霧の都ロンドン(作者 瀬和璃羽
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#幻想竜域キングアーサー  #ロンドンのドラゴン信仰を打ち砕け  #ロンドン 

●ロンドンの闇。
「ロンドンから次々と報告が来ています!」
 時先案内人の月読・栞は報告書の束にドーナツの袋を乗せながらディアボロスたちの前に現れた。
 その表情は嬉しそう……ロンドン市内は教区と呼ばれる区画に分けられており、司祭と呼ばれる者に管理されていた。
 竜鱗兵やドラゴンが常駐していないロンドンで、ディアボロスの関与が疑われないようパラドクスの力を制限し住民のドラゴン信仰を打ち破る。
 作戦が成功し、ドラゴン信仰から解放された教区はドラゴンに頼らない独自の道を歩み始めていると言う。
 このまま行けば、ドラゴンたちの実験は失敗……ロンドンの解放も近いと栞は告げる。

「今回起きているのは、司祭による切り裂き事件です」
 ジャークと呼ばれる司祭は霧に潜み切り裂き事件を起こし、ドラゴンの信仰にない者を手に掛けていると言う。
 司法は司祭の味方のため熱心な捜査は行われず、司祭が犯人だと言う証拠は見つからなくて事件は迷宮入りしていると告げた。
 住民は身を護るために毎日毎夜ドラゴンに祈りを捧げ、夜を怯えながら過ごしているのだと言う。
「一方で昼の司祭は優しく慕われており、犯人からは一番遠い人物だと言うことです」
 司祭の犯罪を暴くのと同時に、住民の間からドラゴン信仰を打ち砕く必要があるのだ。
 この事件も上手く使えるだろう。

「市民の食糧なども司祭を仲介し公平に配分されているため、司祭が信用を得ているようです」
 司祭の信用をどう崩すか……ドーナツを齧りながら、栞は告げるのであった。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
2
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【悲劇感知】
1
「効果LV×1時間」以内に悲劇が発生する場合、発生する場所に、ディアボロスだけに聞こえる悲劇の内容を示唆する悲しみの歌が流れるようになる。
【照明】
1
ディアボロスの周囲「効果LV×20m」の空間が昼と同じ明るさに変化する。壁などで隔てられた場所にも効果が発揮される。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【避難勧告】
1
周囲の危険な地域に、赤い光が明滅しサイレンが鳴り響く。範囲内の一般人は、その地域から脱出を始める。効果LVが高い程、避難が素早く完了する。
【友達催眠】
2
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【プラチナチケット】
1
周囲の一般人が、ディアボロスを関係者であるかのように扱うようになる。効果LVが高い程、重要な関係者のように扱われる。
【トラップ生成】
2
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【熱波の支配者】
12
ディアボロスが熱波を自在に操る世界になり、「効果LV×1.4km半径内」の気温を、「効果LV×14度」まで上昇可能になる。解除すると気温は元に戻る。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【使い魔使役】
1
周囲が、ディアボロスが「効果LV×1体」の通常の動物を使い魔にして操れる世界に変わる。使い魔が見聞きした内容を知り、指示を出す事もできる。
【口福の伝道者】
1
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【防衛ライン】
2
戦場が、ディアボロスが地面や床に幅10cm、長さ「効果LV×10m」の白い直線を出現させられる世界に変わる。敵はこの直線を突破できず、上空を飛び越える場合、最低「効果LV」分を要する。直線は戦場で最初に出現した1本のみ有効。

効果2

【能力値アップ】LV4 / 【命中アップ】LV4 / 【ダメージアップ】LV7 / 【ガードアップ】LV2 / 【反撃アップ】LV5(最大) / 【アクティベイト】LV2 / 【先行率アップ】LV1 / 【ダブル】LV1

●マスターより

瀬和璃羽
 皆さんこんにちは、瀬和璃羽です。
 今回はイギリス南部の大都市、ロンドンへの潜入となります。

 ロンドンの街は幾つもの教区に分れており、今回潜入する教区もその中の一つになります。
 霧の発生している間だけ現れる切り裂き魔……その正体はジャーク司祭その人なのですが、証拠が見つからず、また信頼された人物なので捜査の手も及んでいません。
 被害者はいずれもドラゴンへの信仰が無い、もしくは薄い者であり、住民たちはドラゴンを信仰することで身を護ろうとしております。
 そんな二面性を持つ司祭を何とかし、この教区からドラゴン信仰を打ち破ってください。

 皆さんに注意して頂きたいのは、『パラドクス』及び『パラドクス効果』をなるべく使わないようにしてください。
 何故かと言いますと、ドラゴンはこのロンドンを実験場にしております。
 その実験が「失敗」したのと「ディアボロスの介入で失敗」したのでは大きな違いがあるからです。
 ディアボロスの介入ではなく、ドラゴンたちによる実験の結果失敗したのであれば、ドラゴンたちはロンドンを……そして同様の実験を諦めるでしょう。
 ただし、それがディアボロスの介入による失敗であれば防備を固め実験を再開するか、別都市で行うかも知れません。
 ドラゴンたちの企みを完全に失敗させる意味でも、パラドクスをなるべく使わずに司祭による支配を打ち砕いて下さい。

 それでは皆さん、どうぞよろしくお願い致します。
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このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


アンゼリカ・レンブラント
今度の司祭はドラゴン関係なしに
絶対懲らしめないとダメな奴だね

パラドクスが使えたら抑えるのも簡単だけどね
関与が疑われないよう住民に立ち上がって貰う

まずは潜入だよね
これまでの他の教区での作戦同様
他の教区から引っ越してきた者を装い
市民の食糧が配分されている所などに居合わせよう

「司祭様は信頼されているんだね」
「夜は霧が深いとか、それではさぞ夜は怖いでしょう」
「私はこちらの地は不慣れです、
宜しければ司祭様のお傍で夜を安全に過ごしたいのですが」

等と夜切り裂き魔としていなくなるはずの
司祭に近付けるアプローチを試みよう

他、切り裂き事件の被害者に
本人が亡くなっているならご家族に…
犯人に心当たり等聞けたらいいかな


ナイナ・ヴィラネスティズム
※効果不使用
※味方との情報共有を意識

事前準備として録音機器を懐に隠しておく

恐怖は人の支配に必要な感情ですもの
信仰と絡み合わせる方法をよくもまあ思いついたものですわ

まずは他の教区から出向してきた修道女としてジャーク司祭様に会ってみましょう
お目通りが叶えばお話をする上でどのような人柄・性格・仕草等を把握、
同時に懐の録音機器で司祭様のお声を記録
こちらの方で犯人が最初からわかっているのならば、他者に公開できる証拠たる要素を一つでも多く得たいですの

司祭様の情報が集まれば次は慰問の名目で被害者達に接触、
犯人について・・・例えば声や仕草等の特徴があったかをそれとなく尋ねる

必要ならば録音した司祭のお声も使う


文月・雪人
※アドリブ連携歓迎

切り裂きジャークの事件とな?
流石霧の都というべきか何というか
ドラゴン信仰は元より厄介だけど
凄惨な事件が人の手で行われているというのもまたやるせないね
被害を止めるためにも、出来る事を頑張ろう

引っ越してきた市民を装い潜入
仲間と情報共有し連携して行動する

世話好き噂好きな住人に話を聞き、事件の概要を確認する
熱心でなくとも事件捜査が行われているなら、その担当者の事も調べたい

被害者の家もお見舞いに訪ねよう
事件の真相を知りたいと思っている様子があれば
その気持ちに寄り添う形で協力すると申し出る

被害者達は何故不信人者と見做されたのか
当日の行動や、使われた凶器なども
知る限りの情報を教えて貰いたい


一里塚・燐寧
うひゃー、厄介なのが来たねぇ
ロンドンでも1000年ぐらい時代がズレてるよぉ
犯人が分かってるなら暗殺……いや、替え玉が手配されるだけか
めんどくさいけど、地道に裏を取ってこーか

殺人事件の情報収集に専念するよぉ
見舞いの品としてお菓子や花を持ちこんで、被害者の遺族に聞き込みを

近頃の事件ってさ、なんかお巡りさんがロクに動いてない気がするんだ
街の仲間が殺されてるのにこれ以上黙ってられないよぉ
解決のために……辛いこと思い出させるみたいで、凄く申し訳ないんだけど
亡くなった人の話、聞かせてくれないかなぁ

対話を通じて
・被害者の言動・職業・身体的特徴等に傾向や共通点がないか
・犯行現場の分布
・推定犯行時間
等を探るよぉ


ザイン・ズワールド
表は信頼され、裏では忌まわしき悪事に手を染める。
推理小説だったらまっさきに疑われる配役だろうに。
『明白な事実ほど誤解を招きやすいものはない』というからね。
ベーカーストリートの名探偵よろしく、まずは情報収集をしようではないか。
ま、彼は後の世の創作だけどね。

司法が司祭と通じているのであれば、司祭のことは司法に聞くのが良かろう。
できるだけ身なりを汚し、明らかに浮浪者に見える格好で俺は司法機関(警察署みたいなものがあるのかもしれない)の前で物乞いをしよう。
教に見捨てられた、司祭はとんでもないヤツだとでも泣き叫べば、一般人である司法の人は司祭がどれほど素晴らしい人物であるか説いてくれるのではと思うんだ。


ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎

事件から一番遠いと思われた存在が犯人とは、ありがちですね
まずは事件の情報収集から始めましょう

引っ越してきたばかりで、この教区に不慣れな市民を装います
事件の噂が立っていれば、不安そうな顔で話に混ざり
過去の事件が起きた場所や時間帯を聞き出しましょう
ついでにドラゴン信仰の薄い人達が貧民街等で纏まって生活していないかも確認しておきます

必要な情報が得られたら、現場検証へ
事件現場に共通する特徴
司祭の居る教会からの距離、人目につかない場所、時間帯
それらを総合して、次の事件が起こりやすい場所の目星をつけます

あとはドラゴン信仰の薄い住民が狙われないかを張り込む
犯行が起これば飛び出して庇います


ガートルード・シェリンガム
やあ、たわわなドーナツのお嬢さん
最近よく会うけど、お嬢さんと会うときは、なぜか……毎回、お仕事なんだよね

それにしても、司祭が切り裂き事件ねえ
素顔を隠すための仮面としては……お誂え向きかもね

旅人が偶然、噂話を耳にした体で……噂話の輪に入り情報収集
「怖いわぁ……どんな人達が犠牲になってるのかしら」

とか、怖がってる風で話題を振って、不信心者でも更に狙われる条件がないか探ってみよう
例えば……若い娘の細い喉を切り裂くのが好みとか
女性にモテる色男が、二度と見られないような顔になってたとか

歪んでる奴は、とことん歪んでるから……

まあ、狙われやすい特徴があるなら、囮も立て易い
金髪娘が狙われ易いとか……ないよね?


