リプレイ
御髪塚・小織
防寒具や登山具、温かい飲み物等、冬の雪山登山の準備をしておきます。
ディアボロスになって身体能力が上がっているとは言え、雪山を甘くみてはなりません。まして、紀伊山地と言えば霊場として名高い聖地です。カミサマに仕える身として、敬虔な態度で挑まねば。
……まぁ、折角綺麗な景色ですし、少しくらいならゆっくり眺めたり写真に撮ったりしても許して下さるでしょう。適度に楽しみつつ、厳かな自然の中で身と心を浄め引き締めて戦地に向かいましょう。
文月・雪人
※アドリブ・連携歓迎
配下に自爆攻撃まで強いるとは
松永久秀、愈々手段を選ばなくなってきたね
立て直す隙を与えない為にも、気を引き締めて挑もうか
雪山登山もこれで2度目、準備は万端だ
防寒具に、リュックに、アイゼンに
今回はBCクロカンも使ってみよう
歩くように滑るのはまた面白いね
最終人類史の文明の利器の便利さを実感しつつ、存分に活用するよ
勿論、温かいお茶と携帯食料も忘れずに!
クダ吉は雪は好きかい?
俺は嫌いじゃないよ、名前的に何となく親近感
そういえば、夏生まれなのになんで雪人なんだろ?……まあいいか
道中に動物がいたら【動物の友】で話してみよう
山の事何か知ってるかな
地雷原は危ないから近付かないようにも伝えるよ
雪化粧を施された山並みが美しい、冬の紀伊山地であった。
吉野熊野と言えば世にも名高き桜の名所、冬枯れの木々には爛漫たる桜花の代わりに雪の花が満開に咲き、白無垢の花嫁衣装でも纏ったように、物言わず楚々と佇んでいた。
雪が音を吸い込むのか、聞こえてくるのは風音や鳥の鳴き声、汚れなき白雪を踏む音くらいなものだ。
「やはり綺麗ですね。景色に見惚れてばかりもいられませんが」
吐く息が白い。
長く美しい黒髪がきらり、きらりと輝き、雪景色に映えている。
防寒具にしっかりと身を包み、登山具を背負って雪の山を行くのは御髪塚・小織(オングシさまの使い・g08859)だ。幸いに好天とは言え、山の天気というものは余りあてに出来たものではない。
「雪山を甘く見るわけには参りません。慎重に進んで行きましょう」
高い身体能力を持つディアボロスとて、大自然の前に油断は禁物である。
「備えあれば患いなしだからね。心の準備という意味でも」
共に山を行くのは、文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)であった。
「雪山登山もこれで2度目、準備は万端だ」
登山用の防寒具で身を固め、アイゼンの用意も怠りなく。冬山を行くのに利便性の高い特別なスキー板も、雪人は履いていた。歩くのにも、滑るのにも適した逸品である。
(「これぞ最終人類史の文明の利器!」)
好奇心旺盛で新しい技術も率先して取り入れる雪人のこと、雪山に挑む準備に抜かりはなかった。
もちろんリュックには温かいお茶や、携帯食料も入っている。
ステッキを雪に突き刺し、さくさくと。
「クダ吉は雪は好きかい?」
足を動かしながら聞いてみると、共に雪山を登っていたクダギツネの『クダ吉』が、澄まし顔で雪人を見上げた。
「俺は嫌いじゃないよ、名前的に何となく親近感」
雪に人と書いて雪人である。
まさにこの状況にぴったりな名前と言える……のだけれど。
「そういえば、夏生まれなのになんで雪人なんだろ?」
空を見上げつつふと疑問に思ったが、すぐに笑みを湛えて、
「……まあいいか」
雪人は、真剣な面持ちで雪山を登る小織を見やって、声をかけた。
「疲れたら休憩しよう。温かいお茶もあるからね」
「無理は禁物ですね。あちらまで辿り着いたらひとまず休みましょう」
目前に迫る峰の辺りを指さして、小織が言った。まだ敵に見つかる心配はなく、休憩にはタイミングとしても恰好だろう。
「ん? あれは……鹿か」
ふと、木々の間に隠れて鹿がこちらを見ているのに、雪人は気付いた。
動物の友の効果が活かされて、鹿が歩み寄ってくる。
「なにか知ってることはあるかな?」
問いに鹿は首を傾げたが、雪人や小織が目指している方角を、その黒い瞳でじっと見つめていた。
「地雷原は危ないから、近付かないようにね」
頭や体を撫でてやり、鹿と別れてまた歩き出す。
それにしても。
「赦せませんね。山に地雷を仕掛けるなんて」
小織の知る紀伊山地と言えば、山岳信仰の聖地。峻厳な修行の地ともされる霊場である。
――カミサマに仕える身として、敬虔な態度で挑まねば。
そう思うと同時に、霊峰を汚す天魔武者のやり方に、静かな怒りを覚えるのだった。
「配下に自爆攻撃まで強いるとは、松永久秀、愈々手段を選ばなくなってきたね」
雪人も歩を進めながら敵の状況を想像する。
手勢を捨て駒にして防ぎに回らせるなど、とても余裕のある将のやり方とは思えない。
「立て直す隙を与えない為にも、気を引き締めて挑もうか」
小織が静かに頷きを返した。
峰に辿り着くと、そこからの景色はまさに絶景であった。
雪化粧した山並みが、陽を浴びてきらめき、雄大なパノラマが広がっている。
休憩地点を確保すると、雪人と小織は持ってきた温かい飲み物を口にして一息つくことにした。
「いい景色だね、クダ吉」
クダ吉と隣り合って、雪人は共に冬山の壮観を存分に堪能する。
小織は湯気の立つコップを両手で包むようにしながら、瞳を閉じて、山の息吹を感じ取ろうと心を澄ませていた。
(「厳かな自然の中で身と心を浄めるのも大事ですが……まあ、少しくらいなら」)
壮大な美景を楽しんで、写真に収めて――。
こうして英気を養うことそのものが、これから待ち受ける戦いの備えにもなるのだ。
「そろそろ行きましょうか」
「そうだね、先へ進もう」
休憩を終えた小織が歩き出す。
雪人はクダ吉を伴い、スキーを見事に駆使して白き山道を降りていくのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【未来予測】LV1が発生!
