はわわわ〜、怖い敵が東京に来ちゃいました〜(作者 秋津透)
#天正大戦国
#最終人類史防衛戦(江戸川区、世田谷区、大田区)
#最終人類史防衛戦
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今は滅びたTOKYOエゼキエルディヴィジョンから、最終人類史へと奪還された東京都世田谷区。
その南側、本来なら多摩川を隔てて神奈川県川崎市になるはずの境界海に怪しい霧が発生し、魁偉な姿の天魔武者たちが姿を現す。
「ここが、ディアボロスどもの根拠地か」
本来の歴史では織田黒母衣衆の猛者として知られ、武田家討伐後は甲斐国の統治を任された重鎮『河尻秀隆』の名を持つアヴァタール級天魔武者が、海上にふわりと浮き上がって周囲を見回す。
その配下に従うは、トループス級天魔武者『上泉信綱』の集団。本来なら上級クロノヴェーダになっていても不思議のない剣豪武将の名を持つ天魔武者が何体も居並んでいるのだから、これは脅威だ。
そして『河尻秀隆』は配下たちに告げる。
「我らが圧政によって一般人からエネルギーを絞っているのと同じく、ディアボロスどもも配下の一般人からエネルギーを得ているに違いない。つまり、一般人を殺せば殺すほど、ディアボロスの力は弱まるはず。さあ、斬って斬って斬りまくれ!」
「応!」
トループス級天魔武者たちが、一斉に雄叫びをあげる。
「上泉信綱いざ参る!」
「腹が減っては戦ができぬ。喰いながら話を聞いてくれ」
時先案内人の陳・修賢(人間の特級厨師・g03221)が、いつものように手製の饅頭を配りながら告げる。
「《七曜の戦》の影響なのか、クロノヴェーダによる最終人類史への攻撃が行われるようになった。皆には、江戸川区、世田谷区、大田区などの住民のいる地域を襲撃しようとする天魔武者から、最終人類史の防衛を行って欲しい」
厳しい表情で、修賢は一同を見回す。
「これまで、最終人類史へ奪還した地域に他ディヴィジョンが侵攻してくることは原則なかったが、今後はそういうわけにもいかないようだ。最終人類史ではパラドクス効果が強まっているので戦闘を有利に進めることが出来る筈だが、最終人類史の一般人が犠牲になるような状況は断じて防がなくてはならん」
そりゃまあ、どこのディヴィジョンの一般人も守るべき対象ではあるが、最終人類史の人々の生命を奪われたら取り返しがつかん、と、修賢は告げる。
そして修賢は、メモを見ながら言葉を続ける。
「今回皆に防いでほしい天魔武者が現れるディヴィジョン境界の霧は、世田谷区南側の境界海岸近くに出現する。まずは周辺住民を避難させ、霧の中から敵が出現したら遅滞戦術で足止めしてくれ。出現する敵は、アヴァタール級『河尻秀隆』に率いられたトループス級『上泉信綱』の集団で、かなり手強い相手ではあるが、襲ってくるディアボロスを無視して一般人殺害に走る可能性は低い。とはいえ、遅滞戦術を誤ると、こっちの身が危うくなるかもしれん…天魔武者の一部は《七曜の戦》を経験して「逆説連鎖戦」に長じてきた可能性もあるしな」
難しい表情のまま、修賢は唸る。
「ただ、住民の避難が済んだ場所については、建物とかの損害は考慮しなくていい。【建物復元】がLV10で作動できるからな…他の残留効果もLV10だが「逆説連鎖戦」を心得た敵との戦闘時にはあまり役に立たないと思っていたほうが安全だ…むしろ戦闘用残留効果が最大LVになっている方が大きいかもな」
利点も欠点も、これまでとは相当に違う感じの戦いになりそうだ、と、修賢は一同を見回した。
そして修賢は、小さく肩をすくめて続ける。
「最終人類史に踏み込まれての防衛戦、か…厄介な事態になったものだが、まあ、とにかくやってみるしかないな。一般人に一人の犠牲者も出さないというのを鉄則にして、あとはよろしく頼むとしか言いようがない。そして、もう一つの鉄則…必ず生き延びて、経験を積んでくれ。一般人を守れても、ディアボロスが死んじまったら話にならん。死んでも新宿島に戻ってこれるっていう話も、絶対確実でも何でもないからな」
