キマイラウィッチ増援阻止戦

 攻略旅団の提案により、火刑戦旗ラ・ピュセルのキマイラ・ウィッチが断頭革命グランダルメに向かっている移動経路を割り出すことが出来ました。
 キマイラウィッチ達は、ディヴィジョン境界の霧を越えて次々とグランダルメに侵入。移動中に人里があれば、住人を皆殺しにしながら、イベリア半島に向かって移動しています。
 断頭革命グランダルメ側は、このキマイラウィッチの移動経路から撤退し、無抵抗に移動を許しているようです。

 自動人形に見捨てられてキマイラウィッチに蹂躙される人々を助けて、キマイラウィッチを撃破してください。
 多くのキマイラウィッチを撃破すれば、イベリア半島のキマイラウィッチ勢力の戦力を枯渇させることも可能でしょう。

絶望への逃避行(作者 唐揚げ
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#火刑戦旗ラ・ピュセル  #キマイラウィッチ増援阻止戦  #断頭革命グランダルメ  #イベリア半島 


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#イベリア半島


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●断頭革命グランダルメ:イベリア半島近くのディヴィジョン境界
「た、助けてっ、助けてくれぇ!」
 男は顔面蒼白で息を切らせ、悲鳴じみて叫びながら走る。すでに体力は底をついているが、生への渇望が限界を越えさせていた。
「アハハハハ! いいぞいいぞ、もっと逃げな!」
 山羊めいた角を生やした『炎上のキマイラ』が、はるか後方から男を煽る。追いかけるのは、彼女のしもべである『ジェヴォーダンの獣』の仕事だ。
 飢えたハイエナ、あるいは野良犬のようにハッハッと吐息を漏らす獣の頭部は人のそれ。醜悪な愉悦の笑みに歪んでいる。
 獣どもは、体力が尽きて殺された人々の亡骸を無惨に踏みつけ男を追う。逃れる場所など何処にもないのだ。

 やがて男にも限界がやってきて、転んだ拍子に獣に追いつかれてしまう。
「た、たしゅけ……ごびゅっ」
 はらわたを食い散らかされながら藻掻く男を、燃える女はニタニタと残忍な笑みで見下ろしていた。

●新宿駅グランドターミナル
「断頭革命グランダルメに、火刑戦旗ラ・ピュセルからキマイラウィッチが移動しているッス」
 七田・ナナ(エンジョイガール・g05125)は嫌悪をあらわに語る。
「あいつらの目的地は、イベリア半島みたいッス。それはまあ、いいとして……。
 一番の問題は、移動中に人里を見つけると手当たり次第に襲って、見つけた人を殺して回ってることッス!」
 キマイラウィッチは、人間を見ると虐殺したくなる本能が宿っている。
 自動人形に見捨てられたこの地の人々は、見つかった時点でおしまいなのだ。
「あいつら、そんなことしたらウチらが来るのをわかった上でやってるッス。……復讐のため、ッスね」

 人々を殺せればよし。
 殺した結果、ディアボロスが来るならなおよし。
 どう転んでもキマイラウィッチは得をする、というわけだ。

「絶対に許せないッス。だから先輩がたの手で、奴らをぶっ倒してほしいッス!」
 報いを受けさせるには、それしかない。

 肝心の状況についてだが、どうやらこれが少々切迫しているらしい。
「ウチが見た感じだと、村の人たちはもうキマイラウィッチに見つかってしまっているみたいッス。
 ただ、部隊を指揮してる『炎上のキマイラ』っていうやつが、ハイパー趣味が悪いヤツみたいで……」
 ナナは語るもおぞましいといった表情で説明した。
「こいつは、人を互いに争わせたり、命乞いさせてわざと苦しめて殺すのが大好きっていう、ハイパークソ野郎ッス。
 見つけた人たちをすぐには殺さず、手下の『ジェヴォーダンの獣』に追いかけさせて苦しませてる、ってわけッスね」
 断じて許容できぬ蛮行だ。
 しかし、その悪癖のおかげでディアボロスが介入する余地が生じたのは、不幸中の幸いというべきか。

「今ならまだ、誰も殺されてはいないッス。だから、まず最初に『ジェヴォーダンの獣』を攻撃して惹きつけてほしいッス。
 キマイラウィッチは、普通の人とウチらディアボロスなら、こっちを優先してくるッス。これはもう本能ってヤツッス。
 だから、誘導するのはそう難しくないはずッス。ただその場で戦闘を始めると、巻き込みかねないからそこは注意ッス」
 ならば巻き込む前に殲滅すればいいのかというと、それはそれで「滅ぼされる前に嫌がらせとして一般人を殺す」という悪足掻きをしようとするので、戦場を移動させるのが重要なのだという。
「肝心のキマイラは、高みの見物を決め込んで遠くから眺めているみたいッス。
 獣を引き寄せれば人たちはそのまま逃げてくれるはずだけど、こいつも軽くちょっかい出して誘導しておくとより安全だと思うッス!」
 その場合、獣の群れと炎上のキマイラを同時に相手取ることになるため、ディアボロスの危険度は跳ね上がる。
 1の犠牲が出る可能性を考慮して安全策に出るか、10を救うために己の身を危険に晒すか。
 そこは個々人次第だが、いずれにせよ仲間との連携が成否を左右するだろう。

「他のディヴィジョンでは、ウチらと交渉をしようとする奴らも出てきてるッスよね。
 クロノヴェーダはいずれ絶対全員倒す相手ッスけど、こいつらのクソっぷりは余計にハイパー際立つッス」
 ナナは怒りにぐっと拳を握りしめ、突き出した。
「ウチの分も、頼むッスよ。先輩!」
 パラドクストレインが、高らかにベルを鳴り響かせる。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わり、「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げて運搬可能になる(ただし移動を伴う残留効果は特記なき限り併用できない)。
【強運の加護】
1
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【腐食】
1
周囲が腐食の霧に包まれる。霧はディアボロスが指定した「効果LV×10kg」の物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)だけを急激に腐食させていく。
【避難勧告】
1
周囲の危険な地域に、赤い光が明滅しサイレンが鳴り響く。範囲内の一般人は、その地域から脱出を始める。効果LVが高い程、避難が素早く完了する。
【建造物分解】
1
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【書物解読】
1
周囲の書物に、執筆者の残留思念が宿り、読むディアボロスに書物の知識を伝えてくれるようになる。効果LVが高くなる程、書物に書かれていない関連知識も得られる。
【クリーニング】
1
周囲が清潔を望む世界となり、ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建造物や物品が、自動的に洗浄殺菌され、清潔な状態になる。
【建物復元】
2
周囲が破壊を拒む世界となり、ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の建造物が破壊されにくくなり、「効果LV日」以内に破壊された建物は家財なども含め破壊される前の状態に戻る。
【アイテムポケット】
1
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。
【防衛ライン】
1
戦場が、ディアボロスが地面や床に幅10cm、長さ「効果LV×10m」の白い直線を出現させられる世界に変わる。敵はこの直線を突破できず、上空を飛び越える場合、最低「効果LV」分を要する。直線は戦場で最初に出現した1本のみ有効。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV5 / 【ガードアップ】LV1 / 【反撃アップ】LV1 / 【ドレイン】LV1 / 【アヴォイド】LV1 / 【ロストエナジー】LV2

●マスターより

唐揚げ
 というわけで、敵を誘導しつつ人々に被害が出ないよう確実にキマイラウィッチを始末するシナリオです。
 キマイラウィッチはディアボロスが姿を見せればそれだけで惹きつけられますが、
 挑発したり進路を妨害するなどして気を引けば、その分人々が無事に逃げられる確率が高まるでしょう。

