リプレイ
喩・嘉
かつての栄華、民のこの地での暮らしぶりを知る者として
洛陽の現状は、幾度見ても胸が痛む
この洛陽を越えた先、長安の無事を確かめねばな
さて、まずは衛兵の処理だが
ああ……お前たち本当、見るからに蟲だな
苦手だ。こっち見ないでもらえるか
数いる衛兵は近づかずに一掃が楽で良いだろう
その先にある巣がとんでもないものであることはもう知っている
道を開けてもらうぞ
羽扇を振るい、「青龍水計」を使用。
敵が持ち上げる大地もろとも激流で押し流す
※アドリブ、連携歓迎
守都・幸児
昔の洛陽がどんな場所だったか
喩嘉が話してくれたことがある
…俺も、見てみたかった
長安ってとこに民が残ってるかもしれねえなら
早いとこ向かわねえとな
だがその前にこの蟲の巣、残らず叩き潰してやるぞ
俺が使う技は「開」
こいつらが集団で戦うのが得意な連中なのは知ってる
だからまずは接近せずに攻撃する
敵自身の影から刃を出現させ
敵陣の内部から【不意打ち】
【撹乱】してその守りを崩してやる
敵陣が崩れたらそこに【突撃】
鉄骨を振り回して片っ端から薙ぎ払い、さらに敵陣を崩す
群れがばらけりゃ、あとは一体ずつ潰してくだけだ
敵が集まって守りを固めようとしたら
また内側から闇の刃で攻撃してやる
さあ、通してもらうぞ
※アドリブ、連携歓迎
(「かつての栄華、民のこの地での暮らしぶりを知る者として……洛陽の現状は、幾度見ても胸が痛む」)
廃都の乾いた風が、喩・嘉(瑞鳳・g01517)の絹で束ねた長い黒髪や、翅、纏う瑞応龍袍を揺らし去っていく。
朽ちかけた楼の上からは、死の都と化した洛陽の相も変わらぬ凄惨な光景が見渡せた。
老若男女のさざめきに満たされ、壮麗な建築、数多の文化が万朶の花の如く妍を競った都の殷賑は此処にはない。目に映る建物は全て廃墟であり、辺りに漂うのは、路傍に散らばる白骨に象徴される死の気配ばかりだった。
瑞鳳凰扇を鼻先に翳しながら、喩嘉は自らの知る都と眼前の廃都を照らし合わせて柳眉を寄せた。
ここに長く留まっているわけにもいかない。
元は四つ辻であったらしい街路に屹立する小山のような蟻塚、そして屈強な蟲将の群れを見据えて、喩嘉は言った。
「この洛陽を越えた先、長安の無事を確かめねばな」
崩れかけた人家の並びに身を隠しながら、守都・幸児(祥雲・g03876)は慎重に蟲将の巣や敵との距離をはかる。
道々に野ざらしの白骨が転がり荒廃を極めた都の惨状は、何度目にしても慣れることなく、肺腑を抉られる心地がする。
(「昔の洛陽がどんな場所だったか、喩嘉が話してくれたことがある」)
隆盛を極めた後漢の都。その華やかさに比べれば、いま目にしているのはまるで色を失った灰色の世界だ。辻を行き交う人々の賑わいも、壮麗な建物も、走り回る子どもたちの姿も、きっと在ったであろうに――。
「……俺も、見てみたかった」
いま、この廃都に栄華の面影は微塵もない。
残されているのは、朽ちた建物と白骨――そして聳え立つ蟲将の巣の周囲を、我が物顔に徘徊する蟲将ども。
「長安ってとこに民が残ってるかもしれねえなら……」
今はただ、万難を排して蟲将の巣を攻略するのみ。
「残らず叩き潰してやるぞ」
蟲将の巣を守る魏軍虎衛兵に向けて、幸児はパラドクスの力を文字通り『開放』した。
――拓く、開く、須らく。
夜の色に染めたような硬化した両腕が俄に揺らめき、周囲の闇に溶ける。
陽があるところに影があり、光があればそこには闇が生じる。
巨体を誇る魏軍虎衛兵の影から瞬く間に刃が飛び出し、鎧さながらに硬質化したその外殻にグザと突き刺さる――!
「敵襲」
「迎撃せよ」
硬い体を貫かれて倒れ伏す同胞を見て、魏軍虎衛兵が重々しい声を響かせながら密集陣形を取る。
直後、敵の態勢を更に崩すべく、幸児が果敢に四つ辻に突っ込んでいった。
新宿島から持ち込んだ頑丈な鉄骨――数多の戦場を共に潜り抜けたそのクロノ・オブジェクトを握って敵に肉薄。
振るった鉄骨が虎衛兵の腕にいとも容易く弾かれて、物凄い音をたてた。
「流石に硬ェな!」
対して強烈な角によるカウンターの突進を仕掛けてくる虎衛兵たち。
鉄骨を構えてのガードが間に合ったのは、先程の影から飛び出した刃が蟲将どもの足並みを乱していたからだ。激しく吹き飛ばされながらも幸児は受け身を取り、そして笑みを見せた。
敵との距離を取る手間が省けたというものだ。
「任せたぞ、喩嘉!」
「ああ……あれは本当、見るからに蟲だな」
離れた高台に立っているとは言え、魏軍虎衛兵も流石にパラドクスの力を行使せんとする喩嘉に気付き、身構えた。
兜虫が人の形を取ったような蟲将に人間らしさはなく、ただ忠実に命令を果たす感情なき蟲そのもののようだ。
けれど――その命運もここに尽きようとしている。
「苦手だ。こっち見ないでもらえるか」
不快げに目を細める喩嘉。
幸児の奮闘により、高所で敵の隙を突くことができた。
連携が功を奏し、計略を発動する絶好の好機を掴めたのだ。
「これだけの数だ。一掃してしまうべきだな」
虎衛兵の陣形が崩されたのを見て、喩嘉は手にした瑞鳳凰扇で空を切った。
青龍水計が地響きを立てて怒涛を呼び、激流が四つ辻に横一文字に流れ込む――!
