リプレイ
喩・嘉
一般兵に紛れるのは度々やっているから、一般兵の服装などは把握しているが
ここの者特有の布の印などあるかもしれないからな
まずは陣営を「偵察」し、
一般兵の様子を確かめてから、
夜闇に紛れて、彼らに近い格好をして紛れ込もう
一般兵と接触する時は【友達催眠】を活用して、話を合わせる
もともといた一般兵が俺のことを仲間と認識して振る舞ってくれれば、
より一層内部に馴染んでいけるからな
●
やや涼やかな風が夜の野営地を吹き抜ける、十万の人間を一箇所に収められる建物などは無いから休む場所と言っても天幕を軽く張ったくらいのものになる。それでも用によって大まかな場所の使い分けがされていた。人も多ければ影も多い、そうやって生じた影の中に喩・嘉(瑞鳳・g01517)は潜んでいた。
(「一般兵と装備はさして変わりはないか、さすが本拠地付近というだけあって整ってはいるが」)
そして基本的には休む者以外は鎧を身に着けているようだ、一応測られてはいるとは言え戦時中だからだろう。
(「少し借りさせてもらおう」)
粗末な寝床の片隅に置いてあった鎧を着込み、嘉は何食わぬ顔で卓の並んだ一角へと笑顔を貼り付けて近づいていく。『最近の調子はどうだ』と言わんばかりの雰囲気を放ちながら。それはディアボロスだけが使える――あるいはクロノヴェーダにはそれ程必要とされない事が多い――現象をその場に生じさせるための残留効果によるものだ。この効果は今後ここに入り込む他のディアボロスの助けになるだろう。軍師たるもの、先まで見て布石を打っておくものだ。
大成功🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
平良・明
油断してくれるならありがたい
しっかりと隙を突いて崩していきます
仲間と連携して魏軍の姿に紛れれるよう衣装を調達して変装
炊事場などは衣装も揃わずねらい目でしょうから
堂々と【モブオーラ】を使いつつ潜入していきます
隅っこの方で芋など洗いつつ、聞き耳を立て情報収集
宴会の様子や出される料理など、夜の奇襲に役に立ちそうな情報を集めていきます
●
「……もしかした残留効果もいらないくらい油断してくれている? こっちとしてはありがたいが」
炊事場で火の管理を押し付けられていた平良・明(嶺渡・g03461)はひとりごちた。確かに人手がいる割に熱いわ重いわ面倒なところではあるのだが、あんまりにも気が抜けている。と言うかやや士気も落ちているように見える。……ここで仮に毒でも盛ればそれなりにダメージが与えられるだろうに。
「……いつまで俺たちはここにいれば良いんだ?」
「分からん、というか呉と蜀のやつが来るかどうかも」
薪をくべつつ聞き耳を立てる明、あと今度は根菜の泥落としに呼ばれた。多分その後は菜切りだろう。
(「何気に食材豊富だな、これで士気を維持しているのだろうけれど」)
前線に可能な限りいい食事を与えるというのは兵站がきちんと機能しているのだろう、そういった所に手を抜かない辺りに曹丕という人物とここの要衝としての価値が見て取れた。
(「問題はいちばん重要なところが抜けてるってところか」)
明は手を動かしながら次になすべきことに思いを巡らせる。
大成功🔵🔵🔵
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
守都・幸児
はは、こういう敵軍への潜入ってのは久しぶりだ
なんだか樊城の戦いを思い出すな
俺は新入りの兵のふりをするぞ
怪しまれねえ程度に一般兵に近い衣を着て
皆の残留効果の力も借りる
徴兵されたばっかでろくな装備を貰えてねえんだ
どこに行けばましな鎧を支給してもらえる?
