リプレイ
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
こんな平和な場所が連中のいう狩りの場になるなんてな
説得か、やってみるだけやってみよう
最悪は敵から守りながらになる、急がないと
【行動】使用技能:演技、情報収集、看破
俺はオババ様への説得の前に自警団へ接触してみる
まずは裾の長い服と手袋や長靴で機械の手足を隠す
友達催眠を使って自警団の居る場所まで行って
敵が傍に迫っている事を知らせる
ただ、このままだと自分達も戦うといいそうだから
まずは戦えない住民たちを彼らが守りながら避難させる事を提案する
敵の性質は分かっているが、あえて隠して力のない人達が狙われるかもしれない
説得しきれなくても準備はしてもらいたい
本郷・夏深
説得ですか。正直やった事ないんですよね
しかし言葉を尽くすとしますよ
言われた通りリーダー格を説得したいところですが…なかなかに手強そうですねえ
ああもう、話を聞きたくないとか我儘言うんじゃありません!
とりあえず我々の話を聞いて下さいよ
まあ話を聞いて欲しいというのも完全にカフカの我儘ですけどね!
故郷を捨ててはいけません
故郷をつれて逃げてください
先祖が故郷で生み出して代々受け継がれてきた知恵や知識を失うという事
それはあなた達の先祖や故郷が端から存在しない歴史に変わるのと同じ事です
故郷を守り抜く為に、どうか今は逃げて下さい
先祖が育ててきたのも、先祖が眠っている場所も、この地ではなく子孫たちである筈ですよ
花鶴・景臣
説得なんぞ得意じゃねえが
何もせず死なれるのは寝覚めが悪い
集落を極力見ておきたい
ばあさんが心配で二の足を踏んでる奴もいるだろう
中には、ガキがいる奴もいるかも知れねえ
幸せも、尊厳すら奪われ、無慈悲に殺される
…んな結末、糞喰らえだ
守るべき伝統、譲れない誇りがある
その意志は尊いもんだが…ばあさんは立派過ぎた
選択次第であんたを慕う奴も巻き込んじまう位にな
良いのか、若い命を散らす羽目になっても
脅しと受取られようが構わねえ
ただ、これは忘れないでくれ
あんたも此処の人間にとっちゃ
守るべき先達で――『家族』に相違ないんだぜ?
揺れる薬草
どんな効能があるか、見れば何となく想像つく
…いつかの俺が誰かに教えて貰ったのかね
眩暈咲・クヴァーシィ
長老の……オババ様、とお呼びすればよろしいでしょうか?
お会いするのが難しければ、自警団の方か何方かまでは届く声で
レジェンダリースマイトの勝利の凱歌も使って
生き残れば取り戻せます
命や想いを継いで行けば、ここで絶える事なく、繋がります
先祖が育て受け継いできた知識や生き方を、捨てるのですか
ここの草花の種は、ありますか?苗よりは持ち運び易いし長持ちするでしょう
父祖が遺した命が、先祖が遺した知識や教えが、繋がっていくなら
屹度取り戻せます。いつか取り戻します。……お手伝い、させて下さい。
……僕は血の繋がる父祖の顔を知りません。ですが、父祖の物語も、父祖を弔う歌も、残っています。今も、僕が生きているからです
虹空・アヤ
終わらせる決断ってのは辛い、だけじゃねぇよな
旅人の体で集落へ入り先に民の様子を探る
滅ぼされた集落を見た、大きな軍隊の噂を聞いた、もし襲われたらどうする等
軽い世間話として聞き出そう
おそらく逼迫した状況とは感じてないだろうから、見聞きしたままを婆サンに伝える
危険を目の当たりにしてから逃げて間に合うと思うか?
アンタが動かねぇから大丈夫という奴もいるだろう
逃げたとて慕う者を置き去りにしたなら足も鈍る
そんな民ばかりだ、違うか
襲われたならほんの一瞬だ――何もかも失くすのは
危険は確かに迫っている
死の勇気を、一時を終わらせる勇気に変えてくれ
終らせてしまった、そのあっけなさを覚えてる
そんなの知らない方がイイだろ
●接触
砂漠の最中、照りつける太陽は眩しく厳しいが、その集落には、時折涼しい風が吹いていた。おそらくオアシスから流れてくる風だろう。
集落は小さいが、活気に満ちている。人々は少し先の未来など知らぬ様子で、楽しげに微笑んでいる。
「いいトコだな」
水を一杯もらい、虹空・アヤ(彩・g00879)は軒も借りている家の主に声を掛けた。
「だろ?」
誇らしげに片目を瞑った青年の表情を見ると、ちくりと胸に刺さるものがある。
だが表情には一切出さず、彼は世間話の体で、続ける。
「通りがかりに滅んだ村を見たんだが……大きな軍隊の噂も聞いたし、最近物騒だな。此所は狭いが豊かな土地だ――もし襲われたらどうする?」
「この砂漠の真ん中に、わざわざ?」
訝しげに青年は首を捻る。ちっとも想像していない、といった印象だ。
「まあ、俺なんかは戦えないし、逃げるしかないけどさ。自警団も獣と野党しか相手をしたことないし、本当にちゃんとした軍隊が攻めてくるってなら……」
そこまで考え込んで、青年はからからと笑う。おそらく、想像できなかったのだろう。
これが現実、そういうモンだよな、とアヤは調子を合わせて笑いながら、内心に書き留める。
――そう、集落はいつも通り朗らかで、平穏であった。
「こんな平和な場所が連中のいう狩りの場になるなんてな」
荒田・誠司(雑草・g00115)は忌々しそうに呟く。
裾の長い服、手袋で機械の手足を隠しているが、それが図らずも砂漠を旅する流れ者らしさを演出していた。
暫し周囲を観察していた誠司であるが、軽く武装した二人組を見つけると、声を掛ける。
「なあ、あんた達――自警団か?」
小さな集落だ。よそ者だというのは、すぐに解るだろう。
だが彼に妙な親しさを覚え、疑いも無く「そうだが、何か?」と応えた。よし、表情には出さず誠司は頷き、
「知らせたいことがあるんだ」
「知らせたいこと?」
訝しげに首を傾げた彼らに、声を抑え、「敵が迫っている」と告げた。
はっと顔色を変えた二人へと誠司は畳みかける。
「色々、伝えたいことがある……詰め所とか、人を集めて説明できるなら、頼む」
茶の瞳に切実な色を浮かべて、告げれば。
深刻な表情になった彼らは誠司を招き入れる――そう、彼らに自分達も敵と戦い対抗すると言われては困る。避難するよう提言し、それを受けてくれるように、説明せねばならぬ。
できるか。
――やるのだ。息を吐き、扉を潜った。
●避難勧告
果たして誠司の申告があったからなのかどうか。或いはディアボロス達に親しみを抱かせるよう働く力の影響か、長老に会いたい、という願いも、あっさりと叶った。
