ウェールズの地へ(作者 寅杜柳
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#幻想竜域キングアーサー  #ウェールズ地方の探索  #ウェールズ地方 

●幻想竜域キングアーサーの一風景
 ウェールズ地方のとある町。
 ややひんやりとした朝の空気も夏にかかってくるにつれて冷たさは和らいでいて、町の住人は農耕や牛や豚の世話に精を出している。
『こら、食べる前にお祈りをちゃんとするのよ』
 母親に叱られる子供がはーいと返事をし、熱心に祈りを捧げる。
 並ぶ食事は燕麦のパンやスープ、山の多い地形の中で暮らす彼らだが、質素ながら飢えに困窮することもなく、賑やかに遊ぶ子供たちや穏やかな大人たちは日々を過ごしていた。
『あ、ドラゴン様だ!』
 外で父親の畑仕事の手伝いをしていた一人の少年が空を示せば、青空を悠然と飛ぶ一頭のドラゴンの姿。その姿も人々にとっては見慣れた生活風景の一部だ。
『ドラゴン様のおかげで、今日も良い事がありそうだ』
 父親である壮年の農夫が空の竜を拝んで言って、子供や共に働く農夫仲間も同意しつつ祈りを捧げている。
 そんな牧歌的な風景が、その町には広がっていた。

●いまだ知らぬ地へ
 新宿駅グランドターミナル。
「攻略旅団の方針で『ウェールズ地方』の調査を行うことになったよ」
 ドラゴニアンの時先案内人ハーバート・コールフィールド(奏で語る竜・g03385)は黒いメーラーデーモンと共に復讐者達に説明を開始する。
「これまで復讐者達が関わる機会はなかったけれど、この地方はマンチェスターの南西、アイルランドの対岸にある地域で、自然が美しく牧歌的な地域になってるみたいなんだ。そんな地方にある町の一つに潜入し、ウェールズ地方に関する情報を集める作戦になるよ」
 今回情報収集を行う相手は村人で、知ってる知識や常識もそれに応じたものになるからそこは念頭に置いたほうがいいだろうね、とハーバートは説明する。

「今回向かってもらうウェールズの町の周辺にはドラゴンの警戒網が敷かれていて、竜鱗兵を突破しなければ町には入れないよ。潜入さえできれば町の人々はこう……ドラゴンを信仰して牧歌的に暮らしてる穏やかな人ばかりみたいだから、珍しい客が来たならよっぽどじゃなければ歓待してくれると思うよ」
 ただ、情報収集には時間制限があることに注意して欲しいとハーバートは補足する。
「警戒網を突破された事を感知したドラゴンの部隊がディアボロスを探して襲撃してくるんだ。やってくるのは爆風やマグマを操るドラゴン達を従えた、雷を操るドラゴンだよ。そうなったらもう情報収集を続行する事は出来ないから、現れたドラゴンの部隊を撃破してさらなる増援が来る前に速やかにパラドクストレインまで撤退してね」
 もしかしたら情報収集の過程で町の人は食事とかに招いてくれるかもしれないけど、そんな理由もあるから遠慮する必要があるかもね、とドラゴニアンの少年は言った。

「あとは……幻想竜域キングアーサーとは無関係だと思うけど、ウェールズの国旗は赤い竜を象っているらしいね。そうなった理由は明確ではないみたいだけども……ともかく、《七曜の戦》まではそんな時間もなさそうだけど、今のうちに未踏地域を探索する事で新たに見えてくるものもあるんじゃないかな」
 なにか収穫があるといいね、とハーバートは締め括り、復讐者達を幻想竜域キングアーサーのウェールズへと向かうパラドクストレインへ導いた。

●桃鱗の騎士は休まらず
 山の多いウェールズの地、町の近くに築かれた簡素な防衛陣地で桃色鱗に騎士鎧を纏う竜鱗兵たちが周囲を警戒している。
 長閑な気配に似合わぬ剣呑さで、警戒を強める様子に油断は見えない。
『これまで、ディアボロスの発見報告は無いが……』
『油断しちゃダメよ。ディアボロスはいきなり現れる害虫のようなものなんだから』
 復讐者達が聞けば嫌な顔をしそうなやり取りをしつつ、作られてあまり時間も経っていないバリケードのチェックを行う聖ティラミサ騎士団の竜鱗兵達。
 そんな彼女らの陣地にパラドクストレインでやってきた復讐者達が襲撃をかけるまで、もう少し。



 ウェールズ地方の警戒網を突破して、潜入した街で情報を集めます。
 得られる情報は、一般人が知っている程度の情報となりますので、それを踏まえて、適切な情報収集を行っていきましょう。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。



特殊ルール 登場人物(NPC)との会話に専念する。
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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
1
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【飛翔】
8
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わる。全力で力仕事をするならば「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げる事が可能になる。
【勝利の凱歌】
1
周囲に、勇気を奮い起こす歌声が響き渡り、ディアボロスと一般人の心に勇気と希望が湧き上がる。効果LVが高ければ高い程、歌声は多くの人に届く。
【友達催眠】
2
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【迷宮化】
1
洞窟や家屋、砦などの内部を迷宮に変化させる。迷宮化により、敵は探索や突破に必要な時間が「効果LV倍」される。
【泥濘の地】
1
周囲の地面または水面が泥濘に変わり、ディアボロスは指定した「飛行できない対象」の移動速度を「効果LV×10%」低下させられるようになる。
【平穏結界】
1
ディアボロスから「効果LV×30m半径内」の空間が、外から把握されにくい空間に変化する。空間外から中の異常に気付く確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【無鍵空間】
1
周囲が、ディアボロスが鍵やパスワードなどを「60÷効果LV」分をかければ自由に解除できる世界に変わる。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【修復加速】
1
周囲が、破壊された建造物や物品の修復が容易に行える世界に変わる。修復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」する。
【使い魔使役】
1
周囲が、ディアボロスが「効果LV×1体」の通常の動物を使い魔にして操れる世界に変わる。使い魔が見聞きした内容を知り、指示を出す事もできる。
【口福の伝道者】
1
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。

効果2

【能力値アップ】LV7 / 【命中アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV5 / 【ガードアップ】LV2 / 【凌駕率アップ】LV1 / 【フィニッシュ】LV1 / 【反撃アップ】LV2 / 【グロリアス】LV2

●マスターより

寅杜柳
 オープニングをお読み頂き有難うございます。
 中は牧歌的、外は物々しいようで。

●執筆予定順
 ③→①→②→④となります。
 ざっくり纏めると、ウェールズを守る防衛部隊を撃破して村へ潜入し情報収集、警戒網が突破された事を感知してやってきたドラゴン達を撃破して帰還という流れになります。
 
●聖ティラミサ騎士団
 ウェールズの町を防衛している竜鱗兵です。
 防衛陣地を拠点に町の周囲を注意深く警戒しているようで、隠密で潜入する事は不可能です。
 真っ向勝負で速やかに突破してください。

●ウェールズの町
 竜鱗兵の部隊に守られている町になります。
 警戒網の突破によりドラゴンに感知され増援が向かってくるため、時間をかけた情報収集は難しいようです。

●狩雷伯『レオパード』、炎砕竜フロウ
 防衛ラインの強行突破を感知して駆けつけてくるドラゴン達です。
 撃破できればそのままパラドクストレインへ帰還することになります。

 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
23

このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


ナイナ・ヴィラネスティズム
POW
味方との協力・連携可

ごきげんようドラゴンの騎士様方
今日もお勤めお疲れ様でしてよ

敵布陣を遠目で一通り把握したらバリケードに向かってマジックグレネードを年越の豆撒きの要領で投擲・爆破
集団戦闘がやりやすくするようにバリケードの破壊を徹底した後、ドラゴン様に向け上記の冷やかしの挨拶を交わして戦闘に突入

火球型のブレスを妖精刀で切り払い、敵の連携を阻害するように魔散弾銃で制圧射撃を行いつつ、ヴィラネスト・レイジモード
パラドクスで強化された体術(グラップル)で騎士様方の首を華麗かつ粗暴にへし折って差し上げましょう

味方と協力・連携をとる場合は陽動・撹乱に切り替えて行動し、臨機応変に立ち回る


ルウェリン・グウィンリウ
ウェールズ……カンブリアか。
かつてブリトン人の王国が乱立していた時に比べて、今やドラゴン一色。

哀しいけれど、今は奴らの我が物顔を砕く為の準備期間だ。


やあ、やあ、巡回ご苦労! ブリタニアに巣食う寄生虫ども!
そしてさようなら! 明日から永遠に非番だ、喜べよ。

有無言わさず、先制攻撃を仕掛けて一気に殲滅しよう。
掲げるは竜の吹き流し、ローマ伝来の軍旗(ドラコ)で敵の注意を奪おう。

そのまま振り回して火球を払いながら、バリケード乗り越え突撃。
盾で防御しきれていない箇所を狙って刺突し、怯んだ瞬間に内側へ滑り込んで一閃。

一撃食らわせたら袋叩きにされぬよう素早く離脱。
確実に数を減らして追い込んでいこう。


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

アーサー王伝説に縁の地……警戒が厳しそうだ
未踏の地の情報は一つでも欲しい所だ

なるべく地形に潜みつつ接近
味方とタイミングを合わせ一気に襲撃を
積極的に連携

周囲を偵察、観察し戦況を把握
パラドクスの砲撃でバリケードを巻き込みつつ、吹き飛ばして破壊
閃光弾で目くらましも兼ね、防衛の崩れた場所から一点突破を仕掛ける
味方の突入には援護するように攻撃を
逆に援護のある間は積極的に攻撃を

空からの襲撃にも警戒
庇いがあっても倒しきれるように、味方と狙いを合わせて攻撃
着実に数を減らしていく

反撃には魔力障壁を張り防御し
敵の動きを観察し、見極めて深手を避け
こちらもNazarの盾を掲げ応戦

速やかに突破する


ラウム・マルファス
あまり町の人たちを怖がらせたくないからネ、派手な戦いは避けようカナ。
バリケードが邪魔なら汎用ドローンに普通の爆薬を積んで、爆発攻撃で壊そウ。接近できなくても、敵の姿が見えれば十分サ。パラドクスで心臓を空気に変換して攻撃。……ティラミサ騎士団って女性だったんだ、今気づいタ。心臓視ないと攻撃できないから、胸元見てゴメンネ。せめて挑発になれば、その隙に味方に攻撃して貰おウ。

害虫呼ばわりは気にしないヨ。ボクは侵略者だからネ。好きなだけ扱き下ろすといいサ。
……本当に平和で牧歌的なら、あまり邪魔したくはないケド。もしかしたらココの信仰でキャメロットが防衛されてるかもしれないからネ。


エラ・パーカー
連携アドリブ歓迎


故郷ウェールズ…!
やっと、やっとなの

逸る気持ちをなんとか抑えながら
マイクをセット
したところで、聞き捨てならない言葉

…害虫?
ウェールズに、ブリテンに巣食うお前たちに言われたくなんてないの!

