『統治者』アルケーとの決戦

 文京区を支配するジェネラル級大天使『統治者』アルケーとの決戦を行います。
 文京区の護りの要である『TOKYOカテドラル』を失ったアルケーは、台東区の大天使勢力に合流して、ディアボロスに対抗するべく、台東区へと移動を開始しました。
 このアルケーの動きを察知し、強襲する事で、決戦を挑みます。

 アルケーは、本拠地である『東京ドームシティ』全体を巨大なクロノ・オブジェクトとしており、「東京ドームシティを『完全に統治』している限り、自分自身が撃破される事は無い」という効果を得ています。

 東京ドームシティに向かったディアボロス達が防衛線を突破し、このクロノ・オブジェクトの効果を無効化するのに合わせ、アルケーに止めをさす事ができれば、『統治者』アルケーを撃破して、文京区を奪還できるはずです。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。

The Angel with a problem(作者 離岸
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#TOKYOエゼキエル戦争  #『統治者』アルケーとの決戦  #文京区  #台東区  #『統治者』アルケー  #東京ドームシティ 


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(「豊島区から攻めてきたベクターは、ディアボロスが撃退してくれたようだな」)
 東京ドームシティ敷地内の一室。高級そうなソファに体をうずめながら、『統治者』アルケーは思考する。
 このままディアボロスが豊島区のアークデーモンたちと争ってくれれば話は楽なのだが、これまでのディアボロスの動きを考えれば、そう物事が都合よく動くとは考えない方がいい。
 このディヴィジョン全体を考えた時、今避けねばならないのは己……アルケーがディアボロスに討たれることだ。そうなればおそらく、港区や品川区といった支配者を失った区と同様に、この文京区も海と化すのだろう。
(「だが、私が倒されなければ問題は無い」)
 そのための加護であり、そのためのクロノ・オブジェクトだ。
「アルケー様。出立の準備が整いました」
 トループス級大天使『ガルガリン』の報告を受け、アルケーは考え事を一度打ち切り、ソファから体を起こし立ち上がった。
 信者である一般人の女性が差し出す帽子を受け取り、目深に被る。
「よし、では台東区へ向かうとしよう。イーリスも迎えの一つは寄越してくるだろうが、あまり長居を続けるのも得策ではない」
 告げられた言葉に恭しく礼をするトループスと信者たちの様子に頷くと、アルケーは小さく靴音を響かせ東京ドームシティを後にする。
(「一時的とはいえ文京区を明け渡すのは癪ではあるが」)
 だが、文京区を制圧すれば、ディアボロスはそれを足掛かりに近隣エリアである豊島区のアークデーモンと争い始めるだろう。
 そうなれば、逆転の目は十分にある。

 白い儀礼服の女大天使は、将来の展望をそう思い描き、台東区へ続く道を進んでいった。


「文京区を支配するジェネラル級大天使『統治者』アルケーが本拠地とする、『東京ドームシティ』への攻撃が可能になりました」
 そう語る綾小路・桜(人間の妖精騎士・g03314)の表情は、いつにも増して真剣さを帯びた物であった。
 先日豊島区から文京区へ侵攻してきたベクターの軍勢を撃退したことに端を発する、区の支配者に決戦を挑むという重要な局面である。時先案内人としても、気合の入り方が普段とは違うのだろう。
「……とはいえ、私たちが攻撃に出ることをアルケーは予測していたようです。
 彼女の本拠地である東京ドームシティをクロノ・オブジェクト化した上で防衛線を展開し、彼女自身は台東区の大天使勢力と合流するため、文京区からの脱出を図っています」
 故に、台東区に逃げ込まれる前にアルケーを追い、決戦を挑む必要がある。

「ただ、アルケーにはクロノ・オブジェクト『東京ドームシティ』の加護があります。どうもこれがある限り、そのままではアルケーを撃破することは出来ないようなのです」
 ではどうするか。集まる視線の中、対抗策はあります、と桜は人差し指をピンと立てた。
「確かにそのままではアルケーは撃破できません。ただ、クロノ・オブジェクトが彼女に与えている加護は「東京ドームシティを完全に統治している限り撃破されない」というものです。つまり、東京ドームシティの統治が崩れてしまえば、加護は力を失います。
 もうご存じの方もいらっしゃるでしょうが、この決戦と並行して東京ドームシティに攻め込む別動隊が動き出しています。別動隊が東京ドームシティの統治を崩してくれれば勝機はあります」
 区の支配者たるジェネラル級、そしてそのままでは撃破できないという加護を持つ相手である。間違いなく激戦が予想される。
 それでも。勝ち目のない戦いではないのだ。
「これが、文京区を奪還するための決戦となります。どうか、皆さんの力を貸してください」

 一度おさらいしましょう。そんな言葉と共に、桜は改めてこの決戦についての予知の内容を語り始めた。
「まず、今回の目的は文京区を支配するジェネラル級大天使『統治者』アルケーを撃破する事です。アルケーはTOKYOエゼキエル戦争の『区の支配者』である大天使達の中心となってきた存在であり、かなりの強敵です。
 また、先程説明したクロノ・オブジェクトの効果により、自分が撃破される事は無いと認識しています。
 裏を返せば、これは付け入ることの出来る大きな隙になるでしょうね。なにせ、私たちがどうすれば加護を打ち消すことが出来るか知っている、ということを、向こうは知らない訳ですから。
 ですが、先もお話しした通り、撃破のためには東京ドームシティに攻め込んだディアボロスが防衛線を突破する必要があります。タイミングも重要ですので、うまく立ち回ってください」
 アルケー自身はどちらかと言えば戦闘力より人心掌握を得意とするタイプのクロノヴェーダのようであるが、そこはジェネラル級の存在だ。
 大天使の幻影を戦わせるような術を使う一方で、こちらの動きを解析した上で強力無比な斬撃を放つこともしてのける。まかり間違っても油断などしてはいけない相手だ。
 また、護衛のトループス級『ガルガリン』についても注意が必要だろう。輪状に固めた光を武器として戦うこのクロノヴェーダはいわゆる精鋭部隊としてアルケーの護衛についている者たちだ。
 トループスと舐めてかかると痛い目を見るのはこちらになってしまうかもしれない。

「それと、アルケーについてですが、ディボロスから情報を聞き出したいと考えているようですね。なので、向こうに余裕がある内は会話に応じてくる可能性が高いみたいです」
 余裕がある内……というのはつまり、加護によって自身が撃破されないという自信がある間、ということだ。
 別動隊が東京ドームシティの統治を崩してしまえば、向こうには受け答えの余裕もなくなってしまうだろうから、話がしたいならば少し急いだほうがいいのかもしれない。
「アルケーは敵対する豊島区のアークデーモンをディアボロスに撃破させたいとも考えているようなので、その辺りを突いて彼女にメリットがあると思わせることが出来れば、私たちにとって有効な情報を得る事もできるかもしれません」

 最後に、と桜はもう一度表情を引き締めた。
「アルケーから情報を得る事ができるかもしれませんが、まずは撃破が優先です。アルケーが逃げ込もうとしている台東区からの救援が来る事も予測されていますので注意してください。
 単純に戦わなければいけない敵の数が増えてしまいますし、救援が出現した場合は、瀕死のアルケーが台東区に奪われてしまう可能性もあるので、確実に撃破する必要があるかもしれません」
 救援が来る前にアルケーを撃破できるのが最善ではあるが、そういう存在が現れる可能性があることは頭に入れておくべきだろう。


「文京区の支配者であるアルケーを撃破すれば、文京区の大地を最終人類史に奪還できます。そうなれば、TOKYOエゼキエル戦争の戦況は大きく変化するでしょう。
 それに、アルケーはTOKYOエゼキエル戦争の大天使のまとめ役のような役割を果たしているようです。ここで撃破できれば、他の区を支配する大天使達の連携も大きく乱れ、今後の戦いを有利にすることが期待できます」
 そこまで語り終えて、ようやく桜は穏やかな笑みを浮かべた。
 他のディアボロスたちが無事に決戦を制し戻ってきてくれるだろうと信じている……そんな笑みだ。
「アルケーは、自分が本拠地を出て台東区に向かう事を隠していないようです。この行動で、ディアボロスの目を東京ドームシティから逸らそうとしたのかもしれません」
 そして、本来ならばその目論見にまんまと踊らされていただろう。これまでのディアボロスたちの活躍によって充分に排斥力を下げていなければ、クロノ・オブジェクト化した『東京ドームシティ』の加護を把握できず、絶対にアルケーを倒す事は出来なかったはずだ。
「皆さんの活躍が、『東京ドームシティ』の効果を暴いたのです。そのような可能性は、アルケーも予測できなかったのでしょう」
 ですから、と。桜は力強く頷いた。
「今回も、きっと乗り切れます! ご武運をお祈りしています、どうかお気をつけて」
 そう言葉を結んで、桜はディアボロスたちへ深々と頭を下げた。


 台東区某所。豪華な神殿を思わせる内装の建物の中で、ジェネラル級大天使、『光の調停者』イーリスは配下の大天使からの報告を受けていた。アルケーが東京ドームシティを出て、台東区へと向かっているらしい。
「ご苦労様。アルケーが殺される事は無いと思いますが、迎えを出しておきなさい」
 小さな返事と共に部屋を出ていった配下の背を見送って、イーリスは自身の顎に指を当て考え込むような仕草を作る。
「あの『統治者』アルケーが、文京区を一時的にでも捨てざるを得ないなんて、ディアボロスとは恐ろしい存在ですね。
 しかし……ディアボロスの脅威がここまでならば……カシエルさんの働きは見直さなければならないでしょう」
 誰か、と短い呼びかけ。十秒と待たず現れた先程とは別の配下に、イーリスは穏やかに告げる。
「あなた達、カシエルさんへの支援も、考えておくのですよ」
 先と同様に小さな返事と共に姿を消した配下の背を今度は見送ることはなく、彼女は外の景色へ視線をやる。
 アルケーと合流したら、何から手を付けるべきだろうか。雲の動きを眺めながら、彼女はそんなことを考えていた。



7/13追記
『東京ドームシティ強襲戦』が成功条件を満たしました!
 以降、この選択肢へ新規にプレイングを行っても採用されません。
(成功条件を満たした時点で、確定済みだったプレイングは採用される場合があります)
===========
 ジェネラル級大天使、『統治者』アルケーとの会話を行います。
『統治者』アルケーは、TOKYOエゼキエル戦争の大天使のまとめ役を果たしており、大天使勢力の要ともいえるジェネラル級です。
 アルケーは、今後の戦いの為にも『ディアボロスの情報』を得ようとしている為、会話に応じる可能性があるでしょう。

 アルケーが会話に応じるのは、自分が撃破されない保証があると信じている間だけです。
『東京ドームシティ強襲戦』が成功条件を満たす(3シナリオ成功)してしまうと、会話に応じる事は無くなるので注意してください。

 アルケーは『豊島区』のアークデーモンと敵対関係にある為、ディアボロスと『豊島区のデーモン』を戦わせて漁夫の利を得ようと考えているようです。
 この考えを利用することが出来れば、有用な情報を得られるかもしれません。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。



特殊ルール 👿または👾で出現する敵との会話に専念する。戦闘行動は行わない。
👑5 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

→クリア済み選択肢の詳細を見る



POW  滅槍・オンスロート

技能:粉砕/捨て身の一撃/呼吸法 (各12LV)

捨て身の覚悟で突撃し、右腕の巨大な義手で敵を掴むと、掌に仕込まれた杭打ち機で撃ち貫きます。
(元パラドクス:悪鬼粉砕撃)

SPD  断罪ノ光

技能:連射/制圧射撃/空中戦 (各12LV)

肉体への負荷を顧みない超高速で飛翔すると同時に、背中にある光の翼から無数の破壊光線を放ち、周囲の敵を一掃します。
(元パラドクス:スカイハイサーカス)

WIZ  ランペイジ・ストーム

技能:浄化/吹き飛ばし/連続魔法 (各12LV)

エネルギー体で構成された左腕から、暴発寸前まで膨れ上がった膨大な魔力の奔流を放ちます。
(元パラドクス:ナイルストリーム)

特殊ルール この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。
👑7

→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
9
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【照明】
1
ディアボロスの周囲「効果LV×20m」の空間が昼と同じ明るさに変化する。壁などで隔てられた場所にも効果が発揮される。
【神速反応】
1
周囲が、ディアボロスの反応速度が上昇する世界に変わる。他の行動を行わず集中している間、反応に必要な時間が「効果LVごとに半減」する。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【避難勧告】
1
周囲の危険な地域に、赤い光が明滅しサイレンが鳴り響く。範囲内の一般人は、その地域から脱出を始める。効果LVが高い程、避難が素早く完了する。
【迷宮化】
1
洞窟や家屋、砦などの内部を迷宮に変化させる。迷宮化により、敵は探索や突破に必要な時間が「効果LV倍」される。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【スーパーGPS】
1
周囲のディアボロスが見るあらゆる「地図」に、現在位置を表示する機能が追加される。効果LVが高ければ高い程、より詳細な位置を特定できる。
【活性治癒】
3
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【土壌改良】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の地面を、植物が育ちやすい土壌に変える。この変化はディアボロスが去った後も継続する。
【建造物分解】
2
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【使い魔使役】
1
周囲が、ディアボロスが「効果LV×1体」の通常の動物を使い魔にして操れる世界に変わる。使い魔が見聞きした内容を知り、指示を出す事もできる。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【通信障害】
1
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。
【アイテムポケット】
1
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV2 / 【命中アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV9 / 【ガードアップ】LV4 / 【反撃アップ】LV2 / 【ドレイン】LV4 / 【アヴォイド】LV2 / 【ダブル】LV1 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

離岸
 離岸です。あちこちで色んな事が起こっていますが、TOKYOエゼキエル戦争でも一つ大きな出来事が起ころうとしています。
 ということで決戦です。以下の補足等も参考に、より良い未来を勝ち取ってください。

 ☆重要☆
 8月6日朝8時30分の段階でアルケーを撃破できていなかった場合、アルケーが台東区に脱出してシナリオは完結します。(シナリオは失敗となります)

