鈴彩の宴(作者 小鳥遊彩羽
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#最終人類史(新宿島)  #最終人類史の秋祭り 

●鈴彩の宴
「お疲れさま! 今年も無事に浴衣コンテストが始まったね。というわけで……」
 今年も秋祭りのお誘いに来たのだと、花峯・真帆(Starry Bouquet・g03187)は満面の笑顔で切り出した。
 浴衣コンテストとのコラボレーションという形で、既に奪還されて元の生活を取り戻している地域の市民たちの協力の元、今年は《七曜の戦》で奪還した東京23区や、奈良県、大阪府、三重県の各地で秋祭りが開かれることになったのだという。
 新しく最終人類史へ帰還したばかりの人々が、日常を取り戻す一助となるように――というだけでなく、世界のために戦うディアボロスたちにも楽しんでもらいたいというのが、人々の心からの想いだ。
 ディアボロスが共にいてくれるということ。それは戦う力を持たない人々にとっては何よりも心強いことであり、そして、彼らからの信頼は――ディアボロスにとっても、何よりの力となるのだから。

「みんなに案内するのは、風鈴のお祭り! 奈良の神社でね、本当なら夏にやってるらしいお祭りなんだけど、折角だからってことで、秋祭りとして開催されることになったんだよ」
 場所は奈良県のとある神社。真帆が言うように、夏の祭りとして楽しまれていた風鈴祭りだが、今回の浴衣コンテストに合わせてこの時期に催されることになったのだそうだ。
 広い境内にはたくさんの風鈴が飾られて、訪れる参拝客を出迎える。
 風に吹かれて一斉に涼やかな音を奏でる風鈴の姿は、まさに圧巻の一言に尽きると言っても過言ではないだろう。

「晴れた空の下できらきらしてる風鈴も綺麗なんだけど、夜になると境内がわーっていっぱいライトアップされてね、その光の中できらきらする風鈴も、とっても綺麗なの! 風鈴の短冊にね、お願いごとを書くことも出来るんだって」
 既に願いが書き込まれている短冊は少なくないが、未だ白紙の短冊はそれ以上にたくさんある。気に入った風鈴があれば、その短冊にお願いごとを書けるのだと真帆は楽しげに続ける。
「あとは……境内の端っこの方におしゃれなカフェもあるから、そこでゆっくり風鈴の音を聴きながらお茶や食事も出来るよ」
 境内のカフェはオープンカフェにもなっていて、食事をしながらライトアップされた風鈴を存分に楽しむことが出来る。メニューは抹茶やほうじ茶のパフェにロールケーキ、お団子やお汁粉などのスイーツ類が主で、飲み物はコーヒーや紅茶、ほうじ茶に緑茶、店内で点てた抹茶なども楽しめる。
 また、参道にも縁日の出店や屋台がたくさん出ている。焼きそばにたこ焼き、お好み焼き、かき氷に綿飴、りんご飴――他にも一般的な屋台で楽しめるものは一通り揃っているようだ。あるいはディアボロスとして出店や屋台を出し、人々と直接交流することも可能だ。
 帰還した人々に楽しんでもらうのは勿論ではあるけれど、ディアボロスも一緒に楽しむことで、絆はより深いものになることだろう。
「お出かけする時は浴衣でもいいし、勿論普段着で大丈夫! 地元の人たちも、協力してくれてる人たちも、いっぱい頑張ってくれたから……きらきらした時間を、少しでも楽しんでくれると嬉しいな」
 真帆はそう言って説明を終えると、いってらっしゃい!と笑顔でディアボロスたちを送り出した。

●宴の始まり
 風鈴棚に連なる、色とりどりの風鈴たち。
 そよぐ風に吹かれるまま、気ままに揺れる彼らの姿は、過ぎ去った夏を思い起こさせてくれるもの。
 やがて日が暮れると同時に、境内のあちらこちらで一斉に光が灯される。
 満天の星の下、地上を満たす幻想的な煌めきは、この地に人々が戻ったという何よりの証だ。
 ――その時。
 一筋の風がさあっと吹き抜けて、境内に散りばめられたたくさんの風鈴たちが、光の尾を引きながらちりりん、と一斉に涼やかな音を奏でた。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
1
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【水源】
1
周囲に、清らかな川の流れを出現させる。この川からは、10秒間に「効果LVトン」の飲用可能な水をくみ上げる事が出来る。
【飛翔】
2
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
2
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わる。全力で力仕事をするならば「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げる事が可能になる。
【未来予測】
1
周囲が、ディアボロスが通常の視界に加えて「効果LV×1秒」先までの未来を同時に見ることのできる世界に変わる。
【強運の加護】
3
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【照明】
1
ディアボロスの周囲「効果LV×20m」の空間が昼と同じ明るさに変化する。壁などで隔てられた場所にも効果が発揮される。
【勝利の凱歌】
2
周囲に、勇気を奮い起こす歌声が響き渡り、ディアボロスと一般人の心に勇気と希望が湧き上がる。効果LVが高ければ高い程、歌声は多くの人に届く。
【友達催眠】
1
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【プラチナチケット】
1
周囲の一般人が、ディアボロスを関係者であるかのように扱うようになる。効果LVが高い程、重要な関係者のように扱われる。
【隔離眼】
1
ディアボロスが、目視した「効果LV×100kg」までの物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)を安全な異空間に隔離可能になる。解除すると、物品は元の場所に戻る。
【平穏結界】
1
ディアボロスから「効果LV×30m半径内」の空間が、外から把握されにくい空間に変化する。空間外から中の異常に気付く確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【活性治癒】
7
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【修復加速】
1
周囲が、破壊された建造物や物品の修復が容易に行える世界に変わる。修復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」する。
【植物活性】
1
周囲が、ディアボロスが指定した通常の植物が「効果LV×20倍」の速度で成長し、成長に光や水、栄養を必要としない世界に変わる。
【液体錬成】
2
周囲の通常の液体が、ディアボロスが望めば、8時間冷暗所で安置すると「効果LV×10倍」の量に増殖するようになる。
【使い魔使役】
1
周囲が、ディアボロスが「効果LV×1体」の通常の動物を使い魔にして操れる世界に変わる。使い魔が見聞きした内容を知り、指示を出す事もできる。
【書物解読】
1
周囲の書物に、執筆者の残留思念が宿り、読むディアボロスに書物の知識を伝えてくれるようになる。効果LVが高くなる程、書物に書かれていない関連知識も得られる。
【口福の伝道者】
4
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【おいしくなあれ】
1
周囲の食べ物の味が向上する。栄養などはそのまま。効果LVが高いほど美味しくなる。
【アイテムポケット】
1
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。
【コウモリ変身】
1
周囲が、ディアボロスが小型のコウモリに変身できる世界に変わる。変身したコウモリは最高時速「効果LV×50km」で飛行できるが、変身中はパラドクスは使用できない。
【アイスクラフト】
1
周囲が、ディアボロスが、一辺が3mの「氷の立方体」を最大「効果LV×3個」まで組み合わせた壁を出現させられる世界に変わる。出現させた氷は通常の氷と同様に溶ける。
【水中適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が水中で呼吸でき、水温や水圧の影響を受けずに会話や活動を行える世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV5 / 【命中アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV4 / 【ガードアップ】LV2 / 【凌駕率アップ】LV3(最大) / 【フィニッシュ】LV1 / 【反撃アップ】LV3 / 【アクティベイト】LV1 / 【リザレクション】LV1 / 【先行率アップ】LV3 / 【ドレイン】LV5(最大) / 【アヴォイド】LV2 / 【ダブル】LV2 / 【ロストエナジー】LV1 / 【グロリアス】LV2

●マスターより

小鳥遊彩羽
 ご覧くださいましてありがとうございます、小鳥遊彩羽です。
 今回は『最終人類史(新宿島)』より、秋祭りシナリオをお届けします。
 
 奈良県内のとある神社で、風鈴祭を楽しむことが出来ます。だいたいそれっぽい雰囲気で、細かいことは気にせずふわっと楽しめる方向けです。
 シナリオ内の時間帯は夜となります。ライトアップされた境内を風鈴の音を楽しみながら散策したり、風鈴の短冊に願いごとなどを書いたり、カフェでのんびり過ごしたり、屋台や出店の食べ物などを楽しんだり、お参りしておみくじを引いたりなどなど、出来そうなことは何でもして頂いて大丈夫ですので、思い思いのひとときを楽しんで頂ければ幸いです。
 最終人類史のシナリオですので、残留効果はすべて効果LV10で使用できます。サーヴァントの同行も問題ありません。
 ご一緒される方がいらっしゃる場合は【お相手の名前とID(ニックネーム可)】もしくは【グループ名】をご記載ください。
 リプレイは個別、もしくはグループごとでの描写となります。
 参加人数に制限はありませんが、全採用のお約束は出来ません。状況によってはプレイングの内容に問題がなくともお返しさせて頂く可能性がありますので、ご了承の上でのご参加をお願いいたします。
 浴衣の描写をご希望の場合は、色や柄などについて軽く触れて頂けると齟齬が少なくなるかなと思います。
 NPCの花峯・真帆、及びアレッサンドロ・カリオストロもその辺におりますので、何かありましたらお声がけください。面識の有無にかかわらず、どなた様もお気軽にどうぞ。

 以上となります。どうぞ宜しくお願いいたします。
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このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


水脈・裕丞
【月夜A】5人

(男性は〜君、女性は〜さん)

風鈴の音が実に涼しげだね。
しゃらしゃらとまるで歌っているようだ…。
詩的な事を言うのには慣れてはいないがそんな風に感じるよ

ライトアップの光だけでは少々本は読みにくいが日中ならこの景色と音の中で読むのもまた乙なものだったろうね。

おや、みんな素敵な風鈴を選んだね。
では僕はこの青いラインの入ったものにしよう。
クラゲのような風鈴も可愛らしいね。
短冊に願い事、か…ディアボロスとして書くのなら「世界平和」なんてのがありきたりでだけど一番相応しいような気もするけど…
僕個人の願い事なら「健康長寿」ってところかな。みんなよりは長く生きてるように感じるけれども…まぁ、時間があればもっと沢山の本が読めるからね。

そうだね食事を…。
(日吉君の笑顔に気付くと小さくため息を吐くも財布を準備して)
はぁ、君は何が食べたいんだい?
カロン君はお財布の心配ありがとう。
君も好きな物を選ぶと良い僕の奢りだ。

…たぶんきっとこう言うのもしあわせってやつだ。


リリーベル・カンパネラ
【月夜A】
今年の浴衣(薄ピンク地に花柄)で

わあっ。風鈴さんがあちこちにいっぱい!
ライトアップされた光景ね、幻想的でステキだわ!
ユウスケさんが仰るみたいにね、この中で読書も雰囲気があってステキだよねぇ

ホントだぁ、夜空に浮かぶクラゲさんの群れみたいっ
えへへ、読みやすいかなぁ?
じゃあね、翼をね、もっとキラキラさせちゃお!

アキさんの美味しそうな赤いコも、アヴィシアさんの星空みたいに青いコも
どのコも比べられないくらいにステキ!
カロンさん、お詳しいのねっ
この風鈴さん、ハナガサクラゲさんに似てるんだぁ

何を書こうかなぁ
『錬金術の研究が上手くいきますように』かなぁ?
でもね、夢は自分で叶えたいからね、お願いはしないでおこっと
いっぱい悩んだけどね、リリィはね『ここに書かれたステキなお願いごとがぜんぶ叶いますようにっ!』って書いたわ!
もちろん、お花模様の風鈴さんにっ

えへへ、さんせー!
風鈴さんを眺めながらのお食事もね、絶対楽しいよねぇ
B班の皆さんとも合流できたらね、倖せいっぱいのもっと楽しい時間になるよねっ


アヴィシア・ローゼンハイム
【月夜A】

薔薇の柄、青色の着物に身を包み、からん、ころんと下駄を鳴らせて、皆と風鈴祭りへ
みんなの着物姿、すごく似合っているわ

夜に見る風鈴は初めてだけれど…淡くも、きらり輝いて、まるでお星さまの様ね……夜空が下りて来たみたい

ふふ、わかるわ。風鈴の音が重なり合って、私にも歌っているように聞こえるもの
これが風柳、というものなのかしら?

じゃあ、お願い事を書きましょう
そうよ、カロン。貴方が将来叶えたいこと、こうなったらいいな、ということを書くの

アキはその子にするの?私はこの青い子にしようかしら
書くのは「この縁がいつまでも続きますように」
皆と巡り出会えたこの奇蹟を、これからも大事にしたいから
ねえ、リリィは何を書いたの?聞いてもいい?

さて、願い事も書いたし
この後、カフェにいかない?
料理を楽しみながら見る風鈴も、きっと素敵だわ

アキと裕丞のやり取りにくすりと笑みが零れて
ふふっ、決まりね
じゃあ、他で回っている子達も誘ってくるわ
皆で一緒にこの幻想的なひと時を過ごしましょう

※月夜Bと合流できたら、カフェに誘うわ


セフィラ・アルディール
【月夜B】
風鈴のお祭りがあるとのことで、ワクワクが止まらない私。
風鈴と言いましたら、私も風鈴型の耳飾りですが、似合うでしょうか……(浴衣姿で)

境内には様々な屋台に素敵なカフェもあり、この賑やかな雰囲気に、私の心もワクワクが止まりません。
やがて見えてくるのは、風鈴のライトアップ。
どこか幻想的な世界へ入ってしまったかの様な光景に、私はに視線を奪われてしまい。

風鈴にかかっている短冊に願い事を書く催しがあると聞き、皆様と共に願い事を書きます。
お願い事は、『これからも皆さんと笑い合える日々を』。
未だ世界は不安定、それでもこうして皆様と出会えた事は、私にとって宝物。
いつか全てを奪還した時、私達は別れの日が来てしまうのか……、そう考えると不安もあります。
けど、この素敵な思い出だけは、永遠に残る……。
そう信じて、私は風鈴型耳飾りと同じ、淡い水色の風鈴の短冊に願いを書きましょう。

ちょっぴりしんみりした気持ちはここまで。
この後、皆様と一緒に屋台やカフェを楽しみましょう♪


沙羅葉・落日
【月夜B】
セピアの浴衣にブーツを履いて
みんなの浴衣も綺麗だね
シエルの浴衣姿も見たかったな、なんて

風鈴のライトアップなんて珍しくて面白いね
初めて見るなぁ
風鈴って、夏の間軒下に下げたままだから、夜も音がなるじゃない?
夜風の涼しさとさ、風鈴の涼し気な音色
アタシ、あの風情好きなんだよね
でもこうしてたくさん集まって鳴ってるのも賑やかで楽しくていいな
確かに、歌やお喋りみたいだ

シャボン玉みたいな子、水色の子、黄昏色に、夜桜を纏った子
どれもみんならしくて素敵だなぁ
アタシはどうしようかな
ん、秋だし夜だし、これにしよ
選んだのはおっきな満月みたいな黄色い風鈴
手を伸ばせば掴めるお月様だって、気取ってウインク
願い事……うーん、あんまり何叶えてほしいっていうのが無いからなぁ
こういう時はちょっと勿体ない気持ちになるよね、願いが無いって
苦笑して短冊に書き込むのは
『みんなが元気で楽しくありますよう』
元気で楽しい以上の幸いなんてそうは無いよね

おいしい食事は元気の源
カフェには大賛成だ
行こ行こ
(可能ならA班と合流希望)


日吉・アキ
【月夜A】

(全員「ちゃん付け」で呼ぶよ)

いいね。ここの神社は。マトモだ

しかし夜の風鈴ってのは珍しいね
人が多いのに音が染み入ってくるようだ
アヴィシアちゃんの夜に咲く薔薇も、リリーベルちゃんのパステルに輝くお花も、いいねぇ浴衣ってのは

カロンちゃんが危なっかしいから後ろから見守りつつゆっくりいこうか
こういうのはオジサンの役目さ
お任せあれー

さてボクのお眼鏡にかなうカワイコちゃんは、と
よし、キミにしよう
真っ赤な風鈴
食べごろのような美味しそうな色合いだ
金の差し色も気に入った
願いはひとつ。『打倒』
リリーベルちゃんやアヴィシアちゃんの願いをチラと見つつ、清いなあと感心
裕丞ちゃんとカロンちゃんのも……おや、控えめだ
選んだ風鈴といい、個性が垣間見えて楽しいね

いいね
ボクも小腹が空いたところさ
財布持ってないけど
(最年長のちゃんを見てにこにこする)
わぁ裕丞ちゃん太っ腹ァ。嬉しいー
そうそう、ごちそうさまって、カロンちゃんはおしゃべり上手の素質があるよ


カロン・ユメサキ
【月夜A】5人

眠たくない、わくわくの、夜
普段同様ローブ姿
海のいきものが図解された本を手に

リリィさんのそば、キラキラでご本、読みやすい
たくさん、いっぱい、いますね
色んなくらげ(風鈴)を見つけてみたくて
上と手元を見てばかりいるから
ぶつかったり遅れてしまわないため……
がんばる、ですが
りりんと澄んだ音に呼び止められるよう

ほんとうは、海のくらげもきれいな声をして
おしゃべりしているのかも
目を閉じると
秋の夜風は涼しくて、まるで――
……む
ねむってません。です
日吉さんがいてくれて助かるました

おねがい……いきごみ?
首を傾げるも
ハナガサクラゲみたいな子に真似て書き込む
……えと
『おしゃべり、じょうずに』
そしてみなさんとたくさんなかよし、するのです
みなさんのくらげ――風鈴も、色々、かわいい
アヴィシアさんの蝶々みたいな、青の風鈴
ぼくにはやっぱり幸いの使いに見えて
おねがい、叶うよう
いっしょに、お祈り、するます

水脈さん、ごちそうさまです?
あの、ぼく、水脈さんのお財布のこともおねがいしておくので
みんなしあわせ、なれるはず


鴇野・丙
【月夜B】5人

青紅葉と流水紋の浴衣
やあ、浴衣姿の皆さんは華やかだ
おやセフィラさんのその耳飾りも風鈴なのですね
今日の装いにもよくお似合いです

風鈴は日中に見るもの、と思っていましたが
夜灯のなかで風鈴たち揺れ歌うさまは何とも非日常的でうつくしい
よく聞くとひとつひとつ音色も違いますね
ああ、解ります
ちりんと夜風に乗って届くと嬉しくなりますね
と落日さんの言葉に頷いて
背伸びする彗藍さんや手を伸ばすシエルさんを見遣っては和み
星はそう簡単に手に届かないからこそ
惹かれるのかもしれませんねえ

なるほど、願い事
では僕はしゃぼん玉の様な丸く虹色の風鈴にしようか
暫し迷ってから「失せものが見つかりますように」と
こうして言葉に記すと、改めて己を見直せて良い機会になる
皆の選ぶ風鈴も其々個性が感じられて楽しい
どの願いも叶って欲しいな

カフェも喜んで
勉強させてもらいましょう……あ、いやいや
仕事は忘れて
風鈴と美味しい食べ物と
何より皆とのひと時を楽しみましょう

(※月夜A班と合流出来そうならばお声がけします)


朔・彗藍
【月夜B】

夜空色に星屑を鏤めた浴衣
下駄を愉しげにからころ鳴らして
浴衣を纏う皆さんへはつい見惚れてしまいます
セフィラの風鈴飾り、可愛いですね……!
丙の浴衣も涼やかな青紅葉が素敵でよくお似合いです

満天の星の下で游ぐ
淡くひかる風鈴が連ね奏でる音に
耳を欹てて、過ぎゆく夏と秋の訪れも感じてしまい
ふふ、こうして光に照らされてると本当に
星が届いてしまいそうです
背伸びをしてみて、
……むむ、やっぱり届かないけれど
すり抜けたやわい風が代わりに風鈴を揺らすから

私はこの、薄く華を描いた夜桜風鈴を
散らずに咲いたままの華が
願いを叶えてくれそうで
シエルの黄昏と落日のお月様
並べたらうつろう空みたい

願い事は……いえ、そうですね
先ずは叶えやすくこの世界で日々願うもの
『来年もまた皆で過ごすご縁が繋がっていきますように』
皆の願いもそっと眸を臥し祈りを込めて

はーいです!カフェの食事ももちろん!
おなかぺこぺこでっ
…風鈴も見ますよう!!

