リプレイ
エレオノーラ・アーベントロート
ふぅん。
天海との交渉もありましたし、天魔武者は七曜の戦は見に回ったと。そういうことですわね。
エゼキエルとの戦にちょっかいをかけてきたニンジャはブチ殺しましたけれど、うふふ。
オーストラリアで冥海機に与えた打撃は決して小さくありませんわ。
冥海機が沖縄の奪還に来るとしてもいつになることやら。
でしたら――沖縄、貰ってしまいましょうか。
ごきげんよう。沖縄を頂きに参りましたわ。
海沿いの集落到着後【水面走行】で海上を駆け、戦闘を行いますわ。
左右への移動でレパルス・ドルフィンからの砲撃の直撃を避けつつ、電磁レールガン「フェアレーター」を構え、接近してくるレパルス・ドルフィンを迎え撃ちましょうか。
「第五十の魔弾【寸裂】」を投射。こちらへ迫るレパルス・ドルフィンを刃の弾幕で切り裂き、接近される前に海に沈めましょう。
あちらは烏合の衆。さっさと海の藻屑にしてしまいましょう。
わたくしに油断も慢心もありませんわ。
純然な事実として――わたくしの方が強いというだけですもの。
何処までも広がる青い空。碧の海。
その海面をエレオノーラ・アーベントロート(Straßen Fräulein・g05259)は疾駆していた。
彼女の前に立ち塞がるのは数名のトループス級冥海機『レパルス・ドルフィン』。人と高速艇、そして海豚の合いの子の様な冥海機はしかし、今や、彼女に翻弄され、個別に撃破と言う憂き目に遭っていた――。
「ごきげんよう。沖縄を頂きに参りましたわ」
海面を駆ける彼女が冥海機相手に立ち回りを始めたのは、ついぞ、先程の事。
海上を駆け、電磁レールガン『フェアレーター』を繰りながら派手に、しかし、着実に一体ずつを撃破していく。
対するレパルス・ドルフィンたちもやられるがままではない。砲撃を繰り出しながら、エレオノーラへ肉薄。そのまま体当たりを敢行するも、しかし、その一撃は空を切っていた。
「お、おのれ! 襲撃者が!」
「あらあら? 歴史侵略者に言われたくありませんわよ?」
柔やかに。むしろ優雅さを覚える立ち回りで海面を走るエレオノーラは、そんな微笑を浮かべては砲撃を繰り出していく。
彼女から放たれる魔弾は『第五十の魔弾【寸裂】』。文字通り、複数の刃と化した弾丸は刃の弾幕を敷き、冥海機達を縦横無尽に斬り裂いていった。
(「天海との交渉もありましたし、天魔武者は《七曜の戦》は見に回ったと。そういうことですわね」)
しかし、と内心唸る。
《七曜の戦》が終わり、今や、本格的な攻勢を掛けてきた、と言う事だろうか。ならば沖縄本島の襲撃は前哨戦に過ぎなかった訳だが、見に回る割に、些か乱暴すぎないかと思えてしまう。
(「沖縄本島を制した天魔武者の名は、島津でしたわね」)
薩摩の蛮族とも揶揄される彼らの思いが何処にあるのか。それはエレオノーラには判らなかったけれども。
「ともあれ、オーストラリアで冥海機に与えた打撃は決して小さくありませんわ。冥海機が沖縄の奪還に来るとしてもいつになることやら」
本島海軍施設への襲撃、そして離島水際防衛戦を経て、周囲の冥海機は疲弊している。此処に遺されたレパルス・ドルフィンたちにしても、統制を失い、烏合の衆と化している。それが、冥海機の窮地を告げているようでもあった。
ならば、とエレオノーラは内心で笑う。
(「でしたら――沖縄、貰ってしまいましょうか」)
油断も慢心も無く、ただ事実を笑う。それだけの実力を復讐者達は、そしてエレオノーラ自身は有している。故に、冥海機達を掃討する。ただそれだけであった。
繰り出す魔弾はレパルス・ドルフィンたちを穿ち、海へと沈めていく。対する砲撃も吶喊も、しかし、エレオノーラを止めるに至らない。却って被害を広げていくのみであった。
「ただの烏合の衆と化したあなた方に比べ、わたくしたちは強かった。ただそれだけですわ」
その戦働き、まさしく一騎当千。
純然たる事実を冥海機達に突き付けながら、エレオノーラは海面を駆け抜けていった。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水面走行】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
長月・夜永
▼ライブクッキング!!
アドリブ大歓迎♪
自由に楽しく書いて下さい
ジリジリと照り付ける太陽
青い空に青い海🌊
そうココは真夏の沖縄!!
灼熱の道を
キャスタータイプの旅行カバンをゴロゴロ引っ張り
アロハシャツに黄色のサングラスを掛けてバカンス姿の夜永ちゃん
ん~何?何?
何不景気な顔してんのさ?
(物怖じせずに絡んでいきます)
腹が減っては戦は出来ぬ!
戦はしない?
まぁまぁ、とりあえず、お腹いっぱいご飯でしょっ!