 シナリオ進行について:
 別シナリオの進行次第で状況が変わっていくため、全選択肢随時受付です。
 随時受付としていますが、例えば護衛が残っているのにいきなりアルケーへ、となれば護衛が邪魔して上手く戦えないなどの状況も当然発生しますので、上手く他選択肢の状況も見ながら攻略してみてください。

 アルケーについて:
 護衛のトループスと一般人の親衛隊数名を引き連れて台東区へ向かおうとしています。
 クロノ・オブジェクトの加護によりシナリオ開始段階では彼女を撃破することが出来ません。
「東京ドームシティ強襲戦」の事件が攻略成功になると、撃破が可能になります。
 また、加護が消滅していない段階でもダメージを与えることは可能なので、自分が倒れないと油断している間にダメージを積み重ねる……なんてのも面白いかもしれませんね。

 ①アルケーとの会話について:
 加護によって自分が撃破されない保証がある間は、アルケーはディアボロスとの会話にある程度(選択肢をクリアするまでは)応じてくれます。
 ディアボロスから情報収集したい意図やアークデーモンにディアボロスをぶつけたいという意図があるようなので、彼女が会話にメリットを見出せば今後に繋がりそうな面白い話が聞けるかもしれません。
 【注意】本選択肢は、シナリオタイプ「東京ドームシティ強襲戦」の攻略が全て成功すると、以降執筆が行われなくなります。

 ③台東区の大天使勢力の迎撃について:
 どこかのタイミングで台東区から派遣された大天使の増援が現れます。逆に言うと増援が現れる前にアルケーを撃破した場合は登場しません。
 シナリオ開始時点ではいないため、最初の時点ではこの選択肢は攻略できません。(登場タイミングを外れた時期にプレイングをいただいてもお返しすることになるかと思います)
 扱い的には護衛するトループス級がもう一回出てくると思っていただければ良いかと思われます。

 それでは、皆さんのご参加、お待ちしております。
29

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


積商・和沙
アルケー、ちょっと聞きたい事があるのよ。
私のこの翼を見れば分かるとは思うけど・・・。
ちなみに仲間じゃないからね。
あいつらの1体から奪い取ったのよ。
私にとって、あいつらは宿敵。
情報がほしいのよ。
私でも知っているのは【数秘術の四程式】は3体まで、4体目の存在と豊島区の支配者は誰なのかを知りたいのよ。
あんたには天鎧、それに何か切り札があるのでしょう?
敵の敵にその敵の情報を渡すのはあんた達にとっても有益じゃないかしら?
私にはあいつらを倒す目的があるのよ。
どう?教えてくれない?


八栄・玄才
舐められないように【勇気】ある態度で堂々と

よーう、アルケーちゃん

なあ、この辺り、豊島区以外にもアークデーモンが支配している区はあるかい?
いや、豊島区の数学悪魔共は当然叩くさ
だけどよ、それだけでオレ達が満足するとでも?
全員だよ、クロノヴェーダは全員ブッ倒す覚悟でオレらはこのTOKYOに来てるんだ

……とはいえ、おたくら大天使の人間に対しての態度はマシな方だからな
オレらとしちゃあ、人間をイキイキ虐げている悪魔連中の方を先にブチのめしてぇ
オレらが文京区の人間を豊島区の奴等から守ってたのは知ってるなら、この指針が嘘じゃねぇのは伝わるだろ?
ちょっと先に悪魔連中を潰してくるから、情報を教えちゃくれねぇかい?



 当然ディアボロスは追ってくると思っていたが、想像以上に現れるのが早い。
 アルケーにとって、目の前に現れた積商・和沙(四則演算の数秘術師・g02851)を見た時の感想は、それだった。
「アルケー、ちょっと聞きたい事があるのよ」
 背後に控えていたガルガリンが即座に排除に出ようとするのをアルケーは手で制した。
 それを認め、和沙は自身の背に浮かぶ翼――豊島区のベクターのそれにも似た、四則演算の記号の刻まれた翼をアルケーへ向けて示して。
「ああ、ちなみにあいつらの仲間じゃないからね。あいつらの一体から奪い取ったのよ。
 私のこの翼を見れば分かるとは思うけど……私にとって、あいつらは宿敵で倒す目的があるのよ。情報がほしいの」
 真正面から切り込んできた言葉に、アルケーは表情を変えぬまま内心で小さく吹き出してしまう。
 態度そのものは決して嫌いではないが、さりとていくらでも足元を見ることができる話の切り出し方ではある。
 どう返せばディアボロスを上手く御すことができるだろうか。それを踏まえた上で言葉を組み立てる一瞬の間に、違う声が割り込んできた。
「よーう、アルケーちゃん」
 視線が、和沙の隣に並んだ八栄・玄才(井の中の雷魔・g00563)へ向かう。
 アルケーに舐められないようにと堂々とした態度で場に臨む玄才は、彼女の視線がこちらに向いたことを認め、自信に満ちた表情でニッと笑みを浮かべる。
「なあ、この辺り、豊島区以外にもアークデーモンが支配している区はあるかい?」
「豊島区以外?」
 先を促すようにアルケーから返って来た鸚鵡に、玄才の浮かべる笑みの質が少しだけ変化する。
「いや、豊島区の数学悪魔共は当然叩くさ。だけどよ、それだけでオレ達が満足するとでも? 全員だよ、クロノヴェーダは全員ブッ倒す覚悟でオレらはこのTOKYOに来てるんだ」
 獰猛な色を宿す玄才の口元に、アルケーの視線が鋭さを増す。
「……とはいえ、おたくら大天使の人間に対しての態度はマシな方だからな。
 オレらとしちゃあ、人間をイキイキ虐げている悪魔連中の方を先にブチのめしてぇ」
「つまり、我々もいつかは倒すが、先にアークデーモンの方を……と?」
「そういうこと。敵の敵にその敵の情報を渡すのはあんた達にとっても有益じゃないかしら?」
 重ねられた和沙の言葉に、アルケーは顎に手を当て考え込むそぶりを見せて。
「……良いだろう。まず、豊島区以外という話であれば、豊島周囲はアークデーモンの勢力圏だ。だから、豊島区と争っていれば放っておいても他のアークデーモンと事を構えることになるだろうさ」
「豊島区を助けに来るって?」
「いいや。豊島区を放置しておけば、いずれ統一されて強大な勢力になるからだ。
 東京カテドラルが失陥した以上、一度動き出した豊島区の勢力を抑えるのは難しいだろう」
 この状況を作り出したのは、カテドラルを制圧したディアボロスだ。
 暗にそう言いたそうな気配を醸しながらも、アルケーは彼女は続けて和沙の方に視線を向けた。次はお前の疑問――豊島区の事情に答える番だ、とその視線が告げる。
「豊島区を支配するジェネラル級は『複素冥界』イマジネイラ。配下には、『線形代魔』ベクター、『集合嘸』メンゲら、強力なジェネラル級が集っている。ベクターとはもう交戦したのだったか?」
「ええ。こちらの情報を集めていたみたい」
「であれば話は早い。奴らは情報を収集し解析し、勝利の方程式を組み立てるのに長けている。
 一度動き出せば勝利を積み重ねる作業を繰り返して、短期間でTOKYOエゼキエル戦争の北部を制圧するだろうな」
 アルケーの言葉をそのまま飲みこむならば、今はまだ準備が出来ていないだけであるが、そのまま放置しておけば豊島区周辺にアークデーモンの一大勢力が完成してしまうことになる。
 何よりも、ディアボロスとの交戦でベクターが得た情報が解析されきった時……向けられるだろう勝利の方程式とやらは、大きな脅威になることが、容易に予想できる。
「話せることは、こんなところだ。私としても断片の王が居ない今、アークデーモンの勢力が拡大されるのは避けたい。貴様らディアボロスには期待しているよ」
 それともう一つ。最後に、アルケーは玄才の方へ改めて視線を向けた。
「アークデーモンも、我々大天使も、いずれは倒すと貴様は言った。だが、その狂犬のような振る舞いにはいずれ限界が訪れる。
 死にたくないのであれば、どちらかと手を組む方が賢いのでは無いか?」
 言外に、大天使勢力と同盟を結ぶ選択肢もあると言っているようなものであった。
 その言葉に場のディアボロスが何か言葉を発するよりも早く、アルケーは動き出した。

 当初の目的の通り……台東区へ向けて。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【飛翔】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!

園田・詠美
将を射んとする者はまず馬を射よ、ですね
こちらの意図を掴ませないためにも定石通りに崩していきましょう

トループス級とはいえ、支配者直属の護衛とあって手強い!
無理をせずに他の方たちのフォローに入ります!

投げる動作がある分、まだ攻撃の予兆は読みやすい……魔力障壁を投擲に合わせて展開し、攻撃を防ぎながらダメージを抑えながら回避行動
そして、攻撃後の隙を突くようにして【全力魔法】
【高速詠唱】と【連続魔法】で敵が気付く前に発動を完了、大きな蔓で体を拘束して光の輪も投げれないように縛り上げます!
攻撃はまだまだ不得手ですが、それなら頼れる方を頼ります!
動けなくした隙を他の方が突いてくれると信じて、業務、執行!


アンゼリカ・レンブラント
『統治者』と相対するためにもまず護衛を片付けようかな
共に仲間と踏み込むタイミングを合わせ、
星形状のパラドクスを放出するよっ!

敵の陣形が崩れるまでは一撃離脱を心がけ、
囲まれないようにして動くね
敵が反撃時高速移動してくれるなら、望むところ
身に纏う障壁でしっかり受け止めて
敵の陣形を崩すよう押しやるよ
仲間とは連携を心がけディフェンスし合い立ち回るね
まだまだ、このくらいじゃへっちゃらだよねみんな!

消耗の多い敵から狙っていき
とにかく数を減らしていくよ!

技能も勝っている部分があるので
生かせるなら積極的に生かすね
呼吸を整え、光のオーラを纏い
消耗した敵を全力の《天輪輝星》で吹き飛ばすっ
私の全力、受けてみろーっ!


神雫・イカリ
「さァて、大物登場だな…。東京を取り戻すためにも、ここは一丁本気で行くか…!」

【飛翔】を用いて上から攻撃を仕掛ける

愛剣〈ギガンティア〉で【斬撃】【貫通撃】

敵の念波は、【勇気】と【情熱】でねじ伏せる

護衛というなら数は多いだろうから、なるべく引き付けて一か所に固めたところにパラドクスを叩き込む

「天使には天使の力ってなァ。―――神の怒り、久遠の番人。楽園の門にて罪人を阻め。その輝きは、天より降り立つ。天意無訪、エデン・バニッシャー!!」

【薙ぎ払い】【オーラ操作】で光の槍を広範囲に命中するようにばら撒く

※アドリブ連携お任せします



 アルケーが動きを見せたことで大天使の一団へと戦意を向けたディアボロスは多い。
 無駄なことを、と未だ加護に守られた状態のアルケーは思うのだが、ディアボロスの側からすれば彼我の認識のすれ違いは付け込むべき大きな隙である。
 盤石だと信じる自身の足元がすでに揺らぎ始めていることを悟らせぬよう、まずは定石通り周囲の護衛から切り崩していこうという方針は、特に打ち合わせることもなく定められたディアボロスの共通認識であると言ってよい。
 (「将を射んとする者はまず馬を射よ、ですね」)
 そんなことを考えながら、園田・詠美(社畜(元)系魔法少女・g05827)はアルケーを守るべく立ちふさがったトループス『ガルガリン』の姿を静かに観察する。
 支配者直属の護衛ということもあってか、隊列を組む速度も、こちらを睨む視線に込められた威圧感も、その辺のトループスとは比べ物にならない。
 無理せずに周囲のフォローへ入った方が良いか。そう判断するや否や、詠美は戦端を開くべく他のディアボロスヘと光輪を投擲する気配を見せた一体のガルガリン、その足元に魔力を忍ばせた。
「!」
 詠美の魔力によって生まれた植物は急速に成長。アスファルトを突き破ると、碧眼を大きく見開いたガルガリンを捕縛すべく蔦を蠢かす。
 意志を持ったロープのように自身を縛り上げようと動く植物の蔦を、ガルガリンはパラドクスによる現象であると即座に判断。
 一瞬前に足元に産まれた魔力が照射された方角から蔦を操るものが詠美であると断じると、別のディアボロスへ向けて放つつもりであった光輪が一つ、縛り上げられるよりも早く彼女へ向けて放たれた。
(「投げる動作の分、攻撃の予兆は読みやすい……!」)
 楕円を描くような軌跡で疾駆する光輪を、それよりも早く展開した魔力障壁で受け止める。
 断罪の輝きを孕む光輪の威力は手強いと覚悟していた通り、重い。魔力障壁の上からでも容赦なく体を叩く衝撃に表情を歪めるも、詠美はそこで怯むことはしなかった。
 それは長年の社畜生活が培ってきたあまりよろしくない方向の根性によるものでもあったし、何よりもガルガリンが放つはずだったもう一つの光輪が、彼を縛り上げたことにより投擲できない状態に陥っているからでもあった。
「業務、執行!」
 蔦による戒めから逃れようとガルガリンが暴れる。脱出を許すまいと、詠美は蔦を操り縛り上げる力をさらに強める。