別行動の皆さんとも合流出来たら
どんな風鈴を選んだのか聞いてみたいです


シエル・エンフィールド
【月夜B】
*皆さんの呼び方は【苗字+さん】
あぁ、私はいつもの着慣れた洋服で
風情のある装いは、皆さんだけでも十分に華やいでおりますからね

耳を澄ませば涼し気な音が幾重にも
初めて見るライトアップされた風鈴はとても幻想的で、今にも星に手が届きそうと思わせてくれるようで
(遥か彼方の星達にも今なら…なんて)
思わず手を伸ばしそれでも届かずに
ぴょん、と飛んでみたところで到底足りないこの身長が悩ましい
我に返れば気恥ずかしさも感じたものの…
くすりと、僅かでも笑みが浮かんでしまったのは
背伸びをする朔さんの姿に、仲間を見つけたような気がして

願い事を託す風鈴、むむむと悩みつつも決めたのは黄昏色の子
綴る願いは…そうですね
もっと身長が欲しい、はさすがに冗談にしておくとして
「いつか、心からの笑顔で笑えますよう」
簡単そうに見えてこれがまた難しいのですよね

おいしい食事は元気の源…ふむ、納得
別行動をしている皆さんの選んだ風鈴も気になります
全員で風鈴を一緒に写真など撮れれば、今日の良い記念になりそうですね、なんて


 薔薇が咲く青色の着物に身を包み、からん、ころんと軽やかに下駄の音を響かせながら――星の図書館に集う皆と風鈴祭りへ訪れたアヴィシア・ローゼンハイム(Blue・Roses・g09882)は、連れ立つ皆を見やりながら微笑む。
「みんなの着物姿、すごく似合っているわ」
「わあっ。風鈴さんがあちこちにいっぱい! ライトアップされた光景ね、幻想的でステキだわ!」
 そう声を弾ませるのは薄ピンク地に花柄の浴衣を纏うリリーベル・カンパネラ(夜明けの福音・g09480)だ。リリーベルの翼も、たくさんの流れ星に彩られて煌めいていた。
 普段と同じローブに身を包んだカロン・ユメサキ(***・g09294)にとっては、眠たくない、わくわくの夜だ。
 カロンが両腕で抱き締めるように持っているのは、海のいきものが図解された本。
「……リリィさんのそば、キラキラでご本、読みやすい」
「えへへー、きらきらでしょっ?」
 ふわり、微笑むカロンに、リリーベルは満面の笑みを咲かせながら煌めく翼を羽ばたかせる。
「いいね。ここの神社は。マトモだ」
 どこか満足げに目を細めながら、日吉・アキ(交差点・g03344)が呟く。
「しかし夜の風鈴ってのは珍しいね。人が多いのに音が染み入ってくるようだ」
 言いながら、アキは夜風に靡く風鈴たちから仲間たちへと視線を移して、しみじみと笑みを深めた。
「アヴィシアちゃんの夜に咲く薔薇も、リリーベルちゃんのパステルに輝くお花も、いいねぇ浴衣ってのは」
 そんなアキの言葉に微笑んで、アヴィシアは改めて目の前に広がる光景を眺めやる。
「夜に見る風鈴は初めてだけれど…淡くも、きらり輝いて、まるでお星さまの様ね……」
 夜空が下りて来たみたい、と夢見るように星宿る瞳を煌めかせるアヴィシアに答えるように、水脈・裕丞(書架泳ぐ魚・g09411)が口を開いた。
「風鈴の音が実に涼しげだね。しゃらしゃらとまるで歌っているようだ……詩的なことを言うのには慣れてはいないがそんな風に感じるよ」
 裕丞の言葉に、アヴィシアは笑みを深めて頷いた。
「ふふ、わかるわ。風鈴の音が重なり合って、私にも歌っているように聞こえるもの。……これが風流、というものなのかしら?」
「ライトアップの光だけでは少々本は読みにくいが、日中ならこの景色と音の中で読むのもまた乙なものだったろうね」
 裕丞の、“本好き”らしい感想に、ぱっと笑顔を弾ませてリリーベルが頷く。
「そうね、ユウスケさんが仰るみたいにね、この中で読書も雰囲気があってステキだよねぇ」
 楽しそうな皆の声にたのしい気持ちを覚えながら、カロンは風鈴たちの煌めきを目で追いかけていた。
「たくさん、いっぱい、いますね。……くらげみたい」
 揺れる透き通った風鈴たちは、あおい海を泳ぐクラゲにも似ていて。
「ホントだぁ、夜空に浮かぶクラゲさんの群れみたいっ」
 屈託なく笑うリリーベルに、カロンもつられるように微かに笑んで。
 それから、色々な“クラゲ”を見つけてみたくて、カロンの眼差しは手元の本と頭上と行ったり来たり。
 知らない人にぶつかったり、皆に遅れてしまわないように頑張ってはいるものの――。
 りりん、と風に乗って届く澄んだ音に、呼び止められるように立ち止まる。
(「……ほんとうは、海のくらげもきれいな声をして、おしゃべりしているのかも」)
 目を閉じれば、さわさわと心地良い喧騒と、“おしゃべり”している風鈴たちの音が聴こえてくる。
 秋の夜風は涼しくて、まるで――。
「――カロンちゃーん?」
 名を呼ぶ声に、カロンはぴくりと肩を跳ねさせてから瞬いた。
 振り返れば緩い笑みを浮かべたアキが見つめていて、カロンはぎゅっと本を抱き締める。
「……む。ねむってません。です。でも、日吉さんがいてくれて助かるました」
 それでもまだほんの少し覚束ない足取りのカロンを見守りつつ、アキは一番後ろからゆっくりと歩む。
「こういうのはオジサンの役目さ。お任せあれー」

「じゃあ、お願い事を書きましょう」
「おねがい……いきごみ?」
 きょとんとした顔で首を傾げるカロンに、アヴィシアは優しく微笑む。
「そうよ、カロン。貴方が将来叶えたいこと、こうなったらいいな、ということを書くの」
 少し悩んで、カロンは、ハナガサクラゲのような子を手に取った。
「カロンさんの風鈴さんは、クラゲさん?」
 そわそわと翼を揺らしながら尋ねるリリーベルに、カロンはこくりと頷いた。
「えと、ハナガサクラゲ……」
 ゆっくりと、けれど迷わず名を挙げたカロンに、リリーベルはふた色の瞳を輝かせる。
「まぁ、カロンさんはクラゲさんにお詳しいのねっ。この風鈴さん、ハナガサクラゲさんに似てるんだぁ」
「さてボクのお眼鏡にかなうカワイコちゃんは、と……よし、食べごろのような美味しそうな色合いのキミにしよう」
 アキが選んだのは、金の差し色が入った、真っ赤な林檎のような風鈴。
「アキはその子にするの? 私はこの青い子にしようかしら」
 思わず齧り付きたくなる、なんて悪戯っぽく笑みを深めるアキの横で、アヴィシアは深い青の風鈴を手に取った。
「おや、みんな素敵な風鈴を選んだね。では僕はこれにしよう。クラゲのような風鈴も可愛らしいね」
 皆の風鈴に柔く目を細めつつ、裕丞も青いラインが入った風鈴へ手を伸ばす。
 アヴィシアが風鈴に託す願いは、――“この縁がいつまでも続きますように”
 生まれた世界も時代も様々なディアボロス。そのひとりとして、皆と巡り逢えたこの奇蹟をこれからも大事にしたいという想いを籠めて、アヴィシアは筆を走らせる。
「アキさんの美味しそうな赤いコも、アヴィシアさんの星空みたいに青いコも……どのコも比べられないくらいにステキ! ……リリィは何を書こうかなぁ」
 お花の模様が可愛らしい風鈴を前に、リリーベルは思案顔。
 錬金術師であるリリーベルが思い浮かべるのはやはり、錬金術のこと。
(「錬金術の研究が上手くいきますように、かなぁ? ――ううん」)
 けれど――希望の花を咲かせたいという夢は、自分で叶えたいと思うから。
 だから、リリーベルは皆を見やり、微笑んで、代わりに別の願いを書き込んだ。
「ねえ、リリィは何を書いたの? 聞いてもいい?」
 どこか楽しげに尋ねてきたアヴィシアへ、リリーベルは胸を張って答える。
「いっぱい悩んだけどね、リリィはね、“ここに書かれたステキなお願いごとがぜんぶ叶いますようにっ!”って書いたわ!」
(「短冊に願い事、か……」)
 ちりり、と、波のような青いラインが入った風鈴を揺らしながら、裕丞は思案する。
(「ディアボロスとして書くのなら“世界平和”なんてのがありきたりでだけど一番相応しいような気もするけど……」)
 そうしてくしゃりと頭を掻いてから書き込んだのは、“健康長寿”
 皆よりは長く生きているように感じている裕丞ではあるけれど、時間があればもっとたくさんの本や知識に出逢える――と、そう考えたからだ。
「……えと」
 カロンも皆を真似て、短冊に願い事を書き込んでいく。
 ――“おしゃべり、じょうずに”
 そして、皆ともっとたくさん、仲良くなれるように。
「みなさんのくらげ――風鈴も、色々、かわいい」
 そうしてカロンはそっと隣に揺れるアヴィシアの、蝶のような青い風鈴を見つめる。
 元はと言えば、この場に集う皆との出逢いはアヴィシアがはじまりとなって生まれた縁。
 だからこそ、だろうか。
 カロンの目には、優雅に揺れるアヴィシアの風鈴は――幸いの使いに見えて。
「おねがい、叶うよう。いっしょに、お祈り、するます」
 ちらりと見たリリーベルやアヴィシアの願いに、清いなあと感心しつつ。
 裕丞とカロンの願いには、どこか控えめな慎ましさを感じながら。
 皆が選んだ風鈴に、それぞれの願い。そこに垣間見えるそれぞれの個性を楽しみながら、アキも願いを書き込んだ。
 アキの願いはただひとつ――“打倒”
 それ以上のことは、ない。

 皆の願いを抱いた風鈴が、楽しげな音を響かせる。
「さて、願い事も書いたし、この後、カフェにいかない?」
 料理を楽しみながら見る風鈴も、きっと素敵だろうから。
 アヴィシアの提案に、リリーベルが大きく手を挙げて頷く。
「えへへ、さんせー! 風鈴さんを眺めながらのお食事もね、絶対楽しいよねぇ」
「そうだね食事を……」
「いいね。ボクも小腹が空いたところさ。財布持ってないけど」
 アヴィシアの言葉に頷く“最年長”の裕丞を見ながら、アキはにこにこと満面の笑みを浮かべていて。
 そんなアキの笑顔に気づいた裕丞は、小さくため息をつくも財布を準備する。
「はぁ、君は何が食べたいんだい?」
「わぁ裕丞ちゃん太っ腹ァ。嬉しいー」
「……水脈さん、ごちそうさまです?」
 ことりと首を傾げるカロンに、アキが大きく頷いてみせる。
「そうそう、ごちそうさまって、カロンちゃんはおしゃべり上手の素質があるよ」
 裕丞の、色々と観念したような表情に何かを察したか、カロンは一生懸命続けた。
「あの、ぼく、水脈さんのお財布のこともおねがいしておくので……みんなしあわせ、なれるはず」
 少年の無垢な想いが眩しいような気がして、裕丞は緩く息をつきながらも、微笑う。
「カロン君はお財布の心配ありがとう。君も好きな物を選ぶと良い僕の奢りだ」
 アキと裕丞、そしてカロンも交えたやり取りにくすりと笑みを零しながら、アヴィシアは皆を見やって告げる。
「ふふっ、決まりね。じゃあ、他で回っている子たちも誘ってくるわ。皆で一緒に、この幻想的なひと時を過ごしましょう」
 そう言って、二手に分かれた面々を誘いに向かったアヴィシアを見送り、リリーベルがぱあっと笑みの花を咲かせた。
「皆が一緒なら、倖せいっぱいのもっと楽しい時間になるよねっ」
 ――そうして皆で、選んだ風鈴や綴った願いに話の種を芽吹かせるのは、もう少しだけ先の話になるけれど。
 皆の楽しげな姿に、裕丞はこう思うのだ。
(「……たぶんきっとこう言うのも“しあわせ”ってやつだ」)



 ――時を同じくして、アヴィシアたちと二手に分かれた面々もまた、風鈴祭りへと繰り出していた。
 夜空色に星屑を鏤めた浴衣を纏い、下駄を愉しげにからころと鳴らしながら。
 薄紫華の双眸を煌めかせ、朔・彗藍(ベガ・g00192)は皆の和の装いに見惚れるばかり。
「やあ、浴衣姿の皆さんは華やかだ」
 青紅葉と流水紋が涼しげで爽やかな浴衣に身を包んだ鴇野・丙(甘味処の辛党お兄さん・g04727)も、にこにこと笑みながらのんびり皆の姿を見やる。
 風鈴のお祭りと聞いて、セフィラ・アルディール(うたかたなる雪華の吸血聖者・g08280)はここに来る前からずっとワクワクと心を弾ませていた。
 青地に朝顔が咲く、いわゆるロリータ風の浴衣に、もうひとつ――。
「風鈴と言いましたら、私も風鈴型の耳飾りですが、似合うでしょうか……」
 耳元で揺れる、セフィラの瞳の色に似た澄んだ水色の風鈴のイヤリング。
「おやセフィラさんのその耳飾りも風鈴なのですね。今日の装いにもよくお似合いです」
 丙が笑顔で告げれば、彗藍もこくこくと頷いて。
「セフィラの風鈴飾り、可愛いですね……! 丙の浴衣も涼やかな青紅葉が素敵でよくお似合いです」
「みんなの浴衣も綺麗だね。……シエルの浴衣姿も見たかったな、なんて」
 やんわりとそう紡ぐのは、セピア地に麻の葉柄の浴衣にブーツを履いたレトロモダンな装いの沙羅葉・落日(ああ、キミはもういないのか。・g04517)だ。
 話を振られたシエル・エンフィールド(はいいろのアリア・g00369)は普段通りの着慣れた洋服で、穏やかな微笑みと共に紡ぐ。
「……風情のある装いは、皆さんだけでも十分に華やいでおりますからね」
 皆と共に漫ろ歩きながら、セフィラはあちらこちらへ視線を巡らせる。
 様々な屋台に、素敵なカフェ。賑やかで楽しげな雰囲気にセフィラの心は弾むばかりだ。
 ちりり、と歌うように誘う音色に引かれるままに歩いていけば、色とりどりの風鈴が柔らかな光を浴びながら揺れる光景が一面に広がり――。
「わあ……」
 どこか幻想的な世界へ足を踏み入れてしまったようで。セフィラは瞬く間に視線を奪われた。
「風鈴のライトアップなんて珍しくて面白いね。初めて見るなぁ」
 緩く吐き出す息に感嘆を交えながら、落日は眩しげに目を細めて風鈴たちを見やる。
「風鈴って、夏の間軒下に下げたままだから、夜も音がなるじゃない? 夜風の涼しさとさ、風鈴の涼し気な音色……アタシ、あの風情好きなんだよね」
「ああ、解ります。ちりんと夜風に乗って届くと嬉しくなりますね」
 落日の言葉に、丙が頷く。
 風鈴は日中――明るい空の下で見るものだと思っていたけれど、夜灯に照らされて揺れる風鈴たちの歌うさまは、何とも非日常的でうつくしいものだと、丙は改めて思う。
「よく聞くとひとつひとつ音色も違いますね」
「そうだね、こうしてたくさん集まって鳴ってるのも賑やかで楽しくていいな。確かに、歌やお喋りみたいだ」
 そう、丙と落日が語らう横で、彗藍とシエルは揃って風鈴を見つめる。
 満天の星の下、淡いひかりを纏って游ぐ風鈴たちが連ね奏でる音に耳を欹てて、彗藍は過ぎゆく夏と秋の訪れを想い――。
「ふふ、こうして光に照らされてると本当に、星が届いてしまいそうですね」
 それからそっと背伸びをして、風鈴へと手を伸ばす。
 幾重にも交わり、重なって紡がれる――涼しげな風鈴たちの音色。
 ライトアップされた風鈴たちの姿を見るのはシエルも初めてだけれど、その幻想的な姿に、彗藍と同じように――届きそうだと思わずにはいられなかった。
(「遥か彼方の星たちにも今なら……なんて」)
 だから心惹かれるままに手を伸ばし――やっぱり、届かなくて。
 ぴょん、とシエルはその場で跳んでみたりもしたけれど、元より身長が足りないことに気づいて我に返る。
「……」
 気恥ずかしさ、あるいは居た堪れなさ。そんな感情が込み上げてくるけれど――。
 つい、微かな笑みが浮かんでしまったのは。
「……むむ」
 同じように手を伸ばして届かなくて、懸命に背伸びをする彗藍の姿が目に入ったからだった。
 彗藍の指先をすり抜けた風が、代わりにちりんと風鈴を揺らす。
 そして、シエルの眼差しに気づいた彗藍も、どこかくすぐったそうに微笑んだ。
「星はそう簡単に手に届かないからこそ、惹かれるのかもしれませんねえ」
 そんな二人を見やっては和みつつ、風鈴たちの先に広がる星空を見上げて丙が呟いた。

