死の歴史を覆せ

 宿敵主、あるいは、宿敵主に意志を託してくれた過去の時代のディアボロスが、クロノス級(宿敵)に殺された時に戻り、クロノス級を撃破して死の歴史を覆します。
 なお、クロノス級を倒して死の歴史を覆しても、宿敵主のディアボロスとしての能力に悪影響が出ることはありません。

『襲われる被害者と、宿敵主が同一人物』で、『宿敵主が宿敵との戦闘の現場に現れる』と、襲われている被害者(この時代の宿敵主)が消え、その位置に宿敵主が瞬時に移動してしまいます。
 上記の現象が発生した場合、戦闘終了後に宿敵主がパラドクストレインに乗った時、被害者(この時代の宿敵主)がパラドクストレインの外に出現します。ですので、比較的安全に被害者を救出することが出来ます。
 宿敵主が同一人物では無い場合や、シナリオに参加しなかった(またはプレイングが採用されなかった)場合、この現象は発生しません。

信念の拳(作者 小鳥遊彩羽
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#宿縁邂逅  #死の歴史を覆せ 


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#宿縁邂逅
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#死の歴史を覆せ


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 ――間もなく、世界は完成する。
 偉大なる竜の手によって、新たな歴史が始まるのだ。
 不要な存在も、抗う存在も、すべて消すだけだ。
 あの男もそうだろう。
 遅かれ早かれ、いずれはこの世界に存在ごとなかったことにされる――それだけだ。
 だが、それでは哀れだと、闘竜ヴァイカンコルドは考えていた。
 それは、単なる気まぐれにすぎなかったかもしれない。
 しかし、この変わりゆく世界と歴史に抗い、好敵手とまで認めさせた男であるならば。
 この拳で完膚なきまでに叩きのめし、絶望に歪んだ顔を最期に拝んでやるのがせめてもの情けだろう。
 ――だと、いうのに。
 宿敵と認めたかの男は、血溜まりの中に倒れ伏していた。
『何故だ! 何故、貴様は!』
 闘竜ヴァイカンコルドは、込み上げてくる怒りに震える。
 青年の傍には、必死にその名を呼び続ける一人の姫。
 この娘を多くの敵から庇ったがために、騎士は、己と戦う力を失ったのだ。
『我との決着よりも、弱きものを選んだというのか……!」
 それも、愛などという――不確かであり、戦いには不要なものだ。
 青年はもう、答える力さえなく。
 放っておいてもいずれ死ぬだろうことは、明らかだった。
 ――ならば、せめて。
 最期はこの拳で、楽にしてやろう、と。
 闘竜ヴァイカンコルドは、静かに拳を振り上げるのだった。

●信念の拳
 いつものように、グランドターミナルの一角でディアボロスたちを出迎えた花峯・真帆(Starry Bouquet・g03187)は、いつになく真剣な表情で切り出した。
「今回は、いつもと違うパラドクストレインだよ。行き先は、幻想竜域キングアーサー……が今の形になる、ほんの少し前。――クロノス級のクロノヴェーダと、決着をつけてきてほしいの」
 クロノス級を撃破すれば、このクロノス級を元にした新たなアヴァタール級の出現を抑えられるだけでなく、ディヴィジョンの力を弱体化させることも期待できるだろう。
 倒すべきクロノヴェーダの名は、闘竜ヴァイカンコルド。
 向かう先は、歴史改竄が最終段階となり、不要な人類、そして抵抗を続けてきた過去のディアボロスたちも滅ぼされようとしている状態にある。
「そこで、殺されようとしているのは一人の……すごくかっこいい騎士のお兄さん。――そのひとは、アンゼリカちゃんに力を託した、過去の時代のディアボロスなんだ」
「……私?」
 真帆が告げた言葉に、アンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)が天光色の瞳を大きく瞬かせた。

「騎士のお兄さんと、ヴァイカンコルドは、最後の決着をつけようとしていた。でも、その戦いの前に、騎士さんはトループス級の襲撃を受けて……大切な人を護るために、瀕死の重傷を負ってしまった」
 パラドクストレインは、まさに騎士の青年とヴァイカンコルドが最後の戦いを始めようとしていた場の近くに停車する。
 だが、同時に、ヴァイカンコルドはパラドクストレインの侵入に気づくだろう。
「つまり、パラドクストレインが到着した時点で、ヴァイカンコルドはみんなのことを、“最優先でやっつけるべき謎の勢力”だと思って、攻撃を仕掛けてくるの。だから騎士のお兄さんや、傍にいるお姫さまがすぐに殺されてしまうことはないけれど……お兄さんは命に関わる大怪我をしているから、できるだけ早く決着をつけてほしい」
 クロノス級を撃破すれば、クロノス級が支配する歴史が崩壊するため、すぐに脱出する必要があるが――この戦いを終わらせることで、騎士の青年の命を救うことができるだろう。
「もちろん、それによってアンゼリカちゃんのディアボロスとしての力に、何か影響があるわけじゃないから、そこは安心してね」

 一通りの説明を終えた真帆は、ディアボロスたちをゆっくりと見やり、続ける。
「今から向かう先は、救えなかった過去。でも、みんなの力で、救うことができる。変えることが、できる。だから、どうか――」
 死の歴史を、覆して欲しい。真帆は静かにそう告げて、いってらっしゃい、とディアボロスたちを送り出した。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
6
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【未来予測】
1
周囲が、ディアボロスが通常の視界に加えて「効果LV×1秒」先までの未来を同時に見ることのできる世界に変わる。
【現の夢】
2
周囲に眠りを誘う歌声が流れ、通常の生物は全て夢現の状態となり、直近の「効果LV×1時間」までの現実に起きた現実を夢だと思い込む。
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【フライトドローン】
1
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【託されし願い】
2
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【勝利の凱歌】
3
周囲に、勇気を奮い起こす歌声が響き渡り、ディアボロスと一般人の心に勇気と希望が湧き上がる。効果LVが高ければ高い程、歌声は多くの人に届く。
【友達催眠】
1
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【隔離眼】
1
ディアボロスが、目視した「効果LV×100kg」までの物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)を安全な異空間に隔離可能になる。解除すると、物品は元の場所に戻る。
【泥濘の地】
2
周囲の地面または水面が泥濘に変わり、ディアボロスは指定した「飛行できない対象」の移動速度を「効果LV×10%」低下させられるようになる。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【光学迷彩】
2
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【断末魔動画】
1
原型の残った死体の周囲に、死ぬ直前の「効果LV×1分」に死者が見た情景が動画として表示される世界になる。この映像はディアボロスだけに見える。
【エイティーン】
1
周囲が、ディアボロスが18歳から「効果LV×6+18」歳までの、任意の年齢の姿に変身出来る世界に変わる。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【活性治癒】
3
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【建造物分解】
2
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【操作会得】
1
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。
【クリーニング】
2
周囲が清潔を望む世界となり、ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建造物や物品が、自動的に洗浄殺菌され、清潔な状態になる。
【建物復元】
2
周囲が破壊を拒む世界となり、ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の建造物が破壊されにくくなり、「効果LV日」以内に破壊された建物は家財なども含め破壊される前の状態に戻る。
【通信障害】
1
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。
【アイテムポケット】
1
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV3 / 【ダメージアップ】LV7 / 【ガードアップ】LV5 / 【凌駕率アップ】LV1 / 【反撃アップ】LV2 / 【アクティベイト】LV1 / 【リザレクション】LV1 / 【ラストリベンジ】LV1 / 【先行率アップ】LV3 / 【ドレイン】LV5(最大) / 【アヴォイド】LV1 / 【ダブル】LV3 / 【ロストエナジー】LV2 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

小鳥遊彩羽
 ご覧くださいましてありがとうございます、小鳥遊彩羽です。
 今回は、宿縁邂逅のシナリオをお届けします。
 舞台となるディヴィジョンは『幻想竜域キングアーサー』となります。

 ①→②→③での進行を想定していますが、①と②のクリアは必須ではありません。
 なお、①につきましては、いわゆる情報収集的な会話は行えません。あくまでも、宿敵に対する思いの丈をぶつける…などを目的とした選択肢です。
 また、クロノヴェーダとの会話ではなく、騎士の青年と姫君の安全を確保する的な感じのプレイングをかけていただいても大丈夫ですが、ヴァイカンコルドはパラドクストレインが現れた瞬間にこちらを最優先で排除すべき存在と認識するため、二人がすぐに殺されてしまうということはありません。

 以上となります。どうぞよろしくお願いいたします。
152

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


エレナ・バークリー
ただひたすらに力を求める求道者。まさにドラゴンですね。

確かに世の中、力があれば解決出来る事も多くあります。
ですが、より大きな力に直面したなら、そこでねじ伏せられてしまいます。
故に、力を求める事には終わりが無い。永遠に続く暗黒道です。
常在戦場の心持ちでは、孤独の中でやがて心がすり切れるでしょう。
そもそも、あなたはどうして強くなろうと思ったんですか?

私たちは、ひとりではあなたに及ばないかもしれませんが、心に愛を持っています。
愛する人と一緒に過ごす幸せは、再び立ち上がる力を与えてくれます。
その時にこそ、限界を超える力が生まれるんですよ。
それを、これから証明していきましょう。あなたを討滅することで。


アンゼリカ・レンブラント
これは予感だけど
騎士の青年は私と同じ顔立ち、
闘竜が反応したら堂々と宣言しよう

決着をつけたいなら、私達でお相手するよ!
私は君の宿敵そのものじゃない
けれど君の宿敵が大切にしたものを継ぎ、
友とそれを発展させた者だ

君が不確かだと、不要と断じたものが、
戦いに際する時どれほどの力を持つか
私たちが証明しよう

方法は勿論、闘うことで!
全ては強者との死闘の中で
そんな信念を拳に込めてきたんだろう?

騎士の青年と姫君には
安心するよう笑顔で声をかけよう
貴方にフられた闘竜は
私達できっちり決着をつけるね

犠牲になることより尚尊いのは
生きて笑顔を見せてあげること
これは今迄の戦いで友達に教えられたこと
だから、みんなで無事に勝つよ!


シル・ウィンディア
クロノヴェーダに話している間に、騎士さんと姫さんのところに駆けつけるよ
光の翼を展開してからの活性治癒で、少しでも怪我が治れば…。

容態を見て、意識が戻ったら声をかけるね
ね、大丈夫?立てるかな?
無理そうなら、肩を貸して立ち上がってもらうよ

その後、姫さんと一緒に安全なポイントまで下がってもらうね
…あなたの騎士様を傷つけたドラゴンを、今から撃ちに行くよ。
小さいからって、心配しないでね?

さて…
ドラゴンさん。
愛は不要なものじゃないよ
…尊くて、素敵で…
その人の元に帰ることを想ったら、限界なんて超えていくんだっ!
そのことを、今から証明してあげるっ!
さぁ、やりましょうか、ドラゴンさんっ!
愛の力、魅せてあげるっ!


白水・蛍
はて、覚えがある龍ですね。
貴方は私の事を覚えているでしょうか?
覚えてなくても良いですが。

愛とは何か。色々ありますが、大事な物です。
誰かと共に戦うのであれば必要な物です。
よくわからないという顔をしてますね。
分からないのならその身に刻んで帰るとよいでしょう。
共に生きる者がいる。共に生きる人がいる。
共に戦う者がいる。
呼吸を合わせて戦える仲間がいる事がいる事を。
その身にたっぷりと刻んであげます。


アンジェリーカ・リヴィンスキー
そこの騎士さん、応える必要はないわ、ただ聞いておきなさい。
貴方のその想いと、そして託した物は…こうやって貴方達自身の未来に繋がったわ!よくやったわね、後はウチらに任せておきなさい!

さて、アンタがヴァイカンコルドでいいのかしら?愛だとかそういうのが理解できないようだけど…まぁ、アンタにそれについて語ってもきっと理解は出来ないのでしょうね。
そりよりも、アンタには力で示す方が早いんじゃないかしら?
愛とかそういう想いが、そうやって託されたモノがどういう力を持つか…、これからアンタのその身にしっかり刻み込んであげるわ!


嵐柴・暁翔
俺にとっては戦いなんてのはただの手段であって目的じゃない
俺や俺の手が届く範囲の方々が平穏に生きていけるようにする為の選択肢の一つでしかないんだけどな
確かに不当な要求を跳ね除けるだけの力は必要だろうし戦うしかない状況というのもあるだろう
だけど戦えば敵味方合わせれば相当な量の金や時間や命を失う事になる
その失うものを別の事に使えれば何が出来るのかを考えれば浪費だとしか思えないな

……だけどそれは俺の考えでしかないし他の考え方もあるだろう
そこで倒れている騎士さんにしとってはそこの姫さんこそが戦う理由だったんだろうな
闘竜ヴァイカンコルド、貴方は戦いに何を求めている?
そして戦い続ける果てに何を見ているんだ?


