正義の陰陽師の事件

 平安鬼妖地獄変ディヴィジョンの陰陽師は、クロノヴェーダに利用され、人々に偽りの希望を与える道具とされています。
 しかし、陰陽師の中には、そのクロノヴェーダの思惑を知らず、自らの正義に従って人々を守っているものも少なくありません。
 この正義の陰陽師の一部が、都の外の妖怪を滅ぼして、人々を救おうと活動し始めました。
 当然、本物のクロノヴェーダには敵わず殺されてしまうので、彼らを助けてクロノヴェーダを撃破してください。
 正義の陰陽師を助ける事で、新たな局面が開かれるかもしれません。

鬼の蔓延る世に平穏なし(作者 ハル
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#平安鬼妖地獄変  #正義の陰陽師の事件  #陰陽師 


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 京の都から一歩でも離れれば、そこは悪鬼羅刹の蔓延る地獄絵図。
 だが、そんな荒廃した外の世を救おうと、一人の女が立ち上がる。

 漆黒の長髪が夜空に溶けていた。
 その黒髪の持ち主は、妙齢の美女。
 陰陽師特有の格好をしている事から、恐らくは彼女もその類なのであろう。
「愛する我が子の未来の為、夫の為、隣人の為、世の為に。私はあなたを生かしておく事はできません!」
 彼女の眼光には、決死の色があった。
 それもそのはず。彼女が相対しているのは、紛れもない鬼であったのだから。
「クッ、ククククク……」
 鬼は嗤う。その鬼――紅鬼斬王丸にとって、女の恐怖を肌身で感じる事は、これ以上ない至福ゆえに。
「…………愚かな女だとお思いでしょうね。人の恐怖に愉悦を覚えるあなたにとっては、なおさらに。自ら死地に赴いた女が、その実、恐怖に慄いているのですから。ですが、私は恐怖を恥だとは思いません。恐怖は、私が人である証なのですから!」
 ――急急如律令!
 女が符を掲げると、彼女の影が形を自在に変化させ、鬼に襲い掛かった。
 が、鬼は口元に浮かべた愉悦の嗤いを止める所か、さらに深める。
「アァ、実に愛いナ、人間ヨ。恐怖は人の証カ。道理ダ。だからこソ、我も楽しめルというもノ」
 女の影は鬼には通用せず、逆に女の四肢が宙を舞っていた。
 京の外の夜空を絶叫が満たす。
 鬼は自身を護衛するように控える河童と共に、女が死ぬまでジックリと弄んだ。


「御機嫌好う、皆様。カトリーヌ・ルロワでございます! 早速でございますが、平安鬼妖地獄変のディヴィジョンで起こった事件について、説明させて頂きたく思いますの」
 カトリーヌ・ルロワ(自称元貴族のレジスタンス諜報員・g03291)は笑顔で挨拶を終えると、すぐにその表情を引き締めた。彼女は新宿駅に集ったディアボロスの顔を軽く眺めると、心強さを感じたのか、僅かに口元を緩め、説明を続ける。
「皆様に向かって頂きたいのは、さっきも告げた通り、平安鬼妖地獄変のディヴィジョンです。妖怪と戦う武士や陰陽師が存在しているディヴィジョンですわね」
 ちなみに、過去の歴史のディアボロス達は、クロノヴェーダによって全滅させられ、その存在が無かったものとされている。そのため、現在このディヴィジョンで活躍している武士や陰陽師は、ディアボロスでは無い。
「では、何故彼ら、武士や陰陽師の存在がクロノヴェーダに許されているかと申しますと、武士や陰陽師が、人々をより絶望させる為に必要な『仮初の希望』として用意された存在だからですの」
 まして、武士や陰陽師はパラドクスを行使できない。クロノヴェーダにとってみれば、実質的には無害に近い存在だ。武士や陰陽師が勝利を得られるのは、クロノヴェーダがわざと負けたふりをして撤退した時だけとなる。
「クロノヴェーダの脅威にはならず、その一方では人々が一縷の希望を託す存在。それが、武士や陰陽師達です。クロノヴェーダにとって、いかに都合の良い存在か、お分かりになられるでしょう?」
 だが、上手く立ち回れる武士や陰陽師の中には、このカラクリに気づいている者もいる。
「そんな方々は、現状、クロノヴェーダの意向に沿うように活動している者が多いようです。しかし、中には本当に『人々の為に鬼や妖怪を滅ぼしてやる』……そういった考えに至っている者もいるという話ですわ。……勇敢であるというか、なんというか……」
 ディアボロスからしてみれば気持ちには強く共感できるが、何分、力が足りないという大きすぎる問題がある。
「そして、こうした鬼や妖怪に対する強い敵意を抱いた陰陽師の一人――春子という女性が、荒廃した都の外の人々を救うために、クロノヴェーダに戦いを挑もうとしていますの。ですが、皆様もお察しの通り、春子嬢がクロノヴェーダを撃破する可能性は皆無でございまして……春子嬢は無残に殺された上、彼女が守ろうとした人々にも被害が出るのは避けられません」
 ディアボロスには、この悲惨な事件を阻止して欲しい。
「春子嬢を、そして彼女が守ろうとしている命を救うため、皆様のお力をお貸しして欲しいのです」


「皆様がパラドクストレインで現場に到着した頃には、春子嬢と鬼との戦闘が始まっておりますの。ですので、皆様は春子嬢を守りながら、クロノヴェーダと戦う事になります」
 春子が無謀な行動をすれば守り切れるものも守り切れない。ディアボロスが敵だと誤認されると、その可能性はさらに高くなってしまう。
「まずは春子嬢に声をかけ、皆様が春子嬢の味方であると説明する必要がありますわ。幸い、春子嬢は使命感は強いものの、ある程度の分別はつくお方のようです。春子嬢を守り、援護しつつ言葉を交せば、信用してもらうのにそう時間はかからないでしょう。信用して頂ければ、皆様の指示も聞いてくださるはずですわ」
 鬼や配下の河童との戦闘で春子が傷つかないように補助しつつ、信用を得る必要がある。
 気絶させて強引に撤退させるという手法も命を助ける上では有効だが、その場合は春子がディアボロスに対して敵意を抱いてしまう事を避けられない。
「ただ皆様の力で普通に解決しただけでは、春子嬢の人々を救いたいという熱意の火が消えてしまいます。戦力差や無力感に苛まれ、心が折れてしまうのです」
 春子の抱く心情、使命感自体は、極めて尊いものだ。今後を見据えるなら、絶やすのは惜しい。
「そうさせない為に、皆様が敵の動きを止めるなどのお膳立てをした上で、春子嬢にクロノヴェーダへとダメージを与えられるよう状況を整えてあげるという選択もありでしょうか。もちろん、危険性の高い紅鬼斬王丸を相手どる必要はございません。多数いる河童の内の一体で十分ですので」
 これは、必須ではない。だが、希望ある未来を引き寄せる可能性は、高くなるかもしれない。
「河童は紅鬼斬王丸の周囲に張り付いて護衛しています。無視して紅鬼斬王丸を集中狙いする事も可能ですが、その場合も河童の妨害は避けられないと思いますわ」
 そして、
「春子嬢と協力しつつ、河童を一網打尽にできれば、後は春子嬢の安全に気を配りながら紅鬼斬王丸を撃破するだけですわ!」