って感じで一般兵に話しかける
懐に干し肉を少し隠しておいて
教えてくれた兵には、礼として渡して親しくなっておくぞ
来たばかりだって印象と、だから外の事情にも詳しいってことをさりげなく前もって兵士たちに印象付けておきてえな
知ってるか、今の戦況
この辺の村じゃ皆知ってる
すごいことになってるぞ
とか、興味を引くようなことを囁いて
流言飛語に備えた軽い下地を作っておくぞ
●
(「こういう敵軍への潜入ってのは久しぶりだ、……なんだか樊城の戦いを思い出すな」)
新人のフリをして兵士の話を聞いている守都・幸児(祥雲・g03876)が少し愉快に笑い声を漏らしそうになる。無論それくらいのものは飲み込めるけれども。
「ここに来たっていうのにろくな装備を貰えてねえんだ。どこに行けばマシな鎧を支給してもらえる?」
「装備の補給ならあっちだ」
「おお、助かる。こいつは礼だ」
「おっとこれは夜が楽しみだ、迷うなよ」
「その時なら遠くの話もツマミに持って来るさ。俺もここの事知りたいからな。色々とすごいことになってるぞ」
頭の中で何を伝えるべきかを整理しながら幸児は案内された場所へと鎧を取りに行く。見たところ士気は高くもなく低くもなく、と言ったところではあるが首都を守っているにしてはやや足りなくも感じる。
「さて」
他のディアボロスもそろそろ侵入に成功したところだろうか。そろそろ作戦は次の段階に移るべきだろう。
大成功🔵🔵🔵
効果1【完全視界】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
守都・幸児
新入りのふりを続けるぞ
【友達催眠】の効果を借りて
訓練に参加しながら他の兵と仲良くなっておく
休憩時間にも少しずつ会話して
夜になったら約束通り、つまみになる話を聞かせてやる
巷じゃすごいことになってるぞ
将軍が多く死んだのも、許昌が落ちたのも本当だ
ここだけの話だが
とんでもねえ第四勢力がいるらしい
蜀の関羽も呉の陸遜も、そいつらに倒されたって噂だぞ
まずは既に流れてる噂を裏付ける
さてこっからが本題だ
落とされた許昌なんだが
民は穏やかに暮らしてるって話だ
どうやら第四勢力ってやつの狙いは将軍と指揮官だけらしい
ここが危なくなったら俺は許昌に逃げるつもりだ
蜀や呉の兵も続々脱走してるってよ
あんたらも備えといた方がいいぞ
●
次の日、夜が明け兵士たちがいつ来るか分からない敵軍への警戒と訓練と生活の一巡を行う。そしてディアボロス達もそのタイムサイクルの中に混じっていく。……彼らとともに訓練で汗を流した守都・幸児(祥雲・g03876)が、雑談でおもむろに口を開いたのは夜になっての事だった。
「そうそう、巷じゃすごいことになってるぞ」
酒の肴にまるで事情通のように――当事者と言っても過言ではないのだが――幸児は各地の情報を語り始める。
「将軍が多く死んだのも、許昌が落ちたのも本当だ」
「それは本当なのか……?」
「ああ、こっちにもそれくらいの話は来てるだろ? ……ここだけの話だが、とんでもねえ第四勢力がいるらしい。蜀の関羽も呉の陸遜も、そいつらに倒されたって噂だぞ」
なお関羽や陸遜を討ち取る作戦に彼は参加している、恐ろしい面の皮だ。
「それでな落とされた許昌なんだが民は穏やかに暮らしてるって話だ」
「基本皆殺しか新しく雇われるかだろ? 落とした側に付いただけだろ?」
「それがな落とした第四勢力はそういうのに興味がないようだ、狙いは将軍と指揮官だけらしい」
「にわかにゃ信じられないが……」
「信じろとは言わねえよ、でもここが危なくなったら俺は許昌に逃げるつもりだ。蜀や呉の兵も続々脱走してるってよ。どうするにしてもあんたらも備えといた方がいいぞ」
ぱちり、と薪が爆ぜた。それもまた酔いの中に生じた一つの話にしか過ぎない、しかし酒に溶けた噂話はそのまま兵士達に呑まれていく。
