リプレイ
カイ・オーベルト
アドリブ、連携歓迎。
任務了解、だ。
俺達が言う事じゃないが、貴様等の復讐など知った事か。攻めてくるなら、真正面から叩き潰し、分からせてやる。
人々を避難させ安全確保するにせよ、敵が闊歩していてはどうにもならん。敵兵の殲滅に回る。
俺達を第一目標にするなら都合が良い。姿を隠さず飛び出し、敵の気を引く。貴様等の目当ては俺達だろう。火遊びしている暇があるなら、かかってこい。
突撃を「電磁バリア」の斥力と、サイバー化で強化された肉体の頑強性でいなし、直撃を避け【ガードアップ】でダメージを最小限に抑えつつ、パラドクスで攻撃を仕掛ける。
【磁雷】使用。体内の「動力炉」のエネルギーを電磁力に変え放出。磁場の嵐を吹き荒らす。
地中の砂鉄を巻き起こし、鉄の砂塵を敵に叩きつけて削り落としてゆく。
更に、磁気嵐を高圧電流に変えて焼き払ってやろう。
【建物復元】の効果を発動させると、周囲の建物が燃えにくくなって延焼を防げるかもしれない。意識して立ち回ってみよう。
住民避難を行う仲間がいるなら、敵を引き付けて支援する。
峰谷・恵
「獣の子分になっているとはね。まあ大天使だなんだと言ってもトループス級じゃ主は選べないか」(挑発)
可能な限り連携を取る。アドリブOK。
到着と同時に敵へ向けてダッシュで接近しつつ、放火している敵から優先して地裂衝破を叩き込みさらには煽るような言葉で挑発して敵の注意をこちらに引き付ける。
敵の反撃は突撃開始の直後に大きく横跳びに回避。避けきれないものはLUSTオーラシールドで受け流す(炎の熱は魔闘気で和らげる)。
その後は敵の意識を引き付けて放火の手を止めさせ、地裂衝破でダメージを負った敵から優先して攻撃、撃破していく。
余裕があれば撃竜海戦装の砲撃で一般人を巻き込まないように燃えそうな建物を破壊し延焼を防ぐ。
「まあ、考えてみれば今の獣の手下になって放火してる方がその姿に合っているか。身の丈に合う職場が見つかって良かったね」
「火付け係は片付いたかな。なら燃え広がる前に住人の避難を急がないと」
風祭・天
先ずは、早急にトループス級を撃破しないとだし。
命あっての物種って言うけれど、帰る場所がなくなるのは、つらおでぱおんだもんね。そう言うぱおんなのは、少しでもない方が皆、ハッピー的な。だから、頑張るよ☆
私たちへの復讐心があるっぽいし、とりま、姿を見せて【殺気】を放ちながらVertex.M51で銃撃しての【挑発】ってところかな。なるべく沢山を村から引き離しつつ一網打尽にしたいから、目立ってゴーしないとね☆
後、テンアゲな私が戦ってると、村の人にも救助が来たって示せるでしょ?
本格的に戦闘に雪崩れ込んだら主殿司宗光での近接戦メインに切り替えるね。敵の攻撃は驀直去で穂先を弾いて直撃を避けるのを重視。からの、いい感じに集まって来たらパラドクスの肆式疆域を発動して蜂の巣にしてやるし☆
そんな感じの流れを繰り返して、トループス級を全滅させてやんよー☆
そだそだ。依頼同行者との連携は重点事項だから、喜んで協力するよ☆ ウェイ☆
この後の消火や避難誘導、色々とキャパくなりそうだし、気を抜かずにいかないとねー☆
「はいは~い、こっちこっち~☆」
「むっ
……!?」
【飛翔】して戦場に突入しながら、大型拳銃の銃声を響かせる風祭・天(逢佛殺佛・g08672)。撃ち込んだ通常攻撃の弾丸は当然弾かれるが、獄下兵の目を引き付ける。
「テンアゲな私達が救助に来たよ~。とりま、トループス級には退場してもらおうかなー☆」
「ディアボロスっ
……!!」
その明るい大声は、村人達へのアピールも兼ねている。救助が来たと希望を与える一方で、獄下兵を挑発し、村から引き離すように。
獄下兵の方はこちらのそんな意図に全く気づかず、憎悪の炎にたぎりながら突っ込んでくる。
「こんな所で会えるとはな……嬉しいぞ、貴様らを一人残らず焼き尽くしてくれる!」
「おっとぉっ!?」
燃え盛る炎の身体と加速の勢い、巨大な槍の重量。咄嗟に日本刀を抜き放って受け止めるが、ねじ伏せられるように地面へと弾かれる。防御陣も展開する事で墜落は免れるも、容易く防ぎきれるものではない。トループス級の攻撃と言えど、パラドクスに対抗出来るのはパラドクスのみ。
「って事ならぁ……蜂の巣にしてやるし☆」
「ぬぅぅぅっ!?」
ゆえに彼女は獄下兵を指差し、ウィンクと共に結界を展開する。拾参式が肆、大量の重火器を召喚し、質量に対して物量での返礼。
弾丸の雨霰が敵陣を薙ぎ払い、近づいてくる獄下兵を後退させる。その飛行の高度が下がった瞬間、地面から放たれる剄の衝撃。
