【機械化ドイツ帝国奪還戦】リヒトホーフェン

 このシナリオは【機械化ドイツ帝国奪還戦】に関連する特別シナリオです。
 機械化ドイツ帝国のジェネラル級ゾルダート、及び、断片の王撃破により排斥力の低下した機械化ドイツ帝国のディヴィジョンを強奪しようとする、吸血ロマノフ王朝、幻想竜域キングアーサー、断頭革命グランダルメの軍勢に、戦闘を仕掛けます。
 この戦闘によって、敵の戦力を削ることが出来ます。
 勝利したシナリオ数に応じて、対応する戦場の敵の数が減少し、戦いを有利に進めることが出来るようになります。

 このシナリオの攻撃対象は、ミュンヘン空軍基地のジェネラル級ゾルダート、マンフレート・フォン・リヒトホーフェンの軍勢です。
『ルフトキュラシェーア』と戦闘を行い、「成功したシナリオ数×5%」だけ、「⑥マンフレート・フォン・リヒトホーフェン」の敵残存率を低下させます。

【機械化ドイツ帝国奪還戦】蒼穹(作者 貴宮凛
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 機械化ドイツ帝国、ミュンヘン空軍基地。
「我らが皇帝、ヴィルヘルム2世陛下は身罷られた」
 マンフレート・フォン・リヒトホーフェンは、配下のゾルダート達を前に、『断片の王』の死を告げた。
「国を貪らんとする者どもに、領土を渡すことなかれ。空中要塞ビスマルクから発せられた、陛下の御遺命である」
 リヒトホーフェンは粛々と語る。皇帝の死に伴い、このディヴィジョンに何が起きうるかを。
「そう。我々には空中要塞ビスマルクがある。陛下の御遺命に従い、この地を灰燼に変えるものだ」
 リヒトホーフェンは一度言葉を切ると、空を仰ぐ。
 視線の先、空の彼方。どこに落ちるとも知れない空中要塞はそこにあるのだと、示すかのように。
 たっぷり数分の間を空けた後に、リヒトホーフェンは視線を降ろす。
 続いて、ゾルダート達を見据えると。
「俺達の戦いはまだ終わらない。俺が終わらせない。だから、俺に、お前達の命をくれ」
 胸に拳を当て、己の目論見を明らかにした。
「俺は空中要塞ビスマルクに突入し、その制御を奪う。そして、新たな『断片の王』となる!」
 そして、宣言する。それに呼応して、ゾルダート達の意気が沸き上がった。
 これは決して、滅びの戦ではない。機械化ドイツ帝国は負けていない。新たなる王を擁立する戦なのだとばかりに。
「総員、空に上がれ! この作戦が成功した暁には、俺は王に、お前達は俺の騎士になる!」
 リヒトホーフェンの命を受けて、ゾルダート達は次々に空へと上がっていく。
 果たして、空よりドイツをしろしめす新たなる王は生まれるのか、否か。
 真実は、空の果てのビスマルクのみぞ知る。

「往生際が悪いとは、まさにこのことですわ」
 ジークリット・ノイバウテン(人間の殲滅機兵・g03261)は、解説の前に、呆れ顔でそう零した。
「既に皇帝ヴィルヘルム2世は亡く、『機械化ドイツ帝国奪還戦』が実行可能段階にあります。ご存知ですわね?」
 この戦いで勝利を収めた暁には、ドイツを中心とした欧州の広範囲を奪還することが出来る。
 ただし、ディアボロスの相手は機械化ドイツ帝国の残存戦力だけではない。
 吸血ロマノフ王朝、幻想竜域キングアーサー、断頭革命グランダルメ。各ディヴィジョンの軍勢が、機械化ドイツ帝国の支配地域を蚕食せんと参戦しているのだ。
 ならば、それらの軍勢に対して先制攻撃を仕掛け、戦力を削ぐのが戦の常道というもの。
「皆様のお相手は、ミュンヘン空軍基地から出撃した『ルフトキュラシェーア』の大群です。空中戦に秀でたゾルダートですわ」
 数、質、ともに優れた、空の騎士団とでも言うべき相手である。どうやら、ミュンヘン空軍基地周辺の防空と並行して、空中要塞ビスマルクの偵察を行っているようにも見えるとのこと。
「どう仕掛けるかはお任せします。ですが、くれぐれも、退き際だけは見誤らないよう」
 これはあくまで前哨戦である。力の入れどころを見誤る者に、勝利の女神は微笑まないだろう。

