ミュラの誤算(作者 ツヅキ
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#断頭革命グランダルメ  #南フランス霧地帯の調査  #南フランス霧地帯 

「ウィーン周辺地域は皆のおかげで安定化できたね」
 中山・ネフ(NN・g03318)はこれでウィーンおよびパルマ方面の基盤は問題ないだろうと言った。攻略旅団の方針によって交易の準備も進んでおり、復興は着実に進んでいる。
「これで、南フランスの調査にも集中できる。ほら、霧が出ている地域にはミュラ元帥の軍勢がまだ残っているみたいでしょ? それを倒した後で調査をお願いできるかな。いい情報が手に入れば、その後の方針も立てやすくなるはずだから」

 現在、南フランスに展開するミュラ元帥の軍勢は獣神王朝エジプト奪還戦においてジョゼフィーヌやランヌの勝利を想定して準備されたものと考えられる。
「ところが、皆も知っての通り、獣神王朝エジプト奪還戦で断頭革命グランダルメは敗北。ミュラ元帥の命令で集められた軍勢は行き場を失って混乱している状態よ。指揮官であるアヴァタール級も統率を取るのに苦労しているのか、単独で行動しているところを予知できた」
 この隙をついてアヴァタール級の指揮官を撃破し、霧地域の探索を進めてほしい。
「もちろん、ミュラ元帥の軍勢は他にもいるから長居は禁物。手早く調査を行い、別の軍勢に見つかる前に戻ってきて」

 一体、霧の向こうには何が待ち受けているのだろうか……ネフも首を傾げる。
「随分前から、その先に別ディヴィジョンがあるらしいというのは分かっていたけれど。それ以上の情報はまだ、何も。何か新しい情報が得られるといいね」

 『改革医オメーラ』は行き場を無くし、切り株に腰を下ろして深いため息をついていた。
「疼く……」
 メス代わりの長い爪をわきわきと動かしながら、オメーラは呻いた。
「疼く、疼く。早く手術がしたいと儂の左手が疼いておる。ミュラ元帥はなぜ次の命令を寄越さぬ? 噂によるとディアボロスはオーストリアの大淫魔都市を陥落せしめたという話ではないか……所詮淫魔などその程度、我等自動人形の優秀さには到底叶わぬ。さあ、出陣を! だがしかしなぜ、命令は下されぬ!?」
 苛立ち紛れに、オメーラは回転丸鋸刃を振り回して周囲の木々を無造作に切り倒し続ける。その間にも霧は深く森を包み込み、不気味な影を落としていた。
「ああ、疼く、疼く……!」


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
5
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【神速反応】
1
周囲が、ディアボロスの反応速度が上昇する世界に変わる。他の行動を行わず集中している間、反応に必要な時間が「効果LVごとに半減」する。
【動物の友】
1
周囲の通常の動物がディアボロスになつき、意志の疎通が可能になる。効果LVが高い程、知能が高まり、友好的になる。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【クリーニング】
1
周囲が清潔を望む世界となり、ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建造物や物品が、自動的に洗浄殺菌され、清潔な状態になる。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV4 / 【ドレイン】LV1 / 【アヴォイド】LV4 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

ツヅキ
 フランス南部で存在が確認されていた『ディヴィジョン境界の霧が出ている地域』の探索依頼です。

 『③アヴァタール級との戦闘』をクリアした後、『②南フランスの霧地帯の調査』を行うことで完結します。会話による情報収集を行う場合は『①クロノヴェーダとの対話』を活用してください。
103

このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


レイ・シャルダン
連携・アドリブ歓迎です。

両手を小さく上げながら非戦闘の意を示して声を掛けます。
うん、なんか相手物騒でイライラしていますしね。

こんにちは、霧の向こうの敵との仮想戦闘ですか?良い事ですね。
その凶悪な武装で、どんな敵をどんな風に斬り刻むのです?

