河内の境に鬼火は揺らめき(作者 鏡水面
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#天正大戦国  #【《七曜の戦》河内国防衛】千早城奪還部隊への強襲  #《七曜の戦》  #人類史防衛戦『河内国』 

●千早城奪還の命
 黄金の装飾に埋め尽くされ、まさに豪華絢爛という言葉がふさわしい岸和田城の天守閣。
 狂月神機『淀殿』は、集まった配下を静かに見下ろしている。
「大きな戦が始まる……この機に、ディアボロス達に身の程を弁えさせなければなりませんね」
 淀殿はそう呟き、続けて配下たちに淡々と命じた。
「秀吉様からの命令です。いそぎ、河内国との国境に軍を差し向けなさい。……河内国など、もはや価値などありませんが、犬ころが建てた千早城には価値があるそうです」
「千早城……城を奪還する、ということですな」
 命令を受け、配下のひとり――怪火が言う。淀殿は肯定するように頷いた。
「犬ころの城だったというのは気に喰わないけれど、妾の手で千早城を秀吉様に捧げれば、秀吉様は喜んでくれる事でしょう。河内の国境いに兵を集めておきなさい。《七曜の戦》が始まると同時に、部隊を前進させ、千早城の奪還に向かわせるのです」
 戦が始まる。湧き上がる興奮に、怪火達が炎を揺らめかせた。
「これ以上、奴らディアボロスの好きにはさせませぬ!」
「アイツらを炎で焼き尽くしてやるぜぇ!」
 怪火達は寄り集まり、戦の準備をすべく河内国の国境へと向かう。

●先手必勝
「ついに《七曜の戦》が始まるね。緊張で胃が痛くなってきた……なんて、弱気なこと言ってられないか」
 フロラン・フォンテーヌ(天使のリアライズペインター・g03446)は、集まったディアボロス達へと説明を開始する。
 現在、最終人類史に奪還した地域や、ディアボロスが制圧したディヴィジョンの地域に向けた、クロノヴェーダの侵攻が予測されているのだ。
「皆には、河内国の千早城を奪還しようとしている和泉国の軍勢を、《七曜の戦》の前に強襲してほしい」
 千早城を敵に奪われてしまった場合、千早城周辺地域の奪還が不可能になる。そのうえ、敵に千早城を利用されてしまう事になるだろう。彼らは河内国の国境――森を切り開いた土地に集結し、侵攻の準備をしている。
 彼らが侵攻を開始する前に、先制攻撃を行ってほしい。
「ただ、俺が感知した今回の敵……怪火の軍勢は、数え切れないほどの大群でね。全部倒しきるのは不可能だ。だから、目標はあくまで敵を混乱させ、勢力を減らすこと。ある程度数を減らしたら、撤退してきてくれ」
 数を減らすだけでも、敵の侵攻意志を挫くための礎となるだろう。

 一通り説明を終えて、フロランはこう締め括る。
「移動城砦である千早城が本領を発揮すれば、天正大戦国の戦いで心強い味方となるはずだ。必ず作戦を成功させて、千早城を守ってくれ」


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【冷気の支配者】
1
ディアボロスが冷気を自在に操る世界になり、「効果LV×1km半径内」の気温を、最大で「効果LV×10度」低下可能になる(解除すると気温は元に戻る)。ディアボロスが望む場合、クロノヴェーダ種族「アルタン・ウルク」の移動速度を「効果LV×10%」低下させると共に、「アルタン・ウルク」以外の生物に気温の低下による影響を及ぼさない。
【パラドクス通信】
2
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【通信障害】
1
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。
【アイテムポケット】
1
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV1 / 【ガードアップ】LV1 / 【反撃アップ】LV1 / 【ロストエナジー】LV1 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

鏡水面
こんにちは、鏡水面です。
こちらは千早城を奪還しようと集結するクロノヴェーダに強襲を行うシナリオです。
彼らはまだ国境にいます。千早城へ向けて彼らが侵攻を開始する前に、叩いて戦力を削りましょう。
OPにも書いていますが、全滅させることは不可能なのでご注意ください。
 
プレイングの採用状況については雑記に記載しますので、ご確認いただけますと事故が減ります。
ここまで読んでいただきありがとうございます。それでは、皆様のご参加お待ちしております!
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このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