 当然、捕縛され攻撃行動に出ることの出来ない存在は大きな隙である。
 敵の側からすれば当然そこに攻撃を集中させるし、味方の側からすれば何とか捕縛された者を解放しようと動くことになる。
 この場において、捕縛されたものを解放しようと動くガルガリンは、詠美を排除することでそれを成し遂げようとしたようだ。
 数体のガルガリンの全身が光のオーラに包まれるや否や、彼らはほぼ同時に地面を蹴った。音すら抜き去るような速度で迫る大天使を前に、詠美は動かない。
 認識できていない訳ではない。
 自分が今捕縛しているガルガリンを巡り、相手に動きを強いている状態なのだ。ここで捕縛を放棄しその状況を手放す訳にはいかない。
 そして何よりも。
「まだまだ、このくらいじゃへっちゃらだよね!」
「ええ、頼らせてもらいますよ!」
 敵を動けなくしたことによって生まれた敵の隙を突いてくれる味方は、必ず存在する。
 その信頼に応えるように、アンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)が詠美へ向けて突撃するガルガリンたちを真正面から受け止めていた。
 ガルガリンたちの側からすれば、本来ターゲットとしていた詠美に攻撃を届けるよりも早く目の前に敵性存在が現れ、反射的にそちらへ攻撃を加えてしまった形になる。
 タイミングを狂わされたことにより破壊は完全な威力からは程遠い。障壁越しに刻まれた複数の傷は決して浅い訳ではないが、それでもアンゼリカの動きは鈍らない。
「せぇ……のっ!!」
 まだまだ幼さの残る声と共にアンゼリカがガルガリンたちを押しやる。単純な膂力を相手に一度仕切り直しを求め、ガルガリンたちは押された勢いを盗むように左側面へ跳ぶ。
「良い位置だぜ」
 その動きを、上空から飛来する神雫・イカリ(天魔の電霊・g03598)はそう評した。
 元よりアンゼリカには敵の陣形を崩したいという意図があった。故に、敵を押しやる瞬間、力を向ける方向を僅かにずらし、ガルガリンたちが飛びのく方向を誘導していたのである。
 誘導……すなわち、他のガルガリンたちが集まっている地点からは外れた箇所への移動を強いることにより、数体の敵を孤立させることに成功したのだ。
「東京を取り戻すためにも、ここは一丁本気で行くか……!」
 護衛というだけありまだまだ数は多いが、アンゼリカと共に切り崩した数体をまず片付けてしまうのは悪い選択肢ではない。
 イカリの背中に顕現する大天使の翼から、光の槍が次々と生まれていく。その光景にガルガリンたちは上空を見上げ、警戒と共に防御の姿勢に入ったが構わない。
「天使には天使の力ってなァ。―――神の怒り、久遠の番人。楽園の門にて罪人を阻め。その輝きは、天より降り立つ。天意無訪、エデン・バニッシャー!!」
 高らかにそう宣言すると同時、彼の周囲に展開していた無数の光の槍が雨のように降り注ぎ、孤立したガルガリンたちを次々と薙いでいく。
 両手に持つ光輪を盾にガルガリンたちは光の槍を受け止めようとするが、いかんせん数が多い。急所を守ることには成功しているようだが守り切れない部位に突き刺さる槍に、ガルガリンたちの表情が苦悶に染まった。
 それが物理的に貫かれた痛みなのか、はたまた何かしら抱える罪を蝕まれたことによる精神的な痛みなのか、それは分からない。
 けれど、ガルガリンたちにまだ戦う意思が残っていることは確かで、イカリはその意思を彼らの瞳越しに感じ取り、
「……が、っ!?」
 直後、自身の脳が乱暴にかき回されたような錯覚に一瞬、翼の操作を誤りそうになる。
 ガルガリンの瞳から放たれた念波がイカリを捉え、その意思と思考を捻じ伏せようとしているのだ。
 数人がかりで放たれる念波を一人で受けきるにはいささか無理がある。
 全身に脂汗を滲ませながら、けれども彼は自身の心の奥底から湧き上がる勇気と情熱で捻じ伏せようとする意志に抗い、無理矢理笑みを見せた。
「……いいのか? 俺だけに、……構っていて?」
 言葉の意味を理解するよりも早く、光がガルガリンたちを襲った。
「私の全力、受けてみろーっ!」
 一瞬遅れてアンゼリカの声が耳を叩く。イカリの派手な攻撃にガルガリンの意識が向いていた隙に、アンゼリカはすかさず自身の攻撃のため力を練り上げていたのだ。
 斬られた痛みを落ち着けるよう呼吸を整え、光のオーラを纏った状態で放出された星形のパラドクスはガルガリンたちに衝突すると同時に、炸裂。
 生まれた爆炎から尚も逃れる個体もいれば、続けざまの猛攻を耐えきることも出来ずその場に崩れ落ちてしまう個体もいる。
 荒い息と共に残ったガルガリンはまた光輪を構え、尚も戦う意思を見せる。僅かに遅れ、本隊にいた個体もまた応援のため合流してきた。
 とはいえ、本隊は本隊でまた別のディアボロスからの攻撃を受けており、アンゼリカやイカリに対抗するために追加された敵の数は少ない。
 詠美も二人に合流し、双方がしばし睨み合う。

 次の激突の瞬間は、すぐに訪れることだろう。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【土壌改良】LV1が発生!
【照明】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV2が発生!

百鬼・運命
【ヨアケ】で参加

「さてと援軍も送られているようだ。まずは露払いも兼ねて敵指揮系統を寸断してしまおう」

まずはトランクケースに詰め込んだ大量の符をばら撒いて作った雷火を戦場一帯に浮遊機雷の様に設置し、【通信障害】によって敵の通信を妨害して指揮系統を混乱させる。

あとは味方と連携しながら、ガルガリンたちを駆逐。
戦場を俯瞰しつつ、雷花の設置位置を操ることで戦場を区画分けし、敵同士で連携することを阻害することで、味方が敵一体に対して多数で戦えるように誘導して、戦況を有利に進めていく

「後はスピード勝負か…アルケーが東京ドームシティを落とされたことに気が付くまでに出来るだけ削ってしまいたいものだ」


黒城・廉也
【ヨアケ】で参加
連携歓迎

まずは護衛から…着実に進めていかないとッスよね

基本的に【飛翔】で飛び回りつつパラドクスで敵を切り抜け敵のフォーメーションを崩し一撃離脱を心掛ける
飛び回りつつ戦場を把握し、頭数を減らすため体力の少ない敵を中心に狙う

百鬼さんの連携阻害が成功し複数人で叩ける時は皆と協力して撃破に望む

光の輪は察知できる場合は回避に専念。避けきれないときは早業でパラドクスの準備を行いチャームスピリットで弾きつついなす。いっそのこと相手に弾き返せたら儲けものッスよね
俺の手が届く距離で敵の攻撃が直撃しそうな時は早業の【飛翔】で抱きかかえて救出ッス


相原・相真
【ヨアケ】の皆さんと一緒に参加
アドリブ・連携歓迎です

アルケー…、大物ですね
ですがまずは護衛から
一手ずつ、確実に詰めていくとしましょうか

百鬼さんがやってくれた敵の分断を出来るだけ生かし、
仲間の援護に合わせての集中攻撃・各個撃破で敵の数を減らしていきます

戦闘時は一人で突出しすぎないように注意
敵は精鋭、俺だけで出来る事なんて限りがあるんです
ちゃんとみんなと協力していかないと、まだこの後があるんですから

[残像・フェイント・ダッシュ]による高速移動で敵陣へ踏み込み、
魔力を纏った手刀での[斬撃]で攻撃
敵からの攻撃には高速移動による回避か魔力障壁による防御で対応します


 ほんの一瞬、時間を巻き戻す。
 詠美ら三人らに対抗する個体の応援に向かおうと動くガルガリンたちの前に、ディヴィジョンに夜明けを告げる者たちが立ちふさがった。
「さてと援軍も送られているようだ。まずは露払いも兼ねて敵指揮系統を寸断してしまおう」
 油断をすることなく身構えるガルガリンたちを前に飄々とした態度を崩すことのないまま、百鬼・運命(人間のカースブレイド・g03078)は肩に担いでいたトランクケースを思い切り上空へ放り上げる。
 弾かれたようにトランクケースを追いかけ上空へ向かうガルガリンたちの視線の先、ケースに詰め込まれた大量の符が空中を埋め尽くさんばかりの勢いで舞い踊る。
 網目状の隊列を組むように展開する符は雷の形を作ると、触れた物合切を焼き焦がさんとばかりに激しくスパーク。視覚で、聴覚で敵を威圧しながらガルガリンたちを分断するようにその網を周囲に張り巡らせた。
 この場のガルガリンたちには知る由もない事であるが、張り巡らされた雷の網は特殊な電磁波を帯びた物であり、この力が及ぶ限りクロノヴェーダは通信による連絡を取ることが出来なくなっている。
 クロノヴェーダが通信機や何かで連絡を取り合うかまでは分からないが、仮にそうやって連絡を取っているのであれば最早指揮系統など無いようなものだろう。
 張り巡らされた雷の外周部分にいたためか、咄嗟にその場を飛びのき包囲網から逃れた一体が光のオーラと共に突撃してくるのを横っ飛びで回避し、運命は目の前の敵を、そして網の中に収めた集団を順に見据える。
 まずの仕込みとしては上々と言ったところか。
「後はスピード勝負か……アルケーが東京ドームシティを落とされたことに気が付くまでに出来るだけ削ってしまいたいものだ」
 その独白を呑み込むように再度の攻勢に出たガルガリンを、運命は迎撃するように身構えた。

 さて。運命の打った雷の網に対して、こちらを分断する意図があるのだとガルガリンたちもすぐに気が付いた。
 さりとてどう動くべきか。明らかに触れるべきではない気配を見せる雷に、そう迷いを抱くガルガリンもまた多い。
 例えば飛行して機雷のような雷を迂回する、例えば動くことはできずとも光輪や念波といった遠距離攻撃の手段で対抗する――彼らに冷静に考える時間があるのであれば、様々な対抗策が打ち出せていただろう。
 だが、ディアボロスを目の前に一瞬でも逡巡してしまったのは愚かとしか評しようがないのもまた事実。復讐者の牙は、その逡巡を決して見逃しはしない。
「まずは護衛から…着実に進めていかないとッスよね」
「ええ。一手ずつ、確実に詰めていくとしましょうか」
 網目の外周に追いやられていた個体へ、相原・相真(人間のガジェッティア・g01549)が機雷を飛び越え、そして黒城・廉也(後輩サキュバス・g02175)が空中から飛来し、示し合わせたようなタイミングで襲い掛かる。
「っ、ええい……!」
 苦虫を噛み潰したような表情と共に、狙われたガルガリンは両手の光輪を構え迎撃の姿勢を取った。飛来する速度に、迷いのない表情に、ガルガリンは襲い来るディアボロス二人を強敵と認識する。
 他のガルガリンが何らかの援護行動に入るのは一瞬、あるいは二瞬の後か。その空白は、逆説連鎖戦という概念においては永遠とも変わらない。
 無限に引き延ばされていく時間の中で、相真と廉也による怒涛の波状攻撃によりガルガリンはすぐに防戦一方に追いやられた。
 鋭い踏み込みと共に相真が振るう魔力を帯びた手刀を光輪で受け止めれば、すかさず舞うように背後を取った廉也が刃と化した闘気で斬りかかる。
 その一撃を何とか回避し、今度は自在に飛び回る廉也を牽制するように光輪の片方を放るも、彼は即座に飛来する光輪を闘気で以てはじき返した。
 自立駆動する光輪が軌道を修正するよりも早くキャッチしなければ自身が貫かれる。そう気づいたガルガリンは鋭い舌打ちと共に再度光輪を両手に収める。二対一の状況を崩すことが出来ない。
「接続、起動。幻光閃撃……!」
 苦しい表情を崩さぬまま、無意識に後ずさっていたガルガリンを追うように、相真が強く地を蹴った。
 ステップを踏むたびにに次々と生まれていく光の残像と共に四方から飛んでくる相真の攻撃に、ガルガリンはそれでも防御を固めて機を待った。
 ――無限に続く攻撃などあり得ない。どこかで必ず目が慣れてくる。反攻に出るのはその瞬間だ。
 相真とて、相手のその考えは読んでいる。しかし、それでも彼は更に足へ力を籠め、より多数の残像を生み出しながら猛攻を続ける。
(「敵は精鋭、俺だけで出来る事なんて限りがある」)
 そう。この場は、これで終わりではない。まだ区の支配者という大物が控えているのだ。それを一人でどうにかできるなどという自惚れは持っていない。
 ここで相真がすべきことと己に課したのは、高速の打撃によって敵を場にくぎ付けにすることだ。
「我が刃に宿れ、猛炎の鼓動」
 そうすれば、ほら。相真によって足を止められていたガルガリンへ、いつの間にか上空に陣取っていた廉也が急降下と共に攻勢に出る。
 頭上から飛来する廉也が空気を斬る音にガルガリンは咄嗟に視線を上へ向けたが、もう遅い。
 相手が何か反応するよりも早くサキュバスの翼がすれ違えば、刹那に満たない暇を挟み、炎を纏った斬撃の嵐がガルガリンに叩きこまれて。
「……ぐ、ぁ……!!」
 くぐもったうめき声と共に大天使の体が地面に倒れ込むのを確認する間も惜しいとばかりに、二人は即座に次のガルガリンへ襲いかかっていった。

 さすがに味方が一体倒れるだけの時間をおけば、ガルガリンたちも様々な手立てで雷の包囲網を抜け出してディアボロスへの反撃を強めていく。
 しかし、場の戦いの流れは最早ディアボロスが制したと言ってもいいだろう。流れるような手際でこの後も敵の数を減らしていくディアボロスの勢いを、ガルガリンたちはどうしても止めることが出来ない。
(「……成程。これまで連中が上げてきた戦果は決して運だけで成り立っている訳ではないようだ」)
 ディアボロスがガルガリンたちと交戦している間に移動していたのだろう。アルケーは戦場となった地点から離れた位置で最後のガルガリンが切り伏せられる光景を見遣り、ディアボロスという存在の力をそう評した。
 だからこそ。これ以上この場にいる意味を彼女は見出すことはなく、台東区へ向ける足をさらに速めることに意識を集中させた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【通信障害】LV1が発生!
【飛翔】がLV3になった!
【神速反応】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!

八栄・玄才
っとと、行っいまうのかよ、アルケーちゃん
大天使は後でもイイとは言ったが、こうしてディアボロスとクロノヴェーダが面を合わせてるんだ
闘り合わないなんて嘘だろう?

東京ドームシティの加護など知らないかのように、加護が残っていても全力で倒しにかかる

こちらの弱点を解析される前に、早く、速く、【突撃】!
相手の武器は直剣か? であるならば、直線での攻撃に特に注意して半身の構えを取る
その態勢でパラドクスを使い、素手での最速の直突き
アルケーの肉体を【粉砕】しにかかる

敵の攻撃はワード・ブレイカーを形成し、甲で受けて滑らせるように防御
直前まで素手でいて、突然籠手を出せば、相手の解析の外に出られるか?



