ロンドン再潜入、ドラゴン信仰を打ち砕け! 金満な教区(作者 瀬和璃羽
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#幻想竜域キングアーサー  #ロンドンのドラゴン信仰を打ち砕け  #ロンドン 

●ロンドン潜入作戦……金持ちたちの住む教区。
「ロンドンに潜入した皆さんから興味深い報告がありました」
 時先案内人の月読・栞は何時ものようにドーナツを抱えながら皆の前に現れる。
 彼女によると、先に行われたロンドン潜入作戦……その結果、ドラゴンの重要拠点であると思われるイギリス南部の大都市ロンドンにはドラゴンも竜鱗兵の姿もいないことが判明した。
 だがロンドン市内は幾つもの『教区』に分れ、それぞれ『司祭』と呼ばれる人たちにより住民たちにはドラゴンへの信仰を強制させられていた。
 情報を持ち帰った者たちによると、信仰で得られる崇拝をエネルギーにしようとしている実験場ではないかとのことだ。
 ならばその実験を失敗させれば、ドラゴンたちはロンドンの支配を諦めるかも知れない。
 問題なのはどう諦めさせるかと言う方法であった。
「ディアボロスの関与が疑われますと、ドラゴンたちは実験場を変えるか、ロンドンの防備を固めるかのどちらかを取ると予想されます」
 すなわち、パラドクスの力を使わずに司祭をディアボロスと住民たちの力で糾弾させ、信仰を打ち砕く必要があるということであった。

「今回皆さんに潜入して頂きたいのは、ロウキンと呼ばれる司祭が支配する教区です」
 そこは裕福な地域で、金持ちが弱者を食い物にしている醜い場所。
 そして金持ちは司祭と繋がり、弱者の中に現れた「ドラゴンへの信仰を認められたと言う少女」に手出ししないことで、弱者たちは祈れば救われるかも知れない……と言うマッチポンプの構図を作り出していた。
 金持ちたちは賄賂などを堂々と司祭に送っており、不正や悪事の証拠は掴むのは容易いだろう。
 だが支配層である金持ちたちを説得するのはかなり難しいと言わざるを得ない。
 なにせ司祭を支持しなくなれば、今まで享受していた甘い汁が吸えなくなるのだ。
 何とかして貧困層と富裕層を味方に引き入れ、ロウキン司祭による支配を打ち砕きドラゴン信仰を止めさせなくてはならない。

「既に構築されている支配層を崩壊させるなど、無理難題かと思いますが……皆さんならやってくれると信じてます」
 栞にドーナツを差し出されると、糖分が欲しかった頭の誘惑に負け受け取るのであった。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
13
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【現の夢】
2
周囲に眠りを誘う歌声が流れ、通常の生物は全て夢現の状態となり、直近の「効果LV×1時間」までの現実に起きた現実を夢だと思い込む。
【友達催眠】
1
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【熱波の支配者】
1
ディアボロスが熱波を自在に操る世界になり、「効果LV×1.4km半径内」の気温を、「効果LV×14度」まで上昇可能になる。解除すると気温は元に戻る。
【冷気の支配者】
1
ディアボロスが冷気を自在に操る世界になり、「効果LV×1km半径内」の気温を、最大で「効果LV×10度」低下可能になる(解除すると気温は元に戻る)。ディアボロスが望む場合、クロノヴェーダ種族「アルタン・ウルク」の移動速度を「効果LV×10%」低下させると共に、「アルタン・ウルク」以外の生物に気温の低下による影響を及ぼさない。
【修復加速】
1
周囲が、破壊された建造物や物品の修復が容易に行える世界に変わる。修復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」する。

効果2

【能力値アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV3 / 【ガードアップ】LV1 / 【反撃アップ】LV3 / 【アヴォイド】LV3 / 【ロストエナジー】LV4 / 【グロリアス】LV3

●マスターより

瀬和璃羽
 皆さんこんにちは、瀬和璃羽です。
 今回はイギリス南部の大都市、ロンドンへの再潜入となります。

 ロンドンの街は幾つもの教区に分れており、今回潜入する教区もその中の一つになります。
 富裕層による貧困層の支配、そして権力者との癒着と弱者に奇跡を信じさせるマッチポンプ……この教区の司祭は頭が良いですね。
 見た目は脂ギッシュデブで最悪ですが。

 皆さんに注意して頂きたいのは、『パラドクス』及び『パラドクス効果』をなるべく使わないようにしてください。
 何故かと言いますと、ドラゴンはこのロンドンを実験場にしております。
 その実験が「失敗」したのと「ディアボロスの介入で失敗」したのでは大きな違いがあるからです。
 ディアボロスの介入ではなく、ドラゴンたちによる実験の結果失敗したのであれば、ドラゴンたちはロンドンを……そして同様の実験を諦めるでしょう。
 ただし、それがディアボロスの介入による失敗であれば防備を固め実験を再開するか、別都市で行うかも知れません。
 ドラゴンたちの企みを完全に失敗させる意味でも、パラドクスをなるべく使わずに司祭による支配を打ち砕いて下さい。

 それでは皆さん、どうぞよろしくお願い致します。
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このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


レオアリア・フォルシオン
さて、あの肉塊を黙らせないとね
わたくしは貧困層の『ドラゴンに信仰を認められた少女』に接触して突破点が無いか探ってみるわ

引っ越してきた『裕福さを笠に着た、しかしちゃんと恵まれぬ者に施しを与える子女』を演じて最終人類史から怪しまれない程度に美味な保存食……備蓄下は良いけど、作り過ぎてしまったとして配給しながら接触した少女に与えるわ

腐っちゃうともったいないわ
皆で食べて頂戴
段ボール複数分の保存食を調達した馬車の荷台に乗せて運び、貧民達に食事を
そうして心を開かせて交流しながら、噂話等を聞いていくわ

司祭様の事について教えてほしいわ
どんな『事』をしているのかしら?
そう言って信仰を認められた少女に問いかける


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

ロンドンの報告は興味深く聞いていた
当時の服装で身なりを整え、新入り市民として情報収集

富裕層への噂の聞き込みを
司祭との癒着があるなら、説得しづらいのも道理……
根も葉もない噂でも、そこにあるならば利用しよう

話を合わせつつ
噂話に耳をそばだてたり
富裕層から得た富を、司祭が私的に流用してるとか……そういう噂がないかな
集いに出るか、彼らの集まるような場所、定期的に行っている活動を調べたり、教会の周辺へ

富裕層の賄賂や不正や悪事の証拠も集めていこう
それを司祭が指示していることを明かせればいい

物的証拠や、日常的に悪事の行われる時間帯や場所があれば把握
スマホで動画撮影か、スケッチやメモも残しておく


ナイナ・ヴィラネスティズム
※味方との協力可
効果不使用

貧富を巧みに操作したマッチポンプには心から反吐が出ましてよ
それこそ一足先に離脱してしまうほどに

前回の潜入同様「花嫁修行中の令嬢」を装って富裕層に接触
令嬢として染み付かせた礼儀作法を今こそ有効に活用しましょう
富裕層もしくはその下で働いている者達に「どのような事をすればこれほどの富を得られるのかしら。高貴溢れる方達の優雅な暮らしには是非ともあやかりたいものですわね」と話題を振ってみる
下働きの者達の話にも耳を貸してみましょう
富裕層に対する恨み言や不満を呟くかもしれませんから

得られた噂話、あわよくば貴族様の懐事情を探れれば後の攻撃材料に繋がる情報として活用できますわね


一里塚・燐寧
ふぁ~、暴力と残留効果で解決できないって、ある意味ジェネラル級よりめんどくさいや……
まーなんとか頑張ってみるよぉ
信じる気持ちを弄ぶ連中は、エンネアドや大天使みたいでムカつくからねぇ

