出るというその心意気は買いましょう!」
「え?」
「いつもなら後ろに隠れたがっているのに! 今回は己の力でなんとかするぞと!」
「じゃあたかなし先頭ね」
これが成長というものですね。ハレルヤです! 「いや違うそういうのじゃない」という言葉はあえなく掻き消されて、英はぐいぐいと押し出されていく。
「うああああムキムキのコアラが筋肉を見せびらかしながらにじり寄ってくるぅーーーーッ
!!!?」
結果的に巨獣の筋肉ショーを最前列で浴びることになり、悲痛な声が密林に響き渡った。
「こりゃァ、一体……?」
ぴぇー、みたいな悲鳴が聞こえて、娑婆蔵は仲間に任せていたはずの戦場を見遣る。こちらはこちらで凄まじい回転攻撃を放つゴリアラに対し、鎬を削っていたわけだが、どういうわけかあっち側は全く別の光景が広がっていた。
「なるほど、これが筋肉コアラの戦法――恐ろしい威力でさァ」
「え、これ攻撃されてんの?」
我に返った様子で荊が呟く。いつも通りわちゃわちゃしていただけのような気もするが、ここまで三人とも攻撃に転じられていないのもまた事実。これも敵のパラドクスが効いているという証左だろう、たぶん。
「たかなしー、精神ダメージってどんななん?」
「……痛いってかなんかヤダって気持ち……」
「ふーん、よくわかんないからもっかい見てみて」
「嫌過ぎるよお……そんな軽いノリで見ていいものじゃないよお……」
覿面に効いている英だが、目を逸らそうにも敵が巨大すぎて難しい。
おゆき。そなたは森で、わたしはコンクリートジャングルで暮らそう。もはや頭の中では、どこかで聞いたような台詞がこだましはじめていた。
「青いのー、ちゃんと生きてますか?」
「だめです!!」
由乃の声を糸口に、どうにか現実に戻ってきた英は、そのタイミングでドローンを展開。砲塔を有した一機を操り目の前の敵を撃ち、事態の打開を図る。しかし攻撃を受けたことで戦型を変えた巨獣は、巨大な体を転がすようにして反撃に出た。
「あァーッ、やっぱり前衛は無理ですって!!」
「小鳥遊のお嬢、そっちの岩陰に跳びなせェ」
助言に従い、人の顔みたいな形の巨岩の影に跳び込むと、巨獣は岩にぶつかって軌道を変えながら、勢い余って通り過ぎていく。それを追うように駆けた娑婆蔵は、召喚されていた英のドローンを足場に、高く跳躍。それでも駆け抜ける巨獣に追い付くことはできなかったが、その影だけは、敵へと届いていた。
「――八ツ裂きにしてやりまさァ」
殺人領域「早贄山麓刀輪処」、包帯をたなびかせた娑婆蔵の影が、巨獣の体表で形を変えて、無数の刃となって突き刺さる。地に縫い付けるようなそれを契機に、追い打ちへとかかる組長――といった様子を眺めながら、荊は思案に暮れていた。
先程のような戦闘を繰り返せば、いずれたかなしにも筋肉が付くだろう。しかしそれはコアラもといゴリラへの変貌を意味するのではないだろうか。本当にそれで良いのか? それはたかなしであると言えるのか? それはつまりゴたリアかなしラ――。
「白いの、珍しくダメですかコラ白いの」
「はっ! 筋肉のコト考えてたわ」
もう少しで決定的な何かに手が届きそうだったが、きっと今はそのタイミングではないだろう。とにかく荊が我に返ったのを確認して、由乃は続けてもう一人へと声を掛ける。
「春一は……」
「はっ。いけません。姉さんへの信仰心を忘れるところでした!」
ご安心ください! 僕は浮気はしないタイプですので! 力強くそう主張してくるのを、面倒臭くなってきたので由乃が流す。まあ敵を倒せればなんでもよかろうでしょう。
「好きにおし」
「はい! それでは筋肉が有する生命の躍動! 利用させていただきましょう!」
向かい来る巨獣へと拳を掲げ、光り輝く一撃を見舞う。春一の手による『神の恵み』は生命力を過剰なまでに活性化させ、敵の巨腕が大きく爆ぜた。
「……若干のグロさがありますね!」
「いいなー筋肉花火、アタシもやろっと」
追撃にかかろうとした荊だが、「あれ?」と周囲を見回し首を傾げる。
「あねーち、アタシの荷物どこいったか知ってる?」
「知りませんよ」
「んー、まいーや! たまヤーッ!!!🎇」
手元の起爆装置をポチッたところ、植物と一緒に敵の体表にくっついていた荊の小包爆弾が弾け、盛大に炎の花を咲かせた。
グォォ、と低い唸り声を上げて、巨獣の一体が力尽きる。ようやく調子を取り戻した一行によって、トループス級の巨獣は徐々にその数を減らしていった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【フライトドローン】LV3が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
【泥濘の地】がLV2になった!
