リプレイ
葛葉・狐狛
目抜き通りってことは朱雀大路か一条から四条あたりかねぇ。
【オーラ操作】と【看破】で周囲を探りながら通りを移動するさ。
ご同道する面々とはなるべく連携して情報を集めるよ。
不審な点がありゃ調べるし、なけりゃ【料理】で【おいしくなあれ】も併せて持ち物のチョコ菓子[菌類の山]をダシにして殿上人と縁がありそうな、良い身なりをしてる人に近付くかな。
面白いモノが見れるから、囮になっちゃ貰えないかい?ってね。
あとは田楽や猿楽に縁の在りそうな人に、陰陽師以外の鬼退治が見れるって情報を流そうか。市中で広まりゃ、あとがやりやすくなるさ。
他にも陰陽寮に不満を抱いていそうな人や、先の事件で見知った人が居りゃ声を掛けるさ。
吉祥天・華瑞月
ふむ、陰陽師の片隅にもおけん事件じゃな
そうじゃな貴族と言えば…呉服問屋
そうじゃな、新しい着物が欲しいのう
・もっとも大きな呉服問屋に足を運む
最近起きた事件とかそういった世間話でもしながら
あとはその近辺で【過去視の道案内】を展開して
該当する陰陽師、貴族、といった関係者らしきものをリサーチするのじゃ
弐伊原・祈織
フム、偽りの希望でしかないのが残念だね
だが、偽物から始まる本物と言う奴もあり得る
権力欲に腐心する正真正銘の『紛い物』にはここでご退場願おうか
貴族の男が都でどんな位置づけにあるのか調べてみよう
本当にクロノヴェーダにとっての邪魔者だったらこんな茶番に利用されたりはしないだろうがね
それと、話を有利に進めるために甘い物…この時代ではかなり希少なものだったはずだ
大福餅やみたらし団子なんかに加えてシュークリーム等の洋風菓子を折り詰めにしてその貴族の配下と接触
折り詰めを渡して情報を手に入れておくよ
守都・幸児
ここは、あいつらの守りたかった都と同じ場所なのかな
なら、守らねえとだ
牛飼童を探して話を聞く
貴族の屋敷の厩にいるかな
近付けそうなら牛のいる厩にいって
厩の修理の下見にきた大工のふりして話かけてみる
牛車引いてるこの屋敷の牛を見たことあるんだが
いい牛だな
って感じで牛の話題から始めて
夜、どんな道順を牛車が進むのか聞き出してえな
夜中に急に牛車出すこともあるんだろ、大変だな、とか
夜道を牛に歩かせるのってどうやるんだ、とか
危ねえ道けっこうあるよな、とか
道を聞き出してると悟られねえようにする
話が聞けたら
面白え話聞けたお礼だ、って
牛の世話とか大きな物運ぶ用事があれば手伝う
不自然じゃねえ程度に【怪力無双】も活用する
「……ふむ」
朱雀大路にほど近い都の大通りを狐の面をつけた葛葉・狐狛(狐憑き・g00840)が軽やかな足取りで散策する。
――特に不審な気配はない。
昼の都は平和なものだった。その中の景色に溶け込んだ狐狛の周りを多種多様な人々が行き交う。
例えば、新しい商品を仕入れに呉服問屋を訪れる店主たち。新作を眺める彼らと吉祥天・華瑞月(姫神 -ヒメガミ-・g02230)は世間話をしながら事件のことを尋ねた。
「どうやら、最近は物騒らしいのう。なんでも鬼が出るとかでな?」
「ああ、夜はさすがに危ないと聞くねえ。でも、昼間は安心だよ。そら、この着物なんて君に似合うんじゃないか?」
「ほほう、流石艶やかじゃのう」
華瑞月はにっこりと扇で口元を隠して微笑み、表着を肩に羽織ってくるりと一回転してみせる。
「以前に起きた事件も陰陽師の方々が解決されたのかえ?」
「そうさ。彼らがいれば都は安泰だよ」
どうやら、彼らは陰陽師に全幅の信頼を寄せているらしかった。華瑞月は実際に噂の陰陽師や貴族らの住まう区画にまで足を運び、噂が事実であることを確かめる。
――陰陽寮の陰陽師たちの前には、妖怪など恐るるに足りない。
やれやれ、と弐伊原・祈織(黒白二元剣術流祖・『二意天双流』・g01487)は呆れたように頭をかいた。
「所詮は偽りの希望……だが、いずれ本物にという奴もあり得るか。いずれにしても放ってはおけないな。で、この屋敷の主殿はどういったお方なのかな?」
祈織の差し入れた珍しい菓子を、貴族に仕える配下の男たちは恐れ多くも受け取った。
「貴重な品をありがとうございます。主人もお喜びになられることでしょう」
彼らは深く頭を下げてから、小首を傾げるようにして祈織の問いかけに答える。
「主人について、でございますか。他の貴族の方々と同じく朝廷に勤務する傍ら、同輩のご友人と蹴鞠なども嗜まれていらっしゃいます」
「ふむ」
祈織は腕を組んで思案した。
(「貴族側に怪しげな様子は見当たらないな。ただ単に巻き込まれる予定の被害者といったところか」)
もう少しだけ踏み込んでみるかと、試しに聞いてみる。
「ここに来る前、鬼の噂を聞いたのだが……よもや、主殿は危険な夜に出歩くような真似はしないね?」
「そ、それは……」
はじめて、男たちが狼狽えた。
「おや、何か心当たりでも?」
「いえいえ、そのような……!」