【動物の友】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
●地雷ヶ岳の罠
峰から降りていくと、木々が林立する地点に出た。
下り坂である。
見れば、雪が不自然に盛り上がっている箇所がある。
この先が地雷原であることは明らかだ。
多くの地雷は雪に埋もれており、全く爆発に巻き込まれずに突破するのは、かなり難しい。
なにしろ、飛翔も浮遊も、地雷の爆発を避ける方策にはなり得ないのだ。
爆発に対する防備をするか、或いは――。
地雷原を突破するため、ディアボロスたちは如何なる方法を取るだろうか。
御髪塚・小織
アドリブ、連携歓迎です。
こんな美しい自然に爆薬を設置するなんて、酷い事をしますね。
飛んでいても反応するという事は、近接信管の類いでしょうか。回避しながら進むより、全部爆破処理してしまった方がいいですか?
【未来予測】を使いながら進みましょう。爆発を事前に予知する事で、大まかな地雷の位置を掴みます。
後退し距離を取り、【トラジティウェーブ】で雪原を抉り起爆させます。霊場を穢す不心得者への怒りと、自らの手で自然を吹き飛ばさざるをえない悲しみを念動力に変え、範囲攻撃で地雷処理。予知で爆発のタイミング等を察知し身を守り、被害を最小限に抑えます。
黄泉王・唯妃
アドリブ&連携歓迎
クロノオブジェクトの地雷原……。
飛翔も意味を成さぬなら正面から参りましょう。
【未来予測】、積んである効果で2秒先が見えるならディアボロスの身体能力で地雷を避ける、身体能力で無理やり突破することも可能なはず。
ある程度のダメージも覚悟しても無理やり突破すれば後続が楽になるでしょうから。
「あまりこういう役回りは得意ではないですが、まあ致し方ないでしょう」
野本・裕樹
※アドリブ・連携歓迎
クロノ・オブジェクトの地雷とは『松永久秀』も厄介な事をしてくれました。
あまり時間を取られては大事に障るかもしれません。
この地雷原が小事だとは言いませんが多少は強引に突破するのも止む無しでしょうか。
妖刀『鐵喰』にて進行方向に向かって地を走る衝撃波を撃ちながら前進を試みます。
地雷を踏むのは出来るだけ避けたいですからこれで破壊しながら進みたいところですね、地雷が上手く反応してくれると良いのですが。
衝撃波が通過した場所は安全と信じてどんどん進みましょう。
念のため【未来予測】も使って被害は最小限に。
もし地雷を踏む未来が見えたら身を守り全力で飛び退きます。
ここで止まる訳にはいきません。
「クロノオブジェクトの地雷原……」
冬枯れの樹木が林立する雪の斜面を見下ろして、黄泉王・唯妃(灰色の織り手・g01618)が深紅の瞳を妖しく光らせた。
眼下に広がるのは、常人であれば決して越えられぬ白銀の死地。
ディアボロスとて無策では思わぬ痛手を負いかねない地雷原である。
「こんな美しい自然に爆薬を設置するなんて、酷い事をしますね」
山の風にはたりはたりと髪をなびかせながら御髪塚・小織(オングシさまの使い・g08859)が言った。
雪化粧した木々の枝から、時折、ばさりと雪が零れ落ちる。
林の中に多数の地雷が敷設されているとなれば、下り坂であることを考えても突破が簡単でないのは明らかだ。如何に敵が必死にディアボロスたちを阻もうとしているか、察せられようというものである。
「クロノ・オブジェクトの地雷とは。松永久秀も厄介な事をしてくれました」
冷たい風に金髪をはためかせながら野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)もまた地雷原を見下ろしていた。
下手を打てばディアボロスとて無事には済むまい。
裕樹は白く息を吐いて呼吸を整え、その萌黄色にも見える澄んだ双眸に決意の光を宿していた。
「飛んでいても反応するという事は、近接信管の類いでしょうか」
人形のような美を宿した顔を動かさず、無表情に小織は言った。
踏まなくとも、一定距離内に近付くだけで爆発することも十分に考えられる。クロノ・オブジェクトである以上、そこらの地雷とはわけが違うのだ。
だからこそ。
「飛翔も意味を成さぬなら正面から参りましょう」
さらりと。
余裕さえ感じられるような笑みを湛えたまま、唯妃は言った。
「全部爆破処理してしまえば楽に降りられるのでしょうけど」
小織の言葉に、裕樹が小さく首肯する。
考えていたことは、どうやら同じのようだ。
「ええ、あまり時間を取られては大事に障るかもしれません。この地雷原が小事だとは言いませんが」
ヒルコ爆弾の件を見ても、悪辣なる天魔武者――松永久秀は逸早く撃破すべき敵と思われた。
慎重派である裕樹だが、此処は意を決して行かねばならない。そう覚悟を決める。
