リプレイ
赤上・イズル
アドリブ絡み歓迎
死天使アズライル…ついに決着をつける時が来たようですね
しかしその前に投身自殺をしようとする方々を止めなければ
【飛翔】で屋上へ
皆さん早まってはいけません!
…分かってます
絶望の淵の者達の心を響かせるには自分の言葉では足りないことを
しかし…感情を無くした俺ではありますが、それでも。
自ら死を選ぶのは間違っていると思うのです
言葉が難しいなら…体を張って護るのみです!
攻撃から身を挺して守る
誰一人として死なせはしません!
たしかに死が安息に思える時があります
しかし自ら死を選ぶという事はすべてを放棄する事
駆け付けてくれた仲間達を見やり
…そしてあなた方を想う友や家族の想いを断ち切ってしまう事です!
御門・風花
連携やアドリブ歓迎します。
イズルは、わたし達にとって大切な仲間です。
今度は、私たちがイズルを助ける番です。
仲間と戦場に降り立つと同時に、死神にダッシュで接近。
「行きますよ『琥珀』」
肩に乗った琥珀と共にパラドクスを使用し、琥珀を憑依した銀髪青眼の姿へ変化。召喚した大鎌「破壊の氷牙」を手に、すれ違いざまに敵を【両断】します。
「邪魔です」
敵の反撃に対して氷の【呪詛】を宿した「凍結の波動」を放ち、死神たちが操る水流を凍らせ、大鎌で切り裂き、敵の攻撃を無力化していきます。
「させません」
避難中の一般人と誘導している仲間たちを守るように、派手に立ち回り、敵をひきつけます。
「あなた達の相手は、わたし達です」
●命救い給え
「……正午となりました」
夏天の下、マンション屋上の中央に立ち、死天使アズライルは静かに告げる――時来れり、と。
「太陽が最も高き刻……天に最も近い時間です。きっと、最高の救済を得られるでしょう」
嗚呼、アズライル様、アズライル様、我らにお慈悲を。安息をお恵み下さい――!
「皆さん、早まってはいけません!」
今しも、銀髪の天使が舞い始めようとしたその時、デーモンの翼を広げて、文字通り飛び込んできたのは、赤上・イズル(赤き悪魔・g04960)。
――分かっている。絶望の淵に立つ者達の心を響かせるには、自分の言葉では、きっと足りない。
それでも、喩え待ち望んだ決着をつける前であっても、イズルは人々の自殺を止めなければ、と思った。
「……感情を無くした俺ではありますが、それでも。自ら死を選ぶのは間違っていると思うのです」
確かに、死が安息に思える時はある。正に、目の前で戸惑っている彼らが、そうであるように。
「しかし、自ら死を選ぶという事はすべてを放棄する事です」
地上から屋上を目指し、続々と飛翔してくる仲間達を見やり、イズルはそっと胸を抑える。
「……そして、あなた方を想う友や家族の想いを断ち切ってしまう事です!」
「何という事でしょう」
懸命に声を張るイズルを見上げる、アズライルの黄金の双眸は、酷く酷く冷たかった。到底、母が子を見る眼差しではない。
「皆さんの『救済』を、あの悪魔は、甘言を弄して阻もうとしています」
「……っ。違う、俺は――」
「グリムダムド」
断ち切るように遮ったその一言で、彫像のように立ち尽くしていた死神兵が動き出す。無造作に振り上げられた死神の斧が、陽光を鈍く反射する――。
「駄目、だ……!」
誰1人として死なせない、身を呈して守る事も厭わない――その決意で、飛び出そうとして、イズルは愕然とする。
――間に、合わない……?
クロノヴェーダが一般人を殺す行為は、厳密には戦闘行動ですら無く『一般法則破壊』が適用される。『攻撃』では無い為、ディフェンスは不可能だ。
ならば、どうする――。
「行きますよ、『琥珀』」
静かな声音が、イズルの耳朶を打つ。すれ違い、屋上に降りた御門・風花(静謐の凶鳥/ミセリコルデ・g01985)に、クダギツネの琥珀が憑依する。
――来なさい『ヴァナルガンド』。
真名を呼ばい、召喚したのは大鎌『破壊の氷牙』。銀に変じた髪を揺らし、風花は死神兵に肉迫する。
「邪魔です」
居並ぶ2体、纏めて両断した。
「させません」
同時、押し寄せて来た狭間の河水は、凍結の波動で半ば凍らせて凌ぐ。
要は、一般人を襲おうとするクロノヴェーダに先んじてパラドクスを浴びせ、戦闘状態に持ち込んでしまえば良い。
「あなた達の相手は、わたし達ディアボロスです」
眼鏡越しに碧眼を眇め、風花は凛と宣戦布告する。
「御門さん……」
「イズルは、わたし達にとって大切な仲間ですから」
だから、今度は、私達が助ける番だと――多くのディアボロスが、仲間が、イズルの想いに応えて駆け付けている。
人々を救う為に、死神兵と対峙し、安全に逃そうと奮闘する者。
死天使を取り巻く加護を剥がさんと、祈り続ける大天使達へ向かう者。
だが……死天使アズライルは、ノーマークだ。
「……」
今はまだ、冷ややかに光景を眺めるだけのアズライルが『その気』になってしまう前に――まだ一撃入れるのは難しくとも、彼女の気を引く事は出来るかもしれない。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
イズルさんが話してくれたことは忘れない
アズライルの気を惹き、避難中の人々に手出しさせない
死天使アズライルよ
救済と耳障りの良いことを言うが
ただ、人々の悩みに付け入った教唆ではないか
誰にも葛藤がある
悩む権利があるんだ
不安定な状態の人を安直に唆すのが、大天使様の仕事か?
それで誰かを救ったつもりなのか
その先は、周りの人々に悲しみを生む
……その悲しみは誰が救うんだ?
結局、人々の悩みを利用した自己満足だ
配下を使い出せば、ただの侵略者だな
誰の悩みも、死すらも愚弄する身勝手なもの
その方は、イズルさんの大事な方だ
解放してもらおうか
御せると侮った人一人が
どれだけ大切で、重い存在なのか
思い知るがいい
ツキシロ・フェルドスパー
アドリブ歓迎
イズル君のおかーさん!
大事な人が亡くなって悲しいのは分かる!
自分だって大事な人おらんようになったもん!
でも、イズル君もおったやん。大事な人まだおったよ!てかおるよ!
此処に!
今も元気に楽しんどるよ!
えーと、えーと……せやからね。
もう安心してもいいと思う。
悲しまなくてもいいと思う。
イズル君皆と仲良く元気やから。
そーれーと!
アズライル!馬鹿天使!
ぜーーったいにイズル君のお母さん返してもらうんやからね!!
嫌や言うても聞かんで!
安心して眠ってもらうんやから。
もう大丈夫って言ってあげるんやから!イズル君が!自分達が!
人の死を、人の思いを馬鹿にするんやないで!