「短冊に願い事を書く……んですよね」
「そうなのです! 皆でお願い事、書きましょう!」
 控えめにそう切り出したセフィラに、彗藍が答える。
 願いを綴るべく、彗藍が手に取ったのは薄く華を描いた夜桜風鈴。
 散らずに咲いたままの華が、だからこそ、願いを叶えてくれそうだと思ったからだ。
 むむむ、と悩みつつシエルが決めたのは黄昏色の子。
「シエル、シエル。ほら……」
 そわそわと微笑みながら、彗藍は夜桜の風鈴をそっと近づける。
 黄昏と落日のお月様を並べれば――緩やかにうつろう空が浮かび上がった。
「なるほど、願い事か」
 思案顔で風鈴を眺め、丙はしゃぼん玉のように丸い、虹色の風鈴に手を伸ばした。
「私は……折角ですから、この子にします♪」
 その横でセフィラが選んだのは、風鈴型の耳飾りと同じ、淡い水色の風鈴だ。
「どれもみんならしくて素敵だなぁ。アタシはどうしようかな」
 皆が選んだそれぞれの風鈴に楽しげに微笑みながら、落日も風鈴たちへと視線を巡らせる。
「ん、秋だし夜だし、これにしよ」
 落日が手に取ったのは、まるで大きな満月のような黄色の風鈴。
「わあ、お月様みたいです……!」
「そう、手を伸ばせば掴めるお月様」
 彗藍が瞳を輝かせるのに、落日は気取ってウインクで答える。
「とは言え、願い事……うーん、あんまり何叶えてほしいっていうのが無いからなぁ」
 風鈴と向き合い、落日はほんの少しだけ苦く笑った。
「こういう時はちょっと勿体ない気持ちになるよね、願いが無いって」
 言いながら、落日は短冊にペンを走らせる。
 ――“みんなが元気で楽しくありますよう”
 ありふれた、と言われれば、そうかもしれない。
 けれど皆が元気で楽しい――それ以上の幸いなどそうそうないだろうから、これでいい。
 丙は暫し迷ってから、“失せものが見つかりますように”と綴った。
 それはいつだって想い、願っていることのひとつ。
 こうして言葉に記すことで、改めて己を見直しながら――丙は、それぞれに個性が感じられる風鈴に願いを綴る皆をどこか楽しげな、穏やかな眼差しで見やる。
 どの願いも叶ってほしい。そう、願わずには居られなかった。
(「もっと身長が欲しい、はさすがに冗談にしておくとして……」)
 ふと書きかけて、やはり思い直して。
 ――“いつか、心からの笑顔で笑えますよう”と、シエルは願いを書き込んだ。
 簡単そうに見えるけれど、これがまた難しい。
 いつか、すべてを取り戻せたら。
 この願いも、叶う時が来るだろうか。
「願い事は……いえ、そうですね」
 胸に宿る想いを巡らせて、彗藍はいくつかの願いを拾い上げる。
 記すのは、その中のひとつ。まずはこの世界で、日々願うものだ。
“来年もまた、皆で過ごすご縁が繋がっていきますように”
 それから、どうか皆の願いも叶うようにと、そっと眸を臥して、祈りを籠める。
 未だすべての世界を取り戻せたわけではなく、戦いも終わっていないけれど。
 それでも、こうして皆と出逢えたことは、セフィラにとってはかけがえのない宝物だ。
 だからこそ、セフィラは“これからも皆さんと笑い合える日々を”と短冊に綴る。
(「……いつか、」)
 すべてを奪還した時、別れの日が来てしまうのだろうか、と。
 そう考えると不安もあるし、ちょっぴりしんみりもするけれど、この素敵な思い出は――永遠に残るから。
 ――そう信じて、セフィラは笑顔で気持ちを切り替える。

 願いを記した風鈴が、再び並べて飾られる。
「さて、皆様! お願い事もしましたし、屋台やカフェを楽しみましょう♪」
 ふわり、笑みを咲かせて告げるセフィラに、彗藍が笑顔で手を上げた。
「はーいです! カフェの食事ももちろん! おなかぺこぺこでっ……あっ、」
 風鈴も見ますよう!!と力強く続けた彗藍に、落日がそうだね、と繋ぐ。
「おいしい食事は元気の源。カフェには大賛成だ。行こ行こ」
「ええ、喜んで。勉強させてもらいましょう……あ、いやいや」
 職業柄ついそんなことを呟いてしまうけれど、今ばかりは仕事は忘れて。
 風鈴と美味しい食べ物と、何より皆とのひと時を楽しむつもりで、丙も微笑って頷いた。
「――おいしい食事は元気の源…ふむ」
 落日の言葉を繰り返し、納得した様子で頷いたシエルは、ふと思いついたように紡ぐ。
「皆で風鈴と一緒に写真など撮れれば、今日の良い記念になりそうですね」
 そう言いながら、シエルが見やった先を辿るように視線を巡らせた丙が、こちらへ向かってくるアヴィシアへ軽く手を振った。
「……おや、どうやら迎えが来たようですよ」
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【アイスクラフト】LV1が発生!
【コウモリ変身】LV1が発生!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
【書物解読】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
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【ダブル】LV1が発生!
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【先行率アップ】LV1が発生!
【凌駕率アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!

アンゼリカ・レンブラント
最愛のミア(g09068)とお祭りを楽しみに来たよ!
浴衣は去年のコンテストの浴衣(橙色の)を着ていくね

今年は傍らにミアがいる
そして今は私、彼女とお付き合いしているんだよね

また1つ変わった私達の関係を
思い出しては動揺するから
それを出さないように歩くよ

ミアと距離を近くして歩くと
なんだかどうしても意識しちゃうね
お互い歩く時手の甲が触れ合い
やがて手を組んで……勇気を出して指同士を絡め恋人繋ぎ

私は心臓が口から出そうっ
ミアはどうして平然といられるのかな
背丈は追い越してもやっぱりまだ彼女は私の先にいて

そんなミアが、好き!

気持ちをぎゅっと心に持ち短冊に願い事を
これからも2人でいられますように

共に復讐者となってほしいと、恋の相手にもなってほしいと
私は彼女にいつも願ってきて
そして願い以上のものを彼女は返してくれる

そんな彼女に幸せを
願わくば、私と共に一緒に乗り越えられますよう
風鈴につけて祈りを捧げ

うん、食べよっか
たこ焼きの食べさせあいにはどきどきして
でも彼女がいるこの幸せを心に味わい
私も!ミア食べさせるんだっ


ユーフェミア・フロンティア
アンゼリカ(g02672)と一緒にお祭りを楽しみに来ました。
浴衣は、今年の浴衣コンテストの浴衣(藍色の物)を着ていきますね。

まずは、二人で街中を散策ですね。
風鈴の音がとっても涼やかできれい。
へぇ、風鈴の短冊に願い事を書くことができるんだね。
アンゼリカ、せっかくだから書いていかない?

書く願い事は…。
年下の恋人さんが戦いから無事に帰ってくること

結構大きな怪我をして帰ってくるから、それがないように願いを込めて。
行かないでっていっても、きっとこの子は行くから。
それなら、無事を願うだけ。
そして、私自身も肩を並べられるようにしないと!
書いた願い事を風鈴につけて祈りを捧げます。

短冊に願いを書いたら後は出店で何か食べようか。
ん-、せっかくだから、たこやきを一舟購入。
シェアしながら食べようよ。
たこやき、熱いね。
ハフハフしながらたべていきますよ。
せっかくだから…
アンゼリカ、あーんってして?
そのまま、たこやきを冷まして彼女の口にもっていきます。

風鈴の音色を聞きながらのたこやき、とっても素敵なひと時だね


「風鈴の音、とっても涼やかできれいだね」
 そよぐ風に揺れる風鈴たちが奏でる音が、どこまでも重なり合って響いていく。
 声を弾ませながら紡ぐユーフェミア・フロンティア(光彩聖姫・g09068)に、アンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)ははっと我に返ったように瞬いてから、そうだね、と頷いた。
 藍色の地に菊花と梅、それから青海波を散らした浴衣を纏うユーフェミアは、アンゼリカの目にはとても可愛く――それ以上に愛おしく映る。
「浴衣、似合ってるよ、ミア」
「そう? ありがとう、アンゼリカもとってもよく似合ってるよ」
 対するアンゼリカが着ているのは、明るい橙色の地に紅葉と花咲く浴衣だ。
 普段と違う装いは、それだけで心が弾むもの。
 けれど、アンゼリカにとっては、それだけではなかった。
 ――刻逆に攫われて、一度は離れ離れになってしまった二人。
 けれど長い戦いの果てに、アンゼリカはユーフェミアをクロノヴェーダの手から取り戻した。
 そして、今。
 誰よりも一番近い場所に、互いの存在がある。
 大切な親友から、恋人へ。
 またひとつ名前が変わった二人の関係を改めて思えば、まだどきどきしてしまうのはどうしたって慣れない。
 それに、二人並んで歩いていれば、近い距離にどうしても意識せざるをえないのだ。
 自然に歩いているだけでも触れ合う手の甲に、アンゼリカは鼓動が跳ねる音まで聞こえてきそうな心地になって。
 やがて――意を決したように、そっとユーフェミアの手を取った。
「アンゼリカ?」
 不思議そうに瞬くユーフェミアに、微笑んで。
 アンゼリカは、そっと指先を絡めて握り締める。
 ぎゅっと、力が籠められる感触が、いつもより強く伝わってくる。
「……ミアは、平気なの?」
「え?」
「ミアはどうしてそう、平然といられるのかな。こうして手を繋いでるだけで、私は心臓が口から出そうっ」
 きょとんとするユーフェミアに、アンゼリカは――まだ敵わないのだと自覚する。
 背丈は追い越しても、やっぱり彼女はまだ先にいるのだ。
 でも――。
「そんなミアが、好き!」
 晴れやかな笑みと共にそう告げれば、ユーフェミアはふわりと微笑んで頷いた。
「私も大好きだよ、アンゼリカ」

 しっかりと手を繋いで歩く、風鈴の道。
 涼しげな音の連なりは、まるで歌っているようで。
 柔らかな光に照らされながら揺れるたくさんの願いは、とても眩しくて。
 その中の一つに自分たちの願いを添えるべく、二人はそれぞれ心惹かれた風鈴に手を伸ばした。
 まだまっさらな短冊に、ユーフェミアは“年下の恋人さん”が無事に戦いから帰ってくるようにと願いを託す。
 ずっと戦い続けて、そして今もなお人々の願いに応えようとしている彼女のことだ。
 行かないでと言っても、きっと行ってしまうとわかっているから。
 ならばせめて大きな怪我がないよう、そして、何よりも無事に帰ってきてくれるよう、願うだけだ。
(「私自身も、肩を並べられるようにしないと!」)
 願いを記した風鈴が風を受けて揺れるのを見届けて、ユーフェミアは祈りを捧げる。
 ――“これからも二人でいられますように”。そう書き記したアンゼリカは、ユーフェミアへの想いをぎゅっと心に抱く。
 共に復讐者となってほしいと、そして、恋の相手にもなってほしい――と。
 いつもユーフェミアに願ってきたアンゼリカは、その願い以上のものを彼女から受け取っている。
 だからこそアンゼリカも、ユーフェミアにそれ以上のものを、そして幸せをあげたいと、心から願うのだ。
(「――願わくば私と共に、一緒に乗り越えられますよう」)
 そう、風鈴に祈りを託す。
 互いに顔を見合わせて、微笑みを交わす。
 二つ並んだ風鈴が、ちりり、と澄んだ音を響かせた。

「……ね、アンゼリカ。出店で何か食べようか」
「うん、食べよっか。たこ焼きとかどう?」
 そうしてたこ焼きを一舟。風鈴の音が聞こえる場所に腰を下ろして、熱々のたこ焼きを二人で食べる。
「たこ焼き、熱いけど美味しいね。……そうだ、アンゼリカ、あーんってして?」
「えっ……う、うん」
 言われるままにあーんと開いたアンゼリカの口に、ユーフェミアは冷ましたたこ焼きを持っていく。
 これも恋人らしいことと言えば、そうだろうか。
 そう思えばより一層どきどきしてしまうアンゼリカだけれど、ユーフェミアが傍に居てくれる幸せと一緒に味わってから――。
「じゃあ、ミアもあーんしてっ!」
 お返しに、アンゼリカもユーフェミアへたこ焼きを食べさせるのだった。

 ちりり、ちりんと、ひとつひとつは小さな音が、幾つも重なって流れていく。
「とっても素敵なひと時だね」
 そう言って目を細めるユーフェミアに、アンゼリカはうんと頷く。
 素敵なのは――風鈴の音があるからだけではなく。
 隣に、“きみ”がいてくれるから。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【口福の伝道者】がLV2になった!
【活性治癒】がLV2になった!
効果2【凌駕率アップ】がLV2になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!

フィーナ・ユグドラシア
※アドリブ、絡みok

浴衣姿(今年の浴衣コン)で秋祭り参加。

風鈴祭ですか。
風鈴は夏の風物詩と伺っておりましたが、まだまだ暑い日が続きますし、丁度良いかも知れませんね。
では、ユリウスと一緒にお祭りを楽しみますか。

色々な種類の風鈴があるようですし、見栄えや音色なども気になりますね。
夜にはライトアップもされるみたいですが、場所に依っては幻想的な光景になったりするのでしょうか。

出店を回ってみて、良いインテリアになりそうな、良さげな風鈴があれば購入してみますか。ユリウスも気に入ってくれそうな物はありますかね?

あ、短冊にも願い事を書けるようですが、折角ですし、此方にも書き残しましょう。
うん、素直に『再びいつも通りの日常を』と書いてみますか。

最後は、境内のカフェで、ユリウスと一緒に和菓子と抹茶を頂きながら、のんびりと風鈴の音色とライトアップされた景色を眺めましょう。

あ、一般人の方々に声を掛けられたら、喜んで交流しますよ。
ユリウスとも一緒にどうですか?

この一時が、人々の良い思い出となりますように、ですよ。


 天の川のような満天の星柄の浴衣に着替え、フィーナ・ユグドラシア(望郷の探求者・g02439)はダンジョンペンギンのユリウスと共に神社へと足を運んでいた。
 夏の風物詩である風鈴だが、まだまだ暑い日も続いている。風に乗って運ばれてくる音はとても涼しげだ。
 初めての秋祭りに、ユリウスはつぶらな瞳をきらきらと輝かせながらあちらこちらを見回して、今にも駆け出してしまいそうなほどだ。
 そんなユリウスを微笑ましく見守りつつ、フィーナはゆっくりと参道を辿る。
 出店にもたくさんの風鈴が並んでおり、早速ユリウスが足を止めては音に聞き入っているよう。
「気に入ったものはありますか、ユリウス?」
 オーソドックスな丸い硝子の風鈴だけでなく、三角だったり、鈴のような形だったり、クラゲの形のものや、鉄製のものもある。
 柄も様々だ。金魚に花火、四季の花々。良いインテリアになりそうな物はないかとフィーナが視線を巡らせる中、ユリウスはというと――どれも好きとばかりに選べないでいるようだ。
 そうして参道を抜ければ、ずらりと並ぶ風鈴棚に揺れるたくさんの風鈴達の光景に思わず吸い込まれてしまいそうだった。
 ライトアップされた風鈴たちはきらきらと煌めいて、まるで星が泳いでいるような幻想的な光景を描き出していた。
 フィーナはそっと白紙の短冊を手に取って、まだ取り戻せていない世界を思いながら、“再びいつも通りの日常を”と書き記す。
 先の見えない戦いは、これからも続いていく。
 いつだってそう願うのは――変わらない。
 フィーナの願いを託された風鈴が、ちりり、と音を響かせた。

 一通り散策したフィーナが最後に足を運んだのは、境内のカフェだ。
 和菓子と抹茶を頂きつつ、フィーナは、オープンテラスの特等席でのんびりと風鈴の音色とライトアップされた景色を眺める。
 ――すると。
「わあ、ペンギンさんだ!」
 通りかかった家族連れの子どもたちが、ユリウスに興味津々といった様子で近づいてくる。
「ふふ、ユリウス、遊んであげてくださいな」
 フィーナの声に、ユリウスは元気よく鳴いて答えると、てちてちと子どもたちの元へ向かっていった。
 ――このひと時が、人々にとっても良き思い出となるように。
 フィーナは心の中でもう一つ、風鈴への願いを描くのだった。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【活性治癒】がLV3になった!
効果2【ドレイン】がLV3になった!