 解説の間じゅうずっと、ジークリットは眉間に皺を寄せていた。
 人当たりの良さそうな笑顔を浮かべてはいるものの、眉間には縦皺が走ったまま。
 それを指摘されると、ジークリットは苦笑してこう返した。
「どうにも、感情を抑え切れそうにありませんわね。……ええ、ええ。私、怒っておりますわ」
 何故怒っているのか。その理由は実に単純だ。
 複数のクロノヴェーダが、断片の王を喪った機械化ドイツ帝国の支配地域を蚕食せんと、食指を伸ばしてきたのだから。
 いざ故郷を奪還するという段に及んで、横槍を入れてくる輩を好ましく感じる理由など、あるわけがない。
「あまり怒った顔を見せ続けるというのも、宜しくありませんわね。大一番の前に、士気が下がってはいけません」
 瞼を伏せ、眉間をぐりぐりと指で解した後、ジークリットはディアボロス達に笑ってみせた。
「我らが復讐に大義あり。これは、ええ、これは、蒼穹を取り戻し、大地を二度と奪わせないための戦いです」
 目を弓にして、ジークリットは告げる。
 笑む顔の眉間に縦皺はない。だが、ディアボロスの原動力たる怒りは、消えてはいない。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
5
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。

効果2

【ガードアップ】LV1 / 【反撃アップ】LV2 / 【アヴォイド】LV2

●マスターより

貴宮凛
 お世話になります。MSの貴宮凛と申します。
 【機械化ドイツ帝国奪還戦】のファーストアタックシナリオをお届けします。
 今回の舞台はミュンヘン空軍基地周辺です。ふんわりと、ミュンヘン近傍を想像して頂けると宜しいかと。
 相手は、リヒトホーフェン麾下の『ルフトキュラシェーア』、トループス級の大群です。
 機械化ドイツ帝国空軍の精鋭ということで、空中戦に優れておりますが、所詮はトループス級。
 【飛翔】の残留効果を積めば積むほど、ディアボロス達は優位に立ち回ることが出来るでしょう。
 勿論、敢えて地上から迎撃を仕掛けても構いません。
 どのように削り、どのように退くか。空か、地上か。真正面から掻き回すか、策を弄して分断するか。
 皆様のプレイング、お待ちしております。
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


●鋼、集う空
 機械化ドイツ帝国、ミュンヘン空軍基地。
 次々と空戦型ゾルダート達が空に上がっていく。
 大型、小型、火力に偏重した者、機動力に特化した者。単独行動が得意な者、編隊飛行を極めた者。
 皆、士気は非常に高い。我らこそが新たなる断片の王の騎士たらんと、蒼穹を鋼色に染める。
 ――だが、彼らは憶えているだろうか。
 かつて、同じように侵略者と戦った者達がいたことを。
 その時は、自分たちが、蹂躙する側であったことを。
レイ・シャルダン
夜明(g00805)ちゃんと
連携・アドリブ歓迎です。

ドイツを消滅させると思ったら
土地を奪いに来る奴らが居て…
今度は新しい断片の王だって?

本当にあいつら…
人の…人の故郷を、人生を何だと思ってるんだ?

…夜明ちゃん。
どうしても許せないんだ。
どうか貴女の力を貸してほしい…お願い。

アクロヴァレリア "Einheit_02"を点火し、敵軍の中に突撃します。
機械魔導弓【ACRO】―近接戦闘形態―を両手に持ち"空中戦"を仕掛けます。

夜明ちゃん!合わせられる!?
彼女のダンスと私の強襲パラドクスで一体一体を確実に撃破
さぁ、ボク達の動きで敵を混乱の渦に落としてやろう。

敵が陣形を立て直したらその時が引き時かな?


