リプレイ
鎌夜・神月
とにかく数が多い、ね
いいじゃねぇか、大将首の前のウォーミングアップにちょうどいい
殺し合おうぜ、鉄クズの畜生共
『念動力』で身体動作を補正、強化して突貫突撃、最速で一直線に敵へと駆ける
護衛連中に接敵したら【怨技・惨月】で手近な奴からバラバラに『破壊』してやる
誘導弾の反撃がきても関係無しに突撃だ
どうせ躱そうとすりゃ余計な手間を食うんだ
だったら回避なんざ考えず真っ向から『破壊』の一撃で誘導弾を叩き潰して進むぜ
それで腕が潰れたって構いやしねぇよ
潰れちまうってんなら『念動力』で無理くり自分の体動かしてでも殺し合うさ
何匹も纏めて一気に、なんて雑把な殺し方はしねぇよ
丁寧に、丁寧に、一匹ずつ真心込めて殺してやる
●過去を亡くした全ての畜生どもに告ぐ
鎌夜・神月(慇懃無礼千万・g01128)は、『整備工程』区画へと突撃した。
動作の最適化など何処吹く風、筋肉や関節の限界など知ったことではない。
そして当然ながら、突撃すれば撃たれる。だが意に介さない。回避すらしない。
既に割り切っている。時短を狙えばこうなると。
突進して、手近なところにいたアイゼンヴォルフを掴むまでが一動作。
そこからアイゼンヴォルフを一度で潰せるかどうかは、掴んだ部位による。
「警告、損傷甚大、更なる火力の集中が必要と判断」
アイゼンヴォルフが、音声で周辺の同型機に警告を発する。
「うぜえ、喚くな」
今回は一度で十分だった模様。ただし、一度に潰せるのは一体だけ。効率は悪い。
神月は下顎部の金属パーツに手を掛けると、そのままアイゼンヴォルフを半分に引き裂いた。
当然、アイゼンヴォルフ周辺の時空が歪んで反撃が成立する。背部砲塔から放たれる誘導弾の砲声が、断末魔だ。
誘導弾を背中から受けて、神月の身体が逆くの字に曲がる。が、倒れない。神月は次の動作に移る。
動き出した神月の視界の端に、これまで無力化したアイゼンヴォルフの破片が映った。どれもロットナンバーが近い。
(「製造時期が近いか、製造工場が同じか、もしくはその両方か? 悪趣味な施設だとは思ったが、まさかな」)
神月の想像通りだとすれば、この工場の、ひいては機械化ドイツ帝国の業はかなり深いように思える。
「大将首までのウォーミングアップだ。丁寧に、丁寧に、真心込めて殺(あいて)してやるよ」
次の標的を掴むや否や、神月はそう宣言した。続いて、喉に絡み付く生暖かいものを吐き捨てる。
こうして大立ち回りを演じている間、『工場長』とその護衛は、『整備工程』区画から移動出来ない。
効率を度外視して動く死兵が、効率を重視して動く機械軍団を足止めしていた。
成功🔵🔵🔴
効果1【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
●転
何故、『整備区画』への侵入者を許したのか。
時は少し遡る。
飛鳥・遊里
潜入したのち、内側から敵の急所を食い破る。いわゆるトロイの木馬だな
炊き出しの連中に仕事の口がないか装って近づくよ
『しがないエンジニアなんですがね、割のいい仕事ないですかね?』
そこらにある瓦礫やスクラップから俺の技能使って有用な機械をパパっと
造ってみせながらな。故障してる機械の修理を請け負ってもいい
首尾よく連行されたら、工場内の情報集めて見取り図造るところから始めるよ。【操作会得】使えば、周りの設備から情報を得ることは難しくないはずだ。あとは、施設の通信設備を使って外部に施設の情報を発信だな
できれば外部から突入の段階になった際にどさくさに紛れて施設内の電源をダウンさせるってのもいいかもしれないな
荒田・誠司
アドリブ・連携など歓迎
【心情】
蜘蛛の糸がまさか地獄へ伸びていたとはな、酷い話だ
ありがとう、俺、こんないい物食べたの初めてだ(演技)
【行動】使用技能:情報収集、演技、臨機応変、発明
あらかじめ発明で作っておいた発信機を囮役の人達に付けてもらい、トレインの近くには受信機を置いておく
機械の手を長袖の服で、機械の足は大きめの長靴で隠す