花喰・小鳥
冥夜さん(g06409)と

白地に青の菖蒲柄と紺の帯の浴衣を着用

オープンカフェでひと休み
冥夜さんの装いに、

「浴衣姿、自然な感じがしてとても似合っていると思います」

素直に褒めます
似合ってると褒められれば、

「ありがとうございます」

感情を映さない顔で応える
お団子を口に運び、次に抹茶をひと口

「おいしいです」

表情は動かないままだけど楽しんでいます
風鈴の音色も心地よく響く
問いには、

「餡子のお団子です。食べますか?」

お皿を彼に差し出してみる

「少し、風が冷たくなりましたね」

頬を撫でる風にそんなことを口にする
この前まで暑いくらいだったのに

「寒くありませんか?」

涼しげな顔で、力のある眼差しはちょっと優しい
彼の返事をよそにじっと見つめてしまった

「……ごめんなさい。少し見惚れていました」

照れると言いながらも自信たっぷりなのは彼らしい気がする
お茶が終わると、

「もう少し見て回りませんか?」

かけられた羽織に触れながら、もう片方の手をそっと差し出す
繋いでいれば寒くないから

それに、本当に迷子にならずに済みそうだと思った


朔・冥夜
小鳥(g01304)と

紗綾形柄の濃紺浴衣
黒の帯に扇子を挟んで

涼やかな音色が靡く夜風に
いっそう風情を齎してくれる
休憩がてら小鳥とオープンカフェで腰を落ち着け

有難う。自然な感じ?着慣れてるからなぁ
浴衣はやっぱり楽で好いね
袂を翻してみて、何より涼しい。と戯けて笑う
小鳥のは綺麗な菖蒲が描かれてて
清廉で落ち着いた雰囲気の浴衣だ
よく似合ってる

みたらし団子を頬張り
温かなほうじ茶で流し込んで
あー贅沢だな……
小鳥は何の団子食ってるの?
表情に出ずとも美味しいと云う彼女が
微笑ましくつい訊ねてみる
じゃあ俺のみたらしもどうぞ

そよりと吹く優しい秋風は心地良いけれど
…そうだな、夜は少し冷えるか
俺は平気だけど、ん……?どうした?
視線に首を傾げて
………見惚…
真っ直ぐ見られると照れるだろ
よし、正直な良い子には
後で屋台の好きなもの買ってあげる
なんて誤魔化しを

自分の羽織を小鳥へ掛けて
まだ夜は長い、風鈴もライトアップされてるし
見に行こうか?
差し出された手に
ほんの少し瞬いてからそっと掬い上げ
ふふ、寒さ対策と迷子防止にもなりそうだ


 ――涼やかに歌う音色が夜風に靡いて、いっそう風情を齎してくれていた。
 散策の途上、休憩がてらに立ち寄ったのは境内の隅にひっそりと佇むオープンカフェ。
 浴衣に身を包んだ互いの姿は、ある意味では新鮮でもあって。
 とはいえ、朔・冥夜(星朧・g06409)にしてみれば、和の装い自体は慣れたものではあるけれど。
「浴衣姿、自然な感じがしてとても似合っていると思います」
 そう、花喰・小鳥(空虚のルサールカ・g01304)が素直に褒めるのに、冥夜はそう?と緩く首を傾げてから、有難う、と礼の言葉を繋げた。
「着慣れてるからなぁ。浴衣はやっぱり楽で好いね」
 言いながら、濃紺の地に紗綾形柄の浴衣の袂を翻す冥夜。黒の帯に扇子を挟んだその姿は、彼が言う通り慣れたものだ。
「何より涼しいし。それに、小鳥のは綺麗な菖蒲が描かれてて、清廉で落ち着いた雰囲気の浴衣だ。よく似合ってる」
 おどけるように笑ってから、冥夜もお返しとばかりに小鳥の浴衣を褒める。
 白地に青の菖蒲柄に、紺色の帯を合わせた小鳥の浴衣は、これも冥夜が言うように、どこか清廉で落ち着いた印象を与えるものだ。
「ありがとうございます」
 緩く目を瞬かせてから、感情を映さぬ顔で小鳥はぽつりと応える。
 そのまま訪れる、穏やかな沈黙の間。
 そよぐ夜風に吹かれながら、聴こえてくる風鈴の心地よい音色に、ただ静かに耳を傾ける。
 この距離感もだいぶ慣れてきたような気がすると、冥夜は何気なく思ったりもして。
 やがて運ばれてきたみたらし団子を頬張り、あたたかいほうじ茶で流し込んで。
「あー、贅沢だな……」
 ひとつ息をつきながら笑みを深める冥夜の向かいで、小鳥もお団子を口に運び、それから抹茶をひと口飲んでから。
「おいしいです」
 ぽつり、そう零した。
「小鳥は何の団子食ってるの?」
 表情こそ変わらないけれど、楽しんでいる気配は何となく伝わってくるし、美味しいと素直に呟く彼女が微笑ましくて、ついそう訊ねてみれば――。
「餡子のお団子です。食べますか?」
 お皿を差し出しながら、小鳥は答える。
「お言葉に甘えて。じゃあ俺のみたらしもどうぞ」
 それから、また、穏やかで静かな時が流れゆく。

「……少し、風が冷たくなりましたね」
 頬を撫でる風に、小鳥はふと、そんなことを口にした。
 ついこの間までは暑いくらいだったのに、思えば日が暮れるのもいつの間にか随分と早くなったような気がする。
 そよりと吹く優しい秋風は、心地良いものだけれど――。
「寒くありませんか?」
 小鳥は何気なくそう問いかけて、冥夜を見つめる。
「……そうだな、夜は少し冷えるか。俺は平気だけど、」
 不意に視線が交わる。
 涼しげな表情ながらもどこか力強くもある冥夜の眼差しは、けれど、ちょっと優しくて。
 彼の返事をよそに、小鳥はじっと――吸い込まれるように紫昏の双眸を見つめる。
「ん……? どうした?」
 注がれる視線に首を傾げる冥夜に、小鳥ははっと瞬いてから、
「……ごめんなさい。少し見惚れていました」
 やはり素直にそう、答えるのだ。
「………見惚…、いや、そんな真っ直ぐ見られると照れるだろ」
 小鳥が冗談や世辞で言っているわけではないことくらいは冥夜にもわかる。
 だからこそ、冥夜はいつになく気恥ずかしいような、くすぐったいような心地になりながらも、つとめて普段通りに振る舞った。
「よし、正直な良い子には……後で屋台の好きなもの買ってあげる」
 微かな笑みを浮かべて答える冥夜の姿は、小鳥の目には自身に満ち溢れた“彼らしい”ものとして映ったようだ。

「もう少し見て回りませんか?」
 お茶を飲み終えて程なくそう切り出した小鳥に、さりげなく自分の羽織を掛けてやりながら冥夜は頷く。
「そうだな。風鈴もライトアップされてるし、ゆっくり見に行こうか?」
 掛けられた羽織に軽く手を触れさせながら、小鳥は、もう片方の手をそっと冥夜へ差し出す。
 ほんの少し瞬いてから、冥夜は、その白くたおやかな手を、まるで繊細な硝子細工に触れるかのようにそっと掬い上げた。
「……ふふ、寒さ対策と迷子防止にもなりそうだ」
 伝うぬくもりに、冥夜はどこか安堵にも似た息をつく。
 ――まだ、夜は長いから。
 たとえ夜風で冷えてしまっても、手を繋いでいれば寒くないだろう。
 それに――。
 こうしていれば、本当に、迷子にならずに済みそうだと思ったのだ。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【士気高揚】LV1が発生!
【活性治癒】がLV4になった!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【ドレイン】がLV4になった!

咲樂・祇伐
【黒華】
2022年の花札アリス浴衣

ちりん
優しい音色が心地いい
千景さん
風鈴の音色は厄祓いの音色でもあるのです
一斉に奏でられる祓いの賛歌
風が奏でたそれは祝福のよう
交わる眼差しに笑みを重ねる
歓迎してくれているようですね

あら、
褒められれば素直に受け取り
千景さんの浴衣も素敵よと
夜明けに咲いた花のようなあなたのような美しい彩をしています
様々な桜はあなたの心に咲いた花のよう…
千景さんはすらりとした美人さんですから
絶対和装も似合うと思っていたの!

ハーバリウムの尾を揺らす
今日はお揃いねと
足取りも軽く

光に揺れる風鈴の幻想的なこと
光とは遠い存在だと思っていたのに
今はこんなにも、近く
灼き尽くすだけだと思っていたのに
今はこんなにもあたたかい
隣合うゆりかごのあなたに安らぎ咲む
同じような事を考えてた?
なんて、はにかみ

願うことはできなかった
けど今なら
桜の風鈴に共に託しましょう
裏と表に
くるくると廻る心模様を

どうかあなたが
この世界でも倖に咲っていられますように

この世界で共に過ごす日々が
ゆりかごのように優しくて
救いになればと


紫空・千景
【黒華】
2023浴衣

爽やかな風鈴の音が耳を擽って私達を招く
…ほう、厄払い
一斉に奏でられたなら圧巻の賛歌
自然と交わる視線はふっと緩み
凄かったな、なんて

ゆるり歩き始めれば、ぽつり
その浴衣、改めて見てもよく似合うなと思う侭を
花札にアリス、エプロンにも見えるフリルが揺れる度愛らしい

ふふ、有難う
屹度…あんたが咲かせてくれた桜だ
ハーバリウムのぽっくりは祇伐の尾に憧れてと
秘密の様に打ち明けお揃いの音に綻ぶ

ひかり纏う風鈴は昼とは全く違う姿で
幻想的なひかりは隣の桜に良く似ている
此処にあるのに人世離れしていて
けれど近くに居ると思わせてくれるのがあたたかい
…多分な?
短くも嬉しげに

こころの底から願い事が出来なかった己でも
此のひかりになら願えそうな
赦されるだろうかと手を伸ばす先は桜揺れる風鈴
――なあ、祇伐
願い事を書かないか?
あんたも願える様になった、なら
各々ではなく一枚の表と裏に

あんたが倖で咲えます様に
出会ったこの世界のゆりかごでを在れます様に

いつだってその背を押す存在になれたら、と
祇伐が咲うと私も自然と咲くから


 ――ちりん、と重なる優しい音色が心地良く。
 爽やかな余韻を引き連れて響く音色は、まるで祝福のように二人を招いてくれていた。
「千景さん。風鈴の音色は厄祓いの音色でもあるのです」
「……ほう、厄払い」
 楽しげに紡がれた咲樂・祇伐(花祇ノ櫻禍・g00791)の言葉に、紫空・千景(夜明の導べ・g01765)は感心した様子で答える。
 すると、誘うように二人の背を押しながら一陣の風が駆け抜けていく。
 風に吹かれるまま、ちりり、しゃらりと歓声を上げるように一斉に奏でられる祓いの賛歌は圧巻の一言。
 自然と眼差しが交わったなら、その先には笑みが重なるばかり。
「……凄かったな」
 ふと視線を緩め、感嘆の息と共に呟く千景に、祇伐も柔く微笑みながら頷く。
「どうやら、歓迎してくれているようですね」
 そうして、心地良い喧騒に紛れながら色とりどりの風鈴が織りなす道を辿る中。
「その浴衣、改めて見てもよく似合うな」
 ぽつりと何気なく零しながら、千景は祇伐が纏う浴衣を見やる。
 所々にあしらわれたフリルが甘く引き立つ、桜色の地に花札とアリスのモチーフを重ねた祇伐の浴衣。
「花札にアリス、エプロンにも見えるフリルが揺れる度愛らしい」
 思うままに紡ぐ千景に、祇伐はあら、と零しながらも、くすぐったそうに微笑んだ。
「千景さんの浴衣も素敵よ。夜明けに咲いた花のようなあなたのような美しい彩をしていて……様々な桜はあなたの心に咲いた花のよう」
 千景の浴衣は、緩やかに移ろいゆく暁の空に、様々な形の桜が散りばめられたもの。
「千景さんはすらりとした美人さんですから、絶対和装も似合うと思っていたの!」
 声を弾ませる祇伐がどうにも愛らしくて、千景もどこかくすぐったそうに微笑みながら。
「ふふ、有難う。屹度……あんたが咲かせてくれた桜だ。それに――」
 からころと小気味良い音を奏でる足元に淡く綻ぶ花――ハーバリウムのぽっくりは祇伐の尾に憧れたのだと、秘密のように千景が打ち明けた言葉に祇伐は桜咲く柘榴の双眸を眩しげに細め、嬉しさのままに透き通るハーバリウムの尾を揺らした。
「今日はお揃いね」
 ふたりの“花”にそう祇伐が紡げば、千景の表情もより一層綻んで。
 ゆるり並ぶ足取りも、心なしか軽くなる。

 あえかな光を纏って揺れる風鈴の姿は、昼とは全く違う、幻想的なもの。
 まるで隣の桜のようだと千景は思い、そっと、光に魅入られている祇伐を見やる。
 光とは遠い存在だと――どんなに手を伸ばしても届かぬものだと、祇伐はずっと思っていた。
 すべてを呑み込み、灼き尽くすだけのものだと、思っていた。
 でも、今はこんなにも近くて。
(「今は、――今はこんなにもあたたかい」)
 確かに此処に在るのに、どこか人世離れしていて。
 なのに、近くに居ると感じられるあたたかさがある。
 隣り合う“ゆりかご”に安らぎ咲んで。
「……同じようなことを考えてた?」
 そっと、内緒話のようにはにかみながら紡げば、
「……多分な?」
 短くも嬉しさの滲む響きが返る。

 今までは、こころの底から願うことなど出来なかった。
 でも、“ゆりかご”が隣に居てくれる今なら。
 まるで星のように揺れるこのあたたかなひかりになら、願えそうな気がしたから。
「――なあ、祇伐。あんたも願える様になった、なら。願い事を……書かないか?」
 赦されるだろうかと、桜揺れる風鈴に手を伸ばしながら、千景は願うように紡ぐ。
 淡い光に照らされた瞳が、柔く揺れる。
「ええ、共に託しましょう」
 各々ではなく、一枚の短冊の――表と裏に。
 くるくると廻る、心模様を。

(「――どうか、あなたが」)
 この世界でも倖に咲っていられますように。
 この世界で共に過ごす、ゆりかごのように優しい日々。
 少しでも救いになればと、祇伐は願いを重ねて綴る。

(「……どうか、あんたが」)
 倖で咲えます様に。
 出会ったこの世界のゆりかごで、在れます様に。
 いつだってその背を支え、時に押せるような存在になれたらと、千景は願う。
 祇伐が咲っていてくれるなら、己も、咲くことが出来るから。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【平穏結界】LV1が発生!
【水中適応】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【フィニッシュ】LV1が発生!

風花・波那
真帆ちゃん(g03187)とすずらんに声をかけて一緒に散策したいな!
夏の花柄の浴衣を着て。
ハンドフリーですずらんを抱っこ出来るようにお手製のすずらんサイズ抱っこ紐も装備。胸にすっぽりと入れられます。

真帆ちゃん一緒に回ろ〜!
すずらんおいで!

風鈴って昼間のイメージあるけど夜に見るのも綺麗だね。まるで星空みたい。
短冊にお願い書けるのは初めて見たよ〜。真帆ちゃんも一緒に書こ!
白紙の短冊あるかなあ。

すずらんのは私書いてあげるね!
お願い事なぁに?(もふもふ撫で)

私はどうしようかな……。
うーんと考えながら、視線は何となく真帆ちゃんのほうに向いて。
……いつも助けられてるなー。なんて思いながら。
よし、決めた。

『真帆ちゃんとずっと仲良く過ごせますように』
だってすずらんとはもう親密度MAXだし。
すずらんにこそっと見せてあげる!
真帆ちゃんにも見せてもいいんだけど……ちょっと恥ずかしい。

真帆ちゃん何書いたか見ーせて!
私はお花に絡む何かを書いてるんじゃないかなって思ってるよ!
いつもふわふわ素敵な真帆ちゃんだからね!


「真帆ちゃん一緒に回ろ~! すずらんおいで!」
「もきゅー!」
 夏の花柄の浴衣を纏った風花・波那(夢詠の花果・g00593)が呼ぶ声に、モーラット・コミュのすずらんがもきゅっと飛んでいく。
「波那ちゃん、それは?」
 こちらも浴衣に着替えてきたらしい花峯・真帆(Starry Bouquet・g03187)が首を傾げたのは、波那が浴衣の上から装備(?)していたものに対してだ。
「これはね~、すずらんサイズの抱っこ紐! ハンドフリーですずらんを抱っこ出来るように作ってきたの!」
「きゅ……!」
 早速抱っこ紐にすっぽりと収まったすずらんが、きりりとした顔で鳴いた。

「風鈴って昼間のイメージあるけど、夜に見るのも綺麗だね。まるで星空みたい」
 ちりり、ちりんと涼しげな音を響かせながら風に揺れるたくさんの風鈴たちは、色や形だけでなく、柄も様々だ。
「短冊にお願い書けるのは初めて見たよ~。真帆ちゃんも一緒に書こ!」
「うん!」
「もきゅっ!」
「すずらんのは私書いてあげるね! お願い事なぁに?」
「きゅ! もきゅきゅ、もきゅ、きゅー!」
 もふもふと撫でながら尋ねてみると、すずらんはつぶらな瞳を輝かせながら身振り手振りで答える。
「ふむふむ……真帆ちゃん、すずらんが何て言ってるかわかる?」
「えっとね、大好きなみんながいつまでもきらきらしていますように……? かな?」
「きゅー!」
「書けたよ! 私はどうしようかな……」
 うーんと真剣に考えながらも、波那の視線は何となく真帆へ向いていた。
 真帆もまた、鈴蘭の形の風鈴を前に、何を書こうか悩んでいるよう。
(「……真帆ちゃんには、いつも助けられてるなー」)
 そう思うと、自然と願い事が浮かんできたような気がして。
「よし、決めた」
 うん、とひとつ頷いて、波那は短冊に願いを書き込んでいく。
 ――“真帆ちゃんとずっと仲良く過ごせますように”
「きゅ?」
(「だってすずらんとはもう親密度MAXだし!」)
 すずらんにこそっと見せながら、波那はもう一度真帆を見やった。
 見せたくないわけではないけれど、ちょっとだけ恥ずかしくて――だから、波那は代わりに弾むような声を響かせる。
「真帆ちゃん何書いたか見ーせて!」
「私? 私はね、こんな感じ!」
 そう、真帆が見せた短冊には、“皆の心に、たくさんの花が咲きますように”と書かれていた。
「やっぱり! お花に絡む何かを書いてるんじゃないかなって思ってたよ! いつもふわふわ素敵な真帆ちゃんだからね!」
 どこか満足げな波那に、真帆も笑って。
 そうして、たくさんの風鈴たちと共に、新たな願いがちりりと揺れる。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【液体錬成】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!

リオーネ・クア
恋人の彩葉(g06256)と

浴衣は今年の浴衣コンテストのもの
黒系でコーディネートした、濃灰の縦縞柄に黒い帯

奈良とか京都とかって日本の伝統が色濃く残っている土地だよね
こういう空気を厳かっていうのか…独特の静けさというか油断すると呑まれてしまいそうな圧みたいなものを感じるよ
彩葉と手を繋いで歩く中、自分達の足音が響き渡るのもまた厳かだなぁ

風鈴の音が好きなんだ
金属製の風鈴の落ち着く音色も、ガラス製の風鈴の軽やかな音も日本の夏を感じさせてくれる
えっ、青い鳥の風鈴?わあ…素敵だね
彩葉の夢の象徴でもある青い鳥、そこに俺達の願いを載せられるなんて願ってもないや

俺の願い事は
“いつまでも健やかでありますように”
彩葉が元気でいてくれるのが一番だし
きっと俺が元気でいることで彩葉もずっと笑顔でいてくれると思うから

休憩はカフェでお茶をしよう
頼むのはあんみつとお抹茶のセット
ふふっ、俺も彩葉の頼んだものが美味しそうだって思ってた
いただきまーす(ぱくり)
さぁ彩葉も、あーん

うん、とっても幸せ
いつまでも一緒だよ、愛しい彩葉


梼原・彩葉
恋人のリオーネ(g01176)と

彩葉の浴衣は直近納品の浴衣コンテストのもの
時間は夜のライトアップ時間でお願いします

さすが奈良、といったところかしら。とても厳かな場所ね。
境内を手を繋ぎながら歩き回ろうかしら。
静けさの中歩くとつい黙ってしまうけれど、この沈黙もまたいいわね。
短冊にお願いが書けるんだって、どの風鈴がいいかしら?
風鈴の音、素敵よね!夏の終わりに聞く風鈴の音というのも新しい見方ができそうだわ。
…あ、見てリオーネ。あの風鈴、青い鳥が描かれているわ。
ほら、さいはの浴衣と同じ。あれに願い事を書かない?

さいはの願い事は…もちろん、リオーネといつまでも一緒、かしら。
書かなくったって叶うけどね♪

歩き疲れたら、カフェでお茶をしましょう。
風鈴の音が涼やかだわ。体も心も癒される、ってこういう事なのかしら。
さいはは抹茶のロールケーキ!とてもおいしいわ♪
ねね、リオーネのそれもおいしそうね。一口ずつ交換しない?
はい、あーん。

ふふっ。とても幸せなひと時ね。
よーし、明日からもがんばるぞー!