効果2【命中アップ】LV4が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!
クィト・メリトモナカアイス
我々が目にしたのはオベリスクに生い茂る草木。咲き誇る花。実る果実。
それは自然の力、雄大さと共に、文明への拒絶を感じさせるものだった――
※個人の感想です。感覚には個人差があります。
というわけで。第四回、でぃあぼろすちゃんねるー!
どう考えてもでんぱは来ぬので、この映像は録画。
せっかくなので皆の勇姿を記録しようと思う。
というわけで我もゆくぞー。
浮遊球形ガジェット「モナカ」にカメラを持たせて戦闘開始。
んおぉぉ!いきなり樹が!
これは……映える映像というやtえっくしょん!
……目がしぱしぱする。(ずずー)
なんておそろしいやつ。急いで倒さねば。
他の人が残した【フライトドローン】を足場にぴょんと跳ね、空を移動し、迷宮を突破しながらモナカ砲撃型にエネルギーチャージ。ずびー。
ポリノシミロドンが射程に入ったら「砲撃のジャーマンレックス」。ヨアケビームで吹っ飛ばす。
こうして樹海には一時の静寂が訪れた。
そこに残されたオベリスクは、果たして復讐者に何を語るのkぶぇっくしょん!ずびびー。
おのれかふんしょう……
ルィツァーリ・ペルーンスィン
アレンジ連携歓迎
……あー、花粉症対策しておいた方がいい気がする、って身内が言ってたの此れの事か……
きっついなあ、これ……マスクとゴーグルしてるのに鼻がぐずぐずするし目がこう……外して水洗いしたくなるレベルでかゆい……
しかも、此れがもっと酷くなるんだろう?
うん、遠距離攻撃が得意でよかったよ……
相棒、お前もきついだろうが耐えてくれ、な
そんな風に植物を身体に生やしているって事は燃えやすいって事だろ?
存分に燃えてい……くちゅん
うわ、燃えてるから花粉が周囲に拭き散らかって……くしゅん!くしゅん!
じ、地獄が過ぎる……花粉症、こんなにきつかったのか……
しかし、花粉症のポリノシスにナマケモノの先祖のミロドンを組み合わせた名前とか名は体を表しすぎだろ……
本当に重症になる前に倒せて良かったぜ……花粉症きっついんだなあ……
愛馬のスヴェルカーニエ共々マスクとゴーグル着用
スヴェルカーニエに〇騎乗し散布される花粉が当たらないように距離を取りながら〇高速詠唱で〇焔矢を放ち続ける
兎に角距離を取ること重点で
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
門を抜ければ、そこはゴンドワナ
変わる空気を感じる
転移成功……だな
これまでの積み重ねの成果だろうか
獣神王朝エジプトの遺物……謎多きオベリスクに前進を感じるのはありがたい
順調なのは何よりだ
何だろうな、この声は……和むな
……ナマケモノのような巨獣?
