ゾルダート秘密工場からの脱出

 機械化ドイツ帝国の秘密工場の一つに、貧民街の人間達を捕らえてサイボーグ化している工場があるようです。
 この工場では、脳まで機械化する事で、手っ取り早くトループス級のゾルダートを量産しているようです。
 情報が得られたのは、末端の秘密工場ですが、背後にはかなり大掛かりな組織が存在しているかもしれません。
 この、秘密工場を支配するクロノヴェーダを撃破し、囚われた人々を救出してください。

偏愛のゲフェングニス(作者 天枷由良
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#機械化ドイツ帝国  #ゾルダート秘密工場からの脱出 


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●機械人形制作風景
 目覚めた瞬間、血と油の臭いが鼻を衝いた。
 顔を顰めながら起き上がろうとして……少女は自らが拘束されている事に気付く。
 何か固い台のようなものに乗せられているようだ。
「――ふむ。貴女のお名前は……エリーゼ! エリーゼたんですネ! ああ、名前からして可憐で堪りませんネ!!」
 しゃがれた高音の気色悪さに身が竦む。
 視線だけを動かしてみれば、其処には居たのは血塗れの白衣纏う怪物。
 ケタケタと肩を揺らして笑っている、それこそがアヴァタール級クロノヴェーダ、ドクトル・マシーネ。
「やはり改造するなら少女に限りますヨ! 滑らかな肌! 柔らかな肉! 暗いブロンドの髪と宝石のような青い瞳! シルクを裂くような悲鳴! メスを入れた刹那から流れ出す真っ赤な血ィ! ああ、想像するだけでワタクシはもうッ!!」
 興奮を抑えられないのか、奇声じみた独言を放ちながらドクトルは戦慄く。
「……ワタクシが改造を進めるほどに、それらが失われていくのは悲しいことデス。けれどご安心くだサァイ! ワタクシが改造を進めるほどにィ! 貴女とワタクシは同じものへと近づいていくのデェス! ああ、何たる幸せデショウ!!」
 そんなことが幸せであるものか。
 そう反論するに、少女は幼すぎた。無力であった。ただ為す術もなく、ドクトルの狂気に怯えるしかなかった。
「まァ、改造はノーミソまで捏ねくりまわしちゃうノデ? おつむの方はお察しくださいになっちゃうわけデスが? 何せワタクシ、文句や我儘ばかり喚き散らすクソガキはダァァイキラァイ!! なのでちょうどいいのデス。イヒ、ヒヒヒ!!」
 ドクトルの背負う無影灯が少女を照らす。注射器に謎の液体が充填され、電動鋸が勢いよく回りだす。
「改造が終わったらご褒美をあげまショウ! お姫サマにお似合いの美しいドレスをネ! イヒヒヒヒヒヒ!!」
 箍が外れたように止まらない笑いの狭間、少女の泣き叫ぶ声が響き渡った――。

●復讐の時来たれり
「機械化ドイツ帝国領内の貧民街から攫われた住民が、下級ゾルダートへと改造されてしまう事件を感知したんだ」
 不自然なほど抑揚に欠けた語り口で、リタ・レメッティ(サイボーグの航空突撃兵・g03343)は淡々と話し始めた。
「脳まで改造された住民はクロノヴェーダに忠実な兵士となってしまう。けれど、場所が場所だけに少し人が消えたくらいじゃ大した騒ぎにもならない。……それどころか、明日の糧を得るために進んで他人を売るような輩まで出ているみたいだ」
 或いは、そう仕向ける為に貧しさを押し付けられた街なのかもしれないが……ともかく。
「どんな人であっても、ゾルダートの素体になんてされていいはずがない。キミ達には改造手術が行われている秘密工場へと乗り込んで、すでに攫われてしまった人の救出と、改造手術を主導しているクロノヴェーダの撃破を行ってほしい」

●事件詳細
 けれど……と、リタの言葉は続いた。
「困った事に秘密工場の場所が分からないんだ。だから、まずは敵の作戦に乗ってやらなきゃならない」
 貧民街の住民になりすまして、誘拐の対象となる事で工場の所在地を暴くのだ。
 感知された情報によれば、攫われているのは子供で、それも女の子ばかり。無垢で無警戒な娘を装って街中を歩くなり、怪しげな路地に飛び込んでみるなりすれば、これ幸いとばかりに人さらいが姿を現すに違いない。
 それはクロノヴェーダでなく一般人のようなので、移送先までの追跡も容易である。だが、何らかの手段で連絡手段を確立しておいたり、工場潜入以後の行動について共有しておけば、より円滑に作戦を進められるだろう。
「勇敢な仲間のおかげで工場の場所が分かったら、当然すぐさま乗り込む他にないのだけれど」
 まず行うべきは、工場内を警備するゾルダートの排除だ。彼らに発見されれば戦闘は不可避であり、その応対と本命の作戦を同時に進めるのは難しい。よって予め施設内を掃討し、憂いなく他の作戦に当たれる環境を整備しておくと良いだろう。
 次に、囚われている娘たちの救出。
「同じ区画の中に、数人ずつ入れられている鉄製の牢屋が幾つか設置されているみたい」
 特殊な作りではないので、解錠でも破壊でも、囚人の娘たちに危険が及ばない範囲ならどんな手法で開けても構わない。
「開放後は一緒に脱出してあげてほしいけれど、警備兵が排除されてさえいれば、先に女の子たちだけで脱出させても問題はないと思う。それよりも気をつけなきゃならないのは、首魁をやっつけるまでに救出を終わらせるってところだね」
 首魁とは即ち、アヴァタール級クロノヴェーダの『ドクトル・マシーネ』だ。
 この撃破が最大の目標だが、何とも厄介な事にドクトルの撃破は施設の自爆と結びついているらしい。
 おまけに、ディアボロスたちの突入時には改造手術の支度を進めている様子。作業部屋――敢えて手術室と呼ぶとすれば、その手術台には、改造の素体に選ばれてしまった十歳程度の娘、エリーゼなる少女が拘束されている。
「間違いなく、これから改造するはずだった彼女は人質になるだろうね。それに構わず攻撃し続ければどうなるかは……」
 説明不要だろう。その凄惨な末路を目の当たりにして構わないのであれば、只々ドクトルの討滅を目的とすればよいが。
「そんな事を望む人はいないだろうから、ドクトルを追い込んでしまう前にエリーゼを解放してあげてほしい」
 拘束具は簡素なものである為、何某かの手段でドクトルの注意さえ惹きつけられれば、救出は決して不可能な事ではない。

 少し間を挟んで、リタは抑えていたものを吐き出すように続ける。
「……幼い子供たちでさえ、奴らの前では『材料』に過ぎないんだ。そんな世界も歴史も、アタシは絶対に赦せない!」
 機械の身体であるが故、一際憤りを感じているのだろう。
 けれども今日、時先案内人として語るリタは、事件の解決に赴く事は出来ない。
「だから、アタシのこの怒りはキミ達に託す。ドクトル・マシーネを倒して、その悪逆無道を必ず打ち砕いて」
 任せたよ――と、語り終えるかに思えたリタは、ふと何かを思い出したようにディアボロスたちを呼び止めた。

「工場内に『サイボーグ手術に関する裏帳簿』を収めた金庫の存在を感知しているんだ」
 作戦の本筋からは逸れる為、回収は必須ではないが、情報の入手と集積は今後の戦いに影響を及ぼすだろう。
 しかし、これにも問題がある。金庫は『クロノ・オブジェクトの機械錠』で封じられており、パラドクスや強引な手法での解錠を試みると爆散してしまうのだ。
「ロックを解除する為の暗号は入手できてるんだけど……ごめん、アタシには何がなんだかさっぱり」
 リタは頭をかいて、何やらメモした紙を差し出した。

『文字は数値』
『eins=47 zwei=63 drei=36 vier=54 sechs=54 sieben=54 acht=?? neun=??』

「……アインスが『1』じゃなくて『47』の時点でもう意味が分からないもの」
 しかし、何らかの法則には基づいているはずだ。
 そして明らかにされていない『acht=?? neun=??』に入る数字を繋げたものが、金庫の解除番号だと思われる。
「この紙あげるからさ、パラドクストレインの中で考えてみてよ」
 頭脳労働では戦力外な事を侘びて、リタは今度こそ話を終えた。

●貧民街にて
 あばら家が連なる町中。
 如何にも怪しげな黒ずくめの男二人が、薄暗い路地の陰から行き交う人々を眺めている。
 その手には大きめの麻袋。傍らには朽ちかけた荷車。
 これで誘拐犯でなければ何だ、と言わんばかりだ。
 彼らの視界を通り過ぎた少女が、人の気配が薄い場所へと足を運べば……結末は一つしかない。

 また、男二人を眺める人影もあった。
 幼い娘を連れた中年の女だ。母なのか他人なのかは定かでないが、女の目的もまた明らかだろう。
 ただそれを果たすに何某かの躊躇いがあるのか。或いは男二人を『それ』と断定出来ずにいるのか。
 ともかく、この貧民街では売り飛ばされるという事も珍しくはない様子。
 ならば誘拐を待つのでなく、同じような形で男たちに接触してしまうのも有りだろうか。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
1
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
2
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わり、「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げて運搬可能になる(ただし移動を伴う残留効果は特記なき限り併用できない)。
【フライトドローン】
3
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【避難勧告】
1
周囲の危険な地域に、赤い光が明滅しサイレンが鳴り響く。範囲内の一般人は、その地域から脱出を始める。効果LVが高い程、避難が素早く完了する。
【友達催眠】
1
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【プラチナチケット】
1
周囲の一般人が、ディアボロスを関係者であるかのように扱うようになる。効果LVが高い程、重要な関係者のように扱われる。
【迷宮化】
1
洞窟や家屋、砦などの内部を迷宮に変化させる。迷宮化により、敵は探索や突破に必要な時間が「効果LV倍」される。
【エアライド】
2
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【無鍵空間】
1
周囲が、ディアボロスが鍵やパスワードなどを「60÷効果LV」分をかければ自由に解除できる世界に変わる。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【活性治癒】
1
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【建造物分解】
1
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【操作会得】
2
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。
【パラドクス通信】
2
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【アイテムポケット】
1
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV3 / 【命中アップ】LV5(最大) / 【ダメージアップ】LV3 / 【フィニッシュ】LV1 / 【反撃アップ】LV1 / 【アクティベイト】LV2 / 【先行率アップ】LV3 / 【ドレイン】LV1 / 【アヴォイド】LV2 / 【ダブル】LV1

