リプレイ
積商・和沙
ヴァンパイアってあれよね。
うら若き乙女の血をすするって。
私、ヤバいじゃん。
アンテナ、何よその目線は。
どうせ、あんたも私の事をお子様とか思っているんでしょ。
言ってみただけだし、それにこの間吸血鬼さんも助けてきたから分かっているわよ。
吸血鬼の中にもいい人も悪い人もいる、その悪い人が戦争中にえり好みする訳ないわよね。
さて、海上戦よね。相手が飛んでいるんだから私も【飛翔】で飛んでいきましょう。
いたわね、双翼魔弾で次々撃ち落としていくわよ。
それにしても、獣の頭部だけって気色悪いじゃないの。
アンテナなんて吸血どころか丸呑みにされそうね。
しっかり躱していくわよ。
八雲・祥華
※アドリブ・連携歓迎
横槍はマナー違反。ディヴィジョンを私たちが取り戻すまで大人しくしてて。
相手が飛んでいるのなら、こちらも【飛翔】で対抗する。
【戦闘知識】を駆使して囲まれないよう深入りに注意。
【火炎使い】の人形が放つ炎の【呪詛】を敵に放って、こちらにある程度の数を引き付けよう。
敵がある程度こちらに寄ってきたらパラドクスを発動。
「吸血鬼なら吸血鬼らしく灰になるといい」
大火魔縁を無視して私に直接突っ込んでくる奴は形代と縄付きバールで【薙ぎ払い】、大火魔縁が燃やすまでの時間稼ごう。
敵の数が増えてきたら仲間に警告しながら撤退を行う。
花園・翠
有利な残留効果は使えるだけ使用
自身の翼で【飛翔】し指定パラドクスで攻撃
太陽を背にする、もしくは艦隊戦の砲撃の煙に紛れつつ死角から【空中戦】をしかけ、少しでもパラドクスの命中率を上げる
敵の攻撃は【戦闘知識・結界術】で可能な限り回避もしくはガード
多くの勢力が参戦すれば、その分より多くのディヴィジョンの人々がクロノヴェーダの戦力の糧となるべく虐げられる
そんな身勝手ことは…させない!
敵を許さぬ意志をあらたに(※威力UP狙い)
深追いや敵陣に踏み込みすぎないよう常に注意を払いつつ、できる限り弱っている敵に狙いを集中し確実に各個撃破
撤退時には傷ついた仲間や空中戦が苦手な仲間がいれば手を貸し即時撤退を心がける
ロシア方面より、ドイツ帝国北部の沿岸を目指して移動している戦艦の群れ。
それらは吸血ロマノフ王朝から向けられた刺客――最強艦隊と謳われた、エッセン提督率いるバルチック艦隊だ。
機械化ドイツ帝国の断片の王『ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世』が斃れた今こそ、侵略する絶好の機会と判断し、一転攻勢に打って出たのだ。
クロノヴェーダ同士が争い合う、この状況はディアボロス側にとっても好機であり、警戒が薄い隙を狙って奇襲を仕掛け、打撃を与えることで有利な展開に持っていく。それが彼らの作戦だ。
「ヴァンパイアってあれよね。うら若き乙女の血を啜るって。私、ヤバいじゃん」
積商・和沙(四則演算の数秘術師・g02851)は初めてのヴァンパイアノーブルとの戦いを前にして、想像上の吸血鬼の姿を思い浮かべて、身を震わせる。
彼女の隣では、モーラット・コミュのアンテナが何か言いたげな目で主の少女を見つめているが、和沙はそんな従者に顔を顰めて一喝する。
「フン……。どうせ、あんたも私のことをお子様とか思っているんでしょ。言ってみただけだし、それにこの間吸血鬼さんも助けてきたから分かっているわよ」
和沙は以前、海を漂流する吸血鬼を救出した。そして彼らと直に接したからこそ、善良な吸血鬼もいると知っている。
何はともあれ、他人を襲うような吸血鬼など、特に戦争中においては選り好みせず見境なしに襲いかかってくるだろう。
自分が清純で可憐な乙女かどうかは、もはやこの際関係ない。降り懸かる火の粉は撃ち落とすだけ、と和沙は四則演算の記号で構成された魔力の翼を大きく広げ、空に向かって飛び立った。
「この戦争に多くの勢力が参戦すれば、その分より多くのディヴィジョンの人々が、クロノヴェーダの戦力の糧となるべく虐げられる。そんな身勝手ことは……させない!」
