リプレイ
白河・セーラ
はい
たぶん大丈夫だと思います
不退天閃騎、参ります
赤くて鼻の高い天狗のお面を被り、羽を出します
真っ暗な中で光学迷彩で姿を消して待機
ウェイの民がやってきたら光源代わりのフォトンダガーを出して一気に部屋を明るくさせ
光学迷彩を解いて挨拶します
ドーモ、ウェイの民よ
エンジェル天狗参上
(明かりを激しく明滅させる)
ここは妖怪のナワバリである
即刻退去せよ
従わぬ場合はジゴクだ
(真っ赤に輝く目)(伸びる鼻)(口から蒸気が噴出)(ボーで壁や床を叩くようなおどろおどろしいラップ音)(コワイ!)
一通り演出したら明かりも姿も音も全部消します
お土産にお餅と煎餅をチャラの皆さんの懐にそっと忍ばせておきましょう
侘び寂び…
●その胸は豊満であり、彼女は狂っていた
「はい。たぶん大丈夫だと思います」
まったく大丈夫に思えないが、白河・セーラ(不退天閃騎・g02612)の屈託のない笑顔に不安は一切感じられなかった。何故なら、そもそも大丈夫とか大丈夫じゃないかもとか、そういう細かいことを一切考えていないからである。つまりアホの子の顔だった。
常識的な人間がその顔を見たら、きっと彼女を止めていたことだろう。もっともディアボロスは変人揃いなので、止められることはなかった……。
で、現在。
「やーん真っ暗でこわーい」
「じゃあ密着しておけば怖くないぜ」
「やーん頼りがいがある~」
「「「先輩パネっす!」」」
同じぐらいアホそうな連中がやってきた。その時である……突如、ピカッと何かが光り輝き部屋中を照らした!
「「「うおっまぶし!」」」
突然の光に驚くウェイな皆さん! 徐々に視界が光に慣れて回復すると、そこにひとつの人影を見出した……。
「ドーモ、ウェイの民よ」
それは、天狗だった。
赤く、鼻が高く、下駄を履いていて……そして、天使の羽が生えていた。あと、その胸は豊満だった。
「復讐の使者、エンジェル天狗参上……!」
ピンク色の光が激しく明滅する! 目に悪い! 赤い仮面が暗闇に消え、ピンクの光に照らされてまた出現し、また暗闇に消える! コワイ!
「「「アイエエエ!!」」」
ウェイの皆さんは失禁! ……はしないが、あまりの恐怖に震え上がった。ただしこの恐怖はお化け屋敷で味わう恐怖でなく、セイン(訳注:正気)でない方を前にした時の恐怖だった。
「ここは妖怪のナワバリである。即刻退去せよ」
「ナンデ? 妖怪、ナンデ!?」
「従わぬ場合はジゴク行きだ」
「ジゴクナンデ!?」
「何故だと!?」
狂人の目が赤く輝いた! コワイ!(意味がわからないから)
鼻が伸びる! コワイ!(機構がよくわからないから)
口から蒸気が噴出する! コワイ!(演出の意図がわからないから)
「ヤバイッテ! 逃げないとダメダッテ!」
「「「アイエエエ!」」」
ウェイの皆さんは逃げ出した! ただしこの場合、お化けが怖いから逃げ出したのではなく、セインでない方に何をされるかわからないから逃げたというのが正しい。
静寂が訪れた。
「完璧でしたね」
何も完璧ではないが、お面を外したセーラはやり遂げた顔をしていた。きちんとオモチとセンベイも忍ばせてある。これがワビサビなのだ。彼女は狂っていた。
成功🔵🔵🔴
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
本郷・夏深
合戦の時代にいた処刑人の亡霊を演じます
しかし私の姿を見せては格好良さで恐怖が減る為
部屋は真っ暗にし、声や音のみでビビらせたく
奴らが入室したら、えだまめは戸を閉めて
事が終わるまで開かないようにして下さい
そして部屋にはデカい骨付き肉を配置
ラップで何重にも包んで衛生面に配慮した肉を
当時処刑に用いられた竹鋸でギコギコ切ります
悲鳴や呻き声のフリー音源も流します
暗闇でも完全視界で余裕です
ギコ音に応じて音量が変動するよう設定しとけば
肉や骨を切る音と共に苦痛の声は大きくなっていき
ごとん、と落ちた後は静まり返るって寸法です!
では
「罪人を鋸挽きの刑に処す」
奴らは怖い目に遭える
カフカは肉が食える
ハピネス空間ですね!
●セインでない方が増えた
「……なんか狂人いなかった?」
「頭がぼんやりしてよくわかんねえわ」
「「「俺らもっすセンパイ」」」
一部屋目を出たウェイの皆さんはなんらかのリアリティショックでぼんやりしていたが、二部屋目に足を踏み入れる頃にはまたウェイウェイしていた。
多分【士気高揚】がなんかいい感じに作用したんだと思う。パラドクス効果ってすごいね。
で、問題はその2部屋目である。またしても真っ暗闇!
「なんも見えねえ」
「やーん、こわーい」
全然怖がってなさそうなウェイ女がウェイ男の腕に捕まる。いい感じのスリリングな雰囲気、男と女、真っ暗闇、何も起きないはずが……。
ギーコ、ギーコ、ギーコ。
「「…………」」
ギーコ、ギーコ、ギーコ……ギコッ、ギコギコギコギコギコ!
「なんか切ってる」
「なんか切ってるよね!?」
「「「なんか切ってるっすセンパイ!」」」
真っ暗闇で何も見えない中、ギコギコと鈍い擦るような音が規則的に響くのである。別の意味で怖い。生命維持的な意味で。
さてはサイコの相を持つ方が入り込んじゃったかな? 妖怪とかじゃなくて、警察の出番なやつ!
ギコギコギコギコギコ……うううう……ああああ……!
「なんか声する」
「なんか声するよね!?」
「「「うめき声聞こえるっすセンパイ!」」」
しかも段々大きくなっている! これではまるで、誰かが鈍い鋸で致命的部位を切断されているような……!
「なんか生命的な意味で危険感じるから出るか」
「いや待って、扉開かないよ!?」
「「「物理的に封鎖されてるっすセンパイ!」」」
一気に緊迫感が増す! ホラーはホラーでもスラッシャー系の奴だ!
その時、暗闇――つまり彼らの背後から声がした。
「罪人を 鋸挽きの刑に処す」
ご と ん。
「「「ギャーッ!!」」」
生々しい何かが落ちる音が悲鳴を炸裂させた! 急に開くようになった扉から逃げ出すウェイ系の皆さん!
「……うん、美味しいですね!」
あとに残されたのは、クソデカ骨付き肉を頬張り、満面の笑みを浮かべる本郷・夏深(逢魔が夏・g00583)だった。
多分だけど、この状況で肉を美味しく食べられる夏深が一番妖怪めいていると思われる。
大成功🔵🔵🔵
効果1【完全視界】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
ミィミ・ミィ
つまり、人を驚かせばいいんですのね?
お任せくださいませ
ミィ、そういうの得意ですのよ
===
人気のない夜の道路風に部屋をアレンジ
ぼさぼさにした髪で顔を隠して片手に包丁もう片手にニワトリ
チカチカする電灯の下でぼんやり立って
通行人がやってきたら
出来るだけ低い小さい声でブツブツと
「ナンデ、ナンデ、コンナニスキナノニ、アンナオンナアノヒトニニアワナイ、ネェナンデワタクシヲコロシタノ、ネェ、ネェ、ナンデ…ナンデ、ナンデナンデナンデナンデ…」
独り言をつぶやきながら後を追いますの
振り返ったら姿はなく
安心して前に向き直ると――首筋に、刃の感触が
===
え?求めてるのはこういうのじゃないんですの?
●サイコな方がさらに増えた
「「「……ここなんかお化け屋敷とは違うタイプのやつじゃね?」」」
ウェイの皆さんですら違和感を抱き始めていた。もっとこう、妖怪とかお化けな感じが来ると思っていたのに、現状別の意味でヤバい恐怖しか感じていない。怖いは怖いが何か違う!
「なんか、そう考えたら怖くなくなってきたわ」
「やーんかっこいー」
「「「センパイ、パネっす!」」」
生存本能的ななんかが理性を強化しているのか単なる強がりなのか、先を急ぐウェイの皆さん。そして3つ目の部屋に足を踏み入れる……。
「あれ?」
女は首を傾げた。そこは完全に人気のない夜の道路だったからだ。
「いつのまにか外に出てた?」
よく見ると、切れかけの電灯がチカチカ瞬いている。
「いや、室内だぜこれ。すげーなディアボロスってこんなことも出来んだ」
ウェイな男は冷静に状況を把握している。【士気高揚】のおかげだ。
「まあとにかく、落ち着いて歩いて……ん?」
電灯の下に、人影が見えた――気がした。しかし再び電灯が瞬くと、そこには誰もいない。
「どしたん?」
「や、なんか人がいた気が……」
「いやいや、怖がらせたいからってそれはないっしょ。誰もいな……」
「……ナンデ」
バチバチと電灯が瞬く。やはり、いる。それはボサボサの髪で顔を隠した、小柄な女らしい。
「ナンデ、コンナニスキナノニ」
「え、何。なんか言ってんだけど」
女はブツブツと何かを呟いている。
「アンナオンナアノヒトニニアワナイ」
電灯がバチバチと瞬く。女は一歩近づいていた。
「ネェナンデワタシヲコロシタノ」
電灯がバチバチと瞬く。女はさらに近づいている。
「ネェ、ネェナンデ」
電灯がバチバチと瞬く。女は眼前に立っている……!
「ナンデナンデナンデ」
「「ギャーッ!!」」
二人は抱き合い叫び、脱兎の勢いで逃げ出す! 女は追いかけてくる!
「怖い! あれ怖いヤバい絶対ヤバいって!」
「絶対違うやつじゃん怖いけど!」
だが怖いもんは怖いので逃げる! 女は追いかけ……いない?
「あれ、また消え――」
言いかけた男の首筋に、ひやりとした刃の感触が当たった。
ギャン泣きしながら逃げ出したウェイな皆さんを見送り、ミィミ・ミィ(里親募集中・g09552)はばさりと髪を押し上げやりとげた顔で額を拭った。
「ふう、完璧ですわね!」
後ほど時先案内人からツッコミを受け、「えっ違うんですの?」と真顔で首を傾げたという。どういう理解でこうなった!?
成功🔵🔵🔴
効果1【完全視界】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
無・為
アドリブ協力OK
残留能力、技能全活用
普段の口調は無口で礼儀正しい僧侶です。
自動人形は使わず蠱毒壷からのジンを駆使して戦います。
パラドクスは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に補佐として行動します。他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません。
怪我人や一般人の救命を第一に我が身を投じて行動します。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
目立つ事も他人の成果を捕ることもしません。
あくまで補佐、脇役に従事します。
勧善懲悪を旨とするも、交渉決裂や騙し討ちには相応の合気道で対応します。
今回は虫を使いびっくりさせようと思っています。
●ようやくまともな妖怪お化けがやってき……た?
1部屋目。エンジェル天狗とかいう、天狗というよりニンジャめいた何か。
2部屋目。「合戦期に活躍した処刑人の亡霊」という、一応設定的には則してるけど描写的には完全にサイコパスのやつ。
3部屋目。チカチカ瞬く電灯の下で追いかけてくる刃物持ちのやべー女。
「……やっぱここ違うタイプのお化け屋敷じゃん!」
ウェイな男は思わず叫んだ。
と言いつつ4部屋目に入ろうとしてるあたり、見かけによらず付き合いがいいのかもしれない。
「次はどんな変人が出て……ん?」
案の定薄暗い部屋に出たが、これまでと打って変わって古びた和風建築に様変わりしていた。
おまけにどこからかキイキイと軋む音がする。流れる風も妙に生暖かいのも演出なんだろうか……?
「ねえ急にそれっぽくなってない?」
「いやそう思わせてやべーサイコパスが出てくんだって」
女の言葉を即座に否定するウェイ男。嫌な先入観である。
だが二人の囁き声も、廊下の奥からざわざわと近づいてくるなにかの這う音で途切れた。
「な、なんだ?」
「ねえなんか来てない……?」
徐々に暗闇に目が慣れる……すると闇から現れたのは、巨大な……ムカデ!
