リプレイ
李・風美
連携アドリブ歓迎です
酷い、か。まあ骸を玩具にするんはええ趣味やないけど。
目的に対する手段であり作戦行動アルヨ。それにワタシ万屋。需要があれば答えるまで、ネ。
首が必要ということで、パラドクス【機械工作用電動マニピュレーター “コガネグモ”】を使用。
【トラップ生成】も合わせて使い、動きが鈍ったところを無心で、黙々と。分解(バラ)していきます。
かつて「同胞」の骸の山から部品を漁り生き永らえた時期があるため、
機械の血肉が散らばる光景は見慣れたもの。
「おつかれさん」
クロエ・アルニティコス
私としては拒否感を覚える理由が分かりませんね。
まぁ、そういうものだということは心に留めておきましょう。
他の方の不興を買うのも今後の活動に支障がありますから。
とはいえ、今回は気にすることはないのでしたね。
命があるのかも分かりませんが、全員殺して晒しましょう。
【ラードーン・ローザ】を使用し、ラードーンを象った怪物を作り出します。捨て身で吶喊してくるどたま割り人形を100の首を模した茨で絡め取り、その腕、足と解体し、最後に首をもぎ取ります。
この程度、どうということはないでしょう。亜人により私が受けた苦痛と比べれば……
私は苦しみの中で死にました。だからお前たちも同じようにしたい。
それだけのことです。
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
キマイラ達らしいな……影でさえ、殺意を振り撒いていた連中だ
ここまで来たら、何が出ても驚かないだろうさ
今は手掛りを少しでも得たい
周囲の地形を利用し、樹や霧に紛れるように忍び足で移動
周囲を偵察しつつ敵群を捕捉
味方とタイミング合わせ、霧に紛れつつ襲撃
【トラップ生成】で落とし穴、虎挟み、触れれば音の鳴るワイヤーなど設置し複数方向に気を散らさせ、混乱を誘って隙を突く
無数の刃を具現化し、赤き嵐で襲う
攻撃と共に、奴らの身にも首にも無数の傷を刻み込んでおく
味方と狙いを合わせて着実に倒そう
反撃には魔力障壁を張り身を護りつつ
直線的な動きはフェイント掛けてかわし、盾で妨害して噛み付きの接触を軽減する
ディアボロス達が地に降り立つのと同時。
ふわり、と。空気が揺れた。
白き陰影が、その濃淡が。空気の揺らぎさえ可視化させる深い霧が、ディアボロス達を包み込んでいる。
「自動人形の残骸を、陰惨な方法で晒す……か」
この白い光景を目にするのは、もう何度目だろうか。
小さく呟いたエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)の声は、その不穏な内容とは裏腹に静かなものだった。
調査を重ねてようやく見えたキマイラウィッチたちの影は、排斥力という名の分厚い壁越しでさえ、強烈な殺意を振りまいて来た。
そんなキマイラウィッチの影響を強める為には、陰惨な行為な必要だと言われれば。
エトヴァの中では、行為への是非を問うよりも納得の方が先に立つ。
「まあ、骸を玩具にするんはええ趣味やないけど……」
コスプレじみた丸眼鏡を、くいっと押し上げて。
李・風美(胡乱でチャイナな瓶底眼鏡・g00381)は、その分厚過ぎるレンズの向こうから仲間達の様子をちらりと窺う。
「目的に対する手段であり作戦行動アルヨ」
うんうん、と。
頷きながら零す芝居がかった片言は、どうにも胡散臭く聞こえてしまうけれど。
「ワタシ万屋。需要があれば応えるネ」
もしも気が進まないと言うのなら、自分が引き受ける事も出来ると。
仲間達への気遣いを軽い口調の中に隠して、風美はニヤリと口元に笑みを作る。
(「……私としては、拒否感を覚える理由が分かりませんね」)
そんなやり取りを静観していたクロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)は、胸に湧く疑問に小首を傾げつつ。
彼女の青い視線は逸る気持ちを表すように、倒すべき敵の姿を求めて霧中を探る。
クロノヴェーダは、人の命も尊厳も。全てを奪い、踏みにじるような連中。
倒す事は当然として、その骸が他のクロノヴェーダを倒す為の踏み台になると言うのなら、むしろ都合がいいと思うのだけれど……。
どうもディアボロス達全員が、そう思っている訳ではないと言う事は、この微妙な空気からも理解できる。
(「まぁ、そういうものだということは心に留めておきましょう」)
ゆえに、クロエは唇を一文字に。
時には沈黙も、円滑なコミュニケーションには必要だと、口を噤んでおく事にする。
「……メイレ……ヲ」
だが、ふと霧の奥から聞こえた声に、杖を握るクロエの手には力が籠る。
(「とはいえ、今回は気にすることはないのでしたね」)
胸の奥で、どす黒い炎のような感情が騒めくのと同時に、少しだけ安堵した。
作戦として推奨されている行動ならば、誰に遠慮する必要もない。
(「命があるのかも分かりませんが……」)
肉の器を持たぬ人形であれば、血肉が飛び散る事もない。
より陰惨にと言うのなら、多少やり過ぎるくらいで丁度良いだろうと。
涼やかな青色の瞳に宿る光は、殺意の色をしていた。
●
圧迫感さえ覚える程の、濃密な霧の中。
敵影を見逃さぬよう、ディアボロス達は慎重に歩を進めてゆく。
「テッタイスルノダ!」
「シカシ、ミチガワカラヌゾ」
「シキカンドノ。ワレワレハ、ドウスレバ……」
視界は最悪であったが、捜索対象……クロノヴェーダ『どたま割り人形』の無思慮な言動が、結果としてディアボロス達を導いた。
霧に浮かぶ微かな影では、はっきりとした人数は分からないが。それでも、やるべき事をやるのみだと。
紫の瞳と視線を交わして、エトヴァは集中を高めてゆく。
初手は任せて欲しいと、仲間達へ手振りで伝えれば。
金髪の青年が頷き応えるのを目に、高まるエトヴァのパラドクスが周囲の空間を罠地帯へと書き換えてゆく……。
静寂は、ほんの数秒。
耳を劈く警報が、ディアボロス達に開戦の時を告げる。
「ナニゴトダ!」
「テキシュウカ!?」
生成されたトラップから、次々と上がる警報に。
「ダレカ、キュウエンヲ!」
落とし穴に嵌った者達の悲鳴が加わり、どたま割り人形達に瞬く間に混乱が伝播してゆく。
「自我が薄い事が仇になりましたね」
冷たく響いた言葉と共にクロエの掌でころりと、小さな種が転がった。
魔力を注がれ、底知れぬ感情を注がれて。
その種はひび割れ、芽吹く。
それは早回しの映像を見るように、茨は伸びて絡み合い。現れた植物の怪物が、どたま割り人形へと喰らい付く。
「ヤ、ヤメロ! ハナセ、ハナセェェェ!!!」
「この程度、どうということはないでしょう」
恐慌状態で喚き散らすどたま割り人形に、クロエは冷たく言い捨てる。
亜人からクロエが受けた苦痛は、絶望は、こんなものでは無かった。
今思い出しても吐き気を催す、あの地獄に比べれば。一思いに絶命させるなんて、あまりに優しすぎるから。
「お前たちも同じようにしたい。それだけのことです」
「ヤ、ヤメっ……」
クロエの掲げた杖に呼応して、怪物の牙がゆっくりと。人形の四肢をかみつぶしてゆく……。
「ナンジャ、アノカイブツハ!?」
霧中より突如現れた正体不明の怪物に、人形達が気を取られている隙に。
エトヴァは静かに、その背後へと回り込む。
その青い双眸に映るのは、混乱の中に立ち尽くす人形達のあまりにも無防備な背中。
呼び出した紅刃のケペシュを放てば、その首を落す事は容易であろうが。
(「手掛かりは少しでも得たい」)
仲間達と調査を進め、討論を重ねて。
今ようやく、霧の向こうへ指先が届こうとしているのだ。
ならばこの好機を、確実に物にするのだと。
放つ紅刃は螺旋を描きながら、霧諸共に人形達の体を切り刻む。
「ギャっ……」
悲鳴は短いものだった。
上げる筈であった声さえも、赤い嵐の中に呑まれていた。
間髪入れずに、エトヴァは指輪の力を解き放ち、身構えるものの……反撃は無い。
どたま割り人形の性質に合わせて的確な先手を打てた事が、ディアボロス達に大きなアドバンテージを齎していた。
「これは、これは……」
仲間達の猛攻に、バラバラと振り落ちてくる人形達の手足を見つめて。
風美は、残骸にぶつからないよう一歩、二歩、距離を取る。
ごろりと、無造作に地面を転がる手足に既視感を覚えてしまうのは、何だか皮肉なものだと。
袖で隠した口元が、小さく歪んだ。
……同胞の骸を漁って、命を繋いだ事がある。
機械の血肉を踏みしめ、登り。かき分け。要らぬものを投げ捨て、要るものを奪った。
命を繋ぐ為には、先に進み続ける為には、残虐も陰惨も時には必要なのだと知っている。
これは、既に見慣れた光景。
ならば今更、躊躇う事もない。
「……仕事の時間アル」
高めたパラドクスの力で、罠地帯を更に押し広げて。風美の足は地を蹴った。
翻る長い袖から、響くのは駆動音。
「ナ、ナニヤツ!?」
人形の上げる驚愕の声に答える事もなく、風美は腕を振るって。
その袖口から飛び出したのは、機械の腕……マニピュレーター。
唸りを上げるドリルが、丸鋸が。どたま割り人形の関節部を切りつけてゆく。
「オ、オノレ!」
剣を抜こうとした人形の腕を、ゴリゴリと。ドリルが穴を穿つ。
退く事は許さないと言わんばかりに、片足を鋸で刻めば。体勢を崩した人形に、もはや生存の道はない。
「クソ、ヤメヨ! ヤメっ……」
懇願の声にさえ、何も答える事は無く。
ただ機械的に、風美の手繰るツールは的確に人形の体を解体してゆく……首だけを、綺麗に残して。
「……おつかれさん」
物言わぬ骸と化した人形に、ようやく風美が発した言葉は。
どこか空しく、霧の中へと消えていった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】LV2が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV2が発生!
括毘・漸
さっさと引導を渡してやりましょうか。
ふらふらと彷徨う苦しさは辛いものですからね。
とは、言いましたが首が必要なのは事実。その首が貰い受けます。
霧に紛れるように息を潜め身を屈め、敵を待つ。
敵の彷徨う足音が聞こえても、こちらの焦らず慌てず、ゆっくりと三振りの刃を引き抜き、サーベルを咥え、ナイフを握った両手を地面につける。
じたばたするな、藻掻けば傷は酷くなります、スッパリといきましょう。
機を逃さず、四肢で地面を駆ける。
三振りの刃を振り下ろし、相手の両手と首を胴体から斬り落とす。
冷酷に冷徹に刃の鋭さで身体を断ち、彷徨う足を止めさせる。
恨み辛みはあの世でやってください。そんなもん聞いてる時間はないのでね。
一里塚・燐寧
きみ達は命令が無いと動けない指示待ちくん人形みたいだねぇ
よーし、それじゃあたしから一つ命令しちゃおう!
……今から、出来るだけ無惨に死んでもらってもいいかなぁ?
笑顔を浮かべて≪テンペスト・レイザー≫を振るい、嬉々として戦うよぉ
そんなに強くない敵なら、ヨユーを持っていたぶれるねぇ
『デモリッシュアーツ』を発動!
巨大なチェーンソー剣を軽々と振り回す芸術的な手さばきを発揮して
四肢までも解体してバラバラにしたり、鼻先を削ぎ落したりしてから
首を薙ぎ払い胴体と泣き別れにしてトドメを刺そう
あはは、自分がどたま取られることになるなんてねぇ!