シズ・ノウラ
戦争が始まったニャアね。
私達の世界を乗っ取った連中に一泡吹かせてやるニャ。

千早城ってのを守るのが任務ニャね。私はまだいなかった頃だけど、折角皆で勝ち取った戦果ニャ。守り抜くニャ。

物陰に身を隠しながら国境付近へ近付いて奇襲を狙うニャ。
仲間とタイミングを合わせて攻め込むニャ。
【風切の爪】で攻撃ニャ。振るった指先から「衝撃波」を放って炎を吹き散らしていくニャ。
反撃を警戒しながら、一つ所に居着かない様に走り抜けつつ、「連撃」で次々に衝撃波を放って出来るだけ多くの敵を攻撃するニャ。

「地形の利用」での遮蔽物の利用や「マジックシールド」で熱に耐えながら戦うニャ。
程よく被害を与えたら撤退ニャ。熱かったニャ。


イシュア・アルミゴス
んー笑っちゃう位多いね!火なんだからさっさと燃え尽きて
大戦の前の花火になっちゃいなよ!

とはいえ敵は大群。闇雲に突っ込んじゃ手痛い反撃なんて怖いしね
速攻あるのみだよね。セルケトクロウを射出し一気に敵を薙ぎ払い牽制
そのまま引き寄せ地面に勢いよく叩きつけ冷気を射出。炎は冷やしてあげなきゃね

攻撃が終わればさっさと撤退。アヌビスの守護で熱波を防ぎセルケトクロウを
離れた場所に射出し一気に自身を引き付け炎の範囲外に撤退
おいおいこんなもんかい?トループスじゃ相手にもならないぜ?
君等捨て駒なんじゃない?大戦前なんだ。考えていこうぜ?


エレノラ・ブルーノ
アドリブ・連携歓迎

千早城はもう少しで我々の戦力とできそうか。
ならば、敵に奪還させるわけにはいかないな。
クロノヴェーダは滅しつくしたいところだが、今はまだその時でないことは承知している。
まずはひと当てして、少しでも戦力を削るとしよう。

こいつたち自身が生きた爆弾という事か。
厄介な連中だ。だが、であるならば、より一撃離脱を重視した戦法で戦うとしよう。
まずは遠距離から《光槍》を投擲し、敵の注意を引き、殺到してきた敵には《守護の十光剣》で応じ、近づけさせない。相手が焦れて爆発の態勢に入ったら、【飛翔】を使い、相手の爆発の爆風を利用して一気に離脱する。距離さえとれば《特化戦闘服》の守護で耐えきれるはずだ。


篠村・蓮十郎
悪いが千早城はこちらが貰い受ける。
貴様らにくれてやるものなど何一つ無い、という事だ。

まずはパラドクス通信を利用し連携を取る
潜伏する味方と足並みを揃えた上で先んじて敵陣へ突入
敵の視線をこちらへ向けさせる事で味方の奇襲を容易にする算段だ

奇襲に合わせこちらも攻勢に出る
掲げた壱號機械腕から[稲妻]を放ち
周辺の敵を打ち据える

飛び散る火の粉へは皮鉄を盾に
機動力を削がれぬよう急所と足回りを重点的に防御しておく

状況を鑑みて通信を行い撤退を促す
出遅れる味方が居ないか確認しつつ退くとしよう


プターハ・カデューシアス
【賽】
連携・アドリブ歓迎
残留効果・技能は適宜利用

自旅団員の菜芽は呼捨て

先ずは敵情視察
新宿島の双眼鏡等を使い
敵の配置や軍勢の集まる立地を確認して有利な位置取りを
こちらの撤退時の経路も確認

何処を崩せば浮き足立つかを冷静に判断し、仲間と共有

桜散春風で敵に通信障害を掛けつつ
敵軍の小隊長と思われる個体を中心に攻撃
仲間と連携して数を減らし
グロリアスでこちらも士気を上げながら少しでも多くの損害を与えましょう
反撃の火の粉は、アクアスライムの「アムリタ」に消して貰います

