リプレイ
キリ・ヴェルウィスト
幸せ、希望、か。難しいことを言ってくれる。
商人のふりをして接触してみよう。食料はもちろん、この時代に存在する道具を予め用意して商売をする。中には珍しいものでも潜ませてみるぞ。
ああ、良いものに目をつけたな。それは別の場所で見つけた特別な品だ。奮発してそれをやるよ。
世界にはいろいろなものがある。理解できたと思っていたことが、本当は違っていたこともあったりな。
世界は未知に満ちている。それを知ること、きっとそれはこの村に縛られることよりもずっと有意義で希望に満ちているんじゃないか。
『士気高揚』を使用して、一般人に語りかけよう。どんなに苦しくても諦めるなと。まだ人生捨てたもんじゃない、ってことをな。
冰室・冷桜
奴さん等の趣味の悪さは今に始まったことでねーですが……作らせたもんをぶっ壊すってーのは古来?からの伝統ですけど
積み上げた石を崩したり、掘った穴を埋めさせたりとか……そんだけ効果があるってーことなんでしょうけれど
ま、やるだけのことはやりますか
旅人のフリをして軽い感じで話しかけつつ、【友達催眠】を発動して警戒心を解して新宿島から水とかお饅頭を分けて話を聞きましょう
ははー、そりゃまた仕事もやりがいがないってーか……てか、そんなに無駄なことばっかならサボっちゃえば?
んなことするよりさー、他にやりたいことないん? もっと聞いてて面白そうな感じの
色んな話をして自分たちがしたいこととかを思い出させるみたいな
月見山・伊吹
※連携、アドリブ歓迎だよ!
毎日働かせて綺麗に作らせた建物を
勝手な理由で壊してそれを繰り返えさせるって…
どこぞの穴掘り刑や賽の河原かな?こんなの生殺しだよ!
衣食住は最低限あって…娯楽…猫…
シフォン、手伝ってくれるかい?
【友達催眠】を使ってシフォンを肩にのせて浴衣コンの赤い浴衣着てっと…こほんっ
やぁやぁ私は旅の大道芸人、
こちらは相棒のしほ(※シフォンの偽名)さ!
シフォンに指示してハイタッチ、ゴロン、輪くぐり、玉乗りと芸をお披露目
しほ、皆の肩にのってあげて!
(シフォンは次々と村人の肩にのる)
猫は可愛いし毛はふわふわで温かくていい匂いで触ると希望が湧き上がるほど癒されるだろう?
猫の生命力をお裾分けさ!
●
今回の村の話を聞いて、ディアボロスの思った事はよく似ている。
仕草こそ様々だが、結論は似たような物だった。
「毎日働かせて綺麗に作らせた建物を勝手な理由で壊してそれを繰り返えさせるって……」
月見山・伊吹(小春日和・g04125)は憤慨した。
クロノヴェーダの邪知暴虐を許せぬと思った。
「奴さん等の趣味の悪さは今に始まったことでねーですが……」
対して冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)は苦笑する。
起こりはしない、だが呆れてはいる。
「どこぞの穴掘り刑や賽の河原かな? こんなの生殺しだよ!」
「作らせたもんをぶっ壊すってーのは古来? からの伝統ですけど。積み上げた石を崩したり、掘った穴を埋めさせたりとか……そんだけ効果があるってーことなんでしょうけれど」
伊吹の怒りが溢れ返る物だとしたら、冷桜の呆れは判っている相手に冷静に解説するような物だった。
他愛ない事の繰り返しは面倒くさい、しかし、それ以上にやったことを台無しにされるのは徒労でしかないのだ。
「しかし……幸せ、希望、か。難しいことを言ってくれる」
「さいですね。ま、やるだけのことはやりますか」
二人の気が静まった所でキリ・ヴェルウィスト(小さき何でも屋・g08516)が声を掛ける。
冷桜は持ち前の冷静さを発揮し、溜息一つで気分を切り替えた。
元より呆れは吐き出せば消えるものだ、怒り程に熱量が長持ちはしない。
「旅人のフリをして軽い感じで話しかけつつ、催眠っすかね。警戒心を解して新宿島から水とかお饅頭を分けて話を聞きくとしましょう」
「なるほど、愚痴を聞きつつ物資を提供するのか」
冷桜が心を解しながらさりげなく色々提供すると告げると、キリは頷いて似たような手法を考えていたことを説明する。
「では俺は商人のふりをして接触してみよう。食料はもちろん、この時代に存在する道具を予め用意して商売をする。中には珍しいものでも潜ませてみるぞ」
キリは食料ではなく小道具に関して販売を考えていた。
ノミやノコギリにハンマーなどはこの時代でも存在している。
その上で新宿製の高性能な品物は、工業製品や特殊素材は以外は再現できるから提供しても問題はなかった。名工の作品に匹敵する品だが、それを安く変えるならば幸運に思えるだろう。
「うーん、じゃあ私はどうしよっかなぁ。衣食住は最低限あって……娯楽……猫……」
伊吹は皆の話を聞きながら、首を傾けている間にスフィンクス『シフォン』と目が合った。
二人が話をしてガス抜きをするならば、純粋にプラス方向に行こうと思ったのだ。
「シフォン、手伝ってくれるかい?」
伊吹が傾げた首を戻して微笑むと、シフォンもまたナーと啼くのであった。
そして三人は村で市場のような場所に行く。
定期市などはないが、他所者が来て露店を開くような場所は決まって居るものだ。
「……こほんっ。やぁやぁ私は旅の大道芸人、こちらは相棒のしほさ!」
伊吹は赤い浴衣を着て肩にシフォンを載せ、とびっきりの笑顔で微笑んだ。
この時代の旅芸人は街を渡り歩いて稼ぐか、秋から冬の動けなるシーズンに村に逗留して出歩けない人日を和ませるモノである。
「姐さん。どんな芸ができるんだい?」
「私の言う事は何でも聞くけど、まあそんなの見ても面白くないよね。じゃあ軽く芸を披露しようか! しほ!」
「かあちゃん! 猫さんが、猫さんがお手て繋いだよー」
伊吹が肩に手を向けると、シフォンがそれにハイタッチ。
そして手の平を寝かせると、その上に飛び乗って軽業の準備完了。
手の平から手の甲をグルリと回転させると、その上をとことこ歩いて……。
「そーい!」
「猫が輪っかをくぐったぞ!」
そんな感じで曲芸を始め、皆の注目を集めて行った。
そしてその近くではキリが店を広げて、露店で色々な物を売っている。
「こいつは? 細工用かい?」
「ああ、良いものに目をつけたな。それは別の場所で見つけた特別な品だ。初めての客だし、他じゃ売れなかったんでね。奮発してそれをやるよ」
キリは適当な理由を付けて工具の一つを渡した。
それは学校の選択授業で使う程度のノミである。
技術家庭科の授業で技術を選んだ者が、木工細工を掘る為に使う工具の一つであった。一箱で何本か入っている内の一つなので、一本くらい無料で渡しても問題はない。
「なあ。じゃあ俺にもなんか売ってくれよ。あんまり手持ちはないけどな。交換とかどうだ? 木の実の珠飾りとかなら他所で売れるぜ」
「木を乾燥させて腕輪にしたものか? 良いだろう。しかし……世界にはいろいろなものがある。理解できたと思っていたことが、本当は違っていたこともあったりな」
物々交換は村社会の基本であるし、そもそも商売の心算はない。
別の村人が用意した交換材料は、小さな木の実を集めて乾かし、実を割らずに穴だけ開けた物だった。
それを面白がって売り物に出来るかもな……と言いつつ話を進めて行く。
「世界は未知に満ちている。それを知ること、きっとそれはこの村に縛られることよりもずっと有意義で希望に満ちているんじゃないか」
「そうもいかねえさ。……俺らはこの村で生まれたし、お侍には逆らえないからな」
「そんで家を建てて、壊されて。また建てるってな。ま、殺されないだけマシだよ」
村の外に出たらどうだという言葉に、村の男たちは首を振る。
興味自体はありそうだが、逃げ出すよりも捉まる方が早いと思ったのだろう。
「ははー、そりゃまた仕事もやりがいがないってーか……てか、そんなに無駄なことばっかならサボっちゃえば?」
洗脳ではなく催眠ゆえに、無理な物は無理だと首を振る。
ここで冷桜は立ち寄った旅人のフリをしたたまま、新宿のまんじゅうを交換につかって、キリの商品を手に入れつつ話を始めた。
「んなことするよりさー、他にやりたいことないん? もっと聞いてて面白そうな感じの」
「命令だからなあ。……まあでもそうだな。時間があったら、この珠飾りも色で染めたり、木を削った真球で作っては見てえけどな」
外に活かせるのは無理だと理解した冷桜は、今度は内側で出来ることを探させた。
色んな話をして、自分たちがしたいこととかを思い出させる。
それは話の基本であり、そして何を欲しているかを思い出させる行為であった。
そう言えば先ほども、キリの持っていたノミに興味を示したり、珠飾りを交換品に出していたではないか。細工物など、何かを作ること事態は好きなのだろうと思われた。
「はい、つぎー。しほ、皆の肩に乗ってあげて!」
「きゃーう。きゃっきゃ」
「ずるいー。つぎ、あたしー」
伊吹はそんな中で、シフォンのふわふわさをつかって元気を別けていたのだ。
猫は可愛く暖かく良い匂いで、お年寄りの施設などでもペット・カウンセラーとして扱われている。
猫の生命力をお裾分けさ!
