改造工場の博士は新たな素体を求む(作者 秋山霧夏
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#機械化ドイツ帝国  #ゾルダート秘密工場からの脱出 

 ジメジメとした通路に規則正しい靴音が響く。決められた扉の前で立ち止まると懐から取り出した鍵を差し込むと、軋んだ音を立てて立て付けの悪い扉を開いた。薄汚れた床にうずくまる人影がビクリと身を震わせる。一際弱っていた一人を担ぎ上げる。弱々しく振り回された手足が身体にぶつかり鈍い金属音がする。
 慣れた動作で運んでいくと、交響曲が聞こえる。防音を施された工作室から漏れる音楽を気にせずドアを開け、迷いの無い足取りで蓄音機の前に進むと針をあげた。
「……酷いよ、曲の良い所だったのが君には解らないのかね?」
 レコードを止めるまでこちらに気付きもしなかった上司の小言を無視して手術台に素材を拘束し、告げる。
「博士、手術準備完了しました」
「相変わらず君は堅物だねぇ」
 敬礼するとさっさと部屋から出て見回り行く。この無愛想さは誰に似たのかと博士は呟きながらレコードに針を落とす。
「私に感謝するんだよ。君のような非力で普通なら素材にもなれない最下級の人間を、私の天才的な腕と頭脳で機械化ドイツ帝国の一員にしてあげるんだからね」
 耳障りな笑い声と丸鋸の回転音が曲と悲鳴をかき消すように響いた。

●新宿ターミナルにて
「機械化ドイツ帝国行きのパラドクストレインが現れたわよ」
 グレーテル・ベッカー(人間のレジスタンス諜報員・g01436)が資料を片手に慌ただしく椅子に座り地図を指さした。
「この貧民街から人がさらわれてゾルダートに改造される事件が起きているわ。改造された人達は脳を改造され、クロノヴェーダの命令に忠実に従う兵士にされてしまうの。みんなにはさらわれた人達を助け出してクロノヴェーダをやっつけて欲しいの。改造担当のクロノヴェーダを倒せば工場は爆発してしまうから救出は事前にやって欲しいんだけど……」
 地図から顔を上げグレーテルは真剣な眼差しでディアボロス達を見つめる。
「問題が一つあってね、その改造工場が何処かって誰も知らないのよ。誰かが囮になって上手く誘拐されてくれないかしら。誰か一人でもたどり着ければ救援機動力で他の人も駆けつけられるしね」

 貧民街の範囲を指でなぞり、グレーテルは話を続ける。
「ならず者がこのあたりから改造する人をさらっているんだけど、ここは特に貧しくて食うにも困っている人が多い場所ね。さらわれた人は幾つかの牢に分けて入れられてるの。鍵はこの工場で作られた歩兵型ゾルダートが持っているから奪い取って。警戒していて工場に侵入したら直ぐに戦闘になると思うから覚悟しておいてね」
「捕まっている人達はほんの少しの食事しか与えられてなくて逃げ出す気力も無いの。幸いにボスは少々うるさいぐらいじゃ出てこないの。食事を振る舞うなり、抱えて連れて行くなり好きな方法で助けてあげてね」

 その後施設や人物についての細かい説明をしてグレーテルは一息つく。
「現場に行けないのが悔しいけど……私の思いを託しても良いかな?」
 君たちの帰りを待っているよと言って、はにかんだ。

●月夜の貧民街
 街灯も無い貧民街を煌々と月が照らす。その陰に隠れてごろつきという言葉が似合う人相の悪い男達がずた袋を抱えている。
「それにしても楽な仕事でヤンスな」
「できるだけ弱ったのなんて何言ってんのかと最初は思ったけどな」
 げへげへと品の無い笑い声をごろつき達はあげる。弱っている者をずた袋に入れて、袋の口をロープで縛り所定の場所まで持っていく。これほど楽な仕事は無かった。
「活きのイイ奴持ってったら突っ返されたのには本当にビックリしたッス」
「『博士は力の弱い衰弱したモノを求めている』って何怪しい事してるかと……おっと、詮索はヤボだな」
「今日も弱った奴が転がってイヤスように」
「早く終わらせて一杯やりたいぜ」
 彼等はまだ知らない。行く先にディアボロスが待ち受けている事も、この先起こる何もかも。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【水源】
1
周囲に、清らかな川の流れを出現させる。この川からは、10秒間に「効果LVトン」の飲用可能な水をくみ上げる事が出来る。
【怪力無双】
2
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わり、「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げて運搬可能になる(ただし移動を伴う残留効果とは併用できない)。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【光学迷彩】
2
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【モブオーラ】
1
ディアボロスの行動が周囲の耳目を集めないという世界法則を発生させる。注目されたり話しかけられる確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【活性治癒】
3
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【修復加速】
1
周囲が、破壊された建造物や物品の修復が容易に行える世界に変わる。修復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」する。
【パラドクス通信】
3
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【アイテムポケット】
1
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV4 / 【命中アップ】LV3 / 【フィニッシュ】LV1 / 【反撃アップ】LV1 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV4 / 【アヴォイド】LV2

●マスターより

秋山霧夏
秋山霧夏です。
皆様の冒険の一助となれるよう努力します。
これからよろしくお願いします。

今回の登場人物

さらわれた人々 一般人。男女混合。最少齢が十五歳、最高齢が五〇代。食事にもありつけず弱っています。ある程度の食事で、自力で逃げ出せる程度には回復します。
ドクトル・マシーネ アヴァタール級クロノヴェーダ。通称、博士。自分が作り出したゾルダートに自分を博士と呼ばせて悦に入っている。音楽を愛し、改造後のクラシック鑑賞が楽しみ。聞き入っている間は時間を忘れる悪癖がある。改造の腕を誇り他の工場長が狙わなそうなか弱い相手を好む。
インファントリー・ゾルダート トループス級クロノヴェーダ。通称、警備兵。脳まで改造された元一般人。職務に忠実で見回りを欠かせない。改造された事に感謝するように改造されているが、博士の御守から解放され戦場に立つ事を夢見ている。
ならず者 一般人。ならず者達の中でも一、二を争う戦闘能力のなさを持つ。特技はおべっか。

今回の登場人物の戦闘能力
博士(ドクトル・マシーネ) 自分が負けるわけ無いと思い込み正面から正々堂々と戦います。レーザーメスを投げつけて優雅に戦うのを好みますが、切り刻まれた相手を見ると威力が高い縫合手術したくなる癖があります。
警備兵(インファントリー・ゾルダート)連携が取れており敵が複数の場合砲火の交響曲を連発し、弱った敵を帝国進軍で一斉に攻撃します。死角からの攻撃や奇襲など不測の事態に弱く、驚いた拍子に得意では無い徹甲弾発射を使ってしまう事があります。


