夏空ソレイユ(作者 犬塚ひなこ
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#断頭革命グランダルメ  #ミュラ元帥の軍勢を叩け  #ナポリ王国  #ジョアシャン・ミュラ 

●太陽の自動人形
 イタリアとフランスの国境を形作るアルプス山脈。
 その最中につくられている、ミュラ軍の拠点として使われている砦にて――。
「まさかディアボロスが攻めてくるなんてね!」
 この砦を任されているクロノヴェーダ、『華麗なるソレイユ』は困ったように肩を竦めていた。既に別の砦が襲撃されたという情報も入っており、次は此処の番かもしれない。
「いいかい、キミ達。ボクらの砦まで攻め落とされてはかなわないからね、これまで以上に警戒を強めるよ!」
 ソレイユは配下のヴォルティジュールドールに命じながらサーベルの柄を握り締めた。
 ミュラ軍は当初、周囲に存在する霧の奥を気にしていたが、今はディアボロスが訪れるであろうパルマ公国側を気にしはじめている。普段から明朗なソレイユだが、心の内には焦りのようなものが浮かんでいた。
「さて、どうしようかな。いずれはディアボロスも訪れるだろうし、もしかしたらまたあいつらも……。いや、細かいことを考えても仕方ないか。どんな敵が来ようとも、ボク達は全力で戦い抜くだけさ!」
 ただ、ミュラ様の為に。
 剣を掲げたソレイユは頭上を示し、敢えて笑ってみせた。
「砦の警備は今まで以上に強固にしておかなきゃね。大丈夫さ、空に輝く太陽もボクらに味方をしてくれるはずだよ!」
 ソレイユの二つ名は『華麗なる太陽』。
 彼女の名が表す通り、目映いほどの明るい笑みが配下達に向けられた。

●パルマ公国とクロノヴェーダの砦
 ミュラ元帥が率いるナポリ王国軍は今、アルプス山脈付近の砦に集結している。
 砦を越えた先にある霧の奥の調査が行われたところ、様々なことがわかった。しかし現在、幾つかの砦を制したことによってディアボロスの襲撃の噂が広まっているようだ。
 件の砦の奥にある霧は外と比べて薄く、調査をしてもこれ以上の情報は手に入らないと予測されている。
 それゆえに今回は砦の対処が重要視された。
「みなさまに向かって欲しいのは『華麗なるソレイユ』と『ヴォルティジュールドール』が守っている砦です」
 時先案内人の七篠・蝶々子(雪解けの魔女・g07447)は攻め込む砦の位置と情報を示す。
 華麗なるソレイユはディアボロスの襲撃を気にしており、砦の護りを強めているようだ。其処へ攻め込み、拠点のひとつを潰しておけば今後の様々な憂いも断てるだろう。

 また、以前に淫魔宰相から解放したパルマ公国にもパラドクストレインが繋がっている。
「攻略旅団で『パルマ公国拠点化計画』が提案されています。今のところはクロノヴェーダ達がパルマ公国に攻めてくるような気配はありませんが、淫魔宰相のルドヴィカがいなくなったことで淫魔や自動人形も訪れなくなり、食料流通が止まっちゃったみたいです。ですから、今のうちにパルマの支援や拠点化を進めていきましょう!」
 パルマの人々は残された物資で生活している。
 物資不足が発生するのも時間の問題だったが、その前に支援ができるので公国の人々も無事に暮らしていけるだろう。
 支援については口福の伝道者などの効果を使ったり、アイテムボックスで支援物資を運んでもいい。
 もしこのまま解放するだけして放置していたら、物資不足の混乱に乗じて別のクロノヴェーダがパルマ公国を再制圧しにくることも考えられる。
「ということで、敵の砦に攻め込む前にまずはパルマ公国にいきますよ!」
 食料支援と合わせて住民達と交流をしてもいいし、暮らしをよりよくしてあげるのもいい。あまりにも現代的な物資は住民も使い方や食べ方が分からず困ってしまうだろうが、この時代でも一般的なものであれば受け入れてくれるだろう。
 うまくいけば、パルマ公国がディアボロスにとっての拠点になっていくはずだ。

●お台場サマービーチ
「それからそれから! みなさま、近頃は決戦や事件がたくさんあってお疲れでしょう。気分を明るくしたり、リフレッシュするために海に遊びに行きませんか?」
 蝶々子は説明を終えた後、皆で新宿島の海に遊びに行こうと誘った。
 幸いにも、パラドクストレインの出発まで時間がたっぷりある。支援や討伐に向かうディアボロス自身が気疲れしていると大変なので、気分を上げに行こうというわけだ。
「場所は江東区、お台場海浜公園の『おだいばビーチ』です!」
 海水浴はもちろん、釣りやマリンスポーツを楽しんだり、ビーチでのんびり過ごすことも出来る。
 お台場は最終人類史なので残留効果も自由に使用可能だ。海の上を飛んでみたり、水中に適応してずっと潜っていたり、アイスクラフトを作って氷を使った冷たい飲み物や食べ物を用意できる。
「周囲に一般の方はいらっしゃらないので、ビーチは貸し切りみたいになってます。だから、ぜひぜひディアボロスのお友達や仲間を誘って海で楽しんできてくださいませ!」
 海で存分に英気を養えば、これからの戦いへの思いや力も湧いてくるはず。
 輝く太陽は波間を美しく燦めかせている。さあ、いざ――青く澄んだ夏空の下で、海を楽しもう!

●太陽と海と夏の空
 おだいばビーチは東京都心にある人工の砂浜。
 寄せては返す波の音は心地よく、浜辺に弾ける飛沫は見ているだけでも涼しげだ。夏らしい明るい陽射しが降り注ぐ浜辺は広く、今は海で遊泳することも許されている。
 砂浜から眺められるレインボーブリッジや、周囲の高層ビル群の景観は特別な雰囲気を感じさせてくれた。
 ビーチの中にはビーチバレーやドッジボール、ビーチテニスやサッカーなどが遊べる場所も用意されている。
 ウインドサーフィンやパドルボート、シーカヤックやヨットなどで遊べる区域もあるようだ。台場公園の方ではゆっくりと釣りを楽しむことも出来るので、好きな場所でお好みの遊びに挑戦するといい。

 復讐者はこれからも様々な事件や出来事に挑まなければいけない。
 此度も解決すべきことはあるが、戦いばかりでは身体だけでなく心も疲弊していくばかり。
 それゆえに今回は羽目を外して思いっきり遊んでいけばいい。
 友人達と海で泳いだり、ひとりで釣りをしたり、仲間とマリンスポーツに挑戦してみたり。恋人や家族と海を眺めたり、かき氷や冷たいアイスを味わっても良い。
 何をするかは訪れた者の自由。どうか――君達が此処で紡ぐ思い出が、楽しいものになりますように。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
2
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【飛翔】
7
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
2
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わる。全力で力仕事をするならば「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げる事が可能になる。
【悲劇感知】
1
「効果LV×1時間」以内に悲劇が発生する場合、発生する場所に、ディアボロスだけに聞こえる悲劇の内容を示唆する悲しみの歌が流れるようになる。
【強運の加護】
3
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【現の夢】
2
周囲に眠りを誘う歌声が流れ、通常の生物は全て夢現の状態となり、直近の「効果LV×1時間」までの現実に起きた現実を夢だと思い込む。
【一刀両断】
3
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【フライトドローン】
1
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【腐食】
1
周囲が腐食の霧に包まれる。霧はディアボロスが指定した「効果LV×10kg」の物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)だけを急激に腐食させていく。
【罪縛りの鎖】
1
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【浮遊】
1
周囲が、ディアボロスが浮遊できる世界に変わる。浮遊中は手を繋いだ「効果LV×3体」までの一般人を連れ、空中を歩く程度の速度で移動できる。
【託されし願い】
3
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【勝利の凱歌】
1
周囲に、勇気を奮い起こす歌声が響き渡り、ディアボロスと一般人の心に勇気と希望が湧き上がる。効果LVが高ければ高い程、歌声は多くの人に届く。
【熱波の支配者】
1
ディアボロスが熱波を自在に操る世界になり、「効果LV×1.4km半径内」の気温を、「効果LV×14度」まで上昇可能になる。解除すると気温は元に戻る。
【光学迷彩】
2
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【壁歩き】
2
周囲が、ディアボロスが平らな壁や天井を地上と変わらない速度で歩行できる世界に変わる。手をつないだ「効果LV×1人」までの対象にも効果を及ぼせる。
【平穏結界】
1
ディアボロスから「効果LV×30m半径内」の空間が、外から把握されにくい空間に変化する。空間外から中の異常に気付く確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【エイティーン】
1
周囲が、ディアボロスが18歳から「効果LV×6+18」歳までの、任意の年齢の姿に変身出来る世界に変わる。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【植物活性】
3
周囲が、ディアボロスが指定した通常の植物が「効果LV×20倍」の速度で成長し、成長に光や水、栄養を必要としない世界に変わる。
【液体錬成】
2
周囲の通常の液体が、ディアボロスが望めば、8時間冷暗所で安置すると「効果LV×10倍」の量に増殖するようになる。
【水面走行】
2
周囲の水面が凪ぎ、ディアボロスが地上と同様に走行や戦闘を行えるようになる。ディアボロスと手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人も同行可能。
【温熱適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が、気温摂氏80度までの暑さなら快適に過ごせる世界に変わる。
【使い魔使役】
1
周囲が、ディアボロスが「効果LV×1体」の通常の動物を使い魔にして操れる世界に変わる。使い魔が見聞きした内容を知り、指示を出す事もできる。
【口福の伝道者】
2
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【アイテムポケット】
4
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。
【寒冷適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が、摂氏マイナス80度までの寒さならば快適に過ごせる世界に変わる。
【アイスクラフト】
2
周囲が、ディアボロスが、一辺が3mの「氷の立方体」を最大「効果LV×3個」まで組み合わせた壁を出現させられる世界に変わる。出現させた氷は通常の氷と同様に溶ける。

効果2

【能力値アップ】LV4 / 【命中アップ】LV5(最大) / 【ダメージアップ】LV10(最大) / 【ガードアップ】LV5 / 【凌駕率アップ】LV3(最大) / 【反撃アップ】LV5(最大) / 【ドレイン】LV1 / 【アヴォイド】LV3 / 【ダブル】LV4 / 【ロストエナジー】LV5 / 【グロリアス】LV2

●マスターより

犬塚ひなこ
 今回の舞台は『断頭革命グランダルメ』と『新宿島』!
 海で遊んで英気を養ってから、パルマ公国の支援と、アルプス山脈の砦潰しに向かいましょう。

●選択肢
 今回は②→①→③&④の順番でリプレイを執筆致します。

☀②【期間限定】最終人類史で海遊び 🌊
 夏といえば海! 事件の前に新宿島の『おだいばビーチ』で夏の海を満喫しましょう!
 お天気は快晴。時刻は昼間を想定しています。
 本来は遊泳や釣りは出来なかったのですが、ディアボロス貸し切りビーチ状態になっているので自由に何でも行えます。海遊びや素潜り、マリンスポーツやバーベキュー、浜辺を歩く、かき氷を作って味わうなどなど、お好きに楽しめます。
 新宿島では残留効果も最初から使い放題なので、必要なものをご利用ください。

 こちらの選択肢では人数制限を設けず、出来る限り多くの方の採用・描写を行う予定です。
 お一人参加や数人グループはもちろん大人数様も歓迎しております。この選択肢だけのご参加もOKです。
 ただし遊びの範疇ではないことをしたり、同行者様がいらっしゃっていなかったり、公序良俗に反すると判断されるプレイングは採用できかねます。また、案内NPCは登場しません。どうかご了承ください。

⏩①【攻略旅団】パルマ公国拠点化計画
 グランダル目のパルマ公国行きのパラドクストレインに乗り、住民に支援物資を届けにいきましょう。
 皆様が必要だと思う食料や物資を新宿島から持ち込んであげてください。近代的すぎる食べ物や電気などテクノロジーが必要なものは住民が扱いに困ってしまうので、常識的な範囲の支援でお願いします。

 排斥力はまだ残っているので人々はディアボロスのことを忘れてしまっています。しかし、パルマにいる縁の深い人はディアボロスに会えばすべてを思い出してくれます。過去のパルマシナリオに登場した人物と会ってお話をすることも可能ですので、自由に行動してください。きっと住民の方々も喜んで迎えてくれます。

⏩③👾護衛するトループス級『ヴォルティジュールドール』
⏩④👿アヴァタール級との決戦『華麗なるソレイユ』
 アルプス山脈付近に移動し、クロノヴェーダが守る砦に攻め込みます。
 敵はこちらを警戒しはじめたので迎撃準備が整っていますが、全力で戦えば勝てる相手となっています。
220

このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


来栖・禊
珠(g05713)

やった!久し振りの休みだ!
そう喜んでた俺は今、妹のナンパ避けとして此処に来ている
…いや、そのぐらいならたま一人でどうにでもできるよな
俺は荷物を見てるから、遊んでこいよ

たまの水着は意外だったな
もっと泳ぎやすいものを選ぶと思ってた
……どちらかといえば、俺の好みなんだよな
着ているのが彼女じゃなくて妹という、残念な事実に溜め息が出るのも仕方ないだろ
こ、こら!パンチはやめろ!

たまに何を言おうか迷って
「似合ってるよ」
でも、妹の水着を褒める兄とかたま的に大丈夫か…?
気持ち悪いとか思われてないか心配で不安になるから、何か反応しろよ!

だけど、ストレートにそう言われると落ち込む…
女心は難しいな


百瀬・珠
禊(g01033)兄さん

べ、別に一緒じゃなくても良かったけど
兄さんなら見た目も悪くないし、ナンパの牽制になるかなって
でも、せっかくの休みに連れ出したのはちょっと悪かった、かな…

白いビキニにパーカーを羽織って
兄さんはこういうの好きなんだよね
恥ずかしいけど、たまにはいいかな…って、何で溜め息吐くのよ!パンチされたいの!?

兄さんはうちの傍にいないと駄目でしょ
隣に座るのは他の女を兄さんに近付けたくないから
うちの気持ちは…気付いてないんだろうな

…今、何て言ったの?
「そ、そんな当たり前のこと言われたって全然嬉しくなんてないんだから!じろじろ見ないで!えっち!」
早くあっち向いて!
こんな顔、見せたくないもの


●乙女心と夏の海
 目映い太陽、視界いっぱいに広がる砂浜。
 そして、煌めく海。お台場の海景色は爽やかで、これから夏らしい時間が巡っていく予感がした。
「やった! 久し振りの休みだ!」
 ――と、来栖・禊(error・g01033)が喜んでいたは少し前のこと。されど、今の禊は先程よりも少しばかり違う心境で砂浜を歩いている。その隣には百瀬・珠(replica・g05713)がいた。
「ナンパ避けなぁ……」
 禊は珠と海を交互に見遣っていると珠が視線を返してきた。
「べ、別に一緒じゃなくても良かったけど。兄さんなら見た目も悪くないし、牽制になるかなって」
「……いや、そのぐらいならたま一人でどうにでもできるよな」
(「でも、せっかくの休みに連れ出したのはちょっと悪かった、かな……」)
 牽制せずとも妙なことにはならない。そのように考えている禊に対し、珠は申し訳ない気持ちを抱いている。そうして、立ち止まった禊は設置されていたパラソルの下に荷物を置いた。
「まぁいい。俺は荷物を見てるから、遊んでこいよ」
 先を見遣った禊は指を海原に向ける。
 一緒に泳いだり遊ばずとも、目の届くところにいるので役目としては問題ないといった様子だ。
「遊ぶっていうか……」
 珠は羽織っているパーカーを肩口まで軽く脱いだ。その下には白いビキニが見える。同じタイミングでふと顔をあげた禊は思ったことを言葉にした。
「そういや、たまの水着は意外だったな」
 もっと泳ぎやすいものを選ぶと思ってた、と彼が語ったことで珠はそっと頷く。
「兄さんはこういうの好きなんだよね」
「そうだな……どちらかといえば、俺の好みなんだよな」
「恥ずかしいけど、たまにはいいかな……って、何で溜め息吐くのよ!」
 兄に注目されたことで少し照れたのか、珠は脱ぎかけていたパーカーを羽織り直してみる。其処に返ってきたのは、妙に深い禊の溜め息だった。
「着ているのが彼女じゃなくて妹という、残念な事実に溜め息が出るのも仕方ないだろ」
「パンチされたいの!?」
「こ、こら! パンチはやめろ!」
 禊の発言を聞くやいなや拳を大きく振り上げた珠。今にも振り下ろされそうな腕に向けて手を伸ばした禊は、慌てて首を横に振る。何とか右ストレートを回避した禊はほっとした様子で肩を竦めた。
 珠はというと、先程の禊の言葉が気になっていた。
「というか、兄さんはうちの傍にいないと駄目でしょ。少し目を離したらどこかに行っちゃうかもよ?」
「たまなら戻ってこれるから平気だろ」
 少し疑問形で語ってみたが、兄から妹への信頼がよくも悪くも厚い。
 もう、と口にして俯いた珠は複雑な気持ちでいた。海に泳ぎにはいかず、禊の隣に腰を下ろした珠は指先で砂に触れてみる。パラソルで影になっているからか、砂の温度はそれほど熱くはなかった。
 隣に座ったのは一緒にいないと意味がないから。つまり、他の女を兄に近付けたくないからでもある。
(「――うちの気持ちは……気付いてないんだろうな」)
 三角座りをした珠は暫しぼんやりと、揺らめく海の水面を眺めていた。
 その横顔を見た禊は、妹に対して何を言うべきか迷っている。そうして、やっと彼が告げた言葉は――。
「似合ってるよ」
 水着を褒めたのだが、すぐに禊は考え込む。
 妹の水着をじっと眺めて感想を言う兄。これは彼女的に大丈夫なのか。先程から浮かない顔をしているのは気持ち悪いとでも思われているのかもしれない。
「…………」
「たま。何か言ってくれないと心配で不安になるから、何か反応しろよ!」
 きょとんとした珠が何も言わなかったので、禊は素直に考えを伝えた。すると珠がおずおずと聞いてくる。
「今、何て言ったの?」
「その水着、似合ってる」
 禊がもう一度、自分の思ったことを語ると珠が一瞬だけ固まった。
「そ……」
「そ?」
「そんな当たり前のこと言われたって全然嬉しくなんてないんだから! じろじろ見ないで! えっち!」
「え? え……えっち?」
「早くあっち向いて!」
 パーカーをぎゅっと巻き込むように着込んだ珠は大いに照れている。顔を埋めて俯いたのも照れ隠しではあるのだが、兄にとっては、妹に気持ち悪いと思われたとしか受け取れない状況だ。
(「こうもストレートに言われると落ち込むな……」)
 ――女心は難しい。
(「勘違いされるかな。でも絶対に顔は真っ赤になってるし……こんな顔、見せたくないもの」)
 ――兄さんに気付いて貰えないのが少し、苦しい。
 それぞれの思いを抱く二人の間に暫しの沈黙が薙がれた。それでも、いつしか二人は波の音に耳を澄ませていった。
 太陽に砂浜。そして、海。
 気持ちや思いはすれ違っても、今日この日に共に海に行ったという思い出だけは、確かなものになる。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【強運の加護】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!

天城・美結
アドリブ・他者との絡みOK。

やっぱり夏は泳がないとね!

一応準備運動はするけど夏で浮かれまくってるので、まともにやろうとしません。
形だけやってさっさと海にダイブ!

水着は時逆前に通ってた学校の紺色スクール水着+水中眼鏡。
本命の水着はコンテストまでのお楽しみ、ってことで。

とりあえずひたすらに泳ぎ回るよ。
ひたすらに速く泳ごうとしたり、潜って海底の光景を堪能したりするよ。

2人以上なら競争したり、砂浜でビーチバレーなどをします。
こういう時は自分から積極的に声をかけていく派です。

疲れたら休憩がてら、アイスとかかき氷をおなかを壊さない程度に食べまくります。
そして体力が戻った、と判断したら再び海にダッシュ。


●夏の日常
「やっぱり夏は泳がないとね!」
 準備運動もそこそこに、天城・美結(ワン・ガール・アーミー・g00169)は砂浜を駆けていく。
 夏といえば海。浮かれた気持ちも夏の日差しに後押しされて、更にわくわくした気分へと変わっていった。
 寄せては返す波の向こう側へ向けて走れば、水飛沫が弾けて散る。
「よーし、行くよ」
 思いきり海へダイブした美結は水の冷たさに目を細めた。彼女が身に纏っているのは、刻逆前に通っていた学校の指定水着だ。紺色のスクール水着に加え、頭に水中眼鏡を装着してた美結は抜かりなし。
 勿論これは泳ぎのための水着であり、本命はコンテストまでのお楽しみ。
「うん、気持ちいい!」
 水の心地を楽しむ美結は、とにかく海を満喫する気持ちでいっぱいだ。幸いにも此処は新宿島に巡る力が大いに活用できる土地。水中適応があれば息継ぎなく水底に向かうことも出来る。
 すいすいと海中を泳ぐ美結は海の底を目指してみた。
 その際もひたすら速く、出来る限りスピードを出すことを試みる美結のチャレンジ精神は旺盛だ。
「底から見上げる空ってすごい……!」
 水面の天上を振り仰いで見れば、揺らめく光と煌めく太陽がとても不思議な形で見えた。そのまま潜っていった美結は海底の光景も一緒に眺め、楽しげに微笑んだ。
「そろそろ浜に上がってみようかな」
 海の中で過ごすひとときを満喫した美結は、次は砂浜に戻ることにした。
 誰か一緒に遊べそうな人を見つけたら、ビーチバレーに誘ってみるのもいい。しかし、その前に――。
「夏といったらこれだよね」
 美結が目をつけたのはアイスクラフトで作ることの出来るかき氷。誰かが置いていったのか、シロップが各種並べられていた。お腹を壊さない程度に冷たいものを楽しんだ美結はご満悦。
 そうしていると、少し離れたところに歩いている人影を見つけた。
 向こうも一人で訪れたのだと感じた美結は片手をあげ、その誰かに声を掛けていく。
「ねえ、そこのあなた! よかったら一緒に遊ぼうよ!」
 これからどんな会話が始まるのか。また海に向かうことになるのか、それとも別の遊びをするのか。
 それは美結達次第だが――少なくとも、まだまだ楽しい時間が続くことだけは間違いない。
 
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【強運の加護】がLV2になった!
効果2【アヴォイド】がLV2になった!

パンドラ・ラペルート
さんさん
お日様わらってる
るんるん
瑠璃薔薇にっこにこ

青い空!気持ちいい!
穹を抱えるように両手を広げ穹を見上げ

何よユリウス
下手っぴだっていうの?
大丈夫よ
この位で倒れたりしないわ

鼓膜を震わせる声はない
けどあんたの心はわかるから

思い切り夏風を吸い込み青空の下をかける
ユリウス、これ海っていうんだって
何処かに人魚が棲んで居そうだ…塩っぱ!
今、馬鹿だろって顔したわね?!

あんたジンだけど暑さ感じるの?
かき氷作ってあげる
アイスクラフトで氷を作り削って
たくさん青いシロップをかけて
ほら!
青空かき氷
キーンとして美味し

次は海よ─わわ!バシャンと転び波に攫われ
ちょっ…まっ流されっ

ユリウス!笑ってないであたしを助けなさい!