 血溜まりの中に倒れたまま動かぬ騎士の青年へ――闘竜ヴァイカンコルドが振り上げた拳を叩きつけようとした、その時。
「――決着をつけたいなら、私たちでお相手するよ!」
 アンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)の堂々たる宣言が、戦場に響き渡った。
「あなたは……」
 騎士の青年の傍らにいた姫が驚いたように目を瞬かせ、仲間たちと共に現れたアンゼリカと青年とを見比べる。
 その、理由は――。
 過去に生きディアボロスとして散った騎士の青年と、その想いを受け取りディアボロスとしての力を得たアンゼリカ。
 二人の面差しが、瓜二つと言っても過言ではなかったからだ。
「……はて、覚えがある龍ですね。貴方は私のことを覚えているでしょうか?」
 ヴァイカンコルドの姿を怪訝そうに見やり、白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)は何気なく問う。
「ほう、我と相見えたことがあるのか。だが、それは“我”ではない」
 蛍にとっては、かつて竜の花嫁を悲劇の運命から救うために仲間たちと共に立ち向かった相手の一体が、この闘竜ヴァイカンコルドであった。
 だが、以前に蛍が戦ったアヴァタール級は、あくまでもクロノス級である眼前のヴァイカンコルドによって創り出されただけの別個体であり、記憶を共有しているわけではない。
「まあ、覚えてなくても良いですが。どのみちここで貴方を倒すことに変わりはないですし」
 淡々と紡ぐ蛍に、ヴァイカンコルドは嗤うように口の端を歪める。
 戦いとは、目的を遂行するための手段に過ぎず、それ自体が目的ではない。
 少なくとも嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)にとっては、そういうものだ。
 自分自身が、そして手が届く範囲にいる誰かが、平穏を脅かされることなく生きていけるように。
 そのような世界を作るために必要な手段――その選択肢のひとつでしかない。
「確かに不当な要求を跳ね除けるだけの力は必要だろうし、戦うしかない状況というのもあるだろう」
 だけど、と暁翔は続ける。
「戦えば、敵も味方も相当な量の金や時間や、そして、命を失うことになる」
 戦いによって、失われてしまうもの。
 それらを別のことに使えば、できることは数え切れぬほどあるだろう。
 そう考えれば――暁翔にとっての“戦い”とは、浪費でしかない。
「……でも、それは俺の考えでしかないし、他の考え方も当然あるだろう」
 言いながら、暁翔は倒れ伏す騎士と、傍らの姫とを見やり。
「そこの騎士さんにしとっては、姫さんこそが戦う理由だったんだろうな」
 そう、彼は――。
 姫を守るために、彼女が平穏に生きる世界のために、戦うことを選んだのだ。

 倒れたまま動けぬ騎士の青年の元へ、シル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)が駆けつける。
 アンゼリカとよく似た、否――同じとも言える面立ちの青年は、辛うじて息があるものの、死に瀕した状態であることは明らかだった。
 けれど、この戦いをこちらの勝利で終わらせることが出来さえすれば、青年はいずれディアボロスとしての力で再び立ち上がれるだろう。
 もっとも、戦いが終わった瞬間にクロノス級であるヴァイカンコルドが支配するこの領域は崩壊を始めるため、自分たちには彼の回復を待つ時間はおろか、言葉を交わすだけの間さえないのだが――。
「ね、大丈夫? 立てるかな?」
 シルは案じるように声をかけつつも、青年の容態から難しそうだと判断してすぐに肩を貸す。
 そうして姫を伴い、少し離れた場所へ連れて行こうと歩き出した。
「そこの騎士さん、応える必要はないわ、ただ聞いておきなさい」
 シルと共にこの場を離れゆく騎士の青年と姫へ、アンジェリーカ・リヴィンスキー(吸血鬼のダークハンター・g07564)が凛と告げる。
「貴方のその想いと、そして託したものは……こうやって貴方たち自身の未来に繋がったわ!」
 そう、アンゼリカに託された彼の想いが数多の縁を結び――こうして今、この地へと繋がったのだ。
 アンジェリーカ自身もまた、一人のディアボロスとしてアンゼリカと出逢い、そして今、こうして同じ戦場に立っている。
 すべては、彼が――抗えぬ運命に呑まれ果てたとしても、想いを、怒りを、残し――時を超えて託してくれたからこそ。
「よくやったわね、後はウチらに任せておきなさい!」
 そして、アンゼリカもまた、安心させるように笑顔で青年へ声をかけた。
「……貴方にフられた闘竜は、私たちできっちり決着をつけるね」
 アンゼリカとアンジェリーカ――よく似た響きの名を持つ二人は、青年と姫を庇うようにヴァイカンコルドへ向き直る。
 戦場の中心から離れた場所で青年を安静な状態にさせてから、シルは柔らかく微笑んで、姫へと告げた。
「……あなたの騎士様を傷つけたドラゴンを、今から撃ちに行くよ」
 シルの言葉に、姫は息を呑む。
 けれど、シルは彼女に不安を与えぬよう、にっこりと笑みを深めて。
「わたしたちは、騎士様と同じディアボロスだから。小さいからって、心配しないでね?」

 改めて、アンジェリーカは確かめるように切り出した。
「さて、アンタがヴァイカンコルドでいいのかしら?」
 自信に満ちた、強気な眼差しを受け止めながら、ヴァイカンコルドは如何にもと頷く。
「ただひたすらに力を求める求道者。まさにドラゴンですね」
 そう零したのはエレナ・バークリー(アブソリュートウィッシュ/エレメンタルキャヴァリエ・g00090)だ。
「確かに世の中、力があれば解決できることも多くあります。ですが、より大きな力に直面したなら、そこでねじ伏せられてしまいます」
 故に、力を求めることには終わりがないとエレナは続ける。
 永遠に続く、暗闇のような世界――自分が置かれている場所が常に戦場であるという心持ちでいては、孤独の中でやがて心が擦り切れるだろう。
 エレナはそう考えていたし、歴史を取り戻すために戦い続けているディアボロスは、きっとみな少なからずそうだろう。
 ゆえにディアボロスは日常を愛し、心安らげる場所で次なる戦いに向けての英気を養うのだ。
 ――だが、クロノヴェーダはどうだろうか。
「闘竜ヴァイカンコルド、貴方は戦いに何を求めている?」
 暁翔は真っ直ぐにヴァイカンコルドへ問いかける。
「そして、戦い続ける果てに――何を見ているんだ?」
「そもそも、あなたはどうして強くなろうと思ったんですか?」
 暁翔とエレナの問いを、ヴァイカンコルドは鼻で笑い飛ばした。
「答える必要もないということですか。まあいいでしょう」
 小さく息をつき、エレナは両手で剣を構えた。
 ――己との戦いよりも、愛する姫を守ることを選んだ騎士の青年。
 その心が理解出来ぬというヴァイカンコルドへ、ディアボロスたちは向き直る。
「愛とは何か。色々ありますが、大事な物です」
 それは、誰かと共に戦うのであれば必要なものだと蛍は語る。
「私たちは、ひとりではあなたに及ばないかもしれませんが、心に愛を持っています」
 蛍に続いてエレナが口を開いた。
「愛する人と一緒に過ごす幸せは、再び立ち上がる力を与えてくれます。その時にこそ、限界を超える力が生まれるんですよ」
「……よくわからないという顔をしてますね。分からないのなら、その身に刻んで帰るとよいでしょう」
「それを、これから証明していきましょう。あなたを討滅することで」
 蛍とエレナ――二人の言葉に、怪訝そうに眉間に皺を刻むヴァイカンコルド。
 わからないからこそ、青年の想いを理解することはこの闘竜には出来ず。
 そして、おそらくヴァイカンコルドは、理解する必要さえないと思っている。
 ディアボロスを――ひとりの人間を好敵手と認めたといっても、かの竜はクロノヴェーダだ。
 クロノヴェーダであるヴァイカンコルドにとっては、青年も、それ以外の歴史改竄に抗おうとする人間も、遅かれ早かれただ滅ぼすだけの脆弱な存在に過ぎない。
 それは、今こうして目の前にいるディアボロスとて、同じだろう。
 けれど、だからこそ。ディアボロスたちは己が想いを、あるがままに紡ぐ。
「共に生きる者がいる。共に生きる人がいる。共に戦う者がいる。呼吸を合わせて戦える仲間がいることを。その身にたっぷりと刻んであげます」
 そうして得物を構えた蛍に、アンジェリーカが続いた。
「アンタは愛だとかそういうのが理解できないようだけど……まぁ、アンタにそれについて語ってもきっと理解はできないのでしょうね」
 それよりも、とアンジェリーカは不敵な笑みを浮かべて。
「アンタには、力で示す方が早いんじゃないかしら?」
 言いながら構えるのは、白金に煌めく超重量の大剣。
「愛とかそういう想いが、そうやって託されたモノがどういう力を持つか……これからアンタのその身にしっかり刻み込んであげるわ!」
 程なく戻ってきたシルは、アンゼリカの隣に並び立つ。
「ドラゴンさん。愛は不要なものじゃないよ。……尊くて、素敵で。その人の元に帰ることを想ったら、限界なんて超えていくんだっ! そのことを、今から証明してあげるっ!」
 シルの言葉に、アンゼリカは力強く頷きながら。
「私は君の宿敵そのものじゃない。けれど君の宿敵が大切にしたものを継ぎ、友とそれを発展させた者だ」
 真っ直ぐにヴァイカンコルドを見つめ、胸に灯る想いを言葉に変える。
 きっと、これは――自分だけの想いではない。
「君が不確かだと、不要と断じたものが、戦いに際する時どれほどの力を持つか。――私たちが闘いで証明しよう。君も、全ては強者との死闘の中で、そんな信念を拳に込めてきたんだろう?」
 騎士と似た面差しの少女は、臆することなく笑って紡いだ。
 ――犠牲になることより尚尊いのは、生きて笑顔を見せてあげること。
 今までの戦いで友に教えられた想いを胸に、アンゼリカは真っ向から闘竜ヴァイカンコルドと対峙する。
「さぁ、やりましょうか、ドラゴンさんっ! ――愛の力、魅せてあげるっ!」
「――だから、みんなで無事に勝つよ!」
 シルが剣を抜くと同時、アンゼリカは拳を構えた。
「ならば見せてもらおう。お前たちが、我と拳を交えるに相応しき力を持つかをな!」
 闘竜ヴァイカンコルドの、咆哮にも似た声と共に。
 ディアボロスたちの前に、竜鱗兵が姿を見せた。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【託されし願い】LV1が発生!
【飛翔】LV2が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
【ガードアップ】LV2が発生!

咲樂・祇伐
【黒華】

竜と騎士と姫の姿
酷くこころが騒ぐ
千景さん
胸が痛いくらいに
…こんな過去があった気がする
朧気な絲を辿り偽りの意図が暴かれるよう

甘えていられるなら
そうありたい
許されているようで安らげて
知らぬ振りをしていられるなら

自嘲の笑みもあなたは受け入れてくれるかしら
…例え重ねるならば
竜は私
倒れる騎士は兄
姫は姉

私には痛みすら感じる資格など無いの

それでも私はあなたの隣を歩んでいけるかしら
あなたが厭う竜と私は何ら変わらない
なのに私を桜、だと絆いでくれる
隣で咲く桜でいられたならば

そうね
ヴァイカンコルド
愛は不確かなもの
されどひとを動かす、唯一確かなもの
痛い程にしっている

夢の現に惑えども
あなたは私を迎えて下さるのね


紫空・千景
【黒華】

祇伐、あんたは騎士の愛と姫の想いが解るか?

甘えていて良いと私が云った
私達は拠り所と謂う名の揺り籠だから
許してるよ、私はあんたの凡て受け入れると告げた
自嘲の笑みさえも受け入れて

資格すら無いと思う其の心を、何れ聞きたいのだと
あんたを深く知りたい気持ちは届くだろうか

祇伐は私の――唯一の桜だ
仮にあんたが悪しき竜なら私は竜の騎士にもなろう
隣を歩く、歩いて欲しい
知らぬ振りだけの揺り籠は停滞
だから私は進むと決めたんだ
命賭そうとも
祇伐、あんたと

ヴァイカンコルド
時に人は見つけるぞ
力より何より大切な物を
愛は不確か、其れは同意だ
だが想いひとつとて貴様の心臓を穿つ一矢にもなる

祇伐、夢が醒めても
私は“隣に居る”


「祇伐、あんたは騎士の愛と姫の想いが解るか?」
 紫空・千景(暁の切り札・g01765)は何気なく、傍らへ問う。
「千景さん……」
 ――竜と騎士、そして、姫の姿。
 目の前に広がる光景に、酷くこころが騒ぐ気配を、咲樂・祇伐(花祇ノ櫻禍・g00791)は感じていた。
「……こんな過去が、あった気がするの」
 朧気な絲を辿り、偽りの意図が暴かれてゆくようで。
 胸裡が痛いと、叫んでいる。
「甘えていて良いと、そう云ったのは私だ」
 互いに、拠り所という名の揺り籠だから。
 迷いなく千景がそう紡ぐのに、祇伐は柘榴の瞳に深い憂いを灯す。
(「……甘えていられるなら、」)
 安らぎに甘え、許されたような心地になって。――知らぬ振りをしていられるなら。
 そうありたいと、思わずにはいられない。
 笑おうとして、上手く笑えない自覚はあった。
 自嘲めいたそれも、きっと彼女は受け入れてくれるのだろう。
 笑みを象ろうとしたぎこちない眼差しを、些か躊躇いがちに向ければ、千景は、祇伐のそれを真っ直ぐに受け止めて。
「……私は、あんたの凡て受け入れると告げた」
 たとえ、過去がどのような澱みに満ちていようとも。
 すべてを受け入れ、そして、許す――と。
 夜明けの双眸は、少しの曇りもなくそう告げていた。
「……例え重ねるならば。竜は私、倒れた騎士は兄、そして、姫は姉」
 昏く澱む過去が、朧気な輪郭となって浮かび上がるよう。
(「そう、私は……」)
 きっと二人を、この手で。
 ――だから。
「私には、痛みすら感じる資格など無いの」
 今にも壊れてしまいそうな、か細い声でそう零して。
 祇伐は揺らぐ柘榴の瞳で、千景を見やる。
「あなたが厭う竜と、私は何ら変わらない。……それでも、私はあなたの隣を歩んでいけるかしら」
 千景の答えは、聴かずともわかるような気がした。
「祇伐は私の――唯一の桜だ」
 そして、その通りに紡がれた音に、祇伐はこころを震わせる。
 桜だと、他の誰でもない祇伐に絆いでくれる――。
(「あなたの隣で咲く桜で、いられたならば」)
「仮にあんたが悪しき竜なら、私は竜の騎士にもなろう」
 知らぬふりだけの揺り籠は、停滞。
 それがどんなに優しくて、居心地の良い場所だったとしても。
「私は進むと決めたんだ。命賭そうとも、――祇伐、あんたと」
 たとえ祇伐が“そう”であろうとも――千景は、隣を歩きたいと想うし、歩いて欲しいと願うから。
 繋ぎ紡いできた絆はきっと、そう容易く壊れはしない。
(「……いつか」)
 資格すら無いと、そう紡ぐ彼女の心を、何れ聞きたいのだと。
(「あんたを深く知りたいと思うこの気持ちは、届くだろうか」)
 眼前に現れた配下の竜鱗兵たちを射抜くように見つめ、それから、千景は同じように闘竜ヴァイカンコルドを見やる。
「ヴァイカンコルド。時に人は見つけるぞ。力より何より、――大切な物を」
「ほう……?」
 口の端を歪めるヴァイカンコルドに、千景はなおも、淡々と言葉を紡ぐ。
「愛は不確か、其れは同意だ。だが想いひとつとて、貴様の心臓を穿つ一矢にもなる」
 千景の言葉に、祇伐もそうね、と深く頷いた。
「愛は不確かなもの。されど、ひとを動かす、唯一確かなものよ」
 祇伐は、そのことを痛いほどに知っている。
 注がれた数多の愛があってこそ、祇伐は――祇伐として、此処にいるのだから。
「――祇伐、」
 そうして、今一度。
 千景はただひとりの桜の名を紡ぎ、柘榴の双眸に己の姿を映して。
「夢が醒めても、私は――あんたの“隣に居る”」
 そう、誓いを籠めて紡がれた確かな言の葉に。
「……夢の現に惑えども、あなたは私を迎えて下さるのね」
 祇伐は今にも泣き出しそうなほどに淡く――微笑んだ。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【現の夢】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!