元より、格式張った主というような存在ではないようであるが。
ただ、会って話をするだけでは済まぬ――命を守るためとはいえ、何とも気が重い仕事となろう。
(「説得ですか。正直やった事ないんですよね」)
予想の出来ぬ困難さを前に、本郷・夏深(逢魔が夏・g00583)は、解りやすく溜息を吐いた。
彼にとってお願いとは一方的に聞いてもらうもので――反発されたことがないとは言わないが――誠心誠意に誰かに請うたことは、ない。
「まあ、言葉を尽くすとしますよ」
「……ああ」
似たような、しかしより険しい印象を与える空気とともに、花鶴・景臣(灰に帰すまで・g04686)は虚空を睨む。
(「説得なんぞ得意じゃねえが、何もせず死なれるのは寝覚めが悪い」)
行きがかりに見た集落の様子は、日常の延長。何気ない――だがディアボロス達が失った幸福がそこにあった。
険しくなりそうな眼差しを和らげるべく、伏せ、ゆっくりと息を吐く。
幸せも、尊厳すら奪われ、無慈悲に殺される――。
「……んな結末、糞喰らえだ」
そんな呟きを、彼が零した時。
所用で外していた老婆が奥から出てきた。小柄で、温和そうな印象の女性であった。
「お待たせしましたかね」
「長老の……オババ様、とお呼びすればよろしいでしょうか?」
すっと進んで声をかけたのは、眩暈咲・クヴァーシィ(君の分だよ・g00101)だ。
彼は青の双眸でひたと彼女を見つめて、その感情を窺う。
「長老、まあ長くは生きておりますよ、旅の方。ここの者にとって、少しおっかないだけの、ただの婆でございます」
相好を崩して笑い、彼女は「して、何用ですかな」と問いかけた。
そこに滲む威厳――迫力のようなものは、長く砂漠を生き、人々に頼られてきた歴史が垣間見えた。
(「……なかなかに手強そうですねえ」)
油断ならない人だ、と夏深は内心呟く。
「あー、いや。知ってるか? この集落に、エジプトから軍が攻め込んでくる」
二の句を如何に切り出すか悩んだ皆の代わり、言葉を継いだのは、アヤだった。
「先に軽く――集落の面々に話を聞いてみたが、誰も逼迫した状況と認識していなかったけどな」
アヤは素直に、告げる。
「奴らは危険だぜ。徹底的に蹂躙するだろう――ミナゴロシ、だ」
語り口は戯けた様子も残していたが、彼の眼差しも、声音の響きも、切迫したものを含んでいた。
「我々は、その危険を知らせにきたものです。オババ様、どうかお逃げください――逃げるといっても、一時的ではなく……郷を、お捨てください」
クヴァーシィはよく通る澄んだ声で、訴えた。
「彼の言う通り、敵は無情です。何もかもを破壊するでしょう」
痛ましそうに瞳を伏せ、声に哀愁を漂わせるのは、決して演技ではない。
最悪の未来を想像すると胸が苦しい――感情を先走らせぬよう、クヴァーシィはひとたび、老婆の様子を見た。
彼女は岩のように微動だにせず、ディアボロス達を見つめていた。
――察するものは、あるのだろう。知らぬ顔がこうも揃って、危険を訴えている。彼らの存在を疑えば逆効果であろうが、そこに何の意味があろう。
されど、首を縦に振ることなどできぬ。そんな無言であるように感じた。
「お話はそれだけですかな?」
僅かと出来た沈黙に、彼女はそう応えた。
「我らを案じてくださるお気持ちは解ります。しかし、このオアシスを捨て……何処に逃げよとおっしゃるならば、話は此所までに」
話を打ち切ろうとする老婆の前に、夏深がずいっと迫った。
「ああもう、話を聞きたくないとか我儘言うんじゃありません! とりあえず我々の話を聞いて下さいよ」
だだっと捲し立てるや、悪戯っぽく紫の双眸を細めた。
「話を聞いて欲しいというのも完全にカフカの我儘ですけどね!」
――自覚は、あるのか。
と、老婆とディアボロス達が思ったかどうかは定かではない。
言葉遣いは丁寧だが、有無をいわせぬ強引さ――だが、それを、決してただの我儘ではないと、伝えるべく、夏深は真剣に、続ける。
「故郷を捨ててはいけません。故郷をつれて逃げてください」
相手に、それがどんな意味か想像させるための間を置いて――彼は、続ける。
「先祖が故郷で生み出して代々受け継がれてきた知恵や知識を失うという事……それはあなた達の先祖や故郷が端から存在しない歴史に変わるのと同じ事です」
●守るべきもの
――反応を見やる。
老婆はじっと彼らの言葉を聴き――瞳に浮かんだ光は、迷い宿したが、意思はまだ堅そうだ。
「ああ、ばあさんは立派だ」
景臣が、ぶっきらぼうに口を挟んだ。
「守るべき伝統、譲れない誇りがある――その意志は尊いもんだが……ばあさんは立派過ぎた……選択次第であんたを慕う奴も巻き込んじまう位にな」
彼は外を見るよう、軽く扉を振り返る。
「良いのか、若い命を散らす羽目になっても」
――冷ややかに、告げた。突き放すような声音に、老婆ははっと目を瞠る。
幼い子供。未来ある、若者たち。未だ見ぬ命を抱える女もいる。
老婆からすれば、まだまだ技術を高めていける未熟者達。集落の皆の姿が。彼女の脳裏にありありと浮かんだ。
「――だな。アンタを慕う奴は、多い。オババを見捨てて逃げられるか、ってのは、オレも聴いた」
アヤが言う。
「危険を目の当たりにしてから逃げて間に合うと思うか? アンタが動かねぇから大丈夫という奴もいるだろう――逃げたとて慕う者を置き去りにしたなら足も鈍る。そんな民ばかりだ、違うか」
故郷を捨てろという判断を彼らがするかどうか――集落から一目置かれる存在の判断が左右するのは言うまでも無い。
同時に、オババを捨てて逃げられぬ、という情。いずれも「先に逃げろ」といったところで、足枷となるのは想像に容易い。
実際に、聴いてきたから間違いないとアヤが言えば、反論はできまい。なにより――これはまた皮肉なことに、己の意見を受け容れろと民を説得する時間は無いのだ。
彼女の動揺を見て取った景臣は、静かに告げる。
「脅しと受取られようが構わねえ。ただ、これは忘れないでくれ――あんたも此処の人間にとっちゃ、守るべき先達で――『家族』に相違ないんだぜ?」
「オレ達は、皆何かしらを……でも大切なモンを、失った」
何処か遠くの話をするように目を細め、アヤが言う。
「襲われたならほんの一瞬だ――何もかも失くすのは」
若者が発する声音にしては、ひどく暗い。
記憶は、失った。だが、その虚無は身体を彷徨っている。
(「終らせてしまった、そのあっけなさを覚えてる……そんなの知らない方がイイだろ」)