最終人類史、東京都世田谷区。
今、ここにいる住民たちのほとんどは、アークデーモンの統治下で艱難辛苦を舐めさせられた経験などない。「刻逆」の後、いきなり「奪還」へと記憶が飛び、隣接する神奈川県や多摩地区の市が海になっていることに仰天している。
幸い、ディアボロスに対する無意識の信頼感は強く刷り込まれているので、頼めばだいたいのことは快く従ってくれるが、ある意味「平和ボケした2015年の普通の日本人」そのままである。
だから、境界海の向こうから「敵」が来るかもしれないと言われても、その警告に実感を持って対応しようという人は少ない。まあ、ばさりと斬られたような崖になっている境界海岸は薄気味悪いらしく、もとは多摩川河川敷だった場所にある施設やグラウンドを利用する人は少ない。
……少ないだけで、いないわけではない。
リプレイ
嵐柴・暁翔
なんというか、いきなり居住地域が最前線の激戦地になってしまった方々は悲惨としか言いようがないな…
天魔武者達の出現まで多少でも時間があるなら【セルフクラフト】と【アイスクラフト】で即席の壁を幾つか作り進行方向を限定させて、壁の裏には【泥濘の地】と【トラップ生成】でぬかるみと大量の落とし穴を用意
ただし意図的に一部だけ開けておいてそこには【防衛ライン】を展開
天魔武者達が出てきたなら状況を把握される前に一撃でもいいので即座に攻撃して警戒心を抱かせて足を止めます
一撃を入れた後は直ぐに潜伏
ここでいきなり散開されて取り逃がしがでて街中に潜伏でもされると洒落にならん
いずれ騒ぎを起こして見付けられるだろうけどそれまでに何人犠牲者が出るか分かったもんじゃないからな
後は可能なら複数で【パラドクス通信】で連携して天魔武者達が壁を壊す、泥濘に足を取られる、【防衛ライン】に引っ掛かる、というような僅かにでも足が止まった瞬間に攻撃しては隠れてと、仕留められなくても警戒するよう嫌がらせのように散発的に攻撃を繰り返します
「なんというか、いきなり居住地域が最前線の激戦地になってしまった方々は悲惨としか言いようがないな…」
現場に向かうパラドクストレインの中で、想定地域の地図を見ながら、嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)は顔をしかめて唸った。
「可能な限り急いで住民を避難させるのが当然だが、敵の出現タイミングによっては避難が間に合うとは限らない。足止めの方法も考えて、準備しておこう」
こちらの人数が充分に多いなら、防衛ラインを敷いた上で堂々と防戦するのも手だが、今回は避難誘導優先だからそうもいかん。姑息に徹するしかないな、と暁翔は難しい表情のまま続ける。
「【セルフクラフト】と【アイスクラフト】で即席の壁を幾つか作り進行方向を限定させて、壁の裏には【泥濘の地】と【トラップ生成】でぬかるみと大量の落とし穴を用意…ただし意図的に一部だけ開けておいてそこには【防衛ライン】を展開…天魔武者達が早々と出てきたなら、状況を把握される前に一撃でもいいので即座に攻撃して警戒心を抱かせて足止め…俺一人でできることは、その程度か」
時先案内人の話では、今回の敵は堂々の立ち合いを好むらしいから、身を隠すかどうかは判断が難しいな、と、暁翔は唸る。そもそも、一撃入れれば当然反撃があるわけで、そこから身を隠せるか…かといって、一人で堂々と立ち合ったら、どう考えても身が持たない。
「…まあ、そのへんは臨機応変にやるさ。とにかく一般住民の避難が済んでしまえば、多少天魔武者達が前進してからでも、全員合流して数的不利がない状態で戦えばいいわけだからな」
単身で剣聖上泉信綱(の名を持つ天魔武者)の集団相手に綱渡りの遅滞戦術をするなんて、できれば避けたいのが本音だよ、と、暁翔は声には出さずに呟いた。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【強運の加護】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