足を地面に踏ん張って耐え抜こうとした蟲将どもがあえなく激流に呑み砕かれる――その直前、虎衛兵は地面に手を突き刺して全力を込めて大地を覆そうとした。岩盤、岩石の類がまるで弾丸のように喩嘉に襲いかかる筈だったが、水の流れに態勢を崩され、また水を吸った大地は期待通りの威力を発揮させない。
「幸児が上手くやってくれたな」
悠揚迫らざる立ち姿のまま、喩嘉は敵の攻撃が失敗するのを見ていた。
兵は神速を尊び、続くディアボロスたちの攻めが、強襲された虎衛兵どもをそれこそ激流の如く呑み込もうとしていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水源】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
桜・姫恋
連携・アドリブ歓迎
蟲は苦手だけど私達のかつての故郷を取り戻すためにもそんなことは言ってられないわよね
数には数をって相場は決まっているのよ
道は切り開かせてもらうわよ
『DayBreakAttack』にて所属先のヨアケの星の面々の幻を召喚する。実態はあるけれど本物ではないからね?さて、頑張って蹴散らしておいでと召喚した者たちを敵へと送り込んでいく
さぁ、この数にどこまであなた達は持ちこたえられるのか見せてちょうだい
ルウェリン・グウィンリウ
あの呂布が守ってた洛陽の内部――まさかこんな惨憺たる有様とはね。
何がどうしてこうなったか、調べてみる価値はありそうだ。
まず、邪魔な敵を排除させて貰う。
◆
敵が守りの構えを取れば、迂闊に切り込まず警戒。
テストゥドを思い出す布陣だ。無策で挑んでも跳ね返されるだけだろうね。
だから一手打たせて貰う。
正面から攻めると見せカウンターを誘発し、盾で防御しつつ一旦離脱。
離れ際にイグニス・グラエキアを放り、足元から燃やしてやろう。
敵の注意が逸れたら【屠竜撃】で再び切り込んで敵の一角を崩し、そのまま構えを崩した個体から攻撃を仕掛けて撃破を。
押し切れずに敵が反撃してくれば、無理せず再び手榴弾投げて離脱しようか。
伏見・萬
(連携アドリブ歓迎)
(前髪で目元が隠れた、幽鬼じみた男。生前の記憶はない)
…あぁ、胸糞悪いな。なんでだろうな
「生きてた」頃の自分が、罪もない人々がどうのこうの…って事で怒るほど善人だったとも思えねぇんだが
片っ端から食い尽くしてやりてぇぐらいには、機嫌が悪い
…で、喰っちまって、いいんだろう?
周囲に他のディアボロスがいれば声を掛け合い協力
基本は遊撃、敵の間を縫うように駆け回って陣形を崩し
落とせそうな敵を優先して倒して、数を減らす
攻撃は【魔骸連刃】
敵を倒すためなら、自分の負傷は然程気にしないが
この後もあるし、敵の生命力を喰って自分の足しにできれば理想的だな
●会敵
「あの呂布が守ってた洛陽の内部――まさかこんな惨憺たる有様とはね」
栄華を誇ったであろう都は見る影もなく荒廃し、眼前にはまさしく目を覆うばかりな惨状が広がっていた。
道々には弔われることもない数多の人骨が転がって、乾いた風が砂埃と共に、朽ちゆく都の死の臭いを運んでくる。
「何がどうしてこうなったか、調べてみる価値はありそうだ」
ルウェリン・グウィンリウ(灯火の騎士・g02040)はその金色の双眸に荒れ果てた都の景観を映して言った。そして板金ブーツで地を踏みしめ、加護が付与された衣服に吹き荒ぶ風を受けながら、四つ辻に屹立する蟲将の巣を見据えた。
屈強な衛兵然とした魏軍虎衛兵を前に、竜人騎士たる彼は明らかに尋常一様の武器ではない騎兵剣と円盾を構えて、
「まず邪魔な敵を排除させて貰う」
既に二名の強襲を受けていた魏軍虎衛兵の群れは、寄り集まって陣形を立て直そうとしていた。
だがそれを許すディアボロスたちではない。
「蟲は苦手だけど」
堂々たる巨躯を誇る魏軍虎衛兵の群れを前にして、桜・姫恋(苺姫・g03043)は少しだけ眉根を寄せた。開いていた桜扇をパチン、と音をさせて閉じた彼女は、小さく頷きを一つ。
「私達のかつての故郷を取り戻すためにも、そんなことは言ってられないわよね」
総じて不気味な見た目を持つ蟲将だが、それを打ち倒すという姫恋の決意は揺るぎない。
眼前に屹立する蟲将の巣を攻略しなければ、改ざんされた歴史に潜む闇を晴らすことはできないのだ。
「迎え撃て、ここを通すな」
「殺して董白様に献上せよ」
重々しくも何処か機械的な声を響かせながら、魏軍虎衛兵が構えを取る。
●奮迅
(「テストゥドを思い出す布陣だ。無策で挑んでも跳ね返されるだけだろうね」)
ローマ軍歩兵部隊が誇ったその戦術は、特徴的な長盾を構えて箱型に護りを固めるものであったという。亀の意味を持つそれは、飛来する敵の武器に対して抜群の防御力を発揮したが――密集しすぎるが故、柔軟性を欠く。
身を固めるという戦い方に、それは共通する弱点と言えよう。
ルウェリンが見定めて虎衛兵に斬りかからんとしたその時、
「……あぁ、胸糞悪いな。なんでだろうな」
廃都洛陽の乾いた道辻を踏んで、前髪で目元を隠した幽鬼のような男が逆方向から攻撃を仕掛けた。
無数の傷跡は、顔や胸元だけでなく全身にわたって刻まれている。この荒れ果てた都にも似て、彼――伏見・萬(錆びた鉄格子・g07071)もまた壮絶な過去を秘めているようだが、しかしその朧気な記憶は、本人さえ掴むことが叶わないのだ。
胸糞悪い――自身の名さえ不確かなものに感じる萬は、胸に湧き上がった感情を口に上せていたのだった。
過去の自分が如何なる者であったか。
全てが濃い霧に包まれているかのよう。
ただ、いま手の中にある欠片だけを以って、萬は失われた自分自身を想像する。
――「生きてた」頃の自分が、罪もない人々がどうのこうの……って事で怒るほど善人だったとも思えねぇんだが。
いま確かなのは……酷く機嫌が悪い、ということだけだ。
蟻塚めいた蟲将の巣を守るように、屈強なる魏軍虎衛兵どもが防御陣形を取る。
それを妨害するように突入した萬は、殺意に目をギラつかせていた。
「……で、喰っちまって、いいんだろう?」
飢えきった猛獣というも足りない、まさしく幽鬼のような目で蟲将の巨体を睨む萬。
ルウェリンは応えるように騎兵剣を振るって虎衛兵に斬りかかり――牙を剥くように萬は口の端を吊り上げた。
「一手打たせて貰う」
ルウェリンの斬撃は敵の陣形を崩す誘引の手だ。勿論、硬い敵の外殻に剣は弾かれてしまうが、その隙を狙って突進してきた虎衛兵の角を前に、ルウェリンは後退しながら、すかさず円盾を構えていた。
角を持つ蟲将の凄まじい突進を受けて、ルウェリンの板金ブーツが地面をえぐる。
衝撃を後方に逃していた彼は、距離を取る直前、何かを投擲していた。
陶器が割れる音と共に、凄まじい炎が蟲将たちを包み込む!