……ナマケモノって、こんな鳴き声だったのか
縄張りを荒らしてすまないが……この辺りの覇権はいただくよ
戦況を観察しつつ、敵の位置を把握
できるなら戦場を誘導、またはオベリスクを斜線からずらしつつ【泥濘の地】を仕掛け
装備のガスマスク装着で花粉に対応。これで万全
花粉症はごめん被る……(クシュン)
なぜ
絵筆に清流を描き出しPD攻撃、水流を操り花粉獣を絡め取り、水浸しにして花粉を浄化し身動きを封じよう
雨が降ったら花粉は収まるはず……
仲間へつなごう
反撃の大樹海は落ち着いて踏破を……鳴き声の聞こえるほうへ
落ち着いて……花粉症つらい
だがこんな事もあろうかとティッシュとゴミ袋はもってきた
どうぞ
……しかし憎めないな、巨獣というのは……
戦闘後は水源で顔を洗おう
●花粉地獄
オベリスクを起動し、転移門を潜る。その先で我々が目にしたのは、オベリスクに生い茂る草木。咲き誇る花。実る果実。
それは自然の力、雄大さと共に、文明への拒絶を感じさせるものだった――
「というわけで。第四回、でぃあぼろすちゃんねるー!」
「ここまでは順調、といったところか」
クィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)のナレーションにエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)が頷いて返す。これもまた積み重ねの成果だろう、謎多きオベリスクの扱いに対し、一定の習熟が見られるのは喜ばしい事でもある。
「しかしまあ……おるなぁ、巨獣が」
クィトがカメラを持たせた浮遊ガジェットと共に見上げれば、繁茂する緑の中に縄張りの主の姿があった。でかい割に今のところ動きはあまり見られない。というかゴリアラとの戦闘が繰り広げられている間ものんびり草を食っていたように見えたが。
『ホワァ~~~~……』
「何だろうな、この声は……和むな」
欠伸みたいなその鳴き声に、エトヴァがそう口にする。一見するとナマケモノのようにも見えるとはいえ、その正体は定かではない。何にせよこの先のことを考えれば、放っておくわけにはいかないだろう。
「縄張りを荒らしてすまないが……この辺りの覇権はいただくよ」
「よーし、我もゆくぞー」
皆の勇姿を記録すべくカメラを回したまま、エトヴァと共にクィトも敵へと仕掛ける。すると。
『ホワワ~~~』
巨獣の体表を覆う草花から、ふわりと黄色い粉が上がる。それはゆっくりと広がりながらディアボロス達のもとに舞い降りて……。
「んおぉぉ! いきなり樹が!?」
その花粉を浴びた草木はミシミシと音を立てて、急激に成長を始めた。踏み込むべきそこを木々に遮られ、思わず仰け反ったクィトだが、これはこれで望むところと不敵に笑む。
「これは……映える映像というやtえっくしょん!」
しかしながら、その笑みはすぐにくしゃみの衝動に遮られてしまった。そうこうしている内にも激しく成長した植物が周囲を覆っていく。これ以上オベリスクが緑の中に埋もれる前に、決着を付けたいところだが。
「……目がしぱしぱする」
何か、この黄色い花粉に対して体が異常に反応している。ずずーっと鼻を啜ったところで・
「花粉症、か……?」
同様の症状に苛まれ始めたルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)が呟く。急いでマスクとゴーグルで花粉症対策を試みるが、既に目と鼻にダメージが来ていた。
「きっついなあ、これ……」
鼻はぐずついているし、いっそ目は外して水洗いしたいレベルだ。さらに、この悪影響を受けているのは彼の愛馬も同様らしい。こちらもマスクとゴーグルで防御しているはずなのだが。
「やはり生半可な対策では効果が薄いか……」
ここは完全に顔を覆うガスマスクの出番だろう。毒ガスさえも寄せ付けないそれで完全防備の体勢を取り、エトヴァは黄色い花粉の中へと挑む。
この万全の対策を以てすれば花粉症など恐れるに足らず「クシュン」
「……なぜ」
「そこまでやってもダメかあ」
「なんておそろしいやつ。急いで倒さねば」
これも物理法則を破壊する系のアレだろうか。無茶苦茶としか言いようがないが、放っておけばこの花粉地帯はさらに広がり、その中心である巨獣には近寄り難くなってしまう。
「相棒、お前もきついだろうが耐えてくれ、な」
速やかに仕掛けるべきだと判断し、ルィツァーリはスヴェルカーニエの首元を叩いて、その背に跨った。狙うは緑の海の中に紛れ込もうとしている巨獣の姿、花粉の領域から逃れるように走りつつ、パラドクスによる巨大な大砲を顕現させる。
「そんな風に植物を身体に生やしているって事は燃えやすいって事だろ?」