赤薙・夜明
レイ(g00999)さんと
連携・アドリブ歓迎です。

貴方達は知らないかもしれませんが
ドイツは一度負けたんです莫大な負債を課された
それでも最終人類史では一つの国として胸を張って生きてるんです

貴方達のやってる事は
ゲームが上手く行かなくなれば放り出すよ幼稚な子供と変わりません

レイさんから頂いたFliegendeErdbeereの力を借りて
空中戦を仕掛けます

銃を相手に近接戦は不利、そう思いますか?
一度懐に飛び込み乱戦に持ち込んでしまえば
仲間に誤射しない事は困難になるでしょう

合わせましょうレイさん
私達の息がぴったり合う事を彼らに見せつけてやりましょう

ある程度数を落とせれば深追いはしません
他の仲間に任せます


●ふたりなら
 鋼集う空を、誰よりも速く貫く姿がある。
 ひとつはレイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)。
 夜明け前の空に似た濃紫のスーツを纏い、漆黒のフライトデバイスを駆って空を翔る。
 もうひとつは、赤薙・夜明(白蛇の手の後裔・g00805)。
 暁の空にたゆたう白雲めいた意匠のスーツを纏い、赤く、愛らしい形状のフライトデバイスと共に空を舞う。
「夜明ちゃん!」
 近接戦闘仕様に変形した魔導弓を手に、レイは急上昇する。狙うは手近なルフトキュラシェーア編隊の上方、逆光を背に強襲を仕掛ける。高度変化によるフライトデバイスのパワーロスを最小限に留めていられるのは、日々重ねてきた研究とテストの賜物。
 けれど、レイの機動に対応出来ないルフトキュラシェーアではない。トループス級とは言え練度が違う。士気も高い。楔型の陣を取り、牽制の弾幕を張りながら、レイの突撃に突撃を合わせに掛かった。
 単体の性能ならば、レイが圧倒的に優れている。
 だが、ルフトキュラシェーアは、その差を埋めるための手を打っていた。物量、攻撃密度、練度の高さ、駄目押しはジェネラル級の檄による士気向上。手傷一つでは済まさないと、槍の穂先めいた突撃陣が雄弁に語る。
 それでもレイは構わず突撃した。旋回機動を組み合わせ、発生する不規則な加減速で敵の測距機器を狂わせる。
 楔陣の突端にレイが激突すると同時。
「行って、レイさん」
 夜明は闇色の翼を広げ、楔陣の中心に後方から飛び込んでいた。
 静かに、けれど素早く。獲物を捕らえる蛇のように、赤白の軌跡が闇を引き連れて鋼の懐へと。
 多重加速による高速機動を武器に、楔陣を中央から掻き回す。
「我が物顔で空に陣取る、鋼の騎士様方。踊りませんか? 夜明まで――」
 夜明は舞う。おとぎ話の妖精のように愛らしく、悪魔のように残酷に。
 ステップめいた、断続的かつ不規則に加減速を組み合わせる機動が、敵の照準を狂わせ。位置取り一つで誤射を誘う。
 結果、どうなるか。
「幻の月に囚われて」
 楔陣の突端は自ずから崩れていく。崩れた穂先になど、動きを妨げられるレイではない。
「妖精舞踏の渦に飲まれなさい」
 夜明の舞は敵陣の中心で渦を描く。手練のルフトキュラシェーアと言えど、対処に手こずり、被害が広がって行く。
(「夜明けちゃんは、合わせてくれた。この怒りを隠さず告げて、手伝って欲しいってお願いしたときのように」)
 一機、また一機。
(「レイさんとなら、どんな動きにだって。私達は同じ翼を、同じ怒りを共有する、比翼の鳥だから」)
 ルフトキュラシェーアが、次々と堕ちていく。
「ここは、私の故郷だ。私の生きた時代に繋がる、空だ」
 魔導弓が唸る。論理的に構築された魔技とも言うべき、変幻自在のパラドクスが、空を揺らす。
「莫大な負債を抱え、罪の十字架を背負い、それでも胸を張って日々を生きる方々の、空です」
 舞姫が逆説の舞と共に、静かに語る。最終人類史での、ドイツという国の姿を。
「許すと思うな。人の故郷を、人生を、……歴史を、踏みにじったんだぞ。お前達は」
「貴方達の行いは、思い通りに行かないからと、かんしゃくを起こした子供のそれです。ですから」
 鋼の集う空を、ふたりの怒りが貫く。
「堕ちていけ、この空から!」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】LV2が発生!
効果2【反撃アップ】LV2が発生!

桐生・八重
さて、ワタシも参戦しますか
ワタシの復讐は渋谷を取り戻したことで半分達成されていますが、同胞の復讐の為に尽力しましょう
紅きジェネラル級ゾルダートの思いには思う所はありますが、それはそれでこれはこれですね

飛翔の残留効果を用いて空中戦を繰り広げながら神聖魔法の魔力で構築された聖剣を放射
カービンライフルの一斉射撃にぶつけるようにして弾丸を弾き落としながら聖剣の構築を解除
魔力の放出で弾丸を吹き飛ばし、そのまま魔力の放出に敵ゾルダートを巻き込んで撃墜します