「ぐぬっ
……!?」
「獣の子分になっているとはね。まあ大天使だなんだと言ってもトループス級じゃ主は選べないか」
大地を踏みしめて剄を放った体勢のまま、挑発を口にするのは峰谷・恵(フェロモン強化実験体サキュバス・g01103)。敵の注意を惹き付けるため、殊更煽るように視線を向ける。
「まあ、考えてみれば獣の手下になって放火してる方がその姿に合っているか。身の丈に合う職場が見つかって良かったね」
「ディアボロス……貴様らに復讐するためなら、主など選ばぬ!」
実際の所、獄下兵たちに主や戦う場所への拘りはなく、恵の挑発はやや的がずれている。彼らはキマイラウィッチの部下として動く事に、何ら悪感情を抱いてはいない。
彼らにとっては、ディアボロスへの復讐が全て。だがそれゆえに多少ずれていようとも、ディアボロスに挑発を受けたと言う事実が彼らを激昂させる。
「一人残らずこの槍で貫き、その後、火刑に処してくれよう!」
「っ……!」
その怒りの炎を纏った突撃を、盾をかざして受け止める。強い衝撃と共に殺気が伝わり、小さく声を漏らす恵。パラドクスによる攻撃は、基本的に避けられない。防御でダメージを抑えつつも、じりりと後退を強いられる。
「ディアボロスに天罰あれ! 汝らの罪を炎で贖うが良い!」
「……俺達が言う事じゃないが、貴様等の復讐など知った事か」
そうして高らかに叫び、憎悪を振りまく獄下兵に対し、カイ・オーベルト(アイゼンフント・g05787)は吐き捨てるように声をかける。
兜の向こうからの強い殺気を、その身で堂々と受け止めて。
「貴様等の目当ては俺達だろう。火遊びしている暇があるなら、かかってこい」
「言われるまでもない。貴様らを、煉獄の炎で焼き尽くしてくれよう!」
振るわれるその炎の槍も、サイボーグ化した肉体の頑強性によって受け止めた。その身から放つ電磁の斥力で直撃だけは避けつつも、強い衝撃に後退を強いられる。
その身体から火花が散り、周囲に撒き散らされていく。それらは地面に落ちると共に……そこから、黒い影を浮かび上がらせた。
「それでいい。真正面から叩き潰して、分からせてやる」
「っ、ぐぅっ!?」
いや、影と見えたのは大量の砂鉄だ。地面に含まれた鉄分を、内蔵動力炉から放たれる電磁力によって操作する。吹き荒れるは磁場の嵐。巻き起こした鉄の砂塵を煉獄兵へと打ち付け、その身を激しく削り取り。
「このような物で、我ら、がっ……あがああっ!?」
「貴様等が炎で焼き払おうとするなら、俺は電気で焼き払ってやろう」
砂鉄はさらに磁気嵐へと変わり、高圧電流が体内に流れ込んだ。他のディアボロスのパラドクスですでに弱っていた獄下兵は白煙を噴き上げて崩れ落ち、自らの炎によって燃え尽きていく。
「ディアボロスめ……ディアボロスめ! 我らからディヴィジョンを奪い、なお我らの前に立ちはだかるか!」
「元はと言えば貴様等が歴史を奪い、そして今また火を付けて回っているせいだろう」
仲間が倒された事で、さらなる怒りを燃え滾らせる獄下兵。だが、その怒りはただの逆恨みだろうと、カイは冷たく切って捨てる。
もちろんその逆恨みの炎が、その程度の冷たさで衰えるはずもないが。その身から炎を滾らせながら、次々と突撃を敢行して来て。
「命あっての物種って言うけれど、帰る場所がなくなるのは、つらおでぱおんだもんね」
「つら……? まあ辛い、よね」
それらを迎え撃つべく結界を広げる天と、少し首を傾げつつも頷き、大地を踏みしめる恵。弾丸の嵐が敵を撃ち落とし、大地に触れた相手を剄が突き上げる。
「そう言うぱおんなのは、少しでもない方が皆、ハッピー的な。だから連携してガンガン倒しちゃうよ、ウェーイ☆」
「ウェ、ウェーイ」
ノリの方はともかく、連携自体は的確に。相手の炎槍を受け止めながら、次々と相手を打ち倒していく。そうして倒されてなお獄下兵は止まらず、むしろより一層に、炎の勢いは増すばかり。
「燃えろ! 燃え盛れ! 全て燃え尽きてしまえ、ディアボロス!」
「迷惑な話だ。逆恨みなら人のいない所でして欲しいものだが」
そうして燃え盛る炎に建物を巻き込まないよう、後退を繰り返しながら磁気嵐を起こし続けるカイ。【建物復元】は、レベル1では10m半径。無理に建物を範囲に収めるよりも、その範囲から敵を引き離した方が良さそうだ。
「さあ、どうした。貴様等の火刑場はこっちだぞ」
「ディアボロスッ……ディアボロスゥッ……!」
その磁気嵐を強引に抜けてくる獄下兵も、剄によって弾丸によって、次々と打ち砕いていく。所詮、相手はトループス級。ディアボロスが本格的に連携して当たれば、そうそう相手になるものではない。
