リプレイ
喩・嘉
皆の尽力で掴み取ったこの機を逃すわけにはいかないが
それはともかく、まずは目の前の民を守らねば
混乱に対処するには、手数と正しき軍の規律が効く
しかしその気色の悪い技、なんとかならんか
蟲とはどうしてこうまで下劣なのか
道中、羽扇を振るい「幻鶴翼陣」を使用。幻影の兵士を召喚し、指揮する
兵たちよ、民の壁となるように布陣しろ
敵を孤立させて仕留めていけ
【未来予測】を活用し、逃げ遅れていたり危険が迫った民がいれば
いち早く助けに向かう
※アドリブ連携歓迎
守都・幸児
人に近い姿をしてるが、あの兵どもは蟲だな
…喰っていいぞ
俺の使う技は「執」
紙符の式を白い猛禽の姿に変えて敵を喰らわせる
なるべく体の大きい猛禽がいい
式は多めに放って
攻撃だけじゃなく、民を守る盾にもさせる
敵の攻撃をくらっても紙符に戻るだけだ
俺自身も逃げ遅れた民がいりゃ敵との間に入って庇うし
鉄骨で敵をぶん殴る
とにかく走り回って
敵を見つけたら手あたり次第に式を放つ
特に民を攻撃しようとしている敵を最優先で攻撃
俺へ攻撃してくるだけの敵は反撃で相手してやるから後回しでいい
皆と手分けして
可能な限り広い範囲の多くの民を助けるぞ
混乱を助長しなけりゃ【避難勧告】も使って
無事な民の自主的な避難も促すぞ
※アドリブ連携歓迎
シャムス・ライラ
仲間と情報共有、連携
悪戯に民を弑するとは
これ以上の被害を出すわけにはいかない
地形の利用、情報収集で戦場の概要を把握
避難経路を素早く確認
皆と協力し、一般人の避難、保護を優先
星の銀で無数の盾を生成
敵と一般人と間を隔てて
攻撃を盾で食い止め、守りつつ安全な方向へと逃がす
出来る限り多くの人を救えるように
戦場を広く視野におさめ
仲間とお互いにフォローしあう
避難完了後は、一転して攻撃へ
敵攻撃は盾でいなしジャンプでかわしつつ一撃離脱
盾に太陽光を反射させ目を眩ませて隙を作り
シールドバッシュで敵を打つ
仲間と狙いを合わせ一体ずつ確実に倒す
酒のあげくに
人を撒き込んで命を奪って
虫酸が走る程迷惑だ
アドリブ等歓迎
十野・樞
アドリブ連携歓迎
ああ、この街でのてめえらの支配は終わりだ
だがそれは、この街そのものの終わりを意味しねえさ
足掻くなら俺達相手に足掻け
抵抗出来ねえ普通の民を踏みにじって悦に入ってんじゃねえよ、三下どもが
【高速詠唱】【結界術】にて
敵と襲われている人々を分断するように結界展開、間に割って入る
敵を【吹き飛ばし】、人々が逃げ出すまで【時間稼ぎ】
【観察】【看破】【未来予測】にて敵行動把握し
回避及び【結界術】で結界を厚く張りはじく
一般人が戦闘に巻き込まれねえ場所まで退避できたならパラドクス展開
敵をあらゆる場所より湧き出でる無数の茨で絡めとり、そのまま破砕する
●混迷の街許昌
ディアボロスの乱入で許昌のトループス級は捨て鉢のようになっている者が多い。
「終わり終わり! もうこんな街おーわり! どうせあたしたち撤退の殿役でここで死ぬのよ! だったら最期くらい飲んで食って何が悪いっての」
瓶から酒を汲んで口にガバガバ注ぎ、『名も無き宝石蜂』は管を巻く。
自棄酒そのものの呑み口だ。
店主が怯えながらも一大決心し、制止しようと進み出た。
「やめてくだせえ! うちの売り物だ、お代もなしに飲まれちゃ困る」
「ああん? ナマ言ってんじゃないわよ、殺してやろうか」
と宝石蜂が店主めがけて文字通り宝石のような足を振り上げたその時、店頭に凛と声が響く。
「ああ、この街でのてめえらの支配は終わりだ」
「あんだってぇえ? まさかあたしたちに楯突く人間風情がいるっての?」
「生意気! 即ブッコロだわ!」
「苗床にしちゃおうねえ」
などと言い、店主を放り出して憤怒の顔で振り向いた宝石蜂たちは、眼前に顰め面で立つ十野・樞(division by zero・g03155)を認めて、いっせいに眉を寄せた。
「え? ディアボロスぅ?」
樞は悠々と歩き、トループス級と店主の間に仁王立ちになった。
「足掻くなら俺達相手に足掻け。抵抗出来ねえ普通の民を踏みにじって悦に入ってんじゃねえよ、三下どもが」
樞が宝石蜂たちの注目を集めている間に、店の裏口をあけていたシャムス・ライラ(極夜・g04075)が店主を手招く。
「さ、こちらに」
「あ、ああ、すみません。あ、でも、上に、妻が、娘が……年老いた父母が」
自分だけが逃げるわけには、と店主がおろおろと階段を見上げる。
「ご心配なく。これ以上の被害を出すわけにはいかない。私が必ずご家族を逃します。まずは、あなたが」
シャムスの声かけに、店主はきっと頼みますとペコペコ頭を下げてそっと裏口から脱出する。
店主の背を見送り、シャムスはするりと店の階段を登っていった。
店主と入れ替わりに裏口をくぐって守都・幸児(祥雲・g03876)が紙符を手に現れる。
「人に近い姿をしてるが、あの兵どもは蟲だな」
宝石蜂は、店頭の樞と裏口の幸児を交互に見てキィと叫んだ。
「次から次へとぉお! あたしたち挟まれちゃったわぁ!」
「イライラするわねー!」
ヒステリックにギャンギャン吠える宝石蜂を一瞥し、幸児は手の紙符に告げた。
「……喰っていいぞ。鳥の手執りて、獲ってこい」
投げた紙は式――白い猛禽となって宝石蜂に襲いかかった。
「ギャーッやめろっ」
目をついばまれた宝石蜂が悲鳴を上げながら、幸児を蒼玉のような足で蹴り飛ばす。
「ぐっ」
壁に背をぶつけた幸児の息が詰まって声が漏れる。ドンと大きな音がなって、ぱらぱらと土壁の欠片が床に落ちた。
きゃあっと二階から悲鳴が漏れる。
「あーん? 上にも人間が居るのね」
「可愛い声だったわ。良い苗床になりそう」
