リプレイ
新城・橙花
騎馬を止めるなら足止め中心だねっ。
馬防柵とその前に空堀の組み合わせで騎馬でも飛び越せないようにするよー。
新宿島に来てから見た本に載ってた長篠・設楽原の戦いで武田騎馬軍団を食い止めた方法なんだって([歴史知識])
あと柵の運搬とかは【怪力無双】にものを言わせるねー。
ただ普通に全面阻止線を張っちゃうと、どこを敵が突破してくるかわからなくなるから、あえて防備の薄いところを作っておくねー。
もちろん、入り込んだ先には曲がりくねって突進が難しい通路とか、落とし穴とか大歓迎の準備もしておくよー。
アルメア・グラウプナー
「威勢があって良い事じゃあないか。敗走に至っても戦意を失わず敵中突破を試みる事が出来る程には統率が取れている。簡単に真似できる事じゃない」
「そこまでしてくれるんだ。我々も精一杯のおもてなしをしなければな、はっはっは!」
・行動
騎馬隊が相手か、ならばその生命線である機動力・突進力を徹底的に潰しに行く。
【塹壕掘り】で掘った塹壕、廃村から廃材を拝借し作成した馬防柵、【トラップ生成】で作った罠を敵が向かってくる方向から順に設置する。
まず塹壕を乗り越え、次に馬防柵を破ったらそこには罠の群れが…というのが理想の流れだな。
設置する罠も縄を巻き付かせて足を取ったり、転倒を誘発させたりといった物を利用していこう。
●歓迎の準備
丑三つ刻に山を駆け下り、都を目指すという鬼馬軍団。
その動きを事前に察知したディアボロスは今、その進軍ルートに訪れていた。廃村だと聞いていた通り、周囲には朽ちかけた家屋や畑、小屋などが並んでいた。
周囲を見渡したアルメア・グラウプナー(フロイライン=ズィーリオス・g00637)は鬼馬軍団を思う。
此度に相手取るのは、荒という鬼が指揮を取る小隊だ。
「威勢があって良い事じゃあないか。敗走に至っても戦意を失わず敵中突破を試みる事が出来る程には統率が取れている。簡単に真似できる事じゃない」
アルメアはその上に立つジェネラル級、源頼光の作戦にも感心していた。そのうえで対抗すると決めた今、此処で迎撃の準備を整えているというわけだ。
「そこまでしてくれるんだ。我々も精一杯のおもてなしをしなければな、はっはっは!」
高らかに笑うアルメアの声はよく通る。
まるで舞台役者が響かせる凛とした台詞のようだと感じながら、新城・橙花(呪刀の裁定者・g01637)は頷いた。
「そうだね、お出迎えの準備開始! 騎馬を止めるなら足止め中心だねっ」
同じく、廃村に訪れていた橙花は目の前の道を見つめる。
敵はこの場所を通るとされていた。それならばまずは馬防柵を用意していき、更に空堀を組み合わせていく。そうすれば騎馬でも簡単には飛び越せないような区域が出来上がるだろう。
アルメアも頷き、その策に同意を示した。
「ああ、騎馬隊が相手だからな。その生命線である機動力や突進力を徹底的に潰せばいい」
「これは長篠・設楽原の戦いで武田騎馬軍団を食い止めた方法でもあるんだって」
「成程、日本の歴史にも残っているのか」
橙花が歴史知識を披露すると、アルメアは双眸を細める。
二人はまず柵の材料を用意すべく近くの廃屋へと進んでいった。橙花はアルメアに笑みを向け、この方法は本で勉強したものなのだと語ってゆく。
「新宿島に来てから見た本に載ってたんだー」
「では早速、始めていくか」
そうして、アルメアと橙花は柵になりそうな木材を集めていった。アルメアは塹壕を掘ったり、廃材を拝借した馬防柵を用意していく。怪力を発揮した橙花は出来上がった柵を運搬していき、件の道に設置していった。
更にアルメアは敵が通るルートに罠を設置する。相手が向かってくる方向から順に設置していけば、よりよい足止めとなって上手く発動してくれるだろう。
「まず塹壕を乗り越え、次に馬防柵を破ったらそこには罠の群れが……というのが理想の流れだな」
「それがいいねー。ただ普通に全面阻止線を張っちゃうと、どこを敵が突破してくるかわからなくなるね」
「確かにそうなるな。誘い込める箇所も必要だろう」
「じゃあ、あえて防備の薄いところを作っておくねー」
「そちらは頼んだ」
橙花が柵の方に注力していく中、アルメアは罠の種類を確かめていく。鬼馬はパラドクスの力で具現化されているものでもある。それゆえに罠での直接的なダメージは期待できないが、縄を巻き付かせて足を取ったり、転倒を誘発させたりするトラップであるならば有効な一手になるだろう。
「よし、この辺りはこんなものか」
「こっちもできたよー」
アルメアがトラップを設置し終わると、ちょうど橙花も作業を終えたところだった。
柵内に入り込んだ先には曲がりくねっていて突進が難しい通路が用意されており、落とし穴などの罠もある。
「こんなものかな?」
「後は微調整くらいだろうか」
二人は視線を交わしあい、もてなしの準備が整ったことを確かめた。しかし、彼女達の他にも迎撃の準備を整えている者もいる。これらに加えて更なる罠の出迎えが用意されているとなると、逆に敵の方が心配になるほどだ。
無論、平安京を狙っている外道の鬼には容赦などしなくていいのだが――。
「大歓迎の準備は完了!」
「あとは夜を待つだけだな」
橙花とアルメアは大江山がある方向を見遣ってから、反対側の大枝山の方にも目を向ける。
今夜、此処ですべてを食い止めるために。復讐者達はそれぞれの思いを胸の裡に抱き、戦いの時を待つ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
灯楼・弐珀
🖼🦊
アドリブ歓迎
ふむ、侵攻を止めればよいと
あまりこの手の作戦に詳しい訳じゃぁございませんし…天彩くんの知見は助かりますね、頼りにしてますよ
ほほぉ、そのレベルで脆いのですね……ならば落とし穴は馬にとってはかなりのダメージとなるでしょう
ふむ、「精巧な地面の絵」、ですか、好いでしょう、そのぐらいでしたら幾らでも
そーゆうテクスチャは存外良く創るし既に複数ある
それならば、大きさはパラドクスで拡張する事で上手い事落とし穴になりうるだろう
崖なんか、ですか…それならば背景で描いた事在りますしね
ちょうど手元に在ります故、お兄さんのパラドクスの『熱』で十二分創れますとも
サイズぐらいなら誤魔化しがききますしね
眞守・天彩
🖼🦊
アドリブ歓迎
有利な場を作ればいいんだよね?
