大名への道を閉ざすため〜天魔武者強襲戦(作者 霧野)
#天正大戦国
#【《七曜の戦》伊勢国防衛】斎藤義龍軍への攻撃
#《七曜の戦》
#人類史防衛戦『伊勢国』
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木曽に揖斐、長良の三つの川が合流する輪中地帯、そこに築かれた七つの砦に天魔武者の軍勢が集まっている。
粛々と集まっているかのようなトループス級の『鬼面赤備衆』の軍勢に、苛立たしい様子で声を荒らげるはジェネラル級『斎藤義龍』である。
「遅い! 何をしておるのか! そのようなザマでは『伊勢国』の制圧などできはせぬぞ!」
義龍は腕を振り上げ、疾く疾くと鬼面赤備衆を急かす。
「主ら、死ぬ気で動け。この戦は時間との勝負なのだ。伊勢国を制圧すれば、この斎藤義龍が伊勢の大名となる!」
彼は一人だけ意気軒昂で気もそぞろ。他に先を越されては叶わないとばかりに逸るばかり。
この伊勢国制圧は義龍が大名となるためだけの戦いである。故に他からの支援も何もないのだが、義龍はそれでも勝てると息巻いて軍を準備しているのだ。
「だというのに、その軍勢が、この体たらくでは……。天魔武者として情けなくは無いのか!」
そう言われても鬼面赤備衆の士気は低い。動きは鈍く、集結し隊列を組む動きにも切れがない。一人だけ盛り上がっている斎藤義龍との温度差がある。
それも無理はないだろう。大義もない戦いに駆り出され、一人功名心に逸り、意を押し付け命ずるばかりの義龍に嫌々従っているのだ。
けれども彼らが上位である義龍に逆らえるはずもなく。
上司に恵まれない伊勢に集う鬼面赤備衆は、粛々とした行動に見せながらも渋々と義龍の命じるままに動いていた。
「集まっていただきありがとうございます。断層碑文に記されていた《七曜の戦》が、遂に始まろうとしています」
新宿駅グランドターミナルで、ニクス・カエルレア(氷雪・g08575)がディアボロスに向かい口を開く。
「この戦いの帰趨によって、私たちディアボロスの、引いては、最終人類史の運命が決まっていくことになるでしょう。断片の王が集い、クロノヴェーダの大勢力と戦う、歴史の奪還戦。こちらへの相談や投票も既に始まっていますが、それだけが《七曜の戦》では無いのです」
すべてのディヴィジョンが同一時空の地球へ転移するということは、ディヴィジョンの壁を超えて侵攻を行える。そしてその逆もまた然り。
「今まで最終人類史に奪還した地域、或いはディアボロスが制圧したディヴィジョンの地域に向けた、敵の侵攻が予測されています」
ニクスは隣に止まるパラドクストレインを示す。
「こちらのトレインが向かう先は、天正大戦国の伊勢長島。《七曜の戦》にて、伊勢国を制圧しようとするジェネラル級天魔武者『斎藤義龍』の軍勢のいる、木曽三川の輪中地帯へと向かいます」
ディアボロスにはその地に集う『鬼面赤備衆』の軍勢を《七曜の戦》の前に強襲して、その侵攻意図を挫いて欲しい。
この作戦に成功すれば、『伊勢国』を最終人類史へと奪還する事が出来るだろう。
「義龍は、伊勢国を奪い返せばそこの大名に取り立てられるという約束を織田信長としているようで、本人のやる気は非常に高いです。ですが配下の鬼面赤備衆達は個人的な功名心で動員された事で士気は低く、義龍の思った通りには動いてはくれないでしょう。周囲の大名からの支援も無く、半ば捨て駒のような扱いであるようです」
ニクスは義龍の状況を告げたあと、一番の目的について言及する。
「この作戦の目的は、伊勢国制圧を不可能だと思い知らせ、斎藤義龍に全面撤退を決断させることです」
そのためには敵軍勢の数を減らすだけでなく、指揮系統を混乱させたり、斥候に出た部隊を殲滅するなど、軍勢の動きを鈍らせるような戦いを行うといいだろう。
相手の士気の低さも相まって、軍勢の統率が取れなくなるはずだ。
「皆さんの活躍を期待しています。どうか無事に帰ってきてください」
リプレイ
クィト・メリトモナカアイス
やる気ないなら帰ればよいと我は思うのだ。
上に逆らえぬなので仕方ないのだけれども。
んむ、なーのーで。
やる気がなかろうと。仕掛けてきた汝らが悪い。
【光学迷彩】で鬼面赤備衆の軍勢の近くにひっそりと潜む。
少数の斥候を出したところをひっそりと近づいて「喧騒へ捧ぐ宵の峰」。黄金猫拳打棒で殴り倒す。
殴り倒したら軍勢近くに戻ってまた様子を伺う。斥候が帰って来ぬことを訝しんでまた斥候を出したらまた殴り倒す。
部隊の中枢に動きを悟られぬように、撹乱して不安感を増させるように動こう。
とてもとても多いけれど。
全部倒す必要もなし。やる気がなくなって七曜では戦力外になればそれで良いのだ。
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士気が上がらない鬼面赤備衆は、粛々と斎藤義龍の怒鳴り声に従ってみせている。今も侵攻する伊勢長島の地を探ろうと、少人数の斥候部隊を出していた。
