リプレイ
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
効果活用
本当に良かった……取り戻せるのか
エジプトの置き土産となったな
壊してすまない
再び、命を吹き込んでやりたい
まずは簒奪者の排除だな
可能なら、事前に味方と相談
二号機の内部地図を元にルートを手分けしたい
船内は広く、部屋数も多い……効率よく確実に行きたいな
仲間と位置と情報共有を
入口付近の敵を排除後、内部へ向かって偵察、観察しつつ探索
忍び足と地形の利用し
外に向かう敵は逃がさず迎撃
【トラップ生成】で、船内に触れると鈴が鳴る糸を巡らせ罠地帯に
味方が音で敵を発見、不意打ちしやすくする
味方の進軍に合わせ数度、段階的に設置
仲間と協力し敵を不意打ち、各個撃破
反撃には魔力障壁で風を防ぎ遮蔽物も利用
クィト・メリトモナカアイス
もう汝に会えぬ覚悟はしてたけれど。また会えて良かった。
エジプトでそうであったように、また民を追いかけまわすようになるくらいならと。我は汝の動力を壊した。
動かせない物ならば壊してしまえと、亜人が思う可能性もきっとあった。
けれども、また会えた。
んむ、良かった。
よーし、やる気出てきた。
「喧騒へ捧ぐ宵の峰」の特殊な歩法に【光学迷彩】も合わせてスフィンクス二号機にこっそり潜入。
実は二号機に乗ったことはあまりないのだけれど。サフィーナ・ミウと同じ構造なら我が家も同じ。
ミノタウロスにひっそり近づき、相手が迎撃の態勢を整える前に黄金猫拳打棒で殴り倒す。
これは我らの船。
修理は我らが責任もってやる。
一里塚・燐寧
この船に乗り込んでイスカンダルに押し入った時は
「奪われるぐらいなら、完全に壊れちゃえばいい」って腹括ったもんだけど……
直せるかもしれない状態でまた会えるなんてねぇ
いやー、サイコーだよぉ~
予め過去の戦闘記録から2号機の間取りを復習
実際乗ったこともあるんだけど、回数少なくて記憶が曖昧だからねぇ
2号機を探索する時は【猫変身】
小さな身体で物陰に隠れたり、人の姿じゃ通れない狭い空間に潜り込んで移動
身を隠しながら進む中で、敵を捕捉したら背後に近づき
突然変身を解除して『ソニッククロー』で解体するよぉ!
ほいほーい、牛肉のユッケが一丁あがりっ!
反撃には残像を残すほど素早いステップで身を逸らし、致命傷を避けるねぇ
クロエ・アルニティコス
これがスフィンクス像……噂程度に聞いたことはありましたが、まさかこの目で見る日がくるとは思いませんでした。
この大きさで本当に動くんですか?
実は生きた怪物だったりしません?
内部構造に関しては何も知りませんし、事前に詳しい人に聞くか、詳しい人と行動をともにします。
ミノタウロスを見つけたら【カリュブディス・ネペンテス】を使用、カリュブディスを象った怪物を作り出します。
ひっそりと撃破するには向きませんが、逃さず殺すのは得手です。
伸ばした蔓でミノタウロスたちを捕縛、捕虫器の中に放り込んで溶解液で溶かしてしまいます。
お前たちに殺す犯す以外をする知能があったとは驚きですね。
溶けてしまえば全て同じですが。
パラドクストレインを降りた先に広がる砂漠。
スフィンクス二号機は、ディアボロスが遺棄したそのときの姿のまま、そこにあった。
「これがスフィンクス像……噂程度に聞いたことはありましたが、まさかこの目で見る日がくるとは思いませんでした」
クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)は信じられない思いでスフィンクス二号機を眺めた。
「この大きさで本当に動くんですか? ……実は生きた怪物だったりしません?」
ライオンの身体と人間の顔を持つそれは、船というよりも怪物そのものと言われたほうがまだしも納得できる。
「スフィンクスはエジプトとギリシャ神話ではちょーっと扱い違うしねえ。でもこれは正真正銘の砂上船だよ」
実際乗っていたんだからと、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)はスフィンクス二号機でこの地に突入した時のことを思い出す。
あのときは……この船をイスカンダルの亜人に渡してしまったら、どれだけの人が苦しむことになるのかを考えて、奪われるくらいなら完全に壊れたほうがいい、そう腹をくくったものだけれど。
「直せるかもしれない状態でまた会えるなんてねぇ。いやー、サイコーだよぉ~」
「……もう汝に会えぬ覚悟はしてたけれど。また会えて良かった」
クィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)も感慨深くスフィンクス二号機を見つめた。
ディアボロスが手に入れる前までは、スフィンクスはクロノヴェーダの足となり、民を追いかけ回していた。この地のクロノヴェーダの手に落ちてそうなるくらいならと、クィトは船の動力を壊した。まだあのときの……操作盤を殴りつけたときの感覚が手に残っているような気がする。
修理されて敵の手におちる、あるいは修理不能とみて破壊される恐れもあったが、こうして取り戻せる機会がこようとは。
「んむ、良かった」
その一言に、クィトは万感の思いをこめた。
壊してすまなかった、とエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)はスフィンクス二号機に詫びる。壊さざるを得なかったが、行く末は気になっていた。もしスフィンクス二号機を取り戻せすことができるなら、獣神王朝エジプトの良き置き土産となるだろう。
自分たちのもとで、再び命を吹き込んでやりたい。そのためには。
「まずは簒奪者の排除だな」
すべての敵を排除できなければ、スフィンクス二号機は再び亜人の手に落ちる。そうなればもう取り戻すことは能わないだろう。
潜入を前に、パラドクストレインの道中に打ち合わせてきた、スフィンクス二号機の内部構造について、ディアボロスたちは再確認した。
二号機の構造に詳しい者はいないが、サフィーナ・ミウと二号機、両方に乗ったことがあれば、部屋の使用用途などは違えども構造はほぼ同じと分かる。
それを元に手分けをしたルートを、担当のディアボロスが敵を確実に排除しながら進む。手当たり次第に敵にあたれば、知らぬうちに船を脱出されて報告が届いてしまう恐れがあるから、ルートの選定は重要だ。
「よーし、やる気出てきた」
意気揚々、だがこっそりとクィトはスフィンクス二号機へと潜入した。
サフィーナ・ミウと同じ構造なら我が家も同じ。そう思って入った船内の惨状に、うぐっと息を呑む。