「これは推測ですが、クロノヴェーダが自分達が滅ぼした過去の歴史の陰陽師達に似せて、自分達の手駒としている存在こそが、この時代の陰陽師であるのかもしれませんわね」


「春子ー! 春子ーー!!」
 都で、小さな子供を抱いた一人の男が大騒ぎしていた。
 男の手には、一通の文。

 内容は、
『子供の未来を、そして失われた京の外の未来を取り戻してみせます。すぐに帰って参りますので、ご心配なきよう。愛しています、あなた』
 という一文。

 子供を抱いた男――春子の夫は、すぐにこの文を春子の陰陽師としての同僚に見せた。
「なにぃ? 春子が都の外の鬼の元に向かっただと!? 自殺行為だぞ!」
「都のすぐ外にある森には、確かに女子供を喜々と喰らう鬼がいる。だが、春子の力では……」
 春子は都でも評判がいいのか、彼女を悪く言う者はいない。
 だが、同時に同僚の陰陽師達の間では、彼女が助からないだろうという絶望的な空気が流れていた。
「そ、そんな!」
 夫は崩れ落ちる。
 雅さを保つ都の中に、母を求める子供の泣き声が響いていた……。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【傀儡】
2
周囲に、ディアボロスのみが操作できる傀儡の糸を出現させる。この糸を操作する事で「効果LV×1体」の通常の生物の体を操ることが出来る。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わり、「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げて運搬可能になる(ただし移動を伴う残留効果は特記なき限り併用できない)。
【泥濘の地】
1
周囲の地面または水面が泥濘に変わり、ディアボロスは指定した「飛行できない対象」の移動速度を「効果LV×10%」低下させられるようになる。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【冷気の支配者】
1
ディアボロスが冷気を自在に操る世界になり、「効果LV×1km半径内」の気温を、最大で「効果LV×10度」低下可能になる(解除すると気温は元に戻る)。ディアボロスが望む場合、クロノヴェーダ種族「アルタン・ウルク」の移動速度を「効果LV×10%」低下させると共に、「アルタン・ウルク」以外の生物に気温の低下による影響を及ぼさない。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【モブオーラ】
1
ディアボロスの行動が周囲の耳目を集めないという世界法則を発生させる。注目されたり話しかけられる確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【活性治癒】
2
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【液体錬成】
1
周囲の通常の液体が、ディアボロスが望めば、8時間冷暗所で安置すると「効果LV×10倍」の量に増殖するようになる。
【使い魔使役】
2
周囲が、ディアボロスが「効果LV×1体」の通常の動物を使い魔にして操れる世界に変わる。使い魔が見聞きした内容を知り、指示を出す事もできる。
【操作会得】
1
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。
【ハウスキーパー】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建物に守護霊を宿らせる。守護霊が宿った建物では、「効果LV日」の間、外部条件に関わらず快適に生活できる。
【建物復元】
1
周囲が破壊を拒む世界となり、ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の建造物が破壊されにくくなり、「効果LV日」以内に破壊された建物は家財なども含め破壊される前の状態に戻る。

効果2

【能力値アップ】LV6 / 【命中アップ】LV1 / 【ガードアップ】LV1 / 【フィニッシュ】LV1 / 【反撃アップ】LV3 / 【ドレイン】LV2 / 【ダブル】LV1 / 【ロストエナジー】LV1

●マスターより

ハル
 お世話になっております、ハルです。
 今シナリオでは、平安鬼妖地獄変のディヴィジョンにて、OP冒頭に登場した陰陽師の春子さんの命を救って頂きたく思っております。

 春子さんの状況としましては、森の中で敵に追い詰められかけている状況です。負傷は掠り傷程度になります。
 パラトクストレインから出発すると、すぐに春子さんと敵が争う声が聞こえるので、探索の必要はありません。

 皆様から届くプレイングの状況により、同時進行となる選択肢が発生する場合があります。
 また、選択肢は必要であればスルーする事が可能ですが、スルーした選択肢によっては、春子さんの生死やその後の考え方に影響を及ぼす場合もあります。

 ④の護衛するトループス級『河童』をスルーした場合、⑤アヴァタール級との決戦『紅鬼斬王丸』にて護衛として登場します。シナリオ終了時に④をクリアしていなければ、『紅鬼斬王丸』撃破後、『河童』は撤退する形となります。

 春子さんがOP冒頭で使用していたのは、管狐影縛法の弱体化版のようなものとお考え頂ければ。
 
 ※🔵が成功数を大きく超えるプレイングに関しては、内容に問題がなくとも、不採用にさせて頂く場合があります。ご了承ください。もちろん、複数人で一緒にご参加の方、作戦内容により、臨機応変に対応させて頂きます。

 皆様、興味を惹かれた選択肢に、工夫をこらしたプレイングを頂ければと願っております!
43

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


相原・相真
鬼を恐ろしいと思っていて、それでも戦おうとする。
守りたいものがあるから。
…死なせたくないです、そういう人を。

鬼と戦っているところに割り込んで、春子さんに接触

俺たちはディアボロス。鬼狩人を目指す者、と思ってもらえれば。
俺たちも貴女と一緒に戦わせてください。

遠ざけようとされるかもしれないが、
俺たちも彼女と同じで、鬼を許せないとか何かを守りたいとか
そういう譲れない思い([勇気])を持っているんだということを伝えたいです

春子さんとの話を優先しますが、一応敵の方も注意
攻撃が飛んで来たら「春子さんをディフェンスします」


廿楽・歌舞伎
【心情】
守るべきものの為に単身身命を賭すとは。まことあはれよ。
さりとて死ねると分かっている者を見捨つわけにはいかぬであろう。
まして幼子を残して逝くなど……余は、認めぬ。

【行動】
旦那殿から事情を聴いたと鬼どもとの間に割って入り、助力に参ったと伝えようか。
いかに陰陽師とて多勢に無勢ぞ。ここは共に戦い妖異を討つのが上策だと。

その上で、必ず生きて帰ること約束してもらおうぞ。
気骨をなくした陰陽師達のため。そして帰りを待つ家族のため。
文に残した思いを偽りにせぬように。

その為ならば余も決死で臨もう。
とはいえ余の年齢では疑われるやもしれぬ故、
その時は管狐を召喚してみて、余も力になること約束しようぞ。


シル・ウィンディア
守る為に戦う人って、かっこいいよね。
でも、だからといって、死んじゃうのを見過ごすことなんてできないよね
だから、助けるよっ!

クロノヴェーダと春子さんの間に
エアライドで割り込むように移動するよ

陰陽師さんだね。助太刀に来たよ。

子供だからって、都を守る力になれるんだよ
それに…
こんなに数がいるのに、一人で戦うのは
さすがに厳しいと思うからね
だから、お手伝い、だよっ!

都や大切な人たちを守る為に戦うのは、とっても素敵なことだと思うよ
でも、それで、あなたが、もし死んじゃったら…
残された人は、どう思う?
悲しみに暮れることになるでしょ。

それって、春子さんの望んでいることかな?
そうじゃないなら…
一緒に頑張ろっ!



 ――くっ、敗れる訳にはいかないのです!

