リプレイ
ハティ・ブラッドムーン
危機感を抱いていない人々に避難を呼び掛けるのは難しいわね。
荒っぽいけれど、少し怖い思いをして貰おうかしら。
私を恐れて自主的に避難してくれるなら、それに越した事はないわね。
村を訪れる前に狼変身を用いて狼の姿に。
唸り声を上げながらゆっくりと村に侵入。村人の目に留まったら咆哮を上げるわ。
怯える村人に対しては、品定めをするかのようにぐるりと周り圧力を掛けるわね。
抵抗を試みても無駄だと言う事は、復讐者の身体能力を以て証明。
怪我をさせるつもりはないから、手加減はするわよ。
村人が散り散りに避難されても困るから、避難先を誘導するように追い立てようかしら。
出来るだけ遠くに、少しでも安全な場所に。
もし避難が遅れているようなら狼変身を解除。
避難に時間を要する人の手助けをするわ。……目は合わせられないけれど。
逃げ遅れた人が居ないか村を巡り、安全を確認。
キマイラウィッチの襲撃に備えるわね。
・アドリブや連携は可
ヴィルジニー・フラムヴェールト
キマイラウィッチ達の残虐さは、留まる所を知らないわね……
他の国に出向いてまで、虐殺をするなんて
彼らにまともな感性を期待しても無駄でしょうけれど……止めなくちゃ
住民たちへ避難を呼びかけるわ
村の様子をみて、他の味方と効率よく手分けするわ
案内人さんに聞いて、キマイラウィッチ達の近づく方向から遠ざけるように避難させるわね
さあ、村の外へ避難して……急いで。ここは危険よ
家族や隣人にも伝えて
動きづらい方には、手を貸してあげてちょうだい
怪我人やお年寄りや小さな子、自力で動けない方は優先して【フライトドローン】にのせて運ぶわね
家の中も覗いて声を掛けるわ
家族みなそろって逃げてちょうだい。一人も欠けることなく
ここにいると殺されてしまうわ。早く!
子供がいたら、わかりやすく伝えるわね
わたし達が怖いものを追い払うから、それまでは戻ってこないでね
約束よ
逃げ残しがないように、なるべく家族単位で一気に避難してもらい
その場にいない人は名前や特徴を聞いてメモ書きしてチェック
最後に家屋の中や隅々まで確認するわ
アドリブ、連携歓迎
●“未知”
「危機感を抱いていない人々に避難を呼びかける……難しいわね。逃げだしたいと思う“何か”がなければ、人はそう簡単に動かないもの」
ハティ・ブラッドムーン(月蝕の魔女・g10239)は策に難儀しつつ、「怖い思いをしてもらおうかしら」とヴィルジニー・フラムヴェールト(緑焔の奇蹟・g09648)に提案する。
人は恐怖心を抱くと、身を守ろうと防衛本能が働く。
ヴィルジニーは、ハティの提案に首を縦に振った。
「キマイラウィッチの残虐さは留まるところを知らないわ……なんとしても、村から離れてもらわなくちゃ」
断片の王、ジャンヌ・ダルクは自らを火刑に処すよう、ディアボロスに仕向けたことで、凄まじい復讐心を手に入れた。
同時に、彼女の配下達も復讐の念を抱いて再現し、怨念を撒き散らすように行動を開始している……ヴィルジニーにでなくとも、理解しがたい思考構造だろう。
ハティは【狼変身】で姿を変え、ヴィルジニーは【フライトドローン】を展開し、件の村に接触を図った。
『アオォォォ……ン!』
遠吠えを一鳴き。村へ危機を知らせるように、ハティは声を上げる。
「狼が出たのか? まずいな、家に隠れないと――」
「待って」
狼を警戒して、家に帰ろうとする中年男をヴィルジニーが呼び止め、男が振り返ると、
「ヒッ!?」
目を見開き、異様なまでに怯えた様子を見せる。
それはそうだろう――19世紀フランスにおいて、ドローンは存在しない。オーバーテクノロジーなのだ。
ヨソ者が、無数の“浮遊する謎の円盤”を引き連れてきた。……未知との遭遇は、相手を萎縮させるには十分すぎる状況だ。