●約束の果てへ
 さんさん、お日様わらってる。
 るんるん、瑠璃薔薇にっこにこ。

 海辺に響くのは、少し調子外れな歌声。
 パンドラ・ラペルート(IF・g07771)は砂浜を軽い足取りで進み、澄んだ夏の空を振り仰いだ。
「青い空! 気持ちいい!」
 穹そのものを抱えるように両手を広げたパンドラは金の双眸を細める。すると、彼女の傍についている白い鳥のジンが笑ったような仕草をした。
「何よユリウス、下手っぴだっていうの?」
 そんなことないはずよ、とジンに語ったパンドラは軽く頬を膨らませる。エネルギー体であるユリウスは言葉を発することはなかった。つまりパンドラの鼓膜を震わせる声はない。けれどもパンドラにだけは彼の心がわかる。
「大丈夫よ、この位で倒れたりしないわ」
 パンドラは思いきり夏風を吸い込んでみた。そして、心地よさのままに青空の下へ駆けていく。
「ユリウス、これ海っていうんだって」
 波打ち際に足を浸したパンドラは、蒼海の彼方に目を向けた。もしかすれば何処かに人魚が棲んでいるのかもしれない。そんなことを考えていると、弾けた波の欠片が唇に触れた。
「……塩っぱ! ユリウス、いま……馬鹿だろって顔したわね?!」
 パンドラは口許を指先で拭いながら、ジンにジト目を向ける。対するユリウスはやれやれと肩を竦めた様子だ。
 ジンは暑さを感じているのか、それとも平気なのか。
 パンドラには彼の感覚までは分からないが、夏が暑いということは変わらない。
「そうだわ、かき氷を作ってあげる」
 パンドラはアイスクラフトの力を巡らせ、氷を削っていく。
 涼しげな玻璃の器に盛った氷に瑠璃薔薇のような青いシロップをたくさんかけていけば――。
「ほら! 青空のかき氷!」
 得意げにユリウスに青の色彩を見せ、彼の代わりに氷を頬張ったパンドラはキーンとした感覚を抱く。それでも氷の味わいは良く、彼女の機嫌も治っていった。海を満喫するつもりのパンドラ次に海にもっと入ってみようと考える。
 しかし、其処で事件が起こった。
「次は海よ――わわ! ちょっ……まっ、流されっ……ユリウス! 笑ってないであたしを助けなさい!」
 砂に足を取られて転び、波に攫われたパンドラは慌てている。
 そんな彼女の様子を眺めているユリウスは、何処か楽しげに見えた。まるで平穏な時間を噛み締めるかのようだ。
 少女が無邪気なまま青い空の下にいること。
 それはきっと――もしもの世界から続いて繋がった、幸福の証だ。
 
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【アイスクラフト】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!

レイ・シャルダン
【夢灯り】で参加です。
アドリブ歓迎です。

水着は淡い水色のフレアビキニ
実は海水浴と言うのは生まれて初めてで。
こうやって海を泳ぐのを楽しみにしておりました。

……あんまり上手には泳げませんけどね。
クリシュナさんが凄い。

一生懸命こっちに向かってくるニアちゃんが可愛いね
2人で一緒に浮き輪を引っ張りましょう。

ほら、足バタバタして水を蹴るんだよー~。

泳ぎを楽しんだらその後はバーベキューを
アイテムポケットから食材を取り出して――焼きます!!
ソーセージを焼かせたらドイツ人一のボクにお任せを♪

焼けた物からお皿に乗せて皆さんに配りましょう。
うふふ、楽しいですね皆でこうやって遊ぶのは。


クリシュナ・ヴォルフィード
【夢灯り】で参加。
水着は、蒼×白のパレオ付きワンピース。

尻尾を上手く左右に振って、レイさんの周りを泳いでみる。
「レイさん…私、バタ足しなくても…しっぽで、泳げる…♪」

ニアさんが頑張って近くまで泳いで来てくれたので、レイさんと一緒に浮き輪を引張って泳ぎます。
「えへへ…みんなで一緒に泳ぐと、楽しいね…♪」

海をいっぱい堪能したら、今度はバーベキュー。
やっぱりお肉…とは思うけど、人参、ピーマン、玉ねぎ…っと。お野菜も少しは、ね。
あとは炭酸ジュースとお茶を準備して、軽く乾杯。
「ぉ~…レイさんのソーセージ、焼き加減が、絶妙…。ニアさんのエビも…美味しい…♪」

またいつか、こんな楽しい時間を過ごせたらいいな。


ニア・マシュマリー
【夢灯り】で参加……。
水着は黒色のワンピースタイプ……。
レイとクリシュナあんなに泳げるのすごい……。ニアは泳げないけど……。浮き輪があれば海で遊べるかな……?

借りてきた浮き輪を使って2人の場所まで頑張っていく……。
2人と合流出来たら浮き輪を引っ張ってもらって……。速く泳ぐ感覚味わってみたい……。

お腹空いてきた……。そろそろバーベキューする……?
レイが色々焼いてくれてるから……。ニアが用意したエビとかお肉も渡して焼いてもらう……。
お茶で乾杯するの楽しかったり……。
焼いてくれたソーセージもほんとに焼き加減とか絶妙で美味しい……。
みんなで遊んだり食事できる時間……。凄く幸せ……。

(アドリブ歓迎です)


●夏と海とバーベキューの思い出
 冷たくて心地良い水飛沫が弾け、夏の太陽を反射している。
 淡い水色のフレアビキニを纏ったレイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)と、蒼と白のパレオ付きワンピースを姿のクリシュナ・ヴォルフィード(ふんわりがんらんさー・g03989)は海の心地を楽しんでいる。
「実は海水浴と言うのは生まれて初めてで」
「レイさん……そう、だったの……?」
「はい、ですからこうやって海で泳ぐのを楽しみにしておりました。あんまり上手には泳げませんけどね」
 クリシュナは尻尾を上手く左右に振りながら、ぱしゃぱしゃとレイの周りを泳いでみせた。
「私、バタ足しなくても……しっぽで、泳げる……♪」
「クリシュナさん、流石ですね」
 凄い、と素直な感想を向けたレイは楽しい気持ちを抱いている。そうして、レイは波打ち際に目を向けた。其処には借りてきた浮き輪を持っているニア・マシュマリー(いつの間にか吸血鬼・g07451)がいた。
 黒いワンピース水着に身を包んでいるニアは、クリシュナ達を見つめている。
「レイとクリシュナ……。あんなに泳げるのすごい……」
 泳げないニアは少し様子見していた。だが、手にした浮き輪があれば海を満喫できるはず。意を決したニアは浮き輪に身を任せ、波打ち際から沖へと踏み出していった。
「ニアちゃん……♪」
「一生懸命こっちに向かってくるのが可愛い。おいでおいで、ニアちゃん」
 クリシュナとレイは、勇気を出して進んでくるニアを手招く。ときおり波に負けて押し流されそうな様子を見せていたが、ニアには二人の元に行くという目標がある。頑張る以外に選択肢はなく、少女は懸命だ。
 その光景はとても微笑ましい。二人はほのぼのしていたのだが、ニアとしては不甲斐なさを感じていたらしい。
「ニア……。泳ぐの遅い……」
 ちょっとだけしょんぼりした様子のニアを見たレイ達は視線を交わす。
 そして、クリシュナは右へ。レイはニアの左側に回って浮き輪をぎゅっと支えた。
「二人で一緒に浮き輪を引っ張りましょう」
「しっかり……掴まっててね……」
 レイ達はそのままニアを浮き輪ごと引っ張っていく。すいすいと泳いでいるような感覚を抱いたニアは双眸を柔らかく細め、二人を交互に眺めた。太陽に照らされた彼女達の横顔は優しくて明るい。
「これが……。速く泳ぐ感覚……」
「ほら、足バタバタして水を蹴るんだよ~」
 レイはニアがいつかひとりでも泳げるように指導していく。
 自分では出来ないことを味わえるのはとても贅沢な気がして、ニアも懸命に足を動かしてみた。ニアがとても楽しそうなので、レイもクリシュナもつられて笑顔になっていく。
「えへへ……みんなで一緒に泳ぐと、いつも以上に楽しいね……♪」
 クリシュナも尻尾をぱたぱたと動かし、海の気持ちよさと皆で過ごす時間の楽しさを実感する。
 そうして、三人は暫し遊泳を楽しんだ。

 海をめいっぱいに堪能した後はやはり夏らしく、バーベキューがいい。
「お腹空いてきた……。そろそろはじめる……?」
「はい、たくさん色々用意してきましたよ」
 とても気に入ったのか、浮き輪を装着したままのニアはレイ達に問い掛けた。頷いたレイはアイテムポケットから事前に準備してきた食材や道具を取り出していく。てきぱきとした手付きで用意を進めていくレイの隣では、クリシュナが食材の取り分けを行っていた。
「やっぱりお肉……とは思うけど、人参、ピーマン、玉ねぎ……っと。お野菜も少しは、ね」
 欲望のままにいくよりも、やはりバランスが良い方がいい。
 楽しげに笑っているクリシュナはレイが用意してくれた焼き網にいろいろなものを乗せていった。ニアは浮き輪が火に当たらないよう避難させた後、次々と焼かれていく肉や野菜の様子をじっと見つめる。
「エビさんも焼いていい……?」
「いいね……♪ しっかり焼いて……おいしくなあれ」
「たくさんあって賑やかですね。それでは、ソーセージを焼かせたらドイツ人一のボクにお任せを♪」
 レイは得意げに胸を張って見せた。彼女はその後、香ばしい匂いを漂わせながらじゅうじゅうと美味しそうな音を立てるソーセージの仕上げに入っていった。焼けたものから順番に皿に乗せていったレイは満足気に頷く。
「はい、どうぞ」
「ありがとう……♪」
「それじゃあ熱いうちに……。いただきます……」
 クリシュナとニアは配られたお皿をしっかりと持つ。傍らには炭酸ジュースとお茶も用意されており、三人はそっと乾杯してからバーベキューを味わいはじめた。
「ぉ~……レイさんのソーセージ、焼き加減が、絶妙……。ニアさんのエビも……美味しい……♪」
「乾杯もバーベキューも……。何だか嬉しい……」
 幸せそうに味わうクリシュナの傍で、ニアも初めての体験を嬉しく思っているようだ。
 レイはそんな二人を優しく見つめ、自分も焼き上がった野菜や肉、ソーセージを堪能していた。海からは波の音が聞こえ、少し遠くからは誰かが遊んでいる楽しそうな声が聞こえてくる。
 日が高くなったことで陽射しが強くなってきたが、穏やかで賑わいに満ちた海らしい景色だと思えた。
「うふふ、楽しいですね。皆でこうやって遊ぶのは」
「うん……。みんなで遊んだりご飯が食べられる時間……。凄く幸せ……」
 レイが嬉しげに語ったことで、ニアも幸福なひとときであることを改めて確かめる。
 クリシュナもこくこくと頷きを返し、一番大きなお肉を口いっぱいに頬張った。美味しくて楽しくて、皆と居られることが嬉しくて堪らない。
 尻尾をぱたんと揺らしながら、クリシュナはニアとレイが笑いあう光景を見つめた。
 またいつか、こんな楽しい時間を過ごせたらいい。
 そっと願う気持ちは爽やかな夏の風に乗って、きらきらと輝いていくはずの未来へと向けられた。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
【水面歩行】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!

無・為
アドリブOK、口下手です。
…海とは懐かしい、昔夏は家族で海水浴に行っていたな……
この体になってから想いふける、桶ですやすや眠る操り人形、梔子も兄と一緒にはしゃいでいた思い出が蘇る。
しかしこの身ではそう人目につくのは宜しくない。暫し日陰で仕事まで漣を聞きながら、瞑想
をしようか。
いや、久しぶりなのだ人形となった鬼灯、梔子も遊ばせてやろう。
桶を開け人形に話しかける。
蟷螂の人形、鬼灯、蜘蛛の人形、梔子。今日は海だ遊んで来るといい。
自動人形達となっても私の家族、周りの子達と楽しんできなさい。


●海辺の記憶
 漣が響かせる音が耳に届き、懐かしい感覚が巡ってくる。
 夏になるとよく家族と一緒に海に訪れていた。昔のことを思い返した無・為(働くお坊さん、大家族・g05786)は、青い空の下に広がる蒼の景色を眺める。
「海水浴か……」
 夏の心地や波間に弾ける飛沫を見て、喜んでいた家族の表情が思い起こされる。
 無為は暫し、遠い海の彼方に目を向けていた。
 この体になってから、そういうことはなくなった。刻逆を経てからのことを考えながら想いに耽った無為の頬を、海から吹き抜けた夏の風が撫でていった。
 風に導かれるように、無為が次に視線を向けたのは桶ですやすや眠る操り人形。そういえば嘗ての梔子も兄と一緒にはしゃいでいたか。海という場所に訪れただけで、様々な思い出が蘇ってくる。
 不思議な心地好さがそうさせるのだろうか。
 しかし、無為は首を横に振った。今のこの身では人目につくのは宜しくない。暫し日陰で休み、仕事の時間まで漣を聞きながら瞑想でもしようかと考える。されど、無為はふと思い直した。
「いや、久しぶりなのだ」
 海にまで来て普段と同じことをするのも少しだけ勿体ない気がする。人形となった鬼灯と梔子も海で遊ばせてやろうと決めた無為は、桶を開けた。そうして彼は人形達に話しかける。
「鬼灯、梔子。今日は海で遊んで来るといい」
 蟷螂の人形と蜘蛛の人形は、かつて息子と娘だった子だ。父としての姿も、子供達の姿もこうして変わり果ててしまったが、あの頃の記憶や愛情まで変わってしまったわけではない。
 自動人形達となっても、この子達は自分の家族に違いないのだから。
「遠慮はいらない、周りの子達と楽しんできなさい」
 無為は日陰から見守っていると告げ、子供達を波打ち際に送り出す。暫し後、鬼灯と梔子は此処に訪れていた誰かに声を掛けられたらしい。おそらく復讐者の仲間だろう。
 仲間が響かせている楽しげな声を聞きながら、無為は砂浜を見つめる。
 偶にはこういった少し特別な時間も悪くはない。そのように感じた無為は静かに瞼を閉じた。
 寄せては返す波が奏でる音色は穏やかに、夏のひとときに響き渡っていく。
 
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【壁歩き】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!

咲樂・神樂
⚰️樂祇

お揃いの桜柄の水着に青い空!
可愛い妹が笑う!
最高の日和だわ

祇伐!
はやく泳ぎましょう!

……。

なった
今この瞬間に泳げるようになった!

行くわよ〜
海の中に広がる世界を見に行こう
水中適応があるから呼吸は大丈夫よね
かぁいいあなたが波に攫われないようにと手を繋いだまま海へ

嬉しげな笑顔がうれしい
水面に揺れる人魚の様な尾も何もかももが美しいと見蕩れる

祇伐は泳ぐの好きだもの
ほら、向こうに魚がいるわ!
美味しそ……祇伐
背中の痕が気になる?

気にしないで
これは誉
私が君の隣に降りられた証

頬を撫でて笑ってと唇をつつく
わぁ!すごいわ!
海の中に桜ととりどりの魚?!

あはは!綺麗だね
勿論、楽しくて幸せだよ
祇伐は私の僥倖だから


咲樂・祇伐
🌸樂祇

お揃い柄の水着はお気に入り
無邪気にはしゃぐ兄の姿に頬が弛むわ

泳ぐって……お兄様は父上と同じく泳ぐのが苦手では…

それならいいのですが……待って、お兄様!
手を引かれそのまま海へ
海の中でも呼吸できるなんて、ふふ
人魚になれたみたいで嬉しいわ
何処かにいないかと探してしまいそう
変わり、たまゆらの尾を揺らして泳ぐ
心地よくて楽しくて
溢れる笑みも泡沫のように咲いていく

お魚?
可愛いでなく?
あ…
あなたの背中にある傷痕に手を添える
誇り高い大きな翼がもがれた後の様な傷痕
胸が痛む

眉を下げる姿に、微笑んでから現の夢を
水底に桜と極彩の魚游ぐ舞台をうつす

ほら、咲って
楽しみましょう
全てが変わり壊れていても
私の幸せは此処に


●凡ては泡沫の夢
 揃いの桜柄の水着はお気に入り。
 そのうえ今日は天上に青い空があり、目の前には蒼海の景色が広がっている。
 素敵ね、と笑う咲樂・神樂(離一匁・g03059)の隣には、空の青を瞳に映す咲樂・祇伐(花祇ノ櫻禍・g00791)が微笑んでいた。可愛い妹が笑っているというだけで、神樂にとっては最高の夏日和。
「祇伐! はやく泳ぎましょう!」
「泳ぐって……? お兄様は父上と同じく泳ぐのが苦手では……」
 無邪気にはしゃぐ兄の姿に頬が弛めていた祇伐だったが、ふとした違和感を抱いた。首を傾げた祇伐から笑顔が消えそうになったことで、神樂は一瞬だけ「しまった」という顔をする。
「……。なった。今この瞬間に泳げるようになった!」
 少しの沈黙。その後に冗談めかして誤魔化すような声が神樂から紡がれた。祇伐は僅かに表情を曇らせたが、瞼を一度だけ瞬かせる。特に疑うような様子は見せなかった祇伐は兄の言葉を受け入れた。
「それならいいのですが……」
「行くわよ~」
 これ以上、この話をしてはいけないと感じた神樂は妹の手を取る。
「待って、お兄様!」
 手を引かれた祇伐は潮の香りと海の蒼が更に近くなっていく感覚に気を取られた。此度は復讐者としての力が大いに使える。たとえばこのまま海中に潜っても、呼吸が出来ずに苦しくなることはない。
「ほら、海の中に広がる世界を見に行こう」
「わあ……!」
 視界も普段と変わらず、此処が海の中だとは思えないくらいだ。不思議な心地を確かめている祇伐。そんな可愛い妹が波に攫われないように、神樂は繋いだ手を決して離さなかった。
「海の中でも呼吸できるなんて、ふふ。人魚になれたみたいで嬉しいわ」
「祇伐が楽しそうであたしも嬉しい」
 神樂は祇伐が喜ぶことが自分の喜びそのものだと感じている。ふわりと水面に揺れる人魚のような彼女の尾も、靡く髪の揺れ方も、好奇心でいっぱいの表情も――何もかもが美しい。何処かに本当の人魚がいないかと探してしまいそうになる祇伐の様子もまた、愛らしいものだ。
 たまゆらの尾を揺らして泳ぐ姿に見蕩れた神樂は、彼女の隣を誰にも渡したくないと考えていた。
 しかし、そんな思いは表には出さない。
「祇伐は泳ぐの好きだものね」
「はい、とても気持ちいいですから」
 めいっぱいの嬉しさを抱く祇伐は、心地よさと楽しさを胸に抱く。同時に溢れた笑みが泡沫のように咲いていった。
 そんな中、神樂が前方を指差す。
「ほら、見て。向こうに魚がいるわ!」
「お魚? ふふ、本当です!」
「美味しそ……」
「可愛いでなく?」
 兄と妹は戯れるような会話を交わしていく。そうして、神樂が祇伐を先導して進んでいったとき――。
「あ……」
「この背中の痕が気になる?」
 不意に祇伐が手を伸ばし、神樂の傷痕に手を添えた。それは誇り高い大きな翼がもがれた後の如き痕だ。改めて彼の背を見つめた少女は、苦しそうに胸元を押さえる。
「気にしないで。これは誉なの」
 ――そう、私が君の隣に降りられた証。
 彼女の頬を撫でた神樂は、「笑って」と唇をつつく。そういって眉を下げる神樂の姿に祇伐は微笑んでみせる。そして、返事の代わりに水底に桜と極彩の魚が游ぐ舞台をうつしていった。
「わぁ! すごいわ!」
「ほら、お兄様も咲って。折角の海ですから楽しみましょう」
「あはは! 綺麗だね。大丈夫。勿論、楽しくて幸せだよ」
 海の中に游ぐ桜と、色とりどりの魚に手を伸ばした神樂は心から咲っていた。今が幸せ。これまでの自分の世界が塗り替えられていったほどに、嬉しいことばかりで満ちている。
「祇伐は私の僥倖だから」
「……はい。私の幸せも、此処に」
 神樂と祇伐は青の世界の最中で想いを確かめあった。たとえ、全てが変わり壊れていても――。
 そして、二人で過ごすひと夏の記憶が刻まれていく。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【託されし願い】LV1が発生!
【現の夢】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】がLV2になった!

朔・彗藍
【雪星】◎

貸し切りビーチ、贅沢ですねえ
雪璃、海の中を見に行きませんか?
しゅのーけりんぐ、というやつなのです
……泳げないのですが何とかなりま……す?
一応水中適応の効果を持って、水着で蒼の世界へ

わあ、お魚さんがたくさん……!
鰭や模様が其々綺麗で……カニさんも歩いてます
水族館で見たことがあるお魚さんも見えますね
イルカさんは……いないでしょうか?

少し不安なときは雪璃と手を繋ぎましょう
揺らめく泡沫、識らない景色
陸に上がるのが勿体無くなってしまいそう

休憩にかき氷を、私はレモンに
雪璃、はんぶんこしませんか?
桃もぱくり、甘くてひんやり
ふふ、もう一回ですね!
海の余韻につめたい氷、雪璃と一緒のとっておきの夏を


茜來・雪璃
【雪星】◎

ねー、リッチだ!
海の中?あー、シュノーケリング!私も気になってたの!!
…て、あれ?彗泳げるようになったの?
あはは、まあなんとかなるよきっと!
私もいるし!なんてケラケラ

わーぉ、すごいや
水も透き通ってるし、生き物もこんなに…!
ぁ、あそこのカニ、イソギンチャク振ってるよ
イルカかー、いたら一緒に泳いでみたいね

きままに揺蕩い、海中散歩
ちゃあんと繋いでるよ、離さない
ほんと、魅入っちゃって…上がるの勿体ないね

わーい、かき氷!
彗はレモン?私はね、桃!!
はんぶんこするー!
んー…レモンもさっぱりで美味しい
海で食べるかき氷、夏だねえ…
ね、これ食べたらもっかい潜ろ?
彗ととっておきの夏をもっと満喫したい!てね


●硝子色の海
「貸し切りビーチ、贅沢ですねえ」
「ねー、リッチだ!」
 浜辺を一緒に歩き、今の心地を嬉しく感じているのは朔・彗藍(ベガ・g00192)と茜來・雪璃(朧夜ノ蝶華燈・g00793)のふたり。波打ち際に響いている漣の音は快く、夏らしさが広がっている。
 暫し海辺の散歩を楽しんだ彗藍はふと思い立ち、水中を示した。
「雪璃、海の中を見に行きませんか?」
「海の中って?」
 きょとんと首を傾けた雪璃は少しだけ不思議そうな顔をする。彗藍はぐっと両掌を握り締め、以前からやりたかったことがあるのだと語った。
「しゅのーけりんぐ、というやつなのです」
「あー、シュノーケリング! 私も気になってたの!!」
 どういうことか理解した雪璃は、ぜひ自分も彗藍と一緒にやりたいと申し出る。しかし、ふと或ることに気付いた彼女は再び疑問符を浮かべる。
「あれ? そういえば彗、泳げるようになったの?」
「……泳げないのですが何とかなりま……す?」
「あはは、まあなんとかなるよきっと! 私もいるし!」
 当の彗藍が疑問形で答えたので、雪璃はけらけらと笑った。此度は新宿島であるゆえ水中適応の効果が十分に巡る。この勢いのままに浜辺から海に向かって歩けば、そのまま水中を進んでいくことが出来るはず。
 そうして、少女達は蒼の世界へ踏み出していった。
 水の中であっても息は苦しくはなく、游ぐことも歩くことも出来るのはやはり不思議な感覚がした。普段ならば溺れそうになってゆっくりと見られない分、周囲を泳いでいる魚が珍しくも見える。
「わあ、お魚さんがたくさん……!」
「わーぉ、すごいや。水も透き通ってるし、生き物もこんなに!」
 彗藍と雪璃は海中をゆったりと見渡していた。
 二人の瞳は水面の天上から降りそそぐ光を反射しており、きらりと光っている。
「鰭や模様が其々綺麗で……見てください、カニさんも歩いてます」
「ぁ、あそこのカニ、イソギンチャク振ってるみたいだよ」
「同じところを見ていたようですね」
 くすくすと笑いあった雪璃と彗藍は視線を交わした。見方によって雰囲気も変わる海底はワンダーランドのよう。一匹ずつの名前まではわからないが、海にはたくさんの魚がいる。
「水族館で見たことがあるお魚さんも見えますね。イルカさんは……いないでしょうか?」
「イルカかー、いたら一緒に泳いでみたいね」
 東京の海ではそうそう見られるものではないが、想像するだけなら自由。
 人懐こいイルカと一緒に海中を進んでいく幻想的な風景を思い浮かべながら、彗藍は更に深いところへ向かった。泳げない身としてほんの少しだけ不安が過る。
 彗藍は雪璃におずおずと手を伸ばし、指先をそっと繋いだ。雪璃は小さく笑み、大丈夫だよ、と伝える。
「ちゃあんと繋いでるよ、離さない」
「……はい」
 やさしい声を聞いたことで彗藍の裡に安堵が巡った。
 揺らめく泡沫の向こうには識らない景色がある。気儘に揺蕩うような海中散歩は楽しくて、陸に上がるのが勿体無くなってしまうほど。しかし、二人には戻る理由があった。
 それは――かき氷!
 休憩として砂浜に戻った少女達は用意された氷を削った特別な一品を作り上げていった。とはいっても、見た目は普通の氷と変わらない。けれども、こうして二人で食べることが何よりの特別な証。
「わーい、かき氷!」
「雪璃、はんぶんこしませんか?」
「彗はレモン? 私はね、桃!! だからはんぶんこしたら二倍おいしい!」
 それぞれに違うフレーバーを選んだ雪璃と彗藍は、ひとさじをシェアすることにした。甘やかな心地とすっきりとした味わいは夏にぴったりのもの。一息ついた二人はパラソルの下で夏らしさを味わっていく。
「甘くてひんやりですね」
「んー……レモンもさっぱり。海で食べるかき氷、夏だねえ……」
「夏ですねえ」
 ひんやりとした快さに浸ったら、休憩は終わり。
 雪璃はもうすぐ空になりそうな硝子の器にスプーンを置き、彗藍に次の予定を申し出た。
「ね、これ食べたらもっかい潜ろ?」
「ふふ、もう一回ですね!」
 彗藍も嬉しげに頷き、今度はどの辺りに潜ろうか計画していく。夏の陽射しを受けて融けた氷が雫となって硝子に伝っていく様子もまた、この季節の良さを感じさせてくれる。
 海の余韻につめたい氷の味わい。ふたり一緒に満喫する、とっておきの夏。
 楽しくて嬉しい特別な時間はまだまだ、これからも続いていく。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!