「今の、聞こえたよね!?」
 パラトクストレインからディヴィジョンに降り立ったシル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)。彼女のディアボロスとしての優れた耳朶は、視界の先にある森の中から届く声を確かに捉えていた。
「うむ。守るべきものの為に単身、身命を賭すとは。まことあはれよ」
 届いたその声は、他者に助けを求めるそれとは異なった。成すべきことを為そうとする、戦士のそれ。廿楽・歌舞伎(舞えぬ楽師・g04895)は、彼女の在り方にある種の美学を感じるが、その赤い瞳には彼女の死を否定する色が色濃く混じっている。
「鬼を恐ろしいと思っていて、それでも戦おうとする。守りたいものがあるから。……死なせたくないです、そういう人を」
 相原・相真(人間のガジェッティア・g01549)が呟くと、ディアボロスは頷き合う。彼らは元より、救うため、ここへと赴いたのだから。

● 
 都の外。荒廃した世を見た春子。
 それにより、彼女が抱く、鬼や妖怪への敵意は強固なものとなっていた。
「くっ、敗れる訳にはいかないのです!」
 だが、現実は非情であり、春子は森を駆け回る河童を前に有効な対処法を示せず、後退を強いられている。
「どうしタ、女。無様ニ逃げテ、我をワザワザ楽しマせル必要はないノだゾ?」
(「……あの鬼どころか、その配下にすら手も足もでないというのですか!?」)
 自身への怒り、焦りは、彼女からさらに精彩さを失わせていく。
 鬼は逃げ惑う春子を嗤い、河童はまるで春子を獲物に見立て、狩りでもしているかのよう。
 やがて春子に飽いたのか、河童の攻めがより苛烈となり、鬼が凄まじい速度で春子に肉迫する。
「……ぁっ」
 春子の脳裏に残してきた家族の姿が過り、使命感で維持していた立ち向かう心が脆くも砕け散ろうとした、その時――。
「間に合ってよかったです」
 ADレジストアーマーから魔力障壁を展開する相真が、春子の前、鬼と河童に対する壁として立ち塞がっていた。
「陰陽師さんだね。助太刀に来たよ」
 無論、立ち塞がるのは相真だけではない。空中を蹴って最短距離で現場に急行したシル。そして歌舞伎の姿もあった。
「な、何者ですか!?」
 突然の闖入者に、春子が目を見開く。
「俺たちはディアボロス。鬼狩人を目指す者、と思ってもらえれば。俺たちも貴女と一緒に戦わせてください」
 そんな春子に、相真は冷静に説明を始める。
「余らは君の旦那殿から事情を聴いて、こうして助力に参ったのだ。いかに春子殿が陰陽師と言えど、多勢に無勢ぞ。ここは共に戦い妖異を討つのが上策であろう」
「そうそう、歌舞伎さんの言う通りっ! こんなに数がいるのに、一人で戦うのはさすがに厳しいと思うからね。だから、お手伝い、だよっ!」
 歌舞伎がクダギツネを召喚してみせ、「子供だからって、都を守る力になれるんだよ。わたしがここまでどうやって来たか、見てたでしょ?」シルは妖精の力という、自らの力を既に証明している。
「で、ですが、これは私が自分で始めた戦いです。皆様にお力があるのは分かりましたが、私の勝手に巻き込むわけには……」
 責任感が強いのか、春子は動揺しつつ、首を横に振る。
 だが、その身体は震えていた。恐らくは、鬼や河童と相対してから、ずっとであろう。
「さりとて死ねると分かっている者を見捨つわけにはいかぬであろう。まして幼子を残して逝くなど……余は、認めぬ」
 歌舞伎は、自身の母の温もりを思い出す。壊滅、離散という末路を辿った彼女の一族。だが春子は、温もりをもって確かにここにいる。ゆえに、春子の温もりを子に届けるという使命を歌舞伎は感じていたのだろう。
 春子の震えが大きくなった。子供に会いたいのは彼女も同じ。歌舞伎に言われ、恋しさを思い出したように。
「都や大切な人たちを守る為に戦うのは、とっても素敵なことだと思うよ。でも、それで、あなたが、もし死んじゃったら……。残された人は、どう思う? 悲しみに暮れることになるでしょ」
「…………死ぬつもりは、ありません」
 春子は死に場所を求めて京の外に出た訳ではない。子供や大事な人々の未来のため、覚悟を決めた。シルの言葉は、彼女に自分の命が自分だけのものではないという事を思い出させた。
「何より、俺たちの気持ちも春子さんと同じです。俺も鬼を許せませんし、人々を守りたいと思っています。そういう譲れない想いを持ってここに来ました。春子さんと同じ、『勇気』を胸に。だから、もう一度言います。俺たちも貴女と一緒に戦わせてください」
 相真が河童の攻撃をやり過しながら、再度、しかし今度は感情を込めて告げる。大切な存在と、日常を奪われた怒り。相真のそれは、春子にだって、他の誰にも負けてはいないから。
「……お願いします、皆様。どうかこの私に、お力をお貸しください!」
 ディアボロス達の想いは、春子に伝わった。
「なばら春子殿。必ず生きて帰ること、約束してもらおうぞ。気骨をなくした陰陽師のため。そして帰りを待つ家族のため。あぁ、文に残した思いを偽りにする訳にもいくまいて」
 歌舞伎が、笑顔を見せる。
「その為ならば、余も決死で臨もう」
「いえ、こうなったからには、皆様にも無事にお帰りいかなくては私も気がすみません」
 続く春子の言葉に、歌舞伎の笑みがさらに深まった。
(「守る為に戦う人って、かっこいいよね」)
 でも、シルはだからといって、死ぬのを見過せない。だから、彼女が助けると誓った春子が自分達を受け入れてくれた事に嬉しさを覚えた。
「春子さんの望んでいる未来を掴むために、一緒に頑張ろっ!」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【操作会得】LV1が発生!
【傀儡】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!

紀・雪名
毎度欲求に忠実な鬼たちだ。己にも限った事ではないのですが…
さて、同じく術を使う中だとしても僕の姿を見てはどう感じるかわかりませんので、助太刀しているようにでも見えれば上々。
声をかけるとしても「怪我がないようであれば大丈夫ですね」とでもしておきますか。

それよりもうじゃうじゃと周りが邪魔なので、河童共をまとめて踊って貰おうか。
なに、彼らの使えるものが彼らの特権とは限りませんからね?

『”狂気”によって全てを消してしまおうかい?』

パラドクス【阿修羅不動】を発動し、数多い河童の足止め&殺傷していく。
必要であれば【結界術】で行く手を阻もう。
接触や対話が終わる頃に助太刀出来るよう、辺にも気を止めておこうか。


椋井・矢一
【アドリブ・連携歓迎】

■心情
仮初の希望、か。
――上等だ、意趣返しにはもってこいじゃないか。
闇へ踏み出す最初の一歩、不屈の意思こそ希望の本質。
絶望を祓う本物になって、ヤツらの度肝を抜いてやれ。

その為にも、まずは無事に家族の下へ返さないとな。
だから――無惨を味わうのは悪鬼悪妖共の方だ。

■行動
鬱陶しい河童の数を減らすことから始めよう。
ちょこまかされても不都合だ。
支援対象へと殺到されでもしたらたまらない。
戦場の主導権を此方側が握る為【泥濘の地】で敵陣営の移動能力を低下させ――パラドクス〈怨讐の腕〉発動。

「怨讐に溺れて泥を食め」

無数の亡者の腕が河童共に群がり、引きずり倒し、叩き潰す。

「――応報の時間だ」



「……くだらヌ」
 つい先程まで、春子は確かに恐怖を植え付けられていた。希望を塗り替える程の恐怖を。
 それがどうした事か。ディアボロスの登場により、春子は協力して鬼を打ち倒すのだという気概を取り戻している。
「だガ、それモ一時の安寧ヨ。生きテ帰る希望ヲ抱いた女ニ、再度絶望を味合わせるノも一興カ」
 だが当然、鬼――紅鬼斬王丸も、自身が敗れるなどとは微塵も思ってはいない。
「河童共ヨ、思い上がっタ愚か者ドもニ現実ヲ見せてやレ!」
 紅鬼斬王丸が指示すると、河童は一目散にディアボロス達に襲い掛かった。