「村の外へ避難して……急いで。ここは危険よ。家族や隣人にも、全ての人に伝えて。動きづらい方には、手を貸してあげてちょうだい」
真摯に説き伏せようとする姿勢が、いっそう圧迫感を与えたようだ。
ドローンの存在が、強烈な精神的圧力をかけたこともあり「は、はひぃ!」と男は腹の底から声を出し、樽のような腹を揺らして村人達に伝えに回る。
ハティも狼のまま村内を走り、キマイラウィッチ達の現れる方角とは反対に、追い立てようと姿を見せては、また別の場所へと疾駆する。
人々は“二重のトラブル”に慌てふためきながらも、わずかな荷物を抱えて、急ぎ足で村から出ていく。
(「狼よりもドローンのほうが怖がられているわね。空飛ぶ円盤、未確認飛行物体……UFOだったかしら? そんな概念が生まれたのは、もっと後の時代という話をどこかで聞いたわ」)
“未知との遭遇”は精神の安定を大きく揺さぶっていく。
それを従える者がいるなら、『逆らえばアレで何をされるか解らない』という、ネガティブな想像も引き起こさせる。
――『非常時だと認識させる』なら、“時代にそぐわない技術力を見せつける”のも有効だ。
ハティも(「今後の参考にしよう」)と思いつつ、人の気配が消えていく村から住民を追い立てていった。
「まさか、ドローンがあんなに怖がられるとは思わなかったわね……新宿島の暮らしに馴染んだ証拠、ってことかな」
新宿島に漂着したヴィルジニーにとっては、ドローンはもう驚くようなものではない。
だが、今回に関しては“効果てきめん”だったと言えよう。
「結果的に、迅速に村から退避させられたもの。住民は全員、村の外で身を隠しているでしょうね」
これで準備は整った。
迫り来る怨念と殺気を感じながら、ヴィルジニーとハティは微かに聞こえる足音に身構える。
――敵はもう、すぐそこまで来ていた。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【狼変身】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
花塚・夜壱
分かりやすく【殺気】を放って敵の気を引こう
敵の注意を引き付けたのちに、【防衛ライン】を展開する
村の人たちを傷つけさせはしない
俺が相手になろう
敵に囲まれないように、地に如意棒を叩きつけ【衝撃波】を放つ
【吹き飛ばし】や【投げ飛ばし】で距離を取りつつ
逃げ遅れた人や、家屋に心配がないように広い場所へ
来い、四本足
それとも何か、いざディアボロスを前にして怯えているのか?
不慣れだが、挑発とはこれで良いんだろうか……
敵の攻撃を誘い、攻撃を受けよう
砲弾か……
そう言えば昔、「刀と銃、どちらが強いか」みたいな話を聞いたことがあったな
お前の技と俺の技、どちらが強いか勝負と行こう
如意棒ばかり使っているが、本来俺は近接型だ
『朱華』はそんな俺と相性は良い
砲撃を隙をついて敵を引き寄せ、地に叩きつける
そのまま、敵に負けずと拳で【連撃】を入れよう
そもそも外す気もないが、こちらには【命中率アップ】もある
躱そうとした所で、急所を狙う手は止めないぞ
●獣性
迅速な避難によって、無人となった村を背にする――花塚・夜壱(月下鬼人・g00016)は如意棒を握り締めた。
彼の足元には【防衛ライン】である、10mの白線が真一文字に伸びている。
「村の人達を傷つけさせはしない……来るといい、お前達の“怨敵”はここにいるぞ!」
キマイラウィッチに気取らせようと、あえて殺気立ち、大声をあげる夜壱。
狙い通り、ソルシエール・デュ・シャノワールの引き連れる一団が声に引き寄せられ、姿を現す。
「あれあれ、頭に角が生えてる? それって……“ただの人間”じゃないよねぇ?」
ソルシエールはそう言うと、ニヤァと口角を吊り上げた。
「人間、ジャナイ! ギャギャギャッ!!」
不気味な笑い声をあげ、村ごと焼き払おうとジェヴォーダンの獣は、背部の砲門を上下させた。