…さて、今日の俺は冷静だよ(感情を抑える眼鏡を掛けながら、【伝承戦術】を使う)
歴史と過去と敵の知見から紐解こう
鬼馬、と言っても馬と似た作りだから、骨格上脚が弱い
馬って硝子の脚っていうくらい脚が脆いんだ
加速した状態で、落とし穴に落ちたら折れるだろうね
飛び越えられる幅は2メートル前後、それより大きい穴なら飛び越えられない
穴は波状的に作って…俺が穴を掘るから、灯楼さん、その上に「精巧な地面」の絵を乗せれる?
落とし穴を都周囲全部に作るのは時間が足りないな
山からここしか通れないよう、障害物を置けたらいいんだろうけど…崖みたいな…
えっ出来るの灯楼さん!?
●知識と絵心
「ふむ、侵攻を止めればよいと」
「つまりは有利な場を作ればいいんだよね?」
迎撃の場として示された廃村。其処に連れ立って訪れたのは、灯楼・弐珀(絵師お兄さん・g00011)と眞守・天彩(くろきつね・g02572)の二人だ。
周囲には既に馬防柵を作り始めている仲間がおり、迎撃準備は順調だ。
「……さて、今日の俺は冷静だよ」
そういって、天彩が掛けたのは感情を抑える魔術が宿った眼鏡。歴史侵略者のことを考えなければならない今、熱くなるよりは冷静沈着に事を進めた方がいいと考えてのことだ。
天彩は歴史と過去、鬼馬軍団という敵に対する知見から此度の対応策を紐解いてゆく。
「鬼馬、と言っても馬と似た作りだから骨格上は脚が弱いはずなんだ」
「あまりこの手の作戦に詳しい訳じゃぁございませんし……天彩くんの知見は助かりますね、頼りにしてますよ」
弐珀は語り始めた少年の言葉に耳を傾けた。
天彩は拾った木の枝で地面に馬の絵を描きつつ、その四肢を示すために丸を書き足していく。戦いにおける馬の利点は機動力。だが、馬も万能なわけではない。
「馬って硝子の脚っていうくらい脚が脆いんだよ」
「ほほぉ、そのレベルで脆いのですね……」
「加速した状態で、落とし穴に落ちたら折れるだろうね」
「ならば落とし穴は馬にとってはかなりのダメージとなるでしょう」
天彩と弐珀はそのまま作戦会議を行う。
知識を共有しておけば、その後に繋げられる展開や作戦も増えていく。感心する弐珀が頷いてくれる仕草を眺めながら、天彩は馬の絵の先に柵を描いた。
「飛び越えられる幅は二メートル前後、それより大きい穴なら飛び越えられないよ。普通の馬だったらという場合だから、鬼馬に対してはもう少し注意した方が良いかもしれないけど……」
そのように続けた天彩は落とし穴を幾つも作りたいと話す。
「ふむふむ」
「穴は波状的に作って……俺が穴を掘るから、灯楼さんにはもうひとつの作業をお願いしたいな」
「はい、何でしょう?」
「こういった穴の上に『精巧な地面』の絵を乗せられる?」
「本物と見間違うほどの絵ということですか。好いでしょう、そのぐらいでしたら幾らでも」
提案を投げ掛けられた弐珀は真っ直ぐに頷く。
敵が訪れるのは夜であることから、ある程度は夜目がきくのだろう。だが、暗がりの中を全速力で駆けてくる敵が精巧な偽の地面と本当の地面を見分けることはほぼ不可能だ。
「そーゆうテクスチャは存外良く創るし既に複数ありますからね」
きっと上手いこと偽装した落とし穴になりうるだろうと判断した弐珀は、その役を担うことを決めた。天彩もこくりと首を縦に振り、落とし穴の準備を進めていく。
「落とし穴をこの辺の周囲全部に作るのは時間が足りないから……」
「そうなると、どうしますか?」
「ここしか通れないように障害物を置いたり、通らざるをえない判断を相手にさせられたらいいんだろうけど……たとえば崖みたいな……。ううん、難しいよね」
「崖なんか、ですか…それならば背景で描いたことがありますね」
天彩の呟きを聞いた弐珀は穏やかに微笑んだ。
廃村の中央に本物と見紛うほどの崖を用意するなど無理かもしれないと考えていたが、あまりにも弐珀が簡単に語るので驚いてしまった。
「えっ出来るの灯楼さん!?」
「サイズの誤魔化しはいりますが、なにぶん夜の迎撃です。崖があると誤認させることは可能ですよ」
使った絵は一度使えば世界から消えるものだが、弐珀の力は迎撃に十分なものだ。
落とし穴を絵で隠し、進行方向を更に狭める絵を設置する。この作戦ならば完璧な迎撃が行えるだろう。
「それじゃあ、はじめようか」
「はい、お兄さんの腕を存分に振るいますよ」
天彩と弐珀は視線を交わし、作戦に入っていく。
この仕掛けの結果がどうなるのか――それは、今夜の丑三つ刻が過ぎた後に証明される。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【液体錬成】LV1が発生!
【書物解読】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
一里塚・燐寧
アドリブ連携歓迎
皆が防御陣地をガッツリ作り込んでくれてて助かるぅ~
足止めはバッチリっぽいけど、それでも敵はいつまでも止まってくれるわけじゃない
だったらあたしは、足止めしてる間に倒すための準備をしよっかな?
パラドクストレインで新宿島から出来るだけ木材を持ってくるねぇ
足りなければ≪テンペスト・レイザー≫を担いで現地の木を伐り、加工するよぉ
んふふ。木材集めてDIY、チェーンソーの本領発揮だねぇ!