軽くジャブを打って、オメーラが霧の先の敵の存在がどんなものであるか認知しているのか探り
手ごたえがあるならその正体について聞いてみたいですね。
呪われた混ざりものの化け物、その正式な呼称は何と?

ボクたちは困っているんです、霧の先からどうしても次へ進めない。
冥土への土産として、どうか教えて頂けませんか?

そう、貴方の冥土土産ですけどね。
もう結構やり合いましょう。


鳩目・サンダー
どうせぶちのめすのなら、ダメ元でも何か話が訊ける方が良かろう。

というわけで初めまして。ディアボロスだよ~。
その姿からすると医療がお得意なのかね?

あたしはサイボーグだから、皮の下には機械が詰まってるんだよね。あんたのお眼鏡には適わないと思うけど。
あんたはあたしが趣味じゃなくて、あたしもあんたには到底勝てない。
喧嘩したってつまんねえよ。

あたしは恐ろしくて踏み込んでねえんだけど、あんたこの霧の中に行った事があんのか?
部下とかいないの?霧の中ではぐれたとか?

暇つぶし相手になってやるつもりだが、向こうが血気に逸ってるようなら……会話が成立しなくてもしょうがないな。

アドリブ、連携歓迎です。


 レイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)が両手を小さく上げ、敵意のないことを示しながら近づくとオメーラはぴくりと動きを止める。
「汝は誰ぞ?」
「名乗るほどの者ではございません。先ほどの動きは霧の向こうの敵との仮想戦闘ですか? 良い事ですね」
 よほど鬱憤が溜まっていたのか、オメーラは存外素直に頷いてみせた。
「うむ、うむ。早うその時が来るとよいのだが」
「その凶悪な武装で、どんな敵をどんな風に斬り刻むのです?」
「奴らの呪いめいた攻撃をな、こう、軽々と躱しながらずぶりと刺して解体してやるのだ。ああ、疼く! この爪でこの鋸刃で! 自動人形の優秀さたるを示すべきであるというのに!!」
 やはり、とレイは確信する。
 彼らは霧の先の敵の存在と戦ったことがあるのだ。慎重に、せっかく喋る気になってくれている相手の気を削がぬように気を付けながら話を続ける。
「呪われた混ざりものの化け物のことですね。その正式な呼称は何と?」
「正式――」
 オメーラが首を傾げた。
「ボクたちは困っているんです、霧の先からどうしても次へ進めない。冥土への土産として、どうか教えて頂けませんか?」
「それはよい心がけだ。感心である。だが、あれの本当の名など儂らは知らぬ。ただ便座上呪いの魔女……『キマイラウィッチ』と呼んでいるだけよ」
「『キマイラウィッチ』、ねえ」
 鳩目・サンダー(ハッカーインターナショナル同人絵描き・g05441)は忘れないように繰り返し呟いた。
「ああ、自己紹介が遅れたね。初めまして、ディアボロスだよ~」
 サンダーは身構える相手から距離を取り、なだめるように言った。
「はやまるなって。この皮膚の下に詰まってるのは機械ばかりだから、あんたの趣味には役に立たないよ。クロノヴェーダのお医者さん?」
「ええい、ならば、そこのおなごとまとめて冥土に送ってやろう」
「だから、はやまるなってさ」
 くい、と親指で霧の向こうを示して聞く。
「あたしは恐ろしくて踏み込んでねえんだけど、あんたこの霧の中に行った事があんのか? それに一人みたいだけど、部下とかいないの? 霧の中ではぐれたとか?」
「部下……」
 オメーラは忸怩たる様子で声を震わせ、鋸刃を回転し始めた。
「そうだ。敵の逆侵攻もあり得る状況、このように無為な時間を過ごしている場合ではないというのに……! こちらの排斥力が弱まっているのだとすれば、急がねばならぬ」
 ぶつぶつと独り言を続けるオメーラはもはや言葉の通じる状態にはないようだ。サンダーは仕方ない、と頭をかいた。
「話はこの辺りにして、あとはぶちのめしてやるかい?」
「ええ」
 レイはオメーラに向かって悪気なく微笑んだ。
「教えてくださってありがとうございます。ただし、冥土土産は貴方の……ですけどね」
「なんだと!?」
 カチリ、と武器を抜く音。
「もう結構。では、やり合いましょう」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!