ババッと旅行カバンを開け
調理用具一式を広げます。
沖縄の郷土料理を習うのが目的だったんだけど、まぁ一石二鳥ってね
地元の人達と交流を持ちながら
内陸部で生産された限られた食材で創意工夫
食材も少ないと来れば
【口福の伝道者】で増やすしか無いでしょ?
定番といえばチャンプルーかな?
後は、ラフテーにシリシリ?
サーターアンダギー?
あっ、おじさん増やせると聞いて、しれっと焼酎、泡盛持ってこないでよ
そんな寂しそうな顔しない
可愛くないから
あぁもぅ飲めば良いんでしょ?
日が暮れれば、大量の料理と共に
三線の音色と笑い声が響きます
百鬼・運命
心情
さてと沖縄本島の生活再建かあ
まずは邪魔な冥海機は駆逐されたみたいだし、こっちをしっかりとやらせてもらおうか
行動
長月さんと連携
【口福の伝道者】だけだと一時的かな?
こっちは農作業が出来るように畑を作るとしよう
温暖だし【土壌改良】よりは【植物活性】の方がいいかな?
畑に植える為の種なんかの方も必要そうだ。亜熱帯向きで早めに収穫できるもの中心にこちらも手配して持ちこむとしよう
まあ畑を作らなければいけないからそこらへんは耕すのを手伝うとして、種を植えたら【植物活性】
収穫まじかの状態までもっていっておけば、後は持続的に自給できるかな?
植物が育ち切るまでは長月さんの手伝いだ
なんだか賑やかになってきたな
此方も楽しむとしよう
さて宴会も一息ついたらちょっと翔鶴との撤退戦があった海の方へ
先の戦闘で沈んだ避難民に、手を合わせておこう
次は翔鶴を必ず墜とす
「ジリジリと照り付ける太陽! 青い空に青い海! そうココは真夏の沖縄!!」
冥海機達が駆逐された海岸で、元気な少女の声が上がる。
何を隠そう、長月・夜永(は普通の女のコである・g03735)の声であった。アロハシャツに黄色のサングラスと、バカンスの様相がとても似合う少女であった。巨大なキャリータイプの旅行鞄をゴロゴロ転がす様は、何処からどう見ても恥ずかしくない観光客である。
一見、只の観光客風な彼女達は、しかし、その実、観光客などではない。改竄世界史冥海機ヤ・ウマトの沖縄に、わざわざ観光目的で訪れる者など、いるはずも無かった。
そう。ならば、彼女達の目的こそ――。
「まずは邪魔な冥海機は駆逐されたみたいだし、こっちはこっちで生活再建の任をしっかりとやらせて貰おうか」
しっかりと仕事モードな百鬼・運命(ヨアケの魔法使い・g03078)は、静かになった海を見やる。
つい先程まで、冥海機と復讐者との死闘が演じられていた海は、今は静かだ。統制を失っていたとは言え、あの数の冥海機を単独で撃破した仲間には頭が下がる思いだった。その思いには応えなければ、と運命は強い決意を抱く。
「ん~何? 何? 何不景気な顔してんのさ?」
「いや、長月さん?! 来た目的、覚えている?!」
決意を抱き直した筈だったが、決壊までの時間も早かった。どうも彼女に絡まれると弱い運命であった。
そんな彼をともあれ、まあまあといなした夜永は、一呼吸置いた後、手近な住人へと声を掛けていく。
「こんにちはー! 料理を憶えに来た観光客です!」
その第一声に、住民達からは胡乱な瞳が向けられていた。
そして、時計の針は少々時間を飛ばすことになる。
天頂の日が下り始め、当たりに朱の色が差し始める頃合い。額に汗を浮かべる少女、夜永は――巨大な中華鍋を振い、お玉をくるくると操っていた。
「いやー。話し合えばわかるもんだね!」
「……まあ、確かに、そこは長月さんの人柄、と言う気がするけど」
柔やかな笑みを浮かべる夜永に、運命はむむっと唸る。【友達催眠】の様な有効な残留効果は無く、ほぼ体当たりな接触になってしまったが、ともあれ、二人を住民達は受け入れてくれたようだ。
「まあ、新婚さんが遊びに来て楽しい場所でも無いけども……」
と、良く判らない納得をされた気がするが、それは無視する事にした。排斥力や復讐者特有の曖昧にする能力があるとは言え、下手に反論して色々と探られても面倒だ、との判断だった。
「沖縄と言えばチャンプルー、シリシリ、ラフテーにサーターアンダギーかな?」
夜永が挙げた何れもが、この地方を代表する名物料理である。それらをフル回転で製作しているのだ。額に汗の珠が浮かぶのも、当然と言えば当然であった。
「とりあえず、ゴーヤとかを植えて【植物活性】を施しておいた。3日もあれば収穫出来ると思う」
これは、先程まで畑を耕し、種を植えていた運命談である。食糧を持ち込んだり増やしたりしても、一時的なこと。ならば、食糧を得る場所を整備すべきだ、とは彼の考え。それが是か非かまだ判らない。だが、そんな重労働に従じたお陰か、住民達の当たりはなんだか良くなったようにも感じる。
