リプレイ
テクトラム・ギベリオ
危険な敵地というから飛び込んだが「帰りたい」と思ったのは初めてかも知れん。
私も鞭を使うがこの場では使いたくないな…
ふぅー…よし。行くぞ毛玉 コラ嫌がるな。
とりあえずダリヴーとの対話に専念だ。
ダリヴー様が叱咤激励下さるのは、我々がだらしなく至らないから。
確かにこの神殿に居てはダリヴー様に甘えてしまい、いつまで経っても立派な守護者になれません。
我々守護者、一度別神殿にて修行を積んで参ります。
我々のお祈りが遠くなってしまっても、完全無欠のダリヴー様なら何も問題無いはず。
毎日激励下さるダリヴー様なら、もちろん見送って下さいますよね?
祈りも罵倒する相手も居なくなると知れば相当焦るだろう。
アドリブ連携歓迎
「ああ! ダリヴー様! その鞭でこの身に巣食う邪心を追い出して下さいませ!」
「本当はこうやって打たれたいんでしょ! それ、それぇ!」
色々な意味でヒドい光景を前にして、テクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)は思わず回れ右しそうになった。
(「危険な敵地というから飛び込んだが……『帰りたい』と思ったのは初めてかも知れん」)
鞭使いでもあるテクトラムなのだが、ダリヴーとマッチョな信者たちの姿を見て、この場では振るうまいと思った。
「ふぅー……よし。行くぞ毛玉。コラ嫌がるな」
もっふもふでもっちりしたスフィンクスの『毛玉』が逃げようとするのを、むんずと捕まえるテクトラム。彼は筋肉の壁みたいに両脇に堵列する信者たちの真ん中を歩いていくと、ダリヴーの前に恭しく拝跪した。
「ふぅん?」
鞭を手にしたダリヴーが、興味深そうに褐色の偉丈夫を睥睨する。
「ダリヴー様が叱咤激励下さるのは、我々がだらしなく至らないから」
テクトラムはまるで臣下が王に暇乞いでもするように、演技を交えながら言葉を口にのぼせた。
「確かにこの神殿に居てはダリヴー様に甘えてしまい、いつまで経っても立派な守護者になれません」
「……」
腕組みして沈黙するダリヴー。
「我々守護者、一度別神殿にて修行を積んで参ります。我々のお祈りが遠くなってしまっても、完全無欠のダリヴー様なら何も問題無いはず」
「…………」
更に沈黙するダリヴー。
「毎日激励下さるダリヴー様なら、もちろん見送って下さいますよね?」
「………………つーかあんた誰なのよっ!?」
流石に信者の立場で代弁するのはちょっと難しかったらしく、最後の最後でツッコミを入れるダリヴー。黙って聞いていたあたり、寛大さを見せたかったのだろうか。或いは地味に面食らっていたのかも知れない。
「そうだ、確かにダリヴー様は完全無欠! やはり我々など必要ないんだ! うわああ!」
なぜか自尊心が低い一部の信者に刺さってしまい、若干名が頭を抱えて蹲り始めた。
「ああもう! アンタたちがいないと色々面倒なことになるのよ!」
苛立たしげに鞭でべしんべしん床を叩いて叫ぶダリヴー。
「……そも守護者が必要であるなら、完全無欠ではないのでは?」
そこへさらっとテクトラムのツッコミが入った。
「は、働かせてやってるのよ! ありがたく思いなさい!」
祈りも罵倒する相手も居なくなれば、どうなるか――テクトラムの誘導に、ダリヴーは焦りを見せていた。
成功🔵🔵🔴
効果1【怪力無双】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
月城・木綿紀
「エンネアド?」
『ざっくりいえば、古代エジプト神話を代表する9柱のことかなぁ。オリンポス12神的なやーつ』
「なるほど?」
エンネアドについてざっくり師匠(身体の中の天使)から聞いたところで対話を試みる。
「貴方はなんの神なの?」「じゃあ権能はなに?」「次に今までなにしてたの?」
とりあえず色々質問してみて、矛盾点があったらそこについてひたすら問いただしてみる。
「エンネアド?」
石造りの巨大な異空間に足を踏み入れた月城・木綿紀(月城家三女のメイドトラッパー・g00281)は、そう言ってことりと首を傾げた。先行したテクトラムが異空間の主である調凶師ダリヴーと対話している間に、彼女は彼女で『会話』らしきことをしていたのである。
(「ざっくりいえば、古代エジプト神話を代表する9柱のことかなぁ。オリンポス12神的なやーつ」)
「なるほど?」
実際そうなのかと言うと怪しいが、木綿紀は半信半疑っぽく呟いた。傍から見ると独り言を口にしているようにも見える木綿紀は、テクトラムやダリヴーのやり取りに紛れて、幸いに不審がられることはなかった。……いや、マッチョな信者たちの一部は彼女に視線を注いでいたのだが、ダリヴーのことが気になって動けないでいたのだ。
「貴方はなんの神なの?」
マッチョな守護者たちの警戒をよそに木綿紀が問いを発した。可愛らしい声にエンネアドの視線が木綿紀に注がれる。目隠しした少女を見やると、ダリヴーは牙を見せて嗜虐心をそそられたかのように笑ってみせた。
「見て分からないのかい? この空間を支配する、完全無欠の神サマさ!」
「じゃあ権能はなに?」
「この素晴らしい力を発揮することそのものだよ!」
ぴしゃりと鞭で床を叩いて、ダリヴーが黄金のオーラを燃え上がらせ、超強化されていることを誇る。それは確かに、この異空間で絶大な能力を得ている証であるようだ。しかしその力も、この空間の中心に据えられた神像と信者の祈りに支えられているものに過ぎないのだが。
「なるほど? それで、今までなにしてたの?」
「そうさね、私に勝ったら教えてやろうじゃないか! ちょっとばかり退屈してたところさ!」
「完全無欠だったら、退屈とかするのかな……?」
顎に指を添えて小首を傾げる木綿紀。
「か、完全無欠とは……?」
「我らはダリヴー様を退屈させていた
……!?」
にわかに混乱し始めるマッチョな信者たち。
木綿紀の言葉に、ダリヴーはイライラしたように毛並みを逆立てた。だいたいにして、イラっとすること自体、完全無欠の神からは程遠い姿である。ハードルを上げてしまっているため、かなり取り繕うのが難しそうであった。
「ふ、ふん! ごちゃごちゃとうるさい娘だね! 細かいことはいいんだよ!」
脅すようにぴしゃりと床を打つと、ダリヴーはその鞭を木綿紀に突きつけた。
成功🔵🔵🔴
効果1【修復加速】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
黄泉川・琥珀
【とりま仮置き】
アドリブ歓迎、連携OK、ヨロシャス!