イグニス・グラエキア――焼夷手榴弾とも言うべきその火器が猛威を振るい、炎に取り巻かれた虎衛兵どもが一瞬だけたじろいだ。燃え上がる炎の中にあっても恐慌に陥らないのは流石に精鋭らしいが、僅かでも隙を晒したのは命取りだ。
「――獲った」
再び斬り込んだルウェリンの閃かせた刃は、先程よりも遥かに疾い、龍をも屠る一撃だ。
「……ガッ!?」
「な、に……」
騎兵剣が、硬い外殻に覆われた魏軍虎衛兵の首を瞬時に二つ――まるでバターでも切るように切断してのけた。
「数には数をって相場は決まっているのよ」
そしてその時、姫恋が舞うように手を振るや否や、周囲の空間が揺らぎ、信頼するディアボロスたちの幻が立ち現れた。
「道は切り開かせてもらうわよ」
実体はあるが本物ではない、それら見知った仲間たちの幻影に、パチリとウインクしてみせる姫恋。
「さて、頑張って蹴散らしておいで」
舞うような手振りと声に呼応して、彼ら彼女らが一斉攻撃を仕掛けた。
剣、杖、拳、弓――その他諸々の特徴的な武器を振るって、四方八方から連携の取れた波状攻撃を仕掛けるのだ。
「さぁ、この数にどこまであなた達は持ちこたえられるのか、見せてちょうだい」
「守りを固めよ」
「然る後に潰せ」
DayBreakAttack――暁天に閃く星々のような燦然たる攻撃の数々に切り裂かれながらも、残る魏軍虎衛兵は大地に深々と手を突き刺して強引に岩盤を刳り上げた。パラドクスの力による凄まじい膂力により、岩盤や岩石を砲弾さながらにして姫恋と幻影に殺到させる。
しかし即座に散開し、姫恋自身もステップを踏むような動きでダメージを抑え、敵に向き直ると余裕の笑みを見せた。
「これでお仕舞い?」
「……弱った奴からだ」
躊躇いなく突っ込んでいった萬は、自らの両腕から鋭利な刃を飛び出させて敵を切り刻んでいる。喰らったクロノヴェーダの肉体から生成したその刃を、萬は負傷さえ厭わぬ鬼気迫る勢いで振るうのだ。それでいて、弱ったものから狙うという周到さを萬は併せ持っていた。
虎衛兵の硬い体が切り裂かれ、突き刺され、血に飢えた獣の如き萬の戦い振りに反撃も出来ず圧倒される。
「纏めて喰らい尽くしてやる」
生命力を奪う刃――そのパラドクスは、蟲将たちを苛むばかりではなく、収奪した命を我がものにする効果を味方にもたらしていた。
剣を光らせてルウェリンが奮迅の戦いを見せる。
飢えた獣よりなお恐ろしい萬の斬撃が蟲将の巨体を切り刻み、姫恋が大勢の仲間と共に戦況を一気に塗り替える。
三者三様の奮戦により、精強なる魏軍虎衛兵もここに全滅を遂げたのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【通信障害】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
奉利・聖
……ゴミがゴミのような知恵を働かせ、ゴミのような行いをする
まったくもって救いがたい 虫唾が走るというものです
それでは潰しに行きましょうか…掃除しないと不潔でしょうがない
まずは、木っ端から片付けましょう
──『惑乱ノ業』
デコイを向かわせましょう──突出してきた敵を狙うのでしょう?
格好の的では無いですか
まぁ手を出したが最後、終わるのはそちらなんですがね
起爆、拡散ダメージと近くへの甚大なダメージ
では、何も出来なくなった害虫を潰しましょう
<強打>でまずは頭部を砕き、<投擲で>で武器を投げて貫く
亡骸を一つ拝借して、ハンマーにの様に振り回してまた一体
さて、これで切り拓けましたし…次に行きましょうか?
「……ゴミがゴミのような知恵を働かせ、ゴミのような行いをする」
魏軍虎衛兵の殲滅を味方に任せて、奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)は真っ先に蟲将の巣へと突入していた。サロペット型の作業服とデッキブラシを装備した彼は、入口付近の蜘蛛の巣を素早く払い、坑道めいた道の先を鋭く見据える。
「まったくもって救いがたい。虫唾が走るというものです」
人の命を何とも思わない蟲将――赦し難いその暴挙に怒りと不快感が綯い交ぜになった感情を聖は抱く。
「それでは潰しに行きましょうか……掃除しないと不潔でしょうがない」
坑道めいた巣の中に張り巡らされた糸が、ぼんやりと青白い光を放っている。巨大昆虫である大蜘蛛は闇に潜んで侵入者を仕留めようとしているのだろうが、聖にとってはそれらも当然『掃除』の対象である。
「所詮は蟲。なんとでもなります」
聖は坑道の入り口付近でまず呼吸を整え、気を練った。行使するのは、本物と見紛う囮を生じさせる分気功と、気配を遮断する影気功を組み合わせた気功術――錬結気功『惑乱ノ業』。
(「突出してきた敵を狙うのでしょう?」)
分身するように生じたデコイが坑道めいた道を駆け、奥へと突き進む。
――キチキチキチキチギチギチギチギチ!!
道の先は、蜘蛛の巣が張り巡らされた広間となっていた。鋏角を噛み鳴らして迎え撃った大蜘蛛は、その大顎で愚かにも突っ込んできた侵入者を噛み殺す――!
瞬間、喰い付かれた聖のデコイが爆発を起こした。
広間に張られた蜘蛛の巣ごと、大蜘蛛がバラバラに四散する!
「音に気付きましたか。でも狙い通りです」
広間の奥や左右には、それぞれ深部へと繋がるのであろう道が続いていた。その三方から飛び出してきたのは、徘徊型の大蜘蛛である。
まず正面からきた個体めがけて、聖は眉一つ動かさぬまま、容赦なくスクレーパーを投擲していた。
――ギィッ!?
頭部をスクレーパーに突き刺されて息絶える巨大蜘蛛。
「これは使えそうですね」
現場で道具を調達するのもまた掃除屋のスキルだ。先の爆発で足元に転がっていた巨大蜘蛛の脚を拾い上げ、左右から襲いかかってきた大蜘蛛にハンマー投げの要領で振り回した。大蜘蛛どもの頭が砕かれるとともに、蜘蛛の脚も使い物にならなくなったが、構いはしない。
「さて、これで切り拓けましたし……次に行きましょうか?」
手際よく素早く、聖が『掃除』をしながら巣の攻略を進めていく。
大成功🔵🔵🔵
効果1【平穏結界】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
丹尾・水葵
他の巣穴も見てきたけど、悪趣味な場所だよねぇ
ササッと全部片付けちゃおう
内部がまったく伺えない蟻塚の中を探索。
まあわかりきってたけど、この様子だと生きてる人なんてのは望めなさそ。
ハッキングで《ステルスモード》を発動。音と光を抑えて進んでいく。
クロノヴェーダでもない巨大昆虫の攻撃であれば、常設防御と魔力障壁でシャットアウトし、
悪魔の羽根を飛ばしたり、悪魔の翼で貫いたりで倒しながらと戦闘音は控えめに。
他が派手に動いてくれてるから、ちょっと気を付ければ自由に動きやすそうだね?