同じ屋敷の厩でも、守都・幸児(迷子鬼・g03876)が牛飼童を相手に貴族に関する情報を集めていた。童は初めて見る相手でも物怖じせずに近寄ってくる。
「にいちゃん、誰?」
「厩の修理の下見さ」
幸児が大工を装って壁の具合を見ていると、童は自分から袖を引いて痛んだ屋根を指差した。
「あれ、直せる?」
「雨漏りか。よし、任せろ。お前はこの屋敷の牛飼いか?」
「そうだよ」
「外で牛車引いてるここの牛を見たんだ。いい牛だな」
「へへ、俺が一生懸命お世話してるからね」
「夜中に急に牛車を出すこともあるんだろ、大変じゃないか?」
童はこっそりと幸児に囁いた。
「内緒だよ。ご主人さまは、川の向こうに住んでる姫君のところに通っているんだ」
「姫君……しかし、危ねえ道もけっこうあるよな。夜に牛を歩かせるのも難儀そうだ」
「うん。橋のところがちょっと坂になってるから、そこは従者のやつが後ろから押すんだ。一本松が生えてる、目抜き通りの端にある橋だよ」
なるほど。
そこで牛車のスピードが遅れたところを狙えば、簡単に襲うことができそうだ。幸児は感謝して、お礼に童の仕事を手伝ってやった。怪力無双を使えば牛の飼料運びも朝飯前である。
「都、か」
幸児はふうと一息をついて空を仰いだ。
「あいつらの守りたかった都と同じ場所だとしたら、守らねえとな」
その頃、狐狛はちょうど屋敷から出てきた身なりのよさそうな男を掴まえ、ある提案を持ち掛けているところだった。小走りに駆け寄り、頼み事をする。
「囮だって?」
「そう、面白いモノが見れるよ」
「ははっ、悪いけど私も忙しいんだ。他をあたってくれないか」
「タダとは言わないよ。これを食べてみな」
言って、彼の手に持ち合わせの菓子を握らせる。半信半疑で口に運んだ男はびっくりして言った。
「こりゃあ、うまい! どこで売っている菓子だ?」
「秘密。でも、出どころはさっきの話と同じだよ。信じる気になったかい」
「まあ、なあ……うん。わかった。一晩だけ付き合ってやろう。でも、面白いモノっていったい何が見れるんだ」
「鬼退治だよ。しかも、陰陽師以外のね」
「馬鹿言っちゃいけないよ。陰陽師の他に誰が鬼と渡り合えるっていうんだい」
「それが、陰陽師よりももっと強い人たちがいるんだ」
貴族の男は半信半疑だったが、知り合いの田楽衆を通じて噂を広めることを約束してくれた。彼らと別れた後で、狐狛は軽く息を吐き出す。
「さすがに、これだけ陰陽師の評判がいい都で陰陽寮に不満を抱いている人を見つけるのは難しいかな。やれるだけのことはやったから、後は天に運を任せよう」
「なるほど、なるほど」
ひと通りの調査を終えた華瑞月は閉じた扇子を手のひらに軽く打ち付け、情報を取りまとめた。
「例の貴族の男は川向こうの姫君に会うため、危険と噂される夜中に敢えて出かける……鬼に襲われる可能性が高いのは牛車の歩みが遅まる橋の辺りか。さて、あちき等が介入することで未来がどう変わるか。今晩のお楽しみじゃのう」
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【おいしくなあれ】LV1が発生!
【過去視の道案内】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV2が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
奉利・聖
なるほど、心得ました
人心を集める策略とはいえ…なんだかとても憐れですね
誠の心というのは、嘘偽りなき善意にとって作られるもの
いつの間にやら楽しみ、悦に浸っているようでは…この先は無いのと同じ
いいでしょう、現実をお見せする時です
一足先に妖怪と戦っておきますか
重要なのは、差を見せつけること…打ってみてください
ご自慢の陰陽道とやらを──『硬気功』
皮膚や筋肉、骨に至るまで鋼の如く
パラドクスでも無い攻撃では、傷もつかぬでしょう
どうしました?「英雄様」
そんな紙切れを大事そうに握られましても
やる気も力も無いなら、退くがよろしいかと
その気が無いなら…水月を抉り、昏倒させるまで
さて、これからが本番です 掃除の、ね
樫谷・都黒
お邪魔しますね。
都の妖怪は大人しいという事で色々期待していたのですけれども。
ただの三文芝居というオチでしたか。
芝居に乗っている限り他の方も安全なのであればそれも一つのやり方なのでしょうけども。
【悲劇感知】にて陰陽師の悲劇を聞く
その歌を自身が代わりに歌う
可能な限り、一人一人の悲劇を名指しで歌い上げる
彼等を怖がらせるのが目的
パラドクスの攻撃も驚かせに使用
痛い程度、怪我はさせない
ダメージ調整不可の場合は地面か近くの物を壊す
わたし達は芝居をする気はありませんので、
お引き取り頂けると助かるのですけれど。
邪魔をするなら帰ってくださいね。
見物に来る勇敢な方はいらっしゃいますか?