戦いの犠牲となるのは、常にか弱き民たちだ。花園・翠(見護る者・g02726)は人々を苦しめる侵略者たちに怒りを覚え、白い翼を羽搏かせて空を舞い、吸血鬼の集団を視界に捉える。
敵対するヴァンパイアノーブル『ブルートファング』は、飛行能力によって自由自在に空を飛ぶ。
今回の戦場が足場のない海の上である以上、ディアボロスたちは空中戦を挑んで吸血鬼たちを撃破していく算段だ。
「いたわね、早速だけど撃ち落としてあげる」
和沙が掌の上に羅針盤を乗せ、刻まれた円周率が螺旋を描くようにくるくる廻る。
溢れる魔力が和沙の体内に流れ込み、もう片方の手の人差し指をスッと突き付け、集束された魔力の弾丸が吸血鬼目掛けて撃ち込まれる。
「なっ!? 敵襲か!!」
海中の『ゾルダート・タウハー』に気を取られていたせいか、予期せぬ方角からの襲撃に、驚き叫ぶ吸血鬼たち。
「この力は……悪しき者を砕く為の剣」
翠が急上昇して吸血鬼よりも空高く舞い上がり、聖なる焔を剣に纏わせ、狙いを定めて急降下。
敵を赦さぬ堅固な意志を刃に込めると、焔が烈しく燃え盛り――振り抜く紅蓮の剣閃が、悪しき吸血鬼を灼き払う。
「クッ、帝国の新手か……いや、違う。何れにせよ、我らの邪魔をするならその肉体を引き裂いてやる!」
思わぬ敵と遭遇し、ブルートファングも臨戦態勢に移ってディアボロスたちを迎え撃つ。
距離を取ろうとする翠に対し、加速しながら素早く一気に接近し、鋭く伸びた爪を振るって斬ろうとするが――翠も咄嗟に剣で弾いて耐え凌ぐ。
吸血鬼たちの反撃はまだ止まない。今度は鮮血の如きオーラから、獣の頭部のようなモノを生成する。それを和沙に向けて発射させ、不気味な唸り声を上げながら赤き血の獣が迫り来る。
「また気色悪いモノを飛ばしてくるわね。アンテナなんて丸呑みにされそう……食い千切られないように、躱すわよ」
和沙の魔力の翼が光を帯びて、敵の攻撃の軌道を予測。迫る獣の頭部を身を翻して回避しながら、お返しとばかりに魔力の弾丸を吸血鬼に撃つ。
「そう簡単に乙女の柔肌は傷つけさせないわ」
一進一退の攻防が上空で繰り広げられる。その下の、海の水面に八雲・祥華(邪霊使い・g04716)が立っている。
浮遊の力によって、海に浸かることなく空中に浮かんでいる祥華。彼女は空中戦が展開される空を見上げ、その傍らには、とある少女の姿をした人形が祥華に寄り添う。
「横槍はマナー違反。ディヴィジョンを私たちが取り戻すまで、大人しくしてて」
空中戦を挑む仲間を援護するべく、祥華は海上から攻撃を仕掛ける。
彼女の傍らに立つ人形。それは放火の罪で処された少女がモデルになっていると云う。
「――焦がれて 情火焦身大火魔縁お七」
人形に架せられていた封印を解き放ち、込めた呪いが発動する。
無残な結果に終わった恋と、人生に対する絶望と悲しみ。様々な負の感情が紅と浅葱の炎となって、燃え広がる。
吸血鬼も祥華の存在に気付いたか、彼女を狙って距離を詰め、鋭利な牙で喰らいかかろうと――。
しかし、祥華の周囲の火の海から、発する火の粉が吸血鬼に纏わりついて、呪いの炎が烈しく燃えて、吸血鬼の全身を灼き尽くさんと炎の渦が呑み込んでいく。
「吸血鬼なら吸血鬼らしく、灰になるといい」
結局、吸血鬼は祥華に指一本たりとも触れることなく、灰燼と化して海の藻屑と消え散ったのだった――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV2が発生!
【浮遊】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
無堂・理央
横取り狙いの吸血貴族達はお帰り下さーいっと。
所でバルチック艦隊って有名なの?
無双馬『クロフサ』に騎乗して、新宿島から酸素ボンベを持参してブクブクブクー。
海中に沈みながらもパラドクスで水馬騎兵隊召喚!