「正面突破するのみ、ですね」
斜面を蹴るようにして。
風のように駆け、三人は地雷原へと突っ込んでいった。
立て続けに地雷が爆発し、冬枯れの木々を派手に吹き飛ばしていく。
雪が空中に舞い、侵入者をバラバラに四散させようと、敷設されたクロノ・オブジェクトの爆弾が次々に炸裂する。
地雷は悪魔の兵器と呼ばれる。葉を落としている木々も、春になればまた芽吹き、実を結ぶのだろうに――そうした営みなど、天魔武者は歯牙にもかけないものらしい。
「赦せません」
眉宇を寄せた小織の心には、怒りが吹き荒れていた。
霊場を穢す不心得者に慷慨し、自らの行為で自然を吹き飛ばさざるを得ないことに悲憤する。
その内なる想いこそが、小織に力を与えていた。
「できるだけ起爆させてしまいましょう。後に続く方々のために」
その瞳に映し出されているのは、目の前の光景だけではない。
未来予測の効果を発揮し、手をかざした直後の映像――周囲の地雷が纏めて起爆する映像を、小織は視ていた。
「あまりこういう役回りは得意ではないですが」
女は度胸と言ったのは誰だろうか。
「まあ、致し方ないでしょう」
唯妃は衣服に風を受けつつ、雪を蹴って軽々と跳んだ。
滑るように着地。
盛大に雪が舞い上がるが気にした様子もなく、駆け降りる速度を上げていく。
「右にも左にも。成程、随分周到な配置ですね」
雪が不自然に盛り上がっている箇所は、当然のように罠だった。避けようと思えば、着地点に敷設された地雷が起爆する。
「ですが……私達(ディアボロス)を甘く見ないことです」
爆発。
黒煙を抜けてなお足を緩めず駆け降りる唯妃は、やはり不敵な笑みを湛えたまま。
瞳が映すのは、地雷がバラ撒かれた雪の斜面――だけではない。未来予測の残留効果が、自らの先に待ち受ける脅威を脳裏に描き出しているのだ。
三人がともに、未来予測の効果を発揮していた。
数秒先の未来だ。
それだけの時間があれば、唯妃にとって十分であった。
「被害を最小限に留めさえすれば、強行突破も可能でしょう」
爆発が起こる瞬間に身を捻り、雪の坂道を舞うように駆け降りる。
「絶対に通すつもりはない――と言いたげな配置ですね。ですが」
山より吹き下ろす風もさながらに、裕樹も地雷原たる斜面を駆け降りていた。
不規則な木々の並びがこの場合、意外にも厄介な障害物となる。左右に避けることを想定して地雷が配置されているのだ。敷設されている数も尋常ではない。
右手を駆け降りていく小織の周囲で、一斉に地雷が爆発した。
「無事ですね」
煙を突き抜けて駆ける小織をちらと横目で見て、無事を確認するだけの余裕が裕樹にはあった。その上、まだ奥の手は出していない。眼前に不自然な雪の盛り上がりを見て取った裕樹は、妖刀『鐵喰』の柄に手をかけた。
雪の斜面を蹴って駆け跳ぶ。
「――走れ!」
裕樹は空中で妖刀『鐵喰』の鯉口を切って鞘走らせると斜面を撫でるように一閃した。
走地刃・馬酔木。
衝撃波が雪を吹き飛ばし、爆発を巻き起こす。
「雪に埋もれている以上、一つ一つに狙いを定めるのは難しいですが……!」
大胆ながらも慎重に、安全な地面を選んで蹴り、飛ぶように駆け降りる。
瞬間、裕樹は僅かに息を呑んだ。
足元で起爆。
大爆発を起こして。
爆炎に包まれる。
しかしそれは――避けられなかった未来の映像にすぎない。
「視えてさえいれば対応できます!」
未来予測。一瞬先の爆発を予見して瞬時に飛び退き、裕樹は危機を回避していた。
「ここで止まる訳にはいきません!」
複数の地雷が一斉に起動する。
けれど、距離がある。
パラドクスによる攻撃ならいざしらず。訪れると分かっている爆発を避けることは不可能ではない。
「もう少しです」
雪山を駆け降りながら小織が言った。
雪を被った木々が行く手を遮るが、その間をすり抜けるようにして駆ける彼女の脚が止まることはない。
右、左、正面――舞うように枯れ木をすり抜ける。
目の前で爆発が巻き起こり、雪と共に地面が吹き飛んだ。
両腕で防ぐようにしながら黒煙の中から飛び出して、
「あとは駆け抜けるだけです」
まだ走れる。
何の問題もない。
「やはり、やってみれば何のことはありませんね」
爆炎に包まれながらも、唯妃が地雷原を駆け降りる。
ここまでやれば、後続のディアボロスの援護にもなるだろう。
爆風と舞い上がる雪を突き抜けて、唯妃は小織や裕樹と共に、派手に地雷原を突破したのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【未来予測】がLV3になった!
【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【能力値アップ】LV1が発生!