今回の立地

貧民街 お世辞にも綺麗とは言えない場所。夜に行き倒れていた人がいなくなると噂が立っているが、潰れた酔っ払いや喧嘩で気絶した若者は連れて行かれないため信憑性に欠けていると思われている。実際は酔っ払える収入がある人間や喧嘩する元気のある人間は避けられているだけである。
秘密工場 関係者以外場所を知らない。博士と生死を共にし、博士の死が確定するとあっけなく全壊する。あらかじめ安全圏に避難するか時空間を移動できなければ崩壊に巻き込まれるこだわりが詰まっている。
秘密工場の牢 重い鉄の扉で閉ざされた部屋。狭く暗く薄汚れている。一部屋に数人が押し込められており、横になるスペースは無い。ドアは外開き。
秘密工場の廊下 見通しが良く、以外に広い。湿度は高いが意外に綺麗に掃除されている。
秘密工場の工作室 無駄に広い。中央に血が染みついた手術台が置いてある。無機質なタイル張りの部屋に改造用のガラクタが積み重なっている。片隅には場違いな蓄音機とレコード棚、安楽椅子がある。
11

このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


宿奈・雨祢
歴史の授業で習ったような場所と時代に行ける時が来るなんてね。ま、習った内容じゃドイツはこんなとこじゃなかったはずだけど。

最初の仕事が攫われることとはね……なんとかやってみるとしよう。
現地に着いたらボロボロの敷物と空き缶みたいな容器を探すよ。
見つけたら敷物を敷いて空き缶を目の前に置くよ。僕も実際に見たことはないけど、これで乞食みたいに見えるかな?

準備を整えたらあとは座る元気もないフリかな。敷物の上に伏せっておくよ。
誰かの足音が聞こえたらうわごとみたいに「食べ物を下さい」って呟こう。もしゾルダート以外だったら何だかちょっと恥ずかしいな……


ミルディア・ディスティン
「潜入作戦ならお任せにゃ♪」
ホントは気付かれずに潜入するのがいつもの仕事なんだけど、まぁ一般人にまぎれて一般人っぽく動くのも、それとなく情報を聞き集めるのも得意なのにゃ。
弱った人を求めてるのか……ならホントにおなか空かせて弱った方がいいかにゃ?痛い辛い苦しいに耐えるのは大得意にゃ♪
ん~、服装は体調にあわせてボロボロにした方があってるかにゃ。
あとは、探せば気付かれる、丁度いい場所で寝転んでればいいかにゃ。
最後に【モブオーラ】を漂わせてごく一般人として気付かれるように装うにゃ。

「この手のゴロツキが探しそうな場所に仕掛けてっと。奴さんの考えることはわかりやすいのよね」


金刺・鞆
どいつ。唐よりも西、です? ともの世のずっとさきは、とても、ひろい。
されど、この世もゆがんだはて。考えると、おなかがむずむずする、です。むー。

ひとだすけ。しかし、とらわれた場所が不明となれば。囮作戦、援護します。

【パラドクス通信】があれば、近くの御同輩と状況確認もできそう、です?
つうしんとはとても便利な技術……いくさばの常、ひっくりかえる。ともの世にもほしかった、でした。
などと、羨ましがってる場合、ちがう、ですよ。
いぬと一緒にこっそりかくれて、御同輩とごろつきを追いかけましょう。
新宿島からもってきた携帯糧食もわすれずに。
場所さえわかれば、ごろつきはてきとうにのす、です。邪魔される、こまります。


●月は陰り、悪党跋扈する
 いつものように空を見上げる。煌々と照る月に影が薄くかかり、昼間の暑さを和らげるように涼やかな風が頬を撫でる。遠い異国のボロボロの敷物の上でも空は変わらずに宿奈・雨祢(ウェザーキャスター・g00913)に多くの情報を与えてくれる。本日の天気は下り坂だがまだしばらく持ちそうだ。
「歴史で習ったような時代に行ける時が来るなんてね……習ったドイツはこんなところじゃなかったけどね」
 そもそもドイツの貧民街なんて習ったっけとつぶやくと、伏せた体勢に戻す。
 人の気配を感じ、ギリギリ相手に聞こえる程度の力ない声でつぶやく。うわごとのような演技が真に迫っているのは先ほど証明されている。関係ない人の憐れみの視線は少し、いやかなり恥ずかしかった。
「……食べ物を下さい」
 月光が遮られ視界が薄暗くなる。ゆっくりと目線をあげるとずた袋を抱えたごろつきが笑っていた。

「わかりました、ですよ。」
 囮作戦のバックアップに当たっていた金刺・鞆(虚氏の仔・g03964)が雨祢から無事さらわれたパラドクス通信を受け、返事を返した。
「まだ、とらえようと探しています。」
 もう一人の囮役に伝えると目立たないように暗がりに隠れた。モーラット・コミュのいぬの毛並みをなんともなしに手繰りながら戻らない時を思う。
「つうしんとはとても便利な技術……ともの世にもほしかった、でした」
 いくさばの常、ひっくりかえる。つぶやき思いをはせる。
「されど、ともの世もゆがむ?」
 なんともいえない違和感を抱えるともにいぬは鼻をこすりつけた。

 ぼろをまとった少女は弱り果てていた。かわいらしい顔は薄汚れ、食事にもありつけていないのか手足に力が入っていない。横たわる雑多なゴミが置かれた路地裏は人の目を気にするゴロツキが良く通り、喰いモノにされるのは時間の問題かと思われた。が、
「誰もいないッスねぇ」
「もう一人ぐらい転がってねぇのかね」
 目の前をズタ袋を持ったゴロツキが右往左往しているのに全く気づかれない。注意散漫なごろつき共に、実際に腹を空かせそれらしいメイクをして完璧に街に溶け込んでいるミルディア・ディスティン(伝説の子・g01096)をモブオーラ越しに見つけるのは難しいようだ。
 情報を得るために痛い辛いにはなれているが、無視されるのはそれとは違うもの悲しさがある。
「了解したにゃ、もう少し目立って見るにゃ」
 ともからの連絡を受けミルディアは、そばに捨ててあった空き瓶を音を立てて倒しモブオーラを解く。音にびくついて振り返った三下ゴロツキが小走りで近寄ってきた。
「兄きぃ、こんなところに丁度いいのがいやしたゼ」
「こういう狙い目の所はキチンと探せっていっただろうが」
「……思った以上にバカだったのにゃ」
 誰にも聞かれない呟きだけを残し、少女はさらわれた。

 ゴロツキ達は二人をズタ袋に隠し、手車に乗せて郊外に運ぶ。悪路でガラガラなる車輪の音に紛れる小声でディアボロス達は通信し合う。
「囮作戦、成功のようです。」
「ありがとにゃ。潜入作戦ならお任せにゃ♪」
「このまま私たちは連れて行かれるね」
 この後の手順を確認しているとごろつき達が掘っ立て小屋の前で止まる。オーラを纏いついてきたともはささやく。
「ぞるだーと小屋にいる、です。」
 息を潜める二人の引き渡しは予想以上に手早く終わった。ゾルダートは金と引き換えに二人を受け取ると、ズタ袋ごと担ぎ上げた。
「それでは次は二日後に」
「へい、旦那。次もごひいきに!」

 走り去るゾルダートを見送ると兄貴分は鼻歌混じりに小屋に戻る。彼を出迎えたのはむさ苦しい仲間ではなく、ひろい世の遙かさきの装束を身に纏う少女だった。
 ぐぇ、と空気が押し出される声がする。今宵、新たな噂が貧民街の裏社会に誕生した。曰く、『幼い少女に気をつけろ。特にもふもふを連れてる奴はヤバい』
 街の治安を少し良くしたこの噂が本当かどうか、ともといぬだけは知っている。


●悪徳の砦
 一方ゾルダートは人気のない道を横にそれ森へと分け入っていく。しばらく走ったその先には先の大戦の物とおぼしき軍事施設が陰鬱なたたずまいを晒していた。
 門の横にいるゾルダートの敬礼に目礼で答え、二人を担いだゾルダートは建造物の中に入る。そのまま牢に直行すると空きのある別々の牢に二人を入れ、鍵をかけると装甲の中に鍵をしまった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【活性治癒】LV1が発生!
【モブオーラ】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!