ボロボロの浮浪者のように見せかけてパラドクスを発動
周りに見られない場所で捨てて戻るを繰り返し、何度もスープをお代わりしに行く
途中から目を擦るなど眠そうな演技もしつつ、様子を見て眠たいような事を敵に言う
攫われたなら儲けもの、出来れば逃げる道を覚えておく
サァエフ・エピファニア
まずは皆様が連れ去られてしまうのを少しでも防止しなければ。バステトの臍には回復作用があります。薬により昏倒するのを防げれば、連れ去られるリスクは避けられるはず。お腹が空いているのは嘘偽りではないですからいっぱい食べていただいて、せめて安全に帰れる一助ができれば良いのですが。
私も紛れて連れ去られましょう。毒の使い方には慣れてますから、服毒の分量は承知しています。ぼろぼろ、隙だらけの様相を演技し、油断を誘います。
工場長や皇帝陛下なる人物の素性も気になるところ。演技中も周囲に注意を払っておきましょう。武器とは剣や銃だけではないということを、身をもって知っていただきます。後々に、ふふ。
神薙・焔
はぐはぐもぐもぐ、簡単に作った炊き出しにしては美味しいわね、付け合わせにザウアークラウトが付いていればもっとよかったのに、それに―薬の味と匂いをごまかすためにコショウを使いすぎよ…まあいいわ。
「もうないのかしら、おかわり! ああ、ここ3日何も食べてなかったからもう倒れそうなのよーもっと食べないとー(ふらふらー」
こうやって、他人の分も食べてしまえば犠牲者は減る、下手に警告すれば秘密を知った者を口封じしかねないものね…
「あー空腹で目が回ったのかしらー、炊き出しの寸胴をひっくり返しちゃったー、それに何か眠いわねー」
薬はサイボーグ機能で耐えられるけれど、効いたフリをすればこのまま運んでもらえるかしら?
●毒をもって毒を制す
ディアボロスたちが、パラドクストレインから降りて広場に向かうまでの間のこと。
荒田・誠司(雑草・g00115)は、同行するディアボロスたちにこう告げた。
「このパラドクスが通れば、多少の無茶は目をつぶってくれるようになる。広場でも、『中』でも」
「そこに、私の【パラドクス通信】が加われば……」
「くだんの工場は、致命的な毒を飲み込むことになりますね」
「古典的なトロイの木馬では終わらせない。向こうに着き次第、たっぷり仕込ませて貰う」
神薙・焔(ガトリングガンスリンガー・g01121)とサァエフ・エピファニア(勝利をもたらす腥風・g00099)、そして飛鳥・遊里(リサイクラー・g00512)が続ける。
毒をもって毒を制す。
催眠薬入りスープで人をさらう輩には、ディアボロスというキツい毒を味わって貰わねばなるまい。
●宴
「しがないエンジニアなんですがね、割のいい仕事ないですかね?」
遊里は、器を片手に、炊き出しのボランティアに話を振っていた。
その様は、食い詰め者と言うより、技術の売り込み先が見つからず、貧民街に落ちたエンジニアといった風体である。
簡単な工作や修理技術だけでなく、材料不足を機転で補う発明の才を見せ、遊里は相手の反応を探る。
親身に話を聞きはするものの、技術関係への食いつきは甘い。むしろ、ことあるごとに食事や飲み物を勧めてくる始末。
(「まあ、この連中にとって、一番美味しい話がこれなんだろうな」)
遊里は話を受け流し、他のディアボロスの様子を確認した。
「ありがとう、俺、こんないい物食べたの初めてだ」
誠司は、ぼろを纏い、機械化した部位を衣服で隠して、浮浪者を装っている。何度も列に並び直し、スープのお代わり。
が、遊里と同じく、出されたものには一口も口を付けていない。常に、スープはこっそり捨てていたのだ。
誠司の地道な行動により、スープの残量が削れていく。
それでも、炊き出しに集まった貧民の中には、ベンチで満足げに身体を休めている者もいるし、そのまま眠り込む者もいる。
一方、スープを口にするものもいた。
サァエフと焔である。
特に、焔は人一倍スープを平らげていた。