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
アドリブ連携◎

平民の服装で新参の住人として振舞う
ラズ(g01587)と協力し、被害者となるよう仕向けよう

教会の付近や広場、街のあちこちで声高に話し
信仰薄い姿を印象づける

ドラゴン様に祈りを捧げない奴が殺されたって?
それは嘘だろう
俺達は、そんな話聞いたことないな
そんなに一生懸命、祈らなくたって平気さ
じゃあ試しに今夜出歩こうか

実際に襲われた場所や時間帯、状況の傾向等も聞き込み
仲間と情報交換を

霧の中、襲われやすい状況で歩き回り、実際に襲わせる
司祭の衣服の端や、頭髪、凶器、何かの物的証拠を押さえたい
喋る声や服装も確認
血糊代わりのペンキを浴びせ、呻き倒れる演技
ラズとは場所を手分け
襲撃なければ目撃者になろう


ラズロル・ロンド
アドリブ連携歓迎
効果は使わず
エトヴァ(g05705)と行動

被害者になる心持ちで
他の教区から引っ越してきたドラゴン信仰の薄い信徒として
教区に潜入します
ドラゴン様ってもねぇ~
など信徒が聞けばヒヤっとしそうな話を区内でボヤキ周り
司祭に目を付けられる素振りをしていこう
司祭の前でもそんな態度で周辺住人も含めて印象付けたい
他の信徒から信仰心の薄い者の末路が聞ければ小声で詳しく情報収集

仲間と情報共有しつつ別行動で現場確認
エトヴァとは程近い別ルートで襲われやすい状況を作り
被害者になれば血糊で派手に被害演出
出来れば司祭の服の裾など物的証拠をゲットか
逆に司祭に取れない血糊をべったりなど証拠付けし
現場を作り潜む


アイネリス・レナリィ
アドリブ絡み歓迎

司祭のみならず、人々を守るべき司法が悪事に加担しているとは、甚だしいにも程がありますね……
とにかく、これ以上の被害を出さぬためにもきっちり追い詰めてやりましょうか。

他の教区から来た新参者を装い進入
今回は少々目立っておいた方が都合が良さそうですね
囮になる事も視野に入れ、不信心者を演じます

犯行に及ぶ場所や標的に偏りがあるかも知れません
噂を頼りに事件が起きた場所、信仰心が低い以外に被害者の特徴や共通点が無いか探ってみましょう

捜査の抜けがあるかもしれませんし
情報を元に犯行場所へ向かい、何かしらの痕跡が無いか調べておきます


コンスタンツ・トパロウル
ふーん
いい子ちゃんのフリして、裏では通り魔ねえ
まあ、司祭なら辻斬りじゃないだろう

そうなれば……屈強な相手よりも、自分より弱い相手を狩って、悦に入ってる感じかな

ところで、栞の今日のドーナツは何だい?

まずは、旅人に扮して、奥様方の井戸端会議に耳を傾けようか
そして、例の切り裂き事件の話題が出たら、

「そいつは物騒な話だね」
「どんな不信心者が、やられたんだい?」
「やっぱり、女性やひ弱そうな相手が狙われたりするのかな?
それとも、屈強な男でも狙われてるの?」
「やられた人って……みんな、死んじゃったのかな?
それとも、怪我で済んで、今では悔い改めたとか?」

等と聞き込み
面白い情報が聞けたら、仲間と集まって情報交換


●切り裂き魔のいる街。
「今度の司祭はドラゴン関係なしに、絶対に懲らしめないとダメな奴だね! パラドクスが使えたら取り押さえるのも簡単だけど……私たちの関与が疑われないよう、住民に立ち上がって貰わないと」
 そう告げると気合いを入れるべくグッと拳を握り腹筋に力を入れたアンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)は、まずは食料の配給所へと向かう。
 そこではジャーク司祭が中心となり、住民たちに公平となるよう製粉した麦を配っていた。
 配給を受け取るための長蛇の列に並びつつ、引っ越して来たばかりの新人を装いアンゼリカは住民に話しかける。
「長い列に文句も言わず、分配に揉めたりもしていない……ここの司祭様は信頼されているんだね」
「ええ、とてもお優しく公平な方です、争い事が起きても直ぐに治めてくださいます」
 一歩、二歩と進みつつ会話を続けるアンゼリカ。司祭が近づいて来たところで本命を切り出した。
「そう言えば夜は霧が深いとか……それではさぞ夜は怖いでしょうね」
「ええ、霧の夜は切り裂き魔が出ます。司祭様や衛兵様が追ってはいますが、まだ捕まらず……」
 話していた相手がそう言ったところでアンゼリカの順番が来た。
 話し声は司祭にも届いていただろう……配給の小麦を受け取りながら、彼女は司祭に話しかける。
「司祭様、聞いておりましたでしょうか? 私はこちらの地は不慣れです。よろしければ司祭様のお傍で夜を安全に過ごしたいのですが」
 アンゼリカにそう尋ねられ、ジャーク司祭は優しい表情を浮かべる。
「迷い子よ、そう言うことであれば教会の礼拝堂で過ごすと良いでしょう。礼拝堂はドラゴン様に見守られておりますし、夜も祈りのために開いております」
「ありがとうございます、そうさせて頂きます」
 流石に司祭にべったり張り付くのは無理か……そう心の中で思いつつ、アンゼリカは教会が二十四時間開いていることを知る。
 また祈りを捧げるために、夜にも人がいると言うことも分かった。
 これは使える情報だろう……心の中でメモすると、それぞれに動く仲間たちと合流するためにその場を後にする。
 確か被害者の遺族に合っている者たちも居た筈だ。何か情報が得られたかも知れない。
 絶対に化けの皮を剥がしてやる……微笑みつつ配給を配るジャーク司祭を振り返りつつ、アンゼリカは走り出した。

 アンゼリカが配給の列に並んでいたのと同じころ……文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)は衛兵たちの詰め所へと赴いていた。
「協力してくれるとは、助かる……住民たちの信仰具合とかは我々では把握しきれないところがあってな」
 衛兵たちが言うには、切り裂き魔の出現は霧の夜……ドラゴン様を信仰しない背教者や、それに準ずる者が狙われている。
 そのため日々の巡回の際にドラゴン様を信仰しない背教者や不信心者を見つけ、それを司祭様に報告するのが彼らの役目だと言う。
 そして司祭様がその者を訪問したりし、ドラゴン様を信仰するよう教えを説いて被害を未然に防ぐ。
 だが全てが上手く行くこともなく……ドラゴン様を信奉しなかった者は切り裂き魔の餌食になってしまっていると教えてくれた。
「被害者がドラゴン様を信仰していないと判断したのは司祭様なんだね」
「そうだ、司祭様が直接訪問し改宗するよう話して、それでも信奉しない者が被害にあっている」
 雪人の言葉に、衛兵がせっかく司祭様が直接お話して下さったのにやるせないと答える。
 被害者のリストを見せて貰った雪人だが、リストに共通する項目……性別や外見、年齢などは見当たらなかった。
 ただどの被害者も司祭の訪問のあとに殺されている。
 獲物は……報告書に書かれた切り口から見てナイフだろう、それもかなり鋭い物。
 それで何度も身体を切られ、最後に頸動脈を切り絶命している。
 ……楽しんでいるのだろうか? ふとそんな気がした雪人が衛兵に尋ねようとしたその時、外から慌ただしく入って来る者がいた。
「大変です、街でドラゴン様を批判する者たちが居ます!」
「なにっ!? 次の被害者になるかも知れない……状況を確認して司祭様へ報告だ! 君、すまないね。そう言うことなので……ここにある資料は自由に読んでいいからね」
「あっ、はい。衛兵さんもお気をつけてだよ」
 雪人が見送るなか、衛兵たちは出動していく。残された雪人はそれではありがたくと資料へと向かい合う。
「当日の足取りとかは書いてあるかい? あったあった。うーん、飲んでたり食事に行ってたり、買い物に出かけてたり……一貫性がないけど外出したってのは共通だね」
 室内で犯行が行われたと言う記録はない。事件は全て屋外で起こっていた。
 そして全てが霧が出た夜……衛兵の話を聞く限りだと昼は真面目な司祭、だが霧が出ると人が変わるのだろうか?
 そんなことを考えつつ、雪人は分厚い報告書を読み進めていくのであった。