(「多少は仲間意識が芽生えた……って感じか」)
一人納得する運命であった。
ちなみに、料理に精を出す夜永と、畑仕事に尽力する運命の二人に対し、「あの新婚さんの旦那さんと奥さん、双方働き者でいい夫婦だねぇ」などの噂が住民の間で飛び交っていたのだが、幸い、まだ二人の耳には届いていなかった。
「まあ、新宿島から食材はいくつか持ち込んでるし、【口福の伝道者】もあるから大丈夫でしょ?」
と言うわけで、と次々と料理を作る夜永を手伝いつつ、運命もふむ、と唸る。
「畑を整えて沖縄住民の生活再建の礎を作った。だから、俺達の仕事はここで終わりなのだけど」
「そう言う訳に行かないよねー」
そうして出来上がった料理を――或いは二人こそを肴にと、住民達が何故か集まり、宴会へと発展していた。
焼酎、泡盛片手に陽気に歌い出す人間もいる始末だ。中華鍋を振るう夜永の横では、老齢女性がこれまた器用な手さばきで、次々と魚らしき何かの唐揚げなどを拵えていく。
「お前さん、立派なお嫁さんになるよ」
「えへへ。ありがと。おばあさん!」
屈託ない笑顔を浮かべ、住民と交流する彼女にどの様な声を掛けるべきか。
何となくいたたまれなくなった運命は、大仰な溜め息一つ零すと、その足で海岸へと歩を進めた。
広がる海。その先には台湾があり、そして、自分たちの戦った場所がある。
あの地で何が起きたか。誰が犠牲になったのか。それを運命は知っている。それが、彼の胸に棘となって残っている。避難民を、随伴艦を盾にする作戦は今一歩の処で実を結ばなかった。だが、あのジェネラル級を討ち取るには最善の策だった……筈だ。少なくとも、運命はそう信じる。そう信じなければ、あの時生じた犠牲が全て浮かばれない結果になってしまう。
「あーっととっ。おつまみまだあるから! 増やせるからってそんなにかぱかぱお酒を開けないで! 広げないで! えーって寂しそうな顔しない! おじさんがそんな表情をしたって、可愛くないから!」
静かに目を伏せ、手を合わせる彼の背後では、そんな賑やかな声が広がっている。
どうやら夜永は調理から、宴会へ場所を移したようだ。むしろ、担がれ出されたのでは? と言う気もする。
元より、二人を肴にするべしと集まった住人達だ。そろそろ我慢が利かなくなってしまったのだろうか。
「……なんだか賑やかになってきたなぁ」
運命は苦笑を浮かべると、再度、手を合わせる。
鎮魂の祈りはそれで打ち切り。そして彼は宴会場へと戻っていった。
「仕方ない。此方も楽しむとしよう」
幸い、夜永も運命も二十歳を超えたいい大人だ。焼酎も泡盛も怖くない。南国の飲兵衛とやり合うつもりもないが、とは言え復讐者の矜持もある。簡単に飲まれるつもりもなかった。
朗らかな笑い声と、三味線の音。そして、夜永を中心に奏でる幸せそうな歌声が響き渡る。
日が落ちかけたその向こうで、運命の植えた黄色い花が、ゆらりと楽しげに揺れていた。ゆらり、ゆらりと、楽しげに。緩やかに。ゆらり、ゆらりと。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
【植物活性】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
そして、草木も眠る丑三つ時。
宴もたけなわとなり、人々が眠りについた頃合いであった。
ざっと砂浜を踏みしめる影があった。それはトループス級天魔武者『天魔武者・ジゲン流剣士』とアヴァタール級天魔武者『島津義弘』からなる軍勢であった。
「この辺りにはまだ冥海機の奴らが残っていると思っていたが……どうやら、何かがあったようだな。何処にも姿が見当たらねぇ」
金棒を砂浜に突き刺しながら顎を撫でる島津義弘。その物言いは山賊の頭領そのものであった。
まあ、野盗である事には変わり無い。何故ならば。
「飯の匂いじゃ! 酒の匂いじゃ!」
「まだこんなに隠していたか! 奪い、ボロボロにし、圧政を敷かねば! のう。親父どん!」
「ひゃっはーっ!」
配下のジゲン流剣士達達はこんな感じである。島津義弘が苦み走った表情を浮かべるのも無理は無かった。
「まあ、程々にな。ともあれ、あの集落を押さえ、儂らの領土としてしまうぞ! いけ、てめえら!」
「応!」
斯くして深夜の海岸に、天魔武者の砂地を踏みしめる音が響き渡っていく。
其処に慈悲はない。其処に遠慮は無い。ただ、集落を制圧し、踏み躙るため、彼の軍勢は歩を進めるのであった。
ナイン・スカーレット
アドリブ・連携歓迎
早速パートナーと仲間に合流。
パートナーと仲間の間に怪しいオーラを感じるけど一先ず、それは置いておく。
戦術としては、薩摩藩の人間の初撃は避けろだったかな?