おおう。中々に濃ゆいトコだね☆
(地獄絵図かよ……)
てな本音は隠しつつ笑顔笑顔☆
前の2人がイイ感じに追い詰めてくれたし、
私は「なんで?」作戦でもう一押しかな。
はいはーい!
完全無欠なダリヴー様に質問がありまーす!
なんで信者さんを叩くの。えっ。信仰心を叩き込む……?
それっておかしくない?
本当に完全無欠の神様だったら、そんなことしなくても信者さんは信仰してくれるよね。
もしかして信仰心を叩き込まなきゃ信仰してもらえないの?
ダリヴーが動揺したり返事に詰まったりしたならそれを【看破】
ツッコミで追い打ちを。
最後に、
そこの肩メロンな信者さんはどう思う?
「全くなにやってんだいアンタたちは! 守護者としての努めを果たしなッ!」
「も、申し訳ありませんっダリヴー様ぁっ!」
調凶師ダリヴーの振るう鞭で、べしんべしん引っぱたかれるムキムキマッチョな信者たち。炎ゆらめく石造りの空間で繰り広げられるマジヤバな光景を前に、黄泉川・琥珀(デーモンのバウンサー・g07060)は、ギャルっぽく驚いて見せた。
「おおう。中々に濃ゆいトコだね☆」
笑顔を振り撒いているものの、心の中ではドン引きである。
(「地獄絵図かよ……」)
よくよく見れば笑顔がちょっと引きつっていたが、それに気付く者はいなかった。
調凶師ダリヴーは明らかに苛立ち、守護者は守護者で、色んな意味でそれどころではないようだ。
(「前の2人がイイ感じに追い詰めてくれたし、私は『なんで?』作戦でもう一押しかな」)
素早く状況を見て取った琥珀は、しゅぱっと手を上げた。
「はいはーい! 完全無欠なダリヴー様に質問がありまーす!」
スパルタ教師に質問する生徒みたいである。
「なんだい! こっちは忙しいんだよ!」
ガルル、と唸りそうなダリヴーの一喝にも怯むことなく、琥珀はしれっと問いを口にする。
「なんで信者さんを叩くの?」
「決まってるだろ! 信仰心を叩き込むためさ!」
思った通りの反応に、しめた、と琥珀は心の中でほくそ笑む。そしてそれを表には一切出さぬまま、首を傾げた。
「えっ。信仰心を叩き込む……? それっておかしくない?」
ハラハラしながらダリヴーと琥珀を交互に見る、マッチョで守護者な信者たち。
「なんだって! 何がおかしいって言うんだい!」
「本当に完全無欠の神様だったら、そんなことしなくても信者さんは信仰してくれるよね」
「なっ……」
何かを信じ祈るという行為は、本来、自発的なもの。けれどダリヴーは神像に祈らせるため、信者たちを利用している。そのことを暴かれそうになった焦りからか、ダリヴーが言い淀んだ。
「もしかして信仰心を叩き込まなきゃ信仰してもらえないの?」
「そ、そんなわけないだろ! 叩いて言い聞かせたほうが熱心に祈るってなもんさ!」
「ふうん、やっぱ祈ってもらわないとダメなんだ? それって完全無欠っていえるのかなぁ?」
図星を突かれたダリヴーが、ギクゥ! と震え、毛並みを逆立てて後ずさった。
「そこの肩メロンな信者さんはどう思う?」
琥珀の問いに、守護者たちは明らかに当惑し、答えられずに立ち尽くしていた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
「お、おのれ、ダリヴー様に対して差し出たことを……!」
マッチョな信者である鋭槍の守護者たちが、動揺を隠すように、ディアボロスたちに槍を突きつけた。
「しかし何かが引っ掛かる……ダリヴー様は完全無欠なはずだが……」
「完全無欠とはいったい……段々言葉の意味が分からなくなってきたぞ……」
「やはり我々なんか必要ないのでは……」
「いやそんなことは……しかし我々のことを、単なる祈り手に過ぎないと……?」
「愛の鞭でお導き下さるのではないのか……」
ディアボロスとダリヴーの対話を聞いて、守護者たちは明らかにザワザワしていた。心は相当に揺らいでいるようだ。
ダリヴーは完全無欠の神などではなく、信仰に値しない――。
守護者たちを説得し、撃破することにより、トループス級から元の信者に戻せるかも知れない……!
テクトラム・ギベリオ
まだ愛の鞭がどう等と言うのか。君たちはその通り、信仰を集めるためだけに集められた祈り手だ。
ダリヴー自身が全て行えば良い物を、守護者が必要であったり信仰を叩き込んだり…完全無欠の神とは随分手がかかると思わんか?