「ぎゃー虫!!」
「今度はそういうのか!? 生理的なやつか!?」
悲鳴を上げる女! 彼女を庇いつつやべー狂人の出現に(色んな意味で)身構える男! 慄いてはいるが求められている怖がり方とはなんか違う! そして新たなやべーやつが彼らの前に……。
……いや、見よ。ざわざわと出現したのはムカデだけではない。ボロボロの袈裟の中に人型のフォルムを形作るように詰まった虫、枯れた髑髏を齧る虫、血を滴らせながら這う巨大な虫……!
「人間ぞ」
「生きのよさそうな人間ぞ」
「我ははらわたを喰おうぞ」
「儂は頭を頂こうて」
キチキチと虫どもは……否、虫の妖しどもは囁きあう。奴らは徐々に近づいてくる……!
「「ひいいい!!」」
純粋な恐怖が押し寄せ、二人は互いに抱き合いながら脱兎の如く逃げ出した……!
もちろん、虫の妖しの群れがそれを追いかけて取って食うなんてことはなく。
「重畳、重畳……蟲も使い方次第よな」
無・為(戦うお坊さん・g05786)は蠱毒壺を抱え暗闇から現れた。いつのまにか妖しの蟲は姿を消している。
「さて、これで幾許かでも納涼になればよいが……」
そしてひっそりと闇に消えていく。その姿が一番妖怪っぽいというのは、多分言わないほうがよさそうだ。
大成功🔵🔵🔵
効果1【スーパーGPS】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
ラウム・マルファス
教室をトラップ生成で鏡の迷宮にするヨ
薄暗いケド視界には困らない程度にして、たまに鏡に幽霊とか武者とか映るヨ
1人捕まえたいから、単独行動か飽きて後ろの方を歩いている、みんなの視界から外れた人を狙ウ
催眠ガスの罠で眠って貰おウ
倒れた音が聞こえないように、天井から網が落ちてきて受け止めるようにしておくヨ
武者鎧着せて刀持たせて、傀儡使って立たせておこウ
意識が戻ったら、怪我しない程度に友達を襲ってもらうヨ
喋る方は本人の自由サ
幽霊に操られてるように見えるカナ?
……ところで士気高揚は熱意が伝わる効果だよネ?案内人サンが使ってるものだと思ってたケド、何か本気で怖がってたようナ……使ってるの、誰なんダロ?
●そういう方向で怖がらせるのはズルじゃないッスか?(時先案内人の談)
「今度は鏡だらけの部屋だな」
段々とお化け屋敷らしくなってきた雰囲気の中、ウェイな皆さんは鏡の迷宮とでもいうべき薄暗い部屋を歩く。
「ね、ねえ今何か鏡に映らなかった?」
「見間違いだろ」
女は男の物言いに不服そうだが、口を噤む。……あれが自分だけにしか見えなかったなら、思い違いではなく本当に幽霊ということになるからだ。見間違いであってほしい、というのは彼女自身の思いでもあった。
しかし【士気高揚】のおかげで恐怖耐性が大幅アップしているおかげか、後ろに続く舎弟たちの中には退屈そうな者もいる。
「どうせトリックでそれっぽい影が映るようにしてんすよ~、マジックミラー的なやつ」
欠伸をしながらこんなことを言っている。両手を頭の後ろにやり、呑気に歩く始末だ。
「おい、センパイがキレっぞ。やめとけって」
「つってもさぁ、なんか退屈っつーか」
「だから……あれ?」
別の舎弟が振り返った時、そこに退屈そうな若者はいなかった。ついさっきまで話していたはずなのに。
文字通り、消えたのだ。一瞬の空白のあと、事態を理解した舎弟は悲鳴を上げた……!
「せ、センパイ! やばいっす! ひとりいなくなりました!」
「あぁ? 何言ってんだお前、あいつならそこに」
「え」
男が指差す先には、暗がりからぬっと突き出した若者の顔……ただし次いで表れた身体は、物々しい武者鎧を纏っている!
「え、おいお前なんだその格好」
「ちょ、ちょっと待って! なんかやば――」
女が男の服を引っ張った瞬間、ヒュンと男の眼の前を刀が横切った。
「は?」
若者が、振ったのだ。ぼんやりした表情が焦点を結ぶ……刀を振り上げた若者は悲鳴を上げた!
「う、うわあああ!? なんだこれ、なんだこれぇ!?」
「お前、やめろ! やめろって!」
襲う方も襲われる方も恐慌状態だ。たちまちに全員てんでバラバラの方向に逃げ回り、迷宮の中の危険な鬼ごっこが幕を開けた……!
……と、ここまでがラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)の仕込みである。
「我ながら完璧にハマってて惚れ惚れするネ」
鏡に注意を向けさせている間に最後尾の参加者を眠らせ、【傀儡】の効果で幽霊に乗っ取られたかのように振る舞わせる。口を開いてもそれはそれで、ふざけているのではないとわかり恐怖効果絶大だ。もちろん怪我をしないように、ラウムはギリギリのところを狙っている。
「……それにしても、彼らの受けている【士気高揚】の効果は、誰が使ったんダロ?」
という呟きは聞かなかったことにしよう。きっと誰かが使ってくれているのだ。そう思おう。でないとガチのホラーになってしまうから! ね!!
大成功🔵🔵🔵
効果1【無鍵空間】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
フルルズン・イスルーン
なぜ肝試しの肝を試される側のパワーアップが施されているのだ?
まー、面白いっちゃ面白いけどね。
どうせ建物復元とハウスキーパーで大体掃除できるし色々やってみようか。ブロッケン・ゴーレムくん。
【光学迷彩】で裏方やるよー。テーマは氷鬼の怪物。
まず【冷気の支配者】Lv10で、キンキンに冷えた霜で屋内を冷やしたら15度くらいに調整。
寒すぎず、ヒヤッとした白い空気が背中をなでるくらいにね。氷雪使いの本領なのだ。
で、霜のゴーレムくんを横切らせる。
わざわざ吹雪を操る必要なんてない。存在があやふやなのが重要さ。
いよいよ盛り上がったところで【アイスクラフト】で逃げ道を限定していい感じに追跡者に追ってもらうのだ。
高遠・葉月
アレンジ歓迎
不意打ってびっくりさせればいいんでしょ?
チャラけてて油断しまくってるんなら余裕余裕
白い着物着て黒いカツラ被って(地髪長いから苦労した)血糊をどばぶしゃーと被って準備完了
廊下で待ち伏せ。あとはタイミングね
「にー」
しゃけ?ぼくもやる?何このバケツ?(覗く)
バケツの中にみみずみみずムカデクモ以下略沢山
「きっ(慌てて口を塞ぐ」クールおねえさんの矜持で悲鳴を止めつつバケツを力一杯蹴る)
バケツ反射。葉月→壁→天井→葉月
かくて
「ゃああああああぁぁぁっッ!!」
なんかこう虫塗れ血塗れ黒と金の髪を振りかざしたバケツとねこ被った怪生物がチャラ集団の真正面から床壁天井ぐるぐる走りつつ突っこんで走り抜けてく
ライラ・ロスクヴァ
ははあ。なるほど
この若者達を驚かせばよろしいのですね
わーっと、きゃー!っとなるのが良いのだと
ふむ、砂の都出身のわたくしにも分かりやすいご説明ありがとうございます
わたくしが潜むのは、何処かへと続く廊下です
【壁歩き】を使い、天井に張り付いて若者達を待ちましょう
賑やかに歩いて来るのであればすぐに分かりそうですね
【光学迷彩】も使って姿を消して息も潜めて……
近付いて来たら、囁くように
「……ねぇ、ずっと見ていましたよ」
と
聞くところに依れば、鬼とは悪い事をした人を食べてしまうとか
お借りした般若面を被り(服装はいつものまま)
通り過ぎようとした瞬間に目の前に落ちるように降り立ちます
闇に浮かぶ白い面
……ふふふ
●力を合わせた結果がこのざまだよ
「「ギャーッ!!」」
顔面蒼白でガン逃げするウェイの皆さん。その顔は迫真だ。
「ウワーーーッ!!」
「……! …………!!」
……そしてその後ろから、フルルズン・イスルーン(ザ・ゴーレムクラフター・g00240)とライラ・ロスクヴァ(セレーネ・g00843)も青い顔で走ってきた。
「やあああああぁぁぁッッ!!」
そして彼らを追う怪生物! 全身ワサワサ蠢く虫(しかもミミズとかムカデとかそういうのばっかだ)に塗れついでに血に塗れ、ざんざんと黒と金色の髪を振り乱しバケツを被ってその頭の上にはスフィンクスがのんびり寝転んでいる! なにこれ???
……状況を整理するには、いくらか時間を巻き戻す必要がある。
「不意打ってびっくりさせるだなんて、今回のイベントはずいぶん簡単ね。余裕よ、余裕」
と、白着物姿の高遠・葉月(猫・g04390)が余裕綽々で髪をかきあげた。普段の金髪と違う黒髪だ。ウィッグである。
「あとはこの血糊をどばぶしゃーと被って待ち伏せして……」
「にー」
そこへ登場、スフィンクスの『しゃけ』。なにやら「ぼくもやるー」とでも言いたげに葉月の足を猫パンチする。
「こらしゃけ、おとなしくしてなさい。こっちは忙しいのよ」
「にー」
たしたし。猫パンチしてくる相棒を適当にいなしつつ、葉月はヒエヒエになった無限廊下をスタスタ歩いていく。
「にー……」
ぎらり。しゃけの目が鋭く光った気がした。
ところでこのクッソ長い上にいい感じにヒンヤリした廊下、もちろん葉月が用意したものではない。
「よーし、温度はこのぐらいでいいかな。お疲れ様、ブロッケン・ゴーレムくん」
コンコン。霜まみれのでっかいゴーレム(サイズ的に天井ぶちぬきそうなのでまるまっている)を叩いて労ってやるフルルズン。この部屋は、【冷気の支配者】パワーで彼女が調整した特製のアイス廊下なのだ。だいたい温度は15度ほど。
「寒すぎず、けれどもヒヤッとした白い空気が背中を撫でる……ふっふっふ、我ながら氷雪使いの本領発揮だね」
「た、たた、たたた確かに、み、みみ、みみみ見事でございますすす、ね」
「ゲエッ!?」
フルルズンは上を向いた。そこには逆さに天井に張り付いたライラがいた! ガチガチ歯の根も合わない様子。
「す、すすす砂の都出身のわわわわたくし的には、しし少々酷な環境でごごごございますが」
「いやいや【寒冷適応】あるだろう!?」
「そ、そそうなのでございますが、こ、こう霜を這った光景がどうしても精神的に寒いと申しますか……」
いくら【寒冷適応】でも気分まではどうしようもない。砂漠の民的に、壁も天井も床もびっちりと白い霜で覆われたヒエヒエ空間は、見てるだけでブルッてしまうようだ(冷気的な意味で)
「それならやめとこうか……と思ったけど、そのブルブルしてる感じ逆に妖怪っぽいね」
「そ、そそそ、そうでございましょうか」
ライラはかぽっと般若面を被った。そしてブルブルシバリングする。コワイ!
「おーいい感じじゃないか! 妖怪っていうよりインセインな人っぽいけど。服装そのまんまだし」
丑三つ時に神社に行くと釘をトンテンカンやってる人かな? とフルルズンは思ったけど、言わないでおくことにした。
こんな感じで準備を終えた二人は、向こうから足音が近づいてくると【光学迷彩】で素早く物陰に隠れる(ライラは天井に張り付いている)【光学迷彩】は透明になるわけではないのだが、まさか天井に人が張り付いているとはウェイな皆さんは露ほども思わないので、完璧だ。般若面って白いしね!