 なお、プランとしてアヴァタール級も同時に誘導することを提案しましたが、選択肢①には🔑があるため戦闘には持ち込めません。
 つまり、『炎上のキマイラ』も一緒に誘導しようとする場合、敵から一方的な攻撃を受けることになります。
(ゲーム的には、選択肢①の成功度合いが通常に比べていくらか渋くなる、という形で判定します)
 誘導が不十分な状態で集団戦を行うと、少し攻撃する程度なら問題ありませんが、ダメージ度合いによっては人々の追討を優先してしまい犠牲が出てしまいます。
 目安としては、選択肢①成功前に選択肢②を成功させる=それなりの数の犠牲が出る、という感じです。
 そんな暇もないぐらい、鮮やかかつスピーディに集団戦を終わらせるような素晴らしいプレイングがめちゃくちゃ集まった場合はその限りではありませんが、普通に選択肢を成功させるより難しいのは言うまでもありません。
 誘導に成功すれば、人々は死物狂いで逃げていきます。あとは敵を倒すのみです。

 リプレイも早めにお返しできればいいなと思っております。頑張ります。
 OP冒頭の惨事を現実にしないためにも。皆様のご参加、お待ちしております。
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


リーシャ・アデル
・心情
まぁ、キマイラウィッチの連中がこうなのは以前戦った時にわかってたつもりだったけど……逆に頭が冷えてくるわね
そんじゃま、確実にぶっ潰す為に色々やっていきましょうか

・戦闘
パラドクス『翠焔・創像:フレアスラッシャー』による光の輪で牽制攻撃を仕掛けつつ、残留効果の≪飛翔≫で人里から離れた、開けた場所があったりするならそこ、そうでなくてもとにかく人里から離れた場所に「ジェヴォーダンの獣」を誘導するわ
挑発めいた言葉と共に、こっちに意識を向けるよう適度に光の輪を放てば、一般人を優先しないんじゃない?
まぁ、後は【臨機応変】に動いていくわ

・その他
アドリブ等は大歓迎よ


●熱した鉄を鍛えるかの如く
 ある程度の閾値を越えた時、怒りは逆に頭を冷えさせる。
 リーシャ・アデル(絆紡ぎし焔の翼・g00625)はそういうタイプの怒り方をするようだ――キマイラウィッチどもの悪行を前にした時、彼女は客観的に自分を理解した。

 あるいはこれは、呆れだろうか。
 復讐のために悪行を為す。破綻した論理は、いかにもクロノヴェーダらしい屁理屈である。その是非を問うて論議することさえおこがましい(元々彼女はそんな回りくどいことを好む性質ではないが)
「だから、確実にぶっ潰してやるわよ」
 リーシャの感情の高揚……といっても普段のハイな感じとは違う、超高熱を宿した金属がじくじくと燃えるような静かな憤怒に呼応して、翠焔が大気を陽炎で飴のように歪ませた。
 超自然的な熱気で金髪が靡く。その静かで鋭い殺気に、姿を目視しないうちに獣どもはびくりと振り返った。
「あんたたちのふざけた鬼ごっこを止めるためなら、なんだってね……!」
 リーシャの爪先がふわりと地から離れる。
 次の瞬間、靡く金髪は空を駆ける一条の流星のように帯となり、その姿が一瞬にして消えた。

 獣の群れの表情が愉悦から緊張に変わった。
 己らの絶対的強者たる地位が、失われようとしている。求めて止まぬ仇敵、同時にもっとも恐れるべき天敵が現れたのだと本能で理解したのだ。他のキマイラよりも「獣」じみているからこその本能だ。
「ギィイイッ!」
 癇癪を起こした子供の喚き声を、さらに醜く歪ませたような雄叫び。悲鳴……いや、同類に対する警告の声だろうか。
 群れが両翼に飛び退いた瞬間、その狭間を縦回転する無数の光の輪が駆け抜ける。
 大地をのこぎりのように切り裂きながら飛来したそれは、ひとつではない。時間差を置いて、群れを裁つように鋭く走る。ガリガリと裂かれた地面が土飛沫を散らした。もうもうと立ち込めた土埃は、天使の翼を広げて地を跳ぶように駆けるリーシャの勢いで吹き飛ばされていく!
「さあ、こっちよ。来なさい!」
 リーシャは十分に敵の注意を惹きつけると、飛び退いた獣が爪牙を尖らせて飛びかかった瞬間にバックステップを踏んだ。
 戦場に於いての飛翔行為は敵の総攻撃を呼ぶ。しかし今回に限ってはその無防備が、却って敵の執着をより惹きつけるのだ。ざくりと肌を裂かれようとリーシャは痛みすら浮かべない……奴らに愉悦を味わわせてやる道理などないから。
「全員総出で追ってきなさい、復讐者(アタシたち)を喰らいたいんでしょ?」
 血の芳香と不敵な言葉はどんな餌より芳醇に獣の鼻を反応させる。先制攻撃で分断された群れのうちいくつかがリーシャにつられて駆け出した。

 視線の向こう、わけもわからず逃げていく人々の背中が見える。感謝の言葉などかけられることはない。その暇が彼らにはないからだ。
(「それでいいわ。死なれるより、ずっといい」)
 リーシャを称える者は此処にはいない。彼女はそれに無為だと嘆いたり徒労感を覚えたりもしない。
 己が抗う理由を、彼女はすでに奪い返し胸の裡にしっかりと覚えている。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!

エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

……戦場だな
ああ、なんとも趣味の悪いことをしているな……

状況を偵察、観察し把握
人々と獣たちの位置関係、遮蔽物など地形を把握し、誘導経路を見定める
クロスボウに矢を番え
ジェヴォーダンの獣を攻撃して引きつけ
挑発を仕掛けつつ一撃離脱、人々が逃げる方向ではない方へ追ってこさせ
人々を視界から外す目隠しになる地形や建物があれば利用し
仲間と手分けし全敵の注意を惹こう
同時に【避難勧告】で人々の安全確保をより速やかに
反転攻勢も早まるだろう
獣に食われる前に早く逃げろと声掛け併用

人々の安全を最優先
獣の群れとキマイラ双方を引き付ける
キマイラの惹きつけ役をやるつもりだが
仲間の動きで十分な場合は、残りの獣の対処に専念しよう
彼のほうにも行かせない
飛翔があれば借り目立とう

よそ見をしている場合か?
相手を間違えるとは、安っぽい復讐だな
ほら、ディアボロスが来てやったぞ
また火炙りにされたくないなら、尻尾を巻いて逃げたらどうだ?
挑発し怒りに焚き付ける

魔力障壁と盾を掲げ、爪牙炎の攻撃を凌ぎながら忍耐
十分に戦場を移そう


●獣狩り
 人は知らないもの、わからないものを恐れる。恐怖とは未知や不明を避けるための理性的な防御反応だ――だがそもそも避け得ない悲劇にはどうしようもない。そういう時、恐怖はむしろ逆に死へと近づく足枷となる。
 ジェヴォーダンの獣……彼らからすれば意味不明の化け物に追われる恐怖は、まさにそれだ。

「なんなんだ、こいつらは!?」
 あの化け物が「何」なのかが、人々にはわからない。
「どうして俺たちを狙うんだよぉ!」
 なぜ自分たちを追いかけてくるのか、わからない。
「なんで、なんでこんな目に……!」
 自分たちが標的にされた理由も、理解できない。

 彼らを愚かとは言えまい。何故なら、狙われたことにも、追い立てられていることにも、大した理由はないからだ。
 獣どもは彼らを見つけた。行きがけの途上で発見したからついげに殺す。喰うためでも生きるためでもなく、ストレス解消のためですらない。そんな行動原理は自然界に存在せず、文明にもありえない。だから理解できなくて当たり前なのだ。

 それを人は不条理と呼ぶ。クロノヴェーダとは人々にとっての不条理そのものである。
 では、クロノヴェーダにとっての不条理とは何か?

