リプレイ
クィト・メリトモナカアイス
ただいまー!
汝は我らの大事な船。
んむ、また無事に乗り込むことができてよき。
だいぶほっぽってたし、まずはお掃除しなければ。
ツタとか絡みついてないかな……
というわけでサフィーナ・ミウのデッキで最終人類史の地図を広げる。
んーと?エチオピアの南あたりということ。
ケニアもソマリアも奪還済み。とーなるとー……キリマンジャロのあるあたり、かな……?
というわけでまずは周囲を見渡し。
なんかひときわおっきい山があればたぶんそれがキリマンジャロ。たぶん。
おっきな山の方に進めー。
もし山が近くになければ計画変更。最終人類史では北西にヴィクトリア湖?とかいうめちゃでかい湖があるっぽい。このディヴィジョンにあるかは微妙だけれども北西へ。
途中で霧とかが出てもいいように、【完全視界】で視界を確保したらサフィーナ・ミウの頭に乗ってしゅっぱーつ。
ミウの破壊はさせぬように、巨獣に接近されぬよう警戒しながら進んでいく。
●針路決定
「ただいまー!」
パラドクストレインから降り立って、クィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)が開口一番にそう告げる。我等が船に、こうして再度無事に乗り込むことができた。「んむ」とその成果に満足気に頷いて、彼女は船の様子を見る。
一面の緑の中に沈む、懐かしき砂色の船体。砂上船サフィーナ・ミウは、変わらぬ様子でディアボロス達を待っていた。……いや、落ち着いて見るとそうでもないな?
「これは……ツタ?」
船体外部に絡みつく緑、そして船内にも20cmくらいのトンボ(推定)の家族などの姿があった。
「だいぶほっぽってたから……」
ええい仕方あるまい。しばしの間、仲間と共に掃除と不法侵入者の追い出しに精を出してから、クィトは砂上船のデッキに戻った。巨獣の視点とも言っても差し支えないその高さから、早速砂上船の周囲を見回してみるが、今のところは密林と戦いの名残しか見られない。後は、周囲に陣取る野良巨獣の群れか。
行先を決めるにしても何かしら指針は必要だろう、ということで、彼女は最終人類史の地図を広げる。地形が大きく変わっているとしても多少は参考になるだろうし、ディアボロス間で現在地の共有にも使える……と考えると、この一手の重要性は計り知れない。
まずは現在地、そう、ここは『エチオペア南の国境線辺り』だ。
「ということは……ケニア?」
あれ、と彼女は首を傾げる。何やら出発前に見た地図から、一部奪還済み分布が変わっているような……もしかすると、情報が錯綜していたのかもしれない。
とにかく最新の情報を元に、現在地と思しき場所にピンを刺して、彼女は周辺の地図をざっと眺めた。
「そうすると、キリマンジャロはさすがに遠いか」
どちらにせよ、砂上船よりも高いこの密林を抜けなくては、遠くは見通せまい。その代わり、飽くまで地図上の想定にはなるが――最終人類史において最寄りのランドマークは、これか。
「このまま南に進むと、ヴィクトリア湖? とかいうめちゃでかい湖があるっぽい?」
このディヴィジョンにも存在しているかは微妙、だが賭けてみる価値は十分にあるだろう。
「よーし、では針路をそちらに」
デッキを出てサフィーナ・ミウの頭の上へ。密林の霧に備えて、視界を確保するための仕掛けをひとつ。
濃い緑の匂いと、風の香るそこで、クィトは目指す方角に黄金のねこパンチ棒を掲げてみせた。
「しゅっぱーつ!」
エジプトからの漂着より、長き沈黙の時を経て、もう一度砂上船が動き出す。以前と変わらず滑らかに、緑の海を掻き分けるように――。
――と、行く前に、周囲で転がっていた巨獣達が、その気配を察して一斉に顔を上げた。
金色の視線が、その頭の上に乗ったクィトに集まる。
「おお……」
睨んで来おる。とりあえずは、こちらへの対処が必要になるようだ。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【完全視界】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
舞剣・荊
【莠】
ネコだ!でも腕はえてんな……ネコもどきだ!
ねこーち行くぞ!ネコのフリ作戦!
ニャニャニャニャニャオルァー!!
○方針
せっかくのんびりしてるし
のんびりしたままスルーできないか試す
ダメだったらしばく
○対処
トレインでたかなしに教わったネコ動画を参考に
【怪力無双】でその辺の岩を転がしたり
首の裏とか掻いてみたり
はるーち発案ナイルマグロ(冷凍)を振り回してみたり
ネコってこーゆーの好きなんしょ
ニャニャニャニャニャうわっまぶしっ
2年間光ってたはるーちだ
光構えが違うわ
だはは
○戦闘
前衛
今回も飛んじゃダメなので
組長と共に前線に突っ込む
敵の背や岩を飛び回りつつ
得物の【シャベル】や【グローブ】で殴打
姉ーちが思わず足場にしたくなる位置に木の枝伸ばしてる!
サンキュー……えっワナ?
まいーや
バレたらマグロあげよ
アッチコッチするので後衛(仮)はあねーちに丸投げ
今回も死ぬなよたかなし!
樹・由乃
【莠】
よし平和。確認したので帰りましょう
船が動けばどうせ騒ぎになるんでしょうけど。面倒なので黙らせますか
面倒なのは敵じゃなくておまえたちの世話です
パラドクスで伸ばした樹木を盾として使用
せっかく守った船が壊されるのは避けたいですからね
進路妨害になるかもしれませんが傷がつくよりはいいでしょう
勿論私の身も守ります
でかい&はやい相手を追いかけるのは面倒です。仕掛けてきたやつを捕まえて食っていくスタイルでまいりましょう
黙って立ってる壁に魅力がないというのなら、思わず足場にしたくなるような位置に置いてみましょうか
ほらほらここからジャンプすれば船に届くんじゃないですか
それとも箱型がいいですか。慈悲深い私が作ってあげましょう
罠使いの要領ですね
なるほど光ったやつが攻撃してくるんですか。わかりやすくて大変よろしい
春一に似てますね
ん?
こらお待ち。無暗に光るのはおやめ。褒めてません
敵の攻撃の予兆がわからない
あー。まあいいか
私隠れてますので
こっちに吹っ飛んできたやつがいたらどんどん取り込んでいきましょう
樹・春一
【莠】
にゃにゃにゃにゃんにゃにゃにゃー!
かわいい猫ちゃんです! 友達です! 仲良くしましょう!
しませんか! そうですか!
荊さん! 今こそマグロの出番ですよ!
大きな戦も終えて心機一転! 初心に帰りハレルヤの精神でまいります!
相手もドラゴネコ! はじめての冒険を思い出しますね!
懐かしいものです。あの時はどう殴ればいいか悩みと葛藤の日々
拳を鍛え心を鍛え愛を鍛え
狐に変身? 小さくなれるので急な回避に利用できるでしょうか
今回はインファイトの構えですが猫! 闇雲に殴りかかっては危険!
2年で学びましたからね! 光って怯んでる隙を狙っていきますよ!
いかに巨大とはいえ、鼻先は大体の生き物の弱点です。アーマーもないようですし積極的に粉砕! してまいります!
どうです! 適切に弱点を狙う僕! 成長したでしょう!
えっ。猫の方が僕より光るですって?
……
僕を差し置いて姉さんに褒められるだなんてその腕許せません!!!
鍛えられたこの拳! 今こそつよく振るう時!