「イズル君のおかーさん!」
屋上に到着するや、大きく深呼吸。ツキシロ・フェルドスパー(非日常に迷い込んだ漂流者・g04892)は、声を張って呼び掛ける。
「大事な人が亡くなって、悲しいのは分かる! 自分だって大事な人おらんようになったもん!」
でも、彼女には、子供達がいた。大事な人が、まだいたのだ。
「てかおるよ! 此処に! 今も元気に、楽しんどるよ!」
「……」
ツキシロの懸命な言葉に、死天使アズライルは無言のまま。視線すら寄越さない。
「えーと、えーと……せやからね。もう安心してもいいと思う。悲しまなくてもいいと思う。イズル君、皆と仲良く元気や、から……」
「……」
冷ややかな空気を、肌で感じる。届いていないと、判ってしまう。
ツキシロの言葉は、アズライルが寄生する「イズルの母親」に向けられている。内の内に引き籠っているだろう『彼女』に働き掛けるには、初対面では縁が脆弱に過ぎた。
「……っ」
泣き出しそうな表情で唇を震わせるツキシロの肩を、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)が元気づけるように叩く。
「死天使アズライルよ」
一転、冷ややかに、誰に呼び掛けているか、宣言する。今度こそ、大天使の耳に入るように。
「救済と耳障りの良いことを言うが、ただ、人々の悩みに付け入った自殺の教唆ではないか」
誰にも葛藤がある。悩む権利だってある。
「不安定な状態の人に死を安直に唆すのが、大天使様の仕事か? それで誰かを救ったつもりなのか」
もし、人が自ら死を選べば、或いは、命を絶たれる事を受け入れてしまえば。次は、周りの人々の悲しみを生む事になる。
「……その悲しみは、誰が救うんだ?」
「笑止」
静かに憤るエトヴァの言葉に、アズライルの唇は侮蔑の笑みを刷く。
「悲しみには死を与えましょう。嘆きには死を与えましょう。全ての者に平等なる救済を。死は、遍く人々全てに、等しく齎される救いなのです」
「そんなもの、結局は、人々の悩みを利用した自己満足だ」
語気鋭く、言い放つエトヴァ。ディアボロスという妨害が現れた途端、アズライルは配下に人々の殺害を命令した。綺麗事で取り繕っても、所詮はクロノヴェーダ、侵略者なのだ。
「誰の悩みも、死すらも愚弄する身勝手なものだ」
時先案内人が口にするのも控えたイズルの事情を、自ら話してくれた時の彼の様子を、エトヴァもツキシロもまだはっきりと覚えている。
「そもそも、その身体は、イズルさんの大事な方だ。解放してもらおうか」
「そーや! アズライル! 馬鹿天使! ぜーーったいに、イズル君のお母さん返してもらうんやからね!!」
エトヴァに続いて、ツキシロも大いに頷いて。元より、価値観がけして相容れぬ相手だ。思いの丈を口にするのに、何の遠慮も必要ない。
「嫌や言うても聞かんで! 安心して眠ってもらうんやから。もう大丈夫って言ってあげるんやから!」
イズルだって、自分達だって! その為に、ディアボロスは此処に来たのだ。
「人の死を、人の思いを馬鹿にするんやないで!」
「ああ、御せると侮った人1人がどれだけ大切で、重い存在なのか……思い知るがいい」
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【飛翔】がLV2になった!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
白水・蛍
アドリブ/連携歓迎
使用出来る効果は全部使います。
イズルさんの大事な方なのですね。
……助けましょう。我々で出来る事を!
<演説・誘惑>で言の葉に魔力を乗せて相手を挑発・<撹乱>。
こちらに視線を向かせて、パラドクスを発動。
<観察・看破>でその動きを見切って魔力塊の破片をグリムダムドだけを的確に発射致します。
一般人に当たりそう、もしくは敵が攻撃してくるなら、別の弾丸で相殺。
もしくは<念動力・オーラ操作>で一般人の方の周囲に壁を作って弾丸の軌道を逸らす形で。
当てるわけには行きませんから緻密に、綿密にいきましょう。
大丈夫、私たちなら出来ますわ。ね、フロウライト。
(「あの方が、イズルさんの大事な方なのですね……助けましょう。我々で出来る事を!」)
アズライルと対峙する者がいる間に、白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)は死神兵グリムダムドの排除に向かう。
我が音に応えて来たれ――。
「あなたの相手は、ディアボロスです! それとも、只人でなければ、その大仰な鎌も満足に振えませんか?」
蛍の挑発が効いたか、死神兵の翼を覆う髑髏が、大鎌と化した瞬間。
――これ即ち応じて変ずる魔力の砲撃!
蛍の声が魔力塊を喚ばう。すぐさま分割し、魔弾と化した多数の一斉掃射した。
キャァァッ!
一般人の悲鳴が上がるも、勿論、流れ弾など許しはしない。的確に、死神兵のみを穿たんと、軌道を調整する。
「緻密に、綿密にいきましょう……大丈夫、私たちなら出来ますわ。ね、フロウライト」
コックリ肯いたメーラーデーモンに微笑み、蛍は三方から迫り来る深遠の大鎌に魔弾を衝突させる。
ギィィンッ!
分割された分、音の魔弾の操作性は高い。流石に相殺とまではいかなかったが、それぞれの直撃は躱してみせた。
「さあ、次はあなたが相手ですか!」
派手にパラドクスを扱って見せれば、クロノヴェーダは妨害の排除を優先する。
一般人の救助は、他に任せるとしよう。
成功🔵🔵🔴
効果1【強運の加護】LV1が発生!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
レイ・シャルダン
連携・アドリブ歓迎です。
イズルさんのお母さんの事は以前個人的に聞いていました。
と言うより、戦ってきました。
自身の母を何度も自身の手で断つなんて嫌でしょう。
ここで終わりに…開放してあげましょう。
そして、その場で血を流し呪いを背負わすわけにもいきません。
ここに居る一般人は必ず全員救出をしましょう…!
皆が一般人の保護を優先してくれている。
ならばボクはボクに出来る事を!
AIサイバーゴーグル【Boeotia】で"観察"をして"情報収集"を行い
蒼い光を掌に紡ぎ、集束して矢に変え、弓に番えパラドクスを発動。
グリムダムドだけを的確に射抜きます。
上空を飛翔すれば、ディアボロス達の動きは大凡把握出来た。クロノヴェーダと対峙する者がいる一方、人々の救助に向かう者も少なからず。
(「ボクはボクに出来る事を!」)
故に、レイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)は、AIサイバーゴーグル【Boeotia】越しに、翠眼を眇める。
構えるのは、機械魔導弓【ACRO】。掌に紡いだ蒼い光は、集束して矢を形作る。
「君は逃げられない、ボクが狙ったんだ、必ず当たるよ」
喩え、レイが目を瞑ろうと、後ろへ見ずに放とうと、照準も碌に定めぬ速射であろうと。必ずや、敵の弱点を正確に射抜く――それが、レイのパラドクス『電撃戦の一矢』だ。
「……っ」
逆説連鎖戦に於いて、パラドクスの交錯は同時であり彼我の距離も然したる意味が無ければ、死神兵グリムダムドが1体斃れるのとレイが狭間の河水に吞まれるのも同時。
(「でも……この場で血を流して、呪いを背負わせる訳にもいきません」)
イズルの母親については、宿縁邂逅に先んじて、事情を聞いていた。
死天使アズライルのアヴァタール級とも、戦って来た。
母親の姿をしている敵を、何度も自身の手で討つなんて……レイ自身、嫌だと思う。
(「ここに居る一般人は全員救出して……全てを終わりに。開放してあげましょう」)
「ぷはっ……!」
決意も新たに、彼岸と此岸を分かつ水流から逃れて息を吐く。すぐさま、次なる標的を探して、屋上に目を走らせた。
成功🔵🔵🔴
効果1【飛翔】がLV3になった!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
エリザベータ・シゲトヴァール
●心情
母さん……か。
誰にとっても母親は大切なもの。
こんな形で敵に奪わせてなるものか。
●行動
味方との連携を意識。
【飛翔】し最大戦速でビルの屋上へ急行。
敢えて目立つ様にマシンピストルを【連射】し、敵の注意を一般人から自分の方へと向けさせる。
一般人と敵の間に割って入りながら、【制圧射撃】で牽制し、一般人に近付けさせない様に。
【空中戦】と【戦闘知識】を活かしてビル上空を飛び回りつつ、敵の動きを読んで進路上に【弾幕】を置きに行く様に偏差射撃。
避難誘導している味方や、一般人を狙う敵は優先的に攻撃対象に選択し、人的被害を出さない事を優先。
万が一転落した一般人が居れば、最優先で救出に向かう。
レイラ・イグラーナ
赤上様を……そして赤上様のお母上をお救いするため、私も力をお貸しいたします。
クロノス級クロノヴェーダとして目覚めたばかりと伺っていましたが、配下がすでにこんなに……こちらは私たちにお任せください。
【飛翔】で急ぎ屋上へと向かい静謐のクリアホワイトと戦闘。
他の方が残留効果で残した【飛翔】とも合わせて加速し、静謐のクリアホワイトが放つ光弾を回避。
他の方と狙いを合わせ、【手製奉仕・飛】で放つ「銀の針」で静謐のクリアホワイトを貫き、1体ずつ確実に数を減らします。
親子の語らいの邪魔です。どうぞお立ち退きを。
(「母さん……か」)
表情を曇らせるエリザベータ・シゲトヴァール(聖イシュトヴァンの剣・g00490)。
(「誰にとっても、母親は大切なもの。こんな形で奪わせてなるものか」)
残留効果を更に重ね、飛翔する。敢えて目立つように、マシンピストルを構えて見せた。敵の注意を、一般人から自分の方へと向けさせるべく。
(「万が一、転落してしまったら、最優先で救けないと――」)
「危ない!!」
エリザベータは、余りに一般人の方ばかりに気が行き過ぎていた。今しも、彼女を強襲せんとした無数の光弾から、逸早く庇ったのは――レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)。
「う……く……」
幾重にも爆ぜた浄化の光の中、唇を噛んで耐えるレイラ。
「ご、ごめん……大丈夫?」
「問題ありません。しかし……本格的な覚醒はこれからと伺っていましたが、配下が既にこんなに……」
レイラの銀の針が指し示す先、死天使アズライルの背後に、ずらりとトループス級大天使『静謐のクリアホワイト』が控えている。ただ、祈っているだけに見えて、彼女達の『浄化』は決して侮れまい。
「見た所、一般の方の救出は、人手も十分のようです。こちらは私達が……シゲトヴァール様も、お手伝い頂けますか?」
「勿論よ。受けた恩はすぐに返すわ」
エリザベータは軍人だ。切り替えも機敏であれば、すぐさま、上空を飛び回り始める。
「……そこよ!」
敵が動かないのを幸いに、弾幕を置く、より寧ろ浴びせる勢いで、偏差射撃を敢行する。
――――!
