宿縁を断ち切る戦い

 クロノス級クロノヴェーダは「自分の存在を保ったまま、その時代に転移してくる」事もありますが、「その時代の生物や概念などに寄生して転生する」事もあるようです。
 後者の場合、一定期間、転生した生物として成長し、充分に成長した所で覚醒する事で、対象の能力などを奪い、より強い力を得られるようです。

 この事件では、上記の方法でクロノス級に覚醒したクロノス級クロノヴェーダと戦い、決着をつける事になります。
 そのため、宿敵であるクロノス級クロノヴェーダは、自分、或いは、自分に意志を託してくれた過去の時代のディアボロスの血縁者や恋人など、親しい相手の姿をしています。

 クロノス級クロノヴェーダは、覚醒時に『悲劇的な事件を引き起こす』事で、より強い力を得られるため、様々な悲劇を引き起こします。
 ですが、覚醒する前の人格に訴えかける事で、行動を制限したり、クロノヴェーダ撃破後に寄生された対象を救出したりできるかもしれません。

何もないあの子の分岐点(作者 凪未宇
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#宿縁邂逅  #宿縁を断ち切る戦い 


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#宿縁を断ち切る戦い


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 食べても食べても満たされない。
 どうしようもない飢餓感に、人々はお腹の虫を鳴らし呻き声を上げた。
 そこはフードフェスが開かれてる大きな会場。
 ほんの少し前まで、会場は並ぶ屋台から溢れる食欲をそそる匂いに満たされていたが、今は魑魅魍魎と化した人々によって凄惨な光景が繰り広げられている。
 溢れるのは鉄錆の臭い、そして悲鳴、怒号。彩る血潮、赤、朱、紅。
 食べても満たされない人々は、食料を求め争い奪い合い、食べつくし。
 そして、今は飢えをしのぐために、目の前の活きのいい肉へと手を伸ばし始めていた。
 活きのいい肉は、悲鳴を上げ抵抗し、ある者は涙を零し助けてと懇願する。
 だが、飢餓に染まった人々は、涎を零し呻き声を上げ、新鮮な人々の肉にかぶりつく。
 そんな地獄絵図と化した会場を、階段の上の方から冷静に見下ろす幼子が居た。
 年の頃は十ぐらいだろうか。明るい金色の髪を無造作に伸ばし、蝶の輝きを抱く瞳は無感情に揺らめいて。
「……た、イ」
 願いを零しながらも、彼女は彼らに手を伸ばす。
 手も足も、口も何でもあるのに、何故まだ望むのかと。
 ――私には、ソロネしかいないのに。
「欲シければ、食べれバ、いイ」
 新たに溢れる香りは祝福を。一時、飢餓を忘れさせるた奇跡に、彼らは彼女を天使の『御使い様』だと呼ぶ。
 まるで人ではない何かのように、恐れ崇め湛える。
 そして再び訪れる飢餓に苦しみ、貪りあう。
「食べテモ、満たサれない、でアろウ」
 彼女も満たされていない。決して――何故なら……。
 溢れる飢餓と、溢れる彼女への信仰に『聖句のソロネ』が羽化し彼女は大天使へと変貌する。
 人の殻を捨て光の翼を広げ、三つの宝座に護られし神々しい姿を晒し輝いた。

 行き先は、数年前のTOKYOエゼキエル戦争。
 『聖句のソロネ』と、決着をつける事ができる特別なパラドクストレインだ。
 今回のクロノス級は、撃破できれば新たなアヴァタール級の出現を抑えられるだけでなく、存在を奪われた者を取り返すことができるかもしれない。
 そう蒼狐・珠萌(猫狐な天使・g03640)は説明する。
「覚醒してしまうのを止めることは出来ないけど、事件に関わりのある、吉音・宮美(限界ギリギリ狐娘・g06261)さんが呼びかければ元の存在に戻るかもしれないのです」
 だが困ったことに肝心の宮美は、「私?」と疑問を浮かべたままである。
 身に覚えがない、さすがにこんな知恵の輪の大天使になど縁があれば覚えているだろう。
 忘れている――それとも、知らない間に消えた何か。
「覚醒する前は『御使い様』と呼ばれている十歳くらいの子供なのです」
 珠萌がスケッチブックに記した特徴は、宮美にどこか似ており彼女の幼少期のようにも感じられた。
 だが、『御使い様』は彼女ではない。
 もし元の存在に戻そうとするならば、その正体に迫る必要はあるだろう。
「クロノヴェーダとして生きようとしているので、それを思い留めさせることが出来たらいいと思うのです」
 後は幸運が味方すれば、元の存在に戻ることもあるだろう。
 だが相手はクロノス級。覚醒したばかりとはいえ戦闘力は侮れないので、油断なく戦い撃破して欲しい。

「まず最初に皆さんには、フードフェスに紛れて欲しいのです」
 日本全国から様々な料理の集まる楽しい催しが、東京ベイエリアにあるランドマークホテルで行われている。
 フェスというだけあって、本来であれば数万人の来場に耐えられるだけの規模で行われるのだが、ソロネが居るせいなのだろうか、人々が空腹を感じているようで、凄い勢いで用意した料理が消費されているようだ。
 当然、調理も追いつかない。料理も足りていない。
「特に人気メニューは、既に行列に並んだ人に行き渡らない勢いなのです」
 松阪牛寿司、しゃもの焼き鳥、イクラこぼれ丼、ふわふわの卵プリン。
 食べられないとなれば不満の声も上がり、腹も減る。お腹が空けば苛立ち、いさかいも起こりやすくなり、ソロネが覚醒すれば空腹ではなく飢餓を呼び起こされてしまい人々の間で争いが起きてしまうので、メイン会場に集まった人々に何らかの対策が必要だ。
「『御使い様』もメイン会場のお客さんの中に混ざっているようなのです。だからこの会場からお客さん達か、『御使い様』を別の会場に動かせるだけでもいいと思うのです」
 この時、『御使い様』に話しかけることも出来るが、その子はあくまでも覚醒する前の存在。ソロネの影響を受けて居るが自分に味方する何かとしか理解していないようだ。
 どうやら『御使い様』は人として認めて貰いたいようだが、何を成しても『御使い様』として湛えられるばかりで人として見て貰えていないようだ。
 そうして降り積もったどうしようもない気持ちに付け入れられ、人の争う醜い姿を見せられ、『御使い様』が人として生きようとする未来に絶望し手放してしまうらしい。
 メイン会場に集まってた人々の安全を確保すれば、目論見が外れたソロネが覚醒し、その姿を現し『静謐のクリアホワイト』を呼び出し人々を襲わせようとするだろう。
 それを妨害し、ソロネを撃破すればこの宿縁を断ち切ることに成功するだろう。
「もしソロネになってしまった『御使い様』を救出しようとするなら、覚醒したソロネの中に居る『御使い様』に宮美さんが呼びかけてあげて欲しいのです」
 救出を大きく左右するのは彼女の呼びかけになるが、他の人もソロネに話しかけることで宮美がまだ気づけていない、『御使い様』の手がかりを得ることが出来るかもしれない。

 今回は敵の目的は分かっているが、どの存在を奪って覚醒しようとしているのか正体がはっきりしていない稀なケースだ。
「それが誰だとしても、クロノス級が覚醒し生まれ直そうとしているのは見逃せないのです」
 この宿縁に、どのような決着を望むか集まったディアボロス達に託し、珠萌はスケッチブックを閉じた。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
1
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【水源】
1
周囲に、清らかな川の流れを出現させる。この川からは、10秒間に「効果LVトン」の飲用可能な水をくみ上げる事が出来る。
【飛翔】
3
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わる。全力で力仕事をするならば「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げる事が可能になる。
【未来予測】
2
周囲が、ディアボロスが通常の視界に加えて「効果LV×1秒」先までの未来を同時に見ることのできる世界に変わる。
【強運の加護】
1
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【現の夢】
2
周囲に眠りを誘う歌声が流れ、通常の生物は全て夢現の状態となり、直近の「効果LV×1時間」までの現実に起きた現実を夢だと思い込む。
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【フライトドローン】
1
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【罪縛りの鎖】
2
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【避難勧告】
1
周囲の危険な地域に、赤い光が明滅しサイレンが鳴り響く。範囲内の一般人は、その地域から脱出を始める。効果LVが高い程、避難が素早く完了する。
【友達催眠】
1
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【プラチナチケット】
1
周囲の一般人が、ディアボロスを関係者であるかのように扱うようになる。効果LVが高い程、重要な関係者のように扱われる。
【エイティーン】
1
周囲が、ディアボロスが18歳から「18+効果LV」歳までの、任意の年齢の姿に変身出来る世界に変わる。
【活性治癒】
1
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【植物活性】
1
周囲が、ディアボロスが指定した通常の植物が「効果LV×20倍」の速度で成長し、成長に光や水、栄養を必要としない世界に変わる。
【液体錬成】
1
周囲の通常の液体が、ディアボロスが望めば、8時間冷暗所で安置すると「効果LV×10倍」の量に増殖するようになる。
【建造物分解】
2
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【落下耐性】
2
周囲のディアボロスと、「効果LV×300m半径内」の通常の生物に、どんな高所から落下しても、落下時の衝撃を2mの高さから落下した程度に軽減する能力を与える。
【使い魔使役】
1
周囲が、ディアボロスが「効果LV×1体」の通常の動物を使い魔にして操れる世界に変わる。使い魔が見聞きした内容を知り、指示を出す事もできる。
【操作会得】
3
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。
【口福の伝道者】
5
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【ハウスキーパー】
2
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建物に守護霊を宿らせる。守護霊が宿った建物では、「効果LV日」の間、外部条件に関わらず快適に生活できる。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【通信障害】
2
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。
【アイテムポケット】
1
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。
【寒冷適応】
3
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が、摂氏マイナス80度までの寒さならば快適に過ごせる世界に変わる。
【防衛ライン】
1
戦場が、ディアボロスが地面や床に幅10cm、長さ「効果LV×10m」の白い直線を出現させられる世界に変わる。敵はこの直線を突破できず、上空を飛び越える場合、最低「効果LV」分を要する。直線は戦場で最初に出現した1本のみ有効。

効果2

【能力値アップ】LV8 / 【ダメージアップ】LV10(最大) / 【ガードアップ】LV3 / 【凌駕率アップ】LV3(最大) / 【フィニッシュ】LV1 / 【反撃アップ】LV4 / 【アクティベイト】LV2 / 【リザレクション】LV2 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV2 / 【ダブル】LV1 / 【ロストエナジー】LV5 / 【グロリアス】LV2

●マスターより

凪未宇
皆様、こんにちは。凪です。
宿縁邂逅によってTOKYOエゼキエル戦争に起きた、宿縁を断ち切ってください。

吉音・宮美(限界ギリギリ狐娘・g06261)様の宿縁邂逅です。
執筆順は、③>①②④⑤となります。

■御使い様について
十歳ぐらいの子供の姿というだけで、名前なども特に決まっておりません。
もし何かこれだというのがあれば宿敵主様の方でプレイングにてご指定ください。
また、足りない情報は①③④⑤で収集したり気付くことが出来ます。

③:ホテルで行われる日本の名産品のフードフェスに参加します。
メイン会場は噴水もある中庭に用意された特設会場。それ以外にホテルの広間なども会場となっております。
このまま放っておくとメイン会場が惨劇の舞台と化してしまうので、何らかの対策をしてください。
それ以外は、普通にお客さんとして過ごしても、覚醒前の『御使い様』に接触しても構いません。

①:ソロネと会話が出来ます。
②:宿縁主様のみ参加可能です。覚醒前の存在に話しかけることが出来ます。
④:戦闘選択肢です。
⑤:ソロネを撃破した際、選択肢2が成功していれば、奪われた存在を救える可能性があります。

※技能だけでは、パラドクスや残留効果のような効果は得られず使えません。
※どんな台詞や心情で参加しているのか、キャラらしさを多く書いてあると嬉しいです。

作業日や状況等は、マスターページにてご確認くださいませ。
それでは、皆様のプレイングお待ちしております。
80

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


吉音・宮美
アドリブ連携歓迎
【魔王軍】
御使い様の正体……少し親しい人を整理してみます
お父さんとお母さんと弟の弥博、この三人は港区と一緒に帰ってきました、私からすれば八年歳をとってましたが無事なのは確か
天国のお爺ちゃんお婆ちゃんは昔の写真と容姿が違う
私が居た2013年から新宿島に来た2021年の間に出来た妹?でもそれならお母さんから何か聞いてそうなもの
……八方塞がり、接触するしかなさそうですね

【口福の伝道者】で料理の総量を増やし暴動が起きないよう【時間稼ぎ】
同時に別のエリアには食べ物があるとソロネの影響外へ誘導しつつ御使い様を探し接触します

えっと、始めまして?
私は吉音宮美と言います、貴女は……誰ですか?


薬袋・透
【魔王軍】
正気を失い周りを襲おうとしてる人を尻尾も使い羽交い締めし阻止
わかるわ、お腹いっぱい食べられないのって辛いわよね
でも貴方が食べようとしているそれ食べ物じゃないわよ
食べるならこっちにしなさい
アメリカンドッグ辺りを口に押し込むわ、何かを口に入れれば人を襲えないしお腹も満たされて一石二鳥ね

【口福の伝道者】で数はいくらでも増やせる、好きなだけ食べると良いわ
風使いの魔法で美味しそうな匂いをまいて他の人達も誘導させるわね

それにしても御使い様……見れば見る程宮美ちゃんにそっくりね、本当に何も知らないの?