敵指揮官のレッドバロンが出陣したら退避
飛翔の効果と聖剣を牽制代わりに叩き込み、撤退していきます


ラナ・シュヴァルベ
これより、ミュンヘン空軍基地への攻撃を開始します

【飛翔】を使います

高高度から急降下し、ウェポンラック内のロケット弾を使った奇襲、一撃離脱戦法で防空網に穴を開けようと思います。

仕掛けるタイミングはディアボロス対ゾルダートの正面戦闘が始まった後。
一体しか狙うことが出来ませんので上から大まかに敵部隊を分析し、目標を絞ります。

第一に撃墜したいのは部隊に声かけを欠かさないリーダー気質のある敵です。連携の崩壊を狙います

それを狙うのが難しいようなら味方のフォローを優先します。味方の死角から攻撃を仕掛けようとするゾルダートの撃墜を狙います

奇襲終了後成否に関わらず牽制射撃で味方をカバーしつつ離脱を図ります。


エリザベータ・シゲトヴァール
●心情
レッドバロン直属の部下か……。相手にとって不足は無いわね。
祖国の滅びを回避せんとする貴方達と、祖国の奪還の為に戦う私は、ある意味で似た者同士なのかも知れない。
けれど、異なる旗を掲げる者同士が出会ったなら、結果は一つよ。
どちらの正義が勝つか、空戦で確かめる事にしましょう。

●行動
【飛翔】し最大戦速で接敵。
【偵察】【地形の利用】の併用で周囲の地形から気流を読み、上昇気流に乗って素早く高度を取る。

敵の編隊を切り崩す様にマシンピストルの【制圧射撃】で【攪乱】しながら最大高度より急降下し、
回避行動の遅れた敵機を狙って【一撃離脱】のダイブアンドズーム。
磨き続けた【空中戦】と【戦闘知識】をフル活用よ。