●マスターより

天枷由良
 あまかせです。よろしくお願いします。

 当シナリオは6つの選択肢で構成されています。
 展開上、最初の攻略は③になりますが、以降はどの選択肢に挑戦して頂いても構いません。

●選択肢ごとの補足
 ①破壊される施設からの脱出
 牢を素早く開ける手段が必要です。
 開放後に少女たちを護衛するかどうかは自由ですが、⑤がクリアされていれば少女たちだけでも脱出できます。

 ②【攻略旅団】隠し金庫の裏帳簿
 解錠キーとなる数字はオープニング情報から推理してください。
 答えが間違っていたか、手がかりを捜索した場合は一度だけヒントになるリプレイを提示します。

 ③敵に誘拐される囮作戦
 オープニング最後半『●貧民街にて』の状況を参考にしてください。
 これをクリアする事でドクトルの秘密工場の所在地が判明します。
 誘拐後を見越した行動や相談を行っておくと、よりよい結果が得られるでしょう。
 
 ④敵の動きを止めろ
 この選択肢で『ドクトルの注意を惹く』と『人質の少女エリーゼの救出』が行えます。
 クリアすれば救出は成功です。
 ドクトルにダメージは与えられない(撃破に必要な成功度は獲得できない)のでご注意ください。
 
 ⑤施設を警備するトループス級『インファントリー・ゾルダート』
 この選択肢が未クリアの場合、③以外の全ての選択肢で『警備を突破するプレイング』が必要になります。
 警備兵は施設内各所に点在しているため、各個撃破は難しくありません。
 攻略によるデメリットはありません。
(ドクトル・マシーネは手術準備に夢中なので、自身の目の前に現れない限り侵入者に気づきません)

 ⑥アヴァタール級との決戦『ドクトル・マシーネ』
 この選択肢ではドクトルとの戦闘のみを行います。人質救出は④で行ってください。
 ドクトルは少女の手術を楽しみたいので、手を出すのは未救出のまま選択肢をクリアしてしまった場合のみです。
 この選択肢に挑戦した事で即座に人質が……とはならないので、戦闘も同時進行してしまって構いません。 

 それでは、ご参加お待ちしております。
44

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


金刺・鞆
相原さま(g01549)と協力、です。

【パラドクス通信】用います。いぬは、身を隠して追ってきて。発信機、互いに持って。たのみましたよ。

身汚くして、怪しい男たちに接触、です。
相原さまの邪魔をせぬよう。不安そうに、心配そうに、視線をさまよわせて、あまり語らず。
相原さまのことは、「兄さま」と。商談、まとまれば。
あの子のこと、おねがい……とでも、呟いてみましょう。
捕縛には抗わず。されど、不安そうなままに。

対価、女性に渡れば、娘子は売られずに済むでしょうか。あの女性は、子の母でしょうか。ちがうのでしょうか。
家族、うしなったら……手放したら、だめ、です。そして、親でなくとも。ひとのみち、はずれては、だめ。


相原・相真
…妹を売るって、演技でも嫌ですね…
ただこれも必要なこと、きっちりやらないと

金刺・鞆さんに協力

ぼろい服を準備し、
『家族のために妹を売ろうとする兄』
という感じで演技
いきなり話しかける不自然さは、
『追い詰められた必死さ』という感じで誤魔化します

その後は[発明]で準備した発信機を
金刺さんと彼女のモーラットに持ってもらい、
それをもとに彼女を[追跡]
工場を確認したらパラドクス通信で連絡できる人に伝えます

それと、売人から得た金を
情報に出た娘連れの女性に渡したいです
あとは女性に伝言を
「家族を手放すようなことはしないでほしい。そして人の道を外れないでほしい」
俺も金刺さんと同じ気持ちなので、しっかりと伝えられれば


 襤褸を纏って二人、繋いだ手の意味は絆か鎖か。
 尋ねるも咎めるも無い。此処は明日知らぬ者たちばかりが集う貧しさの窟。
 先を急ぐ人影二つなど、気にしたところで腹の足しにもならないのだから。
「兄さま……」
 不安げに囁く金刺・鞆(虚氏の仔・g03964)に、相原・相真(人間のガジェッティア・g01549)は一瞥くれただけで何も答えようとはしない。
 開いた口が綻びとなりかねないからだ。今日一時、使命を成し遂げるべく結んだ偽りの縁とはいえ、幼い妹を売る外道の兄という役柄は相真の本質から離れすぎている。
(「……でも、きっちりやらないと」)
 進んで協力を引き受けた手前、半端な振る舞いで鞆の足を引っ張るわけにはいかない。
 己の両肩にはサイボーグ化の素体として攫われた無辜の少女たちの命運も懸かっている。それを理解していればこそ、努めて冷淡に、冷酷に、食い扶持を得る為なら親類縁者すらも売り飛ばす少年に成りすます。
 覚悟は葛藤と入り混じって奇しくも『らしい』雰囲気作りに一役買い、いよいよ人さらいの潜む薄暗い路地に足を踏み入れた相真は、それらしき男二人組へと突き進むや否や言ってのけた。
「こいつ一人でいくらになる?」
「ああ……?」
 長身の男が射抜くような眼差しを向けてくる。
 鞆がこれみよがしに「兄さま」と袖を掴む最中、臆せず相対していれば――程なく“のっぽ”からの目配せを受けたもう一人、小太りの男が相真たちを掴んで、あばら家の一つへと雑に押し込んだ。
「テメェ、イカれてんのか?」
「この街にまともな奴がいるか。買う気がないなら他を当たるぞ」
 貧民の焦燥を示すべく粗野な振る舞いで取り繕う。
 そんな相真に“小太り”が何事か言おうとした刹那、沈黙を続けていた“のっぽ”が溜息交じりに零した。
「世も末だぜ。ガキがガキを売りに来るとはよ」
 それをお前たちが言うのか、とまでは口にしない。
 此処で必要なのは正義感でなく忍耐だ。苦渋の決断であったかのように俯いて見せれば、麻紐やら袋やらを取り出した小太りの男が鞆を引き離す傍ら、のっぽが相場を語りだす。
「――で、いいんだな?」
「ああ」
 人ひとりを売るには手短過ぎるやり取り。
「可哀想になぁ。おめぇの兄貴は、おめぇなんかより金が大事なんだとよ」
 後ろ手に縛り上げて嘲笑する小太りに、無抵抗の鞆は不安げな視線を向けるばかり。
 ただ一言、猿轡を噛まされる間際。
「兄さま……あの子のこと、おねがい……」
 そう呟いた鞆は、あばら家の裏手へと運ばれていく。
 見送るしかない相真に手渡されたのは……少女一人の値段と思い難い程の端金。

 それを罵る事は出来たが、事を荒立てては先に差し支える。
 かくして僅かな硬貨を握り締め、次へと進む……その前に。
 相真は路地を出てすぐ、此方の様子を窺っている子連れの女へと話しかけた。
 彼女が何をしようとしているかは想像がつく。思い直すように呼びかけるのは、鞆の望みでもある。

 けれども。
「知ったような事を言わないで!」
 叫声と共に振るわれた腕が相真を押し倒す。
 鞆の代金が地面に散らばって、それを呆然とする持ち主の前でかき集めた女は、礼を言うどころか恨むような視線を浴びせかけながら走り去っていく。
 助けになればと思っての行動。その結末としてはあまりにも侘しい光景。
 だが、此処は綺麗事では生きていけない世界。僅かな金を得たところで貧しさが根本から解決する事もなく、たとえ鞆と二人がかりで言葉を尽くしたとしても、女から素直な反省などは返ってこなかっただろう。
 それでも今日、女が連れていた少女を売らなかった事は確かであって。
 真に彼女らを救済せんと願うなら……全ての元凶たるクロノヴェーダを倒す他にあるまい。
「……行こう」
 自らに呼びかけて、相真は動き出した発信機の後を追う。

 その持ち主、鞆は視界も自由も奪われた状態で、ただ時が過ぎゆくのを待つしかない。
 もっとも、既に作戦は大成功と言ってよい。
 発信機と【パラドクス通信】の小型通信機があれば、秘密工場の特定も、現地での円滑な作戦遂行も出来るだろう。
 故に先を案ずる必要はないのだ。それよりも――。
(「……あの子は、売られずに、済んだでしょうか」)
 心に想うのは名も知らぬ娘のこと。
 母子なのか。そうでないのか。……否、血の繋がりなど瑣末事だ。
 人道から外道に堕ちれば、もはや後戻りは出来ない。
 なればこそ、演技で手にした金は彼女らに渡してほしいと、相真にも伝えておいたのだ。
(「家族、うしなったら……手放したら、だめ、です」)
 鞆は名も姿も定かでないものに思い馳せる。
 そんな心優しき童女が、先の光景を目の当たりにしなくて済んだのは、不幸中の幸いだろうか。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV2が発生!

シル・ウィンディア
うーん、女の子を誘拐するのかぁ…
なんだろ、これがうわさに聞く変態さんってやつなのかな?
…よし、がんばろうっ!

