【《七曜の戦》ジブラルタル海峡防衛】波間の断頭台(作者 聖山葵)
#断頭革命グランダルメ
#【《七曜の戦》ジブラルタル海峡防衛】海峡防衛戦
#《七曜の戦》
#人類史防衛戦『ジブラルタル海峡』
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陽光に煌めく波間に、ぷかり頭部が浮かぶ。ひとのモノにしては作り物めいたそれがいくつもいくつも。
「錆び付いちまわねぇだろうな」
海面に顔を出して零したのは、そんな頭部の一つだ。後ろからは断頭台が生えていて、海に斬頭台が林立するというシュールな光景を作り出していた。そう、自動人形が海を泳いでいるのだ。
「いかな、ディアボロスでも、この秘匿作戦を見抜くことはできはしない」
「と言うか、そうでないとやってらんねぇよな。断頭台背負って遠泳とか」
確信らしきものを持ちつつ近づいてくる海岸を見つめ泳ぐ自動人形の隣で毒を吐いたのもまた自動人形だ。ただ皮肉っぽい言い回しをしながらもあまり周囲を警戒している様子がなさそうなのはそちらの自動人形もディアボロスに把握等されていないと思っているのであろう。
「もう少しだ」
「ああ」
自動人形どもは海水をかき分け、進んでゆく。その先にあるアフリカ大陸へと。
「ふふ、ごきげんよう。遂に《七曜の戦》が始まったわね」
クリスティーヌ・シュヴァリエ(サキュバスの陸戦砲兵・g03188)曰く、全てのディヴィジョンが『決戦時空』に揃って世界各地で戦端が開かれているようよとのことで。
「この戦いの帰趨によって決まるわ。わたくしたちディアボロスの――引いては、最終人類史の運命が」
敵の大勢力と戦う、歴史の奪還戦も開始されているらしいが、ただ歴史の奪還戦だけが《七曜の戦》では無い。
「そう。最終人類史に奪還した地域とか、或いはみんなが制圧したディヴィジョンの地域を防衛する事も大切な仕事よね」
故に君たちが向かうのは、獣神王朝エジプト奪還戦で最終人類史に奪還したアフリカの北西部、ジブラルタル海峡に面した地域だ。
「そこにイベリア半島の南端からジブラルタル海峡を渡って断頭革命グランダルメの軍団が侵攻してくるようなのよ」
軍団の規模は決して大きくは無く、率いるジェネラル級の姿も無いがジブラルタル海峡のアフリカ側の一部地域を制圧するには充分な軍勢と言える。
「迎撃戦、ね」
大陸軍の目的地は、ジブラルタル海峡の両側を制圧する事で、地中海の覇権を握る事にあると思われる。
「みんなに戦って欲しいのはこの軍勢の中の一部隊。背に断頭台を背負ったサンソン式断頭人形で構成された部隊となるわ」
フランスの死刑執行人一族として知られた「サンソン家」を名乗るトループス級の自動人形達で、断頭台や斬首斧を用いた「公開処刑」を行うことで自動人形が人間の死から得るエネルギーを増大させるらしいが、泳いでくるかの自動人形らには処刑する人間どころか断頭台を置く陸地もない。
「エネルギー増大云々については全く考えなくてよさそうね」
それどころか断頭台を背負って遠泳なんて頭のおかしいことをしているので若干消耗していてもおかしくなさそうではあるが、そこはこの軍勢に配された自動人形らだ。戦いに支障はないらしい。
「とはいえ相手はトループス級。そもそもあちらの思うとおりに事を運ばせないといけない理由もないわ」
敵を撃破、自動人形たちの思惑を阻止して最終人類史の防衛を。
「断頭革命グランダルメはみんなの活躍によって多くの作戦を失敗させてるものね。斜陽と言っても過言では無い状態だとは思うわ」
だが、多くのディヴィジョンと交戦しつつ勢力を拡大してきた地力を侮る事は出来ない。
「だからこその一押しよね」
大変かもしれないけどとはしつつも、クリスティーヌは宜しくお願いするわと元軍人らしくいつもの様に敬礼して見せるのだった。
リプレイ
レイ・シャルダン
連携・アドリブ歓迎です。
はるばる…長い距離をお疲れ様でした。
おもてなしせねば無礼と言うもの……なんてね。
予め考えられていた作戦なのだろうけど、全て看破済みなのです。
これも戦いなので、全力で撃ち落とします。諦めて頂きたく。
『Boeotia』を起動して各武装と精神をリンク、
人機一体となる特殊な起動を発揮