水馬騎兵達には敵吸血貴族達を投網で引き摺り込んだり、水系魔法で撃ち落としたりして海中に引きずり込んでから三叉槍と氷系魔法で集団攻撃で確実に仕留めるように指示。
動きの優先は海中への引き摺り込み、仕留めは最悪、海中戦が得意なゾルダートにぶん投げるのも一手だね。
伝承にある弱点は無くても、水棲の水馬や水中戦仕様のゾルダートより海中で戦えるとは思えない。
対トループス級戦を行う他の人とは可能な範囲で連携するよ。
アストリッド・ヴァルトシュタイン
【アドリブ・連携など歓迎】
……ニンニクも、白木の杭も、銀の弾丸も此処にはありませんが。
しかし、もっと強烈なものなら用意はあります。
我が祖国の悪行、許せませんが……。
さりとて火事場泥棒たちに土足で踏み込まれるのも看過はできず。
吸血鬼、恐れるに足らず! どちらも此処で間引いてみせます。
赤き獣たちを掻い潜るように、パラドクス【ホイシュレッケ】にて飛翔しつつ突進。ブルートファングに一撃を加えつつ、【水面歩行】の残留効果にて海上の戦闘に対応。海上から上がってくるゾルダートと相争わせつつ、その隙を【観察】し、敵の動きを分析して【情報収集】。合間に銃撃を叩き込んで、両者もろとも【破壊】して戦力を削る。
「我が祖国の悪行、許せませんが……。さりとて火事場泥棒たちに、土足で踏み込まれるのも看過できません」
アストリッド・ヴァルトシュタイン(Löwenzahn・g04015)は機械化ドイツ帝国の出身で、当時は造反部隊としてクロノヴェーダに抵抗してきた過去を持つ。故に自身の故郷における侵略者たちの蛮行は、身を以て痛烈に味わっている。
しかしそれでも、他国に蹂躙される状況を、アストリッドは決して快いとは思っていない。
この手で祖国の平和を取り戻す為、一兵士たる少女は心に鬼を宿して、国を脅かさんとする吸血鬼たちに立ち向かう。
「……ニンニクも、白木の杭も、銀の弾丸も此処にはありませんが。しかし、もっと強烈なものなら用意はあります」
風が止み、凪いだ水面を大地のように降りて立つ。アストリッドは一つの策を講じて、この戦いに備えていた。
「その作戦にボクも乗らせてもらうよ。どうやら似たようなことを考えてたみたいだしね」
声を掛けるのは、漆黒の無双馬『クロフサ』に跨った無堂・理央(現代の騎兵?娘・g00846)。
飛翔の残留効果によって、理央は無双馬と共に空を翔け、上空の吸血鬼たちを誘き出そうと突撃する。
――空中を駆ける無双馬の、蹄の音が勇ましく響く。
そしてその後方では、アストリッドが擲弾銃を逆方向に構えて、迷うことなく発射する。
「……生憎ですが、そこはわたしの射程圏内です」
擲弾を撃ち込み、生じた大きな爆風に、アストリッドの小柄な体躯が舞い上がる。
衝撃の勢いに乗って加速しながら、瞬時に吸血鬼の前まで急接近。
機先を制して、素早く短剣を取り出し、隙を突くかのように吸血鬼の脾腹を刃で抉る。
「お次はボクの手番だよ! さあ行くよ、クロフサ!」
間を置かず、今度は理央が畳み掛けるように攻勢を掛ける。
馬で蹴散らすように割り込んで、馬上から巨大な槍を豪快に振り回して、吸血鬼の集団を薙ぎ払う。
「ええい! 小娘共が、小癪な真似を!」
二人の少女の波状攻撃に、ブルートファングもすかさず応戦。高度を下げて距離を取ろうとする二人を、脇目も振らず追い掛ける。
「こっちの目論見通りだね。さて、そろそろいいかな」
理央たちが狙っていたのは、吸血鬼を海の近くまで誘き寄せること。
『水』を利用した戦いを、最大限に活かすことだ。
「幻想の果て、あり得ざる騎兵達、我が呼び声に応え、この地に影を落とさん。コール!」
魔力を高め、理央が呪文を詠唱する。すると海の中から、魚の尾を持つ水馬(ケルピー)に騎乗している騎兵の幻影が召喚される。
水中を高速移動で自在に泳ぐ水馬騎兵が、空飛ぶ吸血鬼たちを海に引き摺り込もうと攻撃する。
「吸血鬼、恐れるに足らず!」
アストリッドも同様に、吸血鬼を海まで引き付けるのは、ある思惑があったから。
海中では機械化ドイツ帝国のゾルダートが、バルチック艦隊を狙って突撃している。
ならば二つの勢力を争わせ、互いの戦力を消耗させる。この作戦は、一つの有効的な戦術と言える。
「……奴らの力を借りることになろうとは。しかし敵である以上、どちらも此処で間引いてみせます」
その心境たるや複雑だが、全ては祖国の為だと、銃を構えてトリガーを引く。
「横取り狙いの吸血貴族達はお帰り下さーいっと。ところで……バルチック艦隊って有名なの?」
海から空へ逃げようとする吸血鬼たちを、理央が待ってましたとばかりに槍で穿つ。
――海上に響き渡る激しい銃声と、剣戟の音。
戦況はディアボロスたちに流れが傾き、優位に戦いを進めるのであった――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水源】LV1が発生!