「ではそうだな。あの仔に付けるような飾りを作って売るというのはどうだ? 私が購入して他所の村に売りに行っても良い。偉い人も見てくれるかもしれん」
「それはいいなあ。小遣い稼ぎになるかもな」
「そうなるとやっぱ色か。漆とか紅花さがしてみるべ」
キリはそんな中で、冷桜や伊吹の行動を見て少しばかり修正した。
外に興味を向けるならば、別に出て行かせる必要はない。
今の話に合わせて、細工物を作れば売れるという話につなげたのである。
こうして少しずつ村人たちにも笑顔が広まっていったという。。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【士気高揚】LV1が発生!
【友達催眠】LV2が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
【アクティベイト】LV1が発生!
葛葉・狐狛
腹を満たしたりするのは任せて、娯楽でも提供するさ。
この時代向けに設えた武者傀儡を、【演技】で操り街中で寸劇でも繰り広げるさ。
耳目を引いてくれてる共連れが居るなら、連携して絶え間なく楽しませるようにしよう。
今からうん百年前に、天魔武者が大和の国を奪おうと砦を攻めたけど、通りすがりの風来坊にあしらわれて、這々の体で逃げ出した。なんて小芝居だ。
呉越同舟、妖怪変化と共に遁走したが、追っ手を掛けられ這々の体。
逃げた先で民草に見得を切るが、結局風来坊に見つかって腰を抜かす、と。
終いに丁度よい頃合いで壊れたのがありゃ【建物復元】を放って、家屋を復元するよ。
とどのつまり、連中なんて恐るるに足らず。なんてね。
文月・雪人
※アドリブ連携歓迎
仲間と共に旅人装い村へ
成程ここは技術者の集落なのだね
建築物の見事な出来栄えに思わず見入ってしまうよ
建設者の解説なんて聞けたら最高だよね!
貴重な機会を逃す手は無し
『縁由の言霊』【プラチナチケット】に
可能なら仲間の【友達催眠】【士気高揚】も使い
建物の解説を村の人達に頼んでみたい
俺も土木経験はゼロではないけど
専門家の技術力はやっぱりレベルが違う
技術者への尊敬の念をもって、話を色々聞いてみたいよ
それはもう好奇心全開で!
技術者にとって作品は子供の様なもの
壊されたら悲しいし
褒められたらきっと嬉しい
良い所を沢山見つけていっぱいいっぱい褒めまくろう!
それが少しでも、意欲や希望に繋がればと思う
百鬼・運命
アドリブ絡み歓迎
毎日、村を作っているなら技術は高いだろうし新しい技術なんかには心が動くんじゃないかな?
新宿島でこの時代の土木技術なんかを調べて、排斥力で排除されない程度のこの時代の最新技術を持ちこみ村人達に披露してみよう。
新しい技術は圧政から解放された後に生活していくうえでも役に立つはずだ
ただ問題はそれらを作ってもすぐ壊されてしまう事だろう。せっかく新しい技術を紹介しても意味がない。ならば葛葉さん同様に【建造物復元】の効果を使って壊されたものをまず直して見せよう。
そして壊しに来るクロノヴェーダを倒すことを約束。そうすれば倒すために話を聞きたいということで後の会話による情報収集もやりやすいだろう
●
「腹を満たしたりするのは任せて、娯楽でも提供するさ」
葛葉・狐狛(狐憑き・g00840)は仲間の芸が受けているのを見て、続けざまに披露することにした。
絶え間の無い笑いは、ただそれだけで幸せにしてくれる。
この時代の人間が想像する天魔武者に合わせた武者装束の人形を披露した。
「今からうん百年前に、天魔武者が大和の国を奪おうと砦を攻めたけど、通りすがりの風来坊にあしらわれて、這々の体で逃げ出した。なんて小芝居だ」
「お侍がかい? 信じられねえなあ」
「でもうん百年前だろ? お侍もあんまり強くなかったんだろうさ」
狐狛が用意した人形は厳めしい中に、カラフルな服を着ているのだ。
それが暴れ回ったり、突如地に伏せてやられた様子を見せている。
話の筋としては、しっぺい太郎のような他所から来た風来坊に武者がやられる話であった。
「さて、どうしたものかな。毎日、村を作っているなら技術は高いだろうし新しい技術なんかには心が動くんじゃないかな?」
「成程ここは技術者の集落なのだね。ならその辺りの話が良いかもしれないね」
百鬼・運命(人間のカースブレイド・g03078)と文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)は少し離れた場所でひそひそ話。
ある程度の相談をして、村人たちの心を解きほぐそうとしていたのだ。
「俺は暫くこの辺りに逗留したいんだが、泊めてくれるところがあれば一つ技術を教えよう。建設がグっと楽になるんだ」
運命は適当な理由を付けて村人に技術を開陳することにした。
この村は建設業が得意な訳で、彼らがこのまま圧政下で暮らすとしても、もし解放されるとしても役に立つはずだ。
「へえ、どんなのだい? そんなに凄いのなら村長が飯でも出してくれるぜ」
「それはありがたいな。ちょっと判り易く説明するから、向こうに行こうか」
運命は崩れた建物の方に向かった。
そこは村人たちが建てた家屋の中で、天魔武者に破壊されて残骸となった場所である。
「木に引っ掛けたり、場合によっては木を建てて別の木を引っ張り上げる方法は知ってるな? あれの最新版なんだ」
「ああ。家くらいなら使わねえが、俺らも大きい建物やるときは使ってるぜ」
運命が供与する技術は『クレーン』の亜種である。
この概念自体はそれこそ三国の時代からあるのだが、細かい改良は何度も行われている。
西洋では十四世紀くらいで発見され(ローマ滅亡で消えたならば再発見だが)、東洋ではもう少し後になる技術であった。基礎概念は既にあるので、改良部分だけを伝えれば十分なのでやり易いから選んだとも言う。
「へえ! みんなが建てたんだ。建築物の見事な出来栄えに思わず見入ってしまうよ」
「ちょっと! 勝手には行ったら怒られちゃうよ」
雪人はその辺りの話に食いついて、村人たちが建てた別の建物に向かう。
そこは鰻の寝床と呼ばれる、左右の建物に挟まれた通路付きの商家である。
京都街造りのアレと言えば判る人もいるだろうか? 当然ながら村人たちが住むことは許されず、屋敷と言っても通じる造りは立派な物であった。
「俺ってこの手の話を売り物にしてるんだよね。貴重な機会を逃す手は無し。少し代金を弾むからさ。教えてよ。その金でさっきの商人からいろいろ買えばよいじゃない」
「まあ、そうなんだけど。……本当に払ってくれるんだな? お侍には工具の代金の為って言うから……」
雪人の狙いは簡単である。
この建物は彼らが立てたが、いずれ壊される物である。
ゆえに徒労に終わり、何も残らない。だが、情報は残っているのではないだろうか? 自慢話ができれば、気分よくなるのは人の常だ。建設者の解説なんて聞けたら最高だよね!