メルキディア・セデクリエル
天使の騎兵隊、援護に到着! なんてね。
お待たせアンゼリカさん、露払いは任せて。

竜鱗兵の突撃はどんな時でも厄介だけど、今回は先駆けて足止めしていきましょうか。皆、出番よ!
そう言ってシェキルザッパーとキャノンオブシェキナーを合体させて召喚陣を展開。
モンスの天使達と一緒に光の矢を装填して一斉射させてもらうわ。さあ、矢衾になりたい奴からかかってきなさい!

同時攻撃である以上反撃は必至だけど、念動力制御のシルトガーレで武器を受け流す。
自動で矢が装填されるからそのまま零距離撃ちよ。

他のクロノヴェーダにも言ったけどね。力とは守るものがあればこそ限界を越えられる。
暴力でしかないその力で倒せるとは思わない事ね!


一里塚・燐寧
アドリブ連携歓迎

さーて、荒事タイムになったからあたしもお邪魔しちゃうよ~
力って言ってもあたしのは大したもんじゃないけど、ま、ポップコーンでもつまみながら見ててよぉ

《テンペスト・レイザー》を携えて敵に接近
相手が動き出すより先に『屠竜技:散華乱刃斬』でいきなり襲いかかるねぇ
踏み込みからの神速の一閃が、一陣の鎌鼬を巻き起こして周囲の敵ごと標的を引き裂き
そのまま骨を断って斬り抜け、敵の背後に【一撃離脱】
そんな一連の動きを、目にも止まらぬ【早業】で繰り出すねぇ
んふふ。強さを確かめたいのに、どこ見ればいいかわかんなかったかなぁ?

生き残りが反撃仕掛けてきたら
【飛翔】で避けたり、得物を盾代わりにガードするねぇ


アンジェリーカ・リヴィンスキー
力を見せろ、ね…残念ながらそれは叶わないと思うわよ。
だってこれぐらいの相手、ウチらなら準備運動ぐらいにしかならないわ!

こういう戦闘なら考えるのは無し、先手必勝とばかりに突撃して…ガイアブレイクをぶっ放すわよ!
そのまま【泥濘の地】で機動力を奪って、パラドクスを使った際に一緒に砂埃や粉塵でも巻き上げて視界奪ってやれば…こっちの【完全視界】と合わせて相手の攻撃を回避したり防御したりする成功率はかなり上がるはずよ!

ウチはそのまま粉塵の中に突撃して道を切り開くように戦うわ!
味方の隙を突こうと動く相手…特にアンゼリカを狙う相手を優先的に邪魔していくわよ!
アンタらに、アンゼリカの邪魔はさせないわ!


天破星・巴
アドリブ連携歓迎

力無き正義は無力
正義無き力は暴力
力と心揃ってこそ意味があるのじゃ
元の歴史では騎士は亡くなってしまったが意味は有ったようじゃ
アンゼリカ殿が築いた絆によって集った仲間達を一瞥

騎士をディフェンス
活性治癒を騎士に使い
怪我わ観察し応急処置
治療しつつ周囲の警戒は怠らない
竜鱗兵がやって来たら外見は変化していないが全身を強化する鬼神変の改良版を使っているので振り下ろし攻撃を素手で受け止め手刀の斬撃で攻撃

髪の毛のお団子を解くと現れるのは鬼の角、後方支援要員では無く近接戦闘を得意としている相手に竜鱗兵は油断して襲い掛かっていたのだ


 同胞たるアンゼリカの宿縁との決着に、駆けつけた多くの仲間たち。
「天使の騎兵隊、援護に到着! なんてね」
 メルキディア・セデクリエル(閃機術士のエンジェリアン・g03132)は晴れやかに笑う。
「お待たせアンゼリカさん、露払いは任せて」
 ウィンクひとつ、笑顔で天光色の瞳の少女へ告げ、メルキディアは眼前の竜鱗兵たちへと向き直る。
「力無き正義は無力、正義無き力は暴力。力と心、双方が揃ってこそ意味があるのじゃ」
 朗々と紡ぎながら、天破星・巴(反逆鬼・g01709)は共に戦う仲間たちを一瞥した。
 誰もがアンゼリカが紡いだ絆によって集った仲間たちであり、無論、巴もその一人。
 アンゼリカへと力を託した騎士の青年は、クロノヴェーダによって斃されてしまったけれど、そのことにも意味はあったという――何よりの証だ。
 そして、件の騎士の青年は姫と共に離れた場所への退避を終えており、この場にいる全員が竜鱗兵と、そしてその後に控えている闘竜ヴァイカンコルドとの戦いに集中できる状況にある。
「力を見せろ、ね……残念ながらそれは叶わないと思うわよ」
 一点の曇りもない、自信に満ちた笑みを浮かべながら、アンジェリーカ・リヴィンスキー(吸血鬼のダークハンター・g07564)は白金の大剣を閃かせる。
「だってこれぐらいの相手、ウチらなら準備運動ぐらいにしかならないわ!」
 こういう戦闘ならば、難しく考える必要もないだろう。
 何故なら、目の前の敵を倒せばいい――ただそれだけなのだから。
「いくわよ!」
 先手必勝とばかりに地を蹴ったアンジェリーカは、魔力を纏わせた超重量の大剣を渾身の力を籠めて地面に叩きつける。
「憤慨せし大地の咆哮! 喰らいなさい!」
 凄まじい轟音と共に砕ける大地。膨れ上がるように爆ぜた衝撃が忽ちの内に竜鱗兵たちを呑み込んで、大量の砂埃や粉塵を巻き上げていく。
「アンタらに、アンゼリカの邪魔はさせないわ!」
 同時に泥濘んだ地に足を取られながらも振るわれる反撃の殴打をアンジェリーカは軽やかに飛び越えると、そのまま道を切り拓かんと敵陣の只中に飛び込んでいった。
「さーて、荒事タイムになったからあたしもお邪魔しちゃうよ~」
 一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は暢気な笑みを浮かべつつ、アンジェリーカに続き悠然と一歩踏み出した。
「力って言ってもあたしのは大したもんじゃないけど、ま、ポップコーンでもつまみながら見ててよぉ」
 手には華奢な体躯には似つかわしくない鎖鋸大剣――テンペスト・レイザー。
 竜鱗兵たちが動き出すよりも先に、燐寧は踏み込んでいた。
 刹那、振り抜かれた神速の一閃が、一陣の鎌鼬となって竜鱗兵たちに襲いかかる。
 それは撃竜騎士の狩猟技術の粋たる屠竜技のひとつ、散華乱刃斬(スレイヤーアーツ・ビターブロッサム)。
 燐寧はこの一閃に“拒絶”の呪詛を絡めることで自身を弾き飛ばしての超加速を絡め、そのまま骨を断って斬り抜けた。
 目にも留まらぬ早業で繰り出された、一連の動き。
 振り向けば真っ二つになって崩れ落ちた竜鱗兵が、血飛沫を上げながら四散する。
 辛うじて命を繋ぎ止めた竜鱗兵がすかさず燐寧を叩き潰そうと迫るが――。
「呪詛なら負けないよぉ~」
 竜の悪意と呪詛が籠められた一撃を燐寧は得物を盾代わりに防いで、再び鮮血の花を咲かせていった。
「んふふ。強さを確かめたいのに、どこ見ればいいかわかんなかったかなぁ?」
 燐寧はにっこりと笑みを深め、そうして軽々とテンペスト・レイザーを持ち直す。
「美しい“剣”捌きね、燐寧。ウチも負けてられないわ!」
「アンジェリーカちゃんの戦い方もカッコいいよぉ~。んふふ、どっちが多く倒せるか、競争しちゃう?」
 なんて言葉を交わしつつ、華麗な大立ち回りを演じるアンジェリーカと燐寧に群がる竜鱗兵たちを見やり、メルキディアは大型拳銃型の銃閃機シェキルザッパーとビームキャノン型の砲閃機キャノンオブシェキナー――二つの閃機を合わせてクロスボウ形態へと変形させる。
 彼らの力任せの突撃は、どんな時でも厄介。
 だが、今回はこちらも多くの同胞たちが一同に介している状況であり、先駆けて足止めをする機も十分に見出だせている。
 ――今こそが、その時だ。
「皆、出番よ! 全部撃ち払っちゃって!」
 同時に召喚陣を展開させれば、メルキディアの周囲にはたくさんのモンスの天使たちが現れた。
「さあ、矢衾になりたい奴からかかってきなさい!」
 高らかに声を上げ、モンスの天使たちと共に一斉に光の矢を放つメルキディア。
 降り注ぐ光の雨に射たれながらも、持ち堪えた竜鱗兵たちはメルキディアへ狙いを切り替え、突進してくる。
 けれどメルキディアは動じることなく天使の輪を思わせる輪閃機シルトガーレを放ち、これを念動力で制御しながら反撃を受け流した。
 衝撃が鈍く響くが、動けぬほどではない。
 そうして、間近に迫った竜鱗兵へメルキディアはにっこりと笑って。
「零距離からの光、存分に味わって!」
 すかさず、天使たちと共に再び光の矢を見舞い――今度こそ撃ち倒すのだった。
 砂埃と粉塵が舞い、鮮血の花が散って――光の矢が降り注ぐ中。
 鋭く視線を巡らせた竜鱗兵の一体が巴に狙いを定めたその時、巴は、既にパラドクスを発動させていた。
 鬼の血によって腕を異形巨大化させるパラドクス、鬼神変を改良した――鬼神変改『封鬼殺』。
 これにより外見の変化こそないものの、巴の全身には力が漲っていて。
 振るわれた無骨な棍棒を華奢な腕で往なし、巴は手刀で一撃の元に竜鱗兵を斬り伏せる。
「いたいけな見目とて侮らぬことじゃ」
 髪のお団子を解き、隠されていた水晶のような鬼の角を露わにしながら、巴はゆるりと微笑んだ。
 前線で思う存分に力を奮うアンジェリーカと燐寧、そして巴に翻弄されるばかりの竜鱗兵たちを、メルキディアは的確に光の矢で射ち貫いていく。
「他のクロノヴェーダにも言ったけどね。力とは守るものがあればこそ限界を越えられるのよ」
 竜鱗兵の群れへ、そして、後方に控える闘竜ヴァイカンコルドにも向けて、メルキディアは高らかに告げた。
「――暴力でしかないその力で倒せるとは、思わないことね!」
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【操作会得】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ダブル】がLV2になった!
【先行率アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!

エレナ・バークリー
竜鱗兵のお出ましですか。それではアンゼリカさんの露払いといきましょう!

あなた方はそのむき出しの暴力で随分暴れてきたんでしょうね。暴力を向けられる側のことを思ったことはありますか?
その一端をお見せしましょう。
「全力魔法」「闇使い」で『果て無き深淵足る黙示の天啓』を発動し、視界を闇で遮って「攪乱」し、「殺気」を飛ばして恐怖の体験をしてもらいましょう。
死の疑似体験はいかがですか?

これで殺しきれはしませんね。【完全視界】で闇を見通し、【未来予測】で竜鱗兵の挙動を先読みしながら、クレイモアに「闇使い」からの「精神攻撃」を乗せて、「強打」「斬撃」「薙ぎ払い」で討滅していきます。

さあ、後はあなただけですよ!


白水・蛍
アドリブ/連携○

さてと、実力をお見せしましょう。
≪神鳴の杖≫を抜いて、敵に殴りかかりましょう。
その際に<演奏・火炎使い・氷雪使い>で殴る事で追加効果を狙います。
そして、機を見て【喚降英雄再演】を使用。
槍術の達人をこの身に降ろしてその一撃を再現いたします。
そんなに暴れても無駄、ですわよ!
私はあなた達を倒します。

此処は前哨戦にすぎません。本命は、この後ですわ。


イザーリン・モノリスハイト
アドリブ、連携◯

根には根を、歯には歯を、数には数を、クロノヴェータには死をですね!とっとと蜂の巣にしてあの筋肉ゴリラに一泡吹かせてやりましょー!