大成功🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
平良・明
他の部隊に合流されても困るので、逃げ出せる方向は示しておきたいです
【友達催眠】を重ねて兵たちの会話に加わり噂を広げていきます
以前に他の部隊を攻撃した時の経験も踏まえて話します
ここの部隊は恵まれているようですが他所はそうとも限りません
前に居た部隊は禄に飯も無いような場所でした
楊奉様が倒れたらどうなるかもわからない私たちの命です
締めには、許昌の噂話
許昌で将軍たちを打ち取った軍勢は一般兵を襲う事をしなかったようです
今の許昌では、沢山の人が平和な暮らしをしているそうな
……正直、機会があれば逃げ出したい気持ちです
などと言葉を伝えて、兵たちが逃げ出しやすいように誘導します
●
「……ここの部隊は恵まれてますね」
夕餉を卓で兵士達と囲みながら平良・明(嶺渡・g03461)はぼそりと呟いた。その様子に周りの兵達も彼の様子を窺っている。
「どうした急に」
「いえ、そうでは無い所から私は逃れてきたので」
「飯もなかったのか?」
「はい、その通りです。……楊奉様が倒れたらここもどうなるか……」
湯気を立てる器を覗き込みながら訥々と明は言葉をこぼす。そんな彼を力づけるように兵士の一人が背中を叩く。
「ここは陳留で本拠地の隣、それにめちゃくちゃ兵士がいるんだ。そんな簡単に落ちねえって」
「……ですが、どうなるかも分かりません。聞いてます? あちこちの国の将軍が次々と討ち取られているという話」
「ああ、そんな噂もあるな」
「許昌で将軍たちを打ち取った軍勢は一般兵を襲う事をしなかったようです。今の許昌では、沢山の人が平和な暮らしをしているそうな。……正直、機会があれば逃げ出したい気持ちです」
「そう言うなよ、まだ襲撃もないんだ。なんだかんだで俺たちにビビって手を出せて無いんだろうから大丈夫だって」
そう言って慰める兵士達、しかし彼らは自分たちに暗示がかけられている事に気づいてはいない。『将の撃破』『苦難』『許昌』、それらはそれだけでは意味がない、ただそれが意味をもつきっかけをもたらす力を明は持ち合わせていた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】がLV2になった!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
喩・嘉
【友達催眠】を活用したまま、会話を続ける
兵士たちが不安がるようなそぶりを見せたところで
「実は上官達の天幕に近づいたときに聞いてしまったんだが」
と声を低めて話し始め
今日、敵からの襲撃があるかもしれないって話だ
そうなったら上官達は俺たち下っ端を囮として残して逃げ出す算段らしいぞ
無駄死にしたくなかったら、
もし戦いが始まったら、俺たちも一目散に戦場から逃げ出した方がいい
何、上官達も逃げ出すんだから、俺たちが咎められることはないさ
一緒に許昌目指して逃げ込もう
命あっての物種だろう
●
残留効果、【友達催眠】の効果が深まっている。ここまででディアボロス達が広げた噂は信頼度という点で見れば心許ないが、かといって一笑に付す程に無視できるものではないものとなっている。そして喩・嘉(瑞鳳・g01517)にとってはその程度の情報操作で充分だと判断するに至った。
「実は上官達の天幕に近づいたときに聞いてしまったんだが」
ささやかな酒宴の最中、まるで怪談を語る時の調子で言葉を紡ぎ始める。
「……今日、敵からの襲撃があるかもしれないって話だ」
「……はあ? そんな事あるわけないだろ、もしそれが本当なら俺たちはこんな所で酒を飲んでねえ」
「それがな、そうなったら上官達は俺たち下っ端を囮として残して逃げ出す算段らしいぞ」
「お前それは……流石に言って良いことと悪いことがあるぞ?」