「にー」
「だーから、しゃけはおとなしくしてなさいってば」
しかしその足音の正体は、ウェイの皆さんではなく葉月(としゃけ)だった。彼女はウェイな皆さんを正面から待ち伏せする気だったのだ。
「ってなんだお客さんじゃないのか。もうすぐ着いちゃうよ? ほら急いで」
「うわ何よこの廊下、寒っ! ま、まあそうね、急がなきゃ」
「に、にににニアミスしたらだだだ台無しでございますからね」
「上になんかいるし震えてるし!? 怖いんだけど別の意味で!?」
「お、おおおお気になさらず……」
胡乱げに見上げる葉月を見送るライラ。そこで彼女はふと気付いた。
(「はて? あのスフィンクス、何かバケツを背中に背負っておりましたが……」)
きっと葉月の仕込みなのだろう。ライラは首を傾げつつスルーした。
そして改めて、ウェイの皆さんがやってくる。
(「さあー、ボクは張り切って裏方やるぞう。あの二人がいい感じに驚かしてくれるはずだからね」)
物陰に隠れたフルルズンも準備万端だ。あとは実践あるのみ!
「にー、にー」
「しゃけ、いい加減に……え、なにこれ」
こちらもポジションにつこうとしていた葉月。ようやく振り返ると、しゃけが背負っているバケツの中身に気付いた。
そこには、ワサワサと蠢くミミズムカデクモその他諸々、やべー虫がたっぷり詰まっていた。
「き――」
葉月は悲鳴を上げかけこらえる! ここでバレたら台無しだと言われたばかりだ! 本人的にはクールなおねえさんの矜持らしいが何処から出てくるんだその自信!
反射的に蹴り足が出る! カン! バケツは勢いよく蹴り上げられた!
「でさー、俺はそこで言ってやったわけ」
「やーんかっこいー」
「センパイパネっす!」
(「今です、ここで――」)
カン! ライラの真横で跳ねるバケツ! 反射するバケツと一緒に、ウェイの皆さんの前に降りるライラ!
「……ねぇ、ずっと見ていまし カン??」
闇の中にぼんやり浮かぶ般若面(ライラ)にビビり、反射的に身を固めたウェイの皆さん! その横を跳ねながら通り過ぎるバケツ!
「え、ちょ、あれ一体」
フルルズンの眼前を通り過ぎ、バケツは……葉月の頭上に戻ってきた!
「え」
がぽり。逆さになったバケツがINッ! 虫ワッサー!!
静寂が訪れた。
「「「「「ギャーーーーーー!!」」」」」
誰かが叫んだ! っていうか多分全員叫んだと思う! 葉月もね!(※しゃけは除く)
「やあああああ!!(視界が暗くなった上虫まみれになって混乱している葉月が走り出した声)」
「ウワーッ!?(演者が自爆したことといろんなもんに塗れた状態でこっちにダッシュしてきたことに対するフルルズンの悲鳴)」
「……!!? !?!?!?!(ピタゴラ式のトラブルに理解が追いつかず、名状しがたい何かがこっちに突っ走ってくることに頭の演算能力が限界を超えたライラの声なき悲鳴)」
「「「ギャアアアアア怖いーーーー!!」」」
駆ける葉月! 逃げるウェイの皆さん! どうにかしようとするフルルズン! わけもわからず逃げるライラ……!
で、時間軸は冒頭に戻る。
「やあああああぁぁぁッッ!!」
「ウワーッウワーッウワーッ!」
「!? !!!???」
ウェイの皆さんを驚かすのは完璧に成功したが、その代償にディアボロスもとんでもないことになってしまった。
「にー」
「……」
途中でぽーんと放り出されたしゃけがゴーレムくんの頭の上に落下し、あくびして丸まった。元凶なのにどこまでも自由である(猫だから)。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【寒冷適応】LV1が発生!
【壁歩き】LV1が発生!
【書物解読】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
シャーリー・ラフォルス
御主人様(g00112)と♥
オマケ(g00322)
★アドリブ歓迎
妖怪の類でございますか?
ぐふふ、ご主人様の尻子玉をprprしてみたいでございましゅ!
「クソデーモン野郎、この衣装はなんでごさいますか!!」
体にフィットしすぎる衣装着用しつつ、部屋をこう……薄暗くやべー感じに装★飾
「エクソシスト走りは妖怪じゃないからダメでございますの?」
ブリッジしたままゴキブリの如く動く乙女(なお猩猩のきぐるみのせいでヤバイ)
ハッ!
死角からブリッジしたまま顔を出し笑顔(ニチャァとしたヤツ)で入ってきた客に声をかける
「オシ、カツ、シロ」
※猩猩です
「かえせ〜かえせ〜」
まるで実家の様な安心感で演じれるてございます♥
ヴァイスハイト・エーレンフリート
従者2人(g05277、g00322)
★アドリブ歓迎
妖怪……シャーリーへ視線を向けつつ
「まずはシャーリーがメインの妖怪として、私は光学迷彩で演出をサポートしましょう」
問題は西洋の妖精やらは得意なのですが……やはり古の書物さえあれば大丈夫でしょう
「尻子玉取られたら私、死んでしまいますよ??」
あれ?
こんなモノありましたか?
黒い毛皮の様なモノ…
「全体的に薄暗くして、妖怪ならばベターに柳とか?都市伝説も妖怪みたいな位置な気もしますが」
和風に仕上げて、妙に顔だけリアルなぬりかべ(壁と一体化)を動かしたり、猩猩(シャーリー)がテケテケばりの動きで脅かすようで何故か私にすり寄って来る顔面を足で押えます(困惑
ロイド・テスタメント
主(g00112)とクソ狗(g05277)
★アドリブ歓迎
(ナナさん、耐性ないのにお疲れ様です)
妖怪だな?
ほら、猩猩という妖怪のきぐるみだ(古のオラウータンなだけ)
「やはり呪いもいいですね!コトリバコ……いや、かんかんだらも良いですね」
暗殺は呪術が得意な者もいるのでそれなりに知ってる
シャーリーのきぐるみに仕込みもありますからね
女装でもして巫女のフリして、血塗れのコトリバコを持って近付いてきたら下半身が百足になるヤツ
あ、シャーリーの首から出てる紐を引っ張ればヤマノケに変わります
(ふふ、醜いよのぅ。駄狗(なりきっている人)
シャーリーを見下ろして笑う
(終わったらナナさんに西瓜でも差し入れしましょう)
●妖怪っていうか悪霊ですよねこれ
「妖怪……」
ちらり。ヴァイスハイト・エーレンフリート(死を恐れぬ魔術師・g00112)は隣のシャーリー・ラフォルス(軍人(駄犬)メイド長・g05277)に視線を向けた。
「ぐふふ……ご主人様の尻子玉をprprしてみたいでございましゅ……」
「妖怪でございますね。ここで祓いましょう」
「待ってくださいロイド。武器を出すのは早いです、待ってください」
秒で仕留めにかかろうとしたロイド・テスタメント(元無へ帰す暗殺者・g00322)をそっと制止するヴァイスハイト。でも別に処すこと自体は否定してないし、なんなら妖怪扱いも別に否定してなかった(だって合ってるし)。
「というかシャーリー、尻子玉を取られたら私、死んでしまいますよ??」
「主。訂正すべきはそこではないと思うのでございますが」
「じゃあ尻子玉でなくてよろしいのでご主人様をprprしたいでございましゅ!」
「お前も少しはわきまえろクソ狗」
おそらく世界中の人々がロイドに同意するであろう言葉だった。
……こんなノリで始まった準備、まともに進むわけがなく。
「おいクソデーモン野郎、この衣装はなんでございますか!!」
バーン! 更衣室のドアを勢いよく蹴り開けて出てきたのは……オランウータンだ!
「猩猩も知らんのか? クソ狗が。少しは従者として教養をつけろいや無理か狗にはな」
「息をするようにディスりやがりますねこいつは!!」
シャーリーは両手を地面について時折ドラミングしつつ歯を剥いて威嚇した。フィットしすぎるってこういうこと??
「これは……妖怪というよりモンスター・パニック映画のやつでは……」
なんかエンパイアステートビルとか登りそうだな、とヴァイスハイトは思った。大丈夫だろうかこれ(妖怪系のホラーと違ってねえかという意味で)
「まあクソ狗は置いておくとして、主はいかがなさるので?」
「私は演出をサポートしますよ。そういうロイドは?」
「私ですか? それはもちろん現代系で攻めようかと。都市伝説もまた立派な妖怪、相手は若めの方々のようですしネットロアが最適かなと思っております。となるとやはり呪いもいいですね! コトリバコ、いやかんかんだら……」
ロイドは急に早口になった。
「そ、そうですか。なんだかいつになくテンションが高いですねロイド」
「ホホーッ! ホヒヒーウキーッ!(ご主人様に近づきすぎだぞデーモン野郎!)」
「シャーリー、何故か何を言っているのかわかるのですが、中身までオランウータンになる必要はないと思います」
「ウキャーッ!(さすがはご主人様、わたくしと心で繋がっているんでございますわね❤うふ❤)」
「いちいち歯を剥くな見苦しい」
ヴァイスハイトは急に不安になってきた。いやまあ妖怪のように恐ろしくて不気味な生き物ではあるんだけども。
……しばらくあと。
「なんかまともなのと別の意味でやべーのが交互に来るから疲弊してきた」
「あたしもマジ疲弊してる……」
ウェイの皆さんは生の狂気とガチめのホラーを浴びせられて心身ともに疲弊していた。【士気高揚】とかがなければ多分SANが0になって永続的狂気である。コワイ!
「「「センパイパネっす……」」」
後ろからついてくる舎弟たちもへとへとだ。あれっお化け屋敷ってこういう疲弊の仕方するとこだっけ?
「つーか次は一体何が来るんだよ……」
がちゃり。ドアを開く。中は薄暗くいかにもそれらしい雰囲気だ。ウェイ男はちょっとほっとした(ガチで怖いやつとマジでやべーやつなら前者のほうがまだしも正気を保てるため)
「オシ、カツ、シロ」
にゅるり。死角から逆さのまま顔を出して歯を剥くオランウータンを見た瞬間その安堵は吹っ飛んだ。
「おい動物園からなんか逃げ出してるぞ!?」
「ヤバいって! オランウータンの握力って350kgとかもあんでしょ!?」
「お前もなんでそんなん知ってんだよ!?」
「オシ、カツ、シロ」
「「っていうか何言ってんの!?」」
よくわからないがヤバい! 逃げないと! あれが妖怪だったら単純にヤバいし、妖怪でない場合物理的にヤバい! 振り返って逃げ出すウェイの皆さん! すでに【迷宮化】で構造は変化しており元の道に戻れない!
「もし、そこの方……何をそんなに急いでおる?」
すると向こうから、巫女服を着た女が表れた。その手には血まみれの異様な箱……いや何よりも! 這いずる下半身は人のそれではない!
「「あっこっちはガチなほうだったよかった」」
(「なぜ私を見て微妙に安堵しているんだこの二人は」)
怖がらせられているはず(ホッとしつつもウェイ男女は顔が引きつっているし震えている)なのだがなんか変に安心されている気もして、ロイドは居心地悪くなった。っていうか恐怖しつつ安堵してるって、何?
「かえせ~かえせ~」
後ろからはなんかテケテケみたいになったオランウータン(※シャーリーです)が追いかけてくる! コワイ!
「「ぎゃあやべーほうが来た!!」」
「ふふ、醜いよのぅ。駄狗」
「ウキキャーッ!!(女装がキマりすぎて不愉快でございますファッキンデーモン野郎!!)」
「ほほほ、何を言われようが痒い痒い」
「「なんで会話成立してんのあの化け物!?」」
(「やっぱりこれは何か違うのでは……?」)
頑張って照明とか内部構造とかいじりつつ、真顔になるヴァイスハイトだった。
「ウキキーッ!(かえせ! かえせ!)」
ブリッジ姿勢で疾走するシャーリー! コワイ! ウェイの皆さんを追いかけているようで物陰に隠れてるヴァイスハイトにすり寄ろうともしている! にゅっと物陰から足が出てきてシャーリーの顔面を頑張って軌道修正した。嬉しそうにニチャアと笑ってるのが怖い! っていうかキモい!!