付け合わせに不足を感じるものの、具材のチョイスは及第点。葉物と一緒にドライトマトを入れて煮れば、簡単なスープになるのだ。薬の風味を誤魔化すための胡椒さえなければ、炊き出しとしては悪くない。
つまり、それだけのコストを掛けても儲けが出る、『割の良い仕事』なのだろう。
「もうないのかしら、おかわり! それとザウアークラウトない? ああ、ここ3日何も食べてなかったからもう倒れそうなのよ。もっと食べないと」
焔は千鳥足である。薬の影響はそれほど受けていないものの、危なっかしい所作には、一定の説得力がある。
サァエフの方はと言うと、食べる量こそ決して多くはないものの、独特の振る舞いに特徴があった。
その日暮らしに疲れ果てた流民を装いながらも、仕草から気品と艶めかしさが消えていない。
様々な意味で隙だらけにも見えるし、そうでもないように見える。
ひとつ確かなことがあるとすれば、サァエフの周囲の流民が、少しずつ、肌の色艶が良くなっているように見えること。
ファラオ柔術、バステトの臍。ファラオの恩寵が、策謀とは呼べぬ下衆な企みを遠ざけ、生命力溢れる世界を現出させる。
「あー空腹で目が回ったのかしらー、炊き出しの寸胴をひっくり返しちゃったー、それに何か眠いわねー」
更に、千鳥足の焔が、言葉の通りに鍋をひっくり返してしまう。
普段ならば場が大荒れする所行である。炊き出しや仕事の斡旋どころではなくなるはずだ。
だが、何故か男達は、仕方が無いと言った顔で鍋を片付け始めるのだった。
まるで、最近知り合った、困った友人を相手にしているときのように。
誠司は、ただ、スープの残量を削っていたわけではない。自身のパラドクスが有効に働くよう、布石を打っていたのだ。
この場の敵方には、一般人しかいない。ならば、誠司のパラドクスは、この場において切り札の一枚になり得る。
そうして、事態は誠司が語ったような形となった。
ディアボロス達は、不幸にも薬が効いてしまった少数の貧民達とともに、工場へと運び込まれる。
予想された納入量よりも『材料』の数が少ないことに関しては、納入を担当した男達が、工場側を説き伏せた。
出された食事も飲み物も摂っていない者や、摂る量を抑えて薬の効果をなるべく弱めた者で構成された、この先行潜入組が、後発組のために、様々な『仕込み』を用意したのは言うまでも無い。
パラドクス通信による通信能力を駆使し、工場内の地図を作成した。続いて、工場自体が持つ通信網や電力網を把握する。
この日、湖底の秘密工場は、ディアボロス達により丸裸にされることとなる。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【操作会得】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【アクティベイト】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
クラウス・ロイスナー
湖底の地下施設か…なら、必ず換気設備と緊急用の脱出経路があるはずだ。
連中だけじゃなく民間人の数を考えりゃ換気口程度じゃ追い付かんし、奴らの撤退経路でもある訳だからな。
囮組が発信器を持っていくようだし、事前に接触して受信機を用意した上で、誘拐されるまでは敵に発見されないよう監視だ
誘拐後は気付かれないよう上空からトラックを追えば場所は分かる
後は周囲を調査し、らしい物を見つけたら警報器の有無を確認し、必要なら無効化して出口側から工場へ潜入して脱出経路を確認し、他の者と情報を共有しておく。
戦場じゃ何があるか分からん、俺が潰れても良いようにしておかんとな。
雨鈴・小夜
囮班の方々が内部の情報を確保してくれると信じて、こちらは外で脱出の準備を整えましょう
(②に挑む仲間から必ず通信機を受け取る)
さらわれた市民の解放は、レジスタンスの十八番ですのでノウハウもありますのよ
まずはなんと言っても逃げる足の確保です
敵が人を攫っている周辺都市で、大型トラックを確保して(可能なら複数)問題の湖の近くに隠れて待機させておきましょう