集めた木材を使って作るのは、敵の頭上から攻撃を浴びせるための簡単な櫓だよぉ
柵を挟んだ向こう側から鬼馬軍団を叩けるよーな位置に建てるねぇ
更に余った小さめの木材は鋭い杭に加工して
馬の脚に突き刺さる罠にしちゃうねぇ
●鎖鋸が創る道
荒が統率する鬼馬軍団。
彼女達が通るとされる廃村に降り立つと、何処かから小鳥の鳴き声が聞こえてきた。
今は静かな場所ではあるが、この廃村はこれから迎撃の地となる。一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は既に作られている馬防柵や落とし穴を見遣った。
「皆が防御陣地をガッツリ作り込んでくれてて助かるぅ~」
この季節、昼間の陽射しは少し強いくらいだ。軽く伸びをした燐寧は足止めの準備は万端だと感じていた。
「それでも、敵はいつまでも止まってくれるわけじゃないもんねぇ」
柵だけでも十分な効果を期待できるが、念には念を入れた方が後々の戦いに良い影響を及ぼすだろう。だったら、と言葉にして辺りを見渡した燐寧は或る案を思いつく。
「あたしは、足止めしてる間に倒すための準備をしよっかな?」
此度の首魁である荒は兎も角、呪術兵の方は素早く仕留められるはずだ。燐寧は新宿島から持ち込んでいた木材に加え、足りない分を周囲にある木々から加工することに決めた。
その肩に担いでいるのは彼女の愛用武器、テンペスト・レイザーだ。
「んふふ。木材集めてDIY、チェーンソーの本領発揮だねぇ!」
駆動音を響かせながら木を伐っていく燐寧は双眸を細める。そうして、集めた木材を使って作ったのは簡易な櫓。敵の頭上から攻撃を浴びせるための罠だ。
設置場所は柵を挟んだ向こう側。其処から鬼馬軍団を叩ける位置を見定めた燐寧は満足気に頷いた。
「この辺にこんなふーにして……よし、いい感じ」
位置、角度も問題ない。もし落とし穴を避けた敵がいたとしても、罠を迂回すればこの櫓を通ることになる。
そうなれば容赦なく馬と兵の上に木々が降り注いで完璧な足止めとなるわけだ。
「あとは……うんうん、余った木でもうひとつ罠が作れちゃうねぇ」
残りの木材を鋭い形にしていった燐寧が作ったのは、馬の脚に突き刺さる杭罠。
たとえ鬼馬がすぐに復活するものだとしても、体勢を崩すことは逃れられないだろう。その間に燐寧や仲間達が斬り込み、呪術兵を一網打尽にしてしまえばいい。作戦も準備も完璧だが、ひとつ気になることもあった。
「……荒、だったよねぇ」
燐寧は丑の刻参りの荒霊である鬼の名を呟く。その眼差しは遠く、彼方に見える大江山に向けられていた。
そして――真夜中が訪れる。
大成功🔵🔵🔵
効果1【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
🏇 🏇 🏇 🏇 🏇 🏇 🏇
●駆ける鬼馬
丑三つ刻を過ぎ、荒の部隊が大江山を駆け下りていった。
目指す平安京まで最短距離で駆けようとしている鬼馬軍団は、真っ直ぐに廃村に向かってきている。
「駆けろ、駆けろ、全速力で駆け抜けろ!」
アハハハ、と笑い声をあげる荒は先陣を配下に任せていた。呪術兵の背を見つめている荒は薄い笑みを浮かべ続けている。そうして、平安京に攻め入るために駆ける先鋒部隊は迎撃地に近付いていく。
――来た。
廃村で敵を待ち構えていた復讐者達は息をひそめていた。
鬼馬軍団が通ると予知された道筋はひとつ。其処には現在、塹壕や空堀、馬防柵や数々の罠が仕掛けられている。
「ん、何だ……?」
「塹壕と柵か。あんなもの飛び越えてやれ、行くぞ!」
先頭を走っていた呪術兵は柵の存在に気付いたが、安易な判断を下す。だが、それが彼らの不幸の始まりだった。
飛び越えようとした鬼馬が柵に引っかかり、盛大に転倒する。何とか越えられた馬もいたが、その姿が突然その場から消えた――ように見えた。精巧な地面の絵が書いてある落とし穴に落ちたからだ。
「罠だ! 気をつけろ!」
「え、崖……? こんなところにあるはずないだろうが!」
後続の呪術兵が呼び掛けたが、鬼馬は進むしかない。塹壕を乗り越えても馬防柵がある。それを破ったとしても、其処には数多の罠が待ち受けている。崖のフェイクアートや縄が巻き付く穴、櫓の頭上から降ってくる木々。足元の鋭い杭。
呪術兵の鬼馬は次々と罠にかかっていた。
運良く免れたとしても、柵に囲まれた道は曲がりくねっており、足を止めるしかなかった。
「荒様、お気をつけ――……をっ!?」
呪術兵のひとりが後方の荒に呼び掛けた。だが、彼もまた罠にかかって転倒してしまったようだ。その様子を察した荒は手綱を引き、馬防柵の前で急停止した。
「おや、誰かが歓迎会でも開いてくれているのか。こりゃあ傑作だ」
配下達が手痛く足止めされたことに気付き、荒は皮肉めいた言葉を紡ぐ。これが誰かに仕組まれたものだと悟ったのか、警戒を強めた荒は後方で止まったまま配下達に言い放った。
「お前達、無理矢理にでも立ち上がって、この歓迎を仕組んだ奴らを倒せ。いいかい、これは命令だ」
「う、うう……」
「ぐ……御意……」
体勢を崩している呪術兵はまだ呻いている。
隙だらけの彼らを倒すのは容易だろう。荒も平静を保っているように見えるが、迎撃は予想外だったようだ。
勝機は十分にある。今こそ、彼女達を倒すべき時だ。
🏇 🏇 🏇 🏇 🏇 🏇 🏇
ニア・マシュマリー
ニア……。罠とかは作れない……。
罠では力になれない代わりに……。せめて戦いくらいは……。がんばる……。
あの馬も悪い子なのかな……。できれば馬は傷つけずに上の人だけ狙いたいから……。今回は鋏で戦ってみる……。
けど……。馬……。やっぱり速い……。それに……。あんな勢いの子にぶつかったらニア飛んじゃいそう……。
だけど……。直進してくるって分かってれば対応できるかもしれないから……。一度距離を取り直して……。真っすぐ走ってきてくれるの待つ……。
あとは馬の勢いも借りる形で……。走って来たところにタイミングを合わせて……。上の人の首に鋏の刃を当てて倒せないか狙ってみる……。
(アドリブ・絡み歓迎)
●はじまりの刃音
鬼馬軍団の先鋒隊が廃村に訪れる、ほんの少し前のこと。
