生き埋めにされたリターナー

 獣神王朝エジプトでは、リターナー種族の一般人に、自分自身に墓穴を掘らせて生き埋めにする儀式が行われています。
 この儀式により、千人近くの生き埋めにされたリターナーの死と引き換えに、数名のマミーが生みだされるようです。
 この蛮行を阻止し、多くのリターナーを救出しつつ、マミーが生まれるのを阻止してください。
 生まれたばかりのマミーは、死の恐怖から覚醒しただけで悪意を持っていない為、ディアボロスが説得し、パラドクスで攻撃する事で、クロノヴェーダの部分だけを殺し、リターナーとして生き残させる事も出来るかもしれません。

傲岸なる砂塵の試練(作者 柊透胡
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#獣神王朝エジプト  #生き埋めにされたリターナー 


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#生き埋めにされたリターナー


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 其れは、不可思議な光景だった。
 岩山に囲まれた砂礫の窪地の周りをぐるりと囲むのは、砂嵐の壁。轟々と激しい唸りを上げ、黄砂が巻き上げられている。砂嵐の壁を不用意に越えようとすれば、微細な砂は容赦なく衣類の隙間に入り込み、肌を裂き、口や鼻から気道を塞いで窒息させるだろう。
 喩え、リターナーであっても、傷付けられれば苦しい。戦いに向かぬ体躯であれば尚の事。
「……ふん」
 集められたのは、精々10代半ばまでの少年少女。彼らを雌獅子のエンネアド達に取り囲ませ、穴を掘らせているのは、縞模様のネメス頭巾を被ったマミーだ。
「子供の身でリターナーとなる程の執着がありながら。肉体は余りに脆弱。だが、このまま捨て置くには、実に惜しい」
 岩山の上からの呟きを聞きながら、ぽろぽろと泣きながら、子供達は必死に砂礫を爪で掻いて掘り返す。誰もが手を朱に染めて、けれど、砂嵐の壁とエンネアドの剣に脅されて、一息つく事も儘ならぬ。
 既に穴の深さは、子供達の背丈より遥かに深く――3mに達しようとしているというのに。
「……そろそろ、良いだろう」
 マミーの合図に、穴の縁から見張っていたエンネアドが下がる。怪訝そうな子供達が立ち上がろうとした次の瞬間。
 ――――!!
 砂嵐の壁が、崩れ落ちる。呈を崩した砂の波濤は、忽ち子供達が掘った穴へと雪崩れ込む。
「獅子は我が子を、千尋の谷へ突き落す。幼きリターナーよ、己が力で這い上がれ。力を得てマミーとなって初めて、貴様らは神の尖兵たる資格を得る。さあ、我が期待に応えて見せよ!」
 頭から砂を浴びせられ、生き埋めにされていくリターナーの子供達を冷徹に見下し、朗々と独善を嘯くマミーの手には、獅子を象った黄金のアンクが握られていた。

「『獣神王朝エジプト』には、死より蘇り『リターナー』と呼ばれる種族になる方がいます。そう言えば、ディアボロスにもいらっしゃいますね」
 新宿駅グランドターミナル――そのプラットホームに出現したパラドクストレインの1号車の傍らで、篁・弧珀(陽炎う陰陽射手・g03309)は集まったディアボロス達を見回した。
「リターナーの多くは、死から蘇るという奇跡を体験した事で、クロノヴェーダを強く信仰するようになります。ですが、基本は、一般人です」
 クロノヴェーダは、このリターナーを『マミー』に覚醒させる事で、戦力を増強しているという。
「覚醒の為に、兵士として戦わせる場合が多いようですが……資質が兵士に足り得ぬと判断されたリターナーを、生き埋めにしてしまう動きがあります」
 生き埋めで生命の危機に陥ったリターナーを、マミーに覚醒させようという非道な作戦だ。
「リターナーという特殊な種族であっても、彼らは、無辜の一般人です。斯様な外道、見過ごす訳には参りません」
 助けてあげて欲しいと、妖狐の時先案内人はディアボロス達に頭を下げた。

「……とは言え、リターナーが生き埋めにされる砂漠は、パラドクストレインが到着した時点では砂嵐が酷く、すぐに向かうのは危険です」
 檜扇の手控えに目を落とし、弧珀は順を追って段取りを説明していく。
「リターナーが生き埋めにされる砂漠は『シナイ半島』にあります……そう言えば、攻略旅団で『アラビア半島方面の調査』が提案されていました。砂嵐が収まるまで、調査も兼ねて海岸で過ごしてみては如何でしょうか」
 シナイ半島は『獣神王朝エジプト』の東端と予測されている。パラドクストレインは、シナイ半島の海岸近くに到着するので、ディヴィジョンの範囲の確認も可能だろう。又、エジプトは年間を通じて最高気温が20℃を下回る日はほとんど無い。季節を問わず、海水浴を楽しめる。
「リターナーが心配かもしれませんが……戦いに備えて、英気を養うのは皆さんにとっても、有意義と考えます」
 主に、残留効果的な意味で。
「生憎、正確な時刻は確定出来ませんでしたが、砂嵐は日暮れの前に収まります。作戦開始です」
 ディアボロスが駆け付けた段階で、既に、リターナーの生き埋めは完了している。
「生き埋め作戦を指揮するアヴァタール級クロノヴェーダと、その配下のトループス級クロノヴェーダと戦いながら、生き埋めにされたリターナーの救出を目指して下さい」
 リターナーは普通の人間よりは頑健ではあるが、今回、生き埋めにされたのは子供のリターナーばかり。戦闘終了後に安全を確保してから助けるのでは、間に合わず息絶えてしまうだろう。
「戦闘と救出の両立は困難とは思いますが、皆さんならば、成し遂げられると信じています」
 それでも稀に、生き埋めにされたリターナーの中から、マミーに覚醒して這い出して来る者もいるだろう。
「クロノヴェーダとなってしまっては、倒すのが道理です。しかし、心ならずもマミーとなってしまった者は、その変化が定着していない初期の間ならば、元のリターナーへ戻す事も出来るようです」
 ディアボロスが説得し、相手を納得させた上でパラドクスで撃破すれば良い。
「もし、可能であれば、彼らも救ってあげて下さい」
 尤も、クロノヴェータとの戦いも、一筋縄ではいかない。
「トループス級は『雌獅子神群』。頭部が雌獅子の勇猛なエンネアドです。神々を讃えながら剣を振るい、火も吐くようですね」
 そして、アヴァタール級クロノヴェーダは『神砂使い』。古代エジプト王家に仕えた将軍のマミーだ。
「今回の神砂使いは、特別な黄金のアンクを使うようです」
 神砂使いはその名の通り砂を操るが、彼の力は桁違いだ。実際、最初にディアボロス達を阻む砂嵐も彼の力で、その強烈な砂嵐で易々と多くのリターナーの子供達を生き埋めにしてしまう。
「ですが、彼の強大な魔力の源は、その黄金のアンクです。それさえ何とかすれば、他の神砂使いと同格まで弱体化出来るでしょう」
 最初から『神砂使い』と戦うのも不可能ではないが、黄金のアンクがある限り苦戦を強いられるだろうし、雌獅子神群のディフェンスやリターナー救出の妨害をされても厄介だ。戦力の分配が作戦の肝要とも言えよう。

「獣神王朝エジプトでの戦いは、初めての方も少なくないでしょう。今回は調査も出来ますし、砂漠での過酷な戦いとなります。無理はせず、確実に出来る事を積み重ねて、勝利を掴み取って下さい」
 例に漏れず、パラドクストレインが敵のディヴィジョンに到着するまで、車内で仲間と作戦を練る事も可能だ。パラドクストレインは車両が複数あるので、チーム毎に別々に相談しても良いだろう。
「獣神王朝エジプトは、人々の厚い信仰心がクロノヴェーダの支配を支えています。しかし、生き埋めになり殺され掛けたリターナー達の中から、クロノヴェーダへの信仰に疑いを持つ者も現れると思います」
 或いは、そのような存在が増えていけば、何れ獣神王朝エジプトの信仰を揺らがせる事に繋がるかもしれない。
「――時は来たれり。仇讐の輩に一矢報いん。……皆さんの武運を祈ります」

(「……とう、さん……かあさ、ん……」)
 弱々しい力が、砂を掻く。頭上から圧殺されんという恐怖の中、思い浮かべるのは、熱で汗ばんだ額を撫でる父の分厚い手と、自分の看病でやつれながらも優しい母の笑顔。
 折角、強く生きられるようにと『ジャバー』と名付けてくれたのに。ずっとずっと病気がちで、ほとんど起き上がる事すら出来ず、10年も生きられなかった。
(「今度こそ……『強く』生きようって、決めていた、のに……」)
 リターナーとなっても、病でやせ細った体格は変わらなかった。結局、戦力にならないと烙印を押され、この様だ。
(「…………嫌だ」)
 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ――このまま、息絶えて、弱いまま、打ち捨てられるのは。か弱い息子を産んでしまったと、両親に嘆かれたままなのは、絶対に嫌だ!
 ああ、あああああ――!!
 細い喉に砂が詰まるのも構わず、絶叫が迸る。無理矢理に動かした腕が必死に黄砂を搔き分け掻き分け――次の瞬間、外気を感じる。
「ガ、ゴホゴホッ!!」
 咳込みながらも地表に這い出た小柄を見下ろし、神砂使いは包帯に包まれた面をニンマリと歪ませた。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
1
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【フライトドローン】
1
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【罪縛りの鎖】
2
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【浮遊】
2
周囲が、ディアボロスが浮遊できる世界に変わる。浮遊中は手を繋いだ「効果LV×3体」までの一般人を連れ、空中を歩く程度の速度で移動できる。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【勝利の凱歌】
1
周囲に、勇気を奮い起こす歌声が響き渡り、ディアボロスと一般人の心に勇気と希望が湧き上がる。効果LVが高ければ高い程、歌声は多くの人に届く。
【避難勧告】
1
周囲の危険な地域に、赤い光が明滅しサイレンが鳴り響く。範囲内の一般人は、その地域から脱出を始める。効果LVが高い程、避難が素早く完了する。
【友達催眠】
2
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【隔離眼】
1
ディアボロスが、目視した「効果LV×100kg」までの物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)を安全な異空間に隔離可能になる。解除すると、物品は元の場所に戻る。
【エアライド】
2
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【トラップ生成】
2
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【過去視の道案内】
1
移動時、目的地へ向かう影が出現しディアボロスを案内してくれる世界となる。「効果LV×1日以内」に、現在地から目的に移動した人がいなければ影は発生しない。
【完全視界】
2
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【活性治癒】
3
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【土壌改良】
2
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の地面を、植物が育ちやすい土壌に変える。この変化はディアボロスが去った後も継続する。
【温熱適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が、気温摂氏80度までの暑さなら快適に過ごせる世界に変わる。
【使い魔使役】
1
周囲が、ディアボロスが「効果LV×1体」の通常の動物を使い魔にして操れる世界に変わる。使い魔が見聞きした内容を知り、指示を出す事もできる。
【書物解読】
2
周囲の書物に、執筆者の残留思念が宿り、読むディアボロスに書物の知識を伝えてくれるようになる。効果LVが高くなる程、書物に書かれていない関連知識も得られる。
【パラドクス通信】
2
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【建物復元】
1
周囲が破壊を拒む世界となり、ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の建造物が破壊されにくくなり、「効果LV日」以内に破壊された建物は家財なども含め破壊される前の状態に戻る。

効果2

【能力値アップ】LV5 / 【命中アップ】LV5(最大) / 【ダメージアップ】LV6 / 【ガードアップ】LV4 / 【ラストリベンジ】LV1 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV3 / 【ロストエナジー】LV5

●マスターより

柊透胡
 こんにちは、柊透胡です。
 今回は『獣神王朝エジプト』行きのパラドクストレインに、時先案内人篁・弧珀がご案内致します。
 是非とも、生き埋めにされたリターナーの子供達を救ってあげて下さい。