エリザベーダの攻撃に反応し、静謐のクリアホワイトの周囲に浮遊する浄化の剣が迎撃する。
一方、レイラは銀の針を両手に、飛翔速度を加速。
沖する鳳翼、巻き上ぐ飛竜。櫛比の烏が万里を征す――。
残像を残しながら華麗に空を舞い、針を投擲。相次いで、祈る大天使を射抜いていく。
残留効果『飛翔』は重ねに重ねられ、現状で既に5レベル。最高速度は時速250kmに迫る。新幹線並みと言えようか。
「親子の語らいの邪魔です。どうぞお立ち退きを……っ」
だが、レイラに空中戦の心得は無い。ほんの少し、敵の反撃に気が逸れた瞬間、加速の勢いに身体が泳ぐ。
「おっと……!」
すれ違いざま、今度はエリザベータが身を挺して受け止めた重畳。航空突撃兵の面目躍如か。
「感謝します」
「これで、お相子ね」
旅団の同志であれば尚の事、補い合い、或いは連携こそが、ディアボロスの強みであれば。
「赤上様を……そして、赤上様のお母上をお救いする為、力を合せましょう」
「ええ!」
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【飛翔】がLV5になった!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
ツキシロ・フェルドスパー
アドリブ/連携歓迎
使える効果は全部使用。
イズル君も水臭いなあ。大事な人助けるんやったら手貸すに決まってるやん。
な、アンちゃん。(一緒にいるジンの女の子です)大事な友達やねん。手、貸してな!
相手に向かって真っすぐ【飛翔】。<空中戦>【エアライド】で相手に接近しつつジグザグに動いて<撹乱>。
がむしゃらに前へと両手に持つ剣を振り被って【パラドクス】発動。
――鋭き水の一撃を!
相手をすぱすぱ切断していくで!
味方と協力して全員倒していくんやで!
マティアス・シュトローマー
ちゃんと言葉を交わしたのは最近だけど、ずっと気になってたんだ。同年代で活躍してる復讐者がいるって
そんな彼の本懐でもあるこの事件——力を貸さない訳ないだろ?
仲間の後を追い【飛翔】で事件現場へ。アズライルを守るクリアホワイト達に向き合う
お祈り中のところ申し訳ないんだけど、道を開けてくれる?
仲間と連携しパラドクスを発動。指を鳴らす合図で具現化した雷を落とし、麻痺を伴うダメージを与える
敵は空を飛べるとはいえ、これで多少は動きを封じられるんじゃないかな
反撃の光弾は【臨機応変】に銃で迎撃。【パラドクス通信】で密に連携しながら確実に敵の数を減らしていこう
イズル、——Viel Erfolg!
●為すべきを成す
屋上は混戦状態。そんな中、ディアボロス達は、己がすべき事成すべく翔ける。
(「イズル君も、ホンマ水臭いなあ。大事な人助けるんやったら、手ぇ貸すに決まってるやん」)
何をさて置き、死天使アズライルに物申したツキシロ・フェルドスパー(非日常に迷い込んだ漂流者・g04892)だったが、冷ややかに聞き流され、アズライル自身も今はトループス級大天使の一群という壁の向こうだ。
『彼』の声を届けるには、先にこの『壁』を取っ払わなければなるまい。
「な、アンちゃん。イズル君は、大事な友達やねん。手、貸してな!」
傍らのジンの女の子に声を掛け、ツキシロは飛翔する。
真っ直ぐ、祈り続ける静謐のクリアホワイトの一角へ向かうと見せ掛けて。
――鋭き勢いの水の一撃!!
宙を蹴って鋭角に曲がったツキシロの霊銀の長剣と短剣の切先が、水鏡のように蒼穹を映す。
「すぱすぱいくで!」
強い水の魔力を付与した刃は、流麗にして鋭利。攪乱を狙って回り込み、がむしゃらに切り付ける。
――――。
天使の白い羽根が舞い散る中、静謐のクリアホワイト達は尚も祈りの言葉を唱え続ける。広げられた二対の翼から、滲むように顕れるのは幾つもの小さな光。
「うわっ!?」
逆説連鎖戦の反撃は、自身の周辺時空を強力に歪める為、彼我の距離にも意味が無い。1度に四方から爆ぜた光弾が、ツキシロの戦意を漂泊するよう。
――――!!
「お祈り中のところ申し訳ないんだけど、道を開けてくれる?」
フィンガースナップを合図に、雷を落したマティアス・シュトローマー(ザ・フール・g00097)は、自信に溢れた表情で言い放つ。
パラドクスで具現化した雷撃は、麻痺を伴う。
(「これで多少は動きを……っ!」)
とは言え、パラドクスの交錯は同時。三方からの浄化の光の反撃もいっそ自動的だ。咄嗟に射撃で軌道を逸らすも、全ては流石に躱しきれない。
「おおきに。助かったー」
それでも、ツキシロが態勢を整え直す猶予は作れた。
「君も、イズル君の為に?」
「まあね……ちゃんと言葉を交わしたのは、最近だけど」
ずっと気になっていた。同年代で活躍してる復讐者がいると。
(「そんな彼の本懐でもある事件なんだ。力を貸さない訳ないだろ?」)
内心で呟き、やはり同年代らしいツキシロを、ちらりと見上げるマティアス。
「何?」
「……別に」
大きいとかそんな事、戦闘中に考える暇なんてないし。
「パラドクス通信、開通させたから連携し易くなると思う。確実に、敵の数を減らしていこう」
「了解! 皆で協力して倒していくんやで!」
大天使ひしめく向こうに、赤髪の少年が見える。きっと、懸命にアズライルへ近づこうとしている彼に、マティアスは胸の内でエールを送る。
イズル―——Viel Erfolg!
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【エアライド】がLV2になった!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ◎
イズルさんの想い、届きますよう
現場へ【飛翔】し急行
人々へ声かけ避難を促しつつ空中戦
危険があれば盾となりディフェンス優先
戦場を偵察、観察し
多くの敵の注意を上に惹くように急襲
防衛陣を意識し、避難の時間稼ぎ
牽制交え敵の身動き封じつつ
狙いを合わせ撃破
魔力障壁で防御
何が救済だ
苦しみを容易く語るな
迷うことの何がいけない……
安易に死を選ぶ者はいない
葛藤を繰り返す、中に生きたいという願いがあるはず
その願いこそ抗う力だ
誰かに想われ、誰かを想い、生きてきただろう
想いの積み重ねは存在する証
想う者、胸にある願い、描いた未来
死はその全てを断つことだ
迷いがあるなら、僅でも生きたいと願う気持ちがあるなら
生きろ
「何が救済だ。苦しみを容易く語るな」
――死天使アズライルと話して、実感した。
死を救済と信奉する大天使自身に何を説こうと、相容れはしないだろう。その内にいる『彼女』に触れられるのは、きっと『彼』だけだ。
(「イズルさんの想い、届きますよう」)
故に、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は、天使の両翼を広げて天翔ける。
――Sei frei.