(「ニア……。罠とかは作れなかったけれど……」)
家屋の裏に身を潜めているニア・マシュマリー(いつの間にか吸血鬼・g07451)は、徐々に此方に近付いてくる気配を感じ取っていた。迎撃地として選ばれた廃村内には、馬防柵や落とし穴をはじめとした罠や、櫓などが用意されている。ニアは頑張って木を伐っていた友人の姿を思いながら、決意を強める。
(「罠では力になれなかった代わりに……。せめて戦いくらいは……。がんばる……」)
戦いへの気概を抱いたニア。その手には鋏が握られていた。
得物を握り締める掌の力の入り具合が、ニアの意志が決して揺るがないことを示している。迫ってくる敵に気配を悟られぬよう、ニアはタイミングを計っていった。
(「敵が乗ってる馬も悪い子なのかな……。でも……」)
ニアとしては、できれば馬は傷付けずにいたかった。狙うならば騎乗している呪術兵だけがいい。心情的にも戦術的にもそれが最適だろう。そう考えたニアはこの鋏で戦い抜くと決めている。
そして、鬼馬の足音が間近まで迫ってきた。
(「馬……。やっぱり速い……」)
何もなければ一瞬で廃村を通り抜けてしまいそうな速度だ。もしあのような勢いの馬に衝突すれば、ちいさなニアの身体など飛ばされてしまうかもしれない。
だが、今はそんな心配などなかった。仲間が設置した馬防柵が敵の行く手を阻み、落とし穴が馬の勢いを削いでいる。
罠や迎撃は上手く巡っている。そんな中でニアが狙いをつけたのは櫓の罠に向かってきている呪術兵だ。他の罠を運良く避けていた敵はニアの方に直進してきている。
(「一度、距離を取り直して……。真っ直ぐに……」)
――今。
櫓の罠が巡った瞬間、ニアは闇の力を鋏に注いだ。血に染まったような真っ赤な鋏は一瞬で闇の力を受け、ニアの背丈と同じほどに巨大化した。鋏を両手で開いたニアは地を蹴り、呪術兵めがけて刃を差し向ける。
「……ひっ!?」
「はじめまして……。それから……」
鬼馬の手綱を握った呪術兵は罠から抜け出すために強く駆けた。だが、その馬の勢いを借りる形でニアは鋏を大きく振り上げる。鋭利な刃が呪術鬼の首元に沿わされた、次の瞬間。
「さよなら……」
鬼の首が斬り落とされ、ニアの紡いだ別れの言葉が落とされる。主を失った馬は嘶いた後、跡形もなく消えた。転がっていった鬼の首が何処に行ったかは敢えて確かめず、ニアは次の標的に目を向ける。
丑三つ刻を過ぎた真夜中、鋏の両刃が擦れる音が戦場に響いた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【完全視界】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
新城・橙花
あれあれ、何か困っているのかなー?(ニヤニヤ
[光使い]で光の迷彩を纏って相手の目をくらまして、[忍び足]で接近。
まずは乗っている馬の足を大剣型呪刀【譲葉】で両断しちゃうよ。
落馬した敵をパラドクス呪舞【狂月血舞】で一気に攻撃。
「一緒に舞い踊ろう。紅い・赤い・朱い命の雫をまき散らしてっ!」
倒したらまた足止めに使った柵とか障害物に隠れて、次の獲物を狙うよー。
「動きが止まった騎馬なんてただの的だよ?」
●血色の舞
鬼馬軍団の進軍は完全に防がれ、敵にとって阿鼻叫喚な状況が訪れている。
「あれあれ、何か困っているのかなー?」
敢えてとぼけながらニヤニヤと笑った新城・橙花(呪刀の裁定者・g01637)の目の前には、落とし穴や空堀に落ちた呪術兵と鬼馬の姿があった。
「……!」
近付いてきた橙花に気付いた一体が何かを言おうとしたが、その前に眩い光が周囲に迸る。
迎撃準備が完璧だったおかげで此方の完全有利な状態で攻撃を仕掛けられる状況。それに加えて橙花が即座に攻撃を仕掛けた。こうして先手を取ったうえ、それ以上の好機を得られていた。
相手の目を晦ませながら一気に接近した橙花は、身の丈ほどもある呪剣を振り上げる。
「まずはこっち!」
狙いをつけて振り下ろしたのは鬼馬の足。呪刀の一閃で穿たれたことで馬が立ち上がれなくなった。だが、橙花は鬼馬の部位が復活する――もとい、パラドクスで再構築されることを知っている。
両断しても油断はせず、次の一手の為に身を翻す橙花。
対する呪術兵は手綱を握り締め、反撃に移ろうとしている。だが、体勢を立て直しきれいていないようだ。
「この……! 罠の数々もお前らがやったのか!」
「だったらどうする?」
「我らの行く手を邪魔するものは倒すだけだ!」
橙花は騎乗するトループスが無理矢理に鬼馬を走らせる様を見据えた。本来であれば橙花を跳ね飛ばし、踏み潰す勢いで蹂躙する攻撃なのだろうが、今の呪術兵は隙だらけだ。
迎え撃った橙花は譲葉をすぐさま構え、パラドクスの力を巡らせていった。
――呪舞、狂月血舞。
「一緒に舞い踊ろう。紅い・赤い・朱い命の雫をまき散らしてっ!」
静かに、それでいて狂ったように。
舞うが如く呪力の刃を撒き散らした橙花の一閃は容赦がない。敵を血で、自分を返り血で赤く染め上げることで、緋色の戦舞は戦場を彩っていく。
「そんな――う、ぐ……ああ……」
言葉にならない断末魔をあげた敵が倒れていく中、橙花は新たな標的に狙いを定めた。
先頭を走り、真っ先に罠に突っ込むことになった一体だったこと。そして、橙花がたった数秒で一体目を倒したので、後続の鬼馬達はまだ罠から抜け出そうとしているところだった。
橙花は足止めに使った柵の後ろに身を隠し、次に倒すと決めた敵の方に刃を向ける。そして、次の瞬間。
「動きが止まった騎馬なんてただの的だよ?」
「――!?」
呪術兵は身構える暇も与えられず――橙花が再び振るった呪舞が、新たな血を迸らせた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【壁歩き】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
アルメア・グラウプナー
「やあやあやあ騎馬軍団の諸君! 此度は我らが主催のパーティー会場にご足労頂き誠に感謝する!」
「その様子を見る限り、楽しんで頂けている様で何よりだ。それでは、場が冷めない内に次の演目を始めるとしようか! さあ、刮目したまえ!」