 辺りを警戒していた紀・雪名(鬼をも狩り尽くす鬼・g04376)は、対話が終わったのを見計らって前に出る。彼が周辺に張り巡らせているのは結界。それが、今の今まで河童の行く手を阻んでいた。
「怪我がないようであれば大丈夫ですね」
 符を構える春子に軽くそう告げて、雪名はその横を通り過ぎる。
(「仲間が説得してくれたおかげで、春子は戦う意思を持ちながらも、こっちの指示に従ってくれています。ですが、同じ陰陽師系の術を使う仲だとして、僕の角や姿を見て彼女がどう思うか分かりません。ここは、助太刀しているようにでも見えれば上々」)
 協力関係にあるとして、雪名は鬼。無論、鬼を狩る鬼なのだが、出会ったばかりの春子が理解してくれる保証はない。
「うじゃうじゃと邪魔ですね」
 だから雪名は、河童を始末するという行動で示す事にする。
「まったくだ。鬱陶しい河童の数を減らす、俺も賛成だ」
 包囲網を狭める河童を前に、飄々とした緩い笑みを見せるのは椋井・矢一(人間のデストロイヤー・g04848)。
「支援対象へと殺到されでもしたらたまらない。春子さんが安全に自信を抱けるようにしてやらないといけないしな」
 幸い、現状の河童や鬼の怒りの対象はディアボロスであるようだ。だが、いつ気が変わるとも限らない。
「でしたら――」
「――ああ」
 雪名にしろ、矢一にしろ、為すべきことは一つだった。


「河童共にはまとめて踊って貰おうか」
「キギーー!!」
 雪名が告げると、結界術で動きを封じられていた事実に怒りを抱いていたのか、彼に河童が殺到する。
『”狂気”によって全てを消してしまおうかい?』
 だが、雪名は河童に先んじて、【阿修羅不動】を発動する。
 瞬間、水の形代の力を併せ持った属性術が、4体程の河童を内に呑み込んでいった。
「ギ、ギー!?」
「君達の使えるものが、君達だけの特権とは限りませんからね?」
 それは、河童の操る豪雨の妖術と少し似通っていて、河童達は慌てた様子を隠し切れない。
 河童が反撃として「河辺の地形」を生み出し、水中に隠れるようにして雪名を狙う。
 その眼光は殺意と欲望に濡れていて、今にも雪名を喰い殺さんと言わんばかりだ。
「毎度欲求に忠実な鬼たちだ。己にも限った事ではないのですが……」
 雪名は、ならばと水辺に氷柱を生み出し、河童を次々と氷結させていった。


(「仮初の希望、か。――上等だ、意趣返しにはもってこいじゃないか」)
 矢一の視線の先にいる春子は、闇へと最初の一歩を既に踏み出しかけている。
 ディアボロス達が彼女を助ける事ができれば、不屈の意思を持った、人々にとっての本物の希望になれるかもしれない。
「その為にも、まずは無事に家族の下へ返さないとな。だから――無惨を味わうのは悪鬼悪妖共の方だ」
 河童は、矢一に飛び掛かるタイミングを伺っていた。
 ならば、
「ちょこまかされても不都合だな」
「ギェ――ギギギ!」
 矢一が呟くと、警戒して身構えていたはずの河童が、突如として泥濘に変貌した地面に対応できず、バランスを失う。
「俺に勝つつもりなら、飛行手段ぐらいは整えておくんだったな」
 矢一は河童の機動力を低下させると。
「怨讐に溺れて泥を食め」
 彼が抱く穏やかな幸福を崩された憎悪と殺意が剥き出しとなる。その怨讐と感情は形を成し、無数の亡者の腕となって河童に襲い掛かった。
 亡者の腕に引き摺り倒され、叩き潰される河童達。
 時空を歪めて四股を踏み、強引に組ついて来る河童も、足場のせいで本来の力を発揮できていない。
「――応報の時間だ」
 矢一は地に伏せる河童を見下ろし、告げる。
 そして、
(「絶望を祓う本物になって、ヤツらの度肝を抜いてやれ」)
 春子を見て、そう願った。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!

松中・誠
子供や旦那さんの未来を護りたいって思いは尊重出来るんだぜぃ。
でも、そこにはあんたが居ないといけないんだぜぃ。

まぁ、そんな無茶が有るから俺っちたちがここに来れたんだぜぃ。

足止めなら任せろだぜぃ。
と言うわけで、おっさんを召喚して足止めしてもらうんだぜぃ。
おっさんはきっと足払いとかなんやかんやで足止めしてくれるはず…!ぽこぽこ子供殴りはおっさんには合わないぜぃ…。
一人ぐらいは春子さんのお手伝いに行ってもらうぜぃ。

ぇ、このおっさんが何かって?
…式神の類似品?だぜぃ?

アドリブ連携歓迎


神山・刹那
やれやれ。血気盛んな奴だな
夫と子供がいるなら自分の身を第一に考えてもらいたいもんだが、それができないから陰陽師なんてやってるのか
まぁ、良い。手加減は苦手なんだが、やれるだけやってみよう

相手の攻撃を受けると見せて腕の逆関節を極めて腕をへし折り、そのまま一本背負いに行くと見せかけて、相手の膝関節に蹴りをくらわせて膝を砕き、変形の雷で相手を投げ、叩きつけ相手の動きを封じ、その間に止めを刺してもらう
「あんた、それなりに戦えるんだろ?好機が来たら躊躇うな。戦場は生きるか死ぬか。どんなに泥臭くても、卑怯でも、生きてれば勝ちだ。一人でこの数を相手するのはきつかった。俺が動けなくするか、止めは任せたぜ」


天破星・巴
【アドリブ・連携歓迎】
【心情】
「恐怖を恥だとは思いません。恐怖は、私が人である証なのですから!」
誠いい言葉じゃ志高き者を無為に死なせはしないのじゃ
じゃが一人で突っ走っては単なる無謀、助力し未来に繋げねばいかんのじゃ
それに引き換え暴虐を働き恐怖を振りまくことしかできぬ鬼の有り様は嘆かわしい限りじゃ

【行動】
陰陽師と穏便に接触するためにも敵の動きを止めるとするのじゃ
蜃鬼楼の霧にて陰陽師と自分と仲間と同じ姿の幻を多数出現
自分の姿は隠し陰陽師を攻撃しようとするものを鬼人の怪力で殴って牽制近づけさせない
ときには幻を実体化させて攻撃を行う



(「やれやれ。血気盛んな奴だな。夫と子供がいるなら自分の身を第一に考えてもらいたいもんだが、それができないから陰陽師なんてやってるのか」)
 肩を竦めて呆れる神山・刹那(梟雄・g00162)の視線の先。春子は戦況をジッと見つめ、自身の役割を果たすその時を待っていた。
 今の春子は、己の限界を知っている。強くなる上で、限界を知る事がどれ程重要かは、今更語るまでもないだろう。後はこの春子の熱意を、生かすも殺すもディアボロス次第。
(「『恐怖を恥だとは思いません。恐怖は、私が人である証なのですから!』――か。誠いい言葉じゃ、春子どの。かような志高き者を無為に死なせはしないのじゃ」)
 天破星・巴(反逆鬼・g01709)は、春子の告げた言葉を思い出す。
「一人で突っ走っては単なる無謀。それ以上言わずとも、もう春子どのは分かっておるの?」
「はい、皆様のおかげで、生きて気付く事ができました。……鬼の方々にも、歌舞伎様や雪名様……そして巴様のように、人を想ってくださる素晴らしきお方がいる事、忘れはしません」
「一緒にされても困るがの。わらわ達から見ても、暴虐を働き恐怖を振りまくことしかできぬ鬼の有り様は嘆かわしい限りじゃ」
 と、その時――。
「そろそろ出番だぜぃ」
 松中・誠(ヤンキードラゴニアン・g03037)の視界を覆う程だった河童が、紀・雪名と椋井・矢一のパラドクスによって蹴散らされ、ほどよく数を減少させる。
「子供や旦那さんの未来を護りたいって思いは尊重出来るんだぜぃ。でも、そこにはあんたが居ないといけないんだぜぃ」
「ええ、そんな当たり前のことに至らず、子供や夫に悲しみを強いてしまう所でございました」
「まぁ、そんな無茶が有るから俺っちたちがここに来れたんだぜぃ」 
 誠が快活に笑うと、ぎこちなさが残るものの、春子も笑みを見せた。
「さーて、足止めなら俺っちに任せろだぜぃ」
 誠はそう言うと、「ヘルプミーおっさん!」と、手伝いを召喚した。
 それは、小さなおっさん達であり、春子の目を丸くさせた。