ひとつ瞬き、物憂げな気配をすぐさま消し去ったアヤは、真摯と告げる。
「危険は確かに迫っている。死の勇気を、一時を終わらせる勇気に変えてくれ」
伝わってくれ、という願いを込めて。
終焉は、一瞬だ。炎に焼べれば――育んできた恵みも。尊い知識も。伝承する者をすべて殺せば、終わってしまう。だからこそ。
「生き残れば取り戻せます」
老婆の傍らに寄り、クヴァーシィは続ける。
「命や想いを継いで行けば、ここで絶える事なく、繋がります。先祖が育て受け継いできた知識や生き方を、捨てるのですか」
彼は遠慮気味に、そういえば、と部屋中を一瞥しながら、問いかける。
「ここの草花の種は、ありますか? 苗よりは持ち運び易いし長持ちするでしょう……父祖が遺した命が、先祖が遺した知識や教えが、繋がっていくなら、屹度取り戻せます。いつか取り戻します。……お手伝い、させて下さい」
縋り付くような言葉だった。
「……」
老婆は、じっとディアボロス達を見つめている。言葉は届いている――その一言を吐き出すのは、どれだけ苦痛だろう。
だから、もうひとつ背中を押すべく。夏深が口を開く。
「故郷を守り抜く為に、どうか今は逃げて下さい。先祖が育ててきたのも、先祖が眠っている場所も、この地ではなく子孫たちである筈ですよ」
そうでしょう、と。小首を傾げるような仕草で、同意を求める。
(「まあ、カフカなら、生き残る方が大事ですが……」)
だから、尽くす言葉に嘘はない。生きて欲しい。死んでどうなるものか。
彼の意見を肯定するように。クヴァーシィは、己の胸に手を当てて、短い旋律を口ずさみ、儚い笑みを浮かべた。
「……僕は血の繋がる父祖の顔を知りません。ですが、父祖の物語も、父祖を弔う歌も、残っています。今も、僕が生きているからです」
そして、再び沈黙が落ちた。それを破ったのは、長い長い吐息。
「――わかった。主らの言う通りだ……なにより、そんなに必死な目をされては、な」
老婆は参ったと、手を上げたのだった。
●斯くて時間は動き出す
オババが決心を固めたのとほぼ同時、小屋の戸が開いた。
悪い知らせにしては穏やかな、配慮のある動きから、緊急事態の知らせではなかろうと――ディアボロス達はゆっくりと振り返った先に、誠司がいた。
「……話はついたようだな」
彼は真剣な眼差しで仲間と、老婆を一瞥し、頷いて見せた。
その背後には、自警団の面々が連れ立っていた――どうやら彼の方も、きちんと話がついたようである。
「戦えない住民たちを彼らが守りながら避難させる方針に決まった」
簡潔に、誠司は皆に報告する。
――老婆と違い、エジプトの危険性を噂レベルで察していた彼らは、素直に忠告を聞き、提案を受け容れてくれた。
「話は少し聞いていた。我らとて……故郷を捨てる事を容認しがたかったが、そうだな――継いでゆかねばな。そのために、死んではならん」
自警団の男は真顔で呟くと、気遣いの視線を、オババに向ける。
彼女も厳かに頷いて、「準備をせい」と告げて、立ち上がる。
「我らが伝統と、ご先祖様のため――そしてお前達のため、この郷を捨てる。異論は無いね」
「はい――……その、なるべくお急ぎください、オババ様」
念を押す自警団の長の言葉を煩わしいといった風に手で払った老婆へ、
「手伝いましょうか……?」
種子などを運び出せば良いと言ったクヴァーシィが囁いた。
「おまえさん方は、他にやることがあるんだろう? うちの若衆にやらせるからね、気にしないどくれ」
それを彼女は微笑みで断る。いつしか老婆の口調は、身内に向けるようなものになっていた――辛そうな表情に気付いても、彼はそれ以上、言葉を継ぐことはできなかった。それできっと、いいのだろう。
そんなやりとりを他人事のように眺めていた景臣だったが――、
「なあ、あれ、鎮痛に使うやつだろ」
不意に、老婆に問うた。彼が示すのは、壁に吊された薬草の束。
「その通りだ。よくわかったの」
余所者の若者がそれを知っていたことに、驚いたような、感心したような彼女の反応に、曖昧な笑みを浮かべた――正確には、困惑と、苦笑の狭間。
どんな効能があるか、見れば何となく想像つく。だが、肝心な、それを習った記憶は、すこんと抜けている。
「……いつかの俺が誰かに教えて貰ったのかね」
独り言は、にわかと忙しくなった集落の喧噪に紛れ、消えた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV1が発生!
【飛翔】LV2が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV2が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
●
集落は、自警団の指示の元、最低限のものを持って避難する準備に入った。
ディアボロス達が次になすべきことは――彼らが逃げ延びる時間を稼ぐため、先遣隊を退け、その後に訪れるであろう指揮官を、倒すこと。
最早憂いはない。彼らを防衛しきるべく、己が役割のため、各々馳せた――。
金刺・鞆
説得は、おまかせしてしまいました、ゆえ。いくさは、おまかせあれ、です。時間稼ぎ、多少の心得、ございます。むん。
攻め手は『青龍水計』、多くの敵を水に呑み、敵視、あつめる、です。
【水源】を布いて足場を乱し、こちらは残留、【飛翔】の力で悠々と。
獲物を追い、切り刻む技なれば。逃げ回り、あえて追わせれば、それだけ時間使わせる……はず。たぶん。
この世の神も、歴史も、明るくはないのですが……きさまらが讃え、歌う神々がくろのべーだであるならば。我々は、その神を殺さんと企てる者。これほどの逆賊がありましょうや。執拗に、砂の果てまでも追いかけるがよい。
それこそが、わたくしの狙い。民が逃れるための、計略なのですよ。
白戸・もがり
話は纏まったみたいだねえ
それじゃあ、残るは時間稼ぎという名の戦いだけ
……ここは通さないよ
数も多そうだし、敵の意識が明確にこっちに移るよう範囲攻撃を選択しました
仲間が標的にしている相手を絶対に含めるようにして攻撃。小細工程度だけど、ついでに吹雪の風を使い砂と氷雪を巻き上げて、敵の足元を悪くしよう
これで少しは攻撃の出だしが鈍ってくれれば、防御もし易くなるんだけど
敵の技は、飛翔で以って地形や足場の悪さを無視した上で、出来る限り杖で受け止め直撃を避けるよ