新堂・亜唯
人をさらって改造するなんて、ふてぇ連中だな!

脱出を手伝ってやりてーとこだが、俺には有効な技能がねーな……
警備してるトループス級を相手にしに行くか!
【牢屋のカギ】を探せれば一番良いね! そしたら脱出の援護ができる。

不意打ちが有効ってことらしいから、俺の小柄な体を生かしたパラドクス
【隠密行動】で、なるべく孤立してる敵を狙えればいいな。
残留効果の【モブオーラ】を生かして、静かに動ければなお良い。
装備アイテムの【サバイバルロープ】を使ったブービートラップで攻めたいね。

トループス級の動きが事前に分かれば攻めやすいんだろうが……残留効果の【パラドクス通信】で、敵の行動を連絡しあえるか、試してみるか。


ミルディア・ディスティン
ちょっとあせったけど、なんとか気付いてもらえてよかったのにゃ。
さてと、潜入してる人と【パラドクス通信】で連絡を取って、どうするか考えないとにゃ。
…別事象からだけど同じドイツ帝国出身、勝手知ったる他所の家と行ければいいけど、まぁ二人脱出経路を探すみたいだから、あたしは新堂さんと警備兵の対処をするかにゃ。
戦術としては、残留効果の【モブオーラ】で隠れつつ配置やマップを把握して、『地形の利用』スキルで通行止めやマキビシでの足止めにゃ。ゲリラ戦法はお手の物にゃ!
「やっこさんの動きはわかりやすいにゃ……」


アズ・ライト
よし。鍵を持ってるのは、ゾルダートだな?
なら、ぶっ倒していけば警備も無力化できて鍵も奪える。一石二鳥だな
改造されたら、もう倒すしか無いのかな……。戻す手段がないなら、ここで眠らせるのが、私の役目だ

私は魔骸連刃で手に刃を作って、突撃だ!
敵の砲撃は、早業と解体で砲弾をバラしてやる!
このくらいの弾幕で止まってやれるかよ! 
さぁ、今、楽にしてやる。安らかに眠れ

先行した味方が残してくれたパラドクス通信を活用して、状況は共有していくぞ
鍵が見つかったり、数が多くて対処に困るときも同様に
数が多い場所は、何か警備が必要な場所がありそうだな


 朧な月が怪しげに照らす砦にディアボロス達は集う。
「いぬ、つうしんの強度を上げて。」
 施設入り口近くに潜んでいた鞆の出力を上げたディアボロス通信を駆使し、潜入したミルディア、雨祢と連絡を取り合う。
「例のドクターの所に直行だったらどうしようかと思ってたよ」
 牢に入れたゾルダートの特徴を伝えた雨祢がぼやく。
「よし。鍵を持ってるのは、ヘルメットに赤いラインが入ったゾルダートだな?」
 アズ・ライト(悪食・g00065)
「なんとか気付いてもらえてよかったのにゃ」
 ちょっと焦ったけどと見事な隠形でスルーされかけたミルディア・ディスティン(伝説の子・g01096)が茶目っ気たっぷりに言う。ディアボロス達から笑いがこぼれ、場に漂っていた緊張がほぐれたのを感じ取りながらわかった範囲のゾルダートの配置と牢の位置を伝える。
「人をさらって改造するなんてふてぇ連中、俺たちで倒す!」
 新堂・亜唯(ドロップダスト・g00208)の気合いの入った言葉にディアボロス達は同意するとそれぞれの戦いを始める。

●警備の想定外
「敵襲だと……」
 地面に投げ出された銃口から硝煙が頼りなげに昇る。降り出した雨の最初の一滴が銃身に当たり音を立てて消える。
 門の前で歩哨に立っていたゾルダートの驚愕を表すかのように瞳の灯りが二、三度強く光り消える。体を巡る動力が立てるノイズが静かに止まるのと対照的に、軍事施設に強いライトが点り、鉄靴が床を叩く音が増えていく。パラドクスの反撃に放たれた銃弾は近くの木を粉砕するだけだったが、警戒を促すには十分だったらしい。
 倒れた門番を振り替えもせずに、ロープを補助にして軽々とディアボロス達は塀を乗り越える。二手に分かれると片方は裏手に回り、もう片方は堂々と正面玄関へ歩を進める。

 混乱に陥り始めた砦の扉を安全ブーツに包まれた足が蹴り破る。丁度外に出ようとした運の悪いゾルダートが扉と一緒に吹き飛ばされた。三々五々と集まり始めたゾルダートをアズは睨め付ける。機械的に隊列を組み銃口を向けるゾルダートには改造前の個性や面影はない。改造されたら元には戻せない、それを実感し少しやるせなくなるが、
「さぁ、今、楽にしてやる」
 繊手から透き通った刃を生み出すと鋭い踏み込みで一気に距離を詰める。もう倒すしか無いなら、
「ここで眠らせるのが、私の役目だ」
 潤滑油と血の混じった液体が滝のように吹き出す。隣の同僚の命を浴びながらも、平然と振り下ろされた斧を体勢を崩しながらも受け流しながすが、避けきれなかった刃がアズの肌を浅く薙いだ。お返しに刃を突き刺し蹴り飛ばす。
「仲間が殺されるのは不測の事態にも入らないって訳か」
 一度距離をとって吐き捨てるように言うと、通信機にもその旨を伝える。返事が返ってくる前にアズは次の敵へと飛びかかった。

 派手に突撃するアズに注目が集まる中、少し離れた換気口から小柄な陰が侵入したのに誰も気がつかなかった。気配を消し影に隠れ音も立てずにするすると移動しながら亜唯はトラップを仕掛ける。
「俺は、俺にできることっ、と」
 建物の構造や敵の配置を伝え合いながら亜唯は走る。建物の外見と配置から目星をつけて途中次の廊下をのぞき込むと、牢を見張っているゾルダートを見つけ慌てて隠れ直す。
「鍵を持っているのはヘルメットに赤いラインが入っているトループス級だよな」
「そうだにゃ。牢の前から動かなくて出づらいにゃ」
 途中入ったアズの報告に顔をしかめながらもミルディアと通信し合う。
 外で拾った小石をスナップを利かせて投げつける。外装甲に当たった石が派手な音を立てる。驚いた様子で振り返る警備兵に小さく手を振り、すぐに通路を曲がり走り去る。暗闇にも鮮やかな金糸の残像を追いかけて、挑発された警備兵は慌てて駆け出す。通路を曲がった先に何が待ち受けるか考えせずに。
 ぐるんと視界が逆さまになる。いや、足にかかったロープが自分をつり上げたのだと気がついた時には致命的な攻撃が目の前に迫っていた。反射的に引いた引き金が打ち出した弾丸の行く先も知らずに警備員の意識は闇に沈んだ。
 ブービートラップに引き込んでから隠密行動のパラドクスを鮮やかに決めた亜唯は、跳弾がかすった頬を流れる血を拭う。目の前で天井から逆さまに吊られ力なく揺れている警備兵の懐に手を入れ鍵を手に入れた。鍵を開けて重い扉を開けるとすぐにミルディアが出てきた。
「それじゃあ雨祢の救出は任せていいかな?」
「もちろんだにゃ」
 鍵を受け取るとミルディアは迷わず走り出す。亜唯も天井の配管の上に飛び乗り、敵の配置を通信し合う。アズの方へ向かっている単独行動のゾルダートへと、滑りやすい配管を靴裏でしっかり捕らえながら走って行った。