●峻厳の空
 ディアボロスふたりが貫き、掻き回し、混乱をもたらした鋼の空。
 それでも、ルフトキュラシェーアたちが統制を取り戻すまで、そうは掛からなかった。
「腕の差を見せつけられても揺らがないなんて。本当に練度が高い」
 エリザベータ・シゲトヴァール(聖イシュトヴァンの剣・g00490)が、弾幕をバレルロールで抜けつつ零す。空戦に絶対の自信を持つエリート揃いながら、トループス級としての統率された挙動を乱さない。空の何処かにいるだろうリヒトホーフェンの下で、ただの一兵卒として戦うことに慣れているのだろう。エリザベータはそう推測した。
「なら、指揮系統を司る個体を叩けば良いのでは?」
 ラナ・シュヴァルベ(空虚な黒燕・g06682)が提案する。ラナもエリザベータも、互いに、一撃離脱による防空網の分断を狙っている者同士。互いの狙いは把握しておいたほうが良いと、ラナが判断してのことである。
 が、エリザベータは首を横に振った。
「不可解です。指揮や連携というものは、必ず起点があるものでは?」
「そうね。例えるならこれは、ギリシャ神話のヒドラを相手にしているようなもの。手近なところの頭を潰しても、次の頭がすぐに生えてくる」
「エリートとしての我を抑え、兵卒としての立ち回りに専念していると?」
「ええ。士気と練度が高い兵の大群は、本当に厄介」
 二人とも、気流に乗って更に上へ。牽制の弾幕や追走してくる小規模の編隊を振り切り、高高度から、大軍の脆弱点を探す。
 怒りを胸に大軍を翻弄する二人に合わせるか、それとも、状況の変化を待つか。
「あちら。味方の広範囲攻撃が発生するようです」
 ラナが示した先には、今まさに、パラドクスで広域を制圧せんとする桐生・八重(超中学級のホワイトハッカー兼電脳に聳える隠者・g03785)の姿があった。
 詠唱ひとつで、八重は現実を拡張する。
「拡張せよ、無限の可能性秘めたる現実を。それは峻厳の神聖なる剣を具現化させる」
 八重が思い描くは峻厳のセフィラ、苛烈なる執行者の座。現実を押し広げる形で具現化する紅の聖剣は、審判の神意を示すもの。
「あなた達の司令官のトレードカラーも赤でしたか。であれば、この一撃は、私から彼への意思表示です」
 返答の代わりに、全方位からの弾幕が、八重を取り囲んだ。下からの弾幕は下降による時間稼ぎを封じ、左右の弾幕は回避起動を制限する。上から降り注ぐ弾幕は密度こそあるものの、牽制であることがありありと解る。
「その正体は、弾幕にだけ対応しようとする相手を潰すハメ手。そうでしょう?」
 よって、八重の選択は一つ。全方位の弾幕を無数の聖剣で薙ぎ払い、本命の攻撃に対して、聖剣を触媒とした神聖魔法を叩き込む。攻撃が来る方向は、恐らく上。左右の弾幕密度が下がる代わりに、下方の密度が上がったのが根拠である。
「急降下攻撃……!」
 八重の目に、弾幕の裏で、抜刀したルフトキュラシェーアの編隊が映る。弾幕自体は脅威ではない。問題は、この抜刀突撃を迎撃する方法である。神聖魔法の詠唱時間は、稼がせてはくれまい。であれば、単純に魔力の放出が吉か。
(「引き付けられるだけ引き付けたら、高密度の魔力放出に巻き込んで、落としましょう」)
 八重が聖槍型デバイスを握りしめ、魔力放出に踏み切った直後。
 急降下攻撃を仕掛けてくるルフトキュラシェーアの更に上方から、エリザベータとラナが突撃してきた。
「速い者が遅い者を落とす。それが、空戦の鉄則。あなた、切り替えが『遅い』わ」
 エリザベータは、攪乱用のマシンピストル掃射に対応出来なかった者から順番に落としていく。攻撃の直前に生まれる、避けようのない隙。それを狙い、一撃離脱を繰り返す。
 その戦闘機動は苛烈で、幅広い。交錯の一瞬に爆撃槌で打って離脱する一般的な近接戦闘機動から、近接戦闘機動をフェイントに使って、離脱直後に急反転してからのデモリッションガンを叩き込む機動。古今東西、ありとあらゆる空戦技術を調べ、航空突撃兵用に落とし込んだエリザベータだからこそ出来るものである。
「聖イシュトヴァンの王冠は、冠に見合う王を求めると言うわ。であれば、その剣たらんとする私も、そうあらねば」
 機械化ドイツ帝国の現状に、エリザベータは理解は示す。だが、譲歩の余地など最初からない。
 ただ、空戦にて、空の裁定を求めるのみ。ディアボロスとクロノヴェーダ、どちらの旗が空に舞うべきかを。
 そうして、エリザベータがルフトキュラシェーアの軍勢に点を穿つ間。
 八重は、想定通りに面で軍勢を圧倒する。
「峻厳の聖剣よ。紅玉の輝きをもって、我が敵を焼き尽くせ」
 具現化した聖剣は次々に、赤い光を放ちながら爆ぜる。どうにかして八重の懐に飛び込もうとしたルフトキュラシェーアが、次々と消えていく。
「結局、あなた方はクロノヴェーダで、私達はディアボロスなのですよ」
 滅びに抗うという図式に当てはめることは出来る。だが、決して同じ存在にはなり得ない。八重は、時空をねじ曲げて襲い来る反撃の銃弾をいなしながら、そう言い放った。
「順調に数が減っています。この空域がレッドバロンの目に止まる前に、離脱を」
 エリザベータや八重の援護に徹していたラナが、機関砲型に変形したガジェットから光弾を掃射しながら、そう告げる。
 前哨戦の段階で、ジェネラル級とは交戦すべきではないと判断してのことだ。
 ラナは自問する。
 単純な機動力だけであれば、ラナはエリザベータを上回るスペックを誇る。
 主武装であるガジェットはどの形態も独特、かつ強力。明確な欠点こそあれ、互いの長所を引き出し、押し付ける集団戦では、その欠点はさほど問題にもならない。技量の差は、装備の性能差で埋めていける。
 だが、ラナとエリザベータの間には、明確な差が存在した。エリザベータの戦闘機動には、鬼気迫るものがある。
 が、ラナの機動は瞬間火力こそ高いものの、エリザベータの機動のような何かがない。
(「怒り。ディアボロスの根幹を成し、この空域に満ちあふれる感情。この感情の振れ幅の差が、性能差に繋がるのでしょうか」)
 蛇腹剣状に変形したガジェットを振るいながら、ラナは思考を続ける。刀身がルフトキュラシェーアに巻き付くと、刀身に帯びた粒子が連鎖爆発を起こし、ルフトキュラシェーアを撃墜する。
 答えは、未だに見いだせない。断片の王を目指すリヒトホーフェンに出会えば、何か、得られるものがあるのだろうか。
 ともあれ。
 十分な戦果を挙げたディアボロス達は、この空域から撤退したのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV5になった!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV2が発生!

最終結果:成功

完成日2022年04月16日