ある程度動きが観察出来たら、敵の踏み込みに合わせて砂を敵の目に向けて吹き飛ばし、狙いの正確性を崩して
その隙を仲間に狙って貰えるなら不意打ちにもなるよね
●計略
人の動く気配がする――。
「話は纏まったみたいだねえ」
橙混じりの赤い瞳で、集落の動きを一瞥し、白戸・もがり(葬送の虎落笛・g02018)がしみじみ言う。
集落の人々は身の回りのものを纏め、自警団の指示の元、敵襲とは反対の方角へと誘導されていくようだ。
彼らが行うのは、一時の避難ではなく、慌ただしい移住だ。心境としても、そんな簡単な事ではあるまいが――生きる事を、選んでくれた。
ならば、ディアボロスはそれを守りきらねばなるまい。
「それじゃあ、残るは時間稼ぎという名の戦いだけ……ここは通さないよ」
囁き、もがりが見つめる先、駆けてくる雌獅子神の姿が見える。
砂漠を俊敏に馳せるのは、神ゆえ――否、クロノヴェーダゆえに。
ディアボロス達に気付くや、気色ばむ。それが、倒すべき敵とみたか、狩るべき獲物と見たからかは、こちらには解らぬ。
剣を手に速度を上げ迫る彼女達の姿におののくこともなく、金刺・鞆(虚氏の仔・g03964)が気合いを籠める。
「いくさは、おまかせあれ、です。時間稼ぎ、多少の心得、ございます。むん」
年相応、小柄な身体に滾らせる自信は偽りでは無い。
「狩るよ!」
「競争だ!」
雌獅子神は瞳をギラギラ輝かせ、距離を詰めてくる――。
「……恵みを、お借り、します」
鞆は祈るように、扇の先で敵を指し示す。ふわり浮かんだのは水――瞬く間に、彼女と敵の間に、何処からか招かれた水流が押し寄せた。
脇から突如と発生した激流に呑まれた雌獅子神は、小さな悲鳴をあげた。
これはいいと、もがりは瞬きと共に。憂うような眼差しを送るや、凍てつく吹雪を招く。
視界を惑わし、足元をぬかるませて、攻撃の隙を誘うつもりだったのだが――鞆の青龍水計によって流水に呑み込まれた敵を、そのまま凍てつかせる。
後続の雌獅子神が、踏鞴を踏むんで、牙剥き唸った。二人がふわりと空を飛翔し、間合いから離れたからだ。
こほん、鞆は咳払いをひとつ。
「この世の神も、歴史も、明るくはないのですが……きさまらが讃え、歌う神々がくろのべーだであるならば。我々は、その神を殺さんと企てる者。これほどの逆賊がありましょうや」
敵を見下ろし、毅然と言い放つ。
くるりと尾を翻し、空を駆った。
「執拗に、砂の果てまでも追いかけるがよい」
獣が毛を逆立たせ、神々は声をあげた。
いくさ歌。神を称え、その武を奉じる歌。その旋律は独特で、敵が奏でるものであれ、美しさも伴う。
「我らが狩りをご覧あれ!」
深く膝を折って祈るような体勢で、獣の眼光を放った女達は、強く地を蹴る。そして、鞆ともがりが作り出した氷雪の罠を跳躍で越え、空へと逃げる二人へと届く一閃を放った。
「流石だねぇ」
もがりが杖を手に、剣を受けた。その声音は、別段、彼女らの身体能力に感心した様子は薄かった。
それくらいは、読んでいる。兎角受け流し、逃れる。一瞬しか宙にとどまれぬ、あとは落下するだけの神に対し、もがりは自在に動けるのだ。
斬撃の勢いを利用して逃れながら、宝珠に魔力を回して風を起こす。砂埃に怯むような敵ではなかろうが、奴らが攻撃の機会を逸すれば充分だ。
(「逃げ回り、あえて追わせれば、それだけ時間使わせる……はず。たぶん」)
逃げて、翻弄しきってやろうと鞆は思う。
脅威ともよべる身体能力で迫ってくる彼女らを、もがりは未だ足元で猛威を振るう氷雪に叩き落とし、鞆も流水を緩める気は無い。
それでも、挑発に誘われた神々は、二人を執拗に狙う。
それでいいと鞆は微笑む。
「それこそが、わたくしの狙い。――民が逃れるための、計略なのですよ」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水源】LV1が発生!
【使い魔使役】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
虹空・アヤ
避難の方は心配無さそうだな
じゃあ塵ひとつ被らぬよう――大掃除といこうか
暴れてこい、手鞠
*電撃と*光を纏わせ敵の只中で縦横無尽に飛び回らせ
集中や連携を乱すよう指示
その撹乱に合わせ「蹴鞠」蹴り入れ『硝子片』
邪魔臭そうな敵から当てて仲間が個体を倒しやすいよう仕込んでいく
絶えず駆け、時には【飛翔】で*空中戦に持ち込み翻弄
反撃は急旋回や素早く敵背後に回り込む等して直撃を避けよう
「蹴鞠」の扱いは手鞠にも手伝って貰うが
手元に無い時は「Eater」抜いて対処
また戦いに不馴れ、体力の不味そうな仲間から優先してディフェンス
敵に付け入る隙を与えないよう動きたいトコ
ずっと遠く、もっと遠くへ
彼らが振り返らず歩めるよう
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
敵が来る前にオババ様と自警団への説得が終わってよかった
さて、彼らがより遠くへ逃げられるように時間稼ぎと行こうか
狩りに来た奴が狩られてちゃ世話がねぇな
【行動】使用技能:時間稼ぎ、罠使い、暗殺、斬撃、電撃使い、早業
狩るというなら家の中に入ってくる敵もいるだろう
家の中にパラドクスの罠を張り、引っかかったのを見計らってワイヤーによる斬撃や電撃で暗殺する
それからは他の家にも仕掛けた罠を見に行き、引っかかっていれば同じように倒す
罠が効かなければ左腕に収納されたワイヤーを伸ばして巻き付けて、切ったり電撃を流して攻撃する
花鶴・景臣
さあて、此処からが本番だ
神の名を騙る恥知らず共に
たっぷり灸を据えてやらねえとな
死角を補い合うべく声掛け、連携は密に
一人たりとも失わせはしないし
…一匹たりとも、見逃す心算はない
挑発で俺に注意を向けさせるのが、一番手っ取り早い
舞い踊る手元、握られた得物の軌道を観察
踏み込み、フェイントの一閃で受け止めりゃ
一瞬でも動きが止まるだろ
その隙をついて蹴りを一発見舞い、斬撃
圧される様なら炎を発現させて怯ませるぜ
此処は戦場で、てめえ等は容赦なく殺しに来る
今更、卑怯なんて言わねえよな?
壁役上等
忍耐力が続く限り、体力に余裕がない奴
…そして逃げ遅れた奴等を庇いに入る
はっ、つれないねえ
もっと俺と遊んでくれて良いんだぜ?
本郷・夏深
話を聞いてもらえて、未来を選んでもらえて万々歳ですね
後はとんとん拍子に良き方向へ転がっていく事間違い無しです!