反撃の近接武器は得物の分厚い刀身を盾代わりにガード、傷を最小限に抑えるよぉ
「シキカンドノ、ドチラニオラレル」
「アァ、ドウカメイレイヲ……」
先の見通せぬ、咽ぶような濃い霧の中。
無機質な声がこだまする。
「どうやら、命令が無いと動けない指示待ちくん人形みたいだねぇ」
唄うように軽やかに。
けれど、どこか侮蔑を含んだ声色で、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)はくすりと笑った。
進む事も退く事も、自分では選べない哀れな人形。
せめて少しでも思慮と言うものがあれば、ペラペラと口を開いてディアボロス達に居場所を知られる事も無かったのだろうが。
「さっさと引導を渡してやりましょうか」
何にせよ、探す手間が省けたのは都合が良いと。
括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)は、静かに。ゆっくりと、サーベルに手を掛ける。
(「ふらふらと彷徨う苦しさは辛いものですからね」)
物音を立てぬように、呼吸を殺して。
事さらにゆっくりと刃を抜いて、胸の奥に騒めく衝動を無視した。
戦いを前にして血が沸き立つような感覚を、穏やかな表情の下で抑え込み、焦る必要は無いのだと。
己に言い聞かせ、漸は牙を備える。
磨き抜かれた爪は、そっと地に付け。低く屈んだ姿勢のまま、手足に神経を集中させれば。
号令を待つ猟犬のごとく。キリキリと筋肉は縮み、力を解き放つ時を待つ。
青髪の仲間からの合図に、何時でもいけると頷きを返せば。
仲間が展開した罠領域から警報が鳴り響くのは、ほんの数秒後の事。
●
「ナニゴトダ!」
「テキシュウカ!?」
「遅いよぉ!」
鳴り響く警報の音さえも、騒音で切り裂きながら。
燐寧の振るう鎖鋸剣……『テンペスト・レイザー』が、どたま割り人形へと振り下ろされる。
自我が薄いがゆえに判断の遅れた人形に、これを避ける術など無い。
「アギ、ギガガガガガガガ……!!」
それは、一刀両断等と言う生易しい攻撃ではなく、破砕し削り取る力。
爆ぜ飛ぶ人形の欠片が、体を叩くのを感じながらも。お構いなしに燐寧が刃を押し込めば……まずは腕が一本、宙に舞う。
「アァ……コウセン、キョカヲ……」
桃色の髪を靡かせ、くるりと体勢を返して。
再びテンペスト・レイザーを振り上げる間に、聞こえた呟きに。
本当に、憐れな人形だと。
まるで、いつかの誰かのようだと。燐寧の唇から、嘲るような笑みが零れる。
「よーし、それじゃあたしから一つ命令しちゃおう!」
戦いの最中とは思えぬ明るい口調とは裏腹に、赤茶色の瞳に宿るのは獰猛な光。
「……今から、出来るだけ無惨に死んでもらってもいいかなぁ?」
袈裟斬りの一線は、どたま割り人形の残る腕を千切り。胴を抉って。それでもまだ止まらない。
細腕で返す刃は、足を捉えて。バランスを崩した人形がたたらを踏む間に、その太腿から斬り上げれば。
鋸の刃は綺麗に、人形の鼻先を削ぎ落した。
ぐらりと、人形の体が傾ぐ。
「ア……ギ……」
途切れかけている悲鳴は、人形の命が付きかけている事を示しているが、燐寧にとってはどうでもよい事。
「あはは」
戦場には似つかわしくない、満面の笑みを張り付けて。
「自分がどたま取られることになるなんてねぇ!」
燐寧の振り下ろした刃は、一層高い音を上げ。人形の首へと喰らい付いていた。
「イッタイ、ナニガオコッテオルノダ!」
騒音と少女の笑い声が響く中、大地を蹴るディアボロスが居た。
「ケ、ケモノカ……?」
霧に紛れ、地を滑るように動く影に、どたま割り人形が困惑するのも無理はない。
人と断ずるには、それはあまりにも体高が低すぎた。
「じたばたするな」
人形の耳に不意に届いた声は、やはりとても低い位置からのもの。
「オマエハ、ナニモノダ!」
だが人形が振り返ろうとする時には、その影は……漸は、既に両の手足で強く地面を蹴った後だった。
紛れた霧中より、猟犬のごとく飛び出した漸の咥えた牙が、握る爪が。
三振りの刃が、どたま割り人形へと奔る。
さっさと引導を渡すのだと、宣言した通りに。
足掻く暇も与えずに、鋭い爪が人形の両手を落す。
同時に奔る、三振り目の牙は……。
(「……とは言いましたが、首が必要なのは事実でしたね」)
体ごと回転させて振り抜いた最後の刃は、人形の首に一線を引いた。
ザザザザザ……と。
手足を踏ん張り、勢いを殺しながら着地した漸の視線の先で、人形の体がゆっくりと倒れてゆく。
「アァ……ギギ、ギ……」
悲鳴とも呻きとも付かない声を上げて、人形の体が倒れ伏せば。
その衝撃に、ころりと。胴と泣き別れた首が、地を転がる。
「……恨み辛みはあの世でやってください」
突き放す漸の言葉に、人形からの返事は無い。既に事切れている。
ならばこれ以上、割く時間は無いと。
「……この程度の敵なら、ヨユーを持っていたぶれるねぇ」
共に戦う少女の声を耳に、漸は再び、その四肢で霧中を駆けるのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【平穏結界】LV1が発生!
【建物復元】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!
エトルリア・メイオール
連携、アドリブは歓迎だぜ
この霧……なんだか寒気がするな
用心してかかるとしようぜ
敵に相対したら、まずはどう出るか見極めてやる
なるべく速く少ない動きで戦うため、片手用の手斧で応戦だ
基本は速さを活かして背後や真下に回り込み斬り込んでいくぜ
隊列を組んで攻撃してくるなら、魄竜の瞬発力で隊の内側等の死角に飛び込んで撹乱するぜ
これ後で使うらしいから、必要以上に破壊しちまわねえよう、不意討ちで正確に首だけを落とすぜ
囲まれたり噛まれたら被害はでかいからな
観察した情報をもとに予備動作を見切って確実に攻撃を躱すぜ
敵の情報や戦況は随時味方に連絡していこう
味方を狙う敵はそっちに注意が行ってるうちに不意討ちで仕留めるぜ
ラズロル・ロンド
キマイラウィッチがどんな勢力かは気になるね
これまでの調査でも不穏な雰囲気はあったし…
対策を考えるにはまずは相手を知らなくては
ふ〜ん、陰惨に陰惨に……
あまり趣味じゃ無いけど、それが必要ならやってあげようか。
何事もなりきるには極めたいタイプ
何より相手がクロノヴェーダなら躊躇も何もない
霧の中からゆらりと忍び込むように背後を取り手足に蹴りの一閃を入れ部位破壊を狙う
嬲るように少しずつ痛めつけるように
おっと、頭は残しておかないとか…
恨めしいか?
解る。僕もだよ。
クロノヴェーダは恨めしいのさ
最後に胸部に蹴りを入れ止めを刺していく
反撃は魔力障壁で防御か飛び退いて範囲から逃れる
山田・菜々
こういう姿を見ると、もの悲しいものはあるっすね。でも作戦のためっす。許してとは言わないっすよ。これが戦争っすからね。
拳にまとわせた電撃をふりまくことで動きを封じるっすよ。
自動人形町駅の痛覚がどうなってるかは知らないっすけど、せめて楽に死ねたらいいっすね。
警報が響く、霧の中。
どたま割り人形達に広がった混乱は、収束するどころか益々伝播してゆく。
「イッタイ、ドウスレバヨイノダ……」
呟くどたま割り人形の背後で、ふわりと。
揺蕩う霧の向こう。ラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)は、アメジストの目を細めた。
視線で合図してくれた『彼』が罠地帯を発動してから、流れるように攻めたディアボロス達の攻勢によって、人形達の趨勢は既に決したと言っていい。
己の気配を霧に馴染ませるように、息を殺して。
ゆっくりと歩を進めれば、ラズロルの目に、人形の姿が徐々に鮮明になってゆく。
その背中をハッキリと捉えられるまで近づいてもまだ、人形はラズロルの接近に気付かない。
気付ける程の余裕も、冷静さも、既にディアボロス達の手で奪われている。
ラズロルの足が、地を蹴った。
風を纏う蹴撃は、霧を裂いて。人形の腕を捉えれば。
「ナンジャ!?」
不意の衝撃に前のめりに傾ぐ人形へと向かって、トントンと。
ラズロルの足は、軽やかにステップを踏む。
その身は、猫のようにしなかに。くるりと宙で身を回し、二撃目の風刃が人形の肩へと喰い込んだ。
十分な手応え……いや、足応えはあったけれど。
(「陰惨に……ね」)
この戦いの目的は自動人形を倒す事ではなく、キマイラウィッチと見える為の準備をする事。
より陰惨な状況を作るのに、痛ましい人形の残骸は多いに越した事は無い。
(「あまり趣味じゃ無いけど」)
地に降り立つ、軽やかな身のこなしとは裏腹に。少しばかり、気が重い。
それでも、振り返るラズロルの目に躊躇いの色は無く。
体勢を切り返すのと同時。振り下ろされた踵は、伏した人形の膝を砕いた。
これまでの調査も、そして今回の調査方法も。
キマイラウィッチの周囲には、どうにも不穏な雰囲気が漂っている。
その対策を考える為に。相手を知る為に、必要な事ならば。
気の進まない行為だからこそ、徹底的に。完璧にやってみせると。
目にも止まらぬ蹴撃の嵐が、人形の破片を周囲にぶちまけてゆく。
「オ……オノレ、ディアボロスドモメ」
「これだけやられれば、さすがに応戦してくるよな」
白い霧の中に、柔らかな新緑の髪を靡かせながら。
体躯に見合わぬ巨大な斧……『勇将の斧』を手に、エトルリア・メイオール(ロストロード・g01211)は銃を構える人形達へ向かって足を踏み出した。
無策の突撃……では、ない。
仲間達が戦闘を始めてから、ずっと。どたま割り人形達の動向は、この目に焼き付けていた。
その境遇ゆえに、理論とか分析とか。そんな言葉は知ったこっちゃないエトルリアだが。ようやく反撃してきたとはいえ、相手は弱腰。
ならばここは大胆に動くべきだと、これまでの戦いの経験が、本能がそう告げている。
(「つまり突撃だ!」)
解き放つパラドクスの力が。解放された竜の力が、エトルリアの心臓を高く鳴らす。
熱い血潮と共に、手足の先まで力が巡るのを感じながら。
「ウテ! ウテェ!!」
エトルリアが地を蹴るのと、人形達が銃の引き金を引くのは同時。
不可視の超常の力がぶつかり合った刹那、幾つかの銃弾がエトルリアの肌を裂いて通り過ぎてゆく。
付けられた傷口に残る、肌を焦がすような熱い痛みを無視して。
エトルリアの足が強く踏みしめた地面は、既に人形達の目と鼻の先。
瞬き一つの間に。一足飛びに距離を詰めたエトルリアが、巨大な斧を振るう。
轟、と。
怪物が唸るような音がした。
力のままに、勢いのままに振るわれた巨大な刃は、霧を巻き込み。砕き散らせながら。
どたま割り人形の首を捉える。
「おらぁ!」
ずしりと重い手応えが、その手から肩に伝わるのを感じながらも。
構わずに斧を振り抜けば。
「カハっ……!」
打ち上げらえた人形の体は、空中でバラけて。
パラパラと地面に降り落ちる。
「こういう姿を見ると、もの悲しいものはあるっすね」
人形達の千切れた手足が、多数の破片が地に落ちて。
コロコロと転がる様をその目に、山田・菜々(正義の味方の味方・g02130)が小さく呟く。
自動人形特有の無機質な破片は、まるで投棄されたゴミのようで。
ほんの数分前。意識を持って動いていた時の姿を知る身としては、いかに敵とは言え憐れに見える。
(「でも作戦のためっす」)
残る人形へ向かって踏み出した足に、パキッ……と。
人形の残骸を踏んでしまったのだろう感触を、菜々はあえて無視した。
仲間達と共に、既に多くのどたま割り人形を倒している。
戦場に散らばった人形の残骸は、細かいものを含めれば、既に数え切れるものでは無く。これ以上、踏まないように戦う事は不可能だった。
「……許してとは言わないっすよ」
世界を奪い合う戦いの賽は、既に投げられたのだから。
これ以上は、何も奪わせない。
家族を失わないためならば、どんな相手であろうとも戦う覚悟は出来ている。
例え踏み出すこの足で、敵の屍を踏む事になろうとも。
「これが戦争っすからね」
霧の奥に微かな人影を捉えて。
菜々の足は、人形の欠片諸共に地を蹴った。
解き放つパラドクスの力が、雷へと変わり。強く握った拳へと宿る。
眩い雷光で、霧を照らしながら突き進む様はまさに。雷雲に瞬く雷のごとく。
振るう拳は、無慈悲なまでに正確に。どたま割り人形の胴体を捉えた。
閃光。
常識で言えば、雷を通さぬだろう木質的な人形の体も、超常の力であるパラドクスには関係ない。
目も眩む雷光と共に、人形の体は焦げ臭い煙を上げて。ぐらりと傾ぐ。
「これで終わりっすよ!」
その倒れる様を、最後まで見る事なく。
菜々は駆け抜けるままに、奥に控えた人形……恐らくは、最後の一体へと迫る。
(「自動人形町達の痛覚がどうなってるかは、知らないっすけど……」)
再度振りかぶる拳に宿るのは、先程以上の激しい雷。
敵であるどたま割り人形に、菜々が出来る精一杯の譲歩。あるいは、手向けに。
「せめて、楽に死ねたらいいっすね」
放つ全力の雷撃が、人形の体を焼き貫くのだった。
「アガガ……ガガ、ガ」
倒れ伏した人形の体が、カタカタと震えている。
全身を蹂躙した雷の余波か……人間で言えば、脊髄反射のようなものだろうか。
あの攻撃を受けて、再び立ち上がって来るとは思えないが。
確認の為に人形へと近づいたラズロルは、その体を見下ろして目を細める。
(「恨めしいか?」)
口で問う事はしなかった。
返事は最初から、解っているから。
(「僕もだよ」)
声の代わりに、振り下ろした足が人形の体を砕けば。
人形の震えは止まり、それきり動く事は無かった。
「これで全部片づけたっぽいな」
人形達の骸を、これ以上破壊してしまわないように。
残骸を避けながら、ぴょんぴょんと移動してきたエトルリアは、大きな怪我もない仲間達の姿を目にして、大きく息を吐く。
これだけ激しい戦いの後でも、霧は全く晴れる事はなく。
こうして近くに来なければ、仲間達の無事さえ碌に確認できない有様だと。苦い笑いを零しながら。
(「それにしてもこの霧……なんだか寒気がするな」)
人形達を殲滅しても、まだ消えない嫌な感覚に。
「この先も、用心してかかるとしようぜ」
緩んだ気を、再度引き締めながら。エトルリアは仲間達に、そう声を掛けるのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【傀儡】LV1が発生!