花骨牌・唯桃
【暁翅】◎

夏といえばビーチ!だよね!
気分が上がるなあ
うん、寒いのは駄目だけど暑いのはへーき。
ふふ、涼しい?
少し太陽の熱で火照った彼女の頬を冷ますように

引かれた手に微笑んで、砂を踏む感覚と波音に
気持ちいいね、って
水遊び、初めてなら少し入ってみる?
夜明け色は陽に透けてきらきらしてるから
今度は俺がきみの手を引いて波打ち際に脚を浸す

ちかちゃん、こっちむいて!
って掬った水を軽く彼女の方へぱしゃんと悪戯
びっくりした?涼しくない?
勿論、やり返されるのは想定済みなんだけど

歳相応を覗かせたきみに目一杯楽しんで貰うために
たくさん遊ぼうね
我儘じゃないよ、
ううん、それならマイヒーロー達の休日ってことで


紫空・千景
【暁翅】◎

貸し切りとは随分太っ腹な事で
ゆいは涼しい顔をしているが暑いのは平気なんだな
私も暑いのは苦手では無いが…
少し貸してくれと彼の手を攫い頬を寄せる
…ふふ、ひんやりしてる

もう少し借してくれなんて
手を引いて浜辺に
足元のサンダルから直に感じる砂の心地も悪くない

ふと足を止めて海の先を見遣る
私な、海での水遊びは初めてなんだ
付き合ってくれるか?
小首を傾げて隣を燦いた夜明け色が覗く

入ると頷き、引かれた手に素直に従って波に足を浸せば不思議な心地
呼ばれ振り向けば…わ!?
ぱしゃんと顔で弾ける水飛沫
とっさのお返しをしたなら
涼しいが、吃驚したぞと歳相応に咲う

今日は沢山、私の我儘に付き合ってくれ
なあ、マイヒーロー?


●サマーデイズ・マイヒーロー
 目映い陽射しに煌めく砂浜。
 夏真っ盛りの景色を眺め、花骨牌・唯桃(華燭・g00538)は明るい笑みを浮かべる。波の音は楽しげで、遠くからは遊びに興じる者達の賑やかな声も聞こえてきていた。
「夏といえばビーチ! だよね!」
「貸し切りとは随分太っ腹な事で」
 その隣に立つ紫空・千景(暁の切り札・g01765)もおだいばビーチを見渡していた。気分が上がるなあ、と語ってわくわくした様子でいる唯桃の横顔を見遣りつつ、千景は問い掛けてみる。
「ゆいは涼しい顔をしているが暑いのは平気なんだな」
「うん、寒いのは駄目だけど暑いのはへーき」
 唯桃はさらりと答え、それゆえにこの季節は動きやすいのだと話した。すると千景が軽く瞳を瞬かせる。
「私も暑いのは苦手では無いが……」
「どうかした?」
「少し手のひらを貸してくれ」
 千景は不思議そうにしている彼の手を攫い、其処に頬を寄せた。唯桃も太陽の熱で火照った彼女の頬を冷ましてゆくように、掌を添えてやる。そうして、唯桃は少し笑ってから問うた。
「ふふ、涼しい?」
「……ふふ、ひんやりしているな」
 千景も同じ笑い方で唯桃を見つめ、ありがとう、とそっと告げる。
 それから二人は浜辺の方に歩み出した。もう少し貸してくれ、と願った千景は唯桃の手を引いていく。
 踏み出す度にさらりと流れていく砂の心地がサンダル越しに伝わってきた。こうして直に自然に触れるのも悪くないと感じながら、千景は唯桃の方に振り返る。
 唯桃は引かれた手に微笑み、千景と同様に砂を踏む感覚と波音に意識を向けていた。
「気持ちいいね」
「そうだな、良い気分だ」
 千景はふと足を止め、海の先を見遣る。その表情は憧れたものを見ているような雰囲気が感じられた。彼女が何か言いたげだと察した唯桃は言葉が紡がれるのを待つ。すると、千景がそっと口をひらいた。
「私な、海での水遊びは初めてなんだ」
「水遊び、初めてなら少し入ってみる?」
 そういうことかと納得した唯桃は、波打ち際を指差す。
「付き合ってくれるか?」
「勿論」
 小首を傾げて隣を見れば、燦いた夜明け色が覗いていた。夜明けの色は陽に透けてきらきらして見える。だから今度は自分が彼女の手を引いていく番。そのように考えた唯桃は波打ち際に脚を浸していく。
 千景も倣って波に足を浸せば、不思議な心地がした。
 寄せては返す漣の感触はくすぐったくもあるが、とても気持ちがいい。泡沫が弾けたり、砂が攫われていったり、一度として同じ波はないのだと思えた。千景が水の流れに目を向けていると、不意に後ろから声が響く。
「ちかちゃん、こっちむいて!」
「……わ!?」
 振り返れば、彼が掬った水がぱしゃりと弾けた。水飛沫を払い除けた千景が次に見たのは、悪戯っぽく笑う唯桃の顔。
「びっくりした? 涼しくない?」
「やったな……!」
 反射的にやり返した千景の声は弾んでいた。無論、こうなることは唯桃も予想済み。飛んできた水を交差した両手で受け止めた唯桃は数歩後ろに下がった。
 これは歳相応な様子を覗かせた彼女に、めいっぱい楽しんで貰うための演出だ。
「涼しいが、吃驚したぞ」
 咲う千景の表情は来たときよりも幾分も柔らかい。唯桃は満足しつつ、再び水飛沫を跳ねさせた。
 幾度も水の掛け合いという攻防が繰り広げられ、二人は心地良い冷たさを感じる。唯桃はそっと負けを認めつつ、千景の方に歩み寄っていく。
「こういう風に、もっとたくさん遊ぼうね」
「ああ。今日は沢山、私の我儘に付き合ってくれ」
「我儘じゃないよ」
 千景がそっと語ると、唯桃がにこやかに答えながら首を横に振ってみせた。ふ、と笑った千景はその返答に嬉しさを感じたようだ。双眸を細めた千景は唯桃に真っ直ぐな眼差しを向けた。
 今日という日はまだ始まったばかり。海や砂浜で過ごす時間は十二分にある。
「そうか、ならば存分に遊ぼうか。なあ、マイヒーロー?」
「ううん、それならマイヒーロー達の休日ってことで」
 視線と一緒に微笑みが重なる。
 夏の休日は此処からも、楽しく仲良く巡っていくはずで――。この後にどんな思い出が刻まれていくのかは、共に過ごした二人だけが知っていくこと。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【植物活性】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【ダブル】がLV2になった!

月下部・鐶
妹の小雪ちゃん(g00930)といっしょにおだいばビーチ!
戦いの前に英気を養うぞー
こういう時は、やっぱりカラダを動かすのが一番!だからこんなの持ってきたよ!

取り出したのはどこでもできる、組立簡単ビーチバレーセット!
ポールを立てて、ロープを張ってしっかり固定、ネットをかけたらできあがり、ビーチバレー!

……はっ、ボール!ボール忘れちゃった!
慌てて荷物を探すけど、うっかり忘れちゃった模様、そのとき不意に視界にぴょこんと飛び込んだのはコダマちゃん!

コダマちゃんをもちあげて「やってくれる?」と問いかけると、目から伝わる任せろの心意気
というわけで、ビーチモーラットバレー開催だよ!

アドリブ、連携、大歓迎!


月下部・小雪
お姉ちゃん(g00960:義姉)と一緒におだいばで遊んでいきます。
ベアトップのふりふりがついたかわいい水着に着替えて、きました!

お姉ちゃんに何して遊びましょうと相談したら、
じゃじゃーんとビーチバレーセットが登場、です!
せっせと準備が終わったところで、ビーチボールがないことが発覚?
コ、コダマが代わりにボールの代わりをしてくれるそうです!

それでは、お姉ちゃんとビーチモーラットバレー決勝戦、開始です!
お姉ちゃんと二人でコダマをぽーんぽーんとトスしてラリーを続けますね。
コダマもお空を飛んで楽しそう、です♪

※アドリブ連携大歓迎


●決戦、ふわふわビーチバレー!
「戦いの前に英気を養うぞー」
 夏の陽射しは目映く、光を受けて煌めく波間は美しい。
 片腕を大きく天に掲げた月下部・鐶(さいつよのお姉ちゃん・g00960)は、今日という日を満喫する気満々。月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)も彼女に続き、ふりふりの水着を揺らして駆けてくる。
「小雪ちゃん、その水着かわいいね!」
「えへへ。ありがとうござい、ます」
 鐶が心から水着を褒めてくれたので、小雪は嬉しそうに笑った。
 そして、二人は浜辺に向かっていく。
「こういう時は、やっぱりカラダを動かすのが一番!」
「お姉ちゃん、何して遊びましょうか」
 少女達がやってきたのビーチスポーツを楽しめる区域。事前に用意をしてきた鐶は小雪に笑みを向け、もっと広い区画に言ってみようと誘った。そして、鐶は持参してきたものを広げる。
「だからこんなの持ってきたよ!」
 じゃじゃーんと鐶が示したのは、どこでもできる組立簡単ビーチバレーセット。
 小雪の後ろからコダマもひょこりと顔を出し、セットを興味深く見つめていた。そのまま小雪の頭の上に乗ったコダマは両手をぱたぱたと揺らしている。
 海風が吹き抜け、鐶と小雪の髪を揺らした。二人は微笑みを重ね、組み立てセットに手を伸ばした。
「さっそく、組み立てましょう」
「よーし、楽しい時間のためにやっていくよー」
 意気込む小雪と張り切る鐶。
 まずは鐶が砂地にポールを立てていき、其処にロープを張ってしっかりと固定する。小雪と協力してピンとネットをかけたら、ビーチバレー場の出来上がり。
 せっせと準備していき、完成を見て満足そうに汗を拭った小雪達だったが――。
「あれ?」
「ど、どうしました、か。……あっ」
 鐶が首を傾げたことに疑問を抱いた小雪は、すぐに違和感に気付いた。
 ビーチバレーは球技。フィールドの準備はばっちりだが、肝心のボールが誰の手元にもなかったのだ。
「……はっ、ボール! ボール忘れちゃった!」
「鞄の中に入ってたり、とか?」
「うん! 探してみるね」
 鐶は慌てて荷物の方に駆けていく。もしかすれば気付かずに鞄に入れっぱなしだったのかもしれないと考えたが、やはり持ってくること自体を忘れてしまったようだ。
「うっかりしちゃった……」
 ビーチボールがないと発覚したことで、鐶はしょんぼりと肩を落とす。しかしそのとき、不意に視界の端にぴょこんと飛び込んできたものがあった。
「コダマちゃん?」
「コ、コダマが代わりにボールの代わりをしてくれるそうです!」
 小雪の頭の上から鐶の隣に移動してきたモーラット・コミュはやる気でいっぱいだ。大量の空気を吸い込んで超巨大なバルーンのように浮遊しているコダマはまるでボールのよう。
「やってくれる?」
 鐶がコダマを持ち上げながら問いかけると、強い視線が返ってきた。目から伝わってくるのは任せろと言いたげの心意気が宿った意思だ。コダマも楽しむ心算ならきっと遠慮はいらない。
「というわけで、ビーチモーラットバレー開催だよ!」
「それでは、お姉ちゃんとビーチモーラットバレー決勝戦、開始です!」
 鐶と小雪、そしてコダマ。
 楽しい時間の始まりに笑顔を浮かべた二人と一匹は、きらきらと輝く日差しの下で両手を上げた。
 ぽーん、ぽーん。ぽんっ!
 楽しげなモーラットが宙を舞う様子はこれ以上ないほどに愛らしい。ネットを越える度にコダマが楽しそうにニコニコするので小雪も鐶も嬉しい気分になっていった。
「お姉ちゃん、いきますね」
「望むところだよ。どんなアタックでもばっちり受けるからね」
 小雪の掛け声と共にコダマが飛び、構えた鐶がラリーを続けるために腕をクロスさせる。トスやアタック、サーブなどのバレーらしい動きが続くが、モーラットを扱う二人の手付きは優しい。
 夏のコダマボールは白熱していき、大いに盛り上がりを見せた。
「楽しいね、小雪ちゃん!」
「コダマもお空を飛んで楽しそう、です♪」
 青い海からは心地良い風が吹いてくる。砂浜に真っ白なふわふわが揺らめく様はとても可愛らしく、笑顔が溢れた。
 こうして、姉妹達の楽しい夏休みのひとときが巡っていく。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【寒冷適応】LV1が発生!
【浮遊】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV2になった!

花柳・細
紬(g01055)と

夏の砂浜って眩しい
押さえる麦藁に咲く向日葵が
陽に負けじと咲く

凄ーい!バッチリよ、紬
これで陽に溶けずに済みそう
素敵な舞台に手を鳴らし

アイスクラフトの尽きぬ氷も驚きだけど
凄いのはこのトッピングもね
やだ、お店開けそうじゃない
紬……何者?
なぁんて笑って準備に感謝!

私はね
抹茶に小豆をたーっぷり
勿論、練乳もねっ
でもこんなに用意してくれたもの
他も欲張りたいわっ

で、で、紬は?
あら、可愛い
定番だけど美味しいわよね
あー!私も白玉乗せる!

あっは、キーンてなった?
へーき?
ホントね甘さに景色に癒されちゃう
あ、私、酎ハイのが良い〜

まーんてんっ!
でも伸び代だってあるんでしょ?
また遊ぶ時に見せてよ
なーんて


織乃・紬
花柳ちゃん(g07664)と

白の砂浜、に足して
パラソルとクーラーボックス
初めましての親睦会にゃ
贅沢過ぎる舞台ね

どお?陽は遮れてる?
そンじゃ、美味で溶けよッか

アイスクラフトで氷は尽きず
然して、隠し味も必要でしょ
果蜜に練乳に果実に白玉
色々揃えたが、御好みは?
ソレは追々にと戯れ秘めて

ア、抹茶も魅力的!
和風情緒が好きなンかな
君らしさ、を知れた予感
心置きなく欲張ッてね

俺はやッぱ、苺と練乳が好き
ついで、果実に白玉も足すわ
紅白の目出度い尽くしッてね

頭に響いて、呻いて
あア、コレも醍醐味!
暑~い日には甘味よな
景込みで夏バテも癒えンね
麦酒もあれば最高だけど

そンで
此度のガイド、何点だッた?
そりゃ勿論、――期待してて


●特別な味わい
 夏の砂浜は眩しさと楽しさに満ちている。
 花柳・細(非花・g07664)と織乃・紬(翌る紐・g01055)は白い波打ち際を見つめ、パラソルの下で涼んでいた。
「白の砂浜に足してパラソル、と」
 そして、傍らにはクーラーボックス。
 初めましての親睦会としては贅沢過ぎる舞台だとして、紬は双眸を細める。
 そのとき、不意に風が吹き抜けた。飛ばぬように帽子を片手で押さえた細。その様子を眺めた紬は、その麦藁帽子に咲く向日葵もまた陽に負けじと咲いていると感じた。
「どお? 陽は遮れてる?」
「凄ーい! バッチリよ、紬」
 彼から問われた言葉に頷いて答え、細は腰を下ろす。これで陽に溶けずに済みそうだと話した細は、素敵な舞台を整えてくれた紬に手を鳴らしてみせた。笑い返した紬も少し間をあけた隣に座り、クーラーボックスを開いた。
「そンじゃ、美味で溶けよッか」
 彼らが夏の海で楽しむことを決めたのは、特製の氷菓。
 アイスクラフトの力を巡らせれば氷は尽きず、思いのままの味わいを楽しめる。手際よく氷を入れる器を用意していく紬を見つめ、細は感心している様子だ。
「尽きぬ氷も驚きだけど、凄いのはこのトッピングもね」
「然して、隠し味も必要でしょ」
 紬が見せていったのは果蜜に練乳、果実に白玉などのとりどりの食材。
「やだ、お店開けそうじゃない。紬……何者?」
 なぁんて、と笑った彼女は彼の準備に感謝を抱く。
 更に目の前に用意されていくものに細が驚き混じりの表情と仕草をみせたことで、紬は少し不敵に口の箸を緩めた。ソレは追々にと戯れを秘めて、紬は細に問いかける。
「色々揃えたが、御好みは?」
「私はね、抹茶に小豆をたーっぷり」
「ア、抹茶も魅力的!」
「勿論、練乳もねっ」
「和風情緒が好きなンかな。君らしさ、を知れた予感」
 注文されたものを用意していく紬は、細の好みを知れたことが光栄だと話す。しかし細はまだまだ作り出される氷の方に目を向けた。一杯目は抹茶練乳小豆にして、次のおかわりは――と考えを巡らせるのも楽しいことのひとつ。
「心置きなく欲張ッてね」
「そうね。こんなに用意してくれたもの、他も欲張りたいわっ」
 ふふ、と嬉しげに笑った細は目の前に出された氷の器に手を添えた。ひんやりとした心地よさを感じながら、彼女は紬の手元に視線を向けていく。
「で、で、紬は?」
「俺はやッぱ、苺と練乳が好き」
 細が覗き込んだクーラーボックスの傍らでは、赤いシロップが掛けられた氷が用意されていた。其蕩けるような乳白色の練乳が赤色を彩っていく様は夏らしさを感じさせてくれる。
「あら、可愛い。定番だけど美味しいわよね」
「ついで、果実に白玉も足すわ。紅白の目出度い尽くしッてね」
「あー! 私も白玉乗せる!」
 取り出された新たなトッピングに目を輝かせ、細はそっと氷の器を差し出した。
 そうして、二人はパラソルの下で氷を味わってゆく。
「……ッ!」
「あっは、キーンてなった?」
 不意に紬が頭を押さえたことで、細がくすくすと笑った。頭に鋭い痛みのような感覚が響いている紬はちいさな呻き声をあげながら、こくこくと何度も頷く。どうやらすぐには言葉を発せないようだ。
「へーき?」
「あア、コレも醍醐味! 暑~い日には甘味よな」
 何とか持ち直した紬は笑みを返した。良かった、と安堵を抱いた細も新たな一口を頬張っていく。
「ホントね、甘さに景色に癒されちゃう」
「景込みで夏バテも癒えンね。麦酒もあれば最高だけど」
「あ、私、酎ハイのが良い~」
 そんな軽快な会話を交わしながら、二人は夏の砂浜に巡る心地を楽しんでいった。そうして、様々な味わいを少しずつ味わった二人は夏を満喫する。
 空になった氷の器を片付けながら、紬は細に問いを投げかけてみた。
「そンで此度のガイド、何点だッた?」
「まーんてんっ! でも伸び代だってあるんでしょ?」
「そりゃ勿論」
 これが最高値だとは細も思っておらず、紬も当然だというように答える。
「また遊ぶ時に見せてよ、なーんて」
「――期待してて」
 其処から交わされたのはいつかに続く約束。紬と細は波の音に耳を澄ませながら、青い海を瞳に映した。
 次の機会が訪れるのが何時になるのかは、またのお楽しみ。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】LV1が発生!
【植物活性】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【ガードアップ】がLV3になった!