文月・雪人
※アドリブ・連携歓迎
さて、いよいよ地雷原に突入だね
丁度よく下り坂でもあるし、引き続きスキー板を使って進もうか
雪面の凹凸を観察し、改めて状況を確認しよう
しかしよくもまあ、こんなに沢山埋めたものだよ
【未来予測】で地雷を察知、位置と爆破の規模を看破しながら
【エアライド】で最適な移動経路を見出して進む
地雷を避け、縫うようにターンしながら滑り降りてゆき
爆破を避けられない場合は、ジャンプして爆風のエネルギーをいなしつつ
空中で体勢を立て直して、再び滑走を続けよう
爆風に爆音、先程までの静かな雪山とは随分な違いだね
余りの騒がしさに動物達が寄ってこないのは幸いなのかも
爆発による雪崩の発生にも注意して油断せず進もう
「さて、いよいよ地雷原に突入だね」
峰から滑り降りていった文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)は、地雷原の手前でブレーキをかけて斜面を観察していた。木々が不規則に並んでいる下り坂は、最終人類史でいうところのスキー場に例えると、上級者コースよりもなお難易度が高い。その上、あちらこちらに地雷が埋められているのだ。
雪の凹凸から、おおよその地雷の敷設点を見て取る。完全に埋まっているものも多く、或いは、目に立つ位置にある地雷は罠なのかも知れなかった。
「――よし、行こう」
ゴーグルを下ろす雪人。
慎重に地形を観察して心の準備を整えると、ストックを操って勢いよく斜面を滑り降り始めた。
段々と速度が上がり、葉を落とした木々が後ろへと流れていく。
「皆、派手にやってるね」
傾斜の急な林に突入した雪人の数十メートル先で爆発が生じ、空気が激しく振動した。他のディアボロスたちもまた突破を敢行しているのだ。
木々の間を右へ左へ。
スキーとストックを操り滑降するその姿は、アルペンスキーや、雪上の障害物走とも呼ばれるスキークロスを彷彿とさせるものだ。
「と、引っかかるわけにはいかないよ!」
脳裏に浮かんだのは、地雷を踏んで爆発に巻き込まれる自身の姿だった。
未来予測。
この地に挑んだディアボロス全員がその効果を発揮し、重ねていた。
数秒先を予測して滑る雪人は、残留効果も活かして地雷を見事に避け続ける。
「しかしよくもまあ、こんなに沢山埋めたものだよ」
敵も、必死なのだろう。地雷の配置はかなり巧妙であり、周到なものだった。
「今だ!」
このまま滑っていけば絶対に避けられない――そう判断した時、雪人は地を蹴って宙に身を躍らせていた。
エアライド。
身を捻り、着地点をずらして――着地。勢いを殺さずに地を滑る。
「よし、行けた!」
バランスを崩すことなく、雪人は滑降を続ける。
「動物達が寄ってこないのは幸いなのかも。雪崩とか洒落にならないけど……」
後ろから雪崩に襲われるのを想像して雪人は苦笑した。未来予測ではなく、飽くまで想像だ。
あれこれ考える余裕さえ見せながら、雪人は爆発に巻き込まれることなく、颯爽と地雷原を突破したのだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【エアライド】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
●ブシドーマル決死陣
地雷が埋設された斜面を駆け下りると、そこは雪の降り積もった谷間であった。
ここにも雪化粧した林が広がっており――木々の間に、赤き天魔武者たちが立っている。
「此処まで到達するとは、敵ながら天晴」
「然れどもこの先通ること能わず」
何やら仰々しい言葉を並べ立てながら、ブシドーマルの集団が紅蓮刃を構える。
背水の陣とでも言おうか、自爆装置が内蔵された彼らは、撃破されれば即座に爆発してディアボロスもろとも死ぬ覚悟である。自爆への対策は必須であろう。
「敢えて押し通らんとするならば」
「我が身に代えても食い止めん」
地雷原で迎え撃とうと思っていたのだろうが、それより早くディアボロスたちに突破されてしまい、浮足立っているようだ。
けれど、捨て身になった敵というものは、なかなかに侮れない。
文字通り決死の陣を敷いて、ブシドーマルがディアボロスたちに襲いかかる!
六藤・鈴鹿
未来予測が積み重なっているのは助かるね
数秒先の未来を見て天魔武者の体当たりの軌道を読み切って攻撃を躱し、反撃を開始
ボクの――我の所有している武装を全てをパラドクスと複合
『真・天魔妖剣『天将』』や『概念武装『虚構神話・三段撃ち』』、『竜を穿つ金剛杭』、『竜脈エネルギー運用型砲撃兵装生成陣』等に全身から血が噴き出す程の『色』の波動を付与
精神諸共敵の肉体と魂を破壊する連撃を仕掛けていく
ハハハ!
未来予測とは攻撃でも活用が可能!
反撃がどう来るかも数秒先わかれば、対処も容易くなるは道理!
故に……なぶり殺しだ、天魔武者ども
そう言って削り殺すように、自爆に巻き込まれない様天魔武者を討ち取っていく
「かくなる上は一人残らず撃滅せん」
紅蓮刃と呼ばれる日本刀型ヒートブレードを構えたブシドーマルが、扇形に散開していた。
対して、天魔武者たちの前に敢然と立ったのは、少女と見紛うような美少年だ。
「死ぬ気で、とはね」
片腹痛いとばかりに言った彼こそ、六藤・鈴鹿(第六天魔王・天女自在天ノ型・g08449)。天女の如き美質の中に底知れぬ威風を宿した戦国武将である。
「まずは貴様からだ」
「ひと思いに仕留めん」
じりと地を踏みしめてパラドクスを発動しようとしたブシドーマルの眼前で、鈴鹿が不敵に笑ってみせた。
全く、誰にものを言っているのか――。
(「未来予測が積み重なっているのは助かるね」)
背部ブースターを全力で吹かしたブシドーマルたちが突っ込んでくる。
V字型をした兜の立物は、まるで交差した二振りの刃にも似て、直撃を受ければディアボロスとて只では済まない。
だが鈴鹿は笑みを崩さぬまま、ひらりひらりと身を翻し、突撃を寸でのところで避けてしまう。
パラドクスによる全力攻撃が失敗に終わったブシドーマルは怒りと苛立ちに身を震わせて、
「面妖な」
「者ども、狼狽えるな!」
次の瞬間、鈴鹿の口から溢れたのは哄笑――敵を圧倒するほどの、高笑いであった。
「ハハハ! 未来予測とは攻撃でも活用が可能! 反撃がどう来るかも数秒先わかれば、対処も容易くなるは道理!」
敵の猛攻を躱してしまえば、後は攻めるのみ。
「故に――なぶり殺しだ、天魔武者ども」
「なにッ!?」
「第六天魔王として龍脈に命じる。生の賛歌を奏でよ」
真・天魔妖剣『天将』、『概念武装『虚構神話・三段撃ち』、『竜を穿つ金剛杭』、『竜脈エネルギー運用型砲撃兵装生成陣』――詠唱と共に鈴鹿の武装全てから血が噴き出すほどに目も綾な『色』が迸り出た。
「その旋律は我が武器全てに宿り、天魔の精神、肉体、魂魄を破壊する――!」
第六天魔・天魔への断頭台の刃が如き重奏(シックスデーヴァ・アライブフォルテッシモ)!