 心地よい夜風に吹かれ、たくさんの風鈴たちがちりりと歌うように揺れている。
「……さすが奈良、といったところかしら。とても厳かな場所ね」
「奈良とか京都とかって、日本の伝統が色濃く残っている土地だよね。こういう空気を厳かっていうのか……」
 感嘆の息を零す梼原・彩葉(Cheering DIVA・g06256)に、リオーネ・クア(ひつじの悪魔・g01176)も静かに頷く。
「独特の静けさというか、油断すると呑まれてしまいそうな圧みたいなものを感じるよ」
 言いながら、リオーネはそっと彩葉の手を取った。
 リオーネの浴衣は、全体的に黒のコーディネート。濃灰の縦縞柄に黒い帯を結んだ姿は、どこかいつもより大人びても見える。
 そして彩葉の浴衣は白と薄浅葱色のストライプ模様の地に、たくさんの青い燕が飛んでいる、爽やかな雰囲気の一枚だ。
 手を繋いで辿る境内は、どこか静かで。
 自分たちだけの足音が響くのもまた、厳かだとリオーネは何とはなしに思う。
 ついどちらとも黙り込んでしまうけれど、この沈黙もまた心地よい。
 手のひらから伝うぬくもりと、傍らの気配だけを、一番近くで感じられるから。
「風鈴の音、素敵よね! 夏の終わりに聞く風鈴の音というのも新しい見方ができそうだわ」
「うん、風鈴の音が好きなんだ」
 金属製の風鈴の凛と響く落ち着いた音も、硝子の風鈴のからころと弾む軽やかな音も、どちらも日本の夏を感じさせてくれるものだ。
 どこか懐かしむように微笑むリオーネに、彩葉も笑みを深める。
「ねえリオーネ、短冊にお願いが書けるんだって、どの風鈴がいいかしら?」
 やがて風鈴の音に誘われるように足を止めた彩葉は、そっとリオーネを見上げて問いかける。
「そうだなあ……」
 どの風鈴も素敵で、悩んでしまって。
 思案顔で視線を巡らせるリオーネと一緒に風鈴を見ていた彩葉が、何かに気づいて瞬いた。
「……あ、見てリオーネ。あの風鈴、青い鳥が描かれているわ」
「えっ、青い鳥の風鈴?」
「ほら、さいはの浴衣と同じ。あれに願い事を書かない?」
「わあ……素敵だね」
 彩葉が示す先に揺れる、青い鳥の風鈴。
 透明な硝子の空を翔けるその鳥をどこか眩しげに見やり、リオーネは大きく頷いた。
 ――彩葉の夢の象徴でもある、幸せの青い鳥。
 そこに自分たちの願いを載せられるなんて、願ってもないことだ。
 彩葉がいつだって元気でいてくれることがリオーネにとっては一番だし、同じように、リオーネが元気でいてくれたら、彩葉もずっと笑顔でいてくれると――そう、思うから。
 リオーネは“いつまでも健やかでありますように”と短冊に綴り、その隣に、彩葉も願いを書き記す。
「さいはの願い事は……もちろん、“リオーネといつまでも一緒”、かしら。書かなくったって叶うけどね♪」
 くすくすと笑みを零しながら言う彩葉に、そうだね、とリオーネもどこか擽ったそうに同意する。
 二人の願いを託した風鈴を再び吊るし、散策を再開したリオーネと彩葉は、ちょうど歩き疲れた頃合いに見えてきたカフェへと足を運ぶ。
 涼やかな風鈴の音が、風に乗って聴こえてくる。
「体も心も癒される、って……こういうことなのかしら」
 彩葉が頼んだのは、抹茶のロールケーキ。ふわりと抹茶が香るふわふわの生地に濃厚な抹茶クリームがたっぷりと使われていて、一口食べれば蕩けてしまいそうな心地になる。
「とてもおいしいわ♪ ねね、リオーネのそれもおいしそうね。一口ずつ交換しない?」
 一方のリオーネが注文したのはあんみつとお抹茶のセットだ。
 控えめな甘さの蜜が餡や寒天に白玉、甘酸っぱいフルーツと程よく絡んで口当たりもよく、こちらも頬が落ちてしまいそうだった。
 彩葉の提案に、リオーネは笑って、
「ふふっ、是非。俺も彩葉の頼んだものが美味しそうだって思ってた」
「はい、あーん」
「いただきまーす」
 ぱくりとロールケーキを貰ってから、リオーネもお返しにあんみつを掬って差し出す。
「さぁ彩葉も、あーん」

 ――何気ない、けれどとても幸せなひと時。
「ふふっ。とても幸せなひと時ね。よーし、明日からもがんばるぞー!」
 今宵のデートを心ゆくまで楽しんだ彩葉は、明日への想いを新たに笑顔で頷く。
「うん、とっても幸せ」
 そんな彼女を微笑ましく見つめながら、リオーネも頷き――想いを重ねた。
「いつまでも一緒だよ、――愛しい彩葉」
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【勝利の凱歌】がLV2になった!
【未来予測】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【ドレイン】がLV5(最大)になった!

シャナオウ・ナラシャ
●暁降
朱色の生地に白い大きな朝顔柄の浴衣
ラフィスも同じ着物でおめかし

風鈴祭り?
要に連れられてやって来たのは棚いっぱいに吊るされライトに照らされた様々な風鈴
風鈴一個でも涼やかな感じなのに此れだけあると圧倒される
同じ風鈴でも色んな音があって一つとて同じ音色が無いようにも思える
音色を通して思い浮かぶのはこれ迄の日々やら思い出に顔が綻ぶ

どちらともなくお互いの手に指を絡めて
感じる温もりがこそばゆい
カラフルな硝子に星空が映し出されれば小さな宇宙にも似て
 
お、りんご飴
祭りと言えば此れだろと誰かが言ってたな
要も食べるか?と聞くが紗那のを貰うと言われ
ひと齧りしては二人で交互に食べてみたり

綿あめを買い
要も食べてみろ、旨いぞ?とか言いながら口許に押し付けて
んで、強引に押し付ける形になり綿あめで濡れた口端を
舌で拭いつつ悪戯にペロって舐めてみたりと

要がどんな反応するか楽しんでみたり
仕返しのこめかみキスにはキョトンとして
肩を抱き寄せられればジト目で要を見るも振り解くつもりはもなく
色違いの水風船やら金魚やらを手土産に


瀬良・要
【暁降】
紺地に白い朝顔柄の浴衣で、嫁さん誘って参加するぜ

風鈴祭かァ。初めて行くが、地元でも風鈴棚は見たことあるなァ
夏の間、風鈴の音色もゆっくり聞いてらんなかったからなァ
もう夏は過ぎちまったけど、いいんじゃね? 風流でさ

紗那と恋人つなぎで手ェ繋いで、ライトアップされた風鈴を見て歩く
満天の星空と、ライトに照らされた硝子のきらめきの中て
風鈴の涼しい音を聞いて……なんて、最高のロケーション
この音、何か昔から好きなんだよなァ


折角の浴衣だし、出店なんかも回りてェな
食い物とか水風船なんかも定番か

俺ァちょいと射的やってみるかね、小物狙いで
賞品は勿論嫁さんにも分けるぜ

林檎飴なァ……ん、良いわ、紗那のを一口貰う
なーんて齧りついてみたり
ひとくちでいいのに律儀に交互に食べる紗那がいじらしい

綿飴は俺それほど。って押し付けられても困……
んなっ!? ……アンタ、帰ったら覚えとけよ……
今はこれで許してやるよ(こめかみにキス)

ま、流石に人混みの中で大胆なことは出来ねェけどさ
折角のデートだ。肩抱き寄せるくらいは、いいよな?


「風鈴祭かァ。初めて行くが、地元でも風鈴棚は見たことあるなァ」
 紺地に白い大きな朝顔が咲く浴衣を纏い、瀬良・要(死は我が踊り手・g00797)は風鈴の涼しげな音色が連なる境内をゆく。
「夏の間、風鈴の音色もゆっくり聞いてらんなかったからなァ……もう夏は過ぎちまったけど、いいんじゃね? 風流でさ」
 風鈴祭りと聞いて、要に連れられてやって来たシャナオウ・ナラシャ(『-紗那皇-』・g02191)も朱色の生地に白い大きな朝顔柄の浴衣を着て、要の隣をゆったりと歩んでいた。
 スフィンクスのラフィス――ことエニシェンラフィスもシャナオウとお揃いの着物でおめかしをしており、いつになくご機嫌だ。
 見上げれば、ずらりと並ぶ風鈴棚いっぱいに揺れている、柔らかな光に照らされた様々な風鈴たち。
 ひとつでも涼やかな感じなのに、これだけあると圧倒されるばかりだ。
 同じ風鈴でも色々な音があり、ひとつとて同じ音色がないようにも思えて――。
 ちりり、と幾重にも重なり響く音色を通して浮かび上がるこれまでの日々や思い出に、シャナオウは思わず顔を綻ばせた。
 どちらともなく互いの指を絡め、手のひらを重ねる――いわゆる恋人繋ぎでしっかりと手を繋ぎ、二人はライトアップされた風鈴を見ながら歩く。
 感じるぬくもりがこそばゆくもあるけれど、それ以上に満ちる幸いがある。
 エニシェンラフィスも煌めいて揺れる風鈴たちに興味津々な様子で、その楽しげな姿につい和んだりもして。
 満天の星と、ひかりに照らされた硝子の煌めきの中で、風鈴の涼しい音を聞く――色とりどりのカラフルな硝子に星空が映し出されれば、さながら手が届く場所に小さな宇宙が広がるようで。
「……なんて、最高のロケーションだ。この音、何か昔から好きなんだよなァ」
 そう言って、要はしみじみと笑みを深める。

 折角の浴衣だからと、風鈴を一通り見て回った後は出店や屋台へと足を向ける。
 美味しそうな匂いを漂わせる食べ物系だけでなく、ヨーヨー釣りや射的、金魚すくいなどの屋台も賑やかだ。
「ちょいと射的やってみるかね、小物狙いで」
 シャナオウとエニシェンラフィスが楽しげに見守る中、射的台に赴いた要は宣言通り、小さな菓子類を次々に撃ち落としていった。
「おお、見事だ、要」
「まァ、これくらいはな」
 勿論、景品は二人で山分けだ。
「お、りんご飴。祭りと言えば此れだろと誰かが言ってたな」
 射的の屋台を離れ、次に足を止めたのはりんご飴の屋台だった。
「りんご飴なァ……」
「要も食べるか? 食べるなら二つ買うが……」
「ん、良いわ、紗那のを一口貰う」
 そうして、シャナオウから差し出されたりんご飴に齧りつく要。
 すると、シャナオウは、自身もひと齧りしてから、再び要へと差し出した。
(「……一口でいいのになァ」)
 とは言え、差し出されたのならば断る理由も要にはなく。
 律儀にりんご飴を交互に食べるシャナオウの“いじらしい”姿を、存分に堪能するのだった。

「祭りと言えば綿飴も定番だな。要も食べてみろ、旨いぞ?」
 りんご飴を食べ終え、更に手に入れた綿飴を、シャナオウは要の口許に持っていく。
「綿飴は俺それほど。って押し付けられても困……」
 ――そうして、半ば強引に押し付ける形となった綿飴で濡れた口の端を舌で拭い、悪戯にぺろりと舐めてやれば。
「んなっ!? ……アンタ、帰ったら覚えとけよ……」
 一瞬硬直した要はふるりと肩を震わせてから、にやりと笑みを深めてシャナオウへ顔を近づけた。
「……今は、これで許してやるよ」
 耳元で低く囁いて、お返しとばかりにこめかみに軽く口づける。
 要の反応を楽しんでいたシャナオウだったが、“仕返し”のキスにはきょとんと目を丸くするばかり。
 その間に要は素早くシャナオウの肩に手を回し、抱き寄せていた。
「ま、流石に人混みの中で大胆なことは出来ねェけどさ。……折角のデートだ。これくらいは、いいよな?」
「要……」
 そういうところだぞと言わんばかりにシャナオウはジト目で要を見やるけれど、勿論、振り解くつもりはない。
 そのまま屋台巡りを楽しんだ二人は、射的の菓子だけでなく色違いの水風船や金魚やらを手土産に、帰途につくのだった。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【強運の加護】LV1が発生!
【修復加速】LV1が発生!
効果2【ダブル】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV2になった!

斑鳩・燈子
【揺籃風鈴】
唐草色の生地に橙の帯の浴衣で参加

・風鈴を楽しむ
みんなでお祭りまわれるの、うれしい。テンション高く尻尾振り
風鈴のお祭り、風流だね。遠くにいても音が聞こえる…
ゆっくり、境内の風鈴を見ていくよ。いろんな形、色。キラキラして、とってもきれい
クラゲなんかの形もあるんだね。泳いでるみたい
音も違うのかなって、耳を澄ませてみようかしら。…これだけあると、ちょっと、わからないね…
綺麗な音がするのは、よくわかったのだけど
…あ、かにの風鈴。かわいい

・屋台
途中、冷たい飲み物をの差し入れ買って【餡餅屋台組】の屋台
目があったら手を振り
長野の人、結構いるんだね。私はこういうの、あんまり食べたことがないかも
差し入れを渡して…渡せるかな?大盛況でもちゃんと並んで購入
受け取るときにしっぽを振り。ありがとう
これがシャーピン、おいしそう。熱々のうちにいただくね。…おいしい

・短冊
屋台を楽しんだら、短冊を書こうかな。さっき見つけた、かにのかたちの風鈴に
「みんなとまた、一緒にお出かけできますように」

※アドリブ歓迎


赤上・イズル
■【揺籃風鈴】の皆さんの中の【餡餅屋台組】
■アドリブ歓迎

ようやく涼しくなって秋らしくなりましたしね
今回は所属旅団の皆さんとお出かけです
その中でも万願峙さんが出店されるという事で俺もお手伝いです!
服装は作務衣の上に前掛けして張り切ます
ガーデニアさんと手分けしてお客さんへの対応をします

これがシャーピン(餡餅)ですか。なるほど万願峙さんの故郷の料理なのですね!
長野のおやきと似てますね!
と、自身が長野出身でよくおやきを食べていたので懐かしさを感じつつ
万願峙さんの手際の良さに目を丸くして驚き感動!すごいです!

屋台の中は熱気に包まれつつも活気に溢れきっと楽しい事でしょう
お客さんが喜んで買って行ってくれている姿を見ると嬉しいですね

風鈴を見に行っていた仲間達が来たら元気にいらっしゃいせま!と挨拶をしつつ
万願峙さんがおまけしてくれたみたいですよとにっこりと笑顔で餡餅を渡す

自分も短冊は先に書いておきました
願い事は…奪われたものを取り返す事はもちろんの事…
しかし今は…『この絆がいつまでも続きますように』と


ガーデニア・ラディーチェ
【揺籃風鈴】の【餡餅屋台組】の皆さんと

長かった夏が終わって、一気に秋めいてきたわ、ね
これが、唐揶さんの故郷のお料理なのね
シャーピン……初めてみるのよ
こんがり焼けてて、良い匂いがして……美味しそう、だわ

イズルさんと協力して、注文を受けたり唐揶さんが作られたシャーピンをお渡ししたりって出店のお手伝いをするわ
こういうの、不慣れなのだけど……できているかしら?
ぎこちないかもしれないけれど、せめて、笑顔は……
唐揶さん、とっても手際が良いのね
尊敬しちゃうわ

あら、ナガノにも似たお料理があるのね?
おやきも……食べたこと、無いわね
どんな味がするのかしら?
食べ比べしてみたくなっちゃうの

他のチームの方がみえたら、いらっしゃいませ、よ、って微笑んで手を振って
差し入れには、ありがとうなのって笑顔で受け取るわ
お祭りを回られている皆さんも、楽しまれてるみたいで何よりなの

個人的な願い事は……まあ、書けるものは亡いから、皆さんのを眺めさせて貰うわね
ふふ、皆さんはどんな願い事されるのかしら
叶いますようにって、祈っておくわね


土師・結良
【揺籃風鈴】
紫の帯、縹色の羽織を着用のこと
最近は夜が冷えるので、他の方の為に予備の軽い羽織物も持参のこと

夏のイメージがありましたが、秋風に揺れる風鈴を眺めるのもまた趣がありますわね。
明かりを受けて煌めき瞬く景色は朧気な夢のよう。
透き通る音も何処か切なく感じて、夏の別れを惜しんでいるのでしょうか。
それに釣られて過ぎ去った時を、これまでの記憶へと思いを馳せます。
決して良いことばかりで無く、けれども悪いことばかりでも無く。
振り返って何をこれからに願うのか、それを考えながら皆さんと共にあれこれと眺めて行きましょう。

途中、【餡餅屋台組】のみなさんの様子も確かめに。
忙しく動いているので大丈夫だとは思いますけれども、汗が冷えて風邪を引かないように気を付けてくださいまし?
運営する側になって参加するのもきっと、素敵な思い出になるのでしょうね。

落ち着いた所でそろそろ短冊に願いを書きましょうか。
星の描かれた風鈴に「いつか全てを笑って思い返せる日が来ますように」
日々の笑顔の先にきっと、叶うと信じていますから。


万願峙・唐揶
【揺籃風鈴】の面々の中で【餡餅屋台組】で出店参加だ。
浴衣コンテストで仕立てた屋台用浴衣(紺色彼岸花模様)着込んで行くぜ。

さて奪還した地区の復興に一役買うとするか。
オレにしかできないこと…ま、料理でやるしかねぇよな!
オレの故郷の屋台料理…シャーピン(餡餅)を振る舞うぜ
豚挽肉とニラの餡を生地で包んで鉄板で焼くだけだ。
サクサク斬ってテキパキ焼いてくぜ、客への対応は他の屋台組に手伝ってもらう。
「そらそらァ!次だ次ィ!クカカカカ!!」
久しぶりのハイペース調理にちょいとテンション上げてくぜ
不特定多数提供だから普段の辛味はちょっと抑え目だ。

【揺籃風鈴】の他メンバーが来たら多めにサービスだ。
「どうだ美味いか?って言うまでもなさそうだな」

んで、屋台にかかりきりになりそうだから
実は短冊に既に書いて屋台の隅に飾り付けておいた。
赤い花火の描かれた風鈴の短冊には「皆と美味いものを食って、平穏に笑える日々を」
早く食も住まいも憂いなく過ごせる日に向かって粉骨砕身、だな。


ハーリス・アルアビド
【揺籃風鈴】
明かりが透き通る硝子に音色、どれも私には馴染みのないものですが、なんとも美しい。これを風流と呼ぶのでしょうか。
形状や中にある部品の素材によっても音が異なるのか、様々な音色が聞こえます。これほど多くの音が溢れていると言うのに、不協和音のように感じないことが不思議です。

皆さんと一緒にこの音色がよいか、あの絵付はどうだろうと色々見て回り、一番よいと思った物に短冊をかけましょう。紫陽花や露草などの青い花がモチーフの物があればよいですね。