「司祭に見捨てられた! 司祭はとんでもない奴だ!!」
 衛兵の詰め所の前で浮浪者に扮したザイン・ズワールド(剣・g09272)が泣き叫ぶ。
 慌てて詰め所から衛兵が飛んできて、どうしたと彼女に話しかける。
「お前、聞いてくれるか? 俺はただ……」
 司祭についてあることないこと言いふらすザインに、衛兵は困り顔で兎に角詰め所で話を聞こうと彼女を起こす。
「いいかい、司祭様がそんなことする訳ないだろう? 何かの勘違いだ……」
 衛兵は如何に司祭が素晴らしい人物であるかを語ってくれる。
 とても理知的で公平、困っている者には救いの手を差し出す。
 ドラゴンの教えに従わない者にも優しく教えを諭し、導いてくれる。
 そんな人物がおかしなことをする訳ないだろうと。
「(表では信頼され、裏では忌まわしき悪事に手を染める……か。推理小説だったらまっさきに疑われる配役だろうに。『明白な事実ほど誤解を招きやすいものはない』だな)」
 こんこんと司祭について話す衛兵の話を聞きながら、ザインは内心そう考える。
 念のため複数の詰め所で同じことをしてみたが、細部は違うが答えはほぼ一緒であった。
「分かった、司祭様がそんなことをする訳ないだろうとは思ってた……俺の勘違いであったか」
「そうだぞ、司祭様はドラゴンの教えを広め、この街の住人を護って下さっているんだ」
「この街を……護る? そこを少し聞いても良いかな」
 何気なく呟いた衛兵の言葉に引っ掛かりを覚え、ザインは彼へと詰め寄る。
 詰め寄られた衛兵は、あまり広めるなよと小声で彼女に教えてくれた。
「この街の切り裂き魔の話は聞いたことがあると思うが……被害者には司祭様がドラゴンの教えを護る様に話に行っているんだ。そこで教えに従った者は被害に遭わず、従わなかった者が……司祭様のお気持ちを考えると、俺も辛くなるよ」
 被害者に直接司祭が話に来ている……何という証拠だろう。ザインがベーカーストリートの名探偵であれば、踊り狂って喜ぶシーンだろう。
 事前に品定めをしているなら、殺す殺さないも自由に選べるだろうから。
 ザインはふ、ふふっと笑いを堪えるのを必死に堪え、詰め所を後にする。

「うひゃー、厄介なのが来たねぇ……同じロンドンでも千年ぐらい時代がズレてるよぉ」
 街を歩きながら一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は頭を抱える。
「犯人が分かっているなら暗殺……いや、それじゃ住民がドラゴンの教えから解放されないか。めんどくさいけど、地道に裏を取ってこーか」
 ふぅと大きくため息を吐き出すと、燐寧はブルブルと頭を振るい思考を切り替える。
 そうして彼女は途中の雑貨屋でお菓子と花を買い込むと、切り裂き事件の遺族へ会いに行く。
「近頃の事件ってさ、なんか衛兵さんがロクに動いてない気がするんだ。街の仲間が殺されてるのにこれ以上黙ってられないよぉ……! 解決のために……辛いこと思い出させるみたいで、凄く申し訳ないんだけど、亡くなった人の話し聞かせてくれないかなぁ」
 お菓子とお花を渡しながら、燐寧は遺族に声を掛ける。
 遺族も捜査が進んでいないことに苛立っていたのか、花を花瓶に生けながら燐寧の話に乗ってくれた。
 そうして被害者宅を何件か回ったが、ドラゴンの教えに従っていない以外に共通点が見つからない。
「あの子は私たちは自立すべきと常々言ってたから……」
「ドラゴンの教えには従わなかったのぉ?」
「司祭様が来たらしいけど……あの子なら従わないわね」
 遺族は亡くなった者たちは常々自由に生きたい、そう告げていた。
 燐寧は仲間が……雪人が入手した被害者のリストをペラペラと捲る。
 それ以外の共通点と言えば……特に男女による被害者数の差はなく、職業や体格にも一致する点はない。
 あえて強引に当てはめるなら極端な大小のない一般的な体格をしている、と言うことぐらいだろうか。
 犯行現場の分布も地図で見る限り法則性は感じ取れない。
 犯行時間も霧の出ている夜の間と言うことで幅広く、特定出来ない。
 逆説的に言えば日中や霧の出ていない月夜の夜などは犯行が行われないと言うこと。
「今日は……霧が出そうだねぇ」
 嫌な予感がする。燐寧は足早に次の家へと回るため自然と速足になる。

「事件から一番遠いと思われた存在が犯人とは、本当にありがちな話ですね」
 街での聞き込みを終えたソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)は現場検証へと向かう。
 地図では分からない、現場にでしか分からない情報……それを求めて彼は街中を走る。
「……どの位置でも、教会が見えるんですね」
 教会は街の中心にあるからだろう。現場に立ってみるとどの犯行地点からも教会の姿を見ることが出来る。
 ただこれは事件に関係あるのか、とりあえず頭の中のチェックリストに書き込んだソレイユは他の情報を求める。
「実際に立ってみると、この狭さで霧が出ると近づかれても分からないでしょうね」
 現地を見ると犯行現場の建物の間隔は狭く、濃い霧が出れば路地は隠れてしまうだろう。
 被害者がここを通ると分かっていれば、もしくは迷い込んだとしたら……絶好の狩り場だ。
 音もなく近寄って、ザクッと切り裂く……何度も、何度も、絶命するまで。
「この事件とこの事件、時間は違いますが場所は同じなんですね」
 報告書を捲りながら、事件の場所を確かめていたソレイユはふと気づく。
 犯行時刻は違うが狭い都市内だ……犯行現場が同じこともあるのだろう。
 これも脳内のメモリストに付け加えておこう。今は情報の蓄積でしかないが、何かに使えるかも知れない。
 例えば犯人を誘き出す時に……。
 それにしても、時間が経っているせいか物証は残っていない。
 勿論ソレイユとしても犯行に使ったナイフでも落ちてればラッキー程度の考えであったが、流石に物的証拠は全て衛兵に回収されてしまったようだ。
「でも、この通りならナイフで充分でしょうね……長物を振るうには狭すぎて、接触するほど近寄らないと視界が効かない……入手し易さも考えれば、まさに犯行にピッタリの武器です」
 だがそのナイフを作った者にしても、犯罪で使われるとは思ってもみなかっただろう。
 楽器を作る者にも心があり、それが音色へと繋がる。特にピアノはそれが顕著だ。
 常日頃それを感じ取っているソレイユにとって、不本意な使われ方をした道具の気持ちが痛いほど分かる。
 許されない犯罪で命を落とした被害者、そしてその事件に使われたナイフのためにも、一刻も早く立証しなくてはならない。
 ソレイユは証拠を探し、日が落ちるまで事件現場を捜し歩く。

「聞いてよ、たわわなドーナツのお嬢さんに会うたびに仕事の電車に乗ってるのよ!」
「ふーん、栞、今日はなんのドーナツを食べてたのかな?」
 ガートルード・シェリンガム(転生者の妖精電脳騎士・g09370)の訴えに、ふーんと聞き流すコンスタンツ・トパロウル(生き残りの撃竜騎士・g05674)はあんパンを食べる。
 聞いてくれないコンスタンツの姿に、ガートルードは話題を切り変える。
「それにしても、司祭が切り裂き事件ねえ……素顔を隠すための仮面としてはお誂え向きかもね」
「あんた、ちゃんと話は聞いてるんじゃないか……とりあえずあたしたちは井戸端会議に潜入だ」
 歩きながら人の群れを見かけると飛び込み話題に加わるコンスタンツの姿に、ガートルードは流石と圧倒されながらも自分も人垣へ加わっていく。
 コンスタンツは旅の者として会話に加わり、話題を提供しつつ誘導していく。
 そして見事に切り裂き事件の話を釣り上げた。
「ほぅ、そいつは物騒な話だね」
「怖いわぁ……どんな人たちが犠牲になっているのかしら?」
「ドラゴン様を信じない不信心者がやられたんだって」
 コンスタンツとアイコンタクトを取りながら、ガートルードも情報を引き出そうと会話に加わる。
「狙われる人に特徴はあるの? 例えば美人が狙われるとか……私も狙われちゃうなら怖いのよ」
「美人かどうかは兎も角、襲われる人はドラゴン様を信じてない人、としか言えないなー……あ、美人ですよ、お姉さんは」
 ガートルードにギロっと笑顔を向けられ、口を開いていた男は慌ててあんたは美人だと付け加えた。
「こいつが美人かは兎も角、女性やひ弱そうな相手だけじゃなく屈強な男でも狙われてるのかい?」
「ああ、特に区別はないようだ……だから恐ろしい訳なんだけどな」
 コンスタンツの問いかけに、そう男は答える……あくまでも狙われるのは背教者や不信心者に限定されるとは言え、老若男女問わずに霧に紛れて襲うと言うのだ。
「霧が出る夜は出歩かない方が良さそうね……」
「ドラゴン様を信じていれば大丈夫さ! もし不安なら司祭様に相談すると良いかもな、話しを聞いてくれると思うぜ」
「そうだね、不安が治まらなかったらそうさせて貰おうか」
 夜は出歩かない方が良いと不安がるガートルードに男はドラゴンを信じていれば襲われないさと太鼓判を押す。
 もしそれでも不安なら司祭様にドラゴンを信仰していることを伝えれば、安心出来る言葉をきっと貰えると気楽に告げられ、コンスタンツが考えとくよと返答した。
 集団を離れ、二人っきりになるとガートルードはコンスタンツに話しかける。
「皆さん、ドラゴンを信仰しているのかあまり不安がってませんでしたね」
「ああ……司祭としてはドラゴン信者を集めれて目的達成、と言うところだね」
 ただ目標を達成したら犯罪が終わるのか……それは誰にも分からない。
 今言えることは、この街では切り裂き魔に襲われないためにドラゴンへ祈る者が多い、と言うことだけだ。
「さて、そろそろ良い時間ですの、皆さんと合流しますよね? あら、何やら騒ぎが……」
 ガートルードがそう言いかけると、街の中心で何やら騒ぎが起きている。
 二人は何だ何だと人だかりの中に紛れるのであった。

