水着……じゃない美少女達のジブラルタル海峡征服計画(作者 ライ麦)
#断頭革命グランダルメ
#【《七曜の戦》ジブラルタル海峡防衛】海峡防衛戦
#《七曜の戦》
#人類史防衛戦『ジブラルタル海峡』
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美しき少女達が、海を泳いでいた。
それだけ聞けば平和に聞こえるかもしれない。だが、少女達は皆一様に無表情で、水着に着替えてすらいない。各所にフリルやリボンがあしらわれた、甘めの衣装をずぶ濡れにして、息継ぎもなしにひたすら集団で真っ直ぐに泳いでいく様は異様で、恐怖すら覚えるほどだった。
海上に顔を出した少女達は表情を変えることなく、口々に言う。
「いかな、ディアボロスでも、この秘匿作戦を見抜くことはできはしない」
「ジブラルタル海峡を手中に収めれば、地中海を手中に収めることが出来る」
「大陸軍に確実な勝利を」
そう言い合い、少女達は再び海中に顔を沈めた。ジブラルタル海峡を征服するために。
「《七曜の戦》が、遂に始まりましたね」
新宿駅グランドターミナルで、サフィール・セレニテ(見習い少年執事・g08576)が述べる。この戦いの帰趨によって、ディアボロスの、引いては、最終人類史の運命が決まる、重要な戦だと。全てのディヴィジョンが『決戦時空』に揃い、世界各地で戦端が開かれている。敵の大勢力と戦う、歴史の奪還戦も既に開始されている。だが、歴史の奪還戦だけが《七曜の戦》では無い。最終人類史に奪還した地域や、或いは、ディアボロスが制圧したディヴィジョンの地域を防衛する事も、大切な仕事となるだろう。
「と、いうわけで……皆様には、獣神王朝エジプト奪還戦で最終人類史に奪還したアフリカの北西部、ジブラルタル海峡に面した地域の迎撃戦をお願いしたいのです」
サフィールが頭を下げる。と、いうのも、イベリア半島の南端から、ジブラルタル海峡を渡って、断頭革命グランダルメの軍団が侵攻してくるのだという。
「軍団の規模は決して大きくは無く、率いるジェネラル級の姿もありませんが……ジブラルタル海峡のアフリカ側の一部地域を制圧するには充分な軍勢と言えるでしょう」
大陸軍の目的地は、ジブラルタル海峡の両側を制圧する事で、地中海の覇権を握る事にあると思われる。この思惑を阻止し、最終人類史の防衛を行って欲しい。時先案内人の少年の言葉に、ディアボロス達は勿論だと力強く頷いた。
「皆様に相手していただきたいのは、『解体少女』の軍勢。美しい少女を模したトループス級自動人形です」
その見た目は、美しく長い金髪に、所謂ロリータファッションというのだろうか。フリルやリボン、薔薇の装飾があしらわれた、愛らしい衣装に身を包んだ少女達だ。しかし、可憐な姿に騙されてはいけない。華奢な体に見合わぬ怪力で、鋸状の刃を持つ大剣を振るい、無表情なままに敵や人間を解体し尽くしてくる。
「その彼女達が、ジブラルタル海峡を集団で泳いで渡ってきます」
泳いで。水着に着替えることすらせずに。……自動人形に水着などいらぬってことだろうか。実際、いらなそうだけど。せっかくのかわいい服、ビッショビショになりそう。気にすらしなさそうだけど。ディアボロス達は無表情の金髪美少女達がずぶ濡れの姿で海岸に上陸する光景を思い浮かべた。軽くホラーだ。まして決戦時空では時差が発生する。日本とスペインの時差は7時間。たとえ日本が朝の朝8時30分でも、向こうでは1時30分。深夜じゃねーか。時間帯によっては確実にホラーだ。
そんな想像に顔を引きつらせるディアボロス達の前で、サフィールは雰囲気を正すように軽く咳払いして続ける。
「断頭革命グランダルメは、ディアボロスの活躍により多くの作戦を失敗させ、斜陽と言っても過言では無い状態です。しかし、多くのディヴィジョンと交戦しつつ、勢力を拡大してきた地力を侮る事は出来ません」
今回は最終人類史での戦いになる分、残留効果のレベルも最大となり、非常に有利に戦う事が出来る。しかし、油断することなく、確実に敵を撃退して欲しい。そう言って、彼は戦いの地へとディアボロス達を送り出した。
リプレイ
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
グランダルメからはるばる遠泳か……ご苦労だったな
だが、上陸は許さない
そこで海の藻屑と消えていただこう
エジプト方面に来るのも三度目だろ……?