私の戦術としては弓による遠距離からの援護射撃するよ。
早業で矢の充填速度を早くするイメージ。
あとは、パラドクス「幻解・神ノ矢」で攻撃するから近接戦にならない様に注意はする。近接戦でも矢は放てるけどね。念には念を。
可能な援護範囲に居る仲間達の分は無理のない範囲で撃ちます。
局所狙いで可能なら
遊びは一切無く、無慈悲に武器や、腕を狙います。
薩摩藩の人間は初撃で倒す、なら武器を破壊若しくは構えている手を吹き飛ばせば仲間への脅威は多少は軽減するでしょう。さもなくば機動力を削る為に脚を狙う、討てる手段は全て実行します。安全第一、ヨシ!で、済ます猫じゃないので、数減らしも視野に入れて攻撃。
フレンドリファイアはありえないよ
あくまで可能な範囲の為全部カバーする気は無いのでお手伝いお願いします。
戦術の基本は相手の嫌がる事をしろだからね。
長月・夜永
★アドリブ&連携大歓迎
▼あれ?様子がおかしいぞ?
運命さん、たいみそーちー
宴席から離れて
水を飲み夜風に当たりながら一息
住民達から聞いた周囲の情報を運命さんと摺合せ
そんな最中、別働隊のナインから敵接近の一報が入ります
((あれーなんかナイン不機嫌だぞ?))
一抹の不安を覚えつつ
全身にバチッと雷を纏い、直ぐに当たりをつけた現地に急行します
▼ちぇすとーーー
お待たせ相棒!!
おおぅ、あの独特な構えって示現流?『『一の太刀を疑わず二の太刀要らず』』て奴じゃん?
まぁ、なんくるないさ~
高レベルの電撃使いを舐めんなよ
手を前に突き出して自身に強力な磁力を帯びさせて強制的に敵を引き寄せ
『雷纏い地を砕く雷鳴の咆哮!!』
【忍法・雷鳴咆哮】発動
対象を引き寄せたジゲン流剣士に指定
発勁のような素早い掌打を叩き込み、そのまま弾丸替わりに敵軍に向けて発射
巧くダブルが発動出来れば
次は自身を対象に、爆発的な瞬間加速で一瞬で敵陣に斬り込み戦場をかき回します。
また状況がヤバければ、一気に距離を稼いで退避しま。
百鬼・運命
心情
さて、縁もたけなわだけど、無粋な客が来たようだ
こっそりと宴を抜けだすとしよう
まあみんな酒も回ってるし、新婚の夫婦と思われている男女が夜に姿を見せずともそう騒ぐ者もいまい
戦闘
さてと、編成的には前衛に回った方がいいかな
此方が派手に動いて注意を引けば忍者と弓兵が動きやすくなる
大太刀を構えてジゲン流剣士の前に立ちはだかろうか
対示現流は初太刀を外せとは言うがそれがなかなか難しい
相手が複数ともなればなおさらだ
蛟龍乃太刀を使用して正面から斬り合う姿勢を見せつつ
殺気を操ることで此方の攻撃タイミングや位置を誤認させ
タイミングを外すことでかわしていこう
最初の斬撃は敵のタイミングを乱すためのフェイクで切り返しの二撃目が本命
二撃目をフェイクに一撃目を本命として叩きこむ動きも混ぜ、敵に対応させない様に立ち回ろう
前線で斬り合いながら、フレンドリーファイアを食らわない様に後ろに目を付けたつもりで殺気や統率技能で仲間の位置関係を把握
此方の動きを囮に攻撃してもらおう
回避行動がそのまま味方の攻撃へとつながればベストだな
草木も眠る丑三つ時。しかし、未だ眠りを享受しない者も存在している。
百鬼・運命(ヨアケの魔法使い・g03078)もまた、その一人であった。
ざっと砂浜を踏みしめる音。そして、ただならぬの殺気。相当の使い手が近くまでやって来ていることは明白だった。
(「さて、無粋な客が来たようだ」)
宴も終局して少々時間が経過している。
だが、それでも運命が睡眠に至らなかったのは、一重にあれだ。
「ほれほれ。若いモンはやることあるじゃろ?」
「おーい。そう言うのはやめとけー。ジジハラババハラちゅーもんじゃぞ?」
「ババアはハイカラな言葉をすぐ使いたがるなぁ」
「はっはっはっは。いや、愉快愉快」
とかなんとか、住民達に煽られたからとかそう言う事では無い。
尚、ハラスメントの概念は既に1845年には存在している……とする説もある。よって、住民達が冗談の様に口にした文言も、冥海機ヤ・ウマトでごく当たり前に使われていても不思議は無かった。あーでも、鬼畜米兵の言語なんか使うなとかそう言う時代でもあったか? とも悩んでしまう。冥海機ヤ・ウマト内で日本とアメリカが明確な敵対関係に見えない以上、そこまでは厳しくないのだろうか、とも考えてしまう。
(「いかんな。考えすぎは俺の良くないところだ」)
ともあれ、今はこの殺気の原因へ対処する必要がある。おそらく天魔武者、島津の軍勢だ。それらを一網打尽にすべく、砂浜へ一歩踏み出した運命は――。
「なんか怪しいオーラを感じる……」
砂浜に待機していた人影に、射貫くよな視線を向けられてしまった。
遅れて到着したらしいナイン・スカーレット(覚醒者・g07595)である。パートナー……即ち長月・夜永(は普通の女のコである・g03735)と運命が先程まで行っていた情報収集に、何なら、むしろ多大に思うところがあるらしい。