【水面歩行】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV2が発生!
雅諒院・基経
…さて、露西亜…元の日本においてはほど近い場所にある土地であったかな?
…皇帝が倒れた今、攻め込んでくるというのは戦略においては常道であろうな。だがこちらとしては死肉を啄む烏にも劣る、…いや、そういえばこやつらは血を吸う妖であったか…であれば余計に容赦はいるまいな?
さぁ、綺麗に吹き飛ばしてくれようぞ。…何、海から来ているのであろう?であればその水に浮かぶ鉄船に隕石をくれてやろうぞ…落ちるがいい!
佐島・真己
可能なら仲間と積極的に連携
相手が距離を詰めてくるなら
こちらは待ち構えて倒していくだけだ
ボートに乗って洋上を進み敵を迎撃しながら戦う
【褪めない覚悟】を使い戦う
周囲の状況に気を配りながら戦い敵との距離に気を配り
囲まれないように動き回りながら戦う
ナイフを投げて敵を牽制しつつ敵の動きを観察して動きの癖、仕掛けてくる前の圧の高まりを注意深くみる
相手が仕掛けてきたらわざと隙を見せて敵の攻撃を誘導しようとする
充分に近づいたら左手から氷の剣を一気に伸ばし相手の心臓を串刺しにしようとする
剣で突いた後はそのまま剣を振り上げ相手の頭を真っ二つにしたら剣を捨て次の相手と戦う
奴崎・娑婆蔵
●POW
前哨戦の始まりでござんすね
手前、姓は奴崎名は娑婆蔵……人呼んで『八ツ裂き娑婆蔵』
せいぜい気分良く飛んで来なせえ
全員まとめて吊るしてやりまさァ
――殺人領域、早贄山麓刀輪処
・敵勢へ臨みパラドクス発動、周囲の海を影で呑む
・辺りの海を、固く、そして任意に小山状へ隆起もさせられる足場として書き換え、敵を相手取り易いよう、自他の立ち回りに際して【臨機応変】に供する
・空へ突き上げる刀の林と刃の葉とで敵勢を迎え撃つ
・また、血を奪われたなら奪われたで取り込んだ者の心身を侵すよう、予め己の体内の血へ【呪詛】を込めおく
・その呪詛とは――トンカラトンと唱えながら敵も味方も問わずに斬り付けたくなる殺人鬼の呪いだ
仲間が戦場に残した、戦う力。
足場のない空中戦でも、ディアボロスたちはその力を限定的に得ることで、吸血鬼との海上での戦いを可能にしていた。
「……さて、露西亜……元の日本においては、ほど近い場所にある土地であったかな?」
修験者の如き法衣を纏いし陰陽師、雅諒院・基経(はぐれ者の元天狗・g00191)は艦隊が配置している方角を眺め、その先にある吸血鬼の国に思いを巡らす。
皇帝が斃れた今、間隙を縫って敵国に攻め込むのは戦略的には常道である。
「だが、こちらとしては死肉を啄む烏にも劣る……いや、そういえばこやつらは血を吸う妖であったか……。であれば余計に容赦はいるまいな?」
妖怪退治であれば、基経にとっては専売特許だ。魑魅魍魎を相手に磨いた腕を披露するには、申し分ない手合いと言える。
「前哨戦の始まりでござんすね」
全身に包帯を巻いた着流し姿の青年、奴崎・娑婆蔵(月下の剣鬼・g01933)が空を仰ぎ見ながら、ポツリと呟く。
水面に沈むことなく立っているのも、残留効果によるものだ。
静かに佇み、腰に一振りの太刀を携えながら、戦いに向けて気を昂らせる。
「引き付け役は俺がやろう。相手が距離を詰めてくるなら、それを待ち構えて倒していくだけだ」
佐島・真己(暗闇の中の光・g01521)は意を決したような真剣な表情で、上空を飛び交う吸血鬼の群れを睨視する。
ふわりと空に舞い上がり、周囲の様子を窺いながら、真己が吸血鬼の一体に接近する。