明らかに地上戦特化の敵が多いですねぇ。なら遠慮なく空から攻めましょうか!
【飛翔】で敵の攻撃が届かない位置まで飛び上がって飛行し、攻撃を交わしながら隙を付いて反撃を入れる。なるべく多くの敵に弾丸を当て、なるべく敵の体力を削るように攻撃する。
武装棺の一斉掃射を御見舞いしてやります!

標的ロックオン、ブラックレイヴン第十五番リミッター解放。ガトリング全砲門、開錠。最終セーフティ解除…全弾御見舞いして殺るのです!!対クロノヴェータ120㎜弾、一斉掃射開始!


 闘竜ヴァイカンコルドの声に応え、配下の突撃竜鱗兵たちが姿を見せる。
「竜鱗兵のお出ましですか。それでは、アンゼリカさんの露払いといきましょう!」
 勇ましい声と共に、エレナ・バークリー(アブソリュートウィッシュ/エレメンタルキャヴァリエ・g00090)は無骨なクレイモアを両手で構え。
「根には根を、歯には歯を、数には数を、クロノヴェータには死をですね!」
 薄っすらと笑みを浮かべ、イザーリン・モノリスハイト(ブラック・ジャンク・レイヴン・g07500)は背負った巨大な棺桶を楽しげに揺らし。
「とっとと蜂の巣にしてあの筋肉ゴリラに一泡吹かせてやりましょー!」
 意気揚々と高らかに、そう、声を上げた。
 ディアボロスの闘気に触発されたかのように、鬨の声を上げながら一心不乱に突貫してくる竜鱗兵たち。
「さて、お望み通り実力をお見せしましょうか」
 白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)は神鳴の錫杖を手に、竜鱗兵へと殴りかかる。
「――我が声に応えて降りよ。我は、その御業を再現する者なり!」
 錫杖を振るえばしゃらりと鈴のような音が響いて。
 蛍はその澄んだ音に、炎と氷雪、そして古の英雄を称える旋律を重ねていく。
「そんなに暴れても無駄、ですわよ! 私は、あなたたちを倒します!」
 喚降英雄再演――パラドクスにより槍術の達人の御業を己が身に降ろした蛍は、錫杖をさながら槍の如く巧みに操って、竜鱗兵の心臓を深々と穿った。
 瞬く間に命を貫かれ、武器を掲げながらも反撃に至ることなく崩れ落ちる竜鱗兵。
 だが、次から次へと竜鱗兵たちは現れ、気づけばこちらをぐるりと取り囲んでいた。
「明らかに地上戦特化の敵が多いですねぇ。なら遠慮なく空から攻めましょうか!」
 敵は地上戦に特化していると悟り、得意の空中戦を仕掛けるべく空へと舞い上がるイザーリン。
「標的ロックオン、ブラックレイヴン第十五番リミッター解放……ガトリング全砲門、開錠」
 背負った巨大な棺桶から機銃を展開させながら、イザーリンは地上に群がる数多の竜鱗兵たちに狙いを定め――。
「最終セーフティ解除……全弾御見舞いして殺るのです!! ――対クロノヴェータ120㎜弾、一斉掃射開始!」
 機銃と四丁の拳銃から銃弾を放ち、全方位から無限の弾丸を叩き込む。
 攻撃の後、空間が歪んだような感覚に目を瞠った次の瞬間、イザーリンを襲ったのは痛烈な殴打の衝撃。
 時間と空間、そして世界法則までもを書き換えながら行われる“逆説連鎖戦”においては、ただ飛翔しているからといって地上からのあらゆる攻撃を無条件に防げるわけではなく、時として反撃の手が空間を超えて及ぶこともある。
 けれど体内速度を極限突破させていたことにより咄嗟に致命傷を避け、辛うじて意識を繋ぎ止めたイザーリンは、へへ、と僅かに笑みを歪ませながら再び照準を合わせて。
「――穴だらけにしてやるです!」
 そうして再度、武装棺の一斉掃射――無慈悲な弾丸の雨を見舞うのであった。
「あなた方はその剥き出しの暴力で随分暴れてきたんでしょうね。暴力を向けられる側のことを思ったことはありますか?」
 その一端をお見せしましょう――静かにそう告げたエレナは、竜鱗兵たちの視界を遮る闇黒の領域を生み出した。
「生命ある者共よ、闇を恐れよ。心閉ざす無明の闇は、常に汝らと共にある――」
 果て無き深淵たる黙示の天啓。対象が持つ負の感情を暴走させることで擬似的な死の瞬間を味わわせ、抵抗の意思を失わせるという、エレナのパラドクスだ。
「……死の疑似体験はいかがですか?」
 研ぎ澄まされた殺気を込めた“闇”に覆われた竜鱗兵たちは、ほんの一瞬動きを止め、苦悶に満ちた表情を見せる。
 だが次の瞬間には、竜鱗兵たちは牙を剥き、それぞれの得物を掲げながらエレナへと迫ってきた。
「やはり、これで殺しきれはしませんね」
 とは言えがむしゃらに武器を振り回す竜鱗兵たちの動きを読むことは難しくはなく。
 エレナは冷静に彼らの動きを先読みしながらクレイモアを叩きつけるように振るい、その心ごと打ち砕かんばかりの勢いで薙ぎ払っていく。
 地上からはエレナと蛍が、そして、上空からはイザーリンが。
 凄まじい勢いで、竜鱗兵たちを次々に倒していく。
「余所見をしている暇はありませんわよ!」
 蛍は振り下ろされた得物を杖の先で弾き返すように往なすと、音の魔力を増幅させながら次々に炎と氷雪を纏う華麗な槍の一撃を繰り出した。
「此処は前哨戦にすぎません。――本命は、この後ですわ」
 高く結い上げた艶やかな黒髪を風に靡かせ、戦場を舞う戦姫の如く駆けながら凛と叫ぶ蛍。
「闘竜ヴァイカンコルド。あなたの番は、もうすぐですよ!」
 襲い来る竜鱗兵を一人、また一人と討滅しながら、エレナもまた闘竜ヴァイカンコルドへ宣戦布告のように告げるのだった。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【未来予測】LV1が発生!
【勝利の凱歌】がLV2になった!
【飛翔】がLV3になった!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【ガードアップ】がLV3になった!
【命中アップ】LV1が発生!

弔焼月・咲菜
アドリブ・連携歓迎

出やがったかイカレ野郎共…。殴る事しか脳のない奴等が、存外にでかい口を叩くじゃないか。…来いよ。潰される恐怖って奴をその身に徹底的に叩き込んでやる。

見えなきゃ突っ込んで来ようがないよなぁ?【光学迷彩】を発動させ、敵から姿を把握させ難くしておく。隙を作る程度の役には立つだろう。パイルバンカーと体術で攻撃を行い、妖刀は…雑魚ごときに使う物でもないのさ。

ヒットアンドアウェイで一体づつ殴り殺し、常に視覚外から奇襲する。一番近い奴、または手負いで倒れそうな奴から優先。こんだけ数がいるんだ。雑に殺らないとやってられねぇっての。

殺しているんだ。殺されもするさ。なあ…ボンクラな蜥蜴さん達よ。


シャムス・ライラ
仲間と情報共有、連携

力を示せということか
戦いを業とする者なら分かりやすい表現ではある
では、望みどおりに

敵の得手は武器攻撃、近接戦か
ならば
星の銀で無数の盾を生成、展開して仲間達の防御を
盾で敵を区切るようにして分散させつつ
仲間が1対多数で戦うのを防ぐ
敵の攻撃は盾で押し返して一撃離脱
間合いを取りつつ、隙を作って仲間の攻撃に繋げよう
さら近くの仲間と相互ディフェンス
守りを堅固に

敵の数が減ってきたら盾を攻撃にまわし
仲間と狙いを合わせシールドバッシュ
一体ずつ確実に倒していこう

絆こそが我らの強さの大元
良く分かっていただけただろうか

さあ、これで道は開けた
アンゼリカ殿、存分に戦われるが良いでしょう

アドリブ等歓迎


飛鳥・遊里
力こそが正義か…。結構、ならより強い力に負けるのは本望だよな?安心しろ、お前ら全員きっちり地獄送りだ

【ケルベロスブレイド】起動。【マルチウェポンデバイス】がとるカタチは、鎖…重力の鎖だ。クローアンカー付きのな

【泥濘の地】で足元をさらに不安定なものに変え、連中の機動力を奪い、重力の鎖…グラビティチェインで攻撃する

時にはチェインを巻き付けて締め上げ轢断、時にはクローアンカーを食らいつかせ、そのまま振り回して地面に叩きつける。逃げようとした奴は絡めとり、前線みんなの所に放り投げておく。なんせ数が多いしな、みんなで手際よく片付けていこう

地獄の番剣を相手にして、進むことも戻ることも出来ると思わないことだ


嵐柴・暁翔
まずは小手調べって所か
こういう小細工抜きで正面から力押しでくるのって分かり易くて良いな
……上からは試金石というか、はっきり言ってしまえば捨て駒扱いされている竜鱗兵の方々はどう思っているのかは知らないけど…

《贋作者》で重火器を作り出し、突っ込んでくる竜鱗兵の方々をまずは弾丸の雨で盛大に歓迎します
特に複数でくる竜鱗兵には敢えて攻撃を偏らせたり【飛翔】で飛んで攪乱したりして相手の足並みを乱していきます

上の性格を考えれば竜鱗兵同士で連携するという発想自体があるのかは分からないけど、多数の相手と同時に戦うのは危険なので相手を分断して、俺以外の方々も含めて出来るだけ少数の相手とだけ戦えるようにしておきます


「出やがったかイカレ野郎共……殴ることしか脳のない奴等が、存外にでかい口を叩くじゃないか」
 弔焼月・咲菜(葬不送動の報復者・g01723)は薄く笑みを浮かべ、血の赤に似た彩の双眸で吐き捨てる。
「……来いよ。潰される恐怖って奴を、その身に徹底的に叩き込んでやる」
 尚も挑発するように続ける咲菜。
 竜鱗兵たちはというと、こちらの言葉を理解するくらいの頭はあるようで、見る間に表情に怒りが満ちていくのがわかった。
「まずは小手調べって所か。こういう小細工抜きで正面から力押しでくるのって分かり易くて良いな」
 嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)は小さく頷き、襲い来る竜鱗兵たちを見やる。
 目の前に現れた竜鱗兵たちは、ヴァイカンコルドからすれば試金石どころかただの“捨て駒”にすぎないだろう。
 それを、当の竜鱗兵たちがどう思っているのかは暁翔にはわからない。
 だが――内心でどう思っていようとも、彼らは“歴史侵略者(クロノヴェーダ)”。
 倒さねばならぬ“敵”であることに、変わりはない。
「力こそが正義か……結構、ならより強い力に負けるのは本望だよな?」
 まさに一触触発の状況をどこか楽しんでいるかのように、飛鳥・遊里(リサイクラー・g00512)は強気な笑みを浮かべて続く。
「……力を示せということか」
 それは、戦いを業とする者なら実に“分かりやすい”表現だろう。
「では、望みどおりに」
 口元に微かな笑みを浮かべながら、シャムス・ライラ(極夜・g04075)は悠然と構えて告げる。
「見えなきゃ突っ込んで来ようがないよなぁ?」
 光学迷彩に紛れ姿を眩まながら真っ先に踏み込んだ咲菜は、僅か一瞬狼狽えた竜鱗兵たちの背後へ音もなく回り込み、全身に侵食させた呪いを恨みの刃に変えてパイルバンカーの杭と共に至近距離から打ち込んだ。
 すかさず頭を狙って振るわれた得物を拳で打ち返し、衝撃ごと返すように再び呪いの刃を踊らせて。
「刀は……雑魚ごときに使う物ではないさ」
 背に帯びた太刀には指先一つ触れることなく、咲菜はパイルバンカーと体術を用いて淡々と竜鱗兵たちを“処理”していく。
 咲菜と竜鱗兵の真っ向からの打ち合いを見て、竜鱗兵たちの主な攻撃は武器によるものであり、近接戦が得意だと判断したシャムスは、すぐさま手の中に不思議な金属を出現させた。
「――星の加護を」
 金属は煌めく銀色の盾となり、こちらを守ると同時に敵を分断する壁となって展開する。
 同時に振るわれた竜鱗兵の無骨な骨棍棒――叩きつけられたそれをシャムスは盾で押し返すように弾き、すぐに距離を取った。
 衝撃こそ辛うじて受け流すことは出来たが、膨れ上がった呪詛に籠められた悪意は決して心地の良いものではない。
 竜鱗兵たちは別段、統率の取れた動きをしているようには見えなかったが、何分数が多い。
 ゆえに、暁翔はシャムスと同様に、なるべく分断して少数を相手取れるようにと考えた。
「投影――」
 力ある言の葉を紡ぐと同時、暁翔の手には重火器が握り締められていた。
 得物を掲げ、あるいは振り回しながら突撃してくる竜鱗兵たちを、暁翔はパラドクスの弾幕で迎え撃つ。
 数が多くとも、それだけ“的”が多いということに変わりはなく。
 一心不乱に大暴れする竜鱗兵たちの頭上を飛び越えるように飛翔しながら、暁翔はさらに弾丸の雨を降らせていく。
「安心しろ、お前ら全員きっちり地獄送りだ。――グラビティコントロール、アクティブ!」
 巨大可変武装システムであるマルチウェポンデバイスをクローアンカー付きの重力の鎖――グラビティチェインに変えて、遊里は次々に竜鱗兵たちを捕らえ。
 巻き付けた鎖でそのまま締め上げて轢断し、あるいはクローアンカーを喰らいつかせて振り回し、地面に叩きつける。
 あるいは叩きつけるでなく、そのまま前線へと放り投げれば――。
 それをシャムスが銀の盾で弾き飛ばし、咲菜が繰り出したパイルバンカーの杭が深々と突き刺さった。
(「……こんだけ数がいるんだ。雑に殺らないとやってられねぇっての」)
 胸中で零しつつ、咲菜はヒットアンドアウェイで常に死角から――手近な、あるいは手負いの竜鱗兵から優先して倒していた。
 次第に竜鱗兵たちの数が減ってきているのを見て、守りを固めていたシャムスも積極的な攻勢に転じ、皆で手際よく片付けていく。
「地獄の番剣を相手にして、進むことも戻ることも出来ると思わないことだ」
 遊里がそう吐き捨てる傍らで。
「殺しているんだ。殺されもするさ。なあ……ボンクラな蜥蜴さんたちよ」
 為す術もなく倒れていく竜鱗兵たちを前に、咲菜は薄く笑う。
「絆こそが我らの強さの大元。良く分かっていただけただろうか?」
 闘竜ヴァイカンコルドへ向けて、シャムスは悠揚たる物腰で告げながら――。
(「アンゼリカ殿、存分に戦われるが良いでしょう」)
 ヴァイカンコルドへと続く道を開くために、しろがねの盾を閃かせた。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【光学迷彩】がLV2になった!
【フライトドローン】LV1が発生!
【泥濘の地】がLV2になった!
【飛翔】がLV4になった!
効果2【ダブル】がLV3になった!
【先行率アップ】がLV2になった!
【アクティベイト】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV4になった!