(まぁ叩かれて喜ぶ守護者もどうかと思うが…それはダリヴーのせいだろう。多分)
サーヴァントの毛玉を喚び【飛翔】しながら鋭槍の守護者に攻撃する。
組まれた陣形を頭上から強襲し、『浄化』の『光』で『斬撃』して正気に戻す。
遊んでこい毛玉。これ以上痴態を見せるわけにはいかん。
なんかもうエジプトの風紀的によろしくない。
「ぬおおおお! ダリヴー様! 罪深き我らを愛の鞭でお打ち下さいませ!」
「さあ、今すぐに! さあ、さあっ!」
調凶師ダリヴーとの対話が功を奏して、鋭槍の守護者たちは目に見えて混乱していた。マッチョな守護者たちに迫られて、逆にダリヴーがたじたじと後ずさっている始末である。
(「叩かれて喜ぶ守護者もどうかと思うが……それはダリヴーのせいだろう。多分」)
それにしても、
「この期に及んで、まだ愛の鞭がどう等と言うのか」
飛翔したテクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)の声に、守護者たちが振り返って目を見開いた。即座に防御陣形を組んだ敵集団をテクトラムは見下ろし、厳然たる事実を突きつける。
「いみじくも言っていたな。君たちは、その通り――ダリヴーが信仰を得るために集められた、祈り手に過ぎん」
「ぬぐうっ! まさか、そんなはずは……!」
「そ、そんな言葉で我々はま、まど、惑わされんぞ!」
言葉とは裏腹に滅茶苦茶惑わされていた。精神的動揺を反映して、守護者たちの槍先がカタカタ揺れる。
「ダリヴー自身が全て行えば良い物を、守護者が必要であったり信仰を叩き込んだり……完全無欠の神とは随分手がかかると思わんか?」
トドメとばかりに突きつけられたテクトラムの言葉に悩乱する守護者たち。
「やはり、やはり我々は……ああああ……!」
「何を喚いているんだい! さっさと侵入者を倒すんだよっ!」
「ぐ、ぬおおぉぉぉぉ!」
がっちり寄り集まって護りを固めた守護者たちが暑苦しく叫び、次々に槍を投擲しようとした。
けれど動揺しきったその攻撃が奏功することはない。
「遊んでこい毛玉。これ以上痴態を演じさせるわけにはいかん。なんかもうエジプトの風紀的によろしくない」
しゅばっと宙を滑空したのは白いふわもこスフィンクスの毛玉だ。縦横無尽に飛び回りながら前脚を振るい、引っ掻く毛玉。その振り下ろしの動作から光輪が放たれ、ガードする守護者たちを切り刻みながら浄化していく!
「ぬわー!」
「ダリヴー様への信仰心が……薄れてゆく……」
「……自分で言うのか、それを」
着地したテクトラムの目の前で、守護者たちが、ばたりばたりと倒れていった。その体が光に包まれたかと思うと、腰布を巻いたむくつけき男たちに戻っていく。
「どんな信者たちかと思ったが、あまり変わらんな」
戻ってきた毛玉を撫で、救出された信者たちの姿を見下ろしながらテクトラムは言うのだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
一里塚・燐寧
共闘アレンジ歓迎
だんだんわかってきたみたいだねぇ、あいつが神様なんかじゃないってさ~
あいつは自分が強くなるために、皆を踏み台にしてるだけなんだよぉ
とゆーかほんとに完全無欠なら、そもそも手下に頼んなくていいじゃん?
こんな感じに論理立てて煽りつつ……最後は力比べで勝つしかないねぇ
盾を構える敵群と対峙して『屠竜技:地砕きの剛剣』を使うよぉ
巨大鎖鋸剣≪テンペスト・レイザー≫で足元の石畳を抉り斬り
【斬撃】による剣圧の衝撃波に、無数の石礫を交えて放つねぇ
盾を擦り抜ける石礫や、衝撃でもみくちゃになる互いの身体で
ガッチリした陣形も突き崩しちゃお~って考えだよぉ
反撃の突撃は
巨大な得物を盾代わりに構えて耐えるねぇ
「ぬおおおおおっ! 我々は一体なにを信じてきたというのだ……!」
ディアボロスたちによるダリヴーとの対話が功を奏して、鋭槍の守護者たちは頭を抱えながら混乱していた。信じたい、という一欠片の執着心が彼らを懊悩させているのだ。
「だんだんわかってきたみたいだねぇ、あいつが神様なんかじゃないってさ~」
見た目ローファーな装甲靴が、石造りのあやしい空間に音を響かせる。巨大鎖鋸剣を引っ提げた一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)はマッチョな守護者たちを前にして、ふふーんと笑ってみせた。
「あいつは自分が強くなるために、皆を踏み台にしてるだけなんだよぉ」
「まさか、ダリヴー様に限ってそんなことは……!」
「とゆーかほんとに完全無欠なら、そもそも手下に頼んなくていいじゃん?」
「ぐはあ!」
「ぐうの音も出ぬ!」
呑気な口調でさらっと言った燐寧の言葉に、ぐさっと突き刺されて蹲るマッチョな守護者たち。なんだかこのまま言葉で責め倒せそうな勢いであったが、トループス級と化した信者たちだ。戦闘は避けられない。
「なにをやってるんだい! さっさと侵入者を倒すんだよ!」
石造りの床を鞭でビシバシ叩きながら苛立たしげにせっつくダリヴー。
しかしなんとか槍や盾を構えた守護者たちは、信じたい思いと疑いとの葛藤で面白いくらいにブルブル震えていた。
「だ、だだダリヴー様の御心の、ま、ままに!」
「うわあ、まだ従おうとするんだ」
彼らは最後に残った信仰心を拠り所にして堅固な陣形を組み、運動部みたいに暑苦しい声をあげながら燐寧を迎え撃ったのだった。
「最後は力比べで勝つしかないねぇ」
巨大な鎖鋸剣を手に硬い床を蹴った燐寧は、防御を固める守護者たちに驚くべき速度で接近した。その勢いのままに鎖鋸剣で床を抉り、金切るような音をさせて火花を散らせる。床を抉ったギザ刃が、振り上げた燐寧の手の動きに合わせて衝撃波と共に石の礫(つぶて)を散弾の如く弾き飛ばした!