より直接的な圧制が目立つ教区からの移住者のフリをして
井戸端会議とかコソコソ話に潜り込んでいくよぉ

いやー、ここの教区はいいよねぇ。公開処刑とかやってないし
でも司祭さん達が、なーんか生臭い感じで鼻につくんだよねぇ
実際さぁ……黒い噂とか聞いたことなぁい?
お金持ちとの癒着で犯罪もみ消した、みたいなの

噂話を聞き込みつつ、自分でも実際にそういう状況を目撃できないか探してみよう
路地裏や建物の影、窓際などに身を潜めて街路を見てくよぉ


アイネリス・レナリィ
アドリブ絡み歓迎

全く、回りくどい上に悪辣なやり方ね……。
なるべく早く解決出来るよう、尽力しましょう

他の教区から来た市民を装い、周囲に溶け込めるよう違和感のない服装で臨みます

富裕層との関わりも多いでしょうし、商人からの聞き込みを
各商店を周り世間話なども交えつつ、富裕層と司祭の関わりについて訊いてみます
司祭と接触の多い者などは怪しいかも知れません
店内の客たちの会話にも聞き耳を立てておきましょう

悪事の証拠も重要だけれど、司祭から離反させるための何かが欲しいですね
司祭を支持できなくなるとか、貧困層の側につく、そういった方向へ仕向けられそうな情報も探ってみましょうか


冰室・冷桜
ドラゴンも考えるもんだ
やっぱ、ただぶっ倒すだけでよし……なんて、一筋縄じゃいかない動きくらいはいくらでもしてるわよね
地道に切り崩していきましょうか

奇跡を信じさせるマッチポンプ……なら、その奇跡を起こして、周りに見せる舞台も奴さんらがお膳立てしてんじゃねーの?
前に見つけたドラゴンへの信仰を認められた少女
彼女に会いに行きましょうか
他の住民に厳しい教区から来た、ドラゴン様への信仰のお手本としたい、みたいな感じで

この子に奇跡を起こさせるなら、その場所を用意しなきゃならん
この子を呼び出すとか、出会るいてる時に細工して準備しておくとか、そーゆーのがあるんじゃねーかな
一緒にいる間に周りを観察して伺いましょ


アンゼリカ・レンブラント
金持ちが弱者を食い物に
いつの世もあることかもしれない、
でも自分達で覆せることはしないとね

引っ越してきたばかりの市民を装い市民に接触
教区の人から迫害されている人っていうと
司祭と癒着する金持ちに反抗する人だろうか

貧困層をまず味方にできるかもしれない、
この時代に適した食料をお近づきということで一緒に食べたり
仲良くなれるといいかな
もし金持ちや縁者が虐げるようなことがあればそれを助けるよ

パラドクスは使わずとも、
この鍛えた体が醜い精神を持つ輩に負けるもんかだよ!
グラップルの技量も生かし無手で制しよう
目立ちすぎてディアボロスの関与とならないよう注意
金持ちに反抗する勇気ある人がいればそれを讃え全力で協力するね


●持てる者と奪われる者。
 イギリス南部の大都市、ロンドン。
 この街はその巨大な市街を幾つもの教区に分け、司祭と呼ばれる者を中心に統治されていた。
 そして今回ディアボロスたちが潜入した教区……そこは金持ちが貧乏人より搾取することで維持されている地区。
 ただ厄介なのは、ドラゴンに認められた少女と呼ばれる女性が貧乏人たちの中におり、金持ちも彼女には手を出せないと言う。
 ドラゴンに祈れば救われるかも知れない……貧民層にそんな淡い期待を植え付けた司祭のマッチポンプ劇。
 とてもじゃないが許せるものじゃない……そうレオアリア・フォルシオン(フォルシオン統一王朝初代皇帝『征龍帝』・g00492)は馬車を率いながら貧民街へと向かった。
「金持ちがこんなところになんのようだ……」
「また俺たちから奪うつもりか……」
 そんな視線が突き刺さるなか、レオアリアは馬車を止めると詰んでいた木箱を降ろす。
「アナタ方、保存食を作り過ぎてしまってね……腐らせるのも勿体ないから、良かったら食べて貰えると嬉しいのよ」
 そう言うレオアリアに警戒をする住民たち。
 それはそうだろう。彼らは搾取される方……施しを受ける義理などないのだから。
 警戒をしている彼らにどうすれば良いだろうか……そう悩んでいると、住民の誰かが声を上げる。
「毒でも入ってるんだろ、食べて欲しかったら自分で食べて見るんだよ!」
「そうか、毒が入ってるか心配なんだね? よし、じゃあまずわたくしが食べて見せますね」
 そう言って保存食を食べるレオアリア……食べ終わっても異常がないことを確認すると、住民たちが食料を求め群がって来た。
 その光景を満足そうに見守るレオアリアはこっそりとウィンクをする。
 視線の先にいたのは、先に貧民街の住民たちに紛れ込んでいたアンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)……貧民街へ紛れ込むのは勇気が必要だったが、情報を得るためには飛び込む必要があった。
 それに司祭がマッチポンプを使うのなら、こちらもマッチポンプを使っても問題ないだろうと言うのが二人の考えであった。
「それで、食料の代わりと言ってはなんだけど……司祭様について教えて欲しいのよ、わたくしはこの街に越して日が浅いの」
「みんな、この人は良い人そうだよ! 味方になって貰おうよ」
 レオアリアの問いかけにアンゼリカが答える……視線で交わす二人に気付かず、貧民街の住民たちはあれこれと声を上げる。
 だが司祭に関する情報はなかなか集まらない。
 そもそも住民たちは司祭との接点がないのだ。
 あの少女のようにドラゴンに認められれば迫害がなくなるため、住民たちは事あるごとにドラゴンへの祈りを捧げている。
 だがそれと司祭は関係なく、司祭のいない場所でも祈りを捧げているのだ。
 彼らが関わりあるのは富豪たち……搾取し奪うために現れる彼ら。
 労働を与えられるならいいが、気まぐれに暴力や略奪が行われることもある。
 だから彼らはドラゴンに祈る。
 ドラゴンに祈り、いつかこのどん底から救われたいと純粋な祈りを繰り返していた。
「厄介ね……救われたいと思うのは人類共通の願い。それを信仰に利用されてるだなんて」
 帰りの馬車のなか、レオアリアはひとりそう呟く。
 だが貧困層を味方に付けなくては……この戦い、勝ち目はない。
 そう考えながら空荷の馬車は街を走る。