探索しながら蜘蛛の巣の無力化について、どれくらい耐えるか攻撃してみたり。
最深部の董白へ辿り着くまでに、ちょっと調べておこっと。
「他の巣穴も見てきたけど、悪趣味な場所だよねぇ」
天井の隅に張り付いた蜘蛛の巣が、ぼんやりと光を放っていた。
仄青い光に照らされた洞窟のような道を、丹尾・水葵(小悪魔ハッカー・g00080)は進んでいく。
「まあわかりきってたけど、この様子だと生きてる人なんてのは望めなさそ」
足元に転がっているのは、人骨だ。
人の命を何とも思わないやり方に、水葵は先ごろ討ち取った蟲将を思い出していた。
「ササッと全部片付けちゃおう」
巨大昆虫と遭遇する前に、ステルスモードを起動。世界へのハッキングにより自らの存在を薄れさせ、気配を消す。身を隠しさえすれば、光学迷彩の効果によって、巨大蜘蛛にも発見されづらくなる。
と、何やら爆発音が巣に響き渡って、水葵は目をぱちぱちさせた。
「味方が派手に動いてくれてるみたいだね。ちょっと気を付ければ自由に動けるかな?」
先を行く『掃除屋』が物凄い勢いで蜘蛛の巣や蜘蛛の巨大昆虫を打ち払っているのだった。水葵はその分、集中して探索を進められるというものだ。
やがて丁字路に突き当たった水葵の目の前――横一文字に伸びる道を、巨大蜘蛛がガサガサと大慌てで進んでいった。音のした方へと向かったのだろう。光学迷彩の効果を発揮して壁の一部と同化した水葵は、見事にやり過ごしてしまうと、巨大蜘蛛がいま来た道を進んでいく。
道が緩やかな下り坂になっており、最深部へと着実に近付いている実感を水葵は覚えていた。
――ギチギチギチギチギチギチ!
「っと、これは倒さないとね」
道を塞ぐように巣を張っていた巨大蜘蛛が、水葵に気付いて奇妙な威嚇音をたてたが――その時にはもう何もかもが遅かった。
「近付くのは危険そうだし、これでいこう」
悪魔の翼を広げた水葵が、舞うようにくるくると横回転。
翼より放たれた悪魔の羽が巨大蜘蛛を、そして蜘蛛の巣を吹き飛ばす!
――ギッ!?
満足に悲鳴をあげることもできないまま、バラバラになって地面に落ちる巨大蜘蛛。
吹き飛んで舞った蜘蛛糸を観察しながら、水葵は考える。
「うわ、ねばねばしてる……普通の蜘蛛の糸より太いから、丈夫そうではあるけど。切るのはそんなに難しくないかな?」
問題は、やはりそれなりに破壊に集中せねばならない点だろう。最深部に辿り着いた後、広範囲にわたって効率よく払ってしまえれば、蟲将の強化を打ち破ることができるはずだ。
情報も得ながら、水葵は巣の最深部を目指して進んでいくのだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】がLV2になった!
結島・蘭杏那
ふーん、まぁ巣の中はあまり入り組んでなくて迷わないと言うけど最深部の広間への道が複数あるなら念の為に【パラドクス通信】で連絡を取れる方にしといた方が良さそうね。
さて巣の探索ー…とはいっても蜘蛛の巣を取り除いたり、待ち構えてるか徘徊してる大型蜘蛛の駆除がメインになりそうね。とりあえず蜘蛛の巣は、十文字槍の石突側に乾燥させたコキアを付けて箒代わりして取り除いていくわ。大型蜘蛛が出たら槍で刺していけばいいから一石二鳥ね!あとは蜘蛛の巣があった場所に柑橘系のアロマオイルを水で薄めたものを撒いていけばいいかしらね。
「ふーん、まぁ巣の中はあまり入り組んでない、と言うけど」
巣の入り口を守っていた魏軍虎衛兵は倒され、結島・蘭杏那(剣の舞姫・g01039)は内部へと踏み込んだ。
坑道めいた通路の隅にもぼんやりと光る蜘蛛の巣が張られていて、真っ暗闇というわけではない。幸い侵入者を惑わせるような道ではないようだが、
――最深部の広間への道が複数あるなら、念の為連絡を取れるようにしといた方が良さそうね。
蘭杏那がパラドクス通信の効果を発揮すると、手の中に小型通信機が出現した。
地図もない状態で敵地を探索するのだ。情報を交換し合うという蘭杏那の考えは合理的である。
『――巨大蜘蛛も蜘蛛の巣も、かなり除去できたはずです。徘徊型の方が厄介ですね』
「駆除がメインになりそうね。私も見つけ次第、仕留めていくわ」
パラドクス通信で先行したディアボロスと連絡を取り合う蘭杏那。
「それにしても、本当に蜘蛛の巣だらけなのね」
地下に向けて緩やかに傾斜した道を歩きながら、蘭杏那は邪魔な蜘蛛の巣を払っていく。愛用する十文字槍の石突側に乾燥させたコキア――別名ほうき草を取り付ければ、柄の長い箒になるのだ。
「徘徊型の蜘蛛もこれで少しは避けられるかしらね」
蜘蛛を払った箇所に、蘭杏那は柑橘系アルマオイルを水で希釈したものを撒いていった。蜘蛛は柑橘系のアロマを苦手とする傾向があるのだ。効いているのか、蘭杏那が徘徊型の大蜘蛛に襲われることはなかった。
「あれは……獲物を待ち構えているのね」
と、深部へと歩みを進める彼女の行く手を、巨大蜘蛛が塞いだ。通路そのものを塞いでしまうように、粘性の蜘蛛糸がびっしりと張られている。そこに、赤い複眼を持つ女郎蜘蛛にも似た巨大蜘蛛が張り付いているのだ。
「通してもらうわよ」
ここまで蜘蛛の巣を払いながら進んできた蘭杏那が、そこで手にしていた十文字槍をくるりと返した。
切っ先が大蜘蛛に向いたかと思うと、まさしく電光石火!
凄まじい速度で軌跡が奔り、巨大蜘蛛の胴を槍が串刺しにしていた。
――ギィッ!?