衝撃波に吹き飛ばされ、石礫を浴びる守護者たち。
「「「ぐぬぉぉぉぉっ
……!」」」
対して守護者たちは悲鳴だか気合なんだか判然としない声を発しつつ、槍を手に突っ込んできた。けれど大きく体勢を崩されてしまったため、燐寧を傷つけることはできない。
「ここまで、か……」
力尽きてぐらり、ばたりと倒れていく守護者たち。
その姿が光に包まれたかと思うと、腰布を巻いたマッチョな信者たちに戻っていった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【通信障害】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
月城・木綿紀
「そもそも完全無欠ってどうゆう意味?」
『悪い所が全くないって意味かな。完全も無欠も似た意味を持つから同じ意味の語句を並べてるだけだよ』
「……じゃあ信仰して貰う意味とは……」
『証人としてなら分かるけど、子供相手に言いくるめてもいないからねぇ……』
「そこら辺師匠の方が上手い」
『こらっ!』
師匠は一応ぬいぐるみを介してであれば、自分以外とお話し出来る。
敵に対しては……パラドクスで現実と虚構を行ったり来たりして敵を翻弄して浮いた駒から狩る。
「そもそも完全無欠ってどうゆう意味?」
ディアボロスたちが鋭槍の守護者の一団と戦いを繰り広げている最中、月城・木綿紀(月城家三女のメイドトラッパー・g00281)はぽつりと問いかけていた。ぬいぐるみを抱えながら、である。
――悪い所が全くないって意味かな。完全も無欠も似た意味を持つから同じ意味の語句を並べてるだけだよ。
神の偉大さを表す語として『全知全能』という言葉もあるが、いずれにせよ『完璧な神』を騙るのは無理がある。その証拠に、調凶師ダリヴーは明らかに動揺し、それが信者たる守護者たちにも伝播しているようだった。
「……じゃあ信仰して貰う意味とは……」
――証人としてなら分かるけど、子供相手に言いくるめてもいないからねぇ……。
「そこら辺師匠の方が上手い」
――こらっ!
「な、なにをごちゃごちゃと言っている! もう許しはおかんぞ!」
信仰心を揺さぶられた鋭槍の守護者たちが、槍の切っ先を木綿紀(と、ぬいぐるみ)に向けてきた。
――混乱してやけになってるな。
「翻弄して狩るよ」
頷いた木綿紀がパラドクスの力を解放して地を蹴った瞬間、鋭槍の守護者たちは一斉に目を剥いた。
いまそこにいた筈の木綿紀の姿が忽然と消えていたからだ。
「なにっ……!」
「何処に行った
……!?」
槍を構えたままきょろきょろと辺りを見回す守護者たち。
「――世界は布、私は糸、魔の針に従い私で彩る」
敵を翻弄する縫跳躍(ソウリープ)を駆使し、糸を内蔵した特注ナイフである『飛び杼』を閃かせて斬撃を加える木綿紀。まるで空間そのものを縫う針のように駆け跳ぶ木綿紀に、足を斬られた守護者たちがバランスを崩した。
「「「ぬおおぉぉぉっ
……!」」」
それでも何とか地を蹴った鋭槍の守護者たちが、槍を突き出すことで発生させた衝撃波によって木綿紀を吹っ飛ばした。けれど、直撃ではない。ふわりと宙を舞い、片手だけを地について軽やかに着地し、顔を上げる木綿紀。目隠しをした彼女の前で、守護者たちが力尽き、倒れた。
それら複数人の巨漢が光に包まれ、腰布を巻いたマッチョな信者たちに戻っていく。
かくして全ての信者たちが救出され――調凶師ダリヴーの強化の要である神像を守護する者はいなくなった。
成功🔵🔵🔴
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV2になった!
「ああもう、使えない! 使えない奴らだよ! ものの役にも立ちゃしない!」
守護者たちを残らず倒され、救出までされてしまい、調凶師ダリヴーが怒り狂う。
その姿はおよそ完全無欠な神と呼べるものではなく、もはや冷静ささえ失っているようだ。
けれど、その強化は未だ健在である。
強化の拠り所となっているダリヴーそのものを象った『神像』は、この異空間の中心に設えられた祭壇の上で、ぺかぺかと輝きを放っている。
「ま、待て! 待ちな! アンタたちの相手はこの私だよ! いいかい、私と戦うんだ! その神像とか飾り! 飾りだから! ほんとだってば! 分かったね!?」
ディアボロスがちょっと神像に視線を向けるだけで、明らかに慌て始める調凶師ダリヴー。
神像を破壊することにより、その強化を解除することが可能となるが、注意すべき点がある。
それは『エンネアドを否定するような強い意志』とともに『パラドクスで』攻撃せねばならないということだ。心に念じてもいいし、意志を口に出してもいいだろう。
もしそれが不足していた場合、パラドクスといえども弾かれてしまう可能性がある。
強い意志を力に変えて、ダリヴーの神像を破壊するのだ――!
テクトラム・ギベリオ
結局…あまり変わらんのだな…そうか…
いかん敵のペースに飲まれるな。健全な魂は健全な肉体に宿る。
健全な…?いや何も悪いことではない。悪いことではないのだ。
この場に悪があるとするならそう、信者を惑わす神像である。
喚くダリヴーに「やかましい!そこで待っていろ!」と言葉を投げつけ、
ぺかぺか輝く神像に向き合う。
ふふふ…我らがエジプトの風紀をよくぞここまで乱してくれた物だ。
エジプトは清く!正しく!そして神聖な場所である!(諸説ある)
誰がこの蛮行を許し、この偽りの神を許せようか!
否!断じて許さん!破片も砂塵も一握と残さぬ!!
行け毛玉!この悪き神像を完膚なきまで『吹き飛ばし』て『浄化』せよ!!
アドリブ連携歓迎
一里塚・燐寧
共闘アレンジ歓迎
取り巻きの子たちは皆おねんねしたねぇ
眼が覚めたら、綺麗さっぱり悪い神様もどきのこと忘れられるように
まずはダッサい像から粉砕しちゃうよぉ!
あたしはエジプトの出身じゃなくて、単なる歴史とか神話のファンなんだぁ
それでも、小さな頃からロマンやワクワクをくれた古代エジプトをバカにする、エンネアドが許せないよぉ
こんなリスペクトのないパチモンなんか、めっちゃくちゃに壊しちゃうんだからっ!
そんな怒りを燃やして【殺気】を放ちながら
≪ダブルチェーンソーブラスター≫の銃口を神像に向けるよぉ
そして『屠竜技:釣瓶狙い撃ち』を発動!
着弾点でド派手に炸裂する榴弾を超高速で乱射するねぇ
粉々になっちゃえーっ!