アドリブ絡み歓迎


ロート・レッター
【魔王軍】の一員として参加
(アドリブ連携歓迎)

ずっと腹が減り続けるのはつれぇよな
目の前にある料理をありったけ食べなきゃやってらんねぇよな、とも思う
だから避難誘導を主導する役割はお任せして、俺は【士気高揚】で励ます方向で行こうと思う

暴動とまでは行かなくても、不安を感じている一般の人が雰囲気に呑まれて、結果その人もおかしくなるなんて事はよくあるし
ちゃんと別のエリアに行けば食料の問題は解決するんだって、食べ物を分けながら重ねて声掛けをしていく
なので普通の鞄に詰めれるだけ食べ物を詰めて持参しとくぜ

その他にも手伝えそうな事があれば、指示に従ってサポートに徹するぜ


崇田・悠里
【魔王軍】
アドリブ連携歓迎

飢えに苛まれるのはきついですしね……
出来る限りどうにかしたい所ですが……

しかし、覚えがないけど似てるとか実は双子さんだったけど理由があって物心つく前に、とか?
いや、でも見た目年齢が合いませんし……かといって其のお子さんとかいうのも年齢が合いませんし……
まあ分かりませんがうちの出来る事を出来る範囲内でやっていくとしましょう

携帯できるタイプの食料を幾つか持ち込み会場に

〇操作会得によって避難の邪魔になりそうな屋台を移動させつつ合間合間に持ち込んだ食料を残留効果の〇口福の伝道者で増やしていき自分の周囲にいる餓えている人々に渡していく
兎に角自分にできる事を出来る範囲で確実に


地鉛・要
【魔王軍】アドリブ連携歓迎
宮美に年上になった弟がいるってのは聞いた事があるが、それよりも幼い妹弟が居るってのは初めて聞いたな。これも刻逆の影響なのだろうか・・・
考察は考察班に任せて今は助けれる可能性がある人を助ける事に集中しよう

取り合えず口福の伝道者を使っている人達に協力しながら
友人催眠で「あっちにもおいしそうな食べ物がある」「ここは混んでるからあっちの人の空いてる所から食べてみよう」などの事を言ってソロネの影響外へ誘導しつつ御使い様を探し、遠くから監視する形で見守るとするかな


ア・ンデレ
【魔王軍】の友達とご一緒に。
楽しいフードフェスも、ご飯がなければ悲しいね。
「アンデレちゃんの、すごいクッキーは、むげんにでるからあんしんしてね。」
お友達の宮美ちゃんについていきながら、トロちゃんのクッキーブレスでクッキーを配っていく。
ご飯がないならクッキーを食べればいいじゃない。

御使い様にも一緒に宮美ちゃんと接触。
「みやびちゃんのおともだちかな。もしそうならば、アンデレちゃんのおともだちだ。
もしそうでないならば……、アンデレちゃんのおともだちだ!」


月見山・伊吹
【魔王軍】
※連携、アドリブ歓迎だよ!


本来なら楽しいはずのホテルのフードフェスパーティなのに…
こんなの地獄だよ渇え殺しだよ

私は主に【口福の伝道者】を使って料理の数を物凄くいっぱい増やすことに注力するからねぇ!
会場現場の料理は勿論、新宿島から持ち込めるだけ持ち込んだ運びやすく腹持ちのいい食べ物も勿論【口福の伝道者】でいっぱい増やすよ
余裕があれば配膳もするねぇ

文句の一つも言わせないくらいに人々がお腹を空かせて他の人を手にかけて共食いする隙が発生しないように
生存してる一般人の避難が完了するまで
【口福の伝道者】で料理増やしまくって時間を稼ぐから!


一里塚・燐寧
【魔王軍】

宮美ちゃんの宿縁の相手……ん-、ナゾだねぇ
まったく関係ないってワケじゃないらしいけど、見当もつかないや
今は事態の対処に集中だよぉ

いやー、豪華ホテルで楽しいパーティかと思いきや、めんどくさいことになってるねぇ?
まだ正気っぽい人には、ドカ食いさせてお茶を濁すとして……
もうイカれちゃってる人たちは、いったん止めなきゃいけないかなぁ?

まだ食料が行き届いていない区画や、怒声・破壊音が聞こえる所を巡回
暴力沙汰や激しい口論を起こしている人を【罪縛りの鎖】で拘束するよぉ
はいはーい、ストップ~。目の前の人を殴ってもご飯は出てこないよぉ
もーちょっと待ってくれたらちゃーんと配膳するから、いい子にしててねぇ


月見里・千隼
【魔王軍】
※連携、アドリブ歓迎


宮美さんと今回のクロノス級ことソロネにどんな因縁があるんだ?

だが今はこれ以上、人々が飢えに飢えて血生臭い惨劇が広がらないように最善を尽くすぞ

まずは【避難勧告】を使い敵の影響外のエリアへ1人でも多く生存してる一般人を避難させるか…
ただし空腹になってきた一般人には料理を食べさせて飢えを満たしてから避難させて
他の参加者に危害を与える程に飢餓状態の一般人には
味方が拘束してる内にたっぷりと食事させて落ち着かせてから避難させる

一般人を迅速に避難誘導し飢えた人に食事を配膳しつつも
【避難勧告】が効いてないであろう例の御使い様を探すぞ


トライガン・ラヴクラフテラ
【魔王軍】
アドリブ連携歓迎

宮美ちゃんの家族が他にも…?

会場にてマグロの着ぐるみとタイツで、持った看板等で案内兼マスコット(もどき)をしつつ、【避難勧告】の効果が効いていないであろう『御使い様』を探す。
見つけ次第、【パラドクス通信】で周知&情報伝達。
必要なら選択PDを詠唱破棄で、位置を示す信号弾の様に空に放とう。
必要無さそうなら、接触する宮美ちゃんを一定距離で警戒しておく。


「いらっしゃいツナ~!●●地区のグルメはこの先~△△地区のグルメは左手でツナ~!美味しいお魚もお肉もあるツナ~!」
「こちら潜入員T。標的と思われる存在を検知、警戒しとく。必要なら信号を飛ばすよ。over」
「信号弾いくよ~…!」


ユエト・ミナヅキ
【魔王軍】

アドリブ連携◎

常に空腹で満たされないとははた迷惑な能力だな
だが、これも宮美さんのため
微力ながら助太刀させてもらおう

今までバイトで培ってきた配膳スキルを活かし
必要な人へ食事を行き渡らせることに集中しよう

まずは【フライトドローン】で沢山のドローンを呼び出すぞ
そして仲間が用意してくれた食べ物と
無料で食べられる物であることを記したチラシを
ドローンの上に乗せ配達の準備をしよう
人が乗れるくらいの大きさはあるから大丈夫だろう

あとは会場をよく見て、お腹を空かしてイライラしている人達の元へ
ドローンを飛ばし出来立てご飯を素早く届ける!

ドローンの配達サービスです
食事は無料ですのでおひとつどうぞ!


ミルル・ドラゴノーツ
【魔王軍】
アレンジ大歓迎
魔王軍の部下である宮美殿を助けるため……いざ、魔王軍出撃じゃ!!全力でサポートするのじゃ!!

惨事を回避するため、計略にて避難誘導の戦略を立てて、それぞれに指示を出していくのじゃ!!


枢・拓哉
【魔王軍】の皆と!

アドリブ連携・アレンジ歓迎

難しい事は分らんけど
お腹が減るんは悲しいよな
ちょっぴりお手伝いしよかー

人混みを小さい体を活かして隙間を抜けて
【ジャンプ】で壁や屋台の屋根を使って高い所に登って状況を把握しよか
高い所からなら【避難勧告】の効果が効いていなさそうな『御使い様』も見つけやすいかも?
少しでも早く【幸運】が味方して見つけられたら良いな

売り切れを知らせたり、売り切れなのに自動で客寄せ様に流れるアナウンスは皆の邪魔やし【通信障害】でポイ!

『御使い様』も普通の子供も、お腹が減って大人もピリピリしてたら悲しくなっちゃう

「大丈夫。新しいご飯が出来るまで、皆で楽しく遊べばもーまーんたーい」


●食の祭典
 東京ベイエリアにおりたった魔王軍の面々と知人達は、出迎えてくれたアーチに書かれたフードフェスの文字とその奥にそびえるランドマークホテルを見上げた。
 ここで行われるのは、本来であれば日本各地から様々な料理が集まる楽しい食祭だ。
 その賑やかな雰囲気と、これから覚醒しようとしているクロノス級が起こす事件に、表情は様々。
 得に難しい顔をしているのは、吉音・宮美(限界ギリギリ狐娘・g06261)である。
「御使い様の正体……」
 知らない、見に覚えがない。覚醒しソロネとなった姿は勿論、覚醒前の元の人物ですら身に覚えがなかった。
「お父さんとお母さんと弟の弥博、この三人は港区と一緒に帰ってきました、私からすれば八年歳をとってましたが無事なのは確か」
 親しい人を整理してみますと、まずはハッキリしている所から。
 そして、天国のお爺ちゃんお婆ちゃんも違う。写真でみたのと容姿ご合わない。どちらかというと、今の家族に近い。
「宮美に年上になった弟がいるってのは聞いた事があるが、それよりも幼い妹弟が居るってのは初めて聞いたな」
 これも刻逆の影響なのだろうかと、地鉛・要(物騒な天使と平和そうな天使・g00242)とが言うと、そんなはずはと宮美は首を横に振った。
「覚えがないけど似てるとか、実は双子さんだったけど理由があって物心つく前に、とか?」
 言いかけて、それにしてはと崇田・悠里(軍刀振るいて道切り開かん・g00432)は首を傾げる。
「いや、でも見た目年齢が合いませんし……かといって其のお子さんとかいうのも年齢が合いませんし……」
 悠里の視線に「私!?」と宮美の狐耳がピョコンと驚いた。
 成人はしているけど、こんな大きな子供を産んだ覚えなど当然ない。
「私が新宿島に来た間に出来た妹? でも、それならお母さんから何か聞いてそうなもの」
 顔を合わせてないならいざ知らず、既に再開を果たしているのだ。教えてくれないということは無いだろう。
 それに生まれたとしては、少し大きすぎる気もする。
「宮美ちゃんの宿縁の相手……ん-、ナゾだねぇ。まったく関係ないってワケじゃないらしいけど、見当もつかないや」
 パラドクストレインが繋がり導かれている以上、この縁は間違いなく宮美のもの。
 一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は、情報が少なすぎると感じた。
 記憶喪失だとしても、もっと何か分かるはずだが、これは根本的に欠けていた。
「……八方塞がり、接触するしかなさそうですね」
「まあ分かりませんが、うちの出来る事を出来る範囲内でやっていくとしましょう」
 これ以上考えていても時間が惜しい。
 惨劇を防ぐ必要もあるし、そこに居るなら会ったほうが早いだろう。
 宮美の気持ちが固まったのを見届け、ミルル・ドラゴノーツ(魔王軍四天王「知将のミルル」・g08848)は、ビシッと会場を示した。
「魔王軍の部下である宮美殿を助けるため……いざ、魔王軍出撃じゃ!! 全力でサポートするのじゃ!!」
 ミルルの号令と共に、彼らはアーチをくぐった。