と舌なめずりをする宝石蜂に、やってきた喩・嘉(瑞鳳・g01517)は眉をひそめる。
「蟲とはどうしてこうまで下劣なのか」
手にした羽扇を嘉がばさりと一振りすれば、時空の彼方より歩兵の幻影が現れて、鶴翼の陣を作って宝石蜂に突撃する。
「このぉ!」
宝石蜂が手にした産卵管の峨嵋刺で卵を嘉に産み付けようとするが、
「Multa docet fames ――」
間髪入れずに、樞が床から顕現させた黯い茨に体を絡め取られ、ぎちぎちと締め上げられた挙げ句、破砕された。
「はぁ、気色の悪い技をくらわずにすんだな」
嘉はため息を吐いた。
「くそが、くそが、こんなところで死んで……。あ」
歯噛みしていた宝石蜂だが、ふと後ろを見てニヤつく。
階段を降りてくる店主の一家を認めたのだ。娘と妻が老人である店主の父母を労りながら降りつので歩みが遅い。
「減った分は増やせばいいのよ、あたし、頭イイーッ!」
と娘に卵を産み付けんとばかりに飛び付こうとする宝石蜂は、
「星の加護を」
「ぎゃっふ」
銀の盾に強かに顔をぶつけた。
シャムスが作り出した星の銀が、娘とトループス級の間を隔てたのだ。
「よくもやってくれたわね!」
怒り狂った宝石蜂は、店主一家を庇うように入ったシャムスに毒の峨嵋刺を突き立てる。
「酒のあげくに人を撒き込んで命を奪おうと……虫酸が走る程迷惑だ」
腕に峨嵋刺を突き刺されながらも、シャムスは宝石蜂を睨みつけた。
「さあ、今のうちに」
銀の盾を並べてシャムスは店主一家に告げる。
しかし老人の足は悪い。焦れるほどに牛歩の避難。
がむしゃらに攻撃しようとするトループス級を、幸児は猛禽の式で、シャムスは銀盾で食い止め、樞が茨で絞め殺す。
「目の前の民を守るには、障害を排除するのが最善だな。……数は力だ。歩兵部隊、突撃」
嘉が羽扇を操れば、幻の歩兵は店の中のトループス級をまとめて押しつぶす。
「ありがとうございます、ありがとうございます」
「店主殿が外でお待ちですよ。送っていきますので、さあ」
涙目で頭を下げる一家に、シャムスは優しく脱出を促した。
「外もまだ敵がいる。走り回るぞ」
幸児が店を飛び出す。
「ああ。皆の尽力で掴み取ったこの機を逃すわけにはいかないが、まずは」
許昌の人々を助けなければ、と嘉も別方向のトループス退治へと赴く。
死屍累々の店をぐるりと見て回り、残党がいないことを確認した樞は、
「奴らはこの街で終わりだが、この街そのものの終わりを意味しねえさ」
と呟いて、次の救うべき場所へと出ていくのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【未来予測】LV2が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV3が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
杏・紅花
宴のお酒で浮かれてばっかのやつらに負けてたまるかっ
護衛になんか興味無いの、その先のつっよいやつと、戦いたいんだから
【飛翔】して空から「飛火」を投げつけて敵の混乱を誘う
たぶらかそーとしてきても、爆発音でなんにも聞こえなくしてやるっ!
疑いのこころ、厄介なのは知ってる
でも、同じ戦場に心強ぉい味方がいるから、だいじょうぶ
あたしはあたしを取り戻せる
分身2人と一緒に、敵の手足を蛇腹剣で絡めとったり、蹴り技連撃して隙を作ったりして、最期は鉤爪でその首頂戴っ
少しずつ確実に仕留めていくぞっ
アドリブ歓迎っ!
吉水・翡翠
仲間と情報共有、連携重視
アドリブ・連携歓迎。
民をむやみに消費する者達。許すわけにはいきません。
これ以上の犠牲もです。
敵の動きを観察し、その動きを見極めて、護符を飛ばします。
結界術で一般人の避難、保護のための守りを。
そのまま護符から衝撃波を飛ばして敵を吹っ飛ばして距離を調整、避難までの時間を稼ぎます。
避難完了後は一転して攻めへ。
≪陰陽鉄扇≫を振るって前へ。精神集中し、アートの様に魔力で刃を作り、それで敵に対して斬撃。
フェイントかけつつ敵の隙を作って近距離からパラドクス使用。
火と風と共に舞いましょう。敵全てを焼き尽くす為に。
一匹たりとも逃がしません。……此処で地へと帰りなさい。
八百陣・葵漆
稀代の謀将ね
軍師として策を競ってみたいものだね
頭のいい敵は、多少の情報を得るよりも逃がした時の損害の方が大きいだろうね
新たな策を企まれる事の無いように、ここできっちり始末するよ
街中のトループス級の処理はもう十分かな
僕は賈詡狙いで、先ずは護衛を殲滅しよう
というわけで参謀と知恵比べだ
『幻妖英霊兵』を呼び出してお相手しよう
先ずは鶴翼の陣で兵を展開だ
その上で中央が薄いように見せかける
敵部隊が弱いところを狙って中央を進撃してきたら
そこで翼をたたむように敵部隊を包囲、そのまま殲滅と行こう
<演技、計略、臨機応変、不意打ち>
まあトループス級ではこの程度か
さて……賈詡の知略、見せて貰おうかな
鳴・蛇
仲間と情報共有、連携
アドリブと連携歓迎はご自由に
○感想
「相手は少し油断過ぎではないですか?文官の護衛も文官とは流石に…」
○防御
弓兵掃射 柔らかい土を操って飛んできた矢を防ぐ
疑心計 『計略』で見破る
虚々実々計 「鄙人の虚実、貴様ら等に見抜かれるはずがない!」と言ってながら石製の鎧を被る
○攻撃
石製の十八般兵器(刀、槍、剑、戟、斧、钺、钩、叉、鞭、锏、锤、挝、镋、棍、槊、棒、拐、流星锤)を作り、投げる。
園田・詠美
うーん、敵将との交渉
ゲームだとこういう選択肢も選びたくなりますよね
とはいえ、まずは目の前の障害をどうにかすることから!