遺棄した際も戦闘での被害などはあったが、そのときよりももっと荒れている。掃除など一度もされていないだろう。
「亜人、許すまじ」
黄金猫拳打棒を握りしめ、クィトは担当のルートを進み、ミノタウロスの狂戦士を探した。
開け放した扉から物音がするのに気づき、そっとのぞき込んでみれば、ミノタウロスが乱暴に棚を引っ掻き回しているのが見えた。
クィトは特殊な歩行を継続して、音もなくミノタウロスへと忍び寄り。
「てやっ」
黄金猫拳打棒で殴りつけた。
不意の攻撃を受けたミノタウロスの狂戦士は、両手の斧をクィトへとひたすらに叩きつけてくる。
斧と棒が振り回されたあと、部屋の床にはミノタウロスが転がった。
「これは我らの船。修理は我らが責任もってやる」
手出しは無用と言い渡し、クィトは先へと進んだ。
これがあの怪物の内側なのか。
初めて入る場所を慎重に進みながら、クロエは周囲を見渡した。
通路と部屋。広くはあるが複雑ではないから、頭に入れたルートと照らし合わせれば、進む方向を割り出すのは難しくない。
そしてまた、隠れもしていないミノタウロスの狂戦士を見つけることも、たやすいことだった。
『種子に宿るは我が悲嘆、芽吹け【カリュブディス・ネペンテス】!』
毛羽のような軽い種へと、クロエは魔力と尽きることのない悲嘆を注ぎ込む。クロエの手から離れて床に落ちるまでの間にウツボカズラは芽吹き、カリュブディスを象った怪物へと成長した。
向かってくるミノタウロスの狂戦士たちを伸ばした蔓で絡め取り、捕虫器の中に放り込む。
溶解液に落とされたミノタウロスは、溶かされながらも斧に魔力をこめて振り回した。捕虫器を破った鮮血色の風が、クロエを四たび切り裂いた。
飛び出してきたミノタウロスの狂戦士はなおも斧を振り回すが、クロエが育てた蔓は彼らの足を捕らえ、捕虫器へと投げ入れた。
「お前たちに殺す犯す以外をする知能があったとは驚きですね。溶けてしまえば全て同じですが」
クロエの言葉を最後まで聞き取ることなく、くミノタウロスの狂戦士は溶かされていった。
壊れたものか、あるいは壊したものかを片付けでもしているのだろうか。
ガラクタを抱えて、ミノタウロスの狂戦士が通路を歩いてゆく。
運ぶことに集中しているミノタウロスは、背後から近づくしなやかな生き物にまったく気づいていなかった。
物陰からミノタウロスを窺った猫が、一気に距離を詰める。
背後まで来た瞬間、燐寧は猫変身を解き、両手の指先を飛びかかる猫の手のように立てた。
「ぬ?」
気配に振り返ったミノタウロスの狂戦士へと、燐寧は両手で大きく空間をひっかく。直接指先は敵に触れずとも、その指先から伸びた鉤爪状のオーラがザッザッと左右からミノタウロスを切り刻んだ。
ミノタウロスはガラクタを放り出すと、両手に持った斧をがむしゃらに燐寧へと叩きつけてきた。素早く飛びのいて致命傷を避けながら、燐寧はもう一掻き二掻きとミノタウロスを刻む。
「ほいほーい、牛肉のユッケが一丁あがりっ!」
ずたずたに引き裂かれたミノタウロスは、食欲をかき立てるどころか減退させる役にしかたたないが、これにて料理完了とばかりに、燐寧は再び猫変身。
かろやかな足取りで次のミノタウロス狩りへと向かった。
スフィンクス二号機へ潜入したエトヴァは、すぐには奥に進まなかった。
まずは入口近くの敵を排除しておいて、触れると鈴が鳴る糸を巡らせたトラップを仕掛けた。敵が糸に触れれば、味方は鈴の音によって敵の位置を知ることができる。
罠を仕掛け終えると、内部へ向かって自分担当のルートを偵察、観察しながら調べていった。
出くわしたミノタウロスの狂戦士を仕留めたところで、リンリンと背後から鈴の音が聞こえた。エトヴァはすぐさま踵を返して入口付近へと戻る。
「なんだぁ?」
「足に何かが……」
糸を引きちぎって足を進めるミノタウロスの背後から、エトヴァは【斬糸結界】を展開した。トラップの糸は引きちぎることが出来ても、パラドクスの斬糸はそうはいかない。触れたミノタウロスの腕を糸はごろりと落とし、足を断ち、体に深く食い入る。
「糸……さてはこっちを仕掛けたのもお前だな!」
ミノタウロスの降り回す斧から放たれた鮮血色の風を、エトヴァは魔力障壁を挟んでその威力を弱めて耐えた。
反撃を終えてミノタウロスが屍となると、エトヴァはトラップを張り直し、探索へと戻る。
その先の途中途中にもトラップを仕掛けながら、エトヴァはミノタウロスの狂戦士を着実に排除していった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
【猫変身】LV1が発生!
【水源】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
イロハ・アプリルシェルツ
【アドリブ&連携歓迎】
機動力は段違いだし、亜人側も砂上船を鹵獲しようとするのは理解出来るんだけど
明らかに細かい作業が苦手そうなミノタウロスに修理させるのって無理が無い?
まぁ、最終的な力仕事には向いてるだろうけどさ。
さて、内部には訳ありの亜人達も捕らえられてるみたいだし
先ずは邪魔者を残らず片付けてからの対処しないとだね。
幸いな事に二号機の作りはディアボロス側の方が理解してるから
『地の利』は此方にあると言えるね。
装置や物陰など隠れてたり、不意打ちしてこようとする亜人達も隈なく探して
着実に【ロンバルディアの聖王冠】で仕留めて行こうかな。
大丈夫、仲間達も残らず地獄へと送り届けるから寂しくないよ?
ナディア・ベズヴィルド
・アドリブ歓迎・仲間との連携を図る
イスカンダル突入時に置いて行ったのがずっと気になっていた
良かった、動力部を壊していたのが功を為したか
これを取り戻せば一安心ね
直せばエジプトの時のようにイスカンダルで活動する一助になってくれることでしょう
事前に内部のルート確認ができるならしておくわ
…壊すしか能の無い蛮族どもが
これ以上好き勝手にスフィンクス二号の中を動き回るな
一体残らず駆逐してくれるわ
【パラドクス通信】を用いて仲間と情報共有し
【トラップ生成】でワイヤートラップをしかけ奴らの足並みを乱し
効率よく敵を不意打ちや誘い込みをし乍ら確実に数を減らしていく
敵の反撃は【未来予測】で行動を見据えて回避を試みる
夜明・瑠奈
船を直してなら物音がするはず!
猫耳をぴこぴこさせながらその物音を頼りに敵さん探すね!
あ、いたいた。
やー、見事なまでに力には自信がありますってタイプのミノタウロスだね~……。
あの手のタイプと真正面から戦うのはか弱い瑠奈には荷が重いから~……この子の力を借りよっと☆
ミノタウロスの周りに禁書から砂塵を発生させて視界を悪くするよ!
