台湾島潜入偵察作戦

『特殊案件攻略旅団ワイルド・カード』の方針により、冥海機ヤ・ウマトの領域の強行偵察を行います。
 大戦乱群蟲三国志奪還戦で撤退した、ジェネラル級冥海機『翔鶴』は、冥海機ヤ・ウマトの拠点の一つである『台湾島』に留まっているようです。
 現在の福建省沖の海域から台湾島に向かい、冥海機ヤ・ウマトの領域の強行偵察を行ってください。
 台湾に上陸する事ができれば、冥海機ヤ・ウマトの支配地域の状況や、一般人がどのような生活をしているかなどを知ることが出来るでしょう。

 台湾には、ジェネラル級冥海機『翔鶴』が健在で、撤退した翔鶴の配下の軍勢も多く残っている為、敵に発見された場合は、速やかな脱出が必要になるでしょう。


翔鶴

虎穴に入らずんば~台湾島偵察作戦(作者 坂本ピエロギ
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#TOKYOエゼキエル戦争  #台湾島潜入偵察作戦  #台湾島  #冥海機ヤ・ウマト  #翔鶴 


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●台湾島 海軍基地『高雄警備府』
 福建省沖、乳色の霧が覆う台湾海峡の果て。ディヴィジョン境界に程近い台湾島の軍港に、巨大な軍艦が並ぶ。
 ジェネラル級艦船型『翔鶴』は基地内の一室に佇みながら、活気に満ちた港の様子を窓越しに見下ろしていた。
『艦艇の新造は順調に進んでいます。作業に遅れはありません』
 その後ろでは若い秘書が書類に目を落とし、翔鶴に報告を行っている。
『本土より、追加の零式英霊機も搬入されております。失った戦力も、じきに補充の目途が立つかと――』
『戦力が補充されても、練度は元には戻りません。効率的な訓練計画を進めなさい』
 秘書の言葉を打ち切って、翔鶴は冷徹に告げる。
 先の戦いでインディアナポリスは討ち取られた。それを為したのは、翔鶴らヤ・ウマトの冥海機にとって未知の存在だ。
 空飛ぶ島を持ち、人ならざる種族を擁する謎多きディアボロスたち。来たる七曜の戦において、彼らがヤ・ウマトの障害となり得る恐れは十分にある。何なら、台湾島へ撤退した自分たち冥海機を追撃する程度はやってもおかしくない。未知の敵を侮る愚を、翔鶴はけして犯さなかった。
『沿岸警備には手を抜かぬように。上空の警戒も欠かさず行いなさい』
 ヤ・ウマトが目指すものはただ一つ。それは七曜の戦に勝利し、世界を統べること。
 黒いリュウグウノツカイを宙に泳がせながら、翔鶴はその時を待ちわびる様に、台湾島で牙を研ぎ始めていた。

●新宿駅グランドターミナル
「お疲れ様です、皆さん! 攻略旅団の投票により、冥海機ヤ・ウマトへの潜入調査を行う事になりました!」
 ホームに集合したディアボロスを見回すと、涯辺・こより(人間のガジェッティア・g03387)はそう告げた。
 冥海機ヤ・ウマトは、いまだ多くの謎に包まれたディヴィジョンだ。
 太平洋エリアに存在するディヴィジョンであること、冥海機と呼ばれる艦船型クロノヴェーダが存在すること――現時点で確定している情報はこのくらいしかない。領土の範囲、支配体制、一般人の置かれている状況や、冥海機以外の敵種族の有無など、いずれも有力な情報は掴めていない状況だ。
「先の戦争で撤退したジェネラル級冥海機『翔鶴』は、現在、台湾島にいることが分かっています。皆さんは、これを追撃する形で島に上陸して、ヤ・ウマトの情報を集めて下さい!」
 来たる七曜の戦において、新宿島の最大の脅威になると想定される存在。それがヤ・ウマトだ。
 この作戦で有益な情報を持ち帰ったぶん、今後の攻略におけるディアボロスの選択肢も増えることだろう。

 今回の作戦は、敵地である台湾島で情報収集を行うことが目的だ。
 パラドクストレインで中国福建省の沖合まで移動した後、濃霧に覆われた台湾海峡を泳いで台湾島まで向かうこととなる。島の付近までは問題なく移動できるが、水中適応やイルカ変身などを駆使すれば更にスムーズだろう。
「台湾島に近づいた後は、海から島の様子を確認して、上陸地点をひとつ決めてください。その後は、上陸した場所で得られる情報を出来る限り集めた後は――速やかに撤退ですっ!」
 台湾島には翔鶴とその軍勢が残っており、厳重な警戒が予想される。侵入が露見すればすぐに危機に陥ってしまうだろう。引き際を見極めるのは大前提として、問題なく撤退できた場合でも追撃を受けることは必至だ。その際は、敵を撃破しながら安全な海域まで脱出せねばならない。
「今回の作戦では、敵に発見されないことが第一です。特に、飛行係の行動は厳禁ですよ。飛翔はもちろんドローンとかも、速攻でバレて撃墜されますから!」

 この作戦である程度の情報が揃えば、パラドクストレインから新たな情報を得ることが出来る。
 故に、全ての情報を集める必要はない……そう前置きして、こよりは最後に告げた。
「皆さんが得た情報はヤ・ウマトの攻略に大きく影響します。今後の攻略方針なども踏まえて、情報を集めて下さいね!」
 霧に包まれた台湾海峡と、その先に浮かぶ台湾島。
 冥海機の拠点と化した地でディアボロスを待ち受けるのは、果たして如何なる世界なのか。
 未だ見ぬ戦場へ向かう彼らの勝利を祈るように、発車のベルが高らかに響き渡った。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
1
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【飛翔】
4
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【強運の加護】
2
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【現の夢】
1
周囲に眠りを誘う歌声が流れ、通常の生物は全て夢現の状態となり、直近の「効果LV×1時間」までの現実に起きた現実を夢だと思い込む。
【照明】
1
ディアボロスの周囲「効果LV×20m」の空間が昼と同じ明るさに変化する。壁などで隔てられた場所にも効果が発揮される。
【フライトドローン】
2
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【避難勧告】
1
周囲の危険な地域に、赤い光が明滅しサイレンが鳴り響く。範囲内の一般人は、その地域から脱出を始める。効果LVが高い程、避難が素早く完了する。
【動物の友】
2
周囲の通常の動物がディアボロスになつき、意志の疎通が可能になる。効果LVが高い程、知能が高まり、友好的になる。
【友達催眠】
2
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【プラチナチケット】
1
周囲の一般人が、ディアボロスを関係者であるかのように扱うようになる。効果LVが高い程、重要な関係者のように扱われる。
【泥濘の地】
1
周囲の地面または水面が泥濘に変わり、ディアボロスは指定した「飛行できない対象」の移動速度を「効果LV×10%」低下させられるようになる。
【光学迷彩】
2
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【モブオーラ】
2
ディアボロスの行動が周囲の耳目を集めないという世界法則を発生させる。注目されたり話しかけられる確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【断末魔動画】
1
原型の残った死体の周囲に、死ぬ直前の「効果LV×1分」に死者が見た情景が動画として表示される世界になる。この映像はディアボロスだけに見える。
【平穏結界】
1
ディアボロスから「効果LV×30m半径内」の空間が、外から把握されにくい空間に変化する。空間外から中の異常に気付く確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【スーパーGPS】
1
周囲のディアボロスが見るあらゆる「地図」に、現在位置を表示する機能が追加される。効果LVが高ければ高い程、より詳細な位置を特定できる。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【水面走行】
1
周囲の水面が凪ぎ、ディアボロスが地上と同様に走行や戦闘を行えるようになる。ディアボロスと手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人も同行可能。
【パラドクス通信】
2
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【通信障害】
2
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。
【アイテムポケット】
3
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。
【水中適応】
6
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が水中で呼吸でき、水温や水圧の影響を受けずに会話や活動を行える世界に変わる。
【猫変身】
2
周囲が、ディアボロスが猫に変身できる世界に変わる。変身した猫は最大「効果LV×10m」の高さまで跳躍できるが、変身中はパラドクスは使用できない。
【イルカ変身】
2
周囲が、ディアボロスが体長2m程度のイルカに変身できる世界に変わる。変身したイルカは最大時速「効果LV×20km」で泳げるが、変身中はパラドクスは使用できない。

効果2

【命中アップ】LV5(最大) / 【ダメージアップ】LV8 / 【ガードアップ】LV5 / 【フィニッシュ】LV2 / 【反撃アップ】LV5(最大) / 【アクティベイト】LV1 / 【先行率アップ】LV4 / 【アヴォイド】LV5 / 【ダブル】LV3 / 【ロストエナジー】LV1 / 【グロリアス】LV4

●マスターより

坂本ピエロギ
 御無沙汰しております、坂本ピエロギです。冥海機ヤ・ウマトへの潜入調査シナリオをお送りします。
 本シナリオでは台湾海峡を泳いで台湾島へと向かい、現地でヤ・ウマトの情報を集めます。
 得られる情報は上陸した場所によって変化しますが、重要な場所は相応の危険と隣り合わせとなるでしょう。くれぐれもご注意を。

 攻略順は③→①→②→④。
 参加者多数の場合、選択肢①と選択肢②は採用数を調整する可能性がありますので、ご了承ください。

 海を泳いで台湾島へ向かい(③)、島周辺を海上偵察して上陸地点を決定し(①)、上陸先で情報を集めます(②)。
 撤退時には敵の追撃があるので、これ振り切って脱出すれば作戦成功です(④)。
 なお台湾島の上空は厳重に警戒されているため、飛翔などを利用して情報を集めることは出来ません。

 それでは、皆様のご参加をお待ちしています。
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


ルィツァーリ・ペルーンスィン
アレンジ連携歓迎

ヤ・ウマトか
海を支配する敵なんて厄介極まるからな
七曜の戦が始まる迄に少しでも多くの奴等の情報を手に入れないと

一応、海の中なら敵も判り難いとは思うが潜水艦の類いの敵がいる可能性も
充分に考えられる
そいつらが周辺を巡回してるなららしくないイルカとかは妖しいと思われかねないし其の辺りも気を付けないと

しかし……ロマノフの船も奴等の中にいるのかな?

〇イルカ変身して海中を泳ぎながら移動
残留効果があるなら〇水中適応と〇完全視界を使い万全を期す
目立たぬ様に気を付けつつ海中を進んでいく
海中にも敵が巡廻してないか警戒
遭遇した場合は不自然に思われない様にイルカらしい感じに演技しつつ敵から離れる


イツカ・ユメ
ちょっと早めの海水浴気分で。
お気に入りの水着に着替えたら、【水中適応】と【完全視界】と【光学迷彩】の力をお借りして、こっそりとイイカンジに泳いでいくよ♪
この後上陸する為に、なるべく警備が手薄なところを探しながら、見つからないように慎重に進むね。

海中にも異変が無いか注意して、しっかり周囲を【観察】して少しでも【情報収集】を。
もし海中に誰かいたら、秘密の入り口があるのかもしれないし、こっそり【追跡】してみるね。

何か発見があったら【パラドクス通信】で情報を共有して、
皆と協力して【臨機応変】に行動するよ。
さぁて、台湾には何があるのかな?ちょっとだけわくわくしちゃう!


白石・明日香
泳ぐのか・・・・ま、何とかなるでしょ。
予め水着に着替えてアクアラングとかシュノーケルとか用意しておいて気づかれないようにそれでいて一気に台湾まで泳ぎ切ろうか。誰かが【水中適応】を持っていたらそれに乗って更に泳ぐ。
さあ、台湾に待っているのは何なのかな?今から楽しみ!


百鬼・運命
アドリブ絡み歓迎
心情
東京エゼキエル戦争の方にもちょっかいを出している冥海機
七曜の戦では奪還した東京沿岸部に攻め込んでくる可能性もあるし、少しでも情報を得たい所だな

行動
いつものように水中探索用の『極限環境対応電動式動力甲冑』と『換装式万能大型ドローン』の出番かな?念の為に機体はパラドクストレインで水中迷彩色に塗装しておこう
【水中適応】をかり【完全視界】で視界を確保して台湾を目指すとしよう
いつものように仲間を曳航するのも良さそうだ

さて今回の潜入任務は敵がかなり警戒しているようだ
出来れば警戒が緩みそうな夜間の内に台湾島に近づき、様子を伺いたいものだな
【完全視界】なら夜闇も関係なく移動が出来るだろう


ラキア・ムーン
さて、追撃だ
ようやく…といった所だな
まずは泳いで近付くところから…だな
しかし台湾島は完全に奴等の領土か…
何が待っているのやら
しかし軍艦を既に配備しているとは…本格的に海戦型という所か?
全く厄介な勢力だな

パラドクストレインの現在位置と台湾島の方角を確認しよう
ダイブスーツを着込んで水中適応で泳いでいこう
なるべく海面に顔を出す回数は減らし、水中コンパスで方角を確認しそれを当てにして台湾島を目指そう
水面から目視での確認は最低限に
近付く前に見付けられても困るしな
焦らず慌てず、目立たないように進むとしよう
まあ念には念を入れるに越したことは無い
しっかり対策をして進むとしよう

アドリブ連携等歓迎


クィト・メリトモナカアイス
泳いでいく。飛翔などは厳禁。
つまりこれがどういうことかというと。
この日のために用意した我の新兵器のお披露目はお預けということ。ぬーん。
んむ、仕方なし。のんびり泳ぐ。戦いになったら装着しよう。
というわけでー……とう!
【イルカ変身】を使用。ぱちゃぱちゃと台湾島まで泳ぐ。
この霧は完全視界の効果が薄い……こともあるらしい。はぐれないよう注意。

この前の戦争でちらっと出くわしはしたけれど。
復讐者がイルカに変身することはまだ知らぬ……はず。
んむ、どちらにせよ、まだ台湾島は遠いし今はそこまで気にすることもなし。イルカらしく泳いでく。


一里塚・燐寧
戦争で翔鶴が出て来た場所で想像はついてたけど、やっぱ日本の外に領土があるんだねぇ
下手すると相当広いディヴィジョンかもぉ……ま、一歩ずつ確かめるっきゃないかぁ

【水中適応】がある前提で水着は用意せず
上陸後も違和感が少なそうな戦時中の女学生風の服装で行くよぉ
女子制服で下ズボンなのなんか新鮮だなぁ
【イルカ変身】【完全視界】があれば借用して快適に
敵に見つかる可能性は低いとはいえ、潜水冥海機や本物の潜水艦がいないかは常に注視するよぉ

霧が特殊なもので【完全視界】の通りが悪い可能性に備えて
【スーパーGPS】を防水仕様の台湾周辺の地図と共に持参
仮に霧が問題なくても、現在地と目的地を確認しやすくなるのは良いよねぇ


ロキシア・グロスビーク
アドリブ連携ご自由に

神奈川方面で見た頃から、冥海機とは縁深くなってきたなー
それでもわからないことだらけだし、情報集めないとだね
というわけで水着姿!