一里塚・燐寧
ウィッチ?
魔女裁判ってドイツとかスペインのイメージだけど、そこら辺って既知のディヴィジョンだよねぇ
まあ今考えてもしょーがない、とりまこいつブッ殺しちゃお

いやー、きみも中々いいノコギリを持ってるねぇ?
でも残念、あたしの≪DCブラスター≫の方が凄いよぉ
あはは。試してみるぅ?

敵が放つガスをブラスターから放つ榴弾の爆風で吹き飛ばし
ガスと爆煙に紛れて上空へと【飛翔】するよぉ
地上の敵を殺すためのガスなら、比重的に空までは登ってきづらいよねぇ?

煙が晴れる頃にはあたしは既に敵の頭上
急降下して『屠竜技:神滅落月斬』を叩き込む!
両肩に突き刺さる2枚刃で敵を解体しちゃうよぉ!
味わいなよぉ、サイコーのノコギリをねぇ!


グレイ・ナイトジャー
アドリブ連携◎
POW

円滑に調査をするためにも情報を得るのは大切だよね!
でもこう霧が濃いとばったり正面から出くわしちゃったりして……って、わーーーっ!?

びびびびっくりしたぁ!!
違うんだよ!奇襲じゃないんだよ!?

お話……できる状況じゃないね。
こうなったらもう安全確保が最優先だよ!

●行動
リュー弾砲で召喚した大砲を振り回して打撃による白兵戦をするよ!
金属だし重たいから振り回して弾いていけばあの刃物でも切断しにくい……はず!
そして砲弾はリューくん!
射出の勢いのままに体当たり!
その後も一緒に連携して戦うんだよ!


鳩目・サンダー
キマイラウィッチ、ね。その名前から色々想像するとしよう。

使うパラドクスはフィルターバブル。
助手人形とのぶつかり合いになるか。押しのけなきゃいけないな。

前後左右に移動しつつパラドクスを打ち通りの良い角度を探す。相手を分析して作り上げるパラドクス相手に足を止めるのは良くなさそうだ。

そうした動きにもついてくるようになったら、【飛翔】で更に移動の幅を広げる。

それにしても……。人助けでも討伐でも無く「調査の邪魔だから排除する」ってのは何と言うか。
秘密結社の工作員にでもなった気分だ。
ま、今更か。

アドリブ、連携歓迎です。


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

はい、ご明察
俺達がウィーンを解放した
ミュラ元帥は来ない、残念だったな
自動人形も、呪いには弱いのかい?

物騒な獲物だが、森の中で振り回すと危ないぞ
きこりのようだが、医者なのか……
そんな医者いる?
と思いつつ
ドイツにもアームの多いのがいたっけ

偵察、観察を活かして戦況把握
味方と積極的に連携
立体的に連携しつつ畳みかけて抑え込んでいこう
地形の利用し、霧や、霧に宿る木々の影に紛れつつ銃撃
飛翔を交えて、動きを読ませず銃撃

反撃には魔力障壁を展開し防御
助手人形の動きと立ち回りを観察しつつ
飛翔で地を掠めるように飛び退き回避


レイ・シャルダン
連携・アドリブ歓迎です。

敵から得られる情報等何も無いと思ってましたが…。
ありがとう、お陰で先へと進めます。

お礼です。
その武器を存分に振るうと良い。
ボクが相手になりましょう。
『Boeotia』のテンプルを弾いて起動し
各武装の制御、超視覚による【観察】での【情報収集】をおこないます。
右手には『シュトライフリヒト』
左手には『シャルダント』
『アクロヴァレリア』の推進力で敵へと高速で接近しパラドクスを発動
【情報収集】から得た情報を元に敵の弱点を【看破】して
我が剣でその弱点を貫きます。