 メイン会場は大勢の人々で賑わっていた。
 そこかしこの屋台から、食欲をそそる美味しい匂いが溢れ賑わっている。
 ゆっくりと自分達も料理を楽しみたいとこだが、惨劇が起こってからでは遅い。
 人気料理は既に売り切れになったようで、屋台の人達が苛立つお客さんに詰め寄られているのもチラホラ。
 既に、お腹が空いているのに食べるものが行き渡らない人が出現し始めているようだ。
「ずっと腹が減り続けるのはつれぇよな。目の前にある料理をありったけ食べなきゃやってらんねぇよな」
 うんうんと、ロート・レッター(ちょーつよい男(自称)・g01665)は頷き、少しでも沈んでいる人達を励まそうと士気高揚を使った。
「暴動とまでは行かなくても、不安を感じている一般の人が雰囲気に呑まれて、結果その人もおかしくなるなんて事はよくあるしな」
「難しい事は分らんけど、お腹が減るんは悲しいよな。ちょっぴりお手伝いしよかー」
 ヒョイと小さな身体を活かし、枢・拓哉(守護者見習い・g06724)は人混みの中に潜り込んでいく。
 人と人の間を擦り抜け、登れそうな高い位置に取りつけられたスピーカーの上にチョコンと腰掛け辺りを見回しパラドクス通信で仲間に状況を伝え。
 これから起こる色々な事態をアナウンスされると邪魔になるので、フェスの運営の人には申し訳ないが通信障害で遮断してポイと断たせて貰った。
「大丈夫。新しいご飯が出来るまで、皆で楽しく遊べばもーまーんたーい」
 これで売り切れも、本当は会場移動も無いなど、簡単には伝わることはないだろう。
 ちょうど別の会場では、月見山・伊吹(太陽の恵み、日蝕の災禍・g04125)が月見里・千隼(硝煙と魔弾の騎手/現代ラストジョッキー・g03438)や仲間が、メイン会場から調達してきた料理や新宿島から持ち込んだ料理を広げ食べようとしていた。
「本来なら楽しいはずのホテルのフードフェスパーティなのに……こんなの地獄だよ渇え殺しだよ」
「人々が飢えて血生臭い惨劇が広がらないように、最善を尽くすさないとな」
 早速、いただきますと伊吹が口にしたのはこぼれイクラ丼。
 どんぶりに山盛りになったイクラが下の大皿に零れ落ち、噛めばプチッと弾け口の中に濃厚な味が広がる。
 口福の伝道者により、ユエト・ミナヅキ(兎印の何でも屋・g05751)がセッティングしたテーブルに100人分の同じ料理が皿ごとずらりと並ぶ。
「常に空腹で満たされないとは、はた迷惑な能力だな。だが、これも宮美さんのため」
 微力ながら助太刀させてもらおうと、大量のフライトドローンを呼び出した。
 伊吹が次き手を伸ばしたのは、牛タンの串焼き。
 食欲そそる脂と肉の香ばしい匂いを頬張り、こちらの料理も増量。
「ここは任せて、文句の一つも言わせないくらい、料理を物凄くいっぱい増やすことに注力するからねぇ!」
 飢えからの共食いなど、起こさせるわけにはいかないのだ。
 この調子で頑張ると伊吹は次の料理へと手を伸ばし、一部を手に千隼はメイン会場へ。
 そしてユエトは、フライトドローンに料理を乗せ、「無料提供。ご自由にどうぞ」と記し別エリアの案内ものせたチラシも沿え、万全のデリバリースタイルでそれらを送りだした。
 積載量が人一人分と考えれば、料理とチラシを運ぶことなどどうということはない。難点なのは、複雑な指令が出せないぐらいだ。
「はいはい、落ち着いてね。わかるわ、お腹いっぱい食べられないのって辛いわよね」
 器用にドラゴニアンの尻尾も使い、薬袋・透(無彩の魔女の系譜・g02087)は暴れようとしてる人を羽交い絞めに。
「食べるならこっちにしなさい」
 道東風の砂糖をまぶしたアメリカンドッグを、口に突っ込んだ。
 突然、口の中がいっぱいになり、拘束されてた人は驚いたが口の中に広がる美味しさに、落ち着きを取り戻す。
「何かを口に入れれば人を襲えないし、お腹も満たされて一石二鳥ね」
 ついでに僕も食べて口福の伝道者で数も増やしておこうと、透もかぶりついた。
 フレンチドックと呼ばれているらしく、まるで棒付きドーナッツを食べているようで中に入っているのが魚肉ソーセージのおかげか、マイルドな味が広がる。
「好きなだけ食べると良いわ」
「いやー、豪華ホテルで楽しいパーティかと思いきや、めんどくさいことになってるねぇ?」
 御使い様を見かけるかもしれないしと巡回しながら、苛立った声のする方へと燐寧は回っていった。
 こういう時はどうしようか。
「まだ正気っぽい人には、ドカ食いさせてお茶を濁すとして……もうイカれちゃってる人たちは、いったん止めなきゃいけないかなぁ?」
 そうならないのが一番だが。
「飢えに苛まれるのはきついですしね……出来る限りどうにかしたい所ですが……」
 避難の邪魔に、そして動かせる屋台の店主に悠里は友達催眠を用いて交渉を。
「メイン会場で騒ぎが起こってるようです。別エリアにお客さんも誘導しているので移りませんか?」
 巻き込まれるとしたら、客だけではない。出店者も一般人だ、巻き込まれる可能性は高い。
 どこまでできるか分からないが、悠里は声をかけていく。
(「兎に角、自分にできる事を出来る範囲で確実に」)
「いらっしゃいツナ~! 東北地区のグルメはこの先~南地区のグルメは左手でツナ~! 美味しいお魚もお肉もあるツナ~!」
 まるで始めからいた会場スタッフかのように、トライガン・ラヴクラフテラ(愛奏でる星迷いの音楽家・g01719)はマグロの着ぐるみとカラフルでランダムなドット柄の全身タイツで案内看板を手に、人々の誘導をしながら御使い様を探していた。
 別会場で料理の配膳が始まれば、『歓迎』と雄々しい文字で書かれた看板をアピールし、無料提供もあるツナ~と会場誘導も忘れていない。
「あっちにも、おいしそうな食べ物があるな。行ってみないか?」
 友達催眠で紛れ込みながら要も誘導するよう声をかけ、一人でも多くソロネが覚醒した時に影響を受けないようにと誘って。
 ゾロゾロと興味を惹かれたのか、待ち時間に飽き始めてた人達が少しずつ流れていく。
「ここは混んでるから、あっちの人の空いてる所から食べてみよう」
「楽しいフードフェスも、ご飯がなければ悲しいね」
  足りない料理にヒートアップしている大人は他の仲間に任せ、ア・ンデレ(すごいぞアンデレちゃん・g01601)はミニドラゴン『トロ』の3つ首から『クッキーブレス』で、大量のクッキーを出現させた。
「アンデレちゃんの、すごいクッキーは、むげんにでるからあんしんしてね」
 まるで、ドラゴン姿のクッキーサーバーみたいな状態に、歓声があがる。
「ご飯がないならクッキーを食べればいいじゃない」
 早く御使い様を見つけなければ焦りながらも、時間稼ぎと宮美も口福の伝道者でフェスの料理をミルルと頂く。
 博多あまおうプリン、あおもり生プリン、さくらプリン。
 デザートも抱負で、事件さえなければ最高であっただろう。
「うむ、上手い! しかし御使い様は見つからないようじゃのぅ。そろそろ避難勧告で一気に動かしても良いかもしれんの」
 避難勧告を使えば人々を動かすのは容易いが、同時に何かが起こっていると御使い様にも中に潜んでいるソロネにも教えてしまう。
 ミルルの言葉に、動くかとディアボロス達が身構えた時だった。
『TUNA~!!!』
 信号弾ではなかったが、何とも言えない驚愕の声がパラドクス通信から聞こえてきた。
『こちら潜入員T。標的と思われる存在を検知、発見。警戒しとく……というか捕らえられました! over』
 トライガンが動揺するのも仕方がない、件の御使い様は彼の目の前でしっかりとタイツの端を掴み、蝶が輝く瞳で食い入るようにじっと見上げていた。
 本当に幼い子供か分からないが、これだけ目立つ存在だ。子供心をくすぐったのかもしれない。
(「小さい宮美ちゃん。宮美ちゃんの家族が他にも……?」)
 見た目は十歳くらいで妖狐の特徴はないが、明るい金髪も瞳も見ればみる程、良く似ている。
「……ソレ、食べ、たイ」
「被り物で食べれないんだよ」
 頭を指さされトライガンはビチビチと頭を横に振り、タイツを引っ張られるのは困るな等と思いながら。
「えーと、お嬢ちゃんは、迷子なのかい? お名前いえるかな」
「みツかい、さまって、呼ばれテル……名まエは、無イの」
 何だか困ったような泣きそうな表情を浮かべ、トライガンが慌てたところに宮美達が駆け付けた。
 他の仲間も、何かあれば駆け付けられるよう、それぞれ作戦を続けながら様子を窺っている。
 魚を被った全身タイツの男が、少女を泣かせそうになっている光景に見えることには、そっと触れず。
「はいはーい、ストップ~。目の前の人を殴ってもご飯は出てこないよぉ。もーちょっと待ってくれたらちゃーんと配膳するから、いい子にしててねぇ」
 詰め寄られていた出店者を救うように、罪縛りの鎖で仲裁しながら燐寧もチラリと振り返り。
 そこにすかさずユエトが操るフライトドローンが、滑り込んでくる。
「ドローンの配達サービスです。食事は無料ですのでおひとつどうぞ!」
 まだ向こうにありますと案内し、次へ。
「お腹が減って大人もピリピリしてたら悲しくなっちゃう。落ち着いてなー」
 拓哉からの情報を頼りに、お腹を空かしてイライラしている人達の元へとユエトは急いだ。
 別エリアに整えられた料理の美味しそうな匂いを、透は風使いの力で流れを僅かに変え更に人々を誘導させながら顔を合わせた二人を見比べた。
(「それにしても御使い様……見れば見る程宮美ちゃんにそっくりね」)
『宮美さんとソロネにどんな因縁があるんだ?』
 まずは御使い様かと、千隼が改めて疑問を口にする。
『本当に何も知らないの?』
『知りませんよ。なので、直接会いに来たんです』
 パラドクス通信で返事をすると、宮美は御使い様と目線の高さをあわせるようしゃがみ話しかけた。
「えっと、始めまして? 私は吉音宮美と言います、貴女は……誰ですか?」
「……知らナい」
 フルフルと首を横に振り、御使い様は恥ずかしそうに、トライガンの足の後ろに隠れた。何故、子供は人の足に直ぐ絡むのか。
 すかさず、こんにちはとアンデレが笑顔を向ける。
「みやびちゃんのおともだちかな。もしそうならば、アンデレちゃんのおともだちだ。
もしそうでないならば……アンデレちゃんのおともだちだ!」
「みやー……ちゃん? おと、もだチ?」
 御使い様は、不安そうに宮美を見上げ。
「あのネ、何もナイとこ、いたノ。あたシ……あたし、やっと動けルようにナたバかりで、いっぱいしたいの、ほしいの」
「生まれたばかりですか?」
 どういう事だろうと、宮美が思った時だ。
「……マ、マ?」
 驚いたように御使い様が宮美を一度見上げ、こめかみを押さえるように手を添え何かに耳を傾け。
「お、姉ちャん、なの?」
 何人かがやっぱりと心の隅で思ったが、一番驚いているのは宮美だ。
 色々な想像が頭を過ったが、オドオドとしていた御使い様の表情が険しい意志のあるものへと一瞬代わり、表情が消えた。
 その様子を見逃さず、ミルルが号令を出す。
「避難勧告じゃ! 惨事を回避するため、いくのじゃ!!」
 その言葉が言い終わる前に、千隼は避難勧告を発動しこの会場に集まった人達を動かす。
(「敵の影響外のエリアへ、1人でも多く避難させる……」)
 赤い光が明滅しサイレンが鳴り響き、人々は我先にと脱出をし始める。
 事前にかなりの人数を別エリアに誘導していたおかげで、人が雪崩押し寄せるトラブルは何とか回避できたか。
 手伝えそうなことがあればと、ロートは落ち着くよう声を掛けながら人々を誘導し。
 要や悠里が、避難の邪魔になりそうな障害物をどけてくれたので、移動は順調だ。
 元々別エリアに移っていた人達には、伊吹が料理増やしまくり、ユエトがバイトで培った配膳スキルを活かし兎のように軽やかに料理を行き渡らせ、充分に人々の注意をひいている。
 移動させた屋台も稼働しており、恐らくここのお客さんが騒ぎの方やメイン会場に戻ろうとすることは余程の事が無い限り大丈夫だろう。
「おネちゃのせいデ……生まれラレなかった。全部、アル。手も足も、ドシテ……あたし、ソロネが助ケてくれなかったら、キエテしまってた。ソロネが教えタ、お姉ちゃが奪った、お姉ちゃんが全部奪ったって!」
 睨みつけるように御使い様は、宮美に言う。
 宮美が全部奪ったから、自分は生まれることが出来なかったと。ずっと一緒に育ったのに、誰も私に気付いてくれなかった。
 まるで子供の癇癪のようにまくしたて。
 パキパキと御使い様の身体は羽化を繰り返しながら、トライガンから離れ宮美に詰め寄っていく。
「何も無イ、名前も、身体モ……私は人に、私に、なりたかった、だけ」
 その言葉は段々とはっきりと、落ち着いた口調になり、姿は完全に宮美と同じ年頃の女性になり。
「誰も、見てくれナイ。誰も、ソロネ、だけ。私を、認めてくれる!」
 御使い様の全身に眼が開き、羽化しはじめる。
 会場の避難は全て終わり、他の場所にいた仲間も駆け付けて。
「そう、あなたを奪えば、この身体は人になれます。居なくなれば、私の力は高まり、もっと理想の存在になれる」
 ――お姉ちゃんを奪えば?
 辛うじて最後に見えた御使い様の眼は、不安と悲しさを湛え宮美を見つめ、光に包まれ。
 翼が広がり、人の殻は消え三つの宝座に護られし神々しい姿に。
 異形の姿を持つ大天使、『聖句のソロネ』が覚醒するのであった――。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【口福の伝道者】LV4が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】LV2が発生!
【能力値アップ】LV2が発生!
【ダメージアップ】LV2が発生!
【ガードアップ】LV2が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【アクティベイト】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!

 覚醒した『聖句のソロネ』は、その無数の瞳で周囲を見渡す。
 計画では、大量の人々を飢餓に陥れながら惨劇を起こし、覚醒時に力を得るはずであった。更に、その事態を救うよう振る舞えば信仰も一気に集められる。そういう算段であった。
 だが人々の姿は無く、邪魔が入ったわけだが。
「予定になかったが、これはとんだ拾い物ですね」
 会うはずのなかった血縁者が、目の前に居る。
 近しい者の命を奪えば、今回失敗した以上の力を得ることも可能だろう。それに、まだ人は近くに居る。
 ソロネは輝きを増し、無数の『静謐のクリアホワイト』を周囲に生み出し、人々を追わせようとするのであった。
吉音・宮美
アドリブ連携歓迎
【魔王軍】
生まれられなかった、奪った、私のせいで……そういうことですか
知らないわけだし、教えてもらえませんよ、普通の親なら…貴女は双子の姉妹を殺すようにして生まれてきたなんて話さない!
ごく稀に双生児の片割れがもう片方の胎児に吸収されるバニシングツイン、その吸収された側が御使い様の正体……色々とありますが、まずは考えましょう
彼女を助け出す、その方法を!

選択PDを発動
敵の動きを抑えつつ感情を動かす【演奏】を妹にも聴かせるとこでその意識を繋ぎ止め【時間稼ぎ】をします

ああもう手のかかる妹ですね!
すぐそっち行きますから、一曲聴いて目を覚ましてなさい!