 リターナーの子供達が生き埋めにされる砂漠は、幾つかの岩山に囲まれた窪地になっており、アヴァタール級クロノヴェーダ『神砂使い』は、その岩山の上から采配を振っています。
 自らの墓穴を掘らされるリターナー達の周囲をトループス級の『雌獅子神群』が取り囲んで威圧し、窪地の周囲は『神砂使い』の魔力で、激しい砂嵐が吹き荒れています。

 最初は、この砂嵐を乗り越えるのは難しい為、「②【攻略旅団】シナイ半島の東海岸にて」で調査してみて下さい。海水浴もOKです。パラドクストレインが到着した地点の近くには、細やかな黄砂と海の青が美しい海岸が広がっています。
 「②【攻略旅団】シナイ半島の東海岸にて」の必要成功数は『3』となっていますが、この選択肢に限り、全てのプレイングを採用致します。
 特殊ルールの都合で、②の描写を最優先します。プレイングの〆切は、追ってマスターページでお知らせします。

 この砂嵐の砂塵で『神砂使い』がリターナーの子供達を一気に生き埋めにした事で砂嵐が収まり、ディアボロス達も駆け付ける事が可能となります。
 リターナーの救出や説得は『クロノヴェータとの戦闘と同時に行う』事になるので、②を除く全ての選択肢が同時進行となります。(リターナーを生き埋めにした時点で、敵は現場にいるので、戦闘前に救出活動は出来ません)
 但し、「⑥👿アヴァタール級との決戦『神砂使い』」に於いて、神砂使いとはそのまま戦っても苦戦は免れません。
 「③特殊兵装を無効化せよ」「④👾護衛するトループス級『雌獅子神群』」を経て、弱体化させるのをお勧めします。

 戦闘と「①生き埋めにされた一般人」を並行して進める事で、数十人のリターナーの子供達を助けられます。数が多いので、効率を高める工夫が必要かもしれません。
 尚、マミーとなってしまう少年『ジャバー』は、「⑤👾覚醒直後のトループス級『マミー兵団』」を完了せずにリプレイを完結した場合、完全にクロノヴェーダ化して救出する事は不可能となります。
 リプレイの方は、③と④の合間に描写出来ればと考えています。

 ②を除いて、攻略完了に必要な成功数を大きく超過しての採用は致しませんので、上手く役割分担して頂ければ幸いです。

 それでは、獣神王朝エジプトより、皆さんの熱いプレイングを待ちしています。
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


イクサ・スメラギ
ルゥル(g01659)の事が気になって
声掛けてはみたものの

ちくしょう、砂嵐の向こうに
すぐに向かえないのは歯がゆいぜ!
英気を養う、つっても
ンな事してる場合じゃあ
……


ルゥルに手を引かれ
その恰好に、なんかその
ひゃっ?!ていうか、キョッ?!っていうか
なんかビックリしたような気持ちになって
反射的に目をそらしつつ、首をぶんぶん振って
よっし、行くぜルゥル!
服が濡れてもお構いなしだ
ざぶざぶと海に入っていくよ

え、会った事、あるかなあ
俺も、気づいたら以前の記憶、うすぼんやりになってたし
…こんな、…………いコ
会ってたら、絶対覚えてるし
(そっぽ向いてぽそぽそ)

市場?行こ行こ!
この時代の市場って、一体どんななんだろな


ルゥル・ルゥ
わーいっ♪海ー!
子供たちのことはもちろん心配だけど
今できることは今を楽しむこと!だよね
ね、とソワソワしてるイクサくん(g00251)の手を取って
行こ!と海に誘うよ

白地に林檎柄でスカートタイプのビキニを着て
林檎型のビーチボールに掴まって海にぷかぷか
ディヴィジョンの端っこってどーなってるのかな
鳥さんに偵察をお願いしつつ
砂漠の太陽で火照った肌に水が冷んやり気持ちいいね

そういえば、イクサくん
何処かで会ったことあるかな?
初めて会った時から何故かすごく既視感があって
気になるというか…

胸がぎゅーってなるんだよね
というのは口の中でつぶやいて

誤魔化すように話題転換
あっちに市場があるみたい!
見に行ってみない?


●エジプトの東の果て
 パラドクストレインが停止したのは、荒涼たる砂礫の最中。丁度、岩山の陰で、成程、現地の者にも見咎められない場所と言えた。
 下車して東を見れば、黄砂の向こうに、陽射しを反射してキラキラと眩い碧海が。
 そして、西を向けば――天まで届かんばかりの砂嵐の壁が、遠目にもよく判る。動かず、其処に留まり続けているのが異様だ。
(「ちくしょう、歯がゆいぜ!」)
 忌々し気に、砂嵐の壁を睨むイクサ・スメラギ(かっとび特攻・g00251)。時先案内人の沈着な物言いが脳裏を過り、癪に障る。
「英気を養う、つっても、ンな事してる場合じゃあ……」
「ねぇ、イクサくん」
 苛立つ少年に声を掛けたのは、ルゥル・ルゥ(黄金の林檎姫・g01659)だ。
「子供たちのことはもちろん心配だけど、今できることは『今』を楽しむこと! だよね?」
「そ、そりゃぁ……」
 此処で睨み付けていた所で、砂嵐が止むまで、リターナーの子供達を救援には行けないのだ。
「だったら、ね! 行こ!」
 クイッと手を引かれた拍子に、少年が目の当たりにしたのは――スカート風の白いビキニ。白皙の肌に、愛らしい林檎の柄がよく映える。
「…………」
「どうかした?」
 何故か目を逸らされて、小首を傾げるルゥル。
「……何でもない」
 ひゃっ!?ってゆーか、キョッ!?ってゆーか。ビックリドッキリで鼓動が早くなったのは、少年の大いなる秘密だ。
「よっし。行くぜ、ルゥル!」
 振り切るような威勢の良さで、イクサは走り出す。服が濡れてもお構いなしとばかり、ザブーンッと海へ飛び込んだ。

「そう言えば、イクサくん」
「うん?」
 取り敢えず、諸々は数時間後にぶん投げるとして、海でぷかぷかしたり、泳いだり。砂漠の太陽で火照った肌に、水がひんやり気持ちいい。
「何処かで会ったことあるかな?」
 海面に浮かぶ林檎形のビーチボールに掴まって、ルゥルは以前から気になっていた事を口にする。
「初めて会った時から何故かすごく既視感があって、気になるなっていうか……」
(「胸が、ぎゅーってなるんだよね」)
 無意識に、ビーチボールを抱える腕に力が籠る。
「え? 会った事、あるかなあ」
 器用に立ち泳ぎしながら、イクサはうーんと考え込む。確かに、ディアボロスとなる以前の記憶は、うすらぼんやりとしてしまっているけれど。
「……こんな、…………いコ、会ってたら、絶対覚えてるし」
「? なぁに? イクサくん」
 そっぽ向いてぽそぽそ呟く少年の前に回り込んで、顔を覗き込んでみたら、パチリと紫と緑の目が合った。
「……」
「……」
「……あ、あっちに村があるみたい! 見に行ってみない?」
「村? 行こ行こ! 市場とか、あったりするかな?」
 お互い、何かを誤魔化すようにパッと離れて。さして遠くない距離に見える家々の影に向かって泳ぎ出した。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【避難勧告】LV1が発生!
【使い魔使役】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!

栗島・スミコ
「どこまで続いてるんだ、こりゃあ!」

始めてみる光景に思わず声を弾ませるスミコ。
現地に到着したスミコが最初にしたことは・・・

$ summonevil angel ...

アームターミナルに「悪魔召喚」のためのコマンドを入力する。
天使を召喚し、その魔力を使って【友達催眠】により、いち早く現地に溶け込み、町の人々から情報を収集する。

「こっちの紅茶は甘いねー…いいね!」

砂糖たっぷりの紅茶を満喫し、しばらくは街を散策する。


「どこまで続いてるんだ、こりゃあ!」
 既に何度か、パラドクストレインに乗り込んでいる栗島・スミコ(ピアスの少女・g00599)だが、獣神王朝エジプトは初めて。広大にして目にも新しい光景に、思わず声を弾ませる。
 ――$ summonevil angel ...
 ともあれ、仕事始めにまず、スミコはハンドヘルドコンピューター――その名も、アームターミナルに、コマンド入力。天使を召喚する。その魔力を使って、残留効果を起動するのだ。
「さてさて、首尾はどうかな?」
 早速、最寄りの集落へ向かうスミコ。思ったよりも規模は小さくて、精々、村程度だ。
「こっちのジュースは甘いねー……いいね!」
 果たして、残留効果の【友達催眠】は覿面で、スミコは引っ越してきたばかりの隣人のように迎えられた。古代エジプトにはまだ紅茶の類は無く、ご馳走されたのはキャロブのジュース。甘味があり、チョコレートにも似た風味だろうか。季節柄、冷えていないのは仕方ないだろう。
 そうして、砂嵐が収まるまでの時間潰しも兼ねて、スミコは村を散策する事にした。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【友達催眠】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!

月見山・伊吹
【月日夫妻】
※ディアンドルっぽい衣装にショールを羽織ってる

うひょー!エジプトだー!!
本物の砂漠!海も瑠璃色でめちゃくちゃ綺麗!
沖縄の海を思い出すなー。

まずは少しでも有益な情報を得る為、
千隼と一緒に【情報収集】で
海岸近くの街とバザールにて聞き込み調査と探索!
ついでにケバブやモロヘイヤスープ等
エジプトの料理やデザートを飲食する。
クナーファとロズビラバン甘くて美味しい!

海水浴は日焼け対策しエキゾチックな模様のビキニ水着を纏い
泳いだり浮き輪でのんびりしたりと千隼に見守られながら満喫。
浅瀬で千隼が転んだので支えて立ち上がらせるが、
表情が乏しい千隼のふとした微笑みを見て久々に千隼の笑顔見れたと頬を染める。


月見里・千隼
【月日夫妻】
※上着を脱いで手に持ちYシャツの袖を少し捲ってる


伊吹、エジプトに来てはしゃぐのはいいが
砂嵐が収まるまでは現地の調査だ。
リターナーの子供達を助ける為にな。
しかし暑い…。

海岸近くの街で伊吹と共に【情報収集】しながら街を調査・探索。
ついでの食事は炭水化物類を避け、
野菜や豆や肉や果物が使われた低カロリーな料理を食べ紅茶も飲む
(騎手と言う職業上、少食)

綺麗なビーチで海水浴を楽しむ水着姿の伊吹を木影で見守り休憩。
伊吹…スタイル抜群だなと見惚れてたら、
千隼もおいでーと伊吹に言われて
ブーツを脱ぎズボンの裾を捲り
伊吹の元へ行こうとするが
浅瀬で転んでびしょ濡れに。
大丈夫?と伊吹に支えられ立ち上がる。


「うひょー! エジプトだー!!」
 見渡す限り、本物の砂漠! 海も瑠璃色でめちゃくちゃ綺麗!
「沖縄の海を思い出すなー」
「伊吹、はしゃぐのはいいが、砂嵐が収まるまでの現地調査だからな」
 テンションMAXでディアンドル風スカートとショールを軽快に翻す月見山・伊吹(小春日和・g04125)を、月見里・千隼(清風明月・g03438)はぶっきらぼうに窘める。
「しかし、暑い……」
 エジプトの9月は、まだ夏の陽射し。熱気に耐え切れず、千隼は上着を脱いでYシャツの袖も少し捲っている。
「街でもあれば、と考えていたが……」
 集落らしき影に足を向けたが、恐らくは漁村だろう。村人に聞けば、周囲に大きな町は無く、勿論、バザールも無い。エジプトの東の果てに来た事を実感する。
 ちなみに、昼食を現地で摂る事にしたが、伊吹が期待していたエジプト料理ではなかった。多分に、時代的な理由だろう。ささやかながら耕作もしているらしく、豆類が多かったのは千隼には好ましかったようだ。
「まあ、仕方ないねー」
 あっけらかんと切り替えて、伊吹は海に行こうと夫を誘う。
 日焼け対策もしっかりと。エキゾチックなビキニに着替えた伊吹が、楽しそうに砂浜を駆け抜ける。
(「伊吹……スタイル抜群だな」)
 エジプトの太陽にも負けない闊達な健康美に見惚れる千隼。泳いだり浮き輪に掴まってのんびりしたり、気儘にエジプトの海を満喫する彼女を、木陰から見守っていたけれど。
「千隼もおいでー」
 満面の笑みで大きく手を振る最愛の人に呼ばれれば、行くしかあるまい。ブーツを脱ぎ、ズボンの裾を捲り、千隼も炎天下に足を踏み出せば。
「熱っ!?」
 正に熱砂で息を呑む。到底じっとしていられず、浅瀬へ駈け出すも――。
 ザブーンッ!!
 今度は濡れた砂に足を取られて、見事に頭から突っ込んだ。
「千隼!? 大丈夫?」
 慌てて駆け寄る伊吹。手を伸ばして立ち上がらせる。
「うわぁ、見事にずぶ濡れだねー」
「そうだな……」
 真顔が常の千隼。いつも一緒の伊吹にすら、内なる感情を見せない鉄面皮なのに。
(「あ……久しぶりだ」)
 きっと本人も自覚していないだろう。僅かに唇を綻ばせた夫の微笑みに、トクリと胸の鼓動が跳ねる。
「どうした? のぼせたのか?」
「……そーかもねー」
 頬を染める熱は、もしかしなくても……火照る肌を冷ましたくて、伊吹はザブンと海に潜った。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【能力値アップ】がLV2になった!