敵の攻撃はシャルダントによるガードで防ぎ【一撃離脱】で距離を離します。


エリザベータ・シゲトヴァール
●心情
尋問してやろうかとも思っていたけど、これ以上は無駄みたいね。
だったら調査の邪魔よ。早々にご退場願うわ。

●行動
【飛翔】し空対地攻撃。

敵は一体、取り巻きも居ない。
ここで無駄に消耗して調査に支障を来したくないわ。短期決戦でカタを付けるわよ。

【戦闘知識】を元に航空班と編隊を組み連携、僚機の死角をカバー。
僚機の攻撃後や、敵が友軍の攻撃を意図するタイミングを狙い、
ダイブアンドズームからの【制圧射撃】で頭を抑え込んで狙いを定めさせない様に。

敵の溶解ガスには【一撃離脱】でガスの滞留しやすい地点から素早く飛び去ると共に、
【空中戦】技能を活かしたインメルマンターンとエルロンロールで振り払う。


 ――ウィッチ?
 一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)の脳裏に浮かぶ一つの疑問符。それが文字通りに“魔女”という意味なだとしたら、連想されるのは魔女裁判で有名なドイツやスペインであったので。
「でも、そこらへんって既知のディヴィジョンだよねぇ? ま、今考えてもしょーがないか」
「色々想像が捗るな。キマイラウィッチ、ね」
 まるで結界のように鳩目・サンダー(ハッカーインターナショナル同人絵描き・g05441)を護るのは泡の障壁だ。燐寧は武器を構え、気楽に言った。
「とりまこいつブッ殺しちゃう?」
「ああ、――それ以上近づくんじゃないよ」
 不気味な助手人形が迫るのを泡で押し退け、サンダーはとにかく動き回る。あまりにも素早いので、観察がうまくいかないオメーラが苛立つくらいには。
「ええい、ちょこまかとッ」
「……って、わ―――っ!?」
 突然、深い霧の向こうから表れた回転丸鋸刃にびっくりしたグレイ・ナイトジャー(名もなき砲兵・g00981)は突然の遭遇に驚いて飛び退いた。
「びびびびっくりしたぁ!!」
 慌てながら、首をぶんぶんと真横に何度も振る。
「違うんだよ! 奇襲じゃないんだよ!? ちょっとお話を……わあっ!!」
 迫る鋸刃が振り回す大砲に食い込み、甲高く鳴り響きながら表面を抉った。エリザベータ・シゲトヴァール(聖イシュトヴァンの剣・g00490)の判断は早い。これ以上は無駄、と頭を切り替える。
「尋問してやろうかと思ってたんだけど、なら排除するまでよ。退場なさい!」
 目的を過たず、迅速な作戦行動を取るエリザベータの果断さに遅れをとったのはオメーラの方だった。
「空か!?」
「はい、ご明察。ウィーンは俺達が解放した」
 エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は背の双翼を開き、鳥のような影を大地に落とした。
「ミュラ元帥は来ない、残念だったな。自動人形も、呪いには弱いのかい?」
 エトヴァとエリザベータは戦闘機が編隊を組むように互いの死角を補い合いながら銃撃を降り注いだ。
「ぬう……!」
 武器と融合した助手人形を嗾けるオメーラだが、エトヴァは器用に木々の陰に紛れながら狙いを逸らす。
「こんな森の中で振り回すと危ないぞ」
 言っている間にも、鋸刃に巻き込まれた樹木が音を立てて倒れていくではないか。伐採専門の職人を思わせる行為に思わず呆れて。
「……こんな医者いる? そういえばドイツにもアームの多いのがいたような気がするが」
「なかなか独特ですよね」
 レイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)がゴーグルのテンプルを指先で弾けば、自動で情報を解析。敵の弱点を探し始める。