「ここは二階が禁止されてるんで、中二階があるんだ。まあ働きに来たガキどもを止める程度の狭さだけどな」
(「俺も京で色々関わって土木経験はゼロではないけど……。専門家の技術力はやっぱりレベルが違うね」)
その商家は中途半端な高さであった。
村人がお侍の命令で二階を作るのは不遜だといったので、中二階を作ったという。
しかしその話もどうやら伝聞の様で、別の地域の天魔武者の街なのか……それとも、実際の歴史を天魔武者が聞きかじったのかもしれない。
「中央に洗い場があるのは、商家の連中も下働きの連中も此処に集まるからだな。裏手が倉だったり、酒屋なら酒造りの倉になるんだ」
(「酒造りの倉かあ。兄さんとか興味あっただろうなあ。……それとも何度も見学に行ってるかな?」)
雪人はそれはもう好奇心全開で聞いている。
ニコニコと笑う彼に、技術者と言うか村人たちも悪い気はしていない。
作品は子供のようなものであるし、話すだけで御駄賃がもらえるのだからなおさらだ。
壊されたら悲しいし、褒められたらきっと嬉しい。
良い所を沢山見つけていっぱいいっぱい褒めまくった辺りで、みんなが集まって来た。
「なんだ見物客が減ったと思ったらここかよ。じゃ、さっきの続きからな! ……呉越同舟、妖怪変化と共に遁走したが、追っ手を掛けられ這々の体。逃げた先で民草に見得を切るが、結局風来坊に見つかって腰を抜かす、という話さね」
狐狛は村の市場で行った話を此処でも始めた。
楽しい話を聞く人間が沢山居れば居るほど良い。
だが、もう一つすべきことがあったのだ。そして今回における切り札とも言えた。
「よくぞ最後まで聞いてくれましたよっと。んじゃ、終いにちょいと『芸』を披露しようか。取り出したるは何の変哲もない一枚の風呂敷! こいつを懸けて、あびら、うんけん、そーわか!」
「な、なんだ!? 廃屋が……」
狐狛は印を逆に切り、時戻しと呼ばれる術を唱えた。
呪言自体は良くある術だが、ある種の印を逆に切れば、起きたことを逆回しにすると言う地方もある。
大抵は『怪我なんかしていない、怪我をしていた事実よ飛んでいけ!』くらいにしか使われないのだが……コレを破壊された建物に対して唱えたのである。
「どうしたことだべ? 壊された建物が……元の通りになった?」
「お、俺の目がおかしくなったんじゃねえか? ちょいとつねってくれ……あたたた」
村人たちもこれには驚いた。
壊されたはずの、彼らの作品が元の様に蘇ったのである。
「そういえば空海さまは立ち寄った村々で様々な奇蹟をなされたとか。それには及ばぬが、壊されたものをまず直して見せよう」
運命もこの話に相乗りした。
大幣を手にして、まるで神事のように右に左に振ったのだ。
すると同じように破壊された別の建物が復活していくではないか。ディアボロスは期限内に破壊された物ならば修復できる能力があるのだが……この期限内というのが曲者であった。だが、この村では定期的に破壊演習が起きている。ゆえにこの能力は切り札になった!!
「あ、あんたたちは一体……」
「さっきの話に合ったろ? 天魔武者を蹴散らす風来坊さ。今回も連中を倒して見せようじゃないか」
「とどのつまり、連中なんて恐るるに足らず。なんてね」
驚く村人に運命と狐狛は建物を背に笑って見せた。
もちろん移動しても崩れたりはしない。
ただそこに不可思議な力と、その実力があるということを端的に示して見せたのである。
「あとは本当に連中を倒すだけだね。そして建物に対する自信が……それが少しでも、意欲や希望に繋がればと思う」
その姿を見た雪人は、新たに決意を固めるのであった。
蘇った建物はそのまま村人たちの希望である。
その希望を守り通し、そして村人自身も必ずや助けよう!
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【建物復元】LV2が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV4になった!
冰室・冷桜
首尾は上々と
んじゃ、あとはここらの話でも聞きますかー
お菓子とか渡しながら村の人らから引き続き話をば
んー、やっぱお年寄りの人か、商人とかのが詳しく知ってそうかしらん
どもども、お休み中に申し訳ねーですねーと軽い世間話から入りつつ
武者さんとか忍者さんがどっから来てんのか、ご存知ないすかねー
やっぱここら辺の近くにお城とかあったりするんすか?
●
ディアボロス達は村人たちに関わって居た。
娯楽の無い村に色々と持ち込み、建物を壊されて嘆いていた人々に再生という名前の思わぬ幸福をもたらす。
「首尾は上々と」
冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)は周囲を眺めていた。
村人たちに笑顔が戻り、『どうせまた壊れるんだろう』と疑ってはいるが様子を見に来る者は多かったのだ。
「んじゃ、あとはここらの話でも聞きますかー」
ここで冷桜は情報収集に移る。
周囲を見渡して職種を簡単に分類。
村人ならば老人、そうでなければ商人たちを探して歩いた。
「ちょいとお話良いかしら?」
「うむ。なんぞ酔うかいのう」
冷桜はお饅頭を片手に老人に話しかけた。
お年寄りならば古くからの話を言っているだろうし、村での発言権もあるからだ。
「どもども、お休み中に申し訳ねーですねー」
「いやいや。半分隠居しとるようなもんさ。まあお役で何か建てろつー時は、駆り出されることもあるがね」
冷桜は軽い世間話をしながら、途中で本命へと切り込むことにした。
他にも情報収集をしたものが同様の話を聞いて来たが、一番早く聞き出したのは物知りに直接訪ねたからだろう。
「武者さんとか忍者さんがどっから来てんのか、ご存知ないすかねー。やっぱここら辺の近くにお城とかあったりするんすか?」
「今は下山甲斐守城だという話じゃぞ。戦か何かに備えて、新しい城でも作らんかぎりはのう」
城は本城や支城など、一国に複数あったり、落城したり災害で変わったりもする。
だがここ暫くは『下山甲斐守城』だと冷桜は確かに聞いたのである。
大成功🔵🔵🔵
効果1【ハウスキーパー】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
キリ・ヴェルウィスト
なにはともあれ、希望を与えられたようだな。
……そうして灯した情熱に茶々を入れるのはナンセンスだろう、クロノヴェーダ。
分身とはまさに忍……だが、本来の歴史では機械などではなかったと思うんだがな。
敵の幻霧分身に対して、こちらは高機動のパラドクスを使用。無数に現れる分身さえもまとめて斬り刻んでみるとしよう。
忍の攻撃はダッシュやジャンプを行い臨機応変に対処だ。
速やかに任務を実行し、慈悲もなく対象を暗殺する、というのが忍だったはずだが……圧政のために人ではなく心を破壊しようとするのは、より悪辣が過ぎるな。
●
「なにはともあれ、希望を与えられたようだな」
キリ・ヴェルウィスト(小さき何でも屋・g08516)は再生された建物を眺めて呟いた。
村人たちがそうしたように真似してみたのだが、あまり感慨がつかめない。
もともと裏稼業で生きて来たのだが、建物があるという事……いや、『成果が形に見える』ということに、裏稼業出身者だからこそ馴染みが無いのだ。
「だが……そうして灯した情熱に茶々を入れるのはナンセンスだろう、クロノヴェーダ」
しかし裏稼業出身者だからこそ判る事がある。
見せしめは可及的速やかに、そして大々的にやって見せるべきなのだ。
それゆえに、建物ばかりで人影にの無い架空の村で待ち構えていたのである。
『何奴!?』
「貴様らに名乗る名などないと言いたいが、ここはディアボロスだとでも答えておこうか!」
やって来る天魔武者に対し、キリが大鎌を構えて立ち向かった。
その上で懐のナイフを予備に走り始める。
『不埒なるディアボロスめ! 囲め囲め!』
「分身とはまさに忍……だが、本来の歴史では機械などではなかったと思うんだがな」
周囲に溢れ始めた霧をプロジェクターに分身を始める忍者たち。
キリはそう言いつつも我が身を省みて、自分が子供の様なヒルコになっているのであれば、忍者が機械の世界もあるのかと苦笑した。
『見たか分身影四つ!』
「それはお前らだけの特権じゃないぞ。……捉えられると思うな」
走り抜けながらナイフを投げつけ、直ぐ後を追うように小刻みに走り始めた。
幻を浮かべてその中に突っ込み、不規則な機動で残像を残していく。
『力負けしたか……不覚』
「速やかに任務を実行し、慈悲もなく対象を暗殺する、というのが忍だったはずだが……圧政のために人ではなく心を破壊しようとするのは、より悪辣が過ぎるな」
基本的にスパイであり、普段は動かない。
だが動く時は疾風迅雷で速やかに暗殺するというイメージだが……これではただの暴力装置である。
キリはこの不可思議な天正大戦国に、複雑な思いを抱くのであった。
成功🔵🔵🔴
効果1【士気高揚】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
飛鳥・遊里
*動力甲冑【火之迦具土】装着
俺は忍者は好きな方だけどな、かっこいいし。だがしかし、人々の幸せを踏みにじる輩に手心なんぞ無用。ニンジャ倒すべし、慈悲はない
【跳躍ユニット】に火を入れ、地面をホバーで高速移動しながら、【シュリケン・ランチャー】をばら撒き、敵の動きを抑制する。向こうも手裏剣を使うようだが、俺の方はあくまで本命の前の牽制だ。ダッシュ、ジャンプを織り交ぜた立体機動で撹乱しながら敵の陣形を乱す
程よく敵の陣形が乱れたら、【布都御魂】を抜刀。腕部から電力を供給して、チャージ開始
勢いよく上空に飛び上がり、敵の真上から天の裁き(プラズマスラッシュ)を放つ。天罰覿面、哀れニンジャは爆発四散ってな
●
『やはりディアボロス居たか! 殺せ!』
「俺は忍者は好きな方だけどな、かっこいいし」
次々と村に向かう忍者型クロノヴェーダ。
その前に立ちふさがる影があった!