深い追いせず
適度に被害を与えたところで撤退

今は前哨戦
本番に備えこちらの余力を残すのも大切
新宿島に無事帰るまでがお仕事です

菜芽にはディフェンスを


島江・菜芽
【賽】
連携・アドリブ歓迎

うわー、いっぱいの怪火かぁ…
これって連鎖爆発とかするヤツだっけ?
まきこまれたくないなぁ
(渋い顔)

囲まれたらヤバそーなんで
とりのこされないよーに味方と連絡取れるといいよね
だから【パラドクス通信】!
もしはぐれたら迎えに来てねっ、プタさん

んじゃ、いっくーよマロさん!
パンツァーハウンドのマロさんに乗って戦場を駆けるよ
味方の攻撃に巻き込まれて疲弊した敵を確実に撃破してく方針っ!
痛いの、熱いのはなるべく少ない方がいいもん
【熱波の支配者】が付いてたら熱いのだけは、少しは耐えられるのかな?

プタさんの台詞に
遠足の引率の先生を思い出して

七曜の戦、終わったら皆と遊びに行きたいなぁ
なんてネ


●消火活動
 吹き抜ける空の下、森を切り開いた野営地が広がっている。
 野営地と森の境目に到着したディアボロス達は、木々の陰に身を隠し様子を窺っていた。
 せっせと戦の準備をする怪火達を、プターハ・カデューシアス(招福龍・g03560)は双眼鏡を通して注意深く観察する。
「時先案内人の言っていたとおり、敵がわんさか居ますね。敵が敵だけに、見ているだけで熱い気分になります」
 プターハの横からひょこっと顔を出し、同じく敵地を偵察する島江・菜芽(雪の妖精☆・g06056)は渋い顔をした。
「うわー、いっぱいの怪火かぁ……これって連鎖爆発とかするヤツだっけ? まきこまれたくないなぁ」
 一方で、怪火たちを遠くに眺めつつ、イシュア・アルミゴス(守護星蟲・g00954)は口元に笑みを浮かべる。
「んー笑っちゃう位多いね! あんなにいたら、山火事でも起きちゃいそうなくらいだ」
 もっとも、怪火達を放っておけば、戦場は炎に包まれるであろう。千早城に彼らの火が届くようなことがあってはならない。
「千早城はもう少しで我々の戦力とできそうか。ならば、敵に奪還させるわけにはいかないな」
 エレノラ・ブルーノ(“光輝の乙女”・g09980)は静かに野営地を見つめる。
 シズ・ノウラ(深森の幻獣・g10049)も意気込み十分といった風に、ふわふわの耳をぴんと立てた。
「戦争が始まったニャアね。私達の世界を乗っ取った連中に一泡吹かせてやるニャ」
 敵の位置や撤退経路の事前把握は済んだ。戦闘開始地点は野営地の端、怪火達が休憩をしている場所がいいだろう。
 警戒心が緩んでいる彼らへと、一斉に攻撃を仕掛けるのだ。
 篠村・蓮十郎(鋼剣・g09914)は鋭く怪火達を見据えた。
「俺が先陣を切ろう。まずは敵の視線をこちらに向けさせる」
 そう告げた後、木陰から飛び出し、敵陣へと突入する。タイミングを合わせ、ディアボロス達は襲撃を開始した。
 