「おのれぇ……我らが倒れようとも、貴様等は必ずっ……我らが同胞、がっ……」
「ならその同胞も全て、叩き潰すまでだ」
最期の一兵に至るまで強い憎しみを口にする獄下兵に対し、カイは決意と共にそう言い放ち。大天使達は東京から遠く離れたイベリアの地に、灰となって還っていく。
「火付け係は片付いたかな。なら燃え広がる前に住人の避難を急がないと」
「ああ。敵を倒したからと言って気は抜けない、ここからだ」
それらの全滅を確認し、だがディアボロス達が気を緩める事はない。獄下兵を撃破しても、彼らがすでに放った火の手は当然止まる事はない。
人々は今も逃げ惑い、その家々が焼かれようとしている。
「そうそう、こっから色々とキャパくなりそうだし、気を抜かずにいかないとねー☆」
「……どこから当たるか、いや、考える前にまずは動かなくてはな」
そんな炎から人々を守るべく、ディアボロスは次の行動を開始する――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【建物復元】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
峰谷・恵
「火事だよ!村の中央の集会所に避難して!!」
可能な限り連携を取る。アドリブOK。
避難勧告を使い、住人を集会所へ避難するよう呼びかけて回る。怪我をしたり親とはぐれた子供を見つけたら背負って集会所へ運び込む。運び込んだら避難済みの住人にまだ来ていない人が居ないか確認を頼み、居ない人は村のどのあたりに済んでいる人か情報をもらい、その情報を元に探しに向かう。探す途中まだ燃え始めていない建物は建物復元で強化して延焼の時間稼ぎをする。
住民全員避難が済んだら水源で集会所の風上側に川を出して延焼を防ぎ、水源から組み上げた水で燃えている家を消火してまわる。
消火が済んだら建物復元で燃え落ちた建造物を直して回る。
「居ない人はボクらが探してくるからみんなは火事がおさまるまで集会所から出ないで!」
「大丈夫、すぐ避難場所まで連れて行くからね」
カイ・オーベルト
ここからは時間との勝負だ。救助活動と消火活動を並行して行う必要がある。
仲間と分担して、迅速に行動する。火勢の強い位置を優先だ。
村内を走り回り、【避難勧告】を発動させつつ集会所への避難を呼びかける。
子供や老人、病人や怪我人等、自力で移動出来ない者は抱えて運ぶが、ここは助け合った方がいい。健常な村人に、避難の手伝いを頼む。逃げ遅れている村人がいないか、心当たりを確認しよう。
火勢は俺達が食い止める。焦らず、落ち着いて安全な場所へ向かってくれ。
避難の為に村を周りながら火の状況を確認。
消火よりも延焼を防ぐ方が早いか。
燃え拡がりそうな位置にある建物や木々を【冷凍光線】で粉砕する。パラドクス故凍結に意味は無いが、防火帯を作るだけでいい。
草木や田畑の火は【水源】で作った川と【アイスクラフト】による氷壁で食い止めて回る。数十トンの氷、普通の火では溶けるのに時間がかかるだろうし溶けても地面を濡らしてくれる。
火勢の拡がりを閉じ込め時間を稼ぎ、水源の水で消火していく。
消化後、破壊した建物を【建物復元】して回る。
風祭・天
とりまの脅威は排除したから、村内の避難と消火ね。
時間が経てば経つ程、キャパい状況になってくるっぽいから、仲間との連携と分散はマジ大事。チャチャっと打ち合わせしてからゴ~☆
とりま、避難優先で動くしよろ~☆
皆で分散、手分けしつつ村の中を【避難勧告】して回る感じになりそ。避難先は集会場だよ☆
んで、最中に怪我人や小さい子とか、避難するのが大変な人を見つけたら俄然私のターンって感じ? 【フライトドローン】を召喚して、手助けが必要な人たちを乗っけて、ドローンへの命令は、落とさないようゆっくりと避難所にゴ~☆ あ、乗ってみたい子は…余裕があればおけおけだよ☆ 余裕なさそだったら…全部終わった後、乗せたげる☆
避難の時って落ち着いて貰ったり信用して貰ったりするのがマジ大事感あるし、さっき獄下兵と戦った時に目立ってテンアゲしたのが上手く働いてくれるとよきよきなんだけれども。
避難が無事に終わった後の消火は、パラドクスで延焼防止の破壊と、普通に水を使った消火の二本立て感☆ 村の人たちとも協力してふぁいおー☆
白臼・早苗
アドリブ歓迎です
火付け役はみんなが倒してくれてるから、首謀者を攻撃する前に今は一般人を助けるのが優先だね
【照明】があれば足場の危険を減らせるかな?