歌うは英雄の勝利の凱歌
固く重くなるマイクを構え、撹乱を兼ねて蹂躙していくの

ガードアップを使用しつつも、多少の怪我は気にしない
エラが、みんなが、1匹でもこの寄生虫たちを倒せるなら

ウェールズの血は侵略者に決して屈しない
侵略者…ううん、害虫はお前たちなの

ちょっと頭に血が登りすぎちゃうけど
みんなの邪魔はしないようにだけは絶対気をつけるよう


宝心・ライラ
アドリブ連携歓迎

「ごめんくださーい!」
マイクを手に大声で叫びながら、みんなと息を合わせて奇襲をしかけるわ
陣形を混乱させるって意図もあるけど、いきなりお邪魔するんだからなにより挨拶は大事よね


後は大声のままにフロアを沸かせるDJのような仕草で渦巻く水流を呼び出して攻撃
どんなに盾を並べたって水の流れはそれをすり抜けてくれるはず
冷水の冷たさと水流に乗せた氷の礫でじわじわと陣を削り取ってあげましょう!

「もう、害虫だなんて酷い言い草ね!」
怒ったような口ぶりだが表情にも振る舞いにも怒りは見えない
沸き立つ負の感情は全て魔力と笑顔に変換されて、暴言を吐かれる度にどんどんテンションは弾んでいく


●桃鱗の騎士を討つ
 ウェールズ地方へ向かったパラドクストレインから降車した復讐者達は、目的の町への侵入を阻む防衛陣地から離れた地形に身を隠しながら様子を伺っていた。
「村はあの向こう側になるのかナ」
 眼鏡の奥の青の目を細めつつデーモンの青年、ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)が防衛陣地を眺め呟き、
「アーサー王伝説に縁の地……なるほど、警戒が厳しそうだ」
「あの陣地も中々堅固に見えますわね」
 青髪の天使、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)と深紅のドレスを纏うナイナ・ヴィラネスティズム(凱閃令嬢・g00383)は周囲を警戒する竜鱗兵達の様子や布陣を観察している。
 築かれた防衛陣地の一帯は平地、遮蔽物もなく隠れ通り抜ける事は不可能だろう。その上で防衛陣地は戦闘では竜鱗兵が身を隠し、突破する障害になりうるだろうと予想される。
 ラウムが心配していた町との距離――戦闘で住人を怖がらせる可能性は、幸い防衛陣地は街から十分離れているようで、多少派手に暴れても村人が気づくことはなさそうだ。
(「……本当に平和で牧歌的なら、あまり邪魔したくはないケド」)
 もしかするとまだ見ぬ町の信仰もキャメロットを防衛するための力となっているのかもしれない――そんな考えがラウムの頭を過るが、確証はない。
「ウェールズ……カンブリアか」
 金の竜の翼持つルウェリン・グウィンリウ(ドラコナリウス・g02040)が呟いたその名前はこの地方の古称。
 本来のこの時代はブリトン人の王国が乱立していた筈ではあるが、このディヴィジョンではドラゴン一色で本来の景色と様相は異なっていて、その事を哀しく思う。
(「やっと、やっとなの」)
 そして桃髪のデーモンの少女、エラ・パーカー(cân serch o morganite・g03253)は胸に沸き起こる感情に逸らぬように抑え込みながらマイクをセットしていた。
 この地は彼女の故郷、訪れる事ができる日をどれだけ望んでいたのだろう。
 ――だが、今のこの地はドラゴンに改竄されたディヴィジョンである。
(「今は奴らの我が物顔を砕く為の準備期間だ」)
 静かに宿す復讐者としての怒りを必ずあの竜達にぶつけてやろうと、ルウェリンは金の瞳で睨みつけるように竜鱗兵の騎士達を見やり、防衛陣地へ隠れながら距離を詰めていく。
 そしてこれ以上は難しいだろうと判断した復讐者は竜の騎士達の様子を見ながら、復讐者達は奇襲に打って出る。
「ごめんくださーい!」
 マイク片手に宝心・ライラ(ミス・ハッピーエンド・g01071)という派手なピエロ衣装の少女が場違いな位に明るい調子で大声を響かせる。
 突然お邪魔するのだから敵と言えども挨拶は大事、彼女の大声と同時にラウムが放った汎用ドローンがバリケードへと向かっていく。
 更にナイナが防衛陣地の頭上にマジックグレネードを高く投擲、そして妖精刀を構えてパラドクス【ヴィラネスト・レイジモード】を発動、内に溜めた強い怒りの感情を爆発させてルウェリンと共に一気に駆け出した。
 まるで節分の豆のように高々と投げ上げられたグレネードは放物線を描き、ラウムのドローンが投下した爆薬とほぼ同時に炸裂し閃光と爆発が陣地のバリケードに襲い掛かる。
 見かけよりも強固なバリケードは砕けなかったが、光と爆風に一瞬竜鱗兵達の眼が奪われたタイミングでライフルを構えたエトヴァが仕掛ける。
「――閃き、光の華となれ」
 パラドクス【Hagelschrote】を発動、足を止めた竜鱗兵とバリケードに向けて霰弾が放たれる。
 その弾丸は閃光を放ち炸裂、次から次にまばゆい火花を撒き散らし爆風を受けたバリケードの一部を吹き飛ばした。
 その瞬間エトヴァに対する反撃――防衛陣地から飛び出してきた桃鱗の竜鱗兵達が一瞬で距離を詰めてくる。
『やはりディアボロスか!』
 奇襲による動揺こそ僅かに混じっているが、気迫に満ちた甲高い叫びと共に一斉に剣撃を放つ。
 息の合ったコンビネーションから繰り出される攻撃をエトヴァが巨大な深青の目の彩色の盾を翳し、体を縮めてどうにか防ぎきった。
 一方、防衛陣地に突っ込んでいく二人の復讐者に対し、竜鱗兵の騎士達は反撃の炎弾のブレスを乱射する。
「ごきげんようドラゴンの騎士様方。今日もお勤めお疲れ様でしてよ」
 ブレスの乱射にナイナが返すは令嬢らしい上品な言葉遣いの挨拶――明らかに冷やかしのそれと共にナイナは妖精刀で火球を斬り払うように軽やかに回避しながら、魔散弾銃の弾丸を二体の竜鱗兵へ集中的にばら撒いて連携を妨害。
 彼女のパラドクスにより徒手空拳の威力のみならず、武装の威力も極限まで上昇している。
「やあ、やあ、巡回ご苦労! ブリタニアに巣食う寄生虫ども!」
 撃竜騎士の青年は挑発するように朗々と竜鱗兵達響かせて、 
「そしてさようなら! 明日から永遠に非番だ、喜べよ」
 返答は待たない。エトヴァの砲撃で砕けたバリケードの破損箇所から防衛陣地へと飛び込むと、パラドクス【ア・ドライグ・ゴッホ】を発動し赤竜旗――ローマ伝来の軍旗を掲げる。
「例え夜に覆い尽くされようと、我ら暗闇と風雨の間に光を絶やさず――不撓不屈、示してみせよう」
『この、ディアボロス如きが!』
 バリケードの上から竜鱗兵は激怒したかのように二体が反撃の火球のブレスを放つ。
 その火球にドラゴニアンの青年は果敢に挑み、竜の軍旗を振り回し火球を打ち払うと瞬時にバリケードの破損部を足掛かりに飛んで、ブレスを放った竜鱗兵達に軍旗を振るう。
 一体を刺突、もう一体を流れるように盾で防ぎ辛い角度で薙ぎ払い一閃。
 吹き飛んだ竜鱗兵達への追撃は行わず、ルウェリンは袋叩きにされぬようにバリケードから一時離脱する。
 彼を追おうと一体の竜鱗兵がバリケードから飛び出した次の瞬間、至近距離に迫ったナイナが鮮やかな手並みで竜鱗兵の首を掴み握りしめて、
「加虐憤怒! 傷痕残る逆さ鱗を撫でられた悪女の乱暴狼藉!」
 言葉に似合わぬ優雅な所作で、それを捩じり折り、即座にその場を離れる。
 火球の乱射で二人を追撃する竜鱗兵達だが、上手く狙いが定まらず地面を燃やしてしまうだけで、そこにライラがパラドクス【水明山梅アイスクリーム】を発動する。
「水色の演目! みんな一緒にサムバディ・スクリーム!」
 観客のテンションを上げるかのように告げれば、生じたのは複数の渦巻く水流。清流濁流凍てつくような水流様々に、氷の礫も織り交ぜたパラドクスが周囲を警戒していた二体の竜鱗兵を呑み込んだ。
 それはさながら水流をターンテーブルに見立てた変幻自在の波濤。DJらしい仕草でフロアを沸かせるように、呼び出された渦巻く水流は鎧も盾もすり抜けて騎士達の身体にダメージを通していくが、竜鱗兵は即座にパラドクスで反撃。
 息を合わせた連携で襲い掛かる水流を凌ぎきり、連係プレイで脱した竜鱗兵はライラを鋭く剣で斬り払う。
 ピースサインで展開した障壁で運よく凌ぎ、軽やかな身のこなしでライラが距離を取ると、そのタイミングを見逃さずラウルはパラドクス【万物解析】を発動、悪魔の眼鏡に魔力が解析の魔力が宿る。
「視えてるヨ」
 解析完了、見出した弱点――胸部の心臓。
(「……ティラミサ騎士団って女性だったんだ」)
 この場に少々そぐわない感想ではあるが今気づいてしまったのだからしょうがない。視認しなければ力は使えないのだから。
 そのまま竜鱗兵の胸部を構成する物質をパラドクスの力で空気へと変換し破壊する。
 吐血する竜鱗兵、反射的に抵抗され仕留めるには至らず、仲間とのコンビネーションでラウムに反撃にかかる。
「胸元見てゴメンネ」
『何を言っている! 害虫めが!』
 戯けた印象のラウムであり、発された言葉は挑発にも聞こえる。
 怒りにより勢いを増した騎士竜の刃をラウムは見切り回避して、そして彼に引きつけられた竜鱗兵を狙い、
「まあ、害虫呼ばわりは気にしないヨ。ボクは侵略者だからネ」
 好きなだけ扱き下ろすといいサ、とラウムは飄々と受け流す。
 ただ、竜鱗兵のその言葉はエラにとっては聞き捨てならぬものであって。
「……害虫? ウェールズに、ブリテンに巣食うお前たちに言われたくなんてないの!」
 パラドクス【träumerei『CORINEUS』】を発動し、歌い始めたのは英雄の勝利の凱歌。勇気と希望を奮い起こす甘い歌声は彼女の愛用のマイクを固く、重く変えていく。
 巨人を打ち倒す英雄のように、エラはマイクを竜鱗兵に叩きつける。巧みな連携で防御に専念されるが、その防御越しに桃の竜鱗を打ち砕く強烈な一撃。
「もう、害虫だなんて酷い言い草ね!」
 ライラが怒ったように返すけれど、彼女の表情には怒りどころか笑顔が浮かんでいる。
 沸き立つ負の感情は贄として魔力と楽しさへ、竜鱗兵の口から紡がれるはますますライラのテンションを弾ませるばかりである。