敵に囲まれないようにと間合いを計り、まずはナイフを投げて相手の注意をこちらに向ける。
「また新手か。良かろう、そんなに死にたいならお望み通り殺してやる!」
真己の姿を捉えたブルートファングが、牙を剥き、速度を上げて襲い掛かる。
相手の圧の高まりを、真己はその身に感じながらも、怯むことなく立ち向かう。
「――覚悟は決まってる」
心に秘めた、決して折れない強い意志。それが力となって具現化し、真己の左手に、凍てつく氷の剣が顕現する。
急接近してくる吸血鬼に対し、真己は冷静に狙いを定め、剣を伸ばすと――刃は吸血鬼の心臓を貫き、突き刺さる。
「グハアッ!?」
血反吐を吐いて藻掻く吸血鬼。真己は剣を突き刺したまま、両手で刃を薙いで斬り下ろす。
――ザックリと、袈裟斬りに裂かれた吸血鬼の身体は、二度と空を飛ぶことなく海の底へと沈むのだった。
「出来れば戦艦にも攻撃を浴びせたいところだが、まずは邪魔な奴らを消さねばな」
嘴だけの面を被った基経は、吸血鬼の群れと対峙しながら、昂揚を抑え切れない様子で攻撃を仕掛ける。
「さぁ、綺麗に吹き飛ばしてくれようぞ」
風の力を纏って空を飛び、紅葉の形をした羽団扇に魔力を込める。
自然の中に宿りし、風、土、水、火の四属性。それらの魔力が一点に集まり、最大限まで高まると、基経が羽団扇を揮って力を一気に解き放つ。
「……禁忌なれど、今は目をつぶって欲しい。さぁ、この一撃からどう逃げる?」
『魔縁』の烙印を押され、道を外れた半端者。故に禁忌の力を使うのも、躊躇うことは微塵もない。
凝縮された膨大な魔力は、巨大な隕石を再現させて、遥か頭上から吸血鬼目掛けて降り注ぐ。
その圧倒的な質量は、本物の隕石には及ばなくとも敵を葬るには十分な威力だ。
吸血鬼が焦って回避しようとするも間に合わず、魔力の塊に圧し潰されて、そのまま海へと落下した。
「随分と派手に暴れてくれまさァ。あっしも負けちゃいられやせん」
次々と海に落ちてくる吸血鬼の屍を、その最期を見送りながら、娑婆蔵が鞘から刃を抜いて身構える。
「せいぜい気分良く飛んで来なせえ。全員まとめて吊るしてやりまさァ」
基経や真己の攻撃を掻い潜ってきた吸血鬼たちが、娑婆蔵を狙って迫り来る。
だが多くの修羅場を切り抜けてきた侠客は、全く微動だにせず、攻め込んでくる吸血鬼たちを迎え撃つ。
――殺人領域、早贄山麓刀輪処。
精神を研ぎ澄まし、妖刀を海へ突き刺すと――刃を通して影が広がり、娑婆蔵が創る結界の領域が展開される。
呪詛の力によって周囲の海が影となり、黒い澱みが奇怪に蠢き、うねりを上げる。
「『八ツ裂き娑婆蔵』の殺人技芸、篤とご覧いただきやしょう」
其れは、亡者の望郷する地獄の再現。影の中から無数の刀が林の如く突き上がり、木の葉の刃が吹き荒れる。
吸血鬼たちは剣の山に串刺しにされ、或いは刃の嵐に斬り刻まれて、骸は影に呑まれるように消えていく。
そこは正に地獄のようだと恐れ慄く吸血鬼たちに、娑婆蔵は桐紋を背負った黒の羽織を靡かせながら、名乗りを上げる。
「手前、姓は奴崎名は娑婆蔵……人呼んで『八ツ裂き娑婆蔵』。バルチック艦隊のエッセン提督とやら、この『奴崎組組長』が、その素っ首を叩き落としてやりまさァ」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【建造物分解】LV1が発生!
【冷気の支配者】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!
フィーナ・ユグドラシア
※アドリブ、連携ok
ロシアの動きも速いですが、黙って見過ごす気もありません。
私達のドイツ奪還の邪魔はさせません!