【水面走行】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!
【ダブル】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!
クロエ・アルニティコス
いけませんね。またやってしまいました。
磔にするために胴体を残しておくのも良いかと思ったのですけれど、ついバラバラにしてしまうんですよね。
まぁ、これはこれで使いようがあります。
杭を十字に組み合わせ、その上部にどたま割り人形の首を、右部には右手を、左部には左手を刺し貫かせて、自動人形を素材にした案山子のようなものを作ります。
もし素材が余っていれば複数の首を刺し貫かせたり、あるいは腕があるところに足のパーツを付けたり……敢えて綺麗な形を作らず、異形の姿にすることで晒しものとしましょう。
晒す残骸の案山子が作れたらそれを掲げて霧の向こうへと進みます。
お前たちの憎悪、見せてもらいましょうか。
一里塚・燐寧
ギロチンってゆーのは、受刑者が苦しまずにぽっくり死ぬ「人道的」な処刑器具として人気になったらしいねぇ
……まー確かに、こーゆームダに残忍な処刑がまかり通ってた時代からすると、随分と優しいしスマートかな?
さーて、ギロチンの時代から、残酷のまかり通る時代に行っちゃおっか
まずは切り取った敵の頭から眼球のパーツをくり貫いたり、無理なら削り取ったりして無惨さを演出
それから新宿島から持ち込んだ立て看板に、切り取った敵の頭と腕と脚を縄でくくりつけるよぉ
まるで看板に磔にされてるような感じに仕上げたいねぇ
あちこちに見せつけるように看板を揺らしながら、敵領域に向けて行進だよぉ
いやー、よいこには見せられない光景だねぇ
投げ出された手足に、砕かれた体……そして、無造作に落ちている首。
死屍累々の光景を前にして、クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)は溜息を吐く。
「ん? どしたの?」
そんなクロエの様子に、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は首を傾げて目をきょとり。
人によっては、見ているだけでグロッキーになる状況である事は確かだけれど。
落ち着いているクロエの表情を見るに、そういう訳でもなさそうな気がする。
「……またやってしまいました」
憂い気に呟く、クロエいわく。
こうして残った人形達の残骸は、ひび割れていたり、抉れていたり。
果ては、元の部位さえ判別できない程に砕かれていたり。
「つい、バラバラにしてしまうんですよね」
意識して、首は残すようにしたものの。それ以外の部分については、見ての通りの有様で。
敵とは言え、遺骸はきちんと葬ってあげたかった……とか。そんな話では一切なく。
「磔にするために、胴体を残しておくのも良いかと思ったのですけれど……」
使える胴体が残っていないのが、少し残念なのだと。
再度、クロエの唇から溜息が零れれば。
「そういう話かぁ」
なるほど、と。
妙に納得した面持ちで、燐寧は人形の首を一つ拾い上げる。
「綺麗に胴体も残るってなると、ギロチンみたいな感じかなぁ?」
人形の首元に、指で一線を引いて見せながら。
燐寧は、ギロチンについて語り始める。
「あれって、受刑者が苦しまずにぽっくり死ぬ『人道的』な処刑器具として人気になったらしいねぇ」
それは、巨大な刃を高く上げ、その重量と高さを以て一瞬のうちに首を落す処刑器具。
早く効率的に、そして確実に命を絶つ事ができる、お優しい人の殺し方。
それに対して、無慈悲な傷が多数刻まれた人形の頭部を、燐寧は指で示しながら。
場にそぐわない無邪気さで、笑ったかと思えば。
「……まー確かに、こーゆームダに残忍な処刑がまかり通ってた時代からすると、随分と優しいしスマートかな?」
でもさ、と。
呟く唇が、ニヤリと歪む。
「今回に関しては、優しいとかスマートとか……必要なさそうだよねぇ?」
「そうですね」
霧の向こうへと踏み込む為には、より陰惨に人形の残骸を晒す必要がある。
バラしてしまったものは、致し方なし。
(「まぁ、これはこれで使いようがあります」)
燐寧の言葉に、一つ頷いて。
作るべきものの完成図を思い描きながら、クロエは霧中を歩き残骸を物色してゆく。
形の残っている頭部を幾つかと、それから手足も何本か……折角なら、より惨い傷が残っているものが良い。
「さーて、あたしも残酷のまかり通る時代に行っちゃおっかな」
躊躇いなく残骸を選び取ってゆくクロエの様子に、大作の予感を感じながら。
自分も負けていられないと、燐寧は人形と頭部と睨めっこ。
霧の向こうまで届く程の陰惨さが必要だと言うのなら、やはり。
一目見た瞬間のインパクトが、大事になる気がするから……。
目は要らない。
歯も、口ごと大きく削り取った。
単純すぎる作りの手足は剥ぐ爪も無いので、そのまま縄を結わえて。
持ち込んだ看板に、それぞれの部位を括りつけてゆく。
一方でクロエもまた、十字の喰いに様々な部位を突き刺し、継ぎ足し。
作り上げた案山子のようなものを仕上げてゆく。
クロエ自身『ようなもの』と表すのは、案山子と呼べるほど綺麗に作るつもりがないからだ。
そもそもそれには、頭が三つもあった。
首の上に二つ。人間で言えば腹と呼ぶべき位置に、逆さまに一つ。
手は足の位置に、足は手の位置に付けられ。破損の大きな部品には、強引に異なる部位が継ぎ足されている。
(「こんなものでしょうか……」)
淡々と。
この地に降り立った時からほとんど変わらぬ表情で、最後の部品を突き刺したクロエの前には……キマイラウィッチを確実に捉えて見せると言う執念が生み出した、恐るべき異形が出来上がっていた。
「いやー、よいこには見せられない光景だねぇ」
括りつけた部品が落ちないように、ギュッギュ……と。
縛る縄を、締め直しながら燐寧がケラりと笑う。
クロエとは対照に、本来の姿に近しい配置で看板へと括りつけられた残骸は、見る者に、あえて元の姿を想起させる事で陰惨さを演出している。
このような看板が霧の中から現れれば、良い子どころか、大の大人でも悲鳴を上げて腰を抜かすだろう。
あとは、他の仲間達が準備を終えるのを待って、これらを掲げて歩くだけ。
「お前たちの憎悪、見せてもらいましょうか」
これだけ手を掛けたのだ。
キマイラウィッチ達は絶対に反応してくると、クロエの中には既に確信がある。
どことなく、不穏な気配が強まり始めた気がする霧の奥を見つめながら。
ディアボロス達は、行進の時を待つのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】LV2が発生!
効果2【凌駕率アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
李・風美
連携アドリブ歓迎です
さぁて。“首”でやること、一つしか浮かばないネ。
霧の中へ持ってきた首を周囲へ転がし、【偏竹林・竹箆返し】を使用。
増殖させた竹槍で首を次々に刺し貫いて、晒し首の出来上がり。
首はただの残骸でしかない。という認識で
敵を弔う気もないので至ってドライですが。面白いもんでもなく。
細工は流々、と……。
釣れてくれんと困るけど、これで釣れるんもなあ。ったく……。
エトルリア・メイオール
連携、アドリブは歓迎だぜ
なるべく陰惨に、ね……
趣味が悪いなんてモンじゃねーが、これも世界を守るためだ
森竜の力で戦場に木の根を張り巡らし操って、人形の残骸を晒すぜ
首は根の先端に突き刺し、高々と晒し上げるぜ
断面から脳天へ、または眼孔へ貫通させてできるだけ残酷に
四肢が残っているものがあれば胴と四肢に根を巻き付け、引きちぎって四つ裂きに
有るかは知らないけど腹を裂いて中身を垂らし、四肢と臓物のカーテンを築き上げるぜ
原形はギリギリ残して刑死者が誰なのかくらいは分かる状態に
これで森の神様の怒りを買った冒涜者、みたいな雰囲気にできたろ
大切なものを守るためなら、神様の真似事だってしてやるさ
問。
ここに、自動人形の残骸が沢山転がっています。
主に、頭部が多く転がっています。
これから、出来るだけ陰惨な方法でこれ等を晒すには、どうしたらよいでしょうか?
(「……答え、一つしか浮かばないネ」)
これ程までに、答えが分かりきっていて。しかし、分かりたくもない問題も珍しいと。
袖で口元を隠しながら、李・風美(胡乱でチャイナな瓶底眼鏡・g00381)は溜息を吐く。
当然ながら、気は乗らない。
しかし、ここだけ人に任せるという選択肢も、風美には無かった。
既に引き受けた仕事だ。
受けたからには、きっちり最後まで対応するのが商売人と言うもの。
お客様の信頼は、コツコツと。地道な仕事の積み重ねから……と。
極力、心の中を無にして。風美は人形達の首を拾い集めてゆく。
(「なるべく陰惨に、ね……」)
風美と同様に、形を保っている残骸を拾っていたエトルリア・メイオール(ロストロード・g01211)は、しかしそれ等を前にして頭を悩ませていた。
亡骸を晒すなど、趣味が悪いというレベルの話ではないが。しかしその点に関しては、既に覚悟は出来ている。
それが世界を守る為に必要な事ならば、うだうだ言わずに行動あるのみだ。
しかし問題なのは、『陰惨に』という部分。
具体的には、どうすれば陰惨になるのだろう?