砂塵に隠れて攻撃チャンスを窺うけど、その時にミノタウロスが変なことして罠を起動させたとでも思って焦ってくれるとうれしいんだけどな~。
攻撃のチャンスが来たら、もしくは焦りが見えたら一気に接近してナイフで急所をグサーって刺しちゃうぞっ☆
(アドリブ・連携大歓迎です)
テクトラム・ギベリオ
スフィンクス二号機がもう見つかったのか。
ここにいる奴らの数を考えると修復される可能性もあったようだな。発見が早くて良かった。
しかしエネルギーに老いた亜人…?そこら辺どうなっているんだ。
とにかく敵を撃破すれば良いのだな。よかろう。
我々の猫だ。返してもらうとしよう。
壊れているスフィンクス二号機をあまり汚したくはないが…。
でかいノミ…いや、ミノタウロス共を1匹残らず落とすには泥パックがちょうど良いだろう。
【泥濘の地】で動きを鈍くさせ、精製した万能溶解液で奴らを溶かす。
内部構造は我々の方が詳しい。敵をおびき寄せ、隠密行動する仲間やトラップと組み合わせて効率よく敵を倒そう。
アドリブ連携歓迎
スフィンクス二号機を蹂躙戦記イスカンダルの地に残したことは、大きな懸念となってディアボロスたちの胸にあった。
ナディア・ベズヴィルド(黄昏のグランデヴィナ・g00246)もそうだったから、奪還の機会が訪れたことに、良かった、と息をついた。
「これを取り戻せば一安心ね」
「ここにいる奴らの数を考えると、敵に修復される可能性もあったようだな。発見が早くて良かった」
もう少し遅れれば、亜人の足となったスフィンクス二号機と出くわしていたかも知れない。そんな事態とならなかったことに、テクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)も安堵する。敵の戦力が増強されてしまうのはもちろん、ディアボロスの心情的にもスフィンクス二号機を奪われるダメージは大きかっただろう。
「操作盤を壊していたのが功を成したのね。直せばエジプトの時のようにイスカンダルで活動する一助になってくれることでしょう」
サフィーナ・ミウもスフィンクス二号機も、獣神王朝エジプトの攻略を後押ししてくれる頼もしいパートナーだった。この地でも力を借りられれば、広大なイスカンダルを攻略するのに役立ってくれるだろう。
「内部には訳ありの亜人達も捕らえられてるみたいだけど……」
イロハ・アプリルシェルツ(神聖ならざる銀・g05555)は、時先案内で聞いた年老いた亜人の話が引っかかっていた。
上位階級に進化できた個体以外のトループス級は、寿命を迎える前に儀式を経て生贄に捧げられ、エネルギーに変換されると聞く。そのエネルギーが今回はスフィンクス二号機の動力とされようとしている。
スフィンクス二号機を取り戻す過程で彼らと対面することもあるだろうが、まずはミノタウロスの狂戦士を撃破することだ。
「ミノタウロスは船を直そうとしてるんだよね?」
だったら発見するのは簡単そうだと、夜明・瑠奈(うそつきキャットウォーク・g09029)は思う。ミノタウロスならばきっとうるさい音を立てて修理しているだろうから、音に留意しておけば見つけられそうだ。
4人はパラドクストレインの中で他のディアボロスたちと打ち合わせてあった、探索ルートを確認してからスフィンクス二号機に潜入した。おそらくミノタウロスは操舵室に多く集まっているだろうから、この4人は揃って操舵室へ向かうルートだ。
通路は埃と砂でじゃりじゃりしており、出入りの際に持ち込まれたのか枯草の欠片も散らばっている。
「こちらの通路ね」
分かれ道に来るたび、ナディアが道を指し示した。サフィーナ・ミウには何度も乗ったし、スフィンクス二号機にも乗っているから、迷うことはない。
「ディアボロス側が二号機の構造を理解してるのは幸いだね」
まったく知らない船内で、すべての敵を逃がさず戦うのは困難だからとイロハが言う。
「スフィンクス二号機も我々の猫だ。返してもらうとしよう」
とにかく敵をすべて撃破すれば取り戻せる、というのは分かりやすい。必ずやディアボロスの手に、とテクトラムは含み笑った。
途中に出くわしたミノタウロスの狂戦士を倒し、4人は操舵室の扉の前に到着した。
瑠奈の猫耳がぴこぴこと動く。
「中で作業してるみたいだね」
「作業というには、荒々しすぎる音がするんだけど」
聞こえてくる音に、イロハがちょっと顔をしかめた。怒号や何かが触れあう音、の他にガリガリという音もする。
「そもそも、明らかに細かい作業が苦手そうなミノタウロスに修理させるのって無理がない? まぁ、最終的な力仕事には向いてるだろうけどさ」
ゴブリン、トロウル、オーク……修理に向いている亜人はどれだろうかと考えながら、イロハはそっと扉を開けた。
操舵室ではミノタウロスの狂戦士たちが、壊れた操作盤の周囲に集まっていた。集中しているのか、まだこちらには気づいていない。
「やー、見事なまでに力には自信がありますってタイプのミノタウロスだね~」
瑠奈は小声で呟いた。あの手のタイプと正面から戦うのは自分には荷が重そうだ。
操舵室の様子を見たナディアのこめかみには、ピキッと血管が浮き出る。
(「壊すしか能の無い蛮族どもが」)
もちろんミノタウロスとて、主要機関を壊したりはしていない。だが、妨げとなるものは破壊され、不要となったものはそこかしこに放り出され、という惨状だ。固定してあった椅子が脚だけになっているのは、修理の際に邪魔だったためだろう。
「あいつまだ戻ってこないのか」
いつまでかかってるんだと苛立った様子のミノタウロスが、操作盤を叩いた。
「ちょっと見に行ってくる」
探しにいこうと身を返した別のミノタウロスが、ディアボロスの姿を目にする直前、
「これ以上好き勝手にスフィンクス二号の中を動き回るな」
ナディアの呼んだ【終焉の雷霆】が操舵室に轟いた。
「一体残らず駆逐してくれるわ」
天より落ちた雷光が、ミノタウロスの狂戦士の脳天を打ち据える。
「こいつら、いつの間に!」
脳天にくらった衝撃が過ぎると、ミノタウロスは両手の斧を握り直し、ナディアめがけて叩きつけてきた。その軌道をよんで横飛びに避けるナディアを追うように、斧は何度も振り下ろされる。
「壊れているスフィンクス二号機をあまり汚したくはないが……でかいノミ……いや、ミノタウロス共を1匹残らず落とすには泥パックがちょうど良いだろう」
テクトラムはミノタウロスの狂戦士を逃がさないため、泥濘の地を発動させると、ナディアの雷を受けた敵へと万能溶解液を吹き付けた。
「ぐもぅ」
角が、頭がと溶かされてゆきながら、ミノタウロスは最期の力で斧を振り回した。斧から放たれた風はテクトラムを浅く傷つけたのみにとどまり、持ち主をなくした斧は吹っ飛び、瑠奈の足元近くの床に落ちた。
床をすべってきた斧を飛び跳ねて避けると、瑠奈は砂に関する禁断の魔術が封じられた書物を開く。
『あなたはもう瑠奈の獲物。ぜ~ったい逃がさないんだから♪』
書物から巻き起こる砂嵐が、ざあっとミノタウロスへと吹き付け、瑠奈の姿を隠す。それに紛れて近づいて、痛みによる蕩けるような悪夢を見るが良いとばかりに、瑠奈は暗殺用のナイフをミノタウロスへと深く突き刺した。
反撃されて受けたタウロスサイクロンはかなり痛かったけれど、瑠奈は堪えて次の攻撃に臨む。
「ここを奪われるわけにはいかぬ」
助勢を求めて操舵室を飛び出そうとしたミノタウロスは、泥濘の地に足を取られて速度を鈍らせた。出入口にナディアが張ったワイヤートラップを、ミノタウロスが解除しようとしているうちに、イロハのパラドクス【ロンバルディアの聖王冠】が発動する。
『聖なるかな。御慈しみが満ち足れる、神の栄光は比類なきものです』
イロハが詠唱するのは聖なる神言。神言は契約の証である聖遺物に秘められた祝福を解放し、周囲を聖別する。そこにはミノタウロスの狂戦士の居場所はない。
自らの存在を訴えかけるように、ミノタウロスは斧をイロハへと執拗に振るった。なりふり構わぬその攻撃も、聖別された場に留まれず力を失い、ごろりごろりと続けざまに床に転がった。
「大丈夫、仲間達も残らず地獄へと送り届けるから寂しくないよ?」
倒れたまま動かないミノタウロスの狂戦士に、スフィンクス二号機の船内にいる仲間すべてが同じ運命を辿ることになると、イロハは告げるのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【書物解読】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【土壌改良】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【ダブル】がLV2になった!
【ロストエナジー】がLV2になった!
●
年老いた亜人のいる部屋にも、外からの喧騒が伝わってきた。
「なんだか騒がしいな」
ふらりと外を見に行ったひとりが、ばたばたと駆け戻ってくると扉を開け放つ。
「敵襲だ!」
「なんだと!」
立ち上がった亜人の勢いで、今まで座っていた豪奢な椅子がひっくり返る。脚が断ち切られたその椅子は、修理の際に邪魔だとされて、ここに放り込まれたガラクタだ。
自分たちも、あとはエネルギーになるくらいしか役に立たないガラクタとして、不要物を放り込む部屋に入れられ、このまま死ぬのだと思っていた。だが。
「戦いだ!」
「今度こそ、活躍してみせようぞ」
年老いた亜人たちは、ガラクタ部屋をあとに、廊下へと飛び出して行った。
一里塚・燐寧
戦って自分の価値を証明したいわけかぁ
んー。そこを突いて、何とか亜人の内情の情報を引き出せないかなぁ?