自前の【水中適応】で進むとして、【完全視界】もお借り出来るなら
水中コンパスだっけ。それも持っていけるなら使うとして
もちょい有効そうな進み方してる味方が居るなら遠慮なく便乗しよっと
霧があるからって目立つような行動は避けないとね
これくらいかな

……なんで軍艦造ってるんだろーね
増えるのに必要だってなら、随分コストの高い手段だけれど
建造を効率化する残留効果みたいなの使ってるなら、
僕らも学べるかな?英霊機とか他に気になることも多いけど……
これくらいにして進もう


リオーネ・クア
偵察は大変な仕事だけど、道中はのんびりできそうだからサーヴァントのロッソにも海中を見せてあげよう
ロッソを召喚して同行者の【水中適応】を使わせてもらいながら海中を移動していくよ

マスコットみたいな見た目の山羊の姿だけど、ロッソは泳げるから海の中を楽しそうにバタ足して進んでいく
俺もその横を泳いでいこう

海中の生物と時折楽しそうに戯れるロッソを見ながら考える
冥海機ヤ・ウマト…
エゼキエルの南を守っていたマスターテリオンが戦っていた勢力
きっと今後、エゼキエルの脅威にもなり得る
その場合、南端の世田谷区が危険に晒されることも多くなるだろう
俺の故郷、世田谷区
守り抜きたい
そのためにもこの偵察は成功させなきゃね


ネリリ・ラヴラン
今のところ海を大部分にしていそうな敵さんだから
海の警戒は当然しっかりやっていそうなのが怖いね
他のディヴィジョンの陸上を歩く位のお気持ちで良いんじゃないかな

【水中適応】をお借りした上でダイバースーツと水中コンパスを持参するよ
あと一応【平穏結界】ね
ソナーとかの対策くらいにはなるかもってお気持ち

海中の移動中も監視は徹底してゆくね
【完全視界】で視野は確保できると思うから
あとは皆で、死角が無くなるように分担できると良いかな

七曜の戦いどころか、すぐにでも東京に雪崩込まれるかもだからね
真面目モードで頑張るお気持ち

アドリブや連携は歓迎だよ


月見山・伊吹
※連携、アドリブ歓迎だよ!


台湾にあのヤ・ウマトの冥海機達に謎の怪しい軍艦まであるんだねぇ…
よーし偵察しまくって有益な情報を沢山収集する為にアイツらの悪巧みを暴いちゃおっか!

ダイバースーツを着て多機能シャベル片手にお借りした【水中適応、完全視界、イルカ変身、寒冷適応、平穏結界、光学迷彩】を使って敵に見つからないように慎重に海底調査しながらも台湾島まで泳いじゃおっか
何か気になる事や手掛かりとかあれば【パラドクス通信】で仲間に連絡して情報共有!

どのくらいの期間になるかが分からないから念の為【アイテムポケット】に非常食として詰め込めるだけの宇宙食と
上陸時用に戦時中の婦人服っぽい服も持ち込もうかな?


八栄・玄才
さて、行くぜヤ・ウマト
《水中適応》や《イルカ変身》など海中での移動を助ける残留効果があれば便乗
島までは安全に行けそうらしいが、まあ念のため雷のパラドクスで《光学明細》を張っておこう
明確なラインのない海だと踏み込み過ぎてしまうこともあり得るしな
皆で周囲を警戒しながら、台湾島を目指そう

……これからどうヤ・ウマトと戦っていくことになるかは分からねぇが、こっちから襲撃できる状況を作れるように情報を集めたいところだよな
パラドクスがあれば闘えなくはないにせよ、やっぱり闘り合うなら連中のホームだろう海の中より人間のホームである陸の上の方がイイ
台湾島以外にもヤツ等が拠点にしている港の場所が分かればベストかね?


荒田・誠司
アドリブなど歓迎

【心情】
ヤ・ウマトか、戦争に介入してタダで済むと思うなよ
海は相手のフィールド、何があってもおかしくない。気を引き締めていこう

【行動】
仲間ともパラドクス通信を使って相互に連絡を取り合いながら行動・連携をとる

水中適応、寒冷適応、モブオーラ、平穏結界など敵に気づかれないような残留効果を発動しながら泳ぐ
完全視界も合わせて使いながら周囲の景色が見えるようにして泳いで
盾のフェイク・プリドゥエンも背負い万が一にも攻撃されても問題なく防げるようにしておく
必要ならイルカ変身を使い水中に潜って隠れられるように準備するし臨機応変に対処する


青天井・イカス
連携・アレンジ歓迎

全くの未知に乗り込む
面白そウじゃネェか
っツーわけデ俺モ一枚噛みに行クゼ
【水中適応】は、他の復讐者持チ込みのモノを有難ク使わセテもラうとシて…俺は地形ト気候デ不利にナらンヨうに【強運の加護】デも張ッとクカ
ザバザバ波立てテ行くナァ本末転倒だロうシ、静カに且ツ速やカに進むトシよウゼ

分かラン事ばカりダガ、一つ確カな事ハ、敵の強サは紛れモない本物っテ事ヨな
先の戦争デ此方も確認済みトくラァ
単体デどうコう出来る相手ジゃネェ事は肝に銘ジて、こッチは集団で動ク前提で行動スルぜ
万一に備エて互イにフォロー出来る+一網打尽にサれなイ陣形ヲ意識

サテ、鬼が出ルか蛇が出ルカ
シっカと見テ持ち帰ろウゼ


諷和・もこ
台湾といえばタピオカ!
タピオカ美味しいよね
えへへ、これはがんばってダッカンしなきゃなんだよ!

【水中適応】で海の中を歩くんだよ
泳いでるお魚さんに手を伸ばしてみたり
ゆらめく水面にうっとりしてみたり
前に好きな人(※片思い)とデートで行った水族館の海中トンネルにそっくりで思わず胸元を押さえちゃうんだよ
すごく素敵だけど…やっぱり、一人で見るより二人で見たかったなぁ…なんて

海底でキレイな貝殻を見つけたらお土産に持って帰ろうかな
ポケットにそっと忍ばせて
無事に帰れたら、これでブレスレットでも作ろうかな
それとも角飾りにしようかな
かわいいよって、似合うよって、言ってもらえるかな

そのためにもこの依頼頑張らないとね!


アンゼリカ・レンブラント
皆の持ち込んだ残留効果を使い、
目立たないように移動していくよ

ヤ・ウマトは近代兵器も使うディヴィジョンだから
今迄と違う警戒もしたいところ
私は【通信障害】を用い、
万一にも敵から見つからないよう気を付けよう

翔鶴に報告する秘書が
本土と口にしていたところを見ると
港湾地域のみならず
どこか大陸を本拠地にしているってことかな?

真っ先に思いつく日本は大部分を天正大戦国が持っているから
どこになるんだろうね
なんて、目立たないことを前提にして
仲間とトークをしながら海底を進んでいこうか
攻略関係のみじゃなく
先日のディアコレとか華のある会話も楽しみたいけどね

台湾島が徐々に近づいてきたら気を引き締めないと
さぁここから本番だね


冰室・冷桜
さーて、慣れ親しんできた海からのアタックですが
今回の敵さんは海のが得意な口
いつも以上に注意しねーとな

暗色のダイビンググッズを身につけて、いざ海へ
【水中適応】発動して海底まで潜水して進みますか
水面の様子も警戒しながら進んで、影が見えたり、気配を感じたら身を隠せそうなところで動きを止めて、離れるのを待ちましょう

本格的な調査は島だけど、海底にも何か痕跡とか残ってないかしらね
進んでいきながらその辺りも見ていくわね


●海中散歩~福建省沖合
 ディアボロスたちは進む。
 海原の先に待つ、未知なるディヴィジョンを目指して。

(「よしっ、と。水中での移動も、特に支障はなさそうだね」)
 冷たさを残す海中へ一番乗りで飛び込んで、白石・明日香(体亡き者・g02194)は頷いた。
 機動性を重視した水着、アクアラングとシュノーケル。いずれも動作はすこぶる快適だ。最後の仕上げに発動した水中適応の中から合図を送ると、準備を終えた仲間が次々と海中へ飛び込んで来た。
 水中適応を発動したディアボロスは、明日香を含めると全部で5名。これだけの人数で残留効果を重ねれば、かなりの範囲で呼吸や水圧の制限を受けずに行動できることだろう。
「やっほー♪ ちょっと早めの海水浴気分だね!」
 イツカ・ユメ(いつかかなうゆめ・g02834)が喜びに声を弾ませた。彼女もまた道中は満喫しようと、お気に入りの水着姿での参加だ。最初の目的地であるディヴィジョン境界は、いまだ数十キロの彼方。遊泳の支度を整えると、パラドクス通信で生成した通信機に挨拶がてら声を響かせる。
「あーあー、マイクテスト。みんな聞こえる?」
「問題ないよ。水中で会話できるのは有難いね」
 月見山・伊吹(太陽の恵み、日蝕の災禍・g04125)は装着した水中マスクの側面を指さして、サムズアップを返した。
 そこに装着されているのは、イツカが生成したダイブトランシーバー型の通信機器である。伝導を利用して遠隔会話を可能とする道具で、水中での意思疎通が容易になる。操作に多少のコツは要るが、慣れればさして問題はない。
「よーし、偵察しまくってアイツらの悪巧みを暴いちゃおっか! 有益な情報を沢山収集するよ!」
 ダイバースーツ姿の伊吹が、高らかに出発を宣言する。
 それに応じる仲間たちの姿は様々だ。ダイビングスーツに制服、イルカ変身で泳ぐ者。そこへ完全視界や光学迷彩を始めとする残留効果も相まって、ちょっとしたカオスな光景が生まれていた。ディヴィジョン境界を超えるまでは、脅威と接触する恐れもない。楽しめる時は存分に楽しむ、それもまた彼らディアボロスの流儀なのだった。
「それじゃみんな、しゅっぱーつ!」
「まずはヤ・ウマトの境界を目指そうか。さあ行こう」
 伊吹と明日香の合図に頷いて、ディアボロスたちは福建省沖合の海を出発した。
 目指すは濃霧に満ちた台湾海峡、その先に待つヤ・ウマトの台湾島である。

「わああ、とっても綺麗なんだよ……!」
 海底に広がる絶景に、諷和・もこ(ふわもこうとうと・g01739)は思わず息をのんだ。
 陽光にきらめく海面の下、色鮮やかな熱帯魚が群れを為して泳ぐ。ディアボロスという不思議な来訪者に好奇心を刺激されたのか、時折そっと寄って来る魚たちと、もこは笑顔で戯れ始めた。青き海の住人は魚だけではない。美しい珊瑚、巨大な海亀……最終人類史へ戻ってきた世界の景色を眺めながら、もこの心は早くも台湾島へと向きつつあった。
「台湾といえばタピオカ! えへへ、これはがんばってダッカンしなきゃなんだよ!」
 最終人類史に戻った台湾のことをあれこれと想像するうち、ふともこの脳裏に過去の思い出がよみがえる。
 それは、好きな相手とかつてデートで行った水族館の海中トンネルの光景。もしも今、あの人と一緒にここにいたら、一緒に時間を過ごせたら……つい、そんなことを考えてしまう。
(「お土産話だけっていうのも、何だか寂しいかもだし……あ、そうだ」)
 もこはふと思い出す。出発の時、伊吹がアイテムポケットを発動していたことを。
 今日ここに来た思い出を、一緒に分かち合うことなら出来る筈だ――そう思い、お土産に拾った貝殻を、アイテムポケットにそっと忍ばせる。ぶ厚い貝殻は虹色の光沢を放ち、アクセサリにもってこいだ。小さいものを束ねたブレスレットにしようか、それとも螺鈿の角飾りが良いだろうか。新宿島へ帰った後のことを想いながら、もこは笑顔を綻ばせる。
(「かわいいよって、似合うよって、言ってもらえるかな」)
 その為にも、この依頼は成功で終わらせなければ。決意を新たに、もこはヤ・ウマトを目指して進んでいく。
 一方そんな彼女の前方では、自身のサーヴァントと時を過ごす者もいた。リオーネ・クア(ひつじの悪魔・g01176)だ。
「どうだいロッソ、海中の眺めは?」
 最終人類史へと帰還した海を行くリオーネ。その横を進んでいくロッソに、彼は思わず笑みを零す。
 黒い蹄で懸命にバタ足を頑張るメーラーデーモンの姿は、なんとも可愛らしい。大切な家族でもあるサーヴァントに手を叩いてエールを送りながら、リオーネは海中をのんびり進んでいった。敵に襲われる心配もない穏やかなひととき――何者にも邪魔されない平和な時間に、先の戦争の勝利を実感する。
(「……叶うなら、この眺めが七曜の戦で奪われないといいんだけど」)
 海中の生物と時折楽しそうに戯れるロッソを見ながら、リオーネの考えはこれより赴くディヴィジョンへと向いた。
(「冥海機ヤ・ウマト……かつて神奈川県沖を守るマスターテリオンと敵対していた勢力、か……」)
 まだ見ぬ敵を想い、口元が自然と引き締まる。
 いずれ始まるであろう戦いを優位に進める為にも、少しでも多くの戦果を持ち帰らねばならない。来たる七曜の戦において新宿島最大の脅威となり得るヤ・ウマト。それは同時に、エゼキエルの領土となった彼の故郷、世田谷区が危険に晒されることも意味しているのだから。
(「守り抜きたい、俺の故郷を。そのためにもこの偵察は成功させなきゃね」)

 そうして海路を進み、福建省の陸地が見えなくなって暫く経つと、ふいに海上に霧が漂い始めた。
 最終人類史とヤ・ウマトを隔てるディヴィジョン境界。それが目の前に近づいてきているのだ。伊吹は後続の仲間に合図を送り、多機能シャベルを握りしめる。
「冥海機たちに謎の怪しい軍艦……見つからないように行こうね」
 上陸時用の道具はアイテムポケットにしまってある。変装用の衣服はもちろん非常食も準備万端だ。
 その横で明日香は、高鳴る鼓動を感じながら深呼吸をひとつ。ダイビングフィンで海流を蹴る脚に、ぐっと力を込める。
「さあ、台湾に待っているのは何なのかな? 今から楽しみ!」
 冥海機ヤ・ウマトの領土たる台湾島。
 そこへ至るまでの道程は、ちょうど半ば程まで差し掛かっていた。

●霧海を越えて
 台湾海峡に広がるディヴィジョン境界。
 ヤ・ウマトの台湾島へと続く海路を、ディアボロスたちはまっすぐに進んでいく。
 海域一帯を覆う乳色の霧は、いっそう濃さを増しつつあった。

「この先がヤ・ウマト……何があるか分からないし、目立たないように移動していくよ」
 アンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)は気を引き締めると、台湾島の方角を目指して泳ぎ続ける。
 五感を周囲に張り巡らせて進むアンゼリカ。その傍では、進行方向のナビを務める仲間の姿もある。水着姿で水中コンパスを手にするロキシア・グロスビーク(啄む嘴・g07258)と、スーパーGPSを発動する一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)だ。
「進路はこのまま直進。燐寧さん、GPSの方はどう?」
「駄目だねぇ。最終人類史の地図じゃ厳しそうだよぉ」
 燐寧はかぶりを振って手元の地図を示す。そこに少し前まで表示されていた現在位置のサインは、すでに出ていない。
「此処から先は、対応するディヴィジョンの地図がなければ無理そうだねぇ」
「了解だ。地図の精度は期待しない方が良さそうかな……」
 すでに自分たちがヤ・ウマトの領域へ足を踏み入れたことを意識しながら、ロキシアは警戒をさらに強めた。
 幸いにしてクロノヴェーダの気配こそ感じないが、もはや此処は敵地だ。いつ何が起こってもおかしくない。
「冥海機か……神奈川方面で見た頃から、色々と縁深くなってきたなー」
「やっぱ日本の外に領土があるんだねぇ。戦争で翔鶴が出て来た場所で想像はついてたけど」
 ロキシアの言葉に頷きながら、燐寧はヤ・ウマトというディヴィジョンに思考を巡らせる。
 かつてディアボロスが冥海機と接触したのは、マスターテリオンと戦った神奈川県沖と、そして大戦乱群蟲三国志奪還戦の福建省沖でのことだ。東シナ海から東京湾まで、距離にして一千kmを優に超える長大な境界線は、それだけでヤ・ウマトの支配領域の広さを雄弁に物語っている。
「下手すると相当広いディヴィジョンかもぉ。ま、一歩ずつ確かめるっきゃないかぁ」
「うんうん。何から何までわからないことだらけだし、情報集めないとだね」
 七曜の戦まで、残された時間はそう長くないのだから――はやる気持ちを抑えながら、ロキシアは霧の中を進む。