「運命さん、たいみそーちー」
刹那、身構えてしまった運命へ、背後から声が掛かる。件の夜永であった。まだ酒が残っているのか、頬が朱に染まり、なんだか色っぽい。
……ではなくて。
ちなみに「たいみそーちー」とは沖縄方言で『お疲れ様』の意の様だ。すっかりと夜永は沖縄に染まってしまったらしい。なんだかほのぼのとする。
いや、そちらもそうではなくて。
「皆さんから聞いた周囲の情報を摺り合わせようかと……あれ? ナインも来てたの? たいみそーちー」
和やかにナインに向かって片手を挙げる夜永。しかし、対するナインは「むぃ」と短い文句と共に片手を挙げたのみであった。
(「あれーなんかナイン不機嫌だぞ?」)
一抹の不安が誤るが、だが、其れも刹那のこと。
直後、己の身体に電撃の如き衝撃が走るのを感じ、夜永は夜の砂浜に得物を引き抜き、身構えた。
「……流石、長月さんも気付いたか」
運命の言葉に、成る程と頷く。この殺気を感じたから彼はごろ寝していた宴会場から飛び出したのだ。それは、即ち、敵襲を意味していた。
「チェェストォォォォ! 御用改めである! 宴をする程の贅など、認めておらんぞーっ!」
砂浜を踏み出し、現れ出でたのは島津の赤鬼こと、アヴァタール級天魔武者『島津義弘』、そしてその配下のトループス級天魔武者『天魔武者・ジゲン流剣士』達であった。
「と言うか『御用改め』は江戸時代の言葉だろう! まして、島津が使うんじゃない!」
しかも、有名なそれは島津と最終的に敵対した新撰組――旧幕府軍の歌い文句だ。流石にいい加減にしろ、と運命が大声を上げても致し方なかった。
だが、当の島津義弘はがっはっはと笑うのみ。彼に明治維新の知識はない(筈)なのだが、何やかんやでそんな言動をすることに謎の理不尽さを憶えてしまう。文句の一つでも浮かぶのは致し方なかった。
「薩摩藩の人間の初撃は避けろ!」
「あの独特な構えは示現流? 『一の太刀を疑わず二の太刀要らず』て奴じゃん?」
ナインの怒号に対し、夜永がふむと頷く。すっかり酒は抜けきったのか、「なんくるないさ」と軽口を叩いては、己が身体に電撃を纏い、ジゲン流剣士達の真っ只中へと吶喊していく。
「雷纏い地を砕く雷鳴の咆哮!!」
所謂レールガンの要領で掴んだ何かを激しく打ち出すと、その破壊を問わずジゲン流剣士へと叩き付けていく。都合、3体程の敵が吹き飛ぶ姿を見届けた夜永は、その場でにんまりと微笑を浮かべ、そして。
「この幻想に眠るは神々の祝福、つがえた矢に祝福と力を与え賜え、神の力を知るが良い」
すっと身を引けば、其処に飛び込んでくるのは弾丸の如き矢の一撃だ。
射手の名は勿論、ナイン・スカーレット。フレンドリーファイアなどあり得ないと息巻く彼女は、夜永達の動きを数ミリ単位で読み取り、その間隙を縫ってジゲン流剣士達を狙撃していく。
そう。ジゲン流の初撃は受けるべきではない。ならば、初撃の前に倒すべし。
ナインは己が役目を熟知していた。故に、彼奴らの動きを制限するべく、ただひたすら、弓を引き矢を放つ。さながら、その姿は機関砲台の如きであった。
「御太刀、重ネテ分カツベシ」
やるなぁと頷く運命は、己が対峙するジゲン流剣士達に幻影の刃を浴びせ、その中に混じる実刃を叩き付けていく。返す刀は一撃必殺の重撃だったが、それが運命の下に届くよりも早く、ジゲン流剣士は地に伏せていく。
ナインの放つ速射がその甲冑を砕き、彼奴に死と言う刻印を与えていたが故に。
「大丈夫。フレンドリファイアはありえないよ」
夜永に続き、運命にも同じ台詞を向ける彼女の表情は何処か冷たく、仲間である筈の運命もぞっとしてしまう。心底から味方で良かったと、思わざる得なかった。
その一方で、
(「フレンドリーファイアを喰らうつもりもないけどな」)
と、内心で呟くぐらいには強かでもあった。仲間からの殺気すらにも気を配る運命に、死角などあり得ないのだ。多分。
「かっはっは! 流石はディアボロス! 相手にとって不足無し、と言う奴だな!」
バチバチと零れる殺気をどう取り違えたのか。
ナイン、夜永、そして運命に配下が打ち倒されながら、しかし、島津義弘は愉快そうに、豪胆な台詞を口にする。
「あれ? もしかして、あのアヴァタール級、物凄く強者?」
「まあ、島津義弘だしなぁ……」
「それなりに、有名人」
夜永の呟きに、運命とナインの言葉が重なっていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【神速反応】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
【ダブル】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV1が発生!