両手の銃の標的は、死神兵グリムダムド。重力なき自在な姿勢制御で、風を切り、速度に乗り、空を自由に踊るように、銃弾を浴びせる。
――――。
グリムダムドの翼の髑髏が幾つも砕かれながら、集って深遠纏う大鎌と化す。暗滅の髑髏鎌の斬撃が、時空を歪めてエトヴァに逆襲して尚――自由気儘な飛行軌道は輝ける光を纏い、空に栄光を描く。
(「あれは……」)
混戦の中、身動きしない人影を見付けた。クロノヴェーダは目的遂行の障害となるディアボロスから排除せんとする傾向がある。だが、今にも流れ弾に当たりそうな状況は見過ごせなかった。
「立てるか?」
パラドクス飛び交う最中で、どれ程保つかはしれないが……魔法障壁を張りながら、エトヴァはへたり込んだサラリーマンらしき男性に声を掛ける。
「なんで……」
低い呟きに耳を澄ませば。
「……放っておいてくれない」
エトヴァは、屋上に集められた人々が抱える事情は、知らない。彼らが死を望んだ経緯を知らない。
「あなたの中に、もう『迷い』は無くなってしまったのか?」
だが、安易に死を選ぶ者はいないと信じている。葛藤を繰り返す中に、生きたいという願いがある筈で、その願いこそが死に抗う力となる、と。
「あなただって、誰かに想われ、誰かを想い、生きてきただろう。その想いの積み重ねこそが存在する証、だ」
想う者、胸にある願い、描いた未来――死はその全てを断つ事だ。
「……俺は、もう決めたんだ」
「迷うことの何がいけない!」
言い淀む男に、エトヴァは畳み掛ける。
「迷いがあるなら、僅かでも生きたいと願う気持ちがあるなら」
クロノヴェーダに、エトヴァの真摯な想いが届く事は無い。だが、人々に掛けられる言葉ならば、まだある。
「……生きろ」
1人のディアボロスの少年の為に、生死の瀬戸際に立つ数多の人々の為に、駆け付けてきたのだから。
成功🔵🔵🔴
効果1【飛翔】がLV6になった!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
望月・百代
本人の手にかからずとも、ひとりでも死んでしまえばそれが心に傷を残しかねん
ならば全員を救わねば、成功と言えんだろうしね…
いわば今回は、心を守る戦いよの
さて、いざという時は味方の展開してくれた飛翔で飛べばいい
となれば…
マンションの避難経路を大雑把に確認
ユビキタスウェアに読み込ませて最短経路を即座に算出
飛翔が使えるところはショートカットしつつ、一般人の避難経路を確保
「待たせたの、一般人はこちらに!」
最後は神出鬼没でトループスを背後から強襲し、道を開こう
飛翔で飛び込んでくる面々に気を取られてこちらへの注意は薄いじゃろうしね
確実に1体は持っていく!
あとは一般人を避難誘導しつつ戦うぞ
アドリブ絡み歓迎
雨宮・あずき
●アドリブ歓迎
「イズルくんのお母さん、かあ…。」
わたしは、『母』という単語に強く反応して、気づいたらパラドクストレインに乗っていた。
友達のお母さんならなおさら。わたしだって守れなかったことを後悔しているんだもん。
「あんまり飛ぶのは得意じゃないけれど…今だけは、お願い!」
普段は無い光輪を携えて、空を舞う。
そして、屋上にたどり着くと、大きな白い羽を広げ、長いおさげ髪をなびかせながら。
「さぁみんな、わたしも天使様だよ、こっちにおいで!」
そう言って一般人の誘導を始める。
エゼキエルで戦っていた時の記憶が蘇る。
…あの時もこうやって、人に手を差し伸べながら戦ってたなあ。
ルィツァーリ・ペルーンスィン
過去については思う事もなくはないが……犠牲者を出させる訳にはいかないからな!
其れにイズルさんには妹を救うのに助力してくれたという大き過ぎる借りがある!
その借りを返す為にも全力で行かせてもらう!
マンションの避難経路を軽く●情報収集
残留効果の●飛翔も使用しつつ同様に避難経路を確保する為に動く人と分担しつつ経路を確保
確実に問題ないと判断出来たら●避難勧告発動
其の後は●連続魔法による●誘導弾●フェイントで敵を牽制
逃げる一般人を護りつつ自身に近付いた敵に●飛翔し●空中戦で●突撃
●屠竜撃をぶちこみ●粉砕
「イズルくんのお母さん、かあ……」
『母』という単語が、雨宮・あずき(半分の天使・g01306)の心の琴線に触れた。友達の肉親であれば、尚の事。
(「わたしだって……守れなかったことを後悔しているんだもん」)
無我夢中でパラドクストレインに乗り込んで……それでも、地上から飛び立つのには、少し時間が掛かった。
今回が、あずきの初陣だ。
(「あんまり飛ぶのは得意じゃないけれど……今だけは、お願い!」)
内に秘めた想いこそが、少女をディアボロスたらしめる。意を決したあずきの周囲に、無数の光の輪が現れる。
距離にして約30m。重ねられた飛翔の残留効果を使えば、ひとっ飛びだ。
先行したディアボロス達の奮闘のお陰だろう。途中、誰かが落ちてくる事は無かったものの、屋上にはまだ一般の人々が残っている。
「さぁみんな、わたしも天使様だよ、こっちにおいで!」
天使の翼を広げ、長いおさげの黒髪をなびかせて。ふんわり優しい笑みを浮かべるあずき。
(「……嗚呼」)
朧気だった記憶が、像を結ぶ――『あの時』もこうやって、人に手を差し伸べ、戦った。
「そこは危ないよ。早く!」
だが、人々は顔を強張らせたまま、動こうとしない。或いは、クロノヴェーダに強制されていたのなら、態度も違っていたのだろう。
しかし、彼らはアズライルの『救済』を求めて、屋上に来たのだ。
(「どうしよう……」)
彼らに掛ける言葉が、あずきには浮かばない……。
「! 駄目!」
俯く制服姿の女子高生の背後で、グリムダムドが死神の斧を振り上げたその時。
――――!!
死神兵の頭上に、唐突にマスケット帽が降ってくる。それを振り払う暇こそあれ、竜骸剣が垂直落下で叩き付けられた。
「よし! 間に合った!」
ルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)の屠竜撃だ。
――Now you see me.
間を置かず、もう1体の死神兵が崩れ落ちる。
「待たせたの。一般人はこちらに!」
敵を背後から強襲した望月・百代(月輪七曜・g02747)は、屋上の出入口を確保して叫ぶ。
――喩え、『彼女』本人の手にかからずとも、ひとりでも死んでしまえば、それが心に傷を残しかねん。
――過去については思う事もなくはないが……犠牲者を出させる訳にはいかないからな!
――うむ。全員を救わねば、成功と言えんだろう……。
謂わば『心』を守るべく、百代とルィツァーリは、一般人の避難経路の確保に動いていた。マンション内の導線の把握を、優先したのだ。
「もう大丈夫だよな?」
「無論。避難の最短経路を既に算出しておる」
百代に力強く請け合われ、ルィツァーリは満を持して残留効果『避難勧告』を発動する。
――――!
赤い光が明滅し、サイレンが鳴り響く。こうなれば、一般人は抗えない。1人、又1人と、屋上から避難するべく動き出す。
「お主も誘導を頼む!」
「は、はい!」
百代の声に大きく頷いたあずきは、足が悪そうな老婦人に翔け寄り、その手を引く。
「させるか!」
人々に追い縋る死神兵には、ルィツァーリが突撃した。
(「イズルさんは、妹を救う助力をしてくれたからな! 大き過ぎる借りを返す為にも、全力で行かせてもらう!」)
上空をディアボロスが飛び交う中、百代は神出鬼没に死神兵を各個撃破。追撃の手を着々を減らしていく。
「だから、やらせぬと、言うておる」
果たして、屋上に在るのがディアボロスと大天使だけとなれば――いよいよ、宿縁を断ち切る戦いも、本番となる。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【飛翔】がLV7になった!
【避難勧告】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!
エルマー・クライネルト
クロノヴェーダに憑依されていると言え、死を賛美し扇動する母の姿はどう映っているのだろう
対峙するイズルの心境を計り知ることはできない
ーー酷い運命だ、だが我々には変える力がある
パラドクスを発動し【飛翔】を使用し現場へ急行
アズライルの取り巻きの天使を始末する
[光使い]にてフラッシュを焚き敵の視界を遮りながら
浄化の歌によって戦意を失う前に素早く接敵
死への讃美歌ならば必要ない
死を悼む鎮魂歌であれば精々己の為にでも歌っていろ
天など仰いで切れているお陰で急所が大変狙い易いな
すれ違いざまに敵の喉元へ鋼糸を巻き付け、不快な音を出す喉から喉から上と下を[両断]して息の根を止める
「随分と、見通しが良くなったじゃないか」
皮肉を呟き、エルマー・クライネルト(価値の残滓・g00074)は首を巡らせる。
「だが、まだ五月蠅いな」
数を減らしつつも、相当数で祈り続ける静謐のクリアホワイトらを見やり、エルマーは剣呑に翠眼を眇める。
――クロノヴェーダに憑依されていると言え、死を賛美し扇動する母の姿は、『彼』の眼にはどう映っているのだろう。
ふと、気付く。イズルの瞳は、きっと母親譲りだ。
(「嗚呼、酷い運命だ……だが、我々には変える力がある」)
喩え、彼の心境を推し量る事は出来ずとも。
「……フルーフ」
傍らに浮遊するオラトリオが、消える。否、サーヴァントの力を一時的に吸収し、重力を遮断して飛翔するエルマー。
光を操作出来るとして、技能はあくまでも常識の埒内に在る。小手先の目眩ましが、クロノヴェーダの集団を相手に効くとは考え難い。
であれば、速攻――大天使が歌い続ける浄化の歌が、エルマーの戦う意志を削ぎ落す前に。
――Suchen Sie nach etwas?