酒器を叩きつけるように置いた兵達が厳しい視線を彼に向ける。しかし嘉は飄々とした様子で話を続ける。
「信じないなら信じないでそれで良い。だが無駄死にしたくなかったら、……もし戦いが始まったら、俺たちも一目散に戦場から逃げ出した方がいい。何、上官達も逃げ出すんだから、俺たちが咎められることはないさ」
嘉はことりと乾いた器を置き席を立つ。
「その時が来たら一緒に許昌目指して逃げ込もう、命あっての物種だろう?」
その言葉だけを残し、彼は夜の帳の中へと溶けるように消えていく。残された兵士たちは飲み込みきれない不安を流し込むように、更に酒を煽った。
大成功🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】がLV3になった!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
喩・嘉
【鳳】でまとまって行動
夜間での戦闘になるからな
【完全視界】を活用しながら
敵の動きに遅れのないようにする
羽扇を振るい「雲行雨計」を使用。
雨雲を呼び、雨を降らせて、雨音を敵の精神に作用させる
敵群をまとめて錯乱状態に陥れ、
仲間が動きやすいように下準備を
隊を組んでの戦いの場合、統率を取れなくさせるのが一番強いからな
守都・幸児
【鳳】でまとまって行動
さあ、夜襲といくか
【完全視界】と【モブオーラ】を活用して【忍び足】で物陰に潜みながら
敵が酒盛りしてる天幕に近付くぞ
俺が使う技は「閉」
酒盛りに夢中な敵を
端から少しずつ闇の落とし穴の中に落としてやる
気がついたら人数が減ってるってのはけっこう怖いもんだろ
酔っぱらってたら気がつかねえかもしれねえがな
敵が気付いて戦闘が始まったら
後はもう遠慮なく攻撃だ
端と言わず向かってくる敵片っ端から闇の落とし穴に落としてやる
羽で飛んで逃れようとする奴がいれば
武器の鉄骨で殴り落としたり
天幕に搦めて飛ぶのを妨害したりしてやる
喩嘉の雨とも連携して敵兵を落とすぞ
逃がしはしねえ
大人しく闇に呑まれて落ちやがれ
杏・紅花
【鳳】でまとまって行動
酒盛りしてるとこ、もーしわけないけど……なんて、思うかあっ
戦場では油断した方の負けだぞっ
まあ、やりやすくて助かりますけどお
みんなと一緒に残留効果を活用して天幕に接近
タイミングを見て、仲間の攻撃に気づいた敵が出てきたらあたしの出番っ
「花の累」で分裂して陽動しながら蹴って殴って吹っ飛ばしてく
弓矢はある程度距離ないと対して怖くないぞ、敵が飛ぶならあたしも【飛翔】して近接攻撃しかけて、弓を放つ間を与えない
伏見・萬
【鳳】でまとまって行動
(連携アドリブ歓迎)(残留効果はできるだけ利用)
(仲間は基本苗字呼び、喩嘉は「団長」時々「喩嘉」)
【光学迷彩】を利用して潜み
戦闘が始まった所にするりと滑り込む
酒の匂いがするなァ、俺にも寄越せよ。
ツマミも十分ありそうだし(敵を見遣り)
戦闘開始後は、周囲のディアボロスと声をかけ合い連携
戦場と敵の動きを観察し、情報を共有する
【追跡不能の捕食者】で攻撃
撃破可能な個体は優先して狙い、確実に数を減らす
撃破可能な個体が周囲にいなければ、連携行動を取ろうとしている個体を狙い撹乱
敵が飛ぼうとするなら、周囲にある物や他の敵を足場にして跳躍し叩き落とす
負傷は気にせず、できるだけ多くの敵を喰らう
平良・明
【鳳】でまとまって行動
私は下戸なので、雰囲気しかわかりませんが、秋の夜風は酒盛りにいいらしいです
事前に得た情報など活かして、酒宴に奇襲をかけます
落ち葉を踏む音も聞こえないように、そろりと「山歩き」
敵の足元から生やす草木の幻影で、身動きを封じていきます
仲間とよく連携して、仕留めます
●
不意に雨が降った。野営地である陳留の秋で雨が降るのは珍しくはない、しかし天幕を