……ここは俺達の領域
決して、踏み躙らせはしない
地形の起伏や遮蔽を利用し、光学迷彩で潜伏
完全視界と双眼鏡で偵察し
敵の接近を把握しPD通信で共有
泳いだまま撃とうか
効果2をのせ銃で雷撃、海水や濡れた服ごと感電させる
上陸したら泥濘の地で鈍らせ
味方と狙い合わせ、着実に数を減らす
連携の要の個体を看破し優先撃破
防衛ラインで乱戦を避け死角を作らない
常に偵察、観察し戦況把握
反撃には魔力障壁を張り波動を緩和
剣の振りを観察し、軌道に盾を翳し身を護る
撤退へ追い込もう
月下部・小雪
せ、せっかくのかわいいお洋服だったのに……
あんなにビッショビショだと勿体ない、です。
おしゃれを気にしないなんて、お、女の子失格、です!
ボクは濡れても大丈夫なように学校指定の水着、です!
というわけで、準備をしてきたのでボク達は水上で迎え撃ちますね。
【水上走行】で近寄って、泳いでくる解体少女に向かって、【コダマ・ストライク】です!
ごろごろ転がって、水面に出ているお顔を吹っ飛ばしちゃいましょう!
こ、この調子でどんどん沈めていっちゃいましょう!
※アドリブ連携大歓迎
地形の起伏を利用して身を潜め、光学迷彩の効果も併用して潜伏するエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は、陰から双眼鏡で海を偵察する。決戦時空では時差が生ずることもあり、今のジブラルタル海峡は深夜といっていい時間帯だ。真っ暗な海に波の音だけだが響く。しかし、完全視界が使える状況で暗闇は問題にならない。現に、エトヴァの目は水面に漂う金髪の群れをとらえていた。双眼鏡から目を離し、エトヴァは呟く。
「グランダルメからはるばる遠泳か……ご苦労だったな。だが、上陸は許さない。そこで海の藻屑と消えていただこう」
エジプト方面に来るのも三度目だろう、とスッと鋭く目を細め、手元に現れた小型通信機に囁く。
「敵接近中。応援を頼む」
「は、はいっ! 了解ですっ!」
緊張気味に通信に応えた月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)は、よし! と両拳を握って海上を見渡す。濡れても大丈夫なように、学校指定の水着も着てきて準備万端だ。エトヴァの通信通り、水面に覗く金色の髪を見つけた小雪はモーラット・コミュの『コダマ』と共に駆け出す。水面走行の効果で、海上も普通に走れる。飛沫を上げながら海上を走ってくる彼女の姿に驚いたように、金髪の少女達が水面に顔を出した。
「まさか、ディアボロスがこの作戦に気づくとは」
「仕方ない。倒してここを征服するよりない」
無表情のまま口々に言い合い、解体少女達は鋸剣を構える。その頭に付けたヘッドドレスは水を吸って赤黒く変色し、ぐっしょりと濡れて垂れ下がっている。吸った水の重みに負けて、頭からずり落ちている個体もあるほどだ。水面下に隠れている服も同様の悲惨さだろう。本人達に気にした様子は全くないが。小雪は思わず足を止めた。
「せ、せっかくのかわいいお洋服だったのに……あんなにビッショビショだと勿体ない、です。おしゃれを気にしないなんて、お、女の子失格、です!」
ぷくっと頬を膨らませ、指を突きつける。服を濡らさぬようにわざわざ水着に着替えてきた小雪にとって、解体少女達の行動は理解しがたい。しかし、解体少女達にとっては小雪の言葉の方が理解しがたい。首を傾げ、
「戦うのに、服は関係ない」
と表情変えずに言い放つ。見解の相違だ。伝わらぬ現実にやきもきしつつ、小雪は『コダマ』に指示を出す。
「コダマ、た、体当たりです!」
「もきゅっ!」
頷いたコダマが、水面をごろごろ転がっていく。身構えた解体少女がコダマの顔面ストライクをもろにくらって沈んだ。戦闘に有用な効果がフルに発揮されている分、威力も上乗せされている。解体少女達は驚愕に目を見開いた。
「ディアボロスとは、こんなに強かったか」
「放置しておくことは、できない」
次々に鋸剣を震わせる彼女達を、突如として水面を走った稲光が襲う。
「……!!?」
理解もできないままに濡れた服ごと感電する解体少女達を、エトヴァは冷徹な瞳で見ていた。稲光も感電も、彼が放ったMjölnir(ミョルニル)の仕業だ。おのれ、とエトヴァを睨みつけ、少女達は剣から精神を揺さぶるおぞましき波動を放つ。咄嗟に魔力障壁を張り波動を緩和しつつ、剣の振りを観察し、軌道に盾を翳すエトヴァ。凄まじい幸運も味方し、反撃を凌ぎきる。急加速する時の流れに乗った彼は即座に二挺の銃を構えた。