僕の方が絶対いっぱい光るんです! ハレルヤーーーッ!!!
奴崎・娑婆蔵
【莠】
ミウがパラトレの中継地になっただァ?
おうおう、泣かせてくれやがる
見返りを求めていたわけじゃァありやせんが、つい先日にあっしらがお前さんの為に体を張っていた件、しっかと分かってくれていたんでござんすねえ……?
猫は恩知らずだなんざァ誰が言った
今日からお前さんは忠猫ミウ公でさァ
・荊と春一のネコのフリ作戦や春一の光りっぷりの効き具合を確認、のち己も武器を手に敵の面前へエントリー
・【影業「鳥」】発動――鳥の群れをバサバサ舞わせ、嘴でつっつき爪で引っ掻きと畳み掛ける
・鳥は精緻な【オーラ操作】で動かす
・猫科の興味を惹いて止まないような「向こうから見て狩れそうなリアルな生き物っぽい挙動」を醸し、照準を引き付ける狙い
飼い猫ですら庭先に鳥を見ると狩猟本能に火が点いたみてえな仕草をすることもあるそうで
どうでえ、六本足のネコチャンよう
なまじ言語を得ただけに、頭ン中で物を考える裾野も大いに広がったであろう所、こうして獣性をチクチク刺激され、そこで使命感ともぶつかり――さぞやイライラするんじゃァありやせんか?
小鳥遊・英
【莠】
ね、ねこた~ん💕
ねこたんねこたん~💕
おっと失礼、いつかの依頼を思い出しまして
ローカル保存しておいた厳選猫動画をお見せしながら対策を考えましょう
あっ、あれ見たいです紙袋にズザー!するやつ!
ではまず手始めにみなさんが狐たんに変身できる世界にします
え?いえ、大真面目ですが?
わたし以外が狐たんになったら猫まっしぐらなのではと思っただけで
てかこいつらそこまでねこたんではないですね?
ねこたんはもっとこう……もふっと
……あ、でも仕草はめちゃくちゃねこたんですね
樹さん(自称神の方。実は年上疑惑が最近ある)の背後に陣取ればガードもしてもらえて攻撃も飛んでこないのでは?天才では??
あっ、ひゃいすみません
まあ効果1だけが戦闘ではありません
いつも通り不可視の衝撃波を……
ぎぇ!こっち見てる!
ほら!あっちに鳥が!そっちへ!
こっちくんなーーーー!!!
●これはネコですか?
時間は少々戻って針路決定前、パラドクストレインから降りた奴崎・娑婆蔵(月下の剣鬼・g01933)が、鎮座する砂上船を見上げていた。
これがパラドクストレインの中継地になった、というのは少々眉唾ものに聞こえたが、実際にこうして目にした以上信じざるを得ない。
「おうおう、泣かせてくれやがる」
そんな見返りを求めていたわけではないが、この船のために身体を張っていたディアボロス達のことを、しっかりと理解していた……そう解釈することもできる。だとすれば、これは随分と健気な話で。
「猫は恩知らずだなんざァ誰が言った。今日からお前さんは忠猫ミウ公でさァ」
「そのあだ名必要ですか小僧」
何やら感じ入った様子の娑婆蔵を眺めながら、樹・由乃(堕ちた翠星・g06228)が言う。先日防衛戦とは打って変わって、周囲に居るのは大人しくしている巨獣ばかり。彼等の戦闘能力は決して油断できるものではないが、少なくとも現状は平和の一言である。
「帰りましょうか」
「ユノの姉御、さすがにそれは……」
娑婆蔵の引き止める声に、由乃は溜息を一つ。彼女とて状況はわかっている。現状はともかく、砂上船が動き出せばこの巨獣達も牙を剥く可能性が高いのだと。
「……面倒なので、黙らせますか」
そう呟いて武器を取る。面倒なのは、そう。この巨獣達というか……。
「ね、ねこた~ん💕 ねこたんねこたん~💕」
「にゃにゃにゃにゃんにゃにゃにゃー! かわいい猫ちゃんです! 友達です! 仲良くしましょう!」
あれだわ。巨獣アムリオンへと向かっていく小鳥遊・英(Code name/Falcon・g00772)と樹・春一(だいたいかみさまのいうとおり・g00319)に、舞剣・荊(Thorm・g02226)も加わっている。
「どーよねこーち、ネコのフリ作戦効いてる?」
「まったく効いてませんね!!」
でもほら、つれないところもまたねこたんの魅力ですからね。何か知った風な顔で頷いている英はともかく、荊もまたその辺の岩を巨獣の前に転がしたりして見るが、そういう気分でないのか食い付きが悪い。これでは埒が明かないが――。
「はっ、荊さん! 今こそマグロの出番なのでは!」
「あー、ネコってこーゆーの好きそーだもんな」
事態の打開を冷凍ナイルマグロに賭けて、荊はそれを振り回していった。ニャニャニャニャニャオルァー!!
「大丈夫ですかお前達」
もちろん頭の方の話ですよ。無表情で問う由乃だが、大きな戦いを一つ乗り越えた彼等は、いつもより一層力が入っているらしい。
「なるほど浮足立ってはいけませんね。ではまず手始めに、みなさんが狐たんに変身できる世界にします」
「落ち着け」
そもそも何がしたいのか。陽動か、それともまさか偽装なのか? 段々と人相の悪くなっていく由乃を他所に、春一が前向きな解釈をひとつ。
「ははあ、小さくなれるので急な回避に利用できるということですね!」
「いえ、わたし以外が狐たんになったら猫まっしぐらなのではと……」
やっぱりダメそう。こちらの収拾がつかなくなってきたところで、丁度頭脳班が針路を決定したらしい。起動した砂上船は南方向へと向けて、ゆっくりと動き出す。
すると、のんびりと転がっていたように見えた巨獣達が、何事かと一斉に顔を上げた。
「おっとォ、お目覚めのようでさァ」
娑婆蔵が刀を手に取るように、彼等――『騎腕豹アムリオン』達もまた、その上体を地面から起こす。騎士の鎧を思わせる、鋼色の外骨格、それが包むのは強靭な四肢と、その上から生えた巨大な二本の腕だ。異形のそれは、人間のそれのような細長い五指を開き、その先端の爪を輝かせる。
「これ……そこまでねこたんではないですね?」
「まー、ネコにしちゃへんな腕はえてるよな」
「つまりあれは……ドラゴネコ!?」
ドラゴネコというのが何なのか定かでないが、そこから連想されるのは、春一にとって駆け出しの頃の依頼である。思い返せば懐かしいもので、あの頃はどう戦うか、どう殴るかと悩み葛藤する日々だった。彷徨い試行錯誤するように、拳を鍛え、心を鍛え、愛を鍛えて――。
「春一の! まさかここから回想シーンに!?」
「え! 入っちゃダメですかね!」
多分後にした方が良い。得物を構えた娑婆蔵や荊と共に、春一は神への祈りをその手に宿し、前へ。だが、そのまま闇雲に殴りかかるのではなく、一歩置いて敵の出方を窺う、その余裕が今の春一にはあるのだ。
「この2年の成果を見せてあげましょう!」
巨腕の爪を輝かせ、斬り掛かろうとする敵の動きに合わせ、春一は掲げた拳をスパークさせる。
「ハレルヤ!!」
「うわっまぶしっ」
味方のはずの荊の声が聞こえた気がするが、まあ問題はないだろう。眩い輝きを直視し、怯んだ相手に向けて、春一は『神槌』を振り下ろす。