 それから暫く経つと濃霧は次第に薄まり、周囲を陽光が照らし始めた。
「ふむ……もうじき抜けられそうだな」
 水中探索用の動力甲冑を装着した百鬼・運命(ヨアケの魔法使い・g03078)は、時折海上へ頭を出しつつ、そこを包み込む霧を見回して、警戒を一層強くした。
 ディヴィジョン境界に漂うこの霧は、完全視界を駆使しても無効化することは難しいようだ。仲間たちのナビもあって迷う恐れとは無縁だが、視界が効かないのは正直言ってもどかしい。
「しかし、TOKYOエゼキエル戦争にもちょっかいを出しているクロノヴェーダか……得体が知れないな」
「うん。今のところ海を大部分にしていそうな敵さんだから、海上の警戒も当然しっかりやっていそうなのが怖いね」
 持参した水中コンパスを確認しながら、ネリリ・ラヴラン(★クソザコちゃーむ★・g04086)がそう返す。
「この前の戦争では福建省に攻め込んだし、マスターテリオンが死んだら東京への侵攻準備を始めてるみたいだし……すごく好戦的な相手みたいだね」
 ヤ・ウマトというディヴィジョンについて、今までの記録を思い出しながらネリリはそう結論付ける。
 七曜の戦いにおいて、新宿島の最大の脅威となり得ることが予想される――そんな予想を、実のところネリリは楽観的だと感じていた。
「あいつらなら、七曜の戦いどころか、すぐにでも東京に雪崩込んでもおかしくないと思う」
「そうだな。かといって、防戦だけではジリ貧になる……東京を奪われない為にも、少しでも情報を得たい所だな」
 運命はそう言って、思考を深めた。
 過去に神奈川沖で遭遇した際には、一般兵器による砲撃も確認されたという。
 これからディアボロスが目指す台湾沖にも、そうした戦力は配備されているとみて間違いないだろう。
「それにしても、ディアボロスやクロノヴェーダに一般攻撃が効かないことは、同じクロノヴェーダの冥海機なら知ってる筈なんだけど……何か理由があるのかな?」
 ふと湧いた疑問を呟くネリリに、アンゼリカが言った。
「今はまだ分からないかな。けど、パラドクスを使わないってことは、砲撃は一般人がやった可能性が高いってことだよね。もし軍艦があった場合は、普通の人たちが動かしてるんじゃないかな」
 得られた情報を手掛かりに推理を述べながら、アンゼリカの脳裏には新たな疑問が湧き始めた。
 ネリリの言う通り、一般人の軍艦をいくら揃えたところで、パラドクスを使う者たちには脅威とならない。そんな戦力を、ディヴィジョン境界という激戦区にわざわざ派遣していたヤ・ウマトの真意は何なのだろう。その答えが、今回の偵察で少しでもつかめれば良いのだが……ふと、そんなことを考える。
「それにしても、本土か……港湾地域のみならず、どこか大陸を本拠地にしているってことかな?」
「新しく『本土』を作っている可能性もあるかもな。実際、機械化ドイツ帝国は戦艦が拠点だったし……」
 未知のディヴィジョンに想像を巡らせながら、境界を目指し続けるディアボロスたち。
 次第に近づいて来る目的地に、警戒心と好奇心とが募る。
 そうして霧の海をさらに進み続けて程なく、先頭を進んでいたアンゼリカが、パラドクス通信で仲間たちへ呼びかけた。
「みんな気を付けて。そろそろ霧が晴れるよ!」
 周囲の警戒を続けながら泳ぐ手足に力を込める一行。
 程なくして視界の霧がふいに晴れ、ディアボロスたちはヤ・ウマトの海域へ踏み込んだことを悟る。
 その時、ロキシアが注視した前方の景色に驚愕の色を浮かべ、警告を発した。

「み、みんな! あれ……!」
 ロキシアが指示した先、水平線を埋め尽くすように展開するのは、巨大な軍艦の群れだった。
 巡洋艦や駆逐艦と思しき艦船の数々は、ことごとくディヴィジョンの境界――つまりはロキシアたちの泳いできた海域周辺に展開している。
 それがすべて、ディアボロス侵入阻止のために敷かれた警戒網だと理解して、ディアボロスは息をのんだ。
「あっちゃー、コッチが来るのを見越してたってワケか。予想はしてたけど、まいったね……」
 翔鶴の対応の速さに舌打ちしつつ、燐寧は遠方に微かに見える台湾島を凝視した。
 あの警戒網さえ突破すれば島は目と鼻の先だ。だが、途中で発見されれば侵入は即座に敵の知るところとなる。そうなれば島からの攻撃は必至、自分たちディアボロスは念願叶わず撤退を余儀なくされてしまうだろう。
「かと言って、ここで下がる選択肢はないしね。みんな、準備はいい?」
 瞳に決意を宿し、頷きを返すディアボロスたち。
 警戒網という危険を前に臆することなく、彼らは島を目指して進んでいった。

●台湾島へ
「さて、行くぜ。警戒しながら島を目指そう」
 八栄・玄才(井の中の雷魔・g00563)の合図と同時、ディアボロスたちは敵地の只中へと潜入していく。
 索敵を行う軍艦の目を欺くため、進路は海上から海中へと切り替えられた。警戒網は厳重だが、船で海上の全てを封鎖することは元より難しい。その隙間を突くように、玄才は光学迷彩に身を隠しながら進む。頭上を艦が通り過ぎる際は足を止め、けして焦った動きを取らず、慎重な動きで警戒網の中を潜り抜けていった。
「よし、もう大丈夫だ。進むぞ」
「軍艦の配備は予想していたが、これほどとは……本格的に海戦型という所か?」
 玄才の合図に頷きながら、ラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)は冥海機らヤ・ウマトの軍備に舌を巻いた。
 ラキアらディアボロスにとって不幸中の幸いと言えたのは、玄才の光学迷彩やネリリの平穏結界による潜伏が艦船の警戒網に有効だったことだ。それは同時に、ラキアらが抱いていた一つの予想を裏付けるものでもあった。
「あれだけの数が居て、私たちに気づかないということは……戦艦を動かしているのは一般人とみて良さそうだな」
「そうみたいだな。とはいえ、油断できない状況だってことに変わりはないが……」
 玄才の言葉に、ラキアは無言で頷きを返す。
 たとえ一般人が乗り込んだ船だとしても、第二次大戦期の戦艦ともなれば通信手段は中世近代のそれとは比較にならない。発見されたが最後、その情報は即座に冥海機の知るところとなるだろう。そうなった時点で、島への潜入偵察作戦の失敗はほぼ確定してしまう。
「ここから先は、警戒を強めて進んだ方が良いな。アンゼリカさん、通信障害は使えるか?」
「大丈夫。ここから本番だね、頑張ろう!」
 ディアボロスの望まない通信を不可能とする残留効果――それを使用する機会がないことを祈りながら、戦艦の警戒網へと向かっていくアンゼリカ。
 あれを抜けることが出来れば、いよいよ目的地は目の前だ。
 鍛え上げた身体で台湾海峡の海流をかき分けて、若き撃竜騎士は台湾島を目指して進んでいく。

「しかし、何とも緊張するものだな」
 ラキアはダイブスーツで海中を進みながら、頭上を眺めて呟いた。
 彼女の視界に映るのは、海面下にせり出た無数の黒い船底だ。その一つ一つが百メートルを超える全長を持つ戦艦だと思うと、何とも言えぬ威圧感を感じる。
「光学迷彩があるとはいえ油断はできん。水面からの目視確認は最低限にせねば」
 この場では一度のミスが致命傷になりかねない。ラキアは慎重に慎重を重ね、警戒網のただ中を進む。
「今のところは異常ないな。イツカさん、海中の様子は?」
「大丈夫、みんなの警戒も万全だし怖いものなしよ! このまま何事もなく、警戒網を抜けられればいいけど……」
 仲間の思いを代弁するように語るイツカの言葉には、微かな懸念の色があった。
 島の警戒網を敷いた翔鶴が慎重で用心深い性格であることは、今までの断片的な情報からしてもほぼ確実。海中でも何らかの警戒が行われている可能性が高い……イツカはそう考え、数名の仲間たちと海中を重点的に警戒しているのだ。
「今回の敵さんは海のが得意な口だし、いつも以上に注意しねーとな」
 同じく、海底を警戒する冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)が、そう呟く。
 暗色のダイビンググッズを身に着け、光学迷彩を駆使する彼女の姿は、一般人ではまず視認できない。相手が冥海機でもない限り、不意の遭遇による事故は大幅に減らすことが出来るだろう。
「戦艦の方は他の皆さんに任せるとして、こっちもしっかり警戒してきましょーかね」
「うん。もし海中に誰かいたら、秘密の入り口があるなんて可能性も――」
 その時である。イツカの言葉を遮るように、前方から笛の音色を思わせる警戒音が聞こえて来た。
 イルカ変身で先行していた仲間の一人、ルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)が送った合図である。
(「前方から何か来る。気をつけろ」)
(「何か? ……クジラとか、ってことはないよねぇ?」)
 燐寧が送ったサインに、ルィツァーリが再び返す。
(「距離が遠くて詳しくは分からない。だが、形状からして恐らくは戦艦だ」)
(「一隻だけぇ?」)
(「ひとつだけだ。大きさは……とにかく大きい。クジラなどよりも遥かに」)
 符丁として送られて来る鳴き声を解読しながら、燐寧は唇を噛んだ。
 海中を移動できる、大きな戦艦――それに該当する兵器の正体が何であるか、分かってしまったから。
(「皆、急いで身を隠してぇ!」)
 燐寧が回した通信を受けて、海底に身を潜めるディアボロスたち。
 程なくして彼らの視界にうっすらと現れた『それ』を見て、イツカと冷桜が息を呑む。
「間違いない。潜水艦だわ……!」
「やれやれ。まったく油断も隙もあったもんじゃねーですね」
 張り詰めた気配の漂う海中を、潜水艦が悠然と通過していく。
 そうして永遠にも感じられる時間が過ぎた後、脅威が去ったことを確かめて、ディアボロスは行動を再開するのだった。

(「仲間から連絡。潜水艦はまいた、これより行動再開。……以上」)
 イルカ姿のクィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)の寄越した言葉に、ルィツァーリは安堵の吐息を洩らした。
(「最悪の事態は免れたか。しかし翔鶴め、よほど我輩たちを島に入れたくないと見える」)
(「んむ。どうやら翔鶴め、復讐者がイルカに変身することはまだ知らなかったと見える。むふー」)
 イルカ姿で得意げに胸を張るクィトだが、無論気を緩めたりはしない。
 ルィツァーリとともに迷い込んだイルカを演じつつ、周囲の警戒を再開した。
 これなら島に近づき過ぎない限り、一般人相手に正体が発覚することは、まずないだろう。
(「ルィツァーリ。先程の潜水艦、やはり乗っていたのは……」)
(「ああ、一般人だろうな。クロノヴェーダでなかったことは幸運だった」)
 クィトの言葉に、ルィツァーリはそう言って頷いた。
(「先程の遭遇から潜水艦の姿は見えない。どうやら海上の戦艦に比べて数が少ないようだな……上陸地点の偵察時も、そこまで神経質に警戒する必要はなさそうだ」)
(「んむ、とはいえ油断大敵。警戒は続行」)
 台湾島が近づけば、それだけ侵入が発覚した時のリスクは大きくなる。
 まして冥海機がいる陸地ともなれば、たとえ変身していても、怪しい行動を取れば見破られることは想像に難くない。
 細心の注意で、仲間と連絡を取り合いながら、一行は島との距離を着実に縮めていく。
(「大勢で接近すれば確実に怪しまれるだろうな。どんな方法で行くにせよ、大人数は危険そうだ」)
(「同意。おまけに飛翔なども厳禁。これは我の新兵器のお披露目はお預けということ……ぬーん」)
(「ヤ・ウマトか。何とも厄介極まりそうな相手だな」)
 無念そうに声のトーンを落とすクィト。
 その横で、ルィツァーリはまだ見ぬ敵の脅威をひしひしと感じながら、台湾島へ近づいて行く。
 警戒網の突破は、すでに目前まで迫っていた。

●潜り抜けた先に
 何が待つのか、何が起こるのか、一切分からぬ未知の土地。
 青天井・イカス(このうえなく・イカス・g02133)という男にとって、そんな世界に踏み込むという行為は、この上なく心躍る行為であった。
「っツーわけデ、俺モ一枚噛みに行クゼ」
 イカスは強運の加護を張り巡らせると、はやる心を抑えながら警戒網を潜り抜けた。
 海上を封鎖するように展開する戦艦群が、イカスの背中をゆっくり遠ざかっていく。警戒網を抜けたことを確認しながら、イカスは戦艦を遠巻きに眺めて呟いた。
「巡洋艦に駆逐艦、オマケに潜水艦……あんだけ周到ナ準備、敵の強サは紛れモない本物っテ事ヨな」
「ああ。この海はすべてが相手のフィールドだ、気を引き締めていかねば」
 荒田・誠司(雑草・g00115)は、次第に近づいて来る台湾島の沿岸を眺め、頷く。
 戦艦の警戒網こそ抜けられたが、作戦はここからが本番といってよい。上陸地点を探し、島の情報を収集し、最終人類史へと帰還して、ようやく作戦は成功なのだから。
「まずは上陸地点の偵察だな。地図が使えれば良かったのだが……」
「マ、仕方ネーヨ。島の地理モ地形モ、最終人類史と同じッテ保証はネーからな」
 不敵に笑うイカスの横で、誠司は思考を巡らせた。
 あれだけ多数の戦艦を駆り出せる以上、この付近に軍港があるのはほぼ間違いない。だが、他の上陸地点については全くの未知だ。どんな場所が、どれだけの警戒レベルで、いくつ存在するのか――そうした諸々は、探してみなければ分からない。偵察の範囲や方法次第で結果は大きく変わることだろう。
「とはいえ、ここから先の警戒は更に厳しくなる。割ける時間は有限で、おまけに冥海機がいることを考えれば……」
「大人数での行動ハ自殺行為、って奴ダナ。鬼が出ルか蛇が出ルカ、シっカと見テ持ち帰ろウゼ」
 仲間たちと海上偵察の準備を始めながら、イカスはそう言って笑ってみせる。
 向かう先が危険であるほど、そこに待つ『お宝』が素敵なほど、挑み甲斐があるというものだ――そう、告げるように。

 かくして、島への上陸地点を探るべく、ディアボロスたちは偵察を開始する。
 冥海機ヤ・ウマトの領土と化した台湾島。
 その地には、果たして何が待っているのだろうか――。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【イルカ変身】LV2が発生!
【パラドクス通信】LV2が発生!
【水中適応】LV5が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【スーパーGPS】LV1が発生!
【モブオーラ】LV1が発生!
【平穏結界】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV2が発生!
【命中アップ】LV2が発生!
【ダブル】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV2が発生!
【アヴォイド】LV3が発生!
【反撃アップ】LV2が発生!
【ガードアップ】LV4が発生!
【グロリアス】LV1が発生!