死を恐れていないのか、獣達は狼じみた脚で地を蹴り、夜壱めがけて突撃をかける。
「来い、四つ足。いざディアボロスを前にして怯えているのか?」
鋭い眼光で獲物を見据え、唐棣色の花々が如意棒に咲き乱れる。
大きく薙ぎ払うように放たれた《朱華》が唐棣色の軌跡を描き、獣達を地面へ強かに叩きつける。
(「刀と銃、どちらが強いか……昔、どこかで耳にした話だが」)
「ここで試してもいいだろう、さあ来い!」
「ギャギャギャ!!」
【防衛ライン】の前に立つ夜壱は、如意棒で間合いを保とうと試みるが、技能は“一般法則に基づくノウハウ”でしかない。
パラドクスを発動した獣達は、如意棒の軌道を見抜いたように、すり抜けて夜壱の肢体に飛びつく。
容赦なく爪と牙を食いこませると、零距離砲撃を撃ちこみ、周囲に複数の爆音が響き渡った。
「ぐ、っ」
振り払おうと常夜刀を抜くと、
「――おぉぉぉっ!!」
パラドクスを付与した柄で殴るよう叩き落とす。
当たり所の悪かった一匹はゴキリと頸椎が折れる、鈍い音を立てて、地べたに跳ね転がった。
「燃ヤセ! 燃ヤセ!」
「灰ニナレ! 灰ニナレ!」
残虐性を剥き出しにした獣は脚が折れようと、肋骨が砕けようと、皆殺しにすべく攻め続ける。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
藤森・智樹
(トレインチケット)
●
村の家屋も巻き込もうと、ジェヴォーダンの獣が無差別攻撃を続ける中。
「これ以上、好き勝手はさせない!」
飛びこんできたのは藤森・智樹(人間の魔導忍者・g08569)――忍者手裏剣を握り締め、鎧兜を纏った獣魔を睨みつけ、前のめりに肉薄する。
《神蝕呪刃》で紫黒の呪いを帯びた手裏剣が、豪雨のごとく二体のジェヴォーダンの獣に降り注ぎ、刃が鎧を貫こうとも獣達は智樹に食らいつく。
「グチャ、ニチャ……!」
鋭い犬歯で腿を食い千切り、見せつけるように咀嚼する――何と悪辣なことか!
「まだ、僕は動けるぞ……覚悟しろ!!」
口の周りを血で汚し、ニタニタと嗤うキマイラウィッチに、智樹は身を低くしながら次の一手を打つ。
ジェヴォーダンの獣も、余さず食い散らかしてやろうと地を駆る。
そして、智樹が妖刀に手を伸ばす。
(「攻めに徹していようと、戦意に身体がついてこられていない……その首、斬り落としてやる!」)
妖刀も紫黒の呪詛を帯び、禍々しい気配を漂わせ始めた。
射殺すほどに鋭い眼光で凝視しながら、剣閃が獣魔達の身を裂く。
ついに一体が血の海に沈んでいくが、“復讐心”という原動力は、キマイラウィッチ達を突き動かし続けた。
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【腐食】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
月下部・小雪
(トレインチケット)
●
「こ、これ以上の村の被害は……食い止め、ます」
月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)が、モーラット・コミュのコダマとともに戦火の中心へ飛びこんでいく。
新手に気付き、ジェヴォーダンの獣は嬉しそうに、不気味な笑顔を見せると、傷だらけの四ツ足で小雪達に牙を剥いた。
「コダマ、急降下爆撃を仕掛ける、です!」
小雪の指示を受け、コダマはどこからともなく巨大な爆弾をとりだし、勢いよく急浮上。
主に迫る凶犬の直上より、放物線を描いて着弾。
凄まじい爆風による衝撃が獣を襲い、走行速度が落ちていくが、離脱しようとするコダマに砲撃を浴びせながら吶喊。
柔らかなそうな毛並みに齧りつくと、あたかも小雪自身が喰らわれたように、肉体に浮かんだ噛み跡から血が噴きだした。
「ギャ、ギャギャ、ギャ……ッ」