ですね!
こちらの隙を狙う攻撃……いやらしいやり口ですね!
ですが、どんな手段にも隙があるのはどちらも同じこと!
【高速詠唱】で魔法を構築し、発動!
隙を狙うなら、狙いにくい手段を取らせてもらいます!
周囲に吹き荒れる猛吹雪、特定の弱い場所などありません
勿論、距離を取られたら効果は落ちますが……こちらも一人ではないので
距離を取る相手は他の方にお任せして、じゃんじゃん凍らせていきますよー!
業務、執行!
●役場の中で
烏合の衆を蹴散らして、ディアボロスはジェネラル級が待ち構えているという役場に殺到する。
数段の階段の上にある役場からぞろぞろとトループス級『魏軍拠点参謀』が出てきた。
「来たな、ディアボロス! 貴様らを許昌から決して出すなとの命令を受けている」
と階下から偉そうに言う魏軍拠点参謀を見上げ、鳴・蛇(不吉な龍蛇・g05934)は首を傾げた。
「相手は少し油断過ぎではないですか? 文官の護衛も文官とは流石に……」
「貴様、我らを愚弄するかっ!」
構えるトループス級に、蛇は詠唱して龍蛇山神変を発動する。
「山林川穀丘陵,能出雲,為風雨,見怪物,皆曰神」
瞬間、蛇は山神と化す。大地を司りし山神は石で兵器を次々に作り上げた。その種類、なんと拾八。刀、槍、剑、戟、斧、钺、钩、叉、鞭、锏、锤、挝、镋、棍、槊、棒、拐、流星锤。
蛇は、ぽいぽいと出来た先から投げつけていく。
「ぬう、形は様々あれど要は投石であろう! 怯むな怯むなー」
魏軍拠点参謀が石と石の合間を縫って時空を超えた距離から、蛇の虚へと一撃いれた。これぞ逆説連鎖戦、時間・空間・世界法則を書き換えながら行う戦いである。
「鄙人の虚実、貴様ら等に見抜かれるはずがない!」
蛇はそう嘯きながら石の鎧をまとった。
「まずは目の前の障害をどうにかすることから! ですね!」
園田・詠美(社畜(元)系魔法少女・g05827)はトループス級という障害を見やる。
「業務、執行!」
詠美が高速で詠唱した呪文は、凍てつく吹雪を呼び出すものだ。
魔法発動デバイス:"Morgan"を始めとするデバイス群にて発動をサポートされた魔法は、的確に魏軍拠点参謀たちを吹雪で包んだ。
「じゃんじゃん凍らせていきますよー!」
許昌に局所的な冬をもたらし、詠美は蟲将を潰していく。
「護衛になんか興味無いの、その先のつっよいやつと、戦いたいんだから」
と階段を文字通り飛んで越えようとする杏・紅花(金蚕蠱・g00365)が大袖から取り出すのは投弾『飛火』。地上めがけて投げつければ石造りの階段にぶつかって、目もくらむような閃光と大きな破裂音が戦場を埋め尽くす。
「数はチカラだぞっ」
混乱に乗じて紅花は自分の影を二つ呼び出して、上から魏軍拠点参謀らを強襲する。
本体の紅花が手にするのはワイヤーソーを改良した蛇腹剣『撓』だ。しなり、広がる刃は蛇もかくやとうねって凶暴に参謀を苦しめる。
「小癪な!」
参謀が筆を天空めがけて突く。紅花の心の中に墨汁を垂らされたかのような疑心が広がって、動きが停まった。
「っ……でも、だいじょうぶ!」
紅花は胸のざわつきを無理やり押さえつけた。戦場には紅花の信頼できる心強い味方がたくさんいてくれる。彼らを疑うことなどありはしない。植え付けられた疑心暗鬼などに紅花は負けないのだ。
「宴のお酒で浮かれてばっかのやつらに負けてたまるかっ。あたしはあたしを取り戻せるっ!」
高度を落としかけていたのを立て直し、今度こそ、と紅花は分身とともに参謀へ躍りかかった。
分身が参謀に蹴りの嵐を浴びせている間に紅花は下から鉤爪『切裂花』で参謀の頸を刈り取る。
「その首頂戴っ」
文官の頭がポーンと高く跳ね上がった。
上空で紅花が奮闘する下では、吉水・翡翠(道求める陰陽師・g01824)が護符を飛ばしていた。
「民をむやみに消費する者達。許すわけにはいきません」
もはや役場の周りに許昌の民はいない。いるのはクロノヴェーダだけだ。
ならば遠慮も会釈も要りはすまい。
翡翠は隕鉄製の鉄扇を握って、階段を駆け上がる。
突入してくるデーモンの男に、参謀は筆を握った。
「くらえ、疑心け……」
「一匹たりとも逃がしません。……此処で地へと帰りなさい」
筆を払い落としながら、翡翠は陰陽鉄扇を投げ上げた。
鉄扇を媒介に無数の焔が生まれ、魏軍参謀を巻き込んでいく。
「五行の木。五行の火。青龍の風。朱雀の火。風と火と共に舞いましょう」
翡翠の呪に合わせて、木行の風がつむじを描いて火を煽って火勢を増すので、火達磨になった参謀は為す術もなく炭化していくしかない。
役場の階段の人口密度もかなり薄くなってきた。後ひと押しで役場に入ることが出来るだろう。
「へえ、この先にいるのが稀代の謀将ね」
神算軍師として策を競ってみたい、と八百陣・葵漆(勝利こそが正義・g01007)は不敵に役場を見やる。
「まずは、参謀と知恵比べだ。お相手しよう。軍略は精兵あってこそ為る。さあ、僕の指揮で存分に働いて貰うよ」
葵漆は妖力で作り上げた体を精兵の霊に与え、鶴翼の陣をとらせてトループス級へと進軍させる。
「む、看破っ。中央が薄いと見た!」
虚々実々計とばかりに魏軍拠点参謀が陣の真ん中を進んでこようとするが、それこそ葵漆の掌の上。
葵漆の合図で鶴翼は閉じた。つまりは挟撃である。
「ぬ、ぬう! 図ったな!」
神算軍師の講じた策にまんまとはまり、残らず精兵の波に飲まれていく魏軍拠点参謀を葵漆はつまらなさそうに見送った。
「まあトループス級ではこの程度か」
葵漆の目当ては、あくまで賈詡の知略。参謀程度では相手が務まらぬ。
「さて……賈詡の知略、見せて貰おうかな」
と言いながら、無人になった役場の戸口を悠々と葵漆はくぐった。
果たして広い役場に一人、ジェネラル級クロノヴェーダこと稀代の謀将『賈詡』は立っていた。
「やれやれ……文官といえども、強さはそこらをうろつくトループス連中と変わらないのだがね。あっという間に全滅とは情けない限りだよ」
肩をすくめ、賈詡はディアボロスと対峙する。
「君たちがディアボロスか。さて君たちは何を語るのか、それとも問答無用か」
見透かすように賈詡は一同を見回した。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
【断末魔動画】LV1が発生!