冰室・冷桜
おーおー、こりゃまた厳重な
近代に近いディビジョンの特性よね、こーゆーのは

基本は【水中適応】【イルカ変身】【モブオーラ】【平穏結界】を発動して行動
警戒中の潜水艦、戦艦が近づいてるの感じたら海底まで潜行して隠れ、【光学迷彩】発動
やり過ごしてから移動するようにするわね

こんだけガチガチだとどこも基本は警戒厳重だろうし……
島の地理確認も兼ねてぐるーっと一周しましょ
島全体が基地になってるわけでもねーだろうし、手をつけてない自然のっまになってるところとかあれば、警戒も薄いかも
海面に頭出す時は周囲の状況や気配、空中の様子までしっかり確認してからにして、なるべく長時間不自然に動きを止めないようにするわ


笛島・他助
翔鶴っつぅ姉ちゃんは用心深いようだし、普通に考えりゃ上陸可能な箇所に隙は無ぇだろう。
とはいえ一般人も多く駆り出してる。つまり冥海機が潤沢では無い筈。
一般人相手なら付け入る隙はワンチャンだな。

【光学迷彩】【強運の加護】【イルカ変身】を使用して海面に顔を余り出さないようしつつ、少数或いは単独で海中移動。
港以外の沿岸部を回りつつ、海に隣接する一般人居住区などが無いか偵察。
敵の数や冥海機と一般人の割合を計測しに行き、なるべく冥海機が少なく、一般人の割合が多い箇所を探してみる。
海面に顔を出す時間は少なくし、短時間で情報収集

結果が分かり次第随時【パラドクス通信】で効果範囲内に居る仲間に連絡、情報を共有する


ネリリ・ラヴラン
人の乗ったお船と、船のお名前を持ったクロノヴェーダさんだよね
もし監視の役目以外に理由があるのだったら、敵さん達の戦力の増やし方に関係があるとかなのかな

【水中適応】【平穏結界】【光学迷彩】辺りを使って
今回も隠密行動だね
水面にお顔を出すのは、戦艦の姿が遠い時にしたいわ
潜水艦は一般人さんしかいないなら目視観測はしなそうだし
残留効果が便りかしら
どうしてもって時は【現の夢】で誤魔化したいけど艦内まで届くか解らないから最後の保険ね

探したいのは上陸地点候補が一番ね
軍港は避けて民間の家屋が見えるとこや崖とかの天然の遮蔽がある場所かな
近づき過ぎずに周囲を回り込むように探すね

アドリブ・連携は歓迎だよ


一里塚・燐寧
【光学迷彩】【モブオーラ】【平穏結界】【強運の加護】を継続

んー、史実とどれぐらい状況同じかわかんないし、聞き込みがしたいなぁ
でもまさか、船に乗り上げて船員に聞くわけにも……あっ、そうだ!

【イルカ変身】で移動しながら
魚や本物のイルカに【動物の友】で聞き込む
ねぇきみ、船ってわかる?
鉄の塊みたいなやつ
でかくて武器があるの(軍艦)と、あたし達を捕まえるけど武器はないの(漁船)があると思うけどさ
それぞれどの方面から来るとか、どこらへんでよく見るとか、覚えてない?

情報収集した上で【パラドクス通信】で仲間と共有
あたし自身は捕鯨されないよう注意しつつ漁船が多い方を見に行くよぉ
民間人居住区が見えたりしないかな?


青天井・イカス
戦艦操作シてンナぁ一般人か
クロノヴェーダに見ツかリャ一発アウト
ンじャ、俺ァ一般人の多ソうな市街地重視デ行動考エるゼ
残留効果が効クなラ動き易いシな
ハイリスクで成果0ガ一番避けテぇ

【イルカ変身】で海上カラ観察
【完全視界】【モブオーラ】【光学迷彩】【強運の加護】も借リトくカ
有ッて腐ルもんジャなシ
上陸時、敵遭遇の不運回避の呪イに【強運の加護】ヲ追加

サて本番
此処は軍港
一般人ガどウイう状態にセよ、物資運搬だノの出入リはアるんジャねェカ?
ソう言う外部トの往来カラ大まカな方向を把握
大体の往来頻度モ知れリャ上々

上陸狙ウなラ、警戒の薄そウな都市部~基地・軍港の間ノ何もナイ中間地点カね
移動ノ手間はアルが安全第一だロ


諷和・もこ
ボクたちを警戒するためだけにあんなに沢山のお船を用意するのかな…?
なんだか嫌な予感がするんだよ

大勢で行動すると見つかりやすくなっちゃうから
少数人数のチームでいくつかにわかれて行動するんだよ
連絡は【パラドクス通信】でしっかり取り合うんだよ

【モブオーラ】や【光学迷彩】【平穏結界】を使って見つかりにくくしながら行動するんだよ
万が一見つかっちゃったらその時は【通信障害】で敵さん達が情報を広めないように

ボクは海岸沿いの様子を偵察するんだよ
軍艦の数や、配置場所、とか
港を出入りしてる人たちの多さとか、どんな様子かな、とか
イヤイヤ従ってるのか、自分たちの意思で戦ってるのか
知っておいた方がいいって思うんだよ


●偵察開始
 冥海機ヤ・ウマト、台湾島近海。
 戦艦の警戒網を潜り抜けたディアボロスたちは、島の沿岸を目指して進んでいった。
「さーて、もうじきだわね。偵察できそうな距離まで近づくわよ」
 水中適応で海面下を慎重に進みながら、冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)は呟く。
 偵察に赴くディアボロスは冷桜を含めて総勢6名。その全員の向かう先には、目的地である台湾島の姿が、いまやはっきりと見えている。島から伝わって来る空気はいよいよ重く、水の中まで伝わってくるようだ。
「このイヤな感じ……軍港エリアは近そうだわね」
「軍港かぁ。民間人の居住区とかはないのかなぁ?」
 近海で遭遇した軍艦を思い返しながら、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)が疑問を口にする。
 あれだけ大群の船を動かすとなれば、相当な数の人手が必要だ。となれば、そうした一般人の生活エリアも、島のどこかにある可能性が高い。軍港の偵察は大前提としても、上陸地点は他に幾つか確保しておきたいところだった。
「全員一緒に探してタんジャ日が暮れチマウ。こっカラ先ハ、チームで偵察しネーカ?」
「うんうん、賛成なんだよ。少人数でわかれて行動した方がいいと思うんだよ!」
 青天井・イカス(このうえなく・イカス・g02133)の提案に、諷和・もこ(ふわもこうとうと・g01739)をはじめとする仲間のディアボロスたちも頷いた。
 効率面でもリスクの面でも、ここから先、大人数での行動は得策とは言いがたい。燐寧は動物の友を発動すると、海を泳ぐ魚を呼び寄せて島周辺の情報を尋ね始めた。闇雲に探るよりも、地理に詳しい相手から聞いた方が確度が高い――そう判断しての行動である。
「ねぇ魚くん、船ってわかる? 鉄の塊みたいなやつなんだけど……どこらへんで見るとか、知らない?」
 重点的に尋ねたのは、『船』に関する情報だった。
 軍艦か漁船か、どの程度の数を、どの場所で見かけるか。そうした情報が分かるだけでも、有力なポイントはかなりの精度で絞り込める。笛島・他助(アレがアレでそれな感じの奴・g03086)は燐寧が魚たちとの会話に集中出来るよう、会話から得られた情報を整理しはじめた。
「燐寧さん、魚たちは何て言ってる?」
「南と北に、人のいる場所があるって。南の地域には漁船もあるって言ってるねぇ。逆に軍艦は南北とも殆ど見ないって」
「軍港を含め偵察ポイントは3つか。距離はどの位か、分かるか?」
「どっちも軍港からは少し距離があるみたい。ひょっとすると、パラドクス通信は通じないかもねぇ」
「現時点で通信の有効半径は2kmだったな。台湾島の長さが、最終人類史で南北400km弱だから……」
 考え込む他助の言葉を継ぐように、ネリリ・ラヴラン(★クソザコちゃーむ★・g04086)が口を開いた。
「此処を合流ポイントにして、偵察が終わったら戻ることにしない? それが確実だと思うよ」
「だナ。そウしヨウぜ」
 ネリリの提案にイカスが頷き、他の仲間たちもそれに続いた。
 2名ごとに1チームを組み、3つの偵察ポイントから上陸地点を探す。周辺の情報も多く持ち帰れれば尚良い――。
 行動方針を迅速に共有し、ディアボロスたちは各々の希望などを元にチームを組み終える。

「漁船てことは民間人のいる可能性が高そうだが……よろしく頼むぜ」
「よろしくねぇ。居住区とか見つかるといいなぁ」
 南側チーム、他助と燐寧。

「どーも。ひとつよろしくお願いしますよ、っと」
「何があるか、調べる価値はありそうだね」
 北側チーム、冷桜とネリリ。

「サて本番。潜入偵察、行くとスッか」
「よーし、頑張るんだよ!」
 軍港チーム、イカスともこ。

 こうしてチーム分けを速やかに終えたディアボロスたちは、早速、目的地を目指して動き出した。
 未だ見ぬ台湾島、其処に眠る秘密を暴くために――。

●偵察:北エリア
 イルカ変身を駆使しながら、合流ポイントを北へ移動すること暫し。
 パラドクス通信の有効範囲を少し超える頃、軍港付近の物々しい空気は一変し、陸地に樹木の緑が色濃く混ざり始めた。

(「このエリアは森林地帯なのかな。人の姿、全然見えないね」)
(「ほんと静かなもんだわね。軍艦も潜水艦も、影も形もねーですわ」)
 地上の様子を窺うネリリの横で、周囲を偵察していた冷桜がそう返す。
 軍港の北エリアは平穏そのものだ。海にも空にも敵はまるで見えず、辺りにはさざ波と海鳥の声が時折聞こえるのみ。
 冷桜は念入りに周囲を確かめると、陸地へ視線を送りながらイルカ変身を解いた。
「もう少し近づいてみますか。流石に手ぶらじゃ帰れねーですし」
「そうだね。警戒も薄そうだし、行けると思うよ」
 そうして光学迷彩で身を隠しながら接近した北側の陸地は、一面が緑色の樹木に覆われた森林地帯だった。
 森の端へと視線を向けた先にはグラウンド程度の平地があり、採集したと思しき木々が切り倒されて積まれている。少なくとも全くの無人という訳ではないようだ――そう思いながら念入りに周囲を偵察していると、ふいにネリリが森の一箇所を指さして告げた。
「ねえ、あそこを見て。小屋があるよ」
 示した先に冷桜が視線を向けると、そこには確かに小さな建物があった。
 木々の間に隠れるようにひっそりと建つ小屋は、よく見れば煙突から煙がうっすらと立ち昇るのが見える。恐らくは、森を管理する森番あたりが住んでいるのだろう。冷桜は並行して周囲の観察を続け、森のすぐ傍にある浅瀬に目を留めた。上陸するなら、あそこが一番良さそうだ。
「北側の上陸は難しくなさそうだわね。とはいえ……」
「うん。ヤ・ウマトに関する情報を探すのは、ちょっと大変かもね」
 二人は頷きを交わすと、イルカ変身を発動。泳いできた道を戻り始めた。
 警戒が薄いとはいえ無用な長居は望まれない。残る2チームの仲間たちも順調だと良いのだが――そんなことを考えつつ、合流ポイントへの道程をしばし無言で辿っていると、冷桜がぽつりと沈黙を破った。
(「……さっきの偵察とは関係ねーんですが。ちょいと気になったことがあるのよね」)
(「気になったこと?」)
 先を促すネリリに、冷桜は続ける。
(「航空機がね、全然見えねーんですよ。このディヴィジョンに入ってから、ずっと」)
 言われてみればそうだ、とネリリは思った。あれだけの軍艦を建造しておきながら、航空機がひとつもない――最終人類史であればおよそあり得ないであろう事実に、言い知れない違和感を覚える。同時に思い出すのは、ネリリらディアボロスたちが今までに接触してきた冥海機が、いずれも艦船に由来するクロノヴェーダであるという事実だ。
(「あの軍艦、もしかして……監視以外にも役目があるのかな? たとえば……」)
 戦力増強とか。
 そう言いかけた疑問を呑み込んだネリリの横で、冷桜は沈黙を保ったままだった。
 判明した上陸地点のひとつと、不穏な疑念。それらを胸に抱きながら、二人は合流ポイントへと帰還していく。

●偵察:南エリア
 一方、ネリリと冷桜が森林地区の調査を終えたその頃。
 軍港の南側へと向かった二人もまた、目的の場所を探し当てていた。

「見てぇ。漁港があるよぉ」
 光学迷彩を発動しながら海上で陸地を伺っていた燐寧が、遠方の人工物を指さして言った。
 程なくして海中の警戒を終えた他助も浮上すると、指し示された先の風景を見やり、頷く。
 民間用と思しき漁船が数艘停まった簡素な港――それが、南エリアに向かった燐寧と他助の最初に見つけたものだった。
「これだけ大きな島だ、軍港以外の場所だってあると見ていたが……ビンゴだったな」
「この辺はそれほど警戒は強くないみたいだねぇ。道中でも軍艦には殆ど遭遇しなかったし」
「よし、もう少し近づいてみるか。冥海機がいる可能性もある、慎重に行こう」
 そう告げる他助を先頭に、二人は目的地へと近づいて行った。
 陸地との距離が縮まるにつれ、漁港付近の様子が次第に鮮明さを帯びていく。
 風に乗って聞こえてくるのは、自動車のそれと思しき大きなエンジン音と、人々の活気に満ちた声。そして、それらの音が聞こえる先には、密集して建ち並ぶ数多くの民家。この一帯は恐らく、民間人用の居住区域なのだろう。
「港の近くに密集する民家か。典型的な住宅街って感じだな」
「街の空気、すごく賑やかな感じ。クロノヴェーダに虐げられてるような空気じゃないねぇ」
「ふむ、もう少し情報が欲しいな。往来の様子はどうだ……?」
 他助は光学迷彩で身を隠しながら、居住区域を凝視する。
 建ち並ぶ建物はどれも真新しく、最近建てられたもののようだ。恐らくは戦時中だからだろうか、どの建物も造りは質素で華美な装飾などはない。実際、辺りを包む賑やかさとは裏腹に、遊んでいる人の姿は一人も見て取れなかった。
「居住区域か。成る程、これなら付け入る隙はワンチャンだな」
「でも、これだけ人が多いってことは……冥海機の警戒がゼロって可能性は低そうだねぇ」
 探索する場合は相応の対策が必要になりそうだ――そう考えながら偵察を続けること暫し、二人は上陸に使えそうな場所を発見することに成功した。港の外れにある、人目に付きにくい小さな浜辺である。ここならば気配を隠し、なんとか上陸出来ることだろう。
「よし、帰ろう。このエリアの情報を、確実に伝えないとな」
「オッケー。そういえばパラドクス通信の具合はどう? やっぱり無理かなぁ?」
 燐寧が口にした疑問に、他助は通信機を操作し、ややあってかぶりを振る。
「無理だな。距離が開きすぎて、別チームの仲間の所までは届かん」
「んー。このぶんだと、探索は一箇所に絞った方がよさそうだねぇ」
 そうして情報収集を終えた後、二人は音もなく海中へと身を滑らせると、合流ポイントを目指して泳ぎ出す。
 台湾島上陸の時は、着々と近づきつつあった。

●台湾島:軍港エリア
 森林地区と居住地区の偵察が完了した、ちょうどその頃。
 軍艦と沿岸の警戒網を潜り抜け、海中を慎重に進んでいったイカスともこは、軍港の内部へと辿り着いた。