いつもの服じゃなくて、現地の女の子が来ていそうな服に着替えてっと…
それから、街中を歩いていくよ。

見た感じは、対象になるんじゃないかな?背も低いし…
どーせ小さいですよーだ…

バレない程度に周囲に気を配りつつ…
街中にある、人気のない、ぽっかり空いた空間…
例えば、ちょっと薄暗い路地だね
そこに、なんだろーって顔をしながら近づいていって
足を踏み入れてみるよ

ターゲットが現れたら、怯えて、手足をバタバタさせて抵抗する…
ふりをするけど
そのままつかまって、ご招待してもらいますか

さて、どんな変態さんがいるかな


 機械化ドイツ帝国の技術力がどれほどかはさておき。
 少女ばかりを兵士にする合理的な理由があるようには思えない。
「やっぱり、これがうわさに聞く変態さんってやつなのかな……?」
 シル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)は要らぬ想像を巡らす。
 それでも身震い一つしないのは、底抜けの明るさ故か、記憶と一緒に恐怖も喪ったか。
 何れにせよ、シルは貧民街に相応しい襤褸切れに着替えると、左拳を握って小さく気合を入れた。
「……よし、がんばろうっ!」
 同じ年頃の少女たちをサイボーグ手術から救う為。
 秘密工場の所在地を明らかにすべく、街中で探し求めるのは人さらい。
 しかし、やたらと周囲を見回してはよそ者と悟られるかもしれない。
 故に首は振らず、視線だけを動かして。人の気配がなく薄暗い方の路地を選び、進んでいく。
(「そのうち目をつけられるよね。齢はもちろん、わたしって小さいし……」)
 擬音で表せば『ちまーん』で『すとーん』な体型と言われても仕方がないだろうか。
 しかし何故だろう。偽りようの無い事実をただ検めただけなのに、気分が沈む。
(「どーせ小さいですよーだ……」)
 ふん、と拗ねるように囁いた――その一瞬。
 無用な事を考えたが為に生じた自然な隙を狙って、魔手は伸びた。
「――っ!!」
 まず声を出せないようにと無骨な手が口元に当てられて、路地のさらに奥まったところへと引き摺り込まれる。
 その間にも別の手が腕を掴み、後ろに捻り上げられたかと思えば、荒い縄でキツく縛られて。
 それでも逃げようとバタつかせた足は……あくまでも演技だったが、うっかりと顎か何かを蹴り上げた。
「このクソガキ……!」
 苛立ちを露わにした小太りの男が頬を思いっきり叩いてくる。
 その衝撃から瞳に怯えを滲ませてみれば、口を押さえるものを手から猿轡へと変えた長身の男が小声で怒鳴った。
「バカ野郎、見えるところに傷が出来たらあの変態に売れねぇだろうが!」
「す、すいやせん。つい……」
 顔を擦りながら弁明する小太り。
 それを聞き流して、長身は屈み込むとシルの目を見て言った。
「悪ぃな。そういう運命だったと思って諦めてくれ」
 途端に視界を奪ったのは麻袋だろうか。
 さらに上からまた縄を掛けられて、完全に自由を失くしたシルは……運ばれる最中、思う。
(「やっぱり変態さんなんだ……」)
 果たして如何なる変態なのか。
 まるで喜ばしくない邂逅は、このまま時が過ぎれば自ずとやってくるのだろう。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【エアライド】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!

 かくして少女たちの献身により、秘密工場の所在は暴かれた。
 川のほとり、ひと目を憚りながらも聳え立つ威容へと、ディアボロスたちは踏み込んでいく。
トバリ・ナイトライト
人を改造するというだけでも許しがたいのに
あまつさえ少女趣味とは……

是が非でも捕えられた方々を助けましょう
その上で厄介なのは、やはり警備兵ですね
全ての行動を安全にする為に、まずは安全の確保といきましょう

敵がバラけているなら都合が良い
警備兵がなるべく一人の時を見計らって各個撃破です
敵の前に姿を現し【友達催眠】と【誘惑】を使いつつ注意を引きます
「やぁ、こんにちは」
「僕が何者で、何故ここにいるかなんてどうでもいいじゃないですか」
「だってあなたは今これから死んでしまうのですから」
相手の懐に潜り込んだ瞬間に腕輪から出したナイフで相手の急所を突き立てます

残る敵もこの要領で、一体ずつ静かに暗殺してゆきましょう


 暗く怪しげな工場の中を行く最中。
 トバリ・ナイトライト(透明の黄昏・g00064)は、偶然にもそれと出会した。
 広い物置のような場所に収められていたのは……大量の衣服だ。
 どれもフリルやリボンが過積載状態の、少女趣味大爆発なドレスである。
 どうやら此処は、改造した少女たちを着飾る為の衣装部屋らしい。
「…………」
 言葉も出ない。致し方ない。
 良心の呵責などまるで感じないままに人を改造するという、その悪逆無道だけでも許しがたいところ。
 異様としか思えない嗜好の片鱗を見せつけられて、一体何を語れば良いのか。
 語ることがあるとすれば、それは――怒りだ。それ以外にはない。
(「捕らえられた少女たちは、必ず助けましょう」)
 決意を新たに衣装部屋を後にして、トバリは慎重に先へと進む。
 狙いは全ての障害となるであろう警備兵の掃討。
(「まずは安全の確保といきましょう」)
 急いて仕損じた時、失われるのは無辜の命。
 なればこそ、事は慎重を期して然るべきだ。

 そうして密やかな行動を続けるトバリだったが、いざ攻勢に出る時は実に大胆であった。
「やぁ、こんにちは」
 巡回中と思しき1機のインファントリー・ゾルダートの前に姿を晒して声掛ける。
 まるで友人のような態度に殺意や敵意を隠して、そのまま懐へと入り込んで一刺し――と、それはトバリが描いた理想図。
「貴様……何者だ!」
 逡巡する素振りを見せながらも、ゾルダートは矢庭に斧を振り下ろす。
 認識に齟齬は起こしていても、友人知人と認識するまでには至っていないようだ。
 只人相手のようにいかないところは、さすがクロノヴェーダと褒めるべきか。
 もっとも、経路が多少変わったところで結末に変わりはない。
「僕が何者で、何故ここにいるかなんてどうでもいいじゃないですか」
 パラドクスではない斬撃をひらりと躱して、一気に踏み込む。
 敵のガスマスクと鼻先が触れる程に迫れば、覆い隠された相手の表情が困惑で染まるのを確と感じ取れた。
 それに笑顔で応えて。
「だって、あなたは今これから死んでしまうのですから」
 囁きながら拳を打てば、腕輪から伸びたナイフが敵の喉元へと突き刺さる。
「グ……ガ……」
 微かに漏れ出る断末魔の声と、滴る油。
 双方を払うように腕を振ったトバリの前で、機兵だったそれは屑鉄となった。
 砲声轟かせることすら許さないその手際であれば、残る兵士も一つずつ丁寧に、静かに、殺されていくだけだろう。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【友達催眠】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!

エンデ・トロイメライ
またこの手の事件か……ほんっと、懲りないねぇ。
どんだけ手当たり次第に改造する気なんだか。まあアタシはその体便利に使わせてもらってるんだけど。さてと……そんじゃさっさと片付けますか。

戦うとか殺すとか、正直そういう物騒なの好みじゃないんだけどねぇ、まあやるけど。
SCHATTENで姿を隠し更にナノマシンで光学迷彩をかけて潜入。
敵に静かに接近して死角からナノマシンを再構成したナイフで首を切り落とし心臓部を貫いて速攻で仕留める。これだけすれば確実でしょ。
あとは同じ流れで一体一体始末するだけ。一応脱出ルート上の敵を優先しようかな。まあ全部片付けるのが確実だけど。
はぁ、復讐者の仕事も楽じゃないね。


「ほんっと、懲りないねぇ」
 工場内を進む最中、エンデ・トロイメライ(エピローグ・g00705)は独り言ちた。
 戦闘工兵の少年から同じような依頼を受けて、あれから早いものでどれほど経ったか。
 此度の首謀者もまた、あの時に打ち破ったドクトル・マシーネだと聞く。
 それがアヴァタール級、つまりクロノス級クロノヴェーダの写し身であれば、何も不思議な事ではないが。
「どんだけ手当たり次第に改造する気なんだか」
 再びの呟きが意味するところは実に空恐ろしい。
 全ての元凶を討ち滅ぼすまでに、一体どれほどの人々がサイボーグ化の危機に晒されるのか。
(「まあ、アタシはこの身体、便利に使わせてもらってるんだけど」)
 己に目を向けて、あっけらかんと零す。
 そうして前向きな事を言えるのも、エンデがディアボロスであるからだ。
 ドクトルの手術によって脳まで弄くり回されてしまえば、その刹那から少女たちの前途は絶える。
「……そんじゃ、さっさと片付けますか」
 無辜の娘たちに自らと同じ道は歩ませまいと、独言を止めたエンデは黒仮面を被る。
 それとセットのフード付き黒マントも纏い、ナノマシンによる光学迷彩を全身に施せば……その姿は暗い工場の陰に溶け込んで、すぐに見えなくなってしまった。
 実に暗殺者めいた装備と能力だが、それはエンデが切った張ったの殺し合いを好んでいないからこそ。
 戦いなど避けるに越したことはないのだ。
 けれども避けられぬ戦いであるなら、それは手早く確実に、争いとなる前に終わらせるしかない。

「――そういう事だからさ、恨まないでね」
 通りすがったインファクトリー・ゾルダートの首を真後ろから刎ねて、流れるまま背から胸を貫く。
 ナノマシンを再構成して作り上げたナイフは切れ味鋭く、僅か一度の斬撃と一度の刺突で、機兵の命運は尽きた。
 確実に息の根を止めようと急所を貫かれれば、装甲板での防御も徹甲弾での反撃もあったものではない。
「まずは一体、と」
 しなだれかかってきたゾルダートの身体を通路の脇に押し込んで、また陰に消える間際、ふと溢れる小さな吐息。
「暗殺者の仕事も楽じゃないね。……と、いけないいけない」
 明るく前向き、いつも元気一杯がモットーであれば。
「さくっと終わらせて、みんなが脱出しやすいルートを作らなくっちゃね!」
 自らを鼓舞するように言って、エンデは次の獲物へと忍び寄っていく。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!

霧宮・悠希
「……認めない」

※戦闘に意識を向けるため、必要なこと以外ほぼ喋りません

今回は囮作戦についてはあまり協力出来そうにない、と判断。
なので他の作戦に加わり、施設を警備するゾルダート達の排除に向かう。
施設内に侵入し、牢獄や手術室などを見つけるべく探索し……その都度、出くわした警備ゾルダート達と戦闘。各個撃破を目指す。
躊躇なく「狩人」と「執行人」を振るいつつ、意識を集中。
ディアボロスとしての力を、衝動を、念動力を、想像力を――狂気を。強い意志による『オーバーライト』、現実改変の実施。
鋼の身体を持つ不死身の兵士、優れた存在……そんなものは、認めない。

引き裂いてやる。お前達なんか、大げさな鉄クズ人形だ……!