「だがしかし、人々の幸せを踏みにじる輩に手心なんぞ無用。ニンジャ倒すべし、慈悲はない」
飛鳥・遊里(リサイクラー・g00512)は赤い動力甲冑を起動していた。
地面を高速ホバーで移動し、片手に電磁式のボウガンを構える。
『おのれ! 邪魔立てするか! やれい!』
『『おう!』』
敵は何と背負った大型手裏剣を投げたのみならず……。
その上に飛び乗って突撃して来たのである!
『見たかこれぞ飛翔十字……』
「いや、こっちは普通に飛べるよ、ご苦労さん。ついでに手裏剣には手裏剣だ!」
遊里は抜刀するや跳躍ユニットに入れた火を最大へ。
空へと飛び上がりつつ、ボウガンより無数の手裏剣を飛ばしていく。
これぞ手裏剣ランチャー! 上空から撃ち降ろすように放ったのだ!
「腕部供給装置接続……リミッター解除、でえええい!」
そして手裏剣が攪乱した所で下に向けて加速。
刀にまとった電撃を最大出力で放ち、まとめて切り裂いたのである。
「天罰覿面、哀れニンジャは爆発四散ってな。問題なのは……」
ヴォンと唸る刀を構えて遊里は周囲を睨んだ。
次々にやって来る忍者は一体や二体倒したところで、全滅には程遠かった。
「さて、誰から死にに来る? いいぜ、俺には仲間が居るからな」
だが彼は絶望などしていない。仲間が来援に来てくれることを知っていたからだ。
それは戦いというよりは、時間との勝負であった。
成功🔵🔵🔴
効果1【通信障害】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
月見山・伊吹
【公園】
※連携、アドリブ歓迎だよ!
希望が湧いた村人達の心をまたへし折るなんて絶対にさせないよ
丹精込めて作った建造物ごと人々の幸せをぶち壊す悪い忍者どもは
多機能シャベルで悪巧みごと木っ端微塵になるほど粉砕するから!
(白露さんと合流して)
こちらこそ来てくれてありがとうねぇ
よーし、一緒にあの悪い忍者どもをやっつけよっか!
白露さんの宙に舞う闇の刃による拘束によって
持ち前の素早い動きを封じられた悪い忍者どもを
パラドクス『烈日』を使って次々と粉砕するよ!
意地悪な機械の性根はその装甲と手裏剣ごと物理的に脳天ぶん殴って平たくなるほど叩き直すからねぇ!
戦闘後は【建物復元】で壊れた建造物を直すよ
御森・白露
【公園】
アドリブ連携歓迎
やはり、な。
人の心を癒し知恵を与える。その場凌ぎではない救いとは、斯様であるべしよのう。
して……我の様な獣には此方の役が似合っておるわ。付き合わせて悪いな、伊吹殿。
ここは通さぬぞ忍共。民草の希望、打ち倒せるとは思うなッ!
宵順えや鈞天儀。卑劣なりし影共の、四肢を月光が縫い留めん。
宙を舞う闇の刃を放ち、腿裏から掬い上げるようにして転ばし、四肢の先に刃を突き立てて拘束する。
は、分身が何だと言うのだ?実体のない幻影ならば刃が砕ける憂いもない。手数で攻め立てるのみよ。
さ、後は伊吹殿に任せるとしよう。ド派手に天誅を喰らわせてやれい!
建物に被害があれば【建物復元】で修復じゃ。密にな。
●
「やはり、な」
戦いが始まる少し前、男は静かに村を見ていた。
遅れて到着した事もあるが、そこにあった賑わいに相好を崩す。
「人の心を癒し知恵を与える。その場凌ぎではない救いとは、斯様であるべしよのう」
人々の笑顔は、ただ食料を積み上げても得られないものだ。
御森・白露(放浪する転寝狐・g05193)は仲間たちが創意工夫し、様々なアプローチをしたことを知った。
中でもこの村の人々を喜ばせたのは、破壊された建物が再生された事だという。
いつもの作戦では、どちらかといえば使い難い能力の一種だ。しかし今回は見事に使いこなし、『この土地に住む人々の心に合わせて』望むモノを用意したことが大きかったのだろう。
「して……我の様な獣には此方の役が似合っておるわ。付き合わせて悪いな、伊吹殿。」
「こちらこそ来てくれてありがとうねぇ。援軍のお陰で百人力さ!」
白露が尻尾を軽く振ると共に抜刀すると、月見山・伊吹(小春日和・g04125)もまた戦いの準備をしていた。
武骨なシャベルを肩に背負い、まるで大刀のように構えていたのだ。
「希望が湧いた村人達の心をまたへし折るなんて絶対にさせないよ」
建物を見ていた伊吹だが、その心は全く別の物を見ている。
最愛の夫が色々と造ってくれた物、夫の為に作った様々な品。
それらを無残に壊されたら、例え物であろうと許せるわけはない。他人事ながら感受性の強い伊吹は、我がことのように怒りを覚えたのである。
「丹精込めて作った建造物ごと人々の幸せをぶち壊す悪い忍者どもは、多機能シャベルで悪巧みごと木っ端微塵になるほど粉砕するから!」
シャベルが武器なのかと驚く者もいるだろう。
だが軍隊格闘術では、使えるモノは何でも使えと言う。
いざとなったら煉瓦だろうがハンカチだろうが使いこなすだけ、シャベルは鋭利な部分もあるので武器として愛用する者も多いくらいである。多分、きっと、おそらく……まあ標識や電信柱で戦うディアボロスよりは多いはずだ。
「よーし、一緒にあの悪い忍者どもをやっつけよっか!」
「委細承知!」
二人はそう言って村の郊外へと向かった。
既に仲間たちは村の外へと戦場を移行している。
巻き込まれて壊れた建物は後で修復するとして、まずはこちらにやって来る忍者もどきを倒す時!
「ここは通さぬぞ忍共。民草の希望、打ち倒せるとは思うなッ!」
御仏の慈悲も大戦国には届くまい!
白露は妖刀を空に掲げると、その刃を分身させたかの如く無数の刃を生じさせた。
十六夜月は夢幻(無限)の如く。呪詛で構成された刀身がクロノヴェーダに襲い掛かる!
『くっ。周囲全てに襲い掛かって来るだと!?』
「宵順えや鈞天儀。卑劣なりし影共の、四肢を月光が縫い留めん。……は、分身が何だと言うのだ?実体のない幻影ならば刃が砕ける憂いもない。手数で攻め立てるのみよ」
宙を舞う闇色の刃は全天仕様。
胡乱な相手には点ではなく面で押せと新宿では常識である。
白露は無数の刃で幻影を貫き、相手に当たって砕けたところへ集中砲火を浴びせて行った。
「さ、後は伊吹殿に任せるとしよう。ド派手に天誅を喰らわせてやれい!」
「天が呼ぶ、地が呼ぶ、クロノヴェーダを倒せと時が呼ぶ!」
白露の声に伊吹は身構えた。
秋の霜や夏の烈日の如く確実に、ディアボロスは悪を許さない!
大きな手裏剣に乗ってやって来る? シュッシュと手裏剣が乱れ飛ぶ?
『受けよ伊賀流手裏剣術!』
「だからどうした!」
意地悪な機械の性根はその装甲と手裏剣ごと、物理的に脳天ぶん殴って平たくなるほど叩き直す!