(「よシ。ココなら人影もねェシ、スグにャ偵察もバレねェだろ」)
 ひっそりした空気が漂う、軍港の外れ。
 イカスは上陸地点として選定した岩陰の傍に光学迷彩で身を隠しながら、無言で背後に手招きを送った。
 程なくして、もこがちゃぷんと音を立てて海面から顔を覗かせると、二人は警戒を高めながら港の中央へ視線を向ける。
(「め、めちゃくちゃ警戒厳しかったんだよ……!」)
(「冥海機にとっチャ、それダケ大事な場所ッテ訳ダろうゼ。……さッサと終わらシテ、戻らネエとナ」)
 交わす言葉もそこそこに、イカスともこはさっそく偵察を開始した。
 此処は敵拠点の只中であり、不要な滞在はそれだけでリスクに直結する。必要な情報を集め終えた後は、合流ポイントまですぐ戻ること――それが、二人が事前に決めておいた絶対条件だった。
「よーし、偵察開始なんだよ……!」
 もこが収集するのは、軍艦の配置場所と、その数だ。
 視線の先、幾つもの埠頭を埋めるように停泊しているのは、いずれも軍艦と思しき船ばかり。遠方からでも堂々たる威圧感を放つその偉容に、もこは思わず息を呑む。ディヴィジョンに侵入したときに遭遇した軍艦も、恐らくは台湾島の冥海機が有するごく一部でしかないのだろう。
「うぅ、すごい数なんだよ……」
「だナ。軍艦だけジャねェ、一般人の数も凄ェ」
 一方のイカスが注視するのは軍港の一般人である。
 彼が凝視する先、軍港地区を行き来する一般人の数は相当なものだった。軍人、業者、労働者……その多くが、恐らくは軍の関係者なのだろう。いずれも活気に溢れた様子で、圧政に苦しむような空気はまるで感じられない。
(「此処は軍港。なラ、物資運搬だノの出入リもアるんジャねェカ?」)
 その予想が的中したことを、イカスは程なくして悟った。
 今まさに、物資を積んだ車輛が列を組んで、大きな倉庫に入っていく光景が見えたからだ。
 只の倉庫ではない。軍艦が丸ごと収まる大きさと、周りを取り囲むように設けられた巨大な作業用クレーン。更には、海へ直接繋がる出口。それはすなわち、かの倉庫が軍艦用のドックであり、ヤ・ウマトが今も新しい軍艦を建造し続けていることを示していた。
「あんなに沢山のお船を、何のために用意するのかな……? なんだか嫌な予感がするんだよ」
「少なくトモ、俺たちやクロノヴェーダ用じゃネーだろうゼ。一般兵器なンざ、パラドクスにゃ役立たネーからナ」
 不安を抱いた声で呟くもこに、イカスはそう言ってかぶりを振った。

 この軍港の戦艦を動かしているのは、ほぼ間違いなく一般人だ。
 では、いったい何のため?
 一般人の兵士など、パラドクスが飛び交う戦場では何人いようが脅威ではないというのに。

(「まア、此処で考えててモ答えハ出ねーケドよ」)
 自分たちが遭遇した戦艦や乗組員も、もしかすると最終人類史のそれとは別の用途に使われているのかもしれない――。
 そんな疑念を打ち切ったのは、合流ポイントへの到着を告げるパラドクス通信のサインだった。南北の偵察チームが無事に帰還したのだ。そろそろ離脱の頃合いだろう。イカスはもこと共に速やかに海へと潜り込むと、仲間たちの待つ場所へと戻っていった。
「これデ情報ハ揃っタ。待ってロ、冥海機どモ」
「いよいよ探索開始だね。よーし、頑張るんだよ!」
 3エリアの偵察を完了した6人が無事に合流したのは、それから程なくしてのことだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【アイテムポケット】がLV2になった!
【光学迷彩】がLV2になった!
【現の夢】LV1が発生!
【動物の友】LV1が発生!
【強運の加護】がLV2になった!
【通信障害】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【アヴォイド】がLV5になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【命中アップ】がLV3になった!
【グロリアス】がLV2になった!

 ディアボロスたちの偵察によって、台湾島に三つの探索エリアが発見された。
 下記にその概要を記す。

 【1】森林地区
 一面の森に覆われており、森番と思しき者の小屋を除いて、建物等はなし。
 警戒レベルは低く上陸も容易と思われるが、有益な情報を探すのには難航する可能性が高い。
 潜入ポイントは森の傍にある浅瀬。

 【2】居住地区
 一般住宅が立ち並ぶ地域。民間の小さな漁港はあるが、軍港はない。
 街中に活気はあるが華美な装飾などは無く、遊んでいる一般人もいないようだ。
 潜入ポイントは漁港近くの無人の浜辺。

 【3】軍港地区
 多数の軍艦が港に集まっており、港のドックでは新たな船の建造も行われている。
 非常に活気があり、軍人だけでなく一般人と思われる労働者も多い。警戒レベルは全地区の中で最も高いと思われる。
 潜入ポイントは軍港の外れにある、人目に付きにくい岩陰。

 偵察によって判明したのは、以上の三地区となる。
 ただし作戦の性質上、『上陸できる地区はひとつのみ』。
 複数の箇所を大勢で探索するといった行動は認められない為、行先の選定はよく相談して決めた方が良いだろう。
 いずれの選択肢も、ディアボロスがいかなる情報を求めるかによって、正解にも誤りにもなり得るはずだ。

 未知なるディヴィジョン、冥海機ヤ・ウマト。
 その謎の一端を暴く情報を持ち帰れるかどうかは、すべてディアボロスの手にかかっている――。
ラキア・ムーン
警戒は厳しそうだが…軍港地区に上陸させて貰うか
水中適応で潜り慎重に進み光学迷彩、モブオーラを利用し岩陰より上陸
一般人に紛れよう
モブオーラは常時使用し軍港地区の様子を少し歩いて観察
倉庫街等を探して、これから搬入する物品を積み込みしている者を探そう
遭遇したら友達催眠で臨時の労働者という体で積み込みを手伝う
その際に世間話の体でちょっと話をしていこうか

あまり時勢には詳しくは無いんだが…これ程軍艦を作るのはどうしてなんだ?
と、軍艦を作る理由を聞いていこう
それと領域も聞いていくか
恐らく神奈川や旧鎮守府区等は領域だと思うが…
例えば横須賀鎮守府辺りに旅をしたかったらどうすれば良いだろう?
と探りを入れてみよう


八栄・玄才
戦いに活きる情報を求めるなら軍港が良さそうだよな~~

軍港ならどこかに海図があるハズ
そんで、海図を見られればこのディヴィジョンの形も分かるだろ

《光学迷彩》や《平穏結界》を使ってこっそり上陸

港なら猫がいてもおかしくないな
そこからは《猫変身》で行動

基地の裏方系の仕事が行われてそうな建物の方を目指す
移動中は《モブオーラ》を使い、猫の体でしか入れないような建物の隙間などなるたけ人目に付かないところを進む

建物の窓があったら、猫の跳躍力で窓の縁やパイプに乗り、《完全視界》で中を覗き込む
海図とか、何か有益な情報が見つかったら良いな

もし人がおらず浸入可能そうな部屋があれば入り込み、棚とかも漁っちゃうぜ


荒田・誠司
アドリブなど歓迎

【心情】
気づかれないように慎重に行こうか

【行動】
【3】に侵入
まずは偵察した仲間が通ったルートを辿り
イルカ変身を用いた上で光学迷彩と平穏結界を使い近づいて変身だけを解き上陸
すぐさま猫変身をして軍港に紛れ込む

俺は物陰に潜んで一般人を観察
仕事ぶりとか疲れた様子はないかとか
もう少し詳しく彼らの様子を探りたい
それからは休憩所のような場所もあるだろう
そこに行って彼らから見た冥海機の話を中心に情報収集をする
最後は軍艦用のドッグに忍び込み機械知識で特殊な機構などないか確認してみる

細心の注意を払いパラドクス通信で適宜連絡を取り合って仲間と連携し行動する
必要なら臨機応変に対処する


クィト・メリトモナカアイス
【3】軍港地区

んんーむ?
この前の三国志での戦争では。一般人が乗る船は来ていなかった。
とーなるとー……? 三国志みたいにディヴィジョン内部で戦争を演出しているとか。
んむ、考えても分からぬものは分からぬ。ゆくぞー。

イカスともこが通ったルートを辿り上陸。【光学迷彩】で物陰に隠れながら港へ侵入。【モブオーラ】で労働者に紛れて作業をしながら【友達催眠】で話しかける。知りたいのはこの戦艦、そして戦争の準備が何のためのものなのか。そして進んで働いているのかいやいやなのか。

この前大きな戦いがあったらしいのに、また戦いとは休む暇もない。大変。
んむ、けれど。こうして働くことは勝つために必要。やりがいのあるお仕事。


一里塚・燐寧
【3】軍港地区

英霊機ってどんな代物だろねぇ
知らないといざ出された時にヤバそーだよぉ

【光学迷彩】【平穏結界】使い段差や岩で身を隠せる所に上陸
【アイテムポケット】内のタオルで海水を拭き行動開始

調査中は【プラチナチケット】発動
女子挺身隊のような若い女工を演じ、航空機の工場や整備場に入るよぉ
いやぁー、お国のため働けて嬉しいですぅ~
冥海機が施設内にいるかもだから気配や視線に注意
適宜残留効果で身を隠す

施設内では英霊機を調査
ゼロ戦に似てると予想して機体を捜索
見つけたら武装や内装、機能等を目視や他工員との会話で確認
ただのヒコーキと何が違うかな?

現場にカレンダーがあれば
年代とか、今後ありそうな動きも探りたいねぇ


●調査開始
 多くの謎に包まれたディヴィジョン、冥海機ヤ・ウマト。
 その秘密を探るべく、ディアボロスたちは台湾島の軍港地区へと上陸を果たす。
 軍艦を製造する巨大ドック、そして島を守る冥海機。謎と危険の待つ台湾島に、いま彼らは足を踏み入れた――。

 岩陰から現れた5つの人影が、軍港地区を目指して駆けていく。
「皆、気をつけろ。そろそろ港に入るぞ」
 後続の仲間たちを振り返り、ラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)が注意を促した。
 軍港地区はいわば敵地の真っ只中だ。怪しまれる行動は絶対に避けねばならない。光学迷彩で身を隠しつつ、前方に見えて来た区画を凝視すれば、忙しなく港を行き交う一般人の姿が見て取れる。
「俺は先にドックを当たってみる。何かあったら、パラドクス通信で連絡を取り合おう」
「戦いに活きる情報を求めるなら軍港だよな~。というワケで、オレも同行するぜ」
 荒田・誠司(雑草・g00115)の言葉に、八栄・玄才(井の中の雷魔・g00563)は頷いた。ここから先は時間との勝負になる。冥海機に発見される前にどれだけ多くの情報を得るか――それが今後のヤ・ウマト攻略の鍵となるだろう。
 ドック区画を目指し、猫変身を発動して走り出す誠司と玄才。一方、後続の3人は、ドックの片隅で資材搬入を行っている作業員たちに狙いを定めた。彼らに接触できれば、ヤ・ウマトの一般人の情報も手に入るはずだ。
「……よし、周辺に冥海機の姿はない。今がチャンスだ」
「準備オッケー。いつでも行けるよぉ」
 女工の作業用衣服に着替えを済ませ、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)が告げた。
 労働者に聞きこみを行うための変装である。相手に怪しまれないよう、プラチナチケットの発動も忘れない。
「あたし、英霊機っていうのが気になるんだよねぇ。知らないといざ出された時にヤバそーだしぃ」
「んむ、会話は情報の塊。皆で行けば、たくさん手掛かりが手に入る、はず」
 燐寧に同意を返し、クィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)は友達催眠を発動した。
 これがあれば、一般人からの情報収集も幾らか容易になるだろう。そうして全ての準備が整ったことを確かめると、3人は頷きを交わし合う。
「では……我等も行動開始」
「うむ。この作戦、必ず成功させてみせる」
「よぉーし、頑張るよぉ!」
 軍港のドックには、いかなる秘密があるのか。
 島の人々は、いかなる情報を握っているのか。
 各々の謎を解き明かす為、ディアボロスたちは軍港地区へと潜入を開始するのだった。

●潜入調査:ドック
 工場区画の裏路を猫の姿でしばし進むと、玄才と誠司の前に巨大なドックが現れた。
 作業員の喧騒と、派手な作業音が、ドックの中からは絶えず響いて来る。恐らく、軍艦を作っている最中なのだろう。
 ここなら情報が得られそうだ――そう判断した二人は合図を送り合うと、発見した柵の隙間を難なくすり抜ける。
(「オレは裏方の部屋を中心に探る。これだけの規模なら、どこかに海図があるハズだ」)
(「では俺はドック内を探ってみよう。また後でな、玄才」)
 そうして二手に分かれると、誠司は内部へと忍び込んだ。
 人影のない場所で猫変身を解き、光学迷彩とモブオーラを発動。冥海機の姿がないことを確かめて様子を窺う。
 地面の下部に窪んだ構造は、おそらくは船体を造るための施設だ。巨大な鋳型にも似たドックのあちこちには、資材搬入を行う一般人の姿も見て取れる。やはり此処で造られているのは、ヤ・ウマトの軍艦と見て間違いないだろう。
(「ドックが空ということは、これから軍艦を造るのか。しかし妙だな……?」)
 ふと誠司は、目の前の光景に小さな疑念を抱く。
 軍艦を新造するにしては、運び込まれる資材があまりに少ない。量にして大型トラック数台程度のそれは、とうてい作業に足りるとも思えない――。
 そう考えた、次の瞬間だった。
(「……!?」)
 巨大な振動が、ドック全体に響く。
 刹那、目を見張る誠司の眼前、虚空から現れた金属片が、ひとりでに組み合わさり始めた。
 継ぎ目なく融合された金属片はやがて船底となり、鋳型めいて口を開けた足元の窪みに、轟音を立てて収まる。
(「このドックそのものが、巨大なクロノオブジェクトということか……!」)
 作業員が資材を運び込んでいく光景を見つめながら、自分が目にした光景に誠司は息を呑んだ。恐らく、この一帯にある他のドックも、同じ方法で軍艦を増産しているのだろう。それだけの軍艦を一体何に使うというのか?
(「……ともあれ情報は得られた。潮時だな」)
 これ以上ここにいても、目ぼしい収穫はない――そう判断した誠司は、気配を殺しつつドック内を後にした。

(「よし。ココまでは順調だ」)
 いっぽう玄才は、ドックの裏手に目星をつけて探索を行っていた。
 彼が探すのはヤ・ウマトの地理である。あれだけ多くの軍艦を一般人が動かしている以上、地理に関する情報が機密扱いということは考えにくい。最低でも島周辺の情報くらいは存在するはず――そう思いながら探索を開始した彼は、モブオーラと光学迷彩を駆使しながら、裏方の部屋を窓ごしに覗きながら虱潰しに探し回っていた。
(「おや? あれは……」)
 ふと、カーテンの隙間から覗く室内の壁に、玄才は一枚の張り紙を見て取った。
(「中は無人だな。よし、それなら」)
 窓ガラスを隔てた先、室内の暗さを完全視界で無効化し、静かに目を細める玄才。そうして凝視した先、台湾近海の海図に描かれた土地は、玄才もよく知る場所であった。
 それは、最終人類史の太平洋戦争において血みどろの激戦が繰り広げられ、数多くの惨劇が生まれた地。

 ――フィリピンと、沖縄である。

(「フィリピンまで敵の領域か……妖精郷に近いニューギニア方面はどうなってる? くそ、もっと情報が欲しい――」)
 もう少し広範な海図があればと思い、目を凝らそうとしたその矢先。
 部屋のドアがガチャリと音を立てて開くのを聞き取って、玄才は慌てて頭を下げる。
(「人が来たか。これ以上の深入りは危険だ、仕方ない……!」)
 気配を殺したまま、猫の姿で現場を去っていく玄才。
 程なくして調査を終えた誠司と合流を果たした彼は、調査で得られた戦果と共に、速やかにドックを離脱していった。