『――疾く、閃け』
続けざまに雷撃の力を封じた水陸両用弾を連射する。再び感電し身をふらつかせる解体少女に、再びコダマ・ストライクが炸裂し、水面に出ている顔が吹き飛ぶ。
「こ、この調子でどんどん沈めていっちゃいましょう!」
グッと拳を振り上げる小雪に、エトヴァもああ、と頷く。
「……ここは俺達の領域。決して、踏み躙らせはしない」
決意を胸に戦い、味方と狙い合わせ、着実に数を減らしていく。ディアボロス達の覚悟と様々な効果の乗った力はすさまじく、解体少女達は上陸すらできないままに追い込まれていった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水面走行】LV2が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
レイ・シャルダン
連携、アドリブ歓迎
1人だとボクっ子
人と話す時は私っ子で敬語です。
戦闘時は
サイバーゴーグル【Boeotia】のテンプルをノックして起動し
戦場を"観察"して"情報収集"を行い戦闘を有利に
機械魔導弓【ACRO】に矢を番え
フライトデバイス【アクロヴァレリア】による"空中戦"を行います。
敵の攻撃に対し、空中での回避行動を基本に
被弾する場合は超常結界式【アルヴァーレ】と【ナノマギア】による
2重の障壁でダメージを抑えます。
戦況を有利にする為なら多少の無茶はしますが
他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません。
公序良俗に反する行動もしません。
レイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)はそっとサイバーゴーグル【Boeotia】のテンプルをノックして起動し、戦場を観察する。先のディアボロス達の猛攻を凌ぎ、何体かの解体少女達が上陸してきていた。ビショビショに濡れそぼった金髪を引きずり、水を吸って重くなったロリータ服からボタボタと水を垂らしながら、それでも黙々と進軍してくる。
(「時先案内人の人が言ってたみたいに……別に濡れたからって、気にしてる様子もなさそうだね」)
観察、分析しながら、レイはそう結論付ける。Boeotiaで収集したデータは、彼女達の濡れて重くなった服が特に戦闘の邪魔になることはないと示していた。ならば小細工なしで、正面から戦うだけ。レイは星を投影する渾天儀【Raumfahrt】に今は既に絶えた星の残光を取り込み、かつて在りし日の赤色超巨星を投影する。
『見つけたよ……、誰にも看取られる事無く消えて行った奇跡の星たち。今度はボクが見ていてあげる。だからその輝きを、生きた証を今……』
映し出された超巨星にそっと呼びかけ、星の死の瞬間に起こる超新星爆発を【Raumfahrt】の中で再現する。凄まじいその熱量、その衝撃。その絶大な力に容を与え、星の命を極限まで圧縮した一本の矢に変えて。機械魔導弓【ACRO】に番え、放つ。莫大な力を秘めた矢は光に導かれ、寸分違わず解体少女達に命中した。
「敵襲か」
与えたダメージは大きいはずだ。それでも顔色一つ変えず、少女達は鋸剣の刃を高速で振動させる。振り下ろしてくる刃を前に、レイはアクロヴァレリアで宙へと飛んだ。敵に武器が届く範囲での空中戦であれば、下手に目立って集中砲火を受けることもない。幸運も味方につけながら、ヒラリと空中で身を躱し、避けきれない刃は超常結界式【アルヴァーレ】と【ナノマギア】による2重の障壁でダメージを抑え。レイは宙を泳ぐように戦う。残留効果の加護を受けた、遥かなる復讐者の星(ヴンダーアルタードノヴァ)に撃ち抜かれた敵は次々に倒れていった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【落下耐性】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
タタミ・ヤスマ
コウくん(g04512)と参加。
うん、此処は、私達が取り戻した地。
自動人形には、絶対、渡さない…!……え?そうなの?