戯れのように呟き、鋼糸を振う。幸いにして、天を仰いで歌い続けているから、急所が大変狙い易い。
だが、死への讃美歌など必要ない。
「精々……己の為にでも歌っていろ」
止む事のない歌声が、内から漂白されていく心地が、非常に不快だ。顔を顰めて吐き捨て、上空で急旋回する。
同時――喉から上と下が泣き別れた大天使が4体、まるで人形が壊れたように崩れ落ちた。
成功🔵🔵🔴
効果1【飛翔】がLV8になった!
効果2【ガードアップ】がLV3になった!
アストライア・ノートン
アドリブ連携OK
イズル殿達が人々を助けてるうちにこちらもこちらで準備をせねばな
事情についてはイズル殿から聞き及んでおる。故に許せぬ。
仔細は後でクロノヴェーダ本人に叩きつけるとして今は護衛の木っ端共を蹴散らすのみだ
仲間と連携し事にあたる
ピースメイカーと13mmポータブル・レールガンを準備し【飛翔】、
挨拶代わりに【砲撃】を敵集団に加え【突撃】してレールガンの【連射】と素手による【強打】で敵の連携を阻止する
離脱しようしたり、一般人に手を出そうとする輩は【グラップル】で引き戻す
アメリカ帝国皇帝たる余を前にしてよそ見などはさせぬさ、貴様らの相手は余…いや余達である!
死神兵グリムダムドは排除され、一般の人々も(強制的にであろうと)屋上から避難した。
「……よし。仔細は後でクロノヴェーダ本人に叩きつけるとして、今は護衛の木っ端共を蹴散らすのみだ」
アストライア・ノートン(アメリカ帝国皇帝・g04806)は、居丈高に言い放つ。
イズルの事情については、当人から聞き及んでいる。だからこそ、決して許せない。
「残らず平らげてくれよう!」
携行している試製速射砲『ピースメイカー』は高威力の徹甲炸裂弾を搭載した重機関砲であるが、クロノヴェーダに砲撃を浴びせたとして、挨拶代わりにもならないだろう。
本命は、右脚に搭載した13mmポータブル・レールガン――を活用するパラドクスだ。
「こいつはとびきり痛いぞ……なにせ、対天災兵装のフル稼働である故な!」
躊躇う事なく、静謐のクリアホワイトの一群に突撃、勢い良く、蹴りを叩き込む。
――――!!
射出体が、相次いで大天使を穿った。アストライアのレールガンの発射機構は「蹴り」の動作に連動している。「パラドクス」としか言いようのないテクノロジーだ。
「そら! 歯を食いしばっておれ!」
反撃の浄化の光はこれまでに重ねられた残留効果『ガードアップ』で威力を抑え、アストライアの暴嵐穿つ皇帝の右脚が、再度風を切る。
――――!!
『アメリカ帝国皇帝』を前にして、余所見などさせない。
「貴様らの相手は余……いや、余達である!」
アストライアの誇らかな言葉通り、今や仲間達も、静謐のクリアホワイトの掃討に動いている。
ドゴォッ!
眼前の風通しが良く鳴った瞬間、アストライアは翔ける。
死天使アズライルを、言葉で以て断罪するべく。
成功🔵🔵🔴
効果1【飛翔】がLV9になった!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
アストライア・ノートン
アドリブ連携OK
貴様の所業、この耳で聞きこの目で見た
甘言を弄し、民を死に至らしめるは正に私腹を肥やすが如き悪行
許す余地は微塵もない事は明白である
死が救済?
真の救済などないわ戯け!
人とは終わりなき挑戦者である!
一時の安寧と終わりなき挑戦のくり返しが今日を作り、艱難辛苦を乗り越えるは人々の支え合いだ!
余の言を強者の論と解すなら答えよう
真の強者とは庇護者、貴様のように人を死に追いやるなどはせん、とな
そして卑劣極まるはイズル殿の御母堂に罪を「おっかぶせる」ように仕向けた事!
彼女を弄びその周囲に悲劇をバラ撒きしは誰ぞや?
貴様だアズライル、死天使を騙る詐欺師よ
法の番人に代わり、余達が貴様を裁いてみせよう
●死天使アズライル
「……」
静謐のクリアホワイトらが、ディアボロス達に斃されていく様子を、死天使アズライルは表情も変えず見詰めていた。
「貴様の所業、この耳で聞きこの目で見た」
そんなトループス級大天使の掃討を背景に、威風堂々と言い放つアストライア・ノートン(アメリカ帝国皇帝・g04806)。
「甘言を弄し、民を死に至らしめるは正に私腹を肥やすが如き悪行。許す余地は微塵もない事は明白である!」
「今しも、哀れなクリアホワイトらに『救済』を施している貴様らが、何を言うかと思えば」
――そう、死を司るアズライルにとって、『死』こそが最高の救済。其れは、人間にとっても、アークデーモンにとっても、大天使にとっても、変わらないのかもしれない。
「死が救済? 真の救済などないわ戯け!」
だが、アストライアは、即座に欺瞞と断じる。
「人とは終わりなき挑戦者である! 一時の安寧と終わりなき挑戦のくり返しが今日を作り、艱難辛苦を乗り越えるは人々の支え合いだ!」
「『救済』を求める者に、『救済』は無いと言い切るのですね。敗残の憂き目に遭ったディアボロスが……斯くも、傲岸不遜であろうとは」
クロノス級であるアズライルは、全滅した過去の時代のディアボロスしか知らない。故に、唇の端で嘲笑する――アストライアの主張が、滑稽と言わんばかりに。
「余の言を強者の論と解すなら答えよう」
だが、アストライアは怯まない。真っ向から大天使の金色の眼を見据え、断言する。
「真の強者とは庇護者、貴様のように人を死に追いやるなどはせん!」
そして、何よりも赦せない憤りを、アズライルに叩き付けなければ気が済まない。
「卑劣極まるは、イズル殿の御母堂に罪を『おっかぶせる』ように仕向けた事! 彼女を弄び、その周囲に悲劇をバラ撒きしは誰ぞや? ――貴様だ、アズライル。死天使を騙る詐欺師よ」
アストライアは、アズライルの意見も、改心も求めていない。
「法の番人に代わり、余達が貴様を裁いてみせようぞ!」
成功🔵🔵🔴
効果1【エアライド】がLV3になった!
効果2【ガードアップ】がLV4になった!
赤上・イズル
死天使アズライル…
いえ、母さん…俺のことが分かりますか?
俺は…覚えています
あなたに優しくされていた事も…
父がいなくなってからは辛く当たられた事も
ある日あなたは…俺の首に手をかけましたよね
俺は、母さんが苦しいのなら…
その苦しさから母さんが解放されるのならと…身を委ねました
でも今…俺はこうしてここにいます
あの時見上げた母さんの目から溢れていた涙は…
本当は生きたかったという証だったのではないですか?
本当は死なんて求めてはいないのでしょう?
あの時から俺の感情はどこかへ行ってしまいましたが…
今、感じます…胸の奥から湧き上がるものを…
…俺は…生きたい!
母さんと…共に生きたいです!