(「大丈夫、大丈夫……ボク達の攻撃で、あのキマイラウィッチの群れは、かなり弱っています……もう少し、です!」)
まだ動けることを確かめながら、
「もう一度です。――コダマ。お願いします!」
小雪の放つ第二撃が、戦場に吹き荒れる。
弱っているはずの獣達は、あわよくば道連れにせんと、痛む身体に鞭打つように攻め続ける。
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【落下耐性】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
●黒猫の魔女
ジェヴォーダンの獣の、最後の一体が地に伏す。
地べたをボールのように跳ね転がり、同胞の撒き散らした血飛沫の上を、一人のキマイラウィッチがゆっくりと歩きだす。
「あ~あ、やっぱり人間って……動物とみると、目の色変えて嬲り殺しにかかるんだ」
ソルシエール・デュ・シャノワール――黒猫の魔女は、その身に黒猫を生やしていた。
魔女は、間合いを保つように地べたを踏みしめる。
猫のように音もなく、そろりと歩く姿は優雅だが、
『フシャアァァァァァ
……!!』
『ううなぁあぁぁぁぁぁぁぁ!!』
彼女の脚や片眼から生える、黒猫達は殺気立ってディアボロスを威嚇していた。
「ねえ、知ってるぅ? “黒い猫が前を横切ると、不幸が訪れる”って話。黒い毛並みは使い魔の証し、だから……人間達に忌み嫌われてたってさ。白い猫でも、斑の猫でもなく……“黒い猫だけ”が」
『フゥゥゥゥウウウウウウ……』
『うぅなああぁぁぁぁぁああああッッ!!?』
昔話を語り聞かせるように、気まぐれに、戯れに言葉を重ねる。
「“あたし達”もそうやって殺されたの。尾を千切られ、腹を割かれ、亡骸を山にして焼かれた! 黒い猫を見つけるたび、群衆は嬉々として押さえつけ、焼き殺した――黒毛というだけでねぇ!」
黒猫達が苛立ちを露わに尾を揺らし、ソルシエールの瞳に狂気が溢れていく。
身体から生え伸びる黒猫達を、ソルシエールは慈しむように撫でつけた。
「迷信に惑わされるような、残忍で愚かな民衆を……あたし達は許さない。それを救おうっていう、ディアボロスもねェ!?」
●
……真の強者の振る舞いとは、なんだろうか?
感情のまま敵を貶し、揚げ足をとって、顔を真っ赤にさせて恥辱を味わわせることか。
それとも、不必要な批判を浴びせ、相手の品格を貶めることか。
――その全てを“否”と断言しよう。
単に『相手を言い負かしたい』という、外聞が悪い願望を抱えていないだろうか?
相手を貶めることは、すなわち“自らの品格も貶める行為”だと戒めてほしい。
真の強者は、“自らの品格を損なう言動をとる必要がない”。
何故なら『中傷せずとも、己の勝利を確信している』からだ。
敵であろうと、敬意を示すほどの“心の余裕”を見せつけた、その上で積み上げた実力を叩きつける。
そういった、ある種の誠意を忘れないからこそ、多くの者が敬意を払う。
綺麗事かもしれないが、誠実な振る舞いを冷やかす者は、しばしば斜に構えて悪態をつく捻くれ者だ。
ダークヒーローであれ、彼らも譲れない信条があり、悩んだ末に必要悪として矢面に立つ。
だからこそ敬意を払われることを、忘れてはいけない。
もし、他者を貶め、恥辱を味わわせて屈服させたいと思うなら、まず忘れてはいけないことがある。
――全ての報告書は“不特定多数のディアボロスが、目を通していること”だ。
つまり、衆人環視の中で、品格を問われるような言動をとった“事実”が、知らぬ間に周知されることになる。
時先案内人も『不名誉なレッテル』を、前線に立つ有志に付ける真似はしたくないし、そのような事態を避けるために、戦場へ送りだすこともしない。
もし――敵に的外れな指摘や、不必要なまでの罵詈雑言を浴びせた報告書が残ったら?