薬袋・透
【魔王軍】
アドリブ絡み歓迎

御使い様って呼び方イマイチだし名付けるまでは妹ちゃんって呼びましょ。彼女も宮美ちゃんも死なせやしない、皆で過ごす奇跡、起こして見せるわ!

パラドクス発動、ケルベロスを召喚、放つ咆哮の衝撃波で薙ぎ払い
僕自身はケルベロスと並走し火炎使いの魔法弾で貫通撃、衝撃波を耐えた敵を倒していくわ

相手の攻撃は高速詠唱、耳に結界術でバリアを張り防御
そちらの歌が戦意を喪失させるならこっちは怒りを込めた炎の舞で士気を高めてやるわよ!


崇田・悠里
【魔王軍】
アレンジ連携歓迎

色々と有るようですが……二人を会話させる為にも邪魔をする人達を如何にか排除しないといけませんね
戦争以外では初陣の身ではありますが縁があった身、お二人の仲を取り持つ為にも拙いなりに助力させて頂きます!

此れ以上奪わせませんし知った身として救い出す為に死力を尽くすのみ
ディアボロスとして……絶対に貴女が宮美さんと共に生きる道を掴み取ってみせます!


〇復讐の刃によって軍刀、銃剣の類いを召喚
〇戦闘知識によって特に弱っている敵、味方を狙っている敵を中心に呼び出した軍刀を〇投擲したり銃剣から〇誘導弾を発射する等して攻撃
確実に一体ずつ倒していく
可能ならば御使い様に声をかけながら戦っていく


ア・ンデレ
【魔王軍】の友達と戦うよ。
友達の宮美ちゃんと、その友達(?)妹(?)のため。
アンデレちゃんは敵に立ちはだかる。

「あのみつかいさまがなんなのか、よくわかってないけど、なんだかなかよくなれそうなきがするよ。」

アンデレちゃんは事態をまだ把握できていないけど、今は目の前の敵を倒さなければ行けないことはわかる。
アンデレちゃんは大きく息を吸い、口から白のブレスを吐いて攻撃を行う。
「しろには、しろだ!」
白の奇麗なブレスをよく見ると、それは無数のシマエナガの群れ。
白は白。数には数。シマエナガたちはクリアホワイトを少しずつ食いちぎっていく。


トライガン・ラヴクラフテラ
【魔王軍】
アレンジ連携歓迎

極論さぁ、他の参加者への思いは特に無いんだけど…懐いてくれた子をそのままに出来ないじゃん。あんな目のまま行かせたんじゃトリックスターの名が廃っちゃうしねぇー?

それに…事情は分かった。ふーん、家族、家族かぁ…はぁ。
…あんな子に、物悲しい目を、よりによって家族に!向けさせて!!良い訳あるかぁぁぁ!!!

選択PDを発動。
被害者を出させない襲わせない様に、緑色の粒子で作られた空中の敵を妨害する様に正面から迎え撃つ。
緑色の粒子で形作られし半透明の勇者達で、空中を駆け無辜の人々を敵から守り、敵を迎え撃つ。


一里塚・燐寧
【魔王軍】

……生まれられなかった、か
一歩間違えたら生後すぐ死んでた元重病人としちゃ、聞き捨てならないねぇ
あの子は必ず助ける、だーけーどー
まずはブッ殺していい奴を片付けちゃうよぉ!

≪テンペスト・レイザー≫を手に【飛翔】
全速力で敵群に斬り込み『呪式:威鬼衝天』を放つよぉ!
接近した敵は回転刃を押し付けて解体し、離れた敵は飛び散る鬼火の連射で焼き尽くす
数を減らしていくことで敵の隊列を荒らしていくねぇ

反撃の光弾からは一撃離脱で出来るだけ距離を取り
分厚い刀身を盾代わりにガードしてダメージを抑えるよぉ
浄化の力に対しては自分の内に呪詛を巡らせ対抗!
きみごときが真っ白に出来るほど、あたしの心は綺麗じゃないよぉ?


月見山・伊吹
【魔王軍】
※連携、アドリブ歓迎だよ!


あの女の子が御使い様…宮美さんをそのまま幼い頃にしたような…え、えぇー!宮美さんの…ご家族…?!
しかも生まれる前に亡くなった双子の妹さん?!!

御使い様こと妹さんを必ず助け出して
宮美さんと双子の姉妹として共に生きていける奇跡を起こせるようにお手伝いするからねぇ!

驚きの白さの天使には真っ白な氷雪を
『幻日』でスフィンクスのシフォンが吐き出す吹雪のようなブレスや
氷の塊で悪い大天使達を光の弾ごとより真っ白にカチコチに凍てつかせるから!
ほーら、寒さで震えて祈りの言葉を唱えられてないよー?
氷の塊を爆発させたら破片が氷の弾丸のように撃ち抜くからね

反撃は【ガードアップ】で防御


枢・拓哉
【魔王軍】の皆と!

アドリブ連携・アレンジ歓迎

家族の事は分からんし、宮美ちゃんと妹ちゃんがどうなるのが良いかも分からない。
ただ、どうしても頭の中が煩くて、お腹がすいた。

「おにさんこちら、おなかのなるほうへ」

騒がしいクリアホワイトの良い所、それは数が多くて食べても誰にも怒られない所。
避難する人たちに向かう前に回り込んでは小さな口をいっぱいに開いて食事を始める。

「どんなあじかは、おたのしみ…ばいきんぐってやつやろか?」

少しでも静かに、少しでも穏やかに、どうか、お友達とその家族にしあわせな時間が来ます様に…
ただひたすらに食い散らかす。
クリアホワイトの命を糧に身体を、口を、牙を動かし続ける様は暴食の獣。


氷守・海里
【魔王軍】
連携・アドリブ歓迎

お待たせー!助けに来たよ!
事情は知ってても無視をするかな。今は敵なら倒すしかないしね。
助け出す方向でいいんですよね?
なら、眠ってもらおうかなあ。寒い寒いその中でおやすみなさい。
という事でパラドクス発動!氷守の秘術をご覧あれ!

闇をその身にまとって、その間にその身を凍らせて、動きをその力を止めよう。
凍らせてしまえば眠るしかないからね。

相手の剣は結界術で防いだり、風使いで飛んできた武器を防ごう。
ダメージを抑えて継戦能力を高めよう。


ミルル・ドラゴノーツ
我が軍よ!一般人が襲われておる……!守るのじゃ!

ということで我は後ろで突破してこようとしてきたものを狩るのじゃ


ニビル・ドゥールス
【魔王軍】
うっし、やっと戦闘か、です。
対話とか呼びかけなんてニビィには向いてねえです。
だけどよ、こと戦闘にかけては任せとけ……雑魚共を蹴散らしてやる、です!

この拳と槌だけがニビィの出せる唯一にして最強の武器だ!!

▽戦闘
翼を広げ【飛翔】で突っ込み、殴り、叩き、暴れ狂うように戦う
槌を振るって切り込み、接近したら拳も使う。
強い闘志と共に「デストロイスマッシュ」で一気に吹き飛ばす!


地鉛・要
【魔王軍】アドレイブ連携可
俺には家族の記憶が消えてるから其処ら辺はさっぱりなんだけど……
ただまあ、純粋な子に取り入る天使はきっちり消し飛ばさないとな……家族との再会をあんなのに邪魔させるわけにもいかない。

取り合えず梅雨払いといこうか
選択PDを発動
地に落ちろ偶像共


ロート・レッター
【魔王軍】

人として生きられなかっただけじゃなくて、今度は化け物に取って代わられようとしてるって事なのか…そんなの、まっとうな人の終わり方じゃねぇよ…!

パラドクスのパワーを剣に乗せて、全速力の連撃で敵の攻撃を切り払いながらダッシュ。爆破には爆破で対抗だ!
反動その他は残留効果も使いながら耐えて、爆煙に紛れながら剣を銃に変形
火炎使いの力も込めた魔力弾を連射して敵の体勢を崩し、銃からもう一回剣に変形
浄化だの何だの語ってんじゃねぇ!
剣の間合いに入った敵に直接爆撃を叩き込む!

妹さんには奪うチャンスなんかじゃなく、生きることが出来るチャンスが来たんだって、俺はそう思う!


ユエト・ミナヅキ
【魔王軍】
アドリブ連携◎

毎日のように命のやり取りをしてきた元傭兵の経験から言えば
自分が生きるために近しい誰かを犠牲にする
それが、やむを得ない時もある

だが、自分だけのために犠牲を強いるのは悲しいことだ
人を導く天使のふりをして他人を利用し、自分を磨き高めることすら知らない、人にも劣る存在
そんなヤツにくれてやる命などない

カートリッジ『雷光』を[雪牙花]に装填
雷を纏った刃で人々の前に立ち【防衛ライン】で迎え撃つ
【飛翔】で軽くなったフットワークを生かし味方の防衛の穴をカバー
≪残霧空裂刀≫の残像剣で敵の光弾を受け流し、斬撃を浴びせるぞ

そんな子供だまし、何発来ようが問題ない
フェスも盛り上がってきたな!


月見里・千隼
【魔王軍】
※連携、アドリブ歓迎


宮美さんと御使い様にこのような事情があったとはな…

人としてこの世に生を受けられず消え逝く悲しみは分からなくもないが
宮美さんやフェスに来た人々に怒りをぶつけるように八つ当たりするのはお門違いかと
露払いは任せろ

『寝覚月』で魔力が込められた弾丸を撃ち
鋸みたいな歯が回転鋸みたいになってる雷のチェーンソーノコギリザメ達を召喚して
敵どもも光の剣も切り裂くか落雷で一体一体的確に駆逐していこうか

反撃はノコギリザメ達に庇ってもらうか回転鋸の歯でそらすか
落雷や【ガードアップ】を駆使して大痛手にならいように対処を


●浄化地点
 聖句のソロネは、宝座を回しながらゆっくりと光を増していった。
 そこにはもう人の形はない。
 いや、もしかすると最初から人の形など持っていなかったのかも。
 何せ生まれられなかったのだから……。
「生まれられなかった、奪った、私のせいで……そういうことですか」
 断片的な情報を繋ぎながら、吉音・宮美(限界ギリギリ狐娘・g06261)は頷くも、まだ事態を全て吞み込めたわけではない。
「知らないわけだし、教えてもらえませんよ、普通の親なら……貴女は双子の姉妹を殺すようにして生まれてきたなんて話さない!」
 正確なことは分からない。何がどうなって、そんな事が起きたのか。
 だが宮美は自分が知る限りの知識の中で、一つの可能性を提示する。
「ごく稀に双生児の片割れがもう片方の胎児に吸収されるバニシングツイン、その吸収された側が御使い様の正体……!」
 違っているかもしれないが、そう考えるのが一番しっくりくる。
「正体など何でもいいではありませんか。この子が母の体内で弱っていたから私が貰ってあげただけです。別にあなたに寄生しても良かったのですよ」
 朗々と説教をするように、ソロネは語り覚醒した身体を確認するように更に翼を広げていく。
「え、えぇー! 宮美さんの……ご家族……?! しかも生まれる前に亡くなった双子の妹さん?!!」
 様々な情報がいっぺんに入ってきた、月見山・伊吹(太陽の恵み、日蝕の災禍・g04125)は驚いた。
 確かに御使い様を見た時、宮美さんをそのまま幼い頃にしたようなと思ったが、本当に家族で、生まれることのなかった妹ととは思いよらなかった事だろう。
『欲し……イ……』
 ソロネの中から幼い女の子の声が零れ、消えていく。
「まだ人に未練が……少し早まりましたか……やはり血縁者を、直接……」
 様子を見ているのか、それとも覚醒が不完全なのか、急に襲い掛かってくる気配はなさそうだ。何やら言葉にならない声で、宝座を回し何か考えているようにも見えた。
「色々とありますが、まずは考えましょう。彼女を助け出す、その方法を!」
 それが思いつくまで、いや中に妹なる存在が居るのなら『ややこしい事は考えず、思いっきり歌ってみる!(ソング・オブ・マイハート)』。
「ああもう手のかかる妹ですね! すぐそっち行きますから、一曲聴いて目を覚ましてなさい!」
 感情を揺り動かす音色を妹にも聞こえるように、演奏し始めた。
 宮美の演奏を聞きつけた『静謐のクリアホワイト』の一部が、くるりと向きを変え彼女へと殺到する。
「名も無き者共よ、怨念の残滓よ。僕が代弁者となろう、仮初の姿を与えよう。汝が敵は目の前にあり。顕現せよ、ケルベロス」
 その行く手を阻むよう薬袋・透(無彩の魔女の系譜・g02087)は、『召喚:怒れる番犬(サモン・レイジングケルベロス)』し、炎を纏いし三つ首の番犬による咆哮による衝撃波を浴びせさせた。
「御使い様って呼び方イマイチだし、名付けるまでは妹ちゃんって呼びましょ。彼女も宮美ちゃんも死なせやしない、皆で過ごす奇跡、起こして見せるわ!」
 そう、あの子は生まれていない。
 名前を呼ばれたことも、親から愛情を注がれたことも、何かを口にしたり楽しんだり。そういった当たり前のことを経験していないのだ。
 欲しい、人になりたい――妹はそう言っていた。
「我が軍よ! 一般人が襲われる……! 守るのじゃ!」
 頼もしい号令をあげながら、ミルル・ドラゴノーツ(魔王軍四天王「知将のミルル」・g08848)は、後方へと下がった。
 頼もしい仲間が居るので戦力は充分なはず。
「ということで、我は後ろで突破してこようとしてきたものを狩るのじゃ」
 だが相手の攻撃は歌に祈りと、対象さえ視界に捉えればその影響下は広い。
 ならば、音には音を。
 クリアホワイトの響かせる『浄化の歌』が、ソロネを賛美し宮美の響かせる音色を掻き消そうとする。
「俺には家族の記憶が消えてるから其処ら辺はさっぱりなんだけど……」
 陽炎のように淡く曖昧な翼は、夢や記憶を失った地鉛・要(物騒な天使と平和そうな天使・g00242)の存在を示すように広がっていた。
 どこかやる気のなさそうに向けられ目は虚ろだが、奪われようとしてるもを放っておくつもりはない。
「ただまあ、純粋な子に取り入る天使はきっちり消し飛ばさないとな……家族との再会を、あんなのに邪魔させるわけにもいかない」
 歌うクリアホワイトへ『深い不快不解(ディープ・ディープ・ディープ)
』を放ち、翼からの眩しい光が影を奪っていく。
「極論さぁ、他の参加者への思いは特に無いんだけど……」
 出会えた全てを記した厚く旧い本〈果てしない物語〉を開き掲げ、トライガン・ラヴクラフテラ(愛奏でる星迷いの音楽家・g01719)は歌を紡ぐ。
「懐いてくれた子をそのままに出来ないじゃん。あんな目のまま行かせたんじゃトリックスターの名が廃っちゃうしねぇー?」
 精神を浄化しようとする歌に抗うように、トライガンは宮美の音色を捉える。
「それに……事情は分かった。ふーん、家族、家族かぁ……はぁ。……あんな子に、物悲しい目を、よりによって家族に! 向けさせて!! 良い訳あるかぁぁぁ!!!」
 紡ぐ歌は『『永遠に到れ、果てしない物語』(エイヴィヒカイトディーウンエントリヒゲシヒーテ)』、様々な美しきモノや勇気ある者達の物語。
 歌に伴い湧き出緑光の光の奔流が勇者の姿を成し、天を仰いだまま要に影を奪われ絶望へと墜ちたクリアホワイトに次々と攻撃を仕掛けてく。
「不幸と絶望にソコは無し。地に落ちろ偶像共」
 前後不覚となったクリアホワイトは、囀ることもできず。
 ミルルの操る『アイスエイジブリザード』が吹雪に覆いつくし、クリアホワイトの歌を呑み込んで掻き消していく。
「そちらの歌が戦意を喪失させるなら、こっちは怒りを込めた炎の舞で士気を高めてやるわよ!」
 宮美の演奏に合わせ、トライガンが歌い、透が舞って、要が落とし。 
 そしてミルルが掻き消して。
 クリアホワイトを確実に削っていくのであった。