 一方、貧民街に残ったアンゼリカは、別の仲間と接触していた。
 ドラゴンに認められたと言う少女に会いに来た冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)だ。
 富豪たちが手を出せない唯一の少女は貧民たちの中から現れたと言う。
 何か奇跡が起こせるのか、それとも選ばれたことが奇跡なのか……それを知りたい冷桜はアンゼリカに案内されながら貧民街を歩く。
「あなたがドラゴンに認められた少女なのね……なんでも奇跡を起こせるとか。私は戒律が厳しい教区から来たの……ぜひ救いがあるのなら教えて欲しいのよ」
「そうですか……私に出来ることはドラゴン様に祈ること。その祈りの力で他の人は私に手が出せないのです」
「祈りに……そう、祈りにドラゴン様が答えてくれたりとか、何かないの?」
 少女は考えると……首を横に振る。ドラゴンが彼女に応えてくれたとかは無さそう。ならどうして彼女が認められたのか?
 それを尋ねると、少女はその日のことを教えてくれた。
「ある日、何時ものように祈っていると……司祭様が私を訪ねて来て、私の祈りがドラゴン様に認められた、そう教えてくださいました」
 その日から少女の周囲が変わり、富豪たちは彼女に手を出そうとせず。また争いに介入すれば引くようになったと冷桜たちに告げる。
「司祭様に伝えられたのね、じゃあ特にこれと言って告知はなかったのね」
「ええ、突然でした……ただ日頃の信仰が認められた、と思うと嬉しかったのも覚えています」
 少女はそう言いにっこりと微笑む。
 ありがとう……私もドラゴン様への祈りをより祈るようにするわね、そう言い冷桜とアンゼリカはその場をあとにする。
「何か役に立った?」
 アンゼリカの問いかけに冷桜は首を横に振る……結局奇跡はインチキで、司祭の手のひらで踊らされているのが分かっただけ。
 だが何も収穫がないよりはマシ……と言うところか。
「あ、富豪が貧民をいじめてる……私、ちょっと助けて来るね」
 帰り道、争いを見つけたアンゼリカは貧困層を味方につけるため助けに行くと駆けだしていく。
 この場にあの少女が居れば、争いは収まるのか……確かにそれは弱者には奇跡に見えるのよね、そう冷桜は思うのであった。

「ふぁ~、暴力とパラドクスで解決できないって、ある意味ジェネラル級と戦うよりめんどくさいんだよ……」
「しかも回りくどいうえに悪質なやり方ですものね……私もそう思います」
 商店街を行く一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は、隣を歩くアイネリス・レナリィ(黒鉄の魔女・g01781)に愚痴を零す。
 【友達催眠】や【プラチナチケット】と言った周囲に味方と思わせるパラドクスなど、ディアボロスたちは様々な便利な力を覚えている。
 だが今のロンドンでそれを使えばドラゴンたちにディアボロスが介入していることを悟られてしまう……そうなれば元も子もない。
 それを防ぐため、パラドクス能力を禁止してのロンドンへの潜入は、まるで裸で街を歩くようだと燐寧に思わせる。
「まあ、信じる気持ちを弄ぶ連中はエンネアドや大天使みたいでムカつくからねぇ、頑張っちゃうよ」
 そう言った燐寧は商店街の片隅で行われている井戸端会議に混ざる為、コソコソと移動を開始する。
 それを見送ったアイネリスは、私は商店街を当たりましょうと適当に目についた店の中へと入っていった。
「今月も司祭様への寄進は何とかなりそうだ……いや良かった良かった」
「そうねー、ここの教区はいいよねぇ」
「そうだな、ノルマはあるが……見返りも大きいからな……ってお前は誰だ?」
 井戸端会議に潜り込んだ燐寧は、最近越して来た者だとさり気なく会話に加わる。
「いやねぇ、私の住んでた教区は司祭が横暴でねぇ……逆らうと石打の公開処刑だったのよ」
「石打か、そりゃひでぇ……その点はここの司祭は安全だぜ、寄進している限りは護ってくれるからよ」
 燐寧の生い立ちに同情するオジサンたちはここの教区で暮らしていくコツを教えてくれる。
 それは寄進さえしていればどんなことからも護ってくれるということ。
 寄進の金額によって扱いが変わるということ。
 特に貧民相手の多少の事故などは寄進させしていればお咎めなしになるということ……。
「司祭様って、そんなに寄進を集めて何してるのかな?」
「さあ? 神殿の維持費とか言ってるけど、美味い物でも食ってるんじゃないか」
「なんせあの体系だもんな、何喰えばあんな姿になるんだろうな」
 寄進の使い道は何かと言う問いかけに、でっぷりと太っていて脂ぎっていると言う司祭の体形で盛り上がる一同。
 その間に燐寧はこっそりとその場を後にする……寄進、良い事を聞いたと頭の中のメモ帳に大きく書いて。
 同じころアイネリスはと言うと、商店街での聞き込みを続けていた。
 富裕層と司祭の関わりを中心に情報を集めるアイネリス。
 そしてやはり行きつくは寄進という言葉。
 商店の主たちも揉め事を防ぐため、司祭に寄進をしていたのだ。
 特に店の規模が大きくなれば大きくなるほど、寄進の額も増えていると言う。
 だがその分揉め事などは神殿が解決してくれ、何かあった時の後ろ盾にもなってくれる。
 競い合う店はどちらが多く寄進額を詰めるかが勝負になり……結果共倒れになったと商店の店主が笑い話として教えてくれた。
「まあ、俺みたいな程々の店の主は、程々の金額を毎月寄進しないとダメってことよ」
 と、言う訳で何か買ってかないか? そう尋ねられたアイネリスは、情報料代わりに片手で持てる程度の商品を適当に包んで貰う。
「ふう……寄進ですか、これは黒いです」
「やっぱりアイネリスちゃんもそこに行きついたみたいだねぇ……もう真っ黒、もみ消しし放題だよー」
 路地裏で休憩したアイネリスに合流した燐寧が話しかける。
 お互いに情報交換を済ませ、寄進システムの黒さを再確認した二人だが……この街にしっかりと組み込まれたシステムをどう壊せばいいのか、頭を悩ますのであった。

 さてここまで貧民、中層と来て、富裕層へ接触を試みた者たちもいる。
 エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)とナイナ・ヴィラネスティズム(凱閃令嬢・g00383)の二人だ。
 まずは上京し花嫁修業に来た令嬢、として富裕層の社交場に潜入することに成功したナイナ。
 彼女が潜入を果たした先では贅を尽くしたパーティーが毎晩毎夜繰り返され、エトヴァもその場の末席に座っていた。
「それにしてもナイナ嬢はお美しい……息子がいればぜひ我が家へとお迎えしたいぐらいだよ」
「嘘でも美しいだなんて……ありがとうございますわ」
「嘘じゃないさ、ワシに妻が居なければ立候補したいぐらいだよ」
 社交の場で華を咲かせるナイナは、それとなく話題を振ってみる。
「それにしても、毎晩このようなパーティーを開けるだなんて……どのようなことをすればこれ程の富を得られるのかしら? 私は商売に疎いものですから……」
 実家の富で暮らしている箱入り娘の体を崩さず富豪へ切り出すナイナに、彼はふふふと笑いを堪える。
「なに、簡単なこと……商売で儲ければいい。儲けるためには原価を抑える必要がある。安く仕入れて高く売る、だな」
「ええ……ですが人を使えば給金が発生しますでしょ?」
「そこでこの街さ……この教区にはタダ同然で働かせても問題ない奴らがいる。その資源を有効活用してやれば良いだけさ。おい」
 男に呼ばれ、近くを歩いていたメイドの一人がビクっとしつつ足を止める。
「こいつは仕事が出来る……だから貧民街から拾ってやった。またあそこに戻りたいか?」
「い、いいえ……このお仕事を続けさせて頂きたい、です」
 メイドは叱責されるのではとオドオドとしながら主の問いかけに答える。
「ここでの暮らしはどうなの?」
 ナイナはメイドに話題を振ってみる。
 優しそうに囁くナイナに叱責されないとホッとしたのか、メイドは笑顔で答えた。
「はい、三食頂けてお給金も貰えております。不満はありません!」
「そうだ、使える者は使う。使えない者は使い潰す……これが商売のコツさ」
 男は上機嫌でナイナにそう言うと、さり気ない手ぶりでメイドの尻を撫でながら下がらせる。
 その手ぶりに嫌がらなかったということはそう言うことなのだろう。
 どうやら貧民層は搾取場となっており、基本は安く使い潰すが仕事であれ色であれ目に付いた者は取り上げて貰えるらしい。
 だがそれはごく少数……でなければドラゴンに認められた少女とやらが持て囃される訳がない。
 基本は搾取され続けるだけ搾取され使い潰される。そう感じ取ったナイナは内心で反吐を吐き出す。
 そんなどす黒い社交場の隅で、エトヴァは噂話に聞き耳を立てていた。
「司祭への寄進、今月は幾ら詰もうかしら」
「来月は少し貧民を使い潰したいですからね……多めの方が良いでしょう。そうすれば後は司祭が何とかしてくれますよ」
「(寄進……司祭への賄賂か)」
 噂話をスマホに録音していたエトヴァは立ち上がると、すぅとパーティー会場を後にする。
 不正の証拠を掴むため、パーティー中の屋敷を探るのだ。
 幸い主催はナイナが引き留めてくれている……今なら堂々と帳簿などを確認出来るだろう。
 主催の部屋を見つけ出し、鍵をピッキングすると室内にスルリと侵入するエトヴァ。
 スマホのライトで手元を照らしながら、目的の書類を探し出す。
「あった……これが帳簿だな」
 時間がない、内容の確認は後だ……次々と帳簿のページを捲っては写真に収めるエトヴァ。
 写し終えると元の場所に戻して部屋を後にする。
 パーティー会場に何食わぬ顔で戻った彼は、ナイナに仕事が終わったことを目くばせで伝えるとスマホに写した帳簿を隠すように確認する。
 それには貧民たちを幾らで使い潰したか、司祭への寄進額は幾らだったかなどが丁寧に記録されていた。
「(あとは司祭が寄進された金を流用している証拠があれば良いんだろうが……贅沢は言えないな)」
 スマホの画面を消し、如何にもパーティーを楽しんでるように取り繕うエトヴァの姿は、幸いなことにもっと大きな華が咲いていたことから注目を浴びなかった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】LV4が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
【修復加速】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV2が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!

エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ◎

貧民層から司祭への不満を爆発させる
富裕層は……良心に訴えるか……不都合を突くか

帳簿のデータを紙に書き写し持参
街の広場で読み上げ続けよう

合間に話を
司祭は金を受け取って、金持ちが貧民を使い潰すのを見逃していたんだ
冗談ではないぞ
何が聖職者だ、真っ黒じゃないか

不都合な悪事を暴かれた富裕層を見越して話す

だが、富裕層は司祭に賄賂を唆されていた……
金持ちは行いを改めて、貧民達へ謝罪を
寄進をやめて正しく給金を支払い、一人の隣人として扱うと約束を

この街にこんな理不尽な仕組みを作ったのは司祭だ
そう印象づける

……富裕層のやった事は傲慢で非人道的、いけすかないが
争いでは解決しない
住民同士の対立は煽らない


一里塚・燐寧
司祭が一番サイテーだけど、お金持ちも大概だよねぇ
めんどいから殴って黙らせらんないかなぁ?
……ん、ジョーダンだよぉ。多分ねぇ

あたしは富裕層の説得メインで動くよぉ
司祭への寄進や悪事の証拠を突き付けた上で、利益追求の心も突く
しっかしまぁ、寄進合戦って本来ならやんなくていいことだよねぇ?
司祭のご機嫌取りに沢山お金を払って、ライバルと共倒れ……
こんなバカバカしいことないっしょ? 
司祭がいなきゃオールオッケーなのにさぁ

富裕層が貧民と協力しないようなら脅す
数だったら貧しい人の方が多いんだよぉ
ここであたしが「金持ちをブッ殺せ!」って叫んだら、もう誰にも止められないぐらいにねぇ
……ねぇ、ほんとに言ってみよっか?


●アジテーター。
「司祭が一番サイテ―だけど、お金持ちも大概だよねぇ……めんどいから殴って黙らせらんないかなぁ?」
 街を行く一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は大きくため息を付く。
「それは……最後の手段だな。貧困層と富裕層の対立は避けたい」
「わかってるよぉ、ジョーダンだよぉ……多分ねぇ」
 エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)がマジメに返すと、手のひらをヒラヒラさせながら燐寧が返す。
「さて、あたしは富裕層をなんとか説得してみるから、そっちは任せるんだよぉ?」
「ええ、不正の証拠はありますからね」
 二人が手にしたのは以前エトヴァが撮影した富豪の不正が記録された台帳を描き写した物。
 ぱっと見は本物に見えるだろう。
 それぞれ台帳の複写を手に、それぞれの目的地へと向かう二人。
 上手く扇動することは出来るのであろうか?

「富裕層の諸君。司祭への寄進や悪事の証拠は揃ってるんだよぉ!」
 富裕層の集まりへ乗り込んだ燐寧は、証拠の台帳を印籠のように突き付けながら室内へと踏み入る。
「しっかしまぁよくやったものね……寄進合戦って本来ならやんなくていいことだよねぇ? 司祭のご機嫌取りに沢山お金を払って、ライバルと共倒れ……こんなバカバカしいことないっしょ?」
 燐寧が台帳を捲りながら呟く……すると富裕層から反発の声が上がる。
「司祭様にご機嫌取りするだけで商売が上手く行くんだ、この街ではそうなんだよ!」
 ふむ、とそれを受けて小首を傾げた燐寧は、ボソッと、それでいて彼らの耳に届くような声量で声を上げた。
「なら……司祭がいなきゃオールオッケーじゃないのかなぁ?」
 富裕層は計算高い……燐寧のその言葉に、この支配階級を維持しつつ司祭を排除した場合の利益と損失を計算し始める。
「だ、ダメだ! ドラゴン様がいる、それに司祭様がいるからこそ貧民層を抑えきれるのだ!」
「ふーん……でもさぁ、数だったら貧しい人たちの方が多いんだよぉ? ここであたしが「金持ちをぶっ殺せ!」なんて叫んだら、もう誰にも止められないよぉ?」
 燐寧の脅しに、うぅっと唸る金持ちたち……確かにこの場にも貧民層から取り立てたメイドたちがいる。
 彼女たちが牙を剥いたら……そう考え、背後に立ったメイドにヒっと情けない声をあげながら離れる男もいた。
「き、君の要求はなんだ? 我らの不正を暴いただけでは変わらんぞ」
 震える手で燐寧を指さす男に、彼女はにっこりと微笑む。
 それがまた怖いと男は顔を引き攣るのだが、そんなことはお構いなしに燐寧は続けた。
「司祭がいなくなったときの街の運営。でも貧しい人たちにもう少し優しくしてねぇー……と言ったところかなぁ?」
 その言葉にこの場にいる者たちは再度の計算を始める。
 司祭が居なくなったと確定した場合の損益を……。