 工場内で密やかに進む警備兵の暗殺。
 それとは対照的な行為に及んでいたのは、霧宮・悠希(小さき復讐者・g02383)。
「……認めない」
 半ば無意識に放たれた言葉の後、“執行人(エグゼグター)”の名を持つ巨大な両手剣が、相対していたインファントリー・ゾルダートをみぞおちの辺りから圧し折る。
 その耳障りな音は反響して援軍を呼んだが、無様に転がった残骸は駆けつけた機兵たちを僅かに竦ませて。
 一瞬の隙に、悠希は“狩人(ハンター)”なる大型複合兵装に組み込まれた機関砲から、弾丸を雨あられと激しく浴びせかけていく。
 其処に慈悲などは一欠片もない。
 あるのはディアボロスとしての衝動。クロノヴェーダに対する怒りと復讐心。
 歴史侵略者たちの存在を許さないという、狂的なまでの闘志。
 躊躇いなく振るわれる力は機兵を薙ぎ払い、彼らが存在したという事実を塗り潰すように上書きしていく。
 そうして飛び散った数多の残骸を踏み越えながら、奥へ奥へと進めば。
 明らかな異変に方々からさらなる援軍が現れて――それすらも僥倖と言わんばかりに、再び機関銃が唸る。
「……お前達なんか、大げさな鉄クズ人形だ……!」
 鋼の身体を持つ不死身の兵士、優れた存在……そんなものは、決して認めない。
 言葉少なの悠希に変わって“狩人”が雄弁に語り続ける。
 その圧倒的な蹂躙を、インファントリー・ゾルダートも何処かで食い止めなければと遮二無二反攻に転じた――が、しかし。
 交響曲の如き砲声は、虚しく響いて消える。
 侵入者は砲火に沈むどころか、その強固な意志で砲撃も爆炎も乗り越え、尚も殲滅を成し遂げんと迫り来るのだ。
「化物か、こいつは……!」
 少年の見てくれからは想像もつかない異様な雰囲気に、機兵の一つが思わず呟く。
 刹那、そちらを見やった悠希が“狩人”を向ければ、殺意を具現化したようなミサイルが飛び出して、機兵を傍らの仲間諸共、屑鉄に変えた。
「…………」
 揺らめく炎を一瞥した小さき復讐者は、口を真一文字に結んだまま先へと進む。
 彼の進撃に抗うには、それなりに纏まりのある『軍』を一つ、ぶつけなければならないだろう。
 しかし、彼方此方で警備兵の各個撃破が進む工場に、そのような戦力は存在するはずもない。
 もはや悠希の蹂躙を止めるものは無いのだ。
 警備兵が全てスクラップと化す未来も、そう遠くはない。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【無鍵空間】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!

白水・蛍
アドリブ連携歓迎。

「謎解きですがうまく出来るでしょうか……」

隠し金庫の場所まではこっそりひっそり向かいましょう。

謎解き
『文字は数値』というところからアルファベット25文字を数字におきかえる。aは1番目、bは2番目という様に。
そしてアルファベットを置き換えた数字を1文字ずつ足していけばよいかと。故に【acht=32 neun=54】となるはず。

つきまして答えは
【3254】でしょう。

ドナさんとも合っているようですね。成功しましたら裏帳簿を回収。
可能であれば【パラドクス通信】で確保したことを味方に伝えておきます。

失敗時も含め早急に立ち去ります。


ドナ・ゴーティエ
工場の移動時は慎重に周囲を偵察
決して警戒を怠らぬよう隠し金庫へ
…私も手術を受けた身です
何らかの情報を得られるならば、試してみる価値はありましょう

文字は数値…zweiが最も数字が大きく、dreiが最も小さい…
アルファベット順が数字と対応しているのでしょうか?
例えばeは5番目、iは9番目…といった形です
この法則に当て嵌めるとacht=32、neun=54
つまり――3254
蛍の解答とも一致する様子
正解ならば裏帳簿を回収
失敗時含め、任務後は早急に此処を離れます

…失礼、口元が緩んでいましたか
不適切な表情でした…少々新鮮だったのです
ただの戦闘兵器だった私が
自らの頭で考え、答えを見出す
――悪くないものですね


 手がかりは時先案内人の寄越したメモ一枚。
 ただそれだけで、機密情報と呼ぶべきものが収められた金庫の解錠に挑む。
「うまく出来るでしょうか……」
 紙片を手にした白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)が、ぽつりと零したように。
 一見して無理難題、不安を抱いても仕方のないところではある――が、しかし。
「……zweiが最も数字が大きく、dreiが最も小さい……アルファベット順が数字と対応しているのでしょうか?」
 メモの文面に緑瞳を向けていたドナ・ゴーティエ(雷公・g04485)が呟けば、蛍も頷いて。
「『文字は数値』ですから……aは1、bは2と、そういう事かもしれませんね」
 同意を得てみると、ドナの推察も自信で補強されていく。
「この法則に当て嵌めるとachtは1+3+8+20なので『32』……」
「neunは『54』となりますね。それを繋げたものが鍵のようですから」
「金庫の解除コードは――つまり『3254』だと」
「ええ。既に明らかになっている数字とも整合性が取れます」
 導き出す最中で疑念に閊える事もなく、すらりと出てきた答え。
 それは挑戦するに相応しいものであるはず。
 ならば行くしかない。
 何方が? いや、何方もだ。一人より二人で当たるべき理由は、今しがた感じたばかりだろう。

 かくして、蛍とドナは工場への潜入を果たす。
 先んじた仲間が警備兵を掃討した事実は皆の知るところとなっていたが、それでも警戒は怠るべきではない。
 ドナは戦鎚を、蛍は片刃の刀を手にして互いの死角を補いながら、密やかに、速やかに、目標へとひた走る。
 障害の排除と共に大方明らかとなった施設を往くのは、紙片に向き合って頭を悩ませるよりも実に容易く感じられたはず。
 そうして脇目も振らずに突き進めば、やがて見えてきた一室の奥に、それはどっしりと鎮座していた。
 くすんだ鉄の長方形で周囲と溶け込むように隠されてこそいたが、認識してしまえば何の変哲もない金庫だ。
 ただ一つ、据え付けられた『クロノ・オブジェクトの機械錠』だけが異彩を放っている。
 縦長の板にレバーが1本、そして数字の刻印されたボタンが10個。
 二人が辿り着いた答えの通りにボタンを押して、それが正解であれば……。
「……押しますね」
 問いかけに蛍が頷いたのを確かめ、ドナが手を伸ばす。
 黒手袋越しの感触が何故だか氷のように冷たく思えたのは、サイボーグの身体に起きたエラーだろうか。
「3、2、5、4……」
 ボタンを押すたびに“カチリ”と響く音が緊張を高めていく。
 全ての入力が終わって一つ息を吐き、ドナは確りと握りしめたレバーを少しずつ下げた。

「……!」
「やりましたね、ドナさん」
 目を瞠るドナの横で歓喜の声を零して、蛍が覗き込んだ先には紙束が一組。
 間違いなく秘密工場の『裏帳簿』だ。これを既に入手済みのものや、後日さらに獲得出来たものと突き合わせて確かめれば、サイボーグ手術における材料確保ルートの割り出しが出来るかもしれない。
 そうした大きな収穫に期待も及ぶが、一先ずは情報の入手という成果を皆と共有しておくべきだろう。
「此方、金庫解錠に向かった白水です。裏帳簿の回収、無事に完了致しました」
 小型通信機による【パラドクス通信】ならば盗聴の心配もない。
 蛍は堂々と、しかし手短に報告を終えて……それからドナを見やり、僅かに目を瞬かせた。
「……ああ、いや、失礼」
 共に謎解きへと挑んだ戦友が何に困惑したのか、思い至るところがあったドナは少し俯きながら口元を手で覆う。
「まだ敵地であるというのにいけませんね、これでは」
「いえ。誇るべき成果を得たのですから、喜ぶのは自然なことです」
「自然なこと……ですか」
「ええ。こう見えて私も、内心では両手を挙げながら燥ぎ回っていますよ」
 ふふ、と微笑みながら宣う蛍のそれが本当の事か、それとも戦友を慮っての発言なのかは何方でも良い。
 踵を返して金庫室から立ち去る最中、ドナは思うのだ。
(「ただの戦闘兵器だった私が、自らの頭で考え、答えを見出す。そして――」)
 喜ぶのは自然なこと、と。蛍の言葉が脳裏で反響する。
(「――悪くないものですね」)
 傍らでさえ聞き取れない程に小さく囁いたドナの表情は、新鮮な感覚にまた少し、綻んでいた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【パラドクス通信】がLV2になった!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV1が発生!

トバリ・ナイトライト
さて、警備が排除されたならば話は早い
幽閉された少女達を速やかに救い出しましょう

牢へ着いたら、まずは皆さんを怖がらせないために【友達催眠】を使いつつ、パラドクスで牢を破壊します
「危険ですから、少し下がっていてくださいね」
出来れば【無鍵空間】で安全に開錠したいですが時間がかかりすぎますので、ここは若干強引に

しかし少女達は少なからず怖がってしまう筈
【士気高揚】で皆さんにここから逃げ出す勇気を与え、一緒に脱出を図りましょう
「さぁ立って。もう危険なものは全て取り除きました。行きましょう」
「僕が守ります。安心してください」

立ち振る舞いによる【誘惑】も用いて、彼女達を安全な場所まで連れて行きます


霧宮・悠希
「ここにいては危険です。逃げましょう!」
「大丈夫、必ず助けます。僕がみんなを守ります……!」

ひとまず、邪魔なものは片付けた。次は女の子達を助け出す!
出来れば他のディアボロスのひとと協力して牢獄に向かう。
余裕があれば【無鍵空間】で鍵とか枷を外す。ダメなら「執行人」で強引に(枷は最大限に注意して)壊して外す。
【友達催眠】の効果があれば、僕のことも少しは信じてもらえるだろうか?