「取り巻きの子たちは皆おねんねしたねぇ」
気を失っているマッチョな信者たちを見回して、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)が言った。そして榴弾砲に二機のチェーンソーを取り付けた異形の武器――ダブルチェーンソーブラスターを抱えて趣味の悪い神像を見据える。
「眼が覚めたら、綺麗さっぱり悪い神様もどきのこと忘れられるように……まずはダッサい像から粉砕しちゃうよぉ!」
「神様もどきだって! 誰にものを言ってるんだいっ!? あとダサいっていうんじゃないよ!!」
「怒るってことは図星なんじゃないかなぁ」
さらりと心的動揺を誘いつつ、燐寧は調凶師ダリヴーの注意を引く。
「結局……あまり変わらんのだな……そうか…」
救出できた信者たちを見下ろしながら、テクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)は呟いていた。筋骨隆々たる信者だったからあのムキムキな鋭槍の守護者と化したのか……そっちの趣味があったからあんなことになったのか……。
「いかん敵のペースに飲まれるな。健全な魂は健全な肉体に宿る」
首を振って雑念を追い出そうとするテクトラムだが。
「健全な……? いや何も悪いことではない。悪いことではないのだ」
やっぱりちょっと引きずられていた。人間の趣味嗜好の奥深さよ……。
ううむ、と瞼をきつく閉じたテクトラムは、キッと鋭い眼差しを祭壇の上のダリヴー像に向ける。
信者たちは、どうあれ真剣に祈っていたに違いない。だが信ずるという心が、神を騙るエンネアドの強化に利用されてしまったのだ。その悪事の元凶こそダリヴーであり、そして、
「この場に悪があるとするならそう、信者を惑わす神像である」
「言ってくれるじゃないか! この私より神像を優先するなんて、どういう」
「やかましい! そこで待っていろ!」
「……ぐっ!」
異空間の淀んだ空気をビリビリと震わせるテクトラムの大喝は、ダリヴーさえほんの一瞬、怯ませるものだった。
「ふふふ……我らがエジプトの風紀をよくぞここまで乱してくれたものだ」
肩を揺すって笑ったテクトラムが次の瞬間、烈々たる声を発した、
「エジプトは清く! 正しく! そして神聖な場所である!」
そうエジプトを称えるテクトラムの言も、一面の真実と言えよう。
「誰がこの蛮行を許し、この偽りの神を許せようか! 否! 断じて許さん! 破片も砂塵も一握と残さぬ!!」
怒りを言葉にこめ、異空間に響かせるテクトラム。それはまさにエンネアドを否定し糾弾する、魂の叫びだ。
その獅子吼ののちに彼が放つパラドクスこそ――!
「行け毛玉! この悪き神像を完膚なきまで吹き飛ばして浄化せよ!!」
……白くてもっふもふなスフィンクスが神像めがけてすっ飛んで行った。
床を蹴って加速をつけた毛玉は、その前脚に凄まじいまでの光輝を凝縮させ、ぺかぺか光る神像めがけて振り抜く!
光の猫パンチが炸裂し、ダリヴー像にびしりと罅が入った。
「いやぁーーーー!!」
あまりのことに絶叫する調凶師ダリヴー。
神像がスコーンと良い音をさせて揺れ、起き上がりこぼしみたいにぐらんぐらんしながら元の位置に戻る。
ダリヴーがあわあわしていたのは、神像が毛玉の猫パンチで罅割れた為……だけではない。
「あたしはエジプトの出身じゃなくて、単なる歴史とか神話のファンなんだぁ」
ダブルチェーンソーブラスターの砲撃態勢を整えた燐寧が言う。
「それでも、小さな頃からロマンやワクワクをくれた古代エジプトをバカにする、エンネアドが許せないよぉ」
ふわふわとした口調ながらその怒りと殺気は本物だ。何をしようとしているのかを見て取った調凶師ダリヴーは、目を剥き、毛を逆立てながら絶叫した。
「や、やめるんだ! 今すぐその武器を置きな! は、話せば――」
「こんなリスペクトのないパチモンなんか、めっちゃくちゃに壊しちゃうんだからっ!」
敵の制止の言葉などを聞く燐寧ではない。慌てふためくダリヴーの声を自らの声で封殺すると、ダブルチェーンソーブラスターの砲口を罅割れたダリヴー像に定めて引き金を引く!
屠竜技:釣瓶狙い撃ち――驚くべき速さで連射された榴弾が目標物めがけて立て続けに着弾し、祭壇さえも吹き飛ばしながら広間に爆炎を荒れ狂わせた。猛烈な爆風が、ウェーブのかかった桃色の髪を躍らせる。燐寧は地を踏みしめ、両膝を少し曲げた姿勢で反動を受け流しながら、耳を聾する炸裂音を異空間に響かせ続けた。
「粉々になっちゃえーっ!」
永遠に続くかと思われた破壊の嵐が過ぎ去り、耳鳴りがするほどの沈黙が異空間に満たされる。舞い上がった瓦礫がぱらぱらと地面に落ち、立ち込めていた爆煙が晴れゆくその先に――もはや原型を留めぬほど破壊し尽くされた祭壇と、床に転がったまま折れ、崩れ、消え去るダリヴー像が見えた。
ディアボロスたちの強き意志とパラドクスによって、ダリヴーの強化の拠り所であった神像が跡形もなく破壊されたのである。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水源】LV1が発生!
【動物の友】LV1が発生!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
「あ、ああぁぁぁぁ……! よくも、よくもやってくれたね侵入者ども
……!!」
強化の拠り所となっていた神像を完全に破壊されてしまい、調凶師ダリヴーが怒り狂う。
その体から漂っていた金色の炎の如きオーラは、幻であったかのように消滅していた。
もはや、その力はただのアヴァタール級のものに過ぎない。
即ち――油断はできないが、勝機は十分にあるということだ。
「強化がなくなったからってなんだい! 八つ裂きにしてやるから覚悟しなッ!!」
これ以上ないほどの怒りに髪や体毛を逆立てながら、鞭を手にしたダリヴーが吼えた。
カルン・ティミド
(サポート)
お宝の匂いがします!