 燐寧が街の権力者たちとお話していたのと同じころ、教区の広場ではエトヴァが台帳を開き立つ。
 そして良く通る美しい声でその台帳を読み上げ始めた。
「なんだ? 何かの演劇か?」
 街の人たちは足を止め、エトヴァの読み上げる項目と数字に聞き入る。
 よくよく聞けばそれは自分たちの給金であり、そして司祭に支払われる寄進と言う名の賄賂。そして事故や事件のもみ消しにかかった費用。
「街の人たちよ、司祭は金を受け取って金持ちが貧民を使い潰すのを見逃していたんだ! 冗談ではないぞ、何が聖職者だ! 真っ黒ではないか!!」
 合間合間にそう声を上げるエトヴァの周囲には、何時しか人だかりが出来ていた。
 それも使い潰されたと言われた貧民たちが中心になり、司祭と富裕層へ怒りの炎を燃やしていた。
「(これ以上煽り過ぎると、富裕層も狙われるな……)」
 向けられる視線を感じながら、ここが話題の変え時だとエトヴァは判断する。
「だが富裕層は司祭に賄賂を唆されていた……金持ちは行いを改めて、貧民たちへの謝罪を! そして寄進を止めて正しく給金を支払い、一人の隣人として扱うと約束を!」
 そうだそうだ! そう貧民たちから声が上がる。
 金持ちたちは居心地が悪そうだが、約束すれば身の安全は保障される。そう計算高く判断した者も中にはいる。
 そう言った者たちは司祭に脅されてたのだ、仕方ないのだと涙ながらの演技を見せる。
 それを追求しようとした貧民をエトヴァは止め、全員に訴える。
「富豪たち個人への攻撃は止めるんだ……彼らは司祭に言われ仕方なく従っていた! やったことは確かに傲慢で非人道的、いけ好かないが許さなくてはならない。なぜならこの街にこんな理不尽な仕組みを作ったのは司祭だからだ!」
 そうだ、司祭が悪いんだ! そんな声が群衆から上がり始める。
 貧民層だけでは社会構図は変えられない。支配階級である富裕層も味方に付けなくては。
 そう考え声を上げ、司祭打倒へと誘導していくエトヴァのアジテーションに群衆は熱狂していく。
 この熱量をぶつければ司祭を倒せるだろうか……彼に判断の時が訪れた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV6になった!
効果2【アヴォイド】がLV2になった!
【ダメージアップ】LV1が発生!

アンゼリカ・レンブラント
仲間と情報共有の後行動

貧困層を味方につけるべくひと頑張りしようか
争いは収めること、
それは弱者には奇跡に見えるのだろうかな
仲間の評したことを心の支えに

引き続き貧困層から富裕層を守り、励ます
荒事は身体能力とグラップルの技量で抑え込む形
そこいらの攻撃なら肉体で受けてみせよう
徐々にその行為に人々の見る目が変わったあたりで

説得の言葉を人々に
司祭に対する疑念を育てよう
聞いて。私は司祭に認められてはいない
信仰に励んでもいない

全ては自らの至福を肥やすための司祭の悪だくみ
みんなが憎みべきは富裕層の人たちじゃない、
ロウキン司祭の作った理不尽な仕組みだよ

別方面で行っている仲間の活動も踏まえ、
説得力を込め訴えていくね


アイネリス・レナリィ
アドリブ絡み歓迎

貧困層、富裕層と来れば……次は商人たちの説得ですね。
元はと言えば不都合を避けるための寄進。
利が無ければ司祭に付く理由も無いでしょう。

先の商店へ向かい適当に商品を選びつつ、こっそりと
『司祭の不正が明るみに出た。富裕層は寄進を止めるらしい。良い機会だから商人たちも続いてみてはどうか』
『寄進を止めれば真っ当な商売が出来る。この街の商業を守るため、他の商店にも伝えておいた方が良い』
などと寄進を続ける事の無益さを説き、商人たちも司祭から離反するように仕向けます

寄進が無くなり余分な金銭が貧困層にも回れば、市場も潤うはずだ……とも付け加えておきましょうか


レオアリア・フォルシオン
良い事を教えてあげる
資本主義と言ってね
資金を生活の根幹とする代わりに、その資金の流れを止めない事で全ての層の民が潤う仕組みの事

まず、資産を持っている人が雇用なり販売なりをして労働の対価として給与を与え、その給与で貰った人は自由にお金を使える
商人の商品を買ったりね
そして商人は商品を購買したお金で更に資産運用の余地を伸ばす事が出来る

つまり、どの階層の人でも『資産の流れ』を以てある程度以上資産を貯めて増やし続ける事が出来る仕組み

資産を独占するロウキンがいる限り、それは不可能よ
立ち上がりなさい、富裕層も、貧困層も、商人も
共に、真の自由なる経済活動を
一致団結して、ロウキンから解放されるべきよ


南雲・琴音
寄進……ふむふむ
共倒れねえ……なるほど(悪い笑顔)

じゃあ、富裕層でも……破産したら、貧困層へ真っ逆さま☆
ってことかな?

面白いこと考えちゃった☆
旅の舞台女優って感じで、ギリギリ富裕層ってくらいの人達に接触

どこかの街で聞いたんですけど、そこの代官は悪い奴で……賄賂を競わせて優遇するけど、賄賂を払えなくなった人は奴隷に真っ逆さま!
どんどん破産する人が増えて、結局は……残ったのは代官お気に入りの大商人と代官だけ

他のみんなは、破産して奴隷にされちゃった

でも、これは……代官と大商人が仕組んだ悪巧みでした
富を全部吸い上げて、美しい娘もぜーんぶ我が手に収めるための悪事だったのです

案外、近くでも起きてたりして?


●現実問題を解き明かす。
「こらーっ! 私たちに手を出すなーっ!!」
 貧民街でパトロールしていたアンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)は、富裕層からの虐待の現場を見つけると駆け出して行った。
「大丈夫だった? みんなは私が護るからね!」
 ディアボロスの身体能力があれば富豪の警護など一捻り……だがやり過ぎてはいけないと慎重に取り押さえると、襲われてた孤児たちに優しく声を掛ける。
「お姉ちゃん、ありがとう! まるでドラゴン様の御使いみたい……」
 アンゼリカとドラゴンに感謝の祈りを捧げる孤児たち。
 それを見たアンゼリカは、孤児たちにそっと話しかける。
「聞いて、私は司祭に認められてはいないし、ドラゴンへの信仰にも励んでいない。自分の力でここまで来たの」
「自分の……力?」
 ドラゴン様の御力じゃないの? そう不思議そうに見る子どもたちに、アンゼリカはそうだよと頷く。
「みんなが襲われてるのは、全ては自らの私腹を肥やすための司祭の悪だくみ。みんなが憎むべきは富裕層の人たちじゃない……ロウキン司祭の作った理不尽な仕組みなんだよ」
「えっと、司祭様が悪いことをしてるから、私たちが襲われちゃうの?」
「そう。司祭が悪いことをして……だから私は許せなくて、みんなを助けてるんだ」
 アンゼリカの言葉はそれまでの彼らの世界と大きく異なっており、理解するのに時間が掛かる。
 だがその時間が大切だと思ったアンゼリカは、何も言わずに彼らが理解するまで笑顔で待つ。
「……司祭様が悪いことをしなくなれば、私たちは虐められない。って事であってますか?」
「そうだよ、司祭が悪いことをしなくなれば君たちはもう怯えなくて済むんだ」
「わたし、司祭様が悪い人だって、家族に伝えてみます!」
「あたしも!」
「ボクも!!」
 アンゼリカの草の根活動はゆっくりと、だが着実に貧民層に浸透していく。
 なお彼女を見習って、割れた腹筋を作るべくトレーニングを始めた者たちがいたのはまた別な話。