【士気高揚】も併せて女の子達を勇気づけ、その上で【避難勧告】。
危険な場所を見極めながら、女の子達の先に立って施設から脱出する。
弱っている子やうまく歩けない子などがいる、もしくはより急げるなら【フライトドローン】で運んでいこう。


 志同じくすれば、往く道が重なるのも当然の事。
 囚われの少女たちの救出に向かう青年と少年は合流を果たし、そのまま連れ立って牢獄へと急ぐ。
 警備のゾルダートは尽く鉄屑と化して、その道すがら殆ど明らかとなった施設の全貌も共有されていれば、彼らの足取りには一切の無駄がない。
 自ら蹴散らした雑兵共の亡骸を越えて、程なく秘密工場の一区画へと飛び込んだ二人の前には……少女たちを繋ぐ鳥籠の如き牢が幾つも現れた。
「ここにいては危険です。逃げましょう!」
 霧宮・悠希(小さき復讐者・g02383)が迫り立てるように呼び掛けると、少女たちが一斉に此方を見やる。
 その瞳が尽く暗い色に染まっているのは、拐かされたが故か、それより前からなのか……。
「大丈夫、必ず助けます。僕がみんなを守ります……!」
「危険ですから、少し下がっていてくださいね」
 歯を噛む想いで絞り出す悠希に続けて、牢の一つへと近づいたトバリ・ナイトライト(透明の黄昏・g00064)が声掛ける。
 絶望や恐怖の全てを取り除けなくとも、まずは此方に敵意や害意がない事さえ伝われば良い。
 努めて穏やかな呼び掛けは【友達催眠】の効果とも相まって、一人の少女が頷きながら牢の端へと寄れば、同じ空間に囚われている娘たちも皆追随して隅の方で一塊になった。
 これならば牢の開放に多少手荒な真似をしても大丈夫だろう。
「安全に解錠したかったところですが……」
「そう悠長にはしていられないでしょう」
 唸る悠希が返答に首肯したのを見て、軽やかなステップを踏んだトバリは腕を振る。
 刹那、腕輪から顔を覗かせた刃が、牢を形成する鉄格子を硝子細工のように砕いた。
 ぱらぱらと音立てて散った破片を払い除けてやれば、其処に少女たちの脱出を阻むものはない。
「さぁ立って。もう危険なものは全て取り除きました。行きましょう」
 牢の中を覗き込むようにして、伸ばしたトバリの腕を小さな手が掴む。
「僕が守ります。安心してください」
 そう言って柔らかな笑みを見せる青年の姿は、少女たちにとって正しく白馬の騎士だったか。
 或いは誘惑的な振る舞いから“麗人”と映ったかもしれないが……それはさておいて。
 悠希も別の牢へと駆け寄り、少女たちを退かせると巨大な両手剣で鍵を叩き割る。
 ともすれば囚われの娘よりも年下であろう、そんな少年が見せた勇敢さはすぐさま伝播して、僅かながらに生気を取り戻した少女たちは自らの足で牢から出始めた――が、しかし。
 お兄ちゃん、と弱々しい声で縋り付くもっとも幼い娘の手足には、牢そのものと繋がった厳重な鉄枷が一組。
 虜囚となってから反抗でもしたのか、それとも泣き止まない事を咎められでもしたのか。
 何れにせよ、固く枷をかけられたままでは逃げられない。
「……絶対に動かないでください」
 一回限りでなく何度か念押しして、一つ息を吐いた悠希は両手剣を構える。
 他に考え得る手立てはない。
「――――ッ!」
 機兵を相手取る時よりも遥かに集中して、一撃。
 斬撃というよりか打撃に等しいそれが牢に音を響かせれば……目を丸くして佇む少女の傍らで、鉄枷は幾つかの欠片に分かれて転がり落ちた。
 途端、どっと吹き出した汗を拭ってまた一息吐く。同じ“壊す”でも、これほどまでに違いがあるのなら、まだ万の大軍相手に挑んでいた方が楽か。
 そんな事を考えているなどとは露知らずの少女が片腕にしがみついて来たところで、悠希は休息代わりの思案を止めて【フライトドローン】を呼び出す。
「しっかりと捕まっていてくださいね」
 抱え上げた少女を乗せて言えば、ドローンは緩やかに動き出して牢獄区画の外へと向かっていく。
 その誘導と護衛も疎かには出来ないが、少女たちを閉じ込めた鉄籠も未だ残っている。
 いっそドローンのように、悠希やトバリの身体も無数に増えてくれたなら悩まず済むのだが――。

「遅れました。これより任務を再開致します」
 期せずして現れた仲間に、二人は脱出の先導役を担うと告げて動き出す。
 道中も不安を抱かせぬようにと絶えず熱い言葉で勇気づけて進めば、トバリと悠希に率いられた少女たちは混乱を起こすこともなく、速やかに秘密工場を脱していった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【士気高揚】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【アクティベイト】がLV2になった!

ドナ・ゴーティエ
遅れました
これより任務を再開致します

口下手以前に私もサイボーグ故
存在自体、恐怖を与えてしまうやも知れません

友達催眠の恩恵を借り、一歩
――私を警戒するのは至極当然の事です
危害を加える意思はない事を示す為
戦槌は一旦床に置きましょう

…貴女方はどの様な時に幸せを感じますか?
私の場合は食事の時でしょうか
今まで様々な料理を口にしてきましたが
やはり祖国に勝るものはありません
…車窓から覗く光景に見惚れる事もありました
力と理不尽に塗れた世界ですが
それでも美しく、あたたかい
その世界を知らぬ侭、終って欲しくはないのです
真摯に、心からの言葉を送る

信用しなくとも構いません
私の願いは、此処から逃げて欲しい――それだけです


「遅れました。これより任務を再開致します」
 虜囚だらけの区画へと辿り着いたドナ・ゴーティエ(雷公・g04485)は、二人のディアボロスと入れ替わりで少女たちの解放に臨む。
 しかしドナ自身が一つ気がかりなのは、己が機人であること。
 おまけに饒舌とも縁遠いところに在ると自覚していれば、まだ年端も行かぬ娘子たちを怯えさせてしまうのではないか、との不安は拭えない。
 それを解決する手段は幾つかあるのだろうが、はてさてドクトル・マシーネとの戦端が未だ開かれていないとはいえ、如何ほどの猶予があるものか。断言するのは難しい。
 ならば簡潔かつ迅速な手段を以て然るべし。計算尺で寸分違わずの答えを導き出すようにして、ドナもまた残留効果の一つ【友達催眠】の恩恵に与りつつ事に当たる。
 決断したならば行動も早い。まだ娘たちが残る牢に向かって一歩――踏み出してから気づいた。
 携える戦鎚。力や破壊の象徴たるそれに、無辜の少女たちが威圧以外の感情を抱くだろうか。
 動くより先に思い至らない辺り、やはり己はまだまだなのだ……と、反省は後にして。
「……貴女方はどの様な時に幸せを感じますか?」
 得物を置いたドナは、そろりそろりと近づきながら問いかける。
 その真意を測りかねた少女たちが沈黙を守っていれば、鉄格子に迫ったドナはさらに言葉を継いで。
 語るは追想。祖国ドイツと他国の料理や、思わず見惚れてしまった車窓からの風景。
 力と理不尽に塗れた世界に在って、機人の自分でも感じられた美しさ、あたたかさ。
「それを知らぬ侭、終って欲しくはないのです」
 心からの言葉を締め括ってみれば、じっと聞いていた少女の一人が問う。
「……幸せ? そんなものが本当にあるの?」
 訝しむ眼差しが暗く沈んでいたのは、此処に囚われたからだけではあるまい。
 彼女たちを真に苛む絶望と恐怖、それは彼女たちが暮らしていた貧しさの窟に在るのだ。
 故に言葉ばかりでは信じられないのも致し方ない。たとえば今よりも昔のドナに「世界は幸せで満ちている」などと説いて、それをすんなり受け入れるものだろうか。
 とはいえ、このような場所で虜囚のまま終われば、もはや望みを持つ事さえ許されない。
「私の願いは、此処から逃げて欲しい――それだけです」
 希うドナが牢をこじ開ける。
 解き放たれた少女たちは言葉少なに、けれども明日へと生き延びる道に向かって、一歩ずつ進み出す。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【操作会得】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!

シル・ウィンディア
連れてこられたけど、どうしようかな?
ま、せっかくだから、招待していただいた変態さんに会いに行きますか。

こっちで気を惹けば…
とらわれている子を助ける隙ができるはずだよね

初めましてっ!
今日、ここに来たシルっていうの。よろしくねっ♪

そっちの子もかわいいけど、悲しい顔しているじゃない?
あなたとお話しするのに、怯え顔のままじゃ、ちょっともったいなくない?
この子が落ち着くまで、わたしとおしゃべりしないかな?
女の子が怯えたままじゃ…
あなたに微笑んでくれないよ?

女の子がかわいいのはわかるけど…
でも、そんなことばかりしていたら、変な噂がたっちゃうよ?

変態さんってね?
さて、それじゃ、変態さん退治行きますっ!!


 解放される少女たちを横目に、シル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)は如何すべきかと首傾げて。
「ま、せっかくだから会いに行きますか」
 決断するや牢獄を抜け出す。行き先は勿論、変態の待つ手術室だ。其処に囚われている娘は気に掛かる。
(「こっちで気を惹けば……助ける隙ができるはずだよね」)
 それを目的として既に動いている仲間も居ると聞く。
 ならば、人さらいから御墨付きを頂いた見た目が大いに役立つだろう。
 思考と表情を整えて、殊更、変態が好みそうな振る舞いに備えたシルは通路をひた走る。
 程なく現れた鉄扉を勢いのままに押し開けると、錆びついた台に向かって四本の腕を戦慄かせていた怪物が振り向いた。
「初めましてっ! 今日、ここに来たシルっていうの。よろしくねっ♪」
 血塗れの白衣にも怯まず愛想を振りまけば、暫し呆然としていた変態は“らしい”笑みを浮かべて向き直る。
 その肩越しに横たわる人の姿を認めて、シルはいじらしい素振りで訴えた。
「そっちの子もかわいいけど、悲しい顔しているじゃない? あなたとお話しするのに、怯え顔のままじゃ、ちょっともったいなくない?」
「……イヒ、イヒヒヒ!」
 何某かの返答として読み取るには難解過ぎる不気味な笑声。
 だが、敵が此方に興味を抱いている事は間違いない。
「その子が落ち着くまで、わたしとおしゃべりしないかな? 女の子が怯えたままじゃ……あなたに微笑んでくれないよ?」
 構わず言葉を継げば、ドクトルの背負う無影灯が此方を照らした。
 強烈な光に眩む目を庇おうと、翳した手の隙間から、じわりじわりと迫る人影が見える。
 心做しか息の荒いそれを更に刺激しようと僅かに思案して、シルは今日イチの可愛らしい仕草で告げた。
「女の子がかわいいのはわかるけど……こんなことばかりしていたら、変な噂がたっちゃうよ? 変態さんってね?」
「まァ随分と口が回りますねェ!」
 途端に声を荒らげたドクトルが機械鋸を勢いよく動かす。
「ワタクシ、一丁前のコトをヌカすクソガキはダァァイキラァイ! でも可愛らしい少女はダァイスキ! デスから先に貴女のノーミソを弄ってお人形さんにしてあげまショウ!」
 いやはや変態に可愛らしいと言われても嬉しくはないが、事態は望む方向に進んでいる。
「それじゃ、変態さん退治行きますっ!!」
 勇んでシルが構えた――その瞬間、それは現れた。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【エアライド】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV4になった!