 パラドクスの応酬は続く。残留効果が重なる事で仲間の士気は高揚し力は沸き立ち、復讐者達の勢いは防衛の竜鱗兵達を圧倒していく。
 弱った個体を確実に倒す堅実な戦法により、竜鱗兵の数は徐々に減らしていた。
「まだまだ盛り上げていくよー!」
 じわじわと削られ混乱する陣形をかき混ぜるかのように、テンション高く叫ぶライラの渦巻く水流が、連携取れた聖ティラミサ騎士団の竜鱗兵に襲い掛かり、更にラウムのパラドクスが竜鱗兵の急所を変換し倒していく。
 そして、多少の傷を負いながらもエラは英雄譚を歌いあげ、マイクを振るいながら竜鱗兵を撹乱していた。
 少々頭に血が上りすぎている自覚はある。それでも、
(「エラが、みんなが、1匹でもこの寄生虫たちを倒せるなら……!」)
 収まらない怒りのままにマイクを叩きつけ鎧をかち割っていく。
 パラドクスの輝きが齎す残留効果は護りを与え竜鱗兵達の鋭い攻撃も多少なり軽減されているし、周囲との連携を乱さぬことは意識できている。
 指輪より展開した黄金の荊の魔力障壁により巧みな連携攻撃のダメージを抑えたエトヴァが反撃の霰弾を放つ。
 炸裂する光、仲間同士で庇い合う竜鱗兵は炸裂する火花を耐え凌いだが、そこに飛び込んできたルウェリンが両者を纏めて軍旗で薙ぎ倒す。
 防衛陣地の方でも数を減らした竜鱗兵相手にナイナは近接戦闘のパラドクスを存分に働かせている。
 華麗に粗暴に、令嬢らしい所作から繰り出されるナイナの暴力は、火球のブレスを斬り伏せ致命傷を避けつつ次々に竜鱗兵をねじ伏せ、首をへし折っていく。
 そして、最後の一体がエラのマイクに鎧ごと叩き砕かれ、防衛陣地にいた聖ティラミサ騎士団の竜鱗兵は全て撃破された。
「ウェールズの血は侵略者に決して屈しない。侵略者……ううん、害虫はお前たちなの」
 告げる彼女、そこには断固たる決意と怒りがあった。
 既に動く者のいなくなった防衛陣地を越えて、復讐者達は速やかに目的地の村へと向かっていった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【平穏結界】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【無鍵空間】LV1が発生!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
【迷宮化】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV3が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV2が発生!

●穏やかな田舎町へ
 防衛陣地を突破した復讐者が先を進めば、まだ日が高い内に大きめな農村とも言えそうな町が見えてくる。
 外で農作業や家畜の世話をしている住人の姿がちらほら見え、町並みも含めて外から見える分においてはさしておかしな点は見られない。
 今は周囲に竜鱗兵の気配はない。しかし、防衛陣地が破られたことはそう遠くない内に察知され、侵入者を始末せんと新たな兵力がやってくる事は想像に難くない。
 それまでに情報を得る――この牧歌的らしい町の住人の知りうることをどのようにして聞き出すかが重要になる。要点を絞る必要もあるだろう。
 ともかく、この村の外で様子見して時間を無為に潰してしまうのは意味がない。
 追っ手が来る前にと、復讐者達は穏やかな空気のこぢんまりとした町へと近づいていく。
エラ・パーカー
連携アドリブ歓迎


まずは突破できたことに安心して
それから懐かしい空気に涙がでそうになるの

でも今はなにか少しでも情報を得なきゃ


あの…すみません
少し休ませてもらっていいですか?

【友達催眠】を使い旅装姿でおばさま方に声をかけるの

嫁入りした姉に会いに
彼らに同行させてもらって来たの

そんな風に軽く世間話

そういえば来る途中にドラゴンさまを見かけたの
うちは田舎であんまり詳しくないんだけど
やっぱりウェールズを守ってくれてるのは赤い竜なのかな?

高く飛んでらっしゃったからあんり見えなくて…

『様』を付けると具合悪くなるけどガマン
信仰厚く見えるようにお話聞くよう

もし食事とかに誘われたら姉が心配するからってご遠慮するよう


ナイナ・ヴィラネスティズム
アドリブ・協力可

知っておられまして?
ウェールズの地にはかつてある王国がありましたのよ
それはそれは立派な・・・もうないでしょうけどね

旅装姿で行動
ひとまずは友達催眠を用いて昔馴染みを装い村人達と接触・情報収集
自分の知らない事はすっとぼけたり長く旅をしていてすっかり忘れたとでも言っておきましょう

この地を治めるドラゴン様の名前や身体的特徴、村人達のドラゴン様への評価といった「ウェールズを支配する者に関する情報」を重点的に聞き出していきましょう
村人達の反感を育てないよう言動には気を配る
有力な情報をくれた村人には旅先で得たという食べ物(ドーナツ)をお礼としてあげる
得られた情報は味方と共有す