そちらは止めませんけれども。
――鬼が出た。
火急の報せにも陰陽師たちはどこか真剣みの足りない足取りで現場へ向かう。茶番だとわかっているからだ。しかし、今晩は勝手が違った。
「誰だ、お前たちは?」
問われたので、奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)は答えてやる。襲撃現場まで少しの距離を残す、目抜き通りのど真ん中であった。
「言わば、“本物”といったところですかね」
「どういう意味だ? 悪いが急いでいる。そこをどかないなら、痛い目を見るぞ!」
血気盛んな若い陰陽師が袖から取り出した札で式神を召喚する。鋭い嘴と炎による攻撃を、聖は一歩も動くことなく受け止めた。指一本動かさずに、薄っすらと微笑んだだけで傷一つない。
「な……効かないだと!?」
「ご自慢の陰陽道とやらもお粗末ですねぇ。ちょっと気功で強度を上げただけで、優しく撫でられた程度にしか感じません」
「ふ、ふんっ、やせ我慢を!! 皆の者、出会え――」
だが、配下をけしかけようと号令をかけようとした陰陽師の耳に歌が聞こえた。ひどく不気味な、けれど現実味のある歌詞だった。
「誰だ、俺の悲劇を歌うのは!?」
「お邪魔しますね。樫谷、と申します」
唄う骸骨を連れた樫谷・都黒(臥し者は独り路に・g00233)が陰陽師たちの前へと歩み出る。
「わたしが歌うのは、これからあなた方を襲う事実です。自らの偽りを暴かれ、“本物”の前に化けの皮を剥がされる、悲劇」
「貴様、我らを愚弄するか!」
「いいえ。わたしは事実しか語りません。芝居に興じるあなたがたと同類になる気はございませんよ。ただ、少し……都の妖怪に関する期待を裏切られたので残念に思う気持ちはありますが」
都黒は微かに吐息をついた。ケタケタと笑う髑髏の瘴気に当てられ、配下の何人かがその場に昏倒する。悲鳴が聞こえ、一目散に逃げてゆく者もあった。
「あなた」
「ひっ」
都黒の白い指先がまた別の陰陽師を名指しする。
「これから、とても恐ろしい思いをされるようですね。悪いことは言いません、帰るならいまのうちですよ」
「うっ……、わあっ!?」
怯む陰陽師の背中に、聖の昏倒させた別の陰陽師の体が覆い被さった。鳩尾に聖の一撃をくらい、完全に意識を失っている。
「英雄様ともあろうものが、この有様ではね」
くしゃり、と聖はまるで紙切れのように呪符を握り潰した。
「やる気も力も無いなら、退くがよろしいかと。これからはじまる本番にあなた方の出番はありませんよ。誠の心を忘れた者に微笑む運命などありません」
「う……わああっ……退け、退けっ!!」
堰を切ったように何人かの陰陽師とその配下が夜の大通りを無様に逃げ出していった。
「くっ……」
「残ったのは3人ですか」
都黒は興味深げに彼らを眺める。陰陽師が3人と、それぞれの配下が合わせて数人。そのうち、若い陰陽師が決心したように言った。
「俺は帰らないぞ。いったい何が起こるのか、この目で見届けてやるさ」
「そうですか、ならば止めません」
すっ、と都黒は橋の方向に首をめぐらせる。
「そろそろあちらでも始まる頃合いです。どうぞ、わたし達の戦いを見物にいらっしゃいませ」
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【建物復元】LV1が発生!
【悲劇感知】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
葛葉・狐狛
心境:派手に動いて、本当のコトを憶えて帰って貰おうかねぇ。
残る②組と、出来る範囲でタイミング合わせて行動開始するよ。
夜中ってことだし、ご同道の皆様の活躍が目立つように【光使い】で京の街を飾るさ。
【飛翔】【馬鳥招来】で自前でも光を使って攻撃しようかね。
返しの【鬼の悪念】は【フェイント】と【残像】でいなして、出来れば橋や灯籠に当てさせて、その威力が人間を楽々に引き裂く代物だと示すさ。
ついでに鬼が片付いたら【建物復元】を借りて直して、未知の術の様にでも見せ掛けよう。
「さぁ、悪だくみの親玉の登場だ」
一般人へアヴァタール級の接近を告げて警戒を促せるといいかな。
【悲劇感知】で彼らへの不意打ちも警戒するよ。
守都・幸児
橋の近くで待ち伏せて
外套の輩がいたら見張っとく
連中がちょいとでも牛車に近付く動きをしたら
すぐ前に立ち塞がって牛車を守る
俺は陰陽師じゃねえ
でもこの都を守る。民も守る
俺の知ってる陰陽師は、ここにはいねえみてえだからな
だから、俺が代わりに守るんだ
陰陽師たちに聞こえるように言いながら
「悪鬼粉砕撃」で鬼と真っ向勝負
【捨て身の一撃】で金棒を受け止め
強引に押し返してそのまま殴る
鬼退治ってのはこうやるんだよ
(ネメシス化の影響で腕の硬化が頬まで広がるが、無自覚)
一般人が襲われそうなら体を盾にして攻撃を受ける
民はもちろんだが牛も守るぞ
牛飼童が頑張って世話した牛だからな
もし牛飼童に気付かれたら
しーっ、てして笑っとく
黄泉王・唯妃
※アドリブ&連携歓迎
通りすがり失礼いたします。