長月・夜永
水葵くん(g00080)とチームで参加

(※)作業部屋――手術室へ潜入
エリーゼちゃんの救出を行います

【パラドクス通信】で内部の仲間と
情報交換の後、コチラの作戦を伝えておきます

ボクの【忍法・影渡り】で
水葵くんを
影の中の異空間に招き入れて
ぱぱっと工場内部へ一緒に潜入

とぷんっ、、、
(影から顔を出して周囲を伺い)

よしよし潜入成功♪
さてと、シノビますかぁ♪

扉の鍵とかは
武器改造や発明でどんどん解除

忍び足と暗殺を使い気配を消しつつ
物音を立てずに静かに忍びより

お疲れ様♪ゴキッ♪

手際よく一般警備を無力化しつつ
また優しく質問(脅迫)して
手術室の場所や必要な情報を聞き出し手術室に向います

水葵くん♪
撹乱は任せるね♪


丹尾・水葵
夜永(g03735)と一緒に参加

秘密工場に潜入して敵の足止めと人質の救出だね
夜永の忍者の技、実際に見るのは初めてだ♪

囮作戦の人たちの後をつけたり【パラドクス通信】を拾って秘密工場の場所を確認
夜永に付いて侵入したらこっそりと、けどわくわくと楽しそうに真似して忍び

手術室に到着したら≪クリエイティブモード≫!お任せあれっ♪
手術室も秘密工場内もでたらめめちゃくちゃに書き換え【迷宮化】して、
爆破や呪詛、不意打ちのあれこれトラップにエネミーを配置してドクトルの足止め
併せて脱出や仲間の移動用に安全で最短なルートも造っちゃお!後はまっすぐ走るだけ
迷宮の正しいルートや構造は【パラドクス通信】で仲間に伝達するよ


 時は少しばかり遡って。
 工場の一角を覆う影に、とぷん、と水面を破るような形で人の頭が半分ばかり現れた。
 夜闇に煌めく金瞳で頻りに周囲の様子を窺って、程なく敵対する者がいないと見るや、そのまま這い上がるようにして出てきたのは……長月・夜永(は普通の女のコである・g03735)だ。
「よしよし潜入成功♪」
 したり顔で呟けば、傍らで丹尾・水葵(小悪魔ハッカー・g00080)が無音の拍手を送る。
「夜永の忍者の技、実際に見るのは初めてだ♪」
「ふふんっ♪」
 どうだ凄いだろう、と言わんばかりに胸を張る夜永だが、まだまだ作戦は序の口。
「さてと、シノビますかぁ♪」
「おー♪」
 まるで遊びにでも出掛けるかのような雰囲気の二人は、連れ立ってドクトル・マシーネの秘密工場へと忍び込む。
 その目的、目指すところは【パラドクス通信】にて周知していたからか、内部には障害らしい障害も見当たらない。
 警備の類の排斥は、それを主目的とするディアボロスたちによって順調に進められているのだろう。
 それでも幸か不幸か、未だ打ち倒されていなかった機兵の1体や2体くらいであれば、夜永が密やかに背後を取って一片の慈悲も躊躇いもなく首を折る。
 惨劇を目の当たりにした水葵は……恐れ慄くどころか、またにこやかな表情で無音の喝采を贈るのだから、二人とも随分と肝が座っていると言う他にない。
 もっとも、そうでなければ事件の首謀者が待つ最奥まで侵入しようなどとは思わないのだろうが、それはさておき。
 非の打ち所のない手際であっても、隠密や慎重を尊べば最速は得難い。施設内を進む二人は、目的地たるドクトル・マシーネの手術室を目前にしたところで、僅かに先んじる人影を目に留めた。
 青髪の少女だ。それは勢いよく鉄扉を押し開け、果敢に乗り込んでいく。
「……水葵くん♪」
「タイミングばっちり、だね♪」
 自ずから死地に足を踏み入れた少女を、ドクトル・マシーネが無視する事はないだろう。
 ならば、それは機械化手術の直前であった娘子の救出に好都合のはず。
「撹乱は任せるね♪」
「お任せあれっ♪」
 密やかに声弾ませて、二人は鉄扉へと張り付くと暫し様子を窺う。

 そして程なく。
 ドクトル・マシーネが完全に青髪の少女へと狙いを定めたところで、まず先に室内へと踏み込んだのは水葵。
「僕の世界で、いっぱい遊んでいってね♪」
 乱入した己自身を見せつけるかのように宣えば、途端に始まった世界の改竄が手術室から工場の出入口までを迷宮へと作り変えていく。
 その最中に、夜永は錆びついた手術台へと駆け寄って。
 寝かされていた娘――エリーゼの拘束を解いて担ぎ上げるや否や、今度は一転、脱兎の如く逃げ出す。
 手術室の外はすっかり景色が変わっていたが、それに戸惑いを覚えるのはディアボロスたちの『敵』だけ。
 迷いなく駆け抜けていけば、白衣の怪物から悠々逃れた二人はエリーゼと共に無事、施設を脱出する事が出来た。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
【迷宮化】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!
【反撃アップ】LV1が発生!

相原・相真
金刺・鞆さんと協力

工場へ侵入し、
金刺さんの発信機をたどって牢へ([発明][追跡])
必要があれば他の方と合流し案内
鍵は手早く[破壊]して牢を開けていきます
「遅くなりました。…怪我などは、していないですか?」
金刺さん含め皆を確認
敵の様子から大丈夫だとは思うけど、
必要なら手当を

動けない人には手を貸し脱出
一般人の警備などがいたらパラドクスで脅かして外に出させます

質問には
「大丈夫、ちゃんとお金は渡せましたから。あの子は売られたりしませんよ」とだけ
俺たちはすぐに全ては救えない。
だから、目の前の出来る事をしましょう。一歩ずつ。

脱出したら他の皆さんに連絡
脱出は完了です。思いっきり、ぶっ飛ばしてやってください。


金刺・鞆
相原さま(g01549)と協力、です。

発信機、ある、ゆえ。相原さま、牢にたどり着きやすくなるでしょうか。場は離れず、なれど。己の牢は【怪力無双】で破壊しておきましょう。むん。

鍵を探し、開けるより、壊すほうが速ければ、他も同様に。娘ら、怖がらせぬよう。残留、【友達催眠】用いて、励まします。拐われた娘には、帰ろう、と。……売られた娘には、生きるのだ、と。
幼い娘子ばかりなれば、各々逃げよというのも酷でしょう。動けぬ娘、あらば。【フライトドローン】乗せてみる、です?

相原さま、あの子は、売られずに済みましたか……?
応えに、安堵。……なれど、貧しさにあえぐもの、まだ、多く。
なにか、できないでしょうか……。


 牢獄と呼ぶべき区画も、俄に迷宮の一部へと変化して。
 その景色と解放されていく少女たちとを交互に見やった金刺・鞆(虚氏の仔・g03964)は、牢の端から立ち上がると鉄格子に近寄っていく。
(「相原さま、そろそろ、たどり着く、頃でしょうか」)
 ならば、此方も脱出の算段をつけておくべきだろう。
「……何してるの?」
 端から見ればぼうっと立ち尽くしているように映ったのか、鞆よりも確実に年上であろう少女が声掛けてきた。
 救助が進んでいるのに表情が暗いのは、囚われている間に恐怖が染み付いてしまったのか。
 それとも解放された後の事を憂いているのか。
「皆で、帰りましょう」
「……帰るって、何処に?」
 探るような呟きには変わらず不安の声が返ってくる。
 ――成程、つまり彼女は“後者”なのだ。帰るべき家から排斥されてしまった、哀れな娘。
 けれど、それを知ったところで今のディアボロスたちに出来る事はない。
 友のように振る舞って励ますくらいが精一杯だ。
「……生きるのです」
 半ば希うように呟いて、鞆は鬱屈とした想いを両腕に込めた。
 途端、鉄格子を形作る棒の一本が引っこ抜けるようにして取り外される。
 牢を内から破るのなら実力行使、力技に出るのが最も手っ取り早い。
 鞆の策は単純明快であるが故に却って奇術じみた光景を生んで、少女から暫し言葉を奪った。

 まさかそんなところに出会すとは思ってもいなかったに違いない。
 発信機を頼りに駆けつけて、怪我はないかと尋ねようとした相原・相真(人間のガジェッティア・g01549)もまた、暫く目を瞬かせた。
「相原さま」
 そう呼ぶ声で我に返れば、一面の格子を完全に取り払われた牢から鞆がひょいと飛び出してくる。
「怪我はないようですね」
「はい。鞆は、この通り、無事です」
 むん、と健在であることを訴える仕草からして案じるところはなさそうだ。
 強いて言えば、人さらいに捕らえられた際、縛り上げられた腕が仄かに赤らんでいるくらいか。
「しかし……」
 ちらりと振り返った鞆の視線を追えば、牢の中には些か衰弱した娘の姿も見受けられる。
 虜囚の立場で精神を擦り減らしてしまったのだろう。
 そんな少女を自力で立たせても、無事に逃げられるとは思えない。
 如何すべきか……と、思案する相真の内心を見透かしたかのように、鞆は再び口を開いて。
「これに、乗せて、みます、です?」
 言うが早いか、幾つもの【フライトドローン】を喚び出す。
 成程、それならば制御はディアボロス側で行えるし、少女たちは乗っているだけで済む。
 まして考える時間も惜しいところ、他に良い手が思いつく訳でもなし。
「そうしましょう。俺があの子たちを乗せるので、金刺さんはドローンに命令を」
「わかりました、です」
 頷いた鞆がドローンを一所に集めたのを見やり、相真は残る牢から次々に少女たちを担ぎ出す。