ノスリ・アスターゼイン
白茶の砂地
広がる青海

砂嵐の障壁さえなければ
美しいと賞賛できたコントラストだろうに

波間に揺蕩いながら
眩い日差しを見上げる

再びの終焉に直面している子供達は
海辺で遊んだことはあるのだろうか
一度も触れたことが無い者もいるかもしれない

折角還った魂だもの
生を楽しまなきゃね

束縛は嫌い
だから
自由で居られない子供らが
解放されたら良い、と願う我儘

独善でも
幸せが咲くのなら
良いコトでしょ

小さく笑って
海へと沈み込む

海底に光る石や貝など発見できるかな
他にも面白いモノがないか探検気分
水没神殿とかね、浪漫

見つけた品や
まみえた景色の話が
助かった子供への贈り物になると良い
今度こそ未来を楽しむことが出来るんだ、と
希望に耀けるように


 白茶の砂地、広がる青海――膝まで海水に浸かり、ノスリ・アスターゼイン(共喰い・g01118)が振り返れば、砂丘の更に向こうが不穏に翳っている。
「砂嵐の障壁さえなければ、美しいと賞賛できたコントラストだろうに」
 溜息が零れるも、これ以上、悲観するのは止めた。リターナーの救出の為に、集まったディアボロスも多いのだから。
(「再びの終焉に直面している子供達は、海辺で遊んだことはあるのだろうか」)
 長い手足を投げ出すようにぷかりと浮かんで、波間に揺蕩う。思考は取り留めなく、降り注ぐ陽射しは眩くて、琥珀の双眸を細める。
(「或いは、1度も触れたことが無い者もいるかもしれない……折角還った魂だもの。生を楽しまなきゃね」)
 ノスリ自身、束縛は嫌いだ。だから、今、この時も自由で居られない子供らが解放されたら良い、と想う。
(「我儘でも、独善でも、幸せが咲くのなら。良いコトでしょ」)
 何かを言われたような気がして、何かに答える。ふと小さく笑って、長躯を折るようにして海へと沈み込んだ。
(「光る石とか貝とか、発見できるかな?」)
 水没神殿とか在った日には、もう浪漫の塊だ。面白いモノがないか探検気分で、ノスリは素潜りを繰り返す。
 見つけたものや、見えた景色、それらを助かった子供達の贈り物にしよう。
 今度こそ未来を楽しむことが出来るんだ、と希望に耀けるように――だから、砂嵐が止んだ時。翼に星斑を燈す砂色の鳥は飛翔する。ただ、其れだけ。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!

ハロ・エリス
思えばこの世界で海にまで足をのばしたことはなかったな
目の前に広がる青がすべて塩辛い水とは不思議なものだ
…後で日記に書いておこう

それはともあれ
救出と敵の撃破を同時に行うならば準備に手は抜けない
我らの連携が取りやすくなるようパラドクス通信を使えるようにしておこう

次に砂嵐がいつ止むかを天候予測しておく
救出であれ敵の撃破であれこちらが僅かばかりでも早くに動けることができるだろう
…事前に動けないのはわかっているのが口惜しいものだがな

さて後は…敵を引き付け、意識を子供たちではなくこちらに向かせる算段をつけるか
このあたり一帯の地形について聞きこむことで、不意打ちに適切な場所が探せるかもしれない

*アドリブ歓迎


 ハロ・エリス(星々の間に住まうもの・g01113)は、ふと思う――この世界で海にまで足をのばしたことはなかったな、と。
 ザザンと、寄せては返す白波が、ハロの足元まで濡らす。ちょっとした好奇心で海の水を口にして、顔を顰めた。
「目の前に広がる青がすべて、塩辛い水とは……不思議なものだ」
 後で日記に書いておこう。
 尽きぬ興味はさて置き、振り返れば、砂丘の向こうは空気まで澱んでいるかのよう。
「あの砂嵐は、何時止むのだろうか」
 空を見上げ、風を感じて、天候予測を巡らせようとして、ハッと思い出す。
 時先案内人は、断言していた筈だ――あの砂嵐は、今回の首魁、神砂使いの魔力に依るものだと。その砂嵐の砂でリターナーの子供達を生き埋めにするからこそ、ディアボロス達も駆け付けられるようになるのだと。
 救けに行く為に、子供達が生き埋めになる時を待たねばならぬという皮肉。その口惜しさで、ハロは険しく眉根を寄せる。
(「なればこそ、こちらが僅かばかりでも早く動けるように」)
 子供達の救出と敵の撃破を同時に行うならば、準備に手は抜けない。その一環として、残留効果のパラドクス通信を起動する。逆説連鎖戦に於いて、残留効果を含む連携こそが、ディアボロスの大きな強みなのだから。
「さて、後は……」
 敵を引き付け、意識を子供達からこちらに向けさせる算段か。
(「漁村のようだが、この辺りの地形なら、詳しい者もいるだろうか」)
 不意打ちに適切な場所を探せるかもしれない――最後に海原を一瞥して、ハロは踵を返した。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!

バースィル・アシュラフ
「この膨大な量の真水があれば民が飢えずに…いや、考えても詮無き事よな」
海水なのが惜しいと思ってしまう。美しいと思うよりも。

砂嵐はここから見えるのだろうか?
まったく忌々しいものよ。
日暮れが待てぬほどだ。
もちろん、勝手に行動等はせぬが…歯噛みはしてしまうぞ。

時間は何で潰そうか。子を奪われた父母がいるならば子の名前を聞いておきたい。
マミーになろうとも、自身の存在が曖昧になろうとも、リターナーとしての自分の名前を聞けば、戻ってこれるかもしれぬ。
もちろん、その子供がマミーになってる可能性は低いかもしれぬ。
だが、何もせず待つのは性に合わぬ。
我が民のためでたれば、いくらでも奔走しようぞ。

アドリブ歓迎
絡み歓迎


「この膨大な量の真水があれば、民が飢えずに……いや、考えても詮無き事よな」
 鼻腔を擽る潮の香りに、バースィル・アシュラフ(焔陽の獅子王・g02196)は、表情を曇らせる。塩水なのが惜しいと思ってしまったのだ、碧海が美しいと感じるより先に。
「それにつけても、まったく忌々しいものよ」
 感傷を振り払うように海に背を向ければ、図らず、遠目に砂嵐の壁が窺える。
 クロノヴェータに虐げられるリターナーの子供達を想えば、日暮れまで到底待てそうにない。
(「もちろん、勝手に行動はせぬが……」)
 ギリリと、噛み締めた奥歯が軋んだ。
「……」
 ともあれ、全身に力が入っていては思うように戦えぬ。深呼吸で荒ぶる気持ちを落ち着けるバースィル。
(「何か、時間潰しを……」)
 そう言えば、あの村にも、リターナーとなった子供を奪われた両親はいるのだろうか。
(「もしいるならば……子の名前を聞いておきたい」)
 喩えマミーになろうとも、自身の存在が曖昧になろうとも、両親に名付けられた己の名前を聞けば、戻ってこられるかもしれない。
「まあ、その子供が、マミーになってる可能性は低いかもしれぬがな」
 何もせず、只待つのは、バースィルの性に合わない。民の為であれば、幾らでも奔走する――それが、彼の王たり得る矜持であるのだから。

 ちなみに――最寄りの漁村に、リターナーの家族がいる者はいなかったが、マミーになるだろうという子供の名はすぐ知れた。
 時先案内人は『特定のパラドクストレインの行き先で起こる事件の情報』を感知出来る。且つ、状況が進展すれば、逐次、文章化してディアボロス達に余さず伝える事が出来るのだ。
 尚、マミー化が予測されるリターナーについては、初期情報として、既に開示されている。
 名前は『ジャバー』。その重厚な響きは、『強力』という意味を持つという。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【温熱適応】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!

フルルズン・イスルーン
普通のリターナーの子に会いたいけーれーどー。
うーん砂嵐で何も見えない!
まあ、助けられるというなら今できることをしよっと。
ん? 調べ物したいって? じゃあ手伝おっか。
シナイ半島からこっちに来た人がいるなら伝承や文字が残ってたりするかも?

ということで時間までに調べ物だよ!
町の碑文とか昔話とかを聞いて回って、伝承知識と魔術知識で解読だ!
工芸品になにかあるかもだし、アートでチェック。
埋もれた遺物は砂使いで綺麗にしよう。
パラドクスのゴーレムも喚び出してブーストしておこう。
というかボクもリターナーだけど、その辺の記憶も知識も全然ないからなぁ。
他のディビジョンから人が来れるというなら、それもそれで重要だ。


「うーん……砂嵐で何も見えない!」
 村外れの砂丘の上から、ジィっと目を凝らしていたフルルズン・イスルーン(ザ・ゴーレムクラフター・g00240)は、お手上げとばかりに空を仰ぐ。
「まあ、助けられるというなら、今できることをしよっと」
 切り替えの良さは、彼女の長所かもしれない。くるっと踵を返すと、村の方へ戻っていく。
「調べ物だっけ? じゃあ、手伝おっか」
 例えば、外来の伝承や文字が残っていたりするだろうか? ――なんて、村人達に昔話などを聞いて回ったけれど。
「……空振りかぁ」
 見るからに鄙びた漁村に曰く付きの碑文などなかったし、昔話と言うよりは砂漠での生き方、漁の心得といった訓戒を説話に仕立てた感じで、フルルズンが求める方向性からちょっとずれている。
(「工芸品と言えば……シナイってターコイズの国って呼ばれていたんだよね、確か」)
 まあ、漁具も工芸品と言えなくもないだろうけど。実用全振りで、アートには程遠い。
 仕方ないので、少し遠出して、埋もれた遺物とか探してみる事にした。
(「そう言えば、クロノヴェーダも持ってるんだっけ、特殊兵装」)
 確か、黄金のアンクだったか。ラテン十字の上部がループ状の楕円となった形状で、エジプト十字とも呼ばれている。
「何処で拾ったんだろ? ボクも欲しいかも」
 主に、ゴーレムの兵装として。
(「というか、ボクもリターナーだけど、その辺の記憶も知識も全然ないからなぁ」)
 尤も、今の獣神王朝エジプトはクロノヴェータにとって都合のいい世界であり、過去のディアボロス達の世界の在り様から逸脱してしまっているのだろう。
 他のディヴィジョンから人が来れるというのは、それもそれで重要かもしれない。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【書物解読】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!

ユーフォリア・アルテニー
言い出しっぺですので、真実は自分の目で!