(無くしていた涙が溢れる)
――混戦の果て、マンションの屋上に残った最後の大天使は、あくまでも冷徹にディアボロス達を見回す。
死天使アズライルはクロノス級。決して侮れぬが、ディアボロスとの戦力差は圧倒的だ。
だが、このままでは……赤上・イズル(赤き悪魔・g04960)自身の手で、肉親の身体に引導を渡す事になる。
「死天使アズライル……いえ、母さん……俺のことが、分かりますか?」
仲間達の支援も、アズライルへ我が事のように怒りをぶつける言葉も、イズルの胸中を温かく充たした。
だからこそ、イズル自身の言葉で、成し遂げなければならない。
「俺は……覚えています。あなたに優しくされた事も……父がいなくなってから、辛く当たられた事も」
スペイン人であったイズルの母は、愛情深い人だったのだろう。最愛の夫の喪失から、立ち直れなかった。絶望に浸る日々に、お腹を痛めて産んだ子供達さえ、顧みる事も出来なくなってしまった。
「あの日、あなたは……俺の首に、手を掛けましたね」
淡々と、話すつもりだったのに。語尾が震える。それでも、イズルは深呼吸して続けた。
全てを知って、全てを理解していると。アズライルの中にいる母に、伝えなければならない。
「俺は、母さんが苦しいのなら……その苦しさから、母さんが解放されるのなら、と……身を委ねたんです」
以心伝心は、ある意味嘘だ。声に出さなければ、大事な事は何も伝わらない。
「ねぇ、母さん……あの時、母さんの目から溢れていた涙は……本当は生きたかったという、証だったのではないですか?」
イズルは、覚えている。妹の泣き声で、弾かれたようにイズルから離れた母の表情を。唇を震わせ、家を飛び出していった時に聞こえた呟きを。
「本当は……死なんて、求めてはいないのでしょう?」
だって、イズルは、こうして生きている。喩え、あの時から心が動く事がなくなってしまっていたとしても――否、胸の奥底から、ナニカが、湧き上がってくる。
「……俺は、生きたい!」
衝動のまま、アズライルに近付く。凍り付いたように立ち尽くし、金色の双眸を見開く彼女の頬に、両手を伸ばして、そっと触れる。
「母さんと……共に生きたい、です!」
血の気の失せた彼女の唇が、ゆっくりと、動く。
――……出琉?
「あ……」
堰を切ったように溢れた涙で、視界がぼやける。思わず『母』を抱き締めようとして――強い力が、イズルを突き飛ばした。
大成功🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
「馬鹿な……そんな、馬鹿な!」
酷く、取り乱した声音だった。
抑えつけるように己を抱き、アズライルは翼を広げて上空へ逃れる。
「死こそが最高の救済だと……だから、貴様は、私に……我に全てを委ねたではないか!」
それは、怒りの叫び。唇を噛み締め、アズライルは屋上のイズルを睨み付ける。
「……そうか。『アレ』が、未練か。ならば、貴様のこの手で、刈り取ってやろう。2度と惑わぬよう、我が『救済』してくれるわ!」
アズライルの頭上で光輪が煌めく。迸る白光が死を喝采するが如く、イズルへ降り注ぐ――。
エルマー・クライネルト
常々思うのだが、こういう手合は人に死を勧める癖に何故自分が死ぬ気は全く無いのだろうな
多くのクロノヴェーダを屠ってきたが、奴等が死んで救われたとは全く思わん
思い知るといい――『貴様は救われる価値もない』
パラドクスを発動し[呪詛]の言霊で激痛の毒を撃ち込む
アズライルの攻撃には死へ抗う[勇気]を示そう
光を真っ向から受け止め、必要があればイズルへの攻撃をディフェンス
生きている限り苦しみと悲しみは共にある
だが人はその痛みに手を差し伸べ、分かち合うことで前に進むことが出来る
それは死の救済などよりよっぽど良いものだと私は思うがね
……伝えることはまだあるのだろう、往くといい
君達が二人で帰ってくるのを待っている
常々思う――こういう手合は人に死を勧める癖に、何故、自分が死ぬ気は全く無いのだろう。
――――!
元より、エルマー・クライネルト(価値の残滓・g00074)が長じるのは魔力より敏捷性、或いは器用さだ。だが、それでも、パワータイプのイズルより得手であった重畳。死への喝采を真っ向から受け止め、蹲る少年を庇う事が出来た。
「あ……っ」
「……伝えることはまだあるのだろう、思うままに往くといい」
彼が動けるようになるまで、エルマーは待つ。敵にパラドクスを撃ち込みながら。
エルマーが初めてパラドクストレインに乗ったのは、丁度1年前。以降、多くのクロノヴェーダを屠ってきたが、奴等が死んで救われたとは、全く思わない。
「思い知るといい――『貴様は救われる価値もない』」
其れは、言霊。操り人形に潜む暗器へ注ぐ悪意。
端的に言えば『お前こそ死ねばいいだろ』と――嫌悪も露に罵倒すれば、エルマーの一撃は死に至る苦痛及ぼす猛毒を帯びる。
「……」
険悪な眼差しで睨み付けるアズライルの頭上で、再び光輪が煌めく。
交錯するパラドクス。エルマーは、光線を真っ向から受け止め、死に抗う覚悟を示す。
生きている限り、苦しみと悲しみは共にある。だが、人はその痛みに手を差し伸べ、分かち合う事で前に進むことが出来るのだと。
(「それは死の救済などより、よっぽど良いものだと……私は思うがね」)
少しだけ、他人の為に怒れるようになってきた――口に出して言えるかどうかは、また別の話だけれど。
成功🔵🔵🔴
効果1【友達催眠】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
御門・風花
連携やアドリブ歓迎。
イズルへの攻撃に割り込み、白光を大鎌で【両断】
「イズルのお母さんを返してもらいます」
【呼吸法】で闘気を高め、ネメシス形態を発動。背中に刻まれた「悪魔の紋章」が輝き、漆黒の翼を展開。大鎌を手に、死天使と対峙します。
「『ミセリコルデ』の名において、あなたを『救済』します」
「アズライル。あなたの負けです」
相手を挑発し、味方が動きやすいように、敵の注意をひきつける。
「イズルの想いに、彼のお母さんは答えてくれた」
「ここで、あなたを倒せば、すべて元通りです」
死の舞に、氷の【呪詛】を纏う大鎌による剣舞で応えます。
「アズライル。死ぬのはあなた一人です」
「……あとは、お願いします」
「イズル」
(「出遅れました……」)
無表情の内で、嘆息する御門・風花(静謐の凶鳥/ミセリコルデ・g01985)。
ディフェンスの性質上、あのパラドクスに風花が割り込むのは難しかった。人間、というかディアボロスにだって、得手不得手はある。
「イズルのお母さんを返してもらいます」
切り替えは早かった。風花の闘気が高まるや、背中に刻まれた悪魔の紋章が輝く。漆黒の翼を広げ、大鎌を構えてアズライルと対峙する。
「『ミセリコルデ』の名において、あなたを『救済』します」
「『なり損ない』が我を『救済』だと? ……笑止」
ネメシスと化した風花の姿を揶揄し、アズライルは白き翼を羽ばたかせる。
「アズライル。死ぬのはあなた一人です」
クダギツネの琥珀と合体したままの風花は、銀髪を揺らして氷の鎌刃を振う。
――――。
演武の如く流麗に大鎌が唸りを上げれば、凍結の波動が空間を侵食する。パラドクスを、アズライルの美しき死の舞すらも、凍結させんと。
「……アズライル。あなたの負けです」
――その実、風花の動じぬ筈の精神に、誘いが押し寄せたのは事実。彼岸の向こうで、『家族』が待っていると。
(「違う、私には、あの子がいる。両親だって、生きて取り戻す」)
「イズルの想いに、彼のお母さんは応えてくれた」
思い掛けない感情の発露――大切な所を土足で踏み荒らされた憤り。だから、顔色一つ変えず、風花は挑発を言い放つ。
「ここで、あなたを倒せば、すべて元通りです」
「ククッ、貴様自身で『母親』の身体を刻んでおいて、よく言う」
頬に滲む血潮すら凍り付かせ、アズライルは凄惨に嗤う。
「さて、この身体、いつまでもつだろうなぁ?」
成功🔵🔵🔴
効果1【腐食】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV6になった!
マティアス・シュトローマー
……後で背が伸びる秘訣とか聞いてみよう。じゃなくて!
相手はクロノス級。余所見してる暇は無いな
仲間と連携してパラドクスを発動。【託されし願い】で映し出した人影を囮にしつつ、七発の弾丸で敵の急所を撃ち抜く。狙うのは翼。一瞬でも彼女の機動力を封じる事ができれば、仲間も動き易くなるはずだからね
死の舞いは確かに綺麗だけど。生憎、その程度で投げ出せるほど軽いものは背負ってないんだ
反撃には【勇気】を持って、自分の弱さを打ち消すように銃撃で対抗
それに、大切なものを取り戻すために——どんなに傷付いても手を伸ばし続けてるカッコいい奴が目の前にいるんだ。こんな所で立ち止まってたら格好が付かないって
だよな、イズル!
ルィツァーリ・ペルーンスィン
アドリブ連携歓迎
愛する者を、死が救済と思う程苦しんだ人が未練に思う程に大切な相手を自らの手で殺させようとする、か
ふざけるなよ外道!!
イズルさんの母親、取り戻させて貰うぞ!
あの時は俺が道を切り開いて貰った
ならば、今度は俺が道を開く番だ!