●英霊なるもの
 ドックに面した搬入エリアの一角は、大勢の一般人でごった返していた。
 熟練と思われる労働者たちが、運び込まれた資材を手慣れた動きで搬入していく。そんな中に自然と混じって働く若い女性が3人。燐寧とクィト、そしてラキアであった。

「いやぁー、お国のため働けて嬉しいですぅ~」
「んむ。資材はこの辺に積めばいい?」
 プラチナチケットと友達催眠――燐寧とクィトが駆使する残留効果の効果はてきめんで、労働者たちはディアボロスである3人とすっかり打ち解けていた。そんな二人を手伝いつつ、ラキアは周囲に注意を払うことも忘れない。冥海機が現れた時、すぐに対応を取るためだ。
(「搬入の荷物が減って来た。もうじき小休止に入りそうだな」)
 はたして見立ては的中し、作業が一段落したことで労働者たちは休みに入った。
 休憩用の場所でくつろぎつつ、世間話に花を咲かせる労働者の男たち。その輪にラキアたちは自然と混ざり、それとなく水を向けてみた。情報を聞き出すには絶好の機会である。
「これだけ多くの軍艦が出るのは壮観だな。遠くに行く船もあるのだろう?」
 ラキアが問うと、男たちは口々に勿論だと言った。
 そんな彼らの一人から、どこか行きたい場所でもあるのかと聞かれ、ラキアは「ああ」と頷く。
「横須賀鎮守府の方に行ってみたいと思っている。あまり時勢には詳しくは無いんだが……どうすれば行けるだろう?」
 ラキアの問いに、景気のいい笑い声があがる。
「そんなの決まってるぜ! 軍艦乗りに志願すればいいんだよ!」
「軍艦とくれば海戦だからな。嬢ちゃん、海戦で死ぬのは怖くないか?」
「死か……怖くないと言えば嘘になる。そう言うあなたたちは?」
 労働者の言葉をやんわり受けつつ、質問を返すラキア。
 ヤ・ウマトに生きる人々の価値観を探る意図で放った質問に、彼らが返したのは屈託のない笑顔だった。
「怖いもんかよ! なあ?」
「ああ。軍艦乗りが軍艦に乗って海戦で死ぬから、冥海機が生まれるんだぜ!」
 何気なく――本当に何気なく放たれたその一言に、話を聞いていたクィトは自らの読みが的中したことを悟った。
 クロノヴェーダとの戦いにまるで役に立たない軍艦を、なぜ大量に保有しているのか。それはそのまま、冥海機を増産するためだったのだ。かつて存在した大戦乱群蟲三国志ディヴィジョンが大戦乱を起こし、そこから回収したエネルギーで同胞のクロノヴェーダたちを増やしていったように。
「……んむ、そう言えば。西の方で戦闘があって、冥海機がたくさん沈んだと噂で聞いた。知ってる?」
 噂という体でクィトが向けた問いに、労働者たちは頷きを返した。
「もちろん知ってるさ。インディアナポリス様も沈没しちまったんだろ?」
「あのお方が敗北するなんて……よっぽど手強い相手だったんだろうな」
「だが俺たちも、ヤ・ウマトのためなら命は惜しまない。海戦で勇敢に戦えば、零式英霊機に生まれ変われるしな!」
 悲嘆に暮れることなく、怒りを募らせることもなく、海戦で命を散らす瞬間を夢見る労働者たち。それが冥海機ヤ・ウマトに生きる一般人の普遍的な価値観であることを、クィトは察した。同時に、彼らの行う労働が、すべて自発的な意志によって為されているということも。
「……んむ、確かに。こうして働くことは勝つために必要。やりがいのあるお仕事」
 労働者たちに相槌を打ちながら、クィトは頭の中で情報を整理する。
 ヤ・ウマトの冥海機は、軍艦が海戦で沈むことによって生まれる。そして、この世界に住む一般人は、冥海機になることを夢見ている。加えて、冥海機が撃沈されるのを当然と思っているということは、神奈川方面のような他ディヴィジョン境界を守るクロノヴェーダとの戦闘も、高頻度で発生している可能性が高い――。
 そんな思考を打ち切ったのは、燐寧が労働者に投げかけた問いの言葉だった。
「ねぇねぇ。あたし、零式英霊機のこと知りたいんだよねぇ。良かったら教えてくれない?」
 そんな燐寧に、労働者たちは怪訝そうな表情を浮かべる。
「うん? 軍港で働いている奴にも、零式英霊機は普通にいるだろ?」
「ああ。まさかとは思うが、知らないとか言わないよな?」
「も、勿論知ってるよぉ! じつは友達が零式英霊機になったばかりでぇ、いろいろ興味があってぇ……」
 あわてて首を振りながら、燐寧はそう告げた。
 友達催眠の助けもあってか、とっさの機転で発した釈明を疑うこともなく、疑念を解く労働者たち。ちょうどその時、話を聞いていた一人が遠方を歩く人影に向かって手を振った。
「お、噂をすればだ。おーい班長、ちょっと来てくれ!」

「君か? 零式英霊機のことを知りたいというのは」
 程なくして燐寧たちのもとへ歩いて来たのは、丸い顔をした壮年の男だった。
 浅黒い肌と、思慮を宿した瞳。燐寧を見ても警戒しないということは、クロノヴェーダではないのだろう。
 ただし、それが人間と異なる『何か』であることは一目見れば明らかであった。首から下を構成する身体のすべてが、鉄とチューブで構成されたヒト型の機械だったからである。
「は、初めましてぇ。会えて光栄ですぅ……」
「話は聞いた。友達が英霊機になったんだって?」
 鋼鉄の掌で燐寧の手を握り、班長と呼ばれる零式英霊機は鷹揚に笑う。
「我々の身体は見てのとおり機械製だが、ほかは人間と同じだよ。もちろん、英霊機になったという君の友達もな。分かっているとは思うが、この身に宿っているのは海戦で死んだ者の魂だ。立派に戦死した友達を、君からも称えてやってくれ」
 それから軽い世間話を交わした後、零式英霊機は持ち場へ再び戻っていった。
 間を置かず、3人が隠し持っていたパラドクス通信機が反応し、玄才らの調査が完了したことを告げてきた。離脱の頃合いらしい。彼女たちは互いに視線を交わし合うと、労働者たちに別れを告げて、軍港を後にする。
「頃合いだな。後は島を離脱するだけだ、急ごう」
 通信機を手に、ラキアがそう告げる。
 かくして台湾島潜入の、最後の戦いが始まろうとしていた――。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【友達催眠】LV2が発生!
【猫変身】LV2が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【ダブル】がLV3になった!

 情報収集を終えると同時、ディアボロスたちは駆けた。
 人通りの多い軍港を飛び出て、無人の路地を一直線に疾駆する。
 軍港地区の外れから海へと潜り、沖合へと抜ければ、冥海機は追って来ないだろう。そうして潜入ポイントの岩陰から海へと飛び込んだ、まさにその矢先だった。

『見つけたぞ、ディアボロスだ!』
『翔鶴様の命令だ、絶対に逃がすな!』

 背後の陸地へと視線を移せば、パトロール中と思しき冥海機の一団がこちらへ向かって来るのが見えた。
 やはり、戦闘は避けられないようだ。
 戦闘態勢を取る冥海機。その追撃を潰すべく、ディアボロスたちは復讐者の牙を剥いて、戦いの火蓋を叩き切るのだった。
ルィツァーリ・ペルーンスィン
アレンジ連携歓迎

奴等のやり方には思う所はあるが今はそれは後回しだ

ラキアさん達は情報を持ち帰って来てくれた
ならば其の分、俺達は撤退戦で頑張らないとな

貴様らのやり口は本当に気に入らんが、な!
死者を冒涜する行いは本当に反吐が出るぜ

撤退する仲間達と◯パラドクス通信で連絡を取りつつ〇光学迷彩と〇水中適応を用い水中から撤退する仲間達の元に
奇襲も兼ねて水中から◯焔矢や◯誘導弾の弾幕を放ち仲間達から此方に意識を向けさせる様に動く

敵の攻撃は◯海上という◯地形の利用もし視認しにくい海から攻めたり他の敵を射線上に来るように誘導して盾にする等して対応

とにかく倒すよりは撤退優先
味方全員無事に脱出することが大事な精神で


百鬼・運命
なるほどドイツやエジプト系のディヴィジョンか…これでも某戦没者の為の神社でも奉仕する神主の端くれ。顏には出さないが、さすがに英霊を悪用するとは嫌悪感を抱かざるを得ないな。

おっと、どうやら追手みたいだ

残留効果を使いつつタイダルパックで機雷を散布し撤退。機雷原によって追手の冥海機を妨害しよう

あとは零式英霊機…名前からするとかのゼロ戦を彷彿とさせるな。もしかしたら航空戦力による追撃もありるかもしれない、【フライトドローン】や浮遊機雷による航空戦力への妨害も準備しておこうかな

しかし年代の情報だけは手に入らなかったな
刻逆の起点となったのは終戦記念日の8月15日…もしかして年代がばれるとまずいのかな?


クィト・メリトモナカアイス
んおぉ、バレた!
我的に。やることは終わったので帰りたいんだけど、帰っちゃダメ? ダメかー。
ならばそれはそれでよし。我の新兵器をとくと見よ。

フライトデバイス、フロートユニット「モナアーマー」を装着。
モナアーマー、発進!
モナアーマーを駆り、【水面歩行】で水上を滑るように戦闘。
メタルクルーズの撃つ2門の主砲を回避しながら「雷撃のオシキャット」。
モナアーマーの武装である魚雷で攻撃していく。

たぶんだけれど。まだまだ来る。
のんびりしてると翔鶴も来るかもしんない。
んむー、手に入れた情報の共有は帰ってからにしよう。
敵集団をある程度倒したら【パラドクス通信】で連絡を取り合い、後続が来る前に急いで撤退。


●撤退開始
 警報のサイレンが鳴り響く軍港地区を背に、ディアボロスたちは撤退を開始する。
 追撃をかける冥海機メタルクルーズの群れは、標的を即座に決めたらしい。艦体に備えた砲塔が向いた先は、沖合目指して海へ飛び込んだクィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)である。
『インディアナポリス様を撃沈したディアボロスの一味だ! 撃破しろ!』
「んおぉ、バレた!」
 クィトは後方の敵を振り返り、驚いたような悲鳴を上げる。どうやらこちらを逃がす気はないようだ。
 ならば仕方ないとばかり、クィトはフロートユニット式のフライトデバイスを装着。そのまま海上へと浮上する。
「我の新兵器をとくと見よ。モナアーマー、発進!」
 ユニットの推進力がクィトを勢いよく押し上げた。水面歩行発動。残留効果で凪いだ水面を滑るように駆ける。
 一方、海面下では、百鬼・運命(ヨアケの魔法使い・g03078)が海流をかき分けて進みながら、換装式万能大型ドローン『タイダルパック』の展開を完了していた。
「冥海機……人間同士の戦争を利用して増殖するタイプのクロノヴェーダか。なるほどね」
 人の命を弄ぶことで誕生する歪な存在。その在り様に嫌悪の感情を抱きながら、運命は虎の子のドローンに命令を下した。あの冥海機をあるべき場所へ還す。復讐者として抱く、そんな不動の決意を込めて。
「兵装換装『タイダルパック』mod2。――起動」
 浮遊していく機雷。海上で一斉に炸裂する轟音が、撤退戦の火蓋を叩き切る。
 立ち上る水柱を突き破り、メタルクルーズの群れは戦意に火が付いたかのように一斉に砲撃を開始した。
 砲塔から発射される弾幕が牙を剥く。パラドクスの力を帯びた砲弾は物理法則を嘲笑うように円弧の軌跡を描き、そのままディアボロスめがけ殺到してきた。
「腐っても島の防衛部隊、一撃じゃ落ちないか……!」
「んむ、受けに回ったままではジリ貧。速やかな反撃が必須」
 飛来する砲弾を紙一重で回避しながら、クィトは呟いた。戦闘前に重ね掛けされたアヴォイドが間一髪で効いたようだ。
 とはいえ、元より低いアヴォイドの発動率をそう何度も当てにはできまい。
 そんな状況下ですべきことは只ひとつ――少しでも早く、敵の頭数を減らすのみ。この『雷撃のオシキャット』で。
「モナアーマーにエネルギー充填よし、てー」
 フロートユニットから発射された魚雷が二発、メタルクルーズを目掛けて射出された。
 パラドクスを帯びて自走する魚雷は意思を得た魚のように海面下を走り、メタルクルーズへ食らいつく。
 狙うは艦艇型の下半身、その脇腹。運命のパラドクス機雷によって開いた傷穴へ突き刺さった魚雷は、強力な爆発をもってメタルクルーズの身体を内側から滅茶苦茶に破壊する。
「クィトさん、冥海機は!?」
「むふー。まだまだ来る。のんびりしてると翔鶴も来るかもしんない」
「何が何でも生かして帰す気はないか。ここは我輩も援護させてもらう!」
 海中を潜行するルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)が、パラドクス通信機を介してそう告げた。
 台湾島の情報を持ち帰ることは、作戦に参加したすべてのディアボロスの願いでもある。その為ならば撤退戦を引き受けることも厭わない――それこそ彼が自らに課した役割であった。
(「ヤ・ウマトの冥海機……奴等のやり方には思う所はあるが、今はそれは後回しだ」)
 元より台湾島の敵戦力は膨大、全滅など狙える状況ではない。ならば味方全員が帰還することを最優先せねば。
「貴様らのやり口は本当に気に入らんが、な! 死者を冒涜する行いは本当に反吐が出るぜ」
 怒りに満ちた言葉を吐き捨て、ルィツァーリは『ペルーン神の焔矢』を発動。パラドクスによって顕現した巨大大砲の砲口を、海上のメタルクルーズへと向けた。
「空駆けし天空の神よ、偉大なる雷神よ! 我が敵を討つ為に御身の焔矢を降らせたまえ!」
 海面下から、紅蓮の光を帯びた砲弾が冥海機を襲う。神が放つ炎矢の名を冠した一撃は、一切の慈悲を見せることはない。誘導性能を有する砲弾は標的に捉えた先頭のメタルクルーズに直撃し、そのまま跡形も残さずに海の藻屑へと帰す。
「覚えておけ。貴様らの野望は、ディアボロスが必ず挫いてみせよう!」
 折り重なって響く轟音、メタルクルーズの断末魔。
 それは復讐者たるルィツァーリの怒りを表すように、台湾島の海に轟くのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【動物の友】がLV2になった!
【フライトドローン】LV1が発生!
【水面歩行】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV4になった!
【先行率アップ】がLV3になった!
【反撃アップ】がLV3になった!

旗楽・清政
台湾島への潜入作戦、ご苦労でござった。
この旗楽・清政、皆々様の撤退に合力すべく馳せ参じたり。

ついでに、冥界機とやらが如何程のものか、この一当てで探ると致そう。
彼奴らの姿を見るに、砲撃戦が主のようでござるからな。
砲撃戦なら、それがしにも心得がござる。
無数のビームガトリングとビームカノンの砲火を浴びせてくれよう。
果たして、耐えられるでござろうか?