「ここがシナイ半島の東海岸なら、ダハブ近辺で…目の前はアカバ湾?」

獣神王朝エジプトになぜ、ジン契約者がいるのか
アラビア半島から来たのなら、説明はつきますの

狭い湾ですし、対岸の有無は肉眼でもすぐ分かるはず

アラビア半島が見えるなら
エジプト神か、別種のクロノヴェーダに支配されてるのか
それとも、人類側の抵抗拠点になってるのか
調査の続きを提案しましょう

紅海の対岸に陸がない場合、海水は淡水?
(水を味見)
ジン契約者はどこから来たのか、謎が残ります
別のディヴィジョンで同様の「場違い探し」をすれば
新たなジョブや種族の発見に結びつくかも…!

どっちに転んでも、面白そうですの♪


玉梓・はこべ
あついー
あついですー
うぅ……ですけれど新宿島の水着は私からすると、その、少し肌を晒しすぎると言いますか、ですね
歴史が違えば文化も違う、理解してはいるのですけれど……!

……背中の翅で風を起こせば……あ、ダメです
これはダメです熱風です

かくなるうえは子機展開!
知っていますよ高い場所ほど涼しいものと!
いざ!群れ成す子機に乗って高さの限界まで!
もしかしたら子機の羽ばたきなら涼を取れるかもしれませんし……あ、ダメです熱風です
雀蜂を蒸し殺す熱さですこれは

まぁ
見渡してみれば素敵な景色
そう言えばもう暑さも苦になりませんね
此処からなら地上の様子も……
そう調査!
調査ですよ!
見渡す限りの情報を書き留めて行きましょう!


冰室・冷桜
こりゃまた、すごい砂嵐ですこと
ちっとこれを歩いて抜けてくのは御免被りたいわねー……

そいや、ディビジョンの切れ目ってどうなってんのかしらね……急に別の風景に変わるとか?
ま、実際に見てみれば分かるか……
帽子に日焼け止め、日除けになりそうな布に水分も用意して、暑さと日差し対策をしっかりして海岸を歩いて探索していきましょ
とりま、どこまでがディビジョンなのか確かめるのが目的だけれども……
海の向こうに不自然な島とかがないかとか、そういう辺りも意識して見て回るわね


「あついー……あついですー」
 獣神王朝エジプトに到着してからこちら、日影から動けずにいたのは玉梓・はこべ(いくさばのたより・g01107)。
 浜辺はさらさらとした黄砂で、海は澄み渡った碧。海水浴を楽しむディアボロス達の水着の彩がよく映える。
(「うぅ……ですけれど、新宿島の水着は私からすると、その、少し肌を晒しすぎると言いますか、ですね」)
 歴史が違えば文化も違う。そんな事、重々理解してはいるのだけど。
(「……背中の翅で風を起こせば……あ、ダメです、これはダメです熱風です」)
 スズメバチも蒸し殺すかという熱波(否、流石に44℃も無いが)。どうしようと思案する頭もボーッとしてきて、いよいよ使い物にならなくなってきたのを自覚するはこべだったが……突然、不快感が軽減された。寧ろ、快適だ。
「あ……」
 誰かが、温熱適応の残留効果を展開してくれたのだろう。はこべが、心底感謝したのは言うまでもない。
 動けるようになった所で、調査開始。最初はフライトドローンを使う心算であったが、幸い『飛翔』も使える模様。自分で飛ぶ方が速度も速い。 
「まぁ……素敵な景色」
 50m上空から首を巡らせ、金の双眸を輝かせるはこべ。流石に航空写真とはいかずとも、視界は大いに広がっている。
「此処からなら地上の様子も……そう調査! 調査ですよ!」
 もう暑さも苦にならない事だし、見渡す限りの情報を書き留めるとしよう。

「こりゃまた、すごい砂嵐ですこと」
 眼鏡越しの半眼で砂嵐の壁を見やり、冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)はげんなりと溜息を吐く。
「あれを歩いて抜けてくのは、ちっと御免被りたいわねー」
 尤も、砂嵐の方は時間が解決してくれる。目下の問題は、それまで、どう時間を潰すかだ。
「そいや、○○○○○○の切れ目ってどうなってんのかしらね……急に別の風景に変わるとか?」
 ふと関心を覚え、冷桜は海岸の方に足を向ける。
(「ま、実際に見てみれば分かるか……」)
 エジプトの陽射しの強さは何処の世界でも同じだろうから、まずは帽子に日焼け止め、日除け用の布と水分も用意。流石に、温熱適応の効果範囲から外れてしまいそうだから、暑さと陽射し対策は万全に。
「とりま、どこまでがディヴィジョンなのか確かめるのが目的だけれども……」
 だが、少し歩いて後悔した。人の足では少々移動した所で、巨大なシナイ半島の全容なんて掴めない。
「まあ、海の向こうに不自然な島とかも無さそうだけど」
「おかしいですわね」
 期待していなかった応答に冷桜が小首を傾げれば、果たして、少し離れた砂浜で、ユーフォリア・アルテニー(指輪の姫・g01755)がじぃっと海を凝視している。
「ここがシナイ半島の東海岸なら、この辺りはダハブ近辺で……目の前はアカバ湾?」
 紅海の奥に在るアカバ湾は狭く、対岸の有無は肉眼でもすぐ分かる筈。だが、陸地らしきは、影も形もない。
「という事は……アラビア半島が無いってこと?」
「多分、そうなりますわ。ふーん、沿岸の水は塩水。海水ですわね……」
 だったら、ジン契約者とか何処から来たのやら……ユーフォリア当人もジンを従えているだけに、興味は尽きない。
「じゃあ、別のディヴィジョンで同様の『場違い探し』をすれば、新たなジョブや種族の発見に結びつくかも……!」
 アラビア半島の調査を提案した張本人は、次の提案を思案しているのか、碧眼を輝かせていた。

 因みに――空中偵察したはこべの調査結果と、新宿島に残る最終人類史の地図を照らし合わせたところ、パラドクストレインが到着したのはダハブより大分北で、ヌウェイバとターバの中間辺りであったようだ。
「……え? イスラエルも無いの?」
 だからこそ、シナイ半島東海岸の北側も窺う事が出来たのだが、どうやら、陸続きであるイスラエルがある地域から海になっている模様。
 はこべと同様に飛翔してみた冷桜は、ぼんやりと見えるイスラエルとの境界、即ち、獣神王朝エジプトの東の果ての様子に既視感を覚える。
「……あ、判った」
 端的に言えば、新宿島の海岸と、同じ感じだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【浮遊】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
【先行率アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!

●傲岸なる砂塵の試練
 昼も下がって、夕刻が近付く。まだ日没には遠いものの、陽射しが黄金を帯びてくる頃。
 唐突に、砂嵐が消えた。
 待ち構えていたディアボロス達は、すぐさま砂嵐消えたその先へ突撃する。
「獅子は我が子を、千尋の谷へ突き落す。幼きリターナーよ、己が力で這い上がれ。力を得てマミーとなって初めて、貴様らは神の尖兵たる資格を得る。さあ、我が期待に応えて見せよ!」
 轟く傲岸なる声音は、砂塵と共に窪地に掘られた穴へと降り注ぐ。
 その辺りでは最も高い岩山の頂で、獅子を象った黄金のアンクを掲げるのは、ネメス頭巾を被ったマミー――神砂使い。
 その周囲、岩肌に連なるのは、雌獅子頭のエンネアド――雌獅子神群。
 誰1人として、窪地の穴底に惑う子供達を助けようとせず、次々と生き埋めとなっていく様を冷ややかに見下ろしている。
 このままでは、数多の命が、再び喪われるだろう――怒れる復讐者の介入が無ければ。
リューロボロス・リンドラゴ
そうか。
であれば獅子に突き落とされた幼子達は、ドラゴンが掬い救わせてもらおうぞ!

救出活動の邪魔にならぬよう、子ども達を助けようとする同胞達を妨害してくる個体から蹴り穿ちたいものよ。
精々派手に暴れて、我らへの対応で手いっぱいにさせてやろう。
さすれば救出や説得、兵器破壊の者達も動きやすかろうさ。
であればうむ、注意を引き付けられるよう目立つとしよう。

我は龍。我こそがドラゴン。牙無き子達の復讐者也!
我が子を、だと?
貴様たちの子ではあるまい!
ああ、神の所有物だとか言いたいのだろう?
そんなかっこつけた言い方など、貴様たちにはもったいないわ。
教えてやる、お前たちがやっているのは。
ただのパワハラというやつよ!


「……そうか。であれば、獅子に突き落とされた幼子達は、ドラゴンが救わせてもらおうぞ!」
 真っ先に、砂礫の窪地に飛び込んできたのは、小柄な少女――否、リューロボロス・リンドラゴ(ただ一匹の竜・g00654)。幼子達の憧れ、クロノヴェーダならぬ『ただ一匹の竜』。
「我こそは龍。我こそはドラゴン。牙無き子達の復讐者也!」
 幼い身に違う大音声。次いで、寧ろ龍の巨躯に相応しい蹴撃が、雌獅子神群を襲う。1体ではその勢いを止められず、2体、3体.4体と、リューロボロスは蹴り穿っていく。
(「精々派手に暴れて、我らへの対応で手いっぱいにさせてやろう」)
 そうすれば、リターナー達の救出や説得、特殊兵装の破壊といった動きもやり易かろう。
 更に目立たんと、リューロボロスは更に声を張る。
「我が子を、だと? 貴様たちの子ではあるまい!」
 一斉に殺気混じりの視線が突き刺さるが、リューロボロスは気にしない。
「それとも、総ては神の所有物、とでも言いたいのか?」
 ギラリと、緑の双眸が怒りに燃える。
「そんなかっこつけた言い方など、貴様たちにはもったいないわ!」
 幼子に好き勝手に言われて、エンネアドも怒り心頭か。次々と、獅子神の炎が迸る。
 ゴアァァッ!
 炎天下の炎に、揺らめく陽炎。その小柄に然したる傷みが無いのは――きっと、先じてしっかり英気を養ったから。
 英気を養う、即ち、残留効果の積み上げだ。
「教えてやる、お前たちがやっているのは。ただのパワハラというやつよ!」
 応酬の蹴撃が、再び、雌獅子の頭目掛けて襲い掛かった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【建物復元】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!

ユーフォリア・アルテニー
「敵をこちらで引き付けて、魔霊刃でまとめて薙ぎ払いますの!」

【パラドクス通信】で味方に一声かけて
【飛翔】で砂に足を取られないようホバー移動しつつ
マメノキソードを構え
一見して武器の間合い外に見えるくらいで、ジンの魔力をまとわせて
一気に魔霊刃の巨大な魔力で、敵群を薙ぎ払う

「マジュヌーン・サイフ!(ジンに取り憑かれし者の刃)」

リーチを伸ばすくらい、お手の物です

4体から反撃されるのは痛そうですから
【活性治癒】で備えておきます、効果2も全て適用

昔アラビアでは、善いジンと悪いジンがいて
善性のものに憑依されれば聖者に
悪性のものに憑依されれば狂人になると言われました

さて、わたくしはどちらでしょうね?


『敵をこちらで引き付けて、魔霊刃でまとめて薙ぎ払いますの!』
 パラドクス通信でディアボロス達に通達し、ユーフォリア・アルテニー(指輪の姫・g01755)は天翔ける。
 構えるのは、巨大の枝豆のような剣。その名も『マメノキソード』。ジンの魔力の賜物であるらしい。
 一見して、明らかに間合いの外。だが、逆説連鎖戦に於いて、彼我の距離は然したる意味をなさない。
「マジュヌーン・サイフ!」
 一閃! ジンに取り憑かれし者の刃は、雌獅子神群を纏めて薙ぎ払う。
「フフッ、リーチを伸ばすくらい、お手の物ですわ……っ」
 だが、パラドクスを察知した反撃の刃も又、超高速に閃いた。
「……流石に、痛いですわね」
 パラドクスの効果が範囲に及べば、反撃の数も又増える。承知しているとはいえ、ユーフォリアは眉根を寄せる。
 回復の手段も無い事は無い。だが、『活性治癒』なる残留効果は『通常の生物』が対象であり、戦場でのディアボロスの回復の援けとならない。ドレインとてそう簡単に発動しないのだから、やはり逆説連鎖戦は短期決戦を主眼とする方が良いのだろう。
 尤も、この程度でおてんば姫が怯むなど、それこそ有り得ない!
「ここではない、別の地でのお話ですわ」
 ――アラビアでは、善いジンと悪いジンがいて、善性に憑依されれば聖者に、悪性に憑依されれば狂人になるとされていたという。
「さて、わたくしは……どちらでしょうね?」
 悪戯っぽく含み笑い、ユーフォリアは大仰に、マメノキソードを構え直す。
 ――――!!
 クロノヴェーダ共の注目を集めた所で、再度、ジンの巨大な魔力が砂塵を切り裂き、雌獅子のエンネアドらを薙ぎ倒した。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【浮遊】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!