油断は禁物ですが、既に勝った気でいるなら、遠慮無く横殴りさせて貰います。
海上戦なので此方も飛翔して対抗です。
戦闘では、此方からは不用意に近づかず、『極光の波動』を放って敵集団を攻撃します。相手の飛ばすオーラや物体にも、波動で対抗です。
また、孤立する味方が出ないよう注意しながら立ち回り、味方のフォローに回ります。
エッセンが増援に来るか、此方が攻勢限界を迎えるなどして、敵の勢いが増してきたら、周囲の味方に警告しながら撤退を提案。味方の撤退に合わせて戦場から離脱です。
欲張り過ぎは禁物です。
竜城・陸
漁夫の利、なんて諺はあるけれど
やすやすと狙いを通させるわけにはいかないな
押し返してやろうとも
その為にはこの緒戦、抑えなければね
海上となれば、【飛翔】の術が必要かな
こちらも空から相手を迎撃するとしよう
伊達に氷の竜を名乗ってはいない、[氷雪使い]の本領をお見せしよう
囲まれぬよう常に一定の距離を保ちながら
生み出した氷剣を[投擲]していくよ
といっても相手は数が多いからね
一人の目では心もとないだろう
味方とは積極的に連携し、死角を少しでも減らすよう心掛けよう
加えて攻撃対象を揃え、攻撃を集中させて
敵の戦力を確実に削いでいくことを念頭に行動するよ
撤退の機は見誤らず
ある程度の負傷が蓄積した時点で判断を
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携、アドリブ歓迎
残留効果は相互活用
……ロシアから帰ってきたばかりなのだが。早速動いたか
上等だ。今度は手加減しない
この国は渡さない
……取り戻す為。翔け抜けよう
【飛翔】し空中戦
周囲の味方にも効果を適用
不規則軌道で動きを読ませない
戦場を偵察、観察し敵の布陣と数を把握
また、引き際の見極めも行う
周囲の味方と連携し、可能なら敵部隊の一部を包囲か集中攻撃
一撃で倒せる時は、隙を看破した相手から撃ち
味方と狙いを合わせて数を減らす
反撃には魔力障壁を展開し、攻撃動作を観察、看破し
飛翔で立体回避
・撤退
程良く戦力削減するか、囲まれるなどの不利の気配、または味方が深手を負う前に撤退
撤退時は負傷者の移動を補助し援護を行う
「……ロシアから帰ってきたばかりなのだが。早速動いたか。上等だ。今度は手加減しない」
吸血ロマノフ王朝への調査活動を行っていたエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は、休む間もなく早々に事態が動いたことで、却って心置きなく戦える、と愉しそうな笑みを覗かせる。
「ロシアの動きも速いですが、黙って見過ごす気もありません」
機を逃さず仕掛ける辺りは流石に油断ならない相手だと、フィーナ・ユグドラシア(望郷の探求者・g02439)は気を引き締めながら、杖を手に取り、戦闘態勢を整える。
「漁夫の利、なんて諺はあるけれど。やすやすと狙いを通させるわけにはいかないな」
空を眺めながら、竜城・陸(蒼海番長・g01002)は空中を飛び交う吸血鬼たちを眼鏡越しに見る。
ここは海上、相手は空中戦を得意とするが、それはディボロスたちには通じない。
「押し返してやろうとも。その為にはこの緒戦、抑えなければね」
連中に自分たちディアボロスの力を見せつけよう。そう促す陸の言葉に、二人は大きく頷いた。
「ええ。私達のドイツ奪還の邪魔はさせません!」
「この国は渡さない……取り戻す為。翔け抜けよう」
フィーナが語気を強めて気勢を上げれば、エトヴァも静かに闘志を燃やして、天使の翼を大きく広げる。
戦う気持ちは、皆が願う想いはただ一つ。陸も竜の翼を羽搏かせ、フィーナは精霊の力を用いて空を舞う。
斯くして、戦場の空を翔ける三つの蒼き光芒が、黒き闇の力を打ち倒さんと、吸血鬼の軍団に戦いを挑む。
「仲間も戦ってくれているおかげで、敵の布陣に乱れが生じているようだ」
上空から戦場を俯瞰し、戦況の把握に努めるエトヴァ。
その報告を受けて、彼らは今が好機と積極果敢に攻め込んでいく。
「悪いが、空を飛べるのはお前たちだけではない」