「これがボクの――我の力だ」
自爆に巻き込むことさえもできずに圧倒されるブシドーマルたち。
そして突っ込んできたブシドーマルに、鈴鹿が真・天魔妖剣『天将』を振るった。
魂もろとも断ち割らんとする一撃に、天魔武者の体躯が左右に泣き別れとなって大爆発を起こす。
爆風が桃色の髪や鎧の下の着物をふわりと舞い上げる。
爆炎に頬を照らされながら、鈴鹿は笑い、爛々と目を輝かせていた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【未来予測】がLV4になった!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
御髪塚・小織
主命とは言え、自身を粗末にする行為、カミサマは御嘆きですよ。
戦闘に備え、動きを鈍らせる防寒着を脱ぎ捨て身を軽くします。暫くなら寒さにも耐えられるでしょう。
【トラジティウェーブ】で攻撃します。使い捨てにされる兵士への悲哀と、無慈悲な上官への憤りを【念動力】に変え敵を【捕縛】し動きを封じます。
哀れには思いますが、これはカミサマの戒めです。免れる事は赦されません。渦巻く念動力で捻り切り圧し潰してゆきます。
宙に浮かび上がらせ移動を封じる事で接近を封じ、止めを刺した場合の自爆の被害を抑えます。
【未来予測】で反撃のタイミングを計り、飛びすさって回避します。
「主命とは言え、自身を粗末にする行為、カミサマは御嘆きですよ」
鈴を転がすような声が雪の林に響き渡った。
神秘的にさえ思われるその声の持ち主――御髪塚・小織(オングシさまの使い・g08859)は妖美なる瞳をブシドーマルどもに向け、その注目を一身に引き受ける。
「神仏など語るに値せず」
「せめて一息に首を刎ねん。それこそが慈悲也」
紅蓮刃と呼ばれる日本刀型ヒートブレードを、ブシドーマルはおもむろに鞘籠めした。腰を低く落とし、爛たる機械眼だけを小織に向けてくる。
抜刀の構えだ。
対峙する個と多数。
扇形に陣を組んだブシドーマルが一斉に攻撃態勢を取る。が、それを見ても、小織は動じない。神を冒涜する言葉に、僅かに眉をひそめたのみだ。
気温の所為か、その白き肌は一層白く、何処か浮世離れした美貌が更に引き立てられていて――。
(「寒くはありますが、少しなら保つでしょう」)
小織は脱いでいた防寒着を、幹の太い木の根方に投げた。
それがさながら始まりの合図だ。
「殺!」
「斬り捨てん!」
迫ってくる天魔武者どもを見ながら、小織は胸に手を当てていた。
ああ――使い捨てにされる兵士のなんと哀れなことか。
そして彼らの上官のなんと無慈悲なことか。
「哀れには思いますが、これはカミサマの戒めです」
心を満たすのは怒りと、そして悲しみ。
感情は念動力と化して小織の体から迸る。
「免れる事は赦されません」
未来予測の効果を存分に活かしていた。
何も意外なことはない。
だから表情一つ動かす必要はなかったのだ。
時空を歪める逆説連鎖戦において全ての攻撃に対処できるほど、未来予測は万能ではない。が――それでも、戦いに活かすことはできる。
「グ、グギ、グギギギ……!」
「せめて一太刀、なりと……!」
凄まじい疾さで居合斬りを仕掛けようとしたブシドーマルたちが、まるで深刻なエラーでも引き起こしたかのように態勢を崩し、独楽のようにくるめいて爆発した。
トラジティウェーブ。
爆風に小織の黒髪が揺れる。
「飛びすさる必要さえありませんでしたね」
一太刀どころか自爆攻撃にさえ巻き込むことができず、ブシドーマルは散っていた。憐憫の情が心に満ちるのを感じながら、それを力に変えて、小織は残る敵と対峙する。
大成功🔵🔵🔵
効果1【未来予測】がLV5になった!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
文月・雪人
※アドリブ・連携歓迎
ブシドーマルか。
死をも恐れず立ち塞がるとは、なるほど見上げた覚悟だが、
逆らえない部下に自爆装置を付けて使い捨てにする上司なんて、全くもって碌な話じゃじゃない。
だが此方も負ける気は一切無いよ。
生き抜く覚悟を持ってこそ、未来は開けるというものだ。
復讐者の一人として、俺はそう信じ戦おう。
素早い観察と『逆説推理』によって情報収集、全体の状況を把握する
早さが売りの居合斬りも、【未来予測】を重ねた今なら看破もし易いというものだ
攻撃に合わせて身を捻り回避、或は刀を刀で弾いて刃を逸らしつつ
カウンターとしてパラドクスの力に雷撃の力を込めた呪符を放ち
[一撃離脱]で距離を取って爆破に備えよう
野本・裕樹
※アドリブ・連携歓迎
武士道と云うは死ぬ事と見付けたり、ですか?