紫空・千景
【黒華】

――祇伐
私はまだ、あんたに話せてない事がある
あるさ、桜の下に隠した物が
でも何れ聞いて欲しい
其れが私の向き合う時だろう
だから祇伐も
裡に向き合えない何かを抱えているなら、何れ私に聞かせて欲しい
独りにしない、其れは向き合う時とて同じ
背を押し見送るだけの心算は無いのだと一度手を攫い握ろう

熱残し、手を離して一歩前へ
祇伐の夢の奇蹟を見届け
相手から祇伐への突撃を暁で受け流し庇う姿勢
刹那、開けた途を飛翔し刀を筆に描くは桜
――創破連斬
さくら、さくら
咲きかけの其れは未来への願い

言い付け、あの人
気になる単語は耳を掠めど
自身の頭部に結界術
頭も意識もやれんと勢いで薙ぎ払う

凡ては奥のあいつに愛の強さを穿ってからだ


咲樂・祇伐
【黒華】

千景さんにも話せないことがあるのですね
勿論です。桜の下に秘密を囁くように教えてください
千景さんがそうしてくれるように、私もまた受けいれましょう
何時か、その時は──私もあなたに打ち明けられるかしら
……さくらの樹の下に埋めた秘密を……きっと
私はひとりではないのだと…教えてくれる熱がある
一つ眸をとじ攫われた掌を握る

鍵杖くるり
夢の現の奇蹟をここに
夢幻の桜吹雪の渦の中
蠱惑し視界を思考をハッキングして
居らぬ敵陣の群れを魅せてさせあげましょう
結界にて守り備え
あなたが穿ち描く道を作るわ

噫、よかった
お父様の言いつけを破って
外に出て
──あのひとの言った通り
私が望んでいたものは…

Iは在ると、識らせなければね


 ――さくら、さくら。
 どうか、今は未だ――。

「――祇伐」
 竜鱗兵たちを鋭く見据えながら、けれど紫空・千景(暁の切り札・g01765)は落ち着いた声で傍らに綻ぶ桜の名を紡いだ。
「私はまだ、あんたに話せてないことがある」
 不意に零された裡の声に、振り向いた咲樂・祇伐(花祇ノ櫻禍・g00791)は柘榴の双眸を瞬かせる。
「千景さんにも……話せないことがあるのですね」
 祇伐は不思議と、安堵にも似た心地を覚えていた。
 夜明けの双眸が、静かに頷く。
「あるさ、桜の下に隠した物が。……でも、何れ聞いて欲しい」
 ――其れが、私の向き合う時だろうから。
 千景の秘められた決意に、勿論ですと祇伐は微笑む。
「……その時が来たら、桜の下に、秘密を囁くように教えてください。千景さんがいつだってそうしてくれるように、私もまた受けいれましょう」
 祇伐の曇りなき言葉と眼差しに、安堵を覚えたのは千景も同じ。
 けれど、今はそれ以上に――。
「だから、」
 千景は真っ直ぐに祇伐を見つめ、願いを籠めて告げた。
「祇伐も裡に向き合えない何かを抱えているなら、何れ私に聞かせて欲しい」
 独りにしない――それは、己自身と向き合う時とて同じだ。
 独りでは向き合えない過去も、開けられない匣も、きっと、二人でなら。
 背を押して見送るだけという心算は元よりないのだと、千景は祇伐の手を攫って握り締める。
(「――私は」)
 ひとりではないのだと、教えてくれる熱がある。
 寂しさと恐怖で震え凍えてしまいそうな心を溶かして優しく包み、抱き締めてくれるぬくもりがある。
「何時か、その時は――私もあなたに打ち明けられるかしら。……さくらの樹の下に埋めた秘密を、きっと」
 あえかな笑みを綻ばせながら、祇伐は伝う熱を抱きしめるようにそっと眸を閉じて、攫われた掌を握り返した。
 ――いつだって、隣に。
 手を離した千景は、想いごと繋いだ熱の名残を連れて、星鏤む鞘から抜いた暁の刃を手に一歩前へ出る。
「千景さん、あなたが穿ち描く道を作るわ」
 祇伐は凛と立つその背を見つめながら、桜纏う銀の鍵杖をくるりと翻し――夢幻の桜吹雪を渦巻かす。
 ――甘露の蜜に、夢の現。桜源郷へおいでませ。
 幻惑の桜嵐に惑わし心へ忍び込んで、竜の兵たちに魅せるは甘美な夢ではなく、この場に居ないはずの敵の群れ。
 そうして、身も心も、魂の一片まで美しい桜へと蕩かしては散らせてゆく。
 祇伐の夢の奇蹟を見届け、千景は偽りの戦場に叩き落された竜鱗兵たちの無我夢中の突進――祇伐に向けられたそれを刀で受け流し、同時に祇伐によって拓かれた道の先へと翔けていた。
 ――さくら、さくら。
 夜明けの刃を筆にして描くは美しき桜。
 咲きかけのそれに未来への願いを託し、途を塞ぐものへの破壊を見舞った――その時。
「……噫、よかった。お父様の言いつけを破って外に出て――」
 祇伐が不意に零した音に、千景ははたと双眸を瞬かせた。
「あのひとの言った通り、私が望んでいたものは……」
 ――“言いつけ”、“あのひと”。
 耳を掠める単語に心惹かれども、思考を泳がせる間は千景にはなく。
 頭も意識もくれてやるわけにはいかないと、千景は素早く結界を張り巡らせて振るわれた得物の勢いを削ぎ、再び刃の筆で桜を咲かせて竜鱗兵を薙ぎ払った。
「祇伐、」
「っ、はい、千景さんっ」
 確かめるように名を呼べば、はっと我に返ったように祇伐は瞬いた。
「凡ては、奥のあいつに愛の強さを穿ってからだ」
 秘せず溢れた言葉の意味も、そこに秘められた想いも。
 倒れ伏す竜鱗兵たちの向こうに待つ、闘竜を見据え。
 毅然と紡ぐ千景に、祇伐も、確りと頷いてみせる。
「ええ、……愛は在ると、識らせなければね」
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【建物復元】LV1が発生!
【現の夢】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
【ロストエナジー】がLV2になった!

アンゼリカ・レンブラント
まずは竜鱗兵だね
踏み込みタイミングを仲間と合わせ、
突撃してからの近距離戦だよっ!
打撃とグラップルで隙を作りだし、パラドクスの砲撃で
ダメージを与えていくね

近場の仲間とディフェンスし合い
死角を作らないよう戦う
時に撹乱に専念し、仲間に必殺の一撃を入れてもらう
あるいは仲間の作った隙を突く
そう、特別なことはないよ。いつも通り!
私達の強さを発揮しようっ

敵の数が減ってきたら消耗の激しい個体へ
全力の《終光収束砲》を
闘竜に見せつけるように放ち吹き飛ばす!

これは分体の闘竜の技を見て友と編み出した技
そして多分大元は、騎士の青年の技

君の宿敵の想いと技、確かに私が引継いでいるよ
友と共に戦い、必ず勝つ
決着をつけよう、闘竜


シル・ウィンディア
竜麟兵でこっちの力を見るのかな?
ま、いいけど…。
戦い方を見て、戦意なくさないでよっ!!

飛翔の効果で速度を上げて敵陣に突入っ!
精霊獅子闘拳で、スピードに乗せたままぶん殴るっ!
剣も杖も使わず、アンゼリカさんから学んだ
この格闘術で押し通させてもらうよっ!
敵陣の中で動くときは、残像も生み出しての攪乱機動を心掛けるね

前衛で殴りまくって、大技を撃つ味方の為のカモフラージュになれば!

敵陣の中で行動していくけど、深入りはしすぎずに孤立は避けるように動いていくよ
大丈夫、こう見えても冷静だからっ!

…さて、ヴァイカンコルド様。
わたしたちの戦い方はお気に召しましたでしょうか?
次は…
あなたの番だから覚悟してねっ!


イツカ・ユメ
力を示せ、か……
わたしはあなたみたいに、
誰かを完膚なきまでに叩きのめすような力は無いけれども。
笑顔で歌って、皆の心に【勇気】を灯す。
これがわたしの力だよ!

周囲の皆と協力して【臨機応変】に行動。
状況をしっかり【観察】して、【情報収集】は怠らずに。
囲まれて孤立しないように気を付けながら、
皆と狙いを合わせて確実に敵の数を減らしていくね。
状況に応じて、派手に動いて敵陣を【撹乱】したり、敵の注目を集めて囮になったり。
大丈夫。
怖いのも痛いのも、皆と一緒なら平気だよ!

戦闘中は、可能な限りアンゼリカちゃん(g02672)をディフェンス。
アンゼリカちゃんの拳を、想いを、あいつにぶつけるまでは倒れちゃダメだよ?


「竜麟兵でこっちの力を見るのかな? ま、いいけど……戦い方を見て、戦意なくさないでよっ!!」
 強気な笑みと共にそう告げて空へと翔け出したシル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)は、そのままぐんと速度を上げながら敵陣の只中に突っ込んでいく。
 同時に駆け出したアンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)が持ち前のグラップルの力で竜鱗兵に掴みかかったその時、シルの詠唱が高らかに響いた。
「六芒星に集いし精霊たちよ、我に力を……、――輝け、わたしの魔力と裁きの光っ!! すべてを打ち砕くっ!!」
 アンゼリカが飛び退くと同時、空から降る星の如き勢いで飛び込んでくるのは――黄金獅子のオーラを纏ったシルだ。
「アンゼリカさんから学んだこの格闘術で、押し通させてもらうよっ!」
 剣も魔法も使わず、練り上げた気と魔力を拳に乗せて。
 他の誰でもない、共に戦うアンゼリカから学んだ力で、シルは竜鱗兵を殴り倒した。
 圧倒的なその力に怯んだ――ように見えた別の一体へ、アンゼリカはパラドクスの砲撃を見舞う。
「力を示せ、か……わたしはあなたみたいに、誰かを完膚なきまでに叩きのめすような力は無いけれども……」
 イツカ・ユメ(いつかかなうゆめ・g02834)は碧色の瞳で真っ直ぐに青き竜を見つめ、胸にそっと手を当てながら紡ぐ。
「笑顔で歌って、皆の心に“勇気”を灯す。――これが、わたしの力だよ!」
 そうして、大きく息を吸い込んで。
 ――いつか叶う、夢はきっと叶う。
 アンゼリカやシルだけでなく、共に戦う仲間たちの心を奮い立たせるように、希望の光を燈すように、いつかどこかで聴いた歌に思いを乗せて――イツカは歌う。
「アンゼリカちゃんの拳を、想いを、あいつにぶつけるまでは倒れちゃダメだよ?」
「うん、ありがとう!」
 イツカの歌声と想いに力を貰って、アンゼリカはシルと共に敵陣を撹乱するように戦場を駆け、あるいは翔け回る。
 囲まれて孤立することのないよう、死角を補いながら。
 狙いを合わせ、一体ずつ確実に竜鱗兵たちの数を減らしていく。
 ――そう、特別なことなんて何もない、“いつも通り”の戦い方だ。
 けれど、アンゼリカは知っている。
 この、いつも通りの戦い方こそが、自分たちの力を最大限に発揮できるやり方なのだと。
「ほら、こっちだよ!」
 アンゼリカへ狙いを定める竜鱗兵たちへ、イツカは高く声を響かせた。
(「わたしも、アンゼリカちゃんを守るんだっ!」)
 胸に抱く強い想いと眼差しでイツカは敵の意識を引き付け、甘い歌声で誘き出す。
 たとえ戦場であろうとも、琴剣を爪弾けばそこはもう、イツカにとってのステージだ。
(「……大丈夫、」)
 たとえ攻撃を受けても、その先に皆がいると知っているから。
「怖いのも痛いのも、皆と一緒なら平気だよ!」
「背中! がら空きっ!」
 イツカへ狙いを定めた竜鱗兵が、シルの拳を受けて崩れ落ちる。
 刹那、竜鱗兵が渾身の力を籠めて振り抜いた得物。
 そこに籠められた竜の悪意と呪詛が、シル――ではなく、シルがその場に描いた残像を散らす。
「残念でした、こっちだよっ!」
 そうして、シルがその場から素早く飛び退いた次の瞬間――。
「裁きの光と共に輝け、六芒星に集いた精霊よ――!」
 アンゼリカの声が凛と響き、掲げた手のひらに膨大な魔力の光が収束していく。
 それは、かつて戦ったヴァイカンコルドが用いた技を見て、シルと共に編み出した技。
 そして、おそらくは――騎士の青年が用いていたであろう、技。
「アンゼリカちゃん、やっちゃえー!」
 イツカの声に、アンゼリカは力強く頷き、練り上げた力を解き放った。
「邪悪なる者全てを……撃ち抜けぇーっ!」
 ――閃光が、爆ぜる。
 邪悪なる者全てを吹き飛ばす“終の光”が、竜鱗兵を跡形もなく消し去って――。
 そして、その光は彼方に待つヴァイカンコルドの目にも灼きついたことだろう。
 いつしか、竜鱗兵たちは残らず倒れ、あるいは消え失せていた。
「……さて、ヴァイカンコルド様。わたしたちの戦い方はお気に召しましたでしょうか? 次は……あなたの番だから覚悟してねっ!」
 闘竜ヴァイカンコルドへ向き直ったシルは、堂々と宣戦布告を。
「君の宿敵の想いと技、確かに私が引き継いでいるよ」
 友と共に戦い――必ず勝つと。
 アンゼリカは想いを新たにしながら、闘竜ヴァイカンコルドと対峙する。
「――さあ、決着をつけよう、闘竜」
 天光色の瞳に倒すべき竜の姿を映し、凛然と告げるアンゼリカに。
「我が宿敵足る力を持つ者よ。――我が拳で、完膚なきまでに打ち砕いてくれよう!」
 闘竜ヴァイカンコルドは満足気に笑いながら、強く、拳を握り締めた。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【隔離眼】LV1が発生!
【飛翔】がLV6になった!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【アヴォイド】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!