長月・夜永
▼アドリブ&連携大歓迎
ふーん、ソレなりに有名人なんだ?
見たまんまのパワータイプ相手に
真っ向から喧嘩吹っ掛けるような立ち回りはしないよ?
瞬時に複雑な印を結び
『白い夢に堕ちろ....忍法・白霧!!』
広範囲に先が見通せない程の白霧で覆います
瞬時の連携もこのメンバーだからこそだよね★【完全視界】サンキュー感謝、そしてありがとう♪
鬼さんこちら~
ブンブン振り回すだけじゃボクには当たらないぞ
周囲の気温を急激に低下させることで、対象の身体をじわじわと浸食して、様々なデバフを与えて動きを鈍らせます
ふふ金属鎧は尚更良く冷えるでしょ♪
はいはい、動きが鈍いよ
ざーこざーーーこ★
霧を吹き飛ばして突進してくるだのは想定済み...まぁ術者がジッとしてる必要はないよね?
相手が見えないのを良いことに
進行方向にしれっと【トラップ生成】で落とし穴を作成
足止め出来れば大成功、ハマってくれたらガッツポーズだね
ボクがトドメは考えてないんだよね~その分、仲間が動きやすいように徹底的に嫌がらせを行います
百鬼・運命
◆心情
さてといよいよ本番か。
長月さんも酒が残っているが大丈夫ではあるようだ
敵は七曜の戦で復讐者を警戒したことで手強くなったという
力押しは通じにくいだろうな。味方ときっちり連携して行こう
しかし甥の豊久がジェネラルで、叔父の義弘がアヴァタール級か…
島津四兄弟全員ジェネラル級とか言うよりはましだが、油断できんな
◆行動
ひき続き前衛を担当
大太刀と迦具鎚による近接戦で、動きを抑え込みにかかる立ち回り
長月さんが白霧で視界を妨害にかかるのに連携し、此方の視界確保のために完全視界を活性化しつつ、視界妨害と夜闇を利用して暗夜の一撃を決めていこう
また敵の攻撃力突進力は脅威になるだろう
迦具鎚による爆砕鎚の爆発機構で砂浜の砂を巻き上げ、叩きつける事で目潰しで追加で視界を封じたり、たたきつける砂で敵の攻撃の勢いをそぐ。味方の攻撃タイミングを意識して合わせるなど、ちょいちょい妨害も挟んで、その勢いをそぐことで、何とかいなしながら切り結ぶとしよう
ナイン・スカーレット
アドリブ&連携歓迎
さて、島津相手は近接は危険だし引き続き援護しようっと。
斬り結ぶ道理は無いし、やるなら持ち手や関節部を狙うかな、特に武器を振り下ろす瞬間や二の太刀要らずとは言え複数狙いなら尚の事。脚もありかなーバランス崩させる要領で機動力削り。
ん?動き的に相棒はトリじゃない感じなら他のメンバーの援護を主にするかな。
神々の力を知れ
幻解・神ノ矢
さて、パラドクス発動したら神様選択と言っても読み解けたのは2種類の力だけ、閃光での目眩しは霧が発生してるし意味のない可能性と言うか、居場所知らせるだけなら一択。
創造神の力を借りるかなー。
「矢に番しは創造神の力、この一撃を黄泉路の駄賃として受け取りなさい」
ブラフマーストラ!!
の一声と共にパラドクスを乗せた矢を放ちます。手脚のいずれかの破壊、パラドクスに影響を与える物に一撃を与えられて味方への被害を最小限に留めます。
一発撃って終わりでは無く援護でパラドクスを発動したまま、ニ射、三射と早業を応用して援護。
尚距離は離れすぎない様に気を付けて攻撃。
エレオノーラ・アーベントロート
そうは言えど、所詮は紛い物ですわ。
シマヅ?をご存じなら言って差し上げないと。最終人類史にその名を遺すシマヅは、こんな鉄屑ではない、と。
うふふ、遅参ごめんあそばせ。あんまりにも沖縄の陽気が気持ちよくて、寝入っていましたわ。料理もお酒も美味しいですし、いいところですわね。
侮っているわけではありませんわよ?
例えあなたが本物のシマヅだとしても、何が変わるわけではありませんもの。
どのみち――わたくしが上ですわ。
「鬼神変」を使用し、腕を異形巨大化、強力にて真正面から大金棒を振り回す島津義弘に対して、こちらも真正面から、鬼人の怪力と素手で相手をしましょう。
金棒の一撃を受け止め、棘が刺さるのも気に留めず、鎧型の装甲を剥ぎ、力づくで粉砕し、上段からの一撃で叩き潰しますわ。
所詮は紛い物、そう言いましたわよね?