【餡餅屋台組】の方々が出店していらっしゃるので、そちらへ寄ってから短冊を書きに行きましょうか。動くと汗もかくでしょう。冷感ボディシートと言う物があったので差し入れに。
並んで買ったシャーピンを味わい、美味しさと祭りでの買い食いと言う体験に顔が綻びます。
短冊には皆さんの未来が良いものでありますようにと祈りを込めましょう。


「……みんなでお祭りまわれるの、うれしい」
 唐草色の地に橙色の小花を散らした浴衣に、金魚の尾鰭のようにひらりと遊ぶ橙の兵児帯を結んで。
 旅団“揺籃の廃園”の仲間たちと連れ立って訪れた斑鳩・燈子(行先照らすランタン・g01965)は瞳を煌めかせながら、ふわふわの狐尾をゆらゆらと揺らす。
 表情こそあまり変化が見られないものの、どうやら心が弾んでいるらしい様子は一目瞭然だ。
「風鈴のお祭り、風流だね。遠くにいても音が聞こえる……」
 ぽつりと、けれどどこかそわそわと呟く燈子に、共に歩むハーリス・アルアビド(褪せる事を知らない愛・g04026)と土師・結良(思い出の花香る・g06244)がゆったりと頷く。
 ほのかなひかりが透き通って煌めく硝子に、次々に重なり合って響き渡る涼やかな音色。
「私には馴染みのないものですが、なんとも美しい。これを風流と呼ぶのでしょうか」
 ハーリスは穏やかな笑みを浮かべながら、奏でられる音色に聞き入りつつ、紫陽花や露草など、青い花が描かれた風鈴を探して歩く。
「クラゲなんかの形もあるんだね。泳いでるみたい。……音も違うのかな」
 燈子も耳を澄ませてみるけれど、ややあって、ゆっくりと首を横に振った。
「これだけあると、ちょっと、わからないね……綺麗な音がするのは、よくわかったのだけど」
「ええ、とても綺麗です」
 風鈴の形や部品の素材によっても異なる音は実に様々だ。
 だが、これほど多くの音が溢れているのに、不協和音のようには感じないことが、ハーリスにとっては不思議だった。
 白地に薄紫の花が咲く浴衣に紫の帯を締め、縹色の羽織を着た結良は、秋らしく冷え込んできた夜のために、予備の軽い羽織物も持参してきた。
「夏のイメージがありましたが、秋風に揺れる風鈴を眺めるのもまた趣がありますわね」
 淡い光を受けて瞬く数多の煌めきが広がる景色は、さながら朧気な夢のようでもあって。
 夜風にとけゆくように余韻を連れて響く透き通る音も、どこか切なく感じられて――夏の別れを惜しんでいるのだろうかと結良は何とはなしに思い、そして、これまでの記憶へと想いを馳せる。
「いろんな形、色。キラキラして、とってもきれい」
 燈子が瞳を煌めかせるのに、そうですわね、と結良は頷いた。
 過ぎ去った、もう二度と戻らぬ時。
 それは結良にとっては決して良いことばかりではなかったけれど、悪いことばかりでもなかった。
 今も尚生きる資格も生かされる資格もないと思うのに、世界はやっぱり、こんなにもうつくしい。
 ならば、今は――。
 何をこれからに願うのかを、考えてみても良いだろう。
「……あ、かにの風鈴。かわいい」
 ゆっくりと境内を辿る中、ふと燈子がぽつりと、呟いた先。
 つぶらな瞳のカニが、ちりん、と答えるように音を響かせた。

 一方、こちらは別行動――もとい、万願峙・唐揶(黄金レシピの探求者・g02815)を筆頭とする屋台組の面々。
「オレにしかできないこと……ま、料理でやるしかねぇよな!」
 奪還した地域の復興に一役買うべく、唐揶が振る舞うのは故郷の屋台料理、餡餅(シャーピン)――豚挽肉とニラの餡を生地で包み、鉄板で焼いたものだ。
「シャーピン……初めてみるのよ。こんがり焼けてて、良い匂いがして……美味しそう、だわ」
 新宿島に来てから世界各地の美味しいものを食べることが趣味の一つとなったガーデニア・ラディーチェ(クチナシの花護り・g03839)は、唐揶の故郷の料理にも興味津々だ。
「これがシャーピンですか。なるほど万願峙さんの故郷の料理なのですね! 長野のおやきと似てますね!」
 長野県出身の赤上・イズル(赤き悪魔・g04960)は、初めて見たシャーピンによく食べていたおやきを思い出し、懐かしさを覚えたよう。
「あら、ナガノにも似たお料理があるのね? おやきも……食べたこと、無いわね。どんな味がするのかしら?」
 出来ることなら食べ比べをしてみたいと、ガーデニアは微笑む。
 紺色の地に大柄の彼岸花が咲く屋台用の浴衣を着込み、大きな“祭”の一文字が踊るエプロンを着けて。
 唐揶は慣れた手付きでさくさくと具材を切って混ぜ合わせ、次から次へてきぱきと焼いていく。
 あっという間に出来上がるシャーピンの山は、さながら魔法のようだ。
 長かった夏が終わり、ようやく涼しく、一気に秋らしくなってきたけれど。
 祭りの熱気は、それらをあっという間に夏へ戻してくれたようだった。
 ――ディアボロスの屋台とあれば、それだけで注目を浴びるもの。
 噂を聞きつけて、あるいは美味しそうな匂いにつられてやって来る大勢の客へは、イズルとガーデニアが対応に当たる。
「大盛況ですよ、万願峙さん!」
「ふふ、わたしたちも頑張らなくっちゃ……ね?」
 作務衣の上に前掛けをし、張り切るイズルにつられるように、ガーデニアも気合いは十分。
「そらそらァ! 次だ次ィ! クカカカカ!!」
 次から次へと訪れる客に、久方ぶりのハイペースで回す唐揶はとてもテンションが高く。
 不特定多数への客への提供であるから、普段の辛味もちょっと抑え目に食べやすい味に仕上げたおかげで、人気も上々だ。
「万願峙さん、すごいです……!」
 そんな唐揶の手際の良さに、イズルは目を丸くして驚きながらも感動するばかりで。
「唐揶さん、とっても手際が良いのね。尊敬しちゃうわ」
 ガーデニアもまた双眸を煌めかせ、唐揶の無駄のない手付きと彼の手によって次々に仕上がっていくシャーピンに見入ってしまいそうになる。
 熱気に包まれた屋台は活気に溢れ、その楽しい空気がまた、新しい客を招くことにも繋がっていく。
「ディアボロスさん、頑張ってくださいね!」
「はい、ありがとうございます!」
 喜んで買っていく客人たちや、彼らから貰う激励も、とても嬉しいもの。
「……大丈夫ですよ、ガーデニアさん」
 こういったことは不慣れで、上手く出来るか少し心配だったガーデニアを励ますように、接客の合間にイズルはそっと笑顔で告げる。
「ええ、ありがとう、イズルさん」
 動きはまだ、ぎこちないかもしれないけれど。
 それでも、せめて笑顔でいようとつとめるガーデニアに、人々も満面の笑みで返してくれた。

 そこに様子を見に、燈子と結良、そしてハーリスの三人がやって来る。
「ふふ、大盛況ですわね」
 屋台組の面々に控えめに手を振り、列に並ぶ燈子の隣で、忙しく働いている姿をどこか眩しげに見やりつつ、結良は微笑む。
「いらっしゃいませ!」
「いらっしゃいませ、よ」
「おう、来たか!」
 元気な挨拶で出迎えるイズルと、微笑んで手を振るガーデニアの声に、顔を上げた唐揶がにやりと笑みを深める。
「万願峙さんがおまけしてくれたみたいですよ」
 にっこりと笑顔のイズルから渡された、三人分より少し多めに入っているシャーピンの袋を、ありがとう、と尻尾をゆらりと振りながら燈子が受け取る。
 同時に差し入れの冷たい飲み物や、動けば汗もかくだろうからとハーリスが選んだ冷感の汗拭き用シートなどを渡して。
「汗が冷えて風邪を引かないように、気を付けてくださいまし?」
 忙しく動き回る様と満ちる熱気に大丈夫だろうとは思いつつも、結良は微笑んで告げる。
 祭りを巡るだけでなく、ディアボロスとして運営する側になって参加するのも、きっと素敵な思い出になるだろう。それは、まさに目の前の光景を見れば明らかだった。
「ありがとうなの。皆さんも、楽しまれてるみたいで何より、よ」
 差し入れを受け取ったガーデニアも、ふわりと笑顔を咲かせる。
「これがシャーピン、おいしそう。こういうの、あんまり食べたことがないかも。熱々のうちにいただくね」
 そわそわと尻尾を揺らしつつ、燈子は早速シャーピンを一口。
「どうだ美味いか? って言うまでもなさそうだな」
 見る間に煌めきを増した瞳を見やり、楽しげに笑う唐揶に、こくりと、燈子は少し大きく頷いた。
「……おいしい」
「これは……止まらなくなる味ですね」
 結良もこくこくと頷きながら、三人で並んで買ったシャーピンを味わい。
「こうして皆さんと一緒に食べると、より美味しく感じられますね」
 ハーリスもまた、その美味しさに加えて祭りでの買い食いという体験が楽しくて、見る間に顔を綻ばせていった。
「……そうだわ、皆さんはもう、お願いごとはされたのかしら?」
 ふと尋ねるガーデニアに、燈子はううん、と小さく首を横に振り。
「このあと、行くつもり。……みんなは?」
「ああ、こんな感じだし屋台にかかりきりになりそうだから、先に書いておいた」
 アレだ、と唐揶が示す先。屋台の隅にちりりと揺れているのは、赤い花火が描かれた風鈴。
 ――“皆と美味いものを食って、平穏に笑える日々を”と力強く記されたそれは唐揶のもの。
「早く食も住まいも憂いなく過ごせる日に向かって粉骨砕身、だな」
「自分も、短冊は先に書いておきました」
 にっと笑みを深める唐揶に、イズルが頷いて続く。
「願い事は……奪われたものを取り返す事はもちろんのことですが、今は、“この絆がいつまでも続きますように”と」
 ふたりの願いを聞いたガーデニアは、柔く微笑んだ。
 ――自分には書ける願いなどないから、というのは、胸に秘めて。
「皆さんのお願い事も叶いますようにって、祈るわね」

 シャーピンを心ゆくまで堪能し、落ち着いたところで屋台を後にした燈子と結良、そしてハーリスの三人は、再び風鈴の小路へ訪れていた。
「お二人はどの風鈴にするか、決められましたか?」
 先程巡った中でハーリスは音色や絵柄からこれと決めていた、紫陽花の風鈴に願いと祈りを添える。
 ――“皆さんの未来が良いものでありますように”と。
 ちりり、ちりんと軽やかに弾む澄んだ音を聴きながら、燈子と結良もそれぞれの風鈴に願いを籠める。
 燈子は先程見つけたカニの形の風鈴に、“みんなとまた、一緒にお出かけできますように”と記し、そして結良は、煌めく星が散りばめられた風鈴に、“いつか全てを笑って思い返せる日が来ますように”と綴っていく。
「みんなの願い、叶うといいね」
「ええ、本当に……」
 すべてを取り戻すための戦いに、まだ、終わりは見えないけれど。
 いつか――日々の笑顔の先にきっと、叶うと信じているから。
 その時、さあっと駆け抜けた風が、皆の願いを抱いた風鈴たちを揺らして。
 一斉に揺れた風鈴が、りん、と楽しげな音を響かせた。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV2になった!
【活性治癒】がLV6になった!
【植物活性】LV1が発生!
【照明】LV1が発生!
【おいしくなあれ】LV1が発生!
効果2【グロリアス】がLV2になった!
【アクティベイト】LV1が発生!
【先行率アップ】がLV2になった!
【リザレクション】LV1が発生!

ミア・メア
仲良しロイ(g07184)とレグルスと!
今年のトルコ桔梗咲く浴衣を纏って

風鈴が灯りを弾いて揺れて
非日常の世界に圧倒されてしまいます
はい、とってもキレイですねえ!
ロイのお言葉に何度も頷いて
レグルスがエスコートを?なんて紳士…!
お言葉に甘えてしまいますね
はーい、了解です
んふふーあなたの主さんも紳士ですね?レグルス

風吹く度に響く音色は潮騒のよう
ずっと聞いていられそうですの
ふむふむ、この白い短冊に願いを書くのですね
ロイ、名案ですよう
しかし睡蓮は兎も角、トルコ桔梗はありますかどうか
…あ、あった!?

見つけたなら風鈴を交換こ
ミアは睡蓮の風鈴に願いを書きましょう
『ロイとレグルスと沢山の想い出を重ねられますように』
新しく楽しいこと、
内緒の打ち明け話、様々なことを
先を見据える事は少々苦手なのに
之はするりと願える
不思議です
…おやや?これは同じ願いと言えるのでは?

んふふ、笑ったらお腹が空いてきました!
いいですね!
縁日ならではの食も楽しまねば
…!なぜミアの心配が分かったのです…?

今日のとっておき
探索開始ですよう!


レックス・ウェリタス
仲良しのミア(g07746)と
2023浴衣・エジプトの睡蓮たち咲かせ
魔法の絨毯みたいな布を靡かせて

優しい音鳴らす風鈴が光をともなって手招く
夜の風鈴も綺麗だねと笑えば
迷子にならないようにと手でも差し出…
おや、レグルスがミアのエスコートするの?
それじゃ任せちゃおうかな
でもミア、迷子になりそうなら僕の浴衣ちゃんと掴んでね?
家族を褒められレグルスは誇らしげにひと鳴き

一斉に鳴る音は涼やかな歓迎
風鈴をそっと覗けば白紙の短冊揺れるから
そうだ、お互いの浴衣に折角花が咲いてるんだもん
睡蓮とトルコ桔梗、お互いの風鈴を見つけたいね
あるよ、こんなに多いんだもん

見つけたら交換して書かない?って
『もっとミアと想い出を繋げますように』
お互い未だ語れぬ過去とか言えるくらいには
普段は願わない男の
少し我儘な願い事
…あれ、もしかして同じ?

ふはっと気が抜ければ仲良く腹の虫も鳴って
よし、腹拵えに縁日の出店でも行こうか?
心配しないで、屋台ごと買い取ったりしないから
ふふん、言われそうだから先に言っちゃった

ミア、今日のとっておきを探そ


「夜の風鈴も綺麗だね、ミア」
「はい、とってもキレイですねえ、ロイ!」
 優しい音を奏でる風鈴たちが、やわらかな光を伴って、どこか楽しげに手招いている。
 エジプトの睡蓮たちを咲かせた浴衣に魔法の絨毯みたいな薄紗を靡かせて、柔く微笑むレックス・ウェリタス(Memento mori・g07184)に、裾のフリルが甘やかな印象を与えるトルコ桔梗の咲く浴衣を纏ったミア・メア(璃々・g07746)が、双眸を輝かせながらこくこくと何度も頷いて答える。
 二人を出迎える、非日常の世界。あえかな光の群れはまるで知らない世界へ誘うかのように揺れて――迷子にならぬようにとレックスが手を差し出そうとするより早く、彼の傍らを舞っていたスフィンクスのレグルスがふわりと羽ばたいた。
「おや、レグルスがミアのエスコートするの? それじゃ任せちゃおうかな」
 レックスの声に答えるように、レグルスはふわふわの尾を揺らし――。
「レグルスがエスコートを? なんて紳士……!」
 ミアはいっそう瞳を煌めかせ、お言葉に甘えてしまいますね、と笑みを深めた。
「でもミア、迷子になりそうなら……僕の浴衣、ちゃんと掴んでね?」
「はーい、了解です。んふふー、あなたの主さんも紳士ですね? レグルス」
 ――そっと内緒話のように告げれば、“家族”を褒められたレグルスは誇らしげににゃあと鳴いた。

 ちりり、ちりん、と。
 一斉に鳴り響く、涼やかな歓迎の音に惹かれるまま、風鈴たちによって彩られた道を辿っていく。
 風が吹く度に響く音色は、懐かしい潮騒のようで。
「ずっと聞いていられそうですの」
 感嘆の息を交えて紡ぐミアに、レックスもそうだね、と笑み混じりに頷く。
 揺れる風鈴をそっと覗き込めば、白紙の短冊が揺れている。
「ふむふむ、この白い短冊に願いを書くのですね」
「……そうだ、お互いの浴衣に折角花が咲いてるんだもん、睡蓮とトルコ桔梗、お互いの風鈴を見つけたいね」
「ロイ、名案ですよう! しかし睡蓮は兎も角、トルコ桔梗はありますかどうか……」
 むむ、と眉を寄せるミアを微笑ましく見やりつつ、レックスはさらりと紡いだ。
「あるよ、こんなに多いんだもん」
 するとその時、レグルスがミアを呼ぶように――にゃあ、と声を上げた。
「どうしましたか、レグルス……あ、あった!?」
 レグルスの傍で、爛漫と咲くトルコ桔梗の風鈴が揺れていた。
「……ね? 折角だから交換して書かない?」
「はい、交換こですね!」

 ――睡蓮とトルコ桔梗。二人の手の中で咲く、それぞれの花。
 互いの手に、それぞれの花を託し、願いを綴る。

 普段は願わないような己でも、記したいと思ったことが素直に浮かんできたくらいには、この距離の心地良さを知ってしまったから。
 少し我儘かな、なんて思いはしても、願いはこれしかなくて。
「……あれ、もしかして同じ?」
 ミアの風鈴、そこに綴られた願いを見て、レックスは瞬く。
 例えば、そう――互いに未だ語れぬ過去とかを気安く言い合えるような。
 新しく楽しいことや、内緒の打ち明け話、様々なこと。
 先を見据えることは苦手なミアでも、不思議と、これはするりと願うことが出来た。
 不思議だと思いながら、レックスの風鈴へ目をやって――そして、ミアも瞬いた。
「……おやや? これは同じ願いと言えるのでは?」

“もっとミアと想い出を繋げますように”
“ロイとレグルスと沢山の想い出を重ねられますように”

 互いに顔を見合わせて、きょとんとしたのは一瞬。
 ふはっと気が抜ければ、きゅるり、と仲良く腹の虫が鳴くのに、揃って小さく吹き出した。
「んふふ、笑ったらお腹が空いてきました!」
「よし、腹拵えに縁日の出店でも行こうか?」
 レックスの提案は、ミアにとっても願ってもないこと。
「いいですね! 縁日ならではの食も楽しまねば」
 きりりと気合いも新たに表情を引き締めるミアは、ふと、ちらりとレックスを見やった。
 視線に気づいたレックスは、にっこりと――爽やかな笑顔で告げる。
「心配しないで、屋台ごと買い取ったりしないから」
「……! なぜミアの心配が分かったのです……?」
「ふふん、言われそうだから先に言っちゃった」
 心を読まれ、驚きに目を丸くするミアに、レックスの瞳が悪戯っぽく煌めいた。
 ちりり、と楽しげに鳴る音が、夜風に乗って游いでいく。
「さ、ミア、今日のとっておきを探そ」
 そうして気を取り直して告げれば、はい!と弾む声が返った。
「今日のとっておき、探索開始ですよう!」
 レグルスが、ふわふわの尻尾をゆらめかせながら飛んでいく。
 その後ろを二人並んで、他愛のない話に花を咲かせながら――ゆるりと歩いていく。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【強運の加護】がLV2になった!
【友達催眠】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV3になった!