 竜鱗兵たちを退け、残るはクロノス級クロノヴェーダ、闘竜ヴァイカンコルド――ただひとり。
 数の上では圧倒的に不利だろうこの状況で、けれど、ヴァイカンコルドはどこか愉しげに笑っているようだった。
「さあ、貴様等の力を見せて貰おう!」
 そうして始まる、逆説連鎖戦。
 これは、一つの歴史を取り戻すための――闘いである。
 
咲樂・祇伐
【黒華】

ひとつ心を結んだならば
ひとつ解くことができるのです
その時までに、心を結んでおきます
……秘めたことを暴くのは
やっぱりおそろしいから

千景さん、お気をつけて
何時のように鍵杖を構える
私にできることは──あなたに訪れる厄災を、祓うこと
進む道を照らすように、魔法と共に力を放つ

光蜜ノ愛浄

光で惑わし目を眩ませて
あなたが怪我したならば活性治癒宿す桜を巡らせて
幻惑の結界で攻撃をいなして
決して、怖くたって俯いたりしない

高速詠唱、魔法の連弾を放ち重ねて穿つのは終わりを定めようとする運命
そんなのは厄されていないのよ
そう、千景さん
哀はここにはないの

軈てそれは愛に変わるから
変えてみせるから

全てを見届けて示しましょう


紫空・千景
【黒華】

結んで
解いて
…なあ、祇伐
終わったら話をしようか
私も結んでおく
暴くのが恐ろしいのは、私も同じなんだ

――噫、行ってくる
背に確かな信頼を置いて
厄災は唯一の桜が祓ってくれる

飛翔し勢いを付けて構えるも
カウンターに気付き
一度フェイントを掛け一発目の誘発
其の隙を狙い破砕の連撃
呪詛も殺気も私の凡てを乗せる

創破連斬

ひらひらり
桜のはなびら
儚くとも
小さくとも
確かに在る姿を描いて

祇伐を庇い
結界術と斬撃の受け流しを駆使し
終わりなど届かせない
示す
ふたりならば乗り越えられると
見せる
“あい”を

哀は此処に無い
愛は時を越え今あんたを穿つ刃に成る

I――己を示して、見届けよう
過去から託された結末を
凡てはひとの、想いの連鎖だ


 ――結んで。
 ――解いて。

 ひとつ、心を結んだならば。
 ひとつ、解くことができるから――。

「……なあ、祇伐」
 終わったら話をしようか。
 不意に、紫空・千景(暁の切り札・g01765)はそう切り出した。
「話を、――はい。……その時までに、心を結んでおきます」
 秘めたことを暴くのは、やっぱりおそろしいから――と。
 僅かに眉を下げて柘榴の双眸を細める咲樂・祇伐(花祇ノ櫻禍・g00791)に、千景は小さく頷いてみせる。
「私も結んでおく。……暴くのが恐ろしいのは、私も同じなんだ」
 心の奥底に蓋をして閉じ込めたのは、他の誰でもない己を守るためだったのだと、今ならばわかる。
 しかし、そのままでは本当の意味で先に進めないことは、とうの昔にわかりきっていたことだった。
 遅かれ早かれ、いずれは向き合い、そして受け入れなければならない時がやって来る。
 でも、今ならば、きっと――。
「千景さん、お気をつけて」
「――噫、行ってくる」
 交わす言葉は、ただそれだけ。
 けれど、ふたりにとってはそれだけで十分。
(「私にできることは、あなたに訪れる厄災を、祓うこと」)
 ――決して、怖くたって俯いたりしない。
 しゃん、と軽やかに鈴の音がうたう。
 いつものように桜咲く銀の鍵杖を構える祇伐の気配と心地よい音の連なりに、千景は微かに双眸を細めた。
 ――そう。
 たとえどのような厄災がこの身に、心に降りかかろうとも、唯一の桜がすべて祓ってくれるから。
 ゆえにこそ、千景はただ前だけを向いて――暁の刃を手に地を蹴った。
 互いに置いた信頼は揺るぎなく。
 祇伐は千景の頼もしき背を見つめながら、彼女が進む途を照らすように、己が力と歌声を束ねた魔法を解き放つ。
 灼ける幻の焔翼を広げ、清浄の光の花を凛と咲かせて吹雪かせれば。
 目を眩ませながらも迫り来る闘竜と終の拳の前に、すかさず結界を張り巡らせながら千景が割り込んだ。
「――終わりなど、届かせない」
 氷と闘気を織り交ぜた一撃を斬撃で弾き、そのままぐん、と勢いをつけて空を翔けながら千景は再度刃を構えるものの、眼下に佇む闘竜の構えに気づくや否や初手をフェイントに切り替える。
 鋭く冱えた夜明けの双眸で、射抜くように見据えるまま。
 斬ると見せかけ振るった刃をひらりと翻し、闘竜の意識を僅かに逸らして。
 刹那――。
 呪詛も殺気も、裡にあるすべてを乗せて、繰り出すは破砕の連撃。
 ――ひらひらり。
 舞うは、数多の桜のはなびら。
 たとえ儚くとも、小さくとも。
 夜明けの刃を筆として、千景は、幾度散ろうともまた咲き誇る――確かに在るいのちの姿を描き出す。
 巡る桜に広がる幻惑の結界。魔法の連弾を重ねて放った祇伐が穿つのは、終焉を定めようとする運命そのもの。
「……そんなものは、約されていないのよ」
 再度飛天の構えを取った闘竜は反撃の拳を突き出すものの、桜に紛れた千景には紙一重で届かなかった。

 ――ここに示すは、確かなる“あい”。
 ふたりならば、きっと乗り越えられる。

「哀は此処に無い。だが、愛は時を越え――今、あんたを穿つ刃に成る」
「そう、千景さん。……“哀”は、ここにはないの」
 千景が告げた言の葉に、祇伐は想いと願いを重ねて紡ぐ。
 いつだって、夜明けが必ず訪れるように。
「いつか、きっと、“哀”は“愛”に変わるから。――変えて、みせるから」

 “I”――己を示した後は、見届けるのみ。
 ここから繋がる闘いの先を。
 過去から託された、ひとつの結末を。

 ――すべてはひとの、想いの連鎖。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【クリーニング】LV1が発生!
【建物復元】がLV2になった!
効果2【ドレイン】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV6になった!

アンゼリカ・レンブラント
さぁ勝負だ闘竜
示すのはもう、後は私たちの培った強さのみ
【飛翔】で高速で突撃、パラドクスの光剣で斬る
小細工はなし、得意の近接戦だ

お前の手も、尻尾も数に限りがある
対して、こっちは1人じゃないんだ
だから、反撃ダメージは覚悟で攻撃を続けるよっ
隣に、後ろにいる友達の存在を勇気に変えて!

積み上げた残留効果、戦闘知識と使えるものは全て使う
時にグラップルの技量も生かし組み付いて
体勢を崩し、仲間の為隙を作り出す等臨機応変

相手の消耗が分かれば、呼吸を整え全力の一撃を
《光剣収束斬》、託されし願いと共に!
今こそ最大まで輝けーっ!

決着後、騎士と姫君に言葉を贈れるなら
どうか幸せにと
これからも私たちは負けないよ、ご先祖様!


メルキディア・セデクリエル
アドリブ・連携大歓迎

宿敵ね…でも敢えて言っちゃおうか。私達ディアボロスにとっては貴方は越えるべき壁の一つでしかないわ。
私たちが目指すのは未来を取り戻すことなのだから。

ガトリング形態のキャノンオブシェキナーとシェキルザッパーとの二丁持ちで【飛翔】。弾幕で嫌がらせさせて貰うわ。

皆の攻撃を届かせるために牽制に徹するけどヴァイカンコルドが終の拳を放とうとしたときは、
すぐさま閃機をしまってエーテリア・ブラスターで相殺をねらう。

何度でも言うわ。愛するモノを持たず、愛することを知らないアンタに負ける訳にはいかないのよッ!
アンゼリカさんへ繋げ、この一撃!
そう言って終の拳を押し返すッ!


シル・ウィンディア
ヴァイカンコルド
あなたはきっと、わたし達よりすごく強いんだろうね。

でもね、人は一人で戦っているのじゃないの。
隣にいる戦友、そして、愛する人…
沢山の人の力で戦っている
だから、それを証明してあげるよ、わたし達がねっ!!

飛翔の効果で上空に舞い上がってから…
接近をしつつ、高速詠唱のパラドクス砲撃をお見舞いだね。
敵パラドクスは…
砲撃系なら、こっちも得意だいっ!!
ねらって、六芒星精霊収束砲を撃ち返すよ!

共に戦う人の様子を見つつ、ディフェンスが必要なら庇いに行くね

アンゼリカさんが、決めにかかるなら…
援護砲撃行くよ!
手加減無し、全力魔法の六芒星精霊収束砲!
…耐えた?でも、本命はこれじゃないからね
行っちゃえ!


イツカ・ユメ
人の想いは、絆は、愛は、
あなたの拳では決して打ち砕けないって、教えてあげる!

周囲の皆と協力し【臨機応変】に行動
さぁ、痛くても怖くても前を向け!
足を踏ん張れ、声を張り上げろ!
騎士や姫君から『託されし願い』も力に変えて、
皆の心に【勇気】を灯す歌を響かせるよ。

状況をしっかり【観察】して、皆が仕掛けるタイミングに合わせて一気に攻める!
手痛い反撃があったって、挫けないし諦めない。
あなたがどんなに強くても、
わたしから、この歌だけは絶対に奪えない。
この歌が、わたしの心に、皆の心に響き続ける限り、
わたし達は絶対に負けないんだから!

倒れるまで笑って歌って、友達の背中を押すよ。
頑張れ、アンゼリカちゃん!


シャムス・ライラ
仲間と情報共有、連携
では、思うさまやりあおうか

地形の利用、情報収集で戦闘に有利な位置取り
カウンター必須で臨むしかなさそうだが
無策で行く程無謀でもない

隙の無い構えだが足を踏みしめて構えるのならば
仲間の攻撃に乗じ、敵が気をとられた所を
泥濘の地と併せトラップ生成で足元に落とし穴を複数作成
足場を脆くすれば、体勢が崩れ、攻撃も少しは削がれるか
仲間の援護になれば幸い

ピラミッドコンバットで攻撃後はカウンターに注意
未来予測と一撃離脱で可能な限り損害を防ぎつつ

ジャンプ、飛翔で間合いを取ってボウガンで攪乱
アンゼリカ殿の援護を

こんな戦い方が出来るのも
我々が一人ではないからだ

仲間の苦手能力はディフェンス

アドリブ等歓迎


弔焼月・咲菜
アドリブ・連携可

さて…始めるか。殺しに来たんだ。殺される事も承知の上だろ?覚悟はいいか…望み通りその首、血みどろにして掲げてやるよ。

餌の時間だ。盛大に鳴いてやれ、狩流刃討雛。
【飛翔】の効果を利用して飛行し、低空飛行から怨みを帯びた妖刀で体を幾度にも渡って切断する。致命傷にならなくても、体が傷つけばそれでいい。

カウンター?返せないくらい超高速で上から畳み掛ければ問題ない。
傷なら【活性治療】で回復出来るため、ある程度の反撃は無視。致命傷だけ避け、残りは全て攻撃に回す。

ほーら直撃だ。さっさと本気だせよ、生き残れねぇぞそんな事じゃ。…まあここにいる全員、元からてめぇの生存なんて誰も願わねぇけどな。


アンジェリーカ・リヴィンスキー
さて、次はアンタの番ね。
お望み…かどうかは分からなけど、その身体に思う存分思い知らせてわげるわ、想いの力って奴をね。

アンタの言う拳が己が持つ武器という意味なら…見せてあげるわ、ウチの拳…魔術を!
ここまでくれば小細工は無用ね、カウンター上等!
真正面からその顔面にウチの魔術を…アースクエイクを叩き込んでやるわ!

まさか殴り合いを避ける…なんて言わないわよね?
地面に叩きつけるつもりの勢いで、全力で拳を全力で振り抜くわよ!