針に明かりを灯して、皆が安全に避難できるように上手く導く事にするよ
既に用意されている【避難勧告】も上手く組み合わせて、なるべく早く非難を完了させたいね
後は、煉火獄下兵が仕留められたことに感づいたヘキサトリニティが自ら手を下しに来ないか、注意深く見回ろうかな
……最悪でも、ディアボロスである事を明かせばこちらを狙うだろうし、避難の時間稼ぎには困らないよね
「火事だよ! 村の中央の集会所に避難して!!」
「火勢は俺達が食い止める。焦らず、落ち着いて安全な場所へ向かってくれ」
すでに残留している【避難勧告】を発動し、人々に呼びかける峰谷・恵(フェロモン強化実験体サキュバス・g01103)やカイ・オーベルト(アイゼンフント・g05787)。多くの人々はその指示に従い、集会所への避難を開始する。
とはいえ、突然の火事だ。人々の多くは未だ混乱しており、あちらこちらで悲鳴や叫びが聞こえる。
「娘が! 娘がどこかに行ってしまったんです!」
「大丈夫、居ない人はボクらが探してくるからね!」
そんな人々を落ち着かせるべく、言葉を尽くす恵。自分の足で避難出来る者はいいが、そうでない者も少なくない。それに炎は、刻一刻と燃え広がりつつある。
「……ここからは時間との勝負だな」
「時間が経てば経つ程、キャパい状況になってくるっぽいからね!」
カイの言葉に頷いた風祭・天(逢佛殺佛・g08672)も、軽い口調とは裏腹に真剣な表情だ。周囲に視線を走らせつつ、手早く連携を確認する。
「とりま、避難優先で動くしよろ~☆」
「分かった。こちらはまず鎮火を図ろう」
とにかく火の勢いを止めるのが、最優先。燃え広がる建物をじっと凝視したカイは、その目から冷凍光線を迸らせた。炎ごと建物が凍りつき、そのまま真っ白に染まって崩れ落ちていく。所詮は一般の家屋、ましてや6世紀初頭クラスの文明。パラドクスを用いれば、壊すのは容易い。
「これで延焼を防ぐ。壊した建物は、後で【建物復元】すれば良いだろう」
躊躇っていれば、火は燃え広がるばかり。後々家財ごと直せるのだから、そこは気にしなくて良い。とはいえ、全く無思慮に壊して良い、と言う訳でもない。建物内部に人が残っていれば、巻き込みかねないからだ。
「こっちの方に子供がいるかもだって!」
「わかった。誰かいるか! いたら返事をしてくれ!」
住民達から情報を集めて来た恵の言葉に、頷いたカイは声を張り上げる。メラメラ、バチバチと燃え盛る炎の音に混じり、僅かに聞こえるか細い声。
「――す、け――――」
「うわわ、マジやば! だいじょぶ!? こっちだよ~!」
気づいた天が声を張り上げつつ、燃える建物の内部に視線を送る。そこに人影を見つけると、【フライトドローン】を飛ばして、運び出すように命令を出していく。
「落っことさないように、慎重によろ!」
「う、ぅぅ……げほっ、げほっ……」
救出した子供は幸いにして怪我はないようだが、煙を吸ってしまったようで、大分衰弱している。ぐったりとして咳き込んでいるその少年を気遣いながら、様子を伺い、次の指示をドローンに送って。
「んー、これは自分の足で避難は無理そ? おけおけ、そんじゃ避難所に連れてったげて、ゆっくりね!」
それを見送る――暇もなく、次の逃げ遅れた人を探しに向かう。【フライトドローン】が動かせるのは一人1つまで、後は自分の身体でなんとかするしかない。
幸いにして自分の足で逃げられる者達の混乱は、それほど大きくはない。そちらの方は、自主性に任せて大丈夫そうだ。
「よきよき。さっき獄下兵と戦った時に目立ってテンアゲしたのが上手く働いてくれてる?」
「落ち着いて! 皆さん、こっちです!」
とはいえ完全に放置する訳にもいかないので、そちらは白臼・早苗(深潭のアムネジェ・g00188)が声をかけ続けている。手にした針から光を放つ事で、【照明】を発動し、昼と同じ明るさを周囲に広げていて。
「火付け役はみんなが倒してくれたし、今は一般人を助けるのが優先だね。頑張らないと」
元々、良くも悪くも火のおかげで視界に不自由はしていないが、自らを脅かす火だけが光源では、人々も不安だろう。その光は人々の落ち着きに、大分寄与しているはずだ。
「ヘキサトリニティは――まだ現れないみたいね」
そんな避難活動を続けながらも、注意深く村の外の様子も伺っていく。指揮官であるアヴァタール級は、避難誘導の間は現れないようだ。
予知にない事象は基本的に発生しない、それがディアボロスの強みである――とは分かっていても、気になるのは仕方のない所だ。いつ敵が来ても構わないように、警戒を絶やさず見守っていく。
「うぐ……ぐ……ありがとうございます……」
「大丈夫、すぐ避難場所まで連れて行くからね」
その間にも避難と消火は続いていく。怪我をした男性の身体を支え、他の村人達と合流させていく恵。【活性治癒】があればこの怪我も治すなり和らげるなり出来ただろうが、まあ元々全てを用意出来る訳でもない以上、無いものねだりだ。
代わりに用意した【水源】で、避難所の風上に川を用意する。
「これで延焼が弱まれば良いんだけど」
川の流れがそこにあるだけでも、多少は火の勢いは押し留められるだろう。加えて残留している【建物復元】も広げ、燃えにくくする事で火事の勢いを衰えさせる。
カイもまた【アイスクラフト】で壁を作り、草木や田畑を守っていく。一辺が3mの立方体となれば、重さにすれば数十トン。3つ並べるだけでもそう簡単に溶けはせず、そして溶けても水として、火勢を阻んでいく。