余りの威力に両断され、一瞬にしてその命を刈り取られる巨大蜘蛛。
「さてと、そろそろかしらね?」
槍を返して箒の部分で残った巣を払い、蘭杏那は迷宮の最奥目指して進んでいくのだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
結島・蘭杏那
はははっ…董白ちゃん、貴方を倒すのはこれで二回目ね。三国志ディヴィジョンが滅ぶまでに何回倒せるかしらね?(トロフィーキル)
強化の打ち消しは他の人達に任せて、私は董白とトークして打ち消されるまで時間稼ぎしようかしらね。強化されてイキッてる董白相手に【パラドクス通信】で連携して強化が打ち消されるタイミングを見計らって、「今から貴方を弱くしてみせるわ…3、2、1(パチン)…どうかしら?」、って言いつつ弱体化したのはわかりきってるから、相手が動揺した一瞬、【残像】を駆使し【臨機応変】に対応しながら一気に接近して【斬撃】の【連撃】で十字に斬り裂くわ。
奉利・聖
やれやれ……そろそろこのゴミ掃除も終わらせるとしましょうか
まったく、ゴミがゴミを撒き散らして闊歩するなど笑止千万
いいでしょう、全部纏めて掃除してやります
こちらはプロ……負ける気がしませんね
ほう…なるほど、閉じ込めてきましたか
ではその囲い、突破するとしましょうか──『天破ノ槍』
極大貫通、崩壊拡大……FARBLOSにて、蜘蛛糸の迷宮に<弾幕>
着弾した箇所から急速に崩壊し始めるでしょう
そして崩壊が進めば、ゴミが動き回れるスペースがどんどん減っていく
身を隠せる場所すら無くなれば──後は狩るだけだ
そこだ、位置を<看破>
<連射>で一気に追い詰めて、必殺の一発をお見舞いしましょう
よし、これで綺麗になりますね
「騒がしいと思ったら、そういうコト。……わざわざアタシの玩具になりに来たってわけね?」
蟲将の巣の最深部を青白い光で照らし上げていたのは、蜘蛛糸で編まれた城の如き立体網だった。犠牲となった数多の亡骸が捕えられたままの巨大な蜘蛛の巣――その中心で、蟲将・董白が王侯のように侵入者を睥睨する。
「はははっ……董白ちゃん、貴方を倒すのはこれで二回目ね」
いち早く蟲将の巣の深部に到達した結島・蘭杏那(剣の舞姫・g01039)は、敢えて董白の眼下にまで歩み寄って、その玩弄するような直視と殺気を一身に引き受けた。
「この改竄世界史が滅ぶまでに何回倒せるかしらね?」
「アタシを倒す、ですって……? へえ、面白いじゃない」
それは蘭杏那の偽りなき『目標』であると共に、傍若無人な蟲将の神経を逆撫でするための言葉でもあった。他者を弄ぶことを好む董白――特にこの個体は、挑発や嘲弄の類に過敏に反応した。玩具となる筈の獲物が相手であれば、尚のことだ。
「やれやれ……そろそろこのゴミ掃除も終わらせるとしましょうか」
その時、殺気に満ち満ちた蟲将の巣の深奥に、奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)が足を踏み入れた。
「まったく、ゴミがゴミを撒き散らして闊歩するなど笑止千万。いいでしょう、全部纏めて掃除してやります」
サロペット型の作業服を着込んでずかずかと踏み込んできた青年を、董白が苛立たしげに見下ろす。
対する聖は、青白く発光する蜘蛛の巣の上で偉そうにしている蟲将を睨み、不敵に口の端を吊り上げた。
「こちらはプロ……負ける気がしませんね」
タトゥーやピアスが個性を際立たせる彼にこんな殺気を向けられでもしたならば、常人は言葉を失って震え上がるに違いない。けれど流石に蟲将たる董白は居丈高に鼻を鳴らしただけだ。
「羽虫風情が、五月蝿いわね。そのキレイな顔……アタシに拷問されてどんな風に歪むのか見ものだわ」
だが、何事も意のままに運ばなければ気が済まない我儘姫にとって、聖の言葉は大層、気に障るものであったに違いない。可憐な顔に青筋が立つのを蘭杏那は見逃さなかった。
「あら、イライラしてるわね? 折角の可愛い顔が台無しよ?」
口調からも感情の揺れを捉え、敢えて挑発の言葉を重ねることで時間を稼ぐ蘭杏那。
そう、闇雲に突入して攻撃を仕掛けるだけでは苦戦は必至。
故に心を揺さぶりつつ、会話を長引かせることこそが一つの狙いだった。
「まだ減らず口を叩くのね。いいわ、縛り殺して吊るしてあげる!」
狙い通りの反応に、蘭杏那は口元に笑みを湛えた。
瞬間、天井より蜘蛛糸が紗幕のように降り注いだかと思うと見る間に編み込まれ、蘭杏那を閉じ込める迷路を形成した。
「さあ、惑いなさい!」
死遊戯場――蜘蛛糸の迷路に閉じ込めた獲物を、あらゆる方向から弄んで惨たらしく殺害する超常の絶技だ。
死角から伸ばされた槍の如き董白の前脚を手刀で逸し、急所を避ける。
前進。
突き当り。
嘲りの笑声。
行く手を阻む蜘蛛の巣の壁から突き出されようとした蜘蛛の脚――それを避けつつ肉薄した蘭杏那が手刀を振るった。
「嘘でしょ、なんで
……!?」
縦一閃、横一閃、繰り出された二連撃は閃光の十字を描き出し、董白が迷路の壁ごと切り裂かれる。
「チッ……これ以上はさせない!」
「ほう……なるほど、閉じ込めてきましたか」
董白が超常の力を以って編み上げた迷路が今度は聖に襲いかかる。だが繭を思わせる壁に阻まれ、進んでも退いても蜘蛛姫の餌食になるであろう死地に身を置いても、聖が動じることはない。蜘蛛の脚の刺突に身を抉られようとも、だ。
「ではこの囲い、突破するとしましょう」
眼光鋭く言うや否や、聖の構えた銃――超常遮断式【FARBLOS】が『気』に包まれた。如何なる惨状を前にしても心を乱さぬことが掃除屋の要。その強靭な精神力を支えとして練り上げられた気功が腕を通し、銃に流れ込む。
注ぐのは凄まじい貫通力をもたらす『穿気功』と、触れたものを朽ちたような状態にさせる『朽気功』――それらが渾然一体となり付与された清めの技こそ錬結気功『天破ノ槍』だ。
引き金が引かれ、迸った銃弾が着弾と同時に蜘蛛糸の迷路を瞬時に吹き飛ばした。文字通り『無』に帰したのだ。
「嘘……」
その凄まじい威力を持つ弾丸に自らも貫かれながら震え、絶句する董白。
(「身を隠せる場所すら無くなれば──後は狩るだけだ」)
視線を以って董白を射抜く聖。
「ご自慢の強化だけれど、それもここまでね」
「何を言って――」
「今から貴方を弱くしてみせるわ。3、2、1……」
パチン!
蘭杏那が指を弾くとともに、周囲の蜘蛛糸――董白の城たる蜘蛛の巣にパッパッと火が灯され、燃え上がる。
動揺する董白の前で、蜘蛛の巣が、彼女の誇った居城が崩されていく――!
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【壁歩き】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【先行率アップ】LV1が発生!