鬼島津だかなんだか知りませんけれど――本物の鬼が、ここにいますのよ。
「かっはっはっは! 威勢の良い若造共め! 面白い! この鬼島津こと島津義弘が相手してくれよう!」
音の響きだけ聞けば好漢な台詞を口にし、アヴァタール級天魔武者『島津義弘』がぶうんと鉄棒を振り抜く。虚空を舞う鉄棒はその膂力故だろう。高速で旋回し、沖縄の夜を割るほどの音を響かせていた。
「あれが鬼島津……? ふーん。ソレなりに有名人なんだ?」
歴史には疎いのだろう。にへりと笑う長月・夜永(は普通の女のコである・g03735)に、たははと百鬼・運命(ヨアケの魔法使い・g03078)が微苦笑を向ける。
島津義弘。最終人類史では島津家17代当主に数えられた人物である。その活躍は戦に準えた物が多く、朝鮮の役では『鬼石曼子』と怖れられ、後の関ヶ原の戦いでは『島津の退き口』と呼ばれる捨て奸先方で名を馳せていた。まあ、要するに、後世の脚色があるやも知れないが、『島津』の名を世に知らしめるほどの恐ろしいまでの戦闘狂、それが島津義弘と言う存在であった。
その名を奪ったクロノヴェーダなのだから、相応の実力者だろう。それが運命の見立てである。
「そうは言えど、所詮は紛い物ですわ」
だが、それに対峙するエレオノーラ・アーベントロート(Straßen Fräulein・g05259)はクスリと笑う。
歴史に名を残す島津義弘は確かに兵で、それはエレオノーラも認めるところ。だが、彼奴は違う。ただ、名を奪っただけの存在だ。
「ま、ともあれ、島津相手に己が過信は禁物だ。近接に気をつけて。それと……援護するから」
ナイン・スカーレット(覚醒者・g07595)の言葉に、是と頷き、そして、復讐者達は散開した。
「かっはっはっは! 先のジゲン流剣士達との立ち会い、見事であった!」
弾丸の様に飛び出した島津義弘は、刹那に振りかぶった金棒を、夜永へと叩き付ける。はにゃっ?! と叫び声を残して、その身体は後方へ跳躍。一瞬遅れ、豪快な音が周囲に響き渡った。
「ひえー。見るからにパワータイプと思ったけども……」
ただの一撃でクレーター状に抉られた砂浜に戦慄する。
先のジゲン流剣士達もそうだったが、島津の一撃は重い。流石は一の太刀を疑わず二の太刀要らずである。その精神は彼のアヴァタール級の中にも脈々と息づいているのであろう。
「だったら、まずはその視界を奪ってあげる! ――白い夢に堕ちろ! ……忍法・白霧!!」
夜永の気合いと共に噴き出したのは、白い霧であった。
まるで雨の日、山道にガスが沸き立つよう、沖縄の砂浜に出現した霧は全てを覆い、白濁とした世界に染め上げていく。無論、それは島津義弘のみにあらず、復讐者達も同条件だ。五里霧中、一寸先は闇――もとい、霧。おそらく鼻先に立たれても気づかないほどの濃霧が、夜永を中心に沸き立っていた。
(「だけど、ボク達には【完全視界】がある!」)
落とし穴のトラップ共々島津義弘に打撃を与える夜永は、内心、にぃっと笑みを浮かべながら霧の中を跳び、或いは駆け回る。運命の敷いた【完全視界】は、彼女達に万感の視覚を与えてくれていた。この残留効果がある以上、島津義弘を見失う筈も無い。
「ふふっ! 【完全視界】サンキュー感謝、そしてありがとう♪ そしてその金属鎧ではこのパラドクス、よく効くでしょう? ふふ、金属鎧は尚更良く冷えるよね?」
勝利を確信する夜永に、しかし。
再度の金棒が舞う。まるで彼女の居場所を把握していると言わんばかりの一撃が、しかし、夜永を逸れて虚空を斬り裂いたのは、二つの攻撃がその勢いを減じたからだった。
「矢に番しは創造神の力、この一撃を黄泉路の駄賃として受け取りなさい。――ブラフマーストラ!!」
ナインの放った神の矢は、寸分違わず島津義弘の肘を貫いていた。それが、狙いを逸らした一つの理由。
そして――。
「ごめんあそばせ。鬼島津だかなんだか知りませんが、本物の鬼がここにいますのよ?」
異形化したエレオノーラの怪腕が金棒を受け止め、激しい金属音じみた何かを響かせていた。鬼を自称する彼女の膂力は、まさしく鬼そのもの。島津義弘の金棒とぶつかり合い、一瞬にして均衡状態へと陥る。
「あー。長月さん。ちなみに、島津義弘に冷気は多分、効かない。それと、アヴァタール級に煙幕とか、結構効かないパターンが多い」
暗撃を繰り出しながら、運命が注釈を口にする。
「え? そうなの?」
むむ、と唸る夜永。前者も後者も彼女にとって初耳だった。
「朝鮮の役で、日本側に凍死者が続出する中、島津義弘率いる島津軍にはただの一人も出なかった、と言う逸話もある」