陰惨な遺体の晒し方など、これまで考えてみた事もない。
やはり、人々を苦しめるクロノヴェーダに相応しく、罰が当たった……という雰囲気で行けば、それらしくなるだろうか?
むむむ……と。
唇を尖らせながら頭をひねるエトルリアの横では、風美が集めてきた首を地面に転がしている。
これは仕事と割り切るがゆえに、過剰なサービスは必要無いと。
風美の手は、竹管……『商竹売』を握る。
転がる首を見回して、最後にもう一度だけ。これは仕事なのだと、己に言い聞かせた。
同じ無機質な体でも、そこに意志が無ければただの残骸。
これらは既に、残骸なのだと。
風美の意思……パラドクスに応えて、その手の竹管が地面を穿つ。
地中に急速に根を張り。地上へと突き出した若芽は、天を貫くがごとく。
鋭い竹槍となって、人形達の首を貫いた。
針山の地獄絵図を描いた竹槍は、数秒の後。パラドクスとしての役割を果たして、霧のように消えてゆく。
残された首は、再び地面を転がって。穿たれた大きな穴を晒していた。
あとはこの穴に、木材や杭を通してやれば。悪夢のような串団子が、いくらでも作れるだろう。
「そうか。パラドクスを使えば……!」
風美によって穴の穿たれた頭部を目にして、キラリと。
エトルリアの目に、閃きという名の光が宿る。
世界を蝕むクロノヴェーダに、罰が当たるとすれば。それは想像を絶するような、大きな罰だろう。
きっと神様を本気で怒らせたのだと、誰もが思うくらいのもの。
そんな罰を再現しようと言うのなら、それに近しい超常の力を……パラドクスを使えばよいのだと。
エトルリアの中で高まる竜の力は、『自然』を司る力。
地に染み渡る、柔らかな雨の様に。解き放った力を大地に巡らせてゆけば。
芽吹く木々が、根を張り巡らせて。人形達の残骸を、侵食してゆく。
小さな傷から、するりと。根の先端を潜り込ませて。
傷口を押し広げながら、奥に、奥に。
残骸の内部を、砕き破りながら。曲がり、うねり。奇怪な穴を穿つ。
完全に破壊してしまわないよう、細心の注意を払いながら。
エトルリアは、人形の残骸に『神罰』を施してゆく。
神を気取るつもりなんて、毛頭ないけれど。
エトルリアの振るう手に合わせて、木の根が最後の残骸に特別大きな穴を穿てば。
パラドクスの効果は、ダメージを与えるという役割を果たして消えてゆく。
後に残されるのは、奇怪で、不可解で。常識外れな酷い傷を施された、無数の残骸たち。
あとはこれを木材に括りつけたり、周囲の植物で飾れば。森の神様の神罰を受けた不届きな冒涜者……そんな雰囲気に出来そうだ。
こんな自分の行いもまた、畏れ多いものだけれど。
無慈悲な神の真似事で、大切なものを守れるのなら。いくらでもやってやる……と。
己の心を鼓舞しながら、エトルリアは作業を進めてゆく。
一方で、風美もまた淡々と。
そのようにプログラムされた機械のように、最後の仕上げに入っていた。
自分の手が作り上げてゆく、悪夢のような代物を出来る限り意識しないように。半ば他人事のように見つめながら。
果たしてこれで、キマイラウィッチは釣れてくれるのだろうかと。一抹の不安が過る。
(「釣れてくれんと困るけど……」)
釣れたら釣れたで、釈然としないものが残るのは確かだろう。
どういう神経をしているんだと問うた所で、クロノヴェーダからまともな回答が得られるとも思えない。
分厚いレンズの奥から、やや遠くを見つめながら。
「ったく……」
風美の口からは、再度溜息が零れるのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【迷宮化】LV1が発生!
【土壌改良】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV4になった!
【能力値アップ】がLV2になった!
括毘・漸
さて、上手い具合に両手と首を斬り落とせましたしこれを掲げればいいんですね。
より陰湿にそして惨忍にねぇ…。
こういうときは、高くして見やすいようにしときましょうかね。
所持している【伸縮式銀杭・楔撃ち】に両手が十字になるようにぶっ刺して、頂点に頭がくるようにこれもぶっ刺す。
う〜む、我ながら冒涜的な十字架ですね。
見る人が見たらそれこそボクが磔にされそうですが、これも必要なことですしご勘弁です。
高くしたものの霧の中じゃ見ずらいですね。
じゃ、燃やすか。
身に宿す橙色の炎である【衝動の熾火】で火をつけて霧の中でも目立つように高く掲げます。
霧の中からは鬼が出るか蛇が出るか…まっ出てくれなきゃ困るんですけどね。
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
切り刻んだ痕のある首を利用するが
足りなければ、剣で再度切り傷をつけておく
首に油をかけて燃やし、新宿から持参した獣の血をかけて、血の匂いを振り撒き
長槍に首を刺して、高く掲げて行進
首に細い布を巻いて、血が滴るようにする
もし外れた帽子や装備品などが残っていれば、血をまぶして首の下にぶら下げておこう
首が樹にぶつかっても気に留めず行進
魔女のサバトを思うのだが……
これがキマイラウィッチどもが好む饗宴というわけか……悪趣味だな
案内人さんの話を思い返し
キマイラ達が、人々の恨みや憎しみのエネルギーを利用するならば……あちらもよほど状況は悪いのだろうな……
さて、人形達の怨嗟は届いているだろうか……
鋭い爪を鞘へ納めれば。霧の中は、静寂で満たされてゆく。
後に残されたのは、解体された人形達の残骸だけ。
関節部を狙って切り離された断面は、滑らかなもので。組み立て前のパーツだと言われても納得できるくらいに、綺麗な形を残している。
……ここまでは、括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)の目論見通り。
(「あとは、これを掲げればいいんですね」)
無造作に転がる人形達の残骸に、手を伸ばすのと同時。
戦いに高揚していた筈の熱が、体温が。スッと引いていくのを感じた。
(「より陰湿にそして惨忍に、ねぇ」)
クロノヴェーダに同情するつもりはないが、だからといって気が進む行為でもない。
やり場の無い煮え切らない思いが、僅かに漸の動きを遅くさせている。
それでも。人形の残骸を回収した後も、漸の手は止まることなく。
伸縮式銀杭……『楔撃ち』を握りしめた。
掲げ、見せつけろと言うのなら。より高い位置に……と。
漸の意思に応えて、柄を伸ばした楔撃ちが残骸を貫く。
重い手応えと共に、まずは腕を二本。
十字になるよう配置を調整して突き刺せば、その腕に抱かれる位置……杭の先端に刺すのは、人形の頭部。
二度目の重い手応えが、漸の腕を駆け上るのと同時。
ふいに鼻を掠めた、不穏な臭いにぎょっとして。漸は思わず振り返った。
鉄錆にも似た、しかし生々しい臭い……血の臭い。
倒した自動人形には、流れる血など無い。先の戦闘で、大怪我をした仲間も居なかった筈。
ならば、この血の臭いは何なのか……その答えは、漸の視線の先。エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)の握る小瓶にあった。
ぱたぱた、と。
エトヴァの傾けた小瓶から赤黒い液体が零れ落ちる程に、鉄錆の臭いが一層強まって。
容赦なく、漸の鼻を刺激してくる。
「それは獣の血……ですか?」
己の鼻がイカれたのでなければ、あれが本物の血である事は確かで。思わず問うていた。
「あぁ。血の匂いを撒いて、嗅覚からもアピール出来ればと思ってな」
漸の問いに、エトヴァはさらりと言ってのける。
人間もまた、動物の命を糧とする生き物だ。現代のしかるべき施設に声を掛ければ、獣の血くらいは用意できる。
傷だらけの頭部に血が染み込んでいけば、視覚的にも生々しさが増す。
長槍に刺した首に、しっとりと赤いマフラーも添えて。
他にも、形が残った残骸を集めて、繋ぎ合わせては。赤く彩り、生々しい遺骸を描いてゆく。
もしかしたら。
仲間達の中には、『そこまでやるか』と思う者も居たかもしれない。
だが、少しでも成功率を上げられるのなら、思いつく限りの手を尽くすのがエトヴァというディアボロスだった。
(「……悪趣味だな」)
エトヴァの中に、ようやくその感情が芽生えたのは。血濡れの首がすっかりと仕上がった頃。
手を動かしている間は、無用の感情は抱かずに。必要なものを作る事に集中していたけれど。
準備が出来たと。一人、また一人。
ディアボロス達それぞれが、手を加えた残骸を持ち寄れば。
(「これが、キマイラウィッチどもが好む饗宴というわけか……」)
あらゆる苦痛と絶望を、人の形に押し込めたような悪夢の光景は、魔女のサバトを思わせる。
心の弱い者が見れば、一生魘されそうな。ディアボロス達の目にも十二分に陰惨を極めた光景が、出来上がっていた。
あとはこれらを、掲げて歩き。キマイラウィッチ達にアピールするだけ。
握る楔撃ちの柄を、更に長く伸ばして。
(「我ながら、冒涜的な十字架ですね」)
高く上ってゆく残骸を目に、普段は穏やかな漸の表情にも、苦いものが混じる。
事情を知らない者の目には、間違いなくディアボロス達が極悪人に見えるだろう。
自分が磔にされるのは勘弁だと、胸の内で自嘲しながらも。漸の手に闘気の炎が宿る。
高く掲げる程に、霧で煙る遺体。
あれが、キマイラウィッチの目に届かなければ意味が無い。
それが例え、鬼であろうと蛇であろうと。ここまでさせたからには、出てきてもらわねば困るのだ。
漸の炎は、手から杭へ。杭から遺体へ。
周囲の霧さえも橙色に染めながら。煌々と輝く。
エトヴァもまた、その隣で。
油を掛けた頭部に、躊躇いなく火を付けた。
皮肉なことに木質的な人形の残骸は、霧の中でもよく燃える。
炎熱と共に、血と油と煤の臭いをばら撒きながら。エトヴァ達ディアボロスは、霧の中を進んでゆく。
時折、長槍を持つ手に衝撃を感じたが、知らぬ顔で。
平静な表情の下で考えるのは、霧の向こう側の事。
そこから感じる恨みや憎しみの念を、キマイラウィッチが利用しているのだとすれば。今、エトヴァが見ているものと同じような光景が、あるいは霧の向こう側にも広がっている可能性がある。
霧の調査を進める程に、考察するほどに。エトヴァの中で、嫌な予感が膨らんでゆく。
「さて、人形達の怨嗟は届いているだろうか……」
思わず零した、エトヴァの呟きに応えるかのように。
霧の向こうで、何かの気配が蠢いた気がした。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】がLV4になった!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV3になった!
●
悪夢の行進は、唐突に終わりを告げた。
ディアボロス達の足は、ほぼ同時に止まっていた。
空気が、霧が。突然重たくなったような感覚。
ディアボロス達の体を抑え付けるかのような、不可視の圧力。強い思念。
それは蔑むような視線に似ていて、獲物を狙うような息遣いにも似ていた。
周囲を見回してみても白い霧が続くばかりで、思念の出所は分からない。
だが、これだけは分かる。
この思念は、何かを激しく憎んでいる。恨んでいる。
身の内に納めきれない思いを叫ぶように、ディアボロス達の心までも揺さぶろうとしてくる……そんな、激しい思念を。
受け入れなければならない。同調しなければならない。
少しでも理性で感情を抑えようとすれば、霧は容赦なくディアボロス達を締め出すだろう。
何か憎い?
何を許せない?
どうしてやりたい?
霧の向こう側を望むのならば。あるがまま、剥き出しの憎しみと恨みを、ここで示さなければならない……。
山田・菜々
恨みと憎しみっすか。家庭を持つときにそういう感情とは線を引くとおもってたんすけどね。キマイラウィッチにたどり着くため、しかたないっす。
これは他人に自分の近しいものを蹂躙された悔しさっすかね。これなら知ってるっす。
昔、やんちゃをやってた頃、逆怨みしたやつらに家族をめちゃくちゃにされたっすからね。
あの時を思い出して、感情を重ねていくっすよ。絶対に許さない。許さない!