喩・嘉
なるほどな、周囲の蜘蛛の糸を払えば強化を解くことができるわけか。
狭い巣の中で大火事を起こすわけにはいかないので、俺が操れる炎で計画的に払ってやろう。
最深部まで辿り着いたら、「急急火計」を使用。
油を撒いて、効率的かつ計画的に糸を順次燃やしていく。
同時に【トラップ生成】で、自分の周りには防壁としての炎を発生させられるようにしておく。
蜘蛛の相手はこの後で、じっくりとしてやる。
今は大人しくしておけ。
※アドリブ、連携歓迎
守都・幸児
この糸のおかげで真っ暗闇じゃねえのは有難えな
暗いのは苦手なんだが、このくらいならなんとか我慢できるぞ
喩嘉の炎で明るくなれば、ほっとする
俺には火は出せねえが、別のもんが出せる
こんな場所じゃ闇には事欠かねえからな
虎衛兵に使ったのと同じ技「開」で
闇から刃を生やすぞ
糸そのものが発光してるなら
糸の近くには濃い闇があるはずだ
そいつを利用して糸を根本から切ってやる
特に皆が届きにくい場所や高い位置の糸を切るぞ
そのまま喩嘉や皆の炎の上に落として燃やしてもらおう
【パラドクス通信】で皆と連携して取り残しのねえように
一本残らず払ってやるよ
さあ、次は糸だけじゃねえ
この巣を丸ごと全部、ぶっ潰してやる
※アドリブ、連携歓迎
蟲将の巣の最深部に広がる地下空洞にも、仄青く発光する糸が張り巡らされていた。
それらが縦横に編み込まれることで立体的な蜘蛛の巣が形成され、さながら主である董白の居城と化していたのだ。
「なるほどな、周囲の蜘蛛の糸を払えば強化を解くことができるわけか」
「この糸のおかげで真っ暗闇じゃねえのは有難えな」
早速、払うべき蜘蛛の巣の特徴を見定めた喩・嘉(瑞鳳・g01517)の隣で、守都・幸児(祥雲・g03876)が言った。
蜘蛛の巣が巨大なものであるだけに、広々とした戦場もまた青白く照らし上げられていた。見れば壁にも光放つ巣が張られており、たとえ眼前の巨大な巣を取り払っても、周囲が闇に包まれる心配はなさそうである。
先行するディアボロス――蘭杏那や聖が董白を言葉を以って引きつけ、攻撃を仕掛けていた。
その間に、喩嘉と幸児はそれぞれの力を駆使し、連携して巣の破壊に打って出る。
「所詮は蜘蛛の巣だ。火計で払ってやろう」
仄青い光を放つ蜘蛛の巣が、喩嘉の撒いた液体を浴びて、きらきらと輝きを放つ。それは、油であった。可燃性の液体がたちまちボウと燃え上がり、蜘蛛の巣を燃やしながら空間を点々と照らし始める。
蘭杏那と聖の戦いに気を取られた董白が目にしたのは、喩嘉が蜘蛛糸の城のあちこちに灯した火計の炎だったのである。
(「狭い巣の中で大火事を起こすわけにはいかないが、これなら支援にもなるだろう」)
喩嘉は加減しながら蜘蛛糸を燃やすことで、巣の破壊と共に、董白の精神をも揺さぶる連関の計を実現したのだ。
そして揺らめく焔は幸児にとって、さながら寒い暗夜をしのぐ焚き火のようでもあった。
「なによこれ……なんだっていうの
……!?」
蜘蛛の巣の上で多脚を動かしながら左右を見回した董白は、更に驚くべき光景を目の当たりにすることになる。
(「俺には火は出せねえが、別のもんが出せる」)
巨大な蜘蛛の巣を払うとなれば、幸児には考えがあった。
「こんな場所じゃ闇には事欠かねえからな」
蜘蛛糸の城に喩嘉が灯した炎が、超常の景色を彩って、幸児の不安を消し去ってくれた。そして巨大な蜘蛛の巣が青白く光を放ち、炎が影を作っているのであれば――ここは自身にとって存分に力を発揮できる戦場だ。
『――それなりに大きな巣だけど、協力すればすぐに払えるはずよ。こっちは任せて』
「ああ、届かなさそうな場所は俺が引き受けるぞ」
地下空洞に繋がる別の道から出たディアボロスたちが、蜘蛛糸の城を挟んで、二人とは逆側から攻めかけていた。パラドクス通信により連携を取った幸児は、慌てふためく董白を見上げながら鬼の剛腕を構えた。
「一本残らず払ってやるよ」
闇を恐れる者なれば、闇の怖さを識っている――幸児の鬼の腕が暗夜の陽炎のように揺らめいて、周囲の闇に溶け消えた。途端、周囲の闇から飛び出した鋭利な刃が、蜘蛛糸の城に四方八方から突き刺さり、切り裂き、見る間に瓦解させていく……!
飛び散る蜘蛛糸。
ふわりふわりと舞う残滓。
ばさりと崩れゆく蜘蛛城の破片が喩嘉の生じさせた炎に落ちて燃える。
落下していく哀れな犠牲者の亡骸に弔いの念を抱きながら、幸児は可能な限りに力を振るった。
首魁たる董白を討たなければ、悲劇はまた繰り返されるのだ。
「糸だけじゃねえ。この巣を丸ごと全部、ぶっ潰してやる」
「なんで……なんでアタシの巣が――!?」
強化の拠り所としていただけに、董白の焦りは相当なものだった。
「蜘蛛の相手は後で、じっくりとしてやる……と言いたいところだが」
「あいつ、蜘蛛の巣を払われて相当焦ってるぞ」
「ああ、あれでは――」
連携して蜘蛛の巣を破壊しながら、喩嘉は幸児の言葉に切れ長の目を細めて頷いた。
「俺たちが手を下すまでもなさそうだ」
強化の拠り所である蜘蛛糸の領域を台無しにされ、怒りに震える董白に、ディアボロスたちが攻撃を仕掛けようとしていた。
となれば――蟲将の命運はもはや尽きている。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【平穏結界】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】LV2が発生!
桜・姫恋
連携・アドリブ歓迎
直ぐ様蜘蛛を倒しに行きたいところだけど厄介な強化は打ち消さないとね?
蜘蛛の糸を切ればいいのね?【パラドクス通信】で仲間たちと情報共有しながら自身の言の葉を桜の花びらの刃に変え蜘蛛の糸を切りながら進む
蜘蛛の糸って本当に鬱陶しいわね
本当なら燃やし尽くしたいけどそんなことしたら大事だし地道にやるしかないのもわかるけど飽きるわね……
道中見つけた死体は簡易的なお墓を掘り埋めて軽く黙祷するも時間もないため簡易的に済ませる
伏見・萬
(連携アドリブ歓迎)
あっちにもこっちにも死体ってか
(特に動じない。そもそも自分だって「死んでいる」のだし)
(自分が同じように、ただの死体になって朽ちていくのを想像してみても
「まあ、仕方ねえな」程度で)
(ただ、「奴らに利用される」のは嫌かもしれない。だから腹が立ったのか)
周囲のディアボロスと協力し、張り巡らされた蜘蛛の糸を切っていく
糸の繋がる先を見極め、重要なルートになりそうな所から効率よく巣を【解体】
敵さんも、いつまでも大人しく見物してるとも思えねえしな
死体も「敵が配置したもの」と判断したら割と気にせず崩したりどけたり
…なんかキレイにして弔うとかは、俺には向いてねえ
ちょいと待ってくれや、悪いな