バトラ・ヘロス
アドリブ、連携歓迎であります。
命令、承りました。市民がいては確実な戦闘行動が取れません。何時も通り、まずは安全の確保であります。
まずは避難誘導でありますね。
手分けして市民に避難を呼び掛けます。
折角の残留効果です。使っていきましょう。【パラドクス通信】で仲間と連絡を取り合い、広範囲を効率的且つ短時間で回ります。準備した地図と【スーパーGPS】で現在地を確認します。避難箇所も打ち合わせておきます。
【友達催眠】も使いながら、ディアボロスである事を名乗って信用を得て、迅速な避難を呼び掛けます。
無双馬に騎乗し、槍を構えた戦闘体勢で行動します。ここは既に戦場であります。危機感を持って行動して下さい。
市民には、逃げながら他の人声をかけて貰う様にお願いします。気付き難い場所に住んでいる人がいないか、情報提供をお願いします。
誘導に応じない方には【避難勧告】を使用します。混乱させない様に口頭で具体的な避難指示を与えます。
多摩川河川敷にも人がいるのでしょうか。確認しておきます。
雑賀・黒詠
アドリブ、連携可
天魔の軍勢が尽きることは無いか。寧ろこれを好機と思い攻め入ってくる。
予想できただけに鬱陶しいな。
迎え撃つにしてもまずは一般人の退避だ。
間違えなく巻き込んでしまうからな。
おそらく他は多くの一般人に声を掛け先導をしてくれるだろう。
であればこちらは裏方として動こう。
敢えて人の少ないであろう場所へ赴き、取り残された者が居ないか探し回る。
道中に見つかれば自身の正体を明かし、前線から離れた安全地帯へと非難してもらう。それと同時に他に市民が集まっている場所を聞き出し探索を続けていこう。
しかし何より大事なのは満足に動けないであろう市民を探すこと。
基本は市民同士で対処してもらうがどうしても厳しい場合は【フライトドローン】を使用し迅速に運ばせる。
心掛けるべきは、迅速に行動し端的に分かりやすく物事を伝えることだろう。
「天魔の軍勢が尽きることは無いか。寧ろこれを好機と思い攻め入ってくる。予想できただけに鬱陶しいな」
面をつけているので表情はわからないが、明らかに苦々しい口調で雑賀・黒詠(国境なき鍛冶師・g07640)が唸る。
「迎え撃つにしてもまずは一般人の退避だ。間違えなく巻き込んでしまうからな」
「承りました。市民がいては確実な戦闘行動が取れません。何時も通り、まずは安全の確保であります」
こちらは対照的に淡々とした口調で、バトラ・ヘロス(沼蛙・g09382)が応じる。
そして黒詠は、想定地域の地図を見ながら続ける。
「幸い、現場近くには患者を入院させている医療施設や老人介護施設はないようだ。あなたは、このへんの大規模集合住宅を中心に避難を呼びかけてくれ。私は、そこより境界海に近いところを走って、敵出現場所近くに一般人が取り残されることがないように務める」
「多摩川河川敷方向でありますね。よろしくお願いするであります」
うなずくバトラに、黒詠は的確に指示をする。
「心掛けるべきは、迅速に行動し端的に分かりやすく物事を伝えることだろう。そして何より大事なのは、満足に動けない市民への対処だ。基本は市民同士で対処してもらうが、どうしても厳しい場合は【フライトドローン】を使用し迅速に運ばせる。私たち自身で運ぶのは、最後の手段だ」
「了解しました。自分には『青縞』…サーヴァントの無双馬もおりますので、併用して迅速に対応します」
バトラが応じ、今度は黒詠がうなずく。
「無双馬がいるなら、心強いな」
そしてパラドクストレインは現場に到着し、二人は打ち合わせ通り、手分けして一般人に避難を促す。
ちなみに「一般人を避難させる時にディアボロスが手助けとして安全に使えるのは、サーヴァントと、命令を下せる一体の【フライトドローン】程度」しかない。パラドクス攻撃に伴って召喚される存在は、たとえ汎用ドローンであっても原則として攻撃にしか使えない上に、時間と空間を掻き乱すパラドクスを乗せている時点で、一般物質や一般生命体を意図せず毀損する危険性がある。