あれは覚悟や心構えを説いたものですから本当に死ぬのは違うのですけれど…
ブシドーだから関係無いのかもしれませんね。
もちろん道連れになるつもりなどありません、通らせていただきますよ。
自爆に巻き込まれないためには力押しばかりもいけませんね、距離を保つために『鐵喰』にもう一働きしてもらいましょう。
引き続き武器は妖刀『鐵喰』、呪毒の斬撃を飛ばして戦いを。
斬撃を当てた後は【未来予測】も駆使して回避に専念し被害を抑えようとします。
飛ばした斬撃で断ち切れなくても呪毒が浸透したならば相手は倒れる筈、その時に自爆の範囲外に居る事を心掛けましょう。
「各々! 最後まで勇敢に戦い、死花を咲かせるのだ!」
地雷原を突破され、同胞たちも次々に撃破されて行く中、ブシドーマルは悲壮感をより強めていた。追い詰められるほどに力を発揮するのかも知れないが、戦況を士気で覆すのにも限度がある。
「武士道と云うは死ぬ事と見付けたり、ですか?」
覚悟を決めた敵を目の当たりにして、野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)は形の整った眉をひそめた。
口にしたのは、武士の在り方を記した書の有名な一節である。
「あれは覚悟や心構えを説いたものですから、本当に死ぬのは違うのですけれど……ブシドーだから関係無いのかもしれませんね」
「御託を」
「この上は貴様もろとも……」
「もちろん道連れになるつもりなどありません、通らせていただきますよ」
「ブシドーマル、か」
構えを取った裕樹と連携する立ち位置で。
武士という存在が歪曲されたような天魔武者を前に、文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)は呟いていた。
「死をも恐れず立ち塞がるとは、なるほど見上げた覚悟だが」
己が身を犠牲にしても主命を果たさんとするその気概は、本物のようではあるけれど――。
雪人の心に兆し、そしてふつふつと滾り出したのは、怒りであった。
「逆らえない部下に自爆装置を付けて使い捨てにする上司なんて、全くもって碌な話じゃない」
「おのれ、我が主を愚弄するか」
「その罪、死して償え」
「我が身に代えても成実様に勝利を捧げん」
勇ましい言葉に雪人は首を振り、その眼差しを敵に向けた。
「裕樹の言った通りだ。道連れになるつもりも、負ける気も一切無いよ」
ブシドーマルたちの意気は、或いは立派と言えなくもないが、でも、それでも――雪人は決して相容れないと思う。
なぜなら、
「生き抜く覚悟を持ってこそ、未来は開けるというものだ。復讐者の一人として、俺はそう信じ戦おう」
命を犠牲にするなんて間違いだ。
如何なる激戦が待ち受けようとも、この命は手放さない。
心強い仲間がいるのだ。連携し、生きて勝利を掴み取るまで――!
「良かろう」
「いずれが正しいか、証明せん」
ブシドーマルが紅蓮刃を構える。
雪人は裕樹と呼吸を合わせ、雪月花――雪の林にさえ映える美しき刀の柄に手をかけた。
怜悧にして精緻な思考が、勝利を導き出そうとしていた。
「一息に決着をつけさせてもらいます」
全長約6尺の妖刀『鐵喰』を流れるような所作で抜刀した裕樹は、ブシドーマルたちに接近される前に、パラドクスを発動していた。
浸透刃・漏斗花(シントウジン・ジョウゴバナ)。
超常の斬撃が空を斬って飛び、敵の鎧めいた装甲を断ち割っていく。
「ぐ、ぬぅ! だが、まだ!」
背部ブースターを噴かせると共に、ゴウ! と紅蓮刃に炎を纏わせて斬り込もうとするブシドーマル。猪突するその体はしかし、裕樹に攻撃を届かせる前に、ぐらりと態勢を崩した。
「ただの斬撃と思いましたか?」
「毒、だと……?」
卓越した剣技と、妖術が渾然一体となった裕樹の戦法である。
「わ、我が生命と引き換えに……!」
最後の気力を振り絞って、少しでも裕樹に接近しようとブシドーマル。背部ブースターをボッボッと噴かすも、
「残念ながら――それも読めていますよ」
未来予測。
数秒先に、自分自身が巻き込まれている未来は――ない。
身を翻す裕樹。
「む、無念!」
最後の力を振り絞ったブシドーマルは、あわれ、誰も巻き込まぬまま虚しく爆発するよりほかなかった。
無駄も隙もない裕樹の立ち回りに翻弄され、鎧袖一触にすら値しなかったと言って良い。
そして。
「討ち取ったり!」
鞘籠めした刀を抜刀し、背部ブースターから光を放って信じられないような速度で突っ込んでくるブシドーマル。
「……然もありなん」
だがその軌道を読み切っていた雪人は、抜き放った雪月花の刀身で以て渾身の居合斬りを逸らしていた。そんな度外れた芸当が出来たのも、未来予測を始めとする残留効果を駆使し、斬撃の軌道を読んで対処したが故であろう。
刃が擦れ、火花が散る。
「証明終了だ」
転瞬、雷撃の力を込めた呪符がブシドーマルの額に貼り付けられる。
雪人は即座に飛び退いていた。
容赦ない雷撃が天魔武者の体を痙攣させ――攻防の末、最後のブシドーマルが光を放って大爆発を起こした。
「ひとまず終わりましたね、雪人さん」
「お互い怪我はなさそうだね」
会話しつつも、二人は警戒を解いてはいなかった。
まだ、戦いは終わっていない。
二人の視線の先、木々の向こうから、威圧的な天魔武者が迫ってくる――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【未来予測】がLV6になった!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
【フィニッシュ】LV1が発生!
●不退転
「地雷原を突破し、我が手勢さえも打ち倒すとはな」
ブシドーマルが大爆発を起こして全滅した直後、木々の間から段違いの威圧感を放つ天魔武者が這ってきた。
――そう、這ってきたのだ。高速で。
ムカデを模した下半身と頭部パーツを持つその威容こそ、天魔武者、伊達成実のものに相違ない。その敏捷な動きで木々の間を這い回るとなれば、これはなかなかに恐ろしい相手と言える。
「この儂を越えられると思うな。貴様らの進軍も此処で仕舞いぞ!」
文字通り不退転の覚悟で、伊達成実がディアボロスたちの前に立ち塞がる!