施設に乗り物があるか、奪えるかは運任せですしね
後は潜入組の情報次第ですが
出入り口が判明次第そちらにトラックを回したりする程度でしょうか
この後は周辺を警備しているトループスを排除しに行きませんと
●脱出経路確保(外)
ディアボロスには、救援機動力と呼ばれる能力がある。
同じ事件に関わるディアボロスの危機を感知し、最適な移動手段を直観で選んで現場に急行できる能力である。
今回、クラウス・ロイスナー(機械化装甲兵・g04077)と雨鈴・小夜(桜月の冷たい夜・g00135)が選んだのは、現地調達した大型トラックであった。後々の輸送にも用いることが出来て、一石二鳥である。
調達出来たのは、クラウスと小夜でそれぞれ一台。更に、現場到着後、ディアボロスを搬送したトラックを道中で物理的に譲って頂き、もう一台。合計三台の大型トラックを確保することが出来た。
二人は現在、工場の外側、湖周辺の探索に当たっていた。
「飛行手段を自力で確保しておくべきだったな! もしくは飛行ドローンの展開!」
「ええ。忘れがちですが、こちらは新宿島とは勝手が違いますわ。幸い、追跡自体は容易ですけれども」
いかにも軍人と言った出で立ちのクラウスと、清潔な割烹着と箒を手にした、年若い家政婦にしか見えないレジスタンス、小夜。二人は、施設内部に侵入したディアボロスと連携を取り、脱出路として利用可能な通気口や、非常口を暴いていく。
外にあったのは簡単な警報装置のみ。ゾルダートはおろか、一般のサイボーグ兵すら巡回していなかった。ゾルダートに対抗しうるだけの戦力を持つ組織が仕掛けてくることなど、想定してはいないのだろう。機械化ドイツ帝国軍の対一般人用ドクトリンは、反撃に重きを置いている。時空を歪めるクロノヴェーダは、例え下級であっても、一般人に対しては一騎当千の猛者たりえるのだから。
「改竄世界史を成立させたことによる、傲慢さの現れかもしれんな」
「機械の身体には解らないのでしょう。尊厳を奪われた人間が抱く怒りを」
調査が進む。ディアボロス達で共有している地図が更新され、外部から内部への移動経路が次々と追加される。
調達したトラックを脱出口予定地の近辺に移動させ、二人は次なる目的地に向かう。
外に戦力が展開されていないのであれば、必要以上の警戒をすべきではない。中に向かい、更に準備を整えねば。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【冷気の支配者】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!
ドナ・ゴーティエ
無事に忍び込めたならば僥倖
破壊工作の類は、私めにお任せ下さい
斯様な大規模な施設でしたら隠れられる場所もある筈
材料保管庫に到着後、身を潜めつつ
先ずは倒すべき敵の観察から
…後は爆薬の位置も把握が必要でしょうか
その後、不意打ちとばかりに電撃を一つ
破壊は出来ませんが、目眩しや怯ませる程度は出来ましょう
無論、爆薬に引火せぬよう操作は慎重に
その後、敵へ霹靂を振り下ろします
機械知識にて行動不能に陥り易い部位を破壊
多少の負傷はご愛嬌
忍耐力には少しばかり自信があります故
時に遮蔽物を活用し、時に死角に隠れ、敵を粉砕致します
敵性勢力の無力化を確認後
機械知識を用いれば、爆薬の無力化は可能でしょうか
*両眼と両足を機械化
ラキア・イード
材料、って人間相手にヒッドイ言葉だよなぁ。もちろん、そんな事ゆるせねーから、オレも参加するぜ。
囮作戦のおかげで場所とだいたいの工場内のマップは、わかるはず。
ソレを利用させてもらいながら、脱出のためにワラワラいる敵を倒すぞ。
護衛してるのは、他の人に任せて工場を警備してる方にいく。
敵の数が多いから迷ったけど、背後弱そうだし“暗殺”するみたいに“忍び足”で回り込んで、バールっぽいアレで殴る!
機械って関節のトコ狙えばいいって聞いたことあるし。
硬ェなら銃に持ち替えてもう一回やれっかな?