「それじゃあ救出は任せたにゃ」
 雨祢に鍵を渡しうなずき合うとディアボロス達は自分たちの持ち場に戻る。ミルディアも通信に参加し、手近な敵へ向かう。十字路の手前で膝をつき、拳銃を両手で構える。近づいてくる足音と声でタイミングを計ると慣れた手並みで連射した。急ぎ集中力が欠けていた警備兵達はミルディアに気づかずに自分から銃弾の雨に突っ込んだ。
 驚きと混乱の中乱射された銃をよけきれずに手傷を負うが、痛いのには慣れている。さっさと身を隠したミルディアを追いかけて警備兵達も通路になだれ込むが、その先には誰もいない。それどころか通路にマキビシが巻いてあり鉄靴に突き刺さる。
「ゲリラ戦法はお手の物にゃ!」
 いらだち紛れにマキビシを踏み潰すゾルダート達。その背後からバレットレインを浴びせるとレジスタンス諜報員の少女は不敵に笑った。

 号令とともに放たれた銃弾はよける様子もない細身の体に直撃するように見えた。が、刃がひらめくと銃弾は真っ二つに分かれあらぬ方向へ飛んでいく。その勢いまま銃身を二枚に開き、とどめを刺す。敵が誰も動かないのを確認すると一つ、息を吐いた。
「こっちは全部バラした。ほかに敵は残っているか?」
「単独行動していた敵は全員倒したね」
「こっちに詰め所があるにゃ。隙がないのと動きが全くないから後回しにしてたんにゃ」
「何か警備が必要な場所がありそうだな」
「やっこさんの動きはわかりやすいにゃ」
 ミルディアの視線の先には音楽を漏らす昏い大扉があった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【活性治癒】がLV2になった!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【ドレイン】がLV2になった!

金刺・鞆
【モブオーラ】、頼もしき、でした。されど、とるーぷす級……くろのべーた相手の隠形できる、です?
会敵逃れ得ぬ、なれば。ともが、撹乱。『ワイファイスパーク』、いぬが本命。
【パラドクス通信】で警備の配置、交戦状況、等。連携、図ります。多数相手取る、避ける、です。
いぬ、つうしんの強度を上げて。

牢にたどり着けば、僥倖。新宿島よりもちこんだ糧食、衰弱のはげしい者からたべてください。みなの腹をみたすだけあれば、よいのですが。

自力脱出、むずかしい、です? なれば、出口まではこびましょう。民の無事、最優先。できるだけ、警備とまみえぬよう。連絡をとりながらゆきます。
必要とあらば、何往復でも。とも、がんばる、です。


宿奈・雨祢
なんとか無事に潜り込めたね。
このまま例のドクターのところに直行だったらどうしようかと思ってたとこだよ。
さて、それじゃあまずは……どうにかして脱出しないとね……

【パラドクス通信】で牢に捕まっていない他の復讐者と連絡を取り、僕たちを牢に入れたゾルダートの特徴を伝えてそいつを倒すか鍵をスるかで手に入れてもらおう。【モブオーラ】があればできないかな?

鍵を手に入れてもらって脱出したらその鍵で他の捕まった人たちを助けに行く。【水源】で飲料水を与えて、【活性治癒】で素早く回復してもらって脱出させるよ。

さ、ゾルダートたちが来ないうちに逃げるよ。


●生地への脱出
 渡された鍵を握りしめると雨祢は扉をくぐる。
「お姉ちゃん、どこに行くの?」
 床に座り込んだ年下の少女が雨祢の背に声をかける。宿奈・雨祢(ウェザーキャスター・g00913)が牢に放り込まれたときは身動き一つしなかった少女も力を含んだ水を飲んでずいぶん顔色が良くなっている。
「ほかの人たちを助けてくるからここで待っててね」
 素直にうなずくと少女は壁に寄りかかる。魔法のようにあふれる水源を生み出し自分を救ってくれた、紫の瞳の予報士を少女はとても信頼していた。
 牢から出るとモーラットのひまわりを呼び寄せる。自分に抱きつくひまわりの頭を撫でながら牢の鍵を開けて回る。その間も仲間達との交信は怠らない。半分近くの鍵を開けた所で警備員が牢の前でキョロキョロとあたりを伺っている。見つからないで鍵を開けるのは不可能だろう。距離をとって隠れながら悩む雨祢に短い通信が入る。
「任せて」
 警備兵の頭上から金のきらめきが現れる。配管から飛び降りざまに一撃を入れた亜唯は、銃身を振り回す警備兵を引きつけながら手を振るとその場を離れていく。雨祢も手を振り返し、急いで鍵を開けた。しばらく警戒したが警備兵は戻ってこなかった。
 大体の牢の鍵を開け終わった頃、亜唯と相談して情報をまとめていた金刺・鞆(虚氏の仔・g03964)が軽い足音を立てて近づいてきて足を止める。
「直接牢を回ってくれて良かったのに」
「もちこんだ糧食、分ける、です。」
 その方が早く助けられるからと鞆は虚空に手を入れて、簡単に食べれる栄養食を取り出す。アイテムポケットに半分ずつに分ける。食料が足りるか微妙な所だが、それでもかなりの人数に行き渡るだろう。最後の鍵を開けると雨祢は最初に入れられた牢に戻る。
 鞆も最後に開けられた牢に入る。ぐったりとした人々を助け起こすと水を生み出し飲ませる。顔色の良くなった所で食料を取り出すと争うように食べ始めた。
「みなのぶんが、あります。おちついて、です。」
 喉に詰まらせかけてむせる背中を優しく撫でながら、救出が始まったことを連絡する。
 雨祢も牢に入ると食料を分配する。
「お姉ちゃんって魔術師なの?!」
 何もないところから食料を取り出す雨祢に目を丸くして少女がはしゃぐ。曖昧に笑ってごまかすと次の牢に向かい食料を渡す。
 手分けして配ったおかげで早く食料を渡せたが、全員に十分な量は行き渡らなかった。逃げ出せるほど体力が回復していない人がいるが、それでも衰弱が弱かったり、早いうちに活性治癒の恩恵を受けていた人たちは動けそうだ。ひとまず衰弱している人たちを広い空き部屋に集め水源を残しておき、元気のある人たちを守りながら脱出することになった。