自らの名と共に、その事実が“永遠”に記録されてしまう。……そう。永遠に、だ。
己が恥ずべき言動をとってはいないか。今一度、胸に手を当てて考えてほしい。
水蓮寺・颯
(トレインチケット)
ラズロル・ロンド
(トレインチケット)
●性悪説
魔女狩り。異端審問。人身御供。迫害と差別。
その歴史は時代や国を問わず、多くの者を狂乱させ、多くの者が犠牲となった。
今でこそ過ちだとする事実もまた、正しい歴史の一部……しかし、キマイラウィッチの“改竄世界史”では、その残虐な行為を『正当なもの』として執行してきた。
それこそが、断片の王、ジャンヌ・ダルクの目論見だとも知らずに――。
(「ヒトは悪しきを憎むあまり、“正義”に執着してしまいます……残酷なほどに」)
「ですが……無関係な人々まで傷つけることを、僕は見過ごせません」
水蓮寺・颯(灼がて白く・g08972)は、迫害された魔女から目を逸らさず、永代御預品目録を開く。
「――其れは幾多の貴人を堕落せしめた女の文箱。今ひとたび目を醒まし、その呪禍を示し給え」
四十頁第三項。
《文箱:女四宮花乞綴》を紐解けば、蔵匿された文箱の凶禍が顕現する。
女四ノ宮の呪詛がソルシエールを魅了せんと見つめ、魔女の目を爛れさせ……爛れた眼球から、新たな黒猫がぬるりと顔を出す。
「痛い、痛い! あたし達が片時も忘れなかった、あのとき受けた苦痛だよ!」
傷口から生えた黒猫は、自らソルシエールの身体から剥離し、颯にむかって飛びかかった。
黒猫の魔女が受けたように、颯の目を傷つけようと鋭い爪が颯の頬に刻まれ、その光景にラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)は小さく息を呑む。
「やられた分だけやりかえす、って訳か……だったら、やられる前に押し切らないとね」
戦場にそよ風が吹いたかと思うと、ラズロルの周囲に青い羽の幻影が舞い上がる。
《ナスィームリーシャ》は風向きを変え、ひらひらと舞う羽は、突風で矢雨のごとくソルシエールに放たれる。 羽で全身を刺し貫かれたソルシエールからは、次々と黒猫が現れていく。
『フシャアアアアアアアアァァァァアア!!』
『うな゙ぁぁあああああああああああああッッ』
目を血走らせる黒猫達の迫力たるや!
迫害された怨み辛みを込めた咆哮をあげ、ラズロルに歯牙を突きたてる。
「教えてよぉ。今まで正義の名の下に、相手を口汚く罵って『どうやって惨めに赤っ恥を晒させてやるか』を競いあうのは楽しかった? 相手の揚げ足をとろうと、知恵者ぶった“ご立派な振る舞い”は誇らしかった?」
黒猫の魔女は、その光景を、ずっと目の当たりにしてきたのだろう。
「あははっ、最高に気持ちよかっただろうねぇ!? ――欲望を剥き出しにして、醜いったらないわ!」
ヒトの持つ悪性/残忍さに憤怒を滲ませていた。
善戦🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【現の夢】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
亀甲・桐葉
(トレインチケット)
桐生・椿
(トレインチケット)
殺伐とした戦場では、桐生・椿(あげぽよ妖狐のバウンサー・g03488)のゆめかわランスも、心和ますにはもう二歩、三歩足らず。
「みんながみんな、そんなダサいことする訳じゃねーしっ! あーしは……イツメンの前でも、胸を張ってられる自分でいるって決めてんだから!」
椿は鬼きゃわランスとは裏腹に、豪快な突撃で《デストロイスマッシュ》をソルシエールにぶちかます。
「か、はっ……! あなたはそうでも……イツメンって人も同じ、って言いきれるの!?」
力強い一撃に対し、ソルシエールは燃え盛る黒い猫を召喚し、椿めがけて解き放つ。
猫は燃え尽きる姿を見せつけるように焼失し、椿の身にも、いつの間にか炎が燃え移っていた。
「……それほどまでに、憎いんですね。“ヒト”が。自分を焼き殺した者達が」
前衛に立つ者を援護するように、二丁の拳銃を亀甲・桐葉(みずいろ・g00109)は握り締める。
「“正義の為なら、どんな制裁も許される”――そんな風に勘違いした、醜くて、穢らわしい連中を一掃できるところだったのにね。それをあなた達は邪魔したの!」
怒りに燃えるソルシエールの叫びに、
「でも、この村の人達も同じ考えか……それが証明できない以上、あなたの“悪意ある行為”は認められません。――認めてはいけないんです!」
少しだけ目を伏せてから、桐葉は魔女に銃口を向けた。
《花ぐもり》で、小石をパラドクスのこもった弾丸に変換し、黒猫の魔女めがけて引き金を引き続ける。
血にまみれていく、魔女の肉体から《百万回死んだ猫》が顔を出し、桐葉は飛びかかってきた黒猫にも銃口を向けた。
その隙に炎を振り払った、椿が再び攻勢を掛ける。
「殴られたから同類も殺すまで殴り返すって、そんなん過剰防衛ってヤツっしょ!」
爛れて引き攣る肌から伴う痛みを堪えながら、椿は果敢に挑んでいく。
それを、桐葉の銃弾がアシストするように魔女を撃ち抜いてみせる。
「なによ……何よ何よ何よ!! 結局、自分達の正義を振りかざしたいだけじゃない!? あなた達も火炙りにして野晒しにしてあげるわ!」
“執念”という昏い炎がソルシエールを焚きつけていた。
傷つけども、道連れにしてやろうと、怨嗟の声をあげ続ける黒猫の魔女……だが、その身から絞りだされる黒猫達の意気は確実に落ちている。
善戦🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【書物解読】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!