その一つにひっそり潜んだ場所から近づきながら、クィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)は少しだけ鬼面赤備衆に同情めいた気持ちを覚える。
(「やる気ないなら帰ればよいと我は思うのだ。かわりに涼しい部屋でモナカアイスを食べる方が、よほど健全である。上に逆らえぬなので仕方ないのだけれども」)
天正大戦国にモナカアイスはないかもしれないが、言葉の綾というやつだ。
そして、上に逆らえないとしても、それが見逃す理由になるわけもなく。
(「んむ、なーのーで。やる気がなかろうと。仕掛けてきた汝らが悪い」)
潜んで獲物へ近づく猫のように足音を潜め気配を潜め、鬼面赤備衆の斥候部隊へ近づいたクィトは黄金猫拳打棒を振り上げた。
クィトにようやく気づいた鬼面赤備衆の一体が声を上げるより早く金の衝撃が地へと彼を殴り倒す。クィトに時空を超えて届いた反撃には耐えて、他の隊員が気づいて騒ぐより前に、また棒を振り上げて素早く倒す。
(「あとはこれを繰り返す」)
斥候部隊を倒した後、再び気配を潜めてクィトは軍勢の様子を窺える位置に戻る。方々に出された斥候はディアボロスによって倒されていくはずだ。それを訝しんで第二、第三と斥候を出すならばそれを叩くだけ。
(「情報を遮断し、中枢……斎藤義龍に動きを悟られぬように。んむ、根比べ」)
敵の数はとてもとても多い。けれども末端から減らしていけば、支援もないこの軍勢は確実に小さくなっていく。
(「何より全部倒す必要もなし。斎藤義龍が伊勢攻めをやる気がなくなって七曜では戦力外になればそれで良いのだ」)
黄金棒を緩く握り、程よい緊張を保ちながら、クィトは軍勢の様子を観察するのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
野本・裕樹
御恩の無い将に配下の武士は奉公しないものです、『斎藤義龍』は配下の心を理解していないのですね。
大軍ではありますが士気の上がらない軍勢、今が戦力を削ぐ好機……伊勢国を守るために頑張りましょう。
士気は低くとも数は力、ここは確実に数の少ない斥候部隊を狙います。
ただでさえ士気の低い軍勢です、その上斥候部隊が戻らず周辺の情報も得られないとなれば軍勢は余計に身動きが取れなくなる筈。
砦から離れた所で強襲、態勢を整えられる前に数を減らすつもりで。
鞘の位置から繰り出される居合の軌道を予想し、抜刀が一瞬でも遅れる方向から《迸雷爪》から斬撃の早さで勝負します。
【パラドクス通信】で攻め時、引き際は味方と合わせます。
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士気が低いながらも、斎藤義龍の命に従う鬼面赤備衆達。
やってくる彼らを砦から離れた場所で待ちながら、野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)は刀の柄を握る。
(「御恩の無い将に配下の武士は奉公しないものです、『斎藤義龍』は配下の心を理解していないのですね」)
報奨や褒美に限らない、ほんの心遣い次第でも士気は変わるものだろう。けれども言葉一つもないならば、将に尽くす心は生まれ難い。
仕方無しと義務で動く軍勢は、その力を発揮しきれないものだ。
(「ええ、大軍ではありますが、士気の上がらない、十分に力を発揮し得ない軍勢である今が戦力を削ぐ好機……伊勢国を守るために頑張りましょう」)
伊勢を望む義龍の望みを砕き、平穏を守るために。
裕樹が待つのは斥候に出た部隊だ。少数でやってくる部隊ならば制しやすい。
(「それにただでさえ士気の低い軍勢です、その上斥候部隊が戻らず周辺の情報も得られないとなれば軍勢は余計に身動きが取れなくなる筈」)
烏合の衆と化した天魔武者を率いきれず、伊勢国制圧を義龍が断念するように、狙う。
気を澄ますように待ち構え、鬼面赤備衆の赤色の甲冑が、携えた刀の鞘が見えた瞬間、裕樹は握った雷光刀『雷花』を鞘より走らせた。
「引き千切れ、「雷花」」
鬼面赤備衆の刀が走るとほぼ同時、鞘の位置から予測した、刀を振りぬくのが遅い方向から雷光の如き疾さでもって勝負する。
荒れ狂う雷は裕樹の刃を後押しし、時空を超える鬼面赤備衆の斬撃の直撃をずらしながら、一人、切り伏せた。
同じ部隊の鬼面赤備衆が襲ってくるのも瞬く間に切り伏せる。
納刀しながら、裕樹は小さな通信機に耳を傾ける。他の場でもディアボロス達が義龍軍の軍勢を削いでいるようだ。時折、戦況や様子を伝える声が聞こえてくる。
裕樹は仲間と連携し、攻め時、引き際を合わせていくのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
珠洲代・ユウ
※連携・アドリブ歓迎です!