神の愛とは何か考えさせられる容赦の無い拳が、外骨格の外にある巨獣の鼻面を殴りつけた。
「どうです! 適切に弱点を狙う僕! 成長したでしょう!」
「はいはい」
一方砂上船の上から樹木を操った由乃は、急速に成長する『緑の奔流』で迎撃の構えを取る。縒り合わせた蔦の束を足場のように形成し、誘い込むように敵の進行方向へ仕込み――。
「サンキュー姉ーち!」
「お前用じゃないんですよそれ」
なんか丁度良い位置にあったので。跳躍していた荊がそれを踏みつけ、次への足場とする。蹴り付けた瞬間に植物の群れが広がり、襲い掛かってきたように見えたが、意図せずそれを振り切る形で跳んだ彼女は、そのままアムリオンへと仕掛け、手持ちのシャベルをその背に叩きつけていった。
「仕方ありませんね……」
蔦を練り直し始めた由乃に向かって、今度はその後ろに隠れていた英が口を開く。
「あっ、あれ見たいですあれ! 紙袋にズザー! するやつ!」
「調子に乗るんじゃありません」
「あっ、ひゃいすみません」
ですが案としては悪くありません。やってあげましょう。編み上げられた緑の奔流が箱状に広がり、突っ込んできた巨獣を包み込むようにして縛り、絡め捕る。
「……仕草の方はちゃんとねこたんしてますね……?」
まあ、意外と。英がそんなことを口にしている間に、巨獣は絡みつく蔦を嫌って爪を振るう。凶暴に光り輝いた五指の刃が緑を払って、そのまま由乃へと反撃を仕掛けた。
「なるほど光ったやつが攻撃してくるんですか。わかりやすくて大変よろしい」
それをいなしつつ、彼女は敵の特徴を看破する。と、その呟きに耳聡く反応した者が一人。
「大変!? よろしい
!?!?」
「……ん?」
見ると、春一が驚愕の表情を浮かべていた。
「僕を差し置いて姉さんに褒められるだなんて!! その腕許せません!!!」
「こらお待ち」
無暗に光るのはおやめ。褒めてません。などと言って落ち着くかというと、無理だと思われるので。
「あー……まあいいか」
彼女はあっさりとそれを放置した。やたらと気合の入った様子の春一は、そのまま強く握った拳を振るう。
「僕の方が絶対いっぱい光るんです! ハレルヤーーーッ!!!」
「さすがはるーち、光構えが違うわ」
「これそういう勝負で良いんです?」
ぴかーっとなってる様子を花火を眺めるくらいのテンションで見つつ、荊と英が暢気なことを言っているが、迫っている巨獣はあれ一体ではない。別の側では娑婆蔵が、二腕四足の爪の乱舞を捌いて足止めしている。
「――ならこっちは『影』でお相手致しやしょうか」
眩い光に横から照らされ、草木の上に伸びた影が怪しく揺らぐ。これぞ殺人技芸、三途の一つを顕すように、影は鳥の群れと化し、巨大な獣へと喰らい付いた。顔面へと殺到した黒い鳥達は、啄み、引っ掻き、貫くように巨獣を苛む。
「青いの、お前も働きなさい」
「うう……やっぱりやらないとダメですかね」
狐変身の件はあっさり流されたが、まあ効果1だけが戦闘ではない。というか効果1は戦闘用ではないというのが正しいがそこはそれ。いつものように不可視の衝撃波で追撃を放った英だが。
「ぎぇ! やっぱりこっち見てる!」
このシステムどうにかなりませんか? なりませんね。ぎらぎらと輝く爪が迫ってくるのを見て、彼女は一目散に逃げを打った。
「じゃあ私隠れてますので」
「死ぬなよたかなし!」
「またですか!? もう、こっちくんなーーーー!!!」
掠める爪をどうにか凌いで、必死の声がこだまする。
「組長! 鳥! 鳥はまだですか!?」
「あァ……」
まさかこんな熱烈に歓迎されるとは思わなかった、と言った調子で、娑婆蔵は再度影を広げる。巨獣であれど見逃さない程度に大きく、いかにも狩り頃といった油断した動きを模擬して、誘うようにそれを飛ばした。
「さあこいつはどうでえ、六本足のネコチャンよう」
飼い猫ですら、庭先に鳥を見ると狩猟本能に火が点いたみてえな仕草をする。この野生の獣ならなおさらではあるまいか。
――まあ彼の見立てとしては、『こういうの』が本当に有効なのは、そう。消し切れぬ野生の本能を持ちながら、無理矢理知性をぶち込まれたような輩だろうが……そうそうそんな存在が居るものではない。
そんなこんなで襲い掛かってくる六肢の怪物へ、娑婆蔵は鋭い反撃を見舞った。
巨獣達との戦いは続く。個体として強力なのは言うまでもないが、防衛戦など以前の遭遇時とは違い、今回の集団は特に目的のない、言うなれば烏合の衆。数体が倒されたところで、明らかに腰が引け始めていた。こちらが攻勢に出れば、中にはさっさと背を向けようとしている者も見られて。
「待ちなさい! まだハレルヤバトルは終わってませんよーッ!!」
「わたしはこれ以上相手したくないんですけど!?」
前のめりになっている春一を英がどうにか引き止める。掃討が狙いであればこのまま追うべきだろうが、今回は話が別。
「これはこれで好都合でさァ。今の内に出発しちまいやしょう」
娑婆蔵が船首に合図を送ると、砂上船がその歩みを再開する。今のところ敵が追いかけてくる様子はない。この様子ならば、引き離し、振り切ることもできるだろう。
少々手こずりはしたが、こうしてようやく、『サフィーナ・ミウ』の新たな旅路が幕を開けた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【スーパーGPS】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【狐変身】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV3が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
金刺・鞆
サフィーナ・ミウ! ひさびさのサフィーナ・ミウですよ!
無事でよかった、ですねえ……!
防衛に尽力したみなさまには感謝感激雨あられ、です!
それではゆきましょう、いざゴンドワナ探検隊! ですとも!
進行方向は……えとえと、先のいくさのさなかにて巨獣がドラゴンを誘導しようとしていた方角に進んでみたい、のですが……ここからですとどちらに進めばよいのでしょうか……?
より正確に位置関係を把握していたり、あるいは他に明確な計画をお持ちの方がいらっしゃれば操舵はおまかせいたしまして。
ともは遠眼鏡……双眼鏡、にて周囲の様子をめいっぱい観察しとうございます!
恐竜さん、いるかなあ……それともぜんぶ巨獣のくろのべーだなのでしょうか。
……はっ、あまり物見遊山ではいけませんね。
えとえと、すごく大きな洞窟ですとか、立派な樹ですとか、巨獣がねぐらにできそうなものなどないかを意識して探してみましょう。
きっと巨獣にも断片の王がいるのでしょうし、王というからには立派な巣穴やねぐらを持っているのではないかと。
いぬはどう思います?