 アンゼリカが貧民層で大活躍をしているのと同じころ、商店街にはアイネリス・レナリィ(黒鉄の魔女・g01781)の姿があった。
 彼女は以前に情報を買ったお店へと入ると、あの時と同じように商品を選ぶフリをしつつ店主に話しかける。
「……司祭の不正が明るみに出ました。富裕層は寄進を止めるらしいです。良い機会ですから、商店側からの寄進も止めるべきでは?」
「それが本当なら一大事だな……」
「寄進を止めれば真っ当な商売が出来ます。この街の商業を護る為、他の商店主にも伝えた方が良いでしょう」
 商人たちにとって元はと言えば商売をする上での不都合を避けるための寄進。
 利が無くなれば司祭に付く必要も理由も無い……そう告げるアイネリスに、商人は幾つかの小物を袋に詰めると銀貨と共に彼女に手渡す。
「情報料だ……この情報をどうするかは、俺に任せて貰おうか」
「ええ、任せます……寄進が無くなり余った金銭が貧困層にも回れば、新たな市場が出来て商店も潤うでしょう」
「そう動いているってことだな。わかった、肝に銘じておく」
 商店を出たアイネリスは袋の中身を確かめる……どうやらクッキーやビスケットなどの日持ちがする食べ物が中心のようだ。
「これは……そう動いてくれると言う意味で取ってよろしいのでしょうね」
 店主の答えに少し考えると、アイネリスは貧民街へと足を向ける。
 どうせアンゼリカが暴れているのだろう……彼女に渡せば貧民の子どもたちの口に入るのは間違いない。
 そう言うことなんだろうと検討を付け、硬貨はポケットに仕舞うと荷物の重さを確かめる。
 ……子どもたちに喜ばれる量はあることは間違いなかった。

 若手の富裕層が集まるサロン。
 そこを訪れた南雲・琴音(サキュバスの思想家・g07872)は旅の踊り子を名乗り舞台に上がる。
「これは何処かの街のお話なの……その街の代官はとても悪い人……賄賂で商人たちを競わせて優遇するけど、もし賄賂が払えなくなると奴隷に真っ逆さま!」
 歌と踊りを織り交ぜた語りに観客たちは引き込まれていく。その視線を感じながら琴音は更に舞台を盛り上げていく。
「どんどん、どんどん破産する人が増えてね、結局残ったのは……代官お気に入りの大商人。他の皆は仲良く破産して奴隷にされちゃった! でもこれは……代官と大商人が仕組んだ悪だくみなの」
「そ、それからどうなるんだ?」
 思わず声を上げる観客にクスっと笑みを飛ばしながら、琴音はラストを歌い上げる。
「富を全部吸い上げて……美しい娘も財産も、ぜーんぶ代官の手に収める悪事だったの……こう言う事件って、案外近くでも起きてたりするのよね?」
 心当たり、ない? 琴音にそう囁かれ、若手の富豪たちは思い当たることを考える。
「そう言えば……新規に出店した商店が、寄進を積んで既存の商店を追い落とそうとしたことがあったよな」
「ああ、確か既存の店も寄進を積んで対抗して……そう、そして両方払えなくなって破産したんだ」
「あの店の出店計画、認めたのは司祭様だっけ? ひょとして……こうなることが分かって出店させたのか?」
 火の気のない所に煙は立たず……琴音の戯曲に刺激され、富裕層たちは噂話に盛り上がる。
「さて、これにて私の舞台は終わりですが……破産して貧困層へ真っ逆さま☆ なんてないよう、皆さんお気をつけ下さいなの」
「良い舞台だった!」
「忠告ありがとうよー!」
 ステージを降りる琴音に拍手と声援が飛ぶ。
 しかし彼らのその心中は実際に飛んだ店があったことから、現実になるんじゃないかと若干冷や汗を搔いていた。
 そして、その出店を強行させた司祭への不信感も……にっこりと微笑む琴音は気付かないフリをする。
 だが植え付けられた芽は何時か花を開かせる。さてその時にどうなるか……楽しみで仕方ない彼女であった。

「今回は資本主義を教えようと思うよ」
 一方、別の富裕層の集まりではレオアリア・フォルシオン(フォルシオン統一王朝初代皇帝『征龍帝』・g00492)がステージに立っていた。
 今日の講座は前回の一里塚・燐寧たちの活躍を汲んで司祭を排したあとの富裕層の立ち回り方……皆マジメに彼女の話を聞いている。
「資本主義とは、資金を生活の根幹とする代わりに、その資金の流れを止めない事で全ての層の民が潤う仕組みの事よ」
 彼女が言う資本主義とは貨幣主義……資産を持っている人、この場合富裕層が雇用なり販売なしをして労働の対価として給与を支払う。
 給与を貰った人はそれを商店で食品を買ったりして自由に使える。
 商店の人たちは仕入れや店の拡充などに富裕層から購入し、資金は循環される……と言う物だ。
「だけど、資産を独占するロウキンが居る限り、この資本主義は不可能よ。寄進は正常なお金の流れを堰き止める悪ね」
「でも、ロウキン司祭に寄進をしないと、貧困層に反逆されたら……数では向こうが上回ってます」
 ある資産家の質問に、レオアリアは大丈夫と答える。
「それは貧困層に正しい対価を支払ってこなかったからよ。正しい対価を支払えば、貧困層も満足して手を出すことは無いわよ」
 貧困層も正常な流れに組み込むことが大事なのよ……そう言う彼女に、資産家は確かにと頷く。
「立ち上がりなさい! 富裕層も、貧困層も、商人たちも、一致団結してロウキンから解放されるべきよ! 共に真の自由なる経済活動のために!!」
 おおおっ! っとステージ上のレオアリアに向けて称賛の声と拍手が飛ぶ。
 確かに寄進で堰き止められていた資産が無くなれば、貧困層にも正しい給与を支払うことが出来る。
 それで満足してくれるなら富裕層の立場は安泰……これ程素晴らしい方法はない。
 計算高く生きて来た彼らだ、既に頭の中でロウキンに付くか付かないかの計算は済んでいることだろう。
 あとは彼を打ち倒すだけ……そうレオアリアは手を振り声援に答えるのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV9になった!
【現の夢】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!
【グロリアス】がLV2になった!
【ロストエナジー】がLV2になった!

ナイナ・ヴィラネスティズム
※同選択肢の味方との協力・連携可
※徹頭徹尾被害者を装う
※言葉で責め立てる際は精神攻撃を基本とす

ごきげんよう司祭様
あなた様を取り巻く方々が大騒ぎしているそうですが・・・ご説明いただけまして?
富裕層からは賄賂をたんまり、貧困層には希望の自作自演劇を繰り返し行い、私腹を肥やしたと小耳に挟みましたの
信仰に内包する清廉潔白さを心から信じてこの身をドラゴン様に捧げんと決めておりましたのに・・・裏切られた気持ちでいっぱいですのよ

私は悪くない!ですか
日の差さない場所で好き勝手やってきた欲深い者は皆そう仰りますわね
孤立無援の状況でドラゴンに救いを求めたらいかがでして?

オホホホホ!
自分のケツは自分でお拭きなさいな


一里塚・燐寧
やっほ、司祭さん
え? 用件~?
単刀直入にゆーけど、この教区から出てった方がいいよぉって伝えに来たの
ここでボヤボヤしてると、多分暴動でブッ殺されちゃうからさぁ

ほら。外を見てごらんよぉ。スゴイことになってるっしょ?
いやー、どーゆーわけか、今まできみがやってきたことがバレちゃったみたいなんだよねぇ
お金持ちは度重なる献金に疲弊して、あたし達貧乏人はとーぜんキレてる!