ルウェリン・グウィンリウ
気の抜けるほど長閑だね。
けれどドラゴンの支配下である以上、全部仮初に過ぎない。

やはり、まずは情報だ。

旅人を装って行動。
他国から来た振りをして話を聞いてみよう。
この辺りの最近の様子とか、何か変わった事が無いか、大まかな所から聞き込み。

あと、ウェールズと一口に言っても広い。
グウィネズ、ポウィス、ダウェッド……。

何か特徴的な地域などはないか、知っていたら教えて貰おう。
是非訪れた方が良い名所とか、逆に近寄らない方が良い土地とか。

例えばドラゴン――様の居城があったりで、旅人への検問が厳しいみたいな。

成果の有無問わず、遅くならぬ内に撤収。
もし情報が得られたら全員で共有。


●炎角竜と霹靂竜
 旅装姿の女性二人と青年が、怪しまれぬようごく普通の調子で穏やかな田舎道を歩いていく。
「……普通の町、ですわね」
「気の抜けるほど長閑だね」
 旅装姿のナイナ・ヴィラネスティズム(凱閃令嬢・g00383)の言葉にルウェリン・グウィンリウ(ドラコナリウス・g02040)が返す。
 周囲を見渡す程に緊張感のない、長閑な町だと感じられる穏やかな風景。ドラゴンの支配下である以上、これらも全部仮初に過ぎないとルウェリンは思う。
 それでも空の日差し、草の匂い――故郷であるウェールズの懐かしい空気を肌に感じたエラ・パーカー(cân serch o morganite・g03253)の眼からは涙が零れそうになる。
 けれど今はこの地に調査にやってきたのだ。
 突破した安心感はあるけれど今は少しでも情報を得るために、涙をぐっと堪え何でもない風に町中を見渡し住人の姿を探す。
 程なく町中の井戸を発見した復讐者達は、土に汚れた農夫や主婦らしき住民、そして子供たちが休憩しているところに接触する。
 まずは情報を――友達催眠の残留効果により旅装姿の復讐者達に対して住民達はさして警戒する様子もなく、まるで遠方からやってきた友人たちにするように挨拶をしてきた。
 挨拶を返しつつ、まずはエラが人の良さそうなおばさま方に声をかけた。
「あの……すみません」
『ああ、旅の人かい。こんな田舎に珍しいねえ』
 声をかけたエラに、お喋りそうな活発な雰囲気の中年の女性が親し気に返してくる。元より素朴な人たちだから、可憐な旅の少女らしい外見のエラを疑う様子もなく、言葉には好奇心の色が強いように感じられる。
「嫁入りした姉に会いに彼らに同行させて貰って来たの。でもちょっと疲れちゃって……少しこの町で休ませてもらっていいですか?」
 そう言ってナイナとルウェリンを指し示すと、住人は快く応じてくれた。
『ああ、いいさ! こんな田舎でよければゆっくり休んでいっておくれ』
 お言葉に甘えて、と荷物を下ろす復讐者達。その間の戯れと、自然に住人達との世間話を開始する。
「知っておられまして? ウェールズの地にはかつてある王国がありましたのよ。それはそれは立派な……もうないでしょうけどね」
 知っているお話、という体で世間話をするナイナ。その話は或いは彼女自身の物語だったのかもしれないけれども、旅人の語る物語は珍しいらしく、住民達は興味津々に彼女の言葉を聞いている。
「そういえば、この辺りで何か変わったことはないか? なにか特徴的な地域とか……是非訪れた方がいい名所とか」
 ウェールズと一口に言っても広く、様々な地域がある。それを踏まえてルウェリンが農夫に問うが、
「この辺は田舎だからなあ」
 いくつか住人が変わったことを挙げるけれど、いずれもドラゴンに繋がりそうな内容ではなかった。
 農耕で生計を立てる住民の行動範囲はそれ程広いわけでもないらしく、中々ドラゴンに通じる情報は得られない。
 もしかすると平和であるから日常は平凡で、旅人の語る物語に興味があるのかもしれない。
 そうこう尋ねている内にエラの方も世間話からさり気なく質問へと誘導する。
「そういえば来る途中に――ドラゴンさまを見かけたの。高く飛んでらっしゃったからあんまり見えなくて……」
 正直な所、不倶戴天の敵に様などとつけるのは具合が悪くなりそうだ。この住人の信仰篤い様子を見るにエラもそう振る舞ったほうが目的達成に近づくのだと我慢する。
「うちは田舎であんまり詳しくないんだけど……やっぱりウェールズを守ってくれてるのは赤い竜なのかな?」
『赤い竜……なら炎角竜・ボールス様かしら』
『ああそうだ! ボールス様の城はすっごく綺麗だよ。あそこはとっても立派だからね』
 女性の言葉に思い出したようにルウェリンと話していた農夫が上機嫌にそう口にした。
 ボールス、確か円卓の騎士に名を連ねる騎士の一人だったか、とルウェリンはその名前に思考を巡らせつつ、エラは知らないと聞き返した。
『ボールス様の事も知らないとは……かなり遠くから来たのかい?』
「ええ……随分長いこと旅をしてきましたから。その方がこの地方を守られているのでして?」
 横からナイナが調子を合わせつつ尋ねると、女性はそうだよと答えた。
『それじゃ霹靂竜ボールス様の事も知らなさそうだね』
 ナイナの話を聞いていた老人が口にしたその名も初めて聞く名。
「その方も初めて聞きますわ。ええと、どんなお姿の……」
『屈強で赤の鱗が鮮やかなのが炎角竜・ボールス様、白鱗の長い体に雷で敵を打ち倒される方が霹靂竜ボールス様だよ』
 ナイナの疑問にドラゴン達の特徴を農夫が説明してくれて、ふむふむと興味深げにナイナは聞く姿勢をみせる。
『えーとね、こんな感じの姿だよー』
 子供が手に持っていた棒で土の地面に子供らしい絵をがりがりと描いていく。
 片方は最終人類史のウェールズ国旗に描かれている竜に似ているとも言えるような形で、もう一方は蛇のような長い体で明らかに別の竜だ。
『まあ最近は多くのドラゴン様がこのウェールズに集まってるから、もしかすると別のドラゴン様かもしれないね。ともかくドラゴン様の姿を見れるなんて、アンタ達運がいいよ』
 ありがたやありがたやと感謝しているような住人の様子には嘘の気配は感じられない。
(「……この方達はドラゴンの支配を当たり前のように受け入れて信仰しているみたいね」)
 その上でボールス達は村人に好意的に信仰されているのだと、エラには感じられた。
 二人の質問でこの地方を支配するドラゴンの情報は得られた、もう少し色々聞きだす為にルウェリンが話を切り替える。
「名所とかがないなら、逆に近寄らない方がいい土地……そうだな、ドラゴン――様の居城があったりして、検閲が厳しい場所とかはあるか?」
 敬称の部分で微妙に言い澱むが、住人たちはそれを咎めずうーん、と頭を捻る。
『検問とかも聞いたことが無いなあ。田舎だし旅人自体が少ないから……』
『そういえば最近、ドラゴン様に注意されて引き返してきた人がいたって噂は聞いた事があるわよ』
 首を捻る農夫の言葉に年配の女性がそう続けた。
「注意?」
『この先はドラゴン様が集まっているから、危険だって。噂だからよく分からないけど』
 わざわざ教えてくれるなんて親切だなあ、などと続ける農夫の言葉を聞き流しつつルウェリンは思考する。
 真実だとしてどのような意図でドラゴンが忠告したのかは不明だが、ドラゴンが集まっているというのは記憶しておいた方が良いかもしれない。

 そうこう会話している内に、時間が経っていた。
『ああ、折角なら早めだけど夕食でも食べていかないかい。もっとお話してもいいじゃないか』
 年配の女性が親切そうに誘いかけてくる。けれど、
「……すみません。あまり遅くなると姉が心配しますから、そろそろ出発しようかと」
 棘のないよう控えめにエラは断った。その言葉に住民は残念がりつつも、だったらこの先の旅も気を付けるんだよ、と快く送り出してくれる。
「折角ご親切にして頂きましたから、こちらを」
 ナイナが親切に情報を教えてくれた住民達に差し出したのは新宿島より持ち込んできたドーナツのセット。
 旅先で得た食べ物のお裾分けだと伝えて住人に手渡せば、親切という程の事はしてないよ、と言いつつ笑顔で受け取ってくれた。
 それではこの先も気をつけて、と見送る住人達に手を振り返しながら、三人の復讐者は村を後にする。
 村での情報収集は十分、後は帰還するだけだが――その前に、迫りくるドラゴン達の気配を復讐者達は感じ取っていた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【友達催眠】LV2が発生!
【飛翔】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
【能力値アップ】がLV4になった!

●紫電と焔龍来たり
 急ぎ村の外へと出てパラドクストレインへと帰還せんとする復讐者達、町から十分離れた地点で復讐者達を咎めるかのように、空が荒れ始める。
 草原の遠くに見えるのは赤き龍の群れ、そしてそれらを率いる紫電の竜。
 かのドラゴン達は防衛陣地を突破した復讐者達を始末せんとやってきていて、既に此方を認識している。
 あの町で得た情報を持ち帰るためには、ここでドラゴンを速やかに撃破する必要があるだろう。
 赤き龍の群れと強大な紫電の龍、そして復讐者達の戦いが始まろうとしていた。
ナイナ・ヴィラネスティズム
WIZ
味方との協力・連携可

あら?旅行の為の下見を一通り終えましたのでお帰りになろうと思いましたのに・・・何かご用かしら?

敵からのマグマ吹き付けは飛翔活用にて宙を舞い、破片の直撃を避けるようにして回避
破片を破壊できそうならば魔散弾銃で撃ち込んでみる

お返しの反撃にはアイスグレネード
氷の魔力を込めたマジックグレネードを敵の密集している箇所に向けて投擲爆破
オホホホホ!
空気よりも冷たい絶対零度に耐え切れまして?

味方と連携する際は撹乱目的でこちらの目を惹きつけるように戦場を掻き回していく
手当たり次第にぶち込んでやりますわよ
もちろん一匹残らず生かして返しませんわ


エラ・パーカー
連携アドリブ歓迎
ネメシス:笑顔しかできない10歳位の少女


我らが赤い竜もやっぱり…
あぁ、腹が立つ

この地に住んでいた当時の姿
身の丈より大きくなったマイクを構えて蹂躙しよう

歌いながら【飛翔】で飛びかかる
マイクで思いっきり殴りつけるの
撹乱だから避けられてもいい
わたしの本命は魔力の青い花

お前たちの生命、差し出してくださいな
ウェールズにいらないものだから

マグマの破片が襲ってきたら仲間の行動を見つつ飛び回るの
目の前の敵、そして控える狩雷伯を倒すためなら多少ケガしたところで気にしない

可能なら【グロリアス】で自分や仲間を癒すよう


ルウェリン・グウィンリウ
本当に平和な町だった。
サクソンやゲール人に住んでいた土地を奪われ、怯えながら山奥に隠れ住むより幸せそうに見えるほど。

だけど僕の決意は変わらない。お前らドラゴンは全員根絶やしだ。

さあ、一気に突破しよう。


飛翔して攻撃を掻い潜りながら、アーレア・ヤクタ・エスト発動。
盾を構えて熱や灰を防ぎつつ、接近して槍を突き刺し、剣撃を閃かせる。

爆風の衝撃波ではわざと吹き飛び、その勢いを旋回に利用して側面や背後から攻めかかろう。

隙間を縫うように機動しながら敵同士の連携を乱し、味方を狙う個体や、手負いの相手を優先して素早く仕留めていく。
もし多数に囲まれて不利を強いられている仲間がいれば救援するなど連携も惜しみなく。