ラルム・グリシーヌ
【白花】

瞳に映る世界は夏の煌きを集めたように色鮮やかで
心躍らせ乍らニイナの手を引き
海は知ってるけど水着で遊ぶのは初めてなんだ!
愉しげに告げて一緒に潜ったり泳いだり
水飛沫を踊らせて水遊びした後は
彼が教えてくれた砂浜の宝探し

砂に埋もれた輝きを幾つか拾い上げると
海の雫めく青に鮮麗な雲の白
そして凌霄花思わせる朱け色

ね、見てニイナ!
このシーグラス、君の瞳色みたいで凄く綺麗だよ
夏の花が持つ彩りだね
君にあげる、と朱の煌めきを渡すよ

他に見つけた宝物は美しい白の巻貝
本当に波の音がするの?
彼に言われた通りそっと耳に貝を寄せれば
優しく響く漣の音
波の音だ…!すごい!
ニイナもやってみてと嬉々として巻貝を差し出すね


篝・ニイナ
【白花】

優しく沈む砂に煌めく海
同じように瞳を輝かせた彼に手を引かれて
初めてだと嬉しそうに語るものだから
そりゃ良かったねと保護者のような気持ちで眺めてしまう
悪戯に水を掛けてみたり、ぷかぷかと漂うのも悪くない

砂浜をよく見たら、綺麗な丸い硝子や貝殻とかあるんじゃない?
そう教えてみれば、ここ掘れわんわんと聞こえてきそうな熱心に探す姿
見つけた赤いシーグラスを俺にくれるらしい
いいの?ありがと
日に翳せばより輝いて、二人の夏の思い出を閉じ込めた色
…いいや、俺の目より綺麗だよ

本当に波の音がするか、確かめてみたら?
そう言えば素直に耳に当てる姿にくすりと笑いつつ
渡された自分も耳に当ててみる
さあどんな音が聞こえるかな


●季節の色彩
 夏の風が海を渡り、白い砂浜の上を翔けていく。
 この季節特有の熱さを感じながら、ラルム・グリシーヌ(ラメント・g01224)は眸を細めた。
 映る世界は色鮮やかで、夏の煌めきが全て此処に集まっているような気がする。
「ニイナ、こっち!」
 ラルムは心躍らせながら、篝・ニイナ(篝火・g01085)の手を引いていった。
 ゆっくりとついていくニイナの眸にもまた、優しく沈む砂や煌めく海の光景が映り込んでいる。
「ああ、綺麗だ」
「海は知ってるけど水着で遊ぶのは初めてなんだ!」
 愉しげに告げるラルムの笑顔は明るく弾けるような爽やかさを宿していた。自分と同じように瞳を輝かせている彼の手から、楽しさが伝わってくるかのようだ。
「そりゃ良かったね」
 彼があまりにも嬉しそうに語るものだから、ニイナは保護者のような気持ちになった。ニイナがラルムを微笑ましげに眺めていると、更に手が引かれる。
「行こう!」
「そうしようか」
 波打ち際まで一気に駆けた二人はそのまま、海の心地を楽しむことに決めた。
 まずは一緒に潜ったり、そのまますいすいと泳いでいったりと遊泳を満喫する。次に波打ち際まで戻り、悪戯に水を掛け合ってじゃれあえば笑顔と飛沫がきらきらと弾けた。
 水飛沫が躍ることで太陽を反射していき、夏の光景が透明な燦めきで彩られていった。少し疲れたならば、波間をぷかぷかと漂っての休憩。こういったのんびりした時間も悪くない。
 そうして水遊びを楽しんだ後は、ニイナがラルムに砂浜で宝探しをする方法を教えていく。
「ほら、綺麗な丸い硝子や貝殻とかあるんじゃない?」
「本当?」
 砂浜をよく見て、と告げたニイナが示した先にラルムが屈み込む。
 ここ掘れわんわんとでも聞こえてきそうなほど熱心に探すラルムの姿を見て、ニイナが小さく笑った。
 そうして、其処に見つけたのは砂に埋もれた輝き。それらを幾つか拾い上げていったラルムは、よく見えるように陽に当ててみる。海の雫めく青に、鮮麗な雲の白。それから、凌霄花を思わせる朱け色。
「ね、見てニイナ!」
「何か見つかった?」
「このシーグラス、君の瞳色みたいで凄く綺麗だよ」
「へぇ、赤いシーグラスか」
 太陽に透かしてみれば、朱の色が更に美しく見えた。双眸を細めたニイナの顔を見たラルムは、手の平に乗せたシーグラスをそっと差し出す。
「夏の花が持つ彩りだね。君にあげる」
「いいの? ありがと」
 渡された朱の煌めきを受け取ったニイナは、ラルムがしていたように陽に翳してみた。
 より輝いた色彩は、二人の夏の思い出を閉じ込めた色。先程に瞳の色みたいだと言われていたが、こうして見てみると褒められ過ぎであるようにも思えた。
「……いいや、俺の目より綺麗だよ」
 ニイナが頭を振ると、ラルムはきょとんとした顔で首を傾げる。
「そうかな?」
「それより、他には何か見つかった?」
 懸命に探していたので、ラルムが見つけたのはこれだけではないはず。ニイナが問うたことでラルムはもう片手に持っていた砂浜の宝物を披露していく。
「後は……これ!」
 ラルムが見つけた他の宝物は美しい白の巻貝。一説によれば貝殻からは海の音が響いてくるという。
「波の音がするか、確かめてみたら?」
「本当に波の音がするの?」
 ニイナに言われた通り、ラルムがそっと耳に貝を寄せれば――優しく響く漣の音が聞こえた。それは波打ち際から響いているものだが、本当に貝殻から聞こえてきている気がする。
「波の音だ……! すごい! ニイナもやってみて」
 嬉々として巻貝を差し出してきたラルムに向け、くすりと笑ったニイナも貝殻に耳を当ててみた。
 素直に喜んでくれるラルムの眼差しは真っ直ぐだ。
「さあどんな音が聞こえるかな」
 夏の陽射しが輝く最中、ニイナは少しだけ瞼を閉じる。
 水辺での遊びや貝殻、シーグラスが彩ってくれた記憶を思い、ニイナは微笑む。その笑みを見ていたラルムも明るい表情を浮かべ、海辺の景色と空を振り仰いだ。
 貝殻から聞こえるのは、きっと――夏の思い出が織り成す音だ。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV2になった!
【光学迷彩】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV4になった!
【ダブル】がLV3になった!

月影・サザレ
お友達のニア(g03839)ちゃんと!

サザレの大好きな海
どんなお魚さんに出会えるかなぁ?
ニアちゃんの手を取ったら、【水中適応】で海中散歩に出発!

大丈夫よって振り向いて微笑みかけるの
パパとママともお約束したから!
危ないことしないよって

鮫さんいるといいね!あと、恐竜さんも!
笑いかけたら、何だかニアちゃん表情が固いの?

おかしいなぁ
鮫さんも恐竜さんも、きっとサザレたちと良いお友達になれると思うのに

ね、見て見て!
太陽の光、キラキラして綺麗だわ
お魚さんたちもたくさんいる!
【動物の友】で一緒に遊んじゃお!

名前は何て言うのかな?
ニアちゃん、物知り!

え、お魚さんたち食べちゃうの!?
魚は友達、ご飯じゃないわ!


ガーデニア・ラディーチェ
サザレさん(g05062)と一緒に
アドリブ◎

シンジュクの人達って正気なのかしら……?
大空を飛んだり、海底を目指して潜ったり
今でも受け入れ難い現実だわ
生きた時代と価値観が変わり過ぎてて

ちょっと波打ち際でお散歩でも
あら、海は入らないわよ?
泳いだことが無いし、そもそも海の中なんて論外だもの……!

鮫に恐竜だなんて、怖いこと言わないでちょうだい?
実際に居たら、折角のビーチが血祭りになっちゃうわ……!

でも、幻想的な光景ね
海中散歩にもちょっと慣れてきたかも、だわ
どれも、(美味しいことで)有名な魚だもの
知っていて当然でしょう?
海から上がったら、バーベキューでもしましょう?
海の幸が美味しい季節だもの


●海中散歩と青の光
 夏らしい暑さと心地が巡るビーチ。
 目の前に広がる海は、月影・サザレ(蝶々結び・g05062)が大好きなもののひとつ。
「どんなお魚さんに出会えるかなぁ?」
「ちょっと波打ち際でお散歩でもしましょうか」
 サザレがわくわくしている中、ガーデニア・ラディーチェ(クチナシの花護り・g03839)は浜辺を見渡していた。するとサザレがガーデニアの手を取り、海の中に行きたいと誘った。
「ニアちゃん、行こう!」
「あら、海は入らないわよ?」
「どうして?」
「泳いだことが無いし、そもそも海の中なんて論外だもの……!」
 首を横に振ったガーデニアに対してサザレはきょとんとした。理由を聞いたサザレはにっこりと笑い、巡っている水中適応の力があると語る。
「大丈夫よ。パパとママともお約束したから! 危ないことしないよ!」
「待っ――」
「ということで、海中散歩に出発!」
「ええ……!?」
 待って、と言い掛けたガーデニアを半ば強引に引っ張っていったサザレは微笑んでいた。こういうことは話しているよりも実際に見て体験した方が早い。
 泳がずとも海中を進んでいける力は、水中でもまるで地上のように感じられるものだ。新宿島に満ちる効果はとても便利であり、活用することで悪い事態が起こるようなこともない。わくわくした気持ちを抱き、サザレは進む。
「鮫さんいるといいね! あと、恐竜さんも!」
「鮫に恐竜だなんて、怖いこと言わないでちょうだい?」
 抵抗することを諦めたガーデニアは溜息をつく。大空を飛んだり、海底を目指して潜ったり、巨大な氷を出現させることやドローンを飛ばすことが出来る力などは、ガーデニアにとって今でも受け入れ難い現実だった。
 人類史改竄術式、刻逆の影響であるとはいえど、ガーデニアが生きた時代と価値観が変わり過ぎているからだ。
 しかし、習うより慣れろとはよくいったもの。
 サザレに連れてこられているとはいえ、ガーデニアも水中の景色を普通に見つめていた。されど先程の鮫や恐竜というサザレの発言は受け入れられない。
「ニアちゃん、なんで表情が固いの?」
「当たり前よ。危険でしょう?」
「おかしいなぁ。鮫さんも恐竜さんも、きっとサザレたちと良いお友達になれると思うのに」
「実際に居たら、折角のビーチが血祭りになっちゃうわ……!」
 少しばかりすれ違いもあるようだが、基本的にサザレはずっと笑顔でいる。ガーデニアも怒るに怒れず、絆されてしまっていると感じながらもサザレと共に過ごしていった。
「ニアちゃん、楽しい?」
「そうね、幻想的な光景で……。海中散歩にもちょっと慣れてきたかも、だわ」
「良かった!」
 ガーデニアの様子を気にしていたサザレは、その言葉を聞いて本当に嬉しそうにしている。それから暫し海中の景色を楽しんでいると、泳ぐ魚達の群が見つかった。
 ぱぁっと表情を輝かせたサザレはガーデニアを呼び、前方を指差す。
「ね、見て見て!」
「今度は何かしら」
「太陽の光、キラキラして綺麗だわ。お魚さんたちもたくさんいる!」
 動物の友で一緒に遊んじゃお、と決めたサザレは魚達の元に泳いでいった。ふわふわと浮かんでいるような心地の中で魚と戯れる時間はとても楽しい。
「名前は何て言うのかな?」
「あぁ、あれはね――」
 サザレが興味深そうに魚を見つめていると、ガーデニアが名前を告げていく。
「ニアちゃん、物知り!」
「そうかしら。どれも、美味しいことで有名な魚だもの。知っていて当然でしょう?」
「すごーい……って。え、お魚さんたち食べちゃうの!?」
 ガーデニアがさらりと答えたことでサザレが少し驚きを見せた。するとガーデニアは地上の方を指差し、海で過ごすための次の予定の提案していった。
「海から上がったら、バーベキューでもしましょう?」
「魚は友達、ご飯じゃないわ!」
「そう? 海の幸が美味しい季節なのに……」
 そんな会話を交わしていく二人は煌めく水面から見える天を振り仰ぐ。
 目映い太陽の光は階のように水の中に降りそそぎ、海中を明るく照らしていた。その光景を一緒に見つめていたガーデニアとサザレは、同じタイミングでお互いの顔を見遣る。それは全くの偶然で――。
 重なった視線と共に、ちいさな微笑みが咲いた。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【エイティーン】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV5になった!

坂登・悠日理
惺音g03409と

トロピカルなサーフパンツ
アロハシャツ

海だー!
海なんか何年ぶりだろ
てかお台場って泳げるんだ

ていうか
水着はやばいな
いや何でもない
よく似合ってる
水着姿の惺音をちら見
赤くなりつつ視線を外す
その…可愛い
あー折角だし泳ご
手を引き海へ

水中適応があるから素潜りも平気だし
海の中でも余裕だな
…ふぅん?
調子悪かったら言えよ
少し強引に手を引いて
泳いだり海底歩いたり
あ、ほら
魚もいる
意外と綺麗じゃん

疲れたら海面をジンベイザメのフロートでぷかぷか
あ、惺音も乗る?
二人で乗っても平気かなこれ
はは、じゃ代わりばんこだな!

いやーめっちゃ満喫した
子供の頃以来かも
喉乾いたな
何か冷たい物でも食べに行くか
俺ラムネ飲みたい


森瀧・惺音
ゆぅ君g04140と

ワンピースの水着

中学授業以外で水着を着る事って無いから
恥ずかしいし居た堪れない
…ゆぅ君の視線も泳いでるし、やっぱり変なのかな
パーカー羽織ろう…
手を引かれて海へ

そうだね、海の中でも快適
でも、何だろ…
前から泳ぐのは出来たけど
水の中に親しみというか…不思議な感じがする
魔力の羽も青味が強いような…

疑問は最初だけで
ゆぅ君の指す魚を目で追ったり
海中から空を見上げて遊び

ゆぅ君よりも長く海中に居れば
落ちる影に海面を見上げて…
あ、ずるーい
フロートの傍に顔を出して
沈むようなら私は捕まる程度にしとくね

うん、海中で遊ぶって殆ど無いし
チラつく幼少期の記憶も浜辺が多かったから
いいね、かき氷も食べたいな


●海辺の青
 今日の装いはトロピカルなサーフパンツにアロハシャツを合わせたスタイル。
 坂登・悠日理(叡智の眼・g04140)は目の前に広がる景色を眺め、大きく両手を掲げた。
「海だー!」
「海、だね」
 ワンピースの水着姿の森瀧・惺音(眠れる森の魔女・g03409)も彼の傍で夏らしい景色を眺めている。
「海なんか何年ぶりだろ。てかお台場って泳げるんだ」
「刻逆前は遊泳禁止だったけど、今は開放されてるみたい。ディアボロスだから、特別に?」
 悠日理の疑問に答えた惺音は砂浜を見渡した。既に遊んでいる者もたくさんいてとても賑やかだ。成程な、と頷いた悠日理は改めて彼女の水着をちらりと見遣った。
「ていうか、水着はやばいな」
「え……変かな、やっぱり」
 惺音は彼の声を聞き、不安そうな顔をする。中学校での水泳授業以外で水着を着用することはなかった。それなので水着姿は恥ずかしくて何だか居た堪れない。彼の視線も泳いでいると気付いた惺音は俯いた。
「いや何でもない。よく似合ってるから気にするな。その……可愛い」
 悠日理も赤くなりつつ、そっと視線を外す。
 何とか最後に本音を絞り出したのだが、運とタイミングが悪かったのか、いそいそとパーカーを羽織りなおしていた惺音には聞こえなかったようだ。気を取り直した悠日理は惺音の手を取り、先へ誘う。
「あー折角だし泳ご」
「うん、行こう」
 手を引かれた惺音は青い海を瞳に映す。
 新宿島で利用できる効果は多く、今回は水中適応の力を巡らせることが出来た。悠日理は素潜りの要領で惺音と共に海中に向かっていった。
「ずっと潜ってても平気だし海の中でも余裕だな」
「そうだね、海の中でも快適。でも、何だろ……」
「どうかしたのか?」
「前から泳ぐのは出来たけど、水の中に親しみというか……不思議な感じがする」
 惺音は、魔力の羽も青味が強いような、と話した。
「……ふぅん? 調子悪かったら言えよ」
 悠日理は惺音の手を少し強引に引いて、そのまま泳いだり、海底を歩いたりすることで楽しさを示した。惺音が抱いていた疑問も最初だけのものであり、彼がいざなってくれた遊びに意識が向けられていく。彼が指さす魚を目で追ったり、海中から空を見上げてみたりと楽しいことがいっぱいだ。
「わ……すごい」
「あ、ほら。魚もいる。意外と綺麗じゃん」
「本当だね。あの子、ゆぅ君に似てるかも……?」
「えー、どいつ?」
 そうやって楽しんだ二人は少し休憩を取ることも忘れない。まずは悠日理が地上にあがっていき、用意していたジンベイザメ型のフロートに乗り込んだ。
 彼がぷかぷかと浮いている最中、惺音は暫し海中にいた。暫く魚と戯れていた彼女は自分の頭上に落ちてきた影に気付き、海面のフロートの横に顔を出す。
「あ、ずるーい」
「じゃあ惺音も乗る? 二人で乗っても平気かなこれ」
「沈むようなら私は捕まる程度にしとくね」
「はは、じゃ代わりばんこだな!」
 楽しげな声が交わされ、二人で過ごす海の時間が巡っていった。
 それからまた暫し海に潜り、水面から降りそそぐ光の雨に目を細めたり、海中の心地をゆったりと感じたりして――。
「いやーめっちゃ満喫した」
「うん、海中で遊ぶって殆ど無いからね」
 子供の頃以来かも、としみじみと語った悠日理は満足気だ。惺音としてもときおり思い出す幼少期の記憶に浜辺が多かったことで、穏やかな気持ちを抱いていた。
「そういや喉乾いたな。何か冷たい物でも食べに行くか」
「いいね、かき氷も食べたいな」
「俺ラムネ飲みたい」
 悠日理が手招いてくれたことで、惺音がその傍にぱたぱたと駆けていった。
 海で揺蕩うひとときは終わりを迎えても――二人で過ごす夏の時間は、まだまだ終わらない。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV4になった!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!

夜乃・零
マー坊(g06522)と
アドリブ歓迎



マー坊、海は初めてなのか?
じゃあ案内してくれよ
俺は初めてだからな
なんて、からりと笑った
俺の知らないところで
彼は思い出を重ねるんだ、と
感慨深いものもあったけど
言わず、散策がてら浜辺を歩く

ここで走ったら鍛えられそうだな
海でも泳げそうだから
競争するのも楽しいかもしれ、
そこまで言って
視界に入ったゴールに首を傾げ

あそこのアレ、
バスケのゴールじゃないのか?
ビーチバスケなんてあるんだな

あー、はいはい、我慢すんなよ
最後まで付き合ってやるから
手を引かれるままに後ろをついて走り
──あ、水分補給は忘れんなよ
ま、ぶっ倒れたら介抱はするけどな
(おまえが隣に居るうちくらいは、な)


明日河・理
レイ(g04477)と
アドリブ歓迎

_

俺?海は初めてじゃないよ
然し聞けば彼は初めてだと言う
なら俺に任せとけ
そう笑って隣のレイを見上げて

彼の言葉に頷き
確かに良いトレーニングになりそうだよな
戦場を重ねる度、強くなりたいという思いは強さを増して
だからこそより効率的な鍛錬になる様研磨する日々
だがふと途切れた言葉
不思議に思って彼の視線の先を見れば
「……あ」
見慣れた形のゴール
大好きなバスケのものだ

ぜひ、ぜひ1on1したい
レイとするそれは本当に楽しくて大好きで
けど海まで来て付き合わせるのも…と躊躇していたら
レイはお見通しで
彼の言葉に瞳を輝かせ
「──ああ!」
レイの手を引いて元気よく駆け出す


●たとえゴールが別々でも
 青い空、白い波、煌めく太陽の下に響く賑わいの声。
 まさに夏らしい景色を前にして、感じるのは暑くとも爽やかな心地だ。
「マー坊、海は初めてなのか?」
「俺? 海は初めてじゃないよ。それがどうかした?」
 夜乃・零(常闇・g04477)から問いかけられたことに対し、明日河・理(月影・g06522)は首を傾げた。どうやら聞くところによると、零は海が初めてだということらしい。
「じゃあ案内してくれよ。俺は完全に初めてだからな」
 海初心者だ、とからりと笑った零。対する理は穏やかに口許を緩め、隣の彼を軽く見上げた。
「なら俺に任せとけ、レイ」
「大いに頼りにさせてもらおうか」
 零は表情を崩さなかったが、ふと思うことがある。自分の知らないところで彼は思い出を重ねている。零はそのことに感慨深さを感じたが、言葉にすることはなかった。
 そして、二人は散策がてら浜辺をゆっくりと歩いていく。
 夏風が吹き抜けた砂浜は真っ直ぐに続いている。見えたのはたくさん足跡。誰かが歩んだ軌跡が続いている浜辺を遠くまで見遣った零は、思い浮かんだ言葉を声にした。
「ここで走ったら鍛えられそうだな」
「確かに良いトレーニングになりそうだよな」
 理は彼の言葉に頷き、思いを馳せる。戦場に赴き、闘いを重ねる度に或る考えが増していた。
 ――強くなりたい。
 思いは深くなっていくばかり。だからこそ、より効率的な鍛錬になる様研磨する日々を送りたい。零の言葉には同意しかなく、理が納得していたところ。
「海でも泳げそうだから競争するのも楽しいかもしれ――」
 零はそこまで言ってから言葉を区切り、あ、と小さな声をあげた。不思議に思って何かあったのかと聞こうとした理は、零の視線の先を目で追う。その視界に入ったのはゴールポストだ。
「……あ」
 思わず理も同じ声を紡ぎ、零と同じように視線を釘付けにされた。
 見慣れた形のそれは自分が大好きなバスケのものだ。零はゴールを指差し、小さく笑いかける。
「あそこのアレ、バスケのゴールじゃないのか?」
 ビーチバスケなんてあるんだな、と彼が語る間も理の視線は其方に注がれたままだった。その眼差しの意味を理解した零は笑みを深め、理の肩をぽんぽんと叩いてやる。
「あー、はいはい」
「いや……何でも――」
 ない、と彼に言い切られる前に零は先手を打った。
 理のことだから必ず何かしらの遠慮をするだろう。そのように考えたからだ。
「我慢すんなよ。やりたいんだろ?」
「やりたくないわけではない、けど。……したい」
 問われたことで僅かに躊躇った理だったが、最後には素直に首を縦に振る。
 やっぱりな、と笑った零に対して理は願うように告げていく。零とするバスケは本当に楽しくて大好きだった。しかし、海まで来て付き合わせるのも――と躊躇していたのだ。しかし、零にはお見通しだったらしい。
 それゆえに理は零に甘えることにした。
「ぜひ、ぜひ1on1したい」
「それなら決まり。最後まで付き合ってやるから、思いっきりやろうか」
「――ああ!」
 少年らしさを覗かせた理は眸を輝かせる。
 そして、彼は零の手を取ってバスケコートの方に駆けていった。零は手を引かれるままに後ろをついて走りながら、微笑ましい気持ちを感じていた。それから、二人は準備運動をしてからプレイを開始する。
「あ、夢中になって水分補給を忘れたりすんなよ」
「勿論!」
「ま、ぶっ倒れたら介抱はするけどな」
 軽快なプレイと共に会話を交わしながら、二人は海辺のバスケットボールに興じていった。その最中、零は言葉にしない思いを胸の裡に鎮める。
 いつか、或いはいずれ。戦いに赴くときのように、少年が自分の元から離れていく時もあるのだろう。
(「――おまえが俺の隣に居るうちくらいは、な」)
 片時も離れないなんてことは出来ないがゆえ、零はそっと誓った。
 そうして、ドリブルの軽快な音が響きはじめ――楽しい夏の時間が過ぎてゆく。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【士気高揚】がLV2になった!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
【命中アップ】がLV3になった!

レジーナ・ネイサン
【CANVAS】

新宿の海は確り見に来た事無かったな
ディビジョンの海は戦いで遊ぶ処じゃなかったし
お言葉に甘えて楽しもうか

うんうん夏だから眩しいね?
カメラはありません!
はは、ありがとう
ギィースも良く似合ってるよ、水着

だね、折角来たんだし
ざぶざぶ歩いて海へ向かうと簡単に波に足を取られて転ぶ
大丈夫…思った以上に塩辛いな、海…
目の前の手を取り身を起こせば
え、どこ?
本当だ魚がこんな近く
かわいいな

サーフィン?
経験ないけど良いよ
ギィース先生お手本お願いしまーす
うわアッサリと
カッコいいカッコいい(拍手

何か自分もすぐ出来そうな気がするけど
…やっぱりね!!(即落下
もう一回!
こ、こう?

えぇ何でブラシの方が上手いの!?


ギィース・エレクレ
【CANVAS】

確かに新宿島の海って初めてだね
遊んでも良かったんだけどねぇ
おぉ!!レジーナちゃんの水着姿!眩しい!!!
カメラ!!カメラをプリーズ!!
ふふっ、とっても似合って可愛いよ
本当?ありがとう

夏といえば海!!
レジーナちゃん一緒に泳ごう!!
あっ!大丈夫!?
手を差し出して
そりゃ海だもの、海本当に初めてなんだね
魚さん達が挨拶に来たよ、可愛いね!
ねぇねぇ、サーフィンしない?