少々お相手が多いようなので不要かとも思いますが手助けをば、と。
力任せに暴れるだけでは張り巡らせた糸の恰好の的ですわね。
手足に首、ひとつひとつ丁寧に捥いでいって差し上げましょう。
「急な横入り御無礼を。首魁までの道、つけさせていただきます」
奉利・聖
さて、本当の掃除はこれからなんですよね
陰陽師の皆様方、見物されるのならば十分に離れてください
今からお見せするのが、復讐者が扱う暴力の一端
絶望的なまでの差というのを、実感してください
そして願わくば、そのお心が変わりますように
では、ゴミどもの群れに突撃です
<早業>でするりと突入して、腕を中心に攻撃していきます
──『凝気功』
<連撃>にて素早く腕を突いて回り、気を流し込んであげます
悪意のオーラ、とやらを扱うらしいですが
それが行き着く先が無くなり、凝り固まったら…どうなるでしょう
自身のお力で破裂してしまうかもしれませんねぇ
はい、足元がお留守です
生命の流れをも凝り固まらせ、巡りを断って終わらせましょうね
弐伊原・祈織
さて、真なる鬼狩人の御業を見てもらおうか
瞬間、金棒鬼の懐に潜り込んで黒後の鋒を胸に突き出していく
この剣は対象の過去という時間軸そのものから解き放たれる代物
現在の時間軸そのものに縛られた立場では、回避不可能に等しいさ
そこに白先…未来へと解き放った斬閃が鬼の首を切り裂いていく
何、陰陽師の術でなく妖剣を用いて放った技だ
だが、これがパラドクス…一般的な法則を破壊する真なる異能だ
腐食で鬼の足元を崩してそこにパラドクスを叩き込むと同時、怪力無双で新体操の選手の如く建物の梁を舞い、鬼を翻弄していく
これが真なる退魔師…復讐者(ディアボロス)さ
(「確かに、少しばかり肌寒いな」)
守都・幸児(迷子鬼・g03876)は橋が見える物陰からそっと周囲を窺った。こんな夜更けに蠢く不審な人影がある。
「あれっぽいな。結構数がいる」
「でしょうね。掃除開始といきましょうか」
腕をまくりながら、奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)は夜闇を突っ切るような格好で次第に足を早めた。
「よいせ、っと……ん? なんだあの人影は……」
橋の勾配で遅れる牛車を後ろから押していた従者が顔を上げる。自分たちを待ち構えていた鬼の集団が外套を脱ぎ捨てるのと同時に叫んだ。
「お、鬼――!?」
幸児の行動は早かった。すぐさま両者の間に割って入り、頑丈な鉄骨で振り下ろされる金棒をしっかりと受け止める。
「はいはい、失礼しますよ」
聖は振り回される金棒の隙間を潜り抜け、すれ違いざまにとんとんっと敵の腕を手刀で突いた。
「!?」
――触れた腕が異様に痙攣し、見る間に膨らむ。
「気には気を。なかなか洒落が効いているでしょう?」
敵の集団の真っただ中を駆け抜け、橋の反対側から振り返る聖の眼前で一斉に鬼たちの腕が破裂した。
「なにがあった?」
驚いて牛車の中から尋ねる貴族に答えたのは、黄泉王・唯妃(灰色の織り手・g01618)の妖艶なる声色であった。
「中に隠れておいでなさい。絶対に、外へ出ては駄目よ」
次々と本性を現して襲いかかる鬼の集団がその時、ぴたりと動きを止める。薄っすらと細い糸が周囲に張り巡らされていた。鬼を絡めとった唯妃は色づいた唇に笑みを浮かべ、糸を繰る。
「なっ……」
「まずは、腕」
糸にもぎ取られた腕が地面に転がった。
「急な横入り御無礼を。首魁までの道、つけさせていただきます」
「な、なんだ……これは……この戦いはいったい
……!?」
暗闇の向こうから複数の足音が聞こえる。ようやくおいでなすったか、と葛葉・狐狛(狐憑き・g00840)は狐火のような光を灯して戦場を彩った。
「ひっ」
驚いて陰陽師の背後に隠れる配下らに、狐狛は笑い声を立てる。
「これくらいで怖がっていたら、はじまらないよ。ちゃんと最後まで、その目で見届けて貰わなくちゃあね」
ふわりと飛び、幾筋もの光を羽搏くように放って敵を倒す狐狛の姿はあまりにも幽玄的であった。戦場を照らす光が、牛車を守るような布陣で鬼と戦うディアボロスたちを闇夜に浮かび上がらせる。
「おおッ……」
襲われている従者までもが陶然と声を漏らすほどに見ごたえのある光景だった。思わず、陰陽師がたずねた。
「お前たちは何者なのだ?」
「これこそ真なる退魔師……復讐者さ」
黒白の双剣を手にした弐伊原・祈織(黒白二元剣術流祖・『二意天双流』・g01487)がそれを構えると、不思議な干渉が引き起こされる。
「黒後は過去を」
ずぶり、と鈍い音がして鋒の先が鬼の胸元に潜り込んだ。果たして対象の過去という時間軸より放たれる一撃を現在の時間軸に縛られた存在が躱せるだろうか――否。
「そして、白先は未来を。合わせて時を超える……これがパラドクス、一般的な法則を破壊する真なる異能だ」
祈織が舞うように腕を薙いだ。切り裂かれた鬼の首が空を飛び、血しぶきが陰陽師の体に紅の染みをもたらした。
「復讐者……パラドクス……」
ふらりと近づこうとした彼の胸を突き飛ばし、狐狛は自分の残像に引っかかった敵の攻撃を軽くいなす。代わりに金棒の直撃を受けた灯籠が砕け、残骸が川面に落ちた。