「建物はともかく、こちらは復元出来ないからな」
幸い、燃え盛る炎の進路はそうした田畑からは外れている。おそらくは獄下兵達が、人々の営みよりもその生命を焼く事を優先したためだろう。タチの悪い話ではあるが、今は不幸中の幸いだ。
「自分で歩ける子達はよろ~。歩けない子達はこっちね! 乗ってみたいなら後で! 全部終わったら乗せたげるから☆」
もちろんそれも、全員を避難させ切ればの話だが。逃げ遅れて泣き叫ぶ子供達をドローンであやすようにしながら、避難させていく天。
周囲にキョロキョロと視線を向けると、大声で恵に呼びかける。
「もうだいじょぶ!? 全員避難出来た感じ!?」
「えーっと、どうかな? みんな、逃げ遅れた人は誰かいない?」
それを受けた恵が村民に確認し、そしてまだ足りないと言う声を聞いてはそちらに駆ける。それを2度ほど繰り返した後、村長である老人が、何度も点呼を取って確かめて。
「ありがとうございます、全員揃いましたじゃ!」
「うん、良かった。それじゃあ消火作業だね!」
それに喜ぶ暇もなく、すぐに火を押し留めにかかる。と言っても、建物はパラドクスで壊してから【建物復元】すれば良いので、延焼阻止は難しい作業ではない。
住民が全員避難したなら、逐一の確認作業もいらなくなる。一気に消火活動が加速し、村から火が急速に消えていく。
「とはいえ、壊しただけですぐに火が消える訳ではないからな……」
「あとは地道に水で消火だね」
それでも燃え残る火に関しては、【水源】から汲み出した水によって消火する。村民からバケツを借りて駆け回るが、流石にこれは、ディアボロスだけでは人手が足りない。消防車でもあれば良いのだが、ここはキングアーサーだ。
「さあさあ、どんどん消してこ、ふぁいおー☆」
「壊れた建物は直せる。それよりも残らず火を消す事を優先してくれ!」
そこで、まだ動けて体力残っている村の男衆にも手を借り、人海戦術で消火にあたる。自分も駆け回りながら、そんな男衆達に声援を送る天。カイも彼らを安心させるべく呼びかけつつ、実際に【建物復元】を見せる事で、壊しても問題ないと伝えていく。
そうして消火作業に当たる間は、他の村民達は早苗が見守る。避難が済んである程度落ち着いて来たとはいえ、全く混乱がないと言う訳でもない。
「落ち着いて、今みんなが消火に当たってるよ。すぐに火は消えるはずだわ」
「うぅ、どうしてうちの村がこんな……あの化け物はいったい……」
命の危険が去った事で、理不尽に対する憤りと悲しみを露わにする村民達。そんな彼らに呼びかけながらも、この事態を招いたクロノヴェーダへの怒りを露わにする早苗。
万が一にも彼らをこれ以上傷つけさせないため、周囲の警戒をさらに厳にする。クロノヴェーダの接近は絶対に見逃さないと、気を張って視線を向けていき。
幸い、そうした襲撃もなく、火は消し止められていく。全ての火が消えた後、まだ残っていないか何度も見回って。完全に鎮火した後、壊れている建物も【建物復元】して。濡れていたり外にあった物が焼けたりはしているが、それでもおおよそ元通りの街の姿を取り戻していく。
「ふぅ……これで消火作業は終わりかな」
「みんな、協力あざまし~☆」
恵や天の言葉に、わぁ、と歓声を上げる村人達。不安に苛まれていた彼らも、ようやく安堵した表情を浮かべる。
「だが、俺達の仕事はまだあるが、な」
「むしろここからが本番だね。もちろん避難活動も重要ではあったけどさ」
そんな村人達を見ながら、カイや早苗はすぐに、村の外周へと向かう。
完全に火が消し止められた今、それは当然、村の外にも伝わっているはずだ――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水源】LV1が発生!
【アイスクラフト】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
【照明】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【ダブル】LV1が発生!
【反撃アップ】LV2が発生!
「あぁん? なんだ、何だ!? なんで燃えてないんだ!」
村の外へ向かったディアボロスが目にしたのは、怒りと苛立ちに燃え上がる、肩から獣頭を生やした魔女の姿だった。
アヴァタール級キマイラウィッチ『ヘキサトリニティ』。火刑戦旗ラ・ピュセルにおいては、特にメジャーなクロノヴェーダの一種である。自分達の放った火が消し止められた事に苛立っていた彼女は、ディアボロスの姿を見ると、視線を止めた。。
「ははは……ディアボロス! やっぱりお前らの仕業か!」
その瞳に宿るのは憎悪。キマイラウィッチはディアボロスへ、強い復讐心を抱く種族だ。
獄下兵もディアボロスを憎んでいたが、やはりヘキサトリニティはその比ではない。憎み過ぎてむしろ喜ばしいとばかり、狂ったように大笑いを始める。
「ははは、嬉しいよディアボロス! やっぱり人を焼くより、お前達を焼く方がずっと良い!」
そんな魔女の笑い声に呼応するように、両肩の獅子と山羊が咆哮する。この魔女を倒さずして、この場から去るのは難しそうだ。
いや、もとより逃げ帰るつもりなどない。人々を脅かした首謀者を討ち、村の平和を取り戻すのだ!
風祭・天
ん、残念だけど火遊び的なヤツはもう終わりだよー?