アンゼリカ!ウチらの想いも貴女に託すわ!
だから貴女が託された…いえ、貴女の力と想いを見せつけてやりなさい!

ウチはカウンターでぶっ飛ばされるかもだけど、アンゼリカなら決めてくれるわよね。


白水・蛍
アドリブ/連携○

さあ、勝負しましょうか。
真剣勝負と参りましょう。

引き続き≪神鳴の杖≫を抜きます。
相手の間合いを<観察>と<吹き飛ばし>で調整しつつ<撹乱>。
私は紡ぐ者。未来への言の葉を紡ぐ者。
故にこの言葉は未来へ進む者達への賛歌。
未来を閉ざす者達への宣告。
此処に紡ぐは……【此処に綴るは進みゆく者達への凱歌】!

さあ、未来を閉ざす者よ。我々は未来をこの手に掴みます!

決着後、騎士と姫君に言葉を贈れるならば。歌をお送りします。
幸せになりますように。
この先の祝福を紡ぎましょう。


イザーリン・モノリスハイト
ドラゴン退治は勇者の登竜門!竜は人によって討たれるのが定め!教えてやりますよ…暴力程度じゃ人は滅びないってことを!

引き続き【飛翔】で飛行しつつ、隙をみて敵に核エネルギーを流し込んだミサイルを叩き込んで行きます。ミサイルカーニバルってやつです!

例えカウンターを食らっても引くことはしません。その鱗が砕けるまで、その体が塵になって消えるまで、何千発でも叩き込んでやるのです!

所詮暴力など、力の1つを示すだけの言葉に過ぎません。知らないようなので教えてやるです。人の産み出した力…文明の力……全てを無に帰す核の破壊力を!


飛鳥・遊里
さて、そろそろ決勝ラウンドの時間だな。まだまだ暴れたりないんだろう?
どのみち白黒つけないといけないんだ、最後までとことん殴り合ってやろうじゃないか

見せてやるよ。これがあらゆる災厄に立ち向かう鋼鉄の巨人の姿だ!

【ギガントマキア・オーバーパワー】起動

臆することなく、真正面から突撃。【タイタンバスター】をぶん回し、轢断する!

この巨体だと向こうにはいい的になるだろうが、逆に言えば俺に集中することで仲間たちへ意識を向かないようにすることもできる

とにかく攻撃の手を緩めず、奴を押し込んで、行きつく暇もないぐらい連撃を浴びせる。ガチンコ勝負はやつとて望むところだろう
後は仲間がきっちりやりきってくれるさ


エレナ・バークリー
さあ、雌雄を決しましょう、闘竜ヴァイカンコルド。
宿縁を断つ剣を今ここに!

『踏みしだく乱刃裂斬』で、「召喚」したかつての仲間の霊達と共に「突撃」して攻撃を仕掛けます。
戦いは数。「蹂躙」させてもらいますよ。
「火炎使い」で剣に炎を宿し。
私はクレイモアの「貫通撃」で「一撃離脱」を繰り返し、「攪乱」させていきます。
隙を作らせてからの、「斬撃」や「強打」も狙っていきます。
反撃は「グラップル」で反応出来れば。無理ならバックラーで受け流し、打撃を軽減しましょう。
氷のブレスは、炎宿した剣で対抗します。

私はあくまで露払い。あなたの討滅は、彼女の仕事です。
頼みましたよ、アンゼリカさん。この戦いに終極を刻みましょう。


嵐柴・暁翔
漸く御大自ら出陣って訳か
改めて聞くけど、戦いに何を求めているんだ?
命を削るやり取りか、勝利か、それとも激闘の果てに燃え尽きたいのか…
……余計な言葉は無粋だというのならそれでも良いさ
貴方にとっては拳を交わす事こそが対話なのかもしれないしな
それじゃ、始めようぜ…

ここまできたならもう全力全開でぶつかるのみ
《天元突破冒険者》を発動させて正面から突っ込んで『風牙』で斬ります
身体が凍りつこうが動かなくなろうが【飛翔】で飛んで強引に戦闘を継続します
アンゼリカや他の方々もまだ戦っているのに俺が先に倒れる訳にはいかないだろう
俺に力を貸してくれている誰かもアンゼリカの力になれって言っているような気がするしな


「待たせたわね。次はアンタの番よ」
 白と薔薇色のツインテールを靡かせて、アンジェリーカ・リヴィンスキー(吸血鬼のダークハンター・g07564)は不敵な笑みを浮かべて告げる。
「お望み……かどうかは分からなけど、その身体に思う存分思い知らせてわげるわ。ウチらの、想いの力って奴をね!」
「――漸く、御大自らご出陣って訳か」
 嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)は無意識に、風牙の銘を冠した一振りを握る手に常よりも力を込めていた。
 闘竜ヴァイカンコルド。ただそこに佇んでいるだけで、かの竜が纏う圧倒的な“気”に、圧されそうになる。
「改めて聞くけど、戦いに何を求めているんだ? 命を削るやり取りか、勝利か、それとも激闘の果てに燃え尽きたいのか……」
 闘竜へ静かに問いかけた暁翔は、けれど、すぐに小さく首を横に振った。
「……余計な言葉は無粋だというのならそれでも良いさ。貴方にとっては、拳を交わすことこそが対話なのかもしれないしな」
「その通り。――貴様等の力を、我に示してみせよ!」
 ヴァイカンコルドはどこか満足気に口の端を歪めて笑い、構える。
 言葉ではなく、力で。
 示すことの出来る想いもきっと、あるだろう。
「それじゃ、始めようぜ……」
 ここまで来たのであれば、後は全力全開でぶつかるのみだ。
 ディアボロスが勝つか、ヴァイカンコルドが勝つか――この物語の結末は、そのどちらかしかないのだから。

「さて……始めるか」
 竜鱗兵との戦いでは触れもしなかった妖刀の柄に手をかけて。
 弔焼月・咲菜(葬不送動の報復者・g01723)は僅かに口の端を吊り上げながら、一息に刀を抜き放つ。
「殺しに来たんだ。殺されることも承知の上だろ? 覚悟はいいか……望み通りその首、血みどろにして掲げてやるよ」
「ドラゴン退治は勇者の登竜門! 竜は人によって討たれるのが定め!」
 高らかにそう告げ、イザーリン・モノリスハイト(ブラック・ジャンク・レイヴン・g07500)は再び空へ舞い上がる。
「教えてやりますよ……暴力程度じゃ人は滅びないってことを!」
 疾く空を翔けながら不敵な笑みを浮かべたイザーリンは、己の体内で性質の異なるエネルギー同士を融合させていく。
「所詮暴力など、力のひとつを示すだけの言葉に過ぎません。知らないようなので教えてやるです。人の産み出した力……文明の力……全てを無に帰す核の破壊力を!」
 そうして発生させた核エネルギーを流し込んだミサイルを、空から雨のように降らせれば――。
 幾つもの爆風が、鮮やかな花のように咲いた。
 核とは言うものの、パラドクスとして生み出されたそれはあくまでも擬似的なもの。本来の核とは全く異なる――言ってしまえば別のエネルギーだが、超弩級の凄まじい火力は、クロノス級であるヴァイカンコルドと言えど無傷では済まない。
 しかし――。
 確りと大地を踏み締めて両手を広げたヴァイカンコルドは――その闘竜飛天の構えでミサイルの雨のひとつを受け止め、イザーリンへと弾き返した。
 返されたミサイルの衝撃と、全身が灼かれるような感覚がイザーリンを襲う。
 けれど、反撃を受けてもイザーリンは退くことはなく、その翼がもがれることもまた、なかった。
「これくらい、何てことはないですよ……!」
 己を傷つける爆風の中でも笑みを絶やさず、イザーリンは吼えるように高らかに告げる。
「その鱗が砕けるまで、その体が塵になって消えるまで、何千発でも叩き込んでやるのです!」
 そうして、イザーリンが派手な戦いの狼煙を炸裂させた直後。
「宿敵ね……でも、敢えて言っちゃおうか」
 ガトリング形態の砲閃機キャノンオブシェキナー、そして大型拳銃型の銃閃機シェキルザッパーの二丁を細い両腕で軽々と抱え――メルキディア・セデクリエル(閃機術士のエンジェリアン・g03132)は、闘竜ヴァイカンコルドを真っ直ぐに見つめながら続ける。
「私たちディアボロスにとっては、貴方は越えるべき壁の一つでしかないわ。だって、私たちが目指すのは未来を取り戻すことなのだから!」
 同時に地を蹴ったメルキディアは、すかさず二丁の引き金を引いた。
 鮮烈に爆ぜる銃口から豪快にばら撒かれた無数の銃弾が、弾幕となって辺りを覆う。
 メルキディアの狙いは牽制と“嫌がらせ”であり。
 僅かでもヴァイカンコルドが眉を寄せたなら、それはもう――狙い通りだ。
 そんなヴァイカンコルドの元へ、低空飛行から一気に咲菜が肉薄する。
「餌の時間だ。盛大に鳴いてやれ、――狩流刃討雛」
 瞬間移動に近い速度で、四方から闘竜へ斬撃の乱舞を浴びせる咲菜。
 数多の血を浴び怨みを帯びてきた妖刀は鳴き声に似た音を響かせながら、ヴァイカンコルドを斬り刻む。
 対するヴァイカンコルドは、すぐさま闘竜飛天の構えから反撃の拳を繰り出してきた。
(「チッ……」)
 刃のように襲いかかる拳のすべてを捌き切ることは叶わず、忽ちの内に全身から血が噴き出してくるが、致命傷だけを避けた咲菜は構わず妖刀を構え直す。
「……大したことねぇな。てめぇの力は、その程度か」
 挑発するようにわざとそう言ってのけながら、咲菜はヴァイカンコルドの背後に回り込む。
 たとえ倒れたとしても、戦う意志を失いさえしなければ何度だって立ち上がれる。
 それが、自分たち――ディアボロスだ。
 そして、同時に反対側から暁翔が迫っていた。
「――俺の太刀に、斬れぬもの無し。全てを斬れ、雷光烈斬牙……!」
 刹那、暁翔の纏う空気が僅かに変化する。
 目の前にある理不尽な終焉を、破壊するという強い意志。
 それに呼応した存在から借り受けた力を自らに宿した暁翔は、“終焉破壊者”としての技を揮う。
 戦場全体に凍てつく氷のブレスが嵐のように吹き荒れる。
 だが、暁翔は凍りつきそうになる体を無理矢理動かしながら、ヴァイカンコルドへと再び斬りかかる。

「さあ、勝負しましょうか。真剣勝負と参りましょう」
 しゃらり、神鳴の錫杖を振るって澄んだ鈴のような音を響かせながら、白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)は音の魔力を編み上げていく。
「私は紡ぐ者。未来への言の葉を紡ぐ者。故に、この言葉は未来へ進む者達への賛歌であり、未来を閉ざす者たちへの宣告――」
 正々堂々、真っ向からの力と力のぶつかり合いに、蛍が添えるのは――。
「此処に紡ぐは進みゆく者達への凱歌! ――先に進む者たちの背を押す風となれ!」
 言の葉にて綴るは、皆と描く未来への希望。
 勇ましく進めとその背を押す旋律が、風に乗って戦場を渡っていく。
「我が元に集え、戦場に斃れしハイランドの勇者たち!」
 蛍が紡ぐ旋律をその背に受けながら、エレナ・バークリー(アブソリュートウィッシュ/エレメンタルキャヴァリエ・g00090)はかつて共に戦い、戦場に散っていった同志たちの霊を呼び寄せた。
「その力を再び振るうは――この戦場なり!」
 エレナの声に応えるように、ハイランドの英霊たちは鬨の声を上げる。
「さあ、雌雄を決しましょう、闘竜ヴァイカンコルド。――宿縁を断つ剣を今ここに!」
 愛用のクレイモアを構え、エレナは霊たちと共に一斉にヴァイカンコルドへ突撃した。
「戦いは数。蹂躙させてもらいますよ!」
 ハイランドの勇士たちと共に、クレイモアを渾身の力を籠めて叩きつけ、あるいは貫くように繰り出すエレナ。
 勇猛果敢なその姿に、しかし、ヴァイカンコルドは動じることなく口元を笑みの形に歪ませると――。
「――フン」
 勇士たち諸共、強靭な尾で一息にエレナを薙ぎ払った。
 咄嗟に盾を構え防ごうとするものの、すべての勢いを削ぐことは出来ずに後方へ弾き飛ばされたエレナは、けれど受け身を取ってすぐに立ち上がり、炎を宿したクレイモアで斬りかかっていく。
「――あなたの討滅は、彼女の仕事です」
 あくまでも己は露払いだと、エレナは戦場を駆ける少女へ想いを託した。
 時間を、空間を、そして世界法則を書き換えながら行われる、常軌を逸した闘い――逆説連鎖戦。
 ディアボロスたちの猛攻を受けながらも、ヴァイカンコルドは未だ十分な余裕を保っているように見える。
 冷静にその様子を見定めながら、シャムス・ライラ(極夜・g04075)は静かに告げた。
「では、思うさまやり合おうか」
 戦場は開けていて、周囲に身を潜められるような場所もない。
 まさしく決闘に相応しい、闘いの舞台であった。
 この場で繰り広げられているのは文字通り、双方の攻撃と反撃が真正面からぶつかり合う戦いだ。
 シャムスは出現させた小型のピラミッドから放出される力を身に纏い、エレナが大剣を振るうのに合わせ、ボウガンの矢をばら撒いていく。
「――ヴァイカンコルド。あなたはきっと、わたしたちよりすごく強いんだろうね」
 その“強さ”は、ただ相対しているだけでも十分すぎるほどに感じられた。
 されど怖じることなく笑顔で、シル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)は紡ぐ。
「でもね、人は一人で戦っているんじゃないの。隣にいる戦友、そして、愛する人……たくさんの人の力で戦っている」
「そうだ。お前の手も、尻尾も数に限りがある。でも、こっちはひとりじゃない」
 シルの言葉に、アンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)が力強く頷いてみせる。
「だから、それを証明してあげるよ、――わたしたちがねっ!!」
 高らかに告げて舞い上がったシルに続き――。
「さぁ勝負だ、闘竜!」
 曇りのない笑顔を覗かせながら、アンゼリカも勢いよく飛び上がった。
 ――そう。
 最後に示すのは、自分たちがこれまでに培ってきた強さのみ。
 先にヴァイカンコルドへと接近したシルは、その時には既に詠唱を終えていた。
「砲撃系なら、こっちも得意だいっ! わたしたちの力、存分に味わって!!」
 氷を織り交ぜた闘気の砲弾と、シルの六属性の精霊の力を束ねた精霊魔砲が真正面から激突する。
 そうして爆ぜた鮮烈な光ごと切り裂くように、間合いに飛び込んだアンゼリカはパラドクスで創り出した光の大剣を豪快に叩きつけた。
 小細工なしの接近戦。最も得意とする闘い方で、アンゼリカは真正面から闘竜ヴァイカンコルドに挑む。
 光の剣を構築すると同時にその鍛え上げられた肉体は守りのオーラで覆われているが、ヴァイカンコルドの反撃はそう易々と凌げるものではない。
 容赦なく叩き込まれる拳が脇腹を掠めるだけで、全身に鋭い痛みが走るようだった。
 だが、それも覚悟の上で、アンゼリカは息つく間もなく次の攻撃に移る。
 共に戦う、友たちの存在を。
 皆の力と想いを、何よりの勇気に変えて。