…オレも色々あったけど、頑張って生きて、今皆とワイワイ楽しくやれてる。捕まった人達も希望もってほしーな、って伝えてほしい
●ゾルダート腰部への痛打及び施設処理に対しての妨害工作(仮)
『材料保管庫』の警備に当たるシュプールフート・クリーガーが、ディアボロス達の襲撃を受けていた。
ラキア・イード(夕日と路地裏・g02284)が手にした、バールのようなものが唸る。
ゾルダートの背後から、砲塔部に駆け上がると。腰部動力パイプに尖端を引っかけるように振り降ろす。
「機械は関節を狙うのが定番って言うけどさー!」
ふと思ったのだ。キャタピラも関節ではないかと。そうなると、壊しておきたい箇所が多すぎる。
なので、腰狙いとなった。狙いやすく、かつ大打撃が期待できる。
ラキアはそのまま動力パイプを引きちぎると、駄目押しとばかりに鉄兜の後頭部に銃口をねじ込んで、引き金を二度引いた。
機械脳を破壊されたゾルダートは制御を失い、身体を滅茶苦茶に動かした後、沈黙した。
「これでひとつ。やっぱり数、多いな!」
退避の際にキャタピラが足を擦ったものの、ラキアの負傷は許容範囲内である。問題となるのは、施設内に展開しているゾルダートの数。警戒態勢下に移行した工場では、至る所からキャタピラの駆動音が聞こえる始末である。
「足音を殺すのには苦労しないけど、ぱぱっと減らしていかないと、爆薬が……」
「通信で、増援を要請しました。私達とは別のルートで侵入し、数を削るようお願いしています」
ドナ・ゴーティエ(雷公・g04485)が、通信機越しにラキアへと話しかけた。
「そっか! オレ達はバババって駆け回って潰してこう! 一度に沢山狙えない分は、スピードで何とかする!」
「ラキアの身体スペックならば可能でしょう。私は、小細工を少々。数が減り次第、爆薬の探索と処理に移ります」
通信機の向こうから響く、金属同士が高速でぶつかる音と、電撃が空気を焼く音。
「任せた! 霹靂と迅雷って言ったっけ。すっごい技だな!」
「ありがとうございます。戦闘に専念しますので、通信はこれで。ご武運を」
ドナからの通信が切れた。ラキアは次のゾルダートの死角を狙って、柱の陰から影へと駆け回る。
(「あの妖精騎士の姉ちゃん、ちゃんと伝えてくれるかな」)
そう、考えながら。
一方、通信を切った後のドナは、ゾルダートを撃破しつつ、爆薬の探索に移っていた。
近場のゾルダートを誘いの放電で釣り、雷撃を纏わせた長柄の戦槌『霹靂』で制御中枢を一打。
反撃の突進が同時に成立するも、ドナの雷撃はゾルダートの制御中枢を的確に焼く。
機械化改造を繰り返し受けて来たドナは、自身の経験から、ゾルダートの弱点を見抜いている。とは言え、やはり一撃で一体落とすのがやっとでは、数を減らすのには向かない。
「少々、骨が折れますね」
ドナが零す。確か、囮になったディアボロスの中には、エンジニア勢がいるとは聞いた。だが、彼らとて、全箇所の爆薬を発見し、解除して回るのは骨だろう。実際、地図にはまだ、爆薬の位置が記されていない。
警備を担当するゾルダートの数を削りきるのは必須。その前までに、爆薬を発見せねば。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【操作会得】がLV2になった!
【モブオーラ】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!
【フィニッシュ】LV1が発生!
アルスーリア・ドラグウィルド
私は捕えられた人たちが脱出できるよう勇気づけましょう。
皆さん助かってもこのままでも変わらないと思ってませんか?
まず言いたいのですが、帝国の尖兵になるより逃げだした方がずっとましです。
皆さんここに来る前にお腹いっぱいご飯食べましたよね?
どうでしたか?
幸せな気分だったんじゃないですか?
このままではそんな“あたりまえの幸せ”すら無くなるんですよ?
脱出しても大変なのは変わらないかも知れません。
でも小さな幸せを積んでいく事は出来るはずです。
より良い明日を掴む為、今一度足掻いてみませんか?
捕まった人を脱出する気にさせたら他のディアボロスが見つけた経路まで、妖精さんに警戒手伝ってもらいながら誘導しますね。
●『湖の妖精』
アルスーリア・ドラグウィルド(龍纏いの深淵歩き・g01887)もまた、『材料保管庫』に足を運んでいた。
どれだけゾルダートを排除しても、捕らえられた貧民達に動く気が無いのであれば意味がない。必要なのは、諦観と恐怖に打ち勝つ勇気。ディアボロスの熱意を勇気に変換して、一般人に伝えるパラドクスもある。
だが、人々に勇気を与える行いは、パラドクスの残留効果があるかどうかで成否が決まるものではない。それを、アルスーリアは既に知っている。
(「愛から勇気が引き出せたように、友情からだって引き出せるはずです。例え仮初めの友情であっても、想いが真摯なら!」)
動物用の飼育檻に似た収容房の前に立つと、両手を腰に当てて。アルスーリアは告げる。
「幸せの味は、どうでしたか? お腹がペコペコになったときに食べたんです、絶品でしたよね」
私は食べてませんけど。自分一人だけごちそうを食べ損ねた友人のように、アルスーリアは収容房内を見渡す。
「ですがそれは、帝国の尖兵になるのと引き替えの幸せでした。ただより高いものはなかったのです」