……奇妙な感覚。
自分のものではない感情が、身の内に潜り込んでくる。
心拍が上がり、呼吸が詰まるような。
今にも叫び出しそうな胸の騒めきを、抑えるように。山田・菜々(正義の味方の味方・g02130)は、目を閉じた。
(「恨みと憎しみっすか」)
暗闇の中で。無意識に瞼の裏に描くのは、大切な家族の姿。
ただいまと言って帰る事ができる。菜々を温かく迎えてくれる、大切な居場所。
(「家庭を持つときに、そういう感情とは線を引くとおもってたんすけどね……」)
どんなに嫌な事があっても、疲れていても。
家族の笑顔が、温かな家庭の空気が、菜々の心を癒してくれるから。
この大切な空間を壊してしまわないように、家族の笑顔を守れるように。
不穏な感情を晒すまいとする高い防波堤が、菜々の心根に築かれている。
だが、霧の向こうへ踏み入る為には、この防波堤を取り払わなければならない。
(「……しかたないっす」)
ゆっくりと、双眸を開き。
白く霞む景色の向こうへ、在りし日の『奴ら』の姿を想い描く。
どくん、と。一つ。
大きく心臓が跳ねた。
悪い事をする奴は、痛い目を見て当然だと。少しばかり、やんちゃが過ぎた時期がある。
あの頃はまだ、後先なんて考えていなかったから。
大切な人も、温かな場所も。当然のように、明日も明後日も……ずっと存在していると思い込んでいた頃。
……それは、あまりにもあっけなく壊された。
逆恨み。
それ自体は、特に珍しくも無かったけれど。
悪い奴らが何度襲ってこようとも、そんなものは返り討ちにすればいいと思っていたのだ。
……まさか菜々本人ではなく、菜々の家族が狙われるなど、思いもよらなかった。それ程の卑劣がこの世にあると、あの時はまだ知らなかったから。
「……さない」
心の防波堤が崩れてゆく。
入り込んでくる思念の波と混ざり合って。
あの日の、当時の菜々の感情が引き出されてゆく。
霧を睨みつける目に、爛々と宿るのは。紛れもなく憎しみの光。
腹の底でどろりと渦を巻いた黒い感情が、熱となって。
菜々の脳を焼きながら、怨嗟を叫ぶ。
『絶対に、お前達を許さない』と。
大成功🔵🔵🔵
効果1【避難勧告】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
李・風美
アドリブ連携歓迎です。今回パラドクスは不使用。
お次は「同調」アルな。「軽蔑」やったら秒でできるんやけども。
クロノヴェーダと感情を重ねるのは虫唾が走るな―と思いつつも。
これもまた仕事。
機械によって機械に作り替えられた事。
“生まれて”最初に耳にした言葉が『失敗作』であった事。
自身の生い立ちをわざわざ思い出して、機械人形共に重ねることで感情を昂らせ、
こんなこともあろうかと、八つ当たり用に残しておいた首を思い切り蹴り飛ばします。
はよ出てこいやボケぇ!!
……気分が悪い。
ゆったりと漂う霧の中で。
李・風美(胡乱でチャイナな瓶底眼鏡・g00381)は眉根を寄せて、不快感を露わにする。
苛立ちや焦燥にも似た感覚が胸の奥で渦巻いて、妙に落ち着かない。
キマイラウィッチの突き刺さるような負の思念が、風美の心にガリガリと爪を立てて。
自身の感情が、不安定になっているのが分かる。
『やかましいわ!』と。
突っぱねられるのなら、突っぱねてしまいたが、そうもいかない。
(「お次は『同調』……だったアルな」)
誰が好き好んで、こんなものに同調したいと思うのか。
いっその事、軽蔑しろという話であれば、とうに霧の向こうに踏み込めていただろうに。
思念の出所がクロノヴェーダであると知っているからこそ、余計に。
本能的な嫌悪感に、虫唾が走る。
(「……でも、これもまた仕事ネ」)
今日だけで何度、この言葉を己に言い聞かせたのだろう。
ここに至るために根性で燃やし続けた商魂も、流石にそろそろ限界が見えてくる頃合い……だが、これで最後だ。
もう少しで、霧の向こうへと手が届く。
踏み込んでしまいさえすれば、これまでの仕事分をきっちり取り立てる事が出来るのだ。
ふぅ、と。
小さく息を吐いた。
己の内に意識を集中させて、乱れる気を整えて……思い出せ。
こんな嫌悪感など、どうでもよくなるくらいの。あの、最悪の始まりを……。
『失敗作だ』
聴覚が開いた瞬間に聞こえた、記憶の中に今も焼き付いている声。
この体が、最初に聞いた言葉。
次に開いた視覚で、自分が機械に囲まれている事を知った。
自分の体もまた、機械になっている事も。
ついでに心まで機械仕掛けにしておいてくれれば、何も感じずに済んだのだろうが。
そうはなっていなかった。
機械の一人が、自分の処分方法を淡々と指示している。
混乱と恐怖と嫌悪感で、ぐちゃぐちゃになってゆく当時の心に。
キマイラウィッチの憎悪の思念が、ずぶずぶと染み込んで……。
ごとり、と。音がした。
残しておいた自動人形の首が、風美の手から零れ落ちていた。
あの日の『ワタシ』と同じ残骸が、その屍を晒している。
「……ははっ」
膨らみ過ぎてはち切れそう感情が、乾いた笑いとなって零れ出る。
けれど、もう無理だ。抑えておけない。
「っ、はよ出てこいやボケぇ!!」
芝居がかった口調も、仕草も。
商売人としての仮面も、全てを吹き飛ばして。
爆ぜる感情のままに風美が蹴り飛ばした首は、遠く霧の中へと消えて行った……。
大成功🔵🔵🔵
効果1【一刀両断】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
エトルリア・メイオール
連携、アドリブは歓迎だぜ
憎しみかあ……
そういう戦いの動機は良くないが、あたしにもそれが無いわけじゃねえ
ありのままに、されど自分自身のそれに飲まれないよう内なる憎しみをさらけ出すぜ
思い出すのは故郷のこと
為す術なく滅ぼされた故郷、死んでいった同胞達の恨み
それをした奴らへの憎悪
考えるのは今まで戦ってきた敵達のこと
人々の生活を虐げ、尊厳を奪い、時には味方さえも使い捨てにする
そんな奴らへの憎悪
みんなみんな、お前たちが奪っていった
だから、お前たちの全てを奪ってやる
未来を守る気持ちでも強くなりたいという思いでもない、ただ敵の血と苦痛と破滅を願う悪意
それらを込めて霧の向こうにまで届くような咆哮を上げるぜ
周囲を包む霧が、どこか重たくなったような。
冷たさを増したような気がして、エトルリア・メイオール(ロストロード・g01211)は、無意識に己の腕をさする。
霧の中に混じる、強烈な思念が。
自分のものでは無い感情が、ぐいぐいと入り込んでくる感覚が、何とも奇妙で落ち着かない。
(「憎しみかぁ……」)
伝わってくる思念が『憎しみ』だと分かる程度には、エトルリアの中にも『憎しみ』は在る。
霧の向こう側へと踏み込む為には、この思念に同調して、自らの憎しみをさらけ出す必要があるけれど。
その前に、一呼吸。
落ち着けと、己に言い聞かせるように。静かに息を吐いた。
戦いの時に。憎しみの為だけに力を振るうのは、良くない事だ。
大丈夫。ちゃんと分かっている。
それさえ分かっていれば、例え内なる憎しみをさらけ出しても。憎しみだけのあたしには、なったりしない。
「……よし」
確認の自問自答を終えれば、あとは迷いも戸惑いもない。
赤い瞳を瞼で塞いで、思い起こすのは故郷の事。
幼い目に、とても高く映った空の色。
柔く触れた、風の匂い。
ふれあう人達の温かさ……それらが、あっという間に崩れ去った時の事。
抵抗する術など無かった。
その暇さえ与えずに、奴らは全てを壊していった。
見知った建物も、道も、人々も。何も残らずに。『憎い。悔しい』と。
エトルリアの耳元に囁いてくるのは、あの時死んでいった同胞だろうか。
それとも、キマイラウィッチの思念だろうか。
溶岩のように、ごぼごぼと。
エトルリアの胸の中で、暗い感情が熱く煮えたぎる。
故郷の人たちが、お前たちに一体何をした?
何もしていない。抵抗の一つも、出来なかった……そんなか弱い存在を。
一方的に嬲った。
蹂躙した……お前たち、クロノヴェーダが。
エトルリアの心に、怒りの炎が噴き上がる。
光を飲み込む、どす黒い炎。
(「みんなみんな、お前たちが奪っていった」)
例えどれだけ強くなっても、本当に守りたかった未来は、とうに失われている。
ならばどうする?