そして結果的に、黒詠とバトラの二人による避難呼びかけと誘導は、危惧されたトラブルもなく迅速に完了した。LV10で発動される【友達催眠】は、ディアボロスに対する警戒を解く以上に「周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる」ため、普段はあまり折り合いの良くない住民同士でも、積極的に協力させることができる。更に【士気高揚】や【活性治癒】の効果で、普段は動くのも億劫な者も、別人のように生き生き、きびきびと行動する。バトラが向かった大規模集合住宅からは、あっという間に住民が避難したばかりか、積極的に付近の住宅に呼びかけて避難を促し、点呼まで取る。黒詠が向かった河川敷側にも多少の一般人がいたが、一も二もなく互いに呼びかけ合って、境界海から離れる方向へと避難していく。最後に、呼びかけ漏れがないように、かなりの広範囲に渡って【避難勧告】を行ったが、赤い光が明滅しサイレンが鳴り響いても、慌てて飛び出してくる住民はいなかった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
バトラ・ヘロス
アドリブ、連携歓迎であります。
遅滞戦術の組み立てに向かっていた仲間と合流し、情報を共有します。
避難は順調に進みました。もう完了しているとは思いますが、敵の足止めが必要なら、遅滞戦術に沿って行動するであります。命令を下さい。
待ち伏せて、仲間とタイミングを合わせて攻撃を仕掛けます。
無双馬に騎乗して、長槍サリッサと魔力盾スクトゥムを構えて突撃します。
【盾槍陣】で、サリッサとスクトゥムの複製を無数に具現化して周囲に陣形を展開し、共に突撃します。
連ねた盾で敵陣を押し込み、槍襖で貫く1人ファランクスであります。
敵は歩兵機動力に長けたカタナサムライです。騎兵として対抗するには、騎馬突撃の速度と槍の間合いの長さ、盾による耐久力を活かすであります。
反撃は、突進による高速移動で狙いをつけ難くさせて、自身を守る様に展開したスクトゥムを【ガードアップ】で強化し斬撃の威力を軽減して耐え抜きます。
一般人への安全確保がディアボロスの弱点と気付かれたのは厄介ですが、克服すべきではない弱点でもあります。頑張りましょう。
雑賀・黒詠
かの大剣豪、上泉信綱すらも有象無象の兵となるか
......
そして自身が生み出した新陰流もものにしているとはな。
そんな偉大な者を簒奪した天魔武者よ。やはり貴様らは万死に値する。
お前たちが英雄たちの名を、技を語るなど。烏滸がましいにも程がある。
紛い物が、雑賀たる私に勝てると思うなよ?技は、研鑽してこそだ!
新陰流は立派な兵法だ。油断など出来ない。それが大量に来るとなるとこちらもやられかねない。
しかし、此方は一人ではない。一人と一体、何とかして見せよう。
得物に小鴉の打刀、種子島式半自動小銃を用意し、人形と自身で交互に使い分ける。
住宅など建物も多いこの場所ならば【壁歩き】も有効だろう。的確に距離を取りつつ死角を狙う。その間に人形を前線に出し、囮として詰めさせる。
逆にこちらを捉えられたのならば、武器を入れ替えこちらが前に出る。
人形には援護させつつ確実に削っていく。
『二位一体』は変幻自在。ここから先は通さない。私とこの子で守り抜いて見せよう。
嵐柴・暁翔
どうやら遅滞戦術は不要みたいだな
相手の正面に出て【防衛ライン】を使用してその前で待ち構えるとするさ
しかし堂々の立ち合いを好むというのは防衛側にとって都合が良いのかは判断に迷うな
精神性の問題であって他が出来ないという意味ではないから只管合理性や欲望を優先する相手と比べて動きが読み難い面もあるからな…
住民を殺すのを優先するなら俺達を無視して進むのもありだけど、レベル10の【防衛ライン】なら迂回するにも乗り越えるにもそれなりの手間だ