「……趣味の悪いことだ」
 その名は、ディアボロスと云う。
「だがもうここまでだ。これ以上追わせはしない」
 エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は決意を籠めて言った。
 そして空中から人々と獣の間に降り立ち、その姿をはっきりと曝す。
「ディアボロス……!」
 獣どもの飢えた吐息に、驚愕と喜悦と憎悪が生まれた。
 復讐者が己らの前に姿を見せたことへの驚き。
 復讐者をこの手で殺せることへの喜び。
 そして、復讐者への手前勝手な復讐心からくる憎悪。
「反応したな。相変わらずの連中だ」
 エトヴァは嫌悪感をたっぷりに言い、獣の爪を躱す。そしてクロスボウを抜き放ちながら、再び斜めに飛翔しながら大きく横方向に逸れた。
「獣に食われる前に早く逃げろ!」
 エトヴァは唖然とする人々に言い、再び地面に降りると駆け出す。獣どもは後ろ髪を引かれる思いで、慌てて逃げ出す人々の背中を追いかけた。

「よそ見をしている場合か?」
 その横っ面を、ボルトが掠めた。
「相手を間違えるとは、安っぽい復讐だな」
 嘲りを籠めて言う。
「ほら、わざわざ俺達(ディアボロス)が来てやったんだ――また火炙りにされたくないなら、尻尾を巻いて逃げたらどうだ」
 獣どもはぐるんとエトヴァを睨んだ。煮えたぎる怒り!
「「「グルゥアアアア!!」」」
「そうだ、それでいい」
 エトヴァは炎を盾で防ぎ、頬を焦がされながら不敵に笑った。
 どちらが狩る者で、復讐は何れの掌にあるのか。
 それを、奴らに身の程とともに教えてやる時だ――!
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【避難勧告】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!

リーシャ・アデル
・心情
さぁて、ある程度民間人からも離れられたし、もう遠慮はいらないわね?ここからは、一暴れといきましょうか!!

・戦闘
パラドクス『翠焔・創像:デモリッシュアーツ・クロス』の【火炎使い】による炎の【連撃】を叩き込んでやるわ!!
止まらずにこっちに襲いかかってくるのなら上等!!【破壊】・【粉砕】・【薙ぎ払い】!!一切合切討ち滅ぼしてやるわ!!

・その他
アドリブ等は大歓迎よ


●獣と踊れ
 人面獣身の化け物は、それぞれの醜悪な面を掬い取り凝り固めたような、悪夢の如き存在だ。
 けだものの如く涎を垂らし浅ましく、しかしてニタニタと笑う面は下劣な人間そのもの。
 生存のためなら共食いすら厭わぬ動物の見境なさと、怨恨という人の妄執を併せ持つモノは獲物を決して諦めない。
 ……今のように目移りしない限りは。

 裏を返せば、敵はリーシャ・アデル(絆紡ぎし焔の翼・g00625)を殺すまで逃さないということだ。囮になったからには、あるのはいずれかの死のみ。
「もう遠慮はいらないわね」
 不敵に笑うリーシャの表情に、己の死を恐れる色はない。燃えるように煌めく赤い瞳は、狩猟獣のように鋭く細まった。
「今まで好き勝手した分、こっちもひと暴れさせてもらうわよ!」
 ごうっ! と、翠の焔が燃え上がる。次の瞬間、リーシャは瞬間移動したかのようなスピードで逆ベクトルに押し出された。

 つまり、後ろから前へ。
「!」
 獣はその驚異的な接近速度に目を剥く。虚を突かれた!
「目録再描雅(インベントリーアウト)ッ!」
 焔の羽を掴み取り、それを突き出す。
 接近速度を乗せた刺突は、焔の羽が掌の中で鋭いダガーとなることで完成する。
「ギャオウッ!?」
 口蓋をぶち抜かれた獣は、砲撃で応報する前に翠焔に包まれ消し炭と化した。炭化した獣を振り払い、リーシャは次の敵を狙い定める――ドウ! 側面からの砲撃!
「ったいわね!」
 砲弾を表皮ギリギリで燃やしダメージを減衰したリーシャは、手に持ったままのダガーを砲撃者めがけて投擲した。
 ダガーは空中で再び燃え上がり、螺旋状の焔を纏う突撃槍に変じる。ニ射目を撃つ間もなく、獣は脳天から尻の穴までを串刺しにされた。
「「「グルォオオッ!」」」
 だが敵の反撃はまだ終わっていない。正面から別の敵が飛びかかる!

「まだまだ――全放出(フルオープン)よ!!」
 両手に長剣と青龍偃月刀が生じた。リーシャはそれを嵐の如く振り回し、芸術的なまでの華麗な動作で獣をバラバラに解体する。
「グ……グガアアッ!」
「……!」
 再びの砲撃。串刺しにされた獣だ。あの状態で生きているとは。
 それだけではない。初撃で炭化したはずの獣まで、喉笛を斬り裂こうと再び飛びかかる!
「首を刎ねても止まらないってのは伊達ではないのね……だったら灼き尽くしてあげる!」
 ぼうっ!! と、直径数メートルはありそうな大きさの焔が爆発した。
 飛沫のように散る翠焔を斬り裂いて、リーシャが翔ぶ。その姿は猛禽の如く獰猛で、しかし誇り高く美しいものだった。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【建物復元】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!

シル・ウィンディア
復讐のためにっていうけどね。
それ、ただのやつあたりだから。
そしてね…。
そんなことしたらどうなるか、身をもって教えてあげるよ。
授業料は、あなた達の命でお支払いを願いますっ!!

世界樹の翼type.Aを構えて…。
それじゃ、一気に行かせてもらうからね。

世界樹の翼type.Aを構えてから、高速詠唱で隙を減らして、八芒星精霊収束砲で敵をまとめて撃ち抜いていくよ。
撃った後は移動して、射点を替えつつ攻撃を継続していくよ。
移動位置は、敵が一般人の人達に向わないような位置取りで動いていくね。

敵の攻撃は杖を使って薙ぎ払ったり、杖を回転させたりで防御。
ちょっとでも直撃コースを避けられるならいいんだけどね。

あ、攻撃するってことは…。
反撃されるってことを覚悟して行っているんだよね?
…わたしを一撃で仕留められなかったこと、後悔させてあげるよ。

さて、それじゃ次は…
そこで高みの見物をしている魔女さんの番だよ。
…こんな悪趣味なことをしたんだ。
ただで済むとは思わないことだよ。
今日のわたしは結構怒っているからね!