ねぇねぇ、武勲を立てるための戦いがしたいんでしょ?
生け贄にされないためにさぁ
条件付きでよかったら相手になってあげる~
え、条件は何かって?
いやー、あたし達の上司もさぁ、強い奴を殺してこないなら死ね!ってうるさくてねぇ
きみ達が若い頃はブイブイ言わせてた、実は大物の亜人だってことを証明してほしいんだよぉ
ね。今までセレウコスとか、その部下の偉いやつの顔を直接見たことない?
凄くでかい街や大事な施設に入った経験は?
そーゆー過去をちゃんと話せれば、きみ達を上司にも一目置かれてた大物って認めたげるよぉ
ね、どぉ?
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
口調は落ち着いて、挑発を交える
ああ、なんだ、暗殺兵か……
その様子だと、外の奴等が言ってた生贄だろう
大した暗殺もできなかったんじゃないか?
どんな手柄を上げたのか、言えるものなら。
……へえ、随分優秀そうだが、生贄にするとはセレウコスももったいない事をする
ああ、それとも『試練』を突破できた奴には、敵わなかったのかな?
『試練』を突破できなかったか……与えられもしなかったか
突破できるものなら
これから『試練』をやろう
反応を見つつ
臨機応変に以下に触れ情報収集
『暗殺対象』はどのような相手か、人以外で亜人同士の小競合いがないか
『試練』は具体的な条件や現象があるのかどうか
会話後は武器を向けて手向けとする
全力で戦え
ミノタウロスの狂戦士もあらかた片付いてきたころ。
鈴の音に気付いたエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)がトラップを見に行くと、そこには老いた亜人たちがいた。
「リンリンうるせーな」
老いの見える腕がトラップをちぎって放り出し、糸につけられていた鈴が床にあたって派手に音を立てた。
「ああ、なんだ、ゴブリン暗殺者か……」
気抜けしたようなエトヴァの声に、ゴブリン暗殺者は色めきたった。
「なんだとはなんだ!」
「おい、敵だぞ、やっぱりいたんだ」
「俺が殺る」
後ろではそろそろと動き出している者もいる。血の気が多そうだ。
「外の奴等が言ってた生贄だろう。大した暗殺もできなかったんじゃないか?」
エトヴァは軽く煽り、どんな手柄をあげたのかと聞いてみた。
「こいつ、バカにしてるのか?」
「どれだけ産ませてきたと思ってるんだ」
「人間3人ひと薙ぎだぜえ!」
だが彼らからは、手柄らしい手柄の話は出てこない。
「へえ、随分優秀そうだが、生贄にするとはセレウコスももったいない事をする。ああ、それとも『試練』を突破できた奴には、敵わなかったのかな?」
エトヴァは彼らを少し持ち上げてから試練の話にもっていこうとしたのだが。
「こいつ何て言った?」
「小難しいことごちゃごちゃうるせえ」
「良くわからないからやっちまえ!」
エトヴァの言い回しは彼らには伝わらなかったらしい。話をするなら、もっとわかりやすく、相手のレベルに合わせる必要がありそうだ。
そんなエトヴァとゴブリン暗殺者とのやり取りを、猫変身した一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は、棚の上から覗き見ていた。
(「ゴブリン暗殺者は、戦って自分の価値を証明したいわけだよねぇ? んー。そこを突いて、何とか亜人の内情の情報を引き出せないかなぁ」)
できればセレウコス、あるいはその部下。それとも主要な街や施設……そう思いながら燐寧はゴブリン暗殺者を見下ろして観察する。
(「どう見ても、下っ端だなぁ……たいしたこと知らなそう」)
知っていたとしても、それが合っているかどうかさえ怪しいところだ。でも一応聞いてみようかと、燐寧は猫変身を解きながら飛び降りた。
「おっ、また敵だ!」
「こっちはオレに倒させろ!」
「どけ、おれが先だ!」
新たな敵の出現に、喜び勇むゴブリン暗殺者へと燐寧はねぇねぇと親しげに話しかける。
「武勲を立てるための戦いがしたいんでしょ? 生け贄にされないためにさぁ」
燐寧の言葉に、老いた亜人たちはきょとんとした。
「こいつ何言ってる?」
「わからんから殺そう」
「え……え? 待って、死にたくないから戦いたいんだよねえ? 条件付きでよかったら相手になってあげるよ~」
そう提案した燐寧へと、ゴブリン暗殺者は老いて皺のよった腕を突き出した。
「こうなったらもう死ぬんだ」
「俺は死ぬ前にもっと戦う!」
「まだまだ戦えるってこと、証明してやろうじゃねーか」
「病には負けんぞ!」
ゴブリン暗殺者たちは手に手に武器を掲げて、襲いかかってきた。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【未来予測】LV1が発生!
効果2【ダブル】がLV3になった!
【先行率アップ】LV1が発生!
テクトラム・ギベリオ
これでは修復しているのか破壊しているのか分からん有様だな。
脚だけになった椅子はもはや椅子とは呼べんぞ。
亜人には仲間たちが上手く言葉を引き出してくれるだろう。
邪魔が入らぬよう部隊全滅に集中する。逃がすと面倒だ。
サーヴァントの毛玉を喚び指示を出す。
毛玉、見ての通り奴らのせいで船の中が滅茶苦茶だ。
多少暴れたところで問題ないだろう。それよりも排除だ。
敵は老いても暗殺者、意表を突く動きはお手の物…。
おそらく得意は接近戦。間合いに入って追い込まれないように【光学迷彩】で距離を取って応戦しよう。
【幻燋昊爆】で光を操り敵を吹き飛ばせ。
【パラドクス通信】で仲間へ連絡し、取り逃さないよう注意する。
アドリブ連携歓迎
ディアボロスが話しかけている途中であっても、話をしている以外のゴブリン暗殺者は襲い掛かってくる。
どうせすべてを倒しきらなければならないのだ。
仲間たちがうまく言葉を引き出してくれることを期待し、テクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)は他のゴブリン暗殺者を滅することに集中することにした。
「毛玉」
名を呼ぶと、スフィンクスの『毛玉』がぽんっと現れ、丸い目でテクトラムを見返した。
「毛玉、見ての通り奴らのせいで船の中が滅茶苦茶だ」
修復しているのか破壊しているのか分からん有様だと、テクトラムは毛玉に荒れた船内を示した。船が動けさえすれば良いというものでもないだろうに……いや、亜人たちはそれで良いのだろう。そんな相手に、これ以上スフィンクス二号機を触らせておきたくはない。
「この状態ならば多少暴れたところで問題ないだろう。それよりも排除だ」
(「敵は老いても暗殺者、意表を突く動きはお手の物のはず……」)
物陰に身を隠して敵を窺うと、テクトラムは毛玉が放つ光を圧縮させる。
『吹き飛ばせ』
瞬時に解放された光は天をも焦がさんと爆ぜた。
その勢いで、忍び寄っていたゴブリン暗殺者2体が吹き飛ばされる。ごろごろ転がったゴブリン暗殺者は、よろよろしながら起き上がると、最期の力でテクトラムに反撃の武器を振るった。魔力の刃はテクトラムの胴衣で止まりはしたが、
「俺はさいごまで戦っ……」
戦いの中で死ぬことができたゴブリン暗殺者は、満足そうな表情で目を閉じた。
成功🔵🔵🔴
効果1【建造物分解】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
クロエ・アルニティコス
私はあいつらと楽しくおしゃべりする口は持ちませんが、話をしたい人がいるのであればその間くらいは待ってもいいでしょう。
終われば前に進み出ます。
話は終わったようですね。
そうですか、まだ若い者には負けないと。
つまり、まだ女を犯し、男は殺すことができると。
それを声高に主張するというのは、殺してくれということで良いですね?