・行動
動きの鈍った騎馬隊など、ただの大きい標的に過ぎん。精々点数を稼がせてもらうぞ。
火砲による【砲撃】、ガトリングによる【弾幕】【制圧射撃】、ミサイルによる【爆破】【誘導弾】で砲撃戦を行い、中距離より一気に場を制圧していく。
大砲火も積極的に使用し、敵の数を一気に減らしていくとしよう。
ある程度敵の数が減ったら爆裂鉄球とソードオフに持ち替え接近戦に移行だ。一体ずつ潰していく。
●砲撃の舞台
「やあやあやあ騎馬軍団の諸君! 此度は我らが主催のパーティー会場にご足労頂き誠に感謝する!」
鬼馬軍団の殆どが迎撃罠に掛かった瞬間。
夜闇の中で凛と響き渡ったのはアルメア・グラウプナー(フロイライン=ズィーリオス・g00637)の声だ。
「その様子を見る限り、楽しんで頂けている様で何よりだ。それでは、場が冷めない内に次の演目を始めるとしようか!」
どこか演技がかった、それでいて真っ直ぐな言葉は高らかに。
動きを完全に止められた鬼馬兵達は声の主であるアルメアに視線を向けている。
「何だ
……!?」
「お前がこの罠を仕掛けた輩か!」
呪術兵達は体勢を立て直そうとしたが、相手が動き出す前にアルメアが地を蹴っていた。
「――さあ、刮目したまえ!」
言葉と同時に解き放たれたのは、大砲火『エクスターゼ』の力。
相手は最早、ただの大きい標的に過ぎない。
「精々点数を稼がせてもらうぞ。――Feuerッ
!!!!」
火砲による大砲撃が夜闇を貫きながら呪術兵達に迫っていく。その間、一瞬。ガトリングによる弾幕の制圧射撃、ミサイルによる爆破と誘導弾による一気呵成の攻勢。
罠に加えて砲撃戦を仕掛けられた呪術兵に為す術はない。悲鳴と焦りの声が響き渡る戦場はアルメア達の独壇場も同然。敵に逃げられぬよう、相手の動きをよく観察できる中距離を保つアルメアは、狙い通りに一気に場を制圧した。
大砲火から轟音が奏でられ、敵の数は見る間に減っていた。
「うぐぐ……」
「荒様、お助けくださ――」
「ひぃい……」
死を間近にして呻く者、首魁に助けを求める者、悲鳴をあげることしか出来ない者。アルメアをはじめとした復讐者の猛攻によって呪術兵達は次々と倒れ、残るは一体のみとなった。
そのことを察したアルメアは近距離戦を挑むに駆ける。火砲を爆裂鉄球とソードオフに持ち替え、ひといきに接近戦したアルメアは不敵に笑んだ。それは自分たちの勝利を確信している、強気な笑みだ。
アルプトラオムの刃が煌き、ファイアヴェルクが振り下ろされる。
文字通り、真正面から潰された呪術兵が鬼馬から落ちた。そして、彼に最期を与える連撃が叩き込まれていく。
●倒れゆく配下と首魁
「これで……。おしまい……」
「抵抗なんてさせてあげないよ。ここがあなた達の終わりだからね」
最後の一体に向け、ニアの大鋏がひらかれる。其処に橙花の狂月血舞が見舞われ、呪術兵が後ろに倒れ込む。だが、まだ息があるようだと察したアルメアが最後の仕上げに入った。
「第一幕は此処で終了だ。さあ――苦しみと共に眠り、朽ち果てるが良い」
刹那、エクスターゼの火砲連撃が最後の呪術兵に叩き込まれる。
激しい煙があがり、全ての呪術兵が此処で散った。
配下達の殲滅はごく僅かな時間で成されており、首魁はまだ馬防柵の前で止まっているだけだった。おそらく敢えてそうしていたのだろう。
もし配下を見捨てて村を迂回したとしても、他に潜んでいる者がいれば不意打ちを受けるだけだ。
そのことを理解していた荒は復讐者達がいる方向を見据えつつ、わざとらしく肩を竦めた。
「やれやれ……。困ったものだ」
罠は発動しきっており、これでは鬼馬の利点である機動力は活かせない。荒そのものの力を削ることは出来ていないが、移動力という点においては復讐者の有利な状況だ。
敵が逃走を図ることは出来ない。即ち、此処で荒を討つか、復讐者達が討たれるかのどちらかだ。荒は数多の霊符を周囲に浮かび上がらせながら、鬼馬の背をそっと撫でた。
「いいだろう、戦ってやるさ。こいつらもお前達と遊びたがっているようだからねぇ?」
そして、荒の周囲に幾つもの髑髏が現れた。
「ついでに教えてやろう。こいつらはね、命尽きる前に『まだ死にたくない』と懇願したんだ。ゆえに叶えてやったのさ。こうして我が兵として、嘆きながらも永遠に生きられるように――」
アハハ、と声を上げて嗤った荒。
残るは彼女ひとりだが油断はできない。その証に荒の瞳はとても鋭く、行く手を阻む復讐者達に向けられていた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
灯楼・弐珀
🖼🦊
アドリブ歓迎
ふむ、どうやら罠は力を無事発揮してくれたご様子ですね
いやはや、此処まで上手く行くとは思った以上ですねぇ、天彩くん
罠が力を発揮したなら
後は僕らの仕事という訳です
ふふふ、お褒めにあずかり光栄さ
なら僕らは…悪魔くん、『成る』よ
その言葉と共にパラドクス
自身の肉体を悪魔に置換し、角と翼を実体化
肉体の強化という奴さ
天彩くんは別の力も覚えたんだねぇ…良い加護だ
その力は大事にすべきものだろうしね
あぁ、その時間が有れば十分だよ
爆ぜる霊符は、絵から用意する複数の巨大なカラトリーセットで力任せに引き裂き
一気に低空飛行の急接近
悪魔くんに体の動きはサポートして貰いつつ
一気に連撃を叩きこむとしようか?
眞守・天彩
🖼🦊
アドリブ歓迎
罠の成果は出たみたいだね!
じゃあ後は、鬼退治だ
熾火のような殺意はクロノヴェーダを視界に入れた瞬間から燃え盛る
でも今日は眼鏡をかけたままだから
ガラス越しの炎には飲み込まれない
灯楼さんの絵はすごいね、目視じゃ穴の位置分かんないや
何も考えずに穴掘って埋めてないよ
こういう時に使えそうな方法、覚えて来たんだ
「少しだけ、力を貸してくれる?」
みどりの精にお願いする
野に紛れそうな小さな白い花が目印
一番深く掘った穴の前に、敵を引き付けるように無防備に立つ
穴に落ちればみどりの蔓草が行く手を阻むことだろう
まぁアヴァタール級に長時間通じるなんて思ってないよ
一瞬の隙
その瞬間で十分だよね、灯楼さん?