じゃ俺からやるねー
バランスをとって波の中
おぉ、気持ちいい
どう?カッコ良かった?

レジーナちゃんはどうかな?
大丈夫、大丈夫
次はこうバランスをとって
ほら、ブラシちゃんはバランスとってるよ


●夏の楽しみ方
 思えば、新宿島の海を確りと見に来たことがなかった。
 目の前に広がるビーチを眺めたレジーナ・ネイサン(灰色キャンバス・g00801)は、陽射しを遮る庇を作るように片手を額に添えた。燦々と輝いている太陽の眩さは、まさに夏の雰囲気だ。
「こんなにじっくり見ることってなかったね」
「確かに新宿島の海って初めてだね」
 ギィース・エレクレ(誘惑の道化師・g02447)もレジーナの隣に立ち、広大な海を見つめている。
「ディヴィジョンの海は戦いで遊ぶ処じゃなかったしね」
「遊んでも良かったんだけどねぇ」
「じゃ、思いっきり遊ぼうか。お言葉に甘えてね」
 レジーナが大きく伸びをしながら一歩を踏み出すと、身に纏っている水着が太陽に照らされた。ギィースはその目映さに喜びを抱き、思いのままの言葉を送った。
「おぉ!! レジーナちゃんの水着姿! 眩しい!!!」
「うんうん夏だから眩しいね?」
「カメラ!! カメラをプリーズ!!」
「カメラはありません!」
 燥ぐギィースを軽くあしらい、レジーナはいい笑顔で対処する。ギィースも落ち着いたらしく、お巫山戯は此処までにして、と語った後にレジーナの水着を改めて見つめた。もちろん素直な気持ちで。
「ふふっ、とっても似合って可愛いよ」
「はは、ありがとう。ギィースも良く似合ってるよ、水着」
「本当? こちらこそありがとう」
 レジーナから褒められたことでギィースも上機嫌になる。
 そして、彼は波打ち際まで駆けていく。振り向きながら手招きをするギィースは楽しげだ。
「夏といえば海!! レジーナちゃん一緒に泳ごう!!」
「だね、折角来たんだし――わっ」
 レジーナも彼を追って、ざぶざぶと波間を歩いて行こうとした。しかし、不意に波に足を取られて転んでしまう。
 はっとしたギィースは慌てて彼女の元に駆け寄った。
「あっ! 大丈夫!?」
「大丈夫……」
 ギィースが手を差し出してくれたことで、レジーナも腕を伸ばし返す。しかし、どうやら転んだ拍子に海水が口に入ってしまったようだ。口の中に違和感を覚えた彼女は軽く舌を出していた。
「思った以上に塩辛いな、海……」
「そりゃ海だもの、本当に初めてなんだね」
 目の前の手を取り、身を起こしたレジーナが不思議がっているのでギィースは少し微笑ましくなった。其処から水中適応の力を巡らせた二人は暫しの海中遊泳を楽しむことにした。
「魚さん達が挨拶に来たよ、可愛いね!」
「え、どこ?」
「こっちこっち!」
「本当だ、魚がこんな近くて……かわいいな」
 水中を泳ぐ魚を見付けたギィースが指差す先を見遣り、レジーナは首を傾げる。魚達はすいすいと泳いで此方に近付いてきたらしく、レジーナの口許も綻んだ。
 たくさんの魚達と戯れて遊んだ後は、海ならではのスポーツをやってみてもいい。
「ねぇねぇ、サーフィンしない?」
「サーフィン? 経験ないけど良いよ」
「じゃ俺からやるねー」
「ギィース先生お手本お願いしまーす」
 海面に上がったギィース達はボードを借りてきていた。バランスを取りながら進み、波が来たところで一気にボードの上に立つ。そうすれば心地良い風と波飛沫を感じられる。
「おぉ、気持ちいい」
「うわアッサリと」
「どう? カッコ良かった?」
「カッコいいカッコいい」
 いとも簡単に波に乗った彼にレジーナが拍手を送った。
「レジーナちゃんはどうかな?」
 ギィースの姿を見たことでレジーナは自分もすぐに出来そうな気分になっていた。
 しかし、悠々と成功させている自分の姿はイメージの中だけのものであり――レジーナは即落下した。
「……やっぱりね!! でも、もう一回!」
 半ば予想していたことだったのでレジーナはそれほどめげなかった。その様子を見ていたギィースは可笑しげに口許を緩め、彼女の補助に入っていく。
「大丈夫、大丈夫。次はこうバランスをとって」
「こ、こう?」
 彼に教えて貰うことでレジーナは徐々にコツを掴み始める。すると横の方にモーラットの影が現れた。ギィースはブラシが実に上手いお手本を見せてくれているのだと気付き、レジーナにその様子を示してみせた。
「ほら、ブラシちゃんはバランスとってるよ」
「えぇ何でブラシの方が上手いの!?」
 レジーナがあげた驚きの声が海辺に響いた。
 すぐに続いた笑い声に混じっていくのは穏やかな波の音。こうして此処からも、楽しい時間が巡っていく。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【液体錬成】LV1が発生!
【現の夢】がLV2になった!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
【ロストエナジー】がLV3になった!

ラト・ラ
マティアス(g00097)と

賑やかにはしゃぐ声を海風が運ぶ

――一方、此方はパラソルの下
「マリンスポーツとか挑戦したかった?」
傍に並べられているのは
様々な大きさの貝殻やシーグラス
寄せる波と遊びながら浜辺を歩き二人で集めたもの
それだけで早くもバテを感じ、ここへ避難してきたのだった

マティアスは器用だから
サーフィンでも何でもこなしてしまいそうね

ちらと横目で彼を見る
でも、今みたいな過ごし方も楽しんでくれていたらいいなって――
考えているうちに、早々に溶けだすアイスクリーム
彼に指摘されて、あわてて舐めとる

冷たくて、甘い

2人でいれば、狭い日陰も楽しい贅沢な空間…なんて
思っているのが自分だけじゃありませんように


マティアス・シュトローマー
ラト(g00020)と

今日の戦果を満足げに眺めながらアイスキャンディーを齧る
焼け付くような砂の熱さも、静かに寄せる波の柔らかさも、内陸出身の俺からすれば全部が新鮮で
何より、隣にいる——

え?……ああ
ラトが見ててくれるなら、やってみてもいいかも。俺にかかれば乗れない波は無いだろうし!

さっきまでの思考を打ち消すように軽口を叩いてみる。俺だけ意識してるのも何だか悔しいし

ラト!アイス溶けてる
……いるよなー。アイス溶けるまでぼーっとしてる小さい子

慌てる様子が可愛らしくてつい揶揄ってしまう。ムッとする表情が見れれば作戦成功!
俺の前では、そのままの飾らないラトでいて欲しいなって
……まあ、絶対に言わないけど


●シーグラスの心
 空から降りそそぐ夏の陽射しは眩い。
 マティアス・シュトローマー(ザ・フール・g00097)は、今日の戦果を満足げに眺めながらアイスキャンディーを齧る。賑やかにはしゃぐ声を海風が運んでくる最中、ラト・ラ(*☽・g00020)はパラソルの下で目を細めた。
 焼け付くような砂の熱さも、静かに寄せる波の柔らかさ。
 それから海辺の香りや、照りつける太陽を反射する水面も。内陸出身のマティアスからすれば全部が新鮮なもの。
 何よりも、隣にいる――。
 マティアスが其処まで考えたとき、ラトから声が掛けられた。
「マリンスポーツとか挑戦したかった?」
「え? ああ……」
 彼らの傍らに並べられているもの。それは様々な大きさの貝殻やシーグラスだ。
 寄せる波と遊びながら、浜辺を歩いて二人で集めたものが今日の戦果という名のちいさな宝物だ。それなりに集められたはいいものの、ラトはそれだけで早くも疲労してしまった。
 そんなわけで二人はこのパラソルに避難してきたというわけだ。急に問われたことでマティアスは頬を掻く。楽しくないように思えただろうか。貝殻集めも充分楽しかったのだが、ラトが気にしてくれているらしい。
「ラトが見ててくれるなら、やってみてもいいかも」
「マティアスは器用だからサーフィンでも何でもこなしてしまいそうね」
「そう、俺にかかれば乗れない波は無いだろうし!」
 マティアスはあくまでラトと一緒がいいのだと暗に示した。同時に、先程までの思考を打ち消すように軽口を叩いてみせたのは少し悔しかったから。自分だけ彼女を意識してしまっているかもしれない、ということが気になるお年頃だ。
 ラトはちらりと彼を見遣ってから安堵めいた気持ちを抱いた。遊びたい盛りであろう彼が、今みたいな静かな過ごし方も楽しんでくれていたならばいい。
 そんなことを考えているうちに、ラトが手にしていたアイスクリームが溶け出していた。
「ラト!」
「……?」
「アイス溶けてる!」
「……あ」
 暑さの中ではアイスクリームの賞味期限は驚くほど早い。彼に指摘されたラトが慌てて溶けた部分を舐めとれば、ひやりとした感覚が口の中に広がった。
 冷たくて、甘い。
 ふわふわとした味わいを確かめたラトは、そのまま二口ほどアイスクリームを口にした。マティアスは既にアイスキャンディーを食べ終えており、ラトの様子を見守っている。
「……いるよなー。アイス溶けるまでぼーっとしてる小さい子」
 慌てる様子が可愛らしくて、つい揶揄ってしまうのはお約束。もし彼女がこの意図に気付いて少しでもムッとする表情が見られれば作戦は成功。何故なら――。
(「俺の前では、そのままの飾らないラトでいて欲しいな」)
 特別になりたいだなんていうと自分自身で否定してしまいそうになる。それでも、変わらない当たり前がお互いの間にあるということは、やはりそれこそが特別なことなのだと思う。
 マティアスはアイスクリームを頬張る彼女の横顔を暫し眺めていた。
 視線を感じながらも、ラトは懸命に甘さを味わっていく。食べきれなさそうな分をマティアスに譲ればよかっただろうか。そんな風にも思ったが、それが出来るほどラトも器用ではない。
 けれども、今はこれでいい。
 二人でいれば、狭い日陰も楽しい贅沢な空間――だなんてことをラトは思っている。
(「そう感じているのが自分だけじゃありませんように」)
 ラトは言葉にしない思いを胸に秘めた。
 手持ち無沙汰になったマティアスは傍らのシーグラスに手を伸ばす。日に透かしてみても曇った硝子越しに見えるのは鈍い太陽の光のみ。まるで今の自分達の形を表しているようだ。
 綺麗だけれど透き通ってはいない。削ってみれば元の透明な輝きが見えるはずだが――。
(「そんなこと……まあ、絶対に言わないけど」)
(「……楽しい」)
(「一緒にいるだけで――」)
 不意にマティアスとラトが同時にお互いを見遣る。
 視線が重なったことで擽ったさが巡り、二人は静かに笑いあった。夏の陽射しはそんな二人を明るく照らしていく。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【悲劇感知】LV1が発生!
【アイテムポケット】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】がLV4になった!
【ダメージアップ】がLV6になった!

エリル・ウィスタリア
【ミント】
うーみー!!水着もばっちり、遊ぶ準備ばっちりよ。
…ところで、弟が大荷物で大変な事になっているのだけど、なにこれ?まさか全部食材…?
あ、私マスターから冷たいミントティー預かってきた!

浜辺でバーベキュー。
弟はビーチパラソル持たせておくわ。
しかしすごい量…。
まさかの本当に全部食材だったわ…。
お肉美味しいわね。マスターのたれとあって最高。

沢山食べたら食後の運動よね。
え、スイカ割り?やってみたい!ちゃんと刀も持ってきたの!って返してぇぇ!!

くすん、いいもん。順番が来るまでわいわいしてる。あ、人形ずるい!反則よ!

見えなくてもなんとかなるもん。
精神統一してー、スイカの気配を辿ってー、そこよっ!!


五百雀・翠
【ミント】
貸し切りとは思い切ったな。
遊ぶ余裕が出来たのは良いことだ。

そんなわけで、いつもの連中でバーベキュー。
人形たちにも手伝って貰って運び込んだ食材を焼いていくぜ。
昨日のうちに仕込みは頑張った。うん。
肉タワーを2度見しながら串やら野菜やら焼いてく。
お前ら野菜も食えよ?好き嫌いダメだからな。

スイカ割りはオリヴィエにやり方説明しつつ冷えたスイカを置いてこよう。
他の連中がやる時はてきとーに声をかけ…かけ…。
おうこら、本気の武器を持ち込んだ悪い子はいねえか?今、刀見えたぞー。没収な。人形もかよ!
まったく、油断も隙もありゃしねえ。

俺の番は耳を傾けながら精神統一してどーんといこうな。
外しても気にしない。


オリヴィエ・ルー
【ミント】
いつもの友人たちと水遊びに。コッペリアは荷物持ち
なんだったかな……焼くとか割るとか聞いているけれど、何するんだろう

ああ、なるほど。焼肉の屋外版、もといバーベキューか
食べる方の勢いがすごいし、ボクも焼く方を手伝いに行こうかな
たとえ焦げていても【おいしくなあれ】でいい感じになる……はず

スイカ割りというのも見学させてもらうね
外からアレコレ言うの、結構面白いかもしれない……ちょっと適当な事言って、遊んでみようかな
仲の良い人達相手だし、少しぐらいはいいよね

あれ、ボクもやるの?いや、こういうのはきっと見ていた方が面白いものだと思……
コッペリア、ボクの代わりにスイカをどうにかして来るんだ、いいね?


三苫・麻緒
【ミント】
力をいれるべき場面で全力を出すためにもリフレッシュは大事だからね!
夏の海、たーのしーむぞーっ!!

夏の海でするバーベキューは一味違うよね!
翠さんが仕込みを頑張ってくれたみたいだし、今日はたくさん食べちゃうぞー
…莱くんも串でぷすっとされたいのかなぁ?
まあ、それはさておき
お肉に人参、ピーマン、玉ねぎ、トウモロコシも持ってきちゃった
【おいしくなあれ】も使ってどんどん焼いていっちゃおうねー

締めはスイカ割り!
冷やしてくれてたの?助かるー!
ふふ、割って楽しいデザートにしてもおいしいでホント優秀
ガヤのときはふわふわーっと指示を出して楽しもうね
自分が割るときは…本気で棒を振り下ろしちゃおう


枸橘・蕙
【ミント】
にーちゃんねーちゃん、あと友だちと海だ!
よくおれ達が『りすぽーん』する海とは全然ちがうんだな、へーわだぜ
バーベキューってきいたし、今日はたくさんたべるぜー!

まず焼くのが肉、もっかい肉、それでトドメに肉!
たくさん焼いて肉タワーしようぜ!タワー!
ピーマンと玉ねぎは……おれしらね。だれかが食ってくれるはず!

しょくごのうんどーはスイカ割り!
スイカは【アイスクラフト】でひんやりさせたから、ぜってーうまい、はず!
おーえんする時は、声おっきくしてやるぜ!
おれがわる時は……数撃ちゃ当たるって、なんか誰かが言ってた!やるぜ!(ぶおんぶおん)


葉古森・莱
【ミント】
漂流してからあちこちの海に連れて行ってもらったけど、まだぼくが知らない海の遊び方があるの…?
…えへへ、ちょっと、楽しみ

ばーべきゅー?(首かしげ)
…あ、なるほど
よく食べる麻緒さんが好きそうな…ごめんなさい!ごめんなさい!
マスター特製タレを預かってきたからそれで許してぇ!
野菜も食べる、けど…お肉多いね…?

スイカ割り…あ、見たことあるかも
あのとき刀は見なかったと思うけど…あ、やっぱり違うんだね…
けだまも楽しそうに鳴いてるけど、けだまの指示は他の人はわからないと思うよ?
だから、ぼくの番のときに助けてね
がんばるから…!
(そして本番、方向感覚を狂わされて明後日の方向へ)(案の定転ぶ)


●BBQとスイカ割り
「海よ、海。うーみー!!」
「太陽に砂浜、夏の海。たーのしーむぞーっ!!」
 青い水面と心地良い夏の風を感じながら、エリル・ウィスタリア(雪を待つ花・g00912)と三苫・麻緒(ミント☆ソウル・g01206)は燥いだ声を響かせた。
 今日も何処かで戦いの種が芽生えているとしても、力をいれるべき場面で全力を出すためにもリフレッシュは大事なこと。そんなわけで今日は水着も遊ぶ準備もばっちりだ。
「にーちゃんねーちゃん、こっちこっち!」
 枸橘・蕙(そらを描く・g02980)も砂浜を駆けていき、尻尾を楽しげに揺らしている。ディヴィジョンの境目としての海とは全然違うと感じた少年は、平和な雰囲気を楽しんでいた。
 女子達を見守る五百雀・翠(天つ風・g03977)は両腕を組み、波打ち際に響く音を聞いている。
「貸し切りとは思い切ったな。遊ぶ余裕が出来たのは良いことだ」
「なんだったかな……焼くとか割るとか聞いているけれど、何するんだろう」
 オリヴィエ・ルー(青を宿す・g01610)もいつもの友人達の姿を見つめていた。不思議そうにしている彼の傍には荷物持ちのコッペリアが佇んでいる。葉古森・莱(迷わし鳥・g04625)も一緒になって、こてりと首を傾げている。
 すると蕙が大きく胸を張る。
「バーベキューってきいたし、今日はたくさんたべるぜー!」
「ばーべきゅー?」
「そう、色々焼くんだぜ!」
「それが焼くものの正体……」
 莱とオリヴィエにバーベキューとは何かを教えた蕙は得意気だ。その話を聞いた莱もわくわくしはじめた。
 漂流してから、あちこちの海に連れて行って貰ったが――。
「まだぼくが知らない海の遊び方があるの……? えへへ、ちょっと、楽しみ」
 莱もふわふわとした尾で感情表現をしながら、これから始まる時間に思いを馳せていく。エリルは少年の反応を微笑ましく思いながら、弟の方を見遣った。
 エリルが持たせたビーチパラソルの他に、弟はたくさんの荷物を抱えている。
「ところで、弟が大荷物で大変な事になっているのだけど、なにこれ?」
「人形達にも手伝ってもらったんだ」
「まさか全部食材……? マスターから冷たいミントティーを預かってきたけど、それだけじゃないのね!」
「昨日のうちに仕込みは頑張った。うん」
 どうやらあの荷物は翠の仕業、もとい準備品だったらしい。
 用意された焼き網を広げた翠は運び込んだ食材を焼きはじめた。次第に良い香りが辺りに漂いはじめ、麻緒の瞳がきらきらと輝きはじめる。
「夏の海でするバーベキューは一味違うよね! 翠さんの仕込みに感謝しながら、今日はたくさん食べちゃうぞー」
 既に箸と紙皿を用意している麻緒の気合の入り方は相当なものだ。
 翠や麻緒の様子を見ていたオリヴィエと莱は納得しつつ頷く。立ち昇る煙まで良い香りがしていた。
「ああ、なるほど。焼肉の屋外版、もといバーベキューか」
「こうやって焼くんだね。よく食べる麻緒さんが好きそうな――」
 しかし、莱の言葉は妙な威圧感によって途切れた。
 いつの間にか背後には麻緒が立っている。
「麻緒さん、の前に余計な言葉が付いてなかった? ……莱くんも串でぷすっとされたいのかなぁ?」
「ごめんなさい! ごめんなさい! マスター特製タレを預かってきたからそれで許してぇ!」
 涙目の莱がぱたぱたと逃げ回る様は賑やかだ。
 一方、焼き網の前では蕙が肉祭を開催していた。その様子をエリルが驚きながら見つめている。
「まず焼くのが肉、もっかい肉、それでトドメに肉!」
「しかしすごい量……。まさかの本当に全部食材だったわ」
「たくさん焼いて肉の塔をたてようぜ! チキンミートビーフタワー!」
「おー、タワーな。タワー?」
 翠は思わず肉の塔を二度見しながら、新しい串や野菜を焼いていく。気を取り直した麻緒も翠に倣って人参やピーマン、玉ねぎ、トウモロコシなどの野菜を並べていった。
「どんどん焼いていっちゃおうねー」
「食べる方の勢いがすごいし、ボクも焼く方を手伝いに行こうかな」
「お前ら野菜も食えよ? 好き嫌いダメだからな」
 麻緒に続いてオリヴィエが焼き係にまわり、翠は主に少年達にちょっとした注意を飛ばす。
「野菜も食べる、けど……お肉多いね……?」
「ピーマンと玉ねぎは……おれしらね。だれかが食ってくれるはず!」
「だめだよ、おいしくなあれしたから食べようよ」
 素直に聞き入れる蕙に対して、べ、と下を出した蕙。彼の皿に焼けた野菜をどっさり乗せる麻緒。その最中、エリルは特製の焼肉だれを味わっていく。
「お肉美味しいわね。マスターのたれとあって最高! あら、こっちの野菜焦げてない?」
「たとえ焦げていてもおいしくなあれでいい感じになる……はず」
 オリヴィエは焦げたものを退避させながら、皆に気を配っていった。其処に冷たいミントティーが振る舞われることでさっぱりとした心地が広がっていく。
 バーベキューの時間は賑やかで和気藹々とした雰囲気になっていた。
 暫しの時間が流れ、やがて食事の時間は名残惜しくも終わりを迎える。