貧民達がどよめく。そんなこと、たかだか十代前半くらいの小娘に言われるまでもないと。だが、アルスーリアは収容房の様子を気にせず、続けて言い放つ。
「当然です。幸せは、積み上げていくものなんですから」
アルスーリアは動じない。
「ここで、頭の中まで機械にされたら終わりです。『次の戦争』だけがある世界の、一部になります」
動じず、帝国のゾルダートになるとはどういうことかを語り。
「でも、外に出たなら、『明日』があります。苦しい今日の続きでも、お水を一口頂くのが精一杯でも、『明日の味』があるんです」 フェアリーソードを抜いた。術式が起動し、妖精が姿を現す。
「足掻きましょう。皆で味わう、当たり前の幸せを取り戻すために。明日の味を、忘れないために」
一閃。残留効果の影響により、鉄格子の扉部分を切り裂いた。
口うるさい『友人』の言葉が耳に痛かったのか、貧民達は渋々外に出る。確かに、機械になってしまっては明日がない。
そう言えば、昔話の『妖精』も、口煩かったと。口々にそうぼやきながら。
成功🔵🔵🔴
効果1【エアライド】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
百部・小太郎
「宜しいか。この工場は遠からず崩壊致す。付いて来なされ。
特段それがしを信じなくとも結構。動くか動かぬかはお任せ致す」
「されど貴殿らとて今宵はおかしいと思っていた筈。
望んで自死する趣味はございますまい。いざ、参ります」
脱出の障害は物理排除する方針で、一般人を先導致します。
ポチ公様の砲撃支援は建造物の分解に特化したもの。
流石に瓦礫でも一般人にぶつかっては唯で済みませぬ。
それがしが盾となり逃走経路を維持しなければ。
「外に出たら最大限距離を取られませ。
この辺りはもはや、戦場にございます故」
生きて郷里へ戻れば上手い話には裏があると伝わりましょう。
草の根活動は地道なれど、革命に近道はございませぬからなあ。
神薙・焔
無事? 内部に侵入できたようね、炊き出しの味は悪くなかったわよ。
ここは『材料保管庫』かしら、まずはここの爆弾を機械操作スキルで無効化しておきましょう、「材料」として集められた人は何人くらい? 引率の手筈も整えないと…。
仕掛けられた爆弾を除去や無効化できたとしても、工場長はどうやっても自爆する(なかなかいい根性してるわね)から備えは必要、脱出経路や工場長との戦闘タイミングを【パラドクス通信】で他のディアボロスとも話し合って決めて、必要な場所に【野焔築城】による補強を施し、崩落までの時間を稼ぐわね。
●脱出成功
「いや、どれだけ引っ張ってるの。列が凄いことになってる……」
神薙・焔(ガトリングガンスリンガー・g01121)は、救助した貧民の避難に移っていた。
「どなたかが長広舌を振るった結果でしょうな。いやはや、革命には扇動家が必要と申しますが」
かく言う百部・小太郎(犬侍・g02146)も、ほうぼうで貧民を説得して回っていた一人である。輸送手段が確保出来たのであれば、最大限救い出すのが良かろうとばかりに、説いて回っていたのだ。
最低限の下地が出来ている状態でなら、相手に判断を任せる物言いでも通るというもの。避難に必要なのは熱情を煽る扇動家ではなく、地道にエラーを潰していく実務家なのだ。
「『材料保管庫』の爆薬は潰したし、先に爆薬を探してた人には『生産工程』の爆薬処理に移って貰った。後は……」
「『工場長』との大立ち回りが始まる前に逃がしきる、ですな」
焔は頷いた。最小限の人数で引率と、避難用の拠点確保を継続しなければいけない。一般人は残留効果の恩恵をディアボロスほど受けられないのだから、慎重にことを進めなければ。
「タイミング、きっちり合わせてよね。こちとら、キャタピラの駆動音ひとつで怯える一般人、ダース単位で抱えてるんだから……!」
各方面へ通信を飛ばす焔。こういうときに、サーヴァントは役に立つ。モーラット・コミュの通信補助もさることながら、パンツァーハウンドの砲撃能力も、使い方次第で避難誘導の役に立つのだ。
「ポチ公様、かたじけのうござる。某はまだまだ青二才でござるな」
大きな瓦礫はパンツァーハウンドの砲撃で崩し、更に【建造物分解】で軟らかな土に変える。必要に応じて焔がパラドクスで補強し、セルフクラフトのコンクリート壁も交えて、避難路の崩壊を防ぐ柱に変える。
「私は避難が済むまで連絡役に徹するから、小太郎、引率はお願い。……あー、また誰か遠くでドンパチやってる」
「そう言えば、真っ先に『整備工程』に向かった方もおりましたな。無事ではあるようですが」
二人の尽力により、『材料保管庫』に囚われた貧民の救出は済んだ。
後は、誰かが『生産工程』に踏み込みさえすれば、改造中の貧民もある程度は救うことが出来るだろう。
「皆々様、外に出られましたら、此方のことを伝えるのをお忘れなきよう。何方も、望んで自死する趣味はございますまい」
小太郎はそう、貧民達に言い含める。
僅かずつでも反帝国の気運を高めて行ければ、ディアボロス達も活動しやすくなるはずだ。
後は、この工場の始末を付けるだけ。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【建造物分解】がLV2になった!