・心情
士気が低いなら、さらに彼らのやる気をそぐ方法をとってみようかな。
・行動
突出した斥候部隊を狙って、戦場の情報を遮断させようと試みるよ。
石兵で迷路を作り出して斥候部隊をさらに少数に分断して、迷路内に設置した罠で各個撃破。
全滅させられなかったとしても、【トラップ生成】で帰路の道を塞ぎ、できる限り遠回りさせて、情報を持ち帰らせることを阻害するよ。
撤退するときには石兵の迷路もトラップも全部なくして、情報を錯綜させちゃおう。
そうすればさらに士気の低下を見込めるかな?
零識・舞織
上の欲に振り回される部下というのは哀れに他ならないところですが、逆にそれを利用させていただきます。
人妖筆を取りパラドクスを展開して大軍から離れた部隊を暗闇で覆います。こちらは【完全視界】で視界は良好ですので突然の暗闇に混乱した部隊に刀である旅鴉を持ち写し取った剛力で敵を斬り伏せ、その後暗闇に紛れて撤退します。
意識の外からの攻撃ほど恐ろしいものはありませんし、これで士気が落ちてくれたら良いんですがね。
瀬乃浦・真音
上役の意とあらば否は唱えられず。
その辺は人類も天魔武者も変わりないのですね。
同情はできなくもないですが、敵するなら打ち倒すのみです。
主に斥候部隊への強襲を行っていきましょう。
輪中地帯は見通しは良さそうですので、敵を発見次第パラドクスで砲撃を浴びせにかかります。
反撃を考慮し、地を滑り左右に機動しながら攻撃を行います。
付近にお仲間がいるならば、連携して遠距離攻撃を叩き込むなり、此方の砲撃で敵を崩した処に斬り込んでもらうなりして貰いましょう。
生き残った敵がいるなら、この先には防衛線が構築され私よりも強いディアボロスが大挙して守備についてるから進攻は無駄、とでも伝えて撤退を促してみましょうか。
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瀬乃浦・真音(ロスト・ミーティア・g09834)は、軍勢より離れてやってくる斥候部隊を見ながら呟いた。
「上役の意とあらば否は唱えられず。その辺は人類も天魔武者も変わりないのですね」
淡々と、どこか冷たくも聞こえるそんな声で。
「同情はできなくもないですが、敵するなら打ち倒すのみです」
それ以上でもそれ以下でもない。人と同じような部分があると言っても、クロノヴェーダは敵でしかないのだから。
先の言葉と同時に向けるのは海戦砲、Shatterの砲口。反応した鬼面赤備衆が居合の姿勢を取り、殺気を向けるのにも心揺るがすことなく、一斉発射を行った。
轟音とともに砲弾が降り注ぐ。地を左右に滑るように移動しながら、時空を超えて届く敵の増殖した居合の一閃の直撃を避けながら。
傷を負っても表情を強く変えることもなく、微笑みを浮かべたままで。
盛大な轟音の中、砲撃の中、零識・舞織(放浪旅人・g06465)は人妖筆を手に取った。
(「上の欲に振り回される部下というのは哀れに他ならないところですが、逆にそれを利用させていただきます」)
ここで斥候が皆倒れ、戻らぬということになれば、さらに軍勢を崩して追加の斥候を出すだろう。脅威があると確信すれば、より多くの人員を組んだ部隊を出すかもしれない。
それを全て殲滅するなり、逃して士気が落ちていけば軍勢は烏合の衆となり果てる。統率の取れない兵は有用ではなく、伊勢への進軍を諦めさせる一手になろう。
真音の砲撃で隊列を乱す鬼面赤備衆の一体目掛け、舞織は筆を振るう。
闇に包まれた鬼面赤備衆が咄嗟に居合を振るう。それより僅かに早く、舞織が剛力でもって振るった旅鴉で切り伏せた。反撃がかすめた痛みをこらえ、舞織は闇に紛れるように、倒れた個体から離れていく。