「まさか敵である貴方から新たな情報を得られるとは僥倖。お陰で心置きなく先へと進めます」
「貴様、最初からそれが目的で……!?」
「お礼にその武器、存分に振るってくださいな。ボクが相手になりましょう」
 左手に装着したガントレットが嘴から放出されるガスを受け止め、侵蝕を受ける前に離脱。エリザベータは180度ループとロールを行いながら、その補助翼でガスを振り払った。
「小癪なッ」
「やれやれ、しつこいのはそちらも同じだろうに」
 敵がこちらの動きに慣れてきたところでサンダーは飛翔を用いた行動の拡大を試みる。まるで秘密結社の工作員にでもなった気分だ。人助けでも討伐でもなく、調査の邪魔だから排除せよ――なんて、外連味が効いている。
「この霧の向こうに何があるんだろう? ねえ、リューくん。それを知りたかったらまずあいつを倒さないと! いっけぇー!」
 グレイは敵の解剖長刃を跳ね除けた勢いのままに砲口を向け、――ドォン!! あっという間に、勢いよく飛び出したミニドラゴンがオメーラに襲いかかった。
「ごふっ!?」
 渾身の体当たりをくらったオメーラがもんどりうって仰向けに倒れる。
「あ、あいたたた……」
 呻く顔の上に影が落ちた。
 そして、音だ。
 聞き慣れた鋸刃に似ているが、明らかに違うそれ。
「いやー、きみも中々いいノコギリを持ってるねぇ? でも残念、あたしの≪DCブラスター≫の方が凄いよぉ」
 ブォン、とブラスターから放たれた榴弾の爆風がガスを散らす。高々と跳び上がった燐寧の口元が綻ぶのと同時、一直線に急降下する二枚刃が敵を屠ったのだ。
「味わいなよぉ、サイコーのノコギリをねぇ!」
「あ、あがが……ッ」
 よもや、自分が解体される側になるとは想定外だったのだろう。錯乱するオメーラの顔面に張り付いたリューが嘴を齧り、左右にぶんぶんと振り回した。サンダーは張り付いてくる助手人形を泡の壁でこじ開け、通りの良い角度を見つける。
「あと少し」
 泡が弾け、浄化を齎しながら。
「――よし、開いた」
「いきます!」
 刹那、レイの『アクロヴァレリア』が豪速を発揮して距離を詰める。弱点と思しき急所に狙いを絞り、流麗な形状のサイバーレイピアを一閃。一切の無駄を排した突きをくらった方は堪らない。
「ま、まずい……こ、このままではやられる!!」
「逃がすものですか」
 短期決戦を挑むエリザベータの制圧射撃は苛烈の一言だった。一気に急降下してからの離脱直前に叩き込む機銃の弾幕がオメーラの身体に無数の風穴を開けてゆく。
 エトヴァは低く地面すれすれを掠めるように飛翔し、助手人形の脇をすり抜けると駄目押しの銃撃を繰り出した。右から左から、移動しつつの攻撃は所在を読ませることがない。
 ようやく銃声が止んだ時、オメーラは既に息絶えていた。

「これでひとまず安全確保、と」
 グレイは胸を撫で下ろして霧に沈む景色の向こうに向き直る。円滑な調査が進むことを祈って、好奇心に輝く瞳を差し向けるのだった。
「あの先に何があるのかしらね?」
 呟くエリザベータ。
「ここからが本番だな」
 サンダーは腕を鳴らし、ゆっくりと霧の深みに近づいた。仄暗い景色の向こうから何かが聞こえたような気がする。確かめるにはもっと奥にまで足を踏み込む必要がありそうだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV4になった!
【動物の友】LV1が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】がLV3になった!
【命中アップ】がLV3になった!
【ドレイン】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!