●賽は投げられた
 風を切り裂き低空を飛翔し飛来してきたドラゴンの群れを、ナイナ・ヴィラネスティズム(凱閃令嬢・g00383)は優雅な雰囲気を崩さぬままに見据えていた。
「あら? 旅行の為の下見を一通り終えましたのでお帰りになろうと思いましたのに……何かご用かしら?」
 ナイナの言葉に返ってくるのは怒れる炎砕竜の咆哮、このディヴィジョンを支配するドラゴン共は侵入した復讐者を穏便に返すつもりはなさそうだ。
「我らが赤い竜もやっぱり……」
 呟くエラ・パーカー(cân serch o morganite・g03253)はネメシス形態――ウェールズに住んでいたあの頃の姿。
(「あぁ、腹が立つ」)
 張り付いたような笑顔の内に憤怒を秘めた彼女、それとは逆にルウェリン・グウィンリウ(ドラコナリウス・g02040)はあの町の事を振り返っていた。
(「……本当に平和な町だった」)
 思う。
 改竄されていない――住んでいた土地を奪われ怯えながら山奥に隠れ住んでいた史実の人々に比べれば、ドラゴンを信仰し生きるあの町の人々の方が幸せそうにも見えた。
 だが、そうであってもルウェリンの決意は変わらない。
 例え彼らの信仰の対象であろうと――ドラゴンは全員根絶やしにする。
「さあ、一気に突破しよう」
 吼え襲い掛かってくる炎砕竜達に向かい、ルウェリンはパラドクス【アーレア・ヤクタ・エスト】を発動し飛翔する。
「征かば我が身の破滅、退けば人間世界の悲惨――進もう、敵の待つところへ」
 飛び立った騎士を狙い、高熱の灰が舞い始める。襲い掛かる竜共の爆風のパラドクスに対し、ルウェリンは楕円形の大盾で直撃を避けつつ熱と風の薄い空域を複雑な軌道で掻い潜っていく。
 更にエラも空中のドラゴンに向けて飛翔、構えているのは今の彼女の身の丈よりも大きな普段使いのマイク。
「星が降るの 暖かな真昼に 凍える夜に♪」
 構え、パラドクスを発動させながら口ずさむのは愛を込めたウェディングソング。
 マイク振り上げ飛びかかってくる少女に炎砕竜が二体、マグマの破片を吹き付けてくる。
 飛翔の勢いのまま急上昇でマグマの破片の直撃を回避するエラの皮膚を熱が焼き、痛みが走った。
 しかしそれは覚悟の上、多少のケガなど眼前のドラゴン達を倒す為なら気にはならない。
「わたしの心を灯す 優しい星 わたしだけのブルースター♪」
 痛みに歌は途切れる事もなく、魔力の青い花が歌から浮かんで炎砕竜達へとふわりと零れ、炎の鱗へと触れていく。
 マイクは牽制、本命は、
「――お前たちの生命、差し出してくださいな」
 思いも気持ちも、生命さえも。邪魔なものを停止させる本命のブルースターはドラゴン達を止めて、そのダメージの一部は復讐者達の癒しへと転化される。
 ドラゴンはウェールズにいらないもの、彼女だけの愛しい人を想う歌のパラドクスは静かに荒ぶる炎の如きドラゴン達を停止へと近づけていく。
 激昂する炎砕竜から放たれたパラドクスが死を齎す高温の破片となり地上のナイナへと襲い掛かる。
 下手に高空を飛翔すれば炎砕竜達の格好の的になってしまう。パラドクスによるマグマの破片は弾丸を撃ち込んでも砕けることはない、砕けたとしてもそのままナイナに襲い掛かってくるだろう。
 即座にそう判断したナイナは炎砕竜程の高度には至らぬよう低空を舞って吹き付けられるマグマの破片の直撃を回避、最小限の被弾に抑え込みつつ同時にグレネードに魔力を注ぎ込み反撃のパラドクス【アイスグレネード】を発動。
「氷蒼魔咬! 無残爆裂する絶対零度!」
 ナイナを狙う炎砕竜達の眼前に投擲された氷の魔力を込めたグレネードは、群れて飛翔する炎砕竜達の中央で爆発、空気すら凍てつかせる冷気を炸裂させる。
「オホホホホ! 空気よりも冷たい絶対零度に耐え切れまして?」
 反撃をまともに受けた炎砕竜の炎の如き表皮が凍てつく中、わざと高らかに笑うナイナ。
 わざと高らかに笑うのは注意を惹きつける為、ナイナへと怒りを向けた炎砕竜の視界外からルウェリンが迅速に炎砕竜の一体に取りついて背にメナウリオンという槍を突き刺した。
 パラドクスの一撃に炎鱗も易々と貫かれ致命傷へ、そして絶命した竜が墜落する前にルウェリンは再び飛び立ち、灰含む爆風を盾で阻みながら衝撃を加速に利用して別の青の花に動きを鈍らせた炎砕竜の側面より襲撃、首筋に白柄の剣を閃かせる。
 焔より暗い血がぱっと散り、落下していくドラゴンの身体を蹴ってルウェリンは飛翔する。
 危険をものともしない撃竜騎士は複雑な軌道で灰の爆風を凌ぎながら竜の隙間を縫うように飛翔し連携を阻み、停止の青き花と爆発する冷気のグレネードが体力を削り取っていく。
 地上から戦場を引っ掻き回す令嬢はドラゴン共をこの場から一匹たりとも逃すつもりはない。
 そしてそれは接近戦を仕掛ける二人も同じであり、その目的の為に三人の復讐者は次々に炎砕竜を墜としていった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
【飛翔】がLV4になった!
効果2【能力値アップ】がLV5になった!
【グロリアス】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!

一里塚・燐寧
ボールスが二人ねぇ?
円卓の騎士ボールスは父さんも同じ名前だから、親子ってことかなぁ
んにゃ、ウェールズの伝承には赤い竜と別に白い竜がいるから、その絡み……?
ま、この場を凌いでから考えるっきゃないかぁ

≪テンペスト・レイザー≫を手に、地上から上空の敵を睨む
地対空攻撃で、空中戦を挑む仲間の死角から来る敵を優先的に狙うねぇ

【完全視界】で荒れた空を見通して、放つは『呪式:飛翔怨斬』
得物を振るった瞬間に標的を襲う呪詛の一閃で、上空の敵を地上にいながら両断していくよぉ
反撃の爆風は一時的に【飛翔】して逃れたり、得物の分厚い刀身を盾代わりに受け止めるよぉ
あはは、きみらみたいな小粒の「赤い竜」はお呼びじゃないよぉ!


●唸る鎖鋸、呪詛の刃を
 今にも雨の降り出しそうなぐずついた天気。
 炎砕竜フロウがマグマや爆風のパラドクスを放ってくる中、救援機動力により駆けつけていた復讐者の一人、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は紫のミニドラゴン『チェーンソーザウ太』を連れながら共有した情報を軽く考察していた。
(「ボールスが二人ねぇ? 父さんも同じ名前だから、親子ってことかなぁ」)
 アーサー王伝説では円卓の騎士ボールスの父親の名もボールスであり、ガリア王だったとされている。
(「んにゃ、ウェールズの伝承には赤い竜と別に白い竜がいるから、その絡み……?」)
 ただ、ウェールズには赤い竜と戦い敗れた白い竜の伝承もある。このディヴィジョンのドラゴン達の関係性がそれらの伝承に沿っているかは不明ではある。
 ただ一つ言える事は、
「ま、この場を凌いでから考えるっきゃないかぁ」
 この情報を最終人類史に持ち帰るにはまずドラゴンの群れを撃破し突破せねばならない。
 呪詛と怨念を宿す愛用のチェーンソー大剣『テンペスト・レイザー』を手に、上空の炎砕竜の群を睨みつける。
 天気は少々悪いが視界は良好、悪かった場合に備え残留効果も用意しているので問題ないだろう。
 空の標的――空中戦を繰り広げる復讐者の死角にいるドラゴン二体を見定め、パラドクス【呪式:飛翔怨斬】を発動する。
 唸る鎖鋸が虚空を斬るように振り抜かれれば二体のドラゴンの胴体に禍々しい紫の剣閃が発生、防御も間に合わずその赤き竜鱗に深々と斬撃が刻み込まれる。
「んふ、大剣の間合いを見誤ったようだねぇ」
 呟く燐寧に対して反撃の爆風のパラドクスが同時に襲い掛かるが、リターナーはチェーンソー大剣を振り抜いた勢いのままにその分厚い刀身を盾にして灰と爆風の直撃を防いだ。
 熱と灰が肌を焼く痛みはあるが、大したダメージにはなっていない感覚。
 爆風が止んだ直後、紫の剣閃を受けたドラゴン達は体を真っ二つに分断され、呪力により爆発四散。
「あはは、きみらみたいな小粒の『赤い竜』はお呼びじゃないよぉ!」
 それを見届け叫びつつ炎上する一帯から低空を飛翔し離脱する燐寧。
 地を駆けて追いかけてくるミニドラゴンと共に、次なる上空の標的の見定めにかかった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【完全視界】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!

アンゼリカ・レンブラント
後はドラゴンの部隊を撃破だね、撤退支援に来たよ!
ちゃんと帰るまでが任務っ

みんなと動きを合わせパラドクスの斬撃での攻撃
敵からの爆風も何するものぞだよ!
こちらの斬撃で放たれる衝撃波と身を護る障壁でしっかり守り
ダッシュで小回りを生かし、
地面を素早く駆けつつの斬撃で翻弄しよう
一度に沢山の攻撃を受けなければ大丈夫!

さぁさぁ捕らえられるかな?こっちだよ!
戦況次第でかく乱に専念し仲間のきつい一撃の呼び水になるよ
攻撃の際は消耗している個体を中心に痛撃をお見舞い、
とにかく数を減らしていくね

徐々に仲間と囲みを作るようにして追い詰め
呼吸を整えた全力の《光剣閃波》をお見舞いして殲滅だよ
さぁ、残りはお前だけだね狩雷伯!


シル・ウィンディア
撤退支援開始しますっ!
さぁ、ドラゴンさん達、ここから先は通行止めだよっ!!

対抗して飛翔の効果で上空へ舞い上がるよ。
最初っから全開っ!
飛翔で敵に突っ込むと見せかけて
世界樹の翼type.Bからの誘導弾と同時に高速詠唱の裂空絶砲を撃っていくよ!
さぁさぁ、風の精霊達とのダンスを楽しんでねっ!!