『ペルーン神の焔矢』、砲火と共に放たれた誘導弾は巨獣の身体を打ち据え、爆ぜて、周辺を赤く染め上げた。葉を、蔓を、炎が炙り焼け焦げさせて――。
「存分に燃えてい……くちゅん」
ダメージは確かにあった。だが爆風の後、燃え上がった炎と共に荒れる気流が、花粉を激しく飛び散らせる。ナマケモノ風ののんびりした巨獣がこの辺の主をやっていられる理由の大部分がコレだろう。
くしゅん、くしゅんと無双馬と共にくしゃみが止まらない状況に陥って、ルィツァーリが涙目で敵を見据える。
「じ、地獄が過ぎる……花粉症、こんなにきつかったのか……」
「水、水で洗い流そう」
ガスマスクのおかげで多少はマシなのだろうか、とにかくエトヴァはこの状況に対応すべく絵筆を取った。描き出すは蒼く透き通る清流、顕現した聖なる水は勢いよく噴き上がり、樹上の巨獣を飲み込む。絡みつく水流は膨大な圧力で敵を襲うと共に、吹き荒れる空気中の花粉を押し流していった。
これはこれで周囲の植物が生き生きし始めてきた気もするが、その辺りはトレードオフと割り切って。
「行くぞモナカ砲撃型、ビーム発射ー」
今だ、とばかりに浮遊するドローンを踏み台にして、敵へと迫りながらクィトが指令を飛ばした。彼女に付き従うガジェットは搭載されたレーザー砲を展開、炎と水流によって緑の膜の剥がれたそこへ、光線を叩き込む。
『ポワァ~~~……』
さすがの巨獣もこれには堪えたのか、悲鳴(らしきもの)を上げて、樹海の奥へと後退を始めた。
「ああ! こらまてそっちに行くんじゃnぶぇっくしょん!!」
ずびびー。
すぐさま後を追おうとしたクィトだが、砲撃によって再度飛び散った花粉が症状を激烈に悪化させてくる。
おのれかふんしょう。余りにも辛いこの状況に対し、エトヴァはこんな事もあろうかと準備していたティッシュとゴミ袋を差し出した。
「どうぞ」
「うむ……」
「しかし、花粉症のポリノシスにナマケモノの先祖のミロドンを組み合わせた名前とか名は体を表しすぎだろ……」
「とりあえず、顔を洗おう」
敵と距離が取れたせいか、多少は症状も緩和してきている。エトヴァの生み出した水源にあやかって、ルィツァーリ達は体勢を立て直した。
「鳴き声の方に向かえば、すぐに追いつけるだろうか……」
ディアボロスと巨獣、大樹海と化したこの戦場を制するのは、果たしてどちらか――。
そんなナレーションを付け加えたところで、巨獣の緊張感のない咆哮が周囲に響いた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【建造物分解】がLV2になった!
【動物の友】LV1が発生!
【水源】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV5(最大)になった!
【ラストリベンジ】LV1が発生!
イロハ・アプリルシェルツ
※連携&アドリブ歓迎
うーん、見たところ南米に居たミロドンに近いナマケモノの巨獣なのかな。
なんか得体の知れない身体に悪そうな色をした花粉をまき散らしてるけどね。
花粉症じゃないイロハもムズムズして来たから早々に退治しようか?
直接この花粉を浴びると酷い目に遭いそうだから気休めかもしれないけど聖骸布で口と鼻を覆って挑もうか。
凄い劇物っぽいから戦い終わった後は奇麗な聖水で洗い流した方が良さそうだよね。
巨体ではあるけど俊敏な動きをする巨獣ではなさそうだから
風向きには注意した上で仲間と声を掛け合い、足を使って小回りを効かせて撹乱するよ。
立体的に動いて花粉の塊を回避しつつ、臨機応変に相手の隙を狙って攻撃しようか。
そのまま殴っても、毛皮と言うか身体を覆う植物に衝撃を吸収されちゃいそうだから
出来れば身体の関節や末端から氣を練って衝撃波を体内に浸透させ【ペトロの殉教】で護りを貫くよ。
見た目は可愛げがなくもなかったけど花粉を撒き散らすのはいただけなかったよね。
ゆっくり眠ると良いよ、もう目覚める必要はないからね。
イシュア・アルミゴス
…植物と共生するってああいう感じのこと言うのかな
癖が強いなあ、巨獣。個性的すぎない?あー、目がしょぼしょぼしてきた
サングラスとマスクで準備万端。花粉症はマジでヤバいんだからね
一生止まらない鼻水の恐ろしさ、ホントに許さない
近づきたくは無いけれど、近づかなきゃ攻撃できないのが槍使いの悲しい所
花粉の塊とか触りたくもないけどそこは妥協しよう…ほんともう…
高速で接近しながら槍を振るい飛んでくる花粉玉を切り払い
身体全体を使って立体的に動き少しでも花粉に当たらないように突き進む
アヌビスの守護である程度防ぎ接近したら一気に貫き放電開始!