 モーラットのいぬとひまわりの頭の上に人が乗っている。回復したが歩調が遅い人を助けるために乗せたのだが、ものすごく幸せそうなのは気のせいではないだろう。
「今回も頼むよ、ひまわり」
「いぬも、がんばる、です。」
 雨祢とモーラット達に民を任せると鞆は少し先行する。連絡を取り合いながら警備と出会わないように慎重かつ素早く道を選んでいく。
 それでもどうしても通らなければいけない要所で警備員が扉を守っていた。攪乱させてその間に、といぬを呼び寄せようとするが、
「警備兵は任せるのにゃ!」
 通信機越しに明るい声が響くと、扉が猛烈な勢いで押し開けられた。ものすごくいい音を立てて後頭部を扉で打った警備が振り向くとかわいらしいメイド服に身を包んだ少女が笑っていた。怒り心頭の様子で迫ってくる警備がおちょくりながら離れる少女に突撃している間に走り抜ける。
 出入り口に近づいていくと弾丸と刃が交錯する壮絶な戦いの音が近づいてくるが、その音が急に遠ざかる。
「外への道は空けといた」
 ぶっきらぼうな通信に感謝を伝えると破壊された扉を抜け、外へと脱出を果たす。
 門を開け先を急ぐと森の出口へ向かう細い道に出た。ここからは自分たちで逃げられると言う人々に任せて二人はきびすを返す。その背中にたくさんの感謝の言葉が投げかけられた。
「ありがとう、このままあんな所で死ぬかって怖かったの」
「魔術師のお姉ちゃんありがとう! 助けに来てくれて私すっごくうれしかった」
「向こうで戦ってる嬢ちゃん達にも、俺たちの代わりに御礼を言っといてくれや」
「こんな凄いことに出会うとは……長生きした甲斐があったわい」
「力には慣れないけど応援してるわ」
「もふもふちゃん達もありがとうね!」
 去り際にかけられた言葉に雨祢と鞆は顔を見合わせるとにっこりと笑った。
「さ、ゾルダートたちが来ないうちに全員逃がすよ」
「必要とあらば、何往復でも。」
 頑張ろうと気合いを入れ直しながら二人は工場に戻っていった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【パラドクス通信】がLV2になった!
【水源】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【反撃アップ】LV1が発生!

藤永・えみり
望まぬ人たちを改造して自分たちの先兵にしようなんて、許せることではありません。
状況的には、救出の方は、何とか終わりそうでしょうか?
それならば、私は雑兵の掃討に向かいましょう……実戦経験はほとんどないですけど。やれます。この『身体』にはそれだけの力がある。そのために、訓練もしてきたんですから。

数の多い相手ですから、“黒の雷霆”を使います。広域に雷撃空間を発生させるガジェットです。とどめを刺しきれなくても、相手の電装系にショックを与え、隙さえ作れれば……私自身はガジェット【迅雷】の電磁フィールドの力で加速しながら肉薄し、【Drachenklaue R/L】の近接射撃からブレードの連撃で仕留めます。


グスタフ・カツラギ
初の対クロノヴェーダ。僅かながら緊張しますね。
事前情報によれば奇襲に弱いのがあの警備兵たちの弱点だと。であれば「不意打ち」に「捨て身の一撃」に限りますね。多少の損害は覚悟の上、可能であれば「地形の利用」で隠れつつが望ましく、全力で不意打っての隠密制圧を心がけましょう。協力者がいれば捕縛からの追撃をお任せできるかもしれません。でなくとも初撃さえ当たれば追撃も用意です。
機械化されたこの両腕は延伸式、地を這わせるように気が抜けた瞬間を狙って【開鮫】で一体ずつ縊っていきましょう。
この腕が討伐に有効であるのならば、悲願にも近づくというものです。さてさて、暗殺は続けて参りましょうか……。


●悪徳への道を切り開く
 ミルディアからのパラドクス通信を受けて二人のサイボーグが詰め所にたどり着いた。機械脚をフル稼働させ駆けつけた藤永・えみり(ヴンダー・カンマー・g01322)は通路の角からわずかに顔を出し偵察する。あちこちで起こっていた戦闘の響きが消え、無線の応答もなくなり無音になっていくにもかかわらず警備兵達は愚直に改造室へ続く通路を守り続けている。
 帝国に安易に造られ使い捨てにされている彼らを観察するグスタフ・カツラギ(All is Well・g00055)の電光が形作る顔にさざめくようなノイズがチラリと走った。
「この腕が討伐に有効であればいいのですが」
 いつもと変わらない落ち着いた機械音声で呟く。慣れているはずの機械腕の作動の最終チェックを何度も繰り返してしまうのは初めてのクロノヴェーダ線への緊張か、それとも帝国への反逆の第一歩に気づかぬうちに昂揚しているせいだろうか。
 詰め所を中心に離れた場所に陣取った二人は飛び出すタイミングを打ち合わせた。
「望まぬ人たちを改造するなんて、許せることではありません」
 悲痛な声で呟くとえみりは ガジェットストレージを励起させる。実戦経験がほとんどないとはいえ、『身体』は訓練通りなめらかに戦闘態勢に移る。自分の近くに浮く漆黒のガジェットに指を滑らせると一気に通路に飛び出した。
「【WunderKammer】解放、」
 えみりに気づいた雑兵がこちらに気付いて銃口を向ける瞬間次のガジェットを起動させ、電磁フィールドを展開しながら迅雷のように飛び込んだ。
「 “黒の雷霆”!」
 力を込めた声が起動のトリガーになり球体からあふれ出した電子の嵐は警備兵達を飲み込む。吹き荒れる電磁波からの影響を優れた技術で造られたゾルダートの身体は刹那もかからずに無効化するが、それを動かす精神は突如として現れたえみりへの驚愕に支配されている。三方から放たれた徹甲弾は狙いが甘い。二発を避け、もう一発を擬態の装甲で受け流す。自身の身体を削るが、気にもとめず残りの掃討に移る。
 えみりの雷光が作り出した影をグスタフは走る。警戒がおろそかになった獲物に鮫のように音もなく近づく。
「枯れ逝く粋は肌寒く、散らす華は糧となる」
 何かに説くように呟くと伸縮式の腕が地を潜るように這い伸びる。
「命の喰い時!」
 真下からの攻撃に反応できずにゾルダートの身体がきれいに宙を舞う。それでも照準を合わせ速射したゾルダートだが、反撃もそこまでだった。打ち上げられた速度のまま天井にたたき付けられ、地面に数回バウンドする。動かなくなった僚機の敵討ちとグスタフがいた場所めがけて斧を振り上げるが姿を見つけられずに硬直する。
「さてさて、暗殺を続けて参りましょうか」
 天井の配管をつかみ素早く身体をつり上げてゾルダートの視界から消えたグスタフは、ネックウォーマーの位置を確認しながら戦場を俯瞰する。
 正面からなぎ倒すように戦うえみりと、孤立した兵を確実に仕留めるグスタフは連携をとりながら雑兵を掃討する。すべての敵を倒した頃、敵の討ち漏らしはないかと確かめていたアズ、ミルディア、亜唯が合流する。

 暗い通路の奥に闇を煮詰めたような扉がが完全視界ではっきりと見える。漏れ聞こえる交響曲は知っている者ならまだ中盤だとわかるだろう。時間的余裕はまだあるようだ。
「とらわれた人を逃がしたら、決戦だな」
 ディアボロス達はうなずき合うと次の戦いに備えはじめた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【パラドクス通信】がLV3になった!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
【アヴォイド】LV1が発生!