 刹那は、ディアボロスと河童の戦闘を推し量るように眺めている紅鬼斬王丸から、河童に視線を戻す。強者を自負しているらしい紅鬼斬王丸は、刹那にとって見れば獲物の一体。
「手加減は苦手なんだが、やれるだけやってみよう」
 だが、まずは目の前の河童を相手どる事が先決だ。
「あんた、それなりに戦えるんだろ? 好機が来たら躊躇うな。戦場は生きるか死ぬか。どんなに泥臭くても、卑怯でも、生きてれば勝ちだ。俺が動けなくするから、止めは任せたぜ」
「は、はい! 全力でやってみます!」
 刹那は春子に告げると、突っ張りや投げ飛ばしを仕掛けてくる河童の腕を受けると見せかけ、逆に河童の腕の逆関節を極め手腕をへし折ってやる。
「ギギャ!?」
「まだ終わってないぞ」
 刹那は腕を極めた態勢のまま、河童を一本背負いで投げ飛ばそうとする。だが、それはフェイクであり、実際は抵抗しようとする河童の動きを逆手に取り、河童の無防備な膝関節に蹴りを喰らわせた。
「手応えあったぞ?」
 腕と脚を潰され、河童は最早反撃の術を失った。
 刹那はそのまま、変形の雷で河童を投げつけ、地面に叩きつける。
「はぁー!」
 すると春子は、刹那の助言通りに迷わず影を奔らせ、河童の影諸共、河童本体に牙を突き立てた。
「や、やりました……! 今まで、河童相手に手も足もでなかった私が……!」
「俺も一人でこの数を相手するのはきつかったぜ」
 刹那も、今だけは春子に花を持たせた。


「現と思えば幻、幻と思えば現、わらわの霧に迷い朽ち果てよ」
 鬼を封じた百鬼夜行絵巻が一篇――巴の鬼術により生み出された蜃気楼が、この場にいる仲間。春子や巴自身も含めた、いくつもの幻を出現させていた。
(「……ただの幻ではないぞ、現実と化す幻よ」)
 河童達は、既に幻に囚われている。
 当然だろう。
 ただ幻影を見せるだけでなく、その幻影が行動を起こすのだから、河童達にとってそれは最早現実に等しい。
「さて、わらわは姿を隠させてもらうとしようかのぅ」
 巴は、幻影と戯れ、時に痛手を被る河童達の様子を伺いつつ、春子に危害が及ばぬように注視する。
 ふいに春子に近付く河童がいれば――。
(「ダメージは通らぬじゃろうが、牽制にはなるじゃろう」)
 鬼陣の破壊的な力で持って、河童を牽制して距離を取らせる。
 やがて、現実化した幻の攻撃を受け、動きの鈍った河童に、春子の影が突き刺さり、傷を負わせた。
「未来に繋げねばいかんのじゃ」
 巴の呟きが聞こえたのか、春子は深々と頭を下げて、感謝の念を示した。


「春子さん、河童共との戦闘も、だんだん様になってきてるんだぜぃ。おっさんが足止めしてくれてるから、こっちも頼むんだぜぃ」
「はい!」
 誠に呼ばれ、春子が符を掲げると、やはりそこでは奇妙が世界観が展開されていた。
 縦横無尽に戦場を駆け回る小さなおっさんが、河童を足払いし、組み付き、その動きを妨害していたからだ。
「やっぱおっさんはこうでなくっちゃだぜぃ。ぽこぽこ子供殴りはおっさんには合わないぜぃ……」
 巧みな老獪さを見せるおっさんに誠は満足しつつ、一人のおっさんを春子のお手伝いに向かわせる。
 春子はおっさんと協力し、見事に河童に一体に傷をつける事に成功した。

「私が河童に攻撃を与えられたのも、偏に皆様のおかげでございます。生きて自分の実力を理解でき、加えてこのような貴重な経験まで積ませて頂き、ありがとうございます!」
 ディアボロスのお膳立てがあったのは事実だが、それ以上のものを春子は得る事ができた。それは、今後の平安鬼妖地獄変にとって、何かしら影響を与える可能性があるものに思えた。
「ところで、この小さな方々は、どういったお方達なのでしょう?」
「ぇ、このおっさんが何かって? ……式神の類似品? だぜぃ? なんたって俺っちは、レジェンドなウィザードでもあるんだぜぃ?」
 ディアボロス達は、改めて残る河童と鬼を見据える。
 春子の経験を無駄にしないためにも、負ける訳にはいかない。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【ハウスキーパー】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV5になった!
【ダブル】LV1が発生!

フルルズン・イスルーン
はるばる来たよオリエンタリズム平安京!
なんだかジトジトしてる感じだねぇ。というか敵のやり方がせこい! みみっちい!
そんな凶悪そうな図体しといて恥ずかしくないの?

じゃ、まずは取り巻きからだね。
動きが止まってるなら一網打尽のチャンスだ。
アイス・ゴーレムくん任せた!
なんとなく冷気を送ると良さげな人が居るので、氷雪使いのコンボ!
氷属性をフォーユー!
一緒に固めて動けないようにしてからバシバシ蹴散らそう!
なぁにぃ? 卑怯ぅー?
女性一人に寄ってたかってる方が恥ずかしいのさ!
今だ必殺! 冷凍ナックル! 数、イズ、パワー!



「はるばる来たよ、オリエンタリズム平安京! そして、キミもお見事だったよ!」
 フルルズン・イスルーン(ザ・ゴーレムクラフター・g00240)が、河童にダメージを与えた春子に向かって、ブンブンと手を振っている。
「あ、ありがとうございます!」
 やがて、春子に手を振り返してもらえた事で満足したのか、フルルズンは動きを止められている河童達を見て、次いで紅鬼斬王丸に視線を移し、呆れたように言った。
「なんだかジトジトしてる感じだねぇ。というかやり方がせこい! みみっちい!
そんな凶悪そうな図体しといて恥ずかしくないの?」
 散々、ダメ出しをするフルルズン。
 だが、ふいにその幼げな顔をニヤリと歪ませ、
「まずは取り巻きからだけど、動きが止まってるなら一網打尽のチャンスだよね? アイス・ゴーレムくん任せた!」
 フルルズンが手をパンパンと叩いて鳴らすと、氷雪のゴーレムが機動する。
「動きが止まってるの以外にも、なんとなく冷気を送ると良さげな人が居るねー。氷雪使いのコンボ! 氷属性をフォーユー!」
 周囲一帯に放たれる冷気は、フルルズンのレジェンドウィザードとしての魔力も上乗せされ、河辺の地形を河童諸共に凍り付かせていく。
「バシバシ蹴散らしちゃうよ!」
 戦場は、アイス・ゴーレムの発する冷気によって凍り付いている河童、そして春子と共闘した仲間のパラドクスにより動けない河童で溢れている。
 それらの河童を、フルルズンは容赦なく仕留めていった。
「ギー、ギギギー!!」
「なぁにぃ? 卑怯ぅー? 女性一人に寄ってたかってる方が恥ずかしいのさ! 今だ必殺! 冷凍ナックル! 数、イズ、パワー!」
 ゴーレムオーラを纏い、アイス・ゴーレムと共に敵陣をなぎ倒すフルルズンの勢いは止まる所を知らず。
 河童を全滅へと導くのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【使い魔使役】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV6になった!