ハロ・エリス
生き埋めとは…中々に反吐がでる光景だ
だがあの痛ましさを良しとせぬ者たちが既に救出へ向かっている
…ならば俺は彼らのために時間稼ぎと行こう

現状、やつらの意識は先駆けてくれた彼女が引き付けている
ならばその意識外から一撃をくれてやれば、更に奴らの対応はこちらに向こうというもの

先程から調べた故、不意打ちに向く場所はわかっている
【地形の利用】をしつつ攻撃を行う
「良い子も悪い子も眠る時間だ。――星の子らが月の貴人に出会った話をしてやろう」

敵の攻撃に対しては【ジャンプ】しつつ【飛翔】【浮遊】を使って避ける
これでも【空中戦】はできる方なんだ、完全に避けられずとも致命傷までは至るまいよ

・アドリブ歓迎


 窪地に雪崩れ込んだ砂塵は子供達の墓穴を埋め尽くし、もうもうと微細が舞い上がっている。不用意に吸い込めば咳込みそうで、あからさまに顔を顰めるハロ・エリス(星々の間に住まうもの・g01113)。
「生き埋めとは……中々に反吐がでる光景だ」
 クロノヴェータなど目もくれず、窪地へ急ぐ幾つもの影を見やり、小さく頷いた。
(「だが、あの痛ましさを良しとせぬ者たちが既に救出へ向かっている」)
 己が役目は、彼らの為の時間稼ぎだが、闇雲に突撃はしない。
(「クロノヴェータがあの岩山に陣取っているなら、死角は……この辺りか」)
 現状、先陣を切ったディアボロス達が、クロノヴェーダの意識を引き付けてくれている。
(「ならば、その意識の外から更に一撃をくれてやれば、尚一層、奴らの対応はこちらに向こうというもの」)
 逆説連鎖戦は、時間、空間、世界法則すら書き換える。反撃はその最たる法則であり、不意打ちのチャンスは1度きり。
「良い子も悪い子も眠る時間だ。――星の子らが月の貴人に出会った話をしてやろう」
 微弱ながら確として、電流が奔る。瞬時、雌獅子の頭を複数撃ち抜き、その意識を刈る。
 ――旅人に伝わる物語、その1つ。寂しさに震える者を癒す寝物語の1つ。誰が語ったのかを忘れても、話の内容すら忘れても。どうか、寂しさに震える自分の傍に誰かが居たことだけは忘れないで。
「残念、これでも空中戦はできる方なんだ」
 同時に飛来した斬撃を、ノーダメージとまではいかなくとも、軽やかに凌ぐ。跳躍し、滑空したハロはこれ見よがしに身構える。
「さて、星が出るまで、暫く拳で語らうとしようか」
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【パラドクス通信】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV4になった!

バースィル・アシュラフ
「ほう、見事な剣舞であるな。うむ、華麗だとも」
シャムシールで攻撃を受け流しつつ、しっかりと観察しよう。
せっかく近くで見る事のできる機会ゆえな。
見事なものは見事と言いうのが良い事よな。敵であっても変わりはない。
昔見た朧気に覚えている舞手も見事であった。
ただ、お前達には舞手と比べると、ちと足りぬものがあるな。
「華が、赤が足りぬ。そうさな、王たる我が足してやろう」
【ナイルより慈悲の氾濫が来たれり】で彩ってやろう。
お前達の血が赤いかは知らぬがな。
ほら、手足から流れる血は舞手の布のようではないか。
もっと手足を動かし、舞うが良い。
それだけ血は華やかに彩るであろうよ。

アドリブ歓迎
絡み歓迎


「ほう、見事な剣舞であるな。うむ、華麗だとも」
 剣が風切る雌獅子の舞は、流麗にして鋭利。まるで見分するかのように琥珀の双眸を眇め、バースィル・アシュラフ(焔陽の獅子王・g02196)は尊大に称賛する。
「何を、貴様」
「見事なものは見事と言うのは良い事よな。敵であっても変わりはない」
 罠を警戒したか、睨め付けてくる雌獅子のエンネアドにも、涼しい顔だ。
「そう言えば、昔見た舞手も見事であった……」
 朧気に覚えがある光景に想いを馳せるのも束の間、シャムシールを構えるバースィルに、剣呑な笑みが浮かぶ。
「お前達には、舞手と比べると、ちと足りぬものがあるな」
 ――――!!
 突如、砂海より大口開けて飛び出してきたのは、ペトスコス――神の眷属たるナイルワニ。
「華が、赤が足りぬ。そら、王たる我が足してやろう……はて、お前達の血が赤いかは、知らぬがな」
 傲慢な口調で顎をしゃくれば、群れ成す小ぶりのワニは我先にと雌獅子の女神に喰らい付く。
「ほら、手足から流れる血は舞手の布のようではないか」
 ギャァァッ! 
 絶叫が轟き、遮二無二、反撃の刃が繰り出されるも、バースィルは笑みを浮かべたまま、易々と返す刃で弾いて見せた。
「そら、もっと手足を動かせ、舞うが良い。それだけ華やぎ彩るだろう、喩え見目だけが良い偽神の殻であろうとな」
 最大まで高められた残留効果によって、バースィルのパラドクスは冴え渡る。1つ、2つ、3つ、4つ――灯された標に群がる蛾のように、其は際限ないナイルの氾濫の如く。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【エアライド】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV5(最大)になった!

プターハ・カデューシアス
子供達を一人でも多く助けたいですな。
迅速に救出を!

砂嵐が収まり次第、状況把握
【使い魔使役】で夜行性の動物(梟や鳥が最良、駄目ならネズミ等)に視覚共有し敵の配置や子供達の埋まっている場所などを調査

得た情報は【パラドクス(以下P)通信】で共に戦う仲間に共有

私は敵の手薄な所を狙い自Pで急襲し包囲の穴を作ります
あくまで掘り起こし作業優先ですので戦いは他の方にお任せいたします
同時に【トラップ生成】で敵の足下に流砂などの罠を作り
掘り起こす間の足止めをしつつ作業
救出後は【フライトドローン】で安全地帯に子供を避難させます

【友達催眠】で今回は子供に怖がられず済みそうですね
(嬉しい)

アレンジ・連携 大歓迎です


玉梓・はこべ
砂に足をとられぬよう飛翔して急行します!

耳の大きな狐さんに使い魔として協力してもらえば埋められてしまった子たちの位置を音で探れるはず
後は過去視の道案内さえあれば……!

掘り返した砂礫はフライトドローンに取り除くよう指示し
パラドクス通信で情報共有を欠かさず急ぎ子どもたちを掘り出しましょう

手先だけでも見えれば決死の抱擁の隔離眼効果で救い出します
無生物には効果を及ぼしませんから纏いつく砂だけ取り除き浮遊で一気に引き上げることができるはず……!

引き上げたら活性治癒と士気高揚で元気が出るのを待って避難勧告をお伝えしますね

どんな場所、どんな時代でも子どもたちから人としての生を奪っていい道理があるものですか!


月見山・伊吹
※連携、アレンジ歓迎だよ


生き埋めにされた子供達を1人でも多く助けたい!
その為にこの多機能シャベルがあるんだから!

子供達を救出しようとする復讐者に襲いかかる敵には【召喚】した琥珀色の妖精達に光魔法で攻撃させて守らせて、
他の復讐者が特定した場所に
多機能シャベルで慎重に【塹壕堀り】で掘り
生き埋めにされた子供達を掘り起こす。

助けた子供達に【活性治癒】を施し傷を癒す。
治癒した子供達の頭を撫でて
よく頑張ったねとても怖かったよね…
お姉さん達があの悪者どもをやっつけるからね!
と母親のように優しく語りかける。
妖精と共に子供達を守りながらも【友達催眠】【避難勧告】【士気高揚】でなるべく安全な場所へ避難させる。


「嗚呼、成程……」
 空を見上げたプターハ・カデューシアス(コワモテ紳士・g03560)は、困ったように頬を掻く。
 黄昏にはまだ幾分早い空は、黄金の陽射しでまだ明るい。夜行性の動物が動き出すのはもう暫く後だ。
「大丈夫です。こちらの耳の大きな狐さんに、助けて頂きますから」
 使い魔の当てを探しあぐねるプターハに、玉梓・はこべ(いくさばのたより・g01107)が抱き上げて見せたのは、『世界で1番キュートな狐』フェネック。こちらも夜行性だが、早起きがいた模様。まだ眠たげではあるが、使い魔とした以上、働いてはくれるだろう。
 尤も、リターナーの子供達が生き埋めにされた『直後』に駆け付けただけに、窪地には墓穴の痕跡がまだあちこちに。幸いにして『過去視の道案内』など無くとも、目星は付けられそうだ。
(「1人でも多く助けたい! その為にこの多機能シャベルがあるんだから!」)
 月見山・伊吹(小春日和・g04125)は早速、最寄りの痕跡から掘り返し始めている。
「……っ」
 今しも、伊吹を阻まんとしたエンネアドが、仲間のパラドクスに呑まれた。守られている事に感謝しながら、塹壕堀りの要領で、必死に足元の砂を掘る。
「私も手伝いましょう!」
 続いて、ピラミッドの力を纏ったプターハが、ドーンッと砂地に突っ込んできた。
「迅速に救出を!」
 何というか……出たとこ勝負感が強いのは、きっと気の所為ではないだろう。
(「まあ、流石に流砂の罠は作れませんし」)
 クロノヴェーダの足止めの援護に、罠を仕掛けられればと考えるも……残留効果『トラップ生成』の罠は非殺傷性であるし、効果範囲的にも無理なものは、無理なのだ。
 であれば、最優先すべきは、掘り起こし作業。思い切りよく切り替えて、プターハも穴掘りに専念する。子供達を1人でも多く助けるべく。
「見えた!」
 思わず息を弾ませる伊吹の視線の先に、砂地から覗く指の先――すかさず、はこべは隔離眼を発動する。
「……っ」
 都合100㎏もの砂が異空間に隔離され、リターナーの子供の上半身が現れる。
「よく頑張ったね、とても怖かったよね……」
 激しく咳込む子供の頭を撫でる伊吹。後は下半身を掘り返し、手を繋いで地上まで浮遊する。
「それじゃ、よろしく! ……お姉さん達があの悪者どもをやっつけるからね!」
「承知致しました。――安全な所まで避難させて下さい」
 はこべに子供を託し、伊吹は次の救出に向かう。しゃくり上げる子供を抱き上げ、はこべはフライトドローンに乗せた。避難の間に、残留効果『活性治癒』の働きが子供の怪我を癒していくだろう。
「もう大丈夫ですからね」
 既に、周囲は赤い光が明滅し、サイレンが鳴り響いている。残留効果『避難勧告』の影響だが、一方で『士気高揚』に当てられた子供は鼻を啜りながら、こっくり頷いた。
「はこべ様! どうかこちらに!」
「すぐ行きます!」
 動き出したフライトドローンを見送る暇もなく、プターハに呼ばれたはこべは踵を返す。
 伊吹とプターハが穴を掘り返し、はこべが隔離眼で早急の救助を援ける――連携しての作業で、順々にリターナーの子供達を助け出していく3人。
「どんな場所、どんな時代でも、子どもたちから人としての生を奪っていい道理があるものですか!」
「全く以て」
 憤懣やる方ないはこべの呟きに、プターハも大いに同意する。『友達催眠』の影響か、今しも助け出された子供はひしっとプターハに抱き付いている。
(「今回は、子供に怖がられず済みそうですね」)
 ほんのり嬉しい強面ドラゴニアンの本音は、まあさて置いて。
「これで、何人?」
「ええっと、多分……っ!?」
 伊吹の疑問に、はこべが指折り数えていたその時。
 ――――!
 砂塵が逆巻き、視界を塞ぐ。
(「あれは……!?」)
 だが、はこべは確かに見た。1人呆然と佇む影を――そして、その周囲にはびこる獅子頭の影を。
「こちら、お任せしても宜しいですか?」
 切迫した響きに察したか、伊吹もプターハも異論なく頷き返す。
「そろそろ、私達も隔離眼を使えましょうから」
「2人でざくざく助け出しとくよ!」
「お願いします!」
 身を翻したはこべは、砂地を蹴るや砂塵舞う中、飛び立った。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【隔離眼】LV1が発生!
【友達催眠】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!