……決まっている。
(「奪ってやる」)
大事なものも、尊厳も。その命も。お前たちの全てを。
徹底的に破壊して、二度と浮かんでこれぬように。苦痛と血の海に沈めてやるのだと。
叫んだ。
魂から絞り出した怨嗟の声は、竜の咆哮のごとく。
霧の中へと響き渡るのだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV5(最大)になった!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
負の思念を受け入れ、同調を
今はもう失われた故国の歴史
当たり前の日常ほど尊いものはなかった
守るために立ち上がった同志たちは散っていった
俺も我が身を手段とし
心を押し殺し、密偵となった
侵略者どもの身勝手に振り回された恨み、負った傷の痛み、消えぬ後悔は今もこの身にある
なぜ、奪われねばならなかった
数多の無念
押し付けられた境遇に、奪われた夢、愛、希望
平穏に生きることを奪われた仲間たちは、無辜の人々は、戦禍に呑まれていった……
瞼を閉じれば悪夢の光景が明滅する
流れ着いたのは俺だった
だから、戦う
彼らの無念は俺が背負う
許さない
略奪し、蹂躙した侵略者どもを許さない
復讐を、復讐を、と己に言い聞かせ
霧へぶつけ返そう
……己の心を、飼い殺す事には慣れている。
じりじりと、焼き付く様に。
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)の内に、潜り込もうとしてくるこの強烈な思念も。エトヴァの思考を乱すまでには至らない。
どれ程、過去を嘆き。恨みを吼えて、嘆きを叫んだところで。
奪われたものは、決して戻って来ないのだから。
そんな事をしても、意味は無い……普段ならば。
だがそれで、次の一手を打てるのならば話は変わる。
どれだけ冷静な仮面で、表情を隠しても。
この胸の内には、暗い感情が確かに存在している。
今はもう失われた故国の歴史。
かつて仰いだ空の色も。嗅いだ風の匂いも、失われて。
この世界の何処を探しても、それらが見つかる事はない。
ただぼんやりと。
今日と同じような時間が、明日も続いている事を信じていた。
そんなありふれた日常の、尊い日々は。
今はもう、無い。
守るために立ち上がった同志たちは、散っていった。
彼らだけではない。
抵抗する事も叶わなかった、か弱き無辜の人々も関係なく。
戦禍の炎は、全てを飲み込んでいった。
(「なぜ、奪われねばならなかった」)
無意識に握っていた拳に、力が籠る。
エトヴァもまた、必死で抗った者の一人だった。
密偵となり。恨みも痛みも、絶望も。平静な仮面の下に隠して。
抗い、走り続けても。
人の命は、まるで砂のように。さらさらと容易く指の隙間から零れ落ちてゆく。
閉じた瞼の、その暗闇から。
彼らが今も、エトヴァに向かって叫ぶのだ。
何故。
どうして。
自分たちが、こんな思いをしなければならなかったのだ……と。
今こうして、膝を折らずに立っているのは自分だけだ。
新宿島に流れ着いたのは、自分だったから。
エトヴァだけが、彼らの声を聴く事が出来る。
(「……復讐を」)
だからこそ、彼らの無念を全て背負って。
戦場で振るう刃を以て、彼らの叫びを示すのだ。
(「復讐を」)
エトヴァにそう言い聞かせるのは、エトヴァ自身か。
それとも、瞼の裏の幻影たちか。
無念は、怒りとなり。恨みとなり。エトヴァの心を焼いてゆく。
身の内に納めきれぬ殺意が、未だ見えぬ霧中の敵へと向かって迸る。
俺は、俺達は。
略奪し、蹂躙した侵略者どもを。
『『『絶対に、許さない』』』
大成功🔵🔵🔵
効果1【建物復元】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
クロエ・アルニティコス
ふぅ……今更の話ですね。
同調せよと、恨みや憎しみを曝け出せなどと言われずとも、私からそれが消えたことはただの一度もありません。
私は苦しめられた。だから苦しめる。
私は痛めつけられた。だから痛めつける。
私は殺された。だから殺す。
私は死んで新宿島に流れ着いたのに、どうして亜人どもはまだ生きているのでしょうか。
お前たちが息をしていることが耐えがたい。
この憎悪は、怨恨は、決して消えることはなく……抑えることもありません。
思うがままに、負の感情のままに力を振るう。
それが私の……魔女の生き方です。
霧の中に漂う思念が、入り込んで来るのを感じる。
心臓を刺し貫くような、恨みの思念。
全身を焼き焦がすような、憎しみの思念。
これ等を受け入れ、自らの恨みと憎しみを曝け出さなければ。
霧の向こうには踏み入れないのだと、時先案内人達は言う。
(「……今更の話ですね」)
嘆息。
そのように、仰々しい言い方をされるまでもないと。
クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)の青い瞳は、真っ直ぐに霧の向こうを見据えた。
姿が見えずとも、実体を掴めずとも。
キマイラウィッチどもが……クロノヴェーダが其処にいる。それだけで。
この胸に宿る恨みと憎しみは、黒い炎は。幾度でも燃え上がる。
奴らがこの世界に蔓延っている限り、この炎が消え去る事はない。
奴らは、クロエの苦しみを笑った。
クロエの痛みを楽しみ。
クロエの絶望を愛でた。
青い目の奥が、嫌悪の色に染まってゆく。
……思い出すまでもない。
魂にまで刻み込まれた痛みを、忘れた事などあるものか。
気付けば流れ着いていた島で、『私』が殺されたのだと理解した時に、『魔女』が生まれた。
重なり、溶けあってゆくキマイラウィッチの思念が、魔女の心に問う。
……何がそんなに許せないのか。
それは、お前達だと魔女は言う。
クロエが死した世界を、殺された世界を。
殺した当人達……クロノヴェーダが、のうのうと息をして歩いている。
こんな不条理が、理不尽が、どうして許せるというのか。
際限なく膨れ上がる感情のままに。
奴らとの邂逅の時を、待ちきれぬというように。魔女の中で魔力が騒めく。
煮えたぎるような、憎悪の念を抱いて。
表情を変えぬ魔女に代わりに。迸る魔力が、霧の向こうへと唄い掛ける。
苦しめましょう。私がそうされたように。
痛めつけましょう。私がそうされたように。
心も、体も、尊厳さえも。欠片も残さず殺しましょう……私がそうされたように。
この身も、魔力も。全ては、心の赴くままに。
思うままに振るうのだと。
身の内を巡る魔力に。焼け付くような憎悪に、その身を委ねながら。
霧の向こうへと、魔女は応える。
「それが私の……魔女の生き方です」
大成功🔵🔵🔵
効果1【建物復元】がLV3になった!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
括毘・漸
恨み辛みに憎しみと……そりゃ沢山ありますよ。
特に奪われた恨みはね。
そんな仄暗い感情がなければ刃なんぞ握っておりませんし。
この身に燻る復讐の炎は、奪われたものを取り返すまで消えることはなし。
踏み躙られたものは戻ってくることはない。けれどこの身に抱いた感情を解き放つことはできる、自分勝手な想いを吐き出すことはできる。
ああ、そうだこれはボクが納得するためだけの行いです。
これまでされてきた事を仕返して簒奪者どもに目にものを言わせるために刃を握りましょう。
まあ八つ当たりに近いですね。
あーだこーだ言いましたが、ボクが思うのは一つ。
テメエらが気に食わねぇ!
霧に引きこもってねぇで出てこいやぁ!
すん、と。
括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)は、小さく鼻を鳴らす。
吸い込んだ空気に感じるのは、仲間達の匂いだけ。
未だ、キマイラウィッチと見える気配はなく、それらしい臭いもしないのだが……。
近くに居ないのにも関わらず、思念だけが強烈に存在を主張してくるというのは。どうにも違和感が拭えず、気持ちが悪い。
増してその思念が、恨み辛みに憎しみとくれば尚の事。
人の感情を勝手に揺さぶってくる思念が、強引に思考に割り込み、漸に問う。
お前は何を憎み、何を恨むのか……と。
(「……そりゃ沢山ありますよ」)
漸の手が無意識に、ナイフの柄をなぞる。
鋭く磨かれた爪と牙は、肉を裂き。血を流れさせるためのもの。
この刃を握る時、そこにどれだけ綺麗な名目を掲げたとしても。その根底には、仄暗い感情が存在している。
深く被り直したフードの奥で、漸の顔から笑みが消えた。
影の落ちた視界の中で、一つ一つ。
ゆっくりと思い起こすのは、自分が失ってきたもの。奪われたものたち。
この世界の何処を探しても、もう見つからない。
取り戻す事の叶わないそれらを、想い描く程に。
普段は仕舞い込んでいる感情が、ふつふつと。熱を持ち、湧き上がってくる。
奪われたものを取り戻せと叫ぶ心と。
何もしてもそれ等は戻って来ないのだと語る理性が、ぶつかり合う程に。
行き場の無い熱が。復讐の炎が、漸の身を焦がす。
その炎熱と、染み込んでくるキマイラウィッチの恨みと憎しみは、腹立たしい程によく似ている。
同調し、漸の意識に重なり合ってゆく程に。
キマイラウィッチの思念から「何を取り繕っているのだ」と、嗤われているような気さえする。
(「ああ、そうだ。これは……」)
解っているとも。
爪で引き裂き。牙で喰らい付き。血を、臓物をぶちまけるのは。
全ては、自分が納得するための行いなのだと。
行き場の無い復讐の炎熱を、少しでも発散するために。
自分がこれまでされてきた事を、簒奪者どもの目に刻み。体に刻み込むだけの……言わば八つ当たり。
今更、指摘されるまでもない。
奪われ、失くし。取り戻す事も出来ない漸に、今出来る事。
(「テメエらが気に食わねぇ……!」)
思うままに、自分勝手に。
思いを吐き出し、刃を振るい続ける事。
「霧に引きこもってねぇで出てこいやぁ!」
月夜に吼える獣のごとく。
漸の叫びは、白く霞む空の向こうへ響き渡るのだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【建物復元】がLV4になった!
効果2【能力値アップ】がLV5になった!
一里塚・燐寧
恨みも憎しみも、あたしにとっちゃ平常心と大差はないねぇ
どっちかってゆーと……クロノヴェーダが、そんな感情を抱いてることが不愉快だよぉ
そっちから今を生きる人達を奪っといてさぁ……恥ずかしくないのぉ?
クロノヴェーダがいなきゃ、ママや先生は死なずに済んだ
父さんだって、狂わなかっただろうし
あたしは……ただの病人として、甦ることもなく静かに死ねてたはずなんだ
……人殺しの化け物にされることもなかった
後からどれだけ楽しいことを塗り重ねたって、底に沈殿した澱みは消えない
忘れられない怒りと殺意を、永遠に抱えて、戦い続けるしかない
……《テンペスト・レイザー》のスターターを引き、刃を唸らせる
来なよ、逆恨み魔女野郎!
過剰な熱が渦を巻くような恨み。
心の奥底が焼き付くような憎しみ。
霧の奥から伝わってくる思念は、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)にとって、どちらも身に馴染んだもの。
受け止めたからといって、特に何が変わる訳でもなく。
至って平常運転……なのだけれど。
(「なんでそっちが、そんな感情抱いてるのかなぁ?」)
拭いきれない不快感に、燐寧の眼光が鋭さを増す。
霧の向こうの事情など、知らないし。知った事では無い。
だが、一つだけ確かな事実がある。
(「そっちから今を生きる人達を奪っといてさぁ……恥ずかしくないのぉ?」)
最初に奪っていったのは、お前達……クロノヴェーダの方だ。
ディアボロスは全員が復讐者であり、クロノヴェーダと関わる事なく覚醒する者など居ない。
燐寧もまた、多くを……あまりに多くを奪われた。
「お前達がいなきゃ、ママや先生は死なずに済んだ……」
伝わってくる思念……その先に居るだろう、クロノヴェーダへ視線を向けて。
燐寧は、胸の内にある怒りを募らせてゆく。
人の命が、塵のように軽くなったあの日。
せめてその塵の一つとして、冷たい死者のままで居られたら。
後に続く人たちの死を、その末路を知ることも無く、静かに眠っていられたのに……。
顔に張り付いた笑みから、乾いた笑いが零れる。
正気を失った、父親の姿を見た。
バケモノを見つめる、怯えた瞳を何度も見た。
どれだけ楽しい時間を重ねても。思い出を作っても。それらの光景が、燐寧の中から消える事は無い。
今も、そう。
閉じた瞼の向こうから、何故我々の命を奪ったのだと。彼らが怨嗟を叫び続けるように。
燐寧もまた叫ぶのだ。
なぜ、みんなから奪っていった。
なぜ、あたしから奪っていった。
なぜお前達のようなものが、未だのうのうと世界に存在している……!
燐寧の手が、『テンペスト・レイザー』のスターターを強く引く。
一度は尽きた筈の、怒りと殺意が焼き付いた魂で。
時を止めた筈の体で、刃を高く振り上げれば。
その意志に応えるように、テンペスト・レイザーが空気を震わせ唸りを上げる。
「来なよ、逆恨み魔女野郎!」
響き渡る叫びの先に、少女が見据えるのは。
簒奪者と戦い続ける、修羅の道だった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】がLV5になった!
効果2【ガードアップ】がLV3になった!
●
ディアボロス達を包む霧が、徐々に濃くなってゆく。
傍に居るはずの仲間の姿さえ霞んでしまう程に、白さを増して。
一寸先も見えぬ状況に、否応なく緊張が高まる。
霧の向こうを探るように、慎重に。
一人のディアボロスが足を踏み出した瞬間……空気が変わった。
周囲は、依然として真っ白で。視覚的な変化は無かったが、しかし何かが違う。
ディアボロスとしての経験が、感覚が。ここはグランダルメではないと告げている。
ようやく少し薄らいだ霧の向こうへ、目を凝らせば。
朧な人影が一つ。二つ、三つ……明らかに、ここに集った仲間の人数よりも多い。
相手もディアボロス達の影に気付いたのだろう。
人影が、徐々に大きく。濃くなって。
「お前らは……」
姿を現した、大蛇の下肢を持つ女性……キマイラウィッチ『グリーディラミア』は、ディアボロス達の姿を認めて、瞳孔を細めた。
「っ、裏切者!」
唸るような叫びと共に、圧倒的な殺意がディアボロス達を貫く。
姿を現したグリーディラミアが、目を血走らせながら。「ディアボロスがいたぞ」と声を上げている。
「ディアボロスだと!?」
「奴らに復讐を!」
その敵意と殺意は、炎のように霧の奥へと燃え広がって。
多数の影が、ディアボロス達へ迫ろうとしていた……。
クロエ・アルニティコス
何度か霧を越えてきましたが、ここにいる者たちは幾分理性的ですね。
もっと狂気に触れているものかと思っていました。
……とはいえ、私たちとは話ができるようには見えませんが。
この地のディアボロスがお前たちに何をしたのか分かりませんが。
ディアボロスが行ったことで私に襲い掛かるというなら、亜人がやった行いの咎はお前たちも被る、そういうことですよね?