さあ、憂いなく逃げて頂く為の時間稼ぎをしますか!
いや火を噴くとか聞いてないんですけど
実にいい気分だったというのに、ふざけた真似を…
敵の攻撃は開いた扇を盾に凌ぎたく
どれだけ速くとも、舞も斬撃もある程度の型は決まっているものですからね
寧ろ華麗であればある程に読み易くて助かりますよ!
臨機応変に防ぐさ中、少しでも隙や乱れを見つけたら扇での斬撃を捩じ込みます
どうせなら脚を断ちたいですね。舞には欠かせぬ部位なので
万が一炎を噴き出す仕草をしたら閉じた扇で喉を串刺します
人が嫌がる事をしてはいけませんよ
●掃討
「敵が来る前にオババ様と自警団への説得が終わってよかった」
荒田・誠司(雑草・g00115)が生真面目な風に言う。
集落の中心から飛び出した彼らとすれ違うのは、憂い顔の人々だ。片や、事情を知ってか知らずか、子供達は楽しそうだ。
彼らの姿をどんな風に見つめたらいいのか。誠司が困惑に似た表情を浮かべ――その耳に届いたのは、自信に満ちた声音であった。
「話を聞いてもらえて、未来を選んでもらえて万々歳ですね」
満足そうに本郷・夏深(逢魔が夏・g00583)はひとり頷き、不敵な表情で確信を持つ。
「後はとんとん拍子に良き方向へ転がっていく事間違い無しです!」
――根拠は、ないのだが。
重要なものを切り捨てたのだ。それくらいの見返りはあるべきだ。偽りの歴史の中、非情な運命に逆らうものとしては。
「さあ、憂いなく逃げて頂く為の時間稼ぎをしますか!」
扇を手に夏深が告げれば、誠司も深く頷く。
「彼らがより遠くへ逃げられるように時間稼ぎと行こうか」
――己が得意とする手段で。
諜報員としての一面ももつ彼は、先程住人が去って行った家屋を振り返った。
彼が何かの思惑をもって姿を消した事を認識しつつ、夏深が俄に騒がしい気配に、耳を澄ませて振り返る――。
「さあ、狩りだ!」
「タウエレト様をお迎えするのに、血を捧げよ!」
獣神どもは口々に吼えながら、集落に駆け込んで来た。
どうやら、別働隊だったのか――入り口付近に張る二人との戦闘を回避したらしく、状況をよくわかっていないらしい。
「避難の方は心配無さそうだな」
虹空・アヤ(彩・g00879)が空を見上げながら言う。
「さあて、此処からが本番だ」
鞘鳴らし、花鶴・景臣(灰に帰すまで・g04686)が、鋭い視線で敵を睨めつける。
「神の名を騙る恥知らず共に、たっぷり灸を据えてやらねえとな」
住人達を急かし、素早く退去させた一角で待ち構えた二人の姿を、神々はすぐに見つけただろう。
血気に逸って駆けてくるそれらの姿を面白そうに眺めて、だな、アヤは景臣の殺気に応じた。
「じゃあ塵ひとつ被らぬよう――大掃除といこうか」
言うや、アヤは。自分の前にいるころっとした毛玉――否、一心同体の相棒であるモーラット・コミュの手鞠に、一声かけた。
「暴れてこい、手鞠」
きりっとした眼差しで、ぽーんと弾んで飛んでいく。
彼もまた、手にした綾織の鞠を、雌獅子神どもへと蹴り付ける。跳躍する毛玉たち……もとい、手鞠と蹴鞠の出迎えに、神々は陣形を崩して直進した。
は、と浅くアヤは笑う。それで終わるわけがないと嘲るように。
「テメェにゃこれでも勿体無い。」
突如、光が炸裂した――蹴鞠から、砕けた硝子片が飛び散り、細く美しい光の筋が幾重に交差している。
(「ずっと遠く、もっと遠くへ――彼らが振り返らず歩めるよう」)
美しい輝きを、紫を細めて、アヤは願う。透けて見える集落の向こう。今も戸惑いながら、生きるために先を目指す彼らへの餞に。
一匹たりとも逃しはせぬ。
もうひとつの誓いと共にアヤが紡いだ薄虹を頭上、足元には鮮血を滴らせ、獣神は獰猛と牙を剥く。
「やってくれたな!」
「よくも神に刃向かった!」
皆殺しだ、と爛爛と輝く瞳たるや、斬るに心を躍らせて構わぬ相手だと、景臣に確信させる。
その昏い喜びに、景臣は僅か瞳を伏せながら――抜く。陽光の下、下がり藤の透かし鍔は彼の作る深い闇に隠れ。
「一人たりとも失わせはしないし……一匹たりとも、見逃す心算はない」
滑らかに解き放たれた白刃が、獣神へと走った。
ディアボロス達と接触した神々は、五感を駆使して、獲物を探る。目の前に三人、強い敵がいる――それを真っ先に狙うのは、当然のこと。
だがどうしても無視しかねる気配に、周囲を探る雌獅子神がいた。
彼女達は耳を聳って、不審の元を探った。住民の気配がないことも異常事態といえたが、それを上回る、警戒せよという第六感のようなものが反応する。
この一帯に、潜んだ殺気のような、嫌な気配を感じるのだ。
「んん、音がした……?」
近くの家屋を振り返った雌獅子神どもは不審そうに顔を見合わせたが――何を考えたか、その家屋に飛び込んだ。
果たして、その判断は、隠れ潜むか弱きものを襲うためだったのか、何ぞ企むディアボロスと見て、奇襲を仕掛けるためだったか――解らぬ。
或いは、単に神の傲慢か。
「な! 動けない!」
端から見ると滑稽であるが、彼女たちは見えぬ糸に絡め取られて、藻掻いていた。
入り口に、パラドクスで生成された罠が仕掛けられていたのだ――蜘蛛の巣型のワイヤートラップは、まずは敵を拘束する。
もしそれを力任せに引き千切ろうとすれば、強靱な糸によって、触れた部分を断ち切られる。そして、それを仕掛けたものが、意図して、引けばどうなるか。
――血の雨が散った。
首を括れば、悲鳴もない。ただ家屋の入り口と内部が、獣神の血で真っ赤に染まる。流れた電撃によって、焼けた肉の臭いもする。
神とはいえ、血と肉をもつ存在なのだな、と茶の双眸を眇め――屋根の上で身を屈めていた誠司は、無残な様を見下ろし、嘆息する。
「狩りに来た奴が狩られてちゃ世話がねぇな」
数体仕留めたからと、休んではおれぬ。機械の左腕に伝わる感触を確かめながら――誠司は次の罠へと、影のように走り抜けた。
敵の数が減った事で、さては姿を消した誠司の策が当たったのだろうか――やはり、とんとん拍子に巧く事が進んでいると、夏深は微かに旋律を吟じながら、広げた扇を薙いだ。
所作は優雅かつ無造作な一閃から放たれる呪詛を含んだ斬撃は、刀で奮う景臣に劣らぬ。
率直に踏み込んできた獣神の脚、脹ら脛から斬り裂いて、傷から腐らせる――。