イズルさんが対峙できる様にアズライルの攻撃を牽制する様に【飛翔】し【空中戦】を行う
敵を【攪乱】する様に【高速詠唱】【連続魔法】によって【誘導弾】の【弾幕】を動きを阻害する様に放つ
其の際に敵の不意を打つ様に【双翼魔弾】による【制圧射撃】を【弾幕】に織り交ぜる【フェイント】等も時々行う
兎に角、敵の動きを阻害
鎌を狙って攻撃を邪魔したり逃亡しようとした先に攻撃し牽制等する
空気が凍り付いたのは、パラドクスの所為ばかりではあるまい。
イズルは言った――母と、共に生きたいと。
駆け付けたディアボロス達とて、その為に、戦っている。
だが……呪詛の毒と凍れる刃で、アズライルの――イズルの母親の『身体』は、確かに傷付いている。
『アズライル』を滅した時、果たして『彼女』は……。
「ふざけるなよ、外道!!」
硬直した空気を、明朗な言葉が吹き払う。
愛する者を、死が救済と思う程苦しんだ人が未練に思う程に大切な相手を、自らの手で殺させようとするなど……絶対絶対許さない!
「イズルさんの母親、取り戻させて貰うぞ!」
ルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)は、真っ直ぐに憤る。
「落ち着けって。全部真に受けてたら、やっていけないだろ」
(「まあ、背が伸びる秘訣とかなら聞いてみたいけどな……じゃなくて!」)
一方で、肩を竦めたマティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)は、大人びて見せたい一心の背伸びの内で、歳相応の悪童の本音を呟く。
「生憎と、此処にいるんだよ。大切なものを取り戻すために……どんなに傷付いても、もしかしたら、傷付けても手を伸ばし続けてるカッコいい奴が、な」
一瞥すらしない。敵はクロノス級、余所見の暇はない。
(「一瞬でも、彼女の機動力を封じる事ができれば……」)
「あの時は俺が道を切り開いて貰った。ならば、今度は俺が道を開く番だ!」
逸早く、アズライルへ飛び掛かったのはルィツァーリ。デーモンの翼を広げ、魔弾を立て続けに撃つ。
「ああ! 死よ!」
応酬に繰り出された死を司る大鎌が、少年の小柄に一閃するも、寧ろ鎌を狙って魔弾を放つ。
(「兎に角、敵の動きを阻害するんだ!」)
牽制に通常の攻撃を挟んだとして、間髪入れずパラドクスを叩き込まなければ、一方的に反撃される。ならば、双翼魔弾を連続するのが1番速い。元より、魔弾は敵を追尾するし、空中戦だって研鑽を積んできている。
「……」
魔弾と大鎌が交錯し、一時は手控えられた他のディアボロスの攻撃も再度アズライルへ浴びせられる中――マティアスはハンドガンの照準を定める。
――思い出すのは、童話に登場する勇気ある仕立て屋の一撃。
残念ながら、屋上にいた人々は強制的に避難させた。此処に、託された願いなど無い。
(「まあ、残留効果の『託されし願い』で映し出した人影を囮にするとか、そんな都合のいい使い方は出来ないけどな」)
万能使いが出来る程、残留効果は都合の良い代物ではない。発動条件も、効果の程も、相応に厳密なのだ。
――ならば、思いを託してくれるのは。
「こんな所で立ち止まってたら格好が付かないって……だよな、イズル!」
「!!」
返事は無い。だが、マティアスの銃弾は一打ちで七つの敵を打ち砕くように。7発があらゆる方向からアズライルの翼を的確に撃ち抜いた。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【託されし願い】LV1が発生!
【飛翔】がLV10になった!
効果2【ダメージアップ】がLV8になった!
レイラ・イグラーナ
心が不安定になったところを体よく利用しただけでしょう。
貴女にあるのは救いの手を差し伸べる慈悲ではなく、ただのエゴだけ。
そんな輩に、これ以上赤上様のお母上の手を汚させはしません。
ネメシス形態に変化、針状の細剣「惨禍鬼哭血革針」を抜きます。
前はお任せください。切り込みます。
【勝利の凱歌】で身を奮い立たせ、大きな鎌にも怯まず、命を刈り取る一撃をかいくぐり、素早く踏み込みます。あちらが飛行してくるのであればこちらは【飛翔】で対抗しましょう。
かいくぐったなら【天上奉仕・先駆】による一撃で貫くことで隙を作り、後に続く仲間の先駆けとなりましょう。
「く……」
アズライルが体勢を崩した隙を突き、レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)は変じる。常の姿から、復讐を遂げる者へ。
「前はお任せ下さい。切り込みます」
全ては、彼の道を切り開く為に。針と見紛う細剣を――「惨禍鬼哭血革針」を構え、レイラは突撃する。
「所詮は……心が不安定になったところを、体よく利用しただけでしょう」
ギィンッ!
刃が交錯し、火花が散らんばかりに擦れ合った。逆説連鎖戦の反撃は、いっそ反射的だ。身を捻ったアズライルの手には、既に死の大鎌が握られている。
「貴女にあるのは、救いの手を差し伸べる慈悲ではなく……ただのエゴだけ」
血が飛沫く。パラドクスの交錯の度、互いの何処かが朱に染まっていく。
「そんな輩に、これ以上、赤上様のお母上の手を汚させはしません」
「世迷言を。汚しているのは、貴様自身の手であろうに」
にたりと、アズライルは嗤う。天使というには余りに、どろりと澱んだ笑みを浮かべて。
「貴様なら知っていそうだな? 人とは、どれ程の流血に耐えられるか」
それこそ、戯言だ。今の『彼女』は、クロノス級クロノヴェーダなのだから。
だが、その身体は、1人のディアボロスの母親で……レイラが革命を成して迄救いたい「人民」だ。
「この手を汚させぬと言うたな? なら、その得物でこの胸を貫くがいい。何れにせよ、この者の『救済』は成就する」
「……っ」
単身のアズライルに対して、取り巻くディアボロスの数は二桁。戦力差は圧倒的だ。
にも拘らず、アズライルは邪悪に哂う。彼らが今、1番助けたい者を、人質として。
――――!!
刹那を逃さず、大鎌が、奔る。逡巡するレイラの頸を切り裂かんと。
「……馬鹿な!?」
よもや、その鎌の切先が、皮1枚の寸前で止ろうとは。
(「まさか……」)
思わず目を瞠ったレイラの前で、アズライルが、微笑む。これまでと打って変わって、透明に、儚げに。唇が、声も無く、小さく動く。
オ・ワ・ラ・セ・テ――。
成功🔵🔵🔴
効果1【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
白水・蛍
アドリブ・連携○
ネメシス発動状態。小さな天使である【スパーライト】とその身を合わせて、天使の様に。
――アズライル。死の天使。でも、それももう終わり。
『彼女』は分かってる。ううん。分かったの。生きる気持ちが分かったの。
だからもう、貴女は彼女にとって『いらない』。
だから、おやすみなさい。
死への恐怖を<勇気>で。逆に彼女に生への<誘惑>を<演説>しつつ、【パラドクス発動】。
『2人分』の魔力を魔力塊として出す。そして、それを分割、破片を弾丸として発射。
その翼を打ち抜いて、道を作る。イズル、行ってらっしゃい。
エリザベータ・シゲトヴァール
●心情
よく分かっただろう。これが彼の意思であり、そして彼の母の選択だ。
自死とは逃走。護るべき者を持つ者は、決してそんな逃げ道を選んだりはしない。
貴女の負けよ。観念して地に墜ちろ、死天使アズライル!
●行動
連携・アドリブ歓迎。
【飛翔】し赤上さんの直掩に就く。
【空中戦】【戦闘知識】を駆使してアズライルが赤上さんへの攻撃位置に着けない様、【弾幕】を張って牽制。
死の舞は【制圧射撃】でステップを踏めない様に妨害しつつ、V-EXTRAの【残像】も併用しながら赤上さんの間合いまでアズライルを低空へ追い込んで行く。
トドメは赤上さんに委ねる。
敵が逃走を図ろうとする兆候が見られれば、周囲に伝達しつつ退路を塞ぐ。
「貴様ぁッ!」
距離を取ったのは、アズライルの方。眦吊り上げ、ディアボロスを睨む。
「『救済』を泣いて乞うた分際で!」
――否。罵倒の対象は、恐らく。
「アズライル。死の天使……でも、それももう終わり」
だからこそ、白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)は断言する。天の御使いの如く、その姿を変えて。
「『彼女』は分かってる。ううん。分かったの。生きる気持ちが分かったの」
もう、『救済』は『いらない』。
「だから、おやすみなさい」
死への恐怖は、ディアボロスとてあろう。だが、蛍は踏み止まる。勇み、立ち向かう気力を奮い立たせて。
「我が音に応えて来たれ。これ即ちその身を貫きたる魔力の砲撃!」
顕れた塊は、音の魔力の集合。分割し、錐状の破片を一斉に放つ。狙うは、死天使の翼だ。
――――!!