ナディーン・エルドレド
【謡歌】

わぁ…!音も光も綺麗だなぁ
手の届く星みたいで、願い事が叶うのもわかるよ
上ばかり見ていると、またすぐ迷子になりそうだから気を付けないと
骰の心配にはーい、と麗央に続いて返して

皆で参道のお店が見たいな
風鈴が可愛いから、アクセサリーの何かがあれば欲しくて

この風鈴ピアス、すごく可愛い!
こんなに小さいのに細やかで…わ、ちゃんと音もする
麗央、どの柄がいいと思う?
つい迷って聞いてしまう
麗央はいつも可愛いし、お洒落を見るのも好きだ
赤は好きだから嬉しいな
なら、赤い金魚の風鈴ピアスにしよう

そういえば私はピアスホールもないな…
痛いかな?と璃央に訊いてみて
ドヤる様子に思わず笑ってしまう
耳を見せてくれる麗央の仕草ともお揃いに見えて、双子だなぁ、なんて
名言が生まれてしまったな
ならお洒落の先輩に習って私も開けようか
…いいかな?
骰を見上げるのは、親に最終許可を得るみたいに
いいと言われると嬉しそうに笑って
じゃあ骰も何か買おうと袖を引く
黒に金が散るのも似合いそうだよ

皆の買った物も見せてほしいな
後は…甘い物もほしい!


朔・璃央
【謡歌】4名

奈良で秋の夜空の風鈴祭り
どれもこれもが初めてばかりで
何処から感動して良いか悩んじゃいますね
でもやっぱり夜空の中にあって乱反射する風鈴たちの姿
これは見惚れて迷子になっちゃうのもわかります
最悪みんなで手でも繋ぎましょうか

へぇ、風鈴のアクセサリーなんてあるんですね
ナディーンさんの申し出に乗っかって参道を歩いていけば
物珍しさに視線をあちらへこちらへ
風鈴ピアスの細かな芸当にほほうと感嘆の声を漏らしたり
レオには桜柄か……いや、薄い紫の藤の柄もいいかなぁ
そんないつも通りの考えに思考を割きながら
二人から問われたピアス穴の話には思わず耳たぶをさすって考えて
痛みは一瞬、お洒落は一生ですからね、とドヤってみせましょう

レオには先ほどの考えを返しつつ
自分の方の後押しも貰ったことですし
翡翠地に錦糸の線が美しい一品を選びましょう
これが耳元を彩ってくれるのが楽しみです

鬼歯さんはやっぱり花より団子なんですね
なんて少し呆れた様子を見せつつも
勿論カフェに行くのは大賛成
お披露目会へ意気揚々と向かいましょう


朔・麗央
【謡歌】

風鈴棚で競い合う様に歌う風鈴は壮観だなって
思わず見惚れてしまうよ
色ガラス製の風鈴が光を反射して本当に綺麗だね
これも私たちが取り戻した風景のひとつなんだねぇ
骰さんが迷子にならないか心配してるみたいだけど
大丈夫だよー!ってはしゃぎながら笑って返すよ

お店が見たいというナディーンさんの提案には賛成!
本当だね、こんなに小さいのにちゃんと風鈴だね、と
一緒になって風鈴ピアスを眺めるよ
全部可愛いから迷っちゃうよね!
ナディーンさんは赤が似合いそうだね
赤は金魚とか彼岸花の柄とかどうかな?

骰さんもそう言わずせっかくだから選んでみたらどう?
先端に小さな風鈴がついた簪とか根付けとかどうかな?
私はね、ピアスホールあるよ!じゃーん、とか言いつつちょっとサイド髪を上げて見せる

リオちゃん、私にはどんなのがいいと思う?
兄が出した選択肢にうーんと悩みつつ
濃紺にピンクの桜の花弁が舞う風鈴ピアスを選ぶよ
リオちゃんには緑色が入ったやつがやっぱり似合いそうだよね

甘味の提案には目を輝かせつつ賛成
心地よい疲れに甘味は相性抜群よね


鬼歯・骰
【謡歌】
一つだと寂しさもあるんだが
涼し気な音も沢山あると賑やかだな
夜に灯りつけて見るのも風情があって良いもんだ
でもアンタら迷子になるなよ
…三者三様に元気なことで
後ろからのんびり店までついて行こう

俺はアクセサリーは普段付けねぇから
物珍しさに好奇心のまま並ぶ繊細な品々を眺め
このサイズの風鈴は壊しそうでちと怖いな…
なんて手に取らずに見ていれば
麗央からの提案に瞬き一つ
それならまだ俺でも持てそうな気ぃすんな
有難う、ちと選んでみるわ

そういや璃央と麗央はピアス穴開けてたんだっけか?
自慢気に見せてくれる様がよく似て面白い
アンタらいつも洒落てるもんな、開けてないわけ無いか
つか痛いのは痛かったんだな
見上げてくるナディーンの視線には少し笑って
アンタも似合うと思うし良いんじゃないか
それにやりたい事ならやった方が得だろ

袖を引かれながら買ったのは黒に金の花火が咲く根付
家で飾りっぱなしにしねぇようにしねぇと

提案には当然賛成で
甘いの食わねぇと祭り来た感じしねぇしな
カフェ行って、戦利品を見せ合いながら美味いもんでも食うか


「わぁ……!」
 ちりり、重なり合って響く音色と光を抱いて揺れる風鈴の姿に、ナディーン・エルドレド(ねじまきさん・g02709)は思わず感嘆の声を上げる。
「音も光も綺麗だなぁ。手の届く星みたいで、願い事が叶うのもわかるよ」
 夜風に揺れる数多のひかりは、空に瞬く星たちが地上に降ってきたようで。
「……何処から感動して良いか悩んじゃいますね」
 奈良のお祭り。秋の夜空に揺れる風鈴。
 どれもこれもが初めてばかりで、朔・璃央(昊鏡・g00493)の翠玉の双眸は好奇に煌めくばかり。
「本当に綺麗だね。これも、私たちが取り戻した風景のひとつなんだねぇ」
 競い合うように歌うその姿はまさに壮観の一言で、璃央の隣を歩む朔・麗央(瑞鏡・g01286)も淡紅の眸子を輝かせながら見惚れていた。
「一つだと寂しさもあるんだが、涼し気な音も沢山あると賑やかだな」
 夜に灯りをつけて見るのもまた、風情があって良い――と、鬼歯・骰(狂乱索餌・g00299)は些か眩しげに金の双眸を細めた。
「でもアンタら迷子になるなよ」
 上ばかりを見ていたら、またすぐに迷子になってしまいそうで。気をつけないとと気持ちを引き締めたところにちょうど骰の声が聴こえてきて、ナディーンははっと瞬く。
「大丈夫だよー、骰さん!」
 そうはしゃぎながら笑って返す麗央に続いて、ナディーンも笑顔ではーい、と返事をひとつ。
 色硝子の風鈴が光を透かし、あるいは反射して。プリズムの煌めきを散らす姿は、璃央も素直に綺麗だと思うほどだ。
「でも、これは見惚れて迷子になっちゃうのもわかります。最悪、みんなで手でも繋ぎましょうか」
 そう言ってどこか楽しげに、悪戯っ子のようにわきわきと両手を動かす璃央に、骰はつい吹き出しかけた。
「……三者三様に元気なことで」
 そうして保護者よろしく、後ろからのんびりとついて行く。

「風鈴が可愛いから、アクセサリーの何かがあれば欲しいなって」
 そう切り出したナディーンに、麗央がぱっと笑顔を輝かせて。
「賛成! きっと可愛いアクセサリー、いっぱいあるよ!」
「へぇ、風鈴のアクセサリーなんてあるんですね」
 先をゆく女子二人の少し後ろを歩きながら、璃央は物珍しさに視線をあちらこちらへ。
 そうしてふと足を止めたナディーンは、あ、と小さな煌めきに目を留めた。
「この風鈴ピアス、すごく可愛い!」
 ナディーンが手に取ったのは、指先に乗るくらいに小さな風鈴のピアス。
「こんなに小さいのに細やかで……わ、ちゃんと音もする」
「本当だね、こんなに小さいのにちゃんと風鈴だね。可愛い……!」
 ナディーンと麗央が瞳を輝かせながら笑顔の花を咲かせる隣で、璃央もひとつ手に取っては、繊細な意匠にほほうと感嘆の息を漏らすばかり。
 模様や色合い、大きさが少しずつ違って、短冊の部分も短冊だけでなく、雫型のものやビーズが連なっているものなど様々な姿形のピアスは、全てがハンドメイドの一点物。
 どれも魅力的で、なかなかこれと決められなくて。
「……麗央、どの柄がいいと思う?」
「全部可愛いから迷っちゃうよね!」
 いつも可愛くてお洒落な麗央にナディーンがそう尋ねれば――麗央はわかるよと力強く頷きつつも、ひとつひとつ手に取ってはナディーンと見比べて、答える。
「ナディーンさんは赤が似合いそうだね。赤は金魚とか彼岸花の柄とかどうかな?」
「赤は好きだから嬉しいな。なら、この子にしよう」
 そう言って、ナディーンは赤い金魚が泳ぐピアスへそっと手を伸ばす。
(「レオには桜柄か……いや、薄い紫の藤の柄もいいかなぁ」)
 女子二人のやり取りを横目に、璃央はある意味“いつも通り”に可愛すぎて仕方のない妹のことに思考を割いていたのだけれど。
 物珍しさと好奇心のままに繊細な品々を眺めていた骰が、ふと顔をあげる。
「そういや、璃央と麗央はピアス穴開けてたんだっけか?」
 骰の声にぱち、と瞬いて振り返り、こくりと頷く璃央。
「ええ、一応」
「私もね、ピアスホールあるよ! じゃーん!」
 声を弾ませながら、麗央はサイドの髪を上げて煌めくピアスを二人に見せる。
「ふふ、麗央はやっぱりお洒落さんだ。そういえば私はピアスホールもないな……痛いかな?」
 そう訊いてみれば、璃央は麗央と同じように髪をかき上げ、耳朶を擦りながら考えて――。
「痛みは一瞬、お洒落は一生ですからね」
 そう、得意げにドヤ顔で答えるのだった。
「アンタらいつも洒落てるもんな、開けてないわけ無いか。つか痛いのは痛かったんだな」
 自慢気に見せてくれた双子たちは本当に良く似ていて、面白がるように笑みを深める骰。
 ドヤ顔までもイケメンな璃央に思わず笑いつつも、麗央とお揃いに見えた仕草に双子だなぁと感心していたナディーンは、意を決したように頷きひとつ。
「名言が生まれてしまったな。ならお洒落の先輩に習って私も開けようか。……いいかな?」
 と、ちょっぴり遠慮がちに骰を見上げるのは、まるで親に許可を貰うみたいに。
「アンタも似合うと思うし良いんじゃないか。それにやりたいことならやった方が得だろ」
 あっさりと頷く骰だったけれど、その目元がほんの少しだけ和らいだように見えて、ナディーンは満面の笑みを綻ばせる。
「じゃあ、骰も何か買おう!」
 早速袖を引くナディーンに、骰はいや、と首を横に振った。
「俺はアクセサリーは普段付けねぇからな……それに、このサイズの風鈴は壊しそうでちと怖いしな」
「骰さんもそう言わず、せっかくだから選んでみたらどう?」
 硬質化した鬼の手なら尚更と手を伸ばさず見ているだけだった骰に、麗央は先端に小さな風鈴がついた簪や根付けを示して続ける。
「こういうのはどうかな?」
 麗央の提案にへぇ、と瞬いて。
「それならまだ俺でも持てそうな気ぃすんな。有難う、ちと選んでみるわ」
「骰なら、黒に金が散るのも似合いそうだよ。こういうのとか」
 眺めていたらナディーンが勧めてきたそれに、骰は暫し逡巡してから指先を伸ばした。
 選んだのは、黒に金の花火が咲く根付。
「……家で飾りっぱなしにしねぇようにしねぇとな」
「うん、やっぱり似合う」
 呟く骰と彼の手の中の根付を交互に見やり、ナディーンは満面の笑顔で頷いた。
「ねえねえリオちゃん、私にはどんなのがいいと思う?」
「んー、桜か藤」
 一方、こそっと尋ねてきた麗央に、璃央は先程思い浮かべたそれをそのまま返す。
「なるほど。うーん……じゃあ、これにしようかな」
 真剣な表情で悩んだ末、麗央が選んだのは濃紺にピンクの桜の花弁が舞う風鈴ピアス。
「リオちゃんには……緑色が入ったやつがやっぱり似合いそうだよね」
 そうして、妹からの“後押し”を貰った麗央も、それじゃあ、と、翡翠地に錦糸の線が美しい一品を手に取った。
「あ、二人も決めたんだ?」
 そわそわしているナディーンの声に、璃央は穏やかに笑って頷く。
「そうですね。これが耳元を彩ってくれるのが、楽しみです」
「皆の買った物も、ゆっくり見せてほしいな。後は……甘い物もほしい!」
「そうだな、甘いの食わねぇと祭り来た感じしねぇしな。カフェ行って、戦利品を見せ合いながら美味いもんでも食うか」
 ナディーンの提案に待ってましたとばかりににやりと笑みを深める骰に、麗央も目を輝かせて。
「さんせーい! 心地よい疲れに甘味は相性抜群よね!」
「……鬼歯さんはやっぱり花より団子なんですね」
 なんて少し呆れた素振りを見せながらも、無論、璃央もカフェに行くのは大賛成であった。

 ――そうして、いざ、甘味を楽しみながらのお披露目会へ。
 足取り軽く弾ませながら、四人はのんびりと――風鈴と涼やかな音が連なる道を辿ってゆく。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【活性治癒】がLV7になった!
【怪力無双】LV1が発生!
【口福の伝道者】がLV3になった!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV5になった!
【凌駕率アップ】がLV3(最大)になった!

アンダルシア・ノォヴェント
【Nyx】

浴衣コンテストに折角の参加をいたしましたし、そのままで?
あら、浴衣の着方が間違っていますか?
そうかもしれません、ふふ、ちょっと解らなかったものですからね?

この仮面、お面でしたか?
とても良いでしょう、素敵なわにですね?

風鈴・・・風に揺れ鳴るベルですか、中々に趣深い・・・流石は風の国、と呼ばれるだけはありますね?

風鈴の先にある白紙の短冊、これですか?
この札に己が願いを書く・・・ふむ、願掛けの一種、または願いを意識として再確認することで心構えを新たにする、と?
・・・皆さんはどうぞ、私は遠慮しておきますね?

さてさて、沢山の食べ物があるようで・・・りんごの飴、興味がありますよ?
私はあまり多量には食べられませんので、軽いものが好ましいですね?
綿菓子・・・と言うのはとても不思議な食べ物です、これも面白いですね?

色取り取りの光に様々な食べ物、風の鳴らす音・・・少々雑多に過ぎますが、まあこういうのも、今の現世の形なのでしょうか?
大騒ぎしている私の仲間達を見ていると、不思議と口が笑みますし、ね?


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
【Nyx】
アドリブ大歓迎
今年の黒に金と花の浴衣に袖を通して

美男美女の装いに目を細め
憐音さんはお洒落だな
アンダルシアさんは華があり
栄華さんは夜に香る花のよう
ジゾーさんは自然体でいいじゃないか
マティアスさんはイケメンな

夜の熱気に、歌う風鈴の音色が快い
映える、というんだっけ
思わず写真を撮ろう
音楽家さんなら、曲が浮かびそうだろうか?

縁日を巡りそぞろ歩く
今年も皆と祭りに来られたのは感慨深い
甘いものから行ってみるか
フルーツ飴や綿菓子を手に
人気のカステラも外せない
シェアしながら
はい、マティアスさんはみかん飴
アンダルシアさんにはりんご飴だな
綿菓子はなんだか甘い魔法みたいだ
たこ焼きもいただきます…………熱ぅ

祭り遊びには袖捲りして挑もう
ヨーヨー釣りか。ふふ、負けないよ?
青いのから…
つい好きな色のを追ってしまうな
水の入った柄風船……風流なものだ
上手いな、と仲間の手際に視線
型抜きってどんなだろう?

白紙の短冊を探しながら
あ、こっちにあったよ……あっちにも
ペンを手に取り願い事
「これからも皆で楽しく過ごせますように」


マティアス・シュトローマー
【Nyx】

今年仕立てた浴衣を着て旅団の仲間と秋祭りへ
…だね。いつもお屋敷で爆発したり、海岸に流れ着いたりしている皆だとは思えないや
来年はジゾーの浴衣も楽しみにしてる!
アンダルシアの着方はその…良いと思う。ありがとう(素直)
っていうか、憐音の浴衣もキマってるじゃん! ギャルらしさ全開の華やかさ

縁日では皆でシェアできるたこ焼きを選ぼう。お裾分けも有難く!
フルーツ飴なら俺はみかんがいいなー
たこ焼きもあるからどうぞ
…あ。出来立てですっごく熱いから気を付けて

勝負事なら俺も乗った!
誰が一番多くヨーヨーを掬えるか競おうよ
わかる、好きな色のをまず狙いたくなるよなー
エトヴァが青なら俺はそこの赤から!
後は黄緑と白と黄色と…もしかして、俺って才能ある?
型抜きは動画で観た事があるよ
難しそうだけど一度は挑戦してみたいな

最後は短冊に願い事を
「今年こそ、お屋敷も皆も爆発せずに平穏無事に過ごせますように」
橙色の風鈴に吊るして、それはもう真剣に祈っていたとか
待って。栄華はお願いに何て書いた?
…去年の二の舞になりそうな予感


神田川・憐音
【nyx】
アドリブ歓迎ね
ジゾーは来年はちゃんと浴衣着て来いし
ほらコーディネーターも居るっぽいしね?
ま、ある種パーティみたいな。めっちゃ風鈴鳴ってるから賑やかー。それに浴衣だしね皆
マティアスはシックな感じ、エトヴァはゴージャスな感じで
同じ黒地で対比っぽくて若干お揃い感?
仲良しか。仲良しだったわ
アンダルシアのは着こなしとかもそうだけど、何でわに
好きなんだっけわに。そっか。
栄華の方が正統派な着こなしなのも面白いね。やる事はフリーダムの限りだけど

縁日も色々あんね
じゃあデカいりんご飴シェアする? 爆発しても整えられて安心の包丁アリ〼
出来立てのたこ焼きは美味しいけどアツアツ……あっ早速の犠牲者が
そんな事もあろうかと電球ソーダ買っといたんで飲みながら食べる?