その後は、敵群の周りを飛ぶように移動して、合間合間に裂空絶砲で削ったり倒したりしていくよ。
攻撃時のターゲットは、味方が攻撃して、かつ、明らかに弱っている敵を中心に攻撃を仕掛けていくよ。弱ってないなら、味方の攻撃した敵を中心に攻撃だね。

さて、それじゃ指揮官さん。
あなたもここで墜ちてもらうから覚悟してね。


●光斬り裂き風穿ち
 炎砕竜の勢いが衰え復讐者達の優勢に傾いていく戦場へ、新たに二人の復讐者の少女たちが救援機動力で駆けつける。
「後はドラゴンの部隊を撃破だね、撤退支援に来たよ!」
「撤退支援開始しますっ!」
 金の髪を靡かせ飛翔する炎砕竜の下方へと飛び込むアンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)と別れ、蒼髪のシル・ウィンディア(虹霓の砂時計を携えし精霊術師・g01415)は一気に飛翔する。
「さぁ、ドラゴンさん達、ここから先は通行止めだよっ!!」
 出し惜しみなし、一気に押し切るという迫力で漂う冷気と炎砕竜をすり抜けその真上へ飛翔するシル。
 天を見上げた三体の炎砕竜からマグマの破片のブレスが放たれようとするが、攻撃はシルの方が速かった。
 飛翔しつつ世界樹の翼『ユグドラシル・ウィング』という名の白銀の長杖を銃モードに切り替えた彼女は真下にそれを構え、パラドクス【裂空絶砲】を発動。 
「空を舞う風の精霊よ、銃口に宿りて、すべてを穿つ力となれ!」
 詠唱と共に銃口のすぐ正面に出現するのは魔法陣、世界樹の翼の装飾である風翼が高まる魔力に呼応するように開いて、
「さぁさぁ、風の精霊達とのダンスを楽しんでねっ!!」
 明るい声でシルがそう言って、魔法陣から風の魔力弾を大量に発射する。
 一発の破壊力より数で攻めるこのパラドクス、反撃のマグマの破片を放ちながらも連続で着弾した三体の炎砕竜達の高度が苦悶の声と共に下がっていく。
 そして、
「ちゃんと帰るまでが任務っ」
 そこにパラドクス【光剣閃波】を発動したアンゼリカが斬りかかる。
 彼女の手には光の刃、低空に追い込まれた炎砕竜へと跳躍して至近距離から光の斬撃を叩き込む。
 目も眩むような閃光と衝撃波は空の炎砕竜達を薙ぎ払い、反撃の灰含む爆風がアンゼリカに襲い掛かる。
 されど反撃の爆風も何するものぞ、肌に纏わせた薄くも強靭な障壁で阻みダメージを抑えながら、着地した金の少女はすぐさまダッシュし次なる他の炎砕竜達の攪乱にかかった。
「さぁさぁ捕らえられるかな? こっちだよ!」
 小刻みに方向を変えながら地を駆ける彼女には中々照準を合わせる事が難しく、その上戦況は既に復讐者側に傾いていて炎砕竜はやや浮足立っている事もあって中々攻撃を集中させる事も難しい。
 体力を失い墜落していく炎砕竜の周囲を、ドラゴン達を削りながら地上に押し込むように逃げ場を封じるようにシルが周囲を飛び回り、風の魔弾を放つ。
 追い込まれたドラゴン達を復讐者達の槍が仕留め青き花が停止させ、氷の爆風が吹き飛ばし呪力の刃が遠間から断ち割り爆発させて。
 地上と空中、連携してドラゴンの退路を塞ぐように戦っていた甲斐もあり、やがて残った四体の炎砕竜がほぼ一点、地上近くの空域へと追い込まれていく。
 それを見逃さず、他の復讐者達を援護していたアンゼリカが呼吸を十分整えて跳躍して、
「どんな相手でも、この光剣で叩き斬るよっ。負けるもんかーっ!」
 叫び、炎砕竜達の至近距離から光剣を薙ぎ払った。
 反撃の爆風と溢れる光と衝撃波が吹き荒れ、それらが収まった後に空には赤きドラゴンは一匹も残っていなかった。
 残るは――、
「さぁ、残りはお前だけだね狩雷伯!」
「さて、それじゃ指揮官さん。あなたもここで墜ちてもらうから覚悟してね」
 撃竜騎士と精霊術師の少女二人が唯一残りし紫竜に宣告する。
 忌々し気に睨みつけるドラゴンはその身体の周囲に紫電を弾けさせ、復讐者達を蹂躙せんとその巨大な翼を広げるのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【泥濘の地】LV1が発生!
【飛翔】がLV5になった!
効果2【能力値アップ】がLV6になった!
【命中アップ】がLV2になった!

●狩雷伯は背く悪を逃がさない
 雷雲はより厚く、平原に降り注ぐ陽光を遮っていく。
 紫電纏う屈強な竜はドラゴンに背きし存在を狩るアヴァタール級『狩雷伯『レオパード』』。
 配下全てを失えど紫電を操作する力は驚異であり、けして一人たりとも復讐者を逃がさぬと殺意に満ちた爬虫類の眼で復讐者達を睨みつけている。
 雷雲は不機嫌に鳴り、纏う紫電がより強く弾け――狩雷伯が動いた。
アンゼリカ・レンブラント
※トループス級殲滅後挑む

先ほどのフロウといい、
この地のジェネラル級を意識した姿かな?
私たちが目指すはお前達の主、そしてその先
止まってはいられないよ!

格闘戦は得意なんだ
近接戦望むところっ!間合いを詰めパラドクスの拳と蹴り
紫電を纏う敵の徒手空拳を光のオーラと障壁で凌ぎ
真向から拳と蹴り脚で相対するよ

至近距離で戦いつつ共に戦う仲間の動きは注視
仲間が背後を突きやすくするよう注意を惹き、

逆に敵が離れようとする、注意を外すなら
隙を見出し力強い一撃を叩き込むよ
小回りを生かし、死角を突けるよう動いていく

最後は心に燃える勇気と共に
相手の消耗に合わせ、呼吸を整えめいっぱい力を溜めた
《光獅子闘拳》の一撃で粉砕を狙うね


シル・ウィンディア
雷竜かぁ。
炎の次に雷とはまた派手だね…。
でも、わたし達はここから帰るからね。
なので、邪魔するならふっ飛ばしてでも帰らしてもらうからっ!!

飛翔で上空へ舞い上がって空中戦機動。
敵の周りをぐるぐる回りつつ、スピードの緩急や上下の揺さぶりをかけての撹乱を行うよ。
ディフェンスはWIZで、庇える人は庇っていくよ。
雷がたくさん来ても、簡単に落ちてあげないからっ!

敵の周りを飛びながらも高速詠唱を開始。
隙を減らしてから、全力魔法の七芒星精霊収束砲で撃ち抜いて見せるっ!

さぁ、これがわたしの一撃だよ。
遠慮せずに全部持っていけーーっ!!

…こんなに戦力があるところなんだね。
色々対策をたてないとなぁ


●紫電降り注ぐ戦場で
 翼を広げ動き出したレオパードが真っ先に狙ったのはシル・ウィンディア(虹霓の砂時計を携えし精霊術師・g01415)とアンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)の二人。
 最後の宣告で彼女らに意識が向いていた事が大きいのだろう。
「雷竜かぁ。炎の次に雷とはまた派手だね……」
 紫電纏い巨大な翼を羽ばたかせ突っ込んでくるドラゴンの迫力に、シルは呟きちらりと空を見上げる。
 ここまで急に雷雲が集ってきているのは、あのドラゴンの能力だろう。従えていた炎砕竜フロウと同じく実に派手な自然現象を操ってくるものである。
「先ほどのフロウといい、この地のジェネラル級を意識した姿かな?」
 構えを取るアンゼリカの言葉に対し、この姿や力は誰かを意識したものではないとでも言うかのように狩雷伯はふん、と鼻を鳴らし速度を上げてくる。
 意識していようとそうでなくとも、このドラゴンが宿す力は本物である事は間違いないだろう。
「でも、わたし達はここから帰るからね」
 シルが世界樹の翼を構え、力強く言う。
 パラドクストレインに帰還する為にこのドラゴンを撃破する事は必須、そして逃がさないというならば選択肢は一つしかない。
「なので、邪魔するならふっ飛ばしてでも帰らしてもらうからっ!!」
「私たちが目指すはお前達の主、そしてその先……止まってはいられないよ!」
 再び空へ飛翔するシル、同時にアンゼリカはパラドクス【光獅子闘拳】を起動し一直線に紫電纏うレオパードへと突っ込んでいく。
 狩雷伯が四肢に纏っている紫電は身体能力を増強させるだけの代物であるが、ドラゴンの身体能力でそれを行ったのなら徒手空拳であっても復讐者に致命傷を与えうる力となる。
 だが近接戦はアンゼリカも得手としている。
「近接戦望むところっ!」
 雷速の紫竜に真っ向から挑む彼女は黄金の獅子の如き姿。振り下ろされたドラゴンの頑強な爪の内側へ飛び込み勢いを乗せた回し蹴りを叩き込んだ。
 頑強な竜の肉体はその大きさに相応しい強度を有しているが、それを貫通する衝撃は狩雷伯の動きを一瞬停止させて、その隙に背後を取ったシルが高速詠唱を開始。
 その尾でアンゼリカを薙ぎ払い反転しながら狩雷伯は反撃にかかるが、反応が一瞬遅れたこともあり空から紫電を降り注がせる前にパラドクス【七芒星精霊収束砲】を発動させる。
「六芒星に集いし世界を司る6人の精霊達よ、過去と未来を繋ぎし時よ……」
 六属性の精霊を一点に集束、それだけでも精霊魔法を得手とするシルにとって高出力に当たる部類ではあるが、そこに増幅魔法でもう一つの属性を重ねて、
「七芒星に集いて虹の輝きとなり、すべてを撃ち抜きし光となれっ!!」
 四対の魔力翼がぱっと開き、限界まで羽の装飾が開いた世界樹の翼の照準を狩雷伯へと向けた。
「さぁ、これがわたしの一撃だよ。遠慮せずに全部持っていけーーっ!!」
 巨大なパラドクスの光線がレオパードを呑み込んだ。纏う紫電は散らされその鱗が光線に焼かれ竜の強靭な肉体をも損傷させていく。
 それでも、
『この程度では倒れぬ!』
 持ち前の肉体と魔力で耐え凌いだ狩雷伯が空に咆哮すれば、雷雲より無数の紫電が降り注ぎシルを狙う。
 速度と数、圧倒的な数で空中で躱し続けるのは困難。
 いくつかの雷電が彼女に命中するが、
「雷がたくさん来ても、簡単に落ちてあげないからっ!」
 それでもシルは緩急をつけ飛翔、上下の揺さぶりをかけてレオパードに致命的な隙を見せはしない。
 更にレオパードは直にシルを引き裂かんとするが、ここでアンゼリカが追い縋る。
 急旋回急加速、この一瞬の小回りはアンゼリカの方が上回った。
「さぁ受けてみろ、黄金獅子の一撃をっ!」
 アンゼリカは離れようとする狩雷伯の懐に飛び込み、燃える勇気を込めた戦姫闘拳『Shine Fist』に覆われた正拳を脇腹に叩きこんだ。
 鍛え抜かれた少女の肉体、纏う増幅された黄金獅子のオーラ、そして整えられた呼吸から正しく繰り出された正拳突きは、狩雷伯の頑強な紫鱗を砕き苦悶の声が漏れる。
 憎悪の眼を向けるレオパードは周囲に紫電を降り注がせアンゼリカを狙う。が、シルが彼女を庇い、同時反撃の魔力砲を狩雷伯に放った。
 狩雷伯が一瞬怯む、その隙に二人はその間合いから離脱した。
 振り返りドラゴンの様子を見るが、怒れる竜はまだ動きが鈍るほど消耗している様子は見られない。
「……こんなに戦力があるところなんだね」
 色々対策をたてないとなぁ、と雷雲より降り注ぐ雷を凌ぎながら、シルは呟いた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!