斜め四十五度なんてのは生ぬるい!
多機能シャベルで力一杯殴れば大体どうにかなる!
多目的ショベルカーに匹敵するパワーでぶん殴る!
『お、おのれ。だがこんなことをしても無駄よ。我らを倒したところで……』
「だからどうした! 一つ一つやり遂げてくだけだよ! こんな風にさ!」
伊吹は相手の捨て台詞など聞かず、視界内にあった建物を修復していく。
それは先ほど仲間達との戦闘で壊された物だろう。
手裏剣が突き刺さり、刀が突き刺さった家屋が蘇っていく。
「そうじゃの。有効な手を真似して悪い道理はなし。ここは可能な限り直していくとしようか」
「砦に向かうのはその後でいいだろうしね。そんじゃ頑張るよ~」
そして二人は建物の中で、期限内に壊された場所を探して修復に向かうのであった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV6になった!
【命中アップ】LV1が発生!
葛葉・狐狛
さて。いよいよ砦に討ち入りさ。
ずいぶん大仰な仕掛けだねぇ。まさにサス……これ以上は言えないね。
突入前に仲間と相談して三番目の仕掛けの突破役を決めておく。注意を引かずに行動できる人が適役かね。
猿飛の間は【エアライド】を借りて間隔の空いた足場を跳んで行くさ。
内矢佐間は【未来予測】で飛んでくる方向を視て避けるよ。仲間にも注意を促そう。
石落の間は【怪力無双】を使って岩を受け止めて横に転がし、突破役の進路を確保。
立ち塞がるアヴァタール級は【犬神招来】で牽制しつつ【時間稼ぎ】。
自分が殿でないなら、最初と二つ目は仕掛けを突破したところで周囲をざっと【観察】【看破】して解除装置を探すさ。
●
「さて。いよいよ砦に討ち入りさ」
葛葉・狐狛(狐憑き・g00840)は絡繰り砦に向かった。
そこは肉厚な壁と、ポッカリ空いた入り口だけしかない。
「喰いかけの月餅みたいやな」
「食べかけたカヌレかな……」
仲間たちはその形状に美味しそうなお菓子を思い浮かべた。
それだけ周囲の壁は分厚く、大砲でも容易くは貫通出来なさそうな構造である。
全体的に丸く攻撃を受け流せるように作られており、入り口のみが空洞になった『C』型だと言えるだろう。
「あそこ、アスレチックみたいだよ」
「ずいぶん大仰な仕掛けだねぇ。まさにサス……これ以上は言えないね」
おおっと!
狐狛は抱いた感想を途中で切り上げた。
なんだが危険な香りがしたので、ツッコミを避けるために黙っておいたのだ。
「先に言っておくけど、たぶん今回のポイントは罠じゃない。誰が三番目の仕掛けを突破するか……かな? まあ注意を引かずに行動できる人が適役かね」
「なるほど」
「せやな」
「ふむ」
狐狛の言葉に仲間達は何となく想像してみた。
幾多の関門をアトラクションのように越えて行く。
もちろんディアボロスだから能力を駆使すれば問題ない。クロノオブジェクトなら罠は破壊できないだろうが……。最後の間に敵が居る以上は、足止めされてしまう可能性があるのだ。
そこで四人は相談すると、本命・対抗・穴馬を決めて突入することにした。
みんなで問題点を一気に把握しつつ、奥の間で待ち構えている敵に同時に辿り着くくらいの方が楽だからだ。
「いよっ!」
「っと」
というわけで各馬一斉にスタート!
第一のゾーンは猿飛の間!
狐狛たちはエアライドを使って、穴の上に作られた足場を渡っていく。
「ひとまずは何とかなったかな」
「そうだね」
エアライドの良い所は二つある。
一つ目はジャンプする時に追加で跳べ、跳躍力を補えること。
二つ目は……その余裕ゆえに通る道筋の最適解が判る事であった。
そのまま次の間に行こうとして……。
「ちょっと待った! そこっ、避けれない角度から矢が飛んでくる!」
「うおっと」
狐狛は仲間たちに未来を教えつつ、懐から糸を用意した。
仲間の一人がその声で足を止め、糸で括った式神を飛ばすと矢が飛んでくる。
「空を飛んでも駄目なのか。ルの付く盗賊の三代目みたいだね。ここを越えたらむしろ楽だから、解除装置を探すかな」
狐狛はそう言いながら犬の式神に切り替え、敵アヴァタールの足止めに備えるつもりであった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【未来予測】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV7になった!
リュウ・ターレン
アドリブ・連携歓迎
んーと、罠乗り越えていけばええねんな。
まずは猿飛の間。【エアライド】で足場と足場の間を飛んでけばええな。
これでいけるやろ。
続いて打矢佐間。此処は【飛翔】使えるんかな。使えるんやったら【飛翔・エアライド】で回避しながら進むで。速度も大事そうやしな。
やばそうやったらパラドクスで矢を叩き落したらええな。もしくは<弾幕・連続魔法・誘導弾>で弾き落しながら進む。
岩落としの間も……【飛翔・エアライド】で回避しつつ進む。
タイミングも大事かな。もしくはパラドクスで壊すか、<粉砕・砲撃・斬撃・グラップル>で岩壊せるなら壊す。
敵の気配がないか<観察>しつつ慎重に各間を進んでいくで。
文月・雪人
※アドリブ連携歓迎
忍者達の絡繰り砦、これまた興味深い建物だよね
実物はどんな感じかな(わくわく
とはいえ油断は禁物
仲間と確り連携して確実に突破していこう
猿飛の間、内矢佐間、石落の間、成程分かり易い名前だね
A:【エアライド】で最適な移動経路を見出して、足場とジャンプ駆使して素早く突破
B:観察と【未来予測】で矢の軌道とタイミングを看破、【エアライド】で回避しつつ駆け抜ける
C:降って来る岩を【怪力無双】で受け止めて
適当に投げる風を装いつつ、死角を作るべく通路に配置するまでが下準備
待ち構える木阿弥に気付かれないよう仲間の動きを陽動に
【光学迷彩・エアライド】で岩陰を伝って奥へ移動
扉の向こうの回転体を破壊する
飛鳥・遊里
*動力甲冑【火之迦具土】装着
こういう時に言うのは何だけど、こんな感じのアトラクション突破するテレビ番組見たことあるな…こっちは命がけだけどな
A:【エアライド】を含めたジャンプダッシュを駆使して手早く抜ける
B:【機動防盾】と【迎撃ユニット】、【神速反応】で全方位警戒しながら対応
C:【シュリケン・ランチャー】【迎撃ユニット】、【神速反応】で岩を爆砕しながら対応
で、回転体への対処だが…俺はこのナリだと隠密にはあんまり向かなさそうだからな、他のメンバーが仕事がしやすいようにあえて悪目立ちして木阿弥の目を引く様にするか。この格好だと、案外機械武者となんか関係があるのかとか深読みとかしてくれそうだ
●
これはちょっと前の事だ。
「忍者達の絡繰り砦、これまた興味深い建物だよね」
攻略作戦前、文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)はひそかにワクワクしていた。
一般人には難攻不落でも、ディアボロスにとってはアトラクションの様なものだ(傷は考えないモノとする)。
「こういう時に言うのは何だけど、こんな感じのアトラクション突破するテレビ番組見たことあるな……こっちは命がけだけどな」
飛鳥・遊里(リサイクラー・g00512)はその意見に頷きながらも微妙な顔をしていた。
なんというかアトラクションに挑む動力甲冑という外見には、いささか似合わないモノがある。
しかしクロノヴェーダの張った罠であり、そこを攻略して人々を解放することには否応はない。
「そうそう。今回のポイントは攻略する事じゃないと思うよ。最終形をどうするかって事」
「んーと、罠乗り越えていけばええんちゃう?」
仲間の言葉にリュウ・ターレン(奪われた者。奪い返す者。・g07612)は首を傾げた。
罠が三つあって、そこを越えれば敵将が待っているのではないのか?