キラキラ光る物と娯楽が大好きな黒金ドラゴニアン
おどおどビビリだけど財宝略奪の為なら体が前に出ちゃう強欲ドラゴン。
【戦闘はほとんどジンの魔力とジンの宿る尻尾の刃頼り】
まだエジプト以外の世界に不慣れで驚いたり騙されたりしがち
何でも大丈夫なので好き放題させてください!
色々お任せアドリブアレンジ大歓迎。
「お宝の匂いが……! ……したと思ったんですけど」
ギザのピラミッド神殿内部に展開する異空間の一つに、カルン・ティミド(略奪竜カルン・g00001)は踏み込んでいた。
広大な石室に篝火のようなものが焚かれている。怪しげな空間の真ん中には、つい先程まで祭壇があり、その上にきらきらと光り輝くエンネアドの神像が鎮座していたのだが、今しがたディアボロスたちの猛攻により消し飛ばされたばかりである。
「チッ、次から次へと! なんなんだい、アンタたちはッ!」
神像は、カルンの眼の前で叫ぶエンネアド――調凶師ダリヴーを象ったものであったのだ。
異空間に入るなりきょろきょろとお宝を探し始めたカルンを見て、ダリヴーは苛立たしげに床を鞭で叩いた。
ビクゥッ! と体を震わせて、おどおどと上目遣いに倒すべき敵を見るカルン。
「あ、あなたがこの空間の主ですね」
「他に誰がいるっていうんだい!」
怒鳴られて、またビクッとたじろぐカルン。
どうしようこのエンネアド滅茶苦茶怖い。
その余りの剣幕に気圧されそうになりながらも、黒金ドラゴニアンはダリヴーと対峙する。
「まあいい! 八つ裂きにしてあげるよ!」
容赦なく伸縮自在の鞭を振り回すダリヴー。その鞭の先には刃物が取り付けられていて、使い手であるエンネアドの意のままに動いて獲物を斬り刻み、力を奪うのだ。
「そうはいきません……!」
対するカルンは踊るようにくるんと回転しながら尻尾を振り回す。エネルギー生命体である『ジン』を宿す異形の大刀にも似たその尾が、強大な魔力を放ってダリヴーを薙ぎ払う!
「くっ……やるじゃないか!」
四方八方から襲い来る鞭の攻撃が、僅かに緩んだようだった。鞭の先端に取り付けられた刃がカルンの体を斬りつけるが、そこまで深い傷にはならない。
すぐに後方へと跳躍して、軽やかに離れるカルン。
ジンを宿した略奪竜の攻撃の凄まじさと、その身のこなしに、ダリヴーは歯噛みしていた。
成功🔵🔵🔴
効果1【浮遊】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
ライラ・スアード
(サポート)
『こんにちは、お話、いいかしら』
「お手伝いさせてもらうわね」
全体的に侍女の経験から補助などサポート行動で動きます
仲間を励ましたり、勇気付けたり人が希望を抱けるように気がけて動いています
誰かの背中を押したり任せたりできるなら恐れず積極的に行動に移します
調査などは問題点を確認して解決行動に動き、気付いた事があれば仲間に共有
戦闘のパラドクスは攻守場面で相手の動きを制限できる適切なものを使用でおまかせ
多少の怪我は厭わず積極的に行動しますが、依頼の成功のためでも公序良俗に反する行動はしません
他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません
後はおまかせします
どうかより良き未来が掴めますように
高田・ユウト
(サポート)
『誰かって? ちょっとそこを通っただけのディアボロスですよ』
特撮ヒーローやアニメが好きなよくいる普通の少年。口調は余裕があるとちょっと格好つけようとしますが基本的にはですます調で丁寧です。
ヒーローやその相棒役に憧れており、自分もサポートを頑張りたいと思ってます。
ヒーロー番組の図鑑を読むのが好きで、真似ながら怪獣や武器のCGも作成しており、能力の演出に反映されることも。
他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません。あとはお任せです。よろしくお願いします。
「まだ来るのかい! 全く、今度は誰だっていうんだよ!」
「誰かって? もちろん、悪を倒すために駆けつけたディアボロスですよ」
篝火が焚かれた広大な石室。それが、ギザのピラミッド内部に存在する、調凶師ダリヴーの異空間であった。
まるで悪の秘密結社の拠点じみたその戦場で、高田・ユウト(塔の下の少年・g03338)は倒すべきエンネアドと向き合う。戦闘の幕が上がるや否や颯爽と現れた彼は、牙を剥き出しにして殺意を向けてくるダリヴーと、今にも戦いを始めようとしていた。
「へえ、いい度胸じゃないか。お前もこの鞭で叩かれたいってことだね!」
「いえ、それはちょっと遠慮したいですね」
手にした鞭で、奴隷や猛獣たちを従える――そうしたパラドクスさえも行使する眼前のエンネアドは、見ようによっては怪人のようでもある。苛立たしげに鞭でバチンと床を叩く様子など、どこぞの特撮の大幹部さながらではないか。
「行きますよ!」
対峙は一瞬。
ユウトは床を蹴ってダリヴーに肉薄し、その速さに目を見開いたダリヴーの腹に拳を叩き込んでいた。華麗なる困難突破撃。アッパーの要領で殴り上げ、跳躍……からの蹴りで、ダリヴーを床に叩きつける!
「チィッ……これでも喰らいな!」
起き上がりざまに鞭を伸ばし、反撃を仕掛けるダリヴー。蛇のようにユウトに巻き付いた鞭が、見る間に硬化して、ギリギリと責め苛む!
「アーッハッハッハ! そら見たことか! そのまま苦しみながら死んでいきな!」
「ぐぅっ……!」
ギリギリと締め付けられるユウトだが、ヒーローにこのくらいのピンチはつきものである。
「このくらいじゃ……俺たちは倒せませんよ……!」
「なんだって!?」
「こんにちは、お話、いいかしら」
夜闇に乗じるように気配を殺して近付いたライラ・スアード(人間の王墓守護者・g03465)が、紡いだ言葉をダリヴーに投げかけた。宝玉を思わせるその紫の瞳に映し出されているのは、鞭を引き戻して身構えるエンネアド――怒りに震え、牙を剥き出しにした偽りの神の姿だ。
「チッ、まだ来るのかい! 何人来たって同じことなんだよ! 私の奴隷になるか、屍になるか選びなッ!」
「そう……私たちが力を合わせるのを恐れているのね」
「うるさい! 絞め殺してやるよ!」
まじろぎする間もないと思われるほどの速さで、ダリヴーは鞭を振るい、それをライラに巻き付かせる。ユウトを縛り上げたものと同じパラドクスで、鞭を瞬時に硬化させてライラを締め上げる……!