守るトループス級クロノヴェーダ達は即座に反応する。なぜならそれが雲と風の動きによるものではなく、パラドクスによる攻撃であったから。雨音は彼らの内部からも響き渡り打ち据え、されど彼らの腕は槍を構え横に伸びる雷で羽扇を持った術者を狙う。
「だが既にお前達は策の内だ。統率が取れる前に終わらせてもらう」
「流石に気づきますか、しかしもう遅いです」
しかしこの戦場は逆説連鎖戦、パラドクスの交差はその一つに留まらず。雨と夜に紛れるように草木がうねりだす、それが伸びて兵士たちの足を絡め取るのは正しくそれもまた幻術の類のパラドクスが故。雷はやはりその術者に届くが、幻の草もまた兵士たちを縛り上げ……そして泥濘の中に引きずり込まれていく。
「其処へ、底へ、墜ちやがれ。知らずにいなくなっていたらもう少し怖がられたかね」
「!!!!」
完全に兵士たちが闇の中に飲み込まれる前に自らの傷を押して這い出し、地面に腕をめぐりこませて術を放っていたディアボロスに槍を突き立てる。受けたディアボロスは鉄の塊のような棒で防ぐが、その全てを防げる訳では無い、もっともそうだとして深手を負っているのは兵士達のほうだ。悲鳴にも聞こえる大きな声は天幕の中にいた者にも届いただろうか、だとしても反応するには。なぜならこの戦いは長くは続かないからだ。
「酒盛りしてるとこ、もーしわけないけど……なんて、思うかあっ。戦場では油断した方の負けだぞっ……まあ、やりやすくて助かりますけどお」
戦場には似つかわしくない女の声が響き、続いて複数の同じ姿の女が長い爪を携えて傷ついた兵士たちに止めを刺すべく斬りかかる。少しでも女の勢いを止めようというのか兵士たちは空に逃れつつも手槍を投げ返すが、趨勢の決したこの状態では悪あがきにしかならない。鉄塊をもった男がそれを投げつけようとするが、それ自体はパラドクスではない攻撃であり無効化され余計な反撃を受けるものと考えて押し留める。そしてそんな事をせずとも趨勢は決まっている。
「やっぱ反撃させないってのは難しいかー」
逆説連鎖戦ではどんなに順番があるように見えても、あるいは実際に順番があったとしても実際のパラドクスの打ち合いは同時だ。相手の行動を同じタイミングでさせないようにするというのは無理だ。そして同時に射程はないので剣が間合いの外の敵に当たるように、飛び道具も懐の相手に当たる。
「……!」
しかしそんな考え違いで劣勢が覆る訳もなく。どうしようもない状況を察し、ディアボロスからの襲撃でなんとか生き残った最後の一体が翻り天幕へ急ぐ。しかしそれもまた防がれる、雨間に紛れていた死人のような男に刺され、体内に闇を流し込まれてしまったから。
「てめぇらさっき鳴いてたな? なら悲鳴まで、喰い尽くす」
流し込まれた闇が内側から兵士の体を食い破っていく、しかし兵士もまた残る力で短刀を握りそして放ち、死人のような男に突き刺した。しかし男の体からは血が流れず、それを待つ間にも最後の兵士の体は全て食い尽くされてしまった。
俄雨から始まった戦いはあっという間に決着が付き、まるで何も起きていないような状態に戻ってしまった。
「上手く行ったか」
羽扇を仰いだ喩・嘉(瑞鳳・g01517)が呟いた。損害は最小限に護衛だけを撃破出来た理由は簡単だ。『敵以上の戦力を集めて押し潰す』、少なくとも大体のトループス級との戦いにおいてこれ以上の最適解はない。
「なんというか、あっけないな。こっちは楽できていいが」
所在なさげに手についた泥を払いながら守都・幸児(祥雲・g03876)は呟く。もう少し手応えがあると彼は考えていたようだが。
「酔っ払っていたんじゃないの?」
「私は下戸なので、雰囲気しかわかりませんが、秋の夜風は酒盛りにいいらしいですね」
未成年の杏・紅花(金蚕蠱・g00365)と下戸の平良・明(嶺渡・g03461)がそんな意見を放つ。が流石にクロノヴェーダが酒に酔って前後不覚になるという機会は――もしかしたらあるのかもしれないが――基本的には無いだろう。