ベルナデット・ムラサメ
改造して兵士にするってか?
オレが来たからにゃいらねー犠牲者なんざ出させねーぜ

オレみたいなんがうろついてたらすぐに発見されて囲まれるわな
だけどいいのかい?
あんたらもう、間合いの内側だぜ?

歩兵型ゾルダートからまずは鍵頂くとすっかね
通路を巡回中のゾルダートを、聖者の霊鎖で絡めとりありったけのエネルギー吸い取ってやっぜ
動きを封じながらさらに根こそぎ奪い取ればまぁ仲間を呼ぶ暇もねーだろ

この鍵を使って牢を開けまくり捕まってる奴も纏めて外まで案内してやるよ

まぁ、遊んでやってもいいが今日のとこは逃げるが勝ちだ!
ほーら、鼻の下伸ばしてないでオレについてこいよ!

。。
◯。


●希望への救出
 刻は逆のぼり、亜唯、アズ、ミルディアが警備兵達と戦い、鞆、雨祢が人々を連れて門を出、えみり、グスタフがパラドクストレインに揺られていた頃。長身の女性がふらりと現れた。身体の要所を隠しきれていると断言していいのかわからないシスター服に豊満なボディを押し込み、聖堂を歩くかのように堂々と歩む。
 当然のように巡回中のゾルダートに見つかるが、ベルナデット・ムラサメ(時の異邦人・g00330)は気にせず歩き続ける。
「おい、そこの……怪しい奴! 止まれ!」
 銃口を向けるゾルダートに酷薄な笑みを浮かべ、言い切る。
「あんたら、手遅れだけどいいのかい?」
 いぶかしげな表情が悲鳴に変わる。全身から放たれた鎖がゾルダートを絞り上げる。
「とっくに間合いの内側だぜ?」
 残留効果の助けも受けて反撃の銃弾をかわす。鎖から解き放された死体がごとりと重い音を立てるのを背後に聞きながらベルナデットは牢の方向を目指す。
 途中雨祢と鞆とパラドクス通信を交わしながら、さらわれた人たちのいる場所へたどり着く。
 残っていた人々も休憩を取り食料と水でかなり回復したようだ、多少の手助けはいるが逃げるには問題さそうだ。立ち上がった拍子によろけた少年を支えると顔を真っ赤にしてうつむいた。
「まぁ、遊んでやってもいいが、今のとこは逃げるが勝ちだ!」
 それって……と倫理的にまずそうな事を言いかけたおっさんの口にあめ玉を突っ込むと、朗らかに笑う。
「纏めて外まで案内してやるよ、ついてきな!」

 警戒しながら、人々を守りながら進むのは一人で進むより時間がかかる。しかし、警備兵達は掃討されつつあり、出くわさずにすんでいる。道半ばで鞆と雨祢とモーラット達と合流すると進む早さがぐんと上がった。
 何事もなく門までたどり着き、森を進み先に助けた人たちと分かれた所が視界に入る、そこには人影がたたずんでいた。
「お姉ちゃん! 待ってたよ」
「自分の子供より小さい子が頑張っているのに、さっさと逃げるのは違うと思ってね」
「うお! カッケーネエちゃんもいる!」
 驚くディアボロス達に駆け寄ってきたのは先に助け出した人達だった。手助けを変わりながら口々に話しかける。
「後は任せてくれ」
「元気のない子は先に行ってもらったわ」
「助けてくれた人に一飯の恩を返させてくれ」
「このぐらいじゃ恩返ししきれないけどね」
「ネエちゃん達はまだやることがあるんじゃろうて」
 後は任せろと手を貸し合いながら去って行く人達に手を振るとディアボロス達は急いで合流する。

 暗い扉の向こうでは復讐者達を歓迎するかのように、蓄音機がクライマックスを奏で始めていた。

 
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV3になった!

新堂・亜唯
とうとうお出ましか、ドクトル・マシーネ!
人さらいに人体改造、赦せるはずのないおぞましい野郎だが……
自信から来るものとはいえ、正々堂々正面からってのは嫌いじゃねえな!

警戒すべきは縫合手術……ってことは、切り傷を作るレーザーメスを喰らいまくるのも怖いってわけだ
距離を取り続けるとジリジリ追い詰められかねない

ってことは――度胸見せるしかねえな!
懐に飛び込んでの格闘戦、【螺月流・徹拳】をブチ込みに行く!
俺の持つ最大威力の突き……ネメシス形態の力も乗せて、狙うは土手っ腹だ!

こっちには【活性治癒】もついてる、多少の傷なら耐えてやる
拳の届く距離で、勝負だ!


グスタフ・カツラギ
初手から全力で参りましょう。と、言いたいところですが僕の得意レンジは中距離。まずは改造されかけた方を光学迷彩で救助いたしましょう。機械腕なら遠くからでも吊り上げれますからね。
敵の攻撃のタイミングに「不意打ち」で【開鮫】を被せて「臨機応変」に決定打を凌いでいきましょう。
焦れるか昂って縫合手術を狙って来たら機械腕で庇います。「忍耐力」には自信がある部位ですのでね。
縫合された瞬間に「捨て身の一撃」で「グラップル」を狙いましょう。機械腕の延伸機構は怨敵を縛り上げても余りある長さ。うまく決まってくれれば攻めるチャンスが生まれます。そうでなくとも危険な一撃を庇えるだけでも儲けものでしょう。


藤永・えみり
ドクトル・マシーネ。
改造が主体のクロノヴェーダなのでしょうけど、戦闘力も侮れそうにないですね……油断はしません。

個人携行型ドローン生産・発着ガジェット“Wilde Jagd”から、全域線サリング装備のドローン群を戦場に展開。全ドローン群と情報リンク、情報解析開始……レーザーメスの予備動作、攻撃動作、攻撃間隔……すべて解析。

そこです! 来るとわかっていれば、回避は出来ます!
そして、次弾を放つよりも早く! 両手に装備した“DrachenklaueR/L”からの射撃でレーザーメスの投擲動作の出鼻をくじきつつ全身義体の最大速度で近接、ブレード攻撃からの近接射撃の連撃を仕掛けます!
これで、終わりです!!