そんな隙を晒してくれるならそこを狙い撃つんだけど…望み薄だろうな
《贋作者》謹製の『PGM ヘカートⅡ』を構えて近付いてくる相手から撃ち抜きます
魔力砲って…
新陰流ならせめて手裏剣術か弓術にしてくれ…
「天魔武者が出現する前に、住民の方々を無事に避難させることができたようで、何よりだ」
東京都世田谷区南側の境界海近く。海上に生じた怪しい霧の様子を窺っていた嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)が、住民の避難を完了させて駆けつけてきた雑賀・黒詠(国境なき鍛冶師・g07640)とバトラ・ヘロス(沼蛙・g09382)に告げる。
「一応、障害物とかは作成してあるが、無理に遅滞戦術を使う必要はなくなった。崖際に防衛ラインを敷いて、天魔武者が出てきたところを問答無用でパラドクス攻撃で叩く、という作戦でいけると思う。どうかな?」
「はい。命令に従います」
バトラが即応し、黒詠も霧の方を見やってうなずく。
「そうだな。先手で叩くことに異議はない」
そして黒詠は、忌々しげな口調で続ける。
「かの大剣豪、上泉信綱すらも有象無象の兵となるか
......そして自身が生み出した新陰流もものにしているとはな。そんな偉大な者を簒奪した天魔武者よ。やはり貴様らは万死に値する。お前たちが英雄たちの名を、技を語るなど。烏滸がましいにも程がある。紛い物が、雑賀たる私に勝てると思うなよ? 技は、研鑽してこそだ!」
「まったくだな。剣聖上泉信綱も、トループス級に貶められて雑兵集団として使われては、さぞかし不本意だろう」
暁翔が応じた時、霧の中で異様な気配が膨れ上がる。
「どうやら、おいでなすったようだぞ」
短く告げて、暁翔は自身が【セルフクラフト】と【アイスクラフト】で作成した壁の前へ出る。黒詠はその壁面に【壁歩き】で張り付く。無双馬『青縞』に騎乗したバトラは、壁の斜め前に位置を定める。
そして、霧の中から天魔武者の一団…アヴァタール級『河尻秀隆』に率いられたトループス級『上泉信綱』の集団が姿を現した刹那、暁翔がパラドクス「贋作者(フェイカー)」で作成したマテリアルライフル『PGM ヘカートⅡ』をぶっ放す。
「ぐわっ!?」
アヴァタール級には当てないよう、トループス級を狙って放たれた一撃は、複数の『上泉信綱』を見事に撃ち抜いて消し飛ばす。しかし、粉砕される寸前、『上泉信綱』は反撃のパラドクス「新陰流・技」を発動。暁翔に向かって魔力砲を撃ち返す。とはいえ、咄嗟の反撃のため収束が足りなかったのか、暁翔が受けたダメージは思いのほか小さい。
(「うぐっ…さすがといえばさすがだが、しかし新陰流で魔力砲って…せめて手裏剣術か弓術にしてくれ…」)
声には出さずに暁翔は唸る。そして『河尻秀隆』が大声で叫ぶ。
「おのれ、ディアボロスめ、我らを待ち構えておったか! しかし、ここで引くわけにはいかん! 者ども、ひるまず進み、斬り破れ!」
「ふん。斬り破ろうにも、相手がどちらだ、どこだと見ている暇が、貴様らにあるかな?」
敢えて挑発的に言い放ち、黒詠がパラドクス「二位一体(ニミイッタイ)」を発動。種子島式半自動小銃でトループス級を狙って撃ち抜き、小鴉の打刀を装備した和装人形「子狐」を囮として前に出す。
「ぐっ……」
優れた技を持っていても、所詮はトループス級の悲しさ。防御耐久力に乏しい『上泉信綱』は、黒詠の射撃を受けて次々に斃れる。しかし、斃れ際に反撃のパラドクス「新陰流・体」を発動。居合で抜き放たれた刀から衝撃波が放たれ、黒詠と「子狐」を撃つ。とはいえ、本体が殺到して居合で斬る本来の技に比べれば威力は格段に劣り、人形からの跳ね返りを含めて浅手の範囲で終わる。
そして、もはや少数の生き残りになってしまったトループス級が、海上から陸地を目指して動き出した瞬間、パラドクス「盾槍陣(ファランクス)」を発動したバトラが騎馬突撃を仕掛ける。
「ファランクス、アグレシオ!」
「ぐわああっ!」