「ンッ!? なんだお前らは!」
 気が緩む中の突然の襲撃。それは怪火達の危機に対する対応を遅らせる。
 答えをくれてやる代わりに、蓮十郎はパラドクス『稲妻』をお見舞いする。襲撃の第一撃目。敵陣へ突入し、掲げた壱號機械腕から放たれた霊力の雷撃は、複数の怪火達を容赦なく貫いた。
「悪いが千早城はこちらが貰い受ける。貴様らにくれてやるものなど何一つ無い、という事だ」
「敵襲!? 敵襲だ!」
 後手に回ったものの、怪火が身を爆発させ、熱波で蓮十郎を焼こうとする。飛び散る火の粉を、蓮十郎は皮鉄を展開することでやり過ごした。
(「炎の勢いが緩い……対応が追い付いていない状況のようだな。襲撃が上手く行ったからこそ、やり過ごせた攻撃なのだろう……」)
 そう考えたのは一瞬の間。蓮十郎はすぐにパラドクス通信で仲間達へと呼び掛ける。
「時間は掛けられない。敵が動揺しているうちに手早く搔き乱そう」
 怪火達が騒ぎ立て、体勢を立て直そうとする。そこへプターハは即座にパラドクスを展開し、通信を阻害する力を周囲に撒き散らした。無数の花弁が刃となり、怪火へと襲い掛かる。
「ええ、速戦即決と行きましょう。アムリタも、一緒に頑張りましょうね」
 プターハに応えるように、アムリタがぽよよん! とジャンプする。
 アムリタの横で、菜芽もぴょんっと元気よく飛び跳ねた。
「よーし、爆発物処理、開始だねっ。もしはぐれたら迎えに来てねっ、プタさん」
「もちろんです。とはいえ、はぐれずに戻ってきてくれると信じていますよ」
 彼女は必ず問題なく任務を終えるだろうという信頼がある。その信頼に応えるように、菜芽は眩しい笑顔で頷いた。
「うん、任せて! んじゃ、いっくーよマロさん!」
「ワンッ!」
 マロと息を合わせ、菜芽は戦場へと駆けだす。菜芽とマロに気を取られた敵が、彼女達を追おうとする。
 怪火は体のあちこちから火の粉を飛び散らせ、走る二人の周囲を焼かんとする。そんな彼らの背後に、プターハが回り込んだ。
 『桜散春風』――青白い桜吹雪が怪火達を突如として包み込み、炎で出来た体に青い斬撃を浴びせてゆく。
「この野郎ッ!」
 攻撃を受けて激昂した怪火が火の粉を飛び散らせ、プターハを焼こうとする。降りかからんとする火の粉とプターハの間に、アムリタが飛び出した。アムリタは体からびゅっと水を噴き出し、火の粉を防ぐ。
「危うく服が燃えるところでした。よしよし」
 褒めるようにアムリタを撫でるプターハ。アムリタはぷよぷよと弾みながら、プターハの手に擦り寄った。
「くそっ……でかいまんじゅうにオレの火が消された!」
 まんじゅうではない。混乱と怒りで迷言を吐く怪火へと、今度は菜芽が攻撃を仕掛ける。
 激しく爆ぜる雷光をカービングナイフに纏わせ、怪火の脳天へと振り下ろした。怪火の炎の体が、真っ二つに割れたリンゴのように切り裂かれる。
「隙ありだよっ! 弱った敵を確実に、ってね。短時間でさくさくっと!」
 怪火が反撃の火の粉を噴いた。マロと連携を取ることで敵を攪乱し、狙いを乱れさせて攻撃を躱していく。
 ディアボロス達の攻勢は止まない。
 シズは魔術の紋様を手の甲に記し、怪火達へと狙いを定める。
(「私はまだいなかった頃だけど、折角皆で勝ち取った戦果ニャ。守り抜くニャ」)
 千早城を守るのが任務。直接の関わりはないけれど、仲間達が苦労して手に入れた城だ。そこに敵の魔の手が及ぼうとしているならば、絶対に守ってみせる。
 シズの視線に怪火達が気付き、殺気に満ちた目を向けた。
「これ以上好きにさせるか! 焼きネコにしてやる!」
 体を爆発させ、炎を撒き散らす。降り注ぐ炎の雨の中を、シズは俊敏な動きで駆け回る。
「熱いのは嫌ニャ」
 一箇所に留まらず、敵を攪乱するように走り抜けた。シズを炎で捕えられず、苛立った敵の隙を突く。
「そろそろ炎を撒き散らすのは止めるニャ。森にとっても良くないことニャ」
 切り開かれた場所とはいえ、周辺には森が広がっている。故郷の森でなくとも、その近くで炎が上がる光景は気持ちのいいものではないのだ。シズは指先を振るい、魔術を発動する。無数の衝撃波がシズの指先から放たれ、風のように敵へと飛んでゆく。魔力の刃は容赦なく怪火達を斬り刻んだ。
 怪火達は激しい攻撃に晒されながらも、未だ必死に抵抗しようとする。
 熱風が周辺を吹き抜ける中、イシュアはそんな彼らを涼しい表情で眺めている。
「火なんだからさっさと燃え尽きて、大戦の前の花火になっちゃいなよ!」
 冗談めかしつつ言うが、けして警戒は緩めない。敵は大群。闇雲に突っ込めば手痛い反撃も十分にあり得る。その危険性を理解して、彼は速攻を仕掛ける。
 セルケトクロウを展開する彼へと、怪火が必死に食い付かんと迫った。
「爆ぜろッ!」
 爆風が熱波と炎を撒き散らすが、イシュアは相変わらず涼しい顔のまま。
「随分と元気に燃え盛ってるね。でも、もう消火の時間だよ」
 射出されたセルケトクロウが、敵を薙ぎ払う。内蔵されたワイヤーを走らせることで敵を拘束し、一箇所に纏め上げた。
 固めた敵へと一直線に冷気を噴射する。凍り付くほどの威力に、怪火は燻るような音を立てながら、その場にころんと転がった。
「おいおいこんなもんかい? トループスじゃ相手にもならないぜ?」
 騒ぎを聞き付け、他の場所に居た怪火達もぞろぞろと集まってくる。目前の惨状に大層おかんむりだ。
「くそっ、いきなり現れて滅茶苦茶しやがって! やれっお前ら!」
「おう!」
 寄り集まって、しゅうしゅうと煙を上げ始める。爆発の前兆のようだ。
 爆弾の集団を前に、エレノラは冷静に状況を把握する。
(「こいつたち自身が生きた爆弾という事か。厄介な連中だ。……だが、厄介なら厄介なりに、対応した戦法があるものだ」)
 神聖な輝きに包まれ、光槍が大地に降り立った。それはまるで、拒絶する柱のように敵へと立ち塞がる。
「くっ……近づけねぇ……!」
 張り付いて爆発したいのだろう。怪火の一匹が唸る。
「近づけねぇならこの場で爆発するしかねぇ!」
 光槍が宙へと浮き上がり、その刃先を怪火達へと向けた。焦れた彼らに向かい、エレノラは淡々と告げる。
「爆発したいのならするといい。どうあれ、裁きの光がお前達を貫く」
 刹那、聖罰の光剣が一斉に怪火達へと降り注いだ。飛翔する輝きは瞬く間に彼らの身を浄化の光で焼き、串刺し刑のように彼らを穿った。
 一匹の怪火が、死に際の悪足掻きに爆発を起こす。だが、その爆風はエレノラにとって、温かいそよ風程度のものであった。
「もっと衝撃があると思ったが……どうやら本来の威力を発揮できないほど弱っていたようだな」
 今相手にした敵は倒したが、周囲を見ればまだ多くの敵がいる。
 そろそろ潮時か、とエレノラが考えたのとほぼ同時、蓮十郎からの通信が入った。