【観察】と【情報収集】により敵への航路を算出
手に灯す蒼きフォトンエネルギー
機械魔導弓『ACRO』に番えて引き絞り、空を仰いで一射
敵陣を一掃して見せましょう。
敵の反撃には【結界術】を張り巡らし身を守りつつ
『アクロヴァレリア』を点火して【飛翔】し空中へ【一撃離脱】して回避
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
シュールだなあ。絵に描きたくなったぞ……
グランダルメからはるばる遠泳とは
だが、上陸は許さない
そこで海の藻屑と消えていただこう
仲間と取り戻した北アフリカの地だ
何度でも、護り抜く
地形の起伏や遮蔽を利用し、光学迷彩で潜伏
完全視界と双眼鏡で偵察し
敵の接近を把握しPD通信で味方と連携し、情報共有
遠距離から奇襲を仕掛け、連射で狙い撃つ
効果2をのせ断頭台ごと雷撃、身動きを封じ
味方と狙い合わせ、集中攻撃で着実に数を減らす
連携の要の個体を看破し優先撃破
水面走行や水中適応は必要に応じ利用
撤退へ追い込もう
常に偵察、観察し戦況を把握
反撃には魔力障壁を張りつつ
忍耐力と防衛への勇気を奮いイメージを振り払う
珠々院・アンジュ
※連携・アドリブ可能です。
「敵ですね。敵である以上殺しましょう。楽に死ねると思うなよ」
無表情で淡々と喋りますが無口ではありません。
他の人とも連携やコミュニケーションは取れます。
敵に対しても淡々とした口調ですが内容が過激になります。
成功のため技能は惜しみ無く使います。
表情には出しませんが、相手を呪詛で侵食することに愉悦を感じています。
パラドクスは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。自身の怪我は疎く気にしません。
他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
レイ・ディース
※連携アドリブ歓迎
大陸軍を見る度に言わずにいられない
イタリア南部に加勢に行ってあげなさいよ!!!
※介入すれば亜人の蹂躙から守れるとわかってる地域が落選して辛い
では地中海越えしようとしてるレコンキスタ気取り(やり過ぎ)のエセサンソンを片付けます
【PD通信】で味方としっかり連携
【防衛ライン・泥濘の地】で足止めし一度に多数を相手にしない
エイン共々、予め光の大盾を作り
可能なら《光遣い》の目眩ましで撹乱しながらPD
敵が押し付ける罪だの死だの逆説連鎖戦じゃ避けられないけど
今更そんな物で思い煩う事はないわ
可愛くて頼もしいエインの存在と、私の《光遣い・浄化》で振り払っていく
※私の方は『ディース』とお呼び下さい
クィト・メリトモナカアイス
断頭台を……背負って……?
我らでもそんなことしないぞ……
んむ、とりあえず。
そんなものをエジプトに持ち込まれても邪魔なので、そのまま沈むとよい。
モナカ射撃型を呼び出して「射撃のコーニッシュレックス」。モナカ射撃型の連射をひたすら撃って撃って撃つ。
最終人類史の力を借りた【先行率アップ】【命中アップ】【ダメージアップ】で全力で叩く。
敵の攻撃の回避はこれまた最終人類史の力を借りたLv10の飛翔で。
自律形態になった断頭台を飛翔の速度で回避し、回り込んで反撃。
汝ら侵略者。
この地に足を踏み入れることは許さぬ。
前ぼっこぼこにされてなおまだやる気の……誰だっけ。なんとかとかいうげんすいを恨むとよい。
エトワール・ライトハウス
アドリブ連携◎
どうしよう、ちょっと面白いぞこの絵面
せめて最初から自律形態にできなかったのか背中の断頭台……できなかったんだろうな
だが、こっちは七曜の戦で忙しいんだ
手加減する理由は何処にもない、全力の全速力で迎撃させてもらおう
さて、気の毒な事に秘匿作戦はバレバレだ
ならするよね、『不意打ち』
最終人類史なのでフルに使える残留効果、【水中適応】で海の中に潜みます
上空には【フライトドローン】……「クロノヴェーダを見つけたら全速力で近寄れ」と命じよう
時速200kmのドローンに気を取られたならこっちのもの
PDを使って水底の石を打ち込む
上空を気にしてた連中に真下からの連続掃射を叩き込むぞ!