突撃する騎兵はバトラと『青縞』の一騎だけだが、長槍サリッサと魔力盾スクトゥムの複製を無数に具現化し、連ねた盾で敵を押し込み、槍襖で貫く。それに対して『上泉信綱』たちは反撃のパラドクス「新陰流・絶」を発動。刀を振るって槍の穂先を斬り払い、盾を割り斬ろうと奮戦するが、とても間に合わず、盾で押しひしがれ槍で貫かれて次々と機能停止する。
そしてバトラは、トループス級を全部仕留めたと見るや、素早く馬首を返して陸地へ駆け戻る。もしもアヴァタール級が攻撃してきたら損傷を受けたかもしれないが、幸いにもと言うべきか『河尻秀隆』は手出しをしてはこなかった。ただただ呆然としていたのか、それとも眼前にいるディアボロスたちの戦力を見極めようとしていたのかは、わからない。ただ、いずれにしても引く…逃走する気はなさそうだ。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
【壁歩き】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
嵐柴・暁翔
この状況でも逃げ出さないというのは武将的な気質が悪い意味で出ているな
敵根拠地を奇襲するつもりが迎撃されたとなるともうどうしようもないだろうに…
……実は排斥力をあてにしていて自力では帰れない、なんてオチなのかもしれないけどな…
折角【防衛ライン】を用意したんだしそのすぐ前で戦います
【防衛ライン】の上空は飛び越えられないならどれだけの高速機動だろうと移動範囲が制限されれば攪乱の効果も半減される
いざとなれば【防衛ライン】の後ろに退避する手もあるしな
《悪魔召喚》で呼び出した大天使姉妹の魔法攻撃で迎撃します
あまりいい考え方ではないだろうけど後で建物は直せるなら流れ弾を気にする必要はないしな
終わった後は周囲に被害が出ていれば【建物復元】と【クリーニング】で原状回復させてから帰還します
バトラ・ヘロス
アドリブ、連携歓迎であります。
攻撃直後の無防備なところを撃たれてたら危なかったでありますね。侮って見逃されたのか、こちらの力量を分析されているのか。何にせよ、生き延びたのですから今のところ私の勝ちです。攻め続けるであります。
引き続き、無双馬に騎乗し、槍と盾を構えて身構えます。
残るはアヴァタール級のみであります。仲間と連携して、逃がさない様に攻撃を仕掛けます。
命令をお願いするであります。
飛行型のようでありますね。狙い撃ってくる部下もいませんし、こちらも【飛翔】して同じ舞台で戦うのが良いでしょうか。
喉が裂ける程の絶叫と共に【突撃】を仕掛けるであります。
無双馬と私の質量と、飛翔の勢いの全てを槍の穂先に集中させます。着撃の直前にサリッサを伸ばして突き刺します。
そのまま刺さった槍を手放して、勢いのまま離脱して反撃に備えます。
ガードアップした魔力盾スクトゥムで、機翼からの射撃を受け止めてダメージを減らして耐え抜きます。
雑賀・黒詠
先の戦闘に於いて手を出してこなかったのは、貴様に残った義によりものか?
それとも突然の強襲に恐れをなして手を出せなかったか?
織田に代々仕えたその忠義は称賛に値する。黒母衣衆に至った武勇も認めよう。
だがしかしそれは奪われた者の大事なものだ。簒奪者たる貴様には語る事すら許されない。今ここで、朽ち果てるといい。貴様の行く末は黒鉄の塊だ!
宙を自由に制圧されてはこちらも苦しい。恐らくは距離をとっての制圧攻撃を得意としているのだろう。
だがこちらも飛べる。ここは我々の場だ。
【飛翔】を用いてなるべく同じ目線で戦う。
得物は種子島式半自動小銃に小鴉の打刀。
あいつの翼は厄介だ。であれば撃ちぬく。徹底的にだ。
かの織田が生み出したとされる三段撃ち。それすらも凌駕した弾の雨、それに刃の斬撃が飛ぶおまけつきだ。
三段撃ちなど目じゃない。我が手から放たれるは『連弾撃ち』。
貴様が動かなくなるその時まで、銃と刃を生み出そう。
貴様に黒い羽は勿体無いのでな、堕ちてもらおう!