ギャラガー・ゼロマネー
【POW】
カーリィン(g02688)と共闘すンぜ
アッチは前衛コッチは後衛だ

いやはやありがてェ事に、避難誘導は完の璧と来た
じゃあもう遠慮は要らねェな?
フォローは俺が勝手にやるから…暴れて来なよ相棒

戦闘
前衛として敵に突っ込むカーリィンの撃ち漏らし、或いは死角をフォローすンぜ
【必然の弾道】で周囲の【地形の利用】をしてstay out×2で跳弾狙撃だ

ンで奴サン距離詰めてトドメ、が基本ッぽいからよ
敵の位置はしっかりと【看破】した上で牙や足の等の露出部分や顔面を狙って【破壊】すりゃ、死ぬまで動けようが攻撃の威力も精度も落ちらァな

また此方に来やがる場合は【弾幕】と【連射】と【必然の弾道】の範囲攻撃を叩き込んで纏めて【破壊】すンぜ
ンで、銃握るからにゃ、距離取ッて寄らせず寄らずッてな
【飛翔】して移動しながら撃つぜ

…ッたく、数ばッかり多いと弾代が嵩みやがらァ
そっちゃ無事かい相棒ッて…心配するまでもねェか

その他
アドリブ等お任せするぜ


カーリィン・ダールグリュン
ギャラガー(g01251)と共闘
あたしが前で受けるから後ろは頼んだよォ!
任せられる相手が居るってェのはありがたいねェ?
やってやンよォ来やがれバケモノ共ッッ!!

・戦闘
幸いにして勝手にこっちへ向かって来てくれるらしいからネ、コッチも突っ込んでッて切り刻ませてもらおうかぁ?!?!
呪太刀を右手に、左腕にはガントレット、強化ブーツでとにかく斬る、殴る、蹴る
次から次へと全て両断し呼吸法と風使いで一撃離脱を駆使しつつ回避も織り交ぜた直接攻撃を繰り出す

背後は気にしない、相棒が守ってくれてッからネ!
前見て突っ込んでいくサ!!

ヤらせるワケが無いだロ!!
叩き斬られてしまえ!!
死ぬよりコワイモノ見せてやンよ!!!!

悪態をつきながら、斬り、殴り、離脱がてら蹴り飛ばします

怪我のウチに入るかヨ、気になンかしてたら片付かナイからネ!
Thx、なンとか片付いたみたいだよォ?

その他アドリブはお任せします


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

躾のなっていない犬だな
さあ、貴様らの相手はこっちだ
わざわざ呼び出したかった復讐者が目の前にいるんだ
歓喜しているだろう?

逃がさないように仲間達と包囲しつつ
【防衛ライン】を敷いて、人々の方を万一にも追わせぬよう足止め
XーMachinaを突き立て、エネルギーを放ち奔流で獣を足止めしつつ攻撃

戦況を偵察、観察しつつ敵の動きを把握
仲間と声掛け連携、なるべく死角からの襲撃をフォローできるよう
狙いを合わせて速やかに敵の数を減らし、優勢へ持ち込みたい

敵の攻撃には魔力障壁で全身を護りつつ
群れの連携を観察し、飛びかかる個体はNazarの盾を掲げガード
盾で振り払い、打ち落とし牙を防ぎつつ
飛翔の加減速を交えふわりと交替し、間合いをずらして回避軽減を

狩られる側の心地もわかって頂けたろうかな


●誰が狩猟者を狩猟するのか
 獣どもは、因果応報という言葉を知らない。
 何故ならキマイラウィッチの復讐は、復讐することを前提として苦難を浴びている。加えて奴らは、自分たちがやり返される可能性というものをまるで考慮していないのだ。
 因果の破綻した行いは、まさしく矛盾と云う他ない。

 この「狩り」についても同じだ。
 ディアボロスの襲来は新たな獲物の出現と同義であり、獣どもは嗜虐と愉悦の笑みを浮かべて迎え撃った。
 奴らが浅ましいケダモノということもある。だがこれは最早、クロノヴェーダの共通の宿痾だ。
「それでいい。そうこなくてはな」
 囮を買って出たエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は一筋流れた血を拭い、獣の彼方に逃げていく人々の背中を見る。その手前には一本の横線が引かれ、奴らが万が一にも踵を返すことのないよう入念な策が講じられた。
 抜き放った片刃の魔力機構剣を逆手に構えると、蒼翠に輝く刀身がブウウ……ンと不穏な振動を起こす。微かな空気の揺らぎが起こした本能的恐怖に、緩みきった獣どもは束の間真顔になった。
 X-Machina。高周波と魔力を併用した斬撃は如何なるものもバターのように切り裂く優れものである。

 生憎と、いまさら我に返ったところでどうしようもなかった。
 次の瞬間、エトヴァが刃を走らせるよりも先に、横合いから馬鹿げた規模の魔力熱量が群れを劈いて消し飛ばしたからである。
「あ、いけない」
 しゅうう、とガラス状に融けた砲撃軌道の先、愛杖を横に構えたシル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術士・g01415)が我に返った。
「もう少し痛い目見せてやるつもりだったのに、これじゃやりすぎだよね」
 高密度・高出力の魔力砲撃による範囲攻撃。結果から過程は論理的に導き得るが、肝心の起きた結果があまりにも極端なために、ジェヴォーダンの獣は我に返るを通り越して呆けた。

 ニ方向の包囲。
 そして、どちらも油断してはならぬ歴戦のディアボロス。
 自分たちが想像以上の苦境に追い込まれていると遅れて理解した時、苦し紛れの咆哮が甲高く空に響いた!
「グルゥオオオッ!!」
 エトヴァとシルは素早く飛び退り反射的な爪を躱す。着地地点には別の獣が側面に回り込んでいて、時間差をかけて飛びかかるという狡猾な連携戦術である。だがどちらもそのさらに一枚上手、淀みない身のこなしで不意打ちを凌いだ。傷ひとつなし!
「すぐさま群れの強みを活かすか。なるほど徒党を組んでいるだけはあるな」
 エトヴァは青い髪をなびかせながら涼やかに言った。その余裕がなおのこと獣を苛立たせ、怒りが執拗な攻撃に駆り立てる。
 連撃は決して途切れない。シルも杖を巧みに扱い、喉笛狙いの牙を受け流し逆方向からの爪を最小限のダメージで抑え続ける。獣は焦れる。傍から見ればさっきまでの追走劇となんら変わりないが、これは甚振るための膠着ではないのだ。そして焦りは獣の動きをさらに散漫にさせてしまう。

「おいオイ、お楽しみみたいじゃねェのォ!!」
 鋭い声が張り詰めた空気を破った。
 弾丸、あるいはミサイルのような勢いでまっすぐ群れの中央に突っ込んできたのは、カーリィン・ダールグリュン(流浪のtrucker・g02688)である。
 獣の注意をさらに惹きつけるため、反撃を守勢で凌いでいた二人に気を取られていたジェヴォーダンの獣の群れは、この猪突猛進極まりない苛烈なチャージに虚を突かれる。
「あたし"ら"も混ぜてもらいたいねェ! 遊ぼうぜバケモノどもッッ!!」
 青い瞳が刃のようにぎらぎらと輝いた。一撃目は、突進のスピードをそのまま乗せた強烈な蹴り上げ。
「ギャンッ!」
 顎下をしたたかに蹴られた獣が空中でぐるんと縦に回転させられる。がら空きの胴体を、死神の鎌を思わせるえげつない斬撃が両断した。呪太刀が獲物の歓喜に震え、怒りの咆哮をあげようとした獣の顔面を左拳が叩きのめす。死をも恐れず獲物の肉を引きちぎるはずの牙は、べきんと呆気なくへし折れた。
「ギャラガー!」
「あいよォ!」
 BLAMN! ……活きの良い銃声が響く。しかし空中の獣を撃ち抜いた弾丸は、その音の方向とはまるで別方角からやってきた。
 穴だらけにされた獣が何が起きたかを知る余地はない。胴体を貫き、近くの岩がむき出した地面に反射してさらに頭部を穿った芸術的跳弾の軌跡も、それをたった一発で成し遂げたギャラガー・ゼロマネー(朝霧に舞う流れ星・g01251)の存在も姿も知らぬままに死んだ。唖然とする獣どもの瞳に、ばらまかれた弾幕がスローで映る――おもちゃ箱をぶちまけたような派手な銃声! マズルフラッシュが戦場をめちゃくちゃに照らす!