【セルフクラフト】LV1が発生!
【使い魔使役】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【命中アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV2が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
園田・詠美
相手からどのようなものを引き出せるのか探るのもまた交渉かと
どのようなラインが可能か探ってみましょう
お初にお目にかかります、賈詡殿
私、園田・詠美と申します
貴殿は我々の目的の障害ではありますが、武官の方々と異なり、交渉の余地があるのではとご挨拶させて頂きました
こちらの要求を曹操殿に伝えて下さるというのなら、貴殿は攻撃せず、引くのを見送りましょう
こちらの要求の前に確認を
我々が洛陽を攻めていたのはご存じかと思いますが、その守りを担っていたのは魏の司馬懿殿であったということでよろしいでしょうか
曹操と司馬懿の争い、内輪揉めが起こせるならこちらにも利があるんじゃないのかなーと探りを入れてみましょう
●賈詡かく語るか
周囲を見回す稀代の謀将『賈詡』に、園田・詠美(社畜(元)系魔法少女・g05827)が進み出る。
「お初にお目にかかります、賈詡殿。私、園田・詠美と申します」
「これはこれはご丁寧に。名乗らずともご存知かとは思うが、私は賈詡。魏の軍師をしている」
慇懃に賈詡は礼を返した。
「貴殿は我々の目的の障害ではありますが、武官の方々と異なり、交渉の余地があるのではとご挨拶させて頂きました」
詠美は続ける。
「こちらの要求を曹操殿に伝えて下さるというのなら、貴殿は攻撃せず、引くのを見送りましょう」
「ふむ。要求とは?」
謀将は話を聞く気があるらしい。じっと彼女の言葉に耳を傾けている。
「こちらの要求の前に確認を。我々が洛陽を攻めていたのはご存じかと思いますが、その守りを担っていたのは魏の司馬懿殿であったということでよろしいでしょうか」
曹操と司馬懿の間に軋轢を起こせれば、と詠美は布石を打つつもりで尋ねる。
「その確認にはこう答えよう。是である。……それで、交渉とはなにかね?」
攻撃せずに退却させることは、交渉道具ではなく大前提だと賈詡は捉えている。
他に『蟲将に利がある』ことを提示せねば、交渉の場にすらつくことはできないだろう。
眼光を鋭くして賈詡は、ディアボロスたちの口から続く言葉を待っている。
苦戦🔵🔴🔴
園田・詠美
その答えを聞いて安心致しました
否と応えられたなら要求自体が無意味なものとなるところでした
私からの要求は司馬懿に対し、魏軍が攻撃を仕掛けること
ご存知ですか?
我々は既に洛陽を攻略しましたが司馬懿の姿どころか声すらも聞いておりません
洛陽の守りも呂布以外は現地に残された将のみで指揮すら執っておらず、洛陽には魏ではなく「司馬」の旗が掲げられていた
更に我々と戦う前に長安へと退いたという情報に加え、函谷関の再建工事が行われているのを確認しています
魏も我々の王が目指すのも三国統一
ですが、そこに四つ目……身を隠して最後に利を得ようとする輩が居るのは互いに都合が悪い
無論、我々も我々で司馬懿を攻めますが
如何か?
司馬懿についての質問を肯定され、園田・詠美(社畜(元)系魔法少女・g05827)は胸を撫で下ろし、そして気を取り直して賈詡に言う。
「私からの要求は司馬懿に対し、魏軍が攻撃を仕掛けること」
賈詡は片眉を跳ね上げ、無言で続きを促した。
「ご存知ですか? 我々は既に洛陽を攻略しましたが司馬懿の姿どころか声すらも聞いておりません」
洛陽の守りも呂布以外は現地に残された将のみで指揮すら執っておらず、洛陽には『魏』ではなく『司馬』の旗が掲げられていたこと。
また更にディアボロスと戦う前に司馬懿が長安へと退いたという情報に加え、函谷関の再建工事が行われているのを確認していることを詠美は説明する。
「魏も我々の王が目指すのも三国統一。ですが、そこに四つ目……身を隠して最後に利を得ようとする輩が居るのは互いに都合が悪い。無論、我々も我々で司馬懿を攻めますが、如何か?」
ディアボロスにも王が居ることを詐称し、詠美は賈詡への要求を締めくくる。
しかし、賈詡は落胆らしき嘆息を吐いた。
「それはこちらにとっての利として見えないね。司馬懿殿の考えなど既に知っている。君が心配しているようなことは何もない。それが君たちの要求なのであれば、交渉は決裂だよ」
と肩をすくめる謀将に、詠美も失望の息を吐くのであった。
賈詡が、魏軍が、本当に司馬懿の考えを知っているかどうかは定かではない。ハッタリの可能性も大いにある。
しかし、どうあれクロノヴェーダは詠美の提案を蹴った。それが全てだ。
ならば倒さねばなるまい。
苦戦🔵🔴🔴
喩・嘉
俺は偽物のお前ではない「賈詡」を、文和さんを知っている
同じ主に仕えていたからな
交渉が可能だろうが、お前が俺たちにもたらすことのできる利益よりも
お前をここで倒すことの方が利が大きい
俺はそう判断した
「馥郁香計」を使用する
俺のこの技は、仲間にはこの上なく喜ばしい香りに感じるものが、敵に対しては精神を狂わす毒になるものだ
お前が敵味方を惑わす計略を用いようとも、この技の効果を覆すことはできない
俺がお前の精神を惑わせば、その隙に仲間たちがトドメを刺してくれるだろう
今、ここで、賈詡の名を返せ
ディアナ・レーヴェ
アドリブ連携歓迎
少なくとも「私に」交渉の選択はない
悔しいけどね――私、自分より明らか賢い相手に謀を仕掛けに行くほど馬鹿じゃないのよっ!