(「この状況でも逃げ出さないというのは、武将的な気質が悪い意味で出ているな。敵根拠地を奇襲するつもりが迎撃されたとなると、もうどうしようもないだろうに……実は排斥力をあてにしていて自力では帰れない、なんてオチなのかもしれないけどな…」)
最終人類史、東京都世田谷区。天正大戦国ディヴィジョンから侵入してきたアヴァタール級天魔武者『河尻秀隆』を見据え、嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)は声には出さずに唸る。
そういえば、本来の歴史に記録される河尻秀隆は、主君織田信長に重く用いられ、武田家を滅ぼした後に甲斐国の統治を任されたが、信長が本能寺の変で横死すると、他の織田諸将が一目散に西へ戻る中で一人動かず、結局武田残党の地侍(一説では徳川家康の配下)に襲われて戦死したとされる。踏みとどまって使命に殉じたとも言えるが、状況を見誤って引くべき時に引かずに身を滅ぼしたとも言える。
そして雑賀・黒詠(国境なき鍛冶師・g07640)が、暁翔とは対照的に、敢えて挑発的に大きく呼ばわる。
「先の戦闘に於いて手を出してこなかったのは、貴様に残った義によりものか? それとも突然の強襲に恐れをなして手を出せなかったか? 織田に代々仕えたその忠義は称賛に値する。黒母衣衆に至った武勇も認めよう。 だがしかし、それは奪われた者の大事なものだ。簒奪者たる貴様には語る事すら許されない。今ここで、朽ち果てるといい。貴様の行く末は黒鉄の塊だ!」
「ふん…少なくとも俺は、貴様らのような無義無法な輩に義を示すほど酔狂ではない。まして、貴様らごときを恐れることもない。罠に嵌められたのは業腹だが、ならば弱みを見付けて斬り破れば良いだけのことだ」
冷ややかな口調で言い返すと『河尻秀隆』は特徴的な黒翼を広げ、黒詠に向かって突進する。
「そして、罠の要は貴様と見た。貴様を斬り破り、罠を突破し、そのまま進んで貴様らを支える民草を薙ぎ倒してくれよう!」
「させるか!」
黒詠はLV10【飛翔】で素早く動き『河尻秀隆』の飛行突進をいなすと、パラドクス「連段撃ち(レンダンウチ)」を発動。種子島式半自動小銃で銃弾の嵐を浴びせかける。
「一発じゃあ倒しきれん、2発じゃあ足りん。ならば
......雨の様ならばどうだ?」
「小癪な!」
黒詠が放つ銃弾の嵐、更には召喚された無数の種子島や抜き身の刃から銃撃、斬撃を受けながらも、さすがはアヴァタール級と言うべきか、『河尻秀隆』は墜落することなく反撃のパラドクス「黒翼追射」を発動。広げた黒翼を分離し、黒詠に反撃の猛射を浴びせかける。
「く…厄介だな」
黒詠は回避機動を行うが『河尻秀隆』とその黒翼は連携して、黒詠が召喚した種子島や刃を撃ち砕き墜とす。戦闘不能になるとか飛行を維持できないというほどではないが、決して小さからぬ跳ね返りのダメージに黒詠が呻いた時。
「ぐわあっ!?」
地上から強力な魔法攻撃が放たれ『河尻秀隆』を直撃する。暁翔がパラドクス「悪魔召喚(サモン)」を発動し、契約している大天使姉妹セレスティアとアリスティアを召喚。黒詠との空中戦に集中しているアヴァタール級に痛烈な横槍を入れた。
「……お、おのれ」
地上の敵に反撃しようとしたのか、それとも痛撃を受けて高度が維持できなくなったのか、『河尻秀隆』の高度がぐらっと下がり、分離していた黒翼が助けるかのように飛んでくる。
しかし、アヴァタール級が黒翼と再度合体する間を与えることなく、じっと機を窺っていたバトラ・ヘロス(沼蛙・g09382)がパラドクス「突撃(チャージ)」を発動。無双馬『青縞』に騎乗し、LV10【飛翔】で空を翔け、渾身の騎馬突撃を仕掛ける。
「うわあああああああああああっ!」
「ぐわああああああああっ!」
長槍サリッサが『河尻秀隆』の胸部装甲をぶち抜き、更に再合体しようと接近していた黒翼を貫く。同時に反撃のパラドクス「黒翼追射」が発動。黒翼からの至近距離射撃が魔力盾スクトゥムを撃ち抜かんばかりに激しく放たれるが、バトラは長槍を手放し、背を向けることなく走り抜けるようにして離脱する。
「ぐ…ぐぐ…」
串刺しにされたアヴァタール級は、しばし空中で身悶えるような動きを見せたが、やがて限界に達したか、派手に大爆発を起こして四散する。
「…要の雑賀を抜こうとして抜ききれず、両翼のヘロスと俺から攻撃されて敢え無く潰れる、か…馬防柵こそなかったが、織田の重鎮が長篠の武田軍になったようなものだな」
引き際を誤ったというか、引くに引けずに突っ込んで敗れたという点も同じだな、と、暁翔はいささか感慨深げな表情で呟いた。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【エアライド】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
【平穏結界】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
【能力値アップ】LV1が発生!