(「あとでナナさんに西瓜でも差し入れしましょう。お詫びの意味も込めて」)
ロイドはなりきり演技をしつつ心の中で思った。悲鳴と猿の絶叫がこだまするカオスな状況も彼の心を揺るがすには至らないのである(特に後者は慣れ親しみすぎてるから)
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【現の夢】LV1が発生!
【光学迷彩】がLV2になった!
【神速反応】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!
【アヴォイド】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!
ジョン・エルバ
【Wertlos】
クリスマスに一緒に見た映画にあったな〜お前がガチビビりしてたやつ!
あんなのに頼ってるのは三流、勿論本物のジャパンホラーで勝負だ!
教室は遮光カーテンやらで真っ暗に
壁はペンキで真っ赤に塗っとくか
入り口に【泥濘の地】、足をついて転びそうな場所に【トラップ生成】で爆竹が鳴り響く仕様に
ハッハ!オレはここに地獄を作り出した!
あとは学生の幽霊っぽく着替えて完成!
は?!…お前!w
何年留年した留学生だよ!ギャハハ!流石に厳しいだろ!
まぁ?オレは若いから余裕〜痛っ!
…ロックスターの顔殴りやがったなクソが!
顔を殴り返し、以降ガチの殴り合いへ
オラァ節分の時のお返しだアア!(足を掴み教室へと投げ飛ばす
エルマー・クライネルト
【Wertlos】
ジャンプスケア、以前観たホラー映画でもあったな
怖いと言うより驚きのほうが…ビビってはいない、あんな物より怖いものなど幾らでも出来るとも
この学校の十四不思議の一つを模してみるか
『ある教室に死んだ学生の霊が現れる』と言うシンプルなものだ
早速学生服を借りて装飾した教室に潜伏しよう
……皆まで言うな、無理があるのは分かっている。おい笑うな
お前の格好だって大概だぞ この野郎!
我慢できずジョンの顔面に拳を入れ以降殴り合い
投げ飛ばされ窓を突き破りパリピの眼前に現れる
くそっ窓枠が嵌って抜けん…おい、そこの君手を貸…
今おっさんって言ったか?おい待てこの野郎!!(血塗れになりながらパリピを追い回す
●肝試し要素は!? ねえ肝試し要素は!?
ジャンプスケア。それは実際お手軽で、ぶっちゃけホラーというジャンルのキモといってもいい。これを克服できたホラー作品は少ない……本当に少ない。
「以前観たホラー映画にもあったな。怖いというより驚きしかなかったが」
と、準備をしつつ、エルマー・クライネルト(価値の残滓・g00074)。そんな彼をニヤリと見るジョン・エルバ(ロックスター・g03373)。
「ああ、クリスマスん時の? ンなこと言ってるくせにお前ガチビビリしてたじゃん!」
「ビビってはいない。驚いただけだ」
「とか言ってさぁ、途中から映画よりお前のビビる顔見てたほうが面白かったぜ! めっちゃウケるし!」
「それはつまり」
エルマーはふー、と息を吐きながら立ち上がる。
「お前は怖すぎて画面を直視できていなかったということではないか?」
「あ゛?」
ピキッ! ジョンの頭に💢マークがついた気がする。
「そう思うとお前の戯言も大して気にならないな。ようは自分がビビっていたのを、私に転嫁することで誤魔化してるんだろう?」
「あぁ!? ンだ言わせておけばべらべらと!」
「最初につっかかってきたのはそっちだろうが」
「オレは事実を言っただけだっつーの! なんなら今準備してる間だって、あっちの薄暗がりチラチラ不安そうに見てたぜお前!」
「そんなわけないだろうが。……ははあ、そうか」
エルマーは急にしたり顔になった。目元が明らかに笑っている。
「ジョン、お前……」
「なんだよそのムカつく顔は。わかったようなツラすんな」
「怖くてトイレに行けないんだろう? なあに、そういうのは大人でも案外よくあるというからな、私は別に」
「勝手に1人で納得してんじゃねええええ!!」
ジョンはエルマーの胸ぐらを掴んだ! エルマーはジョンを突き飛ばした! ジョンはエルマーを……なお、この流れで始まる喧嘩は準備を始めてから3回目である。
しばらくあと。
「ったく、どっかの誰かが絡んできやがるからギリギリんなっちまったじゃねえか」
ようやく入り口をイイ感じに整えたジョンは舌打ちした。エルマーは別室で着替え中だ。
「まァいいか。ハッハ! オレはここに地獄を作り出した! シロートどものビビるツラが楽しみだぜ!」
ご満悦である。ぬかるんだ床に爆竹風のトラップ入りの妙に凝った仕掛けだ。
「それにしてもアイツいつになったら戻って……」
といっていたところで、更衣室の扉が開いた。
「……は?!」
「……みなまで言うな、無理があるのはわかっている」
エルマーは大変居心地の悪い顔だ。そんな彼は、レンタルした学生服をビシッと着こなしている。言ってる割には結構似合っており、ちょっと老け顔の高校生と言って十分通じそうだ。
「お前……」
「だからみなまで……」
「お! お前!!」
ジョンはぷるぷる震えていたかと思うと堰を切ったように爆笑した。そんな彼も学生服なんだけどネ!
「おい笑うな」
「お前! 何回留年した留学生だよ! ギャハハハ!!」
「お前の格好だって大概だぞこの野郎!」
「あ~? オレは若いからよゆ」
SMASH!! 勝ち誇った顔のジョンの横っ面にエルマーの拳が叩き込まれた!
「ッ痛ェ! ロックスターの顔を殴りやがったなクソが!」
「フン、お前が最初に喧嘩を売ってきたんだろう。そもそもお前は見た目からして留年どころか落第間違いな」
SMASH!! 皮肉な笑みを浮かべるエルマーの横っ面にジョンの拳が突き刺さる!
「……やったな貴様」
「うるせェバーカ!」
「なんだとこのアホ!」
ガチ殴り合い開始だ! ねえホラーの雰囲気はどこに??
その頃、へとへとになったウェイの皆さんは別の部屋から出てきたところだった。
「次は何が待ってんだよ……」
「え、てかなんかあっちのほう騒がしくない?」
「あ? ああ、この階段上ってから向こうの校舎に」
ガッシャーン! 次に向かう教室を見上げた瞬間、その窓をぶち破ってエルマーがダイレクトエントリー!
「「ギャーッ!?」」
ビビるウェイの皆さん! ジャンプスケアのほうがまだマシである。
「くそっ、窓枠がハマって抜けん……おい、そこの君手を貸」
「ぎゃあああ変なおっさん!!」
エルマーがピキッと固まった。なお、彼は自分が血とガラスまみれで、おまけに窓枠が変な風にハマったせいでまるで下半身が折れ曲がった亡霊のように見えていることに気付いていない。
「今おっさんって言ったか?」
「やべえ逃げるぞ!」
「ちょ待ってー!」
「おい待てこの野郎!!」
「「ひいい追ってきた!!」」
身体がベコベコに曲がりながら(※薄暗くて見えづらいだけで窓枠です)血まみれで追いかけてくる老け顔の高校生! コワイ!
「ギャハハハ! 節分の時のお返しだバーカ!」
割れた窓から身を乗り出し、エルマーの後ろ姿を指さして爆笑するジョン。今回は彼の勝ちのようだ。
「あー笑った笑った。なんか想定外の流れだけどまァこれはこれで」
満足して帰ろうとしたジョンは、後ろからパパパパン! と爆竹の音が盛大にしたので舌打ちして振り返る。
「ンだようるせェ……ぞ……?」
そこにはもちろん誰も居ない。向こうの廊下からはエルマーの叫びと追いかけられるウェイの皆さんの悲鳴。
……あれ? じゃあなんで爆竹トラップは作動したんだ?
「…………オレもアイツ追いかけよーっと!!」
ジョンは振り返らずに窓から飛び出した。怖いとかじゃなくてそれが仕事だからね。仕方ないね!
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【命中アップ】がLV3になった!
喩・嘉
【鳳】
※アドリブ歓迎
中庭を借りて、皆で「墓場となる学校」の怪談に則ったテーマに揃えて怖がらせるぞ
俺はいわば物語の導入。
この学校の設定を(嘘)語るぞ
喪服の黒い着物を着て、長い髪を下ろし、顔を半分隠すような感じで
【冷気の支配者】 を活用し、あたりの気温を不自然に下げながら若者グループの背後からヌッと登場
「学校を建築するときに、問題があったんです。この辺りには広い土地がなく、仕方なく墓地を潰して建物を建てました」
「この地面の下には、まだ無数の遺骨が眠っているのです」
「我が友も、この下に……どれほどの無念だったでしょう、か」
などと言いながら後の脅かしは皆に託して
【コウモリ変身】して消える。
守都・幸児
【鳳】
※アドリブ歓迎
中庭を借りて「墓場となる学校」の再現をするぞ
事前に墓石を作って【隔離眼】で隠しておく
普段世話になってる建設現場から余った資材を貰ってきて
墓石っぽいのをたくさん作るぞ
客が来たら、【隔離眼】を解除して墓石を出現させるぞ
俺はぼろぼろの衣を着て墓荒らしのふりをする
装備品の鬼火群もふよふよ周りに飛ばしておこう
墓石の影で赤黒い何かがべっとりついた手を舐めながら
気付かれたら顔をあげて
「お前たちも食うか…?ここの墓は捨てられた、食い放題だ」
と低い声で囁くぞ
そしてのそのそ追いかけるぞ
ちなみにこの赤黒い何かはいちごジャムとチョコを混ぜたものだぞ、美味いぞ
もったいないから最後までちゃんと食べるぞ
シャムス・ライラ
【鳳】
肝試しとは
日本に伝わる古式ゆかしいい吃驚の祭典であるとか
こうじわじわくる感じが
私の故郷と怖さの質が違っており大変興味深い
しかし「驚かす」という点では共通部分もあるかと
では…これならどうでしょう
トラップ生成の要領で足元に見つからないように落とし穴を
そして落とし穴には…私が「死者」に扮して潜んでおります
薄汚れた身なり、ぼろぼろの着物
そして…おっかなびっくりの背後から
1人の足首を掴んでずるずるずるっと襲い掛かる振りを
まぁ皆さん墓穴に引きずり込む気持ちで
あ、手加減はします
頑張って逃げて下さいね
私「死者」ですので間違ってはおりませんよ?
仲間の効果と上手く併せられれば楽しいですね
アドリブ等歓迎
ソレイユ・クラーヴィア
【鳳】
アドリブ歓迎
日本の妖怪やお化けには詳しくはありませんが
恐怖とは人類に共通した感情ですから何とかなるでしょう
実は故郷では修道院で音楽を学んでおり
それなりに「出る」という話は聞いておりました
人の集まる所にはそういう話題も集まるものなのですね
墓地デザインは皆さんにお任せして
私は雰囲気作りをメインに
人が通ると耳元で幽霊の声が聞こえたり、吐息が掛かる赤外線反応性の指向性スピーカーや噴射装置
暗い足元に泥濘の地を発動
骨の手グローブ装備で泥の中へと引き込みます
泥と骨で足止めしている所に、背後から巨大な火球をピタゴラな感じで転がし
よく見れば火球の表面には参加者の驚いた顔が…!
火球は寸止めなのでご安心下さい
文月・雪人
【鳳】
アドリブ歓迎
にゃふふふ、鬼妖やお化けの事なら陰陽師の出番だね♪
と言いつつ今回はお墓の場面だし、白骨の僧侶を演じてみようかな
骸骨の特殊メイクに、薄汚れた袈裟を着て
ぶつぶつと呟く様にお経を読もう
クダ吉もまたお手伝い
お墓の周囲に狐火を灯して、参加者を誘う様に演出してね
【パラドクス通信】で皆と連携して参加者を誘導
墓石に近づいたら、タイミングを見計らって隠しておいた仕掛けを発動するよ
お墓の下から現れるのは、見上げる程に大きな大きな骸骨の妖怪『がしゃどくろ』!
頭蓋骨の形に改造した【フライトドローン】に、胴体の白骨も吊り下げて
カタカタカタと動かせば、うん、中々の迫力だね
にゃふふ、皆怖がってくれるかな?