 ガートルードとコンスタンツが人混みに揉まれる少し前……ナイナ・ヴィラネスティズム(凱閃令嬢・g00383)は配給を終えた司祭の元へと向かっていた。
「(レコーダーのスイッチは入れましたわ……犯人の証拠たる司祭の声、録音させて頂きますの)」
 彼女はドラゴンに仕える修道女の姿をすると懐にレコーダーを隠し、他の教区から出向してきたとジャーク司祭に面会を申し込む。
「私はナイナと申しますわ、ドラゴン様に仕える修道女の見習いとして、ジャーク司祭様の元で修行するよう言われて来ましたの」
「ようこそ、ナイナさん。沢山勉強して行ってくれればドラゴン様もお喜びになりますでしょう」
 スカートの裾を掴み一礼するナイナに歓迎の意を表すジャーク司祭。
 特に怪しい感じはしないが、彼は恐怖により人を支配し信仰と絡み合わせる方法を思いついた悪人……ナイナは油断しないよう心掛ける。
「司祭様? お目通り叶えて嬉しいのですが……街の人はとても素晴らしいお方だ、と仰られておりましたが、私は実際にお話するまでは信用しないことにしてますの。よろしければ少しお話させて頂いてもよろしいかしら?」
「ええ、勿論……丁度街の方から頂きましたお茶があります。火急の用件もありませんし、それを飲みながらお互いの理解を深めましょう」
 そう言って司祭は自らお茶を淹れると、ナイナの前にカップを差し出す。
 そこからはナイナとジャーク司祭の問答が始まる。住民たちへの対応からドラゴンへの信仰まで。
 息をも付かせぬ言葉の鍔迫り合いに、段々とナイナは楽しくなってくる。
 問答を通して分かったのは、この司祭は善の塊みたいな存在だと言うこと。とても切り裂き魔と言う凶悪犯罪を起こすような気配は微塵も感じ取れない。
 それだけ隠蔽が上手いのか、それとも……ナイナは何かが引っかかる、そんな時司祭室に修道士が駆けこんで来た。
「お話し中すみません、衛兵からの連絡で……街に不信心者が現れたとのことです」
「よろしい、私が直接お話しドラゴン様の教えを説きましょう」
 これはチャンス、そう考えたナイナは反射的に司祭に申し出る。
「私も参りますわ!」
「……良いでしょう、着いて来なさい」
 そうして二人は街へと向かう。街の大広場……そこではドラゴンへの不信心者と衛兵とが揉み合い、それを見物しに人だかりが出来ていた。
「ドラゴン様に祈りを捧げない奴が殺されたって? それは嘘だろう。俺たちはそんなあ話聞いたことないな!」
 そこに居たのは、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)とラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)……そしてアイネリス・レナリィ(黒鉄の魔女・g01781)の三人。
「だから、不信心者は切り裂き魔に襲われるんですよ! あっ、司祭様!!」
「ご苦労様です、この者たちとは私が話しましょう……ドラゴン様を信じてないと」
 エトヴァと衝突していた衛兵が道を開け、ジャーク司祭とナイナを三人の前に通す。
「ああ。僕らはドラゴン様に直接お会いしたこともないからね。お恵みって言っても司祭様が配給してるんだよね、信仰関係なく」
「司祭様はドラゴン様にお会いになったことはあるのですか? 無いのでしょう……そんな物を信じろと言われましても」
 ラズロルとアイネリスが司祭に問いかけると、確かに司祭はドラゴン様にお会いしたことはないと回答する。
「ですが、ドラゴン様は私たちを見守ってくれております……現にドラゴン様を信仰する者には切り裂き魔の魔の手は及んでいません」
「ですから、俺たちはそんな話聞いたことない。それなら今夜試しに出歩いて見よう、丁度今夜は霧が出そうな夜だ」
 いけませんと必死に止める司祭を無視し、三人はその場を後にする……残るナイナは、司祭が何事かぶつぶつと呟いているのを耳にした。
 後から録音を確認すると、それは「ドラゴン様を信じない不信心者め……ドラゴン様よ、彼らにお力を分からせてください」と告げていた。

「さて、実際に犯行が行われた現場に来た訳だが……凄い霧だな」
 夜の路地に立つエトヴァは霧の濃さに辟易する。隣に立っているはずのラズロルの姿が白く隠れて見えないぐらいだ。
「ここから僕は別ルートを取るよ、アイネリス君も気を付けてだよ」
「はい、何かあれば声を上げます」
 姿は見えないが、ラズロルとアイネリスの声が聞こえる……霧の中三手に別れ、襲撃を待つ。
 誰に来るか……背丈だけを考えると俺の可能性は低いだろうな、そうエトヴァは読む。
 ラズロウとアイネリスは背丈がほぼ変わらない、なら一番殺しやすいのは……そんなとき、アイネリスの声が上がった。
「ビンゴだ!」
 エトヴァとラズロウは声の元へと同時に駆け出す。
「エトヴァ、こっちだ!」
 霧の中、ラズロウの声がエトヴァを導く。
 駆け出した二人だが、到着する頃には全てが終わっていた。
 彼らが来る直前、霧の中を歩いていたアイネリスの胸元目掛けナイフが踊る。
 だがディアボロスの強き肉体に素人のナイフ程度では、不意を打たれたとしても文字通り歯が立たない。
「待ちなさい!」
 攻撃が通じないと分かった瞬間、白い影は逃走を始める。
 その影を捕まえようと手を伸ばすが……掴んだ白いマントはスルリとその身から剥がれ手元に残る。
 次の瞬間には影は白い霧の中に隠れ、もう気配が掴めない……逃がしましたか、そうアイネリスは悔しそうに呟くのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
【友達催眠】LV2が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
【悲劇感知】LV1が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
【飛翔】LV2が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
【アクティベイト】LV2が発生!
【ダメージアップ】LV4が発生!
【命中アップ】LV3が発生!

ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎

これだけ信用されているなら
やはり現行犯を押さえるしかありませんね

配給所に司祭が出ている時を見計らい
ドラゴン不信者を演じます

皆さん、目を覚ましてください
ドラゴンの教えなど紛い物です
食料を無料で貰えたら、信じて良いのですか?
施すべきは上辺の支援ではなく、施されずとも自分達の手で稼げる制度の配備の筈
皆さんを家畜のように飼いならす事で、富を得る者が居るということに他なりません
一度冷静に考えてください
ドラゴンを、司祭を信用して良いのか、と

あとは霧の夜
複数回事件が起こった路地に誘い込みます
念の為、防刃ジャケットを外套の下に着込み
逃走経路も確認
襲いかかってきたら、雪人達と協力し取り押さえます


ガートルード・シェリンガム
仲間を襲った奴は、逃げちまったようだ
さすがに、簡単には尻尾を掴ませないか

犯行時刻は変わっても、現場は変わってないようだし……司祭の犯行に協力者が居るなら、現場の側に潜んでるんじゃないかな
もしくは、いつも最初に駆けつける衛兵とか……証拠隠滅には、適任だよな

そういった奴が居ないか、犯行現場付近に隠れて、頻繁に現場付近に出入りする奴が居ないか調べてみよう
付近の住民でも、協力者の可能性は拭えない
警戒するに越したことはないな

とりあえず、現場近くの空き家にでも隠れよう
空き家を見つけたら、近くの木箱やらを足場にジャンプして、屋根伝いに侵入
既に先客が居たようなら、屋根裏にでも隠れて盗み聞きしたり監視してみる


文月・雪人
アドリブ連携歓迎

まるでジキルとハイドだね
凶行は抑圧した感情の発露でもあるのだろうか
発覚を恐れるなら共犯の線は薄いのかも
しかし印象がここまで違うと
言い逃れできない決定的な証拠が必要そうだ

捜査の衛兵は司祭を信じ切っているけど
寧ろ司祭の為に犯人を捕まえようと説得し
犯行の一部始終を目撃して貰いたい

■衛兵
切り裂き魔はお優しい司教様を嘲笑うかの様に犯行を続けている
このままでは司教様の心労が絶えません
私達の手で密かに捕まえて凶行を止めましょう!