対するは、熱量の塊。アズライルの光輪より迸る白光が、魔弾と交錯する。
「……っ」
蛍の視界がホワイトアウトする。それでも、手応えは、感じた。頭を振り、黒の双眸を瞬き――空の青が滲むように戻って来た時、アズライルは後方に大きく飛び退いていた。
「まさか、逃げるのですか!?」
「勿論、この期に及んで、させる訳がないわ」
イズルの頭上、空高くより、エリザベータ・シゲトヴァール(聖イシュトヴァンの剣・g00490)は言い放つ。逸早く、逃亡の兆候有りと周囲に伝達した。応じた鋼の機兵が、銃剣を手に紅き髪をなびかせ、天翔けてアズライルの退路を断つ。
――――!!!
ディアボロスのパラドクスが、一斉に浴びせられる。流水纏う人影が、激流に乗って滑空する。長身の天使が構えるのは、クロスボウだ。一射、二射――宙に黄金の薔薇の油彩画が咲き乱るが如く。或いは、仕掛ける好機を、虎視眈々と狙う者もいる。
「よく分かっただろう。これが彼の意思であり、そして彼の母の選択だ。自死とは逃走。護るべき者を持つ者は、決してそんな逃げ道を選んだりはしない!」
揶揄を込めて叫び、エリザベータは動力炉のスクランブルブーストと同時に機械化各部のリミッターを強制解除。これまで、イズルの直掩に就いていたが、此処は攻勢に転じるべきだ。
――――!!
出し惜しみはしない。最大出力で飛翔、残像伴う速度で敵に迫る。航空機銃が火を噴き、連射する。
「貴女の負けよ。観念して地に墜ちろ、死天使アズライル!」
「うるさい! 死こそが、救済なのだ!」
いまだ空に在って、アズライルの両手が美しく弧を描く。
「やらせな……っ」
サイボーグの強化骨格と人工心肺が、軋むように痛んだのは……果たして、パラドクスの限界稼働時間に近付いたが故か。
「く……」
それでも、エリザベータの機動と蛍の誘導を以て、確実にアズライルを低空へ追い込んでいく。
「赤上さん、ここからはあなたに委ねるわ」
「ええ……イズル、行ってらっしゃい」
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【ハウスキーパー】LV1が発生!
【飛翔】がLV11になった!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV9になった!
雨宮・あずき
●アドリブ歓迎
アズラエル、イズルくんのお母さん『だったもの』。
…ううん、まだちゃんとイズルくんのお母さんなんだ。
わたしがお姉ちゃんを手にかけた時とは違う。まだ間に合うんだ。
…お姉ちゃんを手に掛けた…?そっか、わたし…。
ねえ、よもぎちゃん?あの時は私一人だったからダメだった。二人ならできるよね?
わたしはよもぎちゃんの手を取り、祈った。
この屋上をお花畑に変えてあげよう、きれいなネモフィラ畑に!
【約束の加勢】で作った花道でアズラエルの攻撃からイズルくんを守ってあげよう!
でもイズルくん、多分まだ迷ってる。
そっとイズルくんの傍へ行き、一輪の花を渡そう。
お母さんに贈ってあげて。きっと、その想いは届くから!
赤上・イズル
アドリブ歓迎
急に蘇った感情に堪らず蹲る
胸が、痛い…これが感情!
しかし蹲っている場合ではない
まだやらねばならない事がある…!
攻撃に対抗する為に儘らない体を動かす
あの時あなたが手を緩めてくれたから俺は…
大切な妹と生きてこれた…仲間達と出会える事が出来た
そして…あなたを救う事が出来る!
複製といえ母の姿の身に刃を刺し入れた感触が蘇る
震える手を心で叱咤し両手で柄を握りしめ深く踏み込み
祈るように一撃
刀も納めずに母へ駆け寄るもどうしていいか分からず立ち尽くす
そこへ来てくれたあずきさんから受け取った花と言葉で落ち着き、思う
そうだ…きちんと伝えなきゃいけないことがあった
俺と妹を産んでくれて…
ありがとう…母さん…
胸が、痛い、痛くて堪らない……込み上げてきた何かに溺れそうな心地で、赤上・イズル(赤き悪魔・g04960)は蹲ったまま、息を喘がせる。
(「……これが、感情!」)
まだ、やらねばならない事がある……! 決着はまだ、付いていない。
唇を噛み締め、無理矢理に身を起こす。どれだけの時間、動けずにいたのだろう。仲間が盾となり、矛となり、共にいてくれなかったら……きっと、立ち上がる事も叶わなかった。
――嗚呼、少女の歌声が聞こえる。誰もが知る幸福の歌を、願いを込めて、歌っている。
「……」
少し離れた低空に、『彼女』はいた。頭上の空に包囲網を敷く仲間達は、身構えたまま、無言でイズルを見守っている。
「あの時、あなたが手を緩めてくれたから俺は、大切な妹と生きてこられた……仲間達と出会える事が出来た」
陽炎一文字を構える。摩利支天の加護が込められた刀身は、仄かに赤味がかっている。その揺らめく彩りは、イズルの髪に似て非なる。
「そして……あなたを救う事が出来る!」
「……フ」
冷ややかに、陰鬱に、アズライルは嗤う。
「結局は、貴様も我と同じ。死こそが救済よ」
「違う!」
「違わぬとも。此処に居並ぶ者共も同じ。散々、我を甚振ってくれたわ」
「違う!」
「嗚呼、我は直に滅するだろう。だが、その時。只の人の身は、大天使の支え無くして、果たして、長らえられようか」
「……っ」
(「イズルくん、迷ってる」)
少年の肩の震えが、少し離れていても判った。雨宮・あずき(半分の天使・g01306)は、心配そうに両手を握り締める。
(「アズライル、イズルくんのお母さん『だったもの』。……ううん、まだちゃんとイズルくんのお母さんだよね。わたしが、お姉ちゃんを手にかけた時とは違う。まだ間に合う……」)
愕然となった。
(「……お姉ちゃんを手に掛けた……? そっか、わたし……」)
俯くあずきの手を、オラトリオのよもぎがそっと触れる。
「……ねえ、よもぎちゃん? 『あの時』は、私一人だったからダメだった。でも……2人なら、できるよね?」
手を取り合い、祈る。イズルの為に、この屋上をお花畑に変えよう――きれいなネモフィラ畑に!
「!?」
アズライルの頭上の輪が抗うように輝き、すぐに光を喪う。
「……」
ゆっくりとネモフィラ咲き乱れる屋上に降り立ち、彼女は無防備に両腕を広げて見せる。
ごめんね、出琉……。
確かに、聞いた。『あの時』と同じ――否、もっともっと、優しい、家族皆が愛し愛された、幸福だった時と同じ声を。
「俺は……っ」
複製とはいえ、母の姿を刺した感触が蘇る。
(「しっかりしろ」)
震える手を叱咤し、両手で柄を握りしめ、深く踏み込む。
九字切流奥義・紅蓮雀――祈るように振るった一撃は、炎の鳥の如く、翔け抜ける。
「あ……」
吐息を零し、瞑目する。銀の髪がふわりと広がり、死天使アズライルの――母の細身が、崩れ落ちる。
「母さんッ!」
抜き身の刀もそのままに、思わず駆け寄るイズル。けれど、後1歩の所で、立ち尽くす。
動かなくなった母に、触れるのが、怖い……。
「イズルくん」
そんな少年に、あずきが差し出したのも又、ネモフィラの花。
「お母さんに贈ってあげて。きっと、その想いは届くから!」
よもぎにも咲く青いネモフィラの花言葉は「成功」、そして――「あなたを許す」。
「そうだ……きちんと、伝えなきゃいけないことがあったんだ」
跪き、イズルは1輪の花を、その細い指にに握らせる。
「俺と妹を産んでくれて……ありがとう、母さん……」
――――。
「え……!!」
ピクリと動いた、彼女の手が、ネモフィラの花の大切そうに包み込む。
「まだ息があるよ!」
あずきの歓びの声に、ディアボロス達が慌ただしく動き出す中――イズルは泣き笑いの表情で、母親をしっかりと抱き締めた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【植物活性】LV1が発生!
【活性治癒】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV5になった!
【ドレイン】がLV2になった!
最終結果:成功 |
| 完成日 | 2022年08月22日 |
| 宿敵 |
『死天使アズライル』を撃破!
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