テンションとかモフ度とか露出度とかやけに高い盛り盛りな魔女っぽいけど、これ以上の狼藉は私たちがさせないかんね☆
今回も他の人との連携重点☆
例えばだけれど…攻撃が通り易くなるよう囮になったりその逆だったり、色々とね☆
で、戦闘だけれども…とりま、理由がどうあれテンション爆アゲしてる敵が相手になるから回避重点&偶に防禦で隙が出るのを待ってからのー…カウンターからのー…ガン攻め。って感じになるっしょー☆ カウンターでの逆転必殺狙いになるから、使うパラドクスは弐式抜刀。流石に一度で終わるとは思ってないし、何回も繰り返して倒す感だね☆
全部終わったら、村の人たちに報告して安心させてあげないとねー☆
後、さっき避難の時言ってたように、フライトドローン乗りたい子、この指止まれー☆ お姉ちゃんに任せるしー☆
峰谷・恵
「言えた義理じゃないけど、かなり痴女い格好だね」
心情:ラ・ピュセル突入したら既に相手の方が復讐復讐叫び襲ってくるだけだったのでキマイラウィッチのことは一応人語を喋るだけの駆除しないと被害が出続ける害獣認識。倒す気は十分あるがこちらからの復讐心は現在皆無。
可能な限り連携を取る。アドリブOK。
姿を見せれば村よりこちらを優先して食いつくと予想し、村へ敵の攻撃が流れない方向から敵へ突撃、戦闘を仕掛ける。
敢えて敵正面から竜将骸剣でのパラドクスを仕掛けて対応を迫り、味方が攻撃を叩き込む機会を作る。
敵の反撃はLUSTオーラシールドで防ぎ、魔闘気で炎、雷、毒の影響を和らげる。
その後は真っ向から敵と逆説連鎖戦を行って味方が即背面から仕掛ける機会を作り続け、味方の攻撃で敵の態勢が崩れたらパラドクスの斬撃を叩き込む。
「初遭遇から血管切れそうなテンションで襲いかかってくるだけだったから、フクシュウフクシュウ鳴くアルタン・ウルクみたいなのとしか思えなくてね」(復讐心を抱かせようと相手が躍起になれば儲けもの)
白臼・早苗
アドリブ歓迎です
復讐、憎悪、確かにその感情は分かる
でも、キマイラウィッチとディアボロスのそれには大きな隔たりがあるよね
所詮、キマイラウィッチの復讐は手段に過ぎない、目的であるディアボロスとは全然違う
だから、相手をするとしたら容赦はしないよ
隙を見て上手く気を惹いて、カウンターの一撃を狙うかな
……そんなにディアボロスを苦しめたいなら、私の【契られる毒蜘蛛の夜】がお相手するよ
幻影の中の私は、さぞやあなたの好きなような悲鳴を上げてくれるだろうね
……現実の私はあなたに悲鳴なんか求めはしない
このまま幻想の中、復讐という名の欲望に絡めとられて自らを破滅させちゃえ
本当にディアボロスへの復讐がしたいのなら、関係のない人を傷つける必要なんてない
結局のところ、欲望のままの行動に復讐という体を付けただけの、歪な存在だよね
傷つけられた人々を、私たちはただ守るだけだよ
カイ・オーベルト
アドリブ、連携歓迎
お前の言う通りだ。復讐ってのは憎い相手にしないと何の意味も無い。無関係の人間を巻き込むのはただの憂さ晴らしだ。
狙うのは俺達ディアボロスだけにしておけ。
マシンガンを構え、片膝を付いて膝射の姿勢を取る。
相手は魔術師、しかもパラドクス攻撃なら回避は困難。移動は捨て、被弾面積を減らす。
頭が多いって事は、急所も多いって事だ。
【鷹の目】使用。補助電子頭脳を限界まで加速させ、射撃能力を高める。
マシンガンに弾帯を繋ぎ、毎分数千発の連射を浴びせる。
パラドクス効果で集弾を制御、各頭部の脳幹や眼球等の急所に的確に弾丸を集中させていく。「誘導弾」「追跡」で回避行動を計算し予測、逃さない。
反撃は、体内動力炉のエネルギーを熱に変えて放出、改造された肉体の頑強度と合わせて耐え抜く。さぁ、我慢比べといこうか。
複数の脳を並列して使っていたとしても、意思決定する主体は一つだろう。防御行動からメインの頭を見抜き、全弾丸を眉間に一点集中させるワンホールヘッドショットを叩き込む。
「復讐、憎悪、確かにその感情は分かる……けど、あなた達と私達のそれには、大きな隔たりがあるよね」
魔女の哄笑に対して、毅然と言い放つ白臼・早苗(深潭のアムネジェ・g00188)。
復讐を芯とすると言う点で、キマイラウィッチとディアボロスは似ている――と、そう認める訳にはいかない。
「所詮、あなた達の復讐は手段に過ぎない、目的である私達とは全然違う……だから、相手をするとしたら容赦はしないよ」
「ははは、それが! それがどうした!」
そんな指摘に対し、だが魔女は笑うばかりだ。早苗の言葉の通り、彼らの復讐は手段に過ぎない。そこに正当性など、元々見出してはいない。
「ディアボロスは殺す! それが全てだ! ははは!」
「お前の言う通りだ。復讐ってのは憎い相手にしないと何の意味も無い。無関係の人間を巻き込むのはただの憂さ晴らしだ」
カイ・オーベルト(アイゼンフント・g05787)もマシンガンを構えながら、魔女に言い放つ。憎まれる事は構わないが、それが他に向かう事は看過出来ない。
「狙うのは、俺達ディアボロスだけにしておけ」
「そうか、お前達は嫌がるか! なら連中も殺す! もちろんお前達を殺してからだ!」