 緩急をつけた連携攻撃が、ジェヴォーダンの獣に力量差を思い知らせる。
 本能と悪意で繋がった獣の不意打ちは、強い。なるほど凡百のクロノヴェーダであれば鎧袖一触だろう。
「そろそろ理解して頂けたろうかな」
 エトヴァはほとんど這うような低姿勢で地面を蹴り、ぶんと大上段から落ちながら振るわれた爪を躱していた。
 獣の鋭い爪が裂いたのは、遅れて靡く美しい髪の一房のみ。散った毛が地面に落ちるよりも先に、斜めに突き出された機構剣の片刃がそのはらわたを引き裂く。一瞬にも満たぬ刺突、溢れ出す燃えるような痛みは永遠のよう。獣が己の行いを後悔し悲嘆し絶望して果てるには十分過ぎるほどの主観時間だ。
「狩られる側の、心地というものを」
 狩り。なるほどこれはたしかに狩りだ。完全に一方的な屠殺ではなく、獲物を的確に追い詰め、隙間なく無駄なく確実に完璧に殺すための、何もかもが計算され尽くした無慈悲な狩りだ。

「ただし狩られるのは、お前たちだが」
 立場が逆転した――否、最初から自分たちはその場に座ることすら許されていなかったのだと、エトヴァの言葉が絶望的に思い知らせた。
 すでに追走の高揚と狂熱は風のように失せ、ひたすらに困惑と恐怖がある。いや、困惑のフェーズはとうに終えて最早混乱の域か。キマイラウィッチには本質的に理解できぬからだ。
「何故ダ!? 復讐スルノハ、我々ノハズナノニ!!」
 嗄れて耳障りな発音で獣は当惑する。
 理解できない。どうして気持ちよく獲物を追い詰めていたはずの自分たちが、弄ばれるように囲まれ一匹一匹殺されているのか。
 仲間と挟撃して後ろから襲いかかる。シルはまるで後ろにも目があるように攻撃直前に振り返って杖で牙をせき止め、噛み付いた獣を別の獣に投げつけるように杖を振るう。地面をバウンドして態勢を整えるより先に、あのでたらめな出力の魔力砲撃がすべてを消し飛ばす。
「わたしを仕留めるなら、一撃でやるつもりじゃないと後悔するよ」
 しゅう、と融けた地面から漂う煙が少女の頬を撫でた。あどけない顔立ちは峻烈で、瞳は青空のように澄み渡る――獣には決して似合わない煌めきの奥にある燃えるような感情を、獣は識らぬ。正しき怒りを。真の復讐者が燃やすものが理解できぬ!
「あなたたちのやってることは、ただのやつあたり。そんなことをしたらどうなるか、身を以て教えてあげるよ!」
 魔力の熱が戦場を薙ぎ払う。目が眩むほどの光が過ぎ去れば、まるで瞬間移動したかのように生じたカーリィンが嬉々と笑い、踊るように跳梁する。四肢の全てに武器を握り纏った前のめりのヒット・アンド・アウェイがぐずぐずの戦線を引き裂く。
「これ以上の反撃なンてよォ! ヤらせるワケがないだロ!!」
 それは死よりも恐ろしいものだった。
 前後左右いかなる方向からの攻撃にも対処し冷静に獲物を解体するエトヴァは恐ろしい。
 獣の理解できぬ感情を礎に、どれだけ手傷を追おうが怯まずむしろ燃え上がるように戦い続けるシルも理解不能の恐怖を齎す。

 だがこの二人は、ギャラガーの弾幕と、一秒とて同じところに留まらずひたすらに狩って狩って狩りまくるカーリィンはなによりも意味がわからなかった。
「……ッたく、数ばッかり多いと弾代が嵩みやがらァ」
 目が幾つあるとか、そういう話ではない。
 一度も振り返らず意識を向けているとすら思えない勢いのカーリィンは、ギャラガーの弾丸に当たる気配も掠める素振りさえない。いわんやそれを恐怖したり、意に介している風も。
 なんだ、こいつらは。
 どうして別々の人間が、まるで一体の生き物のように完璧に動けている。
 ディアボロスの全体的な連携練度はすさまじい。その中でもなお、このふたりでひとつのコンビの動きは獣を恐怖させた。
「頼むゼ相棒、信じてッからサ!」
「言われるまでもねェや、他のお二方にもメーワクかけンなよッ!」
 笑声混じりに二人は言い、抜群に抜群を重ねたコンビネーションで的確に敵を減らす。
 その動きはひとつのセットとなり、エトヴァとシルのさらなる攻撃あるいは反撃への対処をサポートしているのだ。
「羨ましいくらいの息の合いっぷりだ。頼りになるな」
 エトヴァはふっと微笑み、盾で敵を怯ませその影からの斬撃で獲物を殺す。
「これで、理解したよね。あなたたちの愚かな行いの意味、わたしたちの強さ」
 シルはすうっと息を大きく吸い、これまでで最高密度の魔力を瞬時に練り上げた。
「――授業料は、あなたたちの命でお支払いを願いますっ!!」
「ッとォ! そろそろキメとくぜ、相棒!」
「Rog! 合わせとこうカイ!」
 戦場を白く染め上げホワイトアウトさせる魔力収束砲撃!
 それに併せ、呪いを宿した刃と隙間ない跳弾弾幕が戦場を荒れ狂った……!

 ……さっきまでの狂乱が嘘のような静寂が、一瞬の魔のように戦場を支配した。
 乾いた風の音が静寂を洗い流し、魔女の意識を引き戻す。
 獣の屍すらも絶えた戦場という現実に。

 そこに屹立する狩人たちの姿という絶望を。
 まざまざと、最期の魔女に識らしめた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【書物解読】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【反撃アップ】LV1が発生!

「……ア?」
 素っ頓狂な声だった。
 炎上のキマイラが呆けたのも無理はない。それだけディアボロスの反転は一瞬で鮮やかだったのだ。

 立場がすでに逆転していることを、本能で理解しつつも理性が追いつかない。
 己の強大なる力を自覚したアヴァタール級がゆえの、命取りな思い上がり。それを以てしてすら、足元にぽっかりと穴が生じたような不意の戦慄は避け得なかった。
「……全滅、したのか? アタシのしもべが?」
 そして目の前にはディアボロスがいる。復讐すべき怨敵。喰らい貪るべき餌が。

 胸の裡からぞわりと殺意が燃えた。それは反射的かつ必然の感情。
「だったらキッチリ復讐させてもらわなきゃねェ……ワリが合わないじゃないか……!!」
 キマイラウィッチの習性的な誤った復讐心。
 奥底に根ざすものが宿敵への恐怖と絶望であることを、ぎしりと笑う獣はまだ識らない。今はまだ。
ライカ・ネイバー
連携アドリブ大歓迎

お手伝いが来ましたよん。
高みの見物って〜と、噛ませかすぐ死ぬのがオチっすよねぇ。
手の込んだ自殺かな?
まぁ死にに来てくれるのはありがたいんで、そのままの君で居て〜。

まずはパパっとパラドクス発動っと!
退きながらロケットランチャーとレールキャノンをゴリっとぶん回してどんどこ撃ってきましょね〜

こういうのは大体煽り耐性低かったりするんすよね
周りが見えなくなるくらいキレてくれたら助かるんだけどな〜
がんばれ♡がんばれ♡にっくきディアボロスは目の前ぞ?
c‘mon you can do it! over here!
さあさ手の鳴る方へおいでませ〜

さーて程よく怒らせガン逃げスタイルを印象付けといて……
動きを一気に変えて撹乱と行きましょうや
こっちに向かってくるのに合わせ食い気味ダッシュで接近戦に持ち込みますよん

距離を詰めたらお次はショットガンとレールキャノンのルーティーンでございますわよ
小刻みダッシュで横に真後ろにと纏わりつき可愛いあの子が死ぬまで撃て!!