反撃は、砲撃ではなく白兵戦でござるか。
それは予想外ではござるが、この程度で慌てふためきはせぬ。
よかろう、ビームシールドと五枚胴具足、それと全身に漲らせた
闘気で受け止めてくれよう。

今回は特に、御味方の様子は気にかけて
連携が可能であれば積極的に行うでござるよ。


荒田・誠司
アドリブなど歓迎

【心情】
ちょっと気がつくのが遅かったな、冥海機!
わざわざ底面を見せてくれてありがとう。防げる物なら防いでみろ!
機械を扱えるのはお前らだけじゃないぞ!

【行動】
パラドクス通信で仲間と連絡を取り合い積極的に連携していく

まずはパラドクスで爆薬が仕込まれた投げナイフを製作
敵の攻撃は盾や警棒で受けつつ
ボディの下部を見せた敵に製作した投げナイフを投擲し攻撃する
敵の形状だと底面に攻撃されれば上手く防げないだろうし
爆発で穴を開けることができたなら上々
そうじゃなくても投げナイフが爆発したら多少の隙は出来るだろう

いざとなれば盾:フェイク・プリドゥエンをジェットボードに変形させて一気に離脱する


 台湾島から現れる冥海機たちを振り切りながら、ディアボロスは沖合を目指して進む。
 敵の追撃は勇猛かつ執拗だ。己の命を顧みない猛攻撃は、息つく暇をまるで与えない。
「台湾島への潜入作戦、ご苦労でござった。この旗楽・清政、皆々様の撤退に合力すべく馳せ参じたり!」
 旗楽・清政(知勇兼備の昼行灯・g08816)が勇ましい声を水面で響かせると同時、無数のガトリング砲とカノン砲が海上に一斉展開する。エメラルド色のビーム弾をもって敵陣を薙ぎ払う、『エメラルド・ストーム・シージ』のパラドクスだ。離脱してきた仲間たちは、敵の追撃をいまも受け続けている。させじと清政は敵へ砲口を向け、援護を開始した。
「砲撃戦なら、それがしにも心得がござる。吹き荒れよ、翠緑の砲火の嵐!」
 翠緑のビームが、一斉に砲撃を開始した。
 戦艦の主砲めいた火力の砲弾が敵群の先頭へ直撃する。被弾したメタルクルーズは、しかし派手な負傷をそのままに加速。ボディ下部に装着された刃で突撃してきた。
「成程、砲撃ではなく白兵戦でござるか。……些か予想外ではござるが、この程度で慌てふためきはせぬ!」
 みるみる迫るメタルクルーズ。対する清政はビームシールドを展開して防御の構えだ。
 次の瞬間、清政の体が被弾の衝撃で吹き飛び、水面へと叩きつけられる。ガードアップによる受け身で衝撃を殺してなお、冥海機の攻撃力は相当なものだった。
「敵ながら天晴れ。……されど、ここまでだ」
 そう言って清政が手に取ったのは、武器ではない。
 仲間の荒田・誠司(雑草・g00115)に繋がるパラドクス通信機であった。
「好機にござる。荒田殿!」
「おうよ。援護、感謝する」
 その時、メタルクルーズは気づく。
 今まで追いかけていたディアボロスの一人が、視界から消えていることに。清政への攻撃で意識が逸れたのはほんの数秒、あの男はどこに消えたのか?
 海上の射程内には清政がいるのみ。上空にも姿は見えない。ならば、まさか――?
「そのまさか、だ。ちょっと気がつくのが遅かったな、冥海機!」
 足下へ身を隠した誠司が、海の底から牙を剥く。
 手製の投げナイフを手に、冥海機の剥き出しになった艦底を狙い定めて。
「仕込みは上々ってな。防げる物なら防いでみろ!」
『……!!』
 投擲された『特殊爆:偽刃』のナイフが魚雷のごとき速度と殺傷力を帯びながら、艦底へと突き刺さった。
 仕込まれた爆薬が立て続けに炸裂、誘爆の嵐でメタルクルーズを吹き飛ばす。生みの藻屑となって消えていく冥海機の残骸には目もくれず、誠司は海底から清正へ合図を送った。装着する盾『フェイク・プリドゥエン』をジェットボードに変形させれば、離脱の準備は完了だ。
「思ったよりも敵の数が多そうだ。沖合までは数人ずつに分かれて動くぞ!」
「心得てござる。いざ、撤退いたそう!」
 偵察し、潜伏し、そして追撃を振り切って。
 新たなる脅威『冥海機ヤ・ウマト』の情報を持ち帰るため、二人は台湾島から離脱していった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【アイテムポケット】がLV3になった!
【モブオーラ】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
【命中アップ】がLV5(最大)になった!

白石・明日香
さあて、離脱する味方を援護するか。
【水中適応】【光学迷彩】【強運の加護】で目立たない状態で味方を追跡している敵の不意を衝くよ。残像で撹乱しながら相手の照準を定めさせるのを妨害して間合いに入り込み早業呪詛、捨て身の一撃で纏めて解体してあげる!
味方が離脱したらワタシも【イルカ変身】で逃げるよ。まったね~


一里塚・燐寧
けっ、最悪……
やり口が獣神王朝の連中と一緒じゃんか

ね、死人で遊ぶんなら、自分が遊ばれる側になるのも受け入れなきゃダメだよぉ
きみらさ、覚悟完了してる?

憂さ晴らしにブッ殺せるだけブッ殺したいけど、今は撤退が最優先だねぇ
もう気づかれたから解禁ってことで【飛翔】で海上を飛び去る
でも集中攻撃はゴメンだから、海面スレスレ低空飛行で目立たないよーに!

道を塞ぐ敵は『呪式:空牙嵐墜』ですれ違い様に薙ぎ払い、一撃離脱しながら台湾を離れていくよぉ
荒々しくジグザグに飛ぶ空中戦軌道で、主砲の狙いをつけづらいように
直撃弾は回転鋸刃で両断するなり弾き飛ばすなりして防ごう
……こんなダルい連中が、太平洋にウジャウジャいるのかぁ


ネリリ・ラヴラン
そっか
やっぱりこの世界も皆の命を捨てさせてながらえてるとこなんだね

本当はただの餌なのに
名誉に思って、望んで死んで
死んでも使い続けられる
彼等と解り合うのができない一番の理由だよ

エジプトに行ってた頃は
最初、なにも知らずにたくさん戦って来たけど、今度は違うよ
初めから全部受け止めて戦うわ

撤収してくる仲間を【水中適応】で迎えにゆきながら
追っ手に向けて【高速詠唱】
狙いは、一番近い敵さんで良いわ
【飛翔】の効果は一応残して、泳ぎでは振り切れない時の保険ね

アドリブや連携は歓迎だよ


「けっ、最悪……やり口が獣神王朝の連中と一緒じゃんか」
 開口一番、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は吐き捨てた。
 実際、機嫌はすこぶる悪い。叶うことなら視界に収まる冥海機を、片っ端から皆殺しにしてやりたい程には。
 進んで死を選ぶよう仕向け、手駒として利用する――それは彼女にとって、特に唾棄すべき行いのひとつだ。
「ね、死人で遊ぶんなら、自分が遊ばれる側になるのも受け入れなきゃダメだよぉ。きみらさ、覚悟完了してる?」
 撤退ルートへ回り込むように展開する冥海機を視界に収め、燐寧のチェーンソーが不穏な音を帯びて響く。
 獲物を斬り裂く瞬間を待ちわびる様に唸るエンジン。その駆動に背を押されるように、燐寧の体が飛翔の残留効果でふわりと海上へ浮いた。
「よぉし、高く飛ばなければ平気みたいだねぇ。島からは随分離れたし」
「みたいだね。じゃあ、一気に蹴散らしちゃうよ」
 燐寧の隣を飛びながら、ネリリ・ラヴラン(★クソザコちゃーむ★・g04086)は遠ざかる台湾島をちらりと振り返る。
 後続の冥海機が現れる様子はない。どうやら翔鶴は、島の守りを固めることに専念すると決めたようだ。燐寧とともに海面すれすれまで高度を下げ、加速。前方で陣形を組むメタルクルーズの一段めがけ迫る。
「援護は引き受けるよ。思いきり暴れてね、燐寧ちゃん」
 ネリリが言い終えると同時、燐寧の鬼火が勢いよく弾けた。
 呪式:空牙嵐墜(ヘクスアーツ・スカイラッシャー)。呪詛の爆発で得た推力は、燐寧の肉体をロケットそのままに加速させ、ジグザグの軌跡を描きながら冥海機の一団へと突っ込んでいく。
「逃がさないよぉ?」
 急降下突撃で振り下ろす回転鋸刃が、敵の一体を脳天から断ち割った。爆炎を上げながら撃沈するメタルクルーズ。続け様に振るう横薙ぎの斬撃が火花を割かせ、更に一体の船首を裂いた。
 滅茶苦茶な飛行による負担と、四方八方から飛来する砲弾の被弾も構わずに、燐寧は刃を振るう。目の前にいる冥海機を、残らず食い尽くさんばかりの勢いで。
『くうぅ、怯むな――っ!?』
「あんまり空の方ばっかり見てたら駄目だよ? 纏めて解体してあげる!」
 燐寧に更なる砲撃を加えんと、冥海機の一体が号令を飛ばさんとした、その刹那。
 白石・明日香(体亡き者・g02194)は海面下から急浮上、射線を遮るように立ちはだかる。『瞬歩・加速』のパラドクスを発動し、その手に握る哀悼の刃で冥海機の首筋を狙い定めて――!
「……終わり……」
 瞬時に間合いを詰めて明日香が放つのは、慈悲を排した魔鎌の刃。研ぎ澄ました必殺の一撃を前に、燐寧の斬撃で負傷したメタルクルーズは為す術を持たない。一閃。哀れな冥海機を一撃で屠り、無傷の冥海機を斬り裂き、一陣の疾風と化して荒れ狂う明日香。
 だが、冥海機は隊列を死守しながら、なおも執拗な砲撃を加えて来る。トループス級とは思えない頑健な抵抗に、明日香らディアボロスは舌を巻いた。
「うえぇ……こんなダルい連中が、太平洋にウジャウジャいるのかぁ」
「うん。やっぱりこの世界も、皆の命を捨てさせてながらえてるとこなんだね」
 うんざりした表情で呟く燐寧に、ネリリが頷きを返す。
 冥海機ヤ・ウマトが広大な太平洋を支配するディヴィジョンであることは、もはや疑いようがない。眼下に広がる青く美しい海で、何も知ることなく散っていく人々。その光景を想像し、ネリリは唇を噛んだ。
(「本当はただの餌なのに、名誉に思って、望んで死んで、死んでも使い続けられて……」)
 ネリリの脳裏に、ふと昔の記憶がよみがえる。
 いまはなき獣神王朝エジプトの大地に、ディアボロスとして降り立ったばかりの頃を。あの頃は、何も知らずにたくさん戦って来た。けれど、同時にネリリはこうも思う。
「今度は違うよ。初めから全部受け止めて戦うわ」
 指先で描いた魔法陣から小型の蝙蝠が飛び出した。使役する蝙蝠で標的を爆破する、『星なき夜の交響曲』である。
 冥海機へ取りついた蝙蝠が立て続けに爆発。跡形も残さず飛散していく残骸を見送って、ネリリは仲間に合図を送った。
 作戦領域の離脱完了までは後少し。着実に数は減らしていくメタルクルーズの追撃を振り切ると、明日香はイルカ変身で海中へ飛び込み、泳ぐ速度を上げた。
(「ワタシも離脱させてもらうよ。まったね~」)
 3人のディアボロスたちは、各々の想いを胸に離脱していく。
 いずれ来たる七曜の戦と、その後に始まるであろう戦い。その果てに、冥海機ヤ・ウマトを奪還する決意を固めながら。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【断末魔動画】LV1が発生!
【飛翔】LV2が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV7になった!
【グロリアス】がLV3になった!

リオーネ・クア
情報を集めてきてくれたみんなと無事に帰ろう
(情報共有されているなら)エジプトを連想するやり方だね
だけど元になったであろう時代を思うと
命を懸けて戦った日本の人々とも相性がいいやり口…

撤退戦だし俺達の情報はあまり与えないほうがいいと思う
だからロッソの力は借りずに今は一人で
星空の魔銃を構えそこから双翼魔弾を放つ
同じ、もしくは仲間の攻撃した敵を狙い確実に数を減らす

状況に応じて集中攻撃を受けないよう水面近くを【飛翔】しつつ戦う
あまりに攻撃を激しく受けるなら【水中適応】を使って水中へ逃げるけど
空中と水中に分かれていたほうが敵の攻撃も散らせると思うんだよね

敵の攻撃は砲か
魔力障壁を展開してダメージを軽減しよう


ラキア・ムーン
成程、効率が良いな
やはり人のポジティブな感情を糧とする統治は、やり辛い所があるな
ま、得るべきネタは得た
後は無事に帰るまでが偵察という物だ

《RE》Incarnationを構え、迎撃体勢
後は離脱するのみ、なら水面ギリギリを飛翔し距離を稼ぎながら迎撃といこう
メタルクルーズ…先の戦争で既にやり合った
初見殺しとはいかんさ

【Call:Elder_Lance】起動
『全力魔法』、槍への魔力付与
一番近くまで追撃してきた個体に対して一気に『突撃』して接近
槍の『斬撃』で攻撃、確実にダメージを重ねていこう
主砲による砲撃をタイミングを合わせて槍で『薙ぎ払い』
ダメージを受けつつ、反動で自身を『吹き飛ばし』距離を取ろう


八栄・玄才
《水中適応》を発動して海の中での不利を軽減
また、《完全視界》で水の中でも先がよく見えるように

……人間の武術ってーのは陸で闘うことを想定してのモノだ
海中で闘うための武器じゃねぇ
けど! これからもこうして海で冥(くら)い海で闘うことになるのなら──
それに対応してこそ、時代の最前線を行く実戦拳術ってモンだっ!

ブレードで攻撃してくる敵を引き付け、『霆震撃』
キャビテーションを起こすシャコのように、空ではなく水を伝わる衝撃波を生んで叩きつけることで意識をくらませ、その隙に装甲に包まれてない腹を狙って【強打】する
水を力の経路にできるなら海中ってーのも悪くないね

敵の追撃が切れたら《イルカ変身》で素早く撤退


青天井・イカス
情報収集、お疲レさン
良い成果ナンじャねぇノ
ンじゃ、後ハ派手に喧嘩でモ売りなガラ戻るカね
水中適応は借リて行動

【身ノ程知ラズ】を発動
もウ見つカっタッつーンなラ、ドローン使おウガ構やシねェだロ
電気漁の時間ダ
神の『イカリ』に穿タれテ、海の底に永遠ニ繋ギ止めラレてな
フライトドローンは陽動用
敵の気ィ引く足シにハなルだろ
こウ見えテ慎重派ナのヨ、俺
攻撃は適度ニ
無事離脱スる事を優先シて動ク
命有っテの物種─…っテな、ジョークじャねェゼ?