「断頭台を……背負って……?」
背景に宇宙を背負って困惑するクィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)の口から、我らでもそんなことしないぞと呟きが漏れた。
「どうしよう、ちょっと面白いぞこの絵面」
「シュールだなあ。絵に描きたくなったぞ……」
海面にいくつもの断頭台の生える光景をエトワール・ライトハウス(Le cabotin・g00223)がそう評す横ではエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)が少しだけ絵筆を取り出したそうにうずうずしている。
「せめて最初から自律形態にできなかったのか背中の断頭台……できなかったんだろうな」
「イタリア南部に加勢に行ってあげなさいよ!!!」
生温い目で自身の疑問の答えを察し海面へエトワールが目をやり続ける一方、レイ・ディース(光翼のダークハンター・g09698)ことディースは胸のモヤモヤから海に向けて叫んでいた。こんな方向に差し向ける戦力があるなら、攻め込まれる場所への防衛に使えと敵ではあっても思うところがあったのだろう。
「グランダルメからはるばる遠泳とは」
「だが、こっちは七曜の戦で忙しいんだ」
海岸の岩陰へと潜んだエトヴァの言を継ぐ形でエトワールが再び口を開き、一人その場を離れ。
「はるばる……長い距離をお疲れ様でした。おもてなしせねば無礼と言うもの……なんてね」
「なっ、何故、こんな所にディアボロスが」
「馬鹿なっ?! 完璧な秘匿作戦だったはずだぞ?!」
ねぎらいに続けた言葉を冗談めかしたレイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)は起動した『Boeotia』越しに上陸地点へ自分たちの姿を認め動揺する自動人形、サンソン式断頭人形らを見ながら各武装と精神をリンク。機械魔導弓『ACRO』を握り締める。
「予め考えられていた作戦なのだろうけど、全て看破済みなのです」
『よって、上陸は許さない』
もう一人のレイ、ことシャルダンの言葉に隠れたままのエトヴァがパラドクス通信で言葉を重ね。
「うぐっ」
シャルダンの視線に射抜かれながら歯噛みするも未だ遠泳中のサンソン式断頭人形にはディアボロスたちを迂回することも出来ない。もう見つかってしまっているのだ、進路を変えて別の場所から上陸する前に攻撃されるのは明らかだった、加えて。
(さて、気の毒な事に秘匿作戦はバレバレだ。ならするよね、『不意打ち』)
仲間たちから離れ海に潜っていたエトワールは待っていた、出現させた人一人運べる大きさのドローンが遠泳中のサンソン式断頭人形らへ突っ込んでゆくのを。
「うおっ」
ただのドローン、冷静さを保っていればそれが何をしたところで一般法則破壊によってどうとでもなることに自動人形も気づけたはずだ。だが、秘匿作戦を見抜かれ、居るはずのないディアボロスに待ち伏せされていたことで動揺していれば話は異なる。
「気を取られたならこっちのもの……砂の一粒、蟻の一噛み。続く者が、先駆けに意味を与えるのさ」
上方の海面でドローンの急接近に自動人形たちが混乱する様を把握し、海中に潜んでいたエトワールが行けとばかりに水底の石を弾丸に変えて射出した。
「ぎゃああっ」
「がはっ」
「ぎぇえっ」
上空のドローンと海岸のディアボロス、双方に気を取られていたサンソン式断頭人形らにこの襲撃へ対処できるはずもなかった。
「んむ、とりあえず。そんなものをエジプトに持ち込まれても邪魔なので、そのまま沈むとよい」
一つ頷いたクィトは仲間たちをちらりと見てから自動人形たちの背にある断頭台を示して言い放ち。
「そうだな。そこで海の藻屑と消えていただこう」
岩陰に潜んだままのエトヴァがエトワールの『不意打ち』に呼応する形で奇襲する。
「――疾く、閃け」
雷撃の力を封じた水陸両用弾の連射が水をかく手を鈍らせた自動人形たちへと襲い掛かったのだ。
「があっ、こ、の」
傷つきながらも空間を歪め海面に出した顔で歌い始めた陰鬱な歌をエトヴァに届けようと、反撃を試みたサンソン式断頭人形も存在はした、だが。
「効かんな」
「な、ぁ」
殆どダメージ与えられていない様を見て驚愕と絶望の表情で致命傷を負った自動人形は海へと沈んでゆく。