御髪塚・小織
貴方の策も兵も、全て退けましたよ
天に召される事はないでしょうが、部下達と同じ所へは行けるでしょう
寂しがらせない様、御同行なさいませ
地雷は突破したとは言え侮れる相手ではありません
【完全視界】で木々の暗がりに対応
【泥濘の地】で足を取り、【未来予測】で動きを予測。カミサマは御見通しですよ
「祈り」をカミサマに捧げ、湧き上がる敬神の念をオーラの帯に変えて操り「捕縛」します
「地形の利用」。動きを先読みし蜘蛛の巣の様に帯を張り巡らせ、木々を支点に敵を固定
悪徳者に裁きを、不心得者に祟りを。聖なる「呪詛」で攻撃
反撃はこちらも木々を遮蔽に利用し回避
【エアライド】で予測を超えた回避行動を取ります
アドリブ連携歓迎です
野本・裕樹
※アドリブ・連携歓迎
木々の間を高速で這い疾走する相手、立ち回りが難しいですが障害物があるのはお互い様です。
【未来予測】で移動先を見て先回り、舞(ダンス)の心得がありますから身のこなしでそうそう負ける気はないですよ。
木一本挟んで相対する場所まで接近、【一刀両断】で木を斬ってそのまま斬りかかる…と見せて【エアライド】で裏回りを試みます。
退く事は無い不退転の象徴、ムカデを模したその身体、この一撃にはどう対処するか見せてください。
妖刀『鐵喰』にて空中背後から反転する勢いのまま抜刀、パラドクスの一撃を見舞おうとします。
反撃には【未来予測】で攻撃する時機を見計らい間に木を挟む等して回避する時間を作ります。
六藤・鈴鹿
さぁ、これで蕩かしてやろう
泥濘の地で動きを封じられるなら封じ、その後未来予測で6秒後の未来を見据えて6秒以内の最適なタイミングでエアライドを使って空を蹴り、光線を回避
そのまま反撃としてパラドクスを発動
『虚構寓話・黄金と水晶の髑髏杯』から湧き出る『原初の水』を気体に変換し、腐食ガスとして周囲に散布
【ダメージアップ】を乗せて殺傷力を高め、触れた天魔武者の肉体と魂を融解させていく
反撃が終われば、こちらの手番だ
こちらの攻撃でも未来予測を使い、6秒後の天魔武者の動きを把握して移動地点へと『原初の水』のウォーターカッターを吹き付ける!
これで詰みだ
毘沙門天、仏を名乗るなら……第六天魔王に滅ぼされるが道理よ
文月・雪人
※アドリブ・連携歓迎
さあ、残すはお前だけだ伊達成実
不退転の相手といえど、此方とて勿論退く気は無いさ
敵が地を這う蟲であるなら、それを喰らう鳥となるまで
『妖飛翔』で大鷲のトリ吉を召喚し、巨大化した背に乗り飛翔
木々の間を縫うように飛びながら
敵の動きを観察し、攻撃を看破する
トリ吉と共に、飛翔の速さを活かして急襲
【未来予測】で太刀筋を読み、斬撃をトリ吉の足爪でいなしつつ
その隙を突いて敵の死角へ回り込み、雪月花の刀で【ダメージアップ】な[不意打ち]攻撃
[一撃離脱]で距離を取り、再びタイミングを見計らう
二度目は刀で斬ると見せかけて、トリ吉が嘴で喰らう[不意打ち]攻撃
攻守を変えつつ此方のペースに引き込み戦おう
●対峙
「さあ、残すはお前だけだ伊達成実」
圧倒的な殺気を放つ天魔武者に気圧されることなく、文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)は対峙する。雪月花――美しき銀色の刀が、木々の間から差す光をきらと返して輝いていた。
ここを突破できれば、ジェネラル級である松永久秀に繋がる道がまた一つ開けよう。
だからこそ、眼前の天魔武者は是が非でもディアボロスを排除しようとしていた。
「図に乗るなよ小僧。この伊達成実、今ここで必ずやお前たちの首級を上げん」
「不退転の相手といえど、此方とて勿論退く気は無いさ」
撤退などという選択肢がないのは、雪人も同じ。
畢竟――ここで雌雄を決するのみである。
「貴方の策も兵も、全て退けましたよ」
揺るぎなき事実を、御髪塚・小織(オングシさまの使い・g08859)は突きつける。
地雷原も、ブシドーマルの決死陣も、その全てを彼女は突破してきたのだ。伊達成実が如何に余裕のある素振りを見せようと、追い詰められているのは間違いない。
けれど――だからといって侮るつもりなど、小織には毛頭なかった。
「天に召される事はないでしょうが、部下達と同じ所へは行けるでしょう」
死を告げる御使いもさながらに、小織は言った。
「寂しがらせない様、御同行なさいませ」
「ほざけ!」
雪の大地が泥濘へと変じる。けれど百足の機械脚を蠢かす伊達成実は流石に、それをものともしない。
不気味な脚を動かして駆け回る天魔武者の戦闘速度が緩まる気配はなかった。
「木々の間を高速で這い疾走する相手――」
妖刀『鐵喰』を正眼に構え、野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)は目だけを動かして異形の天魔武者の動きを見る。否――目だけではない。全身の感覚を総動員し、尚且つ未来予測まで駆使して動き回る伊達成実の隙を狙っているのだ。
もしこれが地雷原であれば、さぞ戦いにくかったに違いない。
けれどいま周囲に立ち並んでいるのは、時折ばさりと雪を落とす冬枯れの木々ばかりである。
「立ち回りが難しいですが……障害物があるのはお互い様です」
「先ずは貴様から首を刎ねん!」
「ほう、面白い」
伊達成実の揺らめくような光剣を目にしながら、六藤・鈴鹿(第六天魔王・天女自在天ノ型・g08449)が真・天魔妖剣『天将』で宙を一薙ぎする。
妖力を結集させた刀の棟を肩に当て、余裕の表情を湛える鈴鹿。
「これなるは真なる天魔の剣。お前らのような紛い物ではないぞ」
「紛い物だと」
挑発の言辞はしかし、冷静さを失わせるという意図で口にしたものではないのだろう。天魔武者など、それがどのようなものであれ――鈴鹿にとっては機械仕掛けの騙りに過ぎぬ。
泥濘が更に深いものとなる。
「こんなもので儂の動きを止めようというのか」
「なに、ここまではほんの座興。越えてみよ、下郎。退かぬのだろう?」
「ほざけっ!」
空気を震わせる咆哮と共に、伊達成実はディアボロスたちに襲いかかった。
●突破
「さぁ、これで蕩かしてやろう」
乱戦の中で生じた腐食性の気体に、伊達成実がその機械の体を軋ませる。
「この程度で儂を止めようというのか!」
痩せ我慢とは片腹痛い――鈴鹿の見立て通り、ディアボロスの攻撃は天魔武者に少なくない損傷を与えていた。ここまで積み重ねてきた残留効果が、確かな威力を発揮しているのだ。
「小癪な奴、だがこれはどうだッ!」
毘沙門天の眷属たるムカデを象った機械脚を、伊達成実は不気味に蠢かせた。上体を持ち上げ、伸び上がるようにして鈴鹿を見下ろし、次の瞬間、無数の脚の先端より数多の光条を発する!