「どうどう、大丈夫だ。落ち着きな」
興奮する牛が橋から落ちないように庇った幸児は、唇の前に人差し指を添えて目配せを送る。牛飼童は「あっ」という顔で何度も頷いた。神化した幸児の姿も異形めいてはいたが、牛飼童も陰陽師も、怖がるどころかはっと息を呑んで見入る素振りすらあった。
「俺は陰陽師じゃねえ。でも、この都を守る。民も守る。俺の知ってる陰陽師は、ここにはいねえみてえだからな」
「っ……」
「よく見てろよ。鬼退治ってのは……こうやるんだよっ!」
互いに拮抗していたせめぎ合いを制し、一気にひっくり返した幸児はそのまま鉄骨で敵をぶん殴った。吹っ飛んだ鬼が仲間を巻き込んで再起不能になる。唯妃の閃かせた糸がまとめて縛り上げ、一瞬にしてばらばらに分解した。
「――」
赤い瞳が、ちら、と松の影を見る。慌てて隠れる白い着物の袖と角。間違いない、近くに潜んでいると言われたアヴァタール級のクロノヴェーダだ。
「さ、見世物はここまでだよ。親玉の登場だ」
狐狛は追い払うように陰陽師らを遠ざけた。
「しかし……」
「怖い思いはもう十分だろう?」
悲劇感知で何を聞いたのか、狐狛は彼らを脅すように声を低める。それで陰陽師たちもこの場から退いていった。去り際、元通りに直しておいた灯籠に気づいた彼らがほぞを噛み、それきり振り返らないで遠ざかるのを見送る。
「さあ、あなたで最後ですよ」
足払いで転がした鬼に聖が告げた。凝り固められた気が硬直し、回避を阻む。その時を狙ったかのように、鬼の足元に当たる橋の板が残留効果によって見事に腐り落ちた。
「ぬおっ――」
穴に半ば落とし込まれ、身動きの取れない鬼へと迫る祈織の足音。舞うように欄干を伝い、くるりと宙を翻りながらその首を斬り飛ばす。
「これにて第一幕は終演した。ここからは第二幕の始まりだ」
祈織は剣先を差し向け、名指しする。
「出て来い、『白鬼歌仙』東宮左近。私たちの後をつけていたことは、端から承知している」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV3が発生!
【隔離眼】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV4になった!
【命中アップ】LV2が発生!
赤薙・夜明
どの時代の人でも
零れ落ちる命は助けます
私を悪と罵ろうと、死んでしまってはそれすらもできないのですから
創造者の義手と【活性治癒】で妖怪に襲われた陰陽師を助けます
陰陽道には明るくありませんが私も有名な話を一つ知っています
三井寺の高僧が病で瀕死になった時
安倍晴明は泰山府君祭を行い、高僧の代わりに命を継ぎ足す者を求めた
誰もが死を恐れるなか、名乗りを上げた高僧の弟子に感服した
不動明王はその継ぎ足す命を肩代わりする事とした
陰陽師なら誰でも知ってるお話です
その自己犠牲の精神は私の時代でも語り継がれている
貴方の命が助かったというのは
誰かの命を守る為に身を削ろうとした行いが自身へ返ってきた
それだけの事でしょう
「復讐者……パラドクス……」
ふらりと近づこうとした胸を突き飛ばされ、尻もちをついた陰陽師の前に赤薙・夜明(白蛇の手の後裔・g00805)が立ちはだかった。
鬼の金棒に素手を触れさせる――それだけで量子レベルに分解。瞬く間に消え去ってしまう。
「怪我はありませんか?」
「あ、ああ……お前もあいつらの仲間か」
「ええ。けれど、礼はいりません」
鷹揚に頷き、夜明は語る。
「三井寺の高僧が病で瀕死になった時の話をご存じですか? 安倍晴明は泰山府君祭を行い、高僧の代わりに命を継ぎ足す者を求めた。誰もが死を恐れるなか、名乗りを上げた高僧の弟子に感服した不動明王は、その継ぎ足す命を肩代わりする事とした……貴方の命が助かったのは、それと同じことなのでしょう」
「しかし、俺は……俺たちは……」
陰陽師たちは互いに顔を見合わせ、それきり黙り込んでしまった。
「……お前たちのような力が俺たちにもあれば、違ったのかもしれないな……こんな茶番ではなく、本当に……」
去り際、何事もなかったかのように元通りになった灯籠を見てほぞを噛む。夜明が見守る前で彼らは闇の向こうへと消えていった。
「どうして、私がいるとわかったの?」
松の影から現れた東宮左近の瞳が妖しい輝きを帯びて闇に映える。夜明の翼がゆっくりと広がった。
「答える義務はありませんね。いずれにしても、かくれんぼは終わりです。いざ、勝負」
成功🔵🔵🔴
効果1【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
赤薙・夜明
アドリブ歓迎です
ここまで来たら私も加勢していきましょう。
大昔、節分に鬼を払ったというのは
季節の節目は病が流行りやすいからだったそうですね
つまり悪鬼は消毒というワケです。
【滅菌漂白】を使用、に重ねて霧の性質だけ【腐食】を利用
相手の視界を奪う事で攻撃を避けながら
滅菌漂白の効果でじわじわ蝕ませます
鬼さんこちら――というヤツです
記憶喪失である私に何が見えるか少し気になりましたけれど。