伏見・萬
【鳳】
(アドリブ歓迎)(仲間は基本的に苗字呼び、喩嘉は「喩嘉」)
守都の墓石作りを手伝おう
…死人(自分)が墓石作ってるってのも、妙な感じだなァ
墓場にただ黙って突っ立ってるだけでも、(風貌で)割と怖いだろうなァって自信はあるが、折角だからもうちょっと色々やるか
白い死装束で幽霊っぽく、血糊をつけてより怖い感じに
物陰に隠れて、【光学迷彩】状態から突然現れる
客の後ろからそっと近づいて、冷てェ手で腕を掴んだりするのもいいかもな
…なァ、俺の…俺の墓…俺の身体…どこ行った…?
どっかにあるはずなんだよォ…返してくれよォ…
呟きながらふらふら客を追いかけて、他の仲間の仕掛けのところまでさりげなく客を誘導していく
孫・リア
【鳳】
新宿島の心霊話怖い……これを糧に皆で頑張って脅かすわよ……!(勉強の為に見た心霊動画が滅茶苦茶怖かった模様)
役どころは「不幸にも一家全員が病で亡くなりここで安らかに眠ってたのに墓地を潰されて怒ってる女の幽霊」
服装は新宿島の死装束土で汚れて髪とかも乱れまくりにしていかにも墓から出ました感じにするわ
私の所に来るまでに動物の友で呼べたら足元を通る鼠やいきなり飛ぶ蝙蝠達でベタに驚かす演出した後ゆらりと暗がりから現れて「眠ってたのに起こしたのはお前達か?ねぇ?ねぇ?ねぇ!?」ってゆらりと現れて縋りながらも絶対に逃さないという感じで追い立てるわよ!……あっ!勿論手加減はするわよ!
【アドリブ歓迎】
吉水・翡翠
【鳳】
アドリブ感激
……妖怪・お化けなら陰陽師の出番でしょうかね。
それなら長髪の鬘をかぶりつつ、女物の着物を着て、陰陽鉄扇を持って女性になりましょう。
声を頑張ればなんとかなるでしょう。
そして、光学迷彩で隠れつつ、不気味な微笑みと声を出しながら……皆さんの仕掛けてる場所に誘導する形で。
ゆっくり進んでるのに足速い感じで頑張りましょうかね。
頑張って驚かせますよ……!
●プロフェッショナルの真髄炸裂……か?
「つ、疲れた……ちょっと休憩さして……」
「お、おう……」
ぜいぜいと息を切らせてへたりこむふたり。と、その後ろからついてきている舎弟たち。彼らは疲労困憊だった。血まみれのやべーやつにしこたま追いかけ回されたからである。
「こ、ここ、やっぱ肝試しとなんか違わないか……?」
「肝は試されてるけどね、心臓破り的な意味で……」
「「「センパイパネっす……」」」
へとへとになりながらも先に進もうとするあたりはめげない連中である。ウェイなのかウェイじゃないのかよくわからなくなってきた。
(「……なんか思ってたのと違う感じのノリになってるね??」)
そんなウェイの皆さんが近づいてくるのを、みんなに連絡するために入口付近でチェックしていた文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)は、どうもホラーっぽくない雰囲気に首を傾げる。
彼もまさか、初手から肝試しとか関係ない狂人が彼らを出迎えたなどとは思うまい。ウェイの皆さんだって思ってない。
「これは少し気合を入れないと……俺たちでホラーらしいホラーをやりとげよう!」
「意気込む方向性がちょっとおかしくないかしら……」
別地点で待機中の孫・リア(勇武と炎を胸に秘めて・g03550)が困惑しつつツッコミを入れた。
「ま、まあ頑張って脅かさないと、せっかく心霊動画で勉強した意味がないものね……! あれ怖かったわぁ……」
「日本に伝わる古式ゆかしい怪談は、もっとじわじわくる感じだったと存じているのですが……」
もしかして、もっと西洋風のびっくりホラーが求められていたんだろうか? これまた別地点で通信機片手に首を傾げるシャムス・ライラ(極夜・g04075)。
「私は予習とかあまりしていませんし、妖怪やお化けには詳しくありませんが……まあ、なんとかなるでしょう」
一方のソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)は妙に自信に満ち溢れている。
「いや、予習してねえのかよ! どうしてそんな自信たっぷりなんだ??」
すかさず、守都・幸児(祥雲・g03876)がツッコミを入れた。いまさらではあるが。
「実は故郷では修道院で音楽を学んでいまして。環境柄、それなりに「出る」という話は聞いていたのです」
「ほう、そちらの話も興味深いね。やはり私の故郷とは、度の国も怖さの質が違っている」
シャムスはソレイユの知る怪談にも興味津々のようだ。
「とはいえ今回は、我々陰陽師の出番です。あくまで和風に、全力で怖がらせてあげましょう」
またまた別地点で、女装済の吉水・翡翠(道求める陰陽師・g01824)は気合十分だ。異国の友に本家本元の真髄を見せようという心意気もあるのかもしれない。
「まー、頑張って墓石たくさん作ったし、なんとかなるだろ!」
「……死人が墓石作ってるってのも、妙な感じがしたけどなァ」
幸児の作業を主に手伝った伏見・萬(錆びた鉄格子・g07071)は、白装束姿で遠い目をする。
「なんなら、俺は黙って突っ立ってるだけでも役目を果たせそうな気がするんだが……」
「それは完全に別のホラーになりますよ、萬さん。おそらくこれまではそういうディアボロスの方が多かったのではないかと」
喩・嘉(瑞鳳・g01517)が冷静かつ的確に指摘した。実際は彼が想像してるより(色んな意味で)やべー狂人がところどころに混ざっていたのだが、ここでは割愛する。
「さて、ともあれ通信もこのあたりで……あとは各自、役割を全力で果たしましょう」
喩嘉の言葉に、通信機越しに全員がこくりと頷く気配がした。トップバッターとでもいうべき喩嘉は、改めて髪を下ろすと着物の襟を正し気合を入れた……。
●
そしてしばらくすると、いよいよ彼らの準備したフィールド……つまり中庭に、ウェイの皆さんがやってきた。
「今度はだいぶ広いとこに出たな」
「もう構造がめちゃくちゃだし、走り回ったからどこにいるのかわかんないよ……」
何が来るのか警戒しながらあたりを見渡す男女。後ろの舎弟たちも油断なく周りを警戒している。物陰から殺人鬼がアンブッシュしてきてもおかしくないからだ(まったく肝試し感がないが、残念ながらそういうディアボロスがこれまでたくさん出てきたので仕方ないのである
「……こんな話を知っていますか?」
「「「ひいっ!?」」」
だからか、背後から忍び寄る人影に彼らは気づかなかった。周囲の気温がすうっと冷え、現れた黒尽くめの人影は半分だけあらわになった顔でじいっと彼らのことを見つめる。
「な、な、なんだよ一体……」
「学校を建築するときに、問題があったんです」
明らかに生者とは思えぬ男は、慄くウェイ男の目を見つめながらぼそぼそと語る。
「このあたりには広い土地がなく、仕方なく墓地を潰して建物を建てました。しかし、それがよくなかった……」
「え、え、何? そういう演出??」
ウェイ女は隣の男と目の前の喪服の男を交互に見比べる。顔を半分隠した男――つまり喩嘉は構わずに語り続けた。その意思疎通のきかない感じが、怪異としての恐ろしさを高める。
「この地面の下には、まだ無数の遺骨が眠っているというのに……」
「な、なんだよそんな話か。いくら肝試しだからって、急に怪談でビビらそうなんて」
「……我が友も」
ぽつりと漏れた言葉に、ウェイ男の口は閉ざされた。
「え」
「我が友も、この下に……どれほどの無念だったでしょう、か」
「友、って……じゃああんた一体」
誰何の言葉を待たず、喩嘉の身体は解けるようにコウモリに変じて飛び去っていった。青ざめた男女は顔を見合わせ震え上がる……!
「ってセンパイ、あれ、あれ!」
「な、なんだよ大声出すなよ!」
舎弟の慌てた声に軽く怒りつつ、男は振り返った――つまり本来進むべき正面に、360度ぐるりと一回転した形になる。
当然、そこには暗い中庭が広がっているはずだ。だってさっきまでそうだったのだ。彼らは周りをしっかり警戒していたのだから、そうであることを確信している。
だがそこには、無数の墓石が並んでいた。
「は……!?」
(「へへっ、ナイス喩嘉! おかげで完璧なタイミングで出せたぜ!」)
墓石の影に隠れた幸児はニヤリと笑った。喩嘉が怪談で客の注意を惹きつけている間に、あらかじめ用意した墓石を【隔離眼】の異空間からもとに戻す……こうすることで、中庭の風景は一瞬にして墓場に一変するというわけだ。すべての残留効果をフルに活用できる、最終人類史ならではの変則的なステージギミック!
「お、おい、さっきまでこんなのなかったよな!?」
「そんなの当たり前じゃんっ! い、言わなくてもわかってるよぉ!」
と、男女は諍い気味に叫んでいる。幸児は物陰から、ウェイの皆さんには見えないようにサムズアップした。その合図は、別の場所に隠れて俯瞰している雪人へ送るものだ。
(「合図が来たよ。クダ吉、お手伝いよろしくね」)
そしてサーヴァントと協力し、どこからともなく狐火をどろどろと出現させてウェイの皆さんの周りを漂わせるのである。「「ひいっ!」」という切羽詰まった悲鳴が暗闇から聞こえた。
「あああ……ううう……」
「何? なんかうめき声聞こえるよ!?」
「と、とととにかく進むぞ! さっさとつっきりゃいいんだ!」
怯える女の手首をつかみ、大股開きに歩き出す男。彼らは首筋に生暖かい吐息めいたものを感じて縮み上がった。なお、これらは雪人の対面に隠れたソレイユの見事な裏方仕事だ。
「ふふ……うふふふ……」
さらに不気味な微笑みとともに、長い髪を振り乱した女がゆっくりと近づいてくる!
「なんか来てる、来てるってぇ!」
「う、うるせぇ、いいから走るぞ!」
だが彼らがいくら急いで中庭を進もうとしても、追いかけてくる女との距離は離れない。しかもその微笑み声は妙に近くから聞こえてくるのだ……!
「ねえ、待って……うふふ、どうして逃げるの……?」
「「ひいい!」」
もちろん、この追いかける女は女装した翡翠である。声の遠近感を狂わせているのもソレイユのお手並。
(「いい具合に効いていますね。それではここで【泥濘の地】を発動させて……と」)
ソレイユはさらに、中庭のあるポイントに踏み込んだウェイの皆さんを残留効果で足止めする……彼らはぬかるんだ泥の感触にさえ悲鳴を上げていた……。
「う、うわあ、なんだ!? くそっ歩きづれえ!」
「おお落ち着いてって、さっきの女の幽霊もういないよ!」
今度は男のほうが気を逸らせてしまったようで、対照的に落ち着きを取り戻した女が彼をなだめる。舎弟たちも足並みを乱していた。
「センパイですらビビるとかヤバすぎるだろ……」
「つーかここ、つまり墓場のど真ん中……」
「……なァ」
言いかけた舎弟のひとりの手首を、がっしりと万力めいた力が……しかしぞっとするほど冷たい手が掴んでいた。
反射的にそちらを見てしまった若者は、うらめしげな男の幽霊と……血まみれの顔とバッチリ目が合う!
「ひ――」
「俺の……俺の墓……俺の身体……どこ行った……?」
白い死に装束に血糊をまぶした萬は、うつろな声で言った。なにせある意味本物の死人である、それはもはや演技ではない!
「どっかにあるはずなんだよォ……返してくれよォ……なァァ!」
「ギャアアア!!」
掴んでくる手を振りほどいて(誘導するのが目的なので萬もそのタイミングで脱力して離してやった)よろめく舎弟。他の舎弟たちもぎょっとして後退りする。
すると一番後ろにいた舎弟は、足を踏み外しかけてがくりと転びそうになった。
「ひっ!? な、なんだ、穴――」
そこで彼は気づく。泥濘の中から突き出した手が……自分の足首を掴んでいることに!