クロエ・アルニティコス
この時代の一般人であれば、罪の意識もあるでしょうから感じ入るところはあったかもしれませんね。
ですが、私たちは知っています。
ここがディヴィジョンで、お前たちに都合良く改竄された結果の世界だと。
私たちにあるのは同情や共感ではなく……都合の良い世界で残虐な行為を正当化するお前たちへの怒りです。
魔女として、成すべきことを成しましょう。
保険として人が逃げた方向へは【防衛ライン】を使用し、エイレーネ、娑婆蔵と立ち塞がります。
直接的な傷口を作るパラドクスは使わず【ヘカテー・アコニタム】を使用。
冥府への引き摺り込みは行わず、伸びる腕で生命力を少しずつ奪うにとどめ、敵に「勝てる」「形勢有利」と思わせましょう。
黒猫の呪詛で同じ傷……こちらの生命力が奪われても、加減をして攻撃していれば大きなダメージにはなりません。
エイレーネが隙を作り、敵が攻撃を仕掛けようとしたところで冥府への引きずり込みを行い、一気に仕留めにかかります。
●制裁する快楽
鬼気迫るソルシエールの激憤が、クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)を冷静にさせた。
「この時代の一般人であれば……罪の意識も、感じ入るところも、あったかもしれません。――ですが、私たちは知っています」
三相の杖をソルシエールに向け、クロエ自身も真正面から見つめる。
「ラ・ピュセルも“改竄世界史”であり、お前達に都合よく改竄された世界だと……このグランダルメと同じように、です」
歪められた常識。異なる歴史。存在し得ない技術力。
あるべき時代の姿を変質させたのは、クロノヴェーダ達だと……クロエは主張する。
「私たちにあるのは、同情や共感ではなく……都合の良い世界で、残虐な行為を正当化する……お前たちへの怒りです」
自棄になって村を焼かせてはならない――【防衛ライン】を敷き、侵入に対する防衛策を施し、
「魔女として、成すべきことを成します。私の“生き様”……その目に焼きつけて逝ってください」
弱り目のソルシエールへ《ヘカテー・アコニタム》を発動。
現れた冥府の門から無数の腕が伸びる。
生命力を簒奪するパラドクスだが、掴んだ腕に皮フを引き千切らせれば、それも“傷口”と言えよう。
裂けた皮フから飛びだす黒猫を抑えつけようと、冥府の腕を伸ばすが、すり抜けた黒猫は鋭い爪でひっかいて引き千切る。
――だが、ソルシエールにはそれ以上、抵抗できる余力はなかったようだ。
戦術エフェクトである【ダメージアップ】により、威力の増していたパラドクスが、黒猫の魔女の足を掴んで引き倒す。
「ふふ……忘れない、ことね……愚かな民衆の……醜悪な、本性を……――!」
今際の際まで憤怒の炎を滾らせ、ソルシエール・デュ・シャノワールは消滅した。
「正義の名の下に、相手を口汚く罵る楽しさ……ですか。制裁という“愉悦”に私も呑まれぬようにしませんと、ね」
閉ざされた冥府の門は地の底へ向かい、クロエは祈るように瞼を伏せる。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!