●緑の旅路
密林の中を進み始めたサフィーナ・ミウは、徐々に速度を上げていく。文字通り人の手の入っていない、深い密林の中を行くのはそう簡単なことではないが、砂漠の環境にも負けない砂上船は、しっかりと緑を掻き分けて目標の方角へと進んでいた。
「快適、ですねえ……」
人の足では到底無理な進行速度、流れる風からそれを感じて、金刺・鞆(虚氏の仔・g03964)が溜息を吐く。
歩みが早い上にパラドクストレインも繋がり、交代人員まで送れるというのだから、この砂上船は前線基地として申し分ないだろう。本当に無事よかった、そう感じ入ったところで、彼女は双眼鏡を取り出した。
「それではゆきましょう、いざゴンドワナ探検隊! ですとも!」
そう、本番はここからだ。せっかく守り抜いた砂上船を無駄にしないためにも、見落としがないよう彼女は周囲に眼を光らせる。
「恐竜さん、いるかなあ……」
年相応の呟きが漏れたが、その探究心はほどなく満たされることになるだろう。このディヴィジョンの生態系では巨獣が一番上に居るのだろうが、クロノヴェーダではない普通の恐竜の類も、野生動物と同様時折見かけることができる。
巨獣よりは小さいかもしれないが、それでも大きい。興味深々の様子で観察していた彼女だが、そこでふと我に返ったように頭を振った。
「……はっ、あまり物見遊山では、いけません、ね」
もう一度双眼鏡の先をしっかりと注視する。変わったもの、怪しいものはないだろうか。気合を入れ直してはみるが、意識はやはり逸れていくばかり。最初の方は物珍しさもあったけれど、この緑の景色は全くもって変化がない。似たような植生、野生の恐竜や大きな虫、種類の差くらいは分かれども、個体差までは見極められない微妙なところ。それらが延々と、現れては後ろへと流れていく。
「あっ、あれは……巨獣の巣、でしょうか?」
そんな中でも目立つのは、やはり野生の巨獣の存在だ。
木々の合間から見える、あれは餌場かたまり場か、とにかく何体かの巨獣が集まっていたようだが、幸いこちらが見つかることもなく、砂上船はそこから少し離れた場所を通り過ぎていく。
巨獣が追ってこないことを確認するように、鞆はしばらくそれを、双眼鏡の先で追いかけて。
――巨獣にもやっぱり、ねぐらみたいなものが必要になるのだろうか、と思案に暮れる。それは恐らく、巨獣の長、断片の王も同じはずで、きっとそれに相応しい立派な巣穴やねぐらがあるのでは。
「いぬはどう思います?」
うーん、と首を傾げたモーラット・コミュから明確な返事は返ってこなかった。彼女としては、七曜の戦における巨獣の動き――ドラゴン達を誘導しようとしていた先が気になってはいるのだが。
戦場となったコンゴ民主共和国の中央から東へ、地図上でそう線を引いてみれば、現在の目的、南進もさして外れたものではない。
実際にそこを探すのならば、もう少し――いやそれなりに進んでから、当たりを付けた範囲を行き来するなどしてじっくりと探すのが有効か。
何にせよ、探検隊は一日にしてならず。根気よく行くべきだ、と双眼鏡を行先に向けたところで。
「雷、でしょうか……?」
密林の上、空が一度、眩く光ったのを、彼女は見逃さなかった。
「――いえ、敵、ですね!」
飛来するは緑の稲妻。電光を纏った巨獣が、サフィーナ・ミウの前へと降り立つ。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
●緑雷
「ボルルルルルッ!!!」
舞い降りた巨獣は、サフィーナ・ミウの正面を飛翔しながら、歓喜の雄叫びを上げる。
探し求めた獲物を発見した、もう逃がすことはない――そんな意志の込められた瞳。バチバチと爆ぜる電光が、巨獣の体表と周囲の密林を緑色に染め上げる。
「ディアボロス、タオス! サジョウセン、ハカイする!!」
片言ながら言葉を繰る、ドラゴン化し強化された巨獣は、凶暴にして凶悪な雷の化身として、砂上船に襲い掛かろうとしていた。
金刺・鞆
むむん、巨獣! ……喋っております!
盾祀さまのお話では、ドラゴンぱわーが本能を抑えつけることで知性を引き出しているのだとかなんとか。
えとえと、そのままではすごくつよいドラゴン巨獣になっている、ゆえに。本能を刺激してドラゴン化を解除してしまえばよい、のですね。むん!
あの巨獣、なんとなくライオンさんに似ている気がいたします。見てください、いぬ。あの立派なたてがみを!
あれは絶対ライオンさんです! そしてその本能を刺激するとなれば……これしかありませぬ!
【アイテムポケット】いっぱいに詰め込んだマタタビを、サフィーナ・ミウの上からえいやと投げつけるですよ!
ねこがマタタビでゴロニャンとフニャフニャしてしまうのは最終人類史では常識中の常識。
とも動物の御本にて知りましたが、ライオンさんもねこの仲間。ひいてはマタタビにゴロゴロフニャンとなるそうなのです!
ともはあの立派なたてがみに――賭けます!
無事にゴロニャンフニャニャとなりましたなら、撃破するにも追い払うにも、振り切って進むにも好機となるはず……たぶん!
テクトラム・ギベリオ
ドラゴン化は解除できるのか。付け焼刃の知識はすぐ忘れるのと似ているな。
さて本能を刺激する……どうしたものか。
あれはでっかいネコチャン、でっかい毛玉……いや、毛玉の方が数万倍可愛いが?
ミウから意識を逸らせたい。動くもので注意を引こう。
【フライトドローン】を巨獣の周囲に展開。
命令できる機体を巨獣の目線ほどの高さを中心に小刻みに動かす。
誘うように最大速度で動かしたり、あえてちょっと止まったり、逃げ出すように遠ざかってみたり……。
そこまで速さは出ないので、展開したドローンに隠れながら動かして本命のドローンを釘付けにさせる。
なにせ数はあるのだ、ドローンを使い捨てる勢いで誘惑してやろう。
今こそ毛玉をじゃらしにじゃらした我が力が活かせるというもの。
夢中になった一番最後は動かしていたドローンを壊させてやる。
狙っていた得物を仕留められた時の達成感。
ほら、もうドラゴンの力なんぞ忘れているだろう?
クィト・メリトモナカアイス
あれは……猫!
んむ、我が言うのでまちがいない。
あれは猫科の生き物。ゴロゴロ(雷の音)いってるし。
猫の相手は我にお任せ。
おっきな「モナカ突撃型」に騎乗していくぞー。
…
……
………がさがさ(隠れた状態で樹を揺らす)
…
……
………がさがさがさ(さらに隠れた状態で樹を揺らす)
………しゅばー!(これ見よがしにがさがさと音を立てながらカサカサと樹の陰から飛び出し駆ける)
やはり猫。にゃーん。逃げる獲物の誘惑には勝てぬ。
我は獲物ではないけれど、猫をじゃらすためであれば。
んむ、これでとどめ。
がさがさがさ……がさ……
…
……
………ぱたぱたぱたー(まるで鳥が飛び立つように巨獣の頭上へと大ジャンプ。肉球に捕まらない&叩き落されないよう頑張れ我)
猫の狩猟本能を刺激し、ついでに可能ならサフィーナ・ミウの遠くに誘導する。
今回は倒すまで相手してたらサフィーナ・ミウを動かす時間がなくなりそうだし……
●ネコと言い切れ
密林の枝々の向こう、色濃い葉で隠されていた空は、いつの間にやら黒い雲で覆われていた。舞い降りた巨獣、サンダーライオの訪れと共に、その黒雲は唸るように雷鳴を響かせる。
『見ツケタゾ……サフィーナ・ミウ!』
ドラゴン化の影響だろう、この巨獣は先程見た野生の者達と違い、言葉を操るばかりではなく、その眼光に目的を果たさんとする確たる意志を感じさせた。言葉に込められた剣呑で、凶暴な気配を表したかのように、周囲の大気が張り詰め、帯電したサンダーライオの毛皮がバチバチと音を立て始める。
停止したサフィーナ・ミウを降り、立ち塞がるように敵の前へと進み出たクィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)は、敵のその様子から一つの結論を導き出した。
「あれは……猫!」
あんまりと言えばあんまりなその評価に、金刺・鞆(虚氏の仔・g03964)は目を見開く。
「でも、クィト様! あれは……喋って、おります!」
もっともな反論ではあるが、クィトは「間違いない」とばかりに首を横に振った。
「あれは猫科の生き物。よく聞くとゴロゴロいってるし」
ゴロゴロ言っているのは喉ではなく空の雷雲だと思われるが、とにかく。堂々と言い切られるとそんな気もしてくるもので。
「言われて、みれば……!」
なんとなくライオンさんに似ている気がいたします。と、鞆は速やかに押し切られた。
「見てください、いぬ。あの立派なたてがみを! あれは絶対ライオンさんです!」
そうかなあ、と彼女の抱いたモーラットは首を傾げているように見えるが、鞆の言うことにも一理あるはず。
「あれはでっかいネコチャン、か……」
テクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)もまた、その情報を吟味するように呟く。猫と言えば彼の従えたスフィンクスこと毛玉である。これをさらに巨大にすれば、あの巨獣とよく似た姿に――なる? だろうか?