「それナりには出来ルようダ」
 全滅した河童を気にする様子もなく、紅鬼斬王丸が大太刀を鞘から抜き放った。
「だガ、我が大太刀はあらユる敵を薙ギ払い、叩き潰シテきタ。すグに貴様ラも、そノ一人に数えラれる事になるダロう」
 紅鬼斬王丸は、残忍な笑みを見せる。
 相手を恐怖で支配するために。
 その支配する相手が、ディアボロス達のような強者であれば、申し分がないとでも言う様に。
 最早その眼中に、春子はないように思えた。
 この場において、相対すべきは強者と強者のみ。

 ディアボロス達も、春子を下がらせ、牙を剝く。
 希望となりえる命を、守るために。
廿楽・歌舞伎
【心情】
春子の君、無事で何よりである。
本当に、良かった……!
これで心置きなく鬼を討てるというもの。
尋常にとは申さぬぞ。覚悟めされい。

【行動】
【能力値アップ】【命中アップ】など使えるものは全て使って挑むのだ。
相手は見るからに強靭ゆえ、此方は膂力よりも手数勝負に持ち込みたい。
管狐を背後に回らせ、余は全力で正面から攻撃を行う。
前後双方から波状に仕掛けてみようぞ。

鬼からの攻撃はまともに受けてしまぬ様、極力いなして被害を抑え、捌けぬものだけ防ごうぞ。

それにしても女こどもばかりを狙う卑劣な鬼ぞ。
杞憂ならば良いが、念押しである。
【使い魔使役】使役した動物を春子の君が引いた側で待機させ死角を補わせようぞ。



「春子の君、無事で何よりである。本当に、良かった……!」
 廿楽・歌舞伎(舞えぬ楽師・g04895)は、ディアボロスに状況を任せて下がっていく春子に、声をかけた。
「とんでもございません。全ては皆様のお導きのおかげです」
 それに、春子が笑顔で応じる。
「こでれ心置きなく鬼を討てるというもの。尋常にとは申さぬぞ。覚悟めされい」
 歌舞伎は、妖刀の先端を紅鬼斬王丸に向け、宣戦布告。
「…………面白イ、鬼人ノ小娘が!」
 紅鬼斬王丸は大太刀を振り上げ、牙を剥き出しにした。
(「然りとて、鬼は見るからに強靭よ。単純な膂力よりも、手数勝負が上策」)
 歌舞伎と紅鬼斬王丸は、互いの間合いをはかりながら、機を伺う。
 やがて、
(「管狐よ、鬼の背後に回り、前後双方から挟撃を仕掛けてみようぞ!」)
 歌舞伎が先に動く。
 クダギツネの牙が紅鬼斬王丸の影に突き立てられ、その動きに制限をかけた所で、歌舞伎が正面から攻め立てる。
「ほゥ?」
「余を小娘と侮った事、後悔してもらおう」
 紅鬼斬王丸の大太刀と、歌舞伎の竹管と妖刀が交錯し、火花を散らしながら金切り音を森の中に響かせる。
 時折、背後から紅鬼斬王丸を襲うのは、クダギツネの牙。
「小賢シい!!」
 紅鬼斬王丸は、歌舞伎と距離を取る所かさらに肉薄し、至近距離から体当たりによって大打撃を与えようとする。
「さすがに剛腕よ。されど余とて、鬼の攻撃を真正面から受ける程に愚かではない!」
 歌舞伎の小柄なれど強靭な鬼人としての肉体に、残留効果によっていつも以上の力が漲る。
 歌舞伎は紅鬼斬王丸の体術を捌きながら、クダギツネの牙を利用した波状攻撃で、着実にダメージを積み重ねていった。
「ククク、ククククククッ!」
 血を流す紅鬼斬王丸が、邪悪に嗤う。
 その笑みに不快感を抱いた歌舞伎は、念のために使役している動物へ、春子へと危険を及ばせぬため、監視の目を厳しくするよう指示し、紅鬼斬王丸に再度仕掛けていった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【傀儡】がLV2になった!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!

紀・雪名
やっと鬼との退治ができますね。
真っ向から挑ませていただきましょう、なに…他の同士が鬼の体力を削るでしょうし力には力で比べましょう。

喜々として「『封印解除』鬼との力比べには目がないもので逝きましょうか」

【鬼胡桃】発動し、相手の攻撃 破断の一閃 を真っ向から腕で受け止め間合いなど関係ないと攻撃の手を遮ろうか。【結界術】で守りはあるのでちょっとやそっとじゃ押しきれませんよ?

暴力的な攻撃でもひるむことなく、鬼との戦いを楽しみましょう。
ですが、決着は二人ではないので少し物足りないかもしれませんね?



 廿楽・歌舞伎が操るクダギツネの牙が、紅鬼斬王丸の肉体と影を抉っていく。
 傷を負ってもなお哄笑する紅鬼斬王丸の様は、戦いに愉悦と酔いを感じている証だ。
(「同士が鬼の体力を順調に削ってくれている様子ですし、僕は真っ向から挑ませていただきましょう」)
 紀・雪名(鬼をも狩り尽くす鬼・g04376)は仲間の動向を注視しつつ、藍色の瞳に紅鬼斬王丸を収め、喜々とした感情を露わにした。
 それはまさに、狩人の眼光。
「『封印解除』鬼との力比べには目がないもので逝きましょうか」
 感情のままに呟いたその一言は、雪名に宿る鬼の血を沸騰させ、両腕を強大な膂力と共に強大化させる。
「やっと鬼退治ができますね」
「大言壮語ヲ! 貴様ノ実力は見テ、知ッてイる。我の相手では――グム!?」
「ああ、申し訳ありません。勘違いさせてしまったようですね」
 雪名が待ち焦がれていた力の解放。河童の足止め時の彼とは、一線を画す強大な力。いかなる敵であろうと握りつぶし、触れれば吹き飛んでしまう威力。
「クハッー! ハハハハハッ、よいゾ、ツいテ来い!!」
 紅鬼斬王丸は時空を歪め、ほぼ雪名と同じ反応速度で反撃する。巨大な大太刀が、巨大化した雪名の両腕に向けて振り下ろされた。
 しかし雪名はそれら大太刀を避ける素振りすら見せず、腕で受け止めて見せる。
「大太刀の一閃の破壊力、見事です。それでは、中々間合いを詰めてくる敵もいなかったでしょう。ですが、僕にとっては間合いなどは関係ありません」
 どんな強力な攻撃、反撃であろうと、力で蹂躙しまえばいい。
 雪名の解答は、極めてシンプルだ。
「結界の守りはあるので、ちょっとやそっとじゃ押し切れませんよ?」
 雪名の鬼の巨腕は、紅鬼斬王丸によって斬りつけられている。だが暴力的な破壊力を有する大太刀の一閃に対し、雪名は怯む様子も見せず、口元には薄い笑みさえ浮かんでいた。
 雪名の巨腕が紅鬼斬王丸の脇腹を掠る。
「戦いを楽しみましょう。決着は二人ではないので少し物足りないかもしれませんが」
「――ッッ!?」
 雪名は抉り取った肉片を、ゴミの様に捨てた。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【建物復元】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!