「あー。回転体を壊すのを敵は邪魔するものね」
「そういうこと。それをいかに出し抜くのかが、面白いところさ。まあ注意を引かずに行動できる人が適役かね」
雪人が解釈を答えると、その仲間は楽しそうな声を上げた。
まるでこれから悪戯しようという子供であるかのようだ。
「そういう事なら俺は遠慮しとくぜ。俺はこのナリだと隠密にはあんまり向かなさそうだからな。どっちかえと言うと囮向きだ」
遊里はそういって動力甲冑で肩をすくめて見せた。
チュイーンとモーターが回転して、大仰な仕草でロボットめいた甲冑が肩をすくめる仕草を行う。
「せやな。ならワタシは直線的にめざすわ。それで行けるなら良しちゅーわけやね」
「という事は俺が隠れて行くよ。光学迷彩の他に、もう少し考えている事がある。
ここでリュウはそのまま強襲案を取り、雪人は隠形を試すことにした。
相手によって練っている対策が違うので、どちらが良いとも言えないからである。
こうして四人はカラクリ砦に挑む。
形状的に言えば『C』型の砦に開いた穴へ、真っ直ぐ突っ込んでいく形となった。
「なかなかだね。っと。床の上は矢が飛んでくるよ、気を付けて!」
雪人は楽しみながら猿飛の間を越えた。
離れた場所にある足場に飛び移り、飛距離をエアライドで調整していくのは楽しい。
しかしここからが危険地帯である。
「矢もクロノオブジェクトか。火力は低いし強度も大したことはないが……要警戒だな」
遊里は透明な暴徒鎮圧用の盾で防ぎながら、10cmの迎撃用人形を浮かべて注意深く進む。
矢を跳ね返し、ビームで迎撃しつつゆっくりと歩いて行った。
「その先、矢が飛んでくるよ」
「おおっと。空中にも反応するんか。どうしたもんかな」
リュウは仲間から未来視に寄る忠告を受けながら、この段階では少しずつ進んでいった。
空を飛んでも矢が来るという事は、時限式か、さもなければ熱反応でも見ているように思われる。
(「……速度も大事そうやしな。ここは強行突破すべきところかもしれん。なら、叩き落として進めばええんや」)
リュウは遠くに見え隠れするアヴァタール級をチラリと垣間見た。
やつらこちらの動きや思考パターンを読んでいるように思われる。
もし時限式なら厄介な罠が増える可能性もあるし、相手を牽制する意味でも急ぐべきだろう。
「ワタシが先にいく。落とし損ねたら援護を頼むわ」
「了解、補助はこっちでやっとく」
「ハーイ。危険そうなところは俺の方で忠告するよー」
ここでリュウは筆を持って進み出ると、ジャンプしながら壁を三角飛び。
まるで道場破りと戦う空手家のように走り、あるいは跳びながら衝撃波をまとった手を振りかざした!
「撃て撃て!」
(「猿飛の間、内矢佐間、石落の間、成程分かり易い名前だね。矢がクロノオブジェクトと言う事は、当然次は……ふむ」)
遊里が迎撃ユニットを支持する間、雪人は未来を見て忠告しながらこの先の展開を読んだ。
かなり大きな岩が落ちて来るし、その岩も大きさに比例して破壊し難いだろう。
もちろん大型砲なら可能だが、流石にそこまでの余裕はあるまい、あったとして相手が防ぎに来るのは目に見えていた。
「ワタシの後を伝えばええやろ。手掛かりは残してあるで」
「よし! こっちもエアライドで追いかけるぞ!」
リュウは悪魔の力を宿した筆で空中に文字を描きながら進み、エアライドで最適解を探していた。
その軌跡を追い掛け遊里は一気に加速すると、仲間の盾に成るべく前に出る。
迎撃ユニットを先頭に立てて、手にしたボウガンで手裏剣を撃ちながら突き進む!
「でかっ! 止めれんわけじゃないが……」
(「やっぱり大きな岩だ……よし。今の間にっと」)
だがそこへ落ちて来たのは、思いのほか、大きな岩であった。
雪人は仲間と一緒に怪力で大きな岩を投げて反らせていく。
だがソレは単に岩を反らすだけではない、意図的に一か所に集めて置いたのだ。
『さあて。ヌシらの悪あがきを見せてもらうとするだぎゃー』
『然り』
当然ながら、ここで敵はゆっくりと前に出て刀を抜いた。
片足を惹く、まるで怪我人のような動きでフラフラと動いていたが……。
「ちっ。敵が邪魔やね」
そこには岩が落ちて来ず、あるいは落ちてこないと思ったら急に切り掛かって来るのだ。
この動きに阻害されることで、なかなか突破が難しいのである。
「……。あのガラス扉、あれもクロノオブジェクトや! 攻撃じゃ破壊できんで!」
「……。どうしろってんだよ!」
遊里とリュウは打ち合わせ通り、可能ならば回転体を目指すという態で少しずつ前に出ていた。
しかし本命は雪人に任せて、回転体を睨みつつ敵アヴァタール級に相対している。
『ではもっと邪魔してやろうかのう。これなる異形は……』
「おおっと! 残念。その講釈はまた来週! ってね!」
光学迷彩に加えて、岩の影に隠れていた雪人は扉を開けて回転体を破壊する。
ただ光学迷彩を掛けただけでは、発見されていただろう。
しかし事前に突破役を決めており、仲間たちが囮に成ってくれたことで見事に任務を果たしたのである。
そして先ほどまで落ちて来た大きな岩は、それ以上、落下することはなかったのであった。おそらくは足場の方にも、渡り廊下か何かが設置されている事であろう。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【エアライド】がLV3になった!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【ダブル】がLV2になった!
【命中アップ】がLV2になった!
飛鳥・遊里
*動力甲冑【火之迦具土】装着
さてご老人、覚悟はいいかな?こちとら、面倒なアトラクション超えてきていい加減疲れてるんでな、ささっと終わらせて帰りたいんだ
【機動防盾】を構え、【天之尾羽張】を鞘から抜き、敵に向かう。…喰えない爺さんだ。耄碌してるフリをしてその実、だまし討ちする気満々だってのが透けて見える。しかし、そんな小細工を真正面から切り伏せてやるよ
動力甲冑の出力を上昇させ、即応性を上げる。スピード勝負だ
剣と盾で攻撃をいなしながら、隙を伺う。こっちだって剣速には自信がある。いつまで余裕のあるフリを出来るかな?上手くさばいて隙を見つけたら、【天之尾羽張】の封印を解除、一気呵成にぶった切る!
文月・雪人
※アドリブ連携歓迎
三面六臂の妖忍者か
仏像みたいな姿だけれど、木阿弥って元は僧侶の名前なのだっけ?
しかし禹歩反閇とはまた、寧ろ陰陽師っぽくもあり
まあどちらにせよ、胡散臭い相手には違いないけどね(苦笑
油断は禁物、引き続き仲間と連携して戦おう
【未来予測】【反撃アップ】で攻撃を看破して
攻撃の瞬間【エアライド】も使い飛び退き、直撃を【ガードアップ】で回避
代わりにクダ吉が反撃すると見せかけて
本命は『龍脈解放』の不意打ち攻撃
敵の足元を陥没あるいは隆起させ
【能力値アップ・命中アップ・ダメージアップ】な攻撃を行う
そういえば、主を失くした砦はどうなるのだろう、崩れない?
可能な範囲で戦闘後の砦の状態も確認しておくよ
●
回転体が砕け散り、それと同時に上方からガタンガタンと音がする。
どうやら岩をスムーズに動かしていたナニカが止まったらしい。
『おや? 何やら物音がするぞ』
『然り然り。何があるのやら』
腰の位置は変えずに、右に左に老人風のアヴァタール級が顔を動かした。
右を見て、左を見て、掌を目線の位置まで上げている。
しかし……。
「三面六臂の妖忍者か」
「木製の天魔武者かもしれんぞ」
文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)と飛鳥・遊里(リサイクラー・g00512)はその正体を見抜いていた。
手が六つ、顔が三つあるのだから仕草で脅威度が変わるわけはない。
隙だらけに見えても、残りの顔が周囲を眺め、あるいは腰や背中の武装を握って居るように思われた。
「さてご老人、覚悟はいいかな? こちとら、面倒なアトラクション超えてきていい加減疲れてるんでな、ささっと終わらせて帰りたいんだ」
『なんじゃろのう? ばーれーたーかー。……参った参った、お主には到底敵わんよ』
遊里が動力甲冑に刀を抜かせて迫ると、敵はとぼけた顔をして耳に手を当てる。
取り合わずに透明な盾を構えて突撃を掛けると、クルリと上半身が一回転!
人間には不可能な動きで斬撃を浴びせて来た!