【セルフクラフト】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
●転
ディアボロス達を内側に引き込んでしまった『地下軍需工場』は、混乱に陥っていた。
幸い、『生産工程』に被害は出ていないものの。『材料保管庫』は叩かれ、『整備工程』にも侵入を許す有様。
「『生産工程』で改造中のゾルダートも前線に回せ、脳改造まで済んでいれば構わん。数で圧倒して『整備工程』にまで押し込め!」
『工場長』が指示を飛ばす。材料などいつでも調達出来る。『生産工程』の被害が軽微であれば良し、そうでなければ『整備工程』を防衛拠点として構え、侵入者を一網打尽にする。
最悪、工場を放棄しても構うまい。機械化ドイツ帝国軍の生産能力は、この程度では揺るがない。
工場一つ潰れた程度で他国に後れを取るようでは、『次の大戦』など迎えられようがないのだ。
飛鳥・遊里
『さあ、機械屋の本領発揮と行くか』
まずは戦闘エリアに入る前に、近くに施設の主電源の通ってる配電盤が無いか探してみる。出来れば施設の管制室があればありがたい
んで、首尾よく配電盤なり管制室なり見つけたらちょちょいと細工だ。【操作会得】
連中との戦闘の直前に、施設の電源が一斉にダウンするように細工する。詳細は事前に【パラドクス通信】で仲間に伝えておく
首尾よく施設のシステムなり電源なりがダウンしたら、、その機に乗じて突貫する。一気に距離詰めれば連中の機動力も意味成さないだろう。動き回られる前に、【雷電掌】で確実にスクラップに変えてやる
『毎度!スクラップ解体の要請を受けてまいりましたってな!』
クラウス・ロイスナー
退避経路の確認と伝達はできたようだし、警備部隊の相手をしておこうか
こいつらを残しておくと退避の邪魔にもなるからな
しかし…施設内の警備に履帯装備とは間抜けでありがたい。床に履帯が当たる音が響くせいでどこから来るのか丸判りだ。
ならば工場内の各種設備を目隠しにしながら回り込み、装甲の薄い背中から対戦車砲とアイゼンファウストを叩き込んでやる。
連中は装備の取り付け的に正面には強いが、背後には向きを変えんと撃てん。
後は1対多にならんよう位置取りに気を付け、包囲されそうならMGで制圧し、その間に位置を変えて再攻撃だな
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
とんでもない話だったな、ここの元の形を残さないように徹底的にしよう
俺は弱いからな、こうして罠を使わせてもらうが悪く思うなよ
心苦しいが、すぐに終わらせてやる
【行動】SPDで判定
使用技能:罠使い、捕縛、計略、機械知識、斬撃、電撃使い、早業、臨機応変
行き止まりで待ち構えるが、通路には罠を張り巡らせておく
わざと見つかり攻撃を誘発
罠にかかれば炸裂弾が撃たれる前に持っている武器を使い、機械知識を応用して攻撃
その一撃で倒せなければ電撃使いで電気を流して攻撃する
倒せれば残骸を端に寄せ、罠を設置しなおし敵を待つ
雨鈴・小夜
施設の警備を排除する、と言った以上
速やかにそれに掛かりますわ
内部のディアボロスからの通信で判明した出入り口付近に居るクリーガー達を襲っていきます
脱出しながら奥のクリーガー達を排除している仲間たちと合わせれば速やかに掃討できるはずです
「機械化帝国と戦うレジスタンス。鉄を一息に断つ剣術程度、身に付けなければ何も出来ませんので」
『新月』で出会うトループス達の首を片端から刎ねていきます
突進してくる相手もギリギリまで引きつけてから
衝突直前で横に飛んで轢殺攻撃を回避しつつ、すれ違いざまに体を切り飛ばします
「わたくしが剣を振るう姿を見たものは生かして返すわけには参りません。お覚悟を」
●それぞれの『戦い方』
飛鳥・遊里(リサイクラー・g00512)は、荒田・誠司(雑草・g00115)と共に『生産区画』へと向かっていた。