もちろん、その要求が通じる事は一切ないが。憂さ晴らしである事など、指摘されるまでもなく最初から自覚している。
「そうか。なら人々を守るために、ここで死んでもらう……と、今更言う程の事でもないが」
「お前達こそ、ここで死ね! ははは! はははは!」
クロノヴェーダの多くはディアボロスと相容れず、話も通じないが、キマイラウィッチはその中でも格別だ。その哄笑に合わせて、両肩の獣頭も嗤い出す。
その三つの笑い声が共鳴し、生み出されるは凍てつく氷嵐。
「凍り付け! 砕け散れ! はははは!」
「ぐっ……」
その冷気に包まれたカイは小さく苦悶の声を漏らし、地面に片膝をつく。身体には霜が降り、急速に体温が奪われて。
「……どうせ避ける気などない」
いや、その動きは想定内。立てた膝の上に肘を乗せ、膝射の体勢を取る。元よりパラドクスは、そう簡単に避けられるものではない。ならば、受けて耐える事を考えた方が早い。
サイボーグの動力炉が発熱し、冷気とぶつかり合ってシュウシュウと蒸気を立てる。そんな中でじっと魔女を見つめ、補助電子頭脳を限界まで励起して。
「頭が多いって事は、急所も多いって事だ」
「がっ
……!?」
パラドクスによって引き出された射撃能力によって、放たれた弾丸が額を撃ち抜く。大きく身体を仰け反らせ、鮮血を噴き上げる魔女。
「は、はははは! 痛い! 痛い! 憎い! 死ね!」
「ちっ……この程度では倒れないか」
まあ脳を撃ち抜かれた所で、その行動に変わりはないが。クロノヴェーダとは、尋常な生命の埒外である。およそ通常の人体らしい反射など、望むべくもない。
そしてそれは、ディアボロスとて――カイとて同じだ。たとえ全身が凍りつこうとも、その銃撃に些かの乱れもない。
「……ならば、動かなくなるまで撃つまでだ。さあ、我慢比べと行こうか」
「死ね! 死ね! 死ね! 凍えて死ね!」
そうして、銃弾が相手を苛み、そして氷嵐がさらに激しさを増す。とはいえ一対一の我慢比べでは、流石にアヴァタール級相手には不利ではあり。
「言えた義理じゃないけど、かなり痴女い格好だね」
「わかる! テンションとかモフ度とか露出度とかやけに高い盛り盛りな魔女っぽい!」
それゆえに、ディアボロスには仲間がいる。峰谷・恵(フェロモン強化実験体サキュバス・g01103)が、風祭・天(逢佛殺佛・g08672)が、魔女へと接近する。
「これ以上の狼藉は私たちがさせないかんね☆ 残念だけど火遊びも雪遊びも、もう終わりだよー?」
「そうか、ならば血祭りだ! ははは!」
そうしてディアボロスが近づけば相手は当然のように、殺意と憎悪で迎え撃ってくる。荒々しく天に掴みかかって来たかと思えば、両肩の獣頭が、同時にこちらの肉を喰らわんと襲いかかり。
「うーわ、テンション爆アゲすぎんでしょ、いきなり噛み付いてくるとか……っつぅぁ!?」
それを素早く飛び退いて逃れようとするが、杖の蛇に噛みつかれ、激痛が走る。例によって、敵のパラドクスの完全回避はほぼ不可能と言うのが逆説連鎖戦の倣い。流し込まれた毒に、その肌が変色して。
「こーゆーお化粧は、無しよりの無しなんですけど!」
「そうか、なら赤いのが良いか! 血を流して死ね!」
そこに再び、襲いかかってくる獣頭。むき出しの牙が、肉を喰らい毒を注がんと迫りくる。ひゃあ、と小さく声を漏らしながら飛び退る天だが、その体勢はお世辞にも整っているとは言えず――。
「かーらーのー、カウンターっ☆」
「ぎゃっ!?」
そのはずの体勢から繰り出される、後の先を取る鋭い一閃。所在なく彷徨っていたはずの右手が、いつの間にか柄を握り、その刀身を抜き放っている。
「かーらーのー、ガン責めいっくよー!」
「がっ、この、ディアボロスめぇ……!」
到底構えとは言えない、だが確かに天の中でははっきりとした構え。知覚を総動員し、相手の動きを見切って繰り出すハイテンションの連続斬撃。
「おのれ、死ね! 死ね、ディアボロス!」
「ま、これじゃ終わらんよねー。こっからは繰り返しっ☆」
斬られた魔女は、血を流しながらも、怒りに燃え上がる。その咆哮する獣頭にも恐れる事なく、天は次を放つべく刀を鞘に収めて。そしてその隙を埋めるように、恵が竜骸剣で相手を斬りつける
「がああっ……おのれ、ディアボロスめぇ!」
「そっちはディアボロスを恨んでるみたいだけど。こっちは正直、復讐心とかないんだよね」
それはまあ、最終人類史のフランスの人間やラ・ピュセルのディアボロスにとっては、憎むべき不倶戴天の相手だろう。だが恵にはいまいち、その憎悪の実感が湧かない。
「初遭遇から血管切れそうなテンションで襲いかかってくるだけだったから……」
もちろん、倒すべき敵ではある。一般人を傷つけさせるつもりはないし、いずれ大地は奪還するつもりだ。だがなんと言うか、人語を解する害獣のような。倒すと言うより、駆除する相手と言うような。
「フクシュウフクシュウ鳴く、アルタン・ウルクみたいなのとしか思えなくてね」
「そうか! だが関係ない、死ね!」
一方で魔女にしてみれば、ディアボロスはディアボロスであると言うだけで復讐対象である。その立場や考えなど、知ったことではない。
両肩の獣頭が、杖の蛇頭が、大きく口を開き、ブレスを放ってくる。
「はははは! 死ね! 死ね! 死ねぇ!」