「……いや、毛玉の方が数万倍可愛いが?」
張り合わないでほしい。可愛さの観点は置いておいても、とにかくその危険度は計り知れない。強化されたこの巨獣は、先程の野生のものよりも遥かに強く、あの飛行能力を加味すれば、振り切るというのも現実的ではないだろう。
「確か、ドラゴンぱわーが本能を抑えつけることで知性を引き出しているのでした、よね?」
「ああ……で、そのドラゴン化も解除できるのだったか」
鞆の言にテクトラムが頷く。付け焼刃の知識はすぐ忘れるのと似ている、とも言えるだろうか。
「つまり、本能を刺激してドラゴン化を解除してしまえばよい、のですね。むん!」
「とはいえ、どうしたものか……」
と、的確に現状を把握したところで巨獣は既に駆け出している。巨大な図体に反した機敏な動きで地を蹴り、静かに、だが素早く砂上船へと迫る――!
『マトメテ、砕ク!!』
ディアボロスを蹴散らし、そのまま砂上船へと体当たり、そんな勢いを乗せた疾走に対し、鞆は素早く身構えた。
「あれは絶対ライオンさんです! そしてその本能を刺激するとなれば……これしかありませぬ!」
アイテムポケットから取り出したそれを思い切り放り投げる。だが拙い迎撃に過ぎないそれを、サンダーライオは牙のひと噛みで微塵に散らした。他愛ない、とはいえそれで油断することなく、突き進もうとしたところで。
『ヌウ、コレハ
……!?』
鼻先に広がるその匂いに面食らったように、巨獣は素早く跳び退った。
鞆の先程放ったそれは、新宿島から持ってきた袋いっぱいのマタタビである。
「とも動物の御本にて知りましたが、ライオンさんもねこの仲間。ひいてはマタタビにゴロゴロフニャンとなるそうなのです!」
「なるほどな……!」
待て毛玉、そっちに行こうとするんじゃない。完全にそっちに向かって飛んでいきかけている毛玉を両手で抑えつつ、テクトラムが頷く。
『小癪ナ真似ヲ……!』
このディヴィジョンにマタタビに類するものが在るかは定かでないが、その香りはネコ科の本能をくすぐり、酩酊させるもの。この巨獣にもきっと通じるものがあるはず――雄々しきたてがみに賭けた鞆の一手は、しかし。
『ダガコノ程度デ、我ガ意志ハ揺ラガヌ。愚カ者メ……!』
鼻で笑うような台詞が、巨獣の口から紡がれる。竜を起因とする知性は健在、だがそんなことを言いながらも、サンダーライオは背中が痒くなったような動きで、おもむろに地面に転がり始めた。
「き、効いておりますね
……!?」
『フン、効イテナド、オラヌ』
「よし、今の内だな」
明らかに揺らいでいる。そう見て取ったテクトラムは、すかさず次の一手で追撃を仕掛けた。展開されるはフライトドローン、巨獣の視点からすれば小さな虫のようなそれを解き放つことで、その集中を乱す。
「こら毛玉よ、落ち着け」
何やらスフィンクスがさらにじたばたしているが、これも毛玉をじゃらすことに熟達した彼の手管によるものだろうか。ドローンの中で操作できるものを巨獣の視線に合わせて、止まらせ、遠ざかり、焦らすように小刻みに動かしてやる。
『ディアボロス、ヤル気カ……?』
絶妙な動きをするそれに惹かれるように、素早く体を起こした巨獣は、頭を地に伏せるような姿勢で獲物を狙う。とはいえ空を飛ぶ獲物はとにかく数が多い、サンダーライオは手を伸ばす前に、一声吠えた。
『ボルルルッ!!』
角の間で弾けた雷の輪が、波紋のように広がって、展開されたドローンが悉く灰塵と化す。そんな中でも、テクトラムが雷の範囲からぎりぎり逃していた一機がまだ健在。思わず、と言うようにそれに飛び掛かった巨獣は、横殴りの一撃でそれを破壊してみせた。
「ふむ……」
ドローンは漏れなく破壊されたが、成果としては上々か、少なくとも本来の目的から外れた行動を取らせ、ついでにサフィーナ・ミウから距離を取らせることもできた。できればこのまま戦場を移し、さらにもう一押し加えておきたいところ。
『サジョウセン、ハカイ……スル……!』
もう半分以上忘れかかっていたその使命を、頑張って復唱することで取り戻している様子。そんな巨獣の傍らで、密林の茂みが一つ、がさがさと音を立てた。
『ウウ
……!?』
この状況下で巨獣の居る場所に近付く動物など居ない。ならば逃げ遅れが迷い込んだか――それは思考か本能か、その両方で以て、巨獣はそちらへとヒゲを向ける。さらにガサガサと、木々を揺らす気配は少しずつ遠ざかろうとしているようだ。
姿の見えぬそれに、巨獣は再度身構えて。
「…………しゅばー!」
満を持してその茂みから飛び出したのは、先程から姿を消していたクィトだった。モナカ突撃型に跨り、最大速度で突っ切っていくその後ろを、サンダーライオの振り下ろした前脚が掠める。危うくざっくりいかれるところだったが、やはり猫ということか。
「うむ、逃げる獲物の誘惑には勝てぬと見える」
まあ獲物扱いされるのは心中穏やかではないけれど、猫をじゃらすためであれば話は別。猫の相手はまかせろとでも言うように、クィトは次に隠れた茂みから飛び出した。
『モナカ』突撃型から跳躍し、飛び立つ鳥のように宙を舞う。それを追ってしまうのは、「敵を倒す」という理性ではなく完全に狩猟本能によるものだっただろう。
『ボルルルルッ!!!』
「おお……」
上手くいったか、響き渡る咆哮に振り返ったところで、クィトは本能剥き出しのその瞳を捉え、確信する。身体を張った甲斐はあった……とはいえ、この状況かなり危険なのでは?
間近に迫る巨獣の暴威を背中に感じながら、彼女は全力で走ることにした。サフィーナ・ミウからさらに遠くへ、とにかくこの後展開されるであろう戦闘で、砂上船が巻き込まれることの無いように。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
【スーパーGPS】がLV2になった!