「とーべーとーべー、モナカー」
たとえそこで沈まずとも、クィトの喚び出した浮遊球形ガジェット『モナカ』射撃型の連射の前に蜂の巣にされていただろうが。
「何故、こんなこ、ぐああああっ」
「ぐぎゃあっ」
代わりに近くのサンソン式断頭人形が二体ほど穴だらけとなって沈んだ同胞の後を追い。
「汝ら侵略者。この地に足を踏み入れることは許さぬ」
「ああ。仲間と取り戻した北アフリカの地だ。何度でも、護り抜く」
奇襲したことで敵に自身の存在を把握されたエトヴァがクィトの言葉に頷くと再び水陸両用弾を連射し、クィトもまた浮遊球形ガジェットで上陸を果たせず不利な状況にあるサンソン式断頭人形らを攻撃してゆく。
「前ぼっこぼこにされてなおまだやる気の……誰だっけ。なんとかとかいうげんすいを恨むとよい」
などとすっとぼけられても反論する余裕も自動人形たちには残っていなかった。
「それは大空を翔る翼の様、クレッシェンドファング・フリューゲル!」
「がっ」
「ぎっ」
手に灯す蒼きフォトンエネルギーをシャルダンが機械魔導弓『ACRO』に番えて引き絞り、空を仰いで一射放てば、二体の自動人形が無慈悲な一撃に頭部を破壊されて海へ沈んでゆくのだ。
「こっ、こんなことが」
「これも戦いなので、全力で撃ち落とします。諦めて頂きたく」
会敵から僅かな間で櫛の歯が欠けたように仲間たちが数を減らしている現状に動揺するサンソン式断頭人形へシャルダンは無情に言い放ち。
「敵ですね。敵である以上殺しましょう。楽に死ねると思うなよ」
無表情に淡々と告げ、浮足立つ自動人形を見据えて珠々院・アンジュ(エントゾルグングフルーフ・g05860)は跳躍する。海岸からサンソン式断頭人形との間には海があるも関係なかった。
「悶えろ、苦しめ、無様に這いずり回れ」
地を蹴ったアンジュの身体は空に舞い上がると何とか上陸せんと自動人形らが縮めようとする陸までの距離をあざ笑うように飛び越え、海面から出たサンソン式断頭人形の顔面を繰り出した蹴りで粉砕したのだ。
「が、あ」
解放されたアンジュ自身に宿っていた呪いのおすそ分けも貰ったサンソン式断頭人形は呪詛に侵食されながら水をかく動きを弱め海中に没してゆく。
「次はどれですか?」
表情は変えず、だが沈んでゆく敵の姿へ確かに愉悦を覚えながらアンジュは周囲を見回し。
「この煌めき、しかと見て下さい……」
視界の片隅に見たのは、光の粒子で形成した大盾を浮かせ自身とメーラーデーモンのエインを守りながら翼を羽ばたかせるディースの姿。翼からきらきらと零れ墜ちる光の粒子は今度は大盾ではなく煌めく大量の花を形成すると海面に顔を出した生き残りのサンソン式断頭人形らへと嵐のように吹き付ける。
「ぐ」
「っぷ」
「この、鬱陶し――」
視界を塞がんとする花を泳ぐのに使う手を止めても拭わんとする自動人形も居たが、その努力は報われない。
「がはっ」
エインの繰り出した槍の突きが、あるいはディースの投じた光の粒子で形成された槍がその身を貫いていたのだ。
「おのれ、せめ……て」
「今更そんな物で思い煩う事はないわ」
槍にくし刺しにされたままのサンソン式断頭人形は、せめて一人でも道ずれにせんと陰鬱な歌を歌い始めるも、ちらりエインを見たディースが強く羽ばたけば、散らばる光の粒子と共にまとわりつく死のイメージは払い飛ばされ。
「何故だ、なぜこうも容易く……」
口から出た疑問の答えを知ることなく自動人形は海へと沈んでゆく。自ら背負った断頭台とともに。
「断頭台ももう見当たらないか。上陸は阻めたとみてよさそうだな」
生き残った者もあきらめて撤退したのか、全て討たれのか。ディアボロスらが気づけば海面に先ほどまでのシュールな光景はもうなく、ただ自動人形の残骸が波間に揺れるだけだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【エアライド】LV1が発生!
【水面走行】LV1が発生!
【悲劇感知】LV1が発生!
【植物活性】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV2が発生!
【反撃アップ】LV2が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!