「ガ、ゴホゴホッ!!」
 咳込みながらも地表に這い出た小柄の足元に、ザクリと突き立てられたのは、シックルソード。
「さあ、神の尖兵たる役割を果たせ!」
 包帯に包まれた面をニンマリと歪ませ、神砂使いは岩山の上から居丈高に言い放つ。
「……あ、あぁぁ」
 ふらりと手を伸べた生まれたてのマミーは、おぼつかぬ手つきで弧を描く刃を引き抜いた――。
玉梓・はこべ
私ね
名前って、お子さんに宛てた一番最初の、大切な手紙だと思うんです

それを、あんな利用の仕方
とんだ誤配達もいいところです

今ね
その誤りを正そうとしてくれる子たちがいるんです

――邪魔立てはさせませんよ

踊るが如きその動き
そうであればこそ踏む足の律動が、舞う手の乱した空気があなたたちの位置を教えてくれます

空中からの観察は慣れたもの
岩山の配置、砂嵐が乱した砂礫の偏り
舞踊の足を鈍らせるなら――岩山が作る岩壁のぶつかる場所、やわらかい砂ばかりが積みあがった吹き溜まり

共に戦う皆さんとの位置関係もフライトドローンの誘導とパラドクス通信の意思疎通で調整して

追い込みます
お届けしますよ

ええ、誤配達などいたしませんとも!


●強く、生きるということ
(「私ね……名前って、お子さんに宛てた一番最初の、大切な手紙だと思うんです」)
 だが、リターナーの少年はその名の通り、強く生きようとして、マミーとなった。
(「それを、あんな利用の仕方。とんだ誤配達もいいところです」)
 今、その誤りを正そうとしてくれるディアボロス達がいる。他の救出作業も続行中だ。
「――邪魔立てはさせませんよ」
 仲間の奮闘で、雌獅子神群の数は確実に減っている。この期に及んで、エンネアドの思い通りにはさせない!
 砂塵舞う中、玉梓・はこべ(いくさばのたより・g01107)は空中から目を凝らす――岩山の配置、砂嵐が乱した砂礫の偏り、或いは。
(「踊るが如きその動き……踏む足の律動が、舞う手の乱した空気が、あなたたちの位置を教えてくれます」)
 仮に、舞踊の足を鈍らせるならば――岩山が作る岩壁のぶつかる場所か、軟らかく砂ばかりが積み上がった吹き溜まりか。
「さてお届け先は……そちらですね、見つけました!」
 働き蜂の目が確と捉える。はこべの五感が得た情報全てを取捨選択、極短時間で戦闘領域を立体的に把握する――其れは、パラドクスでなければ成し得ぬ業だ。
『皆さん、只今より追い込みます!』
 残留効果も援けに、はこべの蜜蜂型ドローンが、的確に雌獅子神群を爆撃する。パラドクス通信を介して、ディアボロス達に砂塵の煙幕を透かす全き視界――位置情報を提供する。
(「ええ、誤配達などいたしませんとも!」)
 それこそが、逓信局員の矜持であれば。エンネアドを絶やすまで、はこべは制圧爆撃の手を止めなかった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【完全視界】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV5になった!

バースィル・アシュラフ
埋め立てまでに間に合わなかった我の罪の権化よな。あのマミーの少年は。
だが、まだ間に合うのであれば、それをしかと眼に映そう。
「…待たせたな。我が民よ。随分と待たせた」
ゆっくりと、一歩ずつ我は近付こう。
「よくぞ、一人で出てきたな。ジャバーよ。その名のように、強き者よな。良い名である」
名前に反応するやもしれぬが、攻撃はしてくるかもしれぬな。
その時はシャムシールで受けつつ、語りかけ続けよう。
間違っても刃を当てて傷を与えないようにしつつ、な。
「ジャバーよ。恐怖で何も分からぬかもしれぬ。だが、思い出すが良い。大事な者の姿を。己を」
その名の通り、我に強さを見せつけよ。
「ジャバー、強き者よ」

アドリブ&絡み歓迎


イクサ・スメラギ
友達催眠は使えるか?
いや、例え使えたとしても
俺は、心からの声を届けたい

ジャバー、か?
俺はイクサだ、ジャバ―より少し年上かな
辛かったよなあ、苦しかったよなあ
よく、砂から出てきてくれたよ
頑張ったなあ!

ジャバ―の攻撃、ていうかジャバ―ごと全身で受け止める
毒を受けても構うもんか!
捨て身なんて…とーちゃんかーちゃんは、どうだった?
命を放り出す戦いなんて、望んでたか?
違うだろ、強く生きて欲しいって願って
その名前をくれたんだろ
ジャバ―自身も強く生きるって、決めたんだろ
諦めずに、呼びかけ続けるよ
戻ってこい、ジャバ―!

これから、ジャバ―の
マミー兵の部分だけ、ブッ飛ばすから
ジャバ―、もう少しだけ、頑張ってくれよな


ルゥル・ルゥ
英気を養ったとこで、じゃあ行こっか!
こっから反撃開始だよ!

過去視の道案内で子供たちとジャバーくんの場所を特定
使い魔使役の鳥さんの視界で実際の場所の情報をもらって
パラドクス通信で仲間に連絡

子供たちのことは仲間に任せて
わたしはジャバーくんの元へ

しっかりして!
お父さんお母さんからもらった名前の通り
ジャバーくんは強い子なんだから
呪いなんかに負けないはずだよね!

黒い呪詛をリピートベインでそのまま跳ね返して
ほら、こんなの本当の強さじゃない
こんな力要らないよね?
怖がらなくて大丈夫
本当の強さを持ってるジャバーくんなら
絶対戻ってこれるから
わたしたちに任せて!

攻撃時は仲間と息を合わせて
正気に戻すまで手は緩めないよ


 砂塵舞う中、立ち尽くす人影――黄昏を見上げる眼は虚ろで、シックルソードを握る腕もだらりと力無い。
「ジャバー、か?」
 イクサ・スメラギ(かっとび特攻・g00251)の声に、首だけぐるりとこちらを向いた。
「俺はイクサだ、ジャバーより少し年上かな」
 自己紹介しながら、その瘦せた小柄を見詰めるイクサ。
(「友達催眠は……使えないよな」)
 その外見は、まだリターナーと変わりない。だが、『覚醒』してしまった今、少年はもう『クロノヴェータ』なのだ。
 尤も、端からイクサに『友達』を装う気はない。心からの声を届けたいと、最初から思っていた。
「辛かったよなあ、苦しかったよなあ」
 しみじみとしたイクサの言葉に、少年は表情を変えず向き直る。
「よく、砂から出てきてくれたよ。頑張った――っ!」
 ガキィッ!
 咄嗟に、腕を翳す。バングルのような太陽の腕輪と鎌刃が咬み合い鈍い音が響いた。
「……っく」
 腕輪では防ぎきれなかった傷口が、ジクリと爛れるように痛んだ。
(「毒なんか……構うもんか!」)
 ディアボロスとして、戦う術を知るイクサには判る。その毒刃が、相討ち上等の捨て身の一撃である事を。
「なぁ……とーちゃんやかーちゃんは、どうだった? 命を放り出す戦いなんて、望んでたか?」
 何事もなかったように、言葉を紡ぐイクサ。互いに数歩、間合いを取る。
「違うだろ。強く生きて欲しいって願って、ジャバーって名前をくれたんだろ!」
「じゃ、ばぁ……?」
 カクリと、首を傾げる様は、マリオネットのようで。我知らず、イクサは拳を握る。
「しっかりして! お父さんお母さんからもらった名前の通り、ジャバーくんは強い子なんだから!」
 駆け付けたルゥル・ルゥ(黄金の林檎姫・g01659)も声を張る。マミーの居場所は改めて、パラドクス通信でディアボロス達に報せている。マミーに近付いた彼らにクロノヴェーダの妨害が無いのは、きっと周りで足止めしてくれているお陰だ。
「……待たせたな。我が民よ。随分と待たせた」
果たして、イクサやルゥルとは反対の方向から現れたバースィル・アシュラフ(焔陽の獅子王・g02196)は、2人に請け合うように頷いて見せる。
(「生き埋めまでに間に合わなかった、我の罪の権化よな。あのマミーの少年は」)
 先程まで、エンネアドと対峙していたバースィル自身、リターナーだ。自らを王と思っているからこそ、確と直視する。まだ間に合うと信じて。
「よくぞ、1人で出てきたな。ジャバーよ。その名のように、強き者よな。良い名である」
 ゆっくりと、噛んで含めるように、少年の名を呼び掛ける。
「あ、あぁ……」
 ガクガクと全身を震わせ、グルンと身を翻すや、マミーはシックルソードを振り被り、飛び掛かる!
「ジャバーよ。今は、恐怖で何も分からぬかもしれぬ。だが、思い出すが良い。大事な者の姿を。己を」
 斬撃をシャムシールで受けながら、バースィルは重ねて少年の名前を呼ぶ。彼の拠り所を、限界を超えて生き延びたその所以を。
「ジャバー自身も強く生きるって、決めたんだろ!」
「ジャバーくんなら、呪いなんかに負けないはずだよね!」
 畳み掛けるように、イクサとルゥルも呼び掛け続ける。
「ほら、そんな剣なんて、本当の強さじゃない。そんな力要らないよね?」
「戻ってこい、ジャバー!」
「あ、あ……うあぁぁぁっ!」
「その名の通り、我に強さを見せつけよ。ジャバー、強き者よ!」

 ――ほら、もう泣かないで。あなたは、うんと強いのだから。
 母さんの笑顔が、優しい。
 ――大丈夫、名前負けなんかしていないとも。毎日を懸命に生きている、お前は本当に強いんだ。
 いつだって頭を撫でてくれる、父さんの分厚い手が、大好きだ。
 ――お前は、俺達の誇りなんだよ、ジャバー。
 ……どうして、忘れていたんだろう。何度も、何度も、僕の名前を呼んでくれた父さんと母さんは、1度だって身体が弱い僕を嘆いた事なんて、無かったのに。

 ほろほろと、虚ろだった双眸から、涙が溢れる。シックルソードが、傷だらけの手から落ちる。
「ジャバー……僕の、名前。大切な、僕の名前!」
「ああ、そうとも。強いお前に、相応しい名前だ」
 満足げにバースィルが頷けば、イクサとルゥルも笑み零れる。
「よし! これから、ジャバーのマミー兵の部分だけ、ブッ飛ばすからな。もう少しだけ、頑張ってくれよな」
「怖がらなくて大丈夫。本当の強さを持ってるジャバーくんなら、絶対戻ってこれるから。わたしたちに任せて!」
 ふと不安そうにディアボロス達を見回して、けれど、ジャバーは祈るように両手を組んで無防備に瞑目する。
 ――――!!
 バースィルの王墓の怒りとイクサの破軍衝、2つのパラドクスが交錯する。
「ジャバーくん!」
 崩れ落ちた小柄を、駆け寄ったルゥルが受け止める。聞こえてきた安らかな呼吸の音に、ホッと安堵の息を吐いた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【トラップ生成】がLV2になった!
【エアライド】がLV2になった!
【過去視の道案内】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV4になった!
【ダメージアップ】がLV5になった!