 討ち漏らしさえなければ万全だ。
 メイン会場から聞こえてくる戦闘音に、ユエト・ミナヅキ(兎印の何でも屋・g05751)は、電撃と光の魔法を付与する〈カートリッジ『雷光』〉を愛刀〈六六式強襲魔導刀[雪牙花]〉に装填し、一閃。
 バチリと紫電を伴い防衛ラインをひいた。
「毎日のように命のやり取りをしてきた元傭兵の経験から言えば。自分が生きるために近しい誰かを犠牲にする。それが、やむを得ない時もある」
 メイン会場から溢れるように現れた白い天使の姿を捉えるなり、飛翔で地上スレスレを滑るよう飛び加速し。
「だが、自分だけのために犠牲を強いるのは悲しいことだ。人を導く天使のふりをして他人を利用し、自分を磨き高めることすら知らない、人にも劣る存在」
 一振り薙ぐ斬撃は、先頭のクリアホワイトを切り上げその剣閃を空に残し、返す刃を重ね振り下ろす。
「そんなヤツにくれてやる命などない」
 メイン会場側からは鎖鋸大剣〈テンペスト・レイザー〉を唸らせ、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)が天使を狩り取り、白い羽を赤く染め撒き散らす鬼火に包み。
 クリアホワイトらの一部を、ディアボロス達は挟みこんだ。
「……生まれられなかった、か。一歩間違えたら生後すぐ死んでた元重病人としちゃ、聞き捨てならないねぇ」
 例え生まれてきたとしても、その身体が万全であるとはいえない。病に蝕まれたり、事故にあったり、何があるか分からないもの。
「人として生きられなかっただけじゃなくて、今度は化け物に取って代わられようとしてるって事なのか……」
 ロート・レッター(ちょーつよい男(自称)・g01665)は〈アンファングソード〉に溶岩の術式が刻まれたカートリッジ〈RM:MDL-F
〉を装填し『橙の炎撃『爆』(トウノエンゲキ・バク)』で斬りつけた。
 炎が爆ぜ、爆炎と爆煙が広がる中ロートは悲しみを滲ませた。
「そんなの、まっとうじゃねぇよ……!」
 まだ始まっていないのに、終わらされようとしているなど、悲しすぎる。
「色々と有るようですが……二人を会話させる為にも邪魔をする人達を如何にか排除しないといけませんね」
 戦争以外では初陣の身である崇田・悠里(軍刀振るいて道切り開かん・g00432)は、縁があった身と先に飛び出した燐寧に続き、『復讐の刃』で幾つもの独特の反りと護拳を持つ軍刀を具現化し斬りこんだ。
「拙いなりに助力させて頂きます! 此れ以上奪わせませんし知った身として救い出す為に死力を尽くすのみ」
 迫るクリアホワイトに軍刀や銃剣を投擲し。
 祈ろうと手を合わせた気配に、伊吹の肩で小麦色の長い毛を毛繕いしていたスフィンクス『シフォン』が顔を上げ『幻日(サンキャット)』を。
「毛繕いしたシフォンが吐くのは、毛玉じゃないのさ!」
 吹雪のような凍てつく氷ブレスで祈りを阻害し、伊吹は〈多機能シャベル〉を構えた。
「ほーら、寒さで震えて祈りの言葉を唱えられてないよー?」
 クリアホワイトは翼を震えさせ段々と動かなくなり、飛び込んできた燐寧が高速回転しながら、『呪式:威鬼衝天(ヘクスアーツ・スカイリーピング)』を上下に断った。
「あの子は必ず助ける、だーけーどー、まずはブッ殺していい奴を片付けちゃうよぉ!」
 次の相手はと、燐寧は直ぐに向きを変え上昇する。
「ソロネ様に害する者に、天の裁きを与えたまえ」
 クリアホワイトらは祈りその翼より『浄化の光』を放つ。
 白く、白く、全てを消して呑み込むかのように。
 放たれた光弾を潜り抜けるように、ユエトは駆けながら『残霧空裂刀(ザンムクウレツトウ)』を振るい、周囲で無数の浄化の爆発が起こるが怯まず突き進み、一気に斬り臥せ。
「そんな子供だまし、何発来ようが問題ない。フェスも盛り上がってきたな!」
 次の敵へと向かって飛んだ。
 彼を撃ち落とさんと、更にクリアホワイトは翼から無数の光弾を放つも、伊吹がシフォンに吐き出させた氷の魔力の塊を多機能シャベルで砕き弾丸のように発射し。悠里は更に武器を具現化し放ち、次々と着弾前に誘爆させていく。
「妹さんを必ず助け出して、宮美さんと双子の姉妹として共に生きていける奇跡を起こせるようにお手伝いするからねぇ!」
「ディアボロスとして……絶対に貴女が宮美さんと共に生きる道を掴み取ってみせます!」
 広がる浄化の爆発は、やがて辺りを真っ白に包み込む。
 祈りをソロネに捧げよと。ソロネは意志の支配者、願いを叶えるもの。
 生きたいと願うなら、生きている夢を与えましょう。
 身体が欲しいというのなら、自由に走れる夢を与えましょう。
 願い――意志の力を夢に。そして浄化しましょう。
 白く、白く、もっと白く包み込んで。
 だが、彼女は斬り裂く。
「きみごときが真っ白に出来るほど、あたしの心は綺麗じゃないよぉ?」
 燐寧は己の内に呪詛を巡らせ対抗しながら、伊吹とシフォンの起こす吹雪と共にテンペスト・レイザーの回転を上げ、クリアホワイトの脳天へと振り下ろす。
「浄化だの何だの語ってんじゃねぇ!」
 剣を銃形態〈アンファングバスター〉へと変形させ、ロートは何も助けてくれない天使へ引き金を引く。
「妹さんには奪うチャンスなんかじゃなく、生きることが出来るチャンスが来たんだ。高まれ炎熱、焼け付く波動で弾け飛べッ!!」
 まるで想いを熱に変えるように放たれた、魔弾はクリアホワイトを焦がしながら激しく爆ぜた。

 戦いが激化してる隙に、クリアホワイトの一部が別の出入り口よりメイン会場を飛び出そうとしていた所に、闇が広がり彼女らを氷守の秘術が襲う。
「お待たせー! 助けに来たよ!」
「うっし、やっと戦闘か、です」
 勢いよく飛び込んできた氷守・海里(磨かれし黄玉・g09177)とニビル・ドゥールス(十星連・弐尾『二撃必殺』・g06999)は、素早く視線を彷徨わせ大体の事態を把握した。
 倒していいんですよねと確認しながら、『氷晶術式・闇氷晶呪(ヒョウショウジュツシキ・アンヒョウショウジュ)』を組み。
「対話とか呼びかけなんてニビィには向いてねえです。だけどよ、こと戦闘にかけては任せとけ……雑魚共を蹴散らしてやる、です!」
 星の力を持つ二対の大槌〈十星器【弍尾槌】〉を上空から叩きつけ、雷と嵐を生じさせた。
「宮美さんと御使い様に、このような事情があったとはな……人としてこの世に生を受けられず、消え逝く悲しみは分からなくもないが」
 ホルスターからリボルバー型拳銃〈逢魔刻〉を抜くと、月見里・千隼(硝煙と魔弾の騎手/現代ラストジョッキー・g03438)はクリアホワイトが生み出した『浄化の剣』を撃ち落とした。
「宮美さんやフェスに来た人々に、怒りをぶつけるように八つ当たりするのはお門違いかと」
 そう口にしながら、八つ当たりと言うより、これは子供の癇癪かもしれないと感じた。
 妹が生まれたとなる日が、いつになるかは分からない。
 だがどこかで彼女はこの世界に生れ、あの幼子の姿を取らされていた。
 あの見かけ通りだとしても10歳程、もしソロネが肉を与え生れたとしたらもっと、この世界で過ごした年数は短いかもしれないし、宮美と同じ歳月を過ごしていたかもしれない。
 何れにせよ、妹は長い歳月を誰にも見つけて貰えず、いつからか共に在ったソロネとだけ生きていた事だけは確かだろう。
 良くも悪くも彼女は何も無い。無垢なる存在。
 白にでも黒にでも、染まることが出来る。
「目が醒めるようなサメの弾丸を喰らえ」
 魔力を込めた『寝覚月(ネザメツキ)』の弾丸を撃ち、千隼が召喚したのは雷帯びたチェーンソーノコギリザメ達。
 鋸歯を回転させバチバチと雷撃を放ち、プリンの残り香に歯を唸らせ、宙を泳ぎクリアホワイトに喰らいついていく。
 クリアホワイトは静謐な祈りを捧げ始めるが、サメを追い抜く勢いで白と黒の影が飛び掛かる。
「あのみつかいさまがなんなのか、よくわかってないけど、なんだかなかよくなれそうなきがするよ」
 友達の宮美ちゃんと、その友達(?)妹(?)のため。
 ア・ンデレ(すごいぞアンデレちゃん・g01601)は、大きく息を吸い、『白のブレス』を吐きかける。
 それは無数のシマエナガ。群れとなって、白い帯びのように、クリアホワイトへ突撃。
 白は白に。数には数を。
(「家族の事は分からんし、宮美ちゃんと妹ちゃんがどうなるのが良いかも分からない。ただ、どうしても頭の中が煩くて、お腹がすいた」)
 敵の力のせいではないが、枢・拓哉(守護者見習い・g06724)は言い表しようのない空腹を感じ、小さな口を大きく開けた。
 良く考えれば、一般人の避難が優先だったとはいえ、あれだけ目の前にあった様々な料理を対して口にしていないのだ。
 お腹が空いてくるのは自然なこと。
 ちょっと。いや、かなーり特殊な食べ物になるが『まるかじり』で。
 海里の術から逃れるよう退いたクリアホワイトに拓哉は齧り付く。
「おにさんこちら、おなかのなるほうへ」
 数がいるなら好都合。食べても誰にも怒られない、そんな食べ物。
「どんなあじかは、おたのしみ……ばいきんぐってやつやろか?」
 食は命。生きるとは、命をわけ糧に命を繋ぐ。
「しろには、しろだ!」
「い た だ き ま す」
 銃声と共にサメが踊る中、白い帯に無数の小さな赤が、愛らしい鳴き声と共に開き、天使を啄み、拓哉は直接クリアホワイトの腕に齧り付いた。
 一瞬、吸血のようにも見えたが、そこから腕が食い千切られ血潮と悲鳴が彩るまで時間はかからなかった。
「少しでも静かに、少しでも穏やかに、どうか、お友達とその家族にしあわせな時間が来ます様に……」
 言葉は穏やかに、だが残酷に奪い食い散らかしていく。
 その彼らの食欲を前に、逃げようとしたクリアホワイトを捕まえるようシマエナガが襲いかかり羽を毟り、段々と赤く染まった羽が散った。
 暴食の獣さながらの光景は、ソロネが望んだ姿では無いのだろうか。
 その光景にソロネが震えた。
 いや、きっと震えたのは妹なのだろう。
 心を閉ざしていたなら露知らず、どんな感情であれ彼女は姉を知ってしまった。
 無いと思っていた手の中に、姉が居た。
 何も無ければ失うものはない。だが在れば、奪われれば消える。失うという意味を、彼女は初めて理解しだしたのだろう。
 喰われているのが天使の方ではあるが。
 聖なる光で剣を作りだし周囲に展開するも、ニビィが飛び込み『デストロイスマッシュ』で蹴散らしていく。
「この拳と槌だけがニビィの出せる唯一にして最強の武器だ!!」
 こちらは動と静で。
「眠ってもらおうかなあ。寒い寒いその中で、おやすみなさい」
 嵐の後に訪れるは深い闇。
 闇が纏わりつき、白は黒へ。そして時は凍り呪は、クリアホワイトらに死を与える。
「氷守の術式が一つ。暗闇にまとわれ何も知らずに死に誘われよ!」
 海里の言葉が終わる頃には、目覚めぬ眠りへ。
 後には、羽の一つも食べ残しはなく、綺麗に片付いた会場が広がるのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【ハウスキーパー】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
【操作会得】がLV2になった!
【建造物分解】LV2が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
【寒冷適応】LV2が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【使い魔使役】LV1が発生!
【現の夢】LV1が発生!
【落下耐性】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
【通信障害】がLV2になった!
効果2【アクティベイト】がLV2になった!
【リザレクション】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV5になった!
【ダメージアップ】がLV6になった!
【ガードアップ】がLV3になった!
【ドレイン】LV1が発生!
【ロストエナジー】がLV3になった!
【ダブル】LV1が発生!
【グロリアス】がLV2になった!