●けだものの限界
「あれ? 手の込んだ自殺かと思ったら違うのかな?」
「……ア?」
 キマイラは声の主をギロリと睨みつけた。だが、当のライカ・ネイバー(ハイパーエクストリームお手伝い・g06433)はケロッとした顔だ。逆にニコニコ手を振り返す始末。
「だって、高みの見物って~と、噛ませかすぐ死ぬのがオチっすよねぇ?
 自分から死にに来てくれてありがたいなって思ってたら、まさか素だったとは~」
 キマイラの額にビキビキと青筋が浮かぶ。見え透いた挑発だと理性が否定する、事実ライカはそのつもりで言っていた。

「――この、クソアマがァッ!!」
 しかし、解っていても止まれないのがキマイラウィッチの限界だ。
 少なくともこの『炎上のキマイラ』は怒りを抑えられなかった。そこが弱点であり、同時にそのすさまじい怒りが強みでもある。
 褐色の肢体が色ある風のようにブレて流れ、次の瞬間には目の前に出現する。強烈なスピードの踏み込み!
「おおっとォ!」
 ライカは当然これを読んでいる。すでに彼女は後方へ飛び退りながら、重火器を構えていた。パシュン、と煙を噴いて放たれたロケット弾がキマイラの顔面に命中……炸裂!
「もいっちょ! おまけも受け取っといてくださいやぁ!」
 バチバチと電子がプラズマ光を発する。さらにレールキャノンのダメ押しだ! 光条が爆炎を劈いて地平線の彼方まで突き抜け……ない!?

「ナメるなァ!!」
 炎と煙がキマイラの吶喊で吹き飛ばされる。弾幕を浴びながらまっすぐ突っ込んできたのである。なんたるタフネス!
「お~丈夫丈夫。ほーらにっくきディアボロスは目の前ぞ? がんばれ❤がんばれ❤」
 ライカは徹底的に後ろに下がりながら、敵をさらに挑発する。目論見通りキマイラはライカを殺すことで頭が一杯になり、絶対に消し炭にしてやろうと角を叩きつけた。
「このッ、こいつ!! アタシを誰だと思ってやがる!!」
「そうですねぇ、強いて言うなら――」
 追いかけっこの終わりはあっけない。キマイラの身体能力はライカよりも遥かに高く、赤熱した炎の角がライカを串刺しにする……!

 かに、思えたその時。ライカは逆に自ら突っ込んでいた。
「な」
「ぶら下がった人参に本気出すロバちゃんですかねぇ?」
 ニヤリと不敵に笑い、腹部に押し付けたショットガンの引き金を引く。BLAMN!!
「がッ!?」
 やられた。ライカの狙いはヒット・アンド・アウェイを印象付けて虚を突きインファイトに持ち込むことだったのだ。
 解ったところでもう遅い。散弾の衝撃で吹き飛ばされたキマイラに、再びレールキャノンの照準が定まる!
「そこがあんたらの限界ってやつなんですわ」
 ――バチィ!! と、電荷の輝きが斜めに空を斬り裂いた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!

リーシャ・アデル
・心情
何寝言言ってんのよアンタ?
『復讐』なんて割に合わないに決まってんでしょうが
『復讐したい相手』が『復讐を決意するきっかけ』を起こす前に止めるなんて『矛盾』でもない限りね?
そもそも自分達が「狩る側でござい」と言わんばかりに村人達を苦しめてて、「復讐するは我にあり!」とか通ると思ってんの?
まぁどうせ意味のない問答なんだけどねこれも
お前らみたいなクロノヴェーダをぶちのめす、それがアタシの『復讐』……さぁ、覚悟しなさい?

・戦闘
ネメシスモードを発動
【火炎使い】の【浄化】の炎で牽制しつつ、全身全霊を籠めたパラドクス『赤焔・卍虹:焔星・天駆』による【斬撃】の【連撃】を叩き込んでやるわ!
敵のパラドクスによる炎でアタシの身体が燃えようが知ったことか!
こちとら元々炎は纏ってるし、その程度で止められると思うな!

・その他
ネメシスモードの姿はパラドクスの影響で淡い紫色の翼、角、尾を持ち、淡い桃色の長髪、マゼンタっぽい色の瞳を持つ、素肌を竜鱗で包み赤い炎を纏ったドラゴニアンになります
アドリブ等は大歓迎よ


シル・ウィンディア
あとは、あなただけだよ。
ほんとに復讐をしたいのかな?
それとも、逃げ惑う人を狩りたいだけなのかな?

…まぁ、なんでもいいけど。
ここの人達を襲おうとしたこと、しっかり後悔させてあげるよ。

…ネメシスモード開放
黒髪赤目の堕天使モード。
今回は、少し激しくいかせてもらうからね。

世界樹の翼type.Aを引き続き持って戦闘。
さっきのトループス級より激しい攻撃の方がお好きかな?
アヴァタールだから、簡単に落ちないよね。
…それじゃ、まずは一撃行かせてもらうよ。

高速詠唱からの六芒星精霊収束砲。
隙は減らして一気に撃ち抜かせてもらうからっ!
その後は、地上を走り回って射点を変えてはパラドクス砲撃を行っていくよ。

あなたの炎は確かに熱いし痛いよ。
でも、それだけ。
わたしの心の炎は、そんなものでは比べられないくらいだから。
ほんとの怒りを教えてあげるよ。

翼を大きく広げて上空へ舞い上がってから
杖を敵の前に突き出して高速詠唱。
そして、全力魔法の六芒星精霊収束砲!

…これでさようなら。
わたしの全力、遠慮せずにもってけーっ!!


●埋めがたき隔絶
『炎上のキマイラ』はぽたぽたと流れる血を掌で受け止めると、強く拳を握りしめた。
 じゅう、と音を立てて血が蒸発し、指の隙間から白い煙が立ち上がる。
「畜生……こんなの、いよいよワリに合わないねぇ……」
 掌の中の炎は拳を包み込み、その憎悪を体現するが如く猛々しく燃え上がる。腰のあたりでうねる毒蛇が、シュルシュルと鳴いた。

「何、寝言を言ってんのよアンタ?」
 リーシャ・アデル(絆紡ぎし焔の翼・g00625)は嫌悪をあらわに首を傾げる。
「復讐なんて割に合わないに決まってんでしょうが。『復讐したい相手』が、『復讐を決意するきっかけ』を起こす前に止めるなんて『矛盾』でもない限りね」
「……ハッ。"復讐者"の経験談ってヤツかい?」
 キマイラは鼻で笑った。ディアボロスにどう正論を説かれようと、キマイラウィッチが……いや、クロノヴェーダが考えを変えることなど、ない。
 あるとしたら、それは先の利益を見据えた一時的な手段の変更ぐらいだ。
 石ころに万の言葉をかけても鳥には変わらないように、時空簒奪者の在り方が変わることなど有り得ない。絶対に。