一見自棄で残念な、でもこの盤上で『私』の最善。堂々決意で胸を張る
もし色々言葉で揺さぶってこようが、知ったことか!
皆の言葉は積極的に聞き、同意し、笑顔で頷く
離間の隙を埋めるのは、仲間の絆と相場が決まってるわ!
火砲を手に【Rat】
一対多、必ず意識が薄い箇所や守りの緩む隙は見える――で、実は9割騙しでしょう?
短絡的に飛びつかず
逸る内心は抑え、冷静に俯瞰し計算し予測
逃亡も警戒
結局今は力頼みね
…でも、学ばせて貰うわよ?
いつか必ず、こんな局面も知略で切拓ける軍師に私もなるの
エレオノーラ・アーベントロート
腹心の軍師ということでしたけれど、それを捨て駒にして曹操は今後どう戦うつもりなのでしょうね。
答えは求めていませんわ。わたくし――これから踏みつぶす蟲と会話をする高尚な趣味は持ち合わせていませんの。
何度も戦った関羽と同格の相手、油断はせずいつも通りに参りましょう。
いつも通り――叩き潰すのみですわ。
ここは敵の本拠地、すでに何かしらの手は打っているでしょうけれど時間を掛ければおそらく敵の思うつぼ。【飛翔】を用いて速攻をしかけましょう。
空中から「フェアレーター」から放つ『第六十一の魔弾【鮮血】』による砲撃を。数秒とはいえ先が分かる【未来予測】で敵の狙いを先んじて看破し、隙を見つけながら戦いますわ。
杏・紅花
やっと出てきたあ、賈詡!
語り合いたいなら、ね、コブシがいちばんでしょ
知ってるでしょ?頭いいんだもんね
でも、あたしの気持ちが伝わるほど、ココロのキビがわかりそーではないねっ!
弱兵は両の手の鉤爪でなぎ払い
あたしがかかずらってる間に矢が飛んでくるなら、あたしはそれもなぐ
ねえ、油断してるのはそっちじゃない?
あたしの大事な管狐の天が、攻撃に紛れて影を縛ってくれる
でもアナタのフトコロに飛び込むつもりは無い
そのフトコロに、熱はないもん。
あたしの気持ちはねえ
ド派手なルリボシカミキリの触角、それ、よく見てみたいってことなんだあ!
鉤爪で切り取ったら、よく観察できそうだよね、ねえ、いいでしょ
守都・幸児
喩嘉が世話になった相手の名前、返してもらうぞ
お前が厄介な敵だってわかるから
ここで倒す
お前には、俺たちがどう見えてる?
俺が使う技は「破」
闇の雷に賈詡を追尾させて、ぶち当てる
反撃に使われる可能性があるのは離間計か
味方を敵に見せる技だったな
関係ねえ
俺は、皆にだったら攻撃されても構わねえんだよ
もしそんなことが起きたとしても
必ず理由があるはずだって信じてるからな
喩嘉の香りで気持ちも落ち着いてる
だから何を見せられようが誘導されようが
今俺が狙う相手は賈詡の名を奪った蟲将、てめえだけだ
ああでも
俺の仲間を勝手に利用して惑わそうとしたことは許さねえぞ
やっぱりてめえは今倒さなくちゃならねえ敵だ
さあ
その名を返しやがれ
吉水・翡翠
アドリブ/連携歓迎
さて、知将、謀将と謳われしその名に恥じぬ戦いを自分に見せてくださいね。
敵に対して動きを観察、その隙で魔力を砲撃の様に発射して攻撃。
吹き飛ばしや結界術で、撹乱し相手の動きも制限しつつ隙を作りましょう。
そして機を見て陰陽遊戯・水鏡射を。
五行の土、五行の金。この手にあるのは地より出でし水鏡。
その光を照射せん。
強い光の力を鏡面に集めて敵に向かって照射します。
この力は貴方に当たるんです。賈詡。味方に当たるのではなく、敵に当たるのです。
惑わされません。此処にいるのは味方と賈詡、お前しかいない。
孫・リア
うーん何か交渉出来たらって思ったけど、どのみち貴殿は倒さないとだし、私達の理になる本当の事を話してくれるのかも分からない、まぁ話す人がいるなら終えるまでは攻撃しないけど……
それに私は夫であるあの人みたいに機転とか回らないし……何よりも私の大事な仲間の大切な人の名前だからね……返してもらうわよ!
【指定PD】で偽装の兵や本命の兵ごと賈詡殿を覆いつくような炎を召喚、矢の雨はその炎で防ぐわよ!
この炎は貴殿には灼熱だけど私達には守りの暖かい炎だからね、そして賈詡殿に纏わりつくように炎の蝶々も召喚、その蝶々達からは逃げられないわよ、さぁその身を燃やし尽くしてあげる!