 ゆったりした小休憩を挟んで、次に海で楽しむことといえば――。
「たくさん食べたら食後の運動よね」
 海を眺めながら、エリルはどんな遊びをしようかと考えていた。すると麻緒が夏の風物詩でもあるゲームをしたいと申し出る。ビーチにバーベキューとくればやはり定番のあれだ。
「締めはスイカ割り!」
「だな、ちゃんと冷やしておいたぞ」
「スイカ割りというのか。見学させてもらうね」
「冷やしてくれてたの? 助かるー!」
 翠はオリヴィエにやり方を説明しつつ、適当な位置に冷えたスイカを置いてきた。麻緒は期待いっぱいの目でスイカを見つめ、少年達をおいでおいでと手招く。
「おー! しょくごのうんどーはスイカ割り! おれもスイカを氷でひんやりさせたのみてたぜ。割ってみんなでくったら、ぜってーうまい、はず!」
「スイカ割り……あ、見たことあるかも。……楽しそう」
「え、スイカ割り? やってみたい! ちゃんと刀も持ってきたの!」
「あのとき刀は見なかったと思うけど……」
 蕙と莱がそわそわしはじめたことで、エリルもスイカ割りに興味を持っていく。彼女が取り出してきたのは本物の刃であり、それを見た莱が不思議そうにしていた。
 エリルがスイカ割り銃刀法違反に接触したことに気付き、翠がすかさずフォローに入る。
「おうこら、本気の武器を持ち込んだ悪い子はいねえか? 今、刀見えたぞー。没収な」
「あ、やっぱり違うんだね……」
「って返してぇぇ!! 弟もやる気だったのに!」
「人形もかよ! まったく、油断も隙もありゃしねえ」
「くすん、いいもん。順番が来るまで弟とわいわいしてるから」
 拗ねるエリルの傍には麻緒がついてやり、よしよしと慰めてやっていった。そうして其処から、順番にスイカ割りに挑戦していく時間が巡っていく。
「ふふ、割って楽しいデザートにしてもおいしいでホント優秀。ということで挑戦!」
「ねーちゃんがんばれー!」
 目隠しをして棒を構えた麻緒は一番手。
 大きな声で元気よく蕙が応援してくれたのでやる気も満ちていく。右だ、と誰かが告げたことで麻緒は狙いを定めた。しかし、本気で棒を振り下ろしたのだが当たっても割れなかった。
「あちゃー、力が足りなかったかな。次の人どうぞ!」
「あれ、ボクもやるの? いや、こういうのはきっと見ていた方が面白いものだと思……」
「いいからいいから!」
 麻緒に押されて登場した二番手はオリヴィエだ。すると莱の傍にいたけだまが楽しそうに鳴いた。
 どうやら指示に加わっているらしいが、けだまの声はきゅぴきゅぴと響いているだけ。オリヴィエも迷ってしまったらしく、結果的に二番目のチャレンジも失敗に終わった。
「指示は他の人はわからないと思うよ? だから、ぼくの番のときに助けてね」
「もきゅ!」
「がんばるから……!」
 そして、次は莱の番だ。願ったとおりにけだまが応援してくれたが――残念。方向感覚を狂わされて明後日の方向へ棒を振り、莱は転んでしまった。
 そんなお茶目もまた仲間達にとっては可愛らしいもの。助け起こされた莱は尻尾が砂だらけになりつつも、楽しかったと笑っていた。そうしていると、オリヴィエのコッペリアが立ち上がった。
「こうなったら……コッペリア、ボクの代わりにスイカをどうにかして来るんだ、いいね?」
「あ、人形ずるい! 反則よ! 次は私がするわ」
 しかし、弟の参戦を封じられたエリルが黙っていない。次で絶対に割ると決めたエリルは目隠しをいそいそと装着してから、棒を真っ直ぐに構えた。
「見えなくてもなんとかなるもん。精神統一してー、スイカの気配を辿ってー、そこよっ!!」
「まだまだだよー」
「え?」
「もうちょい先だ」
「ねーちゃん、ふぁいとおー!」
 さっそく棒を触ろうとしたエリルだったが、麻緒と翠、蕙がまだ振らなくてもいいと指示した。それを見ていたオリヴィエは指示への楽しさを見出している。
「外からアレコレ言うの、結構面白いかもしれない……」
 適当なことを言って遊んでみようかな、と呟いたオリヴィエは静かに笑む。これが知らない人相手ならば兎も角、誰もが気の知れた仲だ。少しぐらいはいいはず、と結論を出した彼はそっと口を出した。
「そっちじゃないよ、後ろだよ」
「こっち? え? え……なにもないわ!?」
「あーあ、騙されたな」
 翠は見事にオリヴィエの策略に嵌ったエリルに、どんまいと告げた。そんなこんなで次は翠の順番だ。
 皆が告げてくれる声に耳を傾けながら、精神統一をした彼は凛と構えている。そして――。
「どーんといくか! スイカは……きっとここだ!」
「にーちゃん、はずれだ!」
「わ……惜しかったね……。もうちょっとだったよ」
 だが、翠もまた惜しいところで外してしまった。少年達が尻尾を下げる中、翠は気にしていない様子で笑みを返す。そうして、いよいよ最後は蕙の番だ。
「おれにすべてがかかってる……。数撃ちゃ当たるって、なんか誰かが言ってた! やるぜ!」
 皆がスイカを食べられるかどうかは彼次第。
 ぶおんぶおんと棒を振り被った蕙が一気に駆け出し、目にも留まらぬ速さの連撃を繰り出した瞬間。
 小気味のいい音と共にスイカが真っ二つに割れた。
「わあ……!」
「すごいすごい、大当たりだよ!」
「見てたかな、コッペリア。あれがスイカ割りの極意なのかもね」
 莱が驚きの声をあげ、麻緒が両手を上げて喜び、オリヴィエが感心する。エリルも綺麗に割れたスイカに視線を向け、誇る蕙と一緒に断面を眺めた。
「これでやっとスイカが食べられるのね」
「やったぜ! 次はスイカタワーもつくるぜー」
「はいはい。それじゃ人数分に切り分けていくから並べー」
「はーい!」
 翠がナイフを取り出してスイカを取り分けていき、仲間達は彼の元に駆け寄っていった。

 夏の陽射しは燦めき、波音は変わらず心地良い音を響かせていた。
 こうして夏の一幕として楽しい時間は過ぎていき――今日もまた、皆の心に思い出が刻まれていく。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV5になった!
【託されし願い】がLV2になった!
【壁歩き】がLV2になった!
【怪力無双】LV1が発生!
【アイスクラフト】がLV2になった!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【グロリアス】がLV2になった!
【凌駕率アップ】がLV2になった!
【命中アップ】がLV5(最大)になった!
【ダメージアップ】がLV7になった!
【ダブル】がLV4になった!

エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
残留効果活用

さあ、忙しくなる

まず現地の油屋、ワインセラーや醸造家、蜂蜜農家や商店等を巡り液体錬成を仕込む

アイテムポケットで物資持ち込み
食糧と、現地に存在し育ちやすい作物の種苗を
短期収穫用と年間用のもの
根菜やジャガイモは前例があるか

口福の伝道者で食事し増加分を貯蔵
日持ちのするパンに塩漬けや薫製の肉、油漬けの魚を挟み
ドライフルーツで栄養確保
地下か地中にアイスクラフトで貯蔵用の氷室を作れるか試そう

ディアボロスを名乗り
現地の纏め役に会う
当座と将来の食糧計画を話しあうよう伝える
不足に備え、物資を分かち合うこと
農業計画や適した作物や畜産の確保

余裕あれば再会を祝して演奏を
公国の人々に会いたい


●パルマ公国拠点化計画
 ――断頭革命グランダルメ、パルマ公国。
 淫魔宰相の支配から解放されたこの地にもまた、夏がやってきた。
 
 このパルマ公国を拠点化する提案。
 それを掲げた本人、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は今、街中に訪れている。
「さあ、忙しくなる」
 此処をディアボロスの拠点にするためには、まず公国に住む人々が生きられる環境にしなくてはならない。
 エトヴァがまず目をつけたのは現地の油屋。他にはワインセラーや醸造家、蜂蜜農家や商店。そういった場所を巡り、液体錬成を仕込むに相応しい店を借りていった。
 クロノヴェーダの支配から逃れたことで、流通が止まってしまったパルマ公国にはまず食料や飲料が必要だ。
 エトヴァはまずアイテムポケットで持ち込んだ物資を配備していくことに専念した。丁度いい場所が見つかったことで暫くの飲料や油などは溜め込んでおけるだろう。
「さて、次は――」
 収穫できる食糧の用意も必要だ。エトヴァは現地に存在しており、かつ育ちやすい作物の種苗を見繕う。
 短期収穫用と年間用、どちらも必要だ。根菜やジャガイモ等は他のディヴィジョンでも前例があるゆえ、そういったものを中心に栽培することを人々に勧める。
 それだけではなく、エトヴァは口福の伝道者を用いることも考えていた。
 パルマの街にある食堂に訪れた彼は、其処で食事することでまずは一般人の好む食料を増やす。朝食には親しみやすいものを、昼食には日持ちのするパンに塩漬けや薫製の肉、油漬けの魚を挟んだものを食べ、ドライフルーツで栄養を確保するという徹底ぶり。
「後は夕食だが……そうだ、さっきの食堂で人気のメニューを出してもらおう」
 そうすれば住民も喜んでくれるはずだ。
 夜の予定を考えながら、エトヴァは地下か地中にアイスクラフトで氷を作り、貯蔵用の氷室を作れるかどうか試す計画を練っていく。結果的にディアボロスが離れたことで氷は時間で溶けてしまうことが分かった。パルマの地とはいえ、夏という季節柄そうなるのだろう。
 だが、出来ることと出来ないことを判別していくのも大事なことだ。
 エトヴァは次にディアボロスを名乗り、パルマの街の纏め役がいないかを探していった。
 しかし、少しばかり問題もある。
「そうか、以前までクロノヴェーダが支配していたからか……」
 パルマ全体の明確な纏め役という位置にいる人物は、少なくともエトヴァが聞いて回った範囲にはいなかった。
 当座と将来の食糧計画を話しあいたいと伝えたかったのだが、これはディアボロスが何度も訪れて決めていかなければならないことかもしれない。
 だが、エトヴァは立ち寄った食堂の店主に、或ることを伝えてきた。
 不足に備え、物資を分かち合うこと。
 できれば農業計画を立て、適した作物や畜産を確保すること。住民が完璧にこなすのは無理かもしれないが、伝えることで心構えや考えを教えておくことは出来た。
「駆け足で行ったけれど、ひとまずはこんなものか」
 パルマを拠点化するには定期的にこうした活動を続けていくほかない。一息ついたエトヴァは広場に向かうことで気持ちを切り替え、古めかしいチェロを取り出した。
 再会を祝すエトヴァの演奏が響き渡り、周囲には人々が集まってきて――。
 この活動がどのような花を咲かせ、実を結んでいくか。それはまだ誰も知らない。
 されど、此処には悪から取り戻した平穏が満ちている。願わくは、この平和がずっと続いていくように。
 望みは音楽に込められ、パルマの街に響いていった。
 
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】がLV3(最大)になった!

宝心・ライラ
アドリブ絡み歓迎
この街には素敵な思い出がたくさんあるの!「
困ってる人がいるなら、私がハッピーにしてあげるわ

【口福の伝道者】で食べ物を増やして回るわ
でも新宿島から持ち込んだ食べ物じゃ、この時代の人の口には合わないかも…
そうだ!この街に元からある食べ物を増やすことにしましょう!

「ねえ、そこの人?毎日食べたいくらい好きなご馳走はなあに?私が増やしてあげるわ!」
排斥力が少ないパルマならディアボロスだと自己紹介すれば信用してもらえるはず
街の人達から美味しい食べ物やお店を紹介してもらって、お腹がはちきれるまで色々な物を食べてドンドン増やしていくわよ♪
「うふふ、皆がハッピーになってくれて嬉し…うっぷ」


●口福の道標
 この街にはたくさんの素敵な思い出がある。
 太陽の歌を初めて皆で歌った日。サーカスと共演したあの時。革命の日にもう一度、彼らと同じ舞台に立てたこと。
 そして、皆で蜂起したあの日。
「縁が深い街だもの。困ってる人がいるなら、私がハッピーにしてあげるわ!」
 宝心・ライラ(ミス・ハッピーエンド・g01071)は、パルマの国の幸福を心から願っていた。
 排斥力を完全になくせなくとも、ディアボロスがここから離れると忘れ去られてしまうという状況であっても、この街の人々はディアボロスを信じている。
 ひとたび復讐者と会えばすぐに記憶を取り戻す人もいれば、普段から朧気に覚えていてくれる人もいる。
 たとえ名を忘れられたとしても、たとえ出会った時しか語り合えなくてもいい。こうやって此処に訪れ、支援を続ければ更に明るい未来が切り開けるはずだ。
「よーし、今日の私は言葉通りの口福の伝道者よ! 食べ物を増やして回る――のはいいけれど……」
 ライラはちゃんと考えていた。
 もし新宿島から食べ物を持ち込んだとしても、この時代の人々の口には合わないかもしれない。自分達が考えるご馳走や普段の食事と、彼らの食べたいものにはきっと大きな乖離がある。そこでライラは或ることを思いついた。
「そうだ! この街に元からある食べ物を増やすことにしましょう!」
 ――ということで、ライラは酒場に訪れていた。
 少し聞いて回ったところ、この店は街の人々にとても人気な場所らしい。酒類は他の大人に任せるとして、ライラは普段から口にする食事を増やすつもりでいる。
 今も昼食をとりに訪れた人々がおり、絶好のチャンスだ。
「ねえ、そこの人?」
「うん? どうしたんだい、お嬢さん」
「毎日食べたいくらい好きなご馳走はなあに?」
「ああ、それなら――」
 ライラが話しかけた男性は店の看板メニューを挙げた。流通が途絶えている状況だが、この店は何とかメニューを出しているようだ。完全に食料がなくなる前に訪れられたことや、他の復讐者が努力して物資を届けているおかげだろう。
「それなら私が増やしてあげるわ!」
「ええっ、そんなことが出来るの? だったら私はこっちのメニューを!」
 ライラの言葉に驚きつつも、完全に信頼している女性が追加で食事を指差した。ライラは任せて欲しいと胸を張り、酒場の人気メニューを食べて増やしていった。
 それだけではなく、ライラは他に美味しい店や人気の食べ物はないかリサーチしていく。
 今回は昼食だったが、次は夕食として別の食事を取る目的だ。口福の伝道者は便利だが際限なく食料を増やすことは出来ず、『食事』としてカウントされる分を増やせる能力である。
 それゆえにライラは限界ギリギリまで、言うならばお腹がはちきれるまで色々な物を食べていく心算で――。
「うふふ、皆がハッピーになってくれて嬉し……うっぷ」
 最後の方は少し言葉が覚束なくなりながらも、ライラ自身も満腹な幸福を感じている。
 ハッピーエンド。
 いつか必ず訪れるときを思いながら、ライラは満足そうな笑みを浮かべていた。
 
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【口福の伝道者】がLV2になった!

ニア・マシュマリー
【夢灯り】
レイのドライフルーツおいしそう……。
ニアはじゃがいもやトマト……。他にもお野菜いっぱい持ってきたから……。
場所借りて一緒にお料理したい……。

お野菜届けに来たかったのこの場所……。リアーヌとセヴランいるかな……。
2人と再会の挨拶をしたり……。リアーヌとハグした後……。レイをリアーヌに紹介する……。
リアーヌ……。紹介するね……。ニアのお友達のレイ……。優しいお姉さんだから……。リアーヌにも紹介したかったの……。

お料理する時……。ニアはお野菜の皮むきしたり食器を並べたりして出来ることでお手伝いして……。
食堂にいるみんなと楽しくご飯食べれるように頑張る……。

(チーム外連携・アドリブ歓迎です)


レイ・シャルダン
【夢灯り】ニアちゃんと。
チーム外連携・アドリブ歓迎。
残留効果は積極的に使用。

所属旅団の学校の生産区画で作っている果実や根菜等でドライフルーツを作り
長期的な保存が効く様にしてアイテムポケットで大量に持ってきましょう。
ニアちゃんも一杯持ってきてますね、後で一緒にお料理しましょうか。
また現地に参加されている人の手助けを積極的に行います。

現地でニアちゃんのお友達を紹介して頂いたらカーテシーをしてご挨拶。
その後一緒に持ってきた野菜を料理して、ドライフルーツ共々食事をして
【口福の伝道者】で数を増やしましょう。

ドライフルーツは保存してもらい、料理はその場で皆と共に楽しめれば嬉しいですね。


●幸福と幸運を
 グランダルメに残っている排斥力。
 それによって、パルマの人々も普段はディアボロスのことを忘れてしまっているようだ。
 しかし、こうしてニア・マシュマリー(いつの間にか吸血鬼・g07451)やレイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)が訪れれば、関わりのある者はすぐに思い出してくれるという。
 それに加えて現在、革命後のパルマには復讐者に関わりのない者の方が少ない。
 こうしたことを繰り返していけば、パルマの地がディアボロスの拠点として利用できる日も訪れるかもしれない。特にレイは先日に仲間と協力して、ソーセージを利用した料理を振る舞ってきたばかり。
 そんな彼女が今回に用意してきたのは――。
「レイのドライフルーツおいしそう……」
 ニアはレイが持参してきたものを眺め、双眸をふんわりと緩めた。レイは新宿島で果実や根菜等を使ったドライフルーツを作って持ってきていた。
 長期的な保存が効くようにしたものはやはり、こういった状況にも強い。
 アイテムポケットの力があるおかげで大量の持ち運びも可能だ。ひとつ味見したい、なんてことを思いながらニアも自分が持ってきたものを確認していく。
「ふふ、後でお分けしますね。ニアちゃんもいっぱい用意してくださってますから、色々なものが作れそうです」
「ニアはじゃがいもやトマト……。他にもお野菜いっぱい持ってきた……」
「後で一緒にお料理しましょうか」
「うん……。お届けするところも……。それから……。場所を借りられるところも考えてあるから……」
 こくりと頷いたニアに向け、レイは微笑みかける。
 今回の二人が向かうのは、ニア達淫魔宰相からパルマを解放するための革命時に知った場所。とある街角の食堂だ。そこで美味しいご飯をご馳走になり、歳の近い少女と仲良くなった経験がある。
「お友達のお店、なんでしたよね」
「そう……。リアーヌっていってね……」
 レイとニアは道すがらに食堂について語っていく。
 店主はリアーヌの父、セヴラン。彼は以前にディアボロスの音楽隊を褒め称えた罪で処刑されかけており、ニアや他の復讐者が救出した経緯がある。
 リアーヌという娘以外には身寄りはいないが、食堂の主として近所の人々にも慕われているようだ。
「あ、ここですね」
「お野菜……。届けに来たかったのこの場所……」
 そうして、二人は目的の場所に到着した。
 食堂は開店前だったらしく、準備中の札が掛けられている。しかし、忙しい時に訪問するよりもこういった時間帯の方が接触はしやすいはずだ。
「リアーヌとセヴランいるかな……」
「わあ、ニアちゃん!」
 ニアが裏口に回ろうとすると、後方から少女の声が響いてきた。その声の主は先程に話していたリアーヌだと知り、レイはそっと笑む。少女にも排斥力の力は働いているのだろうが、ニアの姿を見た瞬間に思い出したようだ。
「久し振り……。元気だった……?」
「うん、パパも私もとっても元気! そちらはニアちゃんのお姉さん? こんにちは!」
 リアーヌとニアはハグを交わしながら再会を喜ぶ。
 途中でレイに気付いた少女はにこやかに挨拶をした。ニアは、地の繋がったお姉さまではないけれど、と告げた後にレイの紹介をリアーヌに伝えていった。
「リアーヌ……。紹介するね……。ニアのお友達のレイ……。優しいお姉さん……」
 レイにもリアーヌにもお互いを紹介したかったのだと話す。
 二人の仲睦まじい様子を見守っていたレイはそっとカーテシーの形で挨拶していく。
「はじめまして、よろしくお願いします」
「よろしくね、レイさん。そうだ、パパも中にいるからあがっていって! 今は材料があんまりないみたいで、お腹いっぱい食べさせてあげられないかもしれないけど……」
「それでしたら大丈夫ですよ」
「あのね……。ニア達がたくさん持ってきたよ……」
「材料を?」
 食堂が抱えている食材の問題はリアーヌも知っているらしい。だが、レイとニアはそのことを解決しに訪れたのだ。
 不思議そうにしている少女と共に二人は食堂の中へ入っていき――。
 大量の保存食や野菜を見た店主は驚いていた。しかし、レイ達が事情を話すと快く受け入れてくれたようだ。二人が厨房を借りることを願うと、すんなりと承諾してくれた。
「まさか命の恩人に二度も救ってもらえるなんて……!」
「良かったね、パパ!」
 親子は大いに喜び、ニアとレイの料理を手伝ってくれることになった。
 ニアは野菜の皮むきなどの下拵えを行い、レイもドライフルーツを使った軽食や野菜をふんだんに活用したレシピで食事を作っていく。それからレイは配膳を、ニアも食器を並べることを手伝っていった。
「これでお客さんにもたくさん食べて貰えますね」
「ニア達も一緒に食べたら……。それで増えるから……」
 食堂にいるみんなと楽しくご飯を。
 口福の伝道者として動いていく二人がいれば、当面の食糧問題は起こらない。この食堂でも毎日、客が満足して帰れるほどの食事を提供できるだろう。
 リアーヌはディアボロス達に尊敬と信頼の眼差しを向け、グラスに水を注いでゆく。
「すごいすごーい! ねぇ、レイさんにニアちゃん、みんなで乾杯しよう」
「乾杯……。ぜひ……」
「それでは、今後のパルマの皆さんの幸福を祈って!」
 ニアがそっと腕を掲げ、レイも乾杯と一緒にこれからの未来についてそっと願った。この街ではもう、誰も悲しんだり苦しんだりしないように――。
 掲げられたグラスが重なり、快い音が鳴り響いた。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【水面歩行】がLV2になった!
【アイテムポケット】がLV3になった!
効果2【ダメージアップ】がLV9になった!

夜乃・零
マー坊(g06522)と
アドリブ歓迎



なんか色々入れられてるアイテムポケット
この日の為にちゃんと準備したけど
すげえ入るのな、コレ

物資の補給も悩んだけど
俺は食料のみ
ドライフルーツ、クラッカー
チーズ、生ハムの原木とかだな
日持ち出来るものじゃないと
俺らが帰った後で困るだろうし
ああ、でも俺、料理出来ねえから
使い方はマー坊に聞いてくれ

マー坊は医療品?
さすがだなあ、偉い偉い
パン粥に戸惑ってる現地の奴が居るなら
見本で毒見役でもしてやるけど
俺が無事でも証明にはならねえか?
誰かディアボロスが味方だって
知ってくれるヤツが居ると良いけどな
おまえらを救いたい気持ちは俺も同じだ
だから、手伝ってほしいことあるなら言えよな


明日河・理
レイ(g04477)と
アドリブ歓迎



レイのアイテムポケットに甘えて色々突っ込む
常々思ってたけど、この能力ってすげえよな
不思議だなあと思いながら

俺がレイのポッケに突っ込んだのは、主に食料品(パンとか)と医療品
医療品に関しては専門家でないと使い方がわからないようなものではなく
少し怪我をしたときに使う包帯や消毒液、ガーゼといった、一般的によく救急箱に入ってるやつ
彼に褒められ、照れるけど嬉しい
俺は医者じゃねえから薬の処方は出来ないけど、簡易的な怪我の手当てくらいだったら任せてくれ
あとは、弱ってる人がいたらパン粥を作って介抱したい
困ってる人がいたらどこだって駆けつける
俺たちが力になるよ
そう笑って


●道を作る為に
 支配から解放されたパルマの街。
 かつて処刑されることを恐れていたときとは違って穏やかな表情をしている者が多い。その様子を眺めながら、夜乃・零(常闇・g04477)と明日河・理(月影・g06522)は街を歩いていた。今は穏やかでもいずれは物資が尽き、困る人々が増えてくるだろう。そうなる前に行動していくのが今回の復讐者の役割だ。
 此処に訪れる前に、零と理はアイテムポケットに様々な物資を詰め込んでいた。
「なんか色々入れられてるんだよな、俺のアイテムポケット」
「常々思ってたけど、この能力ってすげえよな」
「そうそう。この日の為にちゃんと準備したけどすげえ入るのな、コレ」
 二人はディアボロスとして授かっている能力について、改めて感心している様子だ。不思議だなあと思いながらも理は遠慮なくアイテムポケットを利用していた。
 その証拠に、零が用意してきたもの以上にたくさんのものが入っている。
「で、何を入れてきたんだっけ」
「俺がレイのポッケに突っ込んだのは、こういうの。主に食料品……パンとか医療品を中心に色々」
 理が持ち込んできたのは簡易だと呼べるタイプの医療品だ。専門家でないと使い方がわからないようなものではないというところがポイントであり、誰かが怪我をしたときに使う包帯をはじめとして、消毒液やガーゼといった、現代において一般的なもの――簡単に言うならば救急箱に入っているものだ。
「へぇ、よく考えてきたな。さすがだなあ」
「誰かが困ることって言えば怪我だからな」
「偉い偉い」
 零に褒められたことで理は照れた様子を見せる。しかし、その仕草は嬉しげだ。
 逆に理が何を用意してきたのかと零に聞くと、彼は幾つかのものを取り出してみせた。
「物資の補給も悩んだけど、俺は食料のみだな」
 ドライフルーツ、クラッカー、チーズ。あとは生ハムの原木とも呼ばれる加工品。日持ち出来るものでなければすぐに使い物にならなくなることや、現地の人々にも馴染みのあるものを、と考えてのことだ。
「なるほど」
「ほら、難しいものだと俺らが帰った後で困るだろうしな」
「俺達はずっと此処にいられるわけじゃないからな……。医者じゃねえから薬の処方は出来ないけど、簡易的な怪我の手当てくらいだったら任せてくれ」
「そりゃ頼もしい。ああ、でも俺、料理出来ねえからな……」
「料理も簡単なものだったら出来る」
「マー坊は頼もしいな」
 更に零が褒めたことで理が照れくさそうに笑った。こうやって二人で助け合いや協力ができるように、パルマの人々も同じことが出来るはずだ。
 淫魔宰相からパルマを取り戻そうとした革命の日、団結して動いた彼らならば可能だろう。
 理と零はそんな街の人々の力になりたいと考えていた。
 それゆえに出来ることを探していく二人の眼差しは真剣であり、強くて優しい意思が見える。現状、若干の食糧不足や物資が行き届かない様子もあったようだが、先に訪れたディアボロス達が次々と解決していた。
 それでも手の届かないところがないか、探していくのも役目のひとつだ。
「あとは……弱ってる人がいたらパン粥を作って介抱する、とか?」
「ああ、いいな。もしパン粥に戸惑ったとしたら俺が見本で毒見役でもしてやろう」
「それはいい案だ」
「あー……けど、俺が無事でも証明にはならねえか?」
 話し合っていく二人は街をパトロールしていくような気分で進んでいく。誰かディアボロスが味方だということを知ってくれている人に頼むことも手だ。されど、すぐに零の懸念も払拭されることになる。
 離れると忘れられてしまうという排斥力があったとしても、この街の人々はディアボロスの姿を見ればすぐに思い出してくれる。そして、あの革命の日――街中に革命の歌が響き渡ったのだ。
 ディアボロスのことを信頼してくれた人がいたからこそ、淫魔宰相の隙をつくことが出来た。
「大丈夫だ、レイ」
「そっか。知ってくれてるヤツは、この街のほぼ全員か」
「そういうこと」
 理と零は視線を重ね合い、そっと笑いあう。
 困っている人がいたならばどこにだって駆けつける。それが今の理達がやりたいことだ。
「さて、あそこの家の前の人だけど、どう思う?」
「明らかに困ってるよな。救いたい気持ちは俺も同じだ」
 二人は具合が悪そうにふらふらと歩いている人を見つけた。どうやら本当に体調がよくないらしく、ふらついたことで怪我をしているようだ。しかし、物資が少ない今は思うように手当てをしたり滋養を取ることもままならないだろう。
 其処で彼らの出番だ。
「そこの人、大丈夫か? もしよければ俺たちが力になるよ」
「手伝ってほしいことあるなら言えよな」
 理が声を掛けると零も住民に手を差し伸べた。相手は少し辛そうだったが、二人を見てほっとした笑顔を浮かべる。
 そして――。

 ディアボロス達はそれぞれに行いたい支援を終え、人々に安心と平穏を届けていった。
 ちいさなことであっても、他から見れば他愛のないことであっても、一歩ずつ進めばやがて大きな道となる。
 いつか、この活動が実を結ぶように。
 敵との戦いではない、こういったこともまた――未来を取り戻すための力になっていくはずだ。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【アイテムポケット】がLV4になった!
【一刀両断】がLV2になった!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!