こうして貴女の姿を隠してしまえば。
これで……私の記憶と同じ靄が掛かってしまったわけですね。
黄泉王・唯妃
※アドリブ&連携歓迎
効果2を全部使用します。
此処まで戦ってきた皆様を邪魔しない程度のお手伝いをするとしましょう。
パラドクスで手足を【捕縛】し動きを阻害します。絡めてしまえば【怪力無双】も相まって力負けすることは無いでしょう。
相手のパラドクスに対してですがまあ間違って味方を捕縛してしまってもご愛嬌という事で。
「貴方にとどめを刺すのは私ではありませんから。精々慚愧を抱いて死になさい」
葛葉・狐狛
心境:目立つの苦手だったので本領発揮だよ。
【フェイント】【残像】【忍び足】に【光学迷彩】で姿を隠して参加するよ。
基本的に相手を翻弄するのがメイン。
体制を崩したくないだろうってところで【隠形鬼招来】で【不意打ち】。
一旦引きたいところで回り込んで通せんぼ。
トコトンイヤがらせしてやるとするよ。
返しの傀儡潰乱は、掛かったフリでもして手でも掴んで、動きを邪魔してやろうかね。
本当に幻術に掛けられた時に味方に撃つと厄介だから、殺さない加減で打つようにしておくよ。
「随分とオレらと近いナリじゃないか。ドコから来たのか教えちゃくれないかね?」
会話に応える様子があるなら、聞くだけ聞いて見るさ。
守都・幸児
あの目に見られねえほうがいいらしいな
まずは敵の死角から見られねえように攻撃する
それでも見られちまった場合は一か八かだ
俺はそこそこ鼻が利くから
目を閉じて【呼吸法】と【情報収集】と【捨て身の一撃】の掛け合わせで
敵の匂いと気配を判別
位置を特定して攻撃する
多少狙いが外れても「帳」の夜が勝手に敵を覆うはずだ
たとえ敵の技をくらって
俺の記憶の中の大事なもんが敵に変えられたとしても
匂いまでは変えられねえだろ
だってこの敵の匂いは、今初めて嗅ぐ知らねえ匂いだからよ
一度捕まえちまえばこっちのもんだ
よくもやってくれたな
大事な記憶に、歴史に
手を出されりゃさすがに怒る
都に、民に、陰陽師たちにもだ
だからてめえは、ぶちのめす
奉利・聖
…ほう、これは初めて見るタイプのアヴァタール級です
こちらを視ることで力が発動するのですか…瞳術使いとは目を合わせることが絶対条件だと思ってたのですが…案外そうでもないのですね
まぁいいでしょう──その綺麗なお顔、壊して差し上げます
【トラップ生成】により、視界を遮る障壁を生成
こちらを視れないようにしつつ──『幻気功』
惑わしの気を遠距離から撃ち込んでおきます
これで良し…一度発動してしまえば、安心です
何しろ幻の僕を見るようになってしまいますから
それ以外は何も見えぬようにしてあります
死角から回り込み、水月、顎、人中へ<強打>の<連撃>
その眼、抉り出して潰す方がいいですね
失礼、少々痛いですよ──!
――肝はあの独特な瞳、か。守都・幸児(迷子鬼・g03876)は見抜くなり、敵の視界を外れて建物の裏を回り込む。
「!」
予想外の行動に左近が驚いた顔をする。葛葉・狐狛(狐憑き・g00840)の姿もその隙に消えてしまった。
「どこ?」
ふふっ、と狐狛は狼狽する左近をしり目に笑う。
「さて、どこだろうね」
「っ!」
左近の瞳が禍々しく輝くが、視界が捉えられたのは所詮残像。裏を回り込んだ幸児は左近が最初に身を隠していた松の陰に滑り込んだ。
「そこよ!」
「……舐めるなよ、俺はそこそこ鼻が利くんだ」
音を立てて砕けた腕の割れ目より出でし闇が左近を捕らえ、覆いつくすように絡みつく。なぜ、と左近が叫んだ。
「私の技が……効かない……?」
「匂いだよ」
幸児は言った。
「俺の記憶の大事なもんが変えられたとしても、匂いまでは変えられねえ」
鼻先を軽く擦り、やはり違うと頷いた。これは知らない匂いだ。過去を改竄しようと、現在の匂いまでは誤魔化せない。
「確かに、僕もこのタイプのアヴァタール級は初めて見ましたよ。目を合わせるのではなく、視るだけで発動するというのは便利そうですねぇ」
はっとして振り返る左近だが、あらかじめ生成しておいた遮蔽物によって奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)の姿は視認できない陰に在った。
「――幻気功」
ささやくように、聖はこっそりと敵に幻惑の気を飛ばしておいたのだ。“幻の僕”は狐狛と一緒になって敵の目を欺くために、戦場を動き回る。
「どうしたんだい、オレはここだよ」
「幻術には幻術を。十八番を返された気分はいかがです?」
左近は周囲を忙しなく見渡し、振り返っては違うと頭を振った。纏わりつく闇に舌打ち、視線をさまよわせる。翻弄されるものかと思えば思うほど、術中に嵌まってゆく。
「あれらは全て、幻か残像……本体はどこ? ――あっ」
気づかぬうちに、左近は黄泉王・唯妃(灰色の織り手・g01618)の操る粘性の糸に絡め取られていた。
「捕まえましたよ、もう逃れられません」
唯妃は手に巻いた糸の端をぐっ、と力強く引っ張る。左近は引きずられないように踏ん張るが、唯妃の怪力の方が純粋な力の強さで上回る。