●神砂を打ち破れ!
「おのれぇ……おのれおのれおのれぇっ!」
 ここまで手間を掛けて覚醒させたマミーを、神ならぬ者共が無に帰した。
 マミーの将軍は、岩山の上で憤激に身を震わせる。
「斯くなる上は……全てを砂塵に沈めてくれようぞ!」
 見す見す脆弱なリターナー共を逃した雌獅子の神崩れも、下賤なる無法の者共も、全て全て! 
「我に力を! 砂塵の支配者たる力を!」
 大声で叫ぶ神砂使いが掲げる黄金のアンクが、鈍く輝き出した。
フルルズン・イスルーン
やっぱり問題は砂嵐だよねー。
掘り出してもまた埋められたら敵わないや。
なーのーでー、パラドクスで奮発してちょっと特殊なゴーレムくんを喚び出そう!
さて、気になるアンクはどーこかなー?

おたからもといクロノオブジェクトチェーック!
ということで用意したのは視界確保兼砂嵐対策ゴーレムくん。
まずはゴーレムくんで観察力を高めて、
敵の陣営を把握しつつ、みんなに魔術知識とアートで出したディスプレイのヴィジョンで視覚情報を提供しよう。

砂嵐を起こして救助を邪魔したり分断を図ろうとしたら、ゴーレムくんの裏技発動!
チャージ光線で砂嵐を相殺だ!
あ、ちょっとしか持たないし、ゴーレムくん動けなくなるから後はよろしく!


「やっぱり問題は砂嵐だよねー」
 げんなりと溜息を吐くフルルズン・イスルーン(ザ・ゴーレムクラフター・g00240)。折角、子供達を掘り出しても、また埋められたら敵わない。
 という訳で、奮発する事にした。
「"輝きの 瞳"」
 フルルズンのコマンドワードに従い、現れたのは漆黒のクリスタルゴーレム。特殊な結晶構造は、吸い込んだ光を逃さない。
「さて、気になるアンクは……やっぱりあれかなー?」
 おたからもといクロノオブジェクトチェーック! ゴーレムを通して正確に戦場を分析、魔術的に接続したディスプレイに観測結果を表示する。
「……あー、そっか」
 目論見を尽く破られた神砂使いは、判り易く黄金のアンクを掲げている。
「魔力チャージ中、って感じかな」
 確かに、岩山の上で高みの見物ですらあった神砂使いの様子は、不自然ではあった。砂嵐を操る程の魔力だ。ディアボロス達が乗り込んできた時点で、間髪入れず砂嵐をぶつければ良かっただろうに……成程、神砂使いはやらなかったのではない。『出来なかった』のだ。
「という事は……このまま放置は、絶対駄目だね」
 神砂使いが砂嵐を再発動する前に、何としても、黄金のアンクを破壊せねばならない。
 幸い、対特殊兵装の人員は揃っている。振り返ったフルルズンは、同じく待機していた2人に、にこやかに。
「じゃあ、もし間に合わなかったら裏技で砂嵐相殺するけど、ちょっとしか持たないし、ゴーレムくん動けなくなるから、アンクの破壊はよろしくね!!」
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【完全視界】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!

月見里・千隼
※連携、アドリブ歓迎


砂嵐がかなり厄介だな。
伊吹達が生き埋めにされた子供達の救出に専念し、
より神砂使いを倒しやすくする為にも
魔力の源の黄金のアンクを破壊せねばな。

【完全視界】と元々のかなり良い視力を生かして黄金のアンクを見つける。
魔法銃・朧月夜を使い伊吹の風の魔力が込められた弾丸で『花鳥風月』により発動した風魔法で
嵐のような疾風を起こして砂嵐を何度も撃ち返したり神砂使いの足止めをしたり
他の復讐者が戦いやすくなるように援護射撃したりしながらも
隙を見て黄金のアンクを狙い撃ちする。


冰室・冷桜
さーて、ドンパチは苦手だけど少しくれーは手伝わねーとカッコつかないわよね
幸い? 手品道具は大事に握ってるみたいだし、少し頭を捻りましょうか

戦いに紛れて【飛翔】で神砂使いの頭上へごー
姿は隠さず、相手さんに勿論気づかれますようにと
んでもってー、気付かれたら【フライトドローン】をありったけ!
出現したドローンを片っ端から突っ込ませるわ
当然攻撃じゃなくて目隠し狙い、とにかく相手の気を逸らせるわ
ダメージとかがないのに気づけば、迎撃もしなくなるでしょうし……そこが狙い
ドローンの一つへだいふくを掴ませて、他のドローンに紛れて突っ込ませる
ドローンとアタシが気を引いている内に……着地しただいふくがアンクを狙う、と


 清々しいまでの丸投げっぷりに、月見里・千隼(清風明月・g03438)と冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)は顔を見合わせ、苦笑を浮かべる。
「確かに、砂嵐がかなり厄介だからな。もしもの備えがあるのは心強い、としておこう……伊吹達の子供の救出ももう少しだし、神砂使いの前に、魔力の源である黄金のアンクを破壊せねばな」
「さーて、ドンパチは苦手だけど。少しくれーは手伝わねーと、カッコつかないわよね」
 幸い、敵は手品道具を大事に握っている。少し頭を捻るとしよう。

 敵の黄金のアンクに魔力がチャージされるにつれ、空気が不穏に重くなっていくよう。肌撫でる風に砂塵が混じるのを感じ、千隼は微かに眉を寄せる。
 だが、残留効果のお陰で、視界はクリアだ。元々、視力にも自信がある。ひたと岩山の上の神砂使いを見据え、千隼は魔法拳銃『朧月夜』を構える。
「疾風よ、吹き荒べ……」
 装填するのは、愛妻の風の魔力が込められた弾丸。
 ――――!!
 疾風が奔る。発動した風の魔法は正に嵐の如く、神砂使いを強襲する!
「何!?」
 風の刃が、岩山を砕く。そちらに注意を向けた神砂使いがたたらを踏む。
「……む、貴様は!」
 飛び退り、首を巡らせた神砂使いの視線が、天翔ける影を捉える。冷桜とフライトドローンの群体だ。
「フライトドローン、ごー」
 すかさず、フライトドローンを片端から突っ込ませる冷桜。尤も、現状のフライトドローンは、最高時速20㎞だ。人間大の生物を乗せて飛べる程大きい上に、攻撃能力も無い。精々、体のいい的と言った所。
「フン……」
 神砂使いも見て取ったか、馬鹿にしたように鼻を鳴らすと、すぐに一顧だにしなくなった。千隼の牽制射撃で足場を崩される方を警戒し、体格に違う素早さで移動する。
(「そろそろ、かな」)
 只管、フライトドローンを突っ込ませていた冷桜は、その内の1つにサーヴァントを乗せる。
「……うむ?」
「ほら、足元がお留守だぞ」
 其処は流石にアヴァタール級か。神砂使いが目敏く顔を上げれば、すかさず千隼の援護射撃。立て続けに風刃に足場を砕かれ、マミーの視線がそちらに向いた次の瞬間。
「だいふくセット! ゴー!」
 冷桜の指令で、欺瞞情報満載の電波帯びた槍を構えるメーラーデーモン。間髪入れず、突撃する!
 ――――!!
「ば、馬鹿な!?」
 黄金のアンクに灯った標は、ディアボロス達が積み上げた残留効果の賜物。狙い過たず、電槍の切先はアンクを捉え、貫き、爆ぜるように砕け散った。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【土壌改良】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】がLV4になった!

「……ッ」
 包帯の下で、歯噛みする音。砕けたアンクの欠片を岩肌に叩き付け、神砂使いは血走った目で眼下を睥睨する。
「我とてかつては兵を率いた身。このままでは終わらん!」
 アンクに代って軍配を握るや、岩山より身を躍らせる。
 今や、砂礫の窪地に立つクロノヴェーダは、神砂使いのみ。だが、ゆらりと振られた軍配に合わせ、砂塵がうぞりと生きているかのように蠢く。
「砂漠こそは、我が陣地。易々とやらせはせんぞ!」
月見里・千隼
【月日夫妻】
※連携、アドリブ歓迎


魔力の源の黄金のアンクも破壊した、砂嵐は二度と発動出来まい、
お前の取り巻きも倒した、
生き埋めにされたリターナーの子供達も救出した。
後は神砂使い、お前1体を討つのみだ。

味方と連携し援護射撃をしながらも
エジプトの死生観やミイラのあり方を思い出して
わざと【火炎使い】で伊吹の炎の魔力が込められた炎の弾丸をルガーブラックホークか猟銃で撃ち神砂使いを火だるまにする。

熱い!熱い!と喚き悲鳴をあげる燃える神砂使いに対して
そうか、その炎をどうにかしてやろうと言って
魔法銃で【風使い】【制圧射撃】『花鳥風月』を発動し風の刃で神砂使いを滅多切りにする。


月見山・伊吹
【月日夫妻】
※連携、アドリブ歓迎だよ!


ジャバーを宥めながら【活性治癒】で傷を癒やして安全な場所へ避難してから神砂使い戦に参加。

【光使い】で多機能シャベルを太陽の紅焔のように光の魔力を帯びさせて
他の復讐者と連携しながら【光使い】【投擲】『紅焔』で火葬するように神砂使いを燃やす。
一度神砂使いを燃やす火が落ち着くが太陽のような光の魔力を帯びた多機能シャベルでぶん殴り再び燃やし穴へ突き落とす。

リターナーの子供達が生き埋めにされた恐怖を味わう気分はどうだい?

穴から這い上がる神砂使いを多機能シャベルでぶん殴り突き落とし
また這い上がってきたので【粉砕】【破壊】する。


 魔力の源である黄金のアンクは破壊した。これで、大規模な砂嵐は、2度と発動出来まい。
 その間に、同胞の奮戦で、取り巻きのエンネアドも倒された。 
 生き埋めにされたリターナーの子供達も、妻の奮闘もあって救出された。
「後は神砂使い、お前1体を討つのみだ」
 月見里・千隼(清風明月・g03438)の言葉に、月見山・伊吹(小春日和・g04125)も大きく肯く。
「マミーの男の子も大丈夫みたいだし! やってやろう、千隼!」 
 多機能シャベルを構える伊吹と肩を並べ、千隼は魔法拳銃の照準を合わせる。
(「そう言えば……」)
 全身に包帯を巻いた神砂使いの様相に、エジプトの死生観やらミイラの在り方を思い出す千隼。
「伊吹!」
「いっくぞー!」
 2人が考える事は同じか。伊吹が振り被った多機能シャベルが、太陽光の魔力を纏い紅く紅く燃え上がる。
「味方には太陽の光と治癒を、敵にはあらゆる禍を!!」
 正にプロミネンスも斯くやのシャベルを勢い良く投擲する。正に、火葬の火矢を放つが如く。
 ウグアァァッ!
 炎上した。灼熱に悶えて神砂使いが絶叫すれば、千隼が冷ややかに吐き捨てる。
「そうか、その炎をどうにかしてやろう」
 魔法銃『朧月夜』の銃声が空を裂く。愛妻の風の魔力を込めた弾丸は、嵐のような疾風を起こす。刃と化して、火達磨のマミーを切り裂いていく。
 ――――!!
 だが、同時に2度、素早く振るわれた敵の軍配に合わせ、砂塵が波立て走る。大きくうねり、それぞれを拘束するように重圧が頭上から浴びせられた。
「……っ」
「ゲホッ……もう、最悪っ」
 唇を噛んで耐える千隼。思わず咳込んだ伊吹は、砂檻の向こうを睨み付ける。
 神砂使いにこそ、リターナーの子供達が生き埋めにされた恐怖を味合わせてやりたい――だが、単純に多機能シャベルでぶん殴り穴に突き落とそうとした所で、敵には何ら痛痒を与えられないだろう。千隼が連携して、牽制の炎弾を浴びせた所で同様だ。
 一般法則破壊――逆説連鎖戦に於いて、尋常の世界法則は時として無力だ。喩え技能と成り得る心得があったとして、それだけでは『通常』の概念に則っている。クロノヴェーダを、そしてディアボロスを穿てるのは、パラドクスのみなのだ。
「伊吹、もう1度やるぞ」
「了解!」
 ならば、通用する方法で、倒すまで攻撃あるのみだ。刹那視線を交わし、千隼と伊吹は得物を構え直す。
 ――――!
 掛け声を発する必要もない。ぴったりと息を合わせ、同時に砂檻から飛び出した。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【土壌改良】がLV2になった!
【活性治癒】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】がLV5になった!
【ドレイン】がLV2になった!