吉音・宮美
アドリブ歓迎
【魔王軍】
ソロネ、先程言いましたね「私に寄生してもよかった」と
なんでしなかったか当ててあげましょうか?怖かったからでしょう、自分の力を奪われるのが
強い意思を持つ者は天使に寄生されてもディアボロスとして覚醒しその力を奪うことができる
貴方は生まれる前に死ぬのが怖かったんでしょう、この娘と同じで!
そう挑発しつつソロネの口からもう少し情報を貰いましょう
妹にしてもソロネが自分を利用していただけと知れば心理的に救出しやすくなるはず

……とは言え、本当に生まれる前に死にたくなかったのであれば、多少は同情の余地があります
私はできるなら殺して終わりたくはない、共に歩める道を探す気はありませんか?


トライガン・ラヴクラフテラ
【魔王軍】
アドリブ連携歓迎


(よーし、ベラ回すか)

さて…。
妹ちゃんに色々教えたって?
酷いお姉さんが居るんだって言うのは構わないよ?主観的意見だ尊重し…あはは、視線が痛いなぁ!

何故、他の家族を狙う様誘導しない?孤独にして精神を確実に握る、初手に姉…復讐者を狙うより効率的だぜ。

しかし、死人がリターナーとして蘇る御時世だ。家族に会って妹ちゃんに何か変化が、仮に受け入れられたら?
おぉ…天使よ。お前は、ある可能性を恐れている!
ボクの様な種族もいるしなぁ!?

さぁて、みーやびちゃん?可能性って、一体何でしょうねぇー…?


って煽り散らして、怒りの火種を作る感じで回そう。
傲慢な奴には軽口で詰めるのが効くでしょ


●三界流転
「ソロネ、先程言いましたね『私に寄生してもよかった』と」
 言葉を投げ掛けられ、『聖句ソロネ』の瞳が一斉に見開かれ、射貫くように吉音・宮美(限界ギリギリ狐娘・g06261)を見つめた。
「なんでしなかったか当ててあげましょうか? 怖かったからでしょう、自分の力を奪われるのが」
 ソロネは黙り込み、宝座を回転させ見つめる。
 感情が読み取りにくい姿だが、この沈黙は肯定と受け取っていいだろう。
 過去へと戻る際にソロネは肉体を失い、生まれ直すしかなかった。だからこそ、付け入る隙が多く奪いやすい存在を狙ったに過ぎない。
「強い意思を持つ者は、天使に寄生されてもディアボロスとして覚醒し、その力を奪うことができる。貴方は生まれる前に死ぬのが怖かったんでしょう、この娘と同じで!」
 ズバーンと、一気に宮美は言い切った。
 ソロネは宝座を回転させながら、逡巡するように宮美を見つめ。
「……だから、何だというのだ。より従えやすい個体を選ぶのは、当然。理に叶った行動といえよう」
 光を増し、回転を加速させていく。
「必要なのは動く身体。この世に顕現するための肉の器だけ。貴様のような煩い自我などいらぬ」
 受肉する元さえあれば、中身などはどうでもいい。身体が壊れていても関係ないと、ソロネは言葉を発し。
 この個体は欲が底知れなかったからと。たぶん、笑って言ったのだろう。
 消えたくないという声が、同じく消えたくなかったソロネを引きつけてしまったのだろう。
 ソロネは言う。
「何も無かった存在に、私が知識を与え、身体を与えてやったのだ」
 姉が愛情を注がれている間、妹は真っ暗な世界で姉の感じたものを知るしかできず。
 目も見えず、口もきけず、動く自由もなく。そして生れることも出来ないまま忘れられ、生きたいという思いだけでそこに在った。
「全てを欲っする。これほどの欲を持った無垢なものなど、そういない」
 どこまでも傲慢で一方的な物言いに、怒りを抱かずには居られなかった。
「だから、妹ちゃんに色々教えたって?」
 ソロネの返答を静かに聞いていたトライガン・ラヴクラフテラ(愛奏でる星迷いの音楽家・g01719)は、口を開いた。
「酷いお姉さんが居るんだって言うのは構わないよ? 主観的意見だ尊重し……あはは、視線が痛いなぁ!」
 振り返る宮美の視線に、トライガンは苦笑いを浮かべ続ける。
「何故、他の家族を狙う様誘導しない? 孤独にして精神を確実に握る、初手に姉……復讐者を狙うより効率的だぜ」
 いや、そもそも姉でもない、関係のない人々を狙おうとしていたか。
 もしかして、真実が伝わることを恐れていたのだろうか。
 家族が居るということ。存在を知らないだけで、見捨てたわけではないこと。
 そういえば、妹は宮美が姉だと最初は知らなかった。
「死人がリターナーとして蘇る御時世だ。家族に会って妹ちゃんに何か変化が、仮に受け入れられたら?」
 回転する宝座の動きが、動揺で僅かにブレた。
 居ないはずの妹を受け入れる人間など居ない。妹は産まれていない。
 孤独に、誰からも何も望まれていない。見捨てられた、迎え入れる者など居ないと、ソロネは刷り込み続けた。
 だが、もしそうでないと知ったら。もし、妹を助けようとするものが居たら。
 何年もかけて刷り込んだ、ソロネの虚実の殻が剝がされてしまう。
 妹が再び人として生きたいなどと、再び望みを持ってしまったら。
「おぉ……天使よ。お前は、ある可能性を恐れている! ボクの様な種族もいるしなぁ!?」
 ソロネの翼は大きく広がり、七色に輝き始める。
 これ以上、話すことは無いと、幻覚に包み黙らせようというのか。
「さぁて、みーやびちゃん? 可能性って、一体何でしょうねぇー……?」
 本当に口撃だけで幻覚になど囚われたら困るので、煽りつつも充分に対処できるようトライガンは身構えた。
「……本当に生まれる前に死にたくなかったのであれば、多少は同情の余地があります」
 まだ突然現れた妹という存在との関わり方を、宮美は見つけていない。だが……。
「私はできるなら殺して終わりたくはない、共に歩める道を探す気はありませんか?」
 その問いかけは、ソロネの中に居る妹なる存在に。
 きっと声は届いている。覚醒したソロネが思うように動けていないのは、きっと迷いなのだろう。
 戻れないところに行ってしまう前に、こちら側へ。
 もう一度、人として生きたいと。生きれる場所があると示したら、心を開いてくれるかもしれない。
 いつから意識が合って、どれだけのことをソロネに吹き込まれたかは分からない。
 いつから身体を得て、長い孤独と向き合ってきたかもわからない。
 だが一つだけはっきりしている。
 きっとあの娘は、はじめて会った家族に戸惑って、どうしたらいいか分からないだけなのだから。
 宮美の問いかけに、僅かに光の中で違う温かな何かが動いた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【未来予測】LV2が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV8になった!

吉音・宮美
アドリブ歓迎
さて、相手は家族ですし敬語は止めて話しかけましょう

改めて、私は吉音宮美
そしてこれがお父さんとお母さんと弟、ちょっと先の未来で元気に暮らしてる貴方の家族
そう言いながら『ただのスケッチブック』に家族の似顔絵を描いて妹に見せます

…昔学校の課題でさ、自分の名前の由来を聞いた時に二つの名前で凄く迷ったって聞いた、今思えば一つは貴女の名前だったんだね
久美、久しい美しさと書いて『ひさみ』、どれだけ時が経っても変わらない美しさ
貴女は望まれていた、名前もあった、だから顔を見せればきっと皆喜ぶよ

やりたいこと、ほしいもの、いっぱいあるんでしょう?全部叶えちゃおうよ、家族皆で
だからほら、一緒に帰ろう?


●線と点
 どこまで聞いていたか、どれだけ理解してくれているかは分からない。
 だが届いていると、吉音・宮美(限界ギリギリ狐娘・g06261)は信じて、ソロネの中で消えそうになっている妹へと呼びかけた。
「聞こえていますか?」
 姉だと呼びかけながら、姿は分からなくとも相手は家族だと、敬語を止めて〈ただのスケッチブック〉開き向き直る。
 このスケッチブックには宮美が見てきた様々なものが描かれ記録されている。
「改めて、私は吉音宮美。そしてこれがお父さんとお母さんと弟。ちょっと先の未来で元気に暮らしてる貴方の家族」
 家族の似顔絵をスケッチブックに描き、ソロネの中に居る妹に見せて。
 無駄だとソロネが言うが、関係ない。
 そして、今度は名前を書いていく。
「……昔学校の課題でさ、自分の名前の由来を聞いた時に、二つの名前で凄く迷ったって聞いた。今思えば、一つは貴女の名前だったんだね」
 一つは、宮美。もう一つは……。
「『久美』。久しい美しさと書いて、『ひさみ』」
「…………」
 驚きが伝わってくる。
 ずっと動いていたソロネの宝座が、急に動きを止め閉じ。中央の光が輝きを増した。
『な、まえ……私の?』
「そう貴方のよ。どれだけ時が経っても、変わらない美しさ」
 小さく繰り返すように、消えそうな声は震えていた。きっと人の姿であれば、涙が零れていたかもしれない。
「貴女は望まれていた、名前もあった、だから顔を見せればきっと皆喜ぶよ」
 一人じゃない。家族が待っていると、宮美は伝え。そこに彼女の顔があると、真っ直ぐ見つめ話しかける。
「やりたいこと、ほしいもの、いっぱいあるんでしょう? 全部叶えちゃおうよ、家族皆で。だからほら、一緒に帰ろう?」
 手を光へと差し出す。
『いっしょ、いいの?』
 戸惑う声と一緒に、小さな手が光から伸ばされ、もう少しで届くというところで宝座の瞳が一斉に開いた。
 ソロネは距離を取るよう宙に羽ばたき、ディアボロス達を見下ろし。
「まだ、人に未練が残っていたようですね。いいでしょう、それならば、この身体で姉を殺すまでです」
 傍観するように漂っていた、ソロネの全ての目が宮美を睨みつけた。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【口福の伝道者】がLV5になった!
効果2【凌駕率アップ】がLV3(最大)になった!