「おのれ! 神炎に焼かれ、死ね!」
雌獅子神の一体が、脚を断たれ、死までの時間の苦痛に藻掻く仲間を跳び越え、炎を噴きつけてきた。紅蓮に燃える、原初の炎。骨まで焦げそうな、熱の塊であった。
ぶわっと空に広がる火炎の帯に、悠々と舞う夏深は、固まったように動けなくなった。
「おっと、」
飛翔しつつ、距離を詰めていたアヤは急加速し、神の首元に蹴りを叩き込む。パラドクスの一撃でなくば、仕留められぬが、仲間を庇い、相手の狙いを逸らす手伝いにはなろうという咄嗟の判断であった。
すかさず、小鞠が鞠を投じてくるに合わせ、硝子片を解き放つ。至近距離から体中を斬り裂かれた神は、先に斃れた死体の上に折り重なる――。
「大丈夫か?」
さて、その狭間、アヤが思わず夏深に問うたのは――上機嫌だった彼が、俯きがちに、肩を震わせたからだ。負傷した、とは思わないが。
「――いや火を噴くとか聞いてないんですけど。実にいい気分だったというのに、ふざけた真似を……」
眉間に皺を寄せ、低い声音で囁く。
苦手な、はっきりいって恐怖の元である炎に怒りを覚え、打ち震えていた。
「隙あり!」
そんな彼の背から襲いかかるは、神々を讃える歌を唸る獅子神の一刀。真っ直ぐ振り下ろされたケペシュの斬撃を、扇の親骨で受けながら、夏深は笑った。
「華麗であればある程に読み易くて助かりますよ!」
然るに同意とばかり、景臣が相手の間合い深くへ踏み込み、刀で受け止め、連続する斬撃の剣舞を中断させる。結果はそれだが、目の前に風をも断つ斬撃遊ぶ中に跳び込むのだ。
浅い朱線を、意に介さず。
正面から敵の腹を強か蹴り付け、無防備を晒した身体へ、呪いを湛える一刀で断つ。
敵のものか己のものか――血を斑に纏った景臣は、迫り来る敵を、紫の視線で、詰る。
「此処は戦場で、てめえ等は容赦なく殺しに来る――今更、卑怯なんて言わねえよな?」
鋭い眼光に、殺気に――怯えるような獣神ではなく。
だが戦場に残された最後の神は――己が最後だと、気付かぬ様子で、果敢に挑み掛かってくる。
舞うような所作でなく、喉を震わせる、その動作に。心底嫌そうな表情を浮かべた夏深が、閉じた扇をその喉元へと突きつけた。
「人が嫌がる事をしてはいけませんよ」
仮にも神を名乗るなら、尚更ですと、窘めるようにいう。
「まあもう、それも無理でしょうが!」
呪詛で喉を詰まらせた、雌獅子神に――辛かろうという慈悲ではないが、景臣がトドメの一刀で背を割った。
いずれの傷も運命は同じく、呪詛で爛れた肉塊となるだけである。
「はっ、つれないねえ。もっと俺と遊んでくれて良いんだぜ?」
動く獣の影は無いが――物は試しと、景臣が周囲に潜む敵はないか、確かめるように、挑発を投げれば。
「――ならば私が、相手になろう」
太い声が、した。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【温熱適応】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
【腐食】LV2が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV4になった!
金刺・鞆
既に内まで入り込んでいましたか。
集落のみなを追わせること、断じてゆるさず。土地を捨て、過酷な旅路を歩むものたち……その決意、わたくしどもがまもります。
【飛翔】、そのまま。急いで向かいますよ。
扇を開いて掲げ持ち、はらえのことば、奏上いたします。
かけまくも畏き くにつのかみ、さるたひこのかみ――
日の本の導きの神と、祓戸の神々に意宣り、御力の片鱗を御下賜いただきましょう。
禍つもの、祓え給い清め給い、是成る砂地の民の旅路を御守りくださいますよう恐みかしこみ申す。
『祓詞仙扇浄禍』、その身ごと浄め祓われよ。
反撃の水流、【水源】の流れに合一、勢い削げぬか試みましょう。あるいは、飛翔の速度で避けられぬものか。
虹空・アヤ
悪いねぇ、お仕事取り上げちまって
まあ土地も命も好きにさせる気は無ぇンで
躊躇いなく正面から
先ずは「Eater」で囮の一閃、振り抜くそのままの勢いで体を捻り
【骸喰】で変えた足先の刃で回し蹴りを叩き込んでやる
大きな得物振るうにゃ多少の距離が要ンだろ
*戦闘知識応用し敵が要する間合いを把握
反撃の直撃食らわんよう避け衝撃は受け流す
再び踏み込むと見せ掛け跳躍、【飛翔】
*空中戦へ持ち込み急降下、旋回による*一撃離脱を繰り返してこう
ンな重てぇ図体じゃついてこれねぇだろ?
挑発交え敵を撹乱、隙が誘えりゃやり易くなる
さあ付き合えよ、てめぇの最後まで
覚悟をもって離れた人々にいつか
こんな不安とは無縁の日々が、訪れるとイイ
白戸・もがり
何事もなければ、彼らはまだ此処で暮らしていけたのに……
奪うばかりの貴方達に、この地は似合わない。帰ってくれません?
ん、言ってみただけ。殺し合う以外ないよねえ
攻撃・反撃をまともに受けたら痛そうだけど、敵の水流の根幹技能は、私も少しは身に付けてるし
真正面からでなく、流れを少し横へ逸すように風をぶつけて吹き飛ばしてみるよ
魔力障壁もオーラ操作で強化、同時に飛翔で後方へ飛んで、少しでも勢いを殺して受ける
そうして直撃で吹き飛んだと見せて、一気に距離を詰めて不意を突こう
私が生み出し放つは砂嵐。なるべく敵の足元、その場で包み込むように砂を集めて嵐を起こす
正面から当てるよりは避けられ難くなると思うけど、どうかな
花鶴・景臣
随分遅いお出ましだったな?
生憎あんたの出る幕は用意してないんでね
さっさとお引き取り願おうか
啖呵切りつつ思考は常に冷静に
ハンマーが直撃すれば流石にミンチになっちまう
トラップ生成の恩恵を得、各所に罠を作成
足止めと意表突き、後は挑発の意味も込めて
驕り高ぶる神から冷静さを奪えたら御の字
動作が大雑把になればその分攻撃は躱し易くなるし、当て易くなる
確と挙動を観察して攻撃と回避両方、臨機応変に活用
物陰を利用すればある程度気付かれず
接近出来るかも知れねえ
…後、死角から狙われた奴が居たらまずい
持ってきた鉄パイプでも落ちてる物でも
敵めがけて投げつけ注意を逸らす
その後武器はどうするか?