きみみたいなクソ野郎は、八つ裂きにされたってかまわないけど……
この教区の友達に殺しはさせたくないから、逃げるチャンスをあげるよぉ
あ、でもお金とか宝物とか持ち出してる暇はないからねぇ?
今すぐ着の身着のままで逃げなきゃ、気が変わっちゃうかも~


南雲・琴音
シスター服着てシスターに変装して、司祭様に大ピンチのご報告ですね
もちろん、周りに人がたくさん居て盛り上がってるときに

「司祭様〜! 大変です〜!」
「富裕層に寄進を競わせ共倒れさせて、全部いいとこ独り占めしてるなんて噂が流れてますよ〜!」
「騙されて破産した、元富裕層の貧困層が、激おこみたいです〜」
「こんなピンチにも、ドラゴン様助けてくれないなんて……案外、ドラゴン様も薄情ですねー」
「ああ、これも聖人ゆえの受難でしょうかー?」
「でも、どっちかーて言うと……性人ですよねぇ〜」
「そんな、ご謙遜されなくてもー! 司祭様ってば、飲む打つ買うの三冠王じゃないですかぁ?」

と、虚実織り交ぜて尾鰭つけて言ってみるの


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
味方と協力を
機は熟した、行こう

――不正を正そう
広場など公開の場へ人々を連れ
集まるよう宣伝、演説と円滑な扇動を

衆人環視の場に司祭を呼び出し、帳簿を突きつけよう

あなたがやっているのは「信仰」でも何でもない
ただ自分に都合のよい搾取のシステムだ

人々の視線が突き刺さるだろう
貧民たちの理不尽への怒り
都合よく搾取された商人たち
悔い改めた(計算高い)富裕層たちの言い分をぶつけよう

ロウキン、貴方の仕組みはただの足枷だ

皆、本当に望むものは
良く生きることではなかろうか
健やかに、安全に、憂いなく
日々に実りを感じながら

決して一人がほしいままにすることではない

この地区の仕組みを正そう
皆が幸福であるために

貴方はどうする?


アンゼリカ・レンブラント
※司祭へ接触する仲間と論旨に齟齬がないよう注意

私は支持を得ることができた貧民層の人々に呼びかけ
広場等へ人々を集めていこう
(集める事ができない場合は人々を連れ司祭のもとへ行くよ)

癒着と自作自演劇で私腹を肥やしてきた
司祭の悪事は沢山そこで公になるだろうね
仲間と追い詰めるよ

でも人々には一つだけ約束してほしいな
司祭にも反省させるチャンスをあげてほしいんだ
悪いことをした人だからこそ、見守り更生させて
また一緒に力を合わせ生活出来るようにしてほしいんだ

悪い人を消すのより、悪い人をいい人にして
みんなで決まり事を決めて生活を豊かにしていかないかな?
ドラゴン様の教えを受け従うんじゃなく、
みんなで話し合って決めてね


アイネリス・レナリィ
アドリブ絡み歓迎

不正は明るみに出ました。
あとは収拾をつけるだけですね。

司祭と市民たちへ
私欲の暴走による腐敗を目の当たりにし、その愚かさは十分に認識した
ならば不正を生む偽りの信仰から脱し、より良い街を作れるはずだと伝えます

司祭へは加えて
許されるかどうかはあなた次第です
これに懲りたのなら、信仰よりも市民たちのことを第一に考えるべきだと、釘を刺しておきましょう


●弾劾裁判。
 教会前の広場、そこには街の住民が山のように押しかけていた。
 貧民、商人、富裕層……階級を問わず、司祭を出せと押しかける。
 その先頭に立つエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は声を上げる。
「ロウキン! 貴方の仕組みはただの足枷だ! 皆が本当に望むものは良く生きることでなかろうか!? 健やかに、安全に、憂いなく日々に実りを感じながら! 決して一人がほしいままにすることではない!!」
 そうだそうだ、そんな声がエトヴァの声を強く押す。
 雪崩のような住民たちの声に、教会の内部では司祭が逃げ支度を始めていた。
「くそっ、なんでこんなことに……ドラゴン様への信仰も厚い私がこうも責められるとは」
 貴金属を手当たり次第荷物に詰めるロウキン司祭に、そっと近づく影が一つ……一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)であった。
「やっほ、司祭さん」
「誰だ貴様、何用だ!?」
「え、用件~? ……単刀直入にゆーけど、この教区から出てった方がいいよぉって伝えに来たの。ここでボヤボヤしてると、多分暴動でブッ殺されちゃうからさぁ」
 のんびりと、しかしハッキリと告知する燐寧に、司祭は窓の外を見る。
「いやー、どーゆーわけか、今まで司祭さんがやってきたことが全部バレちゃったみたいなんだよねぇ。お金持ちは度重なる献金に疲弊して、あたしたち貧乏人はとーぜんキレてる!」
「そんな、あの仕組みがバレるなんて……いやバレたところで理解出来るだなんて!」
「なぜか理解出来ちゃったんだよねぇ。それできみみたいなクソ野郎は八つ裂きにされたってかまわないけど……この教区の友達に殺しはさせたくないから、逃げるチャンスをあげるよぉって言いに来たの」
 燐寧は裏口を指差すと、早く逃げなと司祭に告げる。
「あ、お金とか宝物とか持ちだしてる暇はないからねぇ? 今すぐ着の身着のままで逃げなきゃ、気が変わっちゃうかも~」
 そう告げる燐寧の瞳の奥の狂気に気付いたのか、司祭は纏めていた荷物を投げ捨てると裏口へと走り出す。
 だが裏口を出たところで、彼はナイナ・ヴィラネスティズム(凱閃令嬢・g00383)に詰め寄られた。
「ごきげんよう司祭様。あなた様を取り巻く方々が大騒ぎしているそうですが……ご説明頂けまして?」
「そんな暇はない!」
 司祭に突き飛ばされそうになったナイナだが、そこはディアボロスの運動能力が勝る……逆にその腕を捕まえ、離さない。
「何をなさいます! 私、司祭様が富裕層からは賄賂をたんまり、貧困層には希望の自作自演劇を繰り返し行い、私腹を肥やしたと小耳に挟みましたの! 信仰に内包する清廉潔白さを心から信じてこの身をドラゴン様に捧げんと決めておりましたのに……裏切られた気持ちでいっぱいですのよ!!」
 司祭に裏切られた被害者を装い司祭を責め立てるナイナに、司祭は離せ離せと暴れ蹴とばそうとする。
「私は悪くない! 全てはこの教区を任せたドラゴン様の意思だ!!」
「私は悪くない……ですか。日の差さない場所で好き勝手やってきた欲深い者は皆そう仰りますわよね? 孤立無援の状況でドラゴンに救いを求めたら如何でして」
「ロウキン司祭がいたぞ! 捕まえて広場へ引き立てろ!!」
 司祭が気が付けば、周囲には住民たちが怒りの顔で立っていた。
 何事かを叫びながら引き立てられる彼の姿に、ナイナはハンカチーフを振りながら口を開く。
「オホホホホ! 自分のケツは自分でお拭きなさいな! ……あら、失礼。はしたなかったですわね」
 ナイナの高笑いが響く……そして司祭は広場へと連れていかれた。
 裁判が始まる。