「……喰えない爺さんだ。だったら真面目にいかせてもらおうか。封印解除!」
遊里は動力甲冑からのエネルギー供給を一気に上げた。
神代の力が解放され、機械式刃に半透明なエネルギー上の刃が宿る。
それは人に許されざる力であるが、動力甲冑によるアシストで制御していたのだ。
『ひょおお!』
これに対して敵は転がる様な、起き上がるような動きで対応する。
片足を常に地面に付け、バランスが崩れているようでコントロールされている微妙な力加減!
「あれは……禹歩反閇とはまた、寧ろ陰陽師っぽくもあるなあ。でも木阿弥って元は僧侶の名前じゃないっけ?」
禹歩とは古の帝が足を悪くしてまで大地を計測したことに由来し、反閇はそれを繰り返して行う仕草の事である。
雪人が感想を口にしたように、本来は神仙道・符蟲道を経由して陰陽師に受け継がれた歩法である。
縮地の一種にもこんな動きがあるが、見事に術理のチャンポンと言えるだろう。
「仏像みたいな姿でもあるけど……。まあどちらにせよ、胡散臭い相手には違いないけどね」
雪人はそう言って、垣間見ていた未来から現実へと返る。
その時には一瞬の攻防が繰り広げられていた。
『これこれ、老人は敬うもんじゃぞ』
「耄碌してるフリをしてその実、だまし討ちする気満々だってのが透けて見えるぜ。しかし、そんな小細工を真正面から切り伏せてやるよ。いつまで余裕のあるフリを出来るかな? フル・パワーだ!」
鍔競り合いになったらパワーのある遊里の方に分がある。
リミッターをカットして刃を延長すると、ブスブスとエネルギーの刃が敵を切り刻み始めた。
これには敵もたまらず、体を回転させて自らの刃を寝かすように小さな回転で切り抜けて行く。
『ほーう!』
手癖の悪い敵は脱出すると同時に、雪人へ襲い掛かって来る。
転がりそうでいて、転がらずに足を薙ぐ一撃!
「見えているよ。クダ吉!」
雪人はその攻撃に管狐のクダ吉を向かわせて逆襲。
ジャンプしながら片足を地面に付け、その一瞬で反転して前に出たのだ。
クダ吉による行動はあくまでガードまで、反撃もすると見せたのはフェイントである。
「目には目を歯には歯を、大地の力には大地の力を! 流れはやがて大河となりて」
着地と同時に雪人は、着けた片足の形に地面を変形させた。
足のコピーを地面に作り、隆起したソレに乗って勢いをつける。
そして同時に敵の足元にも波及させ、隆起した分だけ陥没させて攻め掛かったのだ。
「何とかなりそうだけど……そういえば、さ。主を失くした砦はどうなるのだろう、崩れない?」
「あー。絡繰り仕掛けの最後はそんな感じだしな。このまま戦っても良いが、今のうちに対処するか」
戦いは激しいが勝てない訳でもない。
そう思った時、ふと嫌な予感が蘇る。そこで二人は絡繰り砦が爆発しないように怪しげな装置が無いかを確認することにしたのであった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【無鍵空間】LV1が発生!
【土壌改良】LV1が発生!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!
葛葉・狐狛
天魔武者よりは平安の連中に近いかな。
平安はイヤな方法だったし、敵の作られ方も気になるね。
まぁ、戦えば少しは分かるか。
さっきはあえて目立つ先陣だったけど、本来は裏方なんでこっそりやらせて貰おう。どこから来るかのワクワクをプレゼントだ。
岩もあるし、乱戦の中【光学迷彩】借りつつ【忍び足】で接近。
【観察】して相手の動きや戦い方を【偵察】、【看破】しておくさ。
邪魔するべき大業や隙、仲間の急な不利があったら岩玉を【怪力無双】で動かして【フェイント】掛けて、【残像】【不意打ち】からの【九曜紋来寇】。
反撃は御霊の【活性治癒】で我慢しとこう。
最後まで気は抜かないさ。
元の木阿弥、筒井さんの話絡みかねぇ……?
キリ・ヴェルウィスト
随分と出遅れてしまったな。
最後はアヴァタール級を残すのみ。3つの顔の男か、
敵わない、参ったなどと口走った奴のやることは一つだけだと分かっている。
……このカラクリの中で俺たちを観察していた奴が言うことじゃないからな!
その歩法、封じるのが一番と見た。
【刻死弾】をその脚めがけて撃ち込んでみよう。この銃撃による傷は呪詛によって広がり続ける。他のディアボロスの支援になれば上出来だ。
ディアボロスの撃退、そして領民への圧政。二兎を追う者は一兎をも得ず、ということわざは、このディヴィジョンにもあるんだろう?
そしてこの結末だ。お前が言っていた通り……然もありなん、だ。
●
「随分と出遅れてしまったな。
キリ・ヴェルウィスト(小さき何でも屋・g08516)は停止した絡繰り仕掛けを越えてやって来た。
渡り廊下で穴を越え、矢が突き刺さった床を越えて敵将の元へ。
「最後はアヴァタール級を残すのみ。……3つの顔の男か、それだけではなく。手も3組とは」
仲間達が戦う様子を見ていたおかげで、その怪しさは理解できていた。
少なくとも『敵わない』、『参った』などと口走った奴のやることは一つだけだと分かっている。
ただの卑劣缶、あるいは狡猾な悪逆非道のやることだ。
「人間ぽくは無いけど……天魔武者よりは平安の連中に近いかな」
葛葉・狐狛(狐憑き・g00840)は少しだけ判断に迷った。
機械仕掛けの天魔武者のようではないが、正統派の妖怪とも思えない。
「平安はイヤな方法だったし、敵の作られ方も気になるね。まぁ、戦えば少しは分かるか」
あえて言うならば付喪神の類かと言う所だ。
もしフランスに言って居たら……自動人形の様だと口にしたかもしれない。
しかし狐狛は経歴負傷の少年(?)なので、その辺りの最終判断は不明としておこう。
『いやいや、よー見取るぎゃー。わしらで叶うかのう?』
『さてさて。何とかせねばのう』
わざとらしい敵の口ぶりと、独り芝居。
キリは肩をすくめて銃を抜くと、身構えるが早いか最低限のスナップで弾丸を撃ち込んでいく。
「はあ。……このカラクリの中で俺たちを観察していた奴が言うことじゃないからな!」
『ひょひょひょっ。ひょーお!』
次々と撃ち込まれる弾丸に、敵は右往左往しながら避けている。
ただの牽制ならばゴルフボールの様に撃ち返すのだが、パラドクスゆえにそうもいかない。
「その身に刻め、恐ろしき死を!」
『恐ろしい、恐ろしい。ディアボロスの一味が攻めて来たあ! 何とかせんといかんぎゃー』
『然もありなん』
敵は足に銃弾を受けながらも、そのまま切り込んで来た。
右手に持っていた短刀が、気が付けば左手に持ち替えられている。
あるいは最初からレールのように、右も左も自由に組み替えられるのだろうか?
『あ、あ、足が? 脚がああああ』
「その歩法、封じるのが一番と見た。そいつはただの弾丸じゃない」
それは死の概念が込められた魔弾である。
逆連鎖戦もあり時の流れを飛び越えて、時空間の法則を破って必ずや命中するのだ。
(「良い感じかな? さっきはあえて目立つ先陣だったけど、本来は裏方なんでこっそりやらせて貰おう。どこから来るかのワクワクをプレゼントだ」)
この間、狐狛は先ほど、仲間がやった行動を踏襲した。
光を曲げて姿を隠し、岩陰に隠れて敵の裏をかく。例え相手に隙があろうとも、逆連鎖戦ゆえに意味が無いと知り、隙など無視して様子を伺っていたのだ。
(「さて、好機だけど……その前に。よっこいしょっ」)
狐狛はここで、自分が隠れている岩を動かした。
怪力を駆使して押し込んで、牽制を自分以外の力で放ったのである。
正確性も無いし威力も無い、だが自分というステップを省くことで、反撃無く相手の邪魔を出来るのが大きかった。
『なんじゃコレは? ワシには効かんだげー。そこじゃ!』
「知ってるよ。さらに、もうひと手間掛けた上で……偉大なる御霊、原初の復讐者に願い奉る。九曜より来たりて、我らが理を示せ」
どんな妨害でも、その程度なら簡単に対処できる。
そんな事は知っている狐狛は、飛び出す時に身代わりを置いて攻撃を掛けた。
岩を跳ねのけ、身代わり人形を弾く敵に向けて、九曜の星々を呼び寄せたのである。ソレは即ち関東を、東京を守る御霊の力である!