 逆説連鎖戦という概念において物理的な距離はさほど大きな意味を持つものではない。
 とはいえ相手がジェネラル級、かつ逃げに専念する者を追いたいのであれば話は少しばかり違ってくる。互いが距離の概念を自身に有利となるよう引き合い続けた上で拮抗を保つのならば、ガルガリンと交戦していた者たちとアルケーの間にできた距離はそう簡単には埋まるものではない。
「っとと、行っちまうのかよ、アルケーちゃん」
 ではガルガリンと戦っていた者はアルケーに永遠に追いつけないのか? それを否定するように、ガルガリンとの戦いが起きていた中すでに動き始めていた八栄・玄才(井の中の雷魔・g00563)は、アルケーに並走する形で軽薄な声を投げかける。
「大天使は後でもイイとは言ったが、こうしてディアボロスとクロノヴェーダが面を合わせてるんだ。闘り合わないなんて嘘だろう?」
「……狂犬め」
 吐き捨てるようにそう言葉を漏らし、アルケーは更に台東区へ向かう足を速めた。
 その後何を言っても反応する気配を見せないアルケーに玄才は苦笑。気を抜けば置いていかれそうな速度に追いすがりながら、彼女が台東区の方角へ僅かに視線を向けたタイミングを見計らい、一息で彼我の距離を詰める。
 強く強く強く、突撃と共にアルケーを拳の射程に収める――よりも早く、彼女が腰に下げた直刀が閃いた。

 来る。
 一瞬、よりもさらに細分化された時間の中で、雷の悪魔由来、無意識に体に纏う電磁波がアルケーの横薙ぎの斬撃を感知する。本能に似た頭の冷静な部分が振るわれる軌跡を読み切り、それを上回る速度の拳でアルケーを捉えようと動いた。
「躾がなっていないな」
 だが、アルケーは単純な速度を以てそれを上回った。
 本能に似た反射を僅かに遅れた理性がねじ込む。拳が届くよりも早く自身の胴を両断しかねない剣の切っ先を、直突きの動作にあった拳に電流を硬化させた籠手を顕現した上で強引に流す。
 その結果はアルケーの想定外だったか、少しばかり大天使の目が大きくなったようにも見えた。
 だが、彼女の動きそのものは変わらない。
 たった一合のやり取りで玄才には興味を失ったと言わんばかりに納刀。そのまま彼には二度と視線をくれることもなく、再び逃走を再開した。

 それでも、このやり取りがディアボロスにとってもたらした物は大きいだろう。
 玄才に向けたわずかな時間すら、アルケーにとっては自身を滅ぼす毒に近いのだ。
苦戦🔵​🔴​🔴​

黒城・廉也
【ヨアケ】
アドリブ連携歓迎

妨害班として参加
台東区からの援軍に備えた周囲の警戒とアルケーを逃がさないようのがメインッスね

こっちを覗き見してはい、さよなら…とはいかないッスよ?
悪いけど逃がすって選択肢は俺には無いんスよね

追跡や敵の攻撃の回避には【飛翔】の速度を利用し敵のスピードにかく乱されないように

【飛翔】で回り込み【神速反応】で一瞬の隙を逃さず瞳を合わせ早業で魔眼を発動
それでも逸らされそうなら【トラップ生成】として【氷雪使い】を活かした反射する魔法で作った氷の鏡を囲み反射した姿越しに魔眼を
ありったけの力でアルケーの動きを限界まで止める

加護を持っている以上倒せない
でも、動きを止める位ならきっと…


アオイ・ダイアログ
【ヨアケ】で行きます!
東京を取り戻すのにあなたは邪魔です
私たちの連携に磨り潰されてください!

ここは妨害ですね
フィンブルヴェトルで氷の壁を築き移動を制限しますよ!
他にも翼を凍らせれば一瞬でも動きが阻害できるはず
逃げるようなら進行方向に氷の壁
斜めに出現させて空にも逃げにくくしたりもしますよ!

私を狙って来たら杖で受け流します
あえて衝撃に逆らわず吹っ飛んだりしつつ、アルケーの剣ごと氷の柱に飲み込めないか試したいですね
仲間への攻撃も氷柱で軽減したり逸らしたり出来ないか試しつつサポートです!

仲間を信じて、やることをやるだけです
倒せなくても消耗するでしょう
これが夜明けの為の一歩になるんです!


眉立・人鳥
アドリブ絡み歓迎
【ヨアケ】で行く

妨害班の一員として動く、存分に足止めさせて貰おうか
よォ、少し付き合えよ!

味方の位置どりを常に把握しつつ仕掛けるぞ
その余裕、逆手に取ってやろうじゃねえの

廉也の回り込みを悟られないよう、アオイちゃんの氷に合わせて
翼竜型の粒子魔力を間髪入れずに生成しつつ放とう、氷に気を取られれば
すかさず爆発させて行こうじゃねえの

敵の攻撃は首や心臓、急所を守りつつ氷晶剣でいなす事を試みる
アオイちゃんのカバーも忘れずに

突破された時のために通信障害を使い、敵の情報を封じる
更に、パラドクスによって生み出した翼竜型の魔力粒子を複数
反応型の罠として、予測した進路上に仕込んでおくぜ


 玄才が引きずり出したアルケーの時間を喰らい、ディアボロスの攻勢は瞬く間に肥大していく。
「冷凍氷、冷えろ氷れ凍てつけ凍えろ凍れ凍れ凍れ凍れ氷り付け!!」
 攻勢の皮切りを告げるように、太陽の意匠が施されたマイクを仕込んだ杖を介し、周囲にアオイ・ダイアログ(響き合う言霊の繰り手・g02687)の声が響いた。
 アオイの意思がここで敵を止めるのだと叫べば、次の瞬間には逃走を続けるアルケーの眼前に次々と氷壁が生まれていく。
 逃げ場を塞ぐように展開するいくつもの氷壁に、アルケーは鼻で小さく息を漏らし抜刀。右手に携えた直刀が銀色の線を描くたびに氷は次々に両断されていき、アルケーは速度を緩めぬまま突破を急ぐ。
(「東京を取り戻すのにあなたは邪魔です」)
 自身の、そして仲間の力が夜明けのための一歩になると信じて。
 氷を生み出す冷気がアルケーの翼を覆い、それを邪魔に思ったか一度彼女が大きく背の四翼をはためかせ氷を振り払う。その勢いで宙を駆けたい意志も見えたが、周囲を包囲する氷壁はそれを想定していたか上空にも展開している。
 ならば足を頼りに駆けた方が早いとアルケーは即座に判断。再び眼前に立ちはだかる巨大な氷を横薙ぎ一閃、一刀のもとに切り伏せて。
 ――直後、アルケーの視界を爆炎が包み込んだ。
「その余裕、逆手に取ってやろうじゃねえの」
 炎に呑まれたアルケーをからかうような声を漏らしながら、アオイの後ろで眉立・人鳥(鳥好き兄ちゃん・g02854)は愉快そうに笑う。
 無論、生まれた爆発は人鳥の手によるものだ。
 彼により生み出された無数の翼竜の形をした魔力の塊は、アオイの生み出した他の氷壁の影にも潜み機を窺っている。
 何も考えずに氷を砕けば、触れれば爆ぜる性質を持つ魔力は即座に弾け、またアルケーを呑み込むだろう。
 かといってそれを嫌い氷を避けるように進むことを相手が選ぶのならば逃走速度は緩むことになり、それはそれでこちらの思う壺だ。

 その二者択一に、アルケーは足を止めるべきではないと判断した。
 再び彼女の眼前には氷壁が立ちはだかる。その陰に人鳥の魔力が控えているのも容易に想像がつくが、構わないとばかりにアルケーは抜いたままの剣を一閃。
 左右に割れた氷が作った道から翼竜型の粒子が突撃してくるのにも構わず直進。魔力との接触によりもう一度周囲に爆音が響き渡るが、今度はアルケーの足は鈍らなかった。
 左腕を盾に爆発のダメージを減じながら、割れた氷の先にできる最短距離を進み、尚も彼女は台東区へ向けて進んでいく。
 どれだけのダメージを積み重ねようと、加護がある限りアルケーが膝をつくことはない。故に多少のダメージを承知の上でこの場を突破することを優先したのだろう。
 死ななければ安いを地で行く選択にアオイは少し呆れ顔を作ったが、それならばそれで相手の体力を削れるだけ削ってやればいい。
「人鳥さん、このまま――」
「……いいや、貴様らの芸はもう見飽きたよ」
 更なる攻撃を重ねようとアオイが人鳥を促した瞬間、側面から魂が凍るような声がする。
 多少の手間を費やしても先に二人を排除した方が結果的に受けるダメージも少ないと判断したのだろう。いつの間にかアルケーがすぐ隣に立っていた。
 それを認識すると同時、アオイの背後に立っていた人鳥が氷晶剣を構え即座に前へ出る。
 それがアオイをフォローするための咄嗟の動きだったことはアルケーも分かっていたようだが、構わず彼女はそのまま剣を振り下ろした。
 人鳥が急所を守るように剣を構えていることが一瞬で看過されたか、その一撃は敵を屠るというよりも姿勢を崩すことを意識したような動きだった。
 上から強く打ち付けられた衝撃に、人鳥の手の中で剣が激しく暴れる。それを制御するだけの力を手に込める刹那で、アルケーは剣の切っ先を人鳥の心臓へ突き立てる隙間を見出した。

 獲った。
 その確信と共にアルケーが突き出した剣はしかし、人鳥を貫くことはなかった。
 神速の突きが彼を捉えるよりも早く、引き倒されたアオイが周囲の冷気をアルケーの剣に集中させていたためだ。
 心臓までの僅かな距離を切っ先が埋め尽くすよりも早く剣にまとわりついた冷気は氷の形を作り、その切っ先を覆うことで破壊を殺す。
 とはいえ刃に貫かれるか鈍器で突かれるかであれば後者がマシ、というレベルの話である。心臓部を強かに穿たれた人鳥はすぐには立ち上がれないが、それでも視線だけはアルケーから決して外すことはなく。
「よォ、もう少し付き合え、よ……」
「先を急いでいるのでな。それに言ったろう。芸は見飽きた、と」
「……嫌でも付き合ってもらうぜ。なァ廉也?」
 その声に応じるように、弾丸の如き勢いでこちらに迫る黒城・廉也(後輩サキュバス・g02175)の存在を認めると、アルケーは長居が過ぎたとばかりに再び走り始めた。
 サキュバスの翼を羽ばたかせ、廉也は迷わずそれを追う。まだアオイが残してくれた氷壁は何枚か残っている。それを利用すればまだ追いつける目はあるか。
「こっちを覗き見してはい、さよなら……とはいかないッスよ? 悪いけど逃がすって選択肢は俺には無いんスよね」
「貴様らが勝手に現れて、勝手に目の前で暴れていただけだろうに。それを覗きと断ずるのはいささか横暴が過ぎるな」
 障害物となる氷壁を端から両断しながら最短距離を進むアルケーの声は、淡々としたものだ。話を振っても乗ってくる気配はない。
 ならば、と廉也は視線をアルケーの背から、その一歩先にある氷壁に向けた。
 放っておけば次の瞬間にも粉砕されてしまうだろうその氷に干渉し、アルケーが剣を振るうよりも早くその表面を磨き上げる。
 それによって突然目の前の氷壁が鏡のように自身の姿を映し出したことにアルケーは何を企んでいるのかと訝しみ、そして砕いてしまえばそれで終いだと剣を振り上げ、

 その背を追う廉也と、鏡越しに目が合った。

 廉也の赤い目が大きく見開かれると同時、彼の抱えるクロノヴェーダへの怒りや殺意がありったけの魔力と共に放出される。
 交差する視線を媒介にアルケーの中へ飛び込んでいった負の感情が彼女の中を駆けずり回り、アルケーの淡々とした表情が初めて小さく歪んだ。
「っ。その視線、不快だな」
 だが、アルケーの足が止まるまでには至らない。廉也によって更に魔力が注がれるよりも早く彼女は氷を破壊し、繋がっていた視線を断ち切った。
 続けざま、体に残留する苦痛を振り払うようにアルケーが真横に剣を振るう。その動作に付随し生まれた空気を割るような衝撃波は、あたかも意志を持っているかのようにうねりながら廉也を襲う。
(「ジェネラル級はメンタルも化物っスか」)
 飛来する衝撃波に呑まれ、吹き飛ばされながらもそう毒づくが、それでもアルケーの速度が僅かながらも鈍ったのは事実か。
 であれば、この一瞬で自身がすべき役割は果たしたと言っていい。
 例え相手がジェネラル級であれ、為すべきことを積み上げていけば、いずれ復讐者の牙は相手の喉に突き立つだろう。今のディアボロスにそれが出来ないとは思わない。
 衝撃波により近くの建物に叩きつけらながらも、廉也はさらにアルケーを追う仲間たちの背を見送った。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【使い魔使役】LV1が発生!
【スーパーGPS】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!