☀ ☀ ☀ ☀ ☀ ☀ ☀

●件の砦にて
 パルマでの支援は無事に成功した。
 後は最後に向かうべき場所がある。華麗なるソレイユという名のアヴァタール級クロノヴェーダがいる、ミュラ軍の拠点として使われている砦だ。
「いつでも迎え撃てるように警備は万全にお願いするよ、ドールくん達!」
 華麗なるソレイユは襲撃に備え、砦の護りを固めていた。
 此方が何時来るかまでは分かっていないようだが、いついかなるときでも戦えるように準備しているようだ。
 ソレイユを倒せばまたひとつミュラ元帥の軍勢を潰せることになる。この地域についての謎は多いが、この地の敵を放っておけばパルマにまで影響が出る可能性も否めない。
 そうさせないためにも此処で敵を討ち、かたをつけておくことが必要だ。
 門の部分にはヴォルティジュールドール。その奥の扉を開いた先にある広間には華麗なるソレイユの気配がある。だが、ソレイユも敵の気配を察すると外に出てくるようだ。
 この状況ならば、配下をすぐに突破して首魁に切り込むことも出来る。
 どのように戦い、決着をつけるのか。それは――此処に訪れた者が選び取ることだ。

☀ ☀ ☀ ☀ ☀ ☀ ☀
 
リナリア・イェーケンヴェル (サポート)
『あら、まだ息がしっかりしているご様子で。ちゃんと縊らないといけませんよ?』

キングアーサー出身の妖精騎士を名乗り呪いの短槍を手繰る存在。
基本的に笑みは絶やさず、丁寧な口調で話す。
ただし敵に対しても口調や表情は変わらないが殺意は強く現す。
また出身上キングアーサーの敵に対しては殺意が通常より強く表れる。

パラドクスは指定した物であれば何でも可。
基本自分の傷や己の身を苛む呪詛もガン無視し敵を潰す機械の様な存在です。
ただ、ごく常識的な場面や他ディアボロスと交わっての戦闘時では意図して傷付けたり無礼な真似はしない程度には善性が残っています。

戦闘時は捨て駒、端役上等。結果的に仕留められるなら何でも熟します。


春日宮・緋金 (サポート)
『乗るか反るかは今決めな、時間は待っちゃくれないよ』
 人間のバウンサー×鬼狩人、70歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、アンタ、だね、だよ、~かい?)」、真剣な時は「女傑的(私、アンタ、だね、だよ、~かい?)」です。

 パラドクスは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●戦いの始まり
 ミュラ元帥の軍団が控えている拠点。
 そのうちのひとつである、木造の砦に訪れたディアボロス達は内部の様子を窺う。パルマ公国側からの襲撃にも警戒を抱いているらしいクロノヴェーダ達は門の辺りにも配備されていた。
「あれが護衛ってわけかい」
「そのようですね。遠慮なく壊してよさそうな輩で助かります」
 支援に訪れた春日宮・緋金(案内人・g03377)とリナリア・イェーケンヴェル(想い告げれぬ徒花・g01942)が見つめているのは、ヴォルティジュールドールという名の自動人形だ。
 人型をしているものの無機質な見た目をしており、軍の下っ端兵といった印象が強い。まずはあの護衛を突破して、奥にいる首魁を倒すのが今回の手筈だ。
「さて、行くとするかね」
「そうしましょうか。先陣は切らせて貰います」
 快活な笑みを浮かべた緋金はリナリアを誘い、戦いへの意思を固める。リナリアも静かに微笑み、ひといきに地面を蹴り上げた。其処に続き、緋金が駆け出す。
 襲撃を行うならば先手必勝。
「キヲツケロ!」
「テキシュウダ!」
 自動人形達は素早く反応したが、リナリアがカルムの鉾を振るう方が一瞬だけ速かった。
 己が生命力を代価にして、槍へ追尾の呪いを付与した彼女は薄く笑む。投槍の一閃がヴォルティジュールドールを貫いた刹那、其処から緑が芽吹きはじめた。
 そして、それによって自動人形の腕にあった刃が落下する。すかさず刃を拾い上げた緋金は素早く身構えた。そのまま、この刃れを武器として振るった緋金はリナリアと同じ相手に狙いを定めた。
「悪いね、使わせて貰うよ」
 敵の片腕が落ちたのは幸運。そして、それを閃きにまかせて得物とした緋金の判断力は鋭い。
 敵は電光石火の一撃を与えようとしてきたが、リナリアはすぐに槍で受け止めた。衝撃が響いたが、リナリアは果敢に耐えながら更なる一閃を解き放つ。
「疾くと逝きなさい、この蛆蠅が!」
 慇懃無礼な笑顔のまま、攻撃に殺意を込めたリナリア。
 滲む呪詛が敵に広がっていく中、緋金も追撃を与えるべく動いた。敵の腕刃を武器として振るっていく緋金。彼女が描く刃の軌跡は見事に敵を切り刻んでいった。
 リナリアと緋金の連携も上手く噛み合っており、ヴォルティジュールドールが破壊されていく。
 次々と貫かれ、切り裂かれる敵を見据え、二人は戦い続けていった。
 首魁までの道が開けるときは、きっと――間もなく訪れる。
 
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【植物活性】がLV3になった!
【強運の加護】がLV3になった!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【アヴォイド】がLV3になった!

ヴェルチ・アリ
おおう人形兵…でいいのかな。ずらずらと。
この数を一度に相手取るのはなかなか骨だろうなぁ…。

ならば、ウチがやることは、一つですね。
集団でタコ殴りしようと近付いてくるんなら、近付いてくる場所を、最初から薙ぎ払っとけばいい!
皆さんの前線、これで切り開き…違うな、焼き払いましょう!
というわけで、こんにちは!そして煉獄の炎で焼かれてもらうぞ!

【飛翔】と【浮遊】を使い、相手に接近されたら炎をジェット噴射のように使って退避、引き撃ちに徹する。
【パラドクス通信】を使い、他の復讐者とも連携する。

アドリブ、絡みを歓迎します。


●閃焔は激しく燃ゆる
 ――同時刻。
 先んじて砦に向かっていった復讐者達とは別に、内部の様子を窺う者がいた。
 ヴェルチ・アリ(火日饗凶・g03614)は敢えて物陰に踏み止まっている。あちらが砦への襲撃を警戒しているのは分かっているので、襲撃を時間差で行う波状攻撃が効果的だと考えたからだ。
「おおう人形兵……でいいのかな。ずらずらと」
 襲撃者に応戦していくヴォルティジュールドール。その姿を見据えたヴェルチはこの状況に相応しい行動について考えていく。瞳に宿る炎はあれど、心の裡は冷静そのもの。
「仲間がいるとしても、あの数を一度に相手取るのはなかなか骨だろうなぁ……」
 それならば。
 準備を整え、地面を蹴り上げて駆けたヴェルチは一気に敵陣に突入していった。
「ウチがやることは、一つですね」
 わざと自分が目立つように駆けていったヴェルチは敵をしかと見つめる。相手が集団で此方をタコ殴りしようと近付いてくるのならば、それを利用してやれば良い。
 ヴェルチは魔力を巡らせ、対内の熱エネルギーを体内で凝縮していく。敵は迫ってくるが、活性化した力は既に放出できる状態にまで高まっていた。
「近付いてくるなら――これでどうだ!」
 そう、軌道を読んで最初から自分の目の前を薙ぎ払っておけばいい。単純明快だがそれでいて的確な作戦だ。
 一瞬で解放されたパラドクス。レンズ代わりの瞳を通し、蒼炎のビームのカタチで顕現した一閃がヴォルティジュールドールを地面ごと貫いていった。
 目の前は瞬く間に焼き払われ、先行してきた何体かが一気に倒れる。
「皆さんの前線、これで切り開き……違うな、焼き払います! この間にどうぞ!」
 ヴェルチは首魁に切り込んでいく仲間達に向けて声を掛けた。
 その間も別のヴォルティジュールドールがヴェルチを排除せんとして襲いかかってくる。
「キケンジンブツ」
「ハイジョスル」
「あれ、喋れたんですね。だったらご挨拶しないと!」
 ヴェルチは自動人形達の声を聞き、明るく笑ってみせた。その間も瞳は蒼く揺らめいており、滾り狂う凶火が放たれる予兆を見せている。
「というわけで、こんにちは! そして煉獄の炎で焼かれてもらうぞ!」
 屈託のない笑顔と言葉が紡がれた瞬間、ヴェルチの身体が軽く浮いた。炎をジェット噴射のように使って退避した彼は、引き撃ちの要領で攻撃を続けていく。
 空を駆ける奔流。それはまさに、人が追い求める導きの光そのものであるかのようで――。

 やがて、ヴェルチ達の活躍によってヴォルティジュールドールはすべて倒れる。
 砦の内部にいたらしい、華麗なるソレイユも駆け付けてきたようだが、全てが遅かった。
「……!? しまった!」
 ソレイユはサーベルを引き抜き、復讐者達を強く見据える。
 自動人形の配下は派手に倒されたので、砦に残されているクロノヴェーダはソレイユひとりのみ。
「どうやらボクは君達を甘く見ていたみたいだね。警戒してもしたりなかったっていうのに……これはボクの失策だよ。ごめんね、ドールくん達」
 ソレイユは復讐者の実力を認め、壊れた配下達に声を掛けた。それから再び顔を上げたソレイユはサーベルの切っ先をディアボロス達に向ける。
「でも、だからこそ! ボクは一切の油断も遠慮もなく、本気で……君達を倒すっ!!」
 そして――此処から、華麗なる太陽との戦いが始まってゆく。
 
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【温熱適応】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV5になった!

ヴェルチ・アリ
…なるほど。これが太陽ですか。
全てを焼き尽くさんばかりの熱量。そして目を細めてしまいそうな明るさ。まばゆさ。太陽と呼ばれるわけですね。

不足なし、だ。もっと、僕の炎は強くならないといけない。もっと燃え盛らないといけない。全て焼き尽くして、熔かし尽くせるように。

だから…。
その炎、もらうぞ。
右腕に炎の剣を生み出し、構えてから。
その切っ先を、ソレイユへ向ける。

【飛翔】と【浮遊】を使い、全力で炎のジェット噴射と共に突進。
【強運の加護】も追加で使用し、相手の一撃は避ける。
【温熱適応】を使い、相手の炎の一撃を耐えつつ。
【火炎使い】を使い、全力で相手の炎を上回る。

アドリブ、絡みを歓迎します。


宝心・ライラ
アドリブ連携歓迎
たっくさん食べた分は動いて消費しなくちゃね

「ソレイユ…ふふ、本当に縁を感じちゃうわ。でも私が知ってる太陽はもっともーっとピカピカで希望に溢れてて、なによりハッピーなのよ!」

両腕にはめたカゴメ⭐︎カゴメを巨大化させて高速回転
熱を纏う光輪に変えて投げ放つわ
思わず口ずさんでしまうのはあの【勝利の凱歌】
私1人で歌ってるんじゃない
幸福を願うパルマの人達から【託されし願い】を乗せて歌ってるの!

「戻れ!進め!フラワーイカロス!太陽について回るハナは決してあなたを逃さない!」
ヨーヨーの糸を手繰るように光輪を操って、攻撃をいなしながら一緒に踊るわ!
「ハッピー?それなら今ここで終わりましょう!」


●燃えゆく焔と翔ける光
 莫大な熱が尾を引くように棚引く。
 太陽の光を受けた髪が燃えるように揺らめいた様を見て、ヴェルチ・アリ(火日饗凶・g03614)は拳を強く握り締めた。
「……なるほど。これが太陽ですか」
 華麗なるソレイユ。
 言葉通りの名を持つ歴史侵略者を見つめたまま、ヴェルチは強敵への思いを抱く。
 全てを焼き尽くさんばかりの熱量を感じる。そして、ゴーグル越しでも目を細めてしまいそうな明るさ。
「このまばゆさ、まさに太陽と呼ばれる所以ですね」
「ソレイユ……ふふ、本当に縁を感じちゃうわ。でも私が知ってる太陽はもっともーっとピカピカで希望に溢れてて、なによりハッピーなのよ!」
 その近くでは宝心・ライラ(ミス・ハッピーエンド・g01071)もソレイユに目を向けていた。
 たくさん食べた分は動いて消費しなくちゃ、と言葉にしたライラはしかと身構える。対するソレイユはサーベルの切っ先をディアボロス達に向け、強い言葉を返した。
「華麗なる太陽として、ボクは戦い続けるよ。覚悟!」
 言うなれば今は多勢に無勢。
 しかし、凛とした眼差しを向けてきたソレイユは何処までも真っ直ぐに見える。敵であれどその姿勢は評価したいと考えたヴェルチは薄く笑った。無論、敵であるゆえに容赦はしない。
「相手にとって不足なし、だ」
 距離を詰めるために地を蹴ったヴェルチは、瞬時に高熱量の炎の刃を具現化した。飛翔したヴェルチは戦場を俯瞰しながら、或る思いを抱いている。
 ――もっと、僕の炎は強くならないといけない。
 もっと燃え盛らないといけない。全て焼き尽くして、熔かし尽くせるように。
 思いを抱いたヴェルチの一閃がソレイユに向けて振り下ろされる。それと同時にライラが両腕にはめたジャグリングフープを巨大化させていった。高速回転する輪を、熱を纏う光輪に変えたライラはそれらを一気に投げ放つ。
「~♪」
 その際、思わず口遊んだのは、あの日にも響いた勝利の凱歌。
 ソレイユはヴェルチとライラの攻撃を受け止め、凌ぎながら歌に注意を向けた。紅く輝く熱線を放ち、熱をドレスのように纏いながら反撃してくるソレイユは、ライラを見遣る。
「その歌は……?」
「勝利の歌よ! けれど、私一人で歌ってるんじゃない。幸福を願うパルマの人達からの願いを乗せて歌ってるの!」
 ライラは事前にパルマの街に訪れていた。
 そのときに支援を行ったことで思いを託されている。それゆえに歌の力は映像を映し出すこととなり、周囲には今のパルマの人々の姿が投影されていた。
「ふぅん、民の力を背負ってるってことかな? それならボクだってミュラ様の命令を背負っているんだ!」
 ソレイユはサーベルを再び振るい上げる。
 ヴェルチは敵の動きを逸早く察し、ソレイユに向けて右腕を差し向けた。先程に具現化させた炎の剣からは強い熱が揺らめいている。だが、未だ足りない。
「その志も炎みたいだ。だから……その炎、もらうぞ」
「太陽に近付き過ぎたらどうなるか知っているかい?」
「融けて消えるって? 残念、そうはならない」
 迎え撃つソレイユはヴェルチの剣の切っ先を見つめている。炎のジェット噴射と共に突進していくヴェルチは、すれ違い様に互いの攻撃が交差すると感じ取っていた。
 相手の炎は熱への耐性で耐え、自分は更なる火炎を巡らせて――全力で相手の炎を上回る。
 激しい焔同士が衝突していく中、ライラも追撃を放ち続けた。ソレイユに迫っていく光輪は凄まじい熱を帯びており、標的を切り裂きながら爆発していく。
「戻れ! 進め! フラワーイカロス!」
 糸を手繰った状態のヨーヨーの如く、手元に光輪を戻したライラは明るく笑み、両手を広げた。それと同時に更なる連撃がソレイユを襲っていく。
「太陽について回るハナは決してあなたを逃さない!」
「くっ……!」
「ハッピー? それなら今ここで終わりましょう!」
「いいや、まだだ! ボクは戦い続けられる! この一撃をくらえッ!!」
 ライラが問いかけると、ソレイユは首を横に振った。華麗で情熱的なステップを刻んできたソレイユはライラを切り裂き、次にヴェルチにも高温度の熱線を放ってくる。
 あらゆる防御を融解するが如き熱を受けても、ヴェルチは果敢に堪えた。
「それなら、こっちだって――焼き、斬る!」
 火力を極限にまで圧縮して切り放つマッジョの炎剣が斬り返される。ソレイユの刃は炎刃と光輪を弾いていくが、復讐者が着実に力を削っていることも確かだ。
 熱と熱、炎と光。衝突し合う力は砦内に深く巡っていき、戦いは激しさを増していった。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV4になった!

三苫・麻緒
【薄荷】
ふむ、相手の実力を認められるのは好ましさを覚えるね
だけどクロノヴェーダの天下を照らす太陽は落とさせてもらうよ!
行こう、莱くん!

あっつい太陽には冷たいものをぶつけちゃおうね
≪氷雪使い≫で周囲の空気を冷やして相手の熱に対抗して、少しでもこちらの攻撃の威力を残せるようにしておくよ
ある程度気化しちゃうだろうけど、雪崩が目くらましになればそれでよし
雪崩そのものと蒸発したときの湯気で場を≪撹乱≫したら…莱くん、ド派手なのお願い!

反撃の熱量は【温熱適応】を使って熱さへの耐性をつけつつ耐えるしかないかな
【アイスクラフト】の氷で少しでも熱量の直撃を避けられると時間稼ぎに繋がるかな?


葉古森・莱
【薄荷】
熱くて、眩しくて、太陽と呼ばれるのは納得かも
ぼくね、太陽に近づきすぎた人のお話、教えてもらったことがあるの
だけど同じ結末は迎えてあげない
行こう、けだま、麻緒さん

麻緒さんが引き付けてくれている間にぼくとけだまは準備
まずは≪地形の利用≫でソレイユを一直線で狙える場所を探すね
そこに陣取ったら、けだまには≪オーラ操作≫でしっかりエネルギーをためてもらうよ
その間にぼくは麻緒さんたちの戦いの様子を観察
麻緒さんがソレイユの動きを止めたら…けだま、今!思いっきりやって!

反撃の熱線は…ぴえ、あんなの受けたら大怪我しちゃう!?
曲がって追いかけはしないだろうから、とにかく≪ダッシュ≫で射線上から逃げるよ!


レイ・シャルダン
【夢灯】ニアちゃんと一緒に参加します。
連携・アドリブ歓迎です。

この砦を落とすことが、次の一歩の為になる。
そう信じて、がんばろっか。ニアちゃん。
右手には白銀のレイピア『シュトライフリヒト』
左手には手甲『シャルダント』
彼女の攻撃に合わせてボクも攻撃を。
大きな鋏での攻撃はどうしても大振りになっちゃうだろうから。
その隙を埋める様に、細かく、緻密に攻めましょう。
そして相手の防御の隙間を縫うように、針を通す様にパラドクスを発動します。

敵の攻撃は超常を遮断する防御撃『アルヴァーレ』で緩和し
さらにシャルダントで防ぎます

ねぇ、ソレイユさん??
貴方達のこの砦って、何の為の砦なの?
貴方達は一体、何と戦っていたの?