「ねえ、わたしからもひとつ聞いていいかな」
 この問答に意味がないことをリーシャ共々理解しながらも、シル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術士・g01415)はあえて問うた。
「あなたは、ほんとに復讐がしたいのかな? それとも、逃げ惑う人を狩りたいだけなの?」
「妙なことを言うねぇ、ディアボロス」
 キマイラはにたりと笑みを浮かべた。
「"どっちだけ"なんて、誰が決めたんだい? アンタたちだって、憎い敵を殴りながら、快楽を貪ることがあるんだろう?」
「……まぁ、あなたの答えがなんでもいいけど」
 シルの髪が、ゆらりと膨らんだ。
「わたし達が同類であるように言われるのは、好きじゃないかな」
「同感」
 リーシャの背中の炎が、徐々に色を変える。
「自分らが「狩る側でござい」といわんばかりに村の人達を苦しめて。おまけに「復讐するは我にあり!」とか、本気で通ると思ってんの?」
 キマイラは何も言わない。代わりに燃える炎の腕を腰だめに構え、獣が飛びかかるように腰を落とす。その敵意が答えだ。

 対するように、二人の少女の姿が変わった。
「やっぱり、お前らに何を説いても意味がないね」
 リーシャの髪は淡い桃色の長髪に、その瞳はマゼンタの色を帯びる。翠焔は、竜の舌のごとき赤い炎だ。
 肢体を頑強な鱗で覆ったその姿は、天使というよりもドラゴニアンに近しく感じられる。
「でも、意味はあったよ――お前らクロノヴェーダをぶちのめすことこそが、アタシの『復讐』だって噛み締められたからね」
「……わたし達とあなたの違いを、思い知らせてあげる」
 シルが瞼を開くと、その瞳は青から赤に反転していた。
 闇色の魔力でなびく髪は漆黒に染まり、背中に生じた大きな翼が花開くように広がれば、闇の魔力が飛沫のように散る。
「ここの人たちを襲おうとしたこと、しっかり後悔させてあげるよ。少し、激しくいくからね」
 空気がびりびりと震え、戦いの余波で生まれた小石が触れてもいないのに割れた。
「やってみな、ガキども!!」
 キマイラが地を蹴る。応報の時が幕を開けた!


 緊張の静寂が破れ、次いで唸ったのはふたつの炎が燃え盛る音。
 赤焔と憎悪の獣炎が空中でぶつかり、小爆発を起こす。放射状に吹き荒ぶ熱波が、二人の髪をばさばさとなびかせた。
「おらぁっ!!」
 キマイラはまずリーシャに飛びかかる。獣の腕に纏った炎は牽制打、本命は角による攻撃か!
「――ッ!」
 リーシャもまた牽制の炎撃を放っていた。捨て身の突撃をしたキマイラのほうが速度で一歩勝り、リーシャが次の動作に入るより先に角が到達する。
 速度と質量を乗せて叩きつけられた角が、衝突の瞬間にさらに猛々しく燃える。リーシャの身体は、人間トーチめいて炎に包まれた!
「まず一匹ィ!」
 キマイラはぱちぱちと燃える炎に背を向け、砲撃のために距離を取ったシルをギロリと睨む。
「次はアンタだよ、小娘ェ……」
「"次"?」
 シルは冷たい声で言った。
「少し気が早いんじゃないかな、それは」
「何を言って――」
 キマイラのうなじがぞくりと粟立った。そして、バラバラに切り裂かれた自分の姿を幻視する。

「あああああっ!!」
 火柱が内側から膨らみ四散した。あちこちが焼け焦げたリーシャが、キマイラが飛び退るより速く接近し、赤い焔の刀を振るう!
「ぐあっ!?」
「こんなちっぽけな炎で、アタシを止められると思うな!!」
 疾い! 空間ごと切断するようなすさまじい斬撃が、恐るべき速度でキマイラの体力を削る。苦し紛れに炎の反撃を繰り出そうとするが、キマイラの炎はすべてリーシャの赤焔に呑まれてしまうのだ!
「な、アタシの炎が!?」
 効いていないわけではない。リーシャはダメージを受けている。筆舌に尽くしがたい苦痛を味わっているはずだ。
 なのに、止まらない。鬼気迫る猛攻を前に、キマイラは理解不能の恐怖に戦慄した!
「身体を焼かれようと、燃やされようと、知ったことか!!」
 鬼だ。全てをかなぐり捨て、目の前の敵を滅ぼそうとするリーシャの貌は、まさしく復讐鬼。キマイラは復讐のなんたるかを知っているはずだった。だがこんな貌は、闘志は、識らぬ!
「なんなんだ、こいつらは!?」

「まだわかってなかったんだね」
 背中に氷柱が突き刺さるような心地がした。シルの声は、そのぐらい冷たく、昏く、そして無慈悲だった。
「こいつ……ッ」
 リーシャの猛攻に対応しながらシルを攻撃するには、毒蛇を使うしかない。
 大きく顎を開き牙を剥いた毒蛇の口から、ぼうっ! と禍々しい炎の弾丸が放たれる。放射状に撒き散らされた炎がいくつもの火柱を生み大地を炎で染める。これならば……!

「あなたの炎は、たしかに熱いし痛いよ」
「……ッ」
 炎の海は、雲散霧消した。
「でも、それだけ。わたしたちの心の炎には比べ物にもならない」
 魔力である。
 圧倒的な出力の魔力が、その前触れだけで炎を消し飛ばしたのだ。
(「まずい!」)
 致命的な砲撃が来る。キマイラは逃れようと離脱に専念した……そして、リーシャが構築した刀の結界に行く手を阻まれる。
「逃さない」
 リーシャの放った炎の刀が、キマイラの脚を縫い留める。炎を薙ぎ払ったシルは、翼を広げて空高く舞い上がった。突き出された杖の前に六芒星の方陣が生まれ、六色の光を放つ。
「ほんとの怒りを、教えてあげるよ――六芒星精霊収束砲(ヘキサドライブ・エレメンタル・ブラスト)!!」
 渦巻く魔力の目から、撃ち放たれた極彩の破滅! 背中に生じた二対の魔力翼が、強烈な反動を抑え、全力砲撃の支えとなる。
 大地を削り取り消し飛ばすほどの超弩級火力が、ちっぽけな獣を飲み込んだ――!
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【建物復元】がLV2になった!
【クリーニング】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【ドレイン】LV1が発生!

カーリィン・ダールグリュン
ギャラガー(g01251)と連携
他の参加者との連携、アドリブ歓迎です

2人で前衛、どちらが多くヒット、ダメージ与えられるか、勝負!

復讐?ハッ、何言ッてンのサ
アンタのはただの言いがかり、犯罪者の言い訳
負け犬の遠吠えッてェヤツだネ、キャンキャン吠えときなヨたかだかボス犬風情がッ!!

前衛、ギャラガーに背を任せる形で連携して攻撃
ひたすら前に出て一撃離脱を繰り返し
呪太刀で切りガントレットで防いで大金棒で殴り返し戦闘ブーツで蹴って離脱だよォ♪
危ない?ンなわけないだロ、よく見てるッて!!
Thx、頼れる相方で嬉しいネッ!!

連携しながら隙を見ては着実に深いダメージが残るよう斬りつけます
恋人でもある相方への絶対的な信頼を根拠に、敵を引きつけダメージを与え隙を作らせるように全力で挑みます

その愚にもつかない脳ごと、そのツラへし切ってやらァ!!
薄汚い牝狗如きが、相方に触んなヨ
あたしの呪太刀で狂ッちまいナ
テメエ自身の炎と毒で跡形もなく燃え尽きちまエ


ギャラガー・ゼロマネー
POW
カーリィン(g02688)と連携
他との連携アドリブも歓迎!