【アドリブ共闘歓迎】
十野・樞
アドリブ連携歓迎
稀代の謀将の謀略のお手並みなんぞ、知らぬままでいるに限る
あんたの頭の中の数々の謀が形にならねえよう、今此処で倒させてもらうぜ
高速詠唱で叶う限り速やかにパラドクス【Veritas liberabit vos】展開
血脈伝承した知識と魔導解析力により、敵の存在情報を看破把握分析し、敵攻撃を歪曲反射するパラドクスだ
たとえ離間計すべてを歪曲反射できなくとも、それを代償に敵存在情報は把握させてもらうぜ
そして賈詡討の為の最適解を見出だす為のその膨大な解析演算処理ゆえに己を魔導演算機械と化す
主観の『眼』は誤魔化されようが
演算処理結果は惑わされねえよ
反動は度外視
全力魔法・捨て身の一撃を放つ
シャムス・ライラ
仲間と情報共有、連携
地形の利用、情報収集で戦闘に有利な位置取り
未来予測で可能な限り最適な選択を
周りの様子や敵の不審な動きには気をつけ、何かあれば仲間に警告を
戦に謀はつきもの
念のためにセルフクラフトで壁を作っておき
可能なら攻撃を避けるために活用
戦闘知識で可能な限り敵の動きを予測しつつ
攻撃は矢を鞭で払い、一撃離脱で可能な限り損害を減らす
謀将か…
このような戦いの場に出ることは本意ではないだろうが
このまま残しておけば戦乱の元となろう
弄した策がなる前に打ち倒させていただく
ジャンプと飛翔、時にフライトドローンを足場にし
変則的な軌道で接敵、攪乱しつつ
仲間と息を合わせ
日狂星落乱舞で鋭い一撃を
アドリブ等歓迎
雅諒院・基経
さぁ…追い詰めたぞ賈文和…話をしたいところではあるが…汝を逃がす事は魏の頭脳を逃がすも同義、悪いが倒れてもらうぞ。
…賈詡の得意な戦術で有名なものは離間計、互いを疑わせあい、同士討ちに持ち込ませる…それによって兵力差があろうとも覆せる…だったな、本当によくできた計略だ。
だが、甘く見たな…ディアボロスの絆は深く、そうやすやすと破れるものではない。では覚悟してもらおう…!
賈詡の出す幻影兵と闘いながら少しずつ前に進み肉薄していく。動揺する賈詡に声をかける
魏軍が甘く見たは我らの実力にあらず、我らの執念深さという奴だ。…さぁ、その首をもらい受ける…!
パラドクスを放ち、声高に
敵将・賈詡!討ち取ったり!!
曖明・昧
「なるほど、謀将か……。
……知将と何が違うんだ……?」
昧はかつて戦った知将・陸遜のことを思い浮かべる。
「知将はジェネラルとしては貧弱な戦力だったけど、謀将もなんだか弱そうだな。
よくわかんないけど。」
昧は2メートルほどの鋏、天廻器『肆妖断』を取り出す。
「ダン、暴れてもいいぞ。蟲退治だ。」
ダンとは昧が肆妖断につけた愛称だ。
ダンは詠唱とともに、黒く禍々しい姿に変形する。
「蟲が群れて、うっとうしいな。全てまとめて断ってしまえ。」
昧はダンを両手に持ち、素早く動き、兵をまとめて断っていく。
素早く駆け兵を断ちつつ、隙をうかがい賈詡を断つ。
「力を解放したダンに断てないものはない。よくわかんないけど。」
アンゼリカ・レンブラント
※連携アドリブ歓迎
策を練ったり交渉するのは出来る人にお任せ
私はただ、この好機に重要な将を討つのみだよ!
【飛翔】を駆使し突撃し、
光剣のパラドクスで攻撃だっ!
最初のうちは突き込んだら一撃離脱
ヒットアンドアウェイで徐々に弱らせていくよ
敵からの反撃・計略には勇気を胸に心を強く保ち
油断せず、仲間と連携して追い詰めていこう
お互いに声がけして策にかからないように
時に宙を飛びつつフェイントを駆使したかく乱に努め
敵の隙を作り出しつつ攻撃
敵の消耗が分かれば、呼吸を整えて
捨て身の覚悟と共に全力で斬り込む
《光剣収束斬》、今こそ最大に輝く時だよ!
倒したのを確認できたら、宣言しようか
謀将『賈詡』。確かに私たちが倒したよ!
●策なき軍師に活路なく
「さて、話は終わりね。……さぁ来て、紅き蝶々」
孫・リア(勇武と炎を胸に秘めて・g03550)は周囲に炎蝶をまとわせながら稀代の謀将『賈詡』の前に進み出た。
「何か交渉出来たらって思ったけど、どのみち貴殿は倒さないとだし、私達の理になる本当の事を話してくれるのかも分からなかったしね」
リアは焔を賈詡へと差し向ける。
「おっと。問答無用という段階に入ったか。ならばこちらも当初の予定通り、君たちを滅ぼして退却とするか」
ディアボロスが仕掛けてきたのを認め、賈詡は自身の前に弱兵を呼び出して盾のように並べつつ、リアの背後へと弓兵を配置する。
リアへと降り注ぎ刺さる矢だが、リアは自身の周囲すべてを炎蝶で包んだ。
「私の大事な仲間の大切な人の名前だからね……返してもらうわよ!」
二の矢を焼く炎は、盾の弱兵ごと謀将をも飲み込んだ。
「その蝶々達からは逃げられないわよ、さぁその身を燃やし尽くしてあげる!」
リアの操る灼熱がクロノヴェーダを焦がす。
「俺は偽物のお前ではない『賈詡』を、文和さんを知っている」
喩・嘉(瑞鳳・g01517)の鋭い視線を受け止め、賈詡は怪訝そうに顔をしかめた。
「偽物? 先程の女性もだが、君たちの言っていることが皆目理解できないね。賈詡とは私だ。偽物でもなんでもなく。……稀代の謀将と称された私が、策もなくここに立っているというのは恥ずかしいが」
「お前はここで倒す。美しいもの、芳しいものが善なるものとは限らない」
これ以上の問答は不要。嘉が詠唱すると、いずこからか馥郁たる香りが漂い出した。
「俺のこの技は、お前の精神を狂わす毒になるものだ。今、ここで、賈詡の名を返せ」
「だから返すアテなぞ無いというのに。妄言を繰り返すのじゃあないよ」
嘉の周囲が一変する。ぐらりと前後左右が不覚となり、どこに敵がいるのかわからなくさせられた。これが彼の離間計による幻だというのか。