「離せ……っ!!」
睨みつける左近の視線を、幾重にも強化された唯妃のそれが屹然と睨み返した。これこそがディアボロスの真骨頂――クロノヴェーダが持ち得ない、残留効果という名の奥義。
「ご存じですか? 節分の鬼払いの意味、それは季節の節目に病が流行りやすいからだったそうです」
赤薙・夜明(白蛇の手の後裔・g00805)の放った手榴弾が敵の足元で爆ぜた。人には何の害も及ぼさぬ薬煙だが、人に害を及ぼすものにとっては――。
「く、あっ」
左近は自らの喉を押さえ、むせるように咳き込んだ。
「これは、毒? いえ、むしろ……」
「そう、逆ですよ」
容赦なく、夜明の薬煙が戦場を満たす。腐食の効果と相乗して、左近の視界を奪いつつ追い詰めた。
「悪鬼は消毒せねばなりません。逃れたくば、私を倒すことですね。ほら、鬼さんこちら――」
左近はふらふらと夜明を追うも、唯妃の糸に足を取られて「あっ」と転びかける。今、とばかりに狐狛が針雨を放った。冷たく尖った鋼に降られた左近が、たまらずに悲鳴を上げる。
「蝙蝠?」
鳴き声に顔を上げ、逃れようと足掻く左近。だが、狐狛はひらりと回り込んで通せんぼ。ぐい、と手を掴んでたずねると、左近が罵った。
「随分とオレらと近いナリじゃないか。ドコから来たのか教えちゃくれないかね?」
「お前、惑わされたふりをしていたのね
……!?」
「いいから質問に答えなよ」
「離しなさいっ!」
もがく左近、抑える狐狛。
「きゃっ――」
更には幸児の闇と唯妃の糸が自由を奪い、指一本すら動かせない状態に陥る。展翅された標本のような格好の左近を前に、幸児の声が闇の帳の向こう側から低く響いた。
「ようもやってくれたな。俺の大事な記憶、そして歴史。それだけじゃない。都に、民に……」
闇が左近を喰らい、染みるように闇が広がった。
「そして、陰陽師たちも」
「が、はっ」
既に、吐く血すら闇の色。
「これでは、何も見えませんね」
すっかり闇と霧に覆われてしまった戦場を眺めた夜明はその光景に自らの境遇を重ね合わせた。
「どれだけ目を凝らしても、隠されて知ることができない……」
霧は死角から接近する聖の姿をも隠蔽する。敵に気づかれることなく懐へ潜り込み、一瞬で三つの急所を突いた。
「がっ!」
「失礼、少々痛いですよ──!」
体の中心線に沿って下から順番に、水月、顎、人中。目にも止まらぬ連撃であった。しかもまだ止まらない。そのまま指先は左近の顔を上って右目を抉り出す。
「ああああ、ああっ
……!!」
左近は傷口を押さえ、狂ったような悲鳴を上げた。
「ゆる、さないっ、わたしの……目を、目がっ
…………」
残る眼光が鋭くディアボロスを射抜き、限界まで大きく見開いた。いくら体を拘束されようと、幻瞳術を操るには支障ない。
「ディアボロス、その後をつけてやろうなどと考えていた私が間違っていたわ。見つけたらすぐに殺さなきゃ。生きて帰れるとは思わないことね……!」
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【避難勧告】LV1が発生!
【トラップ生成】LV2が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
【ドレイン】がLV3になった!
【能力値アップ】がLV2になった!
【ロストエナジー】がLV2になった!
吉祥天・華瑞月
――…あれが、今回の黒幕でありんしか。
瞳が厄介じゃな
どれ
『風使い』と『砂使い』と『呪詛』を使い“呪詛を帯びた霧”を『召喚』し
『不意打ちで』『光使い』でも使い目くらましになればよいのじゃが
やつの幻術は『観察』からの『ダンス』と『残像』を使い『一撃離脱』しついでに『結界術』で弾ければよいのじゃが…
その隙をついてのパラドクス
続くように九尾扇の千年白狐尾を伸ばし『貫通撃』ってのはどうじゃろうか
アドリブ連携はお任せ
弐伊原・祈織
これはこれは、私が新しく取得したパラドクスと貴様は相性最悪のようだな
パラドクスを起動させて『瞳にゴミが入り目を閉じてしまい、その隙に白先の鋒が瞳を中心とした顔を抉る』という『未来』を挿入し、結果『未来から飛来する行動・攻撃の影響で『現在』の私が認識・知覚不可になる』現象を発生
通常的な迷彩効果もあり得る…このまま、飛翔を用いて時速150kmの速度で背後や上空から奇襲を仕掛けていく
白先における未来操作の権能や腐食による足元の小規模沈下の虚を突く行動もある
これを持って『幻瞳術のトリガーとなる『視界に相手を入れる』という行動が失敗した未来』を確定させ、翻弄して切り刻んでいくよ!
樫谷・都黒
記憶:
都黒の記憶は《刻逆》の際に再構築した継接ぎの記憶のため、重要な他人の位置には、
都黒になった名を失った少女、または悪魔『御前様』の記録の中の人物になる
何処かの村人や神主っぽい人
ただし都黒には思う所は無いので敵であると認識している限り思う所なく攻撃する
わたしの目が信用置けないのであれば、代わりの目を用意しましょう。
パラドクスで呼び出す葛籠の力に任せ、攻撃を行う
自身は道具を信用する
あなたのその姿は誰なのでしょうか?