金刺・鞆
弱きもの、弄ぶ。まさに外道の所業なり。かならずや、討ち果たさねばなりません。

残留効果、【トラップ生成】を活用しましょう。
敵の動きに注意しながら、天井や置物、壁などを支点に拘束系の罠を仕掛けたい、です。
背から伸びるあの怪腕、不意にとらわれれば付け入る隙をつくれましょう。
ともは、『鬼神変』で攻めます。
衣のすそを破かないよう、なれど、この腕、膚。硬く、するどく、滾らせて。
破壊、強打、力押しの攻撃は、きさまには向かぬものでしょう。……そのおぞましき腕、すべて鉄くずに変えてくれよう。
消耗は【活性治癒】、【ドレイン】で補う、ですよ。器用さを誇るのならば、それを封じるべく立ち回りましょう。
くび、おいていけ。


宿奈・雨祢
くつろぎスペース……にしては趣味悪くないかい?
僕はリラックスできそうにないな。医者ならもっと患者がリラックスできる場所を提供すべきじゃないかな。

【光学迷彩】で隠れて後方から援護を行います。
ちなみに僕はタブレットより重い物は持ったことがない。運動神経には期待しないでくれ。
その分後ろで働くよ……コホン。
こんばんは。ウェザーキャスターの宿奈雨祢です。本日は断頭革命グランダルメ、陰鬱な砦の悪趣味な部屋から天気予報をお届けします。本日は穏やかな風が吹く、過ごしやすい夜となるでしょう。ただし所により……具体的には頭のオカシイ自称医者の頭上には、灼熱の太陽が輝くでしょう。焼死に注意するといい。


●悪徳との遭遇
 そおっと工作室のドアを開ける。以外に小綺麗な手術室だが、奥にあるガラクタにしか見えない改造材料と安楽椅子とレコード棚があまりにも不似合いだった。蓄音機が奏でる大音量に顔をしかめつつ、覗いた先にいた博士はノリノリだった。指揮を執るように振り回される腕に恍惚とした表情、事前に説明された様子を通り越して完全に油断しきっている。今なら不意を打てそうだ。これも迅速に行われた警備兵の掃討と人々の救助、それが運命を曲げディアボロス達に有利な状況を作り出したのかもしれない。
 戦闘プランを臨機応変に組み替えながらグスタフ・カツラギ(All is Well・g00055)は機械腕を伸ばす。
「初手から全力で参りましょう」
 ディアボロスたちはうなずくと一気に襲いかかった。
 背後から迫った両腕が博士の両足を喰らい跳ね上がる。抵抗するまもなく安楽椅子から無防備に吹っ飛んだ博士めがけてパラドクスが降り注ぐ。抗議を紡ごうとした口にさらに追撃が突き刺さり、ぐるりと回転したその胴に重い一撃がたたき付けられる。吹き飛ぶ方向を大きく変えたその先には気合いを込めた拳が待っている。次々と攻撃が決まりお手玉やスーパーボールを思わせる軌道を描き続けた博士は安楽椅子にたたき付けられる。数秒前まで座っていた椅子を粉砕、ながらようやく止まった博士は額を押さえながらよろよろと立ち上がる。
「わ、私のくつろぎスペースが……」
 間抜けな台詞をこぼすが、ディアボロスの姿を見つけるとその雰囲気が一変した。
「侵入者、か」
 不満のたまった部下に殴られたのかと思ったよと飄々と語りながら手術用アームを戦闘型に起動する。
「なにが目的かは知らないが、ここを知られた以上、君達は私によって脳改造される事が決定した!」
「お断りです!」
 藤永・えみり(ヴンダー・カンマー・g01322)が“Wilde Jagd”から発信させたドローンを部屋中に配置させ情報をリンク、解析開始ながらきっぱりという。
「改造されればわかるよ。機械化ドイツ帝国の一員になる素晴らしさを」
 片目を細め、いびつな笑顔の様なモノを浮かべ博士が嘲笑う。
「この工場にいるゾルダートが元は何の役に立たない人間だったなんて信じられないだろう?」
 神経を逆撫でする笑顔に異形の腕がのめり込む。
「弱きもの、弄ぶ。まさに外道の所業なり。」
 よろける博士を追撃しようと飛びかかる金刺・鞆(虚氏の仔・g03964)に、さらに歪んだ笑みを向けカウンター気味にマニピュレータをのばし串刺しにしようとする。とっさに仕掛けていた罠に腕を伸ばす。拘束系罠が鞆の軽い身体を床にたたき付けるが、マニピュレータは鞆の残像を串刺すだけに終わる。拘束をするりと解き立ち上がる鞆を背後にかばい新堂・亜唯(ドロップダスト・g00208)が相対する。
「人さらいに人体改造、赦せるはずのないおぞましい野郎だな」
 牽制に打った突きは手術灯を盾にはじかれ、横薙ぎのメスがのけぞった亜唯の鼻先をかすめる。そのまま地面に片手をつくと反動をつけて蹴り上げる。もう片方の手術灯がすぐにカバーに入る。灯りの笠を強く蹴ってトンボを打ち、大きく距離をとりなおした。