「……まだ酒の匂いがするなァ、ツマミも充分ありそうだ」
鼻を鳴らした伏見・萬(錆びた鉄格子・g07071)が天幕の方から漂ってくるものを嗅ぎ取る。少なくとも今なら逃すことはなさそうだ。
「一気呵成といこう、隙を与える必要もない」
被害の軽微さを確認した嘉が状況を取りまとめ歩き始める。幸児ももう少しはやりがいがあると言いつつ付いていく。
「どんなオツマミたべてるんだろ? 残ってたらもらっていい?」
「……魚だな。そんな匂いだ」
紅花の問いに萬が答えながら二人の後を追い、そして明も周囲に目をやりながら続く。彼の背後では今だ何も知らない一般兵たちが動いている。決着のその時は彼らの知らぬところでもうすぐそこにまで迫ってきていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水源】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【反撃アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【アヴォイド】LV1が発生!
守都・幸児
指揮官が酒盛りとはいい御身分だな
形だけの指揮官じゃねえってとこを見せてくれよ
斧使いか、楽しめそうだ
力比べといこうじゃねえか
俺の使う技は「晦」
武器の鉄骨にパラドクスを乗せて敵の斧を受け止め
側面に刃を滑らせて軌道を変える
そのまま鉄骨を棒術みてえにぶん回して
斧を振り抜いた敵の隙を狙って殴る
皆と連携して連続攻撃を仕掛けるぞ
戦闘の後は【大声】で触れ回りながら撤退だ
大変だ、指揮官殿がやられたぞーっ
護衛も全滅だーっ
ってな
道すがら【トラップ生成】で破裂音とかさせたら混乱を拡大できるかな
もし顔見知りの兵に会ったら
ここはもう駄目だ、俺は許昌に逃げる
あんたも生き残れよ
って声をかけるぞ
最後のとこだけは本音だ
生き残れよ
伏見・萬
(連携アドリブ歓迎・残留効果はできるだけ利用)
宴もたけなわって奴みてぇだが
そろそろてめぇがメインディッシュになる時間だぜ
そこの酒も後は俺が美味しく頂いとくから、安心して喰われろや
他のディアボロスと声を掛け合い、隙ができないように連携して動く
敵の状態や周囲の状況を観察し、情報を共有する
攻撃時は【追跡不能の捕食者】使用
呪詛の靄に紛れて相手の連続攻撃を受け流し、ナイフで傷を負わせて
その傷口から呪詛の靄を流し込んで、内側から喰らう
自分の負傷はあまり気にせず、攻撃優先で動く
戦闘終了後は
「指揮官がやられた事を触れ回りながら撤退」は仲間と合わせるが
火事場泥棒よろしく敵が飲んでいた酒をくすねている
喩・嘉
仲間たちと共に行動
萬さんも幸児も近接攻撃だからな
俺は彼らを補佐できるようにしよう
敵も近接攻撃が得意そうだ
「馥郁香計」を使用。
芳しい香りを放ち、敵の精神に作用させ
仲間が攻撃を入れる隙を作り
間合いに入らないように立ち回る
召喚された賊徒の攻撃は極力受け流し
真っ向からの対立を避ける
平良・明
仲間たちと連携して戦います
この蟲将は見た感じ呑んだくれで、油断しか無いような大将ですが
軍勢呼び出して操ったりと、案外器用なんじゃないかなと思います
数にはでかさで対抗します
「怨妖百鬼行」で作り上げるのは蟒蛇が一匹
尾と胴の薙ぎ払いで敵勢を蹴散らし、大あごで本体へのひと噛みを目指します
敵を打ち取れれば大声でふれ回り、許昌へ逃げるよう兵たちに声をかけていきます
杏・紅花
仲間と連携っ
斧を振り回すとか、あぶなあ〜
お酒呑んで突っ込んでくるとか、イノシシじゃないんだから
あと、お酒くさいの、きらあーい
防御を崩しに来るつもりなら、あたしも崩しにゆくぞお
攻撃は最大の防御ってね!