「やっぱり獣の鳴き声って感じだね……ぐっ!」
復讐心に実感がなくとも、敵は敵、脅威は脅威。その三種のブレスから、シールドを構えて身を守る恵。全身に巡らせた闘気と魔力でそれを阻むも、焼け付くような痛みが身体に走る。
「って事で、駆除させてもらうからね!」
「死ね! 死ねっ!」
対してこちらが振るうは、ジェネラル級ドラゴンの骸を用いた強靭なる剣。真っ向のぶつかり合いで、気を引きながら戦いを続けていく。
そうして攻撃が魔女を傷つける程に、相手はさらに憎悪を募らせて。
「ディアボロスへの復讐を! 復讐を! はははは!」
「っ……本当にディアボロスへの復讐がしたいのなら、関係のない人を傷つける必要なんてない」
再び吹きすさぶ氷嵐の中、早苗は魔女を強く睨みつける。人々を巻き込み、蹂躙の限りを尽くすキマイラウィッチ。それを許す事は出来ない。
「結局のところ、欲望のままの行動に復讐という体を付けただけの、歪な存在だよね」
「ははは! 何を言っている! まあいい、死ね!」
そんな指摘は少々的を外していたが、まあ、クロノヴェーダの思考など分からない方が健全ではある。彼らの中では一般人への蹂躙は復讐とは全く関係のない、その『ついで』でしかない、などと。
「はははは! 凍え死ね! はははは!」
「……そんなにディアボロスを苦しめたいなら」
そんな理解出来ない相手へと、怒りと憤りを募らせる早苗。全身を刺すような凍てつく冷気の中、静かな熱がその身に、心に宿る。
その熱のままに解放するのは、サキュバスミスト。甘い香の霧が、魔女の身体を包み込んだ。
「私のパラドクスがお相手するよ」
「はははは! はははは! 死ね! 死ね!」
霧がもたらすのは、幻影。相手の望む光景を生み出すパラドクスが、魔女の精神を蝕み、その認識を書き換える。魔女はその幻影に気を引かれると、氷嵐をそちらに差し向けた。
無論、それ一つでクロノヴェーダを無力化できるものではなく、余波だけでも凄まじい力となるが――。
「幻影の中の私は、さぞやあなたの好きなような悲鳴を上げてくれるだろうね」
そんな冷気の中でも、現実の早苗が悲鳴を上げる事は一切ない。仮に悲鳴を上げても、相手には届かないだろうが。
「……現実の私はあなたに悲鳴なんか求めはしない。傷つけられた人々を、私たちはただ守るだけだよ」
「そうだね。ボクはお前に恨みはないけど、一般人を傷つけようとした事だけは許せないかな」
幻影に囚われた魔女へ、恵もさらに斬り付けていく。そんな彼女のパラドクスもまた、斬撃と共にサキュバスのフェロモンを放つ物だ。
2人のサキュバスの力は重なり合い、魔女の精神を苛み蝕む。もはや魔女は、その正気を保ってはいない。
「はははは! 死ね! ディアボロス! ははは! はははは!」
「そろそろ決め時かなー? ガン攻め加速しちゃうよー☆」
それを見て再び鞘から刀を抜き放ち、一気に魔女を斬りつける天。獣頭の牙に肌を裂かれようと、もはやその刃が止まる事はなく。
「これで――」
「終わり、だ」
その最後の一閃と共に、急所を撃ち抜き続けたカイの弾丸が、再び額を貫いた。いかにクロノヴェーダと言えど、もはやそれに耐えるだけの余力は残っておらず。
「ははは、ははは、は――」
「幻想の中、復讐という名の欲望に絡めとられて眠ると良いよ」
最期の瞬間まで笑い続け、そしてその頭部を爆ぜさせる事で笑い止んだ魔女に対し、早苗は静かに一言、そう告げた。
「ふぅ……これで街は守れたかな」
「うんうん、じゃあ村の人たちに報告して安心させてあげないとねー☆」
戦闘が終わり、剣を下ろして深く息を吐く恵。天は真っ先に集会所に待機していた村人達へ向かい、状況を説明していく。「フライトドローン乗りたい子、この指止まれー☆ お姉ちゃんに任せるしー☆」
「わーー!」
不安そうだった子供たちも笑顔を取り戻し、それにつられて大人達も安堵の表情を浮かべる。そして彼らはディアボロス達に、深く頭を下げた。
「ありがとうございます、皆さん。おかげで本当に助かりました……」
「いえ。皆さんこそ、無事で良かったです」
いずれ排斥力によって忘れられると言えど、今この時に彼らが抱く感謝は、紛れもなく本物だ。そんな感謝に、改めて彼らを救った事を実感し、おっとりとした微笑みを返す早苗。
「だが、さて……これからどうなっていくか」
キマイラウィッチのグランダルメ流入は、今もなお続いている。これからも魔女達によって、人々の生活は脅かされる事だろう。
だが一方で、サラマンカ要塞では防衛戦が行われ、そもそものグランダルメ奪還に向けた動きも加速している。
キマイラウィッチとの戦いが、どう続いていくか。今のカイには、それは分からない。
それでもいつか必ず、全ての大地を奪還する。そのためにこそ、ディアボロスは戦い続けるのだ――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
【現の夢】LV1が発生!
【寒冷適応】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV2が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!