「敵の数は一定数減らせた。これ以上の長居は不要だ」
 もう撤退するべきだ、と蓮十郎が告げる。敵戦力の何割かを削ることができた。これ以上戦えば、ディアボロス達の体力も厳しくなるうえ、もし敵に援軍を呼ばれれば撤退も難しくなるだろう。最初に連絡を入れたのは蓮十郎だが、他の仲間達も考えは同じだ。
「そうだな。これ以上は私達も消耗してしまう。撤退しよう」
 エレノラはすぐに同意する。ちょうど近くに居たイシュアも頷いて、迷わず撤退へと行動を切り替える。
「逃げるのか、貴様ら!」
 怪火が叫んだ。セルケトクロウを森の方向に射出しつつ、イシュアはさらりと返す。
「君等にとってはありがたいことなんじゃない? まだ準備ができてないんだろう?」
 大戦前なんだ、考えていこうぜ? と軽い調子で言えば、怪火は言葉を詰まらせる。
「ぐう……っ」
 そう。千早城を攻め落とすには大量の戦力がいる。その戦力の一部が、今回の戦いで失われた。これ以上戦って、さらに戦力を減らすリスクを負うわけにはいかないのだ。
 追跡を止めた彼らに、イシュアはニコリと笑ってみせた。
「ちゃんと考えられて偉いじゃん。それじゃあまたね。次に会うまでに君等が生きてたらの話だけど!」
 セルケトクロウで戦闘範囲外へと自身を引き寄せ、その場から離脱する。
 今は前哨戦。本番に備えこちらの余力を残すのも大切だ。プターハもアムリタを抱えながら撤退を始める。
「さて、そろそろ撤退のお時間ですよ」
 菜芽の様子は、と彼女の姿を探す。ちょうどマロと共に走ってくるのが見えた。
「プタさん、お待たせっ!」
「忘れ物はありませんか?」
「大丈夫! 後片付けもちゃんとしてきたよ!」
 一見ほんわかした場面ではあるが、後片付けとはすなわち敵の処理である。ノーほんわか、イエス殺伐。だが二人の穏やかな雰囲気がそう感じさせない。
 菜芽はプターハの言葉に、ふと遠足の引率の先生を思い出した。なんとなく、懐かしいとさえ感じる。
 ――七曜の戦が終わったら、皆と遊びに行きたいなぁ。菜芽は心の中でこっそりと思いつつ、野営地から離れた。
 ディアボロス達の撤退は順調に進んでいる。
 野営地から森の中に飛び込みながら、シズはぺたんと耳を下げた。
「ニャア……熱かったニャ……」
 気候的な暑さと炎の熱さでは訳が違う。少し元気のないシズへと、エレノラが気遣うように声を掛けた。
「大丈夫か?」
 戦闘時の鋭利な雰囲気とは違う優しい声色に、シズは耳を少しだけ上げた。
「大丈夫ニャ。帰るだけの体力は残してあるニャ。それにしても、戦場が森の中じゃなくて良かったニャア……」
 青々と茂る森を見ながら、シズはしみじみ呟いた。
 エレノラも、戦場に充満していた炎による熱気を思い返す。
「帰ったら冷たい飲み物でも飲もう。無論、戦はまだ続くが、だからこそ休息も大事だからな」
 エレノラの言葉に、シズはニャ、と頷いた。
 仲間達が次々に撤退していく中、蓮十郎は無事に仲間が撤退できるよう殿を務めていた。
 野営地の騒ぎはまだ近く。だが、敵が追ってくる気配はない。
(「出遅れている味方はいないか……よし、問題なく撤退できているな。任務完了だ」)
 最後まで撤退経路への進入地点に残っていた蓮十郎だったが、全員が撤退したことを確認し、彼も野営地から立ち去った。