■逮捕
囮役のソレイユ達と連携
過去の捜査資料で逃走経路を推理の上で
誘導場所付近で衛兵と共に隠れて待機
衛兵の安全を確保しつつ
犯行現場を共に目撃して貰い
犯人を現行犯逮捕する


コンスタンツ・トパロウル
こいつは……あたし達だけで、犯人の司祭を捕まえても、シラを切り通されたら……信頼度的にこっちが不利だね
となれば、衛兵や他の市民にも目撃して貰わないと厳しいか

だが、衛兵から警戒が筒抜けになってもいけない
衛兵や市民には、
「司祭様のご心痛を、これ以上増やしちゃいけない
あたしら有志と衛兵さんとで、こっそり通り魔野郎を捕まえよう!」

とか言って、衛兵や街の男集の有志で、現場付近に潜んで監視し、事件が起きたら手分けして通路を封鎖
逃げようとする通り魔野郎を、有志や仲間と協力して確保しよう

もし、逃げられても……何か決定的な証拠
例えば、司祭の大事な十字架や法具に返り血が付いて残ってたら……布に包んで確保するように


アイネリス・レナリィ
アドリブ絡み歓迎

さて、一度狙われたのなら後は容易い話です。
こちらを捨て置くとも考え難いですし、もう一度来て頂くとしましょう。

狙いをこちら以外に向けられても困りますから、一芝居打っておきます
『霧の夜に出歩いたが無事だった』と司祭の耳に入りそうな形で周囲へ吹聴
まあ、実際には襲われましたが……無事には変わりないので大差ありませんね
なるべく目立つように振舞い、狙いをこちらに絞るように仕向けましょう

今度は確実に捕らえておきたいですね
開けた場所は避け、行き止まりなど逃走経路が絞られる地形へ司祭を誘導
襲撃の際は逃走経路を塞ぐように回り込みを試みます
味方との連携が出来れば経路の遮断はそちらへお任せしましょう


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
工作は相方のラズ(g01587)に任せて、後で合流を

俺は単独で教会へ司祭を訪ね、話を聞こう

司祭様。
昨夜は……俺も襲われていたらと思うと怖くなって……

実の所、配給に頼りきりなのが心配で
住民も自立した方が良いのかと考えて……あんな事を

時に司祭様……何か変わった事や習慣はない?
薬や、変わったものを飲食していないか
霧が出る夜の習慣とか……
昨夜はぐっすり眠れましたか?
そういえば、白いマントはお持ちで?

二面性、異常な殺人
彼は信心深さのあまり、一種のトランス状態とか……

夜の間、礼拝堂で祈ります、と伝え
司祭に動きがあれば後をつけるか
不在の間に、血つきの衣裳やナイフ、隠し部屋がないか見ておこう


ラズロル・ロンド
アドリブ歓迎
エトヴァ(g05705)とは後で合流で別行動

仲間が犯人に襲われた事実はあるし…信仰低下を狙うなら
吹聴して回るかな?

僕等…昨夜切り裂き魔に襲われたんだ
信仰に不審を持ってるのは知ってるだろ?
切り裂き魔は白いマントを着て仲間を襲った…駆けつけた時には逃げられたけど…
僕は司祭が怪しいと思ってるよ
僕等を窘めたのは司祭自身だし…もし司祭がやっていたら私刑じゃないか?
信仰が無ければただの殺人者だよ?

司祭の近辺調査も
昨夜見た白いマントは無いか
司祭自身にも
白いマントの事を問い詰め
ドラゴン信仰が無くとも無事である事を民の前で伝えよう
どんな反応をするかな?

思いっきり煽り市民の前で強行に及ばさせるのも可


一里塚・燐寧
いやー、イカれてるくせに警戒心の強いヤツだねぇ
でも今度は逃がさないよぉ

司祭を捕まえる作戦の大筋には賛成だよぉ
さて……余所者や新参者ばっかりが「あいつが悪い」って言っても、心証が悪いでしょ
そーゆーわけで、夜に司祭を捕まえる時、遺族の中でも事件解決への熱意が強い一人に同行してもらうよぉ
露骨な囮を出してるから遺族さんは狙われないと思うけど
≪マチェーテ≫を持ち歩き、周囲に注意を払ってしっかり警戒しとこう

囮が司祭に刺されるまでの間は、目立たない路地に身を隠す
ついでに司祭が逃げそうな方向のうち1つも、待機することで抑えとこう
司祭がこっちに来るなら逆に不意打ちし、首を掴んで捕縛するよぉ
さ、どう料理されたい?


●真実は霧の中。
「皆さん、目を覚ましてください。ドラゴンの教えなど紛い物です! 食料を無料で貰えたら信じて良いのですか!?」
 配給所で民衆に向け声を張り上げるのはソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)……突然の不信心者の出現に、配給を配っていたジャーク司祭の顔が曇る。
「施すべきは上辺の支援ではなく、施されずとも自分達の手で稼げる制度の配備の筈。無料で食料を渡すことは皆さんを家畜のように飼いならし、富を得る者が居るということに他なりません」
「君、民が不安がっている……話は教会で聞こう、直ぐに立ち去りなさい」
 ソレイユの声にヒソヒソと住民たちが話し合っているのを見た司祭は、衛兵を連れ彼の話を止めに入る。
「み、皆さん、一度冷静に考えてください! ドラゴンを、司祭を信用して良いのか、と!」
 衛兵に引き摺られながら教会へと連れていかれるソレイユは、それでも民衆にドラゴンを信じるなと訴える。
 その姿を見送りながら、司祭は大きく手を広げ不安がる住民たちを宥めようと声を上げた。
「大丈夫です、彼の言うようなことはありません。ドラゴン様を信じて下さい。私は彼がなぜそのような考えに至ったか話して参ります」
 その場を他の修道女たちに任せると、白いマントをはためかせ司祭は教会へと向かう。
 先に連れて行ったソレイユを改宗すべく話をしなければ、と。
 街を行く司祭であったが、その途中大きな声に耳を取られる。
 そちらを向くと、アイネリス・レナリィ(黒鉄の魔女・g01781)が恥ずかしそうに傷口を見せながら住民たちに囲まれていた。
「あんた、霧の夜に襲われたのにこれしか怪我しなかったのかい!?」
「ええ、服が刃を上手く止めてくれたみたいです。多分ですが犯人の腕も悪かったのでしょう」
「へー、あんだけ殺して置いて腕が悪いとか、あんたも言うね!」
 事実ですから……そう答えるアイネリスの言葉に周囲から笑いが漏れる。
 霧の切り裂き魔も小娘一人殺せなかった……これはセンセーショナルな話題であり、犯人は殺しの下手くそと言う尾ひれも付いて街中へあっと言う間に広がる。

「僕たちは昨夜切り裂き魔に襲われたんだ、僕らが信仰に不審を持っているのは知ってるだろ? 切り裂き魔は白いマントを着て仲間を襲った……僕は司祭が怪しいと思っている」
 街の人たちで賑わう酒場では、ラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)が昨夜の事件を吹聴していた。
「僕等を窘めたのは司祭自身だし……もし司祭がやっていたら私刑じゃないか? 信仰が無ければただの殺人者だよ!」
「証拠はあるのかー!?」
 飛んできた野次に近い口撃に、ラズロルは犯人が残した白いマントを取り出す。
「これが犯人が着ていたマントだよ……司祭が外出時に着ているマントとそっくりじゃないか!」
 事前に配給所に向かう司祭を確認し、白いマントを身に着けていることを確認していたラズロルはそう返す。
 野次った男は黙り込み、ラズロルはそれを良いことにもっと過激に話し出す。
「司祭はドラゴンを信仰しない者を殺す殺人者で、目的はその恐怖で僕たちにドラゴンを信仰させることだよ!」
 そう叫んだ彼の言葉に、住民たちは半信半疑な表情を浮かべる。
「切り裂き魔が出たのに殺せず逃げただとぉ!?」
 アイネリスの一件、その話題は衛兵たちの間にも衝撃を走らせる。
 逃がし続けていた切り裂き魔の手掛かりが掴めそうなのだ。
 そんな詰め所に文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)とコンスタンツ・トパロウル(生き残りの撃竜騎士・g05674)の二人が現れる。
「切り裂き魔はお優しい司教様を嘲笑うかの様に犯行を続けている……このままでは司教様の心労が絶えません!」
 雪人が衛兵たちにそう告げると、司祭様のことを思ってかうんうんと言う声が響く。
「司祭様のご心痛をこれ以上増やしちゃいけない、あたしら有志と衛兵さんとで、こっそり通り魔野郎を捕まえよう!」
「だがどうやって?」
 コンスタンツの言葉に近くの衛士が疑問を投げかける。
 そこでコンスタンツは説明する……アイネリスとソレイユ、そしてラズロルを囮とした大捕物を。

 司祭は不機嫌であった。
 神殿に連れて来たソレイユは結局改宗せず、ドラゴン様へ従属も誓わない。
 街は切り裂き魔の魔手から逃れたアイネリスの話題で一色。
 酒場ではラズロウが白いマントを手に私が犯人だと演説をしたと言う。
 そんな時、昨日はドラゴンを信じないと言っていたエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)が深刻な表情で訪ねて来た。
「司祭様、実は昨夜……俺が襲われていたらと思うと怖くなって……実のところ、配給に頼り切りなのが心配で、住民も自立した方が良いのかと考えて……あんなことを……浅はかでした」
「それで告白しに来たんですね、よろしい。ドラゴン様は寛大です、アナタを許しましょう」
 少し機嫌を良くしたジャーク司祭はエトヴァに向けて祝福の言葉を授ける。
「また今夜は霧が出そうです。夜を過ごすのが怖く……礼拝堂で祈らせて頂いてもよろしいですか?」
「ええ、ここはドラゴン様が御守り頂く神の家……安心して過ごされると良いでしょう」
 優しく声を掛けた司祭は修道女に毛布を持ってくるように言い、礼拝堂の一角に簡易的な寝床を作ってくれる。
「そう言えば司祭様? 司祭様は昨夜はぐっすり眠れましたか?」
「ええ、ぐっすりと、それがどうかしましたか?」
 いえ、何も……俺も今夜はドラゴン様のおかげでぐっすりと眠れそうです、そう告げるとエトヴァは安心したように毛布に包まれる。
 同じころ、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は切り裂き魔に殺された住民の家へと向かっていた。
「夜分遅くにごめんよぉ……今夜、ご家族さんの仇、あの切り裂き魔を捕まえようと思ってるんだよねぇ」
「……! そ、それは本当ですか!?」
 彼女の言葉に驚いた家族は、燐寧の誘いに二つ返事でオーケーを出す。
 憎き犯人の顔を拝むためには何だってやってやる、そう復讐に燃える家族の中から体格の良いご主人さんを選ぶと、着いてきてと燐寧は告げる。
「実はあたしらは犯人の予想が付いているんだよ。でも街の人が証人にならないと厄介な立場の人でねぇ……絶対とは言わないけど安全には気を付けるから、犯人を見て頂戴ねぇ」
 霧が出始めた街の中を燐寧とご主人の二人は歩く。
 彼女の言葉に、誰が犯人なのか察した彼は複雑な顔を見せていた。
「あの方は……亡くなった娘のことをとても嘆いてくれました。街の人たちからの信頼も厚く……信じたくはありません」
「信じるか信じないかは兎も角……現実は受け止めて頂戴よぉ?」
 確認する燐寧の言葉に、彼は深く頷く。