華麗に天使の翼を翻し、吸血鬼の前に颯爽と現れたエトヴァが、不意打ち気味に先手を奪って攻勢を掛ける。
片手を頭上に高く翳すと、周囲に無数の光の輪が浮かび、吸血鬼の集団目掛けて一斉に放つと――高速回転しながら烈しく斬り裂き、鮮血が空を彩るように飛び散った。
吸血鬼たちは敵の更なる増援に、慌てふためき、狼狽える。ここは火力を集めて叩くべき、と陸も続いて攻撃を重ねる。
「伊達に氷の竜を名乗ってはいない、[氷雪使い]の本領をお見せしよう」
柔和な表情ながらも不敵に微笑み、陸が秘めたる力を行使する。
中性的で穏やかな印象ではあるが、その身に宿りし氷の魔力は、絶大だ。
「“There is none in deafening silence.”」
――全き静寂の淵に立つ者はなし。
呪文に呼応するかのように、虚空に生成されたのは、無数の氷剣。
陸が指揮者のように腕を揮うと、氷の剣は舞い踊るかの如く、吸血鬼を狙って投擲される。
鋭く研ぎ澄まされた氷刃は、例え躱されようとも追尾する。
「クッ、しつこいヤツめ!」
標的となった吸血鬼が、氷剣を撃ち落とそうとオーラで造った獣の頭部を飛ばしてくる。しかしそれを嘲笑うかのように、氷の刃は軌道を変えて、陸が眼鏡の奥の瞳で見据えるその先で、遂に吸血鬼を捕らえて追い詰める。
――その血が流れ尽くすまで、その命の灯が潰えるまで。 氷雪の洗礼は止むことなし。
やがて全てが凍り付き、静寂が満ちるまで――。
ディアボロスたちの息の合った連携攻撃に、吸血鬼たちがまた一体倒され、次第に戦力を削がれていってしまう。
だが彼らにも、ヴァンパイアノーブルとしての意地とプライドがある。
せめて一人でも多くのディアボロスを、散った同胞の許へ送ってやろう――。
鮮血の如き赤黒い瘴気が全身から溢れ、フィーナを狙って襲い掛かる。
「そう簡単にやらせはしない」
すかさずエトヴァが魔力障壁を展開し、迫る吸血鬼の赤い衝撃を、耀く黄金の荊で弾いて防ぐ。
「ありがとうございます。ではこちらも、遠慮なく横殴りさせて貰います」
互いを信頼し、協力し合う連携力こそ、ディアボロスの強さなのである。
フィーナも仲間の想いに応えるべく、持てる力の全てを発動させる。
「精霊達よ、どうか、私に力を貸して。共に歌を紡ぎ、その想いをもって極光の導きと成し、我が敵を討ち果たせ……!」
歌を口遊みながら意識を高め、杖の宝玉に宿りし魔力と、己の精神を融合させる。すると宝玉がフィーナの魔力と同調し、オーロラの如くまばゆく光輝いて、雪、氷、光の三精霊が詠唱に応じて召喚される。
精霊たちはフィーナと共鳴するかのように歌を紡ぎ、四つの魔力が一つとなって、巨大な波動が解き放たれる。
「悪しき吸血鬼共、この極光の前にひれ伏し、滅びなさい……!」
まるで大海嘯を思わせる光の奔流は、精霊たちの四重奏に乗せながら、吸血鬼を一瞬にして消し去ったのだった――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV5になった!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
諷和・もこ
やちよお兄さん(g00584)と
いい吸血鬼さんもいるって聞いたけど、今回の吸血鬼さんは悪い吸血鬼さんみたいなんだよ
ドイツを奪還するために少しでも数を減らすお手伝いをするんだよ
吸血は痛そうで怖いけど…やちよお兄さんと一緒だから、大丈夫
戦闘は【飛翔】で空中戦に持ち込むんだよ
まず「アロマオイルカプセル」でこちらに気を引くように【誘惑】して
襲いに来た吸血鬼さんたちを「まくら」をブンブン振り回して【強打】していくんだよ
空を飛びながらまくらを振り回してたら、バランスを崩しちゃうかもしれないけど
その時はきっと、やちよお兄さんが助けてくれるって信じてるんだよ!
……ちょっぴり、照れちゃうかもしれないけど
四十万・八千代
もこ(g01739)と
奪還戦の邪魔にならないように少しでも減らしておかないと
ヴァンパイアって乙女の生き血好んだりするんだろうか?