百鬼・運命
【ヨアケ】
アドリブ絡み歓迎

まだ加護の件には気づいていないかな?今のうちに出来るだけ削ってしまおう

チームで台東区への進路を塞ぎ、アルケーの足止めと台東区援軍を警戒するメンバーと攻撃をするメンバーで連携

俺は主に攻撃を担当。あとは烏を【使い魔使役】し、上空から台東区援軍に警戒させておこうか

【飛翔】で機動力を上げ、【落葉】を使って召喚される天使達をかいくぐって背後からアルケーに攻撃

「背後を取るのは得意でね」

こう言えば、俺の動きに対し、背後へ注意を向けざるを得まい。それを利用して、自分で攻撃する以外にも味方の攻撃に合わせて攻撃をする振りをすることでアルケーに背後を気にさせ、味方の攻撃する隙を作っていこう


 逃げを打つ敵を倒したいと考えた時、どう動くべきか。
 【ヨアケ】の面々がその問いに対して取った手段は、逃げる相手の道を塞ぎ足を止める者と攻撃に専念する者、二つの役割を用意するというシンプルながらも的確な物である。
 事実、逃げ場を塞ぐまでは叶わなかったものの、足止めとして動いた廉也たちによってアルケーの速度は少しずつだが鈍り始めている。
(「想定外があるとすれば」)
 こちらに背を見せ走り続けるアルケーを追いながら、百鬼・運命(人間のカースブレイド・g03078)は思考する。
 アルケーの逃走速度は緩んだ。そのままであれば単純な能力差で振り切られていたかもしれない状態を、相手の背を見失わない所まで持って来ることは出来ている。
 だが、逃げる速度が落ちたとて、アルケーは足を止めようとはしない。そこに彼我の間を隔てる根本的な認識の違いがある。
 アルケーの目的は、台東区への逃亡だ。その道中にディアボロスがいたとて足を止めて戦う理由など何一つ存在しない。
 故に真正面から敵とぶつかることだけを考えてこの場に臨んだ時、どうしても頭の中で組み立てていた動きと状況とが噛み合わない瞬間が多くなってしまうのだ。

 今だってそうだ。背後を取るのは得意だ――と言葉で惑わそうにも、アルケーが既に背を向けている状況であっては大きな効果があるとは思えない。
 実際にその背中へ刃を突き立ててしまえば良いとも考えたが、足に魔力を込めその背に追いすがろうとした瞬間、アルケーが振り返りざまに放った衝撃波に逆に足を止められてしまう。
 ジェネラル級ほどの存在が言われるまで視界の外への警戒を怠っているなどあり得ないか。
(「それでも、まだ加護の件には気づいていないかな?」)
 事前に使い魔として用意していた鳥たちを介し、台東区と、東京ドームシティとの様子を伺う。
 一般的な鳥の目からはまだどちらにも動きがあるようには見えなかったが、それでも東京ドームシティの方は陥落も近いだろう。
 加護がある内ならばダメージを覚悟で強引な突破を図ってくるのはアオイと人鳥への対応で見えている。今のうちに出来るだけ削ってしまいたいが、その動きを誘発できる加護の消失も目前だ。

 それを踏まえた上で、次の一手はどう打つべきか。
 眼鏡の奥にある運命の瞳が自然と鋭くなっていく。次につながる要素を見逃すまいと、彼は視界の先で再度発生した仲間たちとアルケーとの攻防をその網膜に焼き付ける。
苦戦🔵​🔴​🔴​

リオーネ・クア
【ヨアケ】攻撃班
逃がさないよ!
全ての歴史侵略者を相手にするのは無茶だって提案してくれたのに悪いけど
大天使のまとめ役である貴女はここで討たせてもらう

(今倒せないとわかってる
その情報を頭の隅に追いやって
大天使の勢力を弱めるチャンスと全力で戦い、味方に引き継ぐ戦いをする
敵を騙すなら味方から、じゃなくて自分からってね)

区からの脱出を隠さないのは何か狙いがあるのかなって思うけど
わからないから全力で戦うだけ
魔骸連刃を発動、体のあちこちを黒い悪魔に変異させ、更に刃を生やし
【飛翔】して空中戦を挑み蹴り殴る
攻撃が通らなくても牽制になればいい

幻影には防戦一方じゃダメだ、負傷覚悟で攻撃を往なし敵と距離は詰め続けよう


アイネリス・レナリィ
アドリブ絡み歓迎
【ヨアケ】攻撃班で参加

ここまで来て、むざむざ逃がすつもりも無いわ。
一切葬らせて貰う。

逃げるという選択肢すら与えないかの如く
アルケーを【追跡】し常に距離を詰め追い立てていきましょう
可能な限り退路を塞ぐように立ち回ります

【ダッシュ】で攻撃を掻い潜りながら《解き放つ応報》で攻撃
倒せずとも削れるのであればそれで十分、限界ギリギリまで叩き斬る
襲い掛かってくる大天使の幻影はアルケーごと【薙ぎ払い】、【両断】します
一斉に来るのなら好都合、纏めて斬り捨てるまでよ

逃亡の目は味方が潰す
雑念は捨て、攻撃に専念し徹底的に追い詰めていきましょう


ネリリ・ラヴラン
【ヨアケ】のみんなと一緒だよ

ここまで追い付けたんだからね、絶対に逃がしたりしないわ

【飛翔】の効果で高所を取ってアルケーさんと足止めに回る仲間の動きを見張るね。まともに仕掛けても差は大きいけど、全員を警戒し続けるのは限度もあると思うの。

仲間の攻撃が重なる一瞬、複数の対処に追われる機に【神速反応】
遅れる動きだしを【高速詠唱】で強引に追いつかせ【全力魔法】の”黒の衝撃”だよ。超長距離からの【貫通撃】で射抜いてあげるわ。

このくらいで倒せるなんて甘えは無いわ
でも、簡単に逃げられると思っているなら、痛い目を見るのはアルケーさんだよっ

アドリブや連携は歓迎ね


「逃がさないよ!」
 場に残る残留効果全てを注ぎ、地を滑るように飛翔するリオーネ・クア(ひつじの悪魔・g01176)の声にもアルケーは何一つ返事を返すことはない。
(「全ての歴史侵略者を相手にするのは無茶だって提案してくれたのに悪いけど」)
 それでも、大天使のまとめ役であるアルケーは今、この場で倒さねばならない。
 今はまだ撃破に至る条件こそ整っていないが、刃が届けば彼女を倒せるのだと信じているようにリオーネは自身を騙り全力で追跡を続ける。
 その強い意志は敵意を向けられたアルケーにとっても明確に伝わり、彼女はそのまましてやったりと言わんばかりに小さくほくそ笑む。
 元よりアルケーが逃走を隠そうとしないのは、東京ドームシティからディアボロスの目をそらすためだ。
 加護に守られている限りアルケーは倒れず、その加護の発生条件が東京ドームシティの統治にある。そして自身が目立つように逃げを打てば、ディアボロスの視線はドームシティから外れると彼女は踏んだのだ。

 加護の存在を知らず追ってくるディアボロスたちの何と滑稽なことであろうか。
 リオーネが向ける気配にアルケーは内心、そんな風にディアボロスたちを嘲笑うのだが、全てが割れていることにまだ気付いていない姿は逆に滑稽でもあった。
「ここで討たせてもらう」
 言葉と共に、体のあちらこちらをかつて喰らった黒い悪魔へ変異させ、リオーネは一気に速度を上げた。
 常人の感覚における全力で走ったくらいの力を込めれば、ひとまずアルケーに追いつくことは出来る。
 そのまま逃げ続けるアルケーへ刃の生えた腕を振るおうとするが、それよりも早く彼女の影から大天使の幻影がいくつも生まれ、リオーネの前に立ちはだかる。
 邪魔だ、と腕を振るうが、顔も分からぬ幻影は身じろぎすることなく抜刀した剣でその一撃を受け止めた。
 いつの間にかリオーネを取り囲むように展開していた複数の幻影が一斉に剣を抜き放ち、周囲から全く同じタイミングで斬撃が振り下ろされる。
 振るわれた剣がリオーネの体を裂き、次々と赤い華が咲いていくが、負傷を覚悟で彼は右から迂回するように尚もアルケーを追う意図を見せた。

 逃がしはしない、と幻影たちがそれに回り込むように立ち位置を変えてリオーネの突撃を阻止し、そしてがら空きになった左側面をアイネリス・レナリィ(黒鉄の魔女・g01781)が駆け抜けた。
 行け。リオーネが向けた視線を背に受けアイネリスが疾駆。それに気づいた幻影たちが彼女を止めようとするが、そうはさせないとリオーネが刃にまみれた腕を振るう。
 更なる敵の接近に感づいたか、小さな舌打ちと共にアルケーは大天使の幻影をもう一体生み出し、アイネリスへけしかける。
「ここまで来て、むざむざ逃がすつもりも無いわ」
 この状況下に一体しか幻影が生まれないということは、リオーネに差し向けた幻影で生み出せる頭数はほぼ打ち止めだったということと同義だ。
 こちらを止めようとする幻影には構っていられないと、振り下ろされた斬撃をかいくぐるように幻影をすり抜け、アイネリスの視界がアルケーの背中を捕捉する。
 背後から攻撃が飛んでくると読んだアルケーは腰に下げた剣をいつでも抜き放てるよう構えていたが、それを嘲笑うように眼鏡の女はさらに加速。背後に警戒を滲ませわずかに速度の緩んだ大天使を追い抜いて、その正面に陣取った。

 この日、初めてアルケーへ刃が届く。

「崩れて、滅しろ」
 黒鉄の魔女が突きつけた宣誓と共に、彼女の身の丈の数倍を超える巨大な剣が生成されていく。
 これを受けるべきではない、とアルケーが警鐘を慣らすよりも早く、念動力によって操られる巨大な刃が振り下ろされた。
 咄嗟、大天使の影がアルケーを守るように剣の切っ先へと躍り出たが構いはしない。
 一斉に来るのならば好都合だと言わんばかり、振り下ろされた剣が幻影を捉えると同時、衝突した個所から生まれた爆炎と衝撃が幻影諸共アルケーを呑み込んでいく。
「一張羅だったのだがな……高くつくぞ」
 アイネリスの耳元に、そんな声が残った。
 遅れて感じる風を切ったような感触を視線が追う。爆炎に焼かれ、身に纏う白の儀礼服を煤けさせながらもアルケーはアイネリスのすぐ隣をすり抜けるようにしてこの場からの脱出を図った。
 それに、アイネリスは反応を見せない。
 まだ夜明けは告げられていない。アルケーが自身の攻撃をかいくぐったその瞬間を見計らい、まだ控えている者が存在する。
「ここまで追い付けたんだからね、絶対に逃がしたりしないわ」
 その者の名は、ネリリ・ラヴラン(★クソザコちゃーむ★・g04086)と言った。
 上空から俯瞰するように場を見下ろしていた彼女は、アルケーがアイネリスの振るう爆炎と斬撃に呑まれた瞬間を見計らい射干玉に染まった弓矢を構えた。
 射法は六節までが一瞬で組み上がり、アルケーが爆炎を突破したタイミングを切り取るように、ひょうと矢が空間を切り裂きアルケーの心臓を貫かんと駆け抜ける。
 知覚の外、超長距離から矢に、それでもアルケーは機敏に反応を返した。
 一歩でも早く前に進みたい気持ちを直感のようなものが捻じ伏せたか、爆炎から抜け出た次の一歩が出るよりも早く視線が黒い矢の方を向く。
 その時にはすでに回避が間に合わない程の距離までネリリの矢は迫っていたが、アルケーは慌てず抜刀。飛来する矢を両断することで害意をやり過ごそうとするが、甘い。
「!」
 本日何度目かの爆発が、アルケーの体を叩く。
 黒き矢に込められた魔力が叩き割られたことによって炸裂し、その体を蹂躙していった。
(「このくらいで倒せるなんて甘えは……」)
「そうさ、無いだろうよ。侮ってくれた方が私は楽だがな」
 再度爆炎に包まれたアルケーの姿を求めて目を皿のようにするネリリの背後から響いた声。弾かれたように振り返るよりも、全身に無数の熱が生まれる方が早かった。
 斬られた。生まれた熱が痛みを帯びて飛行のための力を失う。
 堪えきれずに落下していく体を何とか操って、視線を背後にいた存在――アルケーへ。
 いつの間にか背後を取られ、こうして切り伏せられはしたものの、これまでの攻防でアルケーに与えたダメージは決して浅くない。
「簡単に逃げられると思っているなら、痛い目を見るのはアルケーさんだよっ」
 ネリリの投げかける声に応えるように頭上の大天使が浮かべる渋面もまた、深いものだった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【活性治癒】LV2が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!


 事実、アルケーがここまでの攻防で受けたダメージは小さいものではない。
「無駄なことを」
 墜ちていくネリリを見下ろしてそう吐き捨てるアルケーだったが、次の瞬間、その視線が弾かれたように東京ドームシティの方角へと注がれる。
 アルケーにしか分からない筈であった、彼女の中に作用する何かが大きく変化を見せた気配。
 ディアボロスたちからすれば、それが彼女を守る加護の消失を告げるものであると、手に取るように分かる反応だ。
 即ち……東京ドームシティは、ディアボロスの手によって陥落した。

「……成程。何もかも見透かされていた、と。甘く見ているつもりはなかったが、この加護すらも見破られるとはな」
 呟くアルケーの表情には、これまでもわずかに覗かせることのあった苦悶とは大きくかけ離れた、憤怒の表情があった。
 けれど、その激情も一瞬のこと。
 息を吸って、吐いて、その僅かな挙動でアルケーは常の通りの冷静な表情を取り戻すと、再び台東区へ向けての逃走を再開する。

 加護が消失した今、アルケーを撃破できる可能性はすぐそこに転がっている。
 しかし、相手に仕掛けるためのやり方は改めて考える必要があるかもしれない。
 台東区への脱出を優先し、こちらとまともに向き合う気配を見せない相手へのアプローチ。
 加えて加護がないと悟った今、どんな障害であろうとも強引に突破してくるということは無いだろう。干渉の仕方によっては避けることを優先してくるような動きだってあるかもしれない。

 未だ逃走を続けるアルケーの背を追い、ディアボロスたちは疾駆する。
 文京区解放の瞬間は、近い。
アンゼリカ・レンブラント
ネメシス形態!天使風の姿となり追撃する
【飛翔】の効果を受けての猛追だ
仲間と重ねた飛翔のスピードで迫り
パラドクスの光剣で攻撃!

叩き込んだらアルケーの進行方向に
身を飛ばせるように一撃離脱
受ける反撃を光のオーラで身を護り凌ぐよ

ともに戦う仲間とは攻撃を合わせ、
アルケーが逃走に専念できないよう
絶えず誰かが攻撃できる体勢を作っていこう
シル(g01415)が抑えてくれるなら、
追撃をめいっぱい叩き込むっ!