「ロウキン、あなたがやっているのは「信仰」でも何でもない。ただ自分に都合のよい搾取のシステムだ」
 広場の中央……群衆が取り囲むソコでは、逃げられぬよう縛られたロウキン司祭と検事役のエトヴァが向き合う。
 証拠である帳簿を突き付けながらエトヴァが迫るが、ロウキン司祭は黙秘権を行使すると口を閉じる。
 聴衆たちから苛立ちが溢れ、このままでは暴動になる……エトヴァが難しい顔をしたそんな時、司祭が捨てた荷物を背負い修道服を着た南雲・琴音(サキュバスの思想家・g07872)が会場に割り入った。
「ここに居ましたか司祭様~! ちゃんと民衆から巻き上げた財宝や貨幣、持って来ましたよ~!」
「だ、誰だお前は!?」
「誰だなんて失礼ですね、富裕層に寄進を競わせ共倒れさせて、全部いいとこ独り占めしてる司祭様の配下の一人ですよ~!」
「こんな奴いたか……いやどうでもいい、黙れ、黙るんだ!」
 司祭が琴音を止めようとするが彼女の口は止まらない。
「それよりも司祭様、大ニュースです! 騙されて破産した元富裕層の貧困層が激おこみたいです〜! 案外この中に紛れていたりして!?」
「ヒッ!?」
「こんなピンチにもドラゴン様は助けてくれないなんて……案外、ドラゴン様も薄情ですねー? ああ、これも聖人ゆえの受難でしょうかー?」
 そう言えばドラゴン様の司祭を問い詰めているのに、そのドラゴンは助けに来ない……住民たちも不思議に思い始める。
 ドラゴンへの信仰とはなんだったのか、と。
「聖人と言うより、どっちかーって言うと……司祭様は性人ですよねぇ〜? そんな、ご謙遜されなくてもー! 司祭様ってば、飲む打つ買うの三冠王じゃないですかぁ!」
 そんなことはしていない! と顔を青ざめるロウキン司祭であったが、この場に集まった住民たちの誤解を解くのは不可能……琴音は出番が終わったとばかりに、口を開いた荷物を司祭の足元に置いて、群衆が零れ落ちる金銀財宝に目を奪われた隙に人影へと紛れた。
「司祭を許すな! 私財を肥やした司祭を断罪しろ!」
 怒気の篭もった声にひっと怯える司祭……裁判の行方は判決を下すまでも無く明らかであった。
「みんな! 司祭の悪事は公になった、でも司祭を殺すのは待って欲しいんだ!」
 これが民衆の総意だと司祭に向かい投げられた石……だがそれが司祭に命中する直前にアンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)がその身を呈して司祭を庇う。
「お姉ちゃん、どうして!? そいつ悪い奴だよ!」
 貧困層を富裕層から護って来たアンゼリカ……その活躍を見て来た孤児たちからなんで庇うのと声が上がる。
 そんな彼らに向かいアンゼリカは諭すように語り出す。
「司祭は悪いことをした。だけど一度も悪いことをしてない人間なんていない……司祭にも反省させるチャンスをあげて欲しいんだ。悪いことをした人だからこそ、みんなで見守り更生させて、また一緒に力を合わせて生活出来るようにして欲しいと私は願いたいんだ」
 石が当たり頭から血を流しながら、アンゼリカはそう住民たちに訴える。
 その気持ちが通じたのか、投げられる石の数は段々と減り……やがて止まる。
「みんな、分かってくれたようで良かったんだよ! 悪い人を消すのより、悪い人を良い人にしてみんなで決まり事を決めて生活を豊かにしていく……ドラゴン様の教えに従うんじゃなくて、みんなで話し合って決める。そっちの方がみんなも気持ち良いと思うんだ!」
 ぱあっと笑顔を見せるアンゼリカに、子どもたちが駆け寄って来る……痛くなかった? ごめんなさいと泣きながら謝る子どもたちにヨシヨシと頭を撫でてやる。
「決まりましたね……ロウキン司祭と市民の皆さん。私欲の暴走による腐敗を目の当たりにし、そして私刑の愚かさも充分に認識したでしょう。ならば不正を生む偽りの信仰から脱し、より良い街を作れるはずです」
 裁判長役を買って出たアイネリス・レナリィ(黒鉄の魔女・g01781)が司祭と集まった住民に話しかける。
 異議なしと言う声が響き、裁判は終わる……だがその前に彼女は司祭に話しかける。
「ロウキン司祭、いえ元司祭。本当に許されるかどうかは今後のあなたの行動次第です……これに懲りたのなら、信仰よりも市民たちのことを第一に考えるべきだと思います」
「わ、分かりました……ありがとうございます」
 ロウキン元司祭は頭を下げ、温情に感謝を述べる。
「これにて閉廷です!」
 アイネリスがそう宣言すると、群衆はワッと湧いた……だがこれで終わりではない。
 ロウキン元司祭が溜め込んでいた私財の返還や貧困層の待遇改善、やることは山のようにある。
 だがそれを乗り越え、この教区はドラゴンと決別しきっと良い街になるであろう。
 そう信じ、ディアボロスたちは姿を消すのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【冷気の支配者】LV1が発生!
【飛翔】がLV13になった!
【現の夢】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】がLV4になった!
【アヴォイド】がLV3になった!
【グロリアス】がLV3になった!
【反撃アップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!

最終結果:成功

完成日2023年03月16日

ロンドンのドラゴン信仰を打ち砕け

 攻略旅団の方針により、ロンドンのドラゴン信仰を打ち砕くための作戦を行います。
 ロンドン潜入作戦で得た情報では、ロンドンは多数の『教区』に分割され、それぞれの『教区』ごとに、様々な方法で、ドラゴンへの信仰を集めているようです。
 『教区』の代表は『司祭』と呼ばれているようですが、この『司祭』も含めて、ロンドン市内には、ドラゴンや竜鱗兵の姿はありません。
 おそらくドラゴンは、『ドラゴンや竜鱗兵が関与』する事無く、一般人だけで、ドラゴンへの信仰のエネルギーを集める実験をロンドンで行っているものと思われます。

 この実験が成功した場合、ドラゴンを崇める宗教を広めるだけで、事件を起こさずにエネルギーを得る方法を、ドラゴンが得てしまうでしょう。
 これを防ぐためにも、ロンドンに潜入してドラゴンの信仰を打ち砕かねばなりません。


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#幻想竜域キングアーサー
🔒
#ロンドンのドラゴン信仰を打ち砕け
🔒
#ロンドン


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選択肢『教区への潜入と調査』のルール

 ロンドン市内に潜入し、目的とする『教区』に潜入して調査を行います。
 この調査により、教区の信仰を打ち砕くための手段を知る事が出来るでしょう。
 ディアボロスは『違和感を与えにくい』能力を持つので、他の教区から引っ越してきたばかりの市民といった演出をすれば、情報収集は可能です。
 ここで得られる情報は、
====================
・教区の多くの住民は全く信じていない、信憑性の低い噂話を耳にする。
・住人に迫害されている、被害者と交流して情報を得る。
・偶然ディアボロスが事件現場を見掛けてしまう。
====================
 などとなります。
 行動としては、信憑性の無い噂話を聞き出す方法や、教区の多くの人から嫌われたり迫害されている人を探して仲良くなる行動や、事件が起こりそうな場所に当たりを付けて監視する……ような行動を行うと良いでしょう。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【🔑】この選択肢の🔵が👑に達しない限り、マスターは他の選択肢のリプレイを執筆できない。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『信仰を打ち砕く準備』のルール

 『教区への潜入と調査』で得られた情報を元に、信仰を打ち砕く準備を整えます。
 多くの一般人は、純朴に司祭を信じてドラゴンを信仰しているようなので、決定的な証拠を示す必要があるでしょう。

 司祭の悪事を暴き、それを、多くの市民が目撃するような状況を造り出せれば最良となります。
 なお、目的は『信仰を打ち砕く事』であるので、その過程で、ディアボロスがおとり捜査を行って里、証拠を捏造したり、司祭を騙して誘導するといった行為を行うのは問題ありません。
 準備が充分に整い、これ以上必要ないと判断した場合は、この選択肢が成功していなくても、事件の解決に挑戦してもOKです。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『事件の解決』のルール

 教区の一般人達の信仰を打ち砕く為の決定的な証拠を示して、事件を解決します。
 多くの市民の前で、司祭の悪事を証明する事ができれば、決定的な証拠となるでしょう。
 『信仰を打ち砕く準備』のリプレイで、準備を整えてから、事件の解決に挑戦してください。

 事件を解決する為の準備が足りていない場合は、この選択肢のリプレイは執筆されません。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、シナリオは成功で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。