「すぐさま蜘蛛を倒しに行きたいところだけど……」
迷宮の最深部に足を踏み入れた桜・姫恋(苺姫・g03043)は、地下空洞めいた広間に張り巡らされた蜘蛛の巣を見た。
ぼんやりと青白い光を放つそれは、幾重にも糸が編み込まれた立体網――蟲将・董白の座す蜘蛛糸の城である。
「厄介な強化を打ち消すためには……あれを切ればいいのよね?」
小さく首を傾げた姫恋は、蜘蛛の巣の規模を把握してさらりと言ってのけた。眼前に広がるのはまさに超常の光景であったが、蜘蛛の巣は所詮、蜘蛛の巣である。姫恋がその身に宿した力を駆使したならば、払い除けられぬ道理はない。
「今のうちにささっと掃除してしまいましょう」
既に先行したディアボロスたちが、蟲将を挑発し、戦闘を繰り広げていた。パラドクス通信により通信機を手の中に生じさせた姫恋は、蜘蛛の巣を挟んで反対方向の道からここに到達したらしい味方とも連携を取る。
「それなりに大きな巣だけど、協力すればすぐに払えるはずよ。こっちは任せて」
『ああ、届かなさそうな場所は俺が引き受けるぞ』
応答に頷いた姫恋は、ふわりとその桜色の髪を不可視の力に揺らして、美麗な光景を地下空洞に描き出す――。
「あっちにもこっちにも死体ってか」
洛陽の市中にも白骨は累々と積まれていたが、蟲将の巣の内部もまた酷い有様であった。巣の主である董白が潜む迷宮の最深部となれば、その凄惨さは極まり、張り巡らされた蜘蛛の巣にも包帯に巻かれたような遺骸が張り付いていた。
その惨状を目にした伏見・萬(錆びた鉄格子・g07071)はしかし、眉一つ動かすことはなかった。何処か虚ろにも見える瞳に眼前の酸鼻な光景を映しながら、心の中はまるで乾いた風が吹きすさぶ荒涼たる原野のようだ。
董白は、萬を――単一のディアボロスを十分に仕留められるほどの能力の持ち主である。下手を打てば、自身もまた蜘蛛糸の城を飾る玩具の一つと成り果てるのだろう。
「まあ、仕方ねえな」
自身が遂げるかもしれない末路を想像してさえ、萬の心は動かない。
死んでいる――その意味では、自身も周りの死骸も似たようなものであると思う。
(「ただ、『奴らに利用される』のは嫌かもしれない。だから腹が立ったのか」)
萬は掴みどころのない我が心の在りようを想像しながら、その間も体を動かしていた。
「やるか……敵さん、いつまでもああしてるとは思えねえしな」
立体的に編まれている蜘蛛の巣は、巨大なだけに、どの場所から優先的に払うかが重要だった。戦闘の際に邪魔になりそうな部分を無意識に見定めた萬は、魔晶剣を閃かせて蜘蛛糸を効率的に斬り裂いていく。
その剣に組み込まれているのは、悪魔か、はたまた大天使か――その斬れ味に吹き飛ぶように蜘蛛の巣が裂かれ、捕えられていた死骸がどさりどさりと地に落ちた。
「桜、桜、舞散って刃となれ」
姫恋のその唇から紡ぎ出された言の葉が、ひらりひらり、実体化した桜の花弁と化して渦を巻き始めた。
それはまさしく、凄惨な地下の光景を塗り替えるような超常の絶景だ。舞うように足を運び、閉じた扇子で空を切って促せば、美しく渦を巻いた花弁が見る間に桜吹雪となって地下空洞のあちこちを彩った。
「蜘蛛の糸って本当に鬱陶しいわね」
これが屋外であれば大規模に燃え上がらせて、さぞ胸のすくような光景を目の当たりにできただろう。火を用いているディアボロスもいたが、もちろん、味方を巻き込んだり危険に陥らせたりするような愚は犯していない。
「地道にやるしかないのもわかるけど、飽きるわね……」
美しい花弁を舞い散らせながら、姫恋は言う。鋭利な刃と化した一片一片がばさりばさりと太くねばついた蜘蛛糸を切り払っていく。
それに伴って、巣に捕われていた哀れな亡骸の数々が、どさりと地面に落ちていった。
(「……なんかキレイにして弔うとかは、俺には向いてねえ」)
地に落ちた死骸を一瞥する萬。
死骸さえ董白が配置した障害であるとするならば、それを除くことに躊躇いはなかったが……。
「此処に来るまでの間に見つけた遺体は弔っておいたわ。簡易的なものだけど、ね?」
姫恋の言葉に、糸に巻かれた犠牲者たちを見下ろしながら、萬はほんの僅かに頷いた。
見る間に切り裂かれ、崩れゆく蜘蛛糸の城。
苛立つ董白の隙を突く形で、突入したディアボロスたちが一斉攻撃を仕掛ける。
「アタシの城を滅茶苦茶にして……絶対に許さないんだから!」
怒りに燃えた董白の声が地下空洞に響き渡り、姫恋はその瞳に蟲将の醜態を映して静かに言った。
「蜘蛛の巣を払われて相当焦ってるわね。これだとすぐに決まりそう」
姫恋や萬、そして連携したディアボロスたちが董白の強化を失わせ、戦いの行方を決定付けたのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!
安藤・優
はろーはろー…ってまたコイツか。
…いや前回殺したのとは別個体だからまたではないのかな?まぁいいかどっちでも。
光学迷彩と平穏結界と地形を利用して身を隠して、強化が途絶えたら戦闘開始、素早く突撃だよ。手品みたいな合図もあるからね。
怨霊は煉獄の刃で躊躇無く焼き祓い浄化していく
既に死人だ、手加減はしないよ。
まだ少し残ってる糸があったらそれも斬り捨てて行きつつ
隙を突いて一気に踏み込んで煉獄の刃で斬り伏せる
この一撃はお前が玩具として扱った人間の、怒りと憎しみと怨みと呪いに満ちた怨讐の焔だ!灼滅せよ、煉獄の刃!!!
無事に片付いたら死体を外に運び出して、ちゃんと埋葬してあげよう。
ルウェリン・グウィンリウ
話では、この奥に……人の死骸を玩んでいると聞いたな。
――必ず償わせてやる。
◆
味方が強化を打ち消したタイミングで突撃。
董白、罰を受ける日が来たぞ。
宣言と共に剣と盾を構えて、飛翔しながら敵周囲を旋回。
まだ残った蜘蛛の巣があれば引っ掛からぬよう注意。
そして董白の移動経路になりそうな糸も見極めておこう。
怨霊が来れば追い詰められぬよう躱しつつ、董白の元に一気に接近できる位置を狙って――ここぞと好機を掴んだら【竜翼翔破】で突撃。
避けようとするならクロスボウを撃って牽制し、動きを封じた所に斬撃を叩き込んでやる。
……無事片付いたら、犠牲者の骸を埋葬してあげたい。
全部は無理でも運べる限り、せめてこの巣の外へ。
丹尾・水葵
悪趣味なこの巣の主をぶっ飛ばしちゃおう
ハッキングで≪オートエイム≫を発動、自分の攻撃が目標へ自動誘導される空間へ書き換え。
【光学迷彩】で身を隠し、【パラドクス通信】で連携を取りながら最深部へ突入するよ。
突入直後の気付かれていない間は「悪魔の羽根」を飛ばして蜘蛛糸の切断。
戦闘が始まったら「機関銃-HG」を構えて「悪魔の羽根」と併せて斉射だあ。
あれだけ弄んで最後は攻撃にまで使うなんて、許せないことばっかりだね?