 こうして、ディアボロス達は千早城を攻め落とさんとする軍勢の勢力を削ぐことができた。
 敵が攻城を目論む可能性が完全に消えたわけではない。しかし、今回の戦いは間違いなく、敵の企みを潰すための一石となることだろう。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
【冷気の支配者】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV2が発生!
【通信障害】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2023年08月10日

【《七曜の戦》河内国防衛】千早城奪還部隊への強襲

 このシナリオは《七曜の戦》に関連して発生する特別シナリオ人類史防衛戦の一つです。
 このシナリオでは、ディアボロスが制圧した「河内国」に攻め込もうと集結している「天正大戦国」のクロノヴェーダへの「先制攻撃」により、敵戦力を減らす事が目的となります。

●特殊ルール:人類史防衛戦「先制攻撃」

《七曜の戦》での人類史防衛戦は、8/7に公開される第1弾 「先制攻撃」と8/14以降に公開される 第2弾「迎撃戦」に分かれています。

 この地域では、敵が襲来する前に「先制攻撃」を仕掛けることができます。
 成功した「先制攻撃」の本数だけ、同じ地域に関連する「迎撃戦」の必要成功数を減らせます。

「迎撃戦」を成功させれば「河内国」の制圧を維持し、最終人類史に奪還できます。
 同時に、移動城砦である「千早城」を、ディアボロスが利用できるよ言うになります。
(「迎撃戦」に失敗しても、千早城周辺地域以外の河内国は最終人類史に奪還できます)
 もし「先制攻撃」が必要成功数を満たした場合は、襲来予定の敵全てを倒し切ったことになり、「迎撃戦」は発生せず、その地域を最終人類史に奪還できます。

狂月神機『淀殿』

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#《七曜の戦》
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#人類史防衛戦『河内国』


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選択肢👾大群のトループス級『怪火』のルール

 事件の首魁であるクロノヴェーダ(👿)配下のトループス級クロノヴェーダ(👾)の大群と戦闘を行います。
 敵の数が多いので、撃退するには時間が掛かるかもしれません。
 👾を撃破する前に👿と戦闘を行う場合は、👾が護衛指揮官を支援してくるので、対策を考える行う必要があるでしょう  詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。