雷は木を燃やすんだ。君はどれだけ燃えるかな?
それだけ植物で身を包んでりゃさぞ気持ちよく燃えそうだねえ!
全くある意味恐ろしい敵だったよ。さーて本命オベリスク
一体どういう状況だ?花粉まみれとか勘弁してね
●緑の寝所
絡み合う植物の合間、のそのそと動く巨獣の影を認めて、イロハ・アプリルシェルツ(神聖ならざる銀・g05555)が身構える。
「うーん、見たところ南米に居たミロドンに近いナマケモノの巨獣なのかな?」
見た目からの類推ではあるが、恐らくそう外れてはいないだろう。しかしながら、それだけでは説明がつかない部分も多々あるわけだが。
「なんか得体の知れない身体に悪そうな色をした花粉をまき散らしてるけど……」
「……植物と共生するってああいう感じのこと言うのかな」
ううん、と頭を捻りながらも、イシュア・アルミゴス(守護星蟲・g00954)が応じる。クロノヴェーダはどれもこれも特徴的ではあるけれど、巨獣もその御多分に漏れず、といったところだろうか。体表に生い茂る草と色鮮やかな花、そしてそこから広がる黄色い霧のように見えるそれに対し、彼はサングラスとマスクで対応を試みる。
「あー、目がしょぼしょぼしてきた」
まあ、あまり意味はないようだが。
「花粉症じゃないイロハもムズムズして来たから、早々に退治しようか?」
こちらはこちらで聖骸布で口と鼻を覆い、イロハも敵との間合いを測る。幸い敵は素早く動き回るタイプではないようだ、足を使っての撹乱が有効だろう。とはいえ、あの黄色い霧のように漂う花粉地帯には、どうあっても踏み込まねばならないようだが。
同様に見立てを行ったイシュアが槍を手に呟く。
「近づきたくないなぁ……」
花粉症はマジでヤバい。眼と鼻が機能しなくなると戦闘に差し障る、とか以前にとにかく辛いのだ。考えたくもないけれど、槍の間合いを鑑みれば入らないわけにはいかないのが悲しいところ。
「風向きに注意すれば、多少は――」
何とかなる、だろう。こちらはこちらで拳の間合いまで詰めるべく、イロハが強く地を蹴り付けた。
軽やかに跳躍し、周囲の樹や枝を足場に敵へと迫る――すると、敵も臨戦態勢に入ったのか、『ポワ~~』と眠たげな声を上げた。
いやこれ欠伸しただけか? とにかく、本体に代わって迎撃態勢を取るように、体表に絡みつく植物が蠢いて、いくつもの巨大な種子を吐き出した。硬質な塊は砲弾としては少々頼りなく見えるが、その代わりに種子の周辺には色濃い花粉が漂っていた。
「うそでしょ……」
濃縮された花粉の塊とかいう劇物が次々と射出される光景に、イシュアが「ほんともう……」と呟く。見ているだけで目と鼻の粘膜がやられそうだが、とにかくある程度の妥協は必要だろう、そう覚悟を決めて息を止め、イシュアも敵への距離を詰めにかかった。
できれば受け流しも防御もしたくない。イロハとイシュアは、種子を中心とする花粉の濃い地帯を可能な限り避けて、立体的な機動で巨獣へと迫る。目の前で射出された花粉玉を切り払い、槍の穂先が輝いて。
「雷は木を燃やすんだ。君はどれだけ燃えるかな?」
黄色い花粉で視界が滲み、濁る中、イシュアの槍が敵を捉える。その体表を覆う緑のカーテンを貫き、突き立てたそこへ。
「それだけ植物で身を包んでりゃさぞ気持ちよく燃えそうだねえ!」
さあ、ビリッといくよ。大電流が弾け、周囲に眩い火花が散る。高熱と共に上がった炎が草木を、花粉を蝕み喰らう。そして苦鳴と共に仰け反る巨獣へと、イロハの靴裏が追いついた。
蠢く体表に着地し、掲げた拳を関節部――草木や毛皮の守りが極めて少ない場所へと向ける。
「見た目は可愛げがなくもなかったけど、花粉を撒き散らすのはいただけなかったよね」
『ペトロの殉教』、練り上げた氣を、その一撃と共に送り込む。浸透するそれは護りを貫き、巨獣の体内で爆ぜた。