怒りを高めて敵に負けじと攻勢強めて弾幕形成して撃ちあおう。
アドリブ連携歓迎
「話では、この奥に……人の死骸を玩んでいると聞いたな」
蟲将の巣の最深部に広がる地下空洞めいた領域の手前で、ルウェリン・グウィンリウ(灯火の騎士・g02040)は気配を殺しながら内部の様子を窺っていた。先行した蘭杏那や聖が董白の気を引いている間に、喩嘉、幸児、萬、そして姫恋が蜘蛛の巣を破壊する――それはただ闇雲に突入して力を振るうだけでは決してなし得ない、見事な連携の賜物だった。
そして今、狼狽する蜘蛛の蟲将に狙いを定めて、ルウェリンが戦場に踏み込む。
ぎりと歯噛みし、その鋭い視線を董白に向けて。
決意の声を胸の内に響かせるのだ。
――必ず償わせてやる。
パチン、と指を鳴らした蘭杏那の仕草は手品の合図めいて、状況を一変させていた。
蜘蛛糸で編まれた城のような蜘蛛の巣に火が点くと、飛来したパラドクスの刃や桜吹雪、そして剣による斬撃が青白く輝く繊維質の糸を切り裂いていく。蜘蛛の巣はたちまちのうちに払われ、董白はその多脚で地面に着地して怒りに身を震わせた。
「はろーはろー……ってまたコイツか」
殺伐たる地下空洞に、その時、どこか呑気な声が響き渡った。まるで街中で顔見知りにでも挨拶するような口振りの安藤・優(名も無き誰かの代表者・g00472)が、怒髪天を衝く董白の前に歩み寄ったのだ。
(「……いや、前回殺したのとは別個体だからまたではないのかな? まぁいいかどっちでも」)
光学迷彩の効果を発揮して地下空洞の岩壁と同化するように潜んでいた優は、蟲将に鉄塊剣を突きつける。
蜘蛛の巣が取り払われたのと同時、どさりどさりと地面に落ちてきたのは、哀れにも董白に弄ばれていた人々の亡骸だ。それがどれほどの数であったのかは、巣が失われてみると尚のことよく分かった。
その全てに、命が――希望があった筈なのだ。
「悪趣味な巣の主なんてぶっ飛ばしちゃおう」
別方向から放たれた声に董白が驚愕する。
「こっちにも
……!?」
光学迷彩の効果で仄暗い闇に同化していた丹尾・水葵(小悪魔ハッカー・g00080)――その輪郭が揺らぎ、実体化でもするかのように蟲将の前に現れたのである。
先に攻撃を仕掛けたディアボロス、そして蜘蛛の巣の破壊に尽力したディアボロスたちに董白が気を取られていたため、闇に潜んで、不意を衝くことができた。
水葵は、悪魔の羽根を飛ばして、舞い落ちてきた蜘蛛の巣の残滓を消し飛ばす。
「やってくれたわね……許さない……絶対に赦さないんだからッ!」
鬼気迫る目を向けた董白は、もはや明らかに冷静さを欠いていた。当然だ。自らの領域に踏み込まれ、あまつさえ強化の拠り所とされていた蜘蛛の巣まで払われてしまったとなれば、高慢な蜘蛛姫が平然としていられる道理がない。
「……許さない、ね」
こっちの台詞だ――ぽつりと呟いた優の胸元から溢れ出るように迸った炎、凝縮された怨讐の焔が爆発的に燃え上がった。轟々と燃え立つ焔そのものをオーラとして纏った優はしかし顔色一つ変えぬまま……そのある種の歪さを前に、異形の存在たる董白が目を見開いて後ずさる。
「なんなの……なんだって言うの、アンタ……!」
死者の魂さえ弄ぶ怪異に応えることなどなく――鉄塊剣に煉獄の炎を纏わせた優が飛ぶように駆ける。
「既に死人だ、手加減はしないよ」
迎え撃つ怨霊の群れは、董白に逆らうことができずに苦鳴する、凄愴なる負の思念そのものだ。
優の煉獄の刃はそれら怨霊を纏めて浄化するように焼き祓い、そして――。
「この一撃はお前が玩具として扱った人間の、怒りと憎しみと怨みと呪いに満ちた怨讐の焔だ!」
絶句した董白を襲う一撃。
「灼滅せよ、煉獄の刃ッ!!」
金切るような蟲将の悲鳴が地下空洞に響き渡った。焔に灼かれ、斬り裂かれ、深手を負った董白の悲鳴が。
「ア……アアァァァァァ……!」
怒りと痛苦に身を震わせて董白が絶叫する。
「みんな……みんな死んでしまえ!」
数多の死体から溢れ出た怨霊が、いましがた失われた分を補填するように地下空洞に渦を巻き、並みの人間であれば耳にするだけで精神を蝕まれるような怨嗟の声を響かせる。
「死んでもアタシの役に立ってもらうわ……アンタたちだって……!」
董白の元に呼び寄せられた怨念は、まるで散弾のように――そう、敵を殺すための使い捨ての道具のように放たれたのだ。
「あれだけ弄んで最後は攻撃にまで使うなんて、許せないことばっかりだね?」
ふわふわとした語調ながら、水葵のその瞳には赦されざる敵への怒りが込められていた。
世界へのハッキングを行い、パラドクスたるオートエイムを瞬時にオンに。
そして機関銃-HGの銃口を向けて引き金を引く。
魔力で稼働し、スピンアップの動作後に火を噴いたのは、一発一発の威力を重視した高火力の大口径ガトリングガンだ。反動を巧みに制御しながら撃ち込む弾丸に、怨霊が消し飛び、逃げきれないことに驚愕した董白が着弾地点で悲鳴をあげる。
「董白、罰を受ける日が来たぞ」
そして高らかに宣言したのは、地下空洞に突入していたルウェリンだった。彼の行く手を遮る蜘蛛糸は既にない。ただ、ふわりとした僅かな切れ端が、飛翔し旋回する竜人騎士の周囲を雪のように舞っているだけだ。
ドラコ・アニムス、そしてクリペウス――壮麗な剣と盾を携えたルウェリンが、まるで伝説上の蜘蛛の怪異と決闘するかのように飛翔する!
「もう嫌! なんだっていうの!?」
喚き散らして怨霊を集結させる董白。
啾啾と、そして轟々と――哭くかのような、叫ぶかのような怨嗟の声が空間に木霊して、まるで嵐のように地下空洞に渦を巻き始めた。
「死した者を尚、愚弄するなど」
赦せない。その怒りは、共に戦う優も、水葵も――この戦場に集ったディアボロスの多くに共通のものだ。
ルウェリンは旋回しながら剣と盾を持って怨念を払い、防ぐ。
そして巧みな手練で今度はクロスボウ型火器を構え、徹甲弾を放った。董白は歯噛みしながら、回避する。そこで態勢を崩してしまったことこそ、追い詰められた董白の動揺の証左であった。
「闇の中で散れ、蟲将――!」
渾身の力を込めた竜翼翔破、その急降下から繰り出された横一閃が、鮮やかな斬撃となって董白を両断していた。
「そん、な……」
胴を断たれてなお這いずろうとした董白が、遂に力尽きる。
それを軽く振り返ると、ルウェリンは地に落ちた遺骸、蜘蛛糸に巻かれた犠牲者たちに歩み寄った。
サクスを――長ナイフを以って蜘蛛糸を切っていくルウェリン。
「出来るだけ葬ってやりたい」
「ちゃんと埋葬してあげよう」
優が遺体を抱えて、ひとところに集めていた。
可能な限り手厚く葬りたいと思うのは、ここに集った多くのディアボロスたちも同じのようで、パラドクストレインで帰還するまでの間、それぞれが出来る限りの方法で遺体を弔うこととなった。
――かくして。
傍若無人な蜘蛛姫の目論見は完全に打ち砕かれ、蟲将の巣での戦いはディアボロスの勝利を以って幕を閉じた。
この戦果が、今後、如何なる形で連鎖していくのだろうか。
ディアボロスたちは無事帰還を果たし、また次なる戦いへと挑みゆく。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
【飛翔】LV2が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!
【反撃アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!