●みどりで描く軌跡
激しい物音や悲鳴が響いたかと思うと、僅かな静寂が訪れた。
暗闇の中、息をひそめていた灯楼・弐珀(絵師お兄さん・g00011)と眞守・天彩(くろきつね・g02572)は仲間達が即座に呪術兵を打ち倒したのだと悟る。
「ふむ、どうやら罠は力を無事発揮してくれたご様子ですね」
「罠の成果は出たみたいだね!」
二人は身構え、残る敵――此度の首魁である荒に目を向けた。相手は強敵だが、配下達という戦力を一気に失ったことで追い詰められているも同然。
「いやはや、此処まで上手く行くとは思った以上ですねぇ、天彩くん」
「じゃあ後は、鬼退治だ」
「えぇ。罠が力を発揮したなら、後は僕らの仕事という訳です」
弐珀と天彩は荒に狙いを定めた。
クロノヴェーダに対する熾火のような殺意。天彩の裡では、敵を視界に入れた瞬間からそれが燃え盛る。
しかし、今日は最初に眼鏡をかけたまま。それゆえに硝子越しの炎に心は飲み込まれない。
駆け出した二人は自分達が仕掛けた罠の横を通り抜けてゆく。
「灯楼さんの絵はすごいね、目視じゃ穴の位置分かんないや」
「ふふふ、お褒めにあずかり光栄さ」
弐珀の罠には敵が掛かった跡が残されていた。それを示した天彩の言葉に笑みを返し、弐珀は片目を瞑った。
そして――彼らは荒に向けて力を解き放っていく。
昼間、何も考えずに穴を掘っていたわけではない。天彩は双眸を細め、パラドクスの力を巡らせる。
「こういう時に使えそうな方法、覚えて来たんだ」
「というと?」
弐珀が問い返すと、天彩が地面に目を向けた。その視線の先にある、野に紛れそうな小さな白い花が目印だ。
「少しだけ、力を貸してくれる?」
みどりの精にお願いすると同時に天彩は荒を誘うように無防備に立った。
「――?」
何をしているのだ、というような視線が荒から天彩に向けられる。昼の間に一番深く掘っておいた穴の前に立つ天彩に対し、荒はくすくすと笑った。
「成程、誘っているのか。ならば――往け、お前達」
荒は骸骨達に命じ、己の代わりに天彩の前に進ませる。浮かぶ骸骨達に襲われると察した天彩は一気に力を発動させていった。落とし穴に突っ込んできた骸骨達の行く手を阻みながらみどりの蔓草が伸びる。嘆きや悔みをあらわすように、髑髏達はカチャリカチャリと音を立てながら抵抗していた。
「やはり罠か」
対する荒は不敵に笑んでいるまま。
それは一瞬の出来事だった。罠があると悟りながら、敢えて骸骨達を進ませた荒の戦法は非道だ。配下代わりに操られる髑髏達は荒の口ぶりからするに、生前の意思のようなものがあることがうかがえた。
天彩の裡に激しい炎が揺らいだが、眼鏡を掛け直すことで何とか心を保つ。
「なんてことを……」
「なら僕らは……悪魔くん、『成る』よ」
弐珀は言葉を紡ぐと同時にパラドクスを発動させた。自身の肉体を悪魔に置換した彼は角と翼を実体化していく。クロノヴェーダに笑みを返した弐珀は天彩にも目を向けた。
「天彩くんは別の力も覚えたんだねぇ……良い加護だ。こっちはほら、肉体の強化というやつさ」
その力は大事にすべきものだと語った弐珀。
荒は髑髏達を操りながら、弐珀に数多の霊符を向けてくる。すかさず天彩が植物を更に巡らせたが、荒も対抗して術を解き放ってきた。だが、それも想定済みのこと。
「まぁアヴァタール級に長時間通じるなんて思ってないよ」
狙うのはたった一瞬の隙でいい。
「この瞬間で十分だよね、灯楼さん?」
「あぁ、その時間が有れば十分だよ」
天彩と弐珀の視線と言葉が交わされた刹那、荒からの霊符が爆発した。爆ぜる符の衝撃を受け止めた弐珀は、絵から用意した複数の巨大なカラトリーセットを掲げる。
繰り出される攻撃を力任せに引き裂きながら、一気に低空飛行することで荒に急接近する弐珀。
「さぁ、一気に連撃を叩きこむとしようか?」
「俺もまだまだ、いけるよ!」
描いた絵を具現化させてゆく弐珀に合わせ、天彩もみどりの加護を解き放ち続けた。
苦しむように揺れる骸骨。かれらを見つめる少年の眼差しは強い。巡らせたみどりが骸骨達を巻き上げていく中、弐珀は霊符を引き裂きながら爆風を受け止める。
荒は笑みを崩さぬままだが、弐珀も天彩も決して怯みはしなかった。
この戦いを終わらせて、鬼が都に攻め入る未来を潰えさせるために――最後まで戦う覚悟が、此処にある。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【怪力無双】がLV2になった!
【植物活性】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
一里塚・燐寧
アドリブ連携歓迎
あー、五月姫ちゃんの宿敵かぁ、きみ
じゃあかける言葉もないや……一秒でも早く死んでもらうねぇ
復讐を果たす【契約】の下に【召喚】した怨念たちを、《DCブラスター》の銃身に集める
【高速詠唱】で出来るだけ早く十分な怨念を蓄積しながら
敵が他の復讐者と戦っている間に【トラップ生成】を発動
馬の脚に引っ掛かるトラバサミを一帯に設置し、仲間の隙をカバーしながら、絶好の一撃を差し込めるタイミングを狙うねぇ
一撃見舞う瞬間が来たら空高く【ジャンプ】
敵に飛びかかり、『闇雷収束咆・真滅刃』を発動!
胸に得物を突き刺して【捕縛】し、至近距離で【全力魔法】の砲撃を放つっ!
塵一つ、この世に残させなんかしないよぉ!