今度は二人で前!
ンじゃ、たっぷりと恐ろしさを思い知らせてやろうじゃねェの

復讐ねェ
それを言いてえのはさッきの連中の方だろうがよ
復讐してーなら獲物は見定めろや
猟犬の躾がなッてねェぞブリーダー

前衛でカーリィンと連携して攻撃
積極的な攻めは彼方に任せて、此方は隙を見ての一打及び防御担当だ

相手の動きを良く見て、カーリィンに届きそうな攻撃はバットで弾き、炎は【砂使い】で被せたり【破壊】で打ち消して消火
オット危ねえや、大丈夫か相棒

いやはや、復讐復讐復讐!
なるほどなるほど大した理由だァ
ま、お前サンの事情なンざ、どーでも良いやね
何にせよテメェの復讐はここが行き止まりだァ、残念だッたな

確かに言うだけあッて大した炎だぜ
が、見えてらァ
なら、壊せる
この一打に返せぬ物無し
【究技・Return You!】
相手の炎ごと角とか諸々【破壊】すンぜ!

おう、恨め
散々恨めドンドン恨め
次があッたらこッち殺しに来いよ
それなら…イデデデなンだ相棒妬くな妬くな耳引っ張るなよゥ


●絶望への逃避行
 ……宇宙開闢を思わせる極彩の光が駆け抜け、つかの間の静寂が荒野を包む。
 極光の美しさとは対照的に、その射線上に残った光景はすさまじい。半月型に抉れた大地の断面は一切の凹凸がなく、磨き上げられた銅鏡のように空を映していた。

 ざしゃりと、消し飛ばされた地面に崩折れる者がいる。炎上のキマイラだ。
「が、は……ッ」
 全身のあちこちからぶすぶすと白い煙が立ち上り、片目は爆ぜて滂沱の血涙を溢れさせていた。
 原型を保っているのが不思議なほどのダメージ。もはや、奴にこの場から逃れる力など残されていないだろう。

「ディア、ボロス……」
 残った片目が、最初からそのつもりなどないことを示す。血走った眼光は、凝視だけで人間を殺せそうだ。
「よくも、やってくれたねェ……!」
「ハッ、何言ってンのサ」
 カーリィン・ダールグリュン(流浪のtrucker・g02688)は鬼気迫るキマイラの殺意を鼻で笑った。
「最初にハジめたのはソッチ。ついでに言や、アンタらの『復讐』はただの言いがかり、犯罪者のいいわけジャン」
「復讐ってンなら、追いかけられてたさッきの連中のほうがよっぽど言いてェだろうな」
 ギャラガー・ゼロマネー(朝霧に舞う流れ星・g01251)が、その隣に並ぶ。今度は二人で前衛だ。
「復讐してェなら獲物は見定めろや。猟犬がくたばッたのは、お前の躾がなッてねェからだぜ"ブリーダー"」
「なんだ、とォ……!!」
「まァだ負け犬の遠吠えすンのかい?」
 カーリィンはあからさまな嘲笑を浮かべた。

「キャンキャン吠えンのもいい加減にしときなヨ、ボス犬風情がッ!!」
「……ッッ」
 カーリィンの怒声が空気をビリビリ震わせる。別人と見紛うほどの凄まじい怒気に、キマイラは気圧された。
「さて、ンじゃそろそろ終わらすか。相棒」
「a'ight、片付けちゃおうかネ」
 仕上げは二人に託された。二人は頷き合い、同時に駆け出す!
「こうなったら、アンタらだけでもブッ殺してやる!」
 キマイラの爆ぜた眼窩から血が噴き出した。全身を焼くほどの屈辱と憤怒が、復讐から力を得るキマイラウィッチの習性を強める。キマイラも自ら二人に挑みかかった!

 血反吐混じりに叫びながら飛びかかるその姿は、まさに手負いの獣。それがもっとも厄介な手合いであることを、二人はよく知っている。
「そうそう、もっと吠えてごらん子犬(パピィ)! それとも子猫(キティ)の方が似合いかねェ!?」
 ギンッ!! 呪太刀が赤熱した角と交叉し甲高く金属音を響かせる。
「ぐがァ!!」
「臭ッさい口近づけンじゃねェよ、駄犬!!」
 キマイラは反発力を全身の筋肉でねじ伏せ、カーリィンをそのまま叩き潰そうとした。その顔面にガントレットが叩き込まれる!
「がッ!?」
「まだまだァ!」
 呪太刀を投げ捨て大金棒を掴み、全体重を籠めて殴打! キマイラの脳天が裂け、ぶしゃりと鮮血が噴き出す!
「……ゥルァアア!!」
「オット!」
 大口を開けて噛みつこうとしたキマイラを、横合いからねじ込まれたギャラガーのバットが遮った。鋭い牙はがきん、とバットに阻まれ、ミシミシ軋ませる。
「危ねえや、大丈夫か相棒?」
 ギャラガーはキザッたらしくウィンクしてみせる。
「ンなわけないだロ、よく見てるッて!!」
「がはッ!!」
 キマイラの鳩尾にカーリィンの強烈なトーキック! 噛み付いたままだったせいで牙が何本かへし折れ、吹き飛ぶキマイラを追って宙を舞った。

「ふォのヤロォ!! 復讐ひへやるッ!!」
「いやはや、復讐・復讐・復讐! 大した理由だァ!」
 ギャラガーは目の前だ。キマイラは燃える角を突き出した。炎がギャラガーを襲う!
「お前サンの事情なンざどーでもいいやね! テメェの復讐はここが行き止まりだぜッ!!」
「がッ!?」
 SMASH!! デーモンの筋力から放たれたフルスイングが角ごと頭の1/4を吹き飛ばした! 頭蓋骨の破片と脳漿がびちゃりと飛び散る! キマイラは!
「AAARGH!!」
 まだ生きている! 折れた牙を剥き出し今度はギャラガーの喉笛に噛みつくつもりだ! なんたる執念!
「薄汚い牝狗ごときが、相方に触んなヨ!!」
「――!!」
 だがその口に、追いついたカーリィンの呪太刀が突き刺さる! 後頭部から血みどろの刃が逆向きの角じみて突き出した!
「テメエ自身の炎と毒で、跡形もなく燃え尽きちまエ」
 カーリィンは突き刺さったままの呪太刀の柄を蹴り飛ばす。キマイラは背中の羽をもがれたトンボめいてのたうち回り、醜い断末魔を上げながら炎に呑まれ、そして跡形も遺さず消え去った。

「恨めよ魔女(ウィッチ)。ドンドン恨んで散々恨んで、次があッたらまた殺しに来な」
 ギャラガーは風に洗い流される塵に向かって微笑んだ。
「それなら……って、イデデデデ!」
「オイオイ、なァに色男気取ってンだァ?」
「なンだ相棒、妬くな妬くな! 耳引ッ張ンなッて!」
「呆れてンだよッ!」
「ッてェ!」
 ギャラガーは指で小突かれた額を擦りながら彼方を見た。
 逃げていった村人たちの姿はもう豆粒のようだ。彼らは命の恩人の名も姿も知ることはないだろう。
「……ハ、これにて一件落着、ってナ」
 ディアボロスたちもまた感謝の言葉など求めない。現れた時同じように、砂塵に消えるように去っていく……。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【建造物分解】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
【能力値アップ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2023年10月26日