…ん、そうだね、私達は、独りじゃない。
『光使い』灼光気を操り蜃気楼で姿を隠し
『オーラ操作』霞光気を広げ、空間把握で解体少女の挙動を『看破』
『罠使い』灼光幻影旗を立て、貯蔵していた幻竜気から幻影兵を『召喚』
大軍を『統率』解体少女達の注意を引き、コウくんの『突撃』を援護
コウくん……いくよ…!!
コウくんの言葉に呼応し、「屠竜撃」発動!【ダメージアップ】
『オーラ操作』灼光幻影旗をから膨大な灼光気を放出、
ライフルに込めて『火炎使い』熱光奔流を放出、
『貫通撃』穿ち、貫く!!
不知火・紘希
タミちゃん(g01941)と
エジプト奪還戦で取り戻した地域を渡すわけにいかないよ!
って、なにこの自動人形さんたち……!?ちょっと怖い。
でも、僕たちには信頼できる絆がある。タミちゃん、行こう。
ピカピカ光る靴のスイッチをつけて走り出すよ。あっちから向かってくるならホラーだって立ち向かうぞ!
タミちゃんに合図をして、僕はジグザグにダッシュしながら敵に突撃。同時にZitronengelbに勇気を込めて、光の魔法を描き出すよ。
パラドクス「金翅(ゴールデンオーダー)」を発動して敵の軍勢を攪乱させよう。金色の光を撃ち込みながら、敵の注意をひいて誘導するよ
いまだ! タミちゃん、思いきりいっていいよ!
「エジプト奪還戦で取り戻した地域を渡すわけにいかないよ!」
そう気合を入れる不知火・紘希(幸福のリアライズペインター・g04512)に、傍らのタタミ・ヤスマ(幼幻弱視竜・g01941)も頷く。
「うん、此処は、私達が取り戻した地。自動人形には、絶対、渡さない……!」
決意を込めて二人で前を見据える。紘希の瞳の先に、海から上がってきた解体少女達の群れが映る。暗闇の中、濡れた金色の髪を垂らし、身の丈に合わない巨大な剣を引きずって、全身から雫を垂らしながら無表情の人形達が歩いてくる様はまるでホラーだった。紘希は思わずぶるっと身を震わせる。
「って、なにこの自動人形さんたち……!? ちょっと怖い」
「……え? そうなの?」
驚いたように紘希の方に顔を向けるタタミ。まだ11歳の彼がこのホラー全開の景色に恐怖を覚えるのも無理はない。それでも、と紘希はそっと彼女の手に触れた。
「僕たちには信頼できる絆がある。タミちゃん、行こう」
「……ん、そうだね、私達は、独りじゃない」
触れた手を微かに握り返し、タタミは微笑む。いざ。紘希は子供らしい、ピカピカ光る靴のスイッチをつけて走り出した。
「あっちから向かってくるならホラーだって立ち向かうぞ!」
ジグザグにダッシュしながら敵の群れに突撃し、同時に手にしたヘリオドールが煌めくカービングナイフ【Zitronengelb】に勇気を込めて、光の魔法を描き出す。
『これが僕の全力! クライマックスはここからだよ!』
発動する金翅(ゴールデンオーダー)。勇気を持って戦う彼を世界が祝福し、撃ち込む金色の光が解体少女を貫く。ぐらり、光に貫かれた少女の体が傾いた。金色の光とやられた仲間に他の解体少女が気を取られている隙に、紘希は叫ぶ。
「いまだ! タミちゃん、思いきりいっていいよ!」
「……うん……! コウくん……いくよ
……!!」
光に紛れるように身を潜めていたタタミが、敵前に躍り出る。様々なアイテムや技能を駆使した細工は色々と考えていたが、結局はパラドクスが一番強い。そしてパラドクスを使うための隙は紘希が作ってくれた。息を吸い、タタミは竜をも屠るような一撃を繰り出す。増幅されたクロノヴェーダに対する怒りが、解体少女達を穿ち、貫いた。音を立てて倒れた仲間に慄いたように、解体少女達は口々に言い合う。
「まさか、ディアボロスがこれほど強いとは」
「このまま進軍を続けていても損傷が大きくなるだけだ」
「やむを得ない。撤退だ」
そうと決まれば長居は無用とばかりに、彼女達は背を向けて次々と海に戻っていく。先の大戦で取り戻した大地は、どうにか自動人形達の魔の手から守りきれたらしい。ほっとして力が抜け、思わず座り込んだ二人は、顔を合わせて笑い合う。このジブラルタル海峡防衛戦は、ディアボロス達の勝利に終わったようだ。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【避難勧告】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!