まずはその勢いを利用させてもらって「眩の躍」
振りかざす拳は、ひらいた手のひらでやわらかく
振りまわす斧は、添わせた脚でからめてはじいちゃう
撤退するときは、酒癖わるくて大将がやられたぞって吹聴しちゃおうかなっ
●
「人がいい気持ちで飲んでるときにドタバタとうるせえなあ……ああっ!?」
騒ぎにようやく気づいたのか天幕から出てきた楊奉が目にしたのは、ディアボロス達に撃破され転がっている護衛達の死体であった。
「お、お前たちどうしたー!?」
「こいつらには一足早く眠ってもらった、これから行う事の邪魔になるんでな」
そう切り替えした喩・嘉(瑞鳳・g01517)の前には、やはり護衛を下したディアボロス達が4人立っていた。そんな彼に返す守都・幸児(祥雲・g03876)の言葉はどこか冷たい。
「指揮官が酒盛りとはいいご身分だな」
「飲んでいて何が悪い! じゃなくてお前らがこいつらを殺したのか!?」
「この状況でそれ以外の可能性はあんまりないと思いますが、まあそうです」
律儀に平良・明(嶺渡・g03461)が解を呈しそれを聞いた楊奉がジリジリと逃げようとする、がその進行方向には杏・紅花(金蚕蠱・g00365)が回り込んでいた。
「うわあ、お酒くさい。きらあーい」
「ひっ!?」
「そう言うな、気持ちよく宴もたけなわってのは結構いいもんだぜ。でそのメインディッシュがお前になるって時間だ。ああ、残った酒は安心して食われてくれ」
「お、俺を食っても旨くねえぞ!」
「味なんて食ってみなければ分からねえだろ?」
伏見・萬(錆びた鉄格子・g07071)が肉食動物のように犬歯を見せて笑う。もはや逃げ場所なぞ無いと悟ったのか楊奉は斧を握り構える。
「くっそー! こうなったら意地でも倒して逃げてやる!」
そう言い放った彼をディアボロス達は容赦なく逆説連鎖戦に引きずり込むのであった。
●
「来やがれ野郎ども! こいつらをまとめて押しつぶせ!」
「油断しか無いように思えましたが意外と器用ですね、ならこちらは大きさで対抗するとしましょう」
パラドクスによって呼び出され殺到する賊徒を抑え込むために呼び出したのは大蛇……蟒蛇と呼ばれる化生だ。多くの賊徒達が振り回される尾の一撃吹き飛ばされるが、それをくぐり抜けた者たちが術者である明にも打撃を加える。
「くっ……」
「いいぞ! やれやれ!」
頭の良くないという前評判の割に高い戦闘力を見せる楊奉を前に状況を打開すべく嘉もまた謀りをパラドクスに載せて放つ。
「これでは押されるか。ならばこれはどうだ?」
賊徒たちと楊奉を包み込むのは馥郁たる香り――薄ければ、だが。どのような香水も濃ければ毒の臭いと変わらず、ましてやパラドクスならばまさに毒として働く。
「どうだ。美しいもの、芳しいものが善なるものとは限らないだろう」
「クッサ!? お前らそいつも殴ってろ! ……って危ねえ!?」
賊徒達に対し嘉と明が対応している間、いつの間にか楊奉の背後に回っていた萬がナイフによる刺突を放っていた。しかしそれは掠る程度に留まり。拳と斧で追い払われる。
「ちっ、浅かったか」
「こいつら……うぜぇえ!?」
闇に侵食されつつある場所を無理矢理剥ぎ取りダメージを抑えながら楊奉は叫ぶ。
「あの攻撃に対応するのか、形だけの指揮官じゃねえってのは確かか」
「こんな距離で斧を振り回すとかあぶなあ~」
賊徒達をくぐり抜けて来た幸児と紅花はその攻防を見てそれぞれの感想を述べる。がそれも一瞬、二人は態勢の崩れた機会を逃さずに一気に攻め立てる。