ニア・マシュマリー
身近でいっしょに戦ってくれる仲間のはずなのに……。
あの人の周りの骸骨……。なんだか苦しそう……。
いっしょに戦うって……。こういうことだってあの人に見せるために……。赤い手のみんな力を貸して……。
鋏は大きいままにして……。ニアも戦う気がある雰囲気を出すために……。赤い手のお友達といっしょに突撃する……。
そうすれば……。あのお札……。ニアに対しても使ってくれそうだから……。あの子達も戦いやすくなると思うから……。
赤い手のおともだち……。今回はぐさぐさする時にたくさん痛い思いさせてしまうのごめんね……。ニアも痛みに耐えて何度も呼ぶから……。最後までいっしょにがんばろう……。
(アドリブ・連携歓迎です)
●因縁と紲
不穏な音が丑三つ時に響いている。
骸骨達が揺れる様を見つめ、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は肩を竦めた。
「あー、きみ……そういうことかぁ」
荒は燐寧にも少なからず因縁のある相手。こうしてはっきりと相手の姿を瞳に映した今、燐寧としては掛ける言葉もない状態だ。その代わり、燐寧は隣に立つニア・マシュマリー(いつの間にか吸血鬼・g07451)に目を向けた。
「ニアちゃん、やろっか。あの鬼には一秒でも早く死んでもらわないとねぇ」
「うん……。それにしてもあの人……。身近で戦ってくれる仲間のはずなのに……」
頷いたニアは骸骨達を見ている。
荒は薄く笑んでいるが、かれらは何だか苦しそうだ。
「違う……。いっしょに戦うっていうのは……。こういうこと……」
ニアはそっと決意していた。大鋏を大きく振り上げた彼女は闇の力を巡らせていく。
荒に狙いを定めた燐寧はダブルチェーンソーブラスターを構えた。其処に集わせているのは、復讐を果たすという契約の下に召喚した怨念達。燐寧の銃身に宿る怨念の揺らぎを感じながら、ニアも赤い手を呼び出していった。
「みんな……。力を貸して……」
「とにかく、倒すために色々やっちゃうよぉ」
ニアの声に応えた赤い手が蠢きながら敵に迫っていく。
その最中、燐寧は或る行動に出た。彼女がトラップとして広げたのは馬の脚を止めることを想定したトラバサミ。
ダメージは元より期待していないので、敵の動きが一瞬でも止まればいい。それによって仲間の隙をカバーしながら、絶好の一撃を差し込める好機を待つ狙いだ。
ニアは自分の方に荒の意識を向けさせるため、鋏を構えたまま駆けていく。
(「りんねになら任せられる……。ニアが頑張るから……」)
赤い手のお友達と共に突撃していくニアは後方の燐寧に思いを馳せ、続く攻撃を託した。
対する荒は罠をある程度は察しているのか、必要以上に前に出ないように立ち回りながら霊符を解き放つ。音に乗せた呪が激しく巡り、爆風がニアと赤い手に襲い掛かってきた。
爆発が赤い手を吹き飛ばした瞬間、その衝撃と痛みがニアにも伝わってくる。
「ニアちゃん!」
「大丈夫……。りんねは集中して……」
燐寧の呼び声を聞きながらもニアは振り返らなかった。荒は赤い手が邪魔だと判断したらしく、集中攻撃を仕掛けて来ているからだ。ニアはお友達ばかりが攻撃を受けないように自らも囮代わりとなり、痛みを共有していく。
「赤い手のおともだち……。ごめんね……」
今回は特に槍を扱うと同時にたくさんの痛い思いをさせてしまうだろう。ニアがそのことに謝ると、数多の手は平気だと語るように更に激しい攻撃を繰り出し始めた。
対して、荒は他のディアボロスに向けて骸骨を解き放っていく。
嘆き悲しみ、無理矢理に突撃させられる髑髏達は苦しんでいるようだ。使役という形は同じであっても、ニアと燐寧の二人と荒が扱う力の目的や質は違う。
ニアは友達と呼んで赤い手のことを気遣っており、燐寧は復讐を果たす約束の契約で怨念と繋がっていた。
荒はそうではなく、もっと生きたいという願いを捻じ曲げて無理に使役している。
「舞えや吹雪けや識神たちよ。刃となりて彼の者らを穿通せよ」
数多の霊符を乱舞させた荒は燐寧に剃刀以上に鋭利な一撃を見舞った。頬が切り裂かれ、傷が刻まれた。同時に影から凄まじい瘴気が巡り、燐寧を包み込もうとした。だが、それを避けた燐寧は即座に地を蹴る。
「行くよぉ!」
一撃を見舞う瞬間が来た。絶好のタイミングを察知した燐寧は空高く跳躍した。
「ニアも……。みんなを何度も呼ぶから……。遠慮なくいって……」
りんね、と友の名を呼んだニアは赤い手の数を増やしていく。与えられた痛みはかなりものだが、ニアは果敢に立ち向かっていった。そして、ニアは一気に駆けることで荒に斬撃を見舞おうとする。
「おっと、危な――」
荒は当然、鋏の一撃を避けようとした。だが、それこそがニアの狙いだ。
回避行動を取ったことで荒は燐寧の仕掛けた罠に掛かった。鬼馬が一瞬だけよろめいたことで、燐寧はひといきに敵に飛び掛かっていく。
――闇雷収束咆・真滅刃。
銃口は荒ただひとりに向けられ、パラドクスの力が発動する。
「塵一つ、この世に残させなんかしないよぉ!」
「う……ぁ……」
燐寧の得物は荒の胸に突き刺され、至近距離からの全力砲撃が解き放たれた。くぐもった悲鳴をあげた荒は鬼馬の手綱を強く握り、痛みに耐えながら馬ごと身を翻す。
かなりの衝撃を与えられたようだが、反撃の霊符を放つくらいの力は残っているようだ。
「なかなかにしぶといねぇ」
「最後までいっしょに……。がんばろう……」
得物を構え直した燐寧とニアは息を荒らげる敵を見据えた。
丑三つ刻の怪異を倒すまで、あと僅か。少女達は強い意志と思いを抱き、更なる攻勢に入っていった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【書物解読】がLV2になった!
【寒冷適応】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!
アルメア・グラウプナー
「嘆きながら、ね…だとしたら大将、貴殿はまだまだ甘いな。指揮官として兵を扱うならば戦いに前向きにさせなくてはいけないんだがね」
「まあ良いさ。貴殿もその兵達も、この舞台の上で終わる事になる。せめて名誉の戦死を遂げられる様に足掻いてみたまえよ、はっはっは!」
・行動
基本的には中距離からの射撃戦で様子を見ていく。
各火器による【制圧射撃】【弾幕】、ミサイルによる【爆破】【誘導弾】で骸骨や攻撃用の符を撃ち落とし対抗していく。
ついでに相手をまだ生きている罠や障害のある場所へ誘導していき、それで動きが鈍ったら爆裂鉄球とソードオフに持ち替えて【突撃】だ。
多少の反撃は無視して【捨て身の一撃】で大喝砕を叩き込もう。
新城・橙花
最後の大事な戦いなので口調は冷静冷酷に。
「最後は将の貴方だけ。退魔が剣士、橙花が参ります」
軽く一礼して大剣型呪刀を抱えて走り出します。
