始動、徳川のファイナル・ウェポン!(作者 木乃)
#天正大戦国
#【《七曜の戦》東京北部防衛】北東京天魔武者合戦
#《七曜の戦》
#人類史防衛戦『東京都北部』
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●徳川の懐刀
巨岩のごとき天魔武者は、踏み入った地域を興味深く見渡す。
「ここか、ディアボロスのディヴィジョンは! 石造りの建物が列挙し、綱を渡した柱が並んでいる……『想像を絶する』とは、正にこのこと」
なんと面妖な領土か! ――感心しきりの大武者の背後に、形代じみた天魔武者が整列する。
大武者の一声を待つ者達の気配に、
「計画通り、情報を集めよ。未知の領土に踏み入れる以上、慢心するでないぞ。相手はあのディアボロス……肝に銘じておくのだ」
豪壮な巨躯とは裏腹に、慎重に事を運ぶよう念押しする。
飛び立つ形代兵を見遣り、その者は独り言ちた。
「この本多忠勝、必ずや家康様に勝利をお届けする。……確実に、一歩ずつ勝利を積み重ねようぞ」
●足立区防衛戦
「ついに始まったわ――《七曜の戦》が!」
宮尾川・ライラ(蛇姫・g03335)が宣言したように、世界各地で戦端が開かれている。
この戦いによってクロノヴェーダ、ディアボロス、そして最終人類史の命運が決まっていくだろう……誰もがそう予感した。
「各地の奪還戦も始まるけど、《七曜の戦》では奪還ばかりに集中できないわ。クロノヴェーダも最終人類史が奪還した地域、ディアボロスが制圧したディヴィジョン地域も狙っている。守りもしっかり固めておかないとね!」
さて、今回の目的地は先日、第二次東京奪還戦で奪還したばかりの足立区だ。
「北東京の『北区・板橋区・足立区・練馬区』を狙って、天魔武者が攻めこもうとしているわ。先制攻撃が行えなかった戦場だったから、相手の戦力も相当なものだけど、地の利はこちらにある――そう、“残留効果”がね!」
最終人類史での戦闘は、パラドクス効果が最大に発揮される。
さらに、襲撃される住宅地では、【建物復元】を有効利用するための戦略を用意されている。
「残留効果が最大レベルで発揮できる状況なら、トループス級天魔武者だって恐るるに足らず! とは言っても、ジェネラル級が現れたら話は別よ」
トループス級とジェネラル級では、その力量は格段に違う。
現れたからと言って撃破しよう……と考えては、返り討ちにされかねない。
「敵を撤退に追い込めればこちらの勝利と言えるわ。占領されれば奪われる可能性があるけど、追いだせばそんな心配も要らないからね!」
ライラがパラドクストレインで感知した情報によると、相手は徳川家康の懐刀だったという“本多忠勝”を名乗る天魔武者が指揮しているようだ。
「北東京の戦場は、幸いにもまだ住民が帰還していない地域よ。最終人類史の一般人にも『立入禁止』と布告してあるから、人的被害を出さずに戦えるわ。さっきも言ったけど、【建物復元】を使えば被害を受けた建造物も直せるから全力で迎え撃ちましょ!」
《七曜の戦》の後は、関東各地で戦端が開く可能性が極めて高い。
「侵攻軍は徳川家康と関わりのある4体のジェネラル級だけど、今後の戦いに繋がる情報が得られれば嬉しいわね。でも、目的は天魔武者の迎撃よ。目的は間違えないようにね?」
リプレイ
狭間・ならく
[アドリブ連携◎、周囲に合わせて行動します]
……チっ、有象無象がよ。とかく数が多いな。
(本来なら全滅させて少しも情報を持ち帰らせないのが理想。この数相手じゃ出来ないのが自明なら少しでも敵戦力を減らすのが優先、かね……)
あァ、いいや。
細けェこたどうでもいい。ひひ、分かるかね。ナラクさんにゃ誰がどうなろうと──どうでもいいのさ。
(言の葉は嘘つきナラクさんの本質にして本懐。呪詛を帯びさせた言葉は、刀よりも鋭く重く敵を呪う)
ひひ。でもマ、敵と見たからにゃやるさ。なァ?(灼刀引き抜き、揮う)
鳴け、地獄花──!