これは次々に矢を打ち出すナインから。普段のおちゃらけた――もとい、猫のような口調はどこへやら。神妙な口調は、むしろ、聞き入ってしまう程心地良いものであった。
「そして《七曜の戦》を経て世界は変容した。パラドクスによる副次効果は――おそらく余程、運命の女神に愛されない限り、敵を害し得ない」
「いや、つーか『視界に頼っている』って常識が、非常識なクロノヴェーダに通じないって言うか」
神妙なナインの台詞に、いや、それは以前からだぞ、と向けられる運命の反論。喧々諤々の議論を起こしそうな話題だったが、しかし、会話はそこで途切れる。
「どのみち! 叩き潰すだけですわ!」
「そうだね! 小細工が効かないなら、倒せばいい。それだけだよね?!」
エレオノーラと夜永の思考は至って単純だった。目の前の敵を倒す。ただそれだけ断ずる二人に、運命とナインは苦笑いを零し、島津義弘はがっはっはと豪快に笑った。
「それぞ兵! それぞ益荒男! いや、おごじょか? 強きものどもよ!」
「薩摩おごじょって『一歩後ろに下がり、男を引き立てる』みたいな奴じゃ無かったか……?」
褒め言葉なのか皮肉なのか判らない島津義弘の言葉に、運命は疑問を口にする。だが、それ以上の追求はやめることにした。この場にいる女性方は強い。それは疑うべくもない事実だったからだ。
「カッハッハッハ。尻に敷かれるのは辛いな。頑張れ。敵とは言え、応援しておこう!」
「ちょっと待て! 今、誰を指した?! 誰との事を言った?!」
軽口と共に放たれた大旋風を躱しながら、運命は目を見開く。だが、その抗議に返る言葉はない。仲間達も気にしていないのか、それ以上の追求がなかったのは喜ぶべきか。
ただ一つ、鋭い視線が注がれていた気がしたが、それは無視する事にした。こんな夜の沖縄で墓穴掘る等、出来れば勘弁、と言う奴であった。
「さて、貴方を倒しますわ。紛い物の鬼島津。そして、沖縄の料理とお酒を再度、堪能いたしますのよ。――ですから、そこに、おねんね下さいな!」
エレオノーラの拳は島津義弘の装甲を剥ぎ、金属片を周囲に散乱させる。圧倒的強者が放つ笑みに、しかし、島津義弘もまた、負けては居ない。
「かっかっか。そうはいかん! 可愛い甥っ子にドヤされてしまうわ!」
金属棒はエレオノーラの頭部を吹き飛ばすべく振るわれるものの、その思惑には至らない。腕、足問わず、彼の身体中に突き刺さったナインの神矢が、その一刀を防いでいた。
「アヴァタール級に島津義弘。ジェネラル級に島津豊久か。まさか一族総出で……って事無いよなぁ?」
より正確に言うと島津義弘はクロノス級で、その分身体が今目の前にいるアヴァタール級なのだが、まあ、些細な話だ。運命から零れた愚痴に似た台詞に、ふふんと夜永は鼻を鳴らして笑う。
「どんな敵だろうと倒す! それだけだよ」
改竄世界史天正大戦国にはまだまだ多くの強敵が待ち受けているだろう。その一体一体に臆しても仕方ない。そして、それは天正大戦国に限った話では無い。世界にはまだまだ数多の改竄世界史があり、最終人類史が取り戻した範囲など、その数割でしかない。そのシンプルな考えに、運命は「ま、まぁ」と頷き、ナインは何故か顔を輝かせていた。
「さて、名残惜しくもありませんし、先の通り、沖縄料理と泡盛が私を待っていますわ。ここで終わらせましょう?」
エレオノーラの宣言を皮切りに、数多のパラドクスが島津義弘に突き刺さっていく。
凍気混じりの霧は再び島津義弘を締め上げ、共に繰り出される暗撃、そして無数の神矢は彼を貫き、梳っていく。ナインの放つ神矢が砕くのは、鎧や関節のみにあらず。その頑強な肉体もまた、末で散弾の如く穿っては、破壊していった。
「流石は鬼島津。強かった、とだけは言っておく」
だが、それを復讐者達は上回った。だからこの場を制した。ただそれだけの話。最後の創造神の矢を紡いだナインの言葉に、島津の赤鬼こと、島津義弘はにやりと笑い。
そして、その笑みは横っ面からの拳で砕かれ、吹き飛ばされていった。
エレオノーラの旋回した拳は兜ごと島津義弘の顔を砕き、はるか彼方の海まで吹き飛ばしていく。海に落ちる音が響くよりも早く、その身体が光に包まれ消失したのは、殴打こそがその止めだったが故か。
「遺体の確認は必要なさそうだにゃ?」
全てを終えたと、ナインは仲間達に笑いかける。
そんな彼女を祝福するように、ただ、夜の海は静かな波音を携え、穏やかな空気を醸し始めていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【神速反応】がLV2になった!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV4になった!