鳩目・サンダー
霧に対して効果が薄いのは知っているが【完全視界】。
無いよりましだ。

森の中で更に霧の中ってなると視界の悪さはめちゃくちゃだよな。
かと言ってキマイラウィッチとやらが居るとなると迂闊には空からの偵察は難しい。
偵察、観察技能を用いて「グランダルメらしからぬクロノヴェーダの痕跡」を探す。埒が明かないようなら警戒しつつゆっくりと飛行し、木々の上から偵察を試みる。ついでにグランダルメの残党の位置も確保できればベター。
撤退の目安になるしな。


アドリブ、連携歓迎です。


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
残留効果活用

何度訪れても、身の毛のよだつような…
嫌な気配、湿気や匂いを頼りに境界の海を目指す

双眼鏡も用い対岸を偵察、観察
姿や様子を記憶
獣の影現れるまで粘り
不在なら敵意を醸す

『キマイラウィッチ』
漸く知れた名
装備のスピーカーで呼び掛け

『復讐者だ』
『侵略が望みか、防衛が望みか? あるいは殺戮か』
『我々の罪とはなんだ?』
『あなた方を混ざりものの化け物にしたのは誰だ』

話が通じるか怪しいが
先に手を出せば交戦の端初となるか…
まずは会話を試みる

会話の合間も観察、神速反応で構え
危険察知したらパラドクス通信で味方に呼び掛け飛翔の全速力で霧に紛れ離脱

交戦時は仲間と共に退路確保の一点突破
魔力障壁で防御


エリザベータ・シゲトヴァール
●心情
この霧は完全視界すら利かないと聞き及んでいる
遭遇時の出会い頭もだけど、バーティゴにも注意しておく必要があるわね

●行動
【飛翔】し【偵察】技能を活かして航空偵察
高度を取りたい所だけど、未知の状況でそれは危険度が高い
隠密性を優先し、周辺地形や木々の枝を【地形の利用】で遮蔽物に使える高度を維持

付近の友軍と足並みを揃え、ハンドサインで連絡を取り合う等、極力不用意な物音を立てない様に
逆に、枝や葉の動きや物音等で敵の接近を先に察知したい所ね

接敵時は相手の出方を窺い、先に手を出す事は無いが、状況次第で応戦
【空中戦】技能で派手に飛び回って敵の目を惹き殿軍を務めると共に、敵の攻撃内容から素性を推察出来る様に