シル・ウィンディア
情報収集が狙いか…。
それじゃ、その邪魔をしっかりばっちりさせてもらいましょうかっ!!
情報はあげないよっ!!
敵を見つけたら速攻を仕掛けるよ。
視認と同時に高速詠唱を開始してから、鏡乱電磁精霊砲!
ターゲットロック…。
あったれーーっ!!
その後は、同じ場所にはおらずに移動を開始。
射点を変えてはパラドクス砲撃を撃って敵を追い詰めるようにしていくよ。
攻撃対象は、味方の攻撃した敵を中心に、攻撃を重ねて少しでも早く数を削るように動くね。
敵を観察しては気づいたことについてはパラドクス通信で味方と情報共有。
特に、弱ってそうな敵を見つけたら、その情報は随時伝えていくよ。
そろそろ情報を取ることをあきらめて帰ったらどう?
獅子堂・崇
アドリブ連携歓迎
変わった敵だな。形代とかは平安らしさがあるが、こいつらも天魔武者なんだな。
お前たちに最終人類史の情報を持ち帰らせるわけにはいかない。ここで倒させてもらう。
住んでいる人達には悪いが家を利用しながら戦おう。
後で必ず直すからな。
もし本多忠勝が出てくるようなら無理はしない。
戦国最強とも言われる本多忠勝、お前を越える天魔武者もそうはいないんだろうな。今は引かせてもらう。
●疾風迅雷
天魔武者の襲来はディアボロスも想定済み。
事前に行った市街戦の備えに加え、強化された【建物復元】によって、建造物も破壊されにくくなっている為、戦禍も抑えられるだろう。
無人の足立区に、シル・ウィンディア(虹霓の砂時計を携えし精霊術師・g01415)、狭間・ならく(【嘘】・g03437)獅子堂・崇(破界拳・g06749)の三名が到着するや、隊形を組んで飛来する天魔武者――形代兵の姿を遠巻きに確認する。
「形代とかは平安らしさがあるが。あれも天魔武者なんだな……陰陽道は現代でも用いられるし、戦国時代にあってもおかしくはないか」
陰陽道に基づく、卜占や五行思想は過去に途絶えた訳ではない。
そういった形体も取り入れるのかと、崇は感心するが、ならくは舌打ちする。
「チっ、有象無象がよ。とかく数が多いな」
「情報収集が狙い、って話だよね……それじゃ、しっかりばっちり“邪魔”させてもらいましょうかっ!!」
シルが【パラドクス通信】を発動し、三人は散開して迎撃を開始する。
まず接敵したのは崇。「こっちに降りてきた」と短く伝え、物陰に回りこむ。
(「お前達に、最終人類史の情報を持ち帰らせる訳にはいかない」)
降下してきた天魔武者めがけ、建物の影から猛烈な勢いで迫り、
「ここで倒させてもらう!」
《我流破界拳・迅雷》による、念動波が赤き稲妻となって迸る。
貫かれたような強打に、形代兵からは、エラーを起こしたAIのような戸惑いが見てとれた。
【ダブル】の恩恵によって、間髪入れずに追撃を叩きこむと、ようやく『迎撃された』と理解できたのか、 紙垂――玉串や注連縄にかける御幣――の刃をくねらせ、コマのように高速旋回しながら崇に反撃。
【ガードアップ】によって強固になった肉体に加え、地の利はこちらにある。
細い路地に誘いこんでは蹴り倒し、
『崇さん! そっちに天魔武者が行ったよ!』
「了解。手当たり次第、蹴り倒していく」
シルの伝達に応答しつつ、迫る新手に自慢の拳を構えた。
同時刻。シルも接近する形代兵を見上げつつ、魔方陣を展開する。
「ターゲット・ロック」
寄り添うように現れた幻影が銃身を構え、形代兵の周囲に鏡面状の球体が出現する。
「《鏡乱電磁精霊砲》――あったれーーっ!!」
乱反射する魔力砲は【能力値アップ】という、世界の祝福を最大限に受けたことで、凄まじい輝きを放った。
当たり所の悪かったトループス級が一機、墜落していく。
耐えきった二機はシルを捕捉し、球状の頭部から極太のビームを射出。周辺ごと焼き払いにかかる。
だが、そこにぬるりと現れたのが、愛刀を鞘に納めたままのならく。