効果2【反撃アップ】LV2が発生!
【命中アップ】がLV2になった!
樹・春一
【莠】
おお、巨大な猫ちゃんよ! ファイナルピカピカバトルです!
回想は帰りにたくさんやりましょうね!
あれ触ったら痛そうですか?
痛いかもしれませんねえ
しかしご安心を! こんなときこそ光る盾!
雷を飛ばしてくる攻撃くらいならばちっと跳ね返してキャーッしっぽ!!!
猫に詳しい方! 猫のしっぽって伸びるんですか!
胴が伸びるのは存じておりますが! しっぽもそうなんですか!
遠距離攻撃なら盾でどうとでもなりますが物理攻撃はちょっとでかいと感じます! でかい! おもい! 圧!
しかしでかいからなんだというのですか!
こっちには数があります! 5人そろえば無敵ってものですよ!
ですよねアキラさん!!!
ヘイト調節もできるようになった僕! ますます頼りになります!
猫ちゃんがよそ見をしているうちに近付いてぶんでございます!
荊さん! 両側から仕掛けますよ!
僕が右に行くので 右がいいですか? では左に 左ですか?
わかりました! 殴りましょう!
接近すると猫の全貌が見えません。頼れる指示をよく聞いて安全に殴ってまいります!
樹・由乃
【莠】
でか
おまえたち。なんとかなさい
私は最後方で構えております
何もしないがひとりくらいいた方がいいんですよ。アリも群れのうち何割かはサボるというでしょう
観察も大事な役割だと考えれば何もしないすらできていません。難しいですね
せめて適切な天啓を直で授けてあげましょう
春一、尻尾が迫っていますよ。その盾で振り払っておきなさい
白いの、攻撃予兆が見えます。悪いことはいいません。一瞬下がりなさい
青いの。もっと狙われなさい。行け
小僧。自力でなんとかしろ
神は期を伺うものです
そして逃さないものでもあります
更に言うと民の期待に応えるものでもありますので
おまえたちのお望みのものを授けましょう
味方を背後から巻き込む八門集中砲です。しっかりと受け取りなさい
ちょっとだけ木々も巻き添えになりますが……船の進行方向ならどっちにしても踏まれますし多少仕方ありますまい
猫よ。突進してくるならしてきなさい
そこの4人とビームを全て正面から退ければ私に届くでしょう
もし届くようであれば箒で逃げますが
4人はしっかり避けるんですよ
奴崎・娑婆蔵
【莠】
●小鳥遊・英をディフェンス
おうおう、デケエののお出ましでさァ
と来りゃここはこいつの出番でござんすね
対竜兵器『龍砕斧』~~~
(包帯で丸く包んだ手で武器を高々掲げ味のあるダミ声で声高に)
サンダーライオ相手に突っ込んでいく舞剣の&春一のとは【パラドクス通信】にて、相手の動向に関して見て取れる所であるとかユノの姉御が容赦なくブチ込む射線であるとか……諸々の情報共有を適宜
あっしは小鳥遊のお嬢の矢面に立ち、頭・角の向きに後ろ足が地を蹴立てる様子、アレがこちらに突進して来やがる予兆を見逃さぬよう注視しておりやしょう
オーバードライブの発動を見次第、龍砕斧を間に挟みつつ体ァ張って――その攻撃の前に出る!
【電撃使い】としての目端を利かせつつ、敵の体躯の内ガッツリ掴んでもひでえことにゃァならなさそうな点を見出し【グラップル】、相手方の勢いを利して横合いへ流しスッ転ばせるように――オラッ【地獄投げ】!
そちらがどれだけでかい体で突っ込んで来ようと、それに抗していなして流す技がある
それが人間の知恵ってなモンよ

舞剣・荊
【莠】
はるーち!光るでかネコだ!
ファイナルぴかぴかバトル行こーぜ!
○戦闘
前衛
春一と一緒に敵に飛んでく
はるーちだけ光ると思ったっしょ
アタシ(の手番)も光れるんだぜ!
かみおこパーンチ!
うわっまぶしっ
今回イイ感じの足場無いな
姉ーち足場!……自分で飛べってさ
は~い😃
ついでにマグロあげてみる
振り回したし解凍されたでしょ
めしだぞ!あげる!
【照明】効果でマグロも昼間と同じ明るさに……あと組長に猫の攻撃モーション特徴、守りの薄い部位を【パラドクス通信】で連絡
シャバえも~ん!ネコ遊びに使える道具ちょーだい!
あとネコの尻尾ってこんな硬ぇの?
姉ーちビームは気合いとタイミングでかわす
ぼちぼちビームる気がする!やっぱり!
地獄投げを見届けたら即座に接近
ネコが裏返った!今だ!
首のあたりワシャワシャー
!!!!!!!!!!
肉球ぐにぐにー
!!!!!!!!!!地面のニオイがする
倒したらお土産探し
たかなし~レアドロップみっけたら教えて~
はるーち見て!倒したけどまだ光ってんぞ!
小鳥遊・英
【莠】
でっけ〜
こんなん向こうは遊ぶつもりでじゃれついて来てもこっち命懸けのやつじゃないですか
……いやそうなんですけども
ここで回想……入らない。残念。樹さん(年下っぽい方)の成長記気になってたんですけどね
わたしも最後方で構えてますよ!!
……いかない!前にいかない!!!わたしに振らない!!!
うわ、今日は一段とぴかぴかしてますね?
眩しッ!
でもまあこういうのに乗っかる(悪ふざけする)のは(後ろからなら)嫌いじゃないです
そういえば夏っぽいことしてないですよね
花火でもやりますか
さ、行きますよ。たーまやー!
そしてマジでこのシステムどうにかして!
ディフェンス……システム……?
きゃー!組長かっこいー!!
できれば後ろのビームからも庇って貰えれば最高!
これって最後剥ぎ取りまでがクエストですよね?
何を持って帰ればいいですかね?