お前たちは殺します。文句は言わせませんし……言ったとしても殺します。
【ラミアー・ゲンチアナ】を使用し、ラミアを象った怪物を作り出します。
こちらの動きを封じ、巻き付こうとするグリーディラミアに巻き付き、逆に締め上げ、蛇体の骨をへし折りましょう。
李・風美
連携アドリブ歓迎です
裏切者? 復讐?
二つの単語からあちらの境遇をなんとなく感じ取り、深いため息。
「なんや……遠慮なく八つ当たりもでけへんのか」
相手にどんな事情があろうと、この戦いは生存競争。
自分たちが生き残るために他を食らう。
【大特火! 在庫一掃撃ち尽し!】を使用。
弾幕で敵の攻撃を寄せ付けず、
一体でも多く倒せるよう、袖から銃火器を大量展開しケリをつけます。
自分の意志でこの場に来ているので後悔はない。
しかしどれだけ派手に弾をバラまいても、当面ぶり返した感情は残るでしょう。
エトルリア・メイオール
連携、アドリブは歓迎だぜ
裏切者だあ?
お前らを裏切った奴がいるのか?
そもそもここはいつのどこで、何なんだ?
一応話をしてみるが、無理ならそこそこに戦い始めるぜ
大斧を大地に叩きつけ、地竜の振動波で敵を破壊、掃討するぜ
なるべく触れられず遠距離から、数を稼ぐため攻撃は大規模に行くぜ
敵が体を伸ばしてきたら、巨石を落として潰し妨害するぜ
もし捕まったら掌打で直接振動波を送り込んで怯ませ逃れるぜ
呪詛を受けちまったら左手の祭壇の魔力で相殺を図るぜ
奴らの憎悪と殺意の正体を見極めるため、戦いながら敵の戦法、言葉や会話内容、思想、目的等をしっかり観察して情報を引き出していこう
それが未来になるなら、しっかり向き合ってやる
『裏切者』
霧の中に、低く響いた声。
そこに滲むのは、先に感じた思念と同じ恨みの憎しみの響き。
『復讐を!』
『奴らに復讐を!』
ディアボロス達を包む霧が。そこに白く霞む影達が、次々と声を上げる。
(「裏切者だあ?」)
まるで、この空間そのものに拒絶されているかのような。
圧倒的な敵意の只中で、エトルリア・メイオール(ロストロード・g01211)は首を傾げた。
気の進まない行為をあれこれと頑張って、ようやくこちら側に踏む込んだばかりだというのに。
エトルリアには、裏切者などと罵られる覚えはないし。当然、共に踏み込んできた仲間達にも、そんな覚えは無いだろう。
ならばこのディヴィジョンで、一体何が起きているというのか?
「お前らを裏切った奴が……」
いるのかと、エトルリアが問う前に。
対峙するキマイラウィッチ……『グリーディラミア』の体が、不気味に蠢く。
ぞくり、と。
エトルリアの背に悪寒が走った。
突き刺さる殺気に、攻撃が来ると。反射的に斧を構えた、エトルリアの手に。
「汚らわしいディアボロスめ!」
巻き付くのは、骨の蛇。
グリーディラミアの右腕から延びた骨の体が、エトルリアの腕に喰い込み。肉を削る。
一拍遅れて、傷口からじわりと染み込んでくるのは。悍ましい、呪詛の気配……。
「っ、問答無用かよ!」
半ば強引に。より傷が抉られるのも構わずに、腕を振るって。
蛇を払い退けるのと同時に、呪詛がこれ以上広がらぬようにと。エトルリアは左腕を包む籠手の力を解き放つ。
赤く染まった腕を庇う様に、体を捻って。
勢いのまま、霧の向こうへと蛇を蹴り飛ばせば。
「そこに居たか、裏切者め!」
その喧騒を聞きつけたか、一体。また一体と。
入れ替わりで、新たなグリーディラミアが霧の向こうから姿を現す。
「……やはり、話は通じないようですね」
既に幾度かキマイラウィッチとの交戦経験がある、クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)は、彼女たちの挙動に注意を払いながら。
手の中でころりと、リンドウの種を転がした。
最初に見えた個体は、他の場所で交戦したものと比べても、幾分か理性的なように見えたけれど……。
グリーディラミアの腕が、髪が。それらを為す蛇の頭部が、大きくうねり顎を開く。
その喉の奥で鈍く輝くのは、ディアボロスを貫かんとする鋭い刃。
狙いを定めるグリーディラミアの鋭い視線が、そこに満ちた敵意が。初めから、対話の余地など無いのだと告げている。
「なんや。向こうさんにも、事情がありそやけど……」
あまりにも一方的な敵意を前にして、本日何度目かの……もはや数えるのも諦めた溜息が、李・風美(胡乱でチャイナな瓶底眼鏡・g00381)の口から零れた。
最後くらいは、心置きなくクロノヴェーダをぶっ飛ばして、明朗会計すっきり清算と行きたかったのだが。
(「遠慮なく八つ当たりもでけへんのかいな」)
クロノヴェーダが、これだけの怒りを露わにするのだ。
彼女たちの言うところの『ディアボロス』は、一体何をやったのか……あまりいい想像は出来ない。
「にしたって、話が通じなさすぎるだろ」
エトルリアの顔にも、傷のせいだけではない苦いものが混じる。
そもそもここは、いつのどこで。一体何なのか。
聞きたい事も、知りたい事も沢山あると言うのに。
「切り刻んでくれる!」
グリーディラミアの刃が、容赦なくディアボロス達へと迫る。
その突き刺さるような敵意を、小柄な体で受け止めながら。エトルリアは、一歩前へと進み出た。
「ちゃんと話してくれねーと……」
解き放つのは、大地を司る竜の力。
地を踏みしめる足に、大斧を握るその手に力を巡らせて……。
「何も分かんねーだろ!!」
振り下ろした。
ただそれだけのシンプルな一撃が、飛来する刃を叩き落として、地を揺らす。
「ディアボロスが、お前たちに何をしたのかは知りませんが……」
グリーディラミア達が体勢を崩した、その隙に。クロエの掌で、リンドウが芽吹く。
注がれる魔力と失いし者の苦悩を糧として、するすると伸びる蔓が模るのは、目の前のクロノヴェーダにも似た神話の怪物『ラミアー』の姿。
現れた植物の異形は、クロエの指差す仕草でグリーディラミアへと迫る。
「おのれ……!」
グリーディラミアが滅茶苦茶に放った刃は、大半が蠢く蔓の中へ飲まれ。すり抜けた一本が、クロエの頬を掠った。
(「もっと狂気に触れているものかと思っていましたけど」)
傷口から染み込んでくる、呪詛の痛みも。その憎しみも。クロエの魔術を止める程の力は無い。
植物の異形は、動きを止める事はなく。グリーディラミアへと絡みつきギチギチと。嫌な音を立てながら、その体を締め上げてゆく。
「ディアボロス……め」
苦悶に満ちた声を上げながらも、血走った目がクロエを捉え続ける……そんなグリーディラミアの憎しみを、真正面から受け止めながら。
冷静な表情を崩さぬままに。クロエの唇は、淡々と憎しみを紡ぐ。
「ディアボロスが行ったことで私に襲い掛かるというなら、亜人がやった行いの咎はお前たちも被る……」
そういうことですよね、と。
問う言葉で、植物の異形がグリーディラミアを絞り上げた。
返事は要らない。文句を言わせるつもりもない。
やるべき事は、初めから一つだけだから。
「お前たちは殺します」
一層強めた力に、体積の限界を超えたグリーディラミアの血肉が溢れ、噴き出し。大地を赤く濡らしてゆく。
「ディアボロスに復讐を!」
だが、力尽きる仲間の姿を目にしても、グリーディラミアの勢いは衰えない。
一層、その怒りを募らせて。仲間の遺体を乗り越え、ディアボロスに迫らんとしてくる……その様に。
「あぁっ、もう!」
恨み辛みの大安売りも、いい加減にしろと。半ば自棄に、風美は叫んだ。
振り上げた腕……それを隠す長い袖から、ガシャガシャと。
奇怪な金属音と共に飛び出してくるのは、無数の銃火器。
どんな事情があるにせよ。これは戦い。命を賭けた競争なのだ。
そっちがその気なら、こちらも出し惜しみはしない。
「赤字覚悟で大放出や!」
パラドクスの力で、捻じ曲がった空間……その袖口から覗く無数の銃口がグリーディラミアへと向く。
「持ってけドロボウ!」
轟音。
空間が破裂したかと思うような衝撃が、戦場に奔る。
銃弾が、ミサイルが、レーザーが。
あらゆる銃火器が吐き出した弾が、霧さえも焼き焦がしながら。グリーディラミアの体を貫いた。
その強力な反動に、靴の裏がザラザラと。
地を撫でるのを感じながらも、何とか踏みとどまれば。
反動に痺れる腕で、払った硝煙と霧の向こう。ボロボロになったグリーディラミアの体が、ゆっくりと崩れ落ちてゆく。
無意識に止めていた呼気が、風美の口から零れた。
懐に痛い大技は、ここまで赤字ならいっそ清々しいと。普段なら、笑えてしまうものなのだけれど……今は、そんな気分にはなれそうもない。
胸の奥に残る靄が、重く淀んで。風美の心を圧迫し続けている。
この一度開いてしまった感情を再び閉じるには、相応の時間が掛かるだろう。
パラドクストレインに乗ると決めたのは、風美自身の意思。この決断に後悔は無いけれど……。
「……この霧、いつかは晴れるんやろか」
燻る感情のままに零れ出た風美の言葉に、応えられるものはなく。
その呟きは、憎しみを叫ぶ喧騒の中へと消えていった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】がLV6になった!
【建造物分解】LV2が発生!
効果2【凌駕率アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV6になった!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
……こんな感情に慣れたくはないがな
会話はできずとも、言葉は耳に届くだろう
声で宣言して、注意を惹き、奴らを試そう
ああ、裏切者のディアボロスが来たぞ
こっちだ。復讐して見せろ!
偵察、観察しつつ戦況を把握
霧に紛れて包囲を受けぬよう、味方の背や死角を護るよう立ち回る
PDの糸で蛇の巨体を絡め取り、身動きを封じて切り刻む
隙を看破し、狙いを合わせ、着実に数を倒す
反撃は魔力障壁で身を護り
麻痺呪文は盾を掲げ視線を削ぎつつ忍耐力で耐え
締め付けを回避しつつ盾を噛ませて隙間を作る
霧の先に、現れる世界は……過酷な地なのか
七曜の刻は近い。今は、かの地への「道」をしっかり繋ぎきる
突破口となる、一矢を穿つために
括毘・漸
さて、霧を突いたら蛇が出てきましたか。
んで?裏切者とな?
はてさて、一体いつどこでお前等の仲間になったんでしょうねぇ?