敵が弱るのが分かれば呼吸を整え
文京区奪還への想いと、私達の絆
全てを《天翼光輪舞》に込めて叩き込む

東京ドームでコンサートや試合を観に行く
小石川後楽園に行き季節の花を愛でる
――そんな、当たり前の幸せを取り戻すッ!


シル・ウィンディア
加護が消えても、ジェネラル級は伊達じゃない。
しかも、その相手が逃げの一手を打っているのが厄介だなぁ…

飛翔のスピード全開で追いかけるよっ!
追いかけつつ、世界樹の翼type.Cから誘導弾を撃ちつつ、即座に高速詠唱からの天翔残影砲!

台東区に逃げようってことだけど…。向こうにもわたし達が攻め入っているから、挟み撃ちになっちゃうよ?それなら、ここで殲滅させて落ち着いて逃げたほうが確立あるんじゃない?

…ま、こんな挑発に乗るとは思わないけどね。
敵のパラドクスは光の翼で防御(ガードアップ)しつつ、強行突破っ!
斬られても、そのまま抱きついて拘束してみるよ

後は、アンゼリカさん(g02672)追撃よろしくっ!!



「最大稼働、乱れ撃つよっ!」
 二対の光を羽ばたかせ、アルケーの真上に陣取ったシル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)が、構えた銃口から次々と魔力を打ち出していく。
 残像を生み出しながら連射する魔力弾は、まるで複数人を同時に相手取っていると錯覚してしまいそうなほどの手数を誇り、ジグザグに地を蹴りながら魔力弾を避け続けるアルケーは心底嫌そうな顔を浮かべた。
(「まだ連中の速度が上がるのか」)
 アルケーにとって解せないことは、そこにある。
 ガルガリンがまだ残っていた時点では逃げる己の背を見失わないのが精いっぱい、といった具合だったはずなのに、今やディアボロスは自身の走行速度に悠々と追いついて来ている。
 ディアボロスたちは間違いなく戦いの中でその力を増していっている。そう結論付けなければ今の状況に理由が付かない。
 走りながらディアボロスの力の源泉に考えを巡らせるが、いくら仮説を立てた所でここを凌げる妙案が出てくる訳でもない。

「ねえ。台東区に逃げようってことだけど……向こうにもわたし達が攻め入っているから、挟み撃ちになっちゃうよ? それなら、ここで殲滅させて落ち着いて逃げたほうが確率あるんじゃない?」
 いまだ降り注ぐ魔力弾に交じって投げかけられた、シルからの言葉。
 そんな重要な動きをわざわざ口に出す理由がない。降ってきた言葉を偽情報と断じてアルケーはシルからの言葉に反応を示さなかったが、頭上を抑えられた状況は流石に面倒だ。
 降り注ぐ魔力弾の嵐の中で僅かに密度が薄い空間を見出し、そこを縫うように跳躍。
 とんでもない相対速度で迫る魔力弾が体を掠めていく度アルケーにも傷が増えていくが、それに構わず背の四翼を震わせ更に加速。一瞬でシルが刃の射程に入るところまで肉薄してみせる。
(「加護が消えたってだけで、ジェネラル級の能力が無くなった訳ではないものね」)
 背にした翼を盾のように胸の前に組んだとて、振るわれた正確無比な斬撃はその上からシルを叩き切るだけの威力があった。
 横薙ぎの一閃が彼女を通り抜け、頭が処理できない痛みが途端に飛翔のコントロールを乱す。
 それでも。
(「逃げの一手を打つ相手がこうやって足を止めてくれたのならっ」)
 まだ墜ちるには早い。その一心で墜落を始める体の向きを無理やり変え、シルはアルケーの方へそのまま弾丸のような勢いで突っ込んでいく。
 無駄なあがきだ、とアルケーは突っ込んでくる青髪の少女をわずかに身を捩って回避。後は勝手に墜ちていけばいいと視線を再度台東区へ向けて。
「アンゼリカさん、追撃よろしくっ!!」
 けれど、シルの根性がもう少しだけアルケーに食らいついた。
 かじりつくようにアルケーの足にまとわりついたシルに、アルケーの表情に驚きの色が落ちる。
 乱暴に足を蹴り上げ今度こそシルを地面へ放り投げるが、それによって生まれた隙を、アンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)は逃しはしなかった。
 今この場で出すことの出来る最大速度でアルケーへの最短距離を駆け抜けながら、アンゼリカの容姿が変貌していく。
 全身に光のオーラを纏い、大型の光剣を構えるその姿。幼くも凛々しいそれは、誰もが信仰心を抱かずにはいられない天使のようで。
「っち!」
 迎撃のためにアルケーが大天使の幻影を放つ。
 アンゼリカの進路に立ちふさがるように剣を構えた幻影が、突き進む彼女をその場に留めるように剣を閃かせる。
 進路に割り込むように振るわれた刃を、避けきることが出来ない。
 光のオーラによる防御を難なく貫き肉体を抉る痛みに歯を食いしばり、彼女はそれでも速度を緩めることなく、強引に前へ!

 さすればもう、アルケーとアンゼリカを遮るものは何もない。

 ――東京ドームでコンサートや試合を観に行って。
 ――小石川後楽園に行って季節の花を愛でて。

 そんな、当たり前の幸せを取り戻すために。

「全てを、斬り裂けぇっ!!!」
 文京区奪還への想いを、この状況を作ってくれた相棒との絆を。
 何もかもを込めたその咆哮に呼応するようにアンゼリカの身の丈以上に巨大化した光剣は、周囲の合切ごとアルケーを呑み込むべく、その咢を大天使へと振り下ろす。

 避けられない。
 純度を増した光を帯びた刃を前に、そう判断したアルケーは手に握った刃を構え、大上段からの一撃を受け止め――られない。
(「速度だけでは、ないか……!」)
 残留効果により更に力を増した状態での一撃は、もはやジェネラル級であろうとも真正面から受けるのは得策ではない程の威力に膨れ上がっている。
 振るわれた斬撃の勢いをそのままに地面へと叩きつけられたアルケーは、それでも何とか立ち上がる。
 喉の奥に生まれた熱ごとこみ上げてくる血を吐き捨て、尚も台東区へ向けて逃走を続けた。

 したたり落ちるアルケー自身の血が、彼女を追いかけるように次々に地面へ点を描き続けていく。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【飛翔】がLV5になった!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV3になった!

百鬼・運命
【ヨアケ】で参加
アドリブ絡み歓迎

チーム作戦
【飛翔】の累積で速度を上げ追撃。上空からの弾幕や狙撃、【トラップ生成】でアルケーの頭上を押さえ、地下鉄等【迷宮化】できそうな地点に誘導して足止めし、とどめを刺す

行動

【使い魔使役】で戦場を俯瞰
地図と【スーパーGPS】で幾つか迷宮化候補地点を決め、敵味方の位置を把握し【パラドクス通信】で連携
時には蜃気牢の毒霧で敵の攻撃妨害や地表を満たし誘導

「頭上を押さえれば、障害物のない空を行ける此方の方が追撃するのに有利だが…それでも足りないか?なら…」

味方がアルケーを迷宮化地点に押し込んだら【迷宮化】し、足止め罠を【トラップ生成】
アルケーを封じ込め、ここで墜とそう


リオーネ・クア
【ヨアケ】弾幕班

アルケーは逃げ切ろうとしている
つまり俺達を一切相手にしない可能性がある
作戦は彼女の頭上を押さえ地下に誘導する事
相手にされなくても弾幕で彼女が進む先を制限せざるを得ないようにしたい

ネメシス発動
【飛翔】、上昇した能力を活かし出来る限り彼女に近付き
彼女の進行とは別方向から双翼魔弾を放つ
進行妨害に見せかけて弾幕により制空権を取るのが目的
制空権を失い彼女が地下等の【迷宮化】が発動できる閉鎖空間へ逃げ込めば作戦成功
俺の行動は裏があると思われるかもしれないね
大勢いる復讐者の顔なんて覚えてないと助かるんだけど

今以上に傷を負ったら危険かも
敵の攻撃は魔力障壁を展開し軽減
無事に帰るって約束してるから


ネリリ・ラヴラン
【ヨアケ】
大まかな作戦は同行者に合わせる感じね
わたしは弾幕を張って逃げ道を制限して誘導する係!

協力して【飛翔】の効果を重ねて加速、全力で追い縋って行くよ
回り込めるか併走できるか辺りで
リオーネさんとタイミングを合わせて”爛れた輪舞”を【高速詠唱】

アルケーさんの前方と上空を抑えるように爆弾蝙蝠達を飛ばし
一斉に飛び掛からせて【弾幕】を作るよ
反撃に来ないで、強引に突破してくるようなら【連続魔法】で更に厚い弾幕を展開
脚を止めるか迂回させるまで攻撃継続だね

少し出し抜いてあげた位で勝ち誇る気は無いよ
アルケーさん、貴方をやっつけるまで全力で行かせて貰うからね!

アドリブや連携は歓迎だよ


「少し出し抜いてあげた位で勝ち誇る気は無いよ。アルケーさん、貴方をやっつけるまで全力で行かせて貰うからね!」
 ディアボロスたちの機動力が、ついにアルケーのそれを凌駕した。
 ネリリ・ラヴラン(★クソザコちゃーむ★・g04086)が次々に生み出す蝙蝠たちが彼女の命に従い降り注ぐ先は、アルケーの頭上やその進行方向。
 それまでは背面、あるいは頭上までを気にしていれば良かったアルケーにとって、前方にも意識を向けねばならなくなったこの状況は最悪以外の何物でもない。
 蝙蝠の着弾と共に次々と生まれていく爆発の衝撃が身を叩く。いつの間にか被っていた白の帽子はどこかへ飛んで行ってしまった。
 しかしそれを気にする余地など最早アルケーには存在しない。
 気休めにアーケードのある通りを逃走ルートに選び、台東区へ向けて一歩でも二歩でも足を前へ進めるその様子は、最早そうするしか生き延びる術がないと確信しているようにも見えた。
(「アルケーは逃げ切ろうとしている」)
 首よりも下の部位を誰もが怖れる悪魔のような姿へ変貌させ、リオーネ・クア(ひつじの悪魔・g01176)は思考と共に深紅の光を両手から放った。
 二条の朱色はそれぞれがまるで意思を持っているかのように自在に動き回り、アーケードを迂回するようにしてアルケーを強襲。
 背中と右側面、二方向から飛来するそれを生み出した幻影を盾に凌いだアルケーはリオーネにも、そして彼の隣で蝙蝠を操り続けるネリリにも反撃を仕掛ける様子を見せない。

 当然アルケーにとってもそれは、苦しい選択ではあった。
 余裕がないこともあるし、反撃に一瞬を費やしディアボロスを沈めたとて、また別の相手が現れるのはもう分かっている。
 ならばこそ、真正面から立ちふさがる相手でもない限りは相手にしないと決めた。二人以上の追手は数が多いと一括りにしてしまえばそれで据わる腹もある。
「強引に突破してくるなら……! リオーネさん!」
「ああ!」
 そして、それを選べば頭上を抑える二人のディアボロスの攻撃が激化していくことも、覚悟の内だ。
 爆発する蝙蝠が、次々と放たれる赤い光弾が、嵐のように吹き荒れる。
 それらによって何度も進路の変更を強いられながら、アルケーは逆転の一手を求めて思考を速める。
(「地下鉄は……駄目だ。誘導されている」)
 飛んできた赤の魔力を避けるように右折し、視界に入った地下鉄への入口をアルケーはスルー。
 確かに地下に潜れば少なくとも上空からの攻撃は止む。それは今の状況からすれば喉から手が出るほど欲しい環境ではあるが、基本的に一本道である地下鉄を逃走ルートに選ぶのは自殺行為だ。
 最早速度はディアボロスの方が上である以上、速さに物を言わせて次の駅で待ち構えられてしまえばそれで包囲網は完成してしまう。
 恐らくはディアボロスたちはそれを狙っている。故に、乗ってやる訳には行かない。
 地下への入口を素通りしたアルケーは、そこでこの東京という土地で数多に生え揃う建物群に活路を見いだした。
 すなわち、地下に潜ることなどせずとも、ビルや商業施設を突っ切っていけば短時間ながらも上空から降り注ぐ暴力の雨は凌げると踏んだのだ。
 出入口がいくつもあれば僅かながらもディアボロスの追撃の手は分散する。場合によっては壁をぶち抜いて入口を作れば不意も付けるかもしれない。
 そこで稼いだ時間で体勢を整えれば、まだ打てる手はある……そう信じ、周囲で一番敷地面積が大きそうな建物の扉を蹴破るようにして中へと飛び込んでいき。

「……そうか。そこを墓場と決めたか、アルケー」

 背後から響く百鬼・運命(人間のカースブレイド・g03078)の声が、アルケーにチェックメイトを告げた。
 言葉の意味を彼女が理解したのは、運命の声が耳を打った一瞬の後。飛び込んだ建物の内部が見る間に迷宮のような複雑な地形に変貌していくのを目の当たりにした瞬間だ。
「こんなことまで、可能なのか……?」
 漏れ出た声は、アルケー本人ですらも自分のものと認識するのに時間がかかったほど、愕然とした色が込められていた。

 積み重ねた残留効果が生み出す速度で制空権を得て頭上を押さえれば、障害物のない空を駆けるディアボロスの方が追撃するのに有利となる。
 けれど、それだけではあと一歩何かが足りない。
 故に、【ヨアケ】の面々はアルケーを閉所――迷宮という名の檻へ追い込むべく、攻勢の中でその動きを誘導しようと立ち回った。
 地下鉄という地形に挟撃の危険を見出したアルケーの嗅覚、そして挟撃という狙いを読んだ戦略眼は、知略に優れるという前評判を裏切らず精確に働いたと言っていい。

 それでも。残留効果という、ディアボロスをディアボロスたらしめる力を。戦場の中でアルケーが抱いた疑念への答えを。アルケーはあと一歩、読み切ることが出来なかったのだ。

 その結果がこれだ。ディアボロスの追撃を分散させるつもりで突入した建物は最早完全に迷宮と化している。
 クロノヴェーダの身体能力をもってしても、脱出にかかる時間は普通に駆け抜ける時の倍か、はたまたそれ以上か。
 そしてそれだけの時間があれば、ディアボロスは容易にこの建物の出入口を抑え、今度こそアルケーを討つべく内部へ突入していくことだろう。
 あるいは今ならまだ引き返すことも可能か。一瞬、そんな期待がアルケーの頭をよぎりはしたが、振り返った入口は既に運命が発生させた濃密な霧に包まれており、最早彼が立っているだろう地点すら見通すことが出来ない。
「……くっ!」
 霧の向こうから響いてくる風切り音。ネリリとリオーネは未だにアルケーの追跡を止めた訳ではない。
 それを察した傷だらけの大天使は入口に背を向け、なおも走る。
 迷宮の奥へ、奥へ。それを踏破し障害を踏み抜き脱出できる可能性に、全てを賭けて。

「アルケーは封じ込めた。ここで、墜とそう」
 運命がパラドクス通信を介して、周囲の味方に短く告げる。
 それを合図としたように、集結したディアボロスたちは次々と建物の中へと突入していく。

 もう、夜明けはすぐそこだ。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【迷宮化】LV1が発生!
【飛翔】がLV7になった!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!
【ガードアップ】がLV4になった!