●狩りの時間
ドラゴンの力による強化と枷、その両方が外れ、言葉を失った獣が轟々と吠える。爆ぜる緑の雷光が、黒雲の下の森を眩く照らし出し、巨獣はその巨体を誇示する。
「おうおう、デケエののお出ましでさァ」
「……おまえたち。なんとかなさい」
奴崎・娑婆蔵(月下の剣鬼・g01933)の愉快気な声に続いて、倒すべき巨獣が先程のトループス級よりでかいと見て取り、樹・由乃(堕ちた翠星・g06228)がその辺りを早速放り投げた。
「私は最後方で構えております」
「あっ、ずるい!!」
最近は割と前に出ているので油断していた。小鳥遊・英(Code name/Falcon・g00772)がそう訴えるが、それが通じたためしはない。
「何もしないがひとりくらいいた方がいいんですよ。アリも群れのうち何割かはサボるというでしょう」
「じゃあわたしもそっち! 最後方で構えてますよ!!」
引き続き後ろの席を巡る応酬が繰り広げられてはいるが、最前席の候補者達は話が早い、舞剣・荊(Thorm・g02226)と樹・春一(だいたいかみさまのいうとおり・g00319)は、雷光を纏うサンダーライオに向けて、早速飛び出していった。
「はるーち! 光るでかネコだ!」
「本当ですね! これは良い勝負が出来そうです!」
「よーし、それじゃファイナルぴかぴかバトル行こーぜ!」
上手く囮を成した味方と入れ替わるようにして、敵の前へ。
『ボルルルルッ!!!』
帯電し、逆立つ巨獣の体毛が緑に輝く。向かい来るそれを目の前にして、春一は固く拳を固めた。
「あれ触ったら痛そうですか?」
「まあ見た感じ静電気すごそう」
「あー、バチッとしそうですね」
そんな時も神への祈りがあればこの通り、集う光は盾となってその手を覆う。これで触っても安心である。多分雷対策になるであろうそれを構えたところで。
「雷を飛ばしてくる攻撃くらいならばちっと跳ね返してキャーッ!!」
突進姿勢から前脚を軸に急制動、振り回されたサンダーライオの尾が、急激に伸びて彼の盾を打ち据える。思わぬ攻撃に春一の悲鳴が上がったものの、少々撥ね飛ばされた程度で彼は倒れはしない。
「猫に詳しい方! 猫のしっぽって伸びるんですか!」
「あとネコの尻尾ってこんな硬ぇの?」
「ねこたんの身体はよく伸びますよ」
「それは存じておりますが! しっぽもそうなんですか!?」
「尻尾は……どうでしょう……触ると怒るし……」
「無駄口叩いてないで防御なさい春一、尻尾が迫ってますよ」
あんまり必要なさそうな情報交換の流れを打ち切って、由乃が警句を飛ばす。光り輝く盾と蠍の如き獣の尾がぶつかり合い、緑の火花を散らした。ピカピカバトルの名に相応しい応酬、だがそこに、もう一つの輝きが名乗りを上げる。
「はるーちだけ光ると思ったっしょ! アタシも光れるんだぜ!」
祝福的なアレで光を放つ拳を掲げ、敵の眼前へと駆けこんだ荊は、半分解凍の終わったマグロを思い切り叩きつけた。
「めしだぞ! あげる!」
牙剥く巨獣はそれを一撃で噛み砕く。このディヴィジョンにナイルマグロの類が居るのかは定かでないが、味は多分気に入ってもらえるだろう。とはいえ光纏うそれはパラドクス効果で即座に爆散したが。
「うわっまぶしっ」
「今回は一段とぴかぴかしてますね」
「舞剣の、首尾は如何でござんすか?」
「怒ったっぽい」
「ははあ」
些細なことでも情報共有は重要である。とはいえ有用なものが中々来ない、と通信機を手にした娑婆蔵が頭を悩ませ始めたところで。
「シャバえも~ん! ネコ遊びに使える道具ちょーだい!」
こちらの方にもお呼びがかかった。おもむろに丸めた拳を包帯で包んでから、彼は秘密道具を掲げて見せる。
「対竜兵器『龍砕斧』~~~」
数ある得物の内でも、大物狩りにはもってこいの代物だ。両手でそれを支えるようにしながら、巨大な刃を敵へと向けた。
「はーん、ごつい猫じゃらし?」
「まあそんな感じでさァ」
使い方には少々コツが要るのだが……と、それを披露する前に、敵の攻撃を捌いていた春一が一時後退してきている。
「遠距離攻撃なら盾でどうとでもなりますが、物理攻撃はちょっとでかいと感じます!」
でかい、おもい、圧。やたらでかい巨獣を正面から相手取れば当然の感想ではあるが、そうも言っていられないのは、彼もよくわかっている。
「しかしでかいからなんだというのですか! こっちには数があります!」
そう、ここに駆け付けたディアボロスは一人ではない。皆揃って戦えば、無敵といっても過言ではないのだ。
「ですよねアキラさん!!!」
「わたしに振らない!!!」
そんな振りされても前にはいかないからな、という強い決意で英は拒否した。
とはいえ前に出るつもりこそないが、あのぴかぴかバトルに乗っかることに関しては興味がある。そういえば今年は夏っぽいことしていない――いや水着は着たしフレームも取ったがそれはそれとして。
「花火でもやりますか!」
なに、これもまた援護射撃だ。空中に浮かべたホログラム上のコンソールを叩いてコードを送る。敵の前に魔法陣を描き出したら準備完了。
「たーまやー!」
魔法陣周辺の空気を凝縮させると、次の瞬間爆発が巻き起こる。標的の横っ面に盛大な花火を炸裂させたところで、怒った巨獣と目が合った。
なにか、つい最近似たようなことがあった気がする。角を低く構え、下から睨みつけるようなそれを前に、後退しかけた英だが。
「さがっていなせェ、小鳥遊のお嬢」
敵の後ろ脚が地面を蹴立てる――突進の予兆をしっかりと見切り、娑婆蔵が壁として前に立つ。
「こ、これは……ディフェンス……システム……?」
英のメタな驚愕は置いておいて、三割の壁を突破した娑婆蔵はサンダーライオの突進を、盾代わりの龍砕斧を支えながら受け止めた。この体格差、まともな力比べでは相手にもならないだろう。だがそれに抗し、いなして流す技が、人間には在るのだ。
「――オラッ!」
凄まじく重い突進の衝撃を斧の刃で受け流し、傾いだその身の決定的な隙を突く。逃がしはしないとばかりに敵の身体を掴んだ彼は、そのまま敵を投げ飛ばした。巨体が一瞬宙を舞い、娑婆蔵の手によって危険な角度で地面へと突っ込むことになる。
「きゃー! 組長かっこいー!!」
計画通りにいったところで英の声援が上がる。そうしてスッ転んだ敵の元へ、今度は荊が飛び込んでいく。
「ネコが裏返った! 今だ!」
目指すはひっくり返され天に向いた巨獣の腹部分だ。即座に突っ込んだ彼女は首の辺りを思う様わしゃわしゃして、してやる。毛の中に全身埋もれるような感触はさすが巨獣と言ったところか。ついでに肉球の具合も確かめたいところだがサイズ差も相まって足先が遠い。
「おっ」
と思ったら向こうから寄ってきた。振り切られた前脚、肉球がどうのこうのではなく叩く一撃で彼女の身体が弾き飛ばされる。一度高く放物線を描いたところで。
「姉ーち足場!」
「悪い事言わないからそのまま一瞬下がりなさい」
「は~い😃」
しょうがないなと請け負って、空中で姿勢を正す。咄嗟の行いだったためか敵の一撃に対して目立ったダメージはない。すたっと着地したところで、春一が駆け寄ってくる。大丈夫か、という心配ももちろんあったろうが、第一声は。
「ど、どうでしたか荊さん!?」
「全身地面のニオイする」
まあ、予想は出来ていたけれど。
そんなこんなで強化を解除した敵の相手は順調にいっている。ここらで畳みかけていきたいところだが。
「では、おまえたちのお望みのものを授けましょう」
髪は機を窺い、そして逃さないもの。ついでに民の期待にもお答えして、由乃は空中に砲門付きの箒を解き放った。
「八門集中砲です。しっかりと受け取りなさい」
「あ!! 味方ごとやる時のアレですね!!!」
「組長! 今です庇ってください組長!!」
「あれは自力で避けなせェ」
英の訴えはあえなく却下された。何でもない風に、というかもはや諦めた様子で娑婆蔵は言う。
「慣れればある程度は勘働きで――」
「ほんとだできたわ」
「そんなことある……?」
なんとなく来そうな気がした、という動きで荊が身を躱し、射線の予測を概ね読んでいた娑婆蔵も同様に回避。盛大な砲撃が敵を襲い――。怒りの咆哮と共に、緑雷を全身から迸らせながら巨獣が駆け出す。目前には春一を含めた障害がいくらか在るように見えるが、そんなものでこの突進は止まらない。
あ、これは届くな、と直感して、由乃は速攻で箒の上に飛び乗り、踵を返した。
「ヘイト調節甘いですよ春一!」
「え! ダメでしたか!?」
でもまあこれはこれで。獲物を追いかけるのに夢中の猫ちゃんは、他から見れば丁度狙い頃と言えなくもない。崇拝する姉を狙う不届き者には、連携攻撃の餌食になってもらうのが似合いだろう。
「荊さん! 両側から仕掛けますよ!」
「よっしゃ行くか!」
輝く拳を携えた二人は、敵を追うようにして地を蹴り、加速する――その前に。
「僕が右に行くので……あ、荊さん右の方がいいですか?」「じゃアタシ右」「では僕が左に」「ん、それどっちから見た方向?」「ええっと――」
「こらそこ、いつまでぐだぐだやってるつもりですか!!」
前方から由乃の怒声が飛んでくる。草生えるくらいのノリで眺めていた英はともかく、娑婆蔵は状況をまとめるために二人の間へと進み出た。
「あっしが真ん中に入りやすから、後は流れで」
「おっけ~👌」
「わかりました! 殴りましょう!」
解決。三方向からの連携攻撃がサンダーライオを穿ち、暴れる獣を叩き伏せた。突進する獣を無理矢理押し留めるそれが、とどめの一撃となったようで、苦し気な唸りを一つ残して、巨獣はどうと音を立てて地に倒れ込んだ。
「ようやくですか。しぶとい相手でしたね……」
箒から降りてきた由乃の前で、巨獣の毛皮から最後の息吹のような電光が僅かに走る。そのまま敵が動かなくなったのを確認して、英や荊も警戒を解いた。アヴァタール級との戦いも、どうやら勝利で終えることが出来たらしい。
「これって最後剥ぎ取りまでがクエストですよね?」
「たかなし~レアドロップみっけたら教えて~」
「……と言われても」
何を持って帰ればいいのやら。例のゲームだとレア素材としては謎の玉がメジャーどころだろうか。でも実際あれ何なん?