「うう……あああ」
土に汚れた得体の知れない何かが、不気味なうめき声をあげて鎌首をもたげた……いや違う、あれはぼろぼろの着物を着た人間だ。そしてその青ざめた手は、その手が! 足首を掴んでいるのだ!
「ああああ……」
「う、うわああ! 引きずり込まれるぅううっ!!」
足首をぐっと引かれ、舎弟はパニック状態で叫んだ。実際のところこの死者――リターナーだからやっぱり間違ってもいないのだが――はシャムスが扮したものであり、もちろん安全面に配慮して本気で引きずり込むつもりはない。落とし穴も見た目に比べて案外浅く、もし仮に彼らが転んでしまってもダメージがないようにクッションも用意されていた。安心設計だ。
「うううう……!」
シャムスはもう片手で這いずるように一歩落とし穴から抜け出す。逃げ出さないと引きずり込むぞ、と言わんばかりに!
「センパイ! ヤバいっすセンパイー!!」
「うおっ!? なんだよ大声出すな!」
叫び返す男! その声に反応したか、闇の奥からキイキイと無数のコウモリが飛び出し、彼らの視界を遮った!
「きゃあああ!?」
「うわっなんだこりゃ!? ヤバいって!」
彼らはさらにパニックに陥り、コウモリの群れを振り払おうと暴れる。もちろん、このコウモリたちが噛み付いたりすることはないのだが……。
そしてコウモリを振り払おうとするということは、つまり腕をがむしゃらに振るうということ。
「……あ」
女の腕が、墓石の一つに当たった。激突した墓石は、ごとん……と重々しい音を立てて横倒しになる。
「ちょ、何やってんだお前! んなことしたら……」
男の声は喉のひきつりで途切れた。墓石の向こうから、ゆらりと人影が滲み出るように現れたからだ……。
「……ねぇ、眠っていたのに起こしたのはお前達か?」
全身が土で汚れ、赤い髪を蓬髪のように振り乱した女幽霊は、血走った眼をカッと見開いて男たちを睨んだ。
「私の夫を、息子たちをどこへやった……? ねぇ」
「ち、違……」
「ねぇ――ねぇ!!」
鉤爪のように強張った両手がぬうっと突き出される! 男は反射的にウェイ女の手首をつかみ、悲鳴を上げて駆け出した! 舎弟たちも慌ててそれを追う!
「待ってくれよォ、身体ァ……」
「ああああ……!」
「うふふ、あはははは……」
「私の、私の家族を 眠りを妨げたのは!! お前達か!!」
それを追う幽霊一同! それぞれ演技力が振り切っている上に、ソレイユや雪人の演出もあいまってすさまじく恐ろしい! 狐火が凄絶な形相や薄汚れた装束を照らす!
「「「た、助けてぇええ!!」」」
悲鳴を上げ全力疾走するウェイグループ……!
はたしてどれほど走り続けたか、体力が尽きた一同はぜいぜいと荒い息をついて、その場で立ち止まってしまった。
「こ、ここ、までくれば……?」
だが恐怖は終わっていなかった。いくつもの墓石が横倒しになり、荒れ果てたそこで、1人の男がぬうっと立ち上がる。
「……なんだ、お前たちも仲間か?」
口の周りを赤黒い何かで染めた男は、正気とは思えない目を見開いた形相でにたりと笑う。そして片手で口元の赤黒いものを拭い……べろりと、それを舐めた。
「あ、あんた、何して」
「ここの墓は捨てられた、食い放題だ」
男は言った。
「お前たちも食うか……?」
幸児、迫真の演技である。そして彼の背後に、のっそりと立ち上がる巨大な髑髏の怪物……! 狐火がこれみよがしにぼうっと燃え上がり、巨大なフォルムを照らした! カタカタと無数の骨がうらめしげに鳴り響く!
「ははは、亡者どもが騒がしいな。気にするな、腹いっぱい食べよう」
幸児はのそのそと歩み寄る。そして背後から近づいてくる幽霊一同(つまりリアたちである)のうめき声……!
「「「ひ――ひいいいい!!」」」
次の部屋に続くルートに慌てて駆け込み、さっきまでの疲労など吹っ飛んだ様子で全力疾走するウェイの皆さん! 追いかける声……は、ソレイユの仕込みである。
「おー、すっげえ健脚。あれなら《七曜の戦》の避難も安心だなー」
「だね……っていつまで食べてるの幸児」
「いやもったいないし、美味いからさ」
ジャムとチョコを混ぜた特製の赤黒い何かをぺろぺろ舐める幸児に、苦笑する雪人。そんな彼らの前に、コウモリ変身を終えた喩嘉が降り立った。
「作戦成功、だな。みんなのおかげで上手くいった」
「何言ってるの、あの語りこそ見事だったじゃない!」
ネズミやコウモリたちにご褒美の果物をあげつつ、リアが朗らかに言う。もしウェイの皆さんが戻ってきたらさぞかし驚くことだろう。
「あ、じゃあ最後にこの火球を転がしておきますね。えい」
「絶対戻ってこねェように余念がねェな……」
なんかでっかい火球をごろごろ押し転がすソレイユの手並みに、萬は感心していいのか呆れていいのかという感じの顔をしていた。
ともあれ、彼らの担当分は大成功だったようだ。逃げ出した参加者たちの悲鳴はしばらくこちらにまで聞こえてきた……。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【冷気の支配者】LV1が発生!
【隔離眼】LV1が発生!
【トラップ生成】がLV2になった!
【泥濘の地】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
【光学迷彩】がLV4になった!
【動物の友】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV4になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【反撃アップ】がLV3になった!
【アヴォイド】がLV2になった!
【ダブル】LV1が発生!
レイ・シャルダン
【社員旅行】
こう言う催しは去年のハロウィン以来ですね。
CCTSは何事にも全力で挑みます!
それではボクは何をやろうかな…
思いつきました、サイバー小豆あらいとか…?駄目?はぁ…。
では…フルメタルろくろ首とかどうですかね?駄目…なるほど。
良いと思うのですけど…。
では…。
【アイスクラフト】で作った壁を設置して全体の部屋温度をキンッと下げ
部屋の電気は暗く、ほんのり青白く
白装束を纏い、髪は解いて片目だけ覗かせる様に、目には真っ赤なカラーコンタクト
通りがかった若者達に這いずって近寄り足元に触れて
貴方をずっと待っていた…。
ねぇ…私…キレイ…?
えっ、別の怪談?難しいなぁ。
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
【社員旅行】
連携アドリブ歓迎
やるからには徹底的にやらねばなるまいな
ジャンプスケアって何か飛び出すのかと……
ホラーハウスの基本は驚きでもあるよな
冷気の支配者でいい感じに首筋を冷やさせつつ
やってきた一般人の方々を脅かそう
足元が見える程度に薄暗く、細い通路で迷宮化した部屋に
俺は先回りして、そっと壁で行き止まりにする
行く手に壁
振り返ると壁
壁、壁、壁………
実態は俺が光学迷彩で壁をもって移動しています
グループをはぐれさせて、互いの悲鳴だけ聞こえるように
ぬりかべって妖怪がいるらしい
行き止まりに恐怖と焦燥が高まった所で
天井から和装の人形が落ちてきたり、足元から血糊がひたひた……
静と動、気づけば怖い緩急を仕込む
赤上・イズル
■【社員旅行】
■アドリブ・連携歓迎
肝試しなんて夏らしいですね
しかも驚かす側…、普段人々の為に戦っている仲間達と一般人の方々を驚かす…
なんだか申し訳ないですけど新鮮ですね
もちろん催しものの一つとして皆さんで楽しく驚いてくれたらと思ってはいるのですが
皆さんのお化けの仮装…なかなかです
俺も負けずと番町皿屋敷をやってみましょう
着物を着て…髪をバサバサにおろして…
簡易的に井戸の小道具を作ってそこに潜み人が通りかかったら
いちま~い…にま~い…
とおなじみのアレですよ。あれちょっと待ってください
結局何枚目がないんでしたっけ?誰か教えてください!(目力強)
そこのあなた!待ってください!(井戸から出て追いかける)
一角・實生
【社員旅行】
それじゃあ鬼になってみよう
頑丈なバットを調達し、釘やらなんやらをくっつけていくよ
鬼の金棒ってこんなんだったはず
あとは額に巨大なつけ角を一本
あちこちにやりすぎな位の血飛沫
仕上げに獄卒っぽい装い(過度な肌見せは断固拒否鬼)
窓際や暗がりに俯き佇んでおこう
仲間の驚かしに逃げてきた一般人を迎えうつ
俺から視線や注意が逸れた瞬間に鬼の金棒を振り上げ、思い切り床に叩きつけ驚かせよう
床が抜けませんように
窓ガラスもついでに割っていいかな
そのまま無言で追い回し人々を分断させる
【泥濘の地】で彼らの移動速度を下げつつ、壁に金棒ドンや角ドンで追い詰めたり
他の仲間の待機地点近くでバトンタッチ
……あれ、結構楽しい
弔焼月・咲菜
【社員旅行】アドリブ・連携歓迎
今の時代の若者は皆喜び勇んで自分から物の怪の類に会いに行くのか…?現代人っておっかねぇ…。
鬼と言えば本物の鬼である俺だよなぁ!
袴姿で鬼人の角が見えるように三度笠を被り、上から血糊を被って廊下などの狭い場所に妖刀を片方にスタンバイ。
散々肝が冷えてるだろうから、今度は逆に暖めてやろう。どうせ冷えるし問題ねぇだろ。【熱波の支配者】を使用して廊下の温度を上げ、怨みの炎で形作ったゾンビ犬や八咫烏と共に一般人を歩いてゆっくり追い詰める。
おら、逃げろ逃げろ。俺の間食になりたくなけりゃな。…にしても大変だな。手加減って…。
四十九院・祝
アドリブ&連携歓迎
【社員旅行】に参加
ホラーは得意分野なの
パラドクスで忍者屋敷のような迷宮を作り出し、落武者やゾンビニンジャを召喚、参加者を追いかけ回すの。わたし自身もニンジャコスで混ざるのよ
屋敷の仕掛けを使って通過した人の背後にいきなり現れたり、刀(模造)を振り回して斬りかかったり、アンブッシュした後アイサツしてカラテで襲いかかったりするのよ
他にもテンプレ的に障子窓や床から腕だけ突き出して捕まえようとしたり、天井から色々物を落としたりして脅かすの
さぁさぁ、わたしのゾッとするようなエンターテイメント、思う存分楽しんでいって欲しいの
一般人相手だと手加減が大変ね
鳴海・蒼葉
【社員旅行】
連携アドリブ喜んで!
パイセン達と肝試しなんだぜ♪
んー、ジャンプスケアは怖いと言うよりびっくりなんだよ、そこ海外と日本の感覚の違いよな、アタシも油断してぴょんってなったことあるし(頷き)
とりま、歩くだけでホラーって言われたパパの娘として恥じない活躍するんだよ☆
『クェ(さて俺は雑用係すっかな)』
Jホラーあるある…名付けて「妖怪居たはずのあの子作戦」
隙を見てはぐれたグループに潜入、出口付近で抜けるんだよ♪
知り合いだと思ってた子があかの他人で、いつの間にか消えたってなったらコレ1番ばちぼこヤバいっしょ☆
ネぇ 連レてッテ ョ…(ピシャ)
気付いた所に扉の隙間から覗き~閉める!
トドメの一撃💖
ノイン・クリーガー
社員旅行
〜戦慄!すねこすり〜
💡
【猫変身】で黒猫になる。
俺は妖怪すねこすり(唐突)
すねをこする、完膚なきまでに!(使命感)
すねこすりとは、人のすねに体をこすって去る凶悪妖怪である。
暗がりに潜み、獲物がやってきたら突然すねをこするのだ!
すると脛をこすられた人間は足元が邪魔で歩きにくいのだ!
まさに問答無用の極地!当て逃げの化身!毛玉の所業!
POW:力強くすねをこすります
SPD:素早くすねをこすります
WIZ:なんとしてでもすねをこすります
浮かれた学生達の靑春の1ページに焼き付く修羅の残像。
それがすねこすり!