衝撃に巨獣の身体が揺れて、ぶら下がっていた樹上から落ちる。盛大に大地を震わせて墜落した縄張りの主は、緑の中、四肢を投げ出すようにして力尽きた。
「ゆっくり眠ると良いよ、もう目覚める必要はないからね」
遅れて着地したイロハは、敵が動かなくなったことを確認して、静かにそう告げる。ディアボロスと巨獣の縄張り争いは、こうして一時の決着を迎えた。
戦闘は無事に終わったけれど、この劇物じみた花粉は消えていない。できれば奇麗な聖水で洗い清めたい、とイロハは滲む涙を拭いながら服に付いたそれらを払う。
「全く、ある意味恐ろしい敵だったよ」
そう言いながら、武器を収めたイシュアはオベリスクの方を見遣った。
「さーて、本命はこっちなわけだけど――」
できれば花粉塗れとか、そういう状況は避けてほしいところだが、まあ。それは無理な注文と言うものだろう。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【託されし願い】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
●獣神王朝の遺産
この周辺に巣食っていた巨獣達は、ディアボロス達の手によって撃破された。
絡みつく草花と樹木の枝、ついでに凄まじい量の花粉で覆われた状態ではあるが、オベリスク周りの危険は排除することができたと言えるだろう。
先程倒した巨獣がきちんと縄張りを管理していたためか、幸いにも他の巨獣の気配はない。この平穏は恐らく一時的なものではあるけれど、しばらくの間ならば安全に作業はできそうだ。見回りを行っていたディアボロス達がそう判断する中、その一員に加わっていた春一は、先程の戦闘中に見かけたそれの前で足を止めた。
「ん、どうかしたか?」
「いえ、この岩……なんか見覚えが……?」
クィトの問いに首を傾げて返しながら、その『人の顔のような巨岩』に近づく。深く絡みついた蔓草を掻き分けてみると、その表面は明らかに周囲の岩石とは質の異なるものだと分かる。滑らかな面から少し伝っていくと、破損して裂け目になっている箇所に行き着いた。春一とクィトの覗き込んだそこには、緑の蔦――ではなく、特徴的な色のケーブルが幾重にも張られていた。
自然のものとは明らかに違う、これは。
「……エジプトにあった巨大ロボでは?」
「あれのパーツかー……」
正しくは巨大神像、獣神王朝エジプトにおいて、ネフェルタリが巨獣に対抗するために用意していたアレである。撃破後、クィトや春一も含めたディアボロスによって修復、鹵獲され、奪還戦においては巨獣との戦いに使われたりと色々活躍していたものだが。
「なるほど、ここに流れ着いていたのか」
樹海の緑を掻き分ければ、一同はすぐに本体……横たわる巨大神像を発見することができた。
どうしたものかとそれを見上げながら、エトヴァが呟く。前回の限定起動時、霧越しの観測では『触れなかった』、『時間がなかった』等の理由で発見できなかったが、意外と近くに在ったものらしい。
とはいえ、長らく放置されていたためか、巨獣に壊されたり踏まれたりで巨大神像はかなり大きく損壊している。修復が可能かはわからないが、やるとしてもかなり時間がかかりそうだ。
「もう少し早く確保できていれば、すぐに動かせたかもね」
この辺りは所詮たらればの話だけど、と前置きしてイシュアが言う。
――とにかく、新しい発見はこれくらいだろうか。そろそろ現在の状況を踏まえて、オベリスクをどうするか、検討を始める時だ。
クィト・メリトモナカアイス
死闘の末……死闘?んむ、ある意味では死闘の末、巨獣の手からオベリスクを取り戻した復讐者たち。
しかしこれは戦いの終わりではない。ここから始まるのだ、オベリスク職人たちの仕事が――
第五回、でぃあぼろすちゃんねるー!