ヨーヨー釣りとかすぐ男子は勝負したがるー
色まで張り合って仲良しか。仲良しだったわ(2回目)
男女関係なく勝負は負けねーしって気持ちでやるけど、マティアス強っ?

楽しい雰囲気にメロディでも浮かんだら
願い事の代わりに鼻歌でも歌っとく? ね音楽家(エトヴァ)


元野・ジゾー
【Nyx】

なーつーまーつーりー!
いや、秋か。残暑過ぎてつい。
皆で秋祭り。パリピじゃん。
いや俺は浴衣ありませんけども!
まあ俺なんかが着ても仕方ないよな。
美男美女が多いことだし、俺はのんびり眺めよう。
大胆すぎる子とかいるしね!ぐへへ。
間違った文化も捨てたもんじゃあないね!
あとイケメンは何してもイケメン。
見繕ってくれるの。え、今ここで?!
生着替えをしろと?!誰得?

俺は素直にヨーヨーでも釣りますか。
勝負?勝てませんけど?
型抜きとか最近見なくない?
食べ物はこのなんとも言えないやつがなんか知らないけど祭りだと美味くなるやつ!
絶対持って帰って家で食ったらそうでもないよね。

願い事書くの?
風鈴の下に願い事かー、風情ってやつだー。
皆どんなの書くの?
ありゃ、魔女は願い事しちゃいけないとかあるの?
俺は取り敢えずかわいこちゃんにちやほやされたい!
モテる努力をしないでモテたい!
神よ仏よ、ご照覧あれい!

それにしたって屋台も年々色々変わるねえ。今何が流行り?
ここならではみたいな、地域差みたいな、変わったやつとかある?


今咲・栄華
【Nyx】
浴衣DC

ドローンにも幾つか風鈴をつけて天高く飛ばしてみよ!…やかましすぎ爆笑

アンダルシアが食べたいなら今日日カットりんご飴も売ッてるが。でもここには無いなら… 憐音包丁持ッてる?てギャルの櫛持ッてる?みたいな感覚で聞くなし??
しゃーない、アタシが小爆破して作ッてあげる⭐︎
繊細な作業だがイケる!いらない?そ。

合わなければコーデ合わせるだけッしょ?ジゾーにも似合うようなン見繕ッてやンよォ。

願い事は、景気の良い爆発
マティアスと相反するウケる🤣

金と黒で神々しいエトヴァを拝んでおこ。はーイケメンサンキュー、ご利益ありそう(手パンパン)

アドリブ歓迎!失敗やツッコミも何でもお任せするよォ


 そよぐ夜風が、風鈴棚に連なる色とりどりの風鈴たちを揺らしている。
 涼やかな音色が重なり合って響く中、そこにさらに上空から風鈴の音が降り注いでいた。
「わあ、風鈴がお空を飛んでる!」
 空を指差しながらはしゃぐ子どもの声が聴こえてくる。
 道行く人々が足を止めて見上げるそれは、フライトドローンにつけられた風鈴だ。
「やー、やかましすぎるかと思ったけど、意外とウケてる感じ?」
 若干想定していた状況にはならなかったかもしれないが、今咲・栄華(ゲットワイルド退職・g00910)はにやりとほくそ笑む。
「ま、ある種パーティみたいな。めっちゃ風鈴鳴ってるから賑やかー。ってか栄華いきなりフリーダムだし?」
 神田川・憐音(天地を揺さぶる情動・g02680)のツッコミにも平常運転な栄華はどこ吹く風だ。
 連れ立って秋祭りにやって来た【*Nyx*】の面々は、今年も賑やか。
「なーつーまーつーりー! いや、秋か。残暑過ぎてつい」
「ジゾーもだいぶハイテンションじゃん」
 流れるように続いた元野・ジゾー(整髪料はワックス派・g02885)の叫びに、憐音が切り返す。
「皆で秋祭り。パリピじゃん。いや俺は浴衣ありませんけども! まあ俺なんかが着ても仕方ないよな」
「ジゾーは来年はちゃんと浴衣着て来いし。ほらコーディネーターも居るっぽいしね?」
「合わなければコーデ合わせるだけッしょ? ジゾーにも似合うようなン見繕ッてやンよォ」
 任せろとばかりに胸を張る栄華は、紺地に白い花柄の浴衣姿だ。
「見繕ってくれるの。え、今ここで?! 生着替えをしろと?! 誰得?」
「ジゾーさんはいつものように自然体でいいじゃないか」
「そうだよ、でも来年はジゾーの浴衣も楽しみにしてる!」
 黒地に金の歯車と大輪の花が描かれた浴衣を纏うエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)が楽しげな笑みと共に紡ぐのに、こちらも黒地に金色で模様を散らした浴衣を着ているマティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)も笑顔で続く。
「……いつもお屋敷で爆発したり、海岸に流れ着いたりしている皆だとは思えないや」
 改めて浴衣姿の皆を見やり、マティアスは感嘆にも似た息をつく。
「金と黒で神々しいエトヴァを拝んでおこ。はーイケメンサンキュー、ご利益ありそう」
 パンパンと両手を鳴らしながら、文字通りエトヴァを拝む栄華。ちなみに風鈴を引っ提げたドローンはまだしゃらららんと鳴り響きながら元気に上空を飛んでいる。
「ご利益……あるだろうか?」
「エトヴァもイケメンだから何でもアリっしょ」
 真剣に考え込むエトヴァにあっさり答える憐音。
「マティアスはシックな感じ、エトヴァはゴージャスな感じで、同じ黒地で対比っぽくて若干お揃い感? 仲良しか。仲良しだったわ。――ところでアンダルシアのは着こなしとかもそうだけど、何でわに」
「あら、浴衣の着方が間違っていますか?」
 憐音の、皆の浴衣への感想からの流れるようなツッコミめいた真顔の問いに、アンダルシア・ノォヴェント(アンダルシアの魔女・g05231)が纏っているのは常と変わらぬ笑みを浮かべるだけ。
 そんなアンダルシアの浴衣は、鮮やかな赤の地に黒い牡丹や小花を散らしたもの――なのだが。
 肩が露わになった大胆な着こなしはさながら花魁のようだが、アンダルシアからは妖艶さだけでなく気品も漂っていた。
「そうかもしれません、ふふ、ちょっと解らなかったものですからね?」
 そしていつも素顔を隠しているアンダルシアは、浴衣を着てもやはりそうであった。
 目元を覆うのは、凛々しい顔の大きなわにのお面(?)だ。
「この仮面、お面でしたか? とても良いでしょう、素敵なわにですね?」
「好きなんだっけわに。そっか。栄華の方が正統派な着こなしなのも面白いね。やるコトはフリーダムの限りだけど」
 アンダルシアと栄華を交互に見やりながら呟く憐音の隣で、いつにも増して妖艶な、ある意味とても魔女らしい雰囲気のアンダルシアを、マティアスはまじまじと見やって――。
「アンダルシアの着方はその……良いと思う。ありがとう」
 寧ろ年頃の健全な青少年であるマティアスもアンダルシアを拝みそうになっていたのは、ここだけの話である。
「……っていうか、憐音の浴衣もキマってるじゃん! ギャルらしさ全開の華やかさ」
 我に返ったマティアスが言う通り、華やかな憐音の浴衣は紫に藤柄の大人っぽさもありながら、鮮やかなピンク基調の帯がよく映えていた。
 美男美女の装いに目を細めつつ、エトヴァも皆の浴衣を見やって。
「うむ、憐音さんはお洒落だな。アンダルシアさんは華があり、栄華さんは夜に香る花のよう。マティアスさんはイケメンな」
 一方、そんな美男美女たちをジゾーはのんびりと眺めつつ、特に大胆すぎるアンダルシアのことは全力で凝視していたとかいなかったとか。
「イケメンは何してもイケメンだし、間違った文化も捨てたもんじゃあないね!」
 アンダルシアは特に何を言うでもなく、にこにこと微笑んでいる。
 すっかり鼻の下を伸ばしているジゾーの運命や、如何に。

 お祭りと言えば、やはり屋台の楽しみもあるだろう。
「さてさて、沢山の食べ物があるようで……りんごの飴などは、興味がありますよ? でも、私はあまり多量には食べられませんので、軽いものが好ましいですね?」
 アンダルシアが示すのは、つやつやと輝くりんご飴。
「アンダルシアが食べたいなら今日日カットりんご飴も売ッてるが。でもここには無いなら……憐音包丁持ッてる? てギャルの櫛持ッてる? みたいな感覚で聞くなし?? しゃーない、アタシが小爆破して作ッてあげる☆ 繊細な作業だがイケる!」
「え、あるし? じゃあデカいりんご飴シェアする? 爆発しても整えられて安心の包丁アリ〼」
 ワンブレスでそこまで言って振り返った栄華に、憐音はすっと懐から包丁を取り出した。
 皆と縁日をそぞろ歩く中、エトヴァは改めて、今年も皆と一緒に祭りに来られたことに感慨を覚えていた。
 縁日の屋台と言えば、やはり皆で分け合うのが楽しいもの。
(「やはりここは甘い物から行ってみるか……」)
 色とりどりのフルーツ飴や綿菓子、それに人気のベビーカステラも外せないだろうと考えながら、エトヴァは主に甘い香りが漂う屋台を巡る。
 買い込んだ様々な戦利品を手に戻ってみれば、同じくそれぞれに入手してきた物を持ち寄っているところであった。
「やっぱり皆でシェア出来るのが良いよね。ということでたこ焼きどうぞ! エトヴァもいっぱい買ってきたね。じゃあ俺は……みかんのフルーツ飴いただきっ」
「おお、たこ焼きか。いただきま……」
 早速湯気の立つたこ焼きに手を伸ばすエトヴァに――。
「出来立てのたこ焼きは美味しいけどアツアツ……」
「……あ。出来立てですっごく熱いから気を付けて」
 憐音とマティアスがそう告げた、けれど。
「…………熱ぅ」
「あっ早速の犠牲者が。でもイケメンは口押さえてるだけで絵になるし?」
 熱気を逃がすべく口許を手で覆ったエトヴァに、憐音はついそう零していたとか。
「まあ、こんなこともあろうかと電球ソーダ買っといたんで飲みながら食べる?」
 そう言って、憐音はまたすっと人数分のカラフルな電球ソーダを取り出して並べていく。
「そういや型抜きとか最近見なくない? てか今時の屋台って何が流行り?」
 あれこれ物色して戻ってきたジゾーの手には、定番の焼きそば。
「このなんとも言えないやつがなんか知らないけど祭りだと美味くなるやつ! 絶対持って帰って家で食ったらそうでもないよね」
「……型抜きってどんなだろう?」
 名前だけでは想像がつかないのか、首を傾げるエトヴァに、
「型抜きは動画で観たことがあるよ。難しそうだけど一度は挑戦してみたいな……もしかしたらここの屋台にもあるかも?」
 後でエトヴァにも動画見せてあげるよ、とマティアスが快く笑って答える。
「呼び方で戦争が起きるアレ仕入れて来たよォ」
 そこへ、栄華が大判焼きやら今川焼きやら色々呼ばれているアレを手に戻ってきた。
「綿菓子……というのはとても不思議な食べ物です、これも面白いですね?」
「綿菓子はなんだか甘い魔法みたいだな。アンダルシアさんに良く似合う気がする」
 物珍しげに綿飴を手に取ったアンダルシアに、エトヴァは微笑んだ。

「さて……英気も養ったことだし、俺は素直にヨーヨーでも釣りますか」
「勝負事なら俺も乗った! 誰が一番多くヨーヨーを掬えるか競おうよ」
「ヨーヨー釣りか。ふふ、負けないよ?」
 よっこいしょと腰を上げたジゾーに、すぐさま乗ったマティアスとエトヴァは袖を捲って気合い十分。
「ヨーヨー釣りとかすぐ男子は勝負したがるー」
 口ではそう言いつつ、憐音も勝負に混ざる気満々で。
「勝負? 勝てませんけど?」
「ちょっと男子ィー」
「諦めるの早すぎだし?」
 何故か速攻で堂々と胸を張るジゾーに女子たち(主に栄華と憐音)から速攻でツッコミが飛んでくる。
「ふふ、頑張ってくださいね?」
 アンダルシアの応援を受けつつ、ヨーヨー釣りに挑む男子三人と憐音。
「水の入った柄風船……風流なものだ」
 言いながらエトヴァが狙うのは青いヨーヨー。
 それは半ば無意識だったけれど、エトヴァはふと何かに気づいたように口許を綻ばせる。
「つい好きな色のを追ってしまうな」
「わかる、好きな色のをまず狙いたくなるよなー。エトヴァは青? なら俺はそこの赤から!」
「色まで張り合って仲良しか。仲良しだったわ。大事なことだから二回言ったし?」
 男女関係なく勝負は負けねーしって気持ちでヨーヨーたちと向き合いつつも、やはりツッコまずにはいられない憐音の隣で、マティアスは最初に狙った赤、それから黄緑、白、黄色――と次々にヨーヨーを釣り上げていく。
「てかマティアス強っ?」
 その手際の良さといったら憐音が絶句するくらいで。
「おお、上手いな」
 一方狙った青いヨーヨーを釣り上げたエトヴァも、マティアスの手の動きをつい目で追っていた。
「……もしかして、俺って才能ある?」

 ――夜と祭りの熱気に、歌う風鈴の音色は快いもので。
「こういうのを、映える、というんだっけ」
 しみじみと呟きながら、エトヴァは夜風に揺れる煌めきにスマホのカメラのレンズを向ける。
「音楽家さんなら、曲が浮かびそうだろうか?」
 ちりり、澄んだ音の連なりは、それだけで風鈴たちが歌っているようだった。
「メロディでも浮かんだら、願い事の代わりに鼻歌でも歌っとく? ね音楽家」
 憐音の言葉に瞬いたエトヴァは、そうだなと微笑む。
「風鈴……風に揺れ鳴るベルですか、中々に趣深い……流石は風の国、と呼ばれるだけはありますね?」
 アンダルシアは顔を上げ、どうやら魔女的な観点から風鈴を観察しているようだった。
「風鈴の先にある白紙の短冊、これですか? この札に己が願いを書く……ふむ、願掛けの一種、または願いを意識として再確認することで心構えを新たにする、と?」
「願い事書くの? 風鈴の下に願い事かー、風情ってやつだー。皆どんなの書くの?」
 きょろきょろと物珍しげに視線を彷徨わせつつ、ジゾーは皆の願いに興味津々といった様子――だが。
「……皆さんはどうぞ、私は遠慮しておきますね?」
「ありゃ、魔女は願い事しちゃいけないとかあるの?」
 ジゾーの言葉に、アンダルシアは笑みを深めるだけだった。
「あ、こっちにあったよ……あっちにも」
 白紙の短冊を示しつつ、エトヴァはひとつ、気になった風鈴に手を伸ばす。
 綴る願いは、“これからも皆で楽しく過ごせますように”――そう書き込んでから、彼らと共に過ごしてきた日々もまた、自身にとってかけがえのない時間となっているのだと、エトヴァは改めて実感する。
「俺は取り敢えずかわいこちゃんにちやほやされたい! モテる努力をしないでモテたい! 神よ仏よ、ご照覧あれい!」
 ――と。風鈴ひとつでは足りなさそうな念を、ジゾーは迫真の表情で書き込んでいたという。
 戦利品のヨーヨーたちを腰に引っ提げ、マティアスは願いを記した橙色の風鈴を前に――。
(「今年こそ、お屋敷も皆も爆発せずに平穏無事に過ごせますように」)
 それはもう、かつてないほど真剣に祈っていたとか。
 すると不意に横から覗き込んできた栄華がぷっと吹き出して、マティアスはぱちりと目を開ける。
「アタシの願い、マティアスと相反してるのマジウケる」
「待って。栄華はお願いに何て書いた?」
 けらけらと楽しげに笑う栄華の風鈴には、“景気の良い爆発”とでっかく記されていた。
「爆発オチなんてサイテー」
 お約束のような憐音の言葉に、エトヴァが目を瞬かせて。
「そうだ、憐音さん。たまに聞くのだが、それには一体どういう意味が……?」
「聞くんだ? まーお約束ってヤツよ。ほらあれ、めでたしめでたしみたいな?」
「うん、間違った知識が広められている気がするし、去年の二の舞になりそうな予感……!」
 今年もあと僅かではあるけれど、はたしてマティアスの願いが叶うかどうかは――おそらく、ダイス的な何かの神のみぞ知る。
 ――色とりどりの光に様々な食べ物、人々の心地よい喧騒に、風によって奏でられる涼やかな音。
(「……少々雑多に過ぎますが、まあこういうのも、今の現世の形なのでしょうか?」)
 祭りの空気にアンダルシアはそんな感想を抱きつつ、仲間たちへと目を向ける。
 所構わず大騒ぎをしていると言えなくもない彼らだけれど――。
 そんな彼らの姿を見ていると、アンダルシアは不思議と、口許が綻ばずにはいられないのだ。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【口福の伝道者】がLV4になった!
【液体錬成】がLV2になった!
【強運の加護】がLV3になった!
【プラチナチケット】LV1が発生!
【怪力無双】がLV2になった!
【隔離眼】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!
【アヴォイド】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!
【先行率アップ】がLV3になった!

最終結果:成功

完成日2023年10月06日

最終人類史の秋祭り

 《七曜の戦》の勝利により、多くの地域を最終人類史に奪還する事が出来ました。
 東京23区の、墨田区、葛飾区、荒川区、北区、板橋区、足立区、練馬区、世田谷区、杉並区に加え、神奈川県の横須賀市。  更に、奈良県南部、大阪府東部、三重県などの住民の帰還が行われています。
 この帰還した一般人達が、最終人類史の暮らしに馴染み、不安なく暮らせるように、皆で楽しめる秋祭りを行ないまうs。
 季節は秋。風情のある京都や奈良の町、或いは、東京近辺で、ディアボロス達も浴衣に着替え、人々と共に秋祭りを堪能しましょう。

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#最終人類史(新宿島)
🔒
#最終人類史の秋祭り


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選択肢『浴衣で秋祭り(最終人類史)』のルール

 《七曜の戦》の勝利により、多くの地域を最終人類史に奪還する事が出来ました。
 東京23区の、墨田区、葛飾区、荒川区、北区、板橋区、足立区、練馬区、世田谷区、杉並区に加え、神奈川県の横須賀市。  更に、奈良県南部、大阪府東部、三重県などの住民の帰還が行われています。
 この帰還した一般人達が、最終人類史の暮らしに馴染み、不安なく暮らせるように、皆で楽しめる秋祭りを行ないまうs。
 季節は秋。風情のある京都や奈良の町、或いは、東京近辺で、ディアボロス達も浴衣に着替え、人々と共に秋祭りを堪能しましょう。
 秋祭りの詳細は、オープニングやリプレイを確認してください。

・最終人類史ですので、残留効果は全て(プレイング時点で発生していないものも含め)効果LV10で使用できます。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、シナリオは成功で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。