首を傾げる英とは逆に、荊は意気揚々と倒した巨獣へと向かっていった。
「はるーち見て! 倒したけどまだ光ってんぞ!」
「待ってください、僕はこれから回想シーンやらないといけませんので」
なんて? 思わず二人が見返す中、春一はすらすらとそれを語り始める。
「あれは、そう、僕が姉さんに初めて褒められた時のことですが――」
「あっ長いやつだこれ」
「ていうかその話要ります? 今??」
気が付けば、ごろごろと鳴る雷雲はずいぶん遠くに行ってしまったようだ。
無事に障害を排除し、道の開けたその場所で、スキップ不可っぽい回想シーンが始まった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【照明】LV2が発生!
【飛翔】がLV3になった!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV5になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV3になった!
テクトラム・ギベリオ
ふぅー……今回はなんとかミウから遠ざける事ができたな。
あの巨獣が猫のような習性をもっていて助かった。一部ちがう猫もつられて危うかったが。
おい、何をきょとんとしている。お前のことだぞ。(毛玉のしまい忘れている舌を押して口の中に戻す)
サフィーナ・ミウに戻り改めて進路を行こう。
確か南の方、今でいうヴィクトリア湖方面を目指すのだったな。
地図を見ながら大体の位置を予想する。
今はエチオペアの……いや、もうケニアか。
順調に南下しているとして、ケニアの北部。地図で言えばこのあたりだろうか。一先ずの目的地を設定したとは言えまだまだ先は長いな。
ドラゴンたちを誘導しようとした場所も非常に気になる。これからの進路に何か手がかりがあれば良いが……。
外は相変わらずの緑か。毛玉も一緒に見てくれ。どうだ、何かみつかりそうか?
種として元々が巨大というのもあるだろうが、一体何を食ったらあそこまででかくなれるのだろうな。
王となる者はさらに巨大なのか。それとも案外毛玉くらいのサイズだったりしてな。
●旅路は続く
「ふぅー……今回はなんとかミウから遠ざける事ができたな」
テクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)の嘆息が、静かになった密林に響く。アヴァタール級のドラゴン化を解除した上で戦場を移し、砂上船を無傷で済ませることには成功した。向こうの様子からすると、巨獣の討伐に関してもつつがなく遂行されたようだ。
「それにしても、あの巨獣が猫のような習性をもっていて助かった」
幸い、というべきだろう、日頃鍛えた熟練の腕を揮うことが可能な相手ではあった。これがまた別のモノで、ドラゴン化を解除できないようなことになれば、結果はまた違っていたかもしれない。
「まあ……解除の際に一部ちがう猫もつられて危うかったが」
言いつつ、毛玉の方に視線を向けるが、そちらは「ふーん」と完全に知らぬ顔をしていた。何だったらしまい忘れた舌が半分はみ出しているくらいに無関心。お前のことだぞ、と念を押しつつ、テクトラムはその舌を押し込んでやった。
ほどなく全員の無事を確認し、ディアボロス達は再度砂上船を発進させる。進路は変わらず南、最終人類史で言うヴィクトリア湖方面だ。他のディヴィジョンと比べても遠い遠い時代であるここに、その地理関係がどこまで効いてくるかは未知数だけれど。
「今はエチオペアの……いや、もうケニアか。順調に進んでいるとすれば、今はこの辺りか……?」
広げた地図の一端、ケニアの北部を指さす。目標地点を定めたとはいえ、目指すヴィクトリア湖まではまだまだ遠い。しかしどんな旅路であれ、一歩ずつ進んでいずれ辿り着くはずだ。
「ドラゴンたちを誘導しようとした場所も、気になると言えば気になるのだが……」
目下の目的地から順を追っていけばあるいは、いや、もしかするとそれでも虱潰しにするしかなくなる可能性もある。一番手っ取り早いのは、道中で怪しい場所を見つけてしまうことなのだが。
「……外は相変わらずの緑か」
そう、行けども行けども風景は緑。さすがは原生の密林、とでも言えば良いのか、今のところは全く切れ間が見えない。景色が開けることはなく、おかげでランドマークの類を見つけることもままならない。本当に進んでいるのかも不安になるほどだけれど、実際に目印でも付ければ、「ただただ密林が深すぎる」というだけなのがわかるだろう。
自然と溜息も出てしまうところだが。
「毛玉も一緒に見てくれ。どうだ、何かみつかりそうか?」
少しでも目を増やすべく、そう促す。とはいえじっと見ているばかりでは疲れてしまうので、思考はあちらこちらへと飛んでいく。遠くに見える巨獣の影、嘶きや足音、それらの気配を感じながら。
「種として元々が巨大というのもあるだろうが、一体何を食ったらあそこまででかくなれるのだろうな」
トループス級でもあのサイズであり、アヴァタール級はさらに強大だった。先の戦の際に見たジェネラル級のサイズも加味すれば、果たして『王』はどれほどのものになるのか……。
「――それとも、案外毛玉くらいのサイズだったりしてな」
可能性は無くもない、か? ふと笑うテクトラムに対して、毛玉が退屈そうに欠伸をひとつ。
旅の一歩目は代わり映えなく、だが無事に、手堅く踏み出した。この道の行く末がどこになるかはわからないが、まだまだディアボロス達の探索行は続いていきそうだ。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV4になった!
効果2【ダメージアップ】がLV6になった!