ラキア・ムーン
【出張所】
逃げの一手か
流石に此処で逃がす訳にもいくまい
縁もある
少し殴らせて貰うぞ

飛翔効果を活用し上空へ
最大速度でアルケーを追い抜き、台東区方面へ
他の者に誘導は任せ、東方面で待ち構えよう
その間に『罠使い』の知識を利用
トラップ生成を使い周囲にトリモチでも設置して少しでも嫌がらせをしてやろう
アルケーの進行方向上を変化させ、罠地帯が形成されたらまた上空でアルケーの位置を把握
姿が見えたら集中し神速対応で動きを見極め隙を見て一気に加速
最大速度で『突撃』し【Call:Blazeing_Impact】起動
一点突破の『貫通撃』でど真ん中を穿つ!
悪いがもっと先に行きたいのでな
やらせて貰う

アドリブ等歓迎


秋風・稲穂
【出張所】
ここで逃がすのも癪だからね
せいぜい後ろから追い掛けさせて貰うよ
飛翔でアルケーを追い掛けながら行動方向を誘導しようか
攻撃タイミングを他と合わせて攻撃


Burn the darkとL・デルフェスを抜刀
南西方向よりアタック
飛翔で最大加速
逃げるアルケーにヒット&アウェイの戦術で蒼雷連撃を叩き込む
攻撃はあくまで誘導のため
だけど本気の一撃を繰り出していかないとジェネラル級には届かない!
誘導と気が付かせないためにも集中し神速反応を使いガチでやらせて貰うよ
敵からの衝撃波も剣でガードして何とかやり過ごそう
変な方向に逃げられても困るから、南西方面にトラップ作成

電撃使いとして電撃の罠を作成し嫌がらせしとこ


ネフェリア・フリート
【出張所】
おうおうおうおう、お偉いさんの逃走劇か!
一枚咬ませて貰うとするぜ!
とはいえ、流石に一人でやり合うのは無謀か
タイミングを他の3人と合わせてアタックを仕掛けるぜ
私は北西方面からのアタックだな

先ずは念の為罠作成でこっちの方面に罠地帯を作っとくか
まあ、西進してくる事はねーだろうけど…かすみ網の罠地帯を生成しておこう
さてと後は殴り合いだ!
WeaponChange:Drill!
飛翔で最大加速!
『突撃』してドリルの一撃で羽を狙うぜ!
『破壊』出来れば儲けものだ!
連続して攻撃して奴の逃走経路を誘導する!
ま、此処で倒せれば楽なんだがな!
幻影からの攻撃は『オーラ操作』でオーラを腕に集めて受ける

アドリブ歓迎


 行き止まり。壁をぶち抜き強引に道を作り、大天使は迷宮をひたすらに走り回る。
 走りながら周囲を見渡すと、壁の向こう、あちらこちらから何者かの存在の気配を感じて取れた。
 当然、それら全てがディアボロスであろう。この期に及んでこれが味方の応援だと考えられるほどアルケーの頭は呑気にできていない。
 そして、その思考を肯定するように。
「ここで逃がすのも癪だからね。せいぜい後ろから追い掛けさせて貰うよ」
「お偉いさんの逃走劇か! 一枚咬ませて貰うとするぜ!」
 壁を破った場所が近かったか。破砕音を目印に駆けつけた、といった具合の秋風・稲穂(剣鬼・g05426)とネフェリア・フリート(剛腕粉砕・g05427)が各々別の方角からアルケーとの距離を詰めてくる。
 彼女たちの背後には各々が設置した罠が残されているのが見て取れる。
 それ自体はパラドクスでもクロノ・オブジェクトでもない以上、手負いのアルケーでも足を鈍らせる要素にはならない。
 しかし、消耗の激しいアルケーはそれよりも真正面からディアボロスとぶつかり合う状況を嫌った。
 稲穂が牽制に振るう、雷の力を宿した刃をバックステップで回避すれば、勢いをそのままに踵を返し、二人が迫ってくる方角とは逆方向を選んで迷宮をひた走る。
 逃がしはしない、と稲穂もネフェリアも低空を滑るように飛翔。もはやアルケーでは撒くことは不可能な領域に達した速度を頼りに、一瞬で逃げ回る敵をそれぞれの領域に引きずり込む。
「さてと、後は殴り合いだ!」
 ネフィリアがその手を覆うガントレットに魔力を通し、圧縮保存されていたドリルを両手に展開。
 眩しいくらいにけたたましい駆動音が場から音という音を飲み込んでいく。触れるものは余さず穿つ……そう言外に宣言しているような螺旋が向かう先は、背を向けたままのアルケー、その四翼の根元。
「――が、……ッ!!」
 駆動音の中心で、ネフィリアはそんなうめき声を聞いた。続いて、まっすぐに突き出したドリルの先端が何かを断ち切ったような感触。どさりと音を立ててアルケーが背に宿していた翼が一つ、地面に落ちる。
 それに一瞬視線をやった紅榴石の鬼人の頭上から、大天使の幻影が降ってきた。
 脳天を貫かんと幻影が突き出す刃を、咄嗟にドリルをかざして受け止める。衝突による衝撃で弾かれたように後ずさるネフィリアの後を継ぐように、今度は稲穂がアルケーへ肉薄。
 漆黒と光、剣鬼が両手に携える対照的な二本の剣に宿る雷が、目の前の敵を喰らう瞬間を待ちわびるように鋭く爆ぜる。
 それに対し、ほんの今しがた一翼を失ったことでバランスを崩したのか、アルケーの動きは明らかに精彩を欠いた。
 光を袈裟に、それを避けた先を見計らい漆黒が突き出されると、迫る黒の軌跡に受ける刃が間に合わない。
 胴を庇うように剣を持つ手とは逆の腕で黒の切っ先を受け止める。刃に宿る雷が一瞬で大天使へ流れ込み、その肉体を内部から焼き尽くしていく。
「あまり……調子に乗るな!」
 刃が突き立ったままの腕には構わず、稲穂を両断するようにアルケーの刃が真一文字に振るわれる。
 咄嗟、黒い刃を引き抜きその切っ先から離れた妖狐を逃がすまいと、切っ先が割った宙がうねり、破壊を帯びた波となって彼女へ迫る。
 構えた二刀で十字を組むようにして、その衝撃波を受け止める。余力がなくなってきているとはいえ、確かにアルケーへ注がれている信仰心が力を押しとどめているのかその威力はまだ相手を侮る訳にはいかないと気を引き締めるには充分。
 衝撃に押し込まれるように、迷宮の壁に叩きつけられる。
 一瞬で体から空気という空気が全て逃げていく。酸素を求め口をぱくぱくと動かしながら、ここで逃がしはしないと稲穂は体に無茶を命じ、尚も突撃。
 構ってはいられない、とばかり。アルケーはその突撃を迷宮を右折することで回避。突撃の勢いが殺しきれなかったか、稲穂が曲がり切れずに直進していくのを背後で感じながら次の曲がり角を今度は左折し、
「どうやら縁もあるようだ。少し殴らせて貰うぞ」
 その瞬間、視界に映ったのは桃色の女。
 身の丈ほどのランスを携え一気にアルケーへと突き進んでいくラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)の迷いのなさは、まるで己がこの通路を選んで通るのだと確信していたが如く。
(「誘われていたか!?」)
 そう。
 ネフェリアも稲穂も、当然アルケーを倒すべく全力で攻勢に出てはいたが、その本命はラキアだったのだ。
 迷宮に放り込まれ半ば包囲が完成している状況で、なお自分を誘導しようという意図をアルケーが読み切れなかったのも当然ある。
 だが、それ以上に。
 本気の一撃でなければジェネラル級には届かない。そう確信しているが故の、そして、積み重なった残留効果によってアルケーを容易に刃の範疇に収められる今だからこその攻勢が、アルケーに意図を見切らせることを許さなかった。

「突撃術式展開、ブースト……オン」
 ラキアの周囲に浮かぶ炎へ、風がふいごのように次々と魔力を送り込む。そのたびに膨れ上がっていく力を受けて、彼女の腰部に浮かぶ魔力の翼が震えるように輝いた。
「悪いがもっと先に行きたいのでな。やらせて貰う」
「……進みたいならば、私など放って勝手に進めばいいだろうよ」
「なに。流石にここで逃がす訳にもいくまい」

 行くぞ、と。その緑眼が力の行使を謳った瞬間、これまでにないほどの熱を腹部に感じつつ、アルケーは宙を舞っていた。
 炎と風による複合術式が生み出す強烈な推進力を頼りにラキアは突進、心臓を穿つはずだった一撃は反射的に体をずらしたアルケーの腹部を貫き、そして吹き飛ばした。一瞬にも満たない暇に起きた現象を説明すれば、そんなシンプルな言葉で語り尽くすことが出来てしまう。
 けれど、シンプルがゆえに誤魔化しの類が一切効かないこの攻防は、文京区の支配者との戦いに決着が着いたことを明確に告げた。
 最早、アルケーの力が、想像力が、ディアボロスを上回ることはない。
 それを、ラキアもアルケーも、確信した。確信、してしまった。

 だから、腹に大穴の開いたアルケーが大天使の幻影を生み出しラキアへけしかけ、尚も逃走を図っても、ラキアはそれを追うことはしなかった。
 最早何かの折れた大天使の命は使いかけの蝋燭よりも短い。吹けば消えるその炎をディアボロスが見逃すことはないだろう。
 その命を使い果たす場所が、ここか、あるいはもう少し進んだ先なのか。それだけの違いでしかない。

 追いついてきたネフェリアと稲穂と共に大天使の幻影との交戦を続けながら、ラキアはアルケーの逃げた先へ視線をやる。

 それは、彼女なりの別れの挨拶でもあった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【建造物分解】がLV2になった!
【託されし願い】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV7になった!

曖明・昧
【十星連】
「十星連の曖明昧だ。アルケー、君には人類のための糧になってもらう。もう君を護ってくれる加護もない。大人しく、断たれろ。」
昧は巨大な生きる鋏、天廻器『肆妖断』を両手に持つ。
十星連の証である、星守者たちの羽織物を羽織り、同じく十星連の一員である昴と並び立つ。
「ダン、暴れてもいいぞ。」
天廻器『肆妖断』(愛称ダン)に呼びかけると、肆妖断は応えるように震え、姿を変えていく。
黒く、禍々しい、開放後の姿となった肆妖断はその目玉をアルケーの方に向ける。
「力を解放したダンに、断てないものはない。更に今回は昴もいる。負ける気がしないな。よくわかんないけど。」
昧は背中を昴に預け、ダンと共にアルケーを断つ。


御須統・昴
【十星連】
アドリブ/連携歓迎
使える効果1・2は全て使用。

「十星連。御須統昴です。アルケー、あなたに恨みも特にあるわけではありませんが、人の礎の為、倒れていただきましょう。加護もありませんしね」

十星連の証たる陸昴鏢を取り出します。
では昧、いきましょうか。

――陸昴鏢、解放。(昴が持つ六連星の意匠がある鏢です)