(「本来なら全滅させて、少しも情報を持ち帰らせないのが理想……だが、踏み入られた時点で、こっちの様子は知られたも同然」)
ならくは大きく身体を傾け、
「あァ、いいや。細けェこたどうでもいい。ナラクさんにゃ誰がどうなろうと――“どうでもいい”のさ」
言の葉に篭もる虚実が呪詛となり、抜かれた灼刀に纏わりついていく。
どうでもいいから、捨て置けない。嘘吐きの本質にして本懐。
「鳴け、地獄花――!」
刃が一閃。《神蝕呪華》が咲き誇る。
傷ついた形代兵を呪われた刀身で撫でるや、切り口から爛れていき、穢れたように崩れていった。
「マ、敵と見たからにゃやるさ。なァ?」
「ならくさん、ありがとう! このままどんどん倒していこう!」
「あァ、“適当に”片付けちまおうさ」
適当……それは『いい加減』という意味か、『徹底的』の反語なのか。
言葉の真意は、嘘吐きのみぞ知る。
その後も、ならくと崇はシルの通信を受け、弱った天魔武者の位置を知ると、迅速に撃破していった。
離脱しようとする者も追い落とし、残留効果による強化もあって、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いをみせる。
だからこそ、“奴は動いた”。
●天下無双
「掃討完了! 崇さん、ならくさん、まだイケる?」
『ああ。残留効果の影響か、いつも以上に調子がいい気がする』
『あんにゃろう共、バカみたいに入りこみやがって。もっとバラさねェとな』
崇とならくの状況を確認するシルだが、
「――え?」
周囲の地盤が、ひっくり返されるように傾きだした。
シルは剥き出しの地べたに転げ落ち、頭上には、地上にあるはずのアスファルト。
直後――巨大な土塊が、シルを押し潰しにかかる。
全身の砕けた骨身がことごとく内臓を貫き、想像を絶する激痛に意識が飛びかけた。
(「ま、だ……死ね、ない!!」)
【リザレクション】――爆発した生命力がシルを賦活し、土塊の下から抜けだす力を取り戻させる。
……その様子を、じっと見つめる天魔武者が一機。
大山の如き巨躯を誇る、双角の天魔武者は仁王立ちし、傷だらけのシルを注視していた。
「この一撃で死なぬと。……どうやら、この地ではお主達の力は倍増しているようだ。斥候の帰りが遅いのも頷ける」
巨体と同じほどの大槍を手にする威容に、シルは目を見開く。
『今の音はなんだ? 何があった!?』
「出た……本多、忠勝が……っ」
崇の叫びに、シルも痛む身体を押さえながら応じる。
その間も“すぐに動けまい”と判断したのか、足立区の街並みを見渡し、
「市井に人の気配はなく、ディアボロスは我らを待ち受けるように迎撃に現れた。奇妙なことに……我らの襲撃は“事前に把握されていた”ようだ」
じっくりと状況を考察している。
情報を持ち帰る――御役目を全うする為、自ら物見に出てきたらしい。
『すぐに離れろ、相手は“戦国最強”と謳われた猛将だ』
『ちょいと目立ちすぎたな、今は退がるしかねェ!』
ならく達は撤退を促し、シルの第六感も“逃げなければ”と叫び続けた――だが、
「お前達の“手札”の一端、この目でしかと確かめた。此度は不意を突けたが、運頼みなど不粋の極みだ。今後も侮る気はない」
負傷するシルに追撃するどころか、本多忠勝は踵を返した。
「用は済んだ。――再び相見えることがあれば、次は真っ向勝負といこうか」
それだけ言い残し、堂々と立ち去っていく。
徳川家康の懐刀。天下三名槍・蜻蛉切の使い手。
家康の為なら、親族にすら穂先を向ける忠義の武将――本多忠勝も力量の一端を見せつけ、帰陣する。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【腐食】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!