エリザベータ・シゲトヴァール
●心情
今年の肝試しはジャンプスケアか。
去年のおどろおどろしい雰囲気作りも興味深かったけど、こういう趣向も悪くないわね。
●行動
【社員旅行】で参戦。連携・アドリブ歓迎。
人間の視界って、左右方向の動きにはある程度対応出来ても、上下運動は追い切れない事が多いの。
つまり、頭上からの【不意打ち】は効果的と踏んだわ。
血糊や煤で汚した白い着物に袖を通して日本の幽霊の姿に扮し【飛翔】。部屋の入口付近の天井に張り付いて待機。
ドアが開くと同時に【空中戦】技能を活かし、倒立姿勢のまま急降下して、一般参加者の目の高さで静止。
わざと髪を乱して、血塗れに見える様な特殊メイクと合わせれば雰囲気は出せるかしら。
マティアス・シュトローマー
【社員旅行】
社員旅行、肝試し……
うっ、心の奥に閉じ込めていたトラウマが
でも今回は俺も仕掛ける側!
早く彼らの驚く顔が見たいなー
こういうアトラクションには緩急が大事。案内人のように佇んで、逃げてきた彼らを笑顔で迎えよう
お疲れ様、経路はこのまま道なりだよ
もう少しで出口だから頑張って!
けど、このエリアは対クロノヴェーダのスペシャリスト――CCTSが担当しているから、最後まで気を抜かないようにね
彼らの緊張が解けたところで顔を背け、準備してきた特殊マスクを装着。のっぺらぼうになった顔を見て貰おう
……あーあ、だから気を抜くなって言ったのに
にしても。このマスクを着けていると何も見えないのは盲点だった……!
ジーク・ヴォルフレア
【社員旅行】
…ねぇもしかして新宿島の人達ってみんなドM…?なんでこんな見るからに怖いって分かるところに来るの…?アホなの…?死ぬの…?
アドリブ・連携は歓迎。
咄嗟のジャンプスケアに対処できるやつはいない…。見せてやろう、ドイツ空兵の力を…。
白装束で待機、特に隠れはしない。一般人が来ても最初は一切動くとこなくやり過ごし、『動かない』事を印象付ける。
通り過ぎたところで行動開始。直立不動のまま手足を一切動かす事なく無表情で【飛翔】し、そのまま一般人を凄い勢いで追い回す。
人間って意外と得体の知れないものを怖がるから、きっと追ってくる事は予測できても、まさか直立不動で追ってくるとは思わないでしょう…?
ライカ・ネイバー
【社員旅行】
アドリブ連携大歓迎
タイトルにジャンプスケアって書いてある以上
『やれ』っていうフリなんすわ
喉から心臓がまろび出るくらい驚かせてやろうぞ
妖怪と言えばやはり蟹坊主。
部屋を古寺風に激闘BeforeAfterしといて坊さんに扮するのでござんす
そして若者どもにこう告げてやるのです
そもさん!
じゃあ時間押してるんでサクサクいきましょね
Q:両足八足でけぇ足が二足、横へビュンビュン走り回り、眼は天を突き抜ける!これ如何に。これいカニ!
A:カニだー!!
蛍光塗料でカニの絵を描いて潜ませておいたドローンをどばっと放流してカニの暴力を見せてやりましょうや
暗がりに生えてきたカニ!天地を埋め尽くすカニの天の川や!
ツキシロ・フェルドスパー
【社員旅行】
んー……妖怪とか鬼とか……アンちゃん協力お願いねー?
飛翔か浮遊でふわふわ浮きつつ人魚になろー
顔は霊銀の水羽衣で隠しつつ、水使いか召喚で水をふよふよ浮かせたり、
怪しげな笑み浮かべつつ、最初の入り口辺りで待機してよう。
「この先気を付けてねー君達の幸運を祈ってるよ」
とか言いつつ不安を煽りつつその先に誘導するね。
●前日までの企画会議
「思いつきました!」
レイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)が「肝試し企画会議」と書かれたホワイトボードをバンと叩いた。
「やはりCCTSとしてはサイバーな感じを押し出すのがいいかと! というわけでサイバー小豆あら」
「レイさん、それは名指しでダメ出しされていたやつだ」
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)が冷静にツッコミを入れた。
「えっそうなんですか!? じゃあフルメタルろくろ」
「まずサイバー要素入れる必要なくないですか?? というかそこでダメ出しされてるんだから離れましょう???」
赤上・イズル(赤き悪魔・g04960)が続けてツッコミを入れると、レイはしょんぼりと肩を落とす。
「ダメですか、いいと思うのですけど……」
「むしろなんで妖怪とかお化けを重視するように言われてるのに、メタル化しようと思ったかがすごく気になるよ俺は」
一角・實生(深い潭・g00995)は真顔で追撃した。レイはどんどんしょんぼりしていく。
「ま、まぁアレだな! 現代人ってのはおっかねぇよなぁ。自分から物の怪の類に会いに行くなんて俺の時代じゃ考えられねえ」
見かねた弔焼月・咲菜(葬不送動の報復者・g01723)が話題をズラした。彼にしては相当珍しい光景である。
「去年に続いて腕が鳴るの。ホラーは得意分野なのよ。わたし個人は実際いいアイデアがあるの」
ニヤリと不敵に笑う四十九院・祝(還り来る恐怖/La Peur de Fortune・g05556)。
「そうね。去年のおどろおどろしい雰囲気づくりも興味深かったけれど、こういう趣向も悪くないわ。せっかくの社員旅行なんだし」
祝の意地悪そうな笑みと、エリザベータ・シゲトヴァール(聖イシュトヴァンの剣・g00490)の「社員旅行」というワードを耳にしたマティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)の肩がぴくりと震えた。そして蘇る昨年のハロウィンの記憶……自分より怖がりなメンバーに囲まれ、しこたまビビらされた記憶が。あとあそこの自信満々な顔してるやつ、ナイフ普通に掠めてこなかったか??
「……うっ!」
「マティアスさん、どうしたんだ急に心臓を抑えて」
エトヴァは気遣わしげな顔をした。
「い、いやその、心の奥底に閉じ込めていたトラウマが……」
「え~、それってもしかしてパイセンたちがやったっていう去年のハロウィンの離し? アタシ気になる~☆」
ノリノリで食いついてくる鳴海・蒼葉(💖爆殺天使💖・g09783)。マティアスのトラウマをほじくるという意識は特にない。なぜなら自分の興味のほうが重要だからだ。
「……まあそのあたりにしてやれ。というかだ」
議長席に座り、腕を組んでいたノイン・クリーガー(ゴースト・g00915)がギッとパイプ椅子を鳴らしつつテーブルに肘を突く。
「議題を進めるほうが先じゃないか? この会議の目的は、そもそもどうやって脅かすか、その方向性を決めるためだろう」
「はい、二番わたし! ジャンプスケアしかないと思います!」
ガタッ! 勢いよく挙手して立ち上がるライカ・ネイバー(ハイパーエクストリームお手伝い・g06433)。
「……時先案内人さんが、ジャンプスケアはあかん言うてなかったー?」
「いや、咄嗟のジャンプスケアに対処できるやつはいない……ドイツ空兵の力を見せるならそれがベスト……」
のほほんとツッコミを入れたツキシロ・フェルドスパー(非日常に迷い込んだ漂流者・g04892)にジーク・ヴォルフレア(Erdboden Eule・g07124)がキリッとした顔で言った。
「ドイツ空兵の要素どこらへんに関係あんだよ……物の怪らしいことすんだろ? それなら本物の鬼である俺の出番だぜ!」
「いやいや、ここはニンジャ以外にないの。みんなでメンポつけてアンブッシュするの」
咲菜の意見に真っ向衝突する祝。ニンジャというワードがなぜか妙にみんなを不安にさせた。
「つまり、カラテということだね……。問題ない、それもドイツ空兵に任せて……」
だがジークはなぜか自信満々だ! どっから出ているんだこの自信は!
「日本の武術も修めてるとかドイツの兵隊さんパネ~☆」
「初耳すぎるんだけど俺。というかニンジャは妖怪なのかな……」
けらけら笑う蒼葉と冷静にツッコミを入れる實生。早くも話がまた脱線しかけていた。
「あの、もしかしてなんですけど去年もこんなノリで、最終的に出来上がったのがアレだったんですか……?」
ハロウィンではマティアスともども驚かされ役だったイズルが、恐る恐る昨年の脅かしメンバーの顔を伺う。
「さすがにここまで話が転がった覚えはないけど、でも空兵言われたからには私も本気を出さないといけないわよね」
変な方向でやる気を奮い立たせるエリザベータ。今年はこんにゃくなんぞではすませねえぞという強い決意の炎が両目に燃えている!
「うーん、議題がどんどんズレてるねー」
「わかった、俺に任せろ」
ノインの重々しい言葉に、一同の視線が集まった!
「やっぱりジャンプスケアしかないですよね!?」
「いや――」
食いかかる勢いで言うライカに首を振り、ノインはしばし間を置いた後、静かに言った。
「俺は……すねこすりで行く」
ガタン。ホワイトボードが音を立てて傾いた。
●
で、本番当日。
「うん、まあ、その、なんだ」
エトヴァはこめかみを揉むように指でほぐし、嘆息した。
「ノインさんはそれをすねこすりと言うつもりなんだな……」
「にゃー」
キリッ! 猫変身したノインは凛々しい顔でポーズを取る!
そう、妖怪すねこすり。誰がなんと言おうとノインはすねこすりなのだ。すねをこするのだから間違いない! 文句を言うやつがいたらその瞬間だけ人間に戻って銃で脅す! そういう強いオーラがあった。
「待ってください、これが通るんならボクのゲーミングだいだらぼっちだってアリなのでは!?」
「そんなトンチキワード出してなかったよな会議の時!?」
どんだけズレたアイデアがあるんだよ、とレイの頭の中が色んな意味で不安になるマティアス。
「ま、ここはわたしがひとつホラーの王道ってのを見せつけてやりますわ。怖すぎるからってビビらないでくださいね皆さん」
「ライカさんのそれは、あの……すまない、俺が妖怪に詳しくないからいけないのかもしれないけど……何??」
「は? 誰がどう見ても蟹坊主じゃないですか!!」
「ええ……」
なぜかぷんすこと逆ギレしてくるライカの圧にたじたじになる實生。どうなの? って感じで咲菜を見た。
「いやこっちに振るなよ!? まあたしかに蟹坊主って物の怪はいるけどよ、坊主とはいうが坊主そのものではなかったような気するぜ」
「海外と日本の感覚の違いってことなんじゃね?」
「そう言われると私たちそうだと思わないといけないんだけど、本当にそう思って大丈夫なのかしら」
言ってるのが碧葉なもんだから、エリザベータはめちゃくちゃ不安になった。
「やっぱりこう、もう少し日本風の幽霊らしい姿をしておいた方がいいと思うのよね私」
「それは僕も同意だね。軍服のままじゃ脅かしようもない……」
「白装束なんて実際古いの。今の時代はニンジャ装束なのよ」
ジークになぜか食い気味に主張する祝。その格好はあからさまにニンジャなのだ!
「作り込みだけはめちゃくちゃ凝ってますね、さすが……」
「んー……クオリティがすごいのは同意するけど圧倒されんのそこやないやろー……」
ごくりと息を呑むイズルに、ツキシロがのんびりとツッコんだ。その足元ではすねこすり(を名乗るやべーやつ)が全員のすねをこすってまわっている。準備に余念がない(?)
「まあ本物の鬼である俺がいりゃ最低限なんとかなるぜ、安心しな」
「じゃあせっかくだし俺も鬼をやろうかな」
「いやいや蟹坊主以外ありえないですって!」
「ノーホラー、ノーニンジャなの」
「にゃー(すねこすりが最強に決まってんだろと言いたいらしい)」
「やっぱり今からでもアトミック一反木綿をですね!」
「……俺、いまからすごい不安になってきた」
マティアスは遠い目をした。社員旅行というワードが絡むとみんなのIQが致命的なレベルにまで落ちるのはなぁぜなぁぜ……?