再度【ゴルゴーン・パイオーニアー】を使用、ゴルゴーンを象った芍薬の怪物を作り出します。
素早く動き回ろうとするゴブリン暗殺者に対し、芍薬の花から光を放ち、目にした者から石化させていきます。
さぁ、全身が石化するまであと何秒でしょうね。
それまでに私を殺せれば助かるかもしれませんよ。
ディアボロスたちがゴブリン暗殺者へと話しかけている間、クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)は一歩下がって待った。
クロエ自身はゴブリン暗殺者と楽しくおしゃべりする口など持たないが、誰かがそうしようというのを妨げることもない。
「話は終わりのようですね」
会話を見守り、ゴブリン暗殺者たちが武器を振り上げたところで、クロエは進み出た。
「そうですか、まだ若い者には負けないと。つまり、まだ女を犯し、男は殺すことができると」
「おう! 任せろ」
ゴブリン暗殺者が得意げに答える。
「それを声高に主張するというのは、殺してくれということで良いですね?」
クロエは手のひらに握りしめていた紫の芍薬の種へと、魔力と尽きることのない怒りを注ぎこむ。
芽吹き咲かせた花は巨大な1輪。ギリシャ神話の怪物『ゴルゴーン』を象ったその花が放つ光が、ゴブリン暗殺者の目を惹きつけ、その身を石へと変えてゆく。
「さぁ、全身が石化するまであと何秒でしょうね。それまでに私を殺せれば助かるかもしれませんよ」
老いたとはいえ、それでもクロノヴェーダであるゴブリン暗殺者の動きは敏捷だ。手にした武器に魔力をまとわせ、三日月の軌跡でクロエに斬りつけた。弱った腕のつけた傷に、クロエはふと息を漏らす。
「この程度ですか」
クロエに言い返そうとして口を開けた状態で、ゴブリン暗殺者は石となり、彼が言い返そうとした言葉は永遠に失われたのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【植物活性】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
宝心・ライラ
「最後は戦って死ぬ。それがあなたのハッピーエンドね。その願い、笑顔の使徒が叶えましょう!」
イスカンダルにも幸せな結末を!
これはその初仕事に相応しいと意気揚々と戦場に赴く
「どうせなら満足のいく戦いにしたいでしょ?さあ、かくれんぼしましょ!私を見つけてみせて!」
彼らの索敵能力と暗殺技術を試すかのように、幕間曲で部屋に暗幕の如き闇を降ろし、自身は【トラップ生成】で障害物を作りながら逃げ回る
「ゴブリンさんこちら♪弦のなる方へ♪」
真っすぐ追いかけてるつもりでも、この闇は左右も平衡感覚も狂わせ、徐々に枯れかけた命を吸い上げる
最期が同士討ちや時間切れなんてあんまりでしょ?
さあ頑張れ!
アドリブ会話、連携歓迎
「おれの獲物だ!」
ゴブリン暗殺者はカーブした刀身を持つ剣を握り、我先にとディアボロスたちへ襲い掛かってくる。それに向けて、宝心・ライラ(ミス・ハッピーエンド・g01071)がにっこりと笑った。
「なるほど。最後は戦って死ぬ。それがあなたのハッピーエンドね。その願い、笑顔の使徒が叶えましょう!」
すべての人は絵本のような幸せな終末に至るべき。ならば、ゴブリン暗殺者にも幸せな結末をプレゼントするのが、ライラの役割というものだろう。
『黒の演目! ここより先は幕間曲。皆さま暫しご歓談♪』
おどけた一礼のあと、ライラが披露するのは幕間曲。
「どうせなら満足のいく戦いにしたいでしょ? さあ、かくれんぼしましょ! 私を見つけてみせて!」
ライラを中心に、ディアボロス以外の平衡感覚と方向感覚を狂わせる暗黒空間が作り出され、ゴブリン暗殺者を翻弄する。
「ゴブリンさんこちら♪ 弦のなる方へ♪」
暗闇の中、追いかけているのか追いかけられているのか、どちらが上でどちらが下か。ぐるぐるとめくるめく空間がゴブリン暗殺者から、徐々に枯れかけた命を吸い上げる。
頑張れとライラが応援したにも関わらず、迷い歩いたゴブリン暗殺者はばったりと倒れた。今わの際のライラへの反撃が、彼らが残せた最期のあがき。
「戦って死ねて良かったわね。さあ、次は誰がハッピーエンドにいけるのかしら?」
ライラは笑顔で部屋に暗幕の如き闇を降ろした。
成功🔵🔵🔴
効果1【傀儡】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
PD通信で連携
付き合ってやる義理はないのだが……
全力で、倒すまでだ
俺は亜人のことはわからないが
イスカンダルでは、戦士であることが、誇りなのだろうか
どこの国も、大きな戦いのための兵を欲すか……
その兵はエネルギーに……非効率的な制度だな
誰の仕業なのか
戦況を偵察、観察し敵の動きを把握
出足を狙い【泥濘の地】を発動
乱気流を巻き起こしPD攻撃で吹き飛ばし
陣形や動きを掻き乱していこう
間合いを取りつつ戦闘
なるべく背を壁側に向けて暗殺を警戒
手は抜かず戦う
反撃には魔力障壁を展開し刃を防御し
動きを観察、腕の予備動作や間合いを詰める動きをしたら、跳び下がり回避を
部屋はあとでそっとクリーニングしておこう
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は襲い掛かろうとするゴブリン暗殺者と対峙した。
フードから覗く彼らの瞳は生き生きと輝き、老いたとはいえ武器を扱う手に迷いはない。
「イスカンダルでは、戦士であることが、誇りなのだろうか……」
さきほど会話をしていたときのつたなさと、戦いに面した際の彼らを、エトヴァは脳裏に比べてみた。
母体を死亡させて生まれ、戦い、短い生の終わりを迎える前にエネルギーとされる。エトヴァからするとそれは非効率に感じられたが、ゴブリン暗殺者にとってはそれが当たり前のことなのだろう。
生贄となるよりは、戦いの中で果てたい。
そんな望みに付き合ってやる義理はないのだが、スフィンクス二号機を取り戻すために彼らを撃破することが、結果的に彼らの願いを叶えることとなるだろう。
泥濘の地で足場をぬかるませると、エトヴァは青の魔力を込めた翼を羽ばたかせた。
翼が発生させた乱気流が吹き荒れる。
青き風に煽られたゴブリン暗殺者は、踊りに誘われるように床をすべった。踏みとどまろうと仲間に掴まれば、その仲間ごと風に巻かれて壁に激突した。
だがその壁を蹴り、ゴブリン暗殺者は鎌剣でエトヴァの喉元を狙う。己の身など構わぬ全力での攻撃だ。
魔力を宿した剣が次々に三振り、エトヴァへと振るわれた。だが、その大方は魔力障壁に止められ、通った攻撃はあまりにも軽い。
「殺したかったなァ……」
絞り出された心残りの声ごと、エトヴァの【Luftturbulenzen】の気流で生まれた風の刃が、ゴブリン暗殺者をずたずたに裂き切った。
成功🔵🔵🔴
効果1【クリーニング】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!