フルルズン・イスルーン
バリバリ武闘派な空気だねぇ。
可憐なボクには合わないや。
おっ、【泥濘の地】でぬかるんでる。足引っ張ってやろ。

サポート役が居ない恐ろしさを教えてやるのだ。
ゆけ! リキッド・ゴーレムくん!
ということで水場を使ってパラドクスのゴーレムくん生成。
伸長して紅鬼斬王丸とかいう鬼の体のどこでもいいからまとわり付いて邪魔してやるのだ!
ほぅら動きにくいだろう。
泥とばして目潰しとかもやってやれ! 逆にそっちはそういう事はできないぞ!

水場に河童が居ないんならコアも安心だ。え? ボク狙い? くるなー、くるなー!
なので【光学迷彩】でこっそり隠れよう。
あんな至近戦はゴーレムくんじゃないと混ざれないんだよ。


松中・誠
さーて、後はあの鬼をぼこって終わりなんだぜぃ。
前は十分、後ろも十分…支援も十分…って、俺っちがやれそうな事があまり無いんだぜぃ。
まぁ、やってやれない事は無いんだぜぃ。

光喰いの召喚だぜぃ。
戦っている仲間の合間を埋めるように攻めさせるんだぜぃ。
嫌がらせ?嫌がらせだぜぃ?
一人相手なら十分効果があるはずなんだぜぃ。


シル・ウィンディア
さて、本命だね
強い相手がお好きなのなら…
わたし達がお相手するよっ!

でも、簡単に行くとか思わないでね?

真正面からは、さすがに分が悪そうだから…
エアライドやダッシュ、ジャンプで動き回って…
隙を見ては、精霊剣の斬撃を入れていくよ!
攻撃後は、残像も駆使して、的を絞らせないように移動して離脱

敵の攻撃は何とか避けるように動くけど
避けきれないなら…
精霊結界で致命箇所を防御だね
結界術とオーラ操作で少しでも固くなれば…

さすがに強いよね
でも、これを受けても余裕があるかな?
世界樹の翼type.Aをもって、高速詠唱
全力魔法でフルパワーの、精霊収束砲っ!

これが、わたしの全力…
さぁ、遠慮せずに全部持っていけーっ!!



「――ッッ!?」
 紀・雪名の巨腕で肉を抉り取られた紅鬼斬王丸が、ようやく嗤いを止め、目を剝いた。
「強い相手がお好きなんだよね? 次はわたし達がお相手するよっ!」
 そんな紅鬼斬王丸へ、シル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)が向ける視線は、春子に対するそれとは対照的な、冷酷なもの。
「簡単にいくとか思わないでね? それとも、怖気づいちゃったかな?」
「ふザけタ事を!」
 余裕をかなぐり捨てて激昂する紅鬼斬王丸。
(「歌舞伎さんや雪名さんの戦闘を見た限り、真正面からはさすがに分が悪そうだから……」)
 シルは空中を蹴って自在に立ち回り、精霊剣『エレメンティア』で牽制の斬撃を放った。

「バリバリ武闘派な空気だねぇ。可憐なボクには合わないや」
 フルルズン・イスルーン(ザ・ゴーレムクラフター・g00240)は、手を目の上に翳す様にして、仲間の雄姿を見守っていた。
「お互いにパラドクスをブッコむタイミングを見計らってるみたいだねぇ。うーむ、どうしようか」
 フルルズンは、しばし考え。
「おっ、そうだ、そうだったよ! 地面の一部が泥濘に変わってぬかるんでる。紅鬼斬王丸とかいう鬼の足を引っ張ってやろ」
 フルルズンは紅鬼斬王丸を憐れむように、「ボッチは大変だねぇ。サポート役がいない恐ろしさを教えてやるのだよ」そう呟くと。
「ゆけ! リキッド・ゴーレムくん!」
 液体にコアを突っ込んだ簡易ゴーレムを生成する。
「リキッド・ゴーレムは不定形で捉え所がないのが特徴でね、耐久力も特にないんだ。でもこの子には泥濘が混じってるから、邪魔するのにはもってこいだよねぇ!」
 フルルズンは早口で説明すると、リキッド・ゴーレムの全体をスライムの如く伸長させ、紅鬼斬王丸に纏わりつかせた。

「後はあの鬼をぼこって終わりなんだぜぃ」
 フルルズンの説明台詞を聞かされていた松中・誠(ヤンキードラゴニアン・g03037)は、紅鬼斬王丸を見据えて意気込もうとするが。
「前も十分、後ろも十分……支援も十分って、俺っちがやれそうな事があまり無いんだぜぃ」
 だが――。
「まぁ、やってやれない事は無いんだぜぃ」
 誠は紅鬼斬王丸を見て、含み笑った。


 シルの牽制を捻じ伏せるように、紅鬼斬王丸が戦慄すべき覇気を纏った一撃を放つ。
「っ、くぁっ!」
 シルは禍々しい呪詛さえ纏った大太刀を、結界やオーラ、反撃や防御の残留効果を駆使して捌こうとするが、握るエレメンティアを通じて襲う衝撃は、シルの動きを僅かの間硬直させる程の威力を有していた。
(「さすがに強いよね」)
 シルは、女子供に恐怖を植え付ける事に愉悦を見出す紅鬼斬王丸を、勘違いさせないように睨みつける。
(「でも、これを受けても余裕があるかな?」)
 硬直がとけるまでと、高速詠唱のための僅かな時間。シルに怯えなどは些かもなく、その二つだけを必要としていた。
 その時――。
「ほぅら、動きにくいだろう」
 どこからか、声が届いた。
 その声を起点に、紅鬼斬王丸の速度が僅かながら低下する。
「泥とばして目潰しとかもやってやれ! 逆にそっちはそういう事はできないぞ!」
 声の主は、フルルズン。
 彼女は紅鬼斬王丸の足を引っ張れた事に満足しながら、リキッド・ゴーレムの活躍を讃えていた。
「邪魔ヲ、すルナぁ!」
「水場に河童が居ないんなら、リキッド・ゴーレムくんのコアも安心だ。――え? ボク狙い? くるなー、くるなー!」
 だが、リキッド・ゴーレムの妨害攻撃により泥塗れになった紅鬼斬王丸は、気を纏わせた大太刀をフルルズン目掛けて振り回す。
(「あんな至近戦はゴーレムくんじゃないと混ざれないんだよ!」)
 フルルズンは、光学迷彩でなんとか隠れようと大童だ。
「どうやら、支援は十分って訳じゃなかったみたいなんだぜぃ」
 と、フルルズンから紅鬼斬王丸の意識を逸らすように、光で生み出された暴食の猛獣が襲い掛かる。
「俺っちが召喚した光喰いだぜぃ」
 誠の指示を受け、シルとフルルズンのリキッド・ゴーレムの隙を埋めるようにして、光喰いが巧妙に立ち回る。
「卑劣ナ真似ヲ!」
「嫌がらせ? 嫌がらせだぜぃ?」
 卑劣と言われて誠が浮かべるのは、むしろ嬉しそうな表情。
「俺っちはヤンキーだぜぃ。当然、ルール無用だよなぁ。それに、俺っちもおめぇに卑劣だのと言われるのはさすがに心外だぜぃ」
 女子供に恐怖と愉悦を与える紅鬼斬王丸からすれば、自分は可愛いものだと誠は嗤った。
「それとそろそろ……準備いいみたいだぜぃ?」
 誠が振り返ると、そこには精霊収束砲を構えるシルがいた。
「闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ…。混じりて力となり、全てを撃ち抜きし光となれっ!!」
 複数の属性が集い、白銀の長杖に花は咲き、風翼は開く。
「これが、わたしの全力……! さぁ、遠慮せずに全部持っていけーっ!!」
 その魔力の波動は仲間には癒しを、敵には恐れを抱かせ、やがて紅鬼斬王丸を貫いた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【液体錬成】LV1が発生!
【活性治癒】LV2が発生!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!
【ドレイン】LV2が発生!