●そして本番
「ひい、はぁ……」
「も、無理、走れない……」
完全に息を切らせたウェイの皆さんはこけつまろびつ最後の部屋の前にやってきた。
「せ、センパイ、ここがラストっすよ」
「頑張りましょう……」
舎弟たちに言われ、ウェイ男は最後の意地で立ち上がった。
「だ、だな……もう何が来てもビビらねえぞ」
「って待って、さっそくなんか来たよ……!」
女が男の腕を引いて青ざめた。入り口の暗がりから、目を光らせた何かがゆっくりと現れる……!
「にゃー」
「「「…………」」」
「にゃー!」
ササーッ。毛玉は風のように鮮やかな動きで駆け寄り、そして順番にウェイの皆さんのすねをこする! 8の字を描いてこする! ジグザグ軌道でこする!
「にゃー」
さあどうだ歩きづらいだろう、と誇り高く勝ち誇る黒猫! おお、これぞまさしく恐るべき毛玉の所業……!
「「「かわい~~~」」」
効いていた。まったく別の方向にだけど。
「え、何、最後だからふれあいコーナーとかで癒やしてくれるってこと? サイコーじゃん!」
「ねえ早く行こうよ、わんちゃんいるかなぁ!?」
「「「アネキもパネっす!」」」
ノインはほんわかする若者たちの足の間を素早く動き回りすねをこする! 力強く! ときに素早く! ときに激しく!
「にゃー!!」
「「「かわいい~~~~」」」
逆効果だった。
(「あっ、参加者の方々が来ましたよ」)
温度を下げるべくタイミングを伺っていたレイが、小声でパラドクス通信をする。天井に張り付いたエリザベータがこくりと頷く。
(「どうやら最初の襲撃は成功したようね。成果は……」)
彼女はまるで作戦中のような厳しい表情で偵察した。我らがCCTSのリーダーの手腕やいかに!
「にゃー」
「猫ちゃんかわいいねぇ!」
「めっちゃすり寄ってくるの癒やされる~~~」
「「「センパイ猫にすかれるなんてさすがっす!」」」
(「そんな、全然慄いていない……!? 【士気高揚】の効果は話に聞いていた以上のようね」)
(「誰がどう見ても予想通りでしかねえだろあれ」)
エリザベータに咲菜がツッコミを入れるというこれまでにないやりとりが生じていた。トンチキは恐ろしい。
(「こうなったら私たちで少しでも驚かせないと……次は私が行くわ」)
エリザベータはすうっと息を吸うと、そのまま倒立姿勢で……急降下した!
つまりエリザベータは、逆さの状態でウェイの皆さんの目の前に上から降りてきて停止することになる。
「「「猫ちゃんかわ」」」
ぴたり。時間が止まった。
「「「ぎゃーーーー!!」」」
ウェイの皆さんは悲鳴を上げた! そりゃ髪を振り乱して血まみれメイクをした女が逆さで天井から降りてきたら誰だってビビる! っていうかジャンプスケアだこれ!
(「効いてる! 効いてますよ! やっぱジャンプスケアなんだよなあ!」)
(「日本的なホラー要素は一体どこに……」)
なぜか勝ち誇るライカの声に、別地点で待機中のマティアスは軽く頭を抱えた。
「上! 上から女降ってきたぞ!?」
「やばい心臓止まるって!」
ウェイの皆さんは青い顔をして急いで駆け出した。途中、壁に直立不動で立つジークの前を横切り、二度悲鳴を上げかける。
「ひっ……ってあれ、動かない?」
「置物なのかな……?」
ジークは瞬きひとつしない。怪訝にしつつもウェイの皆さんは通り過ぎ……。
「って言いつつ~、追いかけてくるんだろ~?」
と茶化す程度の余裕は生じて振り返る。たしかにジークは追いかけていた……ただし直立不動のまま!
「「「ぎゃーーーー!?」」」
まるでファラオの墓から飛び出したミイラみたいな勢いで、微動だにせず浮遊してすっ飛んでくる幽霊にビビらないわけがない! やっぱりジャンプスケアだこれ!
(「完全に意識の虚を突かれたようね……これがドイツ空兵の力……」)
無表情で勝ち誇るジーク。一部メンバーが頭を抱えていたことには気づかなかった。
びっくりどっきりエリアを飛び出した一同は、次の部屋に入る。そこには、顔を隠しふわりと浮かばいがったツキシロが待機していた。
「「「うわあっ!?」」」
「大丈夫ー、自分は脅かす役じゃないよー」
ツキシロはくすりと意味深に微笑む。あえて姿を隠さず現れるあたりが怪しく、かえって参加者たちの不安を煽った。
「この先気をつけてねー君たちの幸運を祈ってるよ」
「な、なんか普通に送り出されると逆に怖いな」
「何が出るのよ……どんな狂人……?」
「お化けだからねー狂人じゃないよー」
フォローも忘れないツキシロだった。フォローになってるかはともかく。
そして彼らが進んだ先は、なぜか古寺風の建築になっていた。
「そもさん!!」
「「「なにこれ」」」
そこにいた坊さんっつーかライカにいきなり謎かけされ、目が点になる一行。
「あ、時間押してるんで出題いっていいです?」
「「「え、あ、はい」」」
恐怖などすっ飛んでいた。
「問題! 両足八足でけぇ足が二足、横へビュンビュン走り回り、眼は天を突き抜ける!これ如何に。これいカニ!?」
ウェイな皆さんは顔を見合わせる。
「「「カニ以外の何が!?」」」
「正か」
「違うの。正解は……ニンジャなの! イヤーッ!」
その時である! 突如として色つきの風が背後から襲いかかった!
「「「アイエエエ!?」」」
ウェイな若者たちはギリギリで一閃を回避! 回転ジャンプで降り立った祝は両手を胸の前で合わせアイサツする!
「ドーモ、サプライズニンジャです。観念してハイクを詠むの」
コワイ! 何がコワイかというと、突然アンブッシュしておいて「さあホラーだぞ怖がれ」と言いたげな顔がコワイ!
「おらぁそこにカニの天の川じゃー!!」
「「「アイエエエカニナンデ!?」」」
ライカはドバッとドローンを放流! 頭上を埋め尽くすカニ! 足元を埋め尽くすカニ! 襲いかかるニンジャ! 狂気!
「逃げるがいいの! イヤーッ!」
「カニーッ!」
「「「アイエエエエエエ!」」」
全力疾走する若者たち! 周囲はいつのまにかニンジャ屋敷風に変わっており、ふすまや障子からカタナ・クナイ・カニのハサミ・カニそのものなどが飛び出すのだ! アナヤ!
「「「これ絶対違うホラーだろー!!」」」
ウェイの皆さんは別の意味で心臓バクバクになっていた。そりゃそうである。
……狂気のニンジャ&カニエリアを抜けた一行は、まず異様なまでに冷気に気づく。
「いちま~い……にま~い……」
「ね、ねえこれって」
「ああ、わかってる。言うなって」
「さんま~い、よんま~い……」
どこからともなく聞こえる皿を数える声にびくびくする一行。声は井戸の中から聞こえる……。
「……あれ? 何枚目がないんでしたっけ?」
おや? 声の様子がおかしいぞ?
「くっ、わかりません……誰か教えてください! そこのあなたたち!」
「「「ウワーッ!?」」」
どうやらマジで話のオチを忘れたらしいイズルが井戸からシュポーン! と飛び出してきたもんだからマジビビリするウェイの皆さん!
「「「よくわかんないけど逃げろ! 絶対ヤバい!!」」」
「待ってくださいって! あのお皿何枚目がないんでしたっけ!? 20枚目!?」
「「「絶対止まるなー!!」」」
全力疾走だ! 狂人に捕まったら終わりだからだ!
すると彼らの前に人影二つ――いや、人ではない! あれは!
「おい、待てよ。お前ら……美味そうだなァ」
三度笠をくいと上げ、にやりと笑う咲菜! その隣に立つ人影は、KRAAASH!! 床におもいっきり金棒を振り下ろす!
「鬼だからね、人間の肉が食べたくて仕方ないんだ……!」
「おら、逃げろ逃げろ!」
實生だ! 鬼コンビはものすごい勢いでウェイの皆さんに襲いかかる!
「「「ギャー命の危機!!」」」
咲菜は妖刀ギラギラさせてるもんだから完全に生命の本能的な意味で恐怖を煽っていた! ウェイの皆さんはさっきの疲れなんてどこにいったんだという勢いで逃げる! 逃げまくる!
「あれっ結構楽しいなこれ。ほーら待て待て!」
「はははは、鬼だぜ食っちまうぜぇ!」
刀と金棒を振り回して楽しそうに追っかけてくる奴らとか鬼でなくとも怖いのだ! ウェイの皆さんの心拍数はとんでもないことになっていた!
(「なにか色々違う気もするが、とりあえず分断はうまくいきそうだな」)
どこからツッコんだもんかと思いつつ、裏方としてしっかり仕事するエトヴァ。具体的に言うと薄暗い環境を利用して壁を素早く動かし、メンバーを分断してしまうのである。
「待ってください! お皿ー!」
「食っちまうぞォ!」
「ははは、これいいな! 床抜けないよねこれ」
(「……俺から見ても怖いなあの人たち」)
江トヴァは声を出さないように我慢した。
そして分断されたメンバーのひとりは、ひんやりした壁に出くわして足止めされる。
「さ、寒い! なんだここ、行き止ま……」
振り返ろうとした彼は、いつの間にか背後に白装束の女が立っていることに気づく――髪の合間から片目がぎょろりと覗いだ!
「ひ……!」
ひたひたとゆっくり忍び寄る女幽霊……! 震える若者は何も出来ない!
「あなたをずっと待っていた……」
赤い目の女幽霊との距離が縮まる……そして!
「……ねぇ、私……キレイ……?」
「……それ違うやつでは!!??!?」
「えっ!?」
ツッコミでレイの恐怖は台無しだった。
で、残りの若者たちはどうなったかっつーと。
「あ、みんなよくここまで来たね! もう少しで出口だよ!」
と、案内人として待っていたマティアスがにこやかに出迎える。
「お、終わりっすか? 助かった……!」
「うん、お疲れ様。けどここは対クロノヴェーダのスペシャリスト――CCTSが担当しているから、最後まで気を抜かないようにね」
「もう、疲れちゃって……」
マティアスの言葉も聞かず、その場にへたりこみそうな勢いの若者たち。マティアスは無言だ。
「と、とりあえず自販機とかあるとこ教えてもらえるっす、か……?」
男は振り返り、そして見た――顔のないマティアスを。
「――あーあ、だから気を抜くなって言ったのに」
「「「……ぎゃー!!!」」」
のっぺらぼうだ! 油断したところに恐怖を叩きつけられた若者たちはこけつまろびつ駆け出す! マティアスは追いかけようとしてすてーんとすっ転んだ!
「痛い! これ普通に何も見えない……!」
盲点である。まあ転んだところは見られてないんだけども。
そんなこんなでばらばらに脱出した若者たち。いつのまにか男性とはぐれていた若い女性も、ぜえぜえいいながら出口を抜けた。
「こ、怖かったぁ……ねえ、やばかっよねぇこの肝試しさぁ」
「…………」
「……え? あなた……だれ」
扉の向こうに佇んでいるのが自分のボーイフレンドでないことに気づき、女性は顔面蒼白になった。
俯いていた人影が顔を上げる。
「ネぇ 連レてッテ ョ……」
ぴしゃり。扉が勢いよく閉められると、その向こうからすさまじい悲鳴。
(「やっぱこのJホラーあるあるが、一番効くっしょ☆」)
なんだかんだ一番ホラーらしい成果を上げたのは、以外にも蒼葉だったようだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【アイスクラフト】LV1が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【泥濘の地】がLV2になった!
【熱波の支配者】LV1が発生!
【迷宮化】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
【猫変身】LV1が発生!
【飛翔】LV2が発生!
【完全視界】がLV3になった!
【フライトドローン】がLV2になった!
【浮遊】LV1が発生!
効果2【ダブル】がLV3になった!
【凌駕率アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV4になった!
【能力値アップ】がLV6になった!
【ロストエナジー】がLV3になった!
【反撃アップ】がLV5(最大)になった!
【アヴォイド】がLV4になった!