「くっ……」
だがライラのパラドクスの発動もまた同時。
牙を剥き出しにして笑ったダリヴーが、突如として差し込んだ光に頭上を仰ぎ、目が眩んだように悲鳴を上げた。
サンシャインブレイク。闇を払い、遍く人々を照らし出す太陽の熱光……それそのものが武器と化し、ダリヴーに降り注いだのだ。さながら雲間から差す天の階のような光が、刃となってエンネアドの体を斬り裂く!
「ぐぅっ……! やってくれるじゃないか!」
傷を押さえて飛び退くダリヴーの声を耳にしながら、ライラは立ち上がる。
「人々の心を弄び、好きなように使役する……あなたは此処で滅び去るべきよ」
彼女の愛する世界を乱した者ども――クロノヴェーダへの怒りが両の瞳に宿る。
単身で抗するのは難しくとも、連携こそがディアボロスの強み。ユウトやライラの果敢な戦いが、後に続くディアボロスたちの後押しになるのだ。
赦しがたい敵を討ち果たさんと、ディアボロスたちが怒涛の攻撃を仕掛けゆく……!
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【温熱適応】LV1が発生!
【建物復元】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!
月城・木綿紀
「後は貴方を絞めて終い」
トラップ生成でワイヤー陣と触れた物を弾く板を展開して敵の動きを封じつつ自分の機動力を確保する。
さらにトラップ生成でスタングレネードを生成して起爆。閃光と爆音で敵を纏めて動きを封じている間に本体に接近。相手が回復する前にパラドクスで作った爆弾ワッペンを貼り付けつつ金属糸で両足を縛る。
用が済めばすぐさま距離を取って爆弾ワッペンを起爆させる。
「ちょこまかと動き回りやがって! なんだって言うんだい!」
立て続けの攻撃を受けた調凶師ダリヴーは苛立ちながらも、全身全霊でディアボロスたちを打ち倒そうとしていた。その身のこなしと鞭を駆使した戦法は、強化が解かれたと言えども、未だ決して油断の出来るものではない。
「後は貴方を絞めて終い」
薄手のものとは言え目隠しをしているとは思えないほど機敏な動きで月城・木綿紀(月城家三女のメイドトラッパー・g00281)はダリヴーを翻弄しようと試みる。駆け巡りながら手をかざすと、トラップ地帯が生成され、ワイヤーの罠や、触れたものを弾く板が周囲に出現した。
「この私を獣扱いするってのかい!?」
常人相手であれば有効なトラップも、クロノヴェーダであるダリヴーはその勢いと怪力で瞬く間に吹き飛ばしてしまう。
「ハッ、こんなモノでこの私を――」
「……かかった」
木綿紀に誘い込まれて足で床を踏みしめたダリヴーが、今度は爆発と閃光に包まれた。いわゆるフラッシュパンの類は、その大音響と光により敵の感覚を乱し、麻痺させるものである。眼前のエンネアドに大きな効果は見込めないが、しかし木綿紀が張り巡らせた罠の全ては、パラドクスによる攻撃を成功させるための布石に過ぎない――!
「行け、獣たち! お前たちの獲物だよ!」
床を叩く鞭の音に呼応して、大剣を持った腰巻き姿の兵士たちや、獅子が召喚され、物凄い勢いで木綿紀に襲いかかった。
けれど木綿紀のパラドクス発動もまた同時である。
襲い来る兵士の剣や獅子の爪の猛威を、木綿紀は最もダメージが少ないであろう回避軌道を選んで舞うように駆け抜け、
――世界は布、私は糸、切嵌で世界を飾る。
出来る限りの罠を生成して敵の動きを封じようと試みるメイドトラッパー――木綿紀はここぞと接近し、金属糸でダリヴーの足を縛り付けつつ、凄まじい早業でワッペンを敵の体に張り付けていた。
ただのワッペンではない。
明確な殺傷力を持つ『爆弾ワッペン』である。
軽く糸をひくような仕草と共に爆発が巻き起こった。
飛び退いて軽やかに着地する木綿紀。
「ぐぅっ……! 小細工ばかりかと思ったら……やってくれたねえ……!」
先程まで信者を鞭で叩いて悦に浸っていたエンネアドが、縛られ、そして爆発に呑まれたのである。
怒りに毛を逆立てながら、ダリヴーは眼前の罠使いを睨んだ。
大成功🔵🔵🔵
効果1【未来予測】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
テクトラム・ギベリオ
ここに到着した時鞭は使うまいと思っていたが気が変わった。
【水源】で川を発生させると同時に、川の中に【トラップを生成】して相手の動きを鈍らせる。
自身は【飛翔】しながら敵の早業を『臨機応変』に対応しつつ、
伸縮自在な鞭を『勇気』で切り抜けて≪眞鞭崩襲≫の鞭撃を見舞う。
発生させた川にダリヴーを叩きつけながら、ずっと言いたかった事を言う。
貴様先程私が言ったことを覚えているか?
エジプトは清く正しく神聖である…そして!
鞭は!罰する物であり!決して!悦ばせる物では!ない!!
不浄なる者は!顔でも洗って!!出直して来い!!
鞭を振るう事に言い放ち、【怪力無双】しながら巻き上げた水ごと鞭撃を叩き込む。
アドリブ連携歓迎
シャムス・ライラ
仲間と情報共有、連携
化けの皮が剥がれ小さくなった
お気に入りの像だったのか
誰に作ってもらった物やら
流石にその肉球の手じゃ無理だろう?