 その作業が一段落してしまえば、あとは先んじて脱出を始めた者たちにドローンを追随させるだけ。
 未だ安堵するには早いと分かっていても、少女たちの完全救出も見えてくると自然に吐息が漏れて。
 それを良い機会と見たか、鞆はずっと気がかりであった事を問う。
「相原さま、あの子は、売られずに済みましたか……?」
「大丈夫、ちゃんとお金は渡せましたから。あの子は売られたりしませんよ」
 言葉に閊えたり、何か物思いに耽るようなところがあれば鞆も訝しむかもしれない。
 結末を知る相真は平静を装って答える。見たままを述べただけだから、其処に偽りはない。
「そう、ですか……」
 ほっと胸を撫で下ろすような鞆を見ていれば心にチクリと刺さるものもあったが、その痛みは相真だけが知り得るものであればよいのだ。何もかもを詳らかにするのが、必ずしも最善最良という訳ではない。
 何より問題の根本が未解決であるのは、言わずとも知れた事。
「なにか、できないでしょうか……」
 貧民街の風景を想起して呟く鞆。
「……出来る事をしましょう。一歩ずつ」
 答えた相真は【パラドクス通信】の小型通信機を手に取り、呼びかける。
「脱出作業は完了です。思いっきり、ぶっ飛ばしてやってください」
 後はドクトル・マシーネを撃破するだけだ。
 それこそが、今しがた相真の述べた一歩になるだろう。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【フライトドローン】がLV2になった!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV5(最大)になった!
【能力値アップ】がLV2になった!

シル・ウィンディア
ふふ、それじゃね、わたしと遊んでね、変態さんっ!!
簡単に、触らせてあげないからっ!

ネメシスモード発動っ!
薄い青いオーラが体を包み、背中には2対の光の翼が発現します

左手に精霊剣を持って…
ダッシュで懐に潜り込んでからの斬撃っ!
そのまま、残像を生みつつエアライドとジャンプを駆使して離脱っ!

そのまま、飛翔とエアライドでの三次元機動を心掛けて
攪乱しつつ、斬りつけていくね

敵の攻撃はオーラ操作と結界術で強化した精霊結界で緊急防御しつつ…
高速詠唱で隙を減らしつつ…
全力魔法での、精霊収束砲っ!

これが、わたしの全部…
さぁ、遠慮せずに受け取ってっ!!

撃った後はネメシスモードを解除
さ、さすがに、このモードはしんどい…


「ふふ、それじゃね、わたしと遊んでね、変態さんっ!!」
 舐め回すような目つきに向かって言い放てば、けたたましい音を鳴らして機械鋸が迫った。
 それをひらりと軽快な動きで躱して。
「簡単に、触らせてあげないからっ!」
 尚も挑発じみた台詞を浴びせながら、シル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)は己が身に秘めた力を解き放つ。
「……ンン、ンンッ!?」
 何か言葉を詰まらせるドクトル・マシーネの前で、シルの背に広がったのは二対の光翼。
 全身を包むように薄青のオーラも迸り、左手に握る淡青の細剣が無影灯の光を受けて煌めく。
「ンンン、美しいィ!!」
「あなたに褒められても嬉しくないってば!」
 言い返すよりも先に動いた身体は疾風の如く敵の懐へと飛び込んで、細剣が横薙ぎに振るわれた。
 しかし、一撃で首を刎ねるかとさえ思えた鋭い斬撃を、ドクトルは右後腕に備える山刀じみた刃物の束で受け止めて。
 矢継ぎ早に繰り出す反撃の左前腕、注射器と化した指がシルの首を深々と穿く。
「イヒヒヒヒ!! さァ、手術の時間デ……」
 もはや興奮を抑えきれぬとばかりに叫ぶ最中、仕留めたはずの青髪が瞬く間に消え失せた。
 注射針には血の一滴すら残らず。何もかもが幻、残像であったのだと理解した頃には、天井すれすれにまで飛び上がっていたシルが落下の勢いに任せて再び襲い来る。
「しかァし! 落ちてくるだけなら如何様にでもなりマス!」
 ドクトルは雑多な得物を手招きするように動かして――此処だと一纏めに振るえば、それらは尽く空を裂いた。
 シルの身体が不思議と宙で弾んだのだ。自然ではあり得ない現象に翻弄されたのも束の間、鎌鼬の如き猛烈な斬撃が降り注ぎ、四腕全てを防御に転換したドクトルを一気に押しやって。
 開いた間合い、生まれた僅かな時間に、シルは全力を注ぎ込む。
「これがわたしの全部……さぁ、遠慮せずに受け取ってっ!!」
 果敢に吼えた相手へと放つのは、火水風土を一つに束ねた力。
 ドクトルの姿は一時、眩い輝きの中へと消えて……それを見据えたまま、シルはその場にへたり込む。
「さ、さすがに、しんどい……」
 息も絶え絶えの有様は反撃の絶好機。
 ……であったが、しかし光から這い出てきたドクトル・マシーネには、それを為す余力などなかった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!

霧宮・悠希
・トバリさん(g00064)と共闘希望

「行きましょう、トバリさん」

邪魔なものは倒した。女の子達はどうにか救出した。
後は――。

「執行人」と「狩人」、2種類の得物を携えて敵のもとへ。
敵の異様な外見、言動。……そんなもの何の意味も無い。
あれは怒りを、衝動を、――狂気を。思い切りぶつけて叩き壊すべき相手(エモノ)だ。

『超高速戦闘』。限られた空間でもやりようはある!
【飛翔】と【エアライド】の組み合わせ。地を蹴り宙を蹴り、滑るように高速移動しながら狩人の機関砲を叩き込む。
接近戦? 望むところだ。

「――やかましい。
 お前の番が来ただけだ!」

狩人を持つ左腕を引き換えにしてでも。執行人で貫いて、引き裂いてやる!


トバリ・ナイトライト
霧宮・悠希(小さき復讐者・g02383)さんと共闘希望

「えぇ、悠希さん」

最後はこの悪趣味な宴の主を壊すだけ
悠希さんの感じる怒りを、僕も静かに肯定します

僕は最初から接近戦。悠希さんの機関砲射撃とともに、一気に接近戦を仕掛けましょう
【エアライド】で跳び回り、相手のノコギリやメス等を回避

「解体の仕方なら、僕にも少し心得がありましてね」
そう言い、デストロイスマッシュを放ちます
腕輪の隠しナイフを関節に刺し入れ、破壊の念動力を流す
使ったのはほんの僅かな力、ですが、その肉体は崩れるでしょう

「しかし、女性に対する価値観は……どうやらまったく反りが合いませんね。まぁ、合ったところでお友達にはなりませんが、ね」


 敵は凄まじい光砲に出鼻を挫かれた。
 此処は一気に攻勢を強め、畳み掛けていくべきだろう。
「行きましょう、トバリさん」
「えぇ、悠希さん」
 声を掛け合い、得物構えて、霧宮・悠希(小さき復讐者・g02383)とトバリ・ナイトライト(透明の黄昏・g00064)はドクトル・マシーネに襲い掛かる。
 加減も容赦もない。この悪趣味な秘密工場を一通り巡って、首魁の元へと辿り着いた彼らは断罪を為さんとする怒りで満ちている。
 それを詳らかにするように、床を蹴って猛然と迫る悠希が差し向けたのは、大型複合兵器“狩人”に組み込まれた30mm機関砲。
「ヒィィ!!」
 備品も内壁も構わず蜂の巣にしていく弾丸の雨など、真正面から立ち向かえるものではない。
 未だ態勢を立て直す途中のドクトルは無様にも這うような姿で逃げて、その醜態に悠希の怒りがより一層激しく燃え盛れば……翻って密やかに、そして軽やかに迫るのはトバリ。
「――ッ!?」
「お友達になるつもりなんて最初からありませんが……しかしまぁ、こと女性に対する価値観はまったく反りが合いませんね」
 行く手を阻まれて驚愕する敵に呟けば、反論ではなく反撃の刃が閃いた――が、しかし。
「解体の仕方なら、僕にも少し心得がありましてね」
 機先を制して片肩に拳を打つ。
 単なる殴打か。否、それは腕を飾る輪から伸ばした刃に、破壊の力と化した怒りを乗せて刺し込む一撃。
 一瞬の静寂の後、戦場である手術室には、四腕の一つを力なく垂らしたドクトルの悍ましい悲鳴が響く。
「あああ、ワタクシの腕、腕がァ!!」
「――やかましい。お前の番が来ただけだ!」
 吼えて迫る悠希の脳裏には、この部屋にて行われたであろう非道外道の数々が過る。
 無辜の少女たちが泣き叫んでいた時、果たして白衣の鬼畜は如何なる感情を抱いていたか。
 同情? 憐憫? いいや、違う。それが感じていたのは、幼気な娘の柔肉を切り裂く事への悦楽。
 断じて許せるものではない。
「引き裂いてやる!」
 溢れる怒り、衝動……もはや狂気と呼ぶに相応しいそれに身を任せて、悠希は“執行人”を持つ右手を振り上げた。
 刹那。
「だァからクソガキはダァイキラァイなんですヨォ!!!」
 痛みや恐怖でなく、苛立ちで声を震わせたドクトルの腕の一つから何かが閃く。
 それが鋼糸であると気づいた頃には、身を庇うように差し出した左腕が身体と縫い合わせられた。
 ――けれど、たかがそれしき。悠希を押し止めるには弱すぎる。
 痛みも滴る血も放り捨てて、叩き落とすように刃を振れば……ドクトルの背負う無影灯ごと四腕の一つが千切れ飛んで、手術室にはまたしても悍ましい絶叫が轟いた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【飛翔】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!

白水・蛍
アドリブ、連携歓迎
「後はあなただけですね。お覚悟を」
 捕らわれた人々を助け出す為にも、決して許すわけには参りません!