●
「何をしておるのだ」
一向に入らぬ修理完了の報告に、アヴァタール級『リュカーオーン』は苛立ち、ミノタウロスの狂戦士たちを探した。
だが見つかるのは、すでに倒された骸のみ。
船を襲った変事に、リュカーオーンは怒りの咆哮をあげた。
テクトラム・ギベリオ
ミノタウロス共を指揮していたのは貴様だな。
今更牛の骸に狼が一匹混ざったところで、どうと言うことはない。
ゴブリンも戦って散ったぞ。貴様で最後だ。船を返してもらおう。
「獣骨の杭」と「呪骨の杭」をそれぞれ両手に構え、脚を狙って【紫印杭穿】で攻撃。
即効性の毒だ、掠っただけでも自慢の脚力は衰えるぞ?
…などと煽りながら脚を狙うが相手はアヴァタール級…数本刺さった所で止まらんだろう。
だが撹乱する動きを抑制することはできる。仲間との連携もしやすくなるだろう。
真の狙いは焦って食いちぎろうと大口を開けた時だ。
喉奥に直接杭を投擲してやる。
これが貴様の最後の晩餐だ。よく味わえよ。
ナディア・ベズヴィルド
雑魚どもは綺麗さっぱりと一掃したな。よし。
咆哮を上げるか…奴の居所は丸わかりだ
それにしても気が付くのが遅すぎ
残るは一匹の獣だけ
【光学迷彩】を用いてぎりぎりまで奴との距離を詰め
《不意打ち》《早業》で強烈な一撃をお見舞いだ!
我らのスフィンクス二号をこんなに小汚く!ぼろぼろに!
しかもあちこち好き放題壊してくれたな!
その罪万死に値するぞ!!
……む、かなり口が悪くなったいけない(頬を軽く叩く)
反撃の衝撃波には物陰に隠れる等利用し、衝撃を緩和を試みる
【泥濘の地】を利用し、奴に機動力を削ぎ
仲間と連携を図りながら確実に仕留める
心の臓を焼き尽くすだけでは事足りぬ、その身全て灰と化せ
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
残留効果を活用
残る簒奪者は一体……貴様だけだ
エジプトで良き手脚となってくれた……
今こそ二号機を取り戻そう
イスカンダルでの新たな旅立ちのために
味方とPD通信で連携
偵察、観察し戦況把握
常に未来予測し、隙を看破し攻撃、回避に活かそう
敵を観察しつつ、絵筆で敵の分身を宙に描き出す
こちらの姿に気づき、踏み出しかけた所で【泥濘の地】で脚力を削ぎ、次の歩で【トラップ生成】の括り罠へ
隙を晒した所へ、描いた分身が襲うだろう
反撃の咆哮は、息を吸う動作と未来予測で推測し
顔の向きから避けるよう回避しつつ、魔力障壁を展開し防御
戦闘後は船内を【クリーニング】してやりたいな
さあ、修復だな
「雑魚どもは綺麗さっぱりと一掃したな」
あっけなく倒れたゴブリン暗殺者を見下ろし、ナディア・ベズヴィルド(黄昏のグランデヴィナ・g00246)は、よし、と頷いた。
そこに、リュカーオーンの咆哮が聞こえてきた。
「やっと気が付いたか。遅すぎるな」
最後に残った一匹の獣の居所は、咆哮によって丸わかりだ。ナディアはすぐさまそちらへと駆ける。
果たしてそこには、アヴァタール級『リュカーオーン』がいた。
「ミノタウロスどもを指揮していたのは貴様だな」
テクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)の指摘に、リュカーオーンは怒りの目を向けた。
「そういう貴様たちがミノタウロスを殺したのだな」
「そうだ。ゴブリンも戦って散ったぞ。貴様で最後だ」
今更牛の骸に狼が一匹混ざったところでどうと言うことはない、とテクトラムは『獣骨の杭』と『呪骨の杭』をそれぞれ両手に構えた。
「即効性の毒だ、掠っただけでも自慢の脚力は衰えるぞ?」
投げつけた杭は、狙いあやまたずリュカーオーンの脚へ。突き刺さった傷口から広がった紫の模様は、即効性の毒の仕業だ。
リュカーオーンは杭をかなぐり捨ててテクトラムに襲いかかった。牙に噛み千切られながらも、テクトラムはリュカーオーンを見据える。
「船を返してもらおう。これは私たちのものだ」
もともとは獣神王朝エジプトのクロノヴェーダの持ち物であったのだけれど、ディアボロスはスフィンクス二号機を手に入れ、活用してきた。
やむを得ずこの地に残すことになってしまいはしたが、取り戻すチャンスがあるというなら、この船を亜人の手に渡すことはできない。
「スフィンクスはエジプトで良き手脚となってくれた。この地でもきっと役立ってくれることだろう」
スフィンクス二号機にとってもディアボロスに使われるほうが良いだろうと、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は荒れた船内を見やる。
……とりあえず、取り戻したらまずクリーニングをしてやりたい。
「残る簒奪者は一体……貴様を倒して今こそ二号機を取り戻す」
イスカンダルでの新たな旅立ちのために。そう言って掲げたエトヴァの手には、青水晶の柄をもつ絵筆『Das TOR Der Gedächtnisse』が握られていた。
絵筆でさらりと、だが的確に特徴をとらえたリュカーオーンの姿を空中へと描き出す。
「オレたちの土地に捨てられていた船。拾ったオレたちのものだ」
リュカーオーンは当然のように所有権を主張すると、ずかずかと前に出た。
その脚を泥濘の地の泥が汚す。
仕掛けられていたトラップをリュカーオーンはものともせずに無効化したが、そこにエトヴァの描き上げたリュカーオーンの分身が襲い掛かった。
分身によってざくりと斜めに刻まれた深い爪痕に、リュカーオーンは口を大きく開いた。
そこから放たれる雄叫びはびりびりと周囲を震わせ、衝撃波となってエトヴァへと向かう。だが、すでにその反撃のタイミングと軌道をよんでいたエトヴァは、リュカーオーンの正面を避けるように飛んでいた。
思うようにダメージを与えることができなかったことに、リュカーオーンが歯噛みしたその背で、
『捧げたもう捧げたもう 血の盟約により我が声に応えよ 第22星宿 血は契り 痛みは力 『サール・ダベ』 我が苦しみを知らしめよ!』
ナディアの詠唱が完成した。
リュカーオーンにするりと忍び込んだ影が心臓を目指し、到達したそこで灼熱を生み出す。
「我らのスフィンクス二号をこんなに小汚く! ぼろぼろに! しかもあちこち好き放題壊してくれたな! その罪万死に値するぞ!!」
呪いあれ、災いあれ。その身すべて灰と化せ。
ナディアのパラドクス【屠殺者の守り星】に焼かれ、リュカーオーンは叫んだ。それは反撃へと繋がり、雄叫びは衝撃波となってナディアへと飛ぶ。
物陰へと身を潜ませたナディアのつけた装飾品が、衝撃の余波でしゃらしゃらと音を立てた。
次の攻撃への準備を整えつつ、ナディアはさきほどの発言を思い出し、頬を軽く叩く。
「……む、かなり口が悪くなったいけない」
ナディアの視線が流れた先では、脚力を活かしてこちらを攪乱していたリュカーオーンが、テクトラムへと躍りかかったところ。
裂けるほどに開いた口に並ぶ牙が食いちぎらんと迫った……のを狙いすまし、テクトラムはリュカーオーンの喉奥へと両の手の杭を投擲した。
「ぐわぁ」
顔を振ったリュカーオーンの牙がテクトラムを傷つけたが、リュカーオーンの受けた傷は比べ物にならぬほどに大きい。
「これが貴様の最後の晩餐だ。よく味わえよ」
リュカーオーンは抜き取った杭を全力で床に叩きつけた。折れ砕けた杭の破片が床に散らばる。
「……許さんぞ」
リュカーオーンの赤い目が憤怒に燃えた。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【植物活性】がLV2になった!
【セルフクラフト】LV1が発生!
【液体錬成】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV2になった!