昧の背中を護りつつパラドクス発動。
陸昴鏢を投影。幾つものそれが長雨の如く相手に襲い掛かります。

さて、雨の如く振り続ける刃の雨。避けられるなら避け続けてください。
避け続けられなかった時、その雨が貴方の身を削り、命を断つ。

あなたは此処で止めます。味方と共に。傷を惜しまず攻め続けます。


 腹に開いた大穴を応急処置として魔力を注いで塞ぎ、アルケーはなおも迷宮からの脱出を図るべく走り回る。
 ラキアたちとの攻防により、アルケーのおおよその位置は割れた。ディアボロスがその音を頼りに更なる追撃をかけてくることは容易に想像がつく。
 故に、進路の先に待ち構えていた二人の姿を認めると、アルケーは慌てることもせず緩やかに速度を落として剣を構えた。
 御須統・昴(十星連・陸昴『六連星の守り人』・g06997)、そして曖明・昧(十星連・肆妖『無知蒙昧』・g06110)。交戦が生じた位置からすでに進路を逆算され、張り込まれていたという訳だ。
「十星連。御須統昴です。アルケー、あなたに恨みも特にあるわけではありませんが、人の礎の為、倒れていただきましょう」
「同じく、十星連の曖明昧だ。アルケー、君には人類のための糧になってもらう。もう君を護ってくれる加護もない。大人しく、断たれろ」
 加護。本来であれば今も尚アルケーを護っていたはずの、決して倒れることは無いという絶対の法則。
 アルケーにとってすれば、それが破られたことよりも、ディアボロスがそれを打ち破る術をどうやって知り得たのかが未だに分からない事の方が問題だ。
「……生憎だが、ここではいそうですかと斬られてやる訳には行かん」
 ディヴィジョンのためにやらねばならないことはまだある。故にここで死んでやる訳にはいかない。
 そう決意を固め、アルケーは進路上で身構える二人の男へ向かい突撃していく。
「ダン、暴れてもいいぞ」
 こちらを排除するか、あるいは尚も突破を優先するか。
 考えられる二択からアルケーの動きをいくつもシミュレートしつつ、昧は両手で持っていた大鋏にそう呼びかける。
 天廻器『肆妖断』。星より生を享けし生きた鋏はその呼びかけに応じるように震え、姿を変えていく。
 黒く禍々しい、肆妖断としての力を解放した大鋏はぎょろりとその目玉をアルケーへ向けた。
「悪趣味だ」
 表情に冷静さを保つ余裕は最早彼女に存在しないようで、肆妖断に向けられた視線にアルケーは嫌悪感を隠さずそう吐き捨てると、肆妖断が動くよりも早く昧を狙って剣から衝撃波を放つ。
 恐らくは変貌した武器を操る男の方を先に潰せば、大鋏がこちらを狙うことは無いと踏んだのだろう。
 その推論の正誤は分からないが、隣で身構えていた昴は放たれた衝撃波に素早く反応した。
 音を抜き去るような速度で迫るその衝撃波が相方へ届くよりも早くその前へ出ると、自らを盾とし受け止めることで昧へ攻撃が届くことを許さない。
「では昧、いきましょうか」
 残留効果によってディアボロスたちの能力は大きく底上げされているが、かといってアルケーの放つ攻撃の威力が弱まっているわけではない。
 真正面からそれを受け止めた昴のダメージも本来であれば相当に大きいものであるはずだが、それでも彼は何事もなかったかのような、常の通りの丁寧な口調で隣の昧に呼びかける。
 ここでアルケーを止めると、そう決意した。だから、傷を厭わず攻め続ける。
「――陸昴鏢、解放」
 高らかに告げた宣誓と共に、昴は六連星の意匠がある鏢を頭上へ放り上げた。
 建物内のいくつもの照明によって投影された形を切り取るように、影から次々と鏢が生まれていく。
「さて、雨の如く振り続ける刃の雨。避けられるなら避け続けてください」
 受けた衝撃に軋む体をおくびも出さず数多の鏢へ命令すれば、さながらそれは春の長雨の如くアルケーへと降り注いでいく。
 一発二発ならば弾くなり受けてもいい。だが、この物量は対処しきれない。
 そう判断した大天使は舌打ち一つ、降り続ける鏢の雨へ衝撃波を放つことでそれを相殺。一瞬雨が止んだ隙に昴を排除しようと、三翼を操り一気に加速し、
「力を解放したダンに、断てないものはない。更に今回は昴もいる。負ける気がしないな」
 ぞくりと身が総毛だつ感触。
 昴との一瞬の攻防の間に肆妖断がアルケーに牙を剥いていた。
 耳を叩く昧の声に交じった、しゃりん、と軽やかに鋏を入れる音。
 喰らわれたのは、剣を持つ手とは逆の手。生半可な攻撃では砕けない硬度を持つはずのそれが肘から断ち切られ、宙を舞う。

 敵を断ったことが嬉しいのか、どこか浮かれた気配を見せる肆妖断を忌々し気に睨み、アルケーはもう一度剣を振るった。
 その動きに付随し生まれた衝撃波は、敵を倒すというよりも目くらましのような意図が強かったようだ。
 咄嗟に両腕を盾にして衝撃から体をかばった昧と昴が素早く視線を戻せば、もうアルケーの姿はそこにない。

 残っているものは、天使たちに采配を振るい続けてきた腕が一本、それのみだ。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【一刀両断】LV1が発生!
【飛翔】がLV8になった!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV8になった!

一里塚・燐寧
【ヨアケ】

今さら逃げるなんて野暮は言わせないよぉ?
大天使は大天使らしく天国まで送り届けたげる
あたし達がねぇ!

アルケー追い込み漁作戦発動!
あたしは、射撃組の後に≪テンペスト・レイザー≫構え追い込む役だよぉ

全速力【飛翔】でアルケーを追跡
攻撃をチラつかせつつ敢えて暫く攻めないことで
敵の選択肢を狭めながら、運命くんが【迷宮化】を使う死地の上へ追い込んでくよぉ
誘導後にパラドクス発動
【捨て身の一撃】で敵を地面に叩き墜とし【両断】を狙うよぉ
ごめんねぇ、天国じゃなくて地獄に連れてきちゃった!

反撃には【戦闘知識】を総動員し
得物での切り払いやガードを【早業】で繰り出し対応
傷には【肉体改造】で得た頑健さで耐えるよぉ


眉立・人鳥
アドリブ絡み歓迎
【ヨアケ】で行く

トドメを刺さなかった事、後悔させてやるぜ

追撃する。パラドクス通信でヨアケの連携を密に
否が応でも付き合わせてやらァ

弾幕組の攻撃に乗じて
飛翔を使い、燐寧ちゃんと合わせて行くぜ
同じ様に付かず離れずで追い込む
逆サイドからバイビークの射撃で牽制だ
目標地点まで、逐一通信で報告

到達後、一気に仕掛けるぞ
釘付けにするッ!
数多の追尾する光槍を止めどなく降り注がせ
燐寧ちゃんの一撃に繋げてみせよう
やっちまいなァ!

俺に仕掛けてくるなら隙は出来るはず
天魔のオーラを纏い、念動力で少しでも威力を殺して致命傷を避ける試み
燐寧ちゃんがヤバそうな時は、オーラをワイヤー状にして引っ張って緊急退避させる


アイネリス・レナリィ
アドリブ絡み歓迎
【ヨアケ】

さて、どうする……。
浅ましく逃げの一手でも打つのかしら?
絶対に逃すものか。

【飛翔】しある程度の距離を維持しながら【連続魔法】で槍刃を矢継ぎ早に生成、投射し撹乱
逃げ道を塞ぎ目標地点まで追い込むように牽制していきます

追い込む方向や攻撃のタイミングなどは【パラドクス通信】で逐一連絡
上手く味方と連携を

目標地点に到達後、迷宮へ一気に追い込みます
《砕く閃光》を発動、動きを阻む無数の剣刃と大槍を撃ち込み真下へ叩き落とす
追撃は燐寧さんにお任せしましょう

急所を的確に狙ってくるのなら寧ろ対処はし易い
反撃は【念動力】を用いて弾く
或いは軌道を逸らして直撃を回避します


 正直に言えば、こうして未だに建物内で足を止められている時点で、アルケーとしてもこの状況が詰みであることは理解している。
 それでも最後まで逃げることを止めないのは、自身がこのディヴィジョンでできることが、まだ山ほど存在すると確信しているからだ。
 だから、本当に最後の瞬間が来るまではこの大天使を諦観に染めることは不可能であろう。
「さて、どうする……浅ましく逃げの一手でも打つのかしら?」
「決まっているだろう。貴様の主観で浅ましいなどと言えば誰でも足を止めるとでも?」
 アイネリス・レナリィ(黒鉄の魔女・g01781)が矢継ぎ早に投射する槍刃を隻腕となった体で器用に叩き落しながら、アルケーは投げかけられた言葉を鋭く切って捨てた。
 そこで一度絶たれた言葉のやり取りに、両者は更に継ぐべき言葉を見出すことはしなかったが、そこに大型銃槍を構えた眉立・人鳥(鳥好き兄ちゃん・g02854)の声が割り込んだ。
「地の果てにだって追い詰めるぜ、逃がしゃしねぇよ!」
 構えられた銃槍から放たれる数多の光の槍はアルケーを取り囲むように地面に突き刺さり、強行突破を図ろうと剣を振るったアルケーの目の前で爆発。
 逃げに徹するその足を完全に止めるため、更に数を増やしていく槍が天井近くに展開、そのままアルケーを串刺しにすべく次々と降り注いだ。
「縫い止め、穿て」
 上ばかり見ていていいのか――と言わんばかりに、アイネリスがその一撃に呼応。地面に魔力を伝搬させることで大量の剣刃を生やし、アルケーを執拗に追跡していく。
 上空から、あるいは足元から。次々に襲い来る光と刃を、それでもはじめのうちはアルケーもなんとか捌くことは出来ていた。
 だが、翼も腕も喪失した万全からはかけ離れた状況において、二人の攻勢が大天使を捉えるのもまた、早かった。
 足元からの剣刃の動きに目が慣れてきた。そうアルケーが感じた瞬間、周囲に生え揃う刃たちは液体のように次々と結合。
 群体だったはずの刃は瞬く間に一本の大槍へ変貌し、意志を持っているかのように宙を斬り裂きアルケーの足元を穿つ。
 かと思えば、それによって完全に足を縫い留められてしまったアルケーへ人鳥の光槍が殺到。生まれた爆発がアルケーの全身を呑み込んでいって。
「……貴様ら!!」
 ――それでも、アルケーは倒れない。
 爆炎を割るように大天使が二人へ向けて飛び掛かっていく。
 身に纏う儀礼服にも、その体にも、無傷である所など一つも存在しないようなボロボロの状態でありながら、それでもまだ倒れようとしない執念に人鳥は心底怖気を感じずにはいられない。
 アルケーが剣を持つ腕が、二度閃いた。
 一閃で一人。振るわれた刃は介入するように二人が同時に放った念動力を物ともせずに彼らに袈裟状の刃を刻み、一瞬でその戦闘能力を奪っていく。
 だが、何としても逃げ切る執念をアルケーが滲ませたように、アイネリスと人鳥もまた、目の前の敵をここで逃がすつもりはないと意地を見せる。
 天魔のオーラを盾に意識までを断たれることを避けた人鳥が、的確に急所を狙われたが故にどこを狙われるか見抜いた上で直撃を避けたアイネリスが、規模こそ小さくなりながらもパラドクスを維持。アルケーの足を止める攻勢を止めはしない。
「燐寧ちゃん、やっちまいなァ!」
 ここまでを繋いできた全てのディアボロスたちのためにも。そして、文京区の人々のためにも。 
「応さぁ! 今さら逃げるなんて野暮は言わせないよぉ?」
 人鳥の声に呼応するように、これまで紡いできた何もかもを背負い、携えるチェーンソーが唸る爆音と共に一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)がアルケーの元へと疾駆する。

 最後の瞬間は、今だ。

「大天使は大天使らしく天国まで送り届けたげる。あたし達がねぇ!」
「生憎、行先は台東区だ。見当はずれのお節介は迷惑だと知らないか」
 既にトップスピードに乗った状態で迫りくる燐寧を前に、アルケーは最早逃げることは出来ないと腹をくくる。
 あの凶悪極まりない刃が届くよりも早く彼女を撃墜し、未だに動きを邪魔する周囲の二人も完全に黙らせて、そして台東区へ逃げ延びる。
 そう決めたが故に燐寧へ向けて放たれた衝撃波は、後先を考えない全力の物だった。
 音を抜き去る程の速度を持つ二つは一瞬で互いの距離をゼロにして、炸裂。
 衝突の勢いが周囲の壁面に大きなヒビを入れていく中、燐寧が乱雑に振るったチェーンソーが衝撃波を斬り裂いた。
 元より捨て身の覚悟で敵と相対すると決めていた彼女には、ジェネラル級の全力が相手であろうと怯む道理は存在しない。
 バラバラになりそうな程に軋む体を、死にたくなりそうな程の痛みを、昼行燈じみた暢気な表情が覆い隠す。
 ピンク髪のリビングデッドは尚も突撃。速度を緩めないまま最短距離を手繰り寄せるように駆け抜け、その刃があと一歩でアルケーに届くという所まで距離が詰まる。
 死に物狂いの大天使は、そこでなおも執念を見せた。真横に振るった刃を強引に降り戻すことで剣閃が再び空気を割り、もう一度衝撃波を生み出してみせたのだ。

 だが、そこで燐寧が突如不可解な動きをした。
 眼前に生まれた衝撃波に回避の気配を何一つ見せなかったにもかかわらず、彼女の体が突然何かに引っ張られたかのように真横に移動した。
 それによって衝撃波は燐寧の体を掠めるように通り過ぎていき、破壊を完全に殺される。
「トドメを刺さなかった事、後悔させてやるぜ」
 横合いからアルケーへ投げかけられた人鳥の声が、この現象への種明かしだ。
 燐寧が最初の衝撃波と衝突した瞬間、彼はワイヤー状に変化させたオーラを燐寧へ絡ませていた。
 そして、再び放たれる衝撃波――いくら燐寧とはいえ二度耐えるのは無理があるそれが生まれた瞬間、オーラを引き寄せるようにして彼女を衝撃波の直撃から救ったのだ。

「この一撃で真っ二つだよぉ!」
 横にずれた分の軌道を補正し、チェーンソーの刃がとうとう敵を捉える。
 加速の勢いをそのままに振り下ろされた斬撃は衝撃波を放った直後のアルケーが何か動きを見せるよりも早くその頭上へ突き刺さった。
 月が落ちてきたらこんな衝撃があるのかもしれない――大天使、『統治者』アルケーが最後に考えたことは、それだった。
 一瞬、駆動するチェーンソーの刃が大天使の体を無遠慮に蹂躙していく音が周囲に響き、振りぬかれた刃が絶大な切断力を以てアルケーの体を両断する。
 それによって二つに分かれた肉体が軽い音を立てて地面に落ちると同時、斬撃の破壊力が逃げ場を求めたのか、派手な爆発音と共にアルケーだったものは爆発四散。
 爆発が収まってしまえば、最早その場にもう一人誰かがいた痕跡は、もうどこにも存在しない。
「ごめんねぇ、天国でも台東区でもなくて、地獄に連れてきちゃった!」
 悪びれた態度も見せず、左手がすまないとばかりに軽く上げられる。
 その憎たらしい態度に、アルケーが何か返事できていたならば、どんな言葉を返したのだろう。
 それはわからない。

 けれど。
 今ここに、アルケーの撃破はなった。
 この瞬間を以て、文京区は最終人類史へ取り戻されたのだ。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【飛翔】がLV9になった!
【活性治癒】がLV3になった!
【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】がLV2になった!
【ドレイン】がLV4になった!
【ダメージアップ】がLV9になった!

最終結果:成功

完成日2022年07月23日
宿敵 『『統治者』アルケー』を撃破!