(誰が作って設置したのかこっそりかまをかけ)
地形の利用、情報収集で戦闘に有利な位置取り
飛翔で間合いを取りつつ
鞭の動きを良く見極め
仲間の動きやトラップにに気を取られた隙に
日狂星落乱舞で一気に降下して攻撃
水源の川に叩きつけ沈めてやろう
(私も鞭はあるが、今回は何となく使用せず)
敵の攻撃はジャンプと一撃離脱で可能な限り損害を減らし
飛翔も交え動き回って攪乱、可能であれば再攻撃
まぁ、あれだ
元信者は
目が覚めたら健全な方向に邁進してくれれば良い
大丈夫、多分(性善説)
アドリブ等歓迎
「化けの皮が剥がれ小さくなったな」
神像が破壊されたことで、調凶師ダリヴーから立ち昇っていた金色のオーラは跡形もなく消え失せていた。儘ならぬ状況に対する苛立ちに体毛を逆立てた獣頭人身の偽神は、鋭い歯を剥き出しにして新たなディアボロスを睨み据える。
ダリヴーの怒りの炎に油を注ぎ、その眼前に立ったのは、銀髪碧眼の青年――シャムス・ライラ(極夜・g04075)だ。
「お気に入りの像だったのか」
派手に破壊され、文字通り木端微塵となった祭壇の残骸に視線を向けつつ、シャムスは巨大な石室めいた異空間に声を響かせる。素早く流し目で左右を見れば筋骨隆々たる信者たちが倒れており、ひと目で無事が確認できた。
「誰に作ってもらった物やら。流石にその肉球の手じゃ無理だろう?」
「くっ……お前も八つ裂きにしてやるから覚悟しな!」
威喝するダリヴーにも、シャムスは鼻で笑うのみ。かまをかけては見たものの、やはりまともな対話が出来る状態ではない。速やかに始末すべきだろう――そう思った直後のことだ。
何処からともなく流れ込んだ川がダリヴーの両足を飲み込んだ。歯噛みして一歩を踏み出したダリヴーの足に、今度は川底と化した石造りの床に取り付けられた虎挟みが噛みつく。
「チッ……なんだっていうんだい! まさか……アイツが!?」
飛翔するテクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)を見上げながら、ダリヴーが忌々しげに言葉を吐いた。
「ここに到着した時、鞭は使うまいと思っていたが。気が変わった」
その長躯と服飾に合う意匠の施された鞭を手にした褐色の偉丈夫は、広い戦場を活かして自在に飛び回りながら、ダリヴーの目を引きつける。
「チッ、消えた! 何処に!?」
怒りと焦りに冷静さを欠いたダリヴーが、テクトラムに気を取られる余り、シャムスの姿を一瞬だけ見失っていた。
連携してタイミングをはかり、同じく飛翔して空から襲い掛かるシャムス。
それはまるで、二連の猛禽が地上で足掻く手負いの獣を仕留めようとするかのようだ。
ダリヴーが身構え、伸縮自在の鞭をシャムスに放った。獰猛な蛇さながらの鞭の先端についた刃が、使い手の意志を反映してシャムスを迎撃しようと飛ぶ。
「成っていないな」
だがシャムスもまた鞭使いである。その武器の性質や使い方に熟達した彼は、斬撃の傷を最小限に留め、ダリヴーに飛び蹴りを喰らわせた。
「かはっ
……!?」
流星の如き蹴りの直撃に、川を転がり、即座に立ち上がるダリヴー。
「鞭を振るうことだけに集中し他が疎かになるとは。鞭使いとしては下の下だな」
言いながら飛翔して攻めかかるテクトラムめがけ、先端に刃物をつけた伸縮自在の鞭が飛んだ。
「うるさいっ! 切り刻んで打ち据えてやるよ!」
荒れ狂う旋風もかくやと振り回される伸縮自在の武器は、その攻撃圏に入った者を容赦なく斬り刻む超常の猛威だ。
しかし鞭の扱いに長じるテクトラムのこと、常人であれば瞬時に肉塊に変えられるであろう攻撃のただなかに突っ込み、身を切り刻まれながらも致命傷を免れていた。
心臓を貫かんと下方から飛び上がってきた刃を、身を反らして回避。その胸元をかすめて刃が飛んでいく。
(「浅いな」)
態勢を崩さぬまま飛んだテクトラムが冷静に判断し、手にした武器を――鞭を握りしめた。
「しまった
……!?」
テクトラムを迎撃しようとする余り、ダリヴーは自らが足を川に呑まれていることを忘れていたようだ。罠地帯と化した川底に配置された虎挟みがまたも足に喰らい付く。クロノヴェーダは生成されたトラップなど物ともしないものだが、パラドクスの使い方と連携次第で有効な手ともなり得る。
「貴様、先程私が言ったことを覚えているか?」
出せる最大速度で飛翔し、すれ違いざまに言葉を突きつけるテクトラム。反転して鞭を構えた彼は堂々たる声を異空間に響かせた。
「エジプトは清く正しく神聖である……そして!」
それはエジプシャンであり鞭使いでもあるテクトラムの宣言であり、赦しがたき敵を貫く否定の言葉だ。
「鞭は! 罰する物であり! 決して! 悦ばせる物では! ない!!」
それこそ彼がこの異空間に足を踏み入れた時から言わんとしていたことに他ならない。
「不浄なる者は! 顔でも洗って!! 出直して来い!!」
「ぎゃ、がぶうっ!」
凄まじい鞭の一撃がダリヴーの後頭部に直撃。
ダリヴーは飛沫を上げながら水面に顔を突っ込ませ、そのまま動かなくなった。
着地して深く息を吐くテクトラム。
戦いを終えたシャムスも床に降り立ち、信者たちの無事を改めて確認して。
「まあ、あれだ。目覚めたら健全な方向に邁進してくれれば良い」
良いように解釈すれば、純真な信者たちであったのだろうから。
(「悪しき道に足を突っ込まない限りは大丈夫だろう、多分……」)
性善説でそう判断を下すシャムス。
かくしてギザのピラミッド神殿を巡る戦いがまた一つ幕を閉じ、ディアボロスたちは新宿島に凱旋するのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【託されし願い】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【アヴォイド】LV1が発生!