敵のWIZのパラドクスに先んじて【パラドクス】を使用し、ダメージを与えます。
接近戦の《ソードハープ》と遠距離の《妖弓琴》を使い分け、位置取りを変えつつ敵を翻弄。味方のための隙を作ります。
そのため、他の方との連携を重視し援護いたします。
ある程度のダメージはやむを得ないものとしますが、他のディアボロスを不利にするような行動はいたしません。


ドナ・ゴーティエ
狂気に堕ちた哀れなる科学者に、救済を
御覚悟は宜しいか――参ります

戦槌のリーチを保ちつつ、極力距離を取って対峙
攻撃時、霹靂の出力を上昇させ、目眩しも兼ねます
一瞬でも隙を作りさえすれば一時撤退が可能
…等と、過度の慢心は致しません
特に手術糸には最大の警戒を
幸い、私の足は既に機械化した後です
故にこそ…脚部で蹴り上げる等して妨害を試みます
回避に努める所存ですが…肉体を縫合されたならば?
抜糸――否、怪力無双で乱暴に引き剥がした方が早いでしょうか
御安心下さい、忍耐力には自信があります

常に、敵の動きを注意深く観察しつつ
他の復讐者が死角より狙われぬよう連携は密に
勝敗を決したとして普段せず
帰る迄が任務と申します故


 光砲に灼かれた後、腕を一つ切り落とされて。
 些か痛々しい姿となったドクトル・マシーネではあるが、しかし攻勢を緩める理由などない。
「お覚悟を」
 片刃の刀を手に迫った白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)が言の葉を綴る。
 程なく凱歌となったそれが紡ぐのは、未来への希望。
 歴史侵略者たるドクトルには耳障りで仕方ないだろう。
「これだから年増もクソガキと同じくらいイヤなんですヨォ!!」
「……は?」
 そんな呼び方をされるほど歳は重ねていない。
 然しもの蛍も片眉をぴくりとさせれば、その瞬間を狙って閃いたのは小さな光の刃。
 投げつけるというよりか、もはや射出に近い形で放たれたそれは、刀持つ蛍の腕を切りつけて過ぎる。
「アナタたちみたいなのはお呼びでないって言ってるんデス!」
 尚も吼えて、今度は注射器型の手が襲い来る。
 けれども。
 蛍を捉えたかと思えた針の束は、忽然と差し込まれた鉄塊に弾かれた。
 ドクトルが舌打ち混じりに間合いを取る。そうして出来た空間に身を割り込ませて、ドナ・ゴーティエ(雷公・g04485)が僅かに振り返れば、蛍からは大事なしと小さな頷きが返った。
 ならば、意識は敵に集中させて良し。
「――参ります」
 呟く事でスイッチを入れたかのように、ドナは猛然とドクトルに襲い掛かる。
 無論、優位を盲信して無謀な突撃を仕掛ける訳ではない。長柄の戦鎚を活かして、敵の間合いの外から攻めつつ、必殺の一撃を叩き入れる瞬間を見定める。
 それを援護するように、刃を琴に見立てた弓へと持ち替えた蛍が次々と矢を射掛ければ。
 作り出された一瞬の隙に踏み込んで、ドナが戦鎚を振り降ろす。
 渾身の一打は眩く閃き、その輝きに視界を奪われたドクトルは全ての腕を守りに傾けようとしたが……僅か三本ばかりの腕で庇い立てたくらいでは、鎚の破壊力に対してまるで意味など無い。
 攻勢にはさらなる攻勢を以て抗うべし。イカれた頭脳で瞬く間に弾き出せば、迅雷の如き一撃を上回る疾さで伸びた鋼糸がドナの身体を絡め取る。
 まるで縫合されてしまったかのように身動きも取れなくなれば、戦鎚を振る事も叶わない。
 一先ず危機は去ったかと、ドクトルは安堵の吐息を一つ漏らした――が、それも束の間。
 傷つくことも厭わず、ドナは自身を縛る鋼糸を破り捨てる。
 その怪力……否、驚愕すべきは忍耐力の方か。何れにせよ機械の身体であればこその出来事には違いないが、ともかく。
 いとも容易く行われた反抗を、ドクトルは呆然として眺める以外になく。
 その視界で再び閃光が瞬けば、振り降ろされた戦鎚が今度こそドクトルを打ちのめした。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【プラチナチケット】LV1が発生!
【操作会得】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【先行率アップ】がLV3になった!

金刺・鞆
改造部屋に囚われた娘も、無事助けられたのですね。なれば、心置きなく戦えるというもの。このいくさ、勝って一歩を踏み出しましょう。……その他の手立てを考えるは、それから、です。

用いるは、『鬼神変』。襤褸を着たままでしたから、裾を気にせず動けそう、です。
肉体改造。黒き腕、大きく、重く、叩きつけるに……破壊に適するかたちに変じて。背の怪腕、もろとも圧し折ってしまいましょう。
ともは、此度未だいくさの消耗なく。なれば、致命の傷だけ、避ければよい。

買い手消える、なれば。売り買いは減る、です。されど、職に、食にありつけるわけでは、ない。
貧民街、改善できたら。どいつの増兵、とめられる?
抗力たりうる、でしょうか。


相原・相真
「ぶっ飛ばしてやってください」とは言ったけど、
丸任せというのも嫌ですね
俺も一発くらい喰らわせにいってみましょうか

デモニックボムを使用し[誘導弾]での精密攻撃
牽制・援護を意識して動いていきます

敵からの攻撃は魔力障壁を使い防御
気持ちで負ければどうにもならない([勇気])
ビビらずしっかり敵の攻撃を見極め、
回避や逸らして受けて最低限のダメージに抑えます

無事倒せたなら一安心
これも一歩
小さくとも確かな一歩
…そう信じて、進むしかないですね。俺たちは

アドリブ・他の方との絡みは歓迎です


 虜囚の娘たちを見た仲間の怒りは凄まじく。
 それは彼女たちを解放した今でも留まることなく、ドクトル・マシーネを追い立てる原動力となっていた。
 このまま任せてもいずれ、白衣の鬼畜は敗れ去るに違いない。……しかし。
「人任せというのも嫌ですね」
 非道に怒りを抱いたのは、相原・相真(人間のガジェッティア・g01549)とて同じ。
 ならば全てが終わる前に一発くらい喰らわせておくべきだろう。
「このいくさ、勝って一歩を踏み出しましょう」
 金刺・鞆(虚氏の仔・g03964)も気合に満ちているのか、片腕挙げて「むん」と唸る。
 その姿を見た満身創痍のドクトルは、片目の赤い光を強めながら叫んだ。
「ンンンンッ!! また何とも可愛らしい娘ッ! せめて貴女だけでも改造して差し上げまショウ!」
 この期に及んで、とは誰しもが思うところ。
 相真も例外ではなく、無意識に一歩踏み出して鞆を庇う。まだ直接の危害が及んでいなくとも、背に置いた少女が同じディアボロスであっても、あの奇異で不躾で不埒で気色悪い視線に女子の身を晒してはならないと思うのだ。
 相対してみれば恐ろしさも感じるが、しかし此処に至って気持ちで負けるわけにはいかない。
 非道に終止符を打つのだと強く思い直せば、闘志はコウモリの如き姿の“悪魔爆弾”に成り代わって、ドクトルへと襲い掛かった。
 それも一つ二つであれば躱すなり撃ち落とすなり出来るだろうが、殆ど群れと呼んで差し支えない量で迫ってきたなら、逃れる術はない。
 ドクトルに集るコウモリたちは次々に爆ぜて――その爆発の中で何かが閃いたと認識した矢先、幾つかの光の小刃が相真の身体を貫いた。
「……っ」
 反撃への対策として張っていた魔力の障壁を物ともしないのだから、如何に異常な振る舞いを繰り返していたとしても、やはり相手はアヴァタール級クロノヴェーダという事か。
 さりとて気圧されてはならない。敵を確りと見据えて次撃に備えつつ、相真は尚も悪魔爆弾をけしかける。

 それが牽制、或いは目眩ましとして充分に働いていれば、間合いを詰める隙と時間くらいは得られるというもの。
 囚われの娘たちを解放して後顧の憂いもなく、戦いに集中する鞆が仕掛けるのは――鬼の血によって黒く大きく変貌した腕での、極めて単純であるが故に恐ろしい殴打。
 破壊という目的を成し遂げる為だけのそれは、少女の面に相応しいものではない。
 必然、爆炎の隙間にそれを垣間見たドクトルは叫んだ。恐怖からではなく、愛らしい少女の価値を貶められる事を嫌って。
「アアア……いけませン! そんなものは今すぐに切り落とさなければッ!」
 ドクトルにまだ残されていた腕の一つで、山刀の如き刃が煌めく。
 けれど、それが振り下ろされるよりも早く異形の巨腕は襲い掛かった。
 みすぼらしい襤褸の服も、却って機敏な動きを引き立てる道具となったのだろう。諸共圧し折ろうとする黒腕によって三本の腕は拉げ、その凄まじい膂力に任せてドクトル自身をも圧砕していく。
「ギャ――」
 断末魔は短く、羽虫のように潰された跡には、油のようなものが滲み出して広がった。
 その中には僅か鮮血も入り混じっていたが……此処に至るまで大した消耗もない鞆は、致命傷と程遠い腕の傷から淡々とメスを引き抜いて、手術室の端へと放り捨てた。

 それが床を跳ねて、乾いた音を立てるのと同時に。
 秘密工場全体が激しく揺れ始めた。ドクトル・マシーネが果てた事で、この忌まわしい施設も終焉を迎えようとしてるのだ。ディアボロスたちは急ぎ、その場を離れていく。
「……小さくとも確かな一歩だと、そう信じて進むしかないですね」
 脱出の最中、相真がぽつりと呟いたのは、この勝利も対症療法的なものでしか無いと痛感しているからだろう。
 囚われの少女たちはドクトル・マシーネの脅威から一先ず救出されたが、しかし事件の根本的な原因となった部分から解放された訳ではない。
「貧民街、改善できたら。どいつの増兵、とめられる?」
 鞆が思うがままを口にする。
 決して容易ではない事だとは当の本人も自覚するところだろうが――それくらいを為す気概が、クロノヴェーダから歴史を取り戻す戦いには必要となるのだろう。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【怪力無双】がLV2になった!
【フライトドローン】がLV3になった!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!

最終結果:成功

完成日2021年10月02日