ニア・マシュマリー
【夢灯】レイと一緒に……。
パルマの平和のために……。そして……。次の一歩にも繋がるように……。ニアもがんばる……。レイ……。よろしくね……。

今回はレイも居てくれるから……。ニアはこれでがんばりたい……。
鋏に闇を纏わせて……。ニアと同じくらいの大きさに……。
熱線すごそうな威力だけど……。それに怖がらずにニアは率先して前にも出るように突撃する……。
例え熱線が当たって痛くても……。我慢しながらあの人に目掛けて鋏を全力で振り続ける……。
これがニアにできる戦い方と……。一緒に戦ってくれるレイへのサポートだから……。

ニアは戦うので精一杯だから……。
お話はレイにお任せするね……。

(連携・アドリブ歓迎です)


●燃え盛る太陽
 サーベルを構え、宣戦布告を行ったソレイユ。
 その姿を見つめる三苫・麻緒(ミント☆ソウル・g01206)と葉古森・莱(迷わし鳥・g04625)は、華麗なる太陽の異名を持つクロノヴェーダの姿勢に感心していた。
「ふむ、相手の実力を認められるのは好ましさを覚えるね」
「熱くて、眩しくて、あなたが太陽と呼ばれるのは納得できるかも。だけど……ぼくね、太陽に近づきすぎた人のお話、教えてもらったことがあるの」
「へぇ、それならボクに近付いて融け落ちてしまうかい?」
 対するソレイユは莱達に目を向け、少し不敵に笑ってみせる。ディアボロスとクロノヴェーダ。双方の間に走る緊張感は強いが、莱も麻緒も気圧されてなどいなかった。
「ううん、お話と同じ結末は迎えてあげないよ」
「そうだね。クロノヴェーダの天下を照らす太陽は落とさせてもらうよ!」
 ソレイユに真っ直ぐな眼差しを向ける二人。
 その近くでは、レイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)とニア・マシュマリー(いつの間にか吸血鬼・g07451)も身構えていた。クロノヴェーダとの距離をはかりつつ、レイは思いを言葉にする。
「この砦を落とすことが、次の一歩の為になる」
「パルマの平和のために……。そして……。次の一歩にも繋がるように……」
 ニアがこくりと頷いたことでレイの口許にちいさな笑みが宿った。ソレイユはたったひとりだが、此方を蹴散らして勝利する道筋を描いている節も見える。だが、此処で彼女を止めるのが復讐者としての役目だ。
「そう信じて、がんばろっか。ニアちゃん」
「ニアもがんばる……。レイ……。よろしくね……」
 レイとニアが決意を固める。
 その様子に意識を向けていた麻緒は隣の少年に呼び掛けた。
「行こう、莱くん!」
「うん……! 行こう、けだま、麻緒さん」
 莱はその声に答えながら、モーラット・コミュと共に踏み出していく。
 少年達と機を合わせたレイとニアも標的に向かって狙いを定めた。レイの右手にあるのは白銀のレイピア、シュトライフリヒト。左手には手甲シャルダント。ソレイユの前に駆けたレイはニアが行動しやすくなるように動いていった。
「ニアちゃん!」
「うん……。ニアも頑張る……」
 名を呼ばれたことでニアは鋏に闇を纏わせ、自分ほどの大きさまで巨大化させた。此度は傍にレイも居てくれる。それゆえにこの鋏を活かした最大限の攻勢に出られるはずだ。
 二人が前線に出てくれたことを悟り、麻緒も敵の元へ飛び込んでいく。
「あっつい太陽には冷たいものをぶつけちゃおうね」
 麻緒は氷雪を扱う力を巡らせた。周囲の空気を冷やして相手の熱に対抗して、少しでも自分の攻撃の威力を残せるようにしておくためだ。しかし、パラドクスの力は良くも悪くも強大だった。
「その程度でボクを止められると思った?」
 ソレイユは広範囲に莫大な熱量を放出し続けており、復讐者達の力を削る勢いで迫ってきている。パラドクスにはパラドクスをぶつけなければ事態の好転は望めないだろう。
「麻緒さん、気を付けて!」
「大丈夫、次からはもっと全力でいくよ!」
 そうやって麻緒が引き付けてくれている間に、莱はけだまと一緒に準備を整えていた。ニアとレイも協力してソレイユを相手取ってくれているので、隙を突くタイミングは何れ訪れるだろう。
 莱はソレイユを一直線で狙える場所を探すため、砦場内を駆けていく。敵の位置は絶えず動くため調整が必要だが、ある程度の位置に陣取ることはできる。
 けだまにしっかりとエネルギーをためてもらうべく、莱は集中していった。
 麻緒は毀つ白魔の力を巡らせ、質量を底上げさせた大量の雪や氷を雪崩込ませる。熱線がソレイユから放たれているが麻緒のパラドクスも激しく拮抗している。
「すごい威力……。だけど怖くない……」
 ニアも熱線に対抗しながら前へと突き進んでいった。大鋏を振るうことで敵を切り裂いたニアにタイミングを合わせ、レイが精確な一撃を叩き込む。
 ちいさなニアが大きな鋏で繰り出す攻撃はどうしても大振りになってしまう。だが、その隙を埋めるのが今のレイの役割だった。細かく、緻密に。攻め続けるレイとニアの息はぴったりだ。
「――その守りを貫く」
「何っ!?」
 そして、レイは相手の防御の隙間を縫い、針を通すが如く一閃を繰り出していった。
 ニアの方には熱線が真正面から当たったが、痛くとも怯んだりはしない。激痛を堪えたニアは鋏を全力で振り続けていた。先程のレイの一撃でソレイユの腕の一部には亀裂が入っている。
「逃さない……。これがニアにできる戦い方……」
 これこそが一緒に戦ってくれるレイへのサポートにもなる行動だと信じながら、ニアは攻勢を重ねていく。莱は仲間達の健闘を見守り、タイミングを見極め続けていた。其処へ麻緒が轟かせた雪崩の勢いがソレイユを押す。
 その間、レイはソレイユに声を掛けた。
「ねぇ、ソレイユさん??」
「あぁ……何だい?」
 名を呼ばれた相手は息を切らしながらもレイに答えを返す。レイが何かを聞くつもりだと察したニアは鋏を支えにしながら呼吸を整える。戦うことに精一杯であるゆえ、話は彼女に任せた方がいい。ニアが見守っている中、レイは気になっていたことを問いかけてみた。
「貴方達のこの砦って、何の為の砦なの? 貴方達は一体、何と戦っていたの?」
「ふぅん。キミ、ボクが正直に本当のことを教えると思って聞いているのかい?」
 するとソレイユは片目を閉じる。
 今まさに砦を襲っている相手に答えるはずがない。或いは適当なことを言ったり、嘘をつくかもしれない。それでも聞きたいのか、といったような物言いだった。
「……いいえ」
 レイは首を横に振り、ニアの隣に戻った。
 そうして、レイは超常結界式アルヴァーレを展開する。ニアの傷と痛みが酷く、これ以上の攻撃を受けさせてはいけないと判断したからだ。しかし、其処へ更に激しい熱線が解き放たれる。
「ぴえ、あんなの受けたら大怪我しちゃう!? みんな、注意して!」
「大丈夫……」
「ニアちゃんは私が守ります。あとはお任せしますね!」
 莱が仲間達に呼びかけると、ニアとレイが静かに頷きを返した。手甲で熱を受けたレイは衝撃に堪えながら麻緒達に次の一手を託す。凛とした言葉に頼もしさを感じた麻緒はソレイユに相対していく。
「うん! 莱くん、ド派手なのお願い!」
 麻緒はアイスクラフトの氷を作り出すことで少しでも熱を緩和しようとしていた。パラドクスそのものではない力は一瞬で薙ぎ払われてしまうが、それでもないよりはマシだ。
 莱は麻緒の声に応え、モーラット・コミュに力を解放するように願った。
「……けだま、今! 思いっきりやって!」
「もきゅーっ!!」
 刹那、けだまの口からミント色の光線が放たれた。一直線に伸びる極太の光線はソレイユに向かっていき、相手の瞳が驚きで見開かれた。避けられないと感じたのかソレイユは防御態勢に入る。
「くっ……これは……!」
 悲鳴にも似た声があがったかと思うと、膨大な威力の光線の中に人影が浮かびあがった。
 大きなダメージになったことを察した麻緒と莱は勝機を悟る。ニアもレイに支えられながら、此処から勝利への道がひらかれていくのだと感じていた。
「あと少しだよ! 莱くん、けだま、まだ行ける?」
「ぼくたちは平気だよ。みんなで頑張ろう……!」
 麻緒は皆を励ましながら少年達の名を呼ぶ。莱も武者震いの如く尾を震わせながら応えた。レイは変わらず傷ついたニアを気遣い続け、二人は同時に得物を構え直す。
「行きましょう、ニアちゃん」
「守りたいから……。絶対に……」
 シュトライフリヒトと大鋏が陽射しと熱を受けて煌き、鈍い銀の反射光となって広がった。
 戦いは続いていく。夏空の下から、正しき未来を繋げていくために――。
 
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【怪力無双】がLV2になった!
【託されし願い】がLV3になった!
【一刀両断】がLV3になった!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV10(最大)になった!

夜乃・零
マー坊(g06522)と
アドリブ歓迎



華麗なる太陽な
その姿は眩しくて
名付けてない青龍偃月刀を引き抜き
一切、手は抜けねえから、全力でよろしく!

ボス戦には苦い経験がある
あのときは何も出来なかったけど
今回は、力もつけてきたんだ

マー坊への攻撃は庇えないから
あんまり怪我してくれんなよ
と思うけど言わず心に秘め
常に周りを見渡して防御も確りと
マー坊や他の奴との連携を意識
独りで暴れるだけじゃ駄目だ
相手に息する隙も与えない

戦場が灼熱地獄なら飛翔で攻めようか
意識が飛ばねえよう自傷も厭わない
敵と彼が対峙する様に

──本当に、眩しいな

(ガキの成長は驚くほど早い、)
ふ、と一寸だけ口元を緩め
さあ、ソレイユ、最期まで遊ぼうか!


明日河・理
レイ(g04477)と
アドリブ歓迎

_

生前の記憶
幼い頃に教え込まれた振る舞いの一つにて
此度相対する敵と言えども女性ゆえに
丁寧に、然し凛と
騎士然とした態度で

戦闘時にはレイとの連携を意識
彼の背中は俺が護る
また、陽動も引き受けよう
飛翔と高速移動にて撹乱する

相手に一息つかせる間もなく
レイの攻撃の間を埋めるよう立ち回る
戦闘時ながら
彼の動き方等々勉強になるものばかりだ
密かに憧憬の溜息を内心漏らしながら
また絶対鍛錬に付き合ってもらおうと

自分の怪我なんてどうでもいい
でも絶対に斃れられない
それにレイに心配かけたくねえから
出来うる限り気をつける

自傷した彼の傷に目敏く気付いて
後でしっかり治療を


●光は傍に
 華麗なる太陽。
 ソレイユが持つ名を思い、夜乃・零(常闇・g04477)は目を細めた。
 その姿は眩しくて真っ直ぐだ。彼女が纏う熱気もまた、太陽そのものを思わせるものだ。同時に明日河・理(月影・g06522)もソレイユの姿を瞳に映していた。
 蘇るのは生前の記憶。
 幼い頃に教え込まれた振る舞いのひとつとして、刻まれたことがある。此度に相対する敵は女性。それゆえに丁寧に、然し凛と騎士然とした態度で挑む。
 佇まいを直す理の傍らで、零は名を付けてない青龍偃月刀を引き抜いた。
「一切、手は抜けねえから、全力でよろしく!」
「望むところだよ! キミ達も手加減した状態で負けちゃ浮かばれないだろうからね」
「なかなか言うねえ」
 零がソレイユに呼びかけると、彼女も言葉を返す。ソレイユは全力で当たる上で此方を倒すつもりでいるらしい。むしろ清々しいくらいだと感じた零は刃を敵に差し向けた。
「真剣勝負なら悔いはないってことだな」
 理はソレイユの物言いから、そのような意味合いを感じ取る。理は零との連携を繋げられるようにすぐ傍に陣取り、彼の背中は自分が護ると決意した。
 それと同時に地を蹴った理は自分が陽動役も引き受けることを狙っていく。一瞬で飛び上がった理は撹乱を狙い、ソレイユの元に翔けていった。
 その背を見つめ、身構えた零は覚悟を決めている。
 過去、戦いの中で苦い記憶となった出来事があった。あのときは何も出来なかった。だが、今は違うはずだ。
 力も付けてきたんだから、と己を奮い立たせた零は理の攻勢に合わせて動く。広げた竜翼から風を起こした零は、ソレイユが巻き起こす莫大な熱に対抗していた。
 その間、理は果敢に立ち回っていた。相手に息をつかせる間もなく打ち込む連撃。それは零の攻撃の間を埋めるように心得ている立ち回り方だ。
(「……レイ、すごいな」)
 彼の動き方と連携の繋げ方は勉強になるものばかりだった。そう感じた理は感嘆の溜息を内心で零し、また絶対に鍛錬に付き合ってもらおうと誓った。そのためには此処で勝利を得て帰らなければならない。
「マー坊、無理はすんなよ。庇えないからな」
 あんまり怪我してくれんなよ、という言葉だけは思うだけに止め、零は上空から攻め込んでいく。
 思いは心に秘めたまま、零は常に周りを見渡していった。攻撃の手も緩めないが、防御も確りとしなければ熱波にやられてしまうだろう。彼の声を聞いた理は静かに頷いた。
 本当ならば自分の怪我の具合などはどうでもよかった。だが、ああ言われた以上は斃れられない。
(「レイに心配かけたくねえから――」)
「わかった、気をつける」
 心の中の思いは声に出さずに理は返答した。出来得る限り、という部分も口に出さなかったのは少しの強がりだ。零は理と共にソレイユを追い詰めていき、翼を大きく広げた。
「キミ達、なかなかやるね……! だけどボクも負けられないんだ!」
 ソレイユは膨大な熱をドレスのように纏いながら、舞うように斬り込んでくる。理が攻撃を受けていく最中、零は或ることを考えていた。独りで暴れるだけじゃ駄目だ、と。
 相手に隙を与えないこと。それに加えて戦場が灼熱地獄ならば飛翔で攻め続けるべきだ。熱さで意識が飛んだとしても厭わない。ただ、自分が振るえる最大の力を叩き込むだけ。
「レイ!」
「ああ!」
 理から名を呼ばれたことで、零もしかと応えた。少年の声や背中が凛々しく思えた零は思わず呟く。
「――本当に、眩しいな」
 子供の成長は驚くほど早い。そう感じた彼は、ふ、と口元を緩めた。
 そして、二人はひといきに華麗なる太陽に攻撃を仕掛けていく。
「さあ、ソレイユ、最期まで遊ぼうか!」
「……おやすみ」
 竜翼から放たれる翔破と、クロノヴェーダたる縁のみを断ち斬る一閃が重なり、一気に解き放たれる。
 決着は間もなく。
 よろめいたソレイユの姿を見つめる二人は頷きあい、最後の時を見届けると心に決めた。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV6になった!
【平穏結界】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV5(最大)になった!
【ガードアップ】がLV5になった!

月下部・小雪
お姉ちゃん(g00960:義姉)と砦に突入、です。
お空を飛んで、一気に襲い掛かりましょう!

【光学迷彩】も使って近寄って、お姉ちゃんと不意打ち、です。
みなさんが気を引いてるうちに高所から攻撃できる場所まで移動しますね。

お姉ちゃんが動きを止めたところに、ひ、必殺、【巨大毛玉墜とし】です!
ぺしゃんこになっちゃってください!

パルマの平和はボク達が守ります!
こ、こうやって敵をやっつけていけば、ミュラ将軍だっていつかはやっつけられるはずです。

※アドリブ連携大歓迎


月下部・鐶
小雪ちゃん(g00930)といっしょに、敵の砦のボスに仕掛けるぞー!
もう戦闘も始まって警戒するヒマもなくなった砦に【飛翔】で飛び込むね

まずは砦をしっかり[観察・偵察・情報収集]して、ソレイユの居場所を探ったら
高所から不意打ちをしかけられる場所に移動して、キャンバスにその姿を影絵で描きはじめるよ

パルマの準備と同じように、丁寧かつ繊細に、しっかり下書きを整えて黒く黒く塗りつぶして……
小雪ちゃんに目で合図したらパラドクス発動!

キャンバスからこぼれた影絵が、まっすぐソレイユの影を目指して直進、気づかれる前に動きを止めるよ
そしてトドメは小雪ちゃんとコダマの二人におまかせ!

アドリブ、連携、大歓迎!


●太陽の終焉
 激しく熱い戦いが巡っていく最中。
 月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)と月下部・鐶(さいつよのお姉ちゃん・g00960)は砦内で繰り広げられている戦いを見つめていた。
 彼女達はすぐには参戦せず、向かうべきタイミングを見計らっているところだ。
 激しい攻防が巡り、刃が太陽の光を受けて煌き、パラドクス同士がぶつかりあう。その一瞬ずつを確かめていた二人はそっと頷きを交わした。
 空から一気に襲い掛かる算段を立てていた少女達はこれまで、光学迷彩の力を纏っていた。戦闘に入れば隠れる隙すら与えられないが、戦闘に入る前ならばこうして隠れていられた。察知されるギリギリ――つまり、砦の外部まで近寄っていた二人は不意打ちを狙っていたというわけだ。
 幸いにも先に砦内に向かっていた仲間がソレイユを相手取ってくれていた。皆が気を引いてるうちに高所に回れば、一撃目は強襲になるということ。戦闘が始まっている今、敵にとっても此方にとっても警戒する必要はなくなった。
「今こそ砦に突入、です」
「うん、仕掛けるぞー!」
 ひといきに飛翔した小雪と鐶、そしてモーラット・コミュのコダマ。
 既にソレイユの居場所は分かっている。鐶は取り出したキャンバスに敵の姿を描き始めた。パルマの準備と同じように、丁寧かつ繊細に。それに加えて、しっかりと下書きを整えて黒く黒く塗りつぶしていけば――。
 影絵で記されていくそれは瞬く間に具現化していき、ソレイユに迫っていく。
「うん? 何だ……?」
 絵の中から這い出した影はまっすぐにソレイユに向かっていき、その影の中に同化した。ソレイユは影の違和に気付き、訝しげな顔をしている。クロノヴェーダの影となったパラドクスの力は、対象の肉体を大地に縫い止める楔となっていく。
 それは崩壊させる破壊の力に転じるもの。
 キャンバスからこぼれた影絵はソレイユの影を囚えたまま離さない。
「かげの重さで、つぶれちゃえ!」
「そういうことか! でも、ボクだってやられてばかりじゃないさ!」
 鐶が敢えて言葉を紡ぐことで、敵の注意を自分に向けさせた。しかし、それもまた鐶の作戦だ。
 飛翔している鐶の隣に小雪はいない。
 そう、鐶は囮かつ牽制役であり、本命は小雪とコダマの方なのだ。その間も他の仲間がソレイユに攻撃を仕掛けており、相手の注意はまったく小雪に向いていない。
 鐶は視線を巡らせ、小雪に視線で合図を送った。
(「今だよ、小雪ちゃん!」)
(「はい、お姉ちゃん……!」)
 声なき合図で意思を疎通した小雪は、ソレイユの動きが止まった瞬間を狙った。小雪よりも空高く飛び上がっていたモーラット・コミュがもきゅっと鳴く。
「ひ、必殺、巨大毛玉墜としです! ぺしゃんこになっちゃってください!」
「うわっ……!?」
 巨大化しながら落下してきたコダマの影がソレイユに迫っていった。そのまま敵を押し潰す勢いで落ちていったコダマ。避けきれずに潰されたソレイユから悲鳴があがる。
「さすがは小雪ちゃんとコダマちゃん! ビーチバレー修行の成果だね!」
「戻ってください、コダマ!」
 鐶は自分達の作戦が上手く巡ったことを喜び、両手を大きくあげた。こくこくと頷いた小雪がモーラットに呼び掛けると、ちいさくなったふわふわの毛玉が腕の中に戻ってくる。
 ソレイユは息を荒らげながらなんとか立ち上がった。だが、その様子は隙だらけだ。
 そして――其処から、ディアボロスの一斉攻撃が始まった。

「太陽に融かされて落ちた人なんていない。それがハッピーエンドよ!」
 ソレイユを見据えたライラは熱を纏う光輪を容赦なく投げつけていき、美しい軌跡を描く。其処に好機を見出した零と理が同時に空と地から駆け、連続攻撃を叩き込んだ。
「そろそろ終わりにしようか!」
「心配しないで、本当に眠るといい」
 二人がそれぞれの言葉を掛けていく最中、駆けていくレイとニアが左右に分かれた。零と理が上下ならば少女達は側面からの挟撃を狙っていたということだ。
「無理はしないでね、ニアちゃん」
「痛いけど……。誰かが痛い思いをするのはもっと嫌だから……」
 気遣うレイにふるふると首を振ってみせたニアはパルマの人々を思った。ライラが巡らせた勝利の凱歌の力は、今もパルマの街の様子を映し出している。
 その光景を見た小雪は強く宣言していった。
「パルマの平和はボク達が守ります!」
「もちろんパルマだけじゃなくて、他の街や都市だって!」
 こうやって敵を倒していけば、ミュラ元帥本人にもいつかは手が届くはず。小雪の思いを受け、鐶も影に込める力を強くしていく。莱と麻緒も同意を示し、ソレイユを撃破するための力を巡らせた。
 白魔による破壊の猛威は太陽の色を白く染めあげる。
「もう一回お願い、莱くん!」
「けだま砲、発射……!」
「コ、コダマも一緒に!」
 麻緒の声に応えたのは莱だけではなかった。小雪も攻勢に加わり、二体のモーラット・コミュによる猛攻撃がソレイユに繰り出されていた。そうして、よろめいたソレイユは覚悟を決める。
「参ったな、勝てやしないか……」
「決着を付けさせて貰おうか。その太陽みたいな炎は――絶対に忘れないから」
 倒されることを受け入れたらしいソレイユに向け、ヴェルチが火炎を纏った刃を振り下ろした。
 一瞬後。
 太陽のように目映く強い焔が迸り、戦いは終わりを迎えた。

●夏空の向こう側
 こうしてまたひとつ、ミュラ軍の砦が無力化された。
 太陽は美しく、空は高く澄み渡っている。この先にどのような未来が待ち受けているかは未知のまま。
 しかし、ディアボロス達は知っている。
 空に浮かぶ太陽が照らしているのは歴史侵略者ではなく、ディアボロスが進む道の方だということを。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV7になった!
【液体錬成】がLV2になった!

最終結果:成功

完成日2022年08月10日

ミュラ元帥の軍勢を叩け

 パルマ公国を支配していた、淫魔宰相『夜奏のルドヴィカ』を撃破した事で、イタリア方面の探索が可能になりました。
 この後は攻略旅団の方針により、ナポリ王国方面に向かう予定でしたが、ナポリ王でもあるジェネラル級『ジョアシャン・ミュラ』の軍勢が、パルマ公国から西のアルプス山脈(現代でいうイタリアとフランスの国境地域)に展開している事が確認されました。

 現状、パルマ公国側に攻め寄せる気配はありませんが、ナポリ王国の探索に向かう上で、この軍勢を無視する事は出来ません。
 ナポリ王国軍がアルプス山脈に構築した防衛線を突破し、ナポリ王国軍が国境地域活動で活動している理由について調査を行ないましょう。


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#ジョアシャン・ミュラ


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選択肢『パルマ公国拠点化計画』のルール

 攻略旅団の提案に従い、淫魔宰相『夜奏のルドヴィカ』を撃破した事で、クロノヴェーダの支配から解放されたパルマ公国を、ディアボロスの拠点とすべく活動します。
 パルマ公国は、ルドヴィカの威光によって、周辺各地から物資が運ばれ栄えていましたが、ルドヴィカ撃破によって、その物資が途絶え困窮する事が予測されます。

 市民達に当面の生活物資を提供しつつ、市民達が普通に生活できるように支援しましょう。
 ディアボロスに恩義を感じて友好関係を築いた市民達は、ディアボロスに会えば協力してくれるようになり、今後のディアボロスの活動を支援してくれる事でしょう。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『【期間限定】最終人類史で海遊び』のルール

 パラドクストレインで事件を解決に出発する前に、江東区お台場海浜公園の「おだいばビーチ」を中心に、海で遊んでいく選択肢です。
 海水浴や釣り、マリンスポーツを楽しんだり、ビーチでのんびり過ごしたりするのも良いでしょう。

 最終人類史のビーチですので、この選択肢ではまだ発生していない残留効果も自由に使用可能です。
【水中適応】で水中でも自由に活動できますし、【アイスクラフト】がありますので、氷を使った冷たい飲み物や食べ物も楽しめます。
 戦いの前に、存分に英気を養いましょう。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾護衛するトループス級『ヴォルティジュールドール』のルール

 事件の首魁であるクロノヴェーダ(👿)を護衛するトループス級クロノヴェーダ(👾)と戦闘を行います。
 👾を撃破する前に👿と戦闘を行う場合は、👾が護衛指揮官を支援してくるので、対策を考える必要があるでしょう。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿アヴァタール級との決戦『華麗なるソレイユ』のルール

 事件の首魁である、アヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と戦います。
 👿を撃破する事で、この事件を成功で完結させ、クロノヴェーダの作戦を阻止する事が可能です。
 敵指揮官を撃破した時点で、撃破していないクロノヴェーダは撤退してしまいます。
 また、救出対象などが設定されている場合も、シナリオ成功時までに救出している必要があるので、注意が必要です。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、敵を倒し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※このボスの宿敵主は「冰室・冷桜」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。