だが表情一つ変えずに天魔武者を見上げた鈴鹿は、そこで口の端を歪めた。
――笑みに、である。
「6秒もあれば十分だ」
狙った位置に、鈴鹿はもういない。
顕現するは虚構寓話・黄金と水晶の髑髏杯。
溢れ出た原初の水が気体へと変じ天魔武者の体を包み込む。
第六天魔・髑髏の盃に満ち溢れ出でよ原初の水(シックスデーヴァ・スカルグレイルアビュッソス)。
現出したのは正しくパラドクスによる超常の光景と言えるだろう。
斬撃が伊達成実の片腕を容易く斬り飛ばす。
「ガッ……斬られた、だと
……!?」
「水の刃というやつよ。お前には見えもしなかったろうがな」
天将の切っ先と共に、鈴鹿は容赦なく終わりを突きつける。
「これで詰みだ」
敵を討ち果たす未来など――未来予測の力を借りるまでもない。
「毘沙門天、仏を名乗るなら……第六天魔王に滅ぼされるが道理よ」
と、対峙する鈴鹿の視線の先、即ち伊達成実の背後から、飛翔してくるものがあった。
「お前が地を這う蟲であるなら、俺はそれを喰らう鳥となるまで」
それこそは巨大な大鷲の背に乗って天を翔ける雪人だ。
パラドクスの力で召喚した大鷲と共に、天魔武者の背後を取ったのである。
「行くよ、トリ吉」
大鷲が甲高い鳴き声を響かせる。
「ぬぅ……面妖な」
伊達成実とて棒立ちでいるはずもなく、百足めいた脚を高速で蠢かして戦場を駆け回る。
「流石に速いね」
雪人は木々に区切られた空間を高速で翔け、仕掛ける時を窺った。
「突き落としてくれるわ!」
伊達成実がパラドクスの力で光刃を百足の如き形状に変化させ、それを天翔ける雪人とトリ吉に伸ばしてきた。
百足状の光刃が信じがたいほどの速さで木々の間を飛び、正面から迫ってきたのだ。
「トリ吉!」
速度を緩めず回避を試み――腕をかすめた光刃が浅い傷を残しただけと判断すると、雪人は反転攻勢に出た。
「急降下だ」
再び猛禽が鳴いた。
流れ星のような軌道で速度を上げる。
瞬時に肉薄し、そして。
手にした雪月花で、すれ違いざまに一閃。
「ムゥ……!」
胴体に深く斬撃を刻まれた伊達成実が傷口から火花を爆ぜさせながら、明らかに態勢を崩した。
次は嘴による不意打ちを――考えながら雪人は敵の様子を窺う。
「視えていました」
泥濘の地が大きな効果を発揮しないことは、判っていた。
だが敵の動きも、攻撃法も、味方の攻め方も――小織は既に把握している。
そう、
「カミサマは御見通しですよ」
捧げるのは祈り。
カミサマへの祈り。
心の内より湧き上がる敬神の念と法悦に身を任せ、合わせた両掌を小織は捧げるように天へと向けた――瞬間、その腕から包帯状のオーラが迸る。木々に絡みつくように展開したそれはさながら、不規則な動きで襲ってくる天魔武者を捕縛する蜘蛛の糸。
「こんなもの……!」
高速で木々の間を疾走する伊達成実の体に包帯状のオーラが絡みついて、ギリギリと締め上げる!
機械の体が凄まじい金切り音をたてて軋み始める。
「悪徳者に裁きを、不心得者に祟りを」
「動けぬ、動けぬだと……!」
聖なるかな。悪しき者を断罪する呪詛が、伊達成実を苛む。
その動きは確かに鈍っていた。
「見切りました!」
裕樹が予測した未来はほんの一瞬、しかしそれは戦闘においても通用するほどの数秒間だ。
正面に木が一本。
それを挟んで正対する位置に立ったとき、裕樹は遂に動いた。
極限の集中下、音さえも失せた世界で、敵めがけて跳ぶ。
正面の細い木を切り倒すと見せかけて宙を蹴り、伊達成実に迫る。
「馬鹿め! 逆に斬り捨ててくれる!」
高速疾走から敵陣を切り捨てる百足疾駆が、裕樹を膾と切り刻む。
――否。
そんな未来はない。
有りはしないのだ――!
宙を蹴って蜻蛉返りするようにくるりと前へ一回転した裕樹が、着地の瞬間、雷が地を跳ねるような動きで攻撃に出ていた。舞いの心得もある裕樹である。緩急自在、その尋常ならざる身のこなしは、いっそ優雅でさえある。
「獲りました」
抜刀術・紅楓閃(バットウジュツ・コウフウセン)。
刀士としての術理を駆使して放った一閃、余りに見事な斬撃が、伊達成実の首を刎ね飛ばす!
「嗚呼……儂までもが斃される、とは……」
転がった機械の頭が最後の言葉を口にし、そしてその目から光を失せさせた。
雪山を越え、地雷原を越え、そして立ちはだかる天魔武者どもさえも越えて――。
ディアボロスたちは、また一つ、大きな勝利を収めたのである。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【託されし願い】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
【イルカ変身】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【命中アップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】がLV2になった!