【反撃アップ】LV2が発生!
イロハ・アプリルシェルツ
【アドリブ&連携歓迎】
取り巻き達は皆片付いたね。
此処の首魁は人狼型の亜人なんだね。
ギリシャ由来みたいだけど偏在する相手にそれは野暮な話かな。
まぁいいや、キミが自負するその爪牙を叩き折ってあげるよ。
配下を従えるだけあって中々の素早さと鋭さだと思うよ。
生半可なディアボロスやクロノヴェーダも無事では済まないだろうね。
でもね、自慢の足で攪乱しようとしても障害物がある所で全力を出せるのかな?
気を取られてるから、あんよがお留守なんだよ。
そして勇気を出して更に一歩踏み込めば其処はイロハの間合い。
零距離から【ペトロの殉教】を鳩尾に叩き込むよ。
大丈夫、噛まれた所も急所を外しているから致命傷ではないよ。
クロエ・アルニティコス
お前は有象無象とは違うようですね。
ですが、私はお前を、お前たちを殺すためここに戻ってきました。
お前が何だろうと、亜人は一人として生かしておきません。
【ヒュドラ・アマランサス】を使用、アマランサスの種を成長させ、ヒュドラを象った怪物を作り出します。
多数の頭部による噛みつきの飽和攻撃を行い、敵が咆哮を放ち、ヒュドラの頭部を吹き飛ばされたら息継ぎの合間に魔力を使用し再生、再度噛みつかせヒュドラの毒を注ぎ込みます。
さっきのやつらは戦いの中で死ねれば満足だったようですが、お前はどうですか?
正々堂々の戦いが好みかもしれないと思い、毒殺に切り替えさせてもらいましたが。
ミノタウロスの狂戦士もゴブリン暗殺者もすべて倒した。
あとは……とイロハ・アプリルシェルツ(神聖ならざる銀・g05555)はリュカーオーンを見る。
「此処の首魁は人狼型の亜人なんだね。ギリシャ由来みたいだけど偏在する相手にそれは野暮な話かな」
イロハはギリシャ神話で読んだ話を思い出す。アルカディア地方の王であり狼に姿を変えたリュカーオーン。その名を持つ亜人とは、どのような存在か。
「お前は有象無象とは違うようですね」
トループス級と対峙したときとは異なる気配に、クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)はゆっくりとリュカーオーンの全身を目で辿った。
青い毛並みに入った白い模様は、柄というより戦化粧のように見えた。鋭い牙と大きく突き出す爪を露わにし、リュカーオーンはこちらを屠ろうという強い意志を宿した赤い瞳で見下ろしてくる。
「ですが、私はお前を、お前たちを殺すためここに戻ってきました。お前が何だろうと、亜人は一人として生かしておきません」
クロエの青い瞳に宿る憎悪は、アマランサスの種子へと注がれる。小さな小さな種だけれど、注いでも注いでも湧き上がる憎悪を呑み込んで急速に芽吹く。種子が生長した姿はアマランサスではなく、ギリシャ神話の怪物『ヒュドラ』を象る植物の怪物だ。
リュカーオーンの逞しい体躯は防御にもすぐれているだろうが、ならばこちらはそれを上回る攻撃を与えれば良い。
ヒュドラの多数の頭部が一斉にリュカーオーンへと嚙みつき、そこから毒を流し込んだ。
リュカーオーンは耳をつんざく咆哮をあげる。
衝撃波となった咆哮はヒュドラの頭部を吹き飛ばし、クロエ自身をも切り裂いた。身に走る痛み。だが、クロエが構わずアマランサスに魔力を注ぎ込むと、吹き飛ばされたことなどなかったかのように、ヒュドラの首を再生させた。
「さっきのやつらは戦いの中で死ねれば満足だったようですが、お前はどうですか?」
亜人が正々堂々を好むというのなら、毒殺しよう。亜人に嫌な死に方があるのであれば、それで殺そう。
再びヒュドラを襲い掛からせるクロエの、妖花のドレスが翻る。
「配下を従えるだけあって中々の素早さと鋭さだと思うよ。生半可なディアボロスやクロノヴェーダも無事では済まないだろうね」
戦いの中、リュカーオーンを観察していたイロハが賛する。それを聞いたリュカーオーンは得意げに頷いた。
「そうだ、オレは強い」
リュカーオーンは圧倒的な脚力で動き回り、攪乱をはかる。確かに素早い。
「すごい動きだね。でもね、自慢の足で攪乱しようとしても障害物がある所で全力を出せるのかな? 気を取られてるから、あんよがお留守なんだよ」
飛びかかってくるリュカーオーンへと、イロハはさらに一歩踏み込んだ。
『聖なるかな。海に金の冠を投げ捨て すべての聖徒はあなたを崇めます』
奮い起こした勇気が、信仰によって強化された聖なる一撃となる。リュカーオーンの鳩尾へと、イロハは零距離からパラドクス【ペトロの殉教】を叩き込んだ。
リュカーオーンの牙がイロハの肩に立てられたが、大丈夫、致命傷には程遠い。
「その、キミが自負する爪牙を叩き折ってあげるよ」
信仰を胸に、イロハはリュカーオーンへと拳を突き出した。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【託されし願い】LV1が発生!
【浮遊】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【反撃アップ】がLV3になった!
クィト・メリトモナカアイス
怒ってるのは我の方。
我らのミウ・ウル(仮)に勝手に上がり込んで汚したのは汝ら。
ぬすっとたけだけしーというやつ。
(なおスフィンクス二号機でイスカンダルに強行侵入したことは考えないものとする)
「北より至れ月冠す火」で黄金猫拳打棒に着火。【反撃アップ】を使用し、撹乱しようとするリュカーオーンを待ち構える。
こちらを食いちぎろうと飛び掛かってきたところを回避しカウンター。
燃える肉球でぶん殴る。
ここはエジプトの大地ではない。
故に、汝らの魂は管轄が違うのかもしれぬけれど。
汝の名は語られず、刻まれず。
その身もその霊魂もここで滅ぶべし。
宝心・ライラ
アドリブ台詞連携歓迎
絵本の狼さんはいつだって悪者
可哀想だけどそういう決まりなの
だから貴方がいなくなればこの世界はハッピーエンドに近づくわ!
「船内がずいぶん散らかってるけど、もしかしてお掃除が苦手?だったら私が教えてあげるわ!」
虹色の大砲を召喚し、中に周囲のガラクタを投げ込んで牽制砲撃
ガラクタ砲の最後の弾は私の伸縮自在のジャグリングフープ『カゴメ⭐︎カゴメ』
輪っかを口にスポッと嵌めて咆哮攻撃を塞いじゃう作戦よ
仲間との連携で隙を作ったら、【怪力無双】で狼さんを抱え上げて砲身に詰め込み、人間大砲で壁に向かって発射!
「これが私流のお片付け♪悪い狼さんはお空の果てまで飛んでけー!」
一里塚・燐寧
んー。ゴブリンおじちゃん達、何も教えてくれなかったなぁ
ま、そもそもの目標は船の奪還……それさえ果たせりゃ文句はないよぉ
≪テンペスト・レイザー≫を担いで、敵の隊長と対峙
リュカーオーンねぇ。人肉料理でゼウスをキレさせて、狼に変えられちゃった外道な王様だっけ
亜人って史実のディアドコイだけじゃなくて、ギリシア神話由来の奴もいるんだねぇ
……なーんて考えつつ、少しずつ距離を詰めていく
それから突然、残像を曳くほどの神速の踏み込みで一気に剣の間合いに入るねぇ
『屠竜技:急嵐の型』──勢いのまま縦一閃を叩きつけ、回転鋸刃で両断を狙うよぉ!