(「どこだ賈詡。いや……仲間たちがトドメを刺してくれるだろう」)
嘉は無理な追撃を諦める。無理に攻撃して誤射するよりも仲間を信じるのが得策だ。
頭を抱える嘉を見て、彼の前に出たのは守都・幸児(祥雲・g03876)だ。
「喩嘉が世話になった相手の名前、返してもらうぞ。ここで倒す。お前が厄介な敵だってわかるからな」
「くどい!」
謀将に幻覚を見せられながらも、幸児は関係ねえと断じる。幸児の鼻腔はまだ、嘉が漂わせた馥郁香を感じている。
(「喩嘉の香りで気持ちも落ち着いてる。だから何を見せられようが誘導されようが、今俺が狙う相手は――」)
目を閉じ、真実を見定めようとする幸児の隣に十野・樞(division by zero・g03155)が並ぶ。
「これ以上あんたの頭の中の数々の謀が形にならねえよう、今此処で倒させてもらうぜ」
稀代の謀将の謀略のお手並みなんぞ、知らぬままでいるに限る。と言いながら樞は自身を魔導演算機械と成す。
「Veritas liberabit vos――」
樞が血脈伝承した知識と魔導解析力は、クロノヴェーダの存在情報を看破する。幻術を見破り、敵の位置を把握する演算。
彼の演算の上に、離間計の幻は意味をなさぬ。しかしながら、演算機械と化していても樞はあくまで命あるディアボロス。
彼のパラドクスは謀将の真実を突きはするが、謀将の攻撃を無効化することはできない。
樞の精神にクロノヴェーダの攻撃は届いていた。
「主観の『眼』は誤魔化されようが、演算処理結果は惑わされねえよ。守都殿、そこだ」
傷つきながらも樞が放つ捨て身の全力魔法が正しい道を導きだす。
「応!」
幸児の眼がカッと開き、鬼人たる硬質化した両の腕が砕け割れる。迸るは闇の雷。
「今俺が狙う相手は、賈詡の名を奪った蟲将、てめえだけだッ。さあ、その名を返しやがれ。荒ぶれ、見破れ、ぶち破れ!!」
幸児は、無心に信じた樞の魔法を追う――。
「ぬう!」
樞の全力魔法から逃れようとする賈詡を、光の乱射が翻弄する。
「知将、謀将と謳われしその名に恥じぬ戦いを見せていただきたいのですがね。それがそうなのですか?」
吉水・翡翠(道求める陰陽師・g01824)は肩をすくめながら、魔祓の鏡を賈詡に向けている。
「五行の土。五行の金。この手に持つは地より出でし水鏡。その光を照射せん」
魔祓の鏡が水晶のごとく輝き、金行の光が鏡面に集まる。
「この力は貴方に当たるんです。賈詡。味方に当たるのではなく、敵に当たるのです」
翡翠が操るは陰陽術の土生金――眩い閃光が鏡から放たれ、賈詡の退路を断つ。
樞の魔法と、雷をまとう幸児の拳が、正しく賈詡の腹に叩き込まれた。
「がっふ!」
血反吐を吐いて、身をくの字に折って苦悶する賈詡。
(「……機だな」)
役所のなかの高所に位置取っていたシャムス・ライラ(極夜・g04075)は、樞と幸児、そして翡翠の作った好機を逃さない。
「謀将か……このような戦いの場に出ることは本意ではないだろうが、このまま残しておけば戦乱の元となろう。弄した策がなる前に打ち倒させていただく。……逃がさない」
高所からフライトドローンを足場に跳躍し、悶える謀将の頭上つまり何もかもが強い光と化している渦中へと飛び込んだシャムスは、乱舞といえる華麗な動きで蹴りと打撃の乱打を見舞った。
「調子に乗るんじゃ……ないよ!」
殴打され蹴られながらも賈詡がどうにか作り出した影の弓兵が乱舞するシャムスを射落とした。
乱打から逃れて一息つこうとする謀将だが、金蚕蠱が飛び込んできて休む間を与えない。
「賈詡! 語り合いたいなら、ね、コブシがいちばんでしょ」
杏・紅花(金蚕蠱・g00365)が両手の大きな鉤爪を天衣無縫の極みとばかりに操り、賈詡を、彼の呼んだ影の兵団を翻弄する。
「知ってるでしょ? 頭いいんだもんね。でも、あたしの気持ちが伝わるほど、ココロのキビがわかりそーではないねっ!」
そのまま跳躍して紅九嬪の鋭い爪は賈詡の首を狙う……と見せかけ、すっと爪を退いて紅花は微笑む。
「アナタのフトコロに飛び込むつもりは無い。そのフトコロに、熱はないもん」
紅花の派手な動きはブラフ。本命は、紅花のサーヴァント、クダギツネの天だ。
天の牙がクロノヴェーダの影に突き立ち、動きを奪う。
「! こ、の……」
「あたしの気持ちはねえ……ド派手な触角、それ、よく見てみたいってことなんだあ! 鉤爪で切り取ったら、よく観察できそうだよね、ねえ、いいでしょ」
身動き取れず睨むしか出来ない謀将を笑顔で見つめながら、紅花は鉤爪をカチカチと鳴らしてみせた。
動けぬ賈詡の背へと黄金が吶喊する。
「私はただ、この好機に重要な将を討つのみ! 今こそ最大に輝く時だよ!」
アンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)が握るは、魔力とオーラ操作で彼女自身よりも巨大となった光の剣。
「裁きの光よ、我が手に集いて剣となり、全てを斬り裂けぇっ!」
無防備なジェネラル級をばっさりと黄金が切り捨てた。
「ぎゃあああっ……」
両断された賈詡は、トルソーのようになりながら、アンゼリカを見上げた。
「なーんてね。お嬢さん、騙されたかい?」
声はアンゼリカの背後から聞こえた。
「なっ!?」
アンゼリカは驚いて振り向く。
「これが謀将の『無中生有』というものさ。勉強になったね?」
傷ついてはいるが上下がつながったままの賈詡が笑顔で腕を開いてみせた。
「うわあっ」
賈詡の腕から生まれいでた影の兵団が怒涛のようにアンゼリカを轢き潰す。
「軍師とはいえ腐っても、私は曹操様の腹心たるジェネラル級。そのあたりを見せておかねば」
と言う稀代の謀将に、
「腹心の軍師ということでしたけれど、それを捨て駒にして曹操は今後どう戦うつもりなのでしょうね」