シかシ、自分カら喜ンで死にに行クヨう仕向ケるたァ…一辺死んダ身かラシても面白カねェなァ
潰れテ貰ウぜ、冥海機
トは言え、今回はコレ迄だ
手前ェ等の上司ニ伝えナ

『また来るぜ』


 軍港に面した海域は、いまや完全なる戦場に変わっていた。
 ヤ・ウマトの情報を持ち帰るべく沖合を目指すディアボロス。それを逃がすまいと追撃するのは冥海機『メタルクルーズ』の群れだ。
「情報収集、お疲レさン。良い成果ナンじャねぇノ」
 島を離脱してきたメンバーと合流しながら、青天井・イカス(このうえなく・イカス・g02133)は労いの言葉をかける。
 実際、今回の探索で得られた情報は少なくない。冥海機が生まれる仕組み、戦艦の量産システム、ヤ・ウマトの支配する領域の一部、そして英霊機の存在、などなど……いずれも今後の攻略において大きな助けとなることは疑いないだろう。
 もっとも、その為には追撃する敵を振り切らねばならない訳だが、ここで捕まるほど、イカスも仲間たちも甘くはない。
「ンじゃ、後ハ派手に喧嘩でモ売りなガラ戻るカね」
「そうだな、得るべきネタは得た。後は無事に帰るまでが偵察というものだ」
 海面すれすれを飛翔で飛びながら、ラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)が同意を示した。
 先行した仲間の残留効果もあって、飛翔と水面移動の両方が可能になっている。言い換えればディアボロス側の取れる戦術にそれだけ幅が増えたということ。利用しない手はない。イカスは陽動用のドローンを展開し終えると、水中適応を発動して海中へと飛び込んだ。
「もウ見つカっタッつーンなラ、ドローン使おウガ構やシねェだロ。電気漁の時間ダ」

 海中と、海上と、空中と。
 三方全てを戦場として、ディアボロスと冥海機の死闘はさらに激しさを増していく。
 鼓膜を震わす轟音とともに飛来するのは、メタルクルーズの二連砲塔による猛攻だ。
「敵の攻撃は砲か。面倒だね」
 視界を砲弾で埋め尽くすような砲撃の嵐は、小さな島くらいなら瞬時に消し飛びそうなほど。
 その余りにも苛烈な攻撃に、リオーネ・クア(ひつじの悪魔・g01176)は震える腕を抑えつける。愛銃の『星空の魔銃』を握りしめ、悪魔の翼で海上を飛翔しながら。
「援護は引き受けます。行きましょう、皆さん!」
「任せてもらおう。先の戦争で既にやり合った相手だ、初見殺しとはいかんさ!」
 ラキアが突撃槍『《RE》Incarnation』を構えて加速するのにタイミングを合わせ、リオーネの双翼魔弾が発射された。
 追尾性能を持つ魔力の弾丸を従え、ラキアは『Call:Elder_Lance』を発動。旧神の印より圧縮された魔力を帯びた突撃槍が銀色の光を帯びて、先頭のメタルクルーズを穿つ。
「術式解凍。我が魔力により、ヌトセ=カームブル神の神意を此処に代行する!」
 ぐしゃあ、と鈍い音が響く。
 それはメタルクルーズの艦首を、ラキアの槍が貫いた音だ。
 金属板のひしゃげる音が断末魔めいて響くなか、反撃の主砲がラキアを襲う。
「ぬんっ!」
 発射よりも刹那早く、ラキアは根元まで埋まった槍を引き抜くと、力ずくで砲弾を薙ぎ払った。
 至近の弾をガードアップで受け、後退。間を置かず、反撃したメタルクルーズがリオーネの双翼魔弾を浴びて撃沈する。
(「よし。――沖合までもう少しだ!」)
 着実に数を減らしていく敵群を凝視しながら、リオーネは飛翔の速度を上げた。
 敵の攻撃はいまだ熾烈だ。パラドクスを帯びた砲弾は海上海中の区別なしに荒れ狂いながら、ディアボロスを追って来る。僚艦を多数喪いながらも、その戦意にはまるで翳りが見られない。
『海中からの奇襲に注意しろ!』
『我らの骸は、ふたたびヤ・ウマトの力となる!』
 先頭を行くメタルクルーズが、海中へと身を沈めた。
 同時、敵は舟底に取りつけた刃をもって、海上を飛ぶリオーネらを狙おうとした――次の瞬間。
 その眼前に、迎撃準備を完了したディアボロスの姿があった。八栄・玄才(井の中の雷魔・g00563)である。
「ありがとよ。わざわざ飛び込んで来てくれて」
 メタルクルーズが矛先を切り替えるより早く、叩きつけるような衝撃が冥海機を襲う。
 八栄流・霆震撃が繰り出す、パラドクスを帯びた衝撃波。完全視界を駆使して暗所に潜行し、満を持して仕掛ける一撃だ。仕損じることはない。
「ほんの一瞬──、一瞬あれば十二分」
 直撃を浴びたメタルクルーズが、大きく態勢を崩した。無防備に晒された戦艦の脇腹を狙い定めながら、玄才は思考を研ぎ澄ます。人間は陸上で生活する生き物。必然、用いる武術も、陸で闘うことを想定したものとなる。
(「しかし、だ」)
 同時に、玄才は思うのだ。
 闘う敵が、人ならざる異形だというなら。
 これからも、冥(くら)い海でこうして闘うことになるのなら──。
「それに対応してこそ、時代の最前線を行く実戦拳術ってモンだっ!」
 決意を込めた強打の拳が、戦艦型の身体を穿ち貫く。大きく開いた孔から、金属の板が、パイプが、あらゆる部品が内臓のごとくぶちまけられ、冥海機はそのまま海の藻屑と消えた。
 仲間の仇討ちとばかり突撃体勢を取る後続の敵機へ、息を合わせるように仕掛けたのはイカスだ。
 呼吸が届く距離に肉薄し、彼が仕掛けるのは『身ノ程知ラズ(バベル)』。慈悲なき雷をもって、敵を屠る剣と為す。
「神の『イカリ』に穿タれテ、海の底に永遠ニ繋ギ止めラレてな」
 目を眩ますような雷光が迸り、被弾したメタルクルーズが次々と苦悶の呻きをあげる。ある者は直撃を浴びて沈没し、ある者は悶絶しながらの浮上を強いられ、冥海機の追撃は否応なく弛み始めた。
 イカスは玄才とともに再び離脱を開始しながら、遠ざかっていく敵影を振り返り、告げる。
「手前ェ等の上司ニ伝えナ。――『また来るぜ』」
 戦場の離脱ポイント、台湾島の沖合。
 その到達まで、あと少し。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV4になった!
【士気高揚】LV1が発生!
【フライトドローン】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV8になった!
【反撃アップ】がLV5(最大)になった!
【グロリアス】がLV4になった!

アンゼリカ・レンブラント
潜入した仲間たちの持ち帰った情報は攻略の要だろう
確実にみんなで帰る!いざ荒事タイムだね

潜入組が戻る時までは光学迷彩を生かし潜伏
通信で仕掛ける機を合わせ
パラドクスのオーラの奔流を叩き込むよっ

さぁきっちり殲滅していこうか
攻撃目標を合わせ、倒せそうな敵を確実に巻き込み数を減らす
反撃も堪え一撃離脱して囲まれないよう注意
仲間と挟み込む位置を常に取り続けるよう動き殲滅を図る

確かに強い勢力だろうけど、私たちはどんな相手にも勝つ
そう、お前たちのディヴィジョンに攻め込み、勝利するさ!
その想いを載せて、最大まで輝け私の光!
いざ、《終光奔烈》を叩き込んで壊滅させるね!

これで全部かな?みんないるよね、新宿島に戻ろう!


ロキシア・グロスビーク
アドリブ連携ご自由に

はあ。また悪趣味なことー
【水中適応】を使いながら【パラドクス通信】
情報を聞いてむっすり
勢力を伸ばすのもわかるってものだけど。気に入らないねっ!
撤退する味方の援護に急行

優秀さだけ見えてた頃に比べれば、戦いやすくはなったかな
でも相手の強さは変わらない。恐れは抱き続けるんだ、ロキシア
言い聞かせるように“魔槍”を握り障壁を展開
魚雷めいて突進する【水中戦】の技で陣形を乱すように
飛翔する味方への対空攻撃に注力させないよう連携し
体力に余裕がある敵を優先して穿つよ

反撃には倒した敵の艤装など蹴って速度を出す【一撃離脱】や
槍で捌くなど威力を減じる努力もして

情報を持ち帰るまでが任務っ!帰ろ帰ろ!


笛島・他助
ヒュー、ハイリスクだったがハイリターン……諜報はこれだからやめらんねぇんだよな~。
さって、後は追手を適当になんとかすっかね。

念の為【通信障害】張って更なる敵追加とかを防いでおく。
【水中適応】で移動しつつ、テキトー幻惑灯を発動。
「よっすお二人さん。まぁ座れよ。見回りで疲れてるんだろう? 俺ぁレディ相手に気遣いできる男。永遠に休んでけ、な!」
反撃は水中に潜りつつ仕込み杖で致命打だけは防ぐようにする

ついでに好奇心で特に互いに毒にも薬にもならない情報収集。冥海機は全員女性なのかをさりげない挑発をして聞き出す。
「冥海機ってレディばっかなんだろ? なら後れは取らねぇぜ!」

んじゃ、近い内にまた会おうぜ!


月見山・伊吹
※連携、アドリブ歓迎だよ!


…ここにあったんだねぇ沖縄
沖縄奪還の希望もヤ・ウマトの情報も沢山得られたから
その第一歩としてまずはこの敵達をやっつけつつ脱出しなきゃ!

【水中適応】も使いつつ一応【通信障害】使って増援されないようにしよう。

『燦来光天砲』による太陽光の魔砲で敵の砲撃ごと溶かすよ!
反撃は【ガードアップ】を使ったりと致命傷にならないようにしつつ
追撃する敵どもを確実にやっつけていこうか!

しかし…私にとってとても大きな収穫だったよ
…私の生まれ故郷こと沖縄がヤ・ウマトの領域内って事。

沖縄がある上に死者でこんなにも酷く悪趣味な事をしてる
ヤ・ウマトを少しでも早く攻略して必ず沖縄を奪還しなきゃだねぇ…


 海上に木霊する砲声が、次第に遠ざかり始める。
 ディアボロスの猛攻を受けたメタルクルーズの群れが、一機、また一機と海に散っていく。
 台湾島の沖合はもはや目前だ。
 最終人類史への帰還を目指し、ディアボロスはいよいよ冥海機の追撃を振り切ろうとしていた――。

「そっか。……ここにあったんだねぇ、沖縄」
 海上で微かな吐息を洩らし、月見山・伊吹(太陽の恵み、日蝕の災禍・g04125)は台湾島の北を見遣る。
 いま彼女の胸を満たすのは、達成感と呼ぶべき感情だ。
 情報を入手できたことは勿論だが、それ以上に大きいのは彼女自身の個人的な出自にある。生まれ故郷こと沖縄の所在が、ヤ・ウマトの領域にある――その揺るがぬ事実を掴むことが出来たのだから。
「そう、とても大きな収穫だったよ。だからこそ、必ずここを脱出しなきゃ!」
「収穫は上々だったようだな。ハイリスクだったがハイリターン……諜報はこれだからやめらんねぇんだよな~」
 笛島・他助(アレがアレでそれな感じの奴・g03086)は不敵な笑みを浮かべつつ、後方の敵群に視線を投げた。
 追撃して来る冥海機の総数は、七機。
 いずれもディアボロスを逃すまいと全速力でこちらを追って来ている。あれを片付ければ、流石に追撃も終わりだろう。
「無傷と手負いが半々……といったとこだな。半端は良くねぇ、沈めるぞ」
「了解だよ。確実にやっつけていこう!」
 他助が海中へ潜ると同時、伊吹は魔法陣を背後に展開した。
 燦来光天砲、発動。迫り来るメタルクルーズの群れに、その狙いを定める。
「日輪よ、日輪よ、暁の如く宵の闇を煌々と劈き射墜とすが如く灼き尽くせ!」
 光輪を背に告げる伊吹の号令一下、魔法陣から溢れ出る光が一斉に発射された。
 魔力を帯びて襲い掛かる拡散攻撃は、まさに太陽から放たれる光そのもの。容赦のない砲撃に晒された冥海機がダメージに耐え切れず、一機、また一機と撃沈していく。反撃で飛来する砲弾をガードアップで凌ぎながら、伊吹は手にしたパラドクス通信機へむけて叫ぶ。
「五機、抜けたっ! 気をつけて!」
「任せて。きっちり仕留めちゃうよ!」
 海面下で応じたロキシア・グロスビーク(啄む嘴・g07258)は魔槍を握り、障壁を展開。メタルクルーズの群れへ魚雷さながらに突撃していく。狙うのは、伊吹の砲撃を潜り抜けた無傷の個体である。
「勢力を伸ばすのもわかるってものだけど。気に入らないねっ!」
 ロキシアが駆使するパラドクス『フィアレストーピード』は、秘めたる勇気を己を守る障壁に変える技だ。
 だが、この一撃に彼が込めたのは、それだけではない。残留効果で増幅された復讐者としての怒りも共に込めている。
 仲間たちが積み重ねたダメージアップは、実に八つ。その全てを込めて、いまロキシアは必殺の一撃を繰り出した――!
「怖れを知る者にこそ、勇気ある戦いを!」
 轟く衝撃。海中から繰り出す突撃が冥海機を葬り去った。
 海面に突き立つ水柱を突き破り、追撃して来る敵機はこれで四機。そこを狙いすまし、他助のLEDランタンが誘惑の光を放つ。見た者を死へと誘う『テキトー幻惑灯』――その光に照らされた敵は、否応なく力を奪いつくされるのだ。
「よっすお二人さん。まぁ座れよ。見回りで疲れてるんだろう?」
 パラドクスを帯びた光に照らされ、冥海機の航速が次第に鈍り始めた。
 攻撃を浴びて負傷した冥海機たちへ、他助はさらに囁く。耳を貸せば二度と浮かび上がることのない、死の囁きを。
「俺ぁレディ相手に気遣いできる男。永遠に休んでけ、な!」
 その言葉を皮切りに、絶命した冥海機が次々と力を失い、海の底へと沈む。
 なおも攻撃を凌いだ敵は、二機。
 満身創痍となって未だ突撃を敢行して来るメタルクルーズを海上から見つめ、アンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)は大きく息を吸い込んだ。
「冥海機。確かに強い勢力だろうけど、私たちはどんな相手にも勝つ」
 アンゼリカの双眸が見据えるのは、眼前のメタルクルーズだけではない。
 彼方に映る台湾島を、そこに居座る翔鶴を、彼方に君臨する未だ名も知らぬ断片の王を見ていた。
「そう、お前たちのディヴィジョンに攻め込み、私たちは勝利するさ!」
 終光奔烈のパラドクスが、アンゼリカの輪郭を彩る。
 勇気、友との絆、人々からの願い、そして冥海機ヤ・ウマトを奪還するという決意の光。そのすべてをオーラの奔流に変えて、いま彼女は最後の一撃を放つ。
「想いを載せて、最大まで輝け私の光!」
 アンゼリカの掌から溢れ出た奔流が、終焉を告げる。
 生き残ったすべての冥海機を呑み込んで、パラドクスの光が消えたとき――辺りには、追撃の終わりを告げるように、静寂の海だけが広がっていた。

「これで全部かな? みんないるよね、新宿島に戻ろう!」
 アンゼリカが全員の無事を確認すると、ディアボロスたちは沖合への離脱を完了した。
 そうして、前方に広がる霧の海域へ飛び込み全速で飛翔すること暫し。ふいに視界が開けると、そこには中国大陸に面する福建省沖の海が広がっていた。
 ロキシアと伊吹は安堵の吐息を漏らし、サムズアップを交わす。自分たちは無事に最終人類史へと戻って来たのだ。
「情報を持ち帰るまでが任務っ! 帰ろ帰ろ!」
「うん。必ず、沖縄を奪還しなきゃだねぇ……」
 奪われた故郷を、世界を、1日でも早く取り戻すために。
 帰りを待つパラドクストレインを目指して、ディアボロスたちは飛翔の速度を上げた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【避難勧告】LV1が発生!
【水中適応】がLV6になった!
【照明】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】がLV4になった!
【ガードアップ】がLV5になった!
【アクティベイト】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2023年05月30日