ナイナ・ヴィラネスティズム
WIZ
味方との連携を最重要視
ネメシスモード「凍れる妖精賢者」発動!

ドラゴン様の将であればお耳に入れていただきたい事がございますわ

空から降り注ぐ紫電は妖精刀を避雷針代わりに置きつつ着弾位置を予測、目視で見抜きながら回避
反撃のお返しにはクリティカルロックオン
敵竜の股間を弱点と看破して魔銃による貫通撃で攻めていく

実は集落の方達とお話しした際にお菓子をお礼に振る舞いましたの

「毒」入りの物をね

それも遅効性の劇薬ですから今頃はさぞ酷い有様でしょうね?
忠に篤き騎士と敬虔な信者を一斉に失った今のお気持ちをお聞かせ願えますかしら?
不幸の味は誠に美味でしてよ

逝く前にあと一つよろしくて?
毒のくだりは全部「嘘」ですわ


エラ・パーカー
連携アドリブ歓迎
ネメシス継続


最後はお前ね
お前を倒して帰り、故郷を取り戻す足がかりにさせてもらうの

竜に支配され、偽りの平穏を享受する村の人達を、ウェールズの人々を思う

さぁ、わたしと幸せの歌を奏でよう
祈りが歌が一閃の光になって貫く
飛翔で空中を駆け抜け、光の矢を次々に撃ち込む
仲間と連携しながらそうやって撹乱かつ体力を削っていくの

わたしは否定する
お前を、お前達を
紫電を受けても、どこまでも愛らしく微笑む
そんなもの効かないと挑発するように

Mae fy dial yn dechrau nawr.(わたしの復讐が今始まる)
憎悪を込めてそう囁くの


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

この地には数多くのドラゴンが住まい、集う
七曜の戦を見据えた動きなのだろうな

天候に干渉するドラゴンとは不気味なことだ
味方の脱出を援護する

偵察、観察しつつ戦況把握
【飛翔】し空中戦を
相手は巨体、高速軌道で広く飛び回り、フェイントかけた動きで翻弄し上空での動きを制限
緩急つけた銃撃を浴びせ、一対一に集中させない
味方と立体的包囲の位置に入り、隙あらば、急所を撃ち抜く
こちらは集団戦だ

反撃には魔力障壁を展開し防御
降り注ぐ紫電には、常に飛び回りつつ隙を見せずに
地上に身を隠す地形があれば、紛れ込みつつ回避を
まるで魔法使いの竜だな
改めて竜の個体能力の高さを感じる
来る戦では、どう出るか

さあ、脱出しよう


●祈りの光と弾丸の嵐
 炸裂する黄金獅子の闘気に紛れ、三人の復讐者が散開し狩雷伯に仕掛ける。
「最後はお前ね」
 ネメシス形態のエラ・パーカー(cân serch o morganite・g03253)は微笑みすら浮かべ、狩雷伯を見据え飛翔する。
「天候に干渉するドラゴンとは不気味なことだ」
 同じく空へ飛び立ったエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は狩雷伯の出方を伺いつつ周囲の地形を偵察していた。
 その結果、周囲には隠れられる地形はなく隠れてやり過ごすことは不可能だという結論に達していた。
 同時に思考する。なぜこの地に数多くのドラゴンの兵力が住まい集っているのか、
(「七曜の戦を見据えた動きなのだろうな」)
 詳細な理由までは今回の集落での調査では分からなかった。それでも、この情報は持ち帰る意味があるだろう。
 その為にこの地から脱出する援護を、天使の青年は双銃を手に空を飛翔する。
 飛び立った二人と逆にネメシス形態『凍れる妖精賢者』へと変化したナイナ・ヴィラネスティズム(凱閃令嬢・g00383)は青き鎧の騎士のような姿で空の竜の真下に潜り込みながら仕掛けるタイミングを伺っている。
「お前を倒して帰り、故郷を取り戻す足がかりにさせてもらうの」
 ――張り付いたような少女の笑顔は崩れない。
『そうはさせるか!』
 エラの言葉に激高した狩雷伯は空の雷雲より無数の紫電を降らせ始めた。
「――Sei frei.」
 パラドクス【Null-Gravitationsfliegen】を発動したエトヴァを狙い討つのは雷雲より降り注ぐ紫電、パラドクスと残留効果を合わせた高速機動で蒼く輝ける軌跡を描きながら広く空間を翔けるエトヴァは、巨体のドラゴンが上へと逃れぬよう制限しながら銃撃を加えていく。
『うっとおしいッ!』
 無重力のような自在な姿勢から、無数の方向から放たれる銃弾に苛立ったレオパードは苛立ちを隠しはしない。
「まるで魔法使いの竜だな」
 呟くエトヴァ、竜の力の強大さはこの力を見ただけでも十分に感じ取られる。
 来るべき戦ではこの高い個体能力をどう使ってくるのか――思考しながら空からの紫電に金茨の魔力障壁を展開し直撃を防ぐ。
 そして、エトヴァとは丁度ドラゴンを挟んだ真向かいで、エラもパラドクス【carol『BAAL-ZEBUL』】を発動する。
「さぁ、わたしと幸せの歌を奏でよう」
 竜に支配され偽りの平穏を享受する村の人達を――ウェールズの人々を思いながら歌い始める。
 ――みんなみんな、幸せでありますように。
 その歌は誰かの為に奏でる祝い歌。少女の甘く柔らかく零れる歌声は幸福を願う祈りにも等しくて。
 その祈りは一閃の光となり、凶悪な悪しき竜の頑強な肉体を貫いた。
 竜が衝撃に怯んだ瞬間、
「見敵必中! 狙い奪いたる足の小指の泣き所!」
 叫びナイナがパラドクス【クリティカルロックオン】を発動、改造ステンレスリボルバー銃の装弾全てをドラゴンの看破した急所へと叩き込む。
 弱点と看破したのは人型の男性なら悶絶確実な部位、爬虫類っぽいドラゴンにとっても急所であるのかは不明だが、直感的にそこを急所と見定めたのなら攻撃を集中的に浴びせかけるのみ。
 パラドクスにより魔銃の弾丸を叩き込まれたレオパードは純粋なダメージで呻きをあげた。
「ドラゴン様の将であればお耳に入れていただきたい事がございますわ」
 そこでナイナがふと思い出したような自然な口調で語りかけ始める。
「実は集落の方達とお話しした際にお菓子をお礼に振る舞いましたの……『毒』入りの物をね」
 反応を返さないドラゴンにナイナは続ける。
「それも遅効性の劇薬ですから今頃はさぞ酷い有様でしょうね?」
 物語にあるような悪の令嬢のように、残忍な声色で嗜虐的に笑む。
「忠に篤き騎士と敬虔な信者を一斉に失った今のお気持ちをお聞かせ願えますかしら?」
 不幸の味は誠に美味、そんな反応を期待していたナイナだったが、
『――嘘、だな』
 ドラゴンが口を開き、紫電をナイナに向けて集中的に降り注がせる。
 端正な美貌を僅かばかり顰めたナイナは空より紫電の落ちる位置を予測し、見抜きながら地上付近を飛び駆け直撃を回避する。
 避雷針代わりに置いている青の妖精刀の方も雷に撃たれているようだが、それをものともせぬ程降り注ぐ紫電の数が多い。
『仮に真実だったとして、毒を盛ったなら既に死んでいるのだろう? なら焦る必要も今以上に怒る必要もない』
 狩雷伯の言葉は酷く冷酷、まるで育てていた作物のほんの一部が害獣にやられてしまったとでもいうような興味のなさが感じ取られる。
 確かに毒のくだりは全て嘘ではある。その事実を最期の瞬間に囁こうとしていたのだが、この時点で看破されていては意味もないだろう。
 紫電降らせ続けるレオパードに、エトヴァと連携して空を翔け翻弄しながらエラは光の矢を放ち続ける。
 竜は少女の祈りを砕かんと、雷雲よりさらなる紫電の嵐をエラに叩きつけた。
「……わたしは否定する。お前を、お前達を」
 残留効果により重なった守りが紫電の苦痛を和らげ、栄光の輝きが傷を癒しても、連戦による負傷はエラを徐々に苛んでくる。
 それでもエラはどこまでも愛らしく微笑み続ける。そんなものは効かないと、レオパードを挑発するかのように。
 彼女に意識が向いた瞬間、エトヴァは隙を見逃さず二丁のリボルバーで的確に傷口を狙い銃撃、撃ち込まれた弾丸は竜の頑強の肉体奥深くに食い込んだ。
 怯む狩雷伯爵に、体勢を立て直したエラはぽつりと呟く。
「Mae fy dial yn dechrau nawr.」
 ――わたしの復讐が今始まる。
 笑顔に隠した憎悪を込めたエラの囁きは、まるで甘い毒のようであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【修復加速】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
【飛翔】がLV6になった!
効果2【能力値アップ】がLV7になった!
【凌駕率アップ】LV1が発生!
【グロリアス】がLV2になった!