「お酒呑んで突っ込んでくるとか、イノシシじゃないんだから!」
「だが楽しめそうだ、力比べといこうじゃねえか」
紅花は舞う蝶のように、幸児は腕を鬼のそれと変え力強く武器を振る。無論これが逆説連鎖戦である以上敵からの反撃も生じる。
「危な! この力馬鹿!」
「危なくねえ戦いなんてねえに決まってるだろ! クソガキがあ!」
拳と斧が紅花を打ちそれをなんとか残留効果で回避した紅花、そして同時に振り回された彼女の蹴りが楊奉の鎧を砕く。そしてその衝撃が尽きない間に幸児の鉄骨が敵を潰そうとし、返す斧がそれを受け止める。
「次から次へと……!」
「こいつを止めるか、じゃあこいつはどうだ?」
幸児は鉄骨を滑らせて一拍先の有効打を狙う、しかし同じタイミングで斧を幸児と同じように回し、それぞれの攻撃が同時に互いを捉える。
「……やるな!」
「くそったれ! このままじゃやられちまう!」
鉄骨に身を打たれたところで楊奉は悪態をつく、いかに彼が高威力の反撃をしようともダメージを一人で受け持つのと分散できるディアボロスでは多勢に無勢である。もちろんディアボロス達はそれを分かった上で攻めているのであり、そういう意味で既に彼は詰んでいる。そうこうしている間にも嘉の放つ毒が着実に
「なにか、どうにかできないのか!」
「どうにもできねえよ」
不意に放たれた再びの死角からの一撃。萬の存在に驚き痛みと共に反撃しようとしたところでその体からは活力は失せており、そして蟒蛇が楊奉を飲み込んだ。
「酒は飲んでも飲まれるな、でしたか。それができる人ばかりではないんですね」
他人事のように蟒蛇を使役していた明はそう呟いた。
●
楊奉を撃破したディアボロス達は野営地を突っ切って脱出する。それはもう一つやることがこの地点にあったから。
「大変だ、指揮官殿がやられたぞーっ! 護衛も全滅だーっ!」
「酒癖わるくて大将がやられたぞっ!」
大声で幸児と紅花が叫び、明もそれに倣う。萬もそれに合わせるが喉を潤わせる為にくすねてきた酒を一飲みする。
「……大して旨くねえな、これ」
紅花はしれっと距離を彼から取りつつも一行はパラドクストレインを目指す、その途中で幸児が何かに気付き嘉に一声かける。
「手早く済ませろよ」
そう彼の一声を受けてから仲間たちから離れていく幸児。彼が目指すところには酒を酌み交わした一般兵達が右往左往していた。
「あんた達! ここはもう駄目だ! 早く逃げろ!」
大声で幸児は彼らに声をかける、それは少しでも時間を共にした者たちへの想いがあるから。
「逃げろって……どこへ!?」
「俺は許昌へ逃げる、運が良ければ生き残れるだろう。……あんたも生き残れよ」
「あ、ああ……」
「じゃあな」
幸児はそれだけ言い残しパラドクストレインを目指す。最後の言葉こそは彼が彼らに望んだ本心であった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【光学迷彩】がLV2になった!
【友達催眠】がLV4になった!
【断末魔動画】LV1が発生!
【壁歩き】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【アヴォイド】がLV2になった!
【アクティベイト】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV2になった!
【命中アップ】がLV3になった!