…最後に刀が残れば何とでもなる
本郷・夏深
あなたにカフカの相手が務まるのですか?
懐へ潜り込んで正面から、或いは背後から
臨機応変に位置を変えつつ攻撃して参ります
しかし斬っても蹴っても爽快感に欠ける重たい身体をされていますねえ
攻撃もひどく重たい故に受け止めても防げそうにありません
厄介な相手との手合いも、また一興です!
得物も図体もそんなに大きいとなると、頭上からの攻撃なんか特に反応しづらいでしょうね
振り下ろされたハンマーを足場に翼で高く飛翔し、【ダメージアップ】を乗せた扇の一撃をぶち込みます
沢山の歴史と命を育んできたこの地の肥料となる
そんな終わり方を迎えるのも悪くはないと思いませんか?
新たな地へと向かう人々への餞に、その命を捧げて頂きますよ
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
よし、あとはタウエレトだけだ
あのガタイじゃあワイヤートラップが効くか分からないな、こいつの出番としよう
本来ならこの水は恵を齎す物のはずなのになんてことに使いやがる
【行動】使用技能:忍耐力、時間稼ぎ、計略、ダッシュ、発明、爆破、追跡、空中戦、臨機応変、地形の利用、残留効果の利用できる効果全て
最初に隠れて指定パラドクスを使いボムドローンを製作
それを攻撃の要にし、敵の頭上に行くまでは俺が囮になる
忍耐力で耐えたり、地形を利用して家の屋根に飛び乗ったりして時間を稼ぐ
ボムドローンが所定の位置まで来たら爆弾を落として攻撃
それでも倒れなければ短銃や投げナイフを駆使して俺も攻撃
●希望を繋ぐ者たち
タウエレトは無人の集落を――正確には、ディアボロス達の戦線を抜ければ、人々はまだいるだろうが――見渡し、深いため息を吐いた。
「余計な手間をかけさせてくれますね」
「悪いねぇ、お仕事取り上げちまって。まあ土地も命も好きにさせる気は無ぇンで」
虹空・アヤ(彩・g00879)は口元で笑いながらも、鋭い眼差しで神を見る。
ひらりと手を閃かせる様は、帰れ、というモーションにも似ていた――尚、小鞠も凜々しい目つきで睨んでいる。
「随分遅いお出ましだったな? 生憎あんたの出る幕は用意してないんでね――さっさとお引き取り願おうか」
花鶴・景臣(灰に帰すまで・g04686)は構えたまま、図体に似て、と嘲弄するような口調で煽った。
獣神は浅く笑う。余裕か、怒りの余り静かなのか、判断はつかぬ。
「いずれにせよ邪魔者は排除するまで」
槌大地に叩きつけ、タウエレトが言う。
その一点だけは気が合うな、とアヤは笑って、強く踏み込んだ。予備動作の気配も無く、一息で距離を詰め、振り上げた魔晶剣を正面から振り下ろす。
膂力に自信があるのだろう、タウエレトは受け止めるべく盾を翳す。
吐息が笑った。
アヤは大仰に一刀を落とし込むと、そのままくるりと身を翻す――空を掻くような隙を見せたように見せかけ、胸元を裂く輝きに、獣神は吃驚した。
流れるように移行した、アヤの回し蹴り。その足先に、硝子のように美しい刃があった。
貪欲にすべてを喰らう刃が、硬い皮膚を裂いていた。捕らえようにも、男は軽やかに跳躍するや、空へと飛翔していた。
「ンな重てぇ図体じゃついてこれねぇだろ?」
「ぐ、ぐ――神を甘く見るものでは――」
挑発するように視界を横切って飛ぶアヤに、反撃を仕掛けようとした、その瞬間。
音も無く――或いは音を置き去りに、駆った景臣が背後から斬りかかる。
その一刀は常人であれば一撃で切り伏せられたであろうが、クロノヴェーダにとっては振り向く必要も無い、ただの斬撃であった。
――しかし。
愚かな敵を、その突進にて散らそうと転回した瞬間、ずしりとその体躯が地に沈んだ。密かに景臣が作成した、非殺傷性の罠だ。ゆえに、これもまた傷つくこともない。
「は、鈍くせぇな」
せせら笑った景臣の狙いは――敵から冷静さを奪うこと。
獣神の槌、そして予測される突進を避けるべく距離を大きくとったアヤの視野に、優雅に広げられた扇が見えた。
鈍くさいですねぇ、と乗じて皮肉を投げつけ、
「そんなに鈍くさくて――あなたにカフカの相手が務まるのですか?」
本郷・夏深(逢魔が夏・g00583)が首を傾げた。落ち着きを取り戻したのは、炎の気配が無くなったからだろう。
その足取りは確かな律を刻んで、着物の裾揺らし舞う。
開いた扇を蝶のようにそよがせ、軽やかに――実際、飛翔の力も利用し、重力を忘れたように夏深は地を跳んだ。
「カフカの舞を見られるあなたは恵まれてますよ」
口元に刻んだ笑みに偽りはない。
「しかし斬っても蹴っても爽快感に欠ける重たい身体をされていますねえ」
重ねて口から出る言葉も、正直な本音だ。
攪乱するように横に流れながら、戯けるように蹴りを放つ。舞踊を基礎としながら、堂々と外れた大胆な所作で仕掛ける夏深に、タウエレトがとれる手は、力任せの反撃であろう。
怒りにまかせ、槌を掲げた瞬間、飛鳥のように彼は跳ねた、が。
「まとめて破壊してくれる!」
大仰な動作で跳ね上がった巨体に、本能的な危険を感じて、退く。どうと構えて隆起した堅い身体が、重い槌を振り回す。近づけぬ程の烈風、触れれば人の皮膚など容易に裂けよう。
近づく術はいかようにも思いつく、が。
「ああ、嫌ですねぇ。ミンチになります」
夏深が惘れて溜息を吐き、仕方ねぇなとアヤが空で加速すべく膝を折り、寡黙なまま景臣が鍔を鳴らした。
そこに――飛翔した少女が、駆けつけた。
「既に内まで入り込んでいましたか」
金刺・鞆(虚氏の仔・g03964)は、むう、と唸る。入り口を見張っていたはずなのに、という思いもあろう。
長き白髪に隠れた青の双眸、それが宿す決意の光は強かった。
「集落のみなを追わせること、断じてゆるさず。土地を捨て、過酷な旅路を歩むものたち……その決意、わたくしどもがまもります」
扇を眼前に広げ、心を整えるべく静かに息を吐く。
毅然と敵を見下ろすと、
「かけまくも畏き くにつのかみ、さるたひこのかみ――日の本の導きの神と、祓戸の神々に意宣り、御力の片鱗を御下賜いただきましょう」
祖国に伝わる、神の名に。遠く、そしてこの砂漠の地には、存在しないその名を。