薬袋・透
【魔王軍】アドリブ絡み歓迎
宮美(g06261)をディフェンス

折角姉妹が会えた奇跡が起きたのだもの、おまけにもう一つ奇跡を起こしたっていいんじゃない?姉妹二人揃って帰るという奇跡が
そのためならとことん協力しちゃうわ
【強運の加護】でより確実に

パラドクスにて召喚するは幼子の守護竜
生まれたばかりの久美ちゃんの精神を守るように結界術を張って

相手パラドクスには自分の腕を影打ちで斬りつけて抵抗しつつ、ソロネだけを引き剥がし浄化する水使いの全力魔法による激流を放ち続けるわね


ミルル・ドラゴノーツ
【魔王軍】
とうとう決戦じゃな!宮美殿のためにも、しっかりキメるのじゃ!(ということで、ミルルは相手の隙を作るのと、皆を指揮するのに専念いたします。)


地鉛・要
【魔王軍】アドリブ連携歓迎
功罪有りだが、敵は敵。きちんと子供を利用した罰は受けて貰おう・・・
もっとも執行人は俺ではなく宮美だけどな

故に俺は影を奪おう
PDを発動して敵の攻撃を止める
天使のお前には地上に出来るモノは過ぎたるものだ。ソレはその子の分だけで良い


●意思の支配者
 小さく『聖句のソロネ』が何やら唱えると、角笛に似た音波が宮美を狙った。
 やると思ったよと警戒を強めていた、薬袋・透(無彩の魔女の系譜・g02087)が庇い、直撃を受ける。
 だが洗脳が広がる前に彼女は躊躇いなく、ダガー風の短刀〈公園丸・影打〉で己の腕を傷つけた。
 これだけの痛みを感じ続けていれば、少なくとも簡単には洗脳されないだろう。
「折角姉妹が会えた奇跡が起きたのだもの、おまけにもう一つ奇跡を起こしたっていいんじゃない? 姉妹二人揃って帰るという奇跡が」
 彼女にも、双子の片割れがいる。
 宮美と置かれた状況は全然違うが、同じような場面に遭遇すれば、きっと彼女は家族の為に血を流せるのだろう。
「とうとう決戦じゃな! 宮美殿のためにも、しっかりキメるのじゃ!」
 大きく翼を広げ戦場を見渡しやすい高さまで上昇したミルル・ドラゴノーツ(魔王軍四天王「知将のミルル」・g08848)は、指揮を取りながら『青龍水計』を放った。
 その水流に合わせ、地鉛・要(物騒な天使と平和そうな天使・g00242)が天使の翼を広げ輝く。
 ソロネの無数にある目が、普通の目か謎だが眩しさに閉じた。
「功罪有りだが、敵は敵。きちんと子供を利用した罰は受けて貰おう……もっとも執行人は俺ではなく宮美だけどな」
 故に俺は影を奪おうと、不確かに地上に落ちていたソロネの影が奪われその精神が絶望へと落とされていく。『深い不快不解(ディープ・ディープ・ディープ)』へ。
 真上より透の『召喚:七つの時を護りし竜王(サモン・ムチャリンダ)』が翼を広げ七つ首を持ち上げた。
 久美の心を護るように、幼子の守護竜の護りと想いを込め、ソロネだけを傷つけるように攻撃を放った。
 流れる激流は、ソロネの宝座の内で暴れ無数の目玉を傷つけていく。
 ギロギロと、残る目玉がディアボロス達を見渡す。
 多勢に無勢。流石のソロネもここに集まった者が何であるのか、悟っている。だが肉体を失ってまで過去へと渡り、やっと寄生し転生したのだ。ソロネとしても、そうやすやすとこの肉体を手放すつもりはない。
 続く攻撃を跳ね返すよう、宝座の回転を増し取り付く守護竜の頭を弾き返し、ソロネは『Psalms100:2』を唱える。
「喜びをもって主に仕えよ」
 響く角笛の音に混じり、朗々と。
「歌いつつ、そのみ前にきたれ」
 ソロネを崇めよとその音波は広がり、信仰者にしようとするが、透は既に傷の痛みが、ズキズキと正気を保たせてくれ。他の仲間もおかしな素振りがあれば、直ぐに他の仲間が軽く小突いて戻してくれた。
 信仰者へと落とし操れれば、宮美を傷つけやすいと思ったのだろう。
 ソロネの瞳に悔しさが滲む。
「久美ちゃん絶対に一緒に帰るわよ。そのためならとことん協力しちゃうわ」
 頑張ってと呼びかけながら、透は守護竜をぶつけ。
 影を奪うように、要の翼が光を放つ。
「不幸と絶望にソコは無し。天使のお前には地上に出来るモノは過ぎたるものだ。ソレはその子の分だけで良い」
 地に足をおろし立つのは人だと、果たしてソロネが見る絶望とは。
 全てを失う未来を感じながら、動きを止めたところに、ミルルの操る水流が襲い掛かり更に宮美との距離を離し。
「今じゃ、宮美殿を護りながら畳み掛けるのじゃ!」
 と、号令をかけるのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【ハウスキーパー】がLV2になった!
【水源】LV1が発生!
【現の夢】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV6になった!
【反撃アップ】がLV2になった!
【ロストエナジー】がLV4になった!

イフォンネ・ハーゼルゼット
アドリブ連携歓迎
【魔王軍】
決戦には間に合ったか……力添えをさせて欲しい
だが私はそう考えを巡らせる方では無い
ゆえに剣で切り裂くのみ、私の常闇で食らうのみ

皆が積み上げたガードアップとアクティベイトを手助けにして
相手が光ならば破壊の闇使いの力……燃え上がる黒い力を防御に使おう
含む呪詛とロストエナジーで削り、幻覚を一部でも粉砕する

私にとっては未来も幸福は未だ像を結ばないのでな
曖昧な偶像に溺れる隙間はない
故に散れ、邪まな光

反撃だ、破壊の斬撃に思いつく限りの残留効果を乗せよう
ダブルを、ドレインを……ダメージアップを
そして武器改造で鉈状へ変えた刃で“白壊断”を叩きつける
貴様の外側を両断し解体し……吹き飛ばす


崇田・悠里
アレンジ連携歓迎
【魔王軍】

思う事はないではないですけど宮美さんが感謝をしているといった以上、うちに言う事は何らありません
ですので貴方を倒す助力を非力ではありますけど為すのみです

敵の放つ香りに関しては何時もしているマフラーで口元を覆いつつ〇風使いで顔周りを遮断
鍛えた〇呼吸法で誤って空気を吸い過ぎ香りを吸わない様に気を付けつつ戦闘
其の状態で敵から距離を取りつつ〇復讐の刃で呼び出した刀剣類を〇投擲

味方の攻撃のタイミングに合わせ攻撃する、味方のつけた傷口や羽の付け根の辺り等に向かい放つ等し主に味方の援護を重視し戦う

言いましたからね
絶対に宮美さんと久美さんが共に生きる道を掴み取ってみせます!と


ア・ンデレ
【魔王軍】
御使い様は宮美ちゃんの妹だったのか。
つまり……「アンデレちゃんのともだちだ!」
友達の家族は当然友達。
友達と、友達のため、アンデレちゃんは腕を振るうよ。
「ソロネちゃん。いままで、ひさみちゃんをありがとう。でも、ひさみちゃんも、ひとりだちするおとしごろだから。またね。」
アンデレちゃんが振るうのは繋がり断ち切るすごい手刀。
アンデレちゃんはソロネと久美ちゃんの間にある「つながり」を断ち切って久美ちゃんを助けようとするよ。


一里塚・燐寧
【魔王軍】

ひゅー、宮美ちゃんの説得効いてるぅ~
あとはクロノヴェーダとしての身体をバラすだけだねぇ?
任せてよぉ。大天使をブッ殺すのは大得意なんだからっ

敵が放つ幻覚は、平和な世界で恋人と養子を取って暮らす未来
スマホの待ち受けで恋人の顔を見て、情熱を燃やして耐えるよぉ
……生憎、まだ今の幸せもしゃぶり尽くしてないもんでねぇ
将来のことなんか実感沸かないや

耐え抜いたら≪テンペスト・レイザー≫を手に【飛翔】
敵の身体を構成する輪にパラドクスで斬りかかり、目を潰していくねぇ
あははぁ!目って急所なのに、そんなにあって大丈夫ぅ?

さあ、こっからが久美ちゃんの創世記
未来なんか考えてる暇がない程、楽しい時間が待ってるよぉ


ロート・レッター
【魔王軍】
アドリブ連携歓迎
宮美さんをディフェンス

幻覚を見たら自分をぶん殴って正気を保つ
まだ来ちゃいない、知らない幸福…悪いけど、見たけりゃ自分で叶えるよ
今ここにいる事と、自分達の手でやっていく事が全部で、大事な事だからだ!
さっきも言ったが、人として生きるチャンスは来た。宮美さんと久美さんがそれを掴む為に、全力で手を貸すだけだ!

溶岩のカートリッジを引き抜き、剣のカートリッジに交換
銃から剣に変形させ、魔力全開でエネルギー刃を展開
カートリッジに込められた両断する力と、残留効果も刀身に乗っけて跳び上がる!
空から叩き落とすつもりで、上から見下ろすだけのあいつの羽に、パラドクスの一撃をお見舞いしてやるぜ!


●座天使の終幕へ
 決戦には間に合ったかと、力を貸すイフォンネ・ハーゼルゼット(昏天式斬法継承者・g08772)は、鍔の無い剣の刀身を鉈状へと変えた〈極夜(闇斧)〉を手に。
「私はそう考えを巡らせる方では無い。ゆえに剣で切り裂くのみ、私の常闇で食らうのみ」
「ひゅー、宮美ちゃんの説得効いてるぅ~。あとはクロノヴェーダとしての身体をバラすだけだねぇ?」
 一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は回転鋸刃大剣〈テンペスト・レイザー〉を唸らせ、『聖句のソロネ』に斬りかかった。
「任せてよぉ。大天使をブッ殺すのは大得意なんだからっ」
 高く飛び上がり燐寧は、上空から『屠竜技:真滅落陽斬(スレイヤーアーツ・ブラックサンズトワイライト)』を。
「貴様の外側を両断し解体し……吹き飛ばす」
 焔のように破壊の闇を刀身に纏わせ、イフォンネは『昏天式斬法 闇斧“白壊断”(ブリゼーレブロン)』を放った。
 宝座そのものを断ち切りそうな一撃は、無数の目を次々と潰していく。
「あははぁ! 目って急所なのに、そんなにあって大丈夫ぅ?」
 勢いに押されながら、ソロネは『 Genesis17:6-8』を唱え、翼を大きく広げ七色の光を放った。
 光の中に見えるのは、幸福な未来の幻覚。
 燐寧が見たのは、平和な世界。恋人である平家の娘と結ばれ、養子を迎え家族として暮らす未来。
「……生憎、まだ今の幸せもしゃぶり尽くしてないもんでねぇ」
 手にしたスマホには恋人の姿が待ち受けになっている。その姿を眺めながら、まだまだ遠い未来。将来のことなんか実感沸かないやと苦笑を零した。
 光に燃え上がる闇の力をガードに発したイフォンネは、不確かな幾つかの像を垣間見た。
「私にとっては、未来も幸福も未だ像を結ばないのでな。曖昧な偶像に溺れる隙はない」
 寧ろ過去を得るべきか。
「故に散れ、邪まな光」
 振るう刃で、光を斬り裂こうとした。
 ロート・レッター(ちょーつよい男(自称)・g01665)と、ア・ンデレ(すごいぞアンデレちゃん・g01601)は力任せに幻覚を振り払いソロネを見つめた。
「まだ来ちゃいない、知らない幸福…悪いけど、見たけりゃ自分で叶えるよ」
 銃から剣に。〈アンファングセイバー〉へと組み替えたロートはエネルギー刃を展開させた。
「今ここにいる事と、自分達の手でやっていく事が全部で、大事な事だからだ!」
 どんな形であれ、妹と会えたのはソロネのおかげだと口にする宮美を護りながら、『赤の一撃『緋』(アカノイチゲキ・ヒ)』を放ち、断ち切るその力は、宝座の一つにヒビを入れていく。
「お前さえ居なくなれば……」
 中々、宮美への攻撃が通らないソロネは苛立つように回転を早めた。
 まだ久美には外との繋がりはない。唯一、ここで現れた姉という存在だけが希望であり拠り所であるのだ。
 ソロネとしては、他のディアボロス全てを倒さなくとも宮美を殺せたらこの身体を手にすることが出来るというわけだ。
 当然、ディアボロス達もそれが分かっているので、彼女への護りを固めている。
「思う事はないではないですけど、宮美さんが感謝をしているといった以上、うちに言う事は何らありません」
 ソロネを見上げ崇田・悠里(軍刀振るいて道切り開かん・g00432)は、〈軍刀拵え笹丸友成〉を手に、先程ついたヒビ目掛け『復讐の刃』で呼び出した刀剣銃器を投擲した。
「ですので貴方を倒す助力を、非力ではありますけど為すのみです」
 ここまでのやり取りを聞いていた、アンデレが無邪気にソロネに、……中に居るであろう久美に笑いかける。
「御使い様は宮美ちゃんの妹だったのか。つまり……『アンデレちゃんのともだちだ!』」
 ソロネの中で、トクンと光が脈打った。
 友達という言葉を久美が理解しているかは分からないが、少なくとも嫌な気持を抱かなかったのだろう。
 このまま彼女が人としての未来を、宮美と暮らす世界を望んでいれば恐らく切り離すことが出来る筈だ。
 友達の家族は当然友達。友達と、友達のため、アンデレちゃんは腕を振るうよ。
「ソロネちゃん。いままで、ひさみちゃんをありがとう。でも、ひさみちゃんも、ひとりだちするおとしごろだから。またね。」
 振り上げる手刀は『繋がり断ち切るすごい手刀』。
 確かにソロネが寄生したから久美は生まれることが出来たのかもしれないが、その関係も今日が最後。
 ソロネと久美の間に繋がりを断つように、手刀は振るわれ。次々と攻撃が重ねられていく。
「さっきも言ったが、人として生きるチャンスは来た。宮美さんと久美さんがそれを掴む為に、全力で手を貸すだけだ!」
「言いましたからね。絶対に宮美さんと久美さんが共に生きる道を掴み取ってみせます! と」
「さあ、こっからが久美ちゃんの創世記。未来なんか考えてる暇がない程、楽しい時間が待ってるよぉ」
 彼らの攻撃が遂に宝座の一つを断ち切り、破壊した。
 ソロネは怒りと焦りを滲ませ、『Leviticus26:26』を唱えパンの香を漂わせ始めた。
 とっさに悠里は、マフラーで口元を覆い、極力匂いを嗅がないよう抵抗するのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【罪縛りの鎖】がLV2になった!
【操作会得】がLV3になった!
【一刀両断】LV1が発生!
【飛翔】がLV3になった!
【エイティーン】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV9になった!
【能力値アップ】がLV7になった!
【反撃アップ】がLV4になった!
【リザレクション】がLV2になった!