椋井・矢一
【アドリブ・連携歓迎】

■心情
ひとまず、ここまでは順調か。
ならば、後は単純な話だ。
今までどれだけ好き放題してきたか知らないが――今度はお前がそうされる番だ。

■行動

「下種が大物ぶるなよ、嬲るのが趣味な奴じゃ役者不足だ」

念の為ヘイト稼ぎの煽りを入れ、それでも鬼が春子さんを狙おうとしたとしても割り込む余地を確保する為に【泥濘の地】で敵機動力を削ぎ――パラドクス〈アサシネイトキリング〉発動。

戦場の喧騒に紛れ、【光学迷彩】〈忍び足〉気配を殺して鬼の背後に回り込み、小型拳銃の引き金を引く。

反撃には――いっそ捨て身で。
相手の思惑の逆、恐れ知らずを見せて揺さぶってやる。

「省みろ。お前に明日は、もう来ない――」


相原・相真
残留効果の効果2を全て使用
念のため【春子さんをディフェンス】しながら戦闘
万が一の悪あがきでも絶対にやらせない
彼女は、家族の元に帰らなきゃいけないんだから

【フリージングミサイル】による[誘導弾]で攻撃
ダメージやとどめよりも攪乱や援護を優先

敵からの攻撃は魔力障壁をまとわせた機械腕で防御
攻撃・反撃を受けた際は退かず、逆に踏み込んでいく
敵が恐怖を糧とするなら、ビビって退いては思うつぼ
[勇気]を持って踏み込み、
敵に思うように振らせずに受け止めます

戦闘が終わったなら春子さんに少し話を
「もしまた会えたら、今度はお子さんの話でも聞かせてください」
だから、どうか無理や無茶はなさらず
貴女を待つ家族のためにも



(「ひとまず、ここまでは順調か」)
「グ、グォォオッ、ギッ、グギギ……!」
 椋井・矢一(人間のデストロイヤー・g04848)は、シル・ウィンディア、フルルズン・イスルーン、松中・誠の連携により、肉体に風穴を開けられて呻く紅鬼斬王丸を見下ろしていた。
「単純な話だ。今までどれだけ好き放題してきたか知らないが――今度はお前がそうされる番だ」
 やればやられる。冷然とした戦場の摂理。
「クッ、ククククッ、弱者ハ死ス。貴様ノ言ウ通りダ」
「下種が大物ぶるなよ、嬲るのが趣味な奴じゃ役者不足だ」
 続く紅鬼斬王丸の言葉に、矢一は眉を寄せ、あえて強い言葉を吐いて煽る。
 そして懸念を抱いていたのは、相原・相真(人間のガジェッティア・g01549)も同様だった。
(「紅鬼斬王丸の性質を考えると、本心で言っているとは思えません。仮に本心だとしても、弱者である事を受け入れて、潔く殺されてくれる相手ではないでしょう。万が一、最後の悪あがきをするなら――」)
 相真は、春子に意識を向ける。
 だが、視線は向けない。
 わざわざ、紅鬼斬王丸の注意を春子に引く必要はないからだ。
(「彼女は、家族の元に帰らなきゃいけない。絶対に、それだけは確かな事です」)
 そして、そのためには。
「今すぐに鬼を仕留めればいいってことだろ」
 相真は口調を荒々しく変え、機構腕に装着された「凍結弾精製装置」から、フリージングミサイルを放った。
「チッ! 少シは隙を見セれバ愛イもノを!」
 紅鬼斬王丸はミサイルを回避すべく、傷ついた身に鞭を打ち森を駆けるが、相真が誘導するミサイルは紅鬼斬王丸に直撃、あるいはその周囲で爆散し、冷気を撒き散らした。
「さぁ、どう出ますか――っ!!」
「アアアアアアアアアアアッッッ!!」
 大気を揺らす咆哮と共に迫り来る鬼の突進を、相真は魔力障壁を纏わせた機械腕で受け止める。幾度もミサイルが紅鬼斬王丸を穿ち、相真が突進で弾かれかけるが、彼は一歩も退かず、どころか人一倍の勇気をもって踏み込んだ。
「俺が恐怖すると思っているのなら残念でしたね。あなたの思うつぼにはなりません!」
「男の恐怖なド、犬モ食わヌワ!」
 紅鬼斬王丸は乱舞するミサイルにより、刻々とその生命力を失いつつあるが、相真の真の狙いは戦場の攪乱、援護。 
 その喧騒による援護を受けた矢一は、姿を隠し、音もなく紅鬼斬王丸の背後に迫ろうとしていた。
(「春子さんは無事だな」)
 矢一は、念のため春子の無事を確認する。
 守りたいと思った存在の無事は、矢一の表情をほんの僅かの時間、憎悪と殺意ではない、いつものゆるい笑顔に変えてくれた。
(「鬼の機動力は多少は削いでいる。不測の事態が起ころうと、対処は可能だ」)
 全ての条件が揃い、矢一は紅鬼斬王丸に忍び寄る。
 ――アサシネイトキリング。
「ァ?」
 紅鬼斬王丸が矢一の存在を自覚した瞬間、既に小型拳銃は突きつけられていた。
 引金を引くと、紅鬼斬王丸の身が爆ぜる。
「ギ、ギィイイイ!!」
 だが紅鬼斬王丸も、最後の反撃として体当たりを繰り出そうと、意識を保とうとするが。
 紅鬼斬王丸が最後に見た矢一は、死力を尽くして反撃しようとする鬼を前に些かも恐れず、泰然としていた。
「……ナ、ゼ……オソ……レヌ…………?」
「省みろ。お前に明日は、もう来ない――」
 渾身の力を振り絞ろうとした紅鬼斬王丸だったが、矢一の致命の一撃はその足掻きすらも許さず、鬼は無様に倒れ伏させる。
 その間際、
「もしまた会えたら、今度はお子さんの話でも聞かせてください。だから、どうか無理や無茶はなさらず、貴女を待つ家族のためにも」
「はい、相真様。そしてディアボロスの皆様。この御恩は一生忘れる事はないでしょう。私自身の限界、そして、何を為すべきなのか、この非才の身でも、少しは分かったような気が致します。とはいえ、まずは子と夫に誠心誠意、謝る所から始めなくてはならないでしょうが」
 相真が告げ、春子は朗らかな笑みを見せてくれた。


 春子を無事に森の外まで送り出せたディアボロス。
 すぐに得た情報を持ち帰って報せねばと、最後に深々と一礼する彼女を見送った。
 あの朗らかと笑う女性こそが、本当の春子なのだろう。
 ディアボロス達はその背中が京の都の中に戻っていくのを確かに見届け、パラトクストレインに乗り込むのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
【冷気の支配者】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2021年09月16日