その力を、様々越えて、此所に降ろす。
「禍つもの、祓え給い清め給い、是成る砂地の民の旅路を御守りくださいますよう恐みかしこみ申す――『祓詞仙扇浄禍』、その身ごと浄め祓われよ」
滑らかに奉ず――清めの神気を扇に与え、彼女はそれを優美に振るった。
夏深の舞踊とはまた違う、巫女が神に捧ぐ粛然たる舞。
扇の招きに、水が渦巻く。その流れに流されていくタウエレトではないが、翻弄され、攻撃の威勢は削がれたようだ。
「水を操る能力ならば!」
タウエレトは憤然と槌で大地を叩く。
突如と噴き上げた水流が、天を舞う鞆を襲う。
「……っ!」
水の加護を得て、その勢いを殺しつつ逃れる。
そこへ、ゴーグルを装着した荒田・誠司(雑草・g00115)が駆けてきた。屋根と屋根を跳躍して、タウエレトへとナイフを投じる。
「本来ならこの水は恵を齎す物のはずなのになんてことに使いやがる」
「川の恵みを操るのは、神の権能、当然のことです」
歯を剥き、にやりと笑う獣神は、ディアボロス達には憎らしく映ったことだろう。
誠司は押し黙り、ただその注意を引くべく駆る――幸い、周囲には景臣の仕掛けた細やかな罠があり、負傷せずとも煩わしさから、タウエレトの集中を削いでいた。
なおかつディアボロス達が仕掛けて隙を与えぬ状態であれば、影より飛来するドローンのプロペラが如何に低く唸ろうとも、「煩い羽虫が」と彼女は意に介さなかったのだ。
それは、誠司が先程、パラドクスにより密かに工作した、自律型のドローンであり――。
「そんなに偉大な神なら、砂漠全土に恵みを齎してみろ!」
最後の仕上げとばかり、引きつけるように彼自身が焚きつける。
タウエレトの頭上、程よい距離にホバリングしていたドローンが、備えた小型爆弾を次々落とす。
獣神からすれば、突如と己の身体を穿つような衝撃と、爆風で抉られ、回避するどころか、盾で身を守る時間もなかった。
赤い霧が浮かんで、熱気の中で融けて消えていく。
ざりと砂を踏みつけ、獣神の前に、白戸・もがり(葬送の虎落笛・g02018)が月白の尾を揺らして、問う。
「何事もなければ、彼らはまだ此処で暮らしていけたのに……奪うばかりの貴方達に、この地は似合わない。帰ってくれません?」
憂いを思わせる貌にあるのは、憐憫では無く。どちらかと言えば、物臭さだ。
問い掛けは、傷ついた神に、慈悲を向けるような雰囲気であったが――同時に、彼女の橙混じりの赤き瞳には――人々の脅威となりうる存在を許さぬ、という冷ややかな光を宿しているのだから、つまり、敵のいらえの種類と問わず、もがりの解も決まっているのだ。
「愚かな」
「ん、言ってみただけ。殺し合う以外ないよねえ」
だよねぇ、と気怠げに頷き、彼女は軽やかに距離をとった。
その周囲に砂が舞う。もがりを中心に、黄金の薄膜が浮かび上がり、大きく渦を巻いていた。
タウエレトは傷の代償――反撃の水流を、ディアボロス全員に範囲を拡大させて、放つ。
槌を振り下ろすや、一斉に放たれた水流を、もがりは砂嵐で受け止め、逸らす。鞆の操る水流とぶつかり合って、水飛沫が舞う。
獣神の周囲から、ディアボロス達が一掃された――かのように見えた。
一瞬にして、視界が砂嵐に奪われた。
堅い皮膚を削り取るような砂塵混じりの突風が起こり、実際、神の表皮を無残に傷つけていった。
「狙い通り、かな……取り敢えず、この台詞を言ってみようかな――皆、今だよ」
不意打ちの成功に、もがりが微笑して、そう告げるや。
赤い煙をあげるよう身もだえているタウエレトの周囲に、殺気が集う。
ひゅっ、と風を斬り太い矢のようなものが彼方より飛んでくる。頭を庇うよう腕を上げた神は盾を揺るがす衝撃に、わななく。
「いいザマだ」
浅く笑ったのは景臣。先制に持ち込んだ鉄パイプを投げつけ、注意と守りを上に誘導した彼は、低く構えた姿勢から居合う。
鞘から迸った剣閃は犀利と硬い皮膚を裂いた。振り抜いた一刀、銀の軌跡が消えゆかぬ間に、背後から、首元をざっくりと刺す蹴撃が襲う。
「さあ付き合えよ、てめぇの最後まで」
飛翔するアヤが無造作に脚を振るって、牙を突き立てたことで――夥しい血が巨躯から溢れ出す。
「お、おのれェ……」
神が苦し紛れに振り上げた槌は、妙に重かった。
「得物も図体もそんなに大きいとなると、頭上が弱い……中身も、ですかね?」
嘲弄を隠さぬ声音が天より降るが、仰ぎ見る暇はない。
扇を畳んで、口元に寄せた夏深が、哀れみを込めた眼差しで「神というならば」と窘めるように囁く。
「沢山の歴史と命を育んできたこの地の肥料となる――そんな終わり方を迎えるのも悪くはないと思いませんか? 新たな地へと向かう人々への餞に、その命を捧げて頂きますよ」
「あ、ああ!」
制止の意味を含んだ、意味の無い声をタウエレトは思わず零す。だが、楽しそうに笑った彼は、槌を蹴り上げ、鮮やかに蜻蛉を切って。
加速を載せた刃のように鋭い扇で、河馬の脳天に突き立てた。
獣神を退けても、集落に降りかかる災難、その運命まで変えることは出来ぬ。
苦渋の思いで故郷を捨て――ぞろぞろと砂漠へ列を成す人々の影を、飛翔したものは見ただろう。
その中央に気遣いを向けられながら歩む老婆が、苗を大事に抱えながら――振り返ることもなく歩んでいく様を。
彼らの決断に真実に応えられるのは、まだ先だ。
クロノヴェーダの支配を退け、安寧を取り戻す日まで。
(「覚悟をもって離れた人々にいつか――こんな不安とは無縁の日々が、訪れるとイイ」)
一度集落を振り返ったアヤは、ああ、と息を零し、目を細めた。
戦場で上がった水飛沫の名残だろうか。
捨てられたオアシスの集落に、幻のように浮かんだ微かな虹が――ディアボロス達の勝利を祝福していた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【土壌改良】LV1が発生!
【強運の加護】LV2が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】LV1が発生!
【ドレイン】がLV2になった!
【ロストエナジー】がLV2になった!
【アヴォイド】LV2が発生!
【命中アップ】がLV2になった!