「一日確認してましたが、協力者と思われる人は見かけなかったのよ」
 ガートルード・シェリンガム(転生者の妖精電脳騎士・g09370)が衛兵や遺族たちと共に合流した仲間へそう告げる。
 犯行現場を一日観察したが、何かを隠したり拾ったりしに来る者は現れなかった。
 つまり、これは犯人が単独犯であると言うことを表していた。
「私も潜んでいますね……」
 そう言うと昼間目星を付けていた空き家の上へと木箱を踏み台に駆け上がるガートルード。
 ここからならどこで事件が起きても直ぐに駆けつけられる。
 ただ視界はゼロなので、声と記憶頼りになるが……今日一日この付近は徹底的に覚えて来た。
 霧で前が見えなくても駆け寄ってみせる自信はあった。
 だがこの人数で、この白く濃い霧の中、上手く行くだろうか……一抹の不安がよぎる。
 同じころ……エトヴァは司祭が祭壇から自室へと動いたのを毛布の中から確認する。
 音もなく抜け出し、その後を付けていく彼の目の前で司祭は自室の扉を閉め、エトヴァはドアに耳を張り付け中の様子を窺う。
「……罠だ、いかない方がいい」
「いや、ドラゴン様の教えを広めるためには、この試練を乗り越えねばならぬ」
「お前は殺したいだけだろう!」
 誰かと喋っている様子だが……物音は一人分しかない、どういうことだ?
 エトヴァが疑問に思っていると、ズズズッと何かが動く音がし、そして窓が開けられる音がした。
 耳をすませても風の音だけが室内から聞こえる……意を決した彼は司祭の私室のドアをこじ開けた。
「やはり……」
 そこには大きな鏡と、開かれたナイフが何本も収納された隠し棚。ハンガーの外出用の白いマントは二着分の空があった。
 相方であるラズロウに連絡を入れようとし……今回の任務ではパラドクス通信が使えないことを思い出した彼は、司祭と同じように窓から飛び出すと彼の姿を探す。
「パラドクスが使えないのは不便だな……狼煙でも用意しておけば良かった。まあ霧で見えるかは分からないが」
 司祭の痕跡を探し、舌打ちしながらエトヴァは走り出した。

「エトヴァ君、今何か言ったかい?」
 護衛の衛兵たちが隠れる路地裏を歩いていたラズロウはふと足を止める。
 何か感じたような気がするのだが……気のせいだろう。
 今日の囮も昨日と同じ三人。過去の事件現場付近に散って切り裂き魔を誘き出す作戦であった。
 誰が襲われるか……それは分からない。だが他の人が怪我をする可能性があるなら僕に来て欲しい、そう願うラズロウ。
「再殺をしに来ますか、それとも諦めますか……判断が難しいです」
 同じころ、アイネリスも霧の中を彷徨っていた。
 方向感覚を失いそうな濃い霧の中、昨夜の傷跡をふと抑える。
 ディアボロスの肉体はパラドクスを使わなくても強靭だ。
 素人のナイフ程度では傷付けることすら叶わない……だからこそ傷跡を付けたその腕前は大した物。
 街中で吹聴した下手くそな腕前は実は逆で、かなりの殺しの腕を持っている。
 吹聴したことで自分に来るよう煽ったつもりだが、それが叶うかはこの霧次第。
 司祭と出会ったとき、次は逃がさないとアイネリスは誓う。

「霧が濃い……纏わりついて、何も見えないです」
 無意識にピアノを弾く両手を庇うソレイユは、行き止まりの通路へと入る。
 どうやら私はハズレか……そう思った瞬間、鋭い殺気が背後から迫る。
「(アイネリスはディアボロスの肉体の強靭さで直ぐ手を引かれた……なら!)」
 あえてその凶刃を受けたソレイユは、外套の下に着込んでいた防刃ジャケットで刃を受け止めるのと同時に腕を掴み、生地に切っ先を絡め抜けなくする。
 そして隠れている筈の雪人へと叫ぶ。
「ソレイユ、いま行くんだよ! ……でもこの霧の中だと逃げられてしまう、何か良い方法は」
「任せな、これで包むんだよ!」
 ソレイユの叫びに答えた雪人だが、濃い霧の中……素手で捕まえるのは難しい。
 だが一緒に隠れていたコンスタンツが大きな布を雪人へと渡し、彼は頷くとソレイユの声がする辺りを彼ごと布で包むと衛兵たちと共に袋状に縛り上げた。
「ソレイユ、犯人は気絶させていい、怪我だけはしないでだよ!」
 袋の中のソレイユに向かいそう語り掛ける雪人。
 彼はピアノを弾くソレイユの指先が無事なことを祈りつつ、犯人を無力化するよう祈る。
 ボコ、スカ、ボコと布の中で打撃音が鳴り……各所に散っていた仲間たちや衛兵、遺族が集まって来た頃にもう大丈夫ですとのソレイユの声がした。
「さて、お宝袋の中身はなんでしょうなの」
 一番に辿り着いたガートルードが巾着状になった布の紐を緩めると、まずソレイユが出て来る。
 どうやらピアノを弾く指は無事だったようで、一同安堵のため息を漏らす。
 そして袋の底には、気絶したジャーク司祭の姿が……。
「そんな、司祭が切り裂き魔だったなんて!?」
 衛兵たちに動揺が走る……何しろこの街で一番事件から遠いと思われていた人だ。
 それが犯人だったなんて、間違いではないのかと不安になる衛兵たち。
 だが手にはしっかりとナイフが握られ、その切っ先にはソレイユの血が付着している。
「証拠は確保だ……」
 別に用意した布袋に司祭からナイフを取り上げ、放り込むコンスタンツ。
 倒れている司祭を改めて縛り直そうと近づいたところ、彼女は突き飛ばされる。
「コイツが娘を……娘を……!」
 それは娘を殺された遺族のご主人……隠していたナイフを手に、気絶した司祭へ斬りかかろうとする。
「はぁい、それはダメよぉ? 貴方の役目は、司祭が犯人だって言う証人……殺すのはまだ先よぉ?」
 燐寧がご主人の首を掴んで凶行を止める。
 ここで司祭が死んでしまっては全てが水の泡なのだ。
 そうして、霧の夜が明けた……。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
【照明】LV1が発生!
【熱波の支配者】がLV6になった!
【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV2が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】がLV4になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV5になった!

エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
翌日の糾弾が激化する頃に
俺は司祭との間に立ち、フォローを行う

ジャーク司祭。自分が何をしたかわかっているか?
教会に貴方のマントやナイフがあったんだ
必要なら現物を提示し
彼自身が犯人だと受け入れるように

演説を
俺は昨夜、鏡を相手に会話する声を聞いた
恐らくジャーク司祭は多重人格者
彼の内に、殺人者の人格がいる

ドラゴンへの信仰が、善良な司祭を狂わせたようだ
信仰とは恐ろしいな
今が考え直す時ではないだろうか……

司祭よ、罪を心から悔いるならば、一層人に尽くせ
住人と力を合わせ、自由で自立した地区となるように
夜は見張りをつけ、自ら牢に入り過ごせ

人々へ
普段、善良であった彼に、チャンスをやれるだろうか……?

ラズと共に語る


ラズロル・ロンド
二重人格かも…はちょっと気になるけど…
やった事はやった事。全てを明白にしないとね
襲撃されかけた事と白いマントを証拠に提出

全てはドラゴン信仰の為なんて
…やっていい理由にならないよ
犠牲者家族には償いきれぬ罪だが
それでも罪滅ぼしに全てを捧げるんだな

とドラゴン信仰が元凶と印象付け
しかし住民が私刑に走らぬよう仲裁を
ドラゴンの目に触れない為にも事は荒立てない方が良さそうかね
…ナイフ捌きの精度を落とす目的で小指と薬指を…とチラりと浮かぶが…そこは罪にあった裁きを…だな
住民に監視されながらも人に尽くし罪を少しでも償えるといいな…

エトヴァに合わせ僕からもお願いしよう
平等に接するって人となりはお墨付きなはずだしね


ガートルード・シェリンガム
さて、犯人は……捕まったか
でも、本当に多重人格だったり、本人に覚えがない場合は……反省を促すのにも苦労しそうだ

まあ、まずは民衆と衛兵の前で、司祭に犯行に至った経緯を問い質そう
勿論、その間に民衆や衛兵が短慮を起こさないように警戒

いざとなれば……司祭を庇わないとな
いくら、複数の人々を殺めたといっても、私刑はやめとけ

同じ……人殺しになっちまうぞ

かといって、お咎め無しって訳にもいかないだろ
遺族の心情的にも、何年かは牢屋に入ってた方が……いいんじゃない?