(「意識の外からの攻撃ほど恐ろしいものはありませんし、これで士気が落ちてくれたら良いんですがね」)
砲撃の続く中、また別の個体へと、舞織は筆を振るう。闇に包まれ動揺を隠せない鬼面赤備衆へと、旅鴉が振るわれていく。
砲撃に見舞われ、闇に包まれて倒される斥候達。士気の低さもあり、撤退を始めるものもいる。
後ろを向き、本隊まで下がろうと駆け出した個体が、その行く手を石兵に阻まれた。ぐるりと取り囲むように現れた像に、鬼面赤備衆は居合より抜刀し攻撃を行う。
逆説連鎖戦の法則に乗っ取り、斬撃は時空を超えて、珠洲代・ユウ(今を映す琥珀・g03805)へと届く。
斬られた痛みに耐えながら、ユウは逃さないとばかりに石兵に組み込まれた罠を作動させた。
鬼面赤備衆が石兵より突如現れた槍に突き刺され、力をなくしていく。
(「士気が低いなら、さらに彼らのやる気をそぐ方法をとってみようかな」)
斥候部隊を帰さないように、戦場の情報を遮断するために、砲撃から逃げる個体を狙ってユウは石兵を送り出す。道を塞ぎ、罠でもって倒して意志を挫くのだ。
斥候に何が起こっているか悟られないように、同時に脅威になり得る何かが起こっているとわからせるように。
冷静にユウは戦の勝利を見据え、また別の個体を捉えては倒すのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【水面走行】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
新城・橙花
他の人たちと協力して頑張るよー。
既に乱戦に近い状態だから、少し気を付けて近づけばかなり近いところまで行けそう。
[風使い]で音だけごまかしておこうっと。
近づいたら初手からパラドクス呪法【狐火乱舞】
「消えずの妖火よ、燃やせ燃やせ、全てを灰と化せっ」
全て、って言うけど一番狙うのはやる気が割にありそうな敵。
逃げ腰な方は後回しだよっ。
「あんまりないみたいだけど、少ない士気は焼いちゃうよっ」
ぽんぽん炎を浴びせつつ、敵を追い払うように頑張るねっ。
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斥候に出た部隊はすでに崩壊寸前で、逃げるか悩む素振りすら見せている。これが続けば本隊にも影響が出ていく状況だ。
その中、後押しとばかりに近づくのは、新城・橙花(呪刀の裁定者・g01637)。乱戦に近い状況だが、接近のリスクを少しでも下げるため、風で自身の立てる音を鬼面赤備衆とは逆方向に流しながら向かう。
狙い通りの場所まで近づいた彼女は、その存在に気づいて刀に手を握る鬼面赤備衆に素早く狐火を突きつけた。
「消えずの妖火よ、燃やせ燃やせ、全てを灰と化せっ」
居合から刀を振り下ろし、幾重にも斬撃を生み出す武者が、橙花の生み出した青白い炎に包まれる。
全てと口にはしたけれど、狙うのは未だ戦う気がありそうな個体だ。すでに士気が低く、放っておいても逃げ腰な方は後回しでいい。
消えない狐火は鬼面赤備衆の、未だ戦う気概があり、刀を握った個体の周囲へと舞い踊る。赤い具足めいた鎧の全身を覆って、灰になるまで焼き尽くしていく。
それでも飛んできた、重ねられた斬撃を風の力でいなして軽減しながら、橙花は狐火の数を増やして一体を青白く包んでいく。
「あんまりないみたいだけど、少ない士気は焼いちゃうよっ」
伊勢から敵を追い払うため、斎藤義龍の意志を挫くため。ぽんぽん跳ねて舞うかのように青白い炎は揺れては赤い武者へと浴びせられる。
その少ない士気も焼き尽くそう、全てを焼こうと言うように。
成功🔵🔵🔴
効果1【避難勧告】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!