というわけで。まずは皆の心はたぶん1つ。【クリーニング】で花粉除去。かふんほろぶべし。
改めて見て思ったのだけれど。
大きくない?オベリスク……
【怪力無双】で運べるのかなこれ……
んむー、せっかく見つけたのだし。
巨大神像には頑張ってもらいたい。
というわけで提案するのは「こちら側からオベリスクを起動させ、巨大神像を新宿島に送る」こと。
巨大神像は対巨獣に効果があることが獣神王朝エジプト奪還戦で分かっている。
新宿島で残留効果をフル活用して修理。ちょっと見えてきたキングアーサーでの奪還戦で巨獣との戦いになれば新宿島から出撃できるようにしておきたい。
というわけで。実現の可能性確認としてこのオベリスクの転送機能を使えるか調べよう。
無鍵空間のレベルは低めだけど、起動させられそうかな……?どうだろうか。
イロハ・アプリルシェルツ
オベリスクを此処に放置するのは危険だから
出来ればサフィーナ・ミウに直接載せるか、牽引するかしてもう少し安全な場所へ動かしたいんだよね。
未だ確認されてないけどこのディヴィジョンにも
エゼキエルから大天使やアークデーモンが漂着して居る筈だし
彼等にオベリスクを確保されたら東京二十三区内に侵入されちゃいそうな気がしてるんだ。
だから先ずは此処から安全な場所へと移動させることが最優先と言うのがイロハの考え。
次点としてはサフィーナ・ミウでは未だ到達出来ない地域
例えばマダガスカル島とかへ行く為の橋頭堡づくりに役立てられれば良いかなと思ってるよ。
最終的には中央以南のアフリカを奪還後にパラドクストレイン以外にも物資を大量輸送させる手法が
オベリスクによる転移とかで確立出来ていれば帰還のペースが速められるかなと思うんだよね。
とは言うものの、予想される一番のネックはオベリスクの大きさと重さかな・・・サフィーナ・ミウに載せて動かせる、かな?
幾つかに分割出来れば解決するんだけど・・・(オベリスクをペシペシ)
●一次検討記録
度重なる死闘の末、巨獣の手からオベリスクを取り戻した復讐者たち。
しかしこれは戦いの終わりではない。ここから始まるのだ、オベリスク活用法検討会が――。
「というわけで第五回、でぃあぼろすちゃんねるー」
最後まで自分でナレーションをやってから、クィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)は表面に降り積もった花粉の除去を開始する。ぜつめつせよかふんども。先程の巨獣の名残を洗い落す作業はそうそう簡単に終わりそうもなく、嫌でもオベリスクのサイズ感を意識することになる。
「改めて見て思ったのだけれど……大きくない?」
それはそう。周囲の植物や巨獣のスケール感から錯覚しかけていたが、実際はこちらも新宿島のオベリスクと同じ大きさをしているのだと、イロハ・アプリルシェルツ(神聖ならざる銀・g05555)が首肯する。そして今回は、それが大きな問題となるのだ。
「新宿島に通じるわけだから、ここに放置しておきたくはないよね……」
他のメンバーも含め、最初に浮かんだのは『危険性』について。この転移装置が他勢力に利用されるようなことがあれば、いきなりこちらの懐まで乗り込まれることになってしまう。
「でもこれ……運べるのかな」
オベリスクを見上げながらクィトが呟く。
重量物への対策と言えば、ディアボロスには【怪力無双】という手がある。このオベリスクは大地に接続されたものではないので、【怪力無双】のレベルが1でも……ざっと40人くらいのディアボロスが息を合わせれば持ち上げることが出来るだろう。とはいえ、そこから遠くに移動するとなると至難の業になりそうだが。
「パラドクストレインには……」
「どうがんばっても、このサイズは乗らないよね」
これにより『遠くへの移送』と同時に、『このオベリスクを新宿島に持ち帰る』という手は、現状では取りようがないことになる。
それでも、先ずは此処から安全な場所へと移動させることが最優先、とイロハは思考を巡らせて。
「出来ればサフィーナ・ミウに直接載せるか、牽引するかして、もう少し安全な場所へ動かしたいんだよね」