牢屋に居るってことは、遺族が短慮を起こしても……簡単には危害を加えられない
その間、元司祭は……自分と向き合って、やったことの重大さを思い知るしかないだろ


ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎

翌日、広場に人を集め
司教の罪を弾劾します

彼のした事は許されることではありません
ドラゴン信仰の名の元に、自分たちと意見が違う者を容赦なく殺し、周囲へ信仰に同調するよう威圧した

信仰とは押しつけたり、ましてや恐怖によって支配する道具などでは断じてありません
それがドラゴン信仰では是とされているなら、そもそも信仰の必要性から皆さんで考えるべきではないでしょうか

食料を配給されて家畜の様にただ従うのではなく
皆さんが自分の手で稼ぎ、日々を生きていくにはどうすればいいのか
これを機に、考えてください

司祭の処遇は市民の人々に委ねたいです
復讐心で殺すのではなく
市民による裁判でどうするか決めて欲しいです


コンスタンツ・トパロウル
司祭は現場を押さえて捕まえたけど……こっからが、本番だね
ぶっちゃけ、司祭は人々を騙してたことになる

それに反発する人も居れば、普段の行いから助命を嘆願する人も居るだろう
ま、それでいいんだけど

結局は、司祭の処遇は街の人々に委ねるしかない

とにかく、あたしは司祭に張り付いて、市民が勝手に危害を加えたりしないように見張っておく
勿論、司祭が勝手に舌を噛んだりしないように、喋らせるとき以外は猿轡を噛ませておこうか

どんな結果になるにしろ……この結果は、ドラゴン様とやらが決めたんじゃない
あんたら市民が、決めた結果だ

だから、ドラゴン様とやらを信じるように無理強いされてたのなら……もう、信じる必要はないさ

そうだろ?


一里塚・燐寧
司祭にはドラゴンを否定する道具になってもらお
んで、禍根残すぐらいなら消したいけど、皆はどう?

住人を集めて罪の証言を聞かせ、大声で皆を扇動するよぉ
ああ、最悪!
霧の中の殺し屋は司祭だったんだ
嘘つきの人殺しを許しちゃおけないよねぇ
皆が望む裁きを受けさせてやろうよぉ

加えて言えば!
こんなクソ野郎を司祭に選んだのは誰なのかなぁ
そう、ドラゴンだよぉ!
あいつらは恐怖で信仰を煽ろうと、わざと狂った奴を選んだんだ
そんな連中には信じる価値ないよねぇ
これからは人間の力で生きてこぉ!

もし民衆が司祭の処刑を望むなら、あたしが手を汚すよぉ
人殺しの数は少ないに越したことないからねぇ
《テンペスト・レイザー》で司祭を解体するよぉ


文月・雪人
アドリブ連携歓迎

広場に集めた人々に向けて
犯人は司祭であったと事実を暴露
目撃者と凶器のナイフを証拠の一つとして掲げ
先ずはここまでの経緯を説明する

司祭は昨夜、このナイフでソレイユを殺そうとした
理由は彼がドラゴンへの信仰を拒否したから
これまでの事件も全て司祭の犯行だ
ドラゴン信仰の名の下に多くの命が奪われた

司祭の前に鏡を置いて彼に彼自身の姿を見せながら
司祭の中の二面性を強調して動揺を誘いつつ
事件について糾弾を続け
聖人君主の仮面を剥がす

全ての元凶はドラゴン信仰にある
疑問を感じた彼らの判断は正しかったんだ
司祭を殺しても亡くなった命は戻らないけど
彼らへの弔いの意味も込め
皆で信仰から離れ自立を目指そう


アイネリス・レナリィ
アドリブ絡み歓迎

さて、まずはひと段落といったところですが……ここからが正念場ですね。

人々が感情のままに暴走し私刑を行わないよう是非を問います

確かに司祭は復讐されて然るべき存在ではありますが……
一度でも私刑で人を殺めれば、きっと歯止めが効かなくなります
いずれ些細な事でも誰かを貶め、傷つけ
疑心暗鬼に駆られて、隣人同士で殺し合う
それを望んでいる筈はないでしょう?

箍が外れた殺人鬼のように堕ちる必要はありません
許すにせよ断罪するにせよ、あなた方自身の良心に従い、厳正な裁きを望みます


アンゼリカ・レンブラント
司祭は現場を押さえ捕まえたんだね
流石は仲間たちだ
私も、最後の呼びかけを手伝おう

霧の中の切り裂き魔は司祭であった事実を告げ

まずは大事なこと、ドラゴン信仰を否定しよう
彼が司祭の立場を使い多くの人を傷つけたのは信仰によるもの
違う考えの人をただ否定し、恐怖を刻み付けて支配した
そんな教えの下にいるから、彼もおかしくなってしまったんだろう
元凶はドラゴンと、その教え

そのうえで司祭の処遇は市民みんなで決めて欲しい
罪に見合う裁きが必要とみんなで決めるならよいと思う
ただ1つ言わせてくれるなら、
一時の感情に流されないと欲しいとだけ

みんなはドラゴンじゃない
やり直しをすることも、させることが出来るのも
人間だと私は思うよ


●全ては白日の元に。
「違う、私はやってない!」
 霧の夜が明け、朝日がロンドンの街に差し込む。
 教会の前の広場では、ディアボロスたちによって縛られたジャーク司祭と衛兵、そしてざわつく街の住民たちが取り囲んでいた。
「ジャーク司祭が切り裂き魔だったんですって?」
「衛兵さんだけでなく、あそこのお宅のご主人さんも見たそうよ……人は見かけによらないわね」
 ざわざわと集まった人々が事情を共有し合う。
 それ程驚きの出来事だったのだが……当のジャーク司祭は一貫して自分はやってないと主張していた。
「そうは言うが、ジャーク司祭……自分が何をしたのか、薄々は分かっているのでは? 教会の貴方の私室にはナイフが大量に隠されており、白いマントも貴方の外出用の物と一致する」
 エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)が部屋から持ち出したナイフの束を司祭の前にばら撒く。
 その中には事件に使った物だろう……刀身に血錆びが残るナイフもあった。
「認めたくないのは分かる……殺人鬼のジャーク司祭は今は眠っているのだからな」
 エトヴァの言葉に、聴衆たちは何が起こっているのかが分からない。
 犯人はジャーク司祭であってジャーク司祭じゃない!?
「俺は昨夜、鏡を相手に会話する声を聞いた……恐らくジャーク司祭は多重人格者。彼の内に、殺人者の人格がいる」
 その言葉にどよめき声が漏れる。
「全てはドラゴン信仰のためなんだよ。ドラゴンを信仰させるために悩み抜いた司祭は二つに分裂した……やっていい理由にならないし、犠牲者家族には償い切れない罪だが、僕としては罪滅ぼしに生きて欲しい」
 全てはドラゴンを信仰させるため、仕方なかったこと……ラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)の言葉には深い悲しみが宿っていた。
「彼の人となりはみんなが一番知っていると思う。罪を無かったことには出来ないけど、何とか許して貰えないかな?」
 平時の穏やかな司祭を知っている者たちは納得しかける……だが、そちらが「作られた人格」ではないかと疑う者たちも居た。
 そう、被害者たちの遺族だ。

「司祭を殺せ、罪には罰を!」
「どうせ殺人鬼が本性だ、直ぐに正体を現すに違いない!!」
 遺族たちは行動する。聴衆の群れを割り、衛兵にぶつかっていく。
 衛兵がどかないと分かると司祭に向かい足元の石を投げる。
「やめなさい! いくら複数の人々を殺めたと言っても、私刑はダメよ……! 同じ……人殺しになっちまうぞ?」
 マントを盾に、ガートルード・シェリンガム(転生者の妖精電脳騎士・g09370)が司祭の盾になる。
 ディアボロスの肉体であれば小石程度なら幾ら投げつけられても問題ないが、それでもたまに来る大きな破片にぐぅっと声が漏れる。
「お前は司祭を庇うのか! 俺は娘を殺されたんだぞ!」
「お咎めなしとは言っていない! 司祭は牢に入って貰うとか、他に方法があるだろ! このままじゃみんなドラゴンと一緒になっちまう!」
 思わず口調が素に戻ってしまったが、ガートルードは住民たちに対し冷静になれと叫ぶ。
 だがヒートアップした群衆は納まらない……そんな時、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)が一頭の豚を連れて現れる。
「ああ、最悪! 霧の中の殺し屋は司祭だったんだ。嘘つきの人殺しを許しちゃおけないよねぇ……皆が望む裁きを受けさせてやろうよぉ」
 そう言って、チェーンソー大剣であるテンペスト・レイザーのエンジン音を唸らせて豚を生きたまま解体し始める燐寧。
 断末魔の泣き声が響き、肉と骨が砕ける嫌な音と共に血飛沫が舞う……返り血を美しい顔に付けた燐寧が群衆に向かって叫ぶ。
「みんなが司祭の死刑を望むならぁ、あたしがこうやって解体してあげるわぁ……それと、こんなクソ野郎を司祭に選んだドラゴンもねぇ!」
 ギュィィィンと回転鋸を回す燐寧。
 凄惨な解体の現場を見てしまった群衆は流石に司祭をあんな目に合わせるのはと思ってしまう。
 そして燐寧の言った、彼を選んだドラゴン……それを免罪符にしようと考える。
 それを感じ取ったのか、燐寧は更にドラゴンが悪と煽る。
「あいつらは恐怖で信仰を煽ろうと、わざと狂った奴を選んだんだ! そんな連中には信じる価値ないよねぇ、これからは人間の力で生きてこぉ!」
 ……いつの間にか、司祭に罰をと叫んでいた遺族たちもドラゴンが悪いと叫んでいた。
「これが狙い……ですか?」
「さぁねぇ?」
 ガートルードの問いかけに燐寧はクスリと笑みを浮かべる。
 兎も角、司祭への糾弾は極刑だけは免れそうであった。