吉音・宮美
アドリブ連携歓迎
【魔王軍】
『吉音式スノーキャンバス』で作った短剣を足に突き刺して相手のPDに対抗
…共に歩める道を探さないか、これは貴方にも言ったんですよソロネ
この子と出会えた奇跡は貴方が居なければ成しえなかった
だからこの痛みは貴方への謝罪、そして感謝の気持ちを込めこの演奏を捧げます

そう宣言してから選択PDを発動
先の問答で【情報収集】は十分、相手をおくる送別の思いを込めた【演奏】による肉体を傷つけない【精神攻撃】でソロネの精神のみ切り裂き、その身体を久美に返してもらいましょう

奇蹟が赦されるなら、今度はわかり会えるように…なんでもない、独り言だよ久美
それじゃあお待たせ、遅くなっちゃったけど帰ろうか


氷守・海里
アドリブ・連携歓迎
【魔王軍】

みゃーびさん行きますよ!
悔いなきように。

んー……相手が光なら闇でいっか。
パラドクスを発動。
その視界を曇らせて、闇に包まれ、知らずの内に凍り付け。

幸せは過去にはない。
僕の幸せはまだ彼方。
この先の未来にしかないので。
残念でした!
士気高揚とロストエナジー使って幻を破りましょう。

みゃーびさんの幸せもこっから先にあると思います。
なんで、後はお任せしましたからね。その背を僕らは支えて押すだけですよ。


枢・拓哉
【魔王軍】の皆と!
アドリブ連携・アレンジ歓迎

あの子は宮美ちゃんの妹ちゃん?
やっぱり難しい事は分らんけど
「きっと、まだまだ、おいしくなるまえ…やんな?」

いっぱい食べて、いっぱい眠って、いっぱい遊んで、いっぱい生きる。
そうやって、美味しくなって行く為に先ずは卵から出してあげないと。
「ヒサミちゃん?ソロネちゃん?どっちも、ちょっぴりガマンしてな?オレもガマン…っ」

高く、高く、昇って狙いを定めたら一気に落ちていく。
卵を割る時は固い所にぶつける。
卵が大きければ大きい程、強い力でぶつければ良い。

中身をダメにしない様に一点に目掛け、邪魔が入っても落ちてぶつかるだけなら我慢すれば良い。
「たんじょーびきーっく」


月見里・千隼
【魔王軍】
※連携、アドリブ歓迎


さて、後はソロネとの決戦だな

御使い様…いいや、双子の妹の久美さんをソロネから救う為に
そして宮美さんの想いと演奏が届くように道を拓くぞ

まずは宮美さんをディフェンス
演奏に集中出来るように守り続ける

【未来予測】で敵の動きを推測してから『夜来香』で
呪毒の魔力が込められた弾丸を撃ち卵の殻みたいに久美さんに纏わりつく敵のみを脆くなるように衰弱させ
より久美さんから引き剥がしやすくしてやろう
宮美さんら人間達側へ来い、久美さん
今が人として生きられる好機だ!

職業柄、飢えには耐性がある方でな
反撃のスカーフで鼻と口元を覆うなど
香りはなるべく嗅がないように対処するか飢餓感を耐えるかしようか


月見山・伊吹
【魔王軍】
※連携、アドリブ歓迎だよ!
宮美さんをディフェンス


家族想いで優しいね、宮美さん
だからこそ宮美さんに協力したいし
双子の妹さんこと久美さんを救いたい!

ソロネもある意味で姉妹を巡り合わせてくれたことに感謝するけど…
でもね、久美さんは貴方の所有物じゃないの
宮美さんのとっても大切な家族なんだよ?

よーし、皆でよりもっと奇跡を起こそうか!
卵に独り立ち…そうだね
今の久美さんは孵化を待つ雛鳥
ソロネと言う卵の殻を『烈日』での多機能シャベルで殴って粉砕し破壊するように割るからねぇ!
復活祭で孵化祭、生誕祭だよ!

シフォンに私が幻覚を見ちゃったら猫パンチして目を覚まさせてもらうように頼むよ


トライガン・ラヴクラフテラ
【魔王軍】
アドリブ連携歓迎

人に未練…上等だぜ。
人間の輝きこそボクが求めた輝き…。

僕にそんな未来はもう無い…けど、幸福な未来を守る事は出来る。…元旅人の飢餓耐性舐めないでね!

今こそ奇跡起こす時…幼き魂救う為、いざや天輪討滅…!
抗いを吼えろ!六黒天銃、爆現!

裾を翻し、左右に対応する二丁の銃を腰から抜き、《能力アップ・アクティベイト・ダメージアップ》と共に、選択PDを発動。
大量の魔弾の雨で動きを留め、皆の活路を開く!

行けよ皆!やったれ宮美ちゃぁぁん!!


ふふふ、いつか再びまみえる時は、食べさせられなかったマグロの被り物の代わりに…美味しいお魚天国を魅せてあげるさ…


●おめでとう
 香ばしいパンの匂いが溢れる。
「あなたがたは自分のために、偶像を造ってはならない。また刻んだ像も石の柱も立ててはならない」
 朗々と響く『聖句のソロネ』の声は、飢えを誘い。
「またあなたがたの地に石像を立てて、それを拝んではならない」
 風に乗って広がるそれは、祝福と呪。
 職業柄、飢えには耐性がある方だが、極力匂いを嗅がないよう注意しながら月見里・千隼(硝煙と魔弾の騎手/現代ラストジョッキー・g03438)は、リボルバー型拳銃〈逢魔刻〉の照準を中央の光に合わせ、『夜来香(イエライシャン)』を放った。
 その弾丸は呪毒の魔力が込められ、甘い匂いの花を咲かせ、心身を蝕むように久美に纏わりついていると思われる部分を脆く衰弱させていく。
 正確には久美の存在が、どうなっているかは良く分からない。
 だが卵という表現は、確かに近いのかもしれない。
「あの子は宮美ちゃんの妹ちゃん? やっぱり難しい事は分らんけど」
 枢・拓哉(守護者見習い・g06724)は、久美とソロネの状況を彼なりの言葉で表現し呼びかける。
「きっと、まだまだ、おいしくなるまえ……やんな?」
 いっぱい食べて、いっぱい眠って、いっぱい遊んで、いっぱい生きる。
「そうやって、美味しくなって行く為に先ずは卵から出してあげないと」
 高くたかく昇って『昇り竜が如く(ウエカラドーン)』と、拓哉は落下の勢いをのせた一撃を叩き込んだ。
「御使い様……いいや、双子の妹の久美さんをソロネから救う為に、そして宮美さんの想いと演奏が届くように道を拓くぞ」
 後少し。1つの宝座の動きが鈍く、回転が鈍くなっていく。
「人に未練……上等だぜ。人間の輝きこそボクが求めた輝き……」
 トライガン・ラヴクラフテラ(愛奏でる星迷いの音楽家・g01719)は服の裾を翻し、回転式・自動式・後装式を併せ持つ銃〈アストラ・イ=ガンver.RightArm∇〉と、三銃口三斉射三連射の異形銃〈アストラ・イ=ガンver.LeftArmΔ〉の二丁の銃を腰から抜いた。
「僕にそんな未来はもう無い……けど、幸福な未来を守る事は出来る。……元旅人の飢餓耐性舐めないでね!」
 銃口から魔法陣が三つ展開し、その魔法陣から魔力の銃身と銃口が生成される。
「今こそ奇跡起こす時……幼き魂救う為、いざや天輪討滅……! 抗いを吼えろ! 六黒天銃、爆現!」
 皆の活路を開くと、『『吼え猛るは、六つの黒き天の銃』(ハウリングオブシックスブラックヘブンズガンズ)』を放ち、大量の魔弾の雨をソロネに浴びせる。
「行けよ皆! やったれ宮美ちゃぁぁん!!」
 ソロネは角笛の音色に似た音波を放ち、ソロネの信仰者となるよう洗脳しようとした。
 その音波に対し、吉音・宮美(限界ギリギリ狐娘・g06261)は、創造魔法〈吉音式スノーキャンバス〉で、氷雪の短剣を創り上げ足に突き刺した。
 一瞬、ソロネの身体が動揺し震える。
 刺したところより広がる痛みが頭を冴えさせ、音波が遠のいていく。
「……共に歩める道を探さないか。これは、貴方にも言ったんですよソロネ」
 宮美は魔楽器の二胡を取り出し構えた。
「この子と出会えた奇跡は貴方が居なければ成しえなかった。だからこの痛みは貴方への謝罪、そして感謝の気持ちを込めこの演奏を捧げます」
 優しい独特な音色を響かせ、『この演奏は避けられぬ戦いと弔いの為に!(トーンスパーダ・バルムヘルツィヒカイト)』で演奏を始めた。
 精神に響く音に、演奏を止めさせようとソロネが迫るも、月見山・伊吹(太陽の恵み、日蝕の災禍・g04125)が立ち塞がり、氷守・海里(磨かれし黄玉・g09177)の『氷晶術式・闇氷晶呪(ヒョウショウジュツシキ・アンヒョウショウジュ)』が闇に捕らえる。
「みゃーびさん行きますよ! 悔いなきように」
 想いを込め演奏する宮美を庇いながら。
「家族想いで優しいね、宮美さん。だからこそ宮美さんに協力したいし双子の妹さんこと久美さんを救いたい!」
 まだ久美は何も知らない。始まっても居ないのだから。 
「ソロネもある意味で姉妹を巡り合わせてくれたことに感謝するけど……でもね、久美さんは貴方の所有物じゃないの。宮美さんのとっても大切な家族なんだよ?」
 闇に包まれ、一度は凍り付きかけたソロネだが、その翼から放つ七色の光で辺りを満たし幻影を見せる。
 いつかは訪れるかもしれない、それぞれが願う幸せな未来を。
 だが、これは今じゃない。打ち破りながら海里は、その光景を振り払う。
「幸せは過去にはない。僕の幸せはまだ彼方。この先の未来にしかないので。残念でした!」
 その幻影の未来が訪れるかもしれないが、幸せは他人に与えられるものじゃない。
 自分で掴むものだ。
「夜を招く甘い匂いは貴様らを黄泉路へ導く」
 千隼の放った弾丸の呪毒に、ソロネの宝座がもう一つ落ちて砕ける。
 彼の放った銃声と、スフィンクス『シフォン』の優しい肉球猫パンチで、幻影から戻った伊吹もすぐさま〈多機能シャベル〉を手に飛び掛かる。
「よーし、皆でよりもっと奇跡を起こそうか!」
 宮美の奏でる曲に込められた想いは、送別。
 ソロネが消えた後の身体がどうなっているのか、想像は出来ないが。それでも、ソロネが寄生したのは久美の身体だ。
 返してもらう。そして、ここで終わりだと別れの意を込めて。
「卵に独り立ち……そうだね。今の久美さんは孵化を待つ雛鳥」
 ソロネという殻を割って、未来へ。
「多機能シャベルで殴れば大体どうにかなるんだから!」
 伊吹が『烈日(ブレイジングサン)』で、振り下ろしたシャベルが最後の宝座にヒビを入れる。
「復活祭で孵化祭、生誕祭だよ!」
「宮美さんら人間達側へ来い、久美さん。今が人として生きられる好機だ!」
 黙りなさいと喚く、ソロネの動きが止まる。いや、内側から止められたのだろう。
 久美も戦っている。彼女は、もう選んだのだ。
 トライガンの放った 緑の魔力を纏った弾丸が、次々と目を潰していく。
「ふふふ、いつか再びまみえる時は、食べさせられなかったマグロの被り物の代わりに……美味しいお魚天国を魅せてあげるさ……」
 まだ、久美が知らない世界がいっぱい待っている。
「みゃーびさんの幸せもこっから先にあると思います。なんで、後はお任せしましたからね。その背を僕らは支えて押すだけですよ」
 術式を発動し、海里はソロネに闇を纏わりつかせ、段々と凍らせていく。
「闇に包まれ、知らずの内に凍り付け」
 ――こんなはずではなかった。
 生まれることすら出来なかったような小さな存在の精神など、折ることは容易いと思っていたのに。
 傲慢に、それらしい言葉を与えていればいいと思っていたのに。
「ヒサミちゃん? ソロネちゃん? どっちも、ちょっぴりガマンしてな? オレもガマン……っ」
 高く、高く、昇って。拓哉が狙うは先程入れられたヒビの入った一点。
 卵を割る時は固い所にぶつける。卵が大きければ大きい程、強い力でぶつければ良い。中身をダメにしない様に。
「たんじょーびきーっく」
 凍り付き動けないソロネは、抵抗することも出来ず拓哉の一撃を受け、その宝座に一気に亀裂がはしってく。
「なぜ……だ……」
 ここに来て、離れていこうとする久美の気持も。突然現れた家族を、受け入れようとする宮美の気持も、ソロネは分からなかった。 
 響く音色はソロネの知らない感情を呼び起こし、音の刃はソロネの精神を断ち切り葬った。
 どうなったかと一同が見守る中、ソロネが居た場所に小さな光が残されていた。
「奇蹟が赦されるなら、今度はわかり会えるように……」
 宮美には、光の中にある妹の姿が見えていた。
 あの仮初の幼女の姿とはまた違う、久美としての姿が――。
 生まれることの出来なかった妹。今、この瞬間が彼女の新しい第一歩。
「なんでもない、独り言だよ久美。それじゃあお待たせ、遅くなっちゃったけど帰ろうか」
「うん。お姉ちゃん」
 ゆっくりと崩壊しはじめたこの歴史の中で、確かに姉妹は出会った。
 二人が新宿島での新しい未来を、どう彩っていくかは、また別の物語。
 失った長い時を取り戻せるように。これから訪れるであろう毎日が、いつか思い出に変わる日まで――。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【液体錬成】LV1が発生!
【寒冷適応】がLV3になった!
【落下耐性】がLV2になった!
【植物活性】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
【ロストエナジー】がLV5になった!
【能力値アップ】がLV8になった!
【ドレイン】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV10(最大)になった!

最終結果:成功

完成日2023年04月06日
宿敵 『聖句のソロネ』を撃破!