 鳩目・サンダー(ハッカーインターナショナル同人絵描き・g05441)の視界を遮る霧は完全視界を通してさえもまだ深い。だが、少なくとも霧のせいで足下を見失ったりする心配はなさそうだ。
 探しているのは痕跡。
 明らかにこの世界にあるはずのない、クロノヴェーダの。
「うーん……?」
 サンダーは軽く首を捻り、指先で髪を掻き回す。
「特にそういうのは見つからない、かな。まだこっち側には来てないってことなのかねぇ」
 木々の上にまで上がるべきかとも思ったが、調査が目的である以上、それ以外の目的で敵と接触するのはできるだけ避けたい。
「やはりこれ以上、上に上がるのは危険みたいね」
 エリザベータ・シゲトヴァール(聖イシュトヴァンの剣・g00490)は安全をとって木々の高さよりも下に限って航空偵察を試みた。平衡感覚を失わないよう、最新の注意を払って霧に包まれた森の様子を観察する。
(「こちらには何も見つからなかったわ」)
(「了解」)
 無言でハンドサインをやり取りすることで、敵に気取られる可能性が少しでも低まるように気を付ける。なにしろ周辺には行き場をなくしたミュラ軍勢が目的もなく徘徊しているのだから、念には念を入れておきたい。
「それにしても、木の枝や葉まで何の動きもないわね」
 エリザベータは悔しそうに唇を噛んだ。何度もその姿は目撃されているのに、一向に接触できないのはどういうことなのか。
「こっちは収穫らしい収穫はなかったよ」
 合流したサンダーが伝えると、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は神妙な顔で頷いた。
「それにしても、この身の毛のよだつような嫌な気配は何度訪れても慣れないな。不気味さを感じ取っているのか、霧を嫌がったのか、動物たちも姿が見えない」
「ああ、そういえば鳥の鳴き声ひとつしないね」
「双眼鏡で対岸を覗いてみたが、やはり霧に閉ざされて先を見通すことはできないようだ。あとは、例の獣の影が現れてくれるのを待つばかりだが……」
 ふと、何かが聞こえたような気がして耳を澄ませる。やがて怨嗟のような低い言葉が霧の向こうから聞こえ始めた。相変わらず、地獄に引きずり込むようなおどろおどろしい声色で。
「……殺せ、ディアボロス……殺せ、殺せ……」
 エリザベータはその場に留まり、じっと目を凝らす。
 霧が被さって全貌はわからないが、おおよそ人とは思えない化け物のような輪郭。エトヴァはその姿を出来るだけ覚えようとするが、影のようにはっきりしない。
「――『キマイラウィッチ』」
 スピーカーを通して呼びかけるが、こちらを振り返る素振りも見せない。
「お前たちが殺したがっている復讐者だ。我々の罪とはなんだ?」
 交戦の端初となることすら覚悟して名乗り出るも、反応は返らなかった。影は不気味に蠢き、恐ろしげな雰囲気を醸しながらゆっくりと遠ざかってゆく。
 いつしか、あの恨めしそうな声も聞こえなくなった。
「やれやれ」
 エトヴァは嘆息し、スピーカーを下ろす。
 やはり会話は通じなかった。
「それどころか、こちらに気づいてもいなさそうだったな……」
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【完全視界】LV1が発生!
【神速反応】LV1が発生!
【飛翔】がLV5になった!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV4になった!
【アヴォイド】がLV4になった!

最終結果:成功

完成日2023年03月18日

南フランス霧地帯の調査

 ディアボロスの活躍により、オーストリア周辺地域をクロノヴェーダから解放する事に成功しました。
 既に解放済のイタリアのパルマと合わせ、断頭革命グランダルメの東部地域を、ディアボロスの勢力圏とする事ができました。
 この状況によって、フランス南部で存在が確認されていた『ディヴィジョン境界の霧が出ている地域』の探索が可能になっています。
 攻略旅団の方針に従い、南フランスに向かって、霧が出ている地域の調査に向かってください。

 霧が出ている地域には、イタリアのナポリを支配するジェネラル級自動人形『ジョアシャン・ミュラ』の軍勢が展開しています。
 まずは、この軍勢を撃破したのち、調査に向かいましょう。

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 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#断頭革命グランダルメ
🔒
#南フランス霧地帯の調査
🔒
#南フランス霧地帯


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選択肢『クロノヴェーダとの対話』のルール

 事件の首魁であるアヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と会話を行います(状況によっては、トループス級(👾)との会話も可能です)。
 戦闘を行わず会話に専念する事になりますが、必要な情報が得られるなど、後の行動が有利になる場合があります。
 問答無用で戦闘を行う場合は、この選択肢を無視しても問題ありません。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『👿または👾で出現する敵との会話に専念する。戦闘行動は行わない。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『南フランスの霧地帯の調査』のルール

 ミュラ元帥の配下の軍勢を撃退した後、霧が出ている地域の調査を行います。
 この霧は、ディヴィジョン同士が接触しようとする時に、その境界で発生する霧であるようです。
 断頭革命グランダルメの軍勢が、霧の向こうのディヴィジョンに侵攻していた可能性が高いですが、昨今の情勢的に、排斥力が弱まった断頭革命グランダルメへの逆侵攻もありえるので、注意して調査を行いましょう。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、シナリオは成功で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿アヴァタール級との戦闘『改革医オメーラ』のルール

 事件解決の為に、アヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と戦います。
 👿を撃破するだけでは事件を解決できないので、戦闘終了後、必要な行動を行ってください。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※このボスの宿敵主は「大総・統」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。