反撃の牙は【未来予測】で動きを読み
得物の分厚い刀身を盾代わりにガードするねぇ
夜明・瑠奈
あとはあの狼を倒すだけだね!
この世界出身としてはあんな大物相手に戦える日が来るなんて思わなかったからね~。初めての大物狩りをバシッと決めちゃいたいねっ!
味方さんの戦闘にこそーっと紛れ込んで~……攻撃のチャンスをしっかり狙っていくよ!
イスカンダル出身としてあのタイプが強いってのは嫌でも分かっちゃってるし、だからこそ瑠奈は相手の隙に素早く攻撃して離脱を狙ってかないと!
離脱する時はまた味方さんの中に紛れ込む……。爪の準備もよし……。確認も済んだしあとはここぞというチャンスを待って……。今だ!
おやすみ、狼さん。この船は瑠奈達がちゃんと直して有効に使ってあげるからね。
(アドリブ・連携大歓迎です)
スフィンクス二号機の中に、残すところ敵は1体。
リュカーオーンを倒せば、スフィンクス二号機はディアボロスたちの手に戻るのだ。
「あとはあの狼を倒すだけだね! うわ、でもアヴァタール級。大物だね~。この世界出身としてはこんな大物相手に戦える日が来るなんて思わなかったな~」
夜明・瑠奈(うそつきキャットウォーク・g09029)にとって、これが初めてのアヴァタール級戦。バシッと決めたい気持ちと、どこまでやれるのかという不安が瑠奈の猫耳に表れて、ぴこぴこ動いた。
無暗にしかけたら危険そうなので、瑠奈は仲間の動きを見ながらチャンスを待つ。両手の指先にオーラの爪。にょっきり生えた猫の爪を、さあいつ振るおうか。
「リュカーオーンねぇ。人肉料理でゼウスをキレさせて、狼に変えられちゃった外道な王様だっけ」
一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)はギリシャ神話を思い出す。
(「亜人にも、史実のディアドコイだけじゃなくて、ギリシア神話由来の奴もいるんだねぇ」)
クロノヴェーダには、偉人や英雄、神々、架空の怪物といった存在の名を持つ者がいると聞くから、リュカーオーンもそうなのだろう。そんなことを思いながら、燐寧は少しずつ敵との距離を詰めていった。
リュカーオーンは赤い瞳に怒りをこめ、喉で唸りをあげている。
けれど、クィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)は逆に物申した。
「怒ってるのは我の方。我らのミウ・ウル(仮)に勝手に上がり込んで汚したのは汝ら。ぬすっとたけだけしーというやつ」
そもそもスフィンクス二号機でイスカンダルに強行侵入したのはこちら、というのはしれっと棚に上げておく。いや、忘れよう。そうしよう。
『今日の黄金猫拳打棒は真っ赤に燃えている』
ごうっと音を立てて、クィトが高く掲げた黄金猫拳打棒が炎に包まれた。
パラドクス【北より至れ月冠す火】。
純金の棒の先端にはめ込まれた肉球型の宝石も、炎に熱せられて真っ赤に輝く。
「これが我の怒り。汝の怒りなどへっぽこ」
それを聞いたリュカーオーンは、方向を巧みに変えて攪乱しながらクィトへと襲い掛かった。逞しい脚で床を蹴り、真横からクィトを狙う。
身をかわした肩口をかすめる牙の痛みは無視して、カウンター。クィトは燃える肉球で思いっきりリュカーオーンをぶん殴った。
毛と肉が焦げる音と臭い。
飛びのいて距離を取るリュカーオーンから焦げた毛が飛び散り、いっそう床を汚した。
「この狼さんが相手なのね。船内がずいぶん散らかってるけど、もしかしてお掃除が苦手?」
宝心・ライラ(ミス・ハッピーエンド・g01071)は興味深そうにリュカーオーンを眺めた。ふんふんと頷いて、ニッコリ笑顔で宣言する。
「絵本の狼さんはいつだって悪者。可哀想だけどそういう決まりなの。だから貴方がいなくなればこの世界はハッピーエンドに近づくわ!」
そうでない絵本も多いのだが、リュカーオーンはそんな絵本の存在すら知らないだろうから、反論など出るはずもなく。
さあ、とライラは一方的に演目を進める。
『黄色の演目! 夜空を切り裂いてあなたに逢いに行きましょう!』
パラドクス【黄道横断シューティングスター】によって現れたのは、七色のカラフルなペイントが施された巨大な大砲。
サーカスの曲芸の目玉たる人間大砲のはじまりはじまり。
手を振って大砲に入ったライラは、
「ファイヤー!」
掛け声と共に撃ちだされ、すさまじい勢いでリュカーオーンへと体当たりした。
まさに体を張った攻撃に、さしものリュカーオーンもよろめいた。
反撃を防ごうとはめようとしたジャグリングフープはかわされて、リュカーオーンはライラへと咆哮を放つ。吹き飛ばされながらもライラは空中で回転し、床へと降りた。
ライラの攻撃の瞬間、それまでじりじりと進んでいた燐寧が一気に前に出た。
ぱんと音を立てての踏み込み、その勢いと全身の力をこめて、鎖鋸大剣『テンペスト・レイザー』を縦一閃。
回転する刃が、避けようとした身をよじったリュカーオーンの耳から頬にかけてを斬り落としたところで、リュカーオーンは腕が傷つくにも構わずテンペスト・レイザーを払い除けた。
「チャンス!」
ライラと燐寧の派手な攻撃の陰に隠れ、瑠奈は飛び出した。
「瑠奈の準備はおっけ~っと。あなたは準備出来てる?」
言ったときにはもう、リュカーオーンへと右から左からカーブを描いたオーラの猫爪をみまっている。ひっかく手に感じるリュカーオーンの皮の厚さに、やっぱりアヴァタール級は強いんだと瑠奈は実感した。
傷を負ったリュカーオーンは憤怒をたぎらせた。攪乱をはかって部屋を駆けまわり、燐寧と瑠奈へと次々に牙を立てた。
反撃の威力を弱めようと、燐寧はテンペスト・レイザーの分厚い刃を噛ませ、瑠奈は急ぎ身を返す。
リュカーオーンに重ねられるディアボロスの攻撃が、裂傷や打撲として火傷として毒として、その体へと刻み込まれてゆく。そして。
「これが私流のお片付け♪ 悪い狼さんはお空の果てまで飛んでけー!」
ライラの人間大砲が、リュカーオーンを撃ち出した。
瞬間、燐寧が残像をひくほどの神速で飛び出し、小柄な全身で軽々とテンペスト・レイザーを振り上げる。
「もう楽になっちゃいなよぉ」
パラドクス【屠竜技:急嵐の型】。
回転鋸刃がリュカーオーンを深く深く削り抉ってゆく。
かろうじて反撃を返したリュカーオーンだったが、抵抗はそこまで。燐寧に断たれた箇所がずれ、崩れるように後ろへ倒れた。
「おやすみ、狼さん。この船は瑠奈達がちゃんと直して有効に使ってあげるからね」
光を失ってゆくリュカーオーンの瞳へと、瑠奈が呼びかける。
「ここはエジプトの大地ではない。故に、汝らの魂は管轄が違うのかもしれぬけれど」
クィトは黄金猫拳打棒を、リュカーオーンの眼前に突き出した。
「汝の名は語られず、刻まれず。その身もその霊魂もここで滅ぶべし」
痕跡もなくただただ滅べ。
言い渡されたリュカーオーンから、すべての力と生命が抜けていった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
【書物解読】がLV2になった!
【一刀両断】LV1が発生!
【猫変身】がLV2になった!
効果2【反撃アップ】がLV4になった!
【命中アップ】がLV3になった!
【ダブル】がLV4になった!