玉梓・はこべ
聞き及ぶ限り敵の戦術はとても大規模なものみたいですから
使い魔の狐さんは一時郵便鞄の中に――あら、これは?
トンボ玉のような
根付のような
お守り、でしょうか?

――あの子たちからの恤兵の品、ですね
でしたら、ええ
負けるわけにはまいりませんよね!

飛翔しての空中戦で敵の創る地形は回避し
岩山やフライトドローンを降り注ぐ砂に対する遮蔽として突撃の勢いを削がれぬように

完全視界で砂塵を見通し
パラドクス通信で皆さんと攻撃の機を合わせ
肉薄して砂塵に阻まれることなき一撃を!

私は露、いえ砂払でいいんです
制圧射にて共に戦う皆さんを阻む砂を一時吹き飛ばせれば……!
子ども達の生を、未来を奪おうとした独善の報い
今お届けに参ります!


「ふむ……」
 特殊兵装を砕いて尚、神砂使いのパラドクスは、それなりに規模が大きいようだ。
「狐さんは一時、郵便鞄の中に――あら、これは?」
 使い魔に手招きして鞄を開けた玉梓・はこべ(いくさばのたより・g01107)は、底で光る何かを拾い上げる。
「これは……トンボ玉? 根付のような、お守り、でしょうか?」
 はこべには馴染みの薄い意匠だが、すぐ察した様子。
「――あの子たちからの恤兵の品、ですね」
 恤兵――じっぺいとは、戦地に届けられる慰問の事。はこべの脳裏に、助け出したリターナーの子供達の面影が過る。
「託されたのでしたら、ええ、負けるわけにはまいりませんよね!」
 だが、窪地の砂礫は敵の意のままだ。劣勢の只中は避けるべきだろう。砂塵を透かして周囲を確認、岩の陰へ飛び込む。
(「パラドクス通信で皆さんと攻撃の機を合わせ、砂塵に阻まれることなき一撃を!」)
 或いは、フライトドローンを降り注ぐ砂の遮蔽とすれば……。
(「……いいえ」)
 はこべは小さく頭を振る。
 尋常の戦いであれば、防御も回避も、己が技能を駆使して出来よう。だが、ディアボロスとクロノヴェータの戦闘は、逆説連鎖戦。時間、空間、世界法則すらパラドクスで書き換え、攻撃と反撃が同時に行き交う「常軌を逸した戦い」なのだ。
 アヴァタール級はけして油断出来ぬ敵だ。先の思い付きにしても、フライトドローンの速度で、パラドクスに反応するのは厳しかろう。
「……でも、やれます」
 はこべの表情に焦燥は無い。これまで、ディアボロス達は力を尽くし、着実に積み上げてきたのだ。仲間を利する残留効果を。
「さあ、銃後の皆さんから慰問袋のお届けですよ!」
 トンボ玉を大事に握り、はこべは飛び立つ。
(「私は露、いえ、砂払いでいいんです」)
 刹那、吹き抜けた追い風を背に、空を蹴って加速する。
「子ども達の生を、未来を奪おうとした独善の報い――」
 更にもう1度、空を蹴る。神砂使いが砂地を動かすより一瞬早く、試製三八式打突手榴弾が唸りを上げる。
「今、お届けに参ります!」
 ――――!!
 次の瞬間、熱帯びた塵旋風に揉まれながらも、はこべの突撃が起こした爆発は神砂使いを巻き込み、砂塵の紗幕をも吹き散らした。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【託されし願い】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV6になった!

バースィル・アシュラフ
「貴様が首魁であり、凶事を引き寄せた偽神か…相見える事を心待ちにしておったぞ」
敬意は欠片も持ち合わせておらぬ。
幼き子供を、それを想う親の心を。踏み躙ったその罪、貴様一人では贖いきれぬものぞ。
「悪」を払うものは、そうさな、子供の憧れである「英雄(ヒーロー)」である方が良かろうな。
「目覚めよ、我が民の希望よ。【其の命は誰が為に有る】」
もちろん過去の英霊だけにやらせるわけにはいかぬな。
シャムシールを持ち、英霊の反対側から襲いかかろう。
竜巻はエアライドで避けようぞ。空中ならば当たると思うたか?
「くはは!残念よな。己が見下したリターナーの手で屠ってやろうぞ!」

アドリブ歓迎
絡み歓迎


 砂塵晴れたクリアな視界に、ちぎれ飛んだ神砂使いの包帯さえも見える。
 好機と知り、ディアボロス達はパラドクスの集中砲火を浴びせた。
 バースィル・アシュラフ(焔陽の獅子王・g02196)も又、尊大にも神砂使いへ言い放つ。
「貴様が首魁であり、凶事を引き寄せた偽神か…相見える事を心待ちにしておったぞ」
 無論、バースィルに敵への敬意など欠片もない。
(「幼き子供を、それを想う親の心を。踏み躙ったその罪、貴様1人では贖いきれぬものぞ」) 
 そんな『悪』を払うならば、子供の憧れである『ヒーロー』である方が良いだろう。
「目覚めよ、我が民の希望よ。――『其の命は誰が為に有る』」
 其れは、傲慢なる厳命。顕われ出たのは、1人の『英雄』。頭に金冠を頂き、赤いマントを鮮やかに翻す。
 ガキィッ!
 勇ましく打ち掛かってきた一撃に、神砂使いは寸前で軍配を翳す。盾で受け流す要領で振り抜けば、砂塵が巻き上がり、バースィル当人を縛めんとのたくり迫る。クロノヴェータとて、パラドクスの繰り手はよくよく承知しているのだろう。
「空中ならば、当たるとでも……っ」
 シャムシールを構えながら、咄嗟に跳躍した。2度に渡って宙を蹴るも、執拗な『反撃』はバースィルを捕える。ギシリと全身が軋んだが、相応に堅固を重ねていたお陰でダメージは浅い。
「くはは! 残念よな。己が見下したリターナーの手で屠ってやろうぞ!」
 これ見よがしに、不敵に哄笑する。神砂使いの気がバースィルに逸れたその一瞬を逃さず、『英雄』の光り輝く剣が、甦りし体躯を貫いた。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【書物解読】がLV2になった!

イクサ・スメラギ
ジャバーをドローンに乗せて戦闘範囲外に避難させて
常に仲間とは通信で連絡・連携しながら


なんだろう、あいつがした事言った事を思い出すと
腹ん中がくしゃくしゃする
頭の毛が全部逆立つような、カーッとした感覚になる
―俺、今、無茶苦茶怒ってる!

我が子を突き落とす?!お前の子じゃあねぇ!
神の資格?我が期待?
何もかもが腹立つ!

砂で防がれても完全視界であいつの場所はしっかり見えてる
巨人の攻撃モーションをよく見て、飛翔・浮遊・エアライドを使って
弾けるように素早く動いて
回避するか武器でブッ叩いて、ただの砂へと解体
可能ならそっから駆け上がるようにして頭をかち割りに行きたい
その砂も、包帯ん中も、全部外にブチ撒けやがれ!


ルゥル・ルゥ
さあ…おしおきの時間だよっ!
アンクがなければただの神砂使いなんでしょ?
這いつくばって許しを請うたって
あなただけは絶対に赦さないんだからね!

飛翔とエアライドで足場の不利をなくし
パラドクス通信で適宜仲間と連携するよ

神砂巨兵の発動に合わせて
またはPOWを使用する仲間の攻撃に合わせて
レボルシオスラッシュで攻撃

子供たちが味わった
なす術もなく砂に埋もれていく気持ち
あなた達は理解なんてしないんだろうけど…
その身体で感じる痛みくらいは分かる?
最期まで手を緩める気はないからね!

勇気を奮い起こすこの歌声
ジャバーくんや子供たちに届いたかな
わたしたちのことを忘れてしまっても
心に宿った勇気の欠片が残りますように


(「……なんだろう、あいつがした事、言った事を思い出すと、腹ん中がくしゃくしゃする」)
 マミーだった少年をフライトドローンで避難させ、安全を見届けたイクサ・スメラギ(かっとび特攻・g00251)は、戦場へとひた走る。
 戦況については、ルゥル・ルゥ(黄金の林檎姫・g01659)からのパラドクス通信で、逐一把握していた。戦況は、ディアボロスの優勢だ。だが、イクサの表情は、険しい。
(「頭の毛が全部逆立つような、カーッとした感覚……」)
 人はそんな表情を、怒髪天を衝くという。つまり、無茶苦茶怒ってる!
「さあ、おしおきの時間だよっ!」
 一方――モチーフの林檎が可憐なウィザードロッドを構え、ルゥルは愛らしくも勇ましく啖呵を切る。
「這いつくばって許しを請うたって、あなただけは絶対に赦さないんだからね!」
「この人間如き……身の程知らずがぁっ!」
 吼える神砂使いへ、世界の変革を望む意志を託した一撃を振り下ろす。
 ザクゥッ!
 その一撃は、確かに敵へ届いただろう。だが、見る見るその身が砂で覆われていく。
 ――――!!
 『砂の巨人』と化した神砂使いの、砂礫の巨腕が唸りを上げる。
「あ……くっ!」
 堪え切れず吹き飛ばされた少女が、砂地へ叩き付けられる直前――予想以上に優しい感触に、思わず紫の瞳を瞬かせた。
「ルゥル、大丈夫か?」
「イクサ、くん……」
 エアライド併用のスライディングで、辛うじてルゥルをキャッチしたイクサは、全身砂まみれでニカッと笑顔。
「うん! ありがとう!」
「よっし……そんじゃ、カッ飛んでいくぜ!!」
 ルゥルを追撃せんとした神砂使いは、他のディアボロス達の牽制に阻まれている。
 頷き合い、文字通りに戦場へ「飛び込んで」いく2人。
 オオォォォッ!
「怒ってるのは、お前だけじゃねぇんだ!」
 我が子を突き落とす!?! あの子達はお前の子じゃあねぇ!
 神の資格? 我が期待? ああ、何もかも腹が立つ!
「バラバラになっちまいな!」
 竜骸剣より鋭利が奔る。神砂巨兵の姿のままのクロノヴェータの表面を、何度も削り、抉っていく。
「その砂も、包帯ん中も、全部外にブチ撒けやがれ!」
 突き出された巨腕を駆け上り、大きく振り被る。力一杯、頭上から錬成の刃を叩き付ける!
「今だ! ルゥル! うぐっ――」
 逆の腕に薙ぎ払われ、少年の体躯が吹っ飛ばされるも――砕かれた巨兵の頭部から、神砂使いが露出しているのが確かに見えた。 
(「子供たちが味わった、なす術もなく砂に埋もれていく気持ち。あなた達クロノヴェーダは、理解なんてしないんだろうけど」)
 イクサの掛け声で、ルゥルは弾かれるように神砂使いへ飛び掛かる。
「その身体で、感じる痛みくらいは分かるでしょ!」
「おのれ、脆弱の分際がぁっ!」
 最期まで傲岸なマミーに、掛ける情けなどありはしない!
 ――勝利の凱歌が響き渡る中、レボルシオスラッシュが、神砂使いに引導を渡す。
(「ジャバーくんや子供たちが、わたしたちのことを忘れてしまっても……心に宿った勇気の欠片が残りますように」)
 忽ち崩れ往く巨兵から素早く飛び立ち、ルゥルはリターナーの子供達が逃れた方向を見やる。
「皆! お疲れ様! やったね!」
 祈るように瞑目するのも束の間。少女は満面の笑みで、地上の仲間に大きく手を振った。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【活性治癒】がLV3になった!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV3になった!
【ラストリベンジ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2021年09月18日