「もう一度状況を整理だね。司祭は昨夜、このナイフで彼……ソレイユを殺そうとした。理由は彼がドラゴンへの信仰を拒否したためだね」
 被害者であるソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)を前に出しながら、文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)が状況を整理するために話し出す。
 ソレイユも破かれた服とその下の防刃ジャケットの傷跡を見せ、ナイフの刃と一致することを示す。
「これまでの事件も全て司祭の犯行だよ。ドラゴン信仰の名の下に多くの命が奪われたんだ……」
「彼の犯したことは許されることではありません。ドラゴン信仰の名の元に、自分たちと意見が違う者を容赦なく殺し、周囲へ信仰に同調するよう威圧したのです」
 雪人の言葉をソレイユが引き継ぐ。
 信仰とは押しつけたり、ましてや恐怖によって支配する道具などでは断じてありません、と。
「食料を配給されて家畜の様にただ従うのではなく、皆さんが自分の手で稼ぎ、日々を生きていくにはどうすればいいのか……これを機に、考えてください」
 そしてソレイユは住民たちに告げる、生まれ変わる様にと。
「襲われた雪人としては司祭の処遇に希望はあるかい?」
「司祭への処遇はロンドン市民の皆さんに委ねたいです。市民の皆さんでどうするか決めて欲しい……ただそれだけです」
 雪人の問いかけにソレイユは答える。
 重罪人ではあるが、エトヴァが証言したように彼には二つの顔がある……聖人の顔と殺人鬼の顔。
 どうするかはその両方に触れて来たロンドンの住民に任せたいと。
「ほら司祭、なんか言いたいことあるんじゃないのかな?」
 群衆に襲わた時に備え司祭の護衛に付いていたコンスタンツ・トパロウル(生き残りの撃竜騎士・g05674)が、黙ったままの司祭に声を掛ける。
「あんたがどんな処罰を受けるか……どんな結果になるにしろ、この結果はドラゴン様とやらが決めたんじゃない。あんたの今までの行動と、ロンドンの市民が決めた結果だよ」
 その言葉に、司祭は口を開けて何かを話そうとするが声にならない。
 だがその両目から涙が止めどなく溢れ申し訳ないと言う感情を表していた。
 やがてぼそり、ぼそりと司祭は喋り出した。

「……私の中にもう一人の私が居ることに気付いてはいた。だがその凶行を止めることが出来なかったのは私の罪。断罪されても構わない」
 ジャーク司祭はもう一人のジャーク司祭の存在を認める。
 ただ公平な彼だ、その凶行を止めれなかったのは自らの罪だと告げ、奪われた命には満たないかも知れないが自らを罰するよう住民たちに告げる。
 だがそれに待ったを掛けたのはアイネリス・レナリィ(黒鉄の魔女・g01781)であった。
「確かに司祭は復讐されて然るべき存在ではあります……ただ一度でも私刑で人を殺めれば、きっと歯止めが効かなくなります」
 いずれ些細な事でも誰かを貶め、傷つけ、疑心暗鬼に駆られて、隣人同士で殺し合う……それを望んでいる訳ではないでしょうと司祭に尋ねる。
「あぁ……私はこの街の人たちに、健やかに、心穏やかに暮らして欲しいだけなんだ……傷つけあってなど欲しい筈がない!」
「司祭はこう仰ってます。衛兵としてはどう判断すべきですか?」
 アイネリスは衛士の一人に声を掛ける。声を掛けられた衛士は、本来ならこれだけの重罪を犯しているのであれば死刑だが、二重人格になると……と言い淀む。
 そんな時、アンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)が声を上げた。
「まずは大事なこと、ドラゴン信仰を否定しよう! 彼が司祭の立場を使い多くの人を傷つけたのは信仰によるもの。違う考えの人をただ否定し、恐怖を刻み付けて支配した」
 違わないか、司祭を確認すると……ジャーク司祭は力なく頷く。
「そんな教えの下にいるから、彼もおかしくなってしまったんだろう……元凶はドラゴンとその教え。みんなはドラゴンじゃない、やり直しをすることも、させることが出来るのも人間だと私は思うよ」
 やり直し……私なんかがやり直しても良いのか、司祭は驚いたようにアンゼリカを向く。
「勿論、もう一人のジャーク司祭が現れても困るから、監視なんかは着くと思うけど……やり直し、出来ると思うよ」
 確かに、ジャーク司祭の公平で聖人的な働きは多くの市民が知ることであった。
 それは嘘ではない、それもジャーク司祭の姿なのだ。
 そんな人を回転鋸で解体していいものなのか……街の人たちからは助命の声が上がり始める。
「それじゃあ、この街のみんなで投票をしよう。司祭をどうするか、助けるのか、処刑するのか……みんなで決めよう」
 アンゼリカの声で住民の声を聞くことが決まる。
 衛兵による管理の元行われた投票の結果、僅差で司祭は生きることを許可された。
 みんなはドラゴンじゃない、その一言が最後の後押しになったのかも知れないが……それは分からない。
 ただジャーク司祭、いや元司祭は昼間は監視の元奉仕活動を行い、夜は牢に繋がれる生活を送ることとなった。
 だが元々聖人気質の彼は奉仕活動を嫌がるどころか積極的に行い、元のように住民たちに慕われていると言う。

 これでこの教区での事件は終わった。
 住民たちはもう二度と切り裂き魔に怯える夜を過ごすこともなく、ドラゴンへ祈ることも止め、人間として暮らしていく。
 ディアボロスたちはこの結果に満足し……新宿島へと帰還するのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【熱波の支配者】がLV12になった!
【防衛ライン】がLV2になった!
【口福の伝道者】LV1が発生!
【トラップ生成】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV7になった!
【能力値アップ】がLV4になった!
【命中アップ】がLV4になった!
【ガードアップ】がLV2になった!
【反撃アップ】がLV5(最大)になった!

最終結果:成功

完成日2023年04月15日

ロンドンのドラゴン信仰を打ち砕け

 攻略旅団の方針により、ロンドンのドラゴン信仰を打ち砕くための作戦を行います。
 ロンドン潜入作戦で得た情報では、ロンドンは多数の『教区』に分割され、それぞれの『教区』ごとに、様々な方法で、ドラゴンへの信仰を集めているようです。
 『教区』の代表は『司祭』と呼ばれているようですが、この『司祭』も含めて、ロンドン市内には、ドラゴンや竜鱗兵の姿はありません。
 おそらくドラゴンは、『ドラゴンや竜鱗兵が関与』する事無く、一般人だけで、ドラゴンへの信仰のエネルギーを集める実験をロンドンで行っているものと思われます。

 この実験が成功した場合、ドラゴンを崇める宗教を広めるだけで、事件を起こさずにエネルギーを得る方法を、ドラゴンが得てしまうでしょう。
 これを防ぐためにも、ロンドンに潜入してドラゴンの信仰を打ち砕かねばなりません。


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選択肢『教区への潜入と調査』のルール

 ロンドン市内に潜入し、目的とする『教区』に潜入して調査を行います。
 この調査により、教区の信仰を打ち砕くための手段を知る事が出来るでしょう。
 ディアボロスは『違和感を与えにくい』能力を持つので、他の教区から引っ越してきたばかりの市民といった演出をすれば、情報収集は可能です。
 ここで得られる情報は、
====================
・教区の多くの住民は全く信じていない、信憑性の低い噂話を耳にする。
・住人に迫害されている、被害者と交流して情報を得る。
・偶然ディアボロスが事件現場を見掛けてしまう。
====================
 などとなります。
 行動としては、信憑性の無い噂話を聞き出す方法や、教区の多くの人から嫌われたり迫害されている人を探して仲良くなる行動や、事件が起こりそうな場所に当たりを付けて監視する……ような行動を行うと良いでしょう。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【🔑】この選択肢の🔵が👑に達しない限り、マスターは他の選択肢のリプレイを執筆できない。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『信仰を打ち砕く準備』のルール

 『教区への潜入と調査』で得られた情報を元に、信仰を打ち砕く準備を整えます。
 多くの一般人は、純朴に司祭を信じてドラゴンを信仰しているようなので、決定的な証拠を示す必要があるでしょう。

 司祭の悪事を暴き、それを、多くの市民が目撃するような状況を造り出せれば最良となります。
 なお、目的は『信仰を打ち砕く事』であるので、その過程で、ディアボロスがおとり捜査を行って里、証拠を捏造したり、司祭を騙して誘導するといった行為を行うのは問題ありません。
 準備が充分に整い、これ以上必要ないと判断した場合は、この選択肢が成功していなくても、事件の解決に挑戦してもOKです。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『事件の解決』のルール

 教区の一般人達の信仰を打ち砕く為の決定的な証拠を示して、事件を解決します。
 多くの市民の前で、司祭の悪事を証明する事ができれば、決定的な証拠となるでしょう。
 『信仰を打ち砕く準備』のリプレイで、準備を整えてから、事件の解決に挑戦してください。

 事件を解決する為の準備が足りていない場合は、この選択肢のリプレイは執筆されません。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、シナリオは成功で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。