●自分本位な手術室の主
 距離をとりお互い体勢を整え直すと再び両者の激突が始まる。
「改造が主体のクロノヴェーダなのでしょうけど、戦闘力はなかなかですね」
 落とされたドローンを再展開しながらえみりが呟く。少し引いた所から援護をしながらMemilがはじき出す情報を共有しながら博士の戦闘パターンを解析し続ける。クロノヴェーダとディアボロスの逆説連鎖戦は法則や時空をゆがめ、破壊しつつ行われる。苦労しながらも予想パターンは大分絞られてきたが、お互いの消耗も激しい。
「あの手術灯がなくなれば随分攻めやすくなりますね」
「なら僕がやるよ」
 後ろで光学迷彩を纏って援護をしていた宿奈・雨祢(ウェザーキャスター・g00913)が一歩前へ出る。
 すぅと息を一つ吸い、改まった声音で雨祢がタブレット片手に告げる。
「こんばんは。ウェザーキャスターの宿奈雨祢です。本日は陰鬱な砦の悪趣味な部屋から天気予報をお届けします」
 突如始まった天気予報に戦いながら怪訝な顔を博士はするが、キャスターらしい作り笑いを見せ雨祢は続ける。
「本日は小雨がぱらつくものの穏やかな風が吹く、過ごしやすい夜となるでしょう。ただし所により……」
 手に抱える液晶に示された天気図、その現在位置に朱く揺らめく太陽のアイコンが雨祢の予報にあわせて表示される。アニメーションするアイコンは光を強くし、目映いばかりに輝く。
「灼熱の太陽が輝くでしょう。具体的には頭のオカシイ自称医者の頭上に」
 焼死に注意するといい、と皮肉げな笑みとともに一切の容赦なく告げられた予報。予報はすぐに現実になり、灼熱の日差しが降り注ぐ。とっさに影を造ろうと掲げた手術灯の電球が熱膨張を起こし甲高い音を立てて弾け割れる。引き戻そうとするが可動部がゆがみ、耳障りな音を立てるだけでろくに操作できない。高熱の重いガラクタと化した手術灯をパージすると博士は憎々しげに雨祢をにらむ。
 その隙を逃さずえみりが前線に飛び込む。義体を全力で稼働させ、疾走しながら大量のドローンとの情報リンクする。広がった感覚はレーザーメスのわずかな作動音すら捉える。
「そこです!」
 予想した軌道とレーザーメスの初動が重なる。わずかに下げた頭上を予想通りに刃が空を切る。
「戦術機動パッケージ・コードゼロサンイチ!」
 二対のDrachenklaueは吸い込まれるように装甲の隙間に突き刺さる。さらに銃弾が一つの銃声に聞こえるほど連続で放たれ、博士の内部循環機構ごと装甲をズタズタに引き裂いた。
 引き抜きざまに残しておいた一発の銃弾を撃つと、博士は投擲動作をとっさに止めさせられてしまう。追撃を悠々とかわし距離をとると薬莢を排出しながら再分析を始める。
 盾代わりに使っていた手術灯が壊れたことで戦局は復讐者達に傾きつつあるが、防御を棄てた博士の猛攻がディアボロス達を切り裂いていく。追い詰めていくが決定打が出ない中、
(後一押しってことは、度胸見せるしかねえな)
 レーザーメスの牽制で距離を詰め切れなかった亜唯が勝負に出る。鋭い踏み込みで向かってくる亜唯に博士が投げた小刃が突き刺さるが、傷口を焼き切るような痛みも気にせずに突き進む。
こぼれ落ちる命を補うように肉体が変化して新たな力を生み出していく。ネメシス形態になっても古武術流派で学んだ体捌きで一気に懐へ飛び込む。狙うは装甲が剥がれかけた土手っ腹。
「剛打徹拳、遍く世界を穿つ!」
 自身の持つ最大威力の突きはネメシス形態の力も乗せて、震蕩する。身体をくの字におり潤滑油を吐血しながら倒れると思われた瞬間、ドクトルは目をかっと見開いた。
「まだだ、まだ私は! 栄光ある機械化ドイツ帝国のためにも一人でも改造を!」
 ゼンマイ仕掛けを思わせる動きで跳ね起きると縫合針を片手に傷の多い亜唯に襲いかかる。
 とっさにグスタフが亜唯をひっつかんでたぐり寄せ後ろに放り投げ場所を入れ替える。目標を失った博士はグスタフに縫いかかる。一方とっさのことで危ない落ち方をした亜唯を、慌てて雨祢が滑り込んで受け止める。
「タブレットより重い物は持ったことがない僕にこんなことさせないでよ」
 間に合って良かったと自分の運動神経に期待していなかった雨祢は冷や汗を拭いながらグスタフに視線を戻し息をのむ。
 博士の縫合針がでたらめにグスタフの傷を縫っていく。手首をつかんでそらそうとするが、その腕すら生身と縫合されていく。グスタフそれでも手を離さずに機械腕に力を入れ無理矢理伸ばす。
「流す華は糧となる!」
 縫合糸が腕と胴体の間で伸びきってもさらに手を伸ばす。引っ張る力に耐えきれずぶちぶちと音を立てて生身の傷が糸で引き裂かれ引き裂き血の華を咲かせる。それを気にもかけずに平坦な顔に笑みを浮かべ、機械音声は高らかに告げる。
「望むは反逆の遺志! これぞ開鮫!」
 掴んだ手首を捻りきりながら機械腕は身体に絡みつき、地面に引き倒す。全身にエラーを起こし停止しかけた機甲を無理矢理再起動させ、捕縛を振りほどき地面に転がる博士を小柄な影が覆う。
 水晶のような角を青く光らせ、たおやかな腕は力を滾らせ鬼の力を引き出し巨大化、硬化。衣をたなびかせながら鞆はトンと地面を蹴る。動きすら鈍った博士を仕留めるのに必要なのは、破壊、強打、力押し。
「……そのおぞましき命、すべて鉄くずに変えてくれよう」
 前髪が風で後ろに流れ青い瞳に宿った力強い意志をきらめかせる。すそを払い力任せに持ち上げた腕を一気呵成に振り下ろす。
「くび、おいていけ。」
 鋭い爪が首を薙ぎ、手術室のタイルごと跳ね飛ばす。胴体に残った副脳が起動、首をつなごうと手を伸ばすが、唐突にその手が止まる。
「望まぬ人たちを改造、先兵にするなんて、二度と起こさせやしません」
 ミルディアが残した残留効果を使い、えみりがドローンの通信網に怒りの思考を乗せたたき付ける。それだけではなく、この事件に関わったすべてのディアボロスの怒りや憤りが指向をそろえ、クロノヴェーダの運命への干渉を無効にする。あらがうかのように指が二三度揺れ、力尽きる。
「これで、終わりです」
 静かな声が、戦いの終焉を告げた。

●静寂戻りて
 蓄音機の針も中心に近づき、カーテンコールの拍手が鳴り響く。動きを止めた博士を確認し張り詰めていた空気が弛緩した途端、地響きがなり、背後の扉を巨大な瓦礫が押しつぶした。
 残骸も悪徳も何もかも押しつぶし、工場施設が崩壊する。上がった土煙も雨が祓い流し、何事もなかったかの様にディアボロス達が去った工場跡地は平穏を取り戻した。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【怪力無双】LV2が発生!
【光学迷彩】がLV2になった!
【修復加速】LV1が発生!
【活性治癒】がLV3になった!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
【アヴォイド】がLV2になった!
【ドレイン】がLV4になった!

最終結果:成功

完成日2021年09月08日

ゾルダート秘密工場からの脱出

 機械化ドイツ帝国の秘密工場の一つに、貧民街の人間達を捕らえてサイボーグ化している工場があるようです。
 この工場では、脳まで機械化する事で、手っ取り早くトループス級のゾルダートを量産しているようです。
 情報が得られたのは、末端の秘密工場ですが、背後にはかなり大掛かりな組織が存在しているかもしれません。
 この、秘密工場を支配するクロノヴェーダを撃破し、囚われた人々を救出してください。

タグの編集

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 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#機械化ドイツ帝国
🔒
#ゾルダート秘密工場からの脱出


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選択肢『破壊される施設からの脱出』のルール

 事件の首魁であるアヴァタール級クロノヴェーダ(👿)が撃破されると同時に崩壊してしまう施設から、事前に一般人を脱出させます。
 脱出を完了させても良いですし、脱出に必要な準備を行って自力で脱出させても構いません。
 施設は、建物である場合もありますし、飛行船などの乗り物である場合もあります。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『👿をクリアするまでに、この選択肢の🔵が👑に達すると、捕らえられた対象の救出は成功する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『敵に誘拐される囮作戦』のルール

 一般人が誘拐される事件に介入し、代わりにディアボロスが誘拐されます。
 ディアボロスの外見や装備で疑われる事は無いので、外見や装備以外の行動部分で、いかに誘拐対象に成り代われるかが重要となるでしょう。
(外見を偽装しなくても失敗要因にはなりませんが、外見を偽装する事で成功する可能性が高まる事はありえます)
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾施設を警備するトループス級『インファントリー・ゾルダート』のルール

 施設の警備を行っているトループス級クロノヴェーダ(👾)と戦闘を行います。
 撃破する事で、施設での行動を行いやすくなります。
 撃破せずに行動する場合は、行いたい行動の選択肢を選びつつ、👾への対策などを同時に行う必要があるでしょう。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿アヴァタール級との決戦『ドクトル・マシーネ』のルール

 事件の首魁である、アヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と戦います。
 👿を撃破する事で、この事件を成功で完結させ、クロノヴェーダの作戦を阻止する事が可能です。
 敵指揮官を撃破した時点で、撃破していないクロノヴェーダは撤退してしまいます。
 また、救出対象などが設定されている場合も、シナリオ成功時までに救出している必要があるので、注意が必要です。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、敵を倒し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※このボスの宿敵主は「シメオン・グランツ」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。