生憎、《刻逆》のお陰で記憶は無い物で。
深い関わりがある方なのかもしれませんが、
今のわたしには情も想いも全くないのですよね。
もし、《刻逆》に遭っていなければ危なかったかもしれませんね。
ココ・ジスカールアンベル
■見た目
笑顔(糸目)のシスター
同格の敵を殺す時は目が開きます
■性質
肉食昆虫の本質に、人間の血肉でかろうじて蓋がされた性質のインセクティア
敵と敵以外、肉と肉以外というような識別しかできません
戦闘しか考えない上に、言動は幻覚が見えてる系狂信者
■行動
例の如く、幽鬼のように敵の眼前に現れます。
手負いの血の香りを嗅ぎつけ、目を開いています。
「手負いの肉…どれほどでしょうか。美味でしょうか?…匹敵すればよいのですが」
腕から滴り落ちる血液を基に、水銀の雨を放ちます。
敵が死体に成り果てた途端、興味を失ってしまい、糸目の笑顔に戻り、立ち去ります。
「嗚呼…我が主…血と肉を与え給え…」
■その他
アドリブや連携歓迎です
「その台詞、そっくりそのままお返ししましょ」
くるり。長い袖を翻し、吉祥天・華瑞月(姫神 -ヒメガミ-・g02230)は舞うように左近の視界から逃れ出る。両腕へ優美な紗のように纏うのは、呪詛を孕む風と砂でできた目くらましの霧であった。
「小癪……っ!」
「と、思うじゃろ?」
敵の気が霧に逸れる。華瑞月がちょいと結界の起点となっている扇の先を跳ねれば、目を開けてはいられないほどの閃光が炸裂す。
「く――」
目を擦る左近の眼前に、ココ・ジスカールアンベル(甜血の蟲籠・g04970)はすうっと音もなく立ち尽くした。――開眼。存在感の希薄なシスター服の装いに血のような赤い瞳の猟奇的なる組み合わせに左近はぞっと背筋を凍らせる。
「あなた、なに……?」
「手負いの肉……どれほどでしょうか。美味でしょうか? ……匹敵すればよいのですが」
言うが早いか、ココはざあっと手負いの右腕を薙ぎ払った。蜘蛛が紡ぐそれのように糸を引いた水銀が左近を襲い、触れた端から高熱で溶かすように肉を斬る。
「あ、ああッ!」
「肉の焦げる匂い……香しく、狂おしい……」
もっと、と雨のように水銀を放てば、左近がたまらずといった様子で後退した。
「なぜ……逃げるのですか」
「こいつ、おかしいわよ。私は肉じゃない!」
「では、いったい誰なのでしょうか?」
樫谷・都黒(臥し者は独り路に・g00233)がたずねても、左近は睨みつけるように眉をひそめて笑うばかりだ。
「妙なことを気にするのね」
「なにせ、《刻逆》のお陰で記憶が無いのです。もしかしたら、深い関りがある方なのかも……と、思うのはおかしいでしょうか」
都黒の目には、幻術によって左近がある名無しの少女に見えている。継ぎ接がれた再構築後の記憶を元にしたのだろう。それが手落ちだというのだ。
「生憎と、まるで他人事のような記憶ばかり真似られてもわたしの心には響かないのですよ。……何も」
「どうかしら? あなたは自分の目が信じられないというの?」
「ええ」
頷くと、どこからともなく現われた葛籠がじろりと左近を見つめた。面妖な、と思う暇もなく空っぽの箱の中へと囚われる。
「ここは……異空間!?」
「いかがですか、居心地は?」
愛しげに、都黒は葛籠の表面に指先を這わせる。
「道具のほうがよほど、真実を知っているのですよ」
「……確かにそうかもしれないわ。けれど、私はその真実をもねじ伏せてみせる……!」
左近は強引に葛籠をこじ開けた矢先に、強烈な一撃を受けるはめになった。それは弐伊原・祈織(黒白二元剣術流祖・『二意天双流』・g01487)の仕掛けたパラドクスの罠、改変され、確定された未来の具現化。
「つ……ッ」
最初は、ただ目にゴミが入っただけかと思った。
「――それは、これから訪れる未来の前触れよ」
故に、白先の鋒は左近の瞳ごと顔面を抉り貫く――!! 未来を越え、確定された事象を覆す一撃が左近を襲い、膨大な量の血液が傷口から溢れ出した。
「私の新しいパラドクスはどう? 貴様のような幻術使いには効いただろうね」
「よくも!」
祈織は既に空へと逃れた後で、置き土産のように腐食させておいた左近の足元が崩れるのと同時に華瑞月の手元より九尾扇が伸びた。
「よい手ごたえじゃ」
肉を絶ち、骨を砕いて内蔵を貫いたことがわかる。
「逝く覚悟はよろしおすか?」
「く……せめて、道連れに……!」
「……お断りします」
降り注ぐのは水銀の雨だ。
ココは表情一つ変えず、当たり前のように告げるのだった。
「私がお供するのは……我が主のみ……」
もはや、左近の肉体はぼろぼろだった。焼け爛れ、貫かれ、切り裂かれていた。クロノヴェーダでなければとっくの昔に息絶えている。
「もはや、未来を操作するまでもない。貴様の死はもう避けられないよ」
背後からの奇襲を叩き込んだ後で、祈織は鳥が舞い降りるように地上へと着地した。
「言い残すことがあれば聞こう」
「く……アヴァタール級の分身では、ここまでか……っ」
悔しそうな呟きを残し、左近の体が消滅してゆく。ココは一切の興味を失い、瞼を閉じると元の微笑を取り戻して虚ろにつぶやいた。
「嗚呼……我が主……どうか血と肉を与え給え……」
葛籠を戻した都黒は小さな吐息をついた。もしも、の仮定に過ぎないが……あの《刻逆》に遭っていなければ、どうなっていたかは未知数であった。
「これも怪我の功名と言うのでしょうか。ならば、これもまた運命なのかもしれませんね。皆さま、それでは帰還いたしましょうか」
脅威は去り、無事にパラドクスレインとの合流も果たされた。後はこの一件が後のどのような影響を及ぼすか……少なくとも、これまでとは違う風が吹くだろうことは何となく感じられる京の都の夜半であった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【ハウスキーパー】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
【隔離眼】がLV2になった!
【一刀両断】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
【ダブル】LV1が発生!
【命中アップ】がLV4になった!