『これなる異形はあの山海経にも載っとる恐ろしい化物ぞ。四方に封じられし……』
「四凶だろ、知ってるよっ」
呼び出された妖怪の絵に対し、狐狛は先んじて治癒の祈りを行使していた。
食いつくまでのタイムラグ、さらには岩や人形を跳ねのけたタイムラグが、傷を負うはずだった少年への位置エネルギーを大きく軽減する。さらに治癒を重ねることで、たちどころに癒してしまったのだ。
「最後まで気は抜かないとして……。元の木阿弥、筒井さんの話絡みかねぇ……? あの話を狂言回しとして見立てたのかな」
ゆえに狐狛は相手の行動理念や、クロノヴェーダとしての成り立ちを伺う余裕があったのである。
『何故じゃあ。何故ワシがこんな目に……』
「ディアボロスの撃退、そして領民への圧政。二兎を追う者は一兎をも得ず、ということわざは、このディヴィジョンにもあるんだろう?」
『戦力を分断し過ぎたと?』
そして己の策が空回りし、せっかくの罠も機能しないことに敵は疑問を覚える。
そんな相手の疑問にキリは至極単純に答えた。
「それがこの結末だ。お前が言っていた通り……然もありなん、だ」
『……』
それに対する敵の反応はなかったという。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【活性治癒】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV8になった!
月見山・伊吹
【公園】
※連携、アドリブ歓迎だよ!
どうやら忍カラクリが破壊されたようだね
残るはあの奇妙なアヴァタール級を討ち取るのみ!
木阿弥…世阿弥の亜種じゃなくてあの元の木阿弥って故事成語からだっけ?
一度良い方向へ軌道に乗り始めたからそれをまたさっきの状況までに戻させはしない!
後は頼んだよ、ティダ。
(ネメシス形態になりティダと言う女悪魔の要素と人格が出る)
何かをしては元に戻し進歩も無くただそれの繰り返し…
あぁーお前のような奴は誰かの足を引っ張るだけでつまんねーから消え失せろ
ふらふら歩きやがりながら攻撃かよ
【未来予測】で回避して軌道を読み
白露と連携しながら『金烏』をぶちかます!
俺様のは太陽の災いみてーなもんさ
御森・白露
【公園】
アドリブ連携歓迎
ネメシス形態
ああ、と。木阿弥……?
なんだったか、猿楽だか能だかの……ええい、そこまで詳しく覚えておらなんだ。
(ネメシス形態に変貌)
まだるっこしい。腕も頭も全部落としゃあそれで終わりだ。違うか?
随分変わった歩法だな。俺の『羅睺』とも違う系譜のようだ、が……
どう動こうが、逃げ場がなけりゃ意味が無ェよなァ!?
念のため【未来予測】を発動。
伊吹の嬢ちゃん……あァ、今は『ティダ』だったか?そいつのパラドクスに合わせて逃れられぬ穿撃の嵐を放ち、斬撃ごとぶっ潰してやるよ。
キ、ハハハ。
よく燃えるじゃねェか。葬送の火にゃあ十分だが……陽の炎はちと贅沢じゃねェか?
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「どうやら忍カラクリが破壊されたようだね」
ディアボロス達が次々と砦に駆けつけて来る。
月見山・伊吹(小春日和・g04125)もその一人で、敵影を見ながら読んだ資料を思い出していく。
「残るはあの奇妙なアヴァタール級を討ち取るのみ! 木阿弥……世阿弥の亜種じゃなくてあの元の木阿弥って故事成語からだっけ?」
「ああ、と。木阿弥……? なんだったか、猿楽だか能だかの……ええい、そこまで詳しく覚えておらなんだ」
伊吹は首を傾げ、同行者の御森・白露(放浪する転寝狐・g05193)は渋面を浮かべる。
何というか、人間興味があまりない事は覚えていないものだ。能楽師であり、猿楽は世阿弥たちを駆逐した方だが……。まあクロノヴェーダ化するにあたり、その辺りを吸収したのであろう。ちなみに阿弥というのは阿弥陀仏から来ている通り法号である。
「まあいいさ! 一度良い方向へ軌道に乗り始めたからそれをまたさっきの状況までに戻させはしない! 後は頼んだよ、ティダ」
おうさと答える間もなく、伊吹の様子が少しずつ変化する。
人格が推移し、姿が悪魔めいた色彩へと変わっていったのだ。
『また来たのか? こんな老人をいじめて何が嬉しいものやら』
『帰れ還れ。ここにぬらの居場所はないだぎゃー』
敵は二人を見つけると、おびえた様子で、あるいは怒った様子で手を振る。
来るな来るなと両手を見せるが……その後ろに構えた短刀を隠していた。
「まだるっこしい。腕も頭も全部落としゃあそれで終わりだ。違うか?」
白露は呆れた様な、それでいて怒りを見せて疾走した。
ワザとらしい問答は面倒くさいし、何時までも終わらぬ会話は好みではない。
低い体勢で唸り声をあげるその姿は、まるで獣の様ではないか。
『ひっひええええ。いおーう!』
「随分変わった歩法だな。俺の『羅候』とも違う系譜のようだ、が……。どう動こうが、逃げ場がなけりゃ意味が無ェよなァ!?」
敵は地面に片足を付け、滑るように一回転。
思ったよりも早い斬撃を受け止めながら、白露は妖刀を振り抜く。
受け流しながら彼も一回転して、二撃目からは無数の突きである。回転運動から繰り出されたがゆえに、少しずつスライドしながら放たれるソレはまるで嵐であり、クレーターを足元に残す災禍であった。
『あひゃひゃ。どうしようか、どうしてくれようか。逃げるかそれとも……』
「何かをしては元に戻し進歩も無くただそれの繰り返し……。あぁー、お前のような奴は誰かの足を引っ張るだけでつまんねーから消え失せろ」
敵は逃げ回りながら様子を図って居た。
伊吹……いやティダはチっと舌打ちして魔力を練り上げた。
ふらふら歩き、言葉を翻し、狡猾に様子を伺う姿は腹正しい。彼女はもっと男らしい男が好きなのだ。まるで荒野を走る様な……なんでもない。
「あー。面倒くせえ! 焼きはらっちまうぞ!」
『ほわー!? ははは!』
ティダは考えるのを止め、魔力を光のように変換して投げかけた。
その強引さゆえに正確に編まれておらず、魔性ゆえの適正ゆえに成立する荒い火炎の幕であった。
だが次第に敵の動きに慣れ、編み込んでいくために言霊を重ねて行く。
「おい、やるぞ! 山海経を知ってるのはてめえだけじゃねえ! ……日出る八咫烏よ御魂を千代の暁の頂へ導き給え!」
「伊吹の嬢ちゃん……あァ、今は『ティダ』だったか? 合わせて逃れられぬ穿撃の嵐を放ち、斬撃ごとぶっ潰してやるよ」
ティダは光を編み込んで火炎放射と呼べる密度にまで高めていった。
これに合わせて白露も穿撃の密度を上げて行く。
迂闊に力を束ねれば、回避に優れたる相手の軽やかさには叶うまい。ゆえにこそ、二人で挟み込むように放つのだ!
「キ、ハハハ。よく燃えるじゃねェか。葬送の火にゃあ十分だが……陽の炎はちと贅沢じゃねェか? まあ白昼の残月ってのを見せてやるよ」
「俺様のは太陽の災いみてーなもんさ。ま、新宿じゃ黒の太陽でも熱いそうだがね! 日食って訳にはいかないが!」
突きは仲間を穿たない。
火炎は仲間を燃やさない。
技と術を放ちあう二人だが、奇妙にソレは符合していた。
伊吹と旦那ほどではないが、日月で地球を挟み込む二等辺三角形で敵を追い詰めて行くのだ。
『わ、ワシが……何もできずに、こんな所で!?』
三つの顔で相手を睨み、回避の上手い敵でもここまで来たらどうしようもない。
体に穴が穿たれ、あるいは燃やされて朽ち果てる。
伊賀の国にて、天魔武者の様な、付喪神の妖怪の様な、あるいは日本製自動人形の様なクロノヴェーダが討ち取られたのであった。
「最後まで煩い奴だったな。それがてめえの名前だろうが」
「元の木阿弥ってな。この砦も元の野山に戻してやろうか」
そう言いながら二人は仲間とパラドクストレインの元へと凱旋したのであった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【温熱適応】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!