「さて、そろそろ決勝ラウンドの時間だな。まだまだ暴れ足りないんだろう?」
 次から次へ、息をつく間もなく連鎖していく闘いの最中。
「どのみち白黒つけないといけないんだ、最後までとことん殴り合ってやろうじゃないか」
 ちらりと一瞬シルと、そしてアンゼリカを見やり、飛鳥・遊里(リサイクラー・g00512)は口の端を笑みの形に吊り上げた。
「見せてやるよ。――コード・ギガントマキア、アクティブ!」
 勇ましい掛け声と共に、パラドクス――ギガントマキア・オーバーパワーを起動させた遊里は、忽ちの内に5m級の人型パワーローダー――ギガントマキアへと“合身”する。
 プラズマ動力炉を搭載するパワードアーマー、可変装甲ギガントをコアに異相次元より呼び出した追加パーツと合体したその姿は――。
「これが、あらゆる災厄に立ち向かう鋼鉄の巨人の姿だ!」
 まさしく、そう呼ぶに相応しいものであった。
「……ほう」
 感嘆にも似た声を漏らすヴァイカンコルドへ遊里は真正面から突撃を仕掛け、特殊な武器改造システムによりサイズアップさせた大型のチェーンソー、複合兵装タイタンバスターを力強く振り回す。
 凄まじいその力は、たとえ闘竜と言えどもひとたまりもない――かのように思えたが。
「……フンッ!」
 大地を踏みしめ両手を広げ、これまでにもそうしてきたように闘竜飛天の構えを取ったヴァイカンコルドは、チェーンソーの刃を両手で掴み取ると、そのまま――チェーンソーごと遊里の巨躯を投げ飛ばした。
(「げ、マジかよ!」)
 クロノヴェーダであるとは言えヴァイカンコルドが軽々とそうしてのけたように感じられるのも、この闘いが世界法則までも書き換えて行われている逆説連鎖戦だからこそ。
 内心驚愕した遊里ではあるが、無論ただ飛ばされるだけではない。すぐに飛翔して空中で素早く向きを変えると、間髪をいれずに再びタイタンバスターを構え、ヴァイカンコルドへ踊りかかった。
「アンゼリカ! ウチらの想いも貴女に託すわ! だから貴女が託された……いえ、貴女の力と想いをあいつに見せつけてやりなさい!」
 同じ戦場に立つアンゼリカへ向けて声を張り上げ、アンジェリーカはヴァイカンコルドへ向き直ると、力強く駆け出した。
「アンタの言う拳が己が持つ武器という意味なら……見せてあげるわ、ウチの拳、――魔術を!!」
 どのような力でも、アンジェリーカにとっては紛れもなく魔術。
「まさか、この期に及んで殴り合いを避ける……なんて言わないわよね?」
 にっこりと、笑みを深めて。
「――歯を!」
 一切の小細工も迷いもなく、真正面から踏み込んだアンジェリーカが用いるのは、愛用している超重量の大剣ではなく、己の“拳”――ただひとつ。
「食いしばりなさい!!」
 地震を引き起こすほどの力を秘めた拳を、地面に叩きつけるつもりの勢いで――アンジェリーカは地面ではなく、ヴァイカンコルドの顔面に全身全霊、全力を籠めて叩き込む。
 華奢な少女の拳とは言え、パラドクスによる一撃だ。
 手応えは確実にあった。しかし――。
「……今のは少し効いたぞ、小娘」
 闘竜飛天の構えを取ったヴァイカンコルドはくつりと笑い――。
 アンジェリーカへと、反撃の拳を叩きつけた。
「っ、く――!」
 内臓が抉られるような痛みが全身を駆け抜けて。
 アンジェリーカはそのまま、後方へと弾き飛ばされていく。
(「……アンゼリカなら、決めてくれるわよね」)
 薄れゆく意識の中、アンジェリーカは満足気な笑みを覗かせていた。
「――アンジェリーカちゃん!!」
 アンジェリーカが倒れる様を、そして闘竜ヴァイカンコルドの揺るぎない強さを目の当たりにしたイツカ・ユメ(いつかかなうゆめ・g02834)は、強く、唇を噛み締めた。
(「さぁ、痛くても怖くても前を向け! 足を踏ん張れ、声を張り上げろ!」)
 後方で戦いの行く末を見守っている、騎士の青年と美しき姫君。
 二人が託してくれた願いも共に抱き力に変えて、イツカは大きく息を吸い込んだ。

 いつか叶う、夢はきっと叶う――……。

「人の想いは、絆は、愛は、あなたの拳では決して打ち砕けないって、教えてあげる!」
 皆の心を震わせて、勇気を灯す旋律を。
 己の魂を、心を燃やし、イツカは歌う。

 ――皆の攻撃を、届かせるために。
 その一心で牽制に徹していたメルキディアは、ヴァイカンコルドが取った動きに目を瞠った。
 刹那の内に練り上げられる冷気と闘気。
 そこから繰り出されるは、終の拳。
 狙いは――アンゼリカだ。
「させないッ!」
 メルキディアはすぐさま閃機を仕舞って腕で十字を作り、正義の光線――エーテリア・ブラスターを放った。
「アンゼリカさんへ繋げ、この一撃!」
 ぶつかり合う、二つのエネルギー。
 メルキディアの光線がわずかに押し返し、呑み込んで――眩い光となって霧散する。
「何度でも言うわ。愛するモノを持たず、愛することを知らないアンタに負ける訳にはいかないのよッ!」
 にやり、と笑みを深めたヴァイカンコルドを、横合いからの一閃が襲う。
 ギガントマキア形態のまま息つく間もなく連撃を浴びせていく遊里は、そのままヴァイカンコルドへと掴みかかった。
 ヴァイカンコルドも負けじと遊里を掴む。
 互いに取っ組み合って一歩も譲らない、遊里とヴァイカンコルド。
 傷を負ってもなおその力は健在で、一秒たりとも気の抜けない攻防が繰り広げられていた。
 ヴァイカンコルドはというと、完全にこの闘いを愉しんでいるように感じられた。
 そして、今この瞬間、かの闘竜の意識は確実に遊里へと向けられている。
 つまりは、仲間たちからヴァイカンコルドの意識が逸れているということでもある。
 ――それこそが、遊里の狙い。
 刹那の攻防の果て、ついには膝を付きかけた遊里だったが。
 後方から届いた声に、ほくそ笑むのだった。

「――援護砲撃行くよ! アンゼリカさん!」
「うんっ!」
 頷くアンゼリカに笑って、シルは再び二対の青白い魔力の翼を展開させ、力ある言葉を紡ぎ上げた。
 決着の時は、近い。
「闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ、暁と宵を告げる光と闇よ! 六芒星に集いて――全てを撃ち抜きし力となれっ!!」
 詠唱と共に光が溢れ、全力の六芒星精霊収束砲が炸裂する。
 だが、ヴァイカンコルドはまだ倒れない。
「……耐えた? でも、本命はこれじゃないからね」
 そうして、力強く。背を押すようにシルは満面の笑顔で告げるのだ。
「アンゼリカさん! 行っちゃえーーーっ!」
「さあ、未来を閉ざす者よ。我々は未来をこの手に掴みます!」
 蛍とイツカの歌が重なり、響き合う。
 叩き込まれる終の拳が全身を軋ませるが、蛍は膝を折ることなく、前を向いて歌い続ける。
 ヴァイカンコルドが放つ闘気の刃が、心に突き刺さるのがイツカにはわかった。
(「でも、絶対に挫けないし、――諦めない!」)
 心に真っ直ぐな芯ひとつ、気圧されそうになるのを全身全霊で踏ん張って堪えながら、イツカは声高に叫ぶ。
「あなたがどんなに強くても、わたしから、この歌だけは絶対に奪えない!」
 ――そう。
 たとえここで倒れても。
 この歌がイツカ自身の心に、そして皆の心に響き続ける限り。
「わたしたちは、絶対に負けないんだから!!」
 そして、魂の歌声を響かせながら、イツカは笑顔で友の背を押すのだ。
 いつか、自分がそうしてもらったように。
「頑張れ、アンゼリカちゃん!」
 アンゼリカも、そして、皆も戦っている。
 だから、自分が先に倒れるわけにはいかないと、暁翔は唇を強く引き結び、胸に灯る想いを新たにしながらヴァイカンコルドへ切っ先を向ける。
 ――アンゼリカの力になれ、と。
 己に力を貸してくれている“誰か”も、そう言っているような――不思議と、そんな気がしたから。
(「……隙の無い構えだが、足を踏みしめているのならば」)
 シャムスはボウガンの矢を連射しながら、こちらへ向けて反撃の構えを取ったヴァイカンコルドの足元の大地を、残留効果で泥濘へと変じさせた。
「――ッ!」
 ヴァイカンコルドは一瞬目を瞠ったが、すぐに迷わず拳を繰り出してくる。
 だが、脆くなった足場の上で僅かに態勢が崩れたことには違いなく。
 拳の軌道を未来予測で読んだシャムスは、高く飛び上がって反撃を躱す。
「……成程、これが、貴様等の戦い方か」
 感心したような声を零すヴァイカンコルドに、そうだとシャムスは頷いて。
「こんな戦い方が出来るのも、我々が一人ではないからだ」
 すべては、最後の瞬間に繋ぐ――そのために。
「ミサイルカーニバル、まだまだお見舞いしてやりますよ!」
 ヴァイカンコルドが己の足元に意識を向けた一瞬の内に、イザーリンが再度空から放ったミサイルが次々に爆ぜていく。
「頼みましたよ、アンゼリカさん。この戦いに終極を刻みましょう」
 爆風を背に、エレナは再びハイランドの英霊たちと共に戦場を駆け、闘竜の元へ至った。
「さっさと本気だせよ、生き残れねぇぞそんなことじゃ」
 臨界を超えて暴走した怨みに駆り立てられるままに妖刀を振るい、咲菜は吐き捨てる。
「……まあここにいる全員、元からてめぇの生存なんて誰も願わねぇけどな」

 皆の想いと託されし願いを胸に、アンゼリカは今一度、闘竜ヴァイカンコルドと対峙する。
「いくよ、闘竜! ――裁きの光よ! 我が手に集いて剣となり、全てを斬り裂けっ!!」
 その時、ヴァイカンコルドは確かにその目で見た。
 身の丈を超える巨大な光の剣を振り上げたアンゼリカの姿に、騎士の青年の姿が――重なったのを。
「今こそ、最大まで輝けーーーっ!!」
 流星のように尾を引いて、迸る光が駆け抜ける。
 後には一瞬の静寂と、ゆるりと膝を付き、崩れ落ちる――竜の姿。
「……見事だ、我が宿敵よ」
 こうして、死の歴史を覆したひとつの闘いは、終わりを迎えたのだった。

(「……幸せに、なりますように」)
 闘竜ヴァイカンコルドの死と共に崩壊を始めた世界で蛍が紡ぐのは、死の運命を乗り越えた二人への、祝福の歌。
 アンジェリーカに肩を貸しながら、アンゼリカは騎士の青年と姫君に、太陽のように晴れやかな笑みを向ける。
「どうか、幸せに。……これからも私たちは負けないよ、――ご先祖様!」
 アンゼリカの言葉に、騎士の青年は――アンゼリカによく似た笑顔で、しっかりと頷いた。
 その後のふたりがどうなったのかは、誰にもわからない。
 だが、青年の想いと力は遥かな時を超え――今この瞬間も確かに、アンゼリカの裡にある。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【エイティーン】LV1が発生!
【活性治癒】がLV3になった!
【クリーニング】がLV2になった!
【託されし願い】がLV2になった!
【トラップ生成】LV1が発生!
【建造物分解】がLV2になった!
【友達催眠】LV1が発生!
【勝利の凱歌】がLV3になった!
【断末魔動画】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
【ドレイン】がLV5(最大)になった!
【凌駕率アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV5になった!
【ダメージアップ】がLV7になった!
【先行率アップ】がLV3になった!
【ラストリベンジ】LV1が発生!
【反撃アップ】がLV2になった!
【命中アップ】がLV3になった!

最終結果:成功

完成日2022年07月06日
宿敵 『闘竜ヴァイカンコルド』を撃破!