【壁歩き】+[ジャンプ]を使って障害物を通過、なるべく敵の取り巻きになっている髑髏をすり抜け。
どうしてもよけきれなければ[浄化]の力を使って大剣型呪刀【譲葉】で[両断]します。
荒に接近できれば[光使い]+[残像]で光学迷彩のように使いできる限り敵の攻撃を避ける。[両断]+[連撃]で連続攻撃。
隙ができればパラドクス呪法【七つ禍つ星】
「貴方を終わりへと誘いましょう…妙見尊星が王に願い奉る。我が敵に七つの鉄槌を下し給えっ」
【エイティーン】で少し大人っぽくなるかも。
●復讐の鉄槌
「嘆きながら、ね……」
骸骨の元になった者達が永遠に生きられるように願いを叶えてやった。
そのような物言いをして骸骨達を示した荒。彼女の話を聞いていたアルメア・グラウプナー(フロイライン=ズィーリオス・g00637)は反応を示す。
「だとしたら大将、貴殿はまだまだ甘いな」
「甘いだって?」
「指揮官として兵を扱うならば戦いに前向きにさせなくてはいけないんだがね」
「それはそれは、ご忠告をどうも」
アルメアの声に対し、荒は皮肉交じりの返答をした。そんなことをする気などないと言われているのだと感じ取ったアルメアは小さな溜息をつく。
新城・橙花(呪刀の裁定者・g01637)も荒や髑髏を見据え、冷静に間合いを計っていた。
これは此度における最後の大事な戦い。それゆえに橙花は真剣かつ冷酷に振る舞うことを決めている。
「最後は将の貴方だけ。退魔が剣士、橙花が参ります」
軽く一礼した直後、橙花は大剣型呪刀を構えて駆け出した。走り出した橙花は罠の残骸を越え、荒の取り巻きとして浮遊している骸骨や霊符を擦り抜けていく。
その間、アルメアは後方で火砲をはじめとした銃器を撃ち放つ手筈を整えた。
骸骨達の士気が高ければ、おそらく荒は更に強敵だっただろう。だが、今はそうではない。
「まあ良いさ。貴殿もその兵達も、この舞台の上で終わる事になる。せめて名誉の戦死を遂げられる様に足掻いてみたまえよ、はっはっは!」
高らかな笑い声を響かせたアルメアは中距離を保ちながら、銃撃をはじめた。
前線に出てくれる仲間は橙花を筆頭として何人もいた。彼女達に信頼を抱いたアルメアは引いたところから俯瞰する形で様子を見ていく。まずアルメアは制圧射撃から弾幕を張り、ミサイルによる爆破で骸骨を穿った。
次は誘導弾で敵の霊符を撃ち落とすことで橙花達の援護にもなる。
後方からの射撃の頼もしさを感じつつ、橙花も行く手を阻むものを切り裂いていった。そのとき、骸骨が嘆きながら橙花を攻撃しようとしてきた。どうしても避けきれないと察した橙花は浄化の力を巡らせてゆく。
「安らかにお眠りください」
丁寧な言葉を送ると共に、譲葉の刃で骸骨を両断する。橙花はそのままの勢いで荒の前まで迫り、刃を振り上げた。その際に光を纏った彼女は残像を残すほどの速さで敵に対抗する。
「アハハハ! 威勢の良いお嬢さんだ」
対する荒は霊符を解き放ち、橙花の身を貫こうとしてきた。肌に掠った符は鋭利であり、黒い瘴気を巡らせてくるものだった。同時に爆ぜる霊符がアルメアの方にも向かっていき、激しい爆発音が周囲に鳴り渡った。
身体に痛みが走り、衝撃が響く。
しかし、橙花もアルメアも攻撃の手は決して緩めなかった。彼女達だけではなく、共に戦う復讐者も荒を倒すために力を尽くし続けている。その際、静かに頷いたアルメアは周囲を見渡した。
仲間によって新たに仕掛けられたものも含め、周囲にはまだ生きている罠や障害がある。絶え間ない銃撃を放ち続けることで荒をそちらに誘導できるだろう。
アルメアは仲間に目配せを送りながら、荒を少しずつ追い詰めていく手筈を整えた。
「そろそろだな」
「何がだ?」
アルメアの呟きに反応した荒はそのことに気付いておらず、訝しげな表情をしていた。霊符と髑髏達の猛攻は激しいが、アルメアと橙花達の攻撃も荒に響いている。
そして、別の仲間が砲撃を放った瞬間。激しい衝撃が荒を貫き、その身が揺らいだ。
今だ、と察したアルメアは火砲を解き放った。まだ僅かな余力を残しているらしい荒は咄嗟に避けようとする。しかし、それこそが彼女自身を終幕に導く行動だった。
「……!?」
「名残惜しいが――これで幕引きとしようか!」
「貴方を終わりへと誘いましょう」
アルメアと橙花は罠に掛かった荒に向かい、ひといきに距離を詰めた。しまった、とすら言葉に出来ない荒を見据えたアルメアは、得物を爆裂鉄球とソードオフに持ち替える。
橙花と共に突撃していくアルメアが繰り出すのは捨て身の一撃。
「大喝砕を叩き込んでやろう!」
「――妙見尊星が王に願い奉る。我が敵に七つの鉄槌を下し給えっ」
敵を見据える橙花の横顔は少し大人びたものに思えた。そして、其処から七つ禍つ星の力が解き放たれる。その名の如く、七つの呪力の鏃を打ち込んだ橙花は全力で敵を斬り伏せた。呪法の鏃は瞬く間に標的を穿ち、鬼馬ごと荒を穿つ。
そのときには骸骨も霊符も尽きており――。
「おのれ……」
たったそれだけの最期の言葉を遺した荒は、その場に倒れた。
●夜は未だ深く
夜風が吹き抜け、廃村に佇む復讐者達の頬や髪をそっと撫でていく。
復讐者達の迎撃は大成功。鬼馬軍団の侵攻はこうして阻止され、平安京に迫っていた危機もなくなった。
「ひとまずは終幕となったか」
アルメアは両腕を組みながら周囲の様子を見渡した。敵兵を倒しきったことで鬼馬も消えている。橙花はこくりと頷き、皆で勝ち取った結果を確かめた。
「向こうの企みも随分と潰せたから、これで本隊を追撃していけるかも?」
「鬼馬軍団のジェネラル級に決戦を挑めるというわけか」
この敵軍が先鋒隊だったように、此度の戦いも決戦への前哨戦のようなものだ。アルメアと橙花が考えを話し合っている中、弐珀と天彩は仲間の無事を確認していた。
「大丈夫でしたか、天彩くん」
「俺は平気。灯楼さんの方は?」
「問題ありませんよ」
「よかった!」
誰にも大きな怪我はなく、激戦を乗り越えたことでこの先の戦いへの思いや絆も強まったかもしれない。ニアと燐寧も視線を重ね、ほっとした気持ちとざわめくような思いを同時に抱く。
「とりあえず荒は倒せたけど……。まだまだこれからなんだよねぇ」
「そう……。だけどニア達だって……。絶対に負けないから……」
少女達は淀む闇の向こう側に目を向けた。
丑三つ時はとうに過ぎており、もう暫くすれば朝が訪れるが――平安鬼妖地獄変に渦巻く悪意はまだ色濃い。いつかこの世界を包む闇も晴らせるだろうか。少なくとも、此度の活躍によって好転していることは確かだ。
次はいよいよ決戦の時。
まだ見えない未来を想像しながら、復讐者達は各々の思いを馳せた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【隔離眼】LV1が発生!
【エイティーン】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
【能力値アップ】がLV3になった!