まっ、そんな疑問はこの霧を抜けたら考えましょうか。
腰に佩いたサーベルを鞘から引き抜く際に、刀身を鞘に擦り付けるように引き抜き、鞘と刀身の摩擦で熱を生み出し、纏わせる。
銀のサーベルの刃は、橙色に変わり周囲の空気を喰らいながらその熱を増大させる。
お前等の言っていることには興味がありますが、今じゃありませんからね………ご退場願いましょう。
熱を纏った刃を大上段に構え、【夕暮落とし】を発動させ、夕陽が落ちる半円の軌道を描きながら一気に振り下ろし、敵が放つ呪詛ごと灼き斬る。
ゆらり、ゆらりと。
体を左右に揺らす奇怪な動きで、キマイラウィッチ……『グリーディラミア』が、ディアボロス達へと迫る。
(「霧を突いたら蛇が出てきましたか」)
括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)が鋭く見据えた先。蛇体をうねらせて、滑るように移動するグリーディラミアの様は、正しく蛇そのもの。
だが、蛇体なのは下肢だけではない。
「裏切者め!」
唸るような声と共にその両手が、髪が。グリーディラミアの体を成す全ての蛇が、ぐるりと。その首を、漸へと向けた。
大きく開いた顎の奥に一瞬。鋭利な輝きが見え……。
「……っ」
反射的に頭部を庇った腕に、痛みが走る。
蛇の頭部から放たれた刃が、漸の体に赤い線を引き。駆け抜けてゆく。
傷そのものは深くない。
だが、一拍遅れてやってくるこの痛みは……。
呪詛。
まるで、グリーディラミアの怨嗟そのものであるかのような。じくじくとした嫌な痛みが、傷を通して漸の体に染み込んで来る。
「……はてさて、一体いつどこでお前等の仲間になったんでしょうねぇ?」
裏切者の称号も、ぶつけられた憎しみも。漸にはとんと覚えのない事。
何なら、この場に居る全ディアボロスが、頭にはてなマークを浮かべている事だろう。
だが、理不尽に投げつけられる憎しみも。幾度も経験すれば、流石に慣れるというもの。
(「……こんな感情に慣れたくはないがな」)
己の内に湧く、どちらかと言えば諦めに近い感情に、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は胸の内で苦笑する。
だが、そのお陰で。次に取るべき行動を的確に選ぶ事ができるのも、また事実。
ちらりと向けた青い視線の先、霧の奥にはまだグリーディラミアの気配が残っている。
「ああ、裏切者のディアボロスが来たぞ! こっちだ。復讐して見せろ!」
数の優位は、恐らく向こうにある。
霧に紛れて包囲されぬようにと。
細やかに、戦場に視線を巡らせながら。盾をその手に、エトヴァは声を張り上げた。
ずるり、と。何かが這いずる音。
霧に映る影が、鮮明な姿を現すと同時に。グリーディラミアの紡いだ術がエトヴァの身を縛る。
呼吸の詰まりを覚える共に、四肢の感覚が途切れる。その一瞬に。
大蛇の下肢は、エトヴァの体を捉えていた。
「おのれディアボロス!」
加わる圧力に、骨が軋む。
容赦なく締め上げられる痛みの中で、エトヴァの中にあったのは一つの確信。
(「……思った通りだ。言葉は耳に届く」)
未だ霧は濃く。この先に、どんな世界が現れるのかは分からない。
想像ばかりが膨らんで。踏み込むほどに、嫌な予感も強くなる。
……だからこそ、小さな事でも一つずつ確かめてゆくしかないのだ。
迫る七曜の戦へ向けて。確かな道を繋ぐ為に。
その手の盾に力を込めて、体勢を捻る。
蛇体を強引に引き離しながら、振り払ったエトヴァの指先にふわりと。白銀の糸が舞った。
高まるパラドクスの力を帯びて。
霧の先へと突き進むように糸は伸び、グリーディラミアを囲ってゆく。
(「突破口となる、一矢を」)
握る。
エトヴァの手の動きで、一瞬にして糸は絞られ。赤い飛沫が宙を舞った。
両の手に感じた、確かな手応えに。
その身を赤く染めたグリーディラミアが、ぐらりと体を揺らして頽れてゆく。その赤い軌跡を辿って。
グリーディラミアが立ち上がらぬ事を確認していたエトヴァの目は、その最奥で。辛うじて踏みとどまった個体と目が合った。
反撃が来る、と。
咄嗟に盾を構え直すエトヴァの視界に、ひらりと。飛び込んで来る一つの影。
(「お前等の言っていることには興味がありますが……」)
今はまだ、それを明かす時ではないのだろうと。
漸は、その胸に湧き上がる数々の疑問に蓋をする。
姿勢は低く。強く踏み出した足に、全体重を乗せて。
地を蹴った。
その勢いのまま、握る刃が鞘を奔る。
生じた僅かな摩擦熱は、パラドクスの力を纏い。より熱く、より赤く刀身を染め上げて。
一足。二足。速さを増して。
グリーディラミアへと迫る漸の軌跡を、霧の中に描いてゆく。
「裏切者がぁ!」
叫びと共に、再び吐き出された蛇の刃が届く直前に。
一層強く、地を蹴り上げた。
捻りを加えて飛び上がった、漸の体が。
握る刃が、空を渡る夕日のようにグリーディラミアの頭上へと昇って。
「ご退場願いましょう」
振るう刃は違わずに。
宵闇へと沈むように、グリーディラミアの首へと落ちていった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】がLV3になった!
【熱波の支配者】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV7になった!
一里塚・燐寧
やっほ、ウィッチちゃん達
服着てないけどだいじょぶ? 今度シャツ買ってきてあげよっか?
にしても、裏切り者とは驚いたねぇ
あたし達はそもそも、きみ達と面識ないんだけどさ
一体復讐者の誰が、いつ、どこで裏切りをやらかしたのぉ?
……ま、答えちゃくれないか
《テンペスト・レイザー》を手に斬り込んでいくよぉ!
『呪式:鬼炎蛮擾』で場を荒らしていこう
《焼尽の呪炎》を纏わせた刀身で薙ぎ払い、近くの敵は直接切り裂いて、遠くの敵は飛び散る炎で燃やす!
んふふ、魔女には火刑がぴったりでしょ?
ジャンヌ・ダルクでも気取りながら焼け死になよぉ!
反撃の骨は武器で切り払うことで軌道を反らして対処
流し込まれる呪詛は己の呪詛で相殺するよぉ
ラズロル・ロンド
霧を渡った仲間の気配を頼りに駆け付け加勢を
蛇めちゃくちゃ苦手なんだけど
少しでも情報が欲しいので食い縛って我慢っ
ゾワゾワしながらも戦うよ
場所的にも裏切られた感情的にも
断片の王はジャンヌ・ダルクかな〜
お元気ですか?と伺ってみる
ダルメから融和を求められてもまた裏切られちゃうかもね
信じて奮闘して来た思いは裏切られたって心情かい?
当てずっぽうに徴発し顔色を見つつ
観察しよう
反応悪くてもしゃーなしで
仲間の攻撃に合せ
僕はこっちを火炙りに
炎の円環を呼出し業火を浴びせ
炎の幻影を留まらせる
炎に対して怒りを増幅させたりするかな?
反撃の骨なら平気だけど蛇は勘弁
魔障壁で弾き回避を試みる
ダルメに戻るまで出来る限り炙り上げる
霧に漂う微かな仲間の気配を頼りに、ラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)は強く地を蹴った。
瞬間。
空気が変わる。
ラズロルの耳に、唐突に音が溢れ。その騒がしさに、ここが戦いの場である事を知る。
「うわ」
素早く巡らせた視界に、キマイラウィッチの姿を認めて。思わず声が零れた。
大蛇の下肢を持つ『グリーディラミア』は、既に一度見えた事のある相手だが。
絶妙な光沢の外皮を筋肉で蠢かせ、ゆらり、ゆらりと。
不可解なリズムを刻んで揺れる様には、どうしようもなく怖気が走る。
それでも、腹に力を込めて一呼吸。
帰りたいと叫ぶ心に喝を入れ、ラズロルはグリーディラミアへと向き直る。
苦手な相手が居ると分かっていてもここに来たのは、少しでも情報を得る為。
挫けている場合ではないと周囲の喧騒に負けぬように、声を張り上げた。
「信じて奮闘して来た思いは裏切られたって心情かい?」
振り返る。グリーディラミアの目が、ラズロルを捉えて。
「グランダルメから……「汚らわしい裏切者が!」
続く言葉はかき消された。
グリーディラミアの両腕を成す蛇がうねり、伸びて。ラズロルの左右より迫る。
片や生身。片や骨。
考えるより先に、障壁を成した手は生身の蛇を打ち払うが。
残る骨の蛇は容赦なく、ラズロルの肩へと喰らい付いた。
「……っ」
突き刺さるような痛み。
傷口より染み込む呪詛が、お前達と語る言葉など無いとラズロルに吐き捨てる。
「やっほ、ウィッチちゃん達」
戦場に似合わない声が響いたのは、その時。
「服着てないけどだいじょぶ?」
まるで、友達と話しているかのような声色で。
待ち合わせの相手に、駆け寄るような足取りで。グリーディラミアへと距離を詰めた少女……一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)の手が、鎖鋸剣『テンペスト・レイザー』のスターターを引く。
ブォン、と。
燐寧の声に応えるように身を震わせた、その巨大な刃は紫の鬼火を纏って。
「今度シャツ買ってきてあげよっか?」
言葉と共に、グリーディラミアの露わな肌へと振り下ろされた。
(「……にしても、裏切り者とは驚いたねぇ」)
ゴリゴリと。鎖鋸剣が骨を食む重い振動を、膂力で抑え込みながら。
燐寧の口から、呆れ半分の笑いが零れる。
恨みと憎しみの念が飛んできた時にも、お門違いと思ったが。よりにもよって『裏切者』とは。
(「あたし達はそもそも、きみ達と面識ないんだけどさ」)
力任せに振り抜いた鎖鋸剣が、霧を赤紫に染めてゆく。
「一体復讐者の誰が、いつ、どこで裏切りをやらかしたのぉ?」
切り返す刃を喉元に突き付け、問うた言葉に返事はなかった。
大きく食い破られたグリーディラミアの体は、不安定にぐらりと揺れて。
最後に、僅かな呻き声と憎しみに満ちた視線だけ燐寧へと返して、地に伏せる。
「……ま、答えちゃくれないか」
この世から消えて欲しいと思う程の、深い恨みを抱くなら。
その相手の言葉など、聞く気も無いと言うのは……クロノヴェーダから向けられるのは不快ではあるが、まぁ分かる。
なので特に気にする事もなく、燐寧の瞳は次に狩るべき獲物へと向いた。
その、赤茶色の視線の先で。
流れる血もそのままに、ラズロルが駆ける。
反応が悪くとも、それはそれで構わない。
悪かったと言う結果は得られる。だからこそ。
魔障壁を展開させた、手を前に。
最小限の守りで、グリーディラミアとの距離を詰めながら。何をどう問うべきか、思考を巡らせる。
……投げる言葉はシンプルに。次は遮らせない。
「ジャンヌ・ダルクはお元気ですか?」
「何をいまさら!」
障壁が割れる。
グリーディラミアの腕が、それを成す蛇が魔力の壁を噛み砕き。既に赤く染まったラズロルの体を、一層深く抉ってゆく。
(「……ここまでかな」)
どのような試みも、結果を持ち帰る事が出来なければ意味を成さない。
体に入り込んで来る呪詛の痛みを押し返すように。高まるラズロルのパラドクスが霧を照らす。
頭上に浮かんだ眩い円環が、砂と炎を吐き出し。渦を巻いて。
グリーディラミアの長い体を、熱く焼き焦がしてゆく。
「んふふ、これはぴったりだねぇ」
その余波に、乱れる髪を抑えながら。燐寧は満足そうに目を細めた。
振り返るラズロルに視線に、ニヤリと口元を歪めて。
「魔女には火刑がぴったりでしょ?」
顔に張り付けた笑みを深める。
キマイラウィッチ、呪いの魔女。ならば下される判決は……。
「それじゃあ、ジャンヌ・ダルクでも気取りながら焼け死になよぉ!」
再び唸りを上げたテンペスト・レイザーが、更なる炎をまき散らし。
炎熱に揺れる霧を、煌々と照らして……。
「ぉ……のれ……」
糸が切れた人形のように。
最後のグリーディラミアが、頽れた瞬間に。
ディアボロス達の視界は、真白に染まった。
●
霧が全てを包み、空気が変わる。
肉の焼ける臭いも、炎熱も消え失せて。
グリーディラミアが倒れた筈の場所に転がっているのは……自動人形の残骸達。
先触れも無く、あまりに唐突な変化に、全ては幻であったかと惑う程だが。
幻ではないと言う証は、ディアボロス達のその身に、その胸に刻まれている。
あるいは傷。あるいは感情。あるいは……。
それぞれの成果を手に、ディアボロス達は新宿島への帰路に着くのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【通信障害】がLV2になった!
【熱波の支配者】がLV2になった!
効果2【グロリアス】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV6になった!