「んー、あれ今どこにおったっけ……?」
それについては、可能かどうか試してみないとわからない。だが実験するにしても、このオベリスクの元に砂上船を連れてくる必要があるだろう。
ちなみにサフィーナ・ミウの現在地は最終人類史で言うタンザニアの南部。ここがゴンドワナの北部であると仮定すれば、1000km以上先をさらに南――こちらから離れていく方向に移動していることになる。
「……難しいね、それができればサフィーナ・ミウでは未だ到達出来ない地域――例えばマダガスカル島とかへ行く為の橋頭堡づくりに役立てられそうなんだけど」
パラドクストレイン以外の転送手段として有用そうなのはそれだが、どちらにせよ『そこまでオベリスクをどう運ぶか』というのがネックだ。
「こう、幾つかに分割出来たりしないかな?」
ペシペシと、イロハは問いかけるようにオベリスクを叩く。彼女のみならず、「こうであれば」という案はいくつか挙がっていたが、対の存在である港区のオベリスクを調べて出てこなかった以上、こちらに劇的な新機能を求めたところで望み薄、何にせよこの場で明らかになることはないだろう。
「じゃあ、少なくとも、転移はできるとして――」
やはり、今は明らかになっているその部分を軸に考えるしかない。
それから、クィトは密林の向こう、先程緑の中に埋もれていた巨大神像の方を指さした。
「あれを持ち帰る、というのは?」
巨大神像は対巨獣に効果があることが獣神王朝エジプト奪還戦で分かっている。あの頃よりも強くなったディアボロス達は、巨獣にも生身で対抗できるようになってきているが、それはそれとしてあの巨大兵器は使い道がありそう……というかせっかく見つけたので頑張ってもらいたい。
それに、未だに仕組みの手がかりが全くないオベリスクに比べ、こちらは一度修復できたという点で見込みはある、と彼女は続けた。それに対し、イロハは考え付く懸念点を口にする。
「あのサイズのものを転移できるか、が問題だね」
これも試してみなければわからない。ただ実際にやるとするなら、まずは環境の整っている港区のオベリスクを使って、どの程度の質量のものまで転移できるか実験してみるところから、だろうか。「それに」、とイロハがさらに付け加える。これでいい結果が得られれば、今後物資を大量輸送させる必要が出てきた際に役に立つかもしれない。
――この場で思い付く案はこんなところだろうか、以降は、腰を落ち着けて、新宿島の仲間達と共に考えた方が良いだろう。
ひとしきり論を交わし、そろそろ帰還しようというタイミングで、それは起こった。
巨獣達から確保したばかりのゴンドワナのオベリスク、それが光を放ち始めたのだ。
「……何かした?」
イロハの問いに、「いや」とクィトが首を横に振る。他のディアボロス達も同様ではあったが、とにかく港区からここに転移した際と同じ現象が、こちらのオベリスクにも発生していた。浮かび上がる象形文字、強まる光。新宿島に比べ劣悪な環境で無鍵空間作業をしなくてもよくなったのは、僥倖というほかない。
「とにかく、一旦帰還しよう」
イロハの言に頷いて、一行はオベリスクの放つ光の中に身を留めた。
閃光が視界を埋め尽くし、一瞬の後、彼等は港区のオベリスクの下へと転移していた。
帰還後に分かったことではあるが、丁度そのタイミングで、港区のオベリスクに再度地獄変のエネルギーを注いでいた。つまり片方のオベリスクが起動すれば、同時に対となるオベリスクも起動する……『道』は双方向に開かれる作りになっているようだ。
これは吉報とも凶報ともいえるだろう。このオベリスクが今後どうなるかは、今回得られた情報を、ディアボロス達がどう判断するか次第である。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【クリーニング】LV1が発生!
【無鍵空間】がLV2になった!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!
【ラストリベンジ】がLV2になった!