一里塚・燐寧
おー、ムキムキなドラゴンが来たねぇ
割れた腹筋がご自慢かなぁ?
なら今日はいい日になるよぉ
きみのお腹をもーっと深くまで割ってあげるからねぇ!

鎖鋸の尾を持つ巨大恐竜型ネメシスに肉体改造
肩から炎を翼の如く噴出して【飛翔】ぐんぐん高度を上げるよぉ
その後太陽を背にして敵の眼を眩ませながら、突然一気に急降下!

落下速度を乗せ放つ『屠竜技:真滅落陽斬』
身体ごとぶつかる捨て身の一撃で、尻尾のチェーンソーを叩きつけ両断を狙うよぉ!
反撃の拳には巨体の重量で抗い、徹底的に攻撃を押し付けていく!
さぁ、幕引きの時間だよぉ!

……にしても、ウェールズは結構戦力が手厚いんだねぇ
七曜の戦で湖水地方とかに差し向けられると、困るかも?


ルウェリン・グウィンリウ
あの紫ので最後か。
防衛網を破られ、部下をやられて怒り心頭かい? 分かるよ。

けれど僕らの復讐心が遥かに強い。
試してみようか。

敵の一撃は雷霆万鈞の威力と速度、まともに当たっちゃ堪らない。
けれどスピードは僕も負けてなくてね。

飛翔し、【カタフラクタリィ・カエレスティス】で挑む。
雷雲も吹き散らす勢いで加速しつつ、急降下突撃だ。

相手目掛けて徐々に速度を上げながら接近――相手の打ち込む寸前で脇に掻い潜る軌道を取り、斜め宙返りで背後を奪う。

そのまま剣で一閃し、素早く離脱。

この地にお前たちはいらない。
けどブリトン人の元に取り戻すとも言えない。
ただ、最終人類史でここをカムリと呼ぶ誇り高き人たちに還す。
それだけだ。


●紫竜を堕とす二つの竜
 数の利を活かした復讐者の攻勢は、狩雷伯の体力を着実に削り取っていた。
 狩雷伯が呼び寄せた黒き雷雲は薄れ、降らせていた爆撃の如き紫電の攻撃も止んでいる。
「あの紫ので最後か」
 ルウェリン・グウィンリウ(ドラコナリウス・g02040)が炎砕竜達を斬り裂いた剣の血を振り払い、四肢に紫電纏うドラゴンを凝視する。
 竜の四肢には紫電が弾け始めている。あの状態の狩雷伯が繰り出す一撃は雷霆万鈞――非常に速く、重い。
「おー、ムキムキなドラゴンが来たねぇ。割れた腹筋がご自慢かなぁ?」
 一頭の奇怪な怪獣――尾に鎖鋸を融合させた黒と赤の恐竜らしき存在は、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)のサーヴァントにも似た姿。
 それは彼女自身のネメシス形態であり、調子よく尾の鎖刃を回転させながらレオパードを挑発する。
「なら今日はいい日になるよぉ。きみのお腹をもーっと深くまで割ってあげるからねぇ!」
 ハイテンションな燐寧に苛立ちの視線を向けるレオパード、
「防衛網を破られ、部下をやられて怒り心頭かい? 分かるよ」
 更にルウェリンが同情――明らかに皮肉と分かる調子で言った。
「けれど、僕らの復讐心が遥かに強い」
 試してみようか、と真っすぐ竜を見据えルウェリンは告げて飛翔、更に燐寧もパラドクスを発動し上空へと飛び立る。
『ならばその復讐心諸共砕いてやろう!』
 身体能力を強化された巨大な翼が生むのは爆発的な推進力。まともに当たれば堪ったものではないだろう。
 速度と破壊力、雷霆の脅威そのものを体現したかのようなレオパードに対し、ルウェリンはパラドクス【カタフラクタリィ・カエレスティス】を発動し光り輝く甲冑をその身に纏う。
「我ら、灯火を掲げて突き進む――落陽の先に、晨風を吹かせる為に!」
 黄金の竜翼を力強く羽搏かせ、竜の魔力を放出して一気に上空へと加速。
 紫電纏うレオパードに負けぬ速度に加速するルウェリンは雷雲をも吹き散らす勢いで上空へとぐんぐん高度を上げて、更に燐寧も肩口から吹かした炎で彼に並び上空へと飛翔していく。
 二人の復讐者に対し、狩雷伯は四肢に紫電を纏い迎撃の構えを取った。
 迎え撃つ方が確実と判断したのだろう――最初に仕掛けたのは燐寧。
 翼の如き火炎が向きを変え、炎砕竜を斬殺せし鎖鋸が唸り直下の狩雷伯へと急降下。
「昼だろうが夜だろうが、あたしがいる時が逢魔が時だよぉ。きみの命も、地平線に沈めたげる!」
 裂けて薄れた雷雲の彼方には太陽、輝くそれを背にした燐寧の巨体は【屠竜技:真滅落陽斬】の効果で落下速度を乗せてレオパードへ一直線に急降下する。
 紫電がバチバチと弾ける拳で迎え撃つレオパード、巨大チェーンソー恐竜が叩きつけてきた尾の回転刃を真っ向から受け止めて。
「さぁ、幕引きの時間だよぉ!」
『させるかぁッ!!』
 後はもう真っ向勝負。雷の脅威を具現化したかのような竜の暴虐が、天より落下する強大な一撃とせめぎ合う。
 拮抗させながらその勢いを逸らさんと竜の拳が燐寧に叩き込まれるが、全体重をかけた捨て身の彼女は防ごうとせず徹底的に攻撃を押し付けてきて押し切る覚悟。
 そのタイミングでルウェリンが衝撃波を発生させながら高速で切り込んできた。
 徐々に上がる速度に比例して大気が熱され、武器の威力を上げていく彼に対してレオパードは燐寧を抑えているのとは逆の手でカウンターを合わせる。
 だが、それはルウェリンも予想済。
 竜に打ち込む寸前で軌道をずらし拳を掻い潜り脇を通り抜けて、即座に斜め宙返りしてレオパードの背後を取って皓歯の剣で斬りつけた。
 宙返りした勢いのまま飛翔し離脱していくルウェリン。だが、レオパードにはそれを追う時間は残されていなかった。
 背を深々と斬り裂かれた苦痛に、一瞬力が緩んだ。捨て身で飛び込んで来ている燐寧との拮抗が崩れ、黒紫の隕石は地上へと衝突した。
 その軌跡上に在りし紫電の竜の胴は貫かれ、穿たれた大穴は頑強なドラゴンにすら致命傷であることは明らかであった。
 紫電は消え失せ竜の眼から命の灯火が消える。そして崩れ落ちた次の瞬間に狩雷伯の体は爆発四散し、後には何も残らなかった。
「この地にお前たちはいらない」
 ルウェリンは黒雲が消え去り天に輝く太陽を見上げ、ぽつりと呟いた。
「……けどブリトン人の元に取り戻すとも言えない」
 目指すのは最終人類史への奪還、最終人類史でここをカムリと呼ぶ誇り高き人たちに還すことだけが、ルウェリンの願い。
「……にしても、ウェールズは結構戦力が手厚いんだねぇ」
 もしもその戦力が七曜の戦で他の地方に差し向けられれば困るかもしれない、と元の姿に戻った燐寧が呟く。

 ともあれ、追撃の手は一旦ここで断ち切る事が出来た。後は速やかにパラドクストレインへと帰還するだけだ。
 この情報がどのような未来を導くのかは今はまだ不明。それでも、帰路に就く復讐者達は遠くない時期に何かに繋がる可能性を予感した。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV8になった!
効果2【反撃アップ】LV2が発生!

最終結果:成功

完成日2023年07月05日

ウェールズ地方の探索

 攻略旅団の方針により、現時点でディアボロスが足を踏み込んでいない、ウェールズ地方へに赴き、ウェールズ地方の都市に潜入、住民などから情報を収集します。
 ウェールズの町の周囲は、ドラゴンや竜鱗兵による警戒網が存在するようなので、その警戒網を突破し、町に潜入、一般人と接触して情報を聞き出しましょう。


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#幻想竜域キングアーサー
🔒
#ウェールズ地方の探索
🔒
#ウェールズ地方


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選択肢『【攻略旅団】ウェールズの街への潜入調査』のルール

 ウェールズ地方の警戒網を突破して、潜入した街で情報を集めます。
 得られる情報は、一般人が知っている程度の情報となりますので、それを踏まえて、適切な情報収集を行っていきましょう。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『登場人物(NPC)との会話に専念する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾護衛するトループス級『炎砕竜フロウ』のルール

 事件の首魁であるクロノヴェーダ(👿)を護衛するトループス級クロノヴェーダ(👾)と戦闘を行います。
 👾を撃破する前に👿と戦闘を行う場合は、👾が護衛指揮官を支援してくるので、対策を考える必要があるでしょう。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾トループス防衛ライン『聖ティラミサ騎士団』のルール

 ディアボロスの侵入を防ぐ為に、トループス級クロノヴェーダ(👾)による防衛ラインが引かれています。
 防衛ラインは、都市を守る城壁や、道を塞ぐバリケード、関所の検問や、秘密基地の監視所などがありますが、この防衛ラインをクリアしなければ、事件の核心に迫る事は出来ません。
 防衛ラインを守るクロノヴェーダは、防衛拠点を利用して戦う為、戦闘で有利になります。
 なんの工夫も無く漠然と戦うだけでは、苦戦(🔴を得やすくなる)してしまうので注意が必要です。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【🔑】この選択肢の🔵が👑に達しない限り、マスターは他の選択肢のリプレイを執筆できない。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿アヴァタール級との決戦『狩雷伯『レオパード』』のルール

 事件の首魁である、アヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と戦います。
 👿を撃破する事で、この事件を成功で完結させ、クロノヴェーダの作戦を阻止する事が可能です。
 敵指揮官を撃破した時点で、撃破していないクロノヴェーダは撤退してしまいます。
 また、救出対象などが設定されている場合も、シナリオ成功時までに救出している必要があるので、注意が必要です。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、敵を倒し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※このボスの宿敵主は「レオアリア・フォルシオン」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。