連れの乙女を護れたら格好いいかもしれないけれど
俺って後ろから距離取って動くタイプだからサポートで許して
回避、移動には【飛翔】を使用
もこが狙った敵、逆に狙って来た敵を中心に
イグジストハッキングで存在を歪めて倒していく
その子の血は簡単には吸わせてやらないし
俺の血もくれてやるほど無いんだよな
【情報収集】で戦況を把握し撤退時を見逃さないよう注意
戦闘時も他の仲間達から離れ過ぎ孤立しないよう留意
もこがバランス崩すようならそこは身を挺してでも救助させて貰うよ
大切な相棒なんでね
「いい吸血鬼さんもいるって聞いたけど、今回の吸血鬼さんは悪い吸血鬼さんみたいなんだよ」
枕を抱えた鬼人の少女、諷和・もこ(ふわもこうとうと・g01739)はトロンとした目で、戦場と化した洋上の空をぼんやり眺める。
「奪還戦の邪魔にならないように少しでも減らしておかないと。そういえば……ヴァンパイアって乙女の生き血を好んだりするんだろうか?」
もこの隣に寄り添う青年、四十万・八千代(悪食ハッカー・g00584)がふとした疑問を口にする。
もしかしたら、連れの乙女を危険に晒してしまうかもしれない。でもその時は、身体を張って彼女を護る――ことができれば格好良いとは思いつつ。
だけど自分は遠距離攻撃が専門だから、せいぜい後方支援で許してほしいと、八千代は申し訳なさそうに頭を下げる。
「吸血は痛そうで怖いけど……やちよお兄さんと一緒だから、大丈夫」
八千代と共に戦えるなら、それだけで心強くて安心すると。もこは赤い瞳に青年の顔を映して、ふわりと微笑む。
「ドイツを奪還するために、頑張って少しでも数を減らすお手伝いをするんだよ」
喋る口調はおっとりしつつも、言葉には強い覚悟と意志を宿して、表情も一変して引き締まる。
じゃあ行こうかと、八千代がそっと手を差し出すと、もこも掌を重ね合わせて握り締め、剣戟響く戦場の空に向かって飛び立った――。
敵との距離が次第に近付くにつれ、もこが手を離して前に出て、八千代は彼女の背中を見ながら後ろに付ける。
「吸血鬼さん、こっちはとっても甘い匂いがするよ。よっといで」
もこが懐からカプセルを取り出し、アロマオイルを周囲に振り撒く。
気持ちを昂揚させる甘やかな香りが風に運ばれ、やがて吸血鬼の許に届いて鼻腔を擽る。
香りで吸血鬼を誘惑しようとする試みは、見事狙い通りに相手の気を惹き、飢えた吸血鬼たちが涎を滴らせて襲い掛かる。
誘いに乗ってくれたなら、後はしっかり迎え撃つのみ。
もこは八千代に視線を送り、一つ小さく頷いた後――速度を上げて吸血鬼に近付き、向かってくる敵に対してまくらを豪快にぐるぐる振り回す。
普段はふわふわな枕でも、鬼の剛腕を用いて高速で遠心力を加えれば、鋼の如き強度に変わって威力も増す。
少女の可憐な外見とは裏腹の激しく荒々しい攻撃に、直撃を受けた吸血鬼が空の彼方に吹き飛ばされる。
「小娘のくせに生意気な! 黙らせてやる!」
怒った吸血鬼が、もこに喰らいつこうと牙を剥き、加速しながら間合いを詰める。
もこは咄嗟にこの攻撃を躱そうとするが、枕を振り回し過ぎて目が回ったか、バランスを崩して体勢が傾く。
このままでは敵の毒牙にかかってしまう。だけどこういう時に、やちよお兄さんならきっと助けてくれるから――。
「……その子の血は、簡単には吸わせてやらないよ」
冷静な声が響くと同時、突然、吸血鬼の胴体がぐにゃりと捩れ、四肢もあらぬ方向に捻じ曲がる。
後方から敵の情報収集に努めていた八千代。彼の特技であるハッキング技術は、敵の存在までも操作し、歪ませる。
やっぱりやちよお兄さんは頼りになると、もこはほんのり頬を染め、照れ臭そうに八千代を見つめる。
片や八千代も、大切な相棒が無事で良かったと、ほっと安堵し、笑みを零す。
その後も二人は、互いに力を合わせて吸血鬼を退け、仲間の合図を待って戦場から無事に撤退したのであった――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【腐食】LV1が発生!
【無鍵空間】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【能力値アップ】がLV3になった!