と役場の天井を飛ぶエレオノーラ・アーベントロート(Straßen Fräulein・g05259)は揶揄した。
キッと見返してくる賈詡に、エレオノーラは笑みを返す。
「答えは求めていませんわ。わたくし――これから踏みつぶす蟲と会話をする高尚な趣味は持ち合わせていませんの」
軍師とはいえ、関羽と同等のジェネラル級相手。揶揄はすれどもエレオノーラの中に慢心はない。
そう、いつも通り――叩き潰すのみ。
エレオノーラは手にした電磁レールガンの銃口をクロノヴェーダへと向ける。
「【鮮血】解放――」
高火力な電磁レールガン『フェアレーター』はエレオノーラの血を吸い、禍々しいオーラと共に魔弾を放つ。
鮮血の魔弾が天井から賈詡へと降り注いだ。
「アイタタタ。しかし、君はもう術中だよ」
蜂の巣になった賈詡が空中のエレオノーラに首を巡らせて告げた。
未来予測で見えている未来すら稀代の謀将による偽装だというのか。
慌てて振り返るエレオノーラの背後から影の兵団が襲いかかる。
(「悔しい。自分より明らか賢い相手だわ」)
ディアナ・レーヴェ(銀弾全弾雨霰・g05579)は先程までの賈詡の策『無中生有』の一部始終を見て、歯噛みした。
彼女も神算軍師ではあるが、今のディアナでは謀で賈詡の上をいけるとは到底思えなかった。
「一見自棄で残念な、でもこの盤上で『私』の最善……」
それは無闇に策を弄さないことだ。
「結局今は力頼みね。……でも、学ばせて貰うわよ? いつか必ず、こんな局面も知略で切り拓ける軍師になるわ」
この戦いは必ずや軍師としてのディアナの糧になるはずだ。
(「一対多、必ず意識が薄い箇所や守りの緩む隙は見える――で、実はさっきみたいに九割騙しでしょう?」)
ディアナは努めて冷静を保とうとする。惑わされず見極めることこそ、今のディアナの最善手だ。
曖明・昧(十星連・肆妖『無知蒙昧』・g06110)は、賈詡を眺める。
「なるほど、謀将か
……。……知将と何が違うんだ……?」
かつて昧と刃を交えた陸遜も知将と称されていたが、彼との差は何だろう。
「知将はジェネラルとしては貧弱な戦力だったけど、謀将もなんだか弱そうだな。よくわかんないけど」
昧が手にした天廻器『肆妖断』は、星より生を享けし夢現を司る鋏――通称ダン。
「ダン、暴れてもいいぞ。蟲退治だ」
そう告げると、『肆妖断』は力を解放し、黒く禍々しい姿へと変貌する。
「力を解放したダンに断てないものはない。よくわかんないけど」
「吠えるなぁ小僧」
昧がそう言ってダンを構えると、賈詡が悠々と囮と弓兵を並べ始めた。
すかさずディアナが叫ぶ。
「十時の方向から回り込んで!!」
ディアナが計算結果を告げると、
「……わかった。よくわかんないけど」
昧は頷いて、彼女の言う通りに回り込みながら素早く駆けた。
なるほど囮の弱兵が面白いように崩れ、弓兵の矢も僅かに昧を逸れる。
ディアナのサポートもあり、見事に昧の鋏はクロノヴェーダをバッツリと断った。ジェネラル級を断って、天廻器『肆妖断』は少し大きくなったような気もする。
「ぐ、う……」
今度は本当に上下を分かたれそうになった賈詡は、ギリギリその身を繋いだ状態で呻く。
もはや逃げる余力もない青息吐息な彼の前に雅諒院・基経(天狗道からの使者・g00191)が進み出た。
「さぁ……追い詰めたぞ賈文和。話をしたいところではあるが……汝を逃がす事は魏の頭脳を逃がすも同義、悪いが倒れてもらうぞ」
基経を見た賈詡は乾いた笑いを漏らした。
「は、はは。なるほど天命尽きるとはこのことかな。……尽きるのは私の天命のみであってほしいものだが」
「魏軍が甘く見たは我らの実力にあらず、我らの執念深さという奴だ」
基経は独鈷杵を手に謀将へと近づいていく。賈詡は苦し紛れのように幻術を操るも、基経の歩みは止まらない。
「……さぁ、その首をもらい受ける……!」
万策尽きた、とばかりに賈詡はがくりと脱力した。
「申し訳ございません、曹操様……ッ」
「食らうがいい、帝釈天の一撃を……ヴァジュラ・フィダナ!!」
基経が投げつけた独鈷杵は光を伴いながら巨大化し、ジェネラル級クロノヴェーダを跡形もなく滅した。
帝釈天の加護たる光が失せ、そして敵も失せたことを確認した基経の勝利宣言が、許昌の役場に高らかに響き渡る。
「敵将・賈詡! 討ち取ったり!!」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【水面歩行】LV1が発生!
【傀儡】LV1が発生!
【平穏結界】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
【温熱適応】LV1が発生!
【書物解読】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
【活性治癒】LV1が発生!
【一刀両断】がLV2になった!
【エイティーン】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV2が発生!
【ダメージアップ】がLV5になった!
【反撃アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV2になった!
【命中アップ】がLV4になった!
【アヴォイド】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
【リザレクション】LV1が発生!
最終結果:成功 |
完成日 | 2022年06月26日 |
宿敵 |
『稀代の謀将『賈詡』』を撃破!
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