「『材料保管庫』側の戦況は落ち着いてるらしい。後はこっちを叩いて、ボスを追い詰める」
「後で聞いたけど、あのスープ、味はそこまで悪くはなかったらしい。……味どうこう以前の、とんでもない話だったが」
二人の目的は『生産区画』に仕掛けられた爆薬の解除、並びに警備にあたるゾルダートの排除である。この区画を叩けば、『工場長』を相手取る際、改造直後の下級ゾルダートがここから派遣されて、ディアボロス達を妨害することも無くなるだろう。
「割に合わない仕事を引き受けた感もあるが、セージ。そこんとこは?」
「何でも屋は、『何でも』やる。感傷は、ないよ」
誠司は自分の両腕を一目見た後、そう返した。『生産区画』を叩くと言うことは、『そういうこと』でもある。
「自分の弱さは身に染みてる。縁さえ有れば、新宿島に流れ着くこともあるんじゃないかな」
そう続ける誠司に、
「ロマンチストとしては、ご縁があって欲しいところだけど。……この辺か。通路は頼んだ、『何でも屋』」
遊里は軽く肩を竦め、単独で先行する、とハンドサインを送る。
「了解。爆薬と動力関係は任せた、『便利屋』」
二人は別れ、それぞれの役割を果たしに向かった。
誠司は道々にトラップを仕掛けつつ爆薬を探し、解除。爆薬が解除出来次第、行き止まりにて待機。
遊里は『生産区画』に供給されている動力を止めるために、動力の分配施設を探しに更に動く。この地下工場で動力を必要とする設備と言えば、換気設備か、『生産区画』のゾルダート生産設備のどちらかだろう。
一方その頃、『生産区画』を警備するゾルダート相手に、大立ち回りを演じている姿があった。
クラウス・ロイスナー(機械化装甲兵・g04077)である。このディヴィジョンの一般人なら履帯が床に当たる音に怯えるだろうが、クラウスは違う。闘争心をかき立てる要素でしかない。
「位置が丸分かりだ間抜け共、目視確認すら要らん!」
工場内部の施設を遮蔽として使い、ゾルダートが立てる音から行動を予測し、相手の旋回速度よりも速く背後を取って、火力を叩き込む。
「戦車との肉薄戦闘を想定して開発した徹甲榴弾、腹一杯喰わせてやるッ!」
名を、『アイゼンファウスト』。クラウス必殺のコンビネーションである。
左のクローアームが、ゾルダートの背部複合砲塔を握り潰し。更に駄目押しの25mm対戦車砲を、至近距離で連射する。徹甲榴弾が次々と炸裂し、文字通り、ゾルダートの身体を両断する。
背部複合砲塔に装填されていた炸裂弾が誘爆し、クラウスに襲いかかるものの。
「斥力場障壁機構を貫けるものか!」
装甲の薄い部位への被弾を斥力場が弾く。勿論、クラウス自身が単なる誘爆程度でひるむはずもない。
次のゾルダートに接敵するまでの間に、クラウスは、『パラドクス通信』で他のディアボロスに連絡を取った。
「『何でも屋』、首尾はどうか!」
「爆薬は発見、無力化も済んだ。ある程度までなら、トラップエリアに回してくれて構わない」
「『便利屋』はどうかッ」
「こちらも上々。他の面子さえ良ければ、5カウントで換気設備以外の動力を落とす」
クラウスからの通信を受けて、遊里と誠司がそう返答し。
「こちら『家政婦』、出入り口付近に展開しているゾルダートの排除は順調ですわ。動力遮断、いつでも合わせられます」
雨鈴・小夜(桜月の冷たい夜・g00135)が、通信に割り込む。時折混じる金属の破断音は、小夜がゾルダートを一刀両断する音である。
「ならば良し。『便利屋』、任せたッ!」
「了解。カウント開始、5……」
小夜の仕込み箒が閃く。
「4……」
熟練兵のみが為せる体捌きでクラウスがゾルダートの背後を取る。
「3……」
誠司の姿を発見したゾルダートが、トラップエリアに踏み込む。
「2……」
ゾルダートの首が宙を舞い、返す刃が上部装甲ごと履帯を割く。
「1……」
誠司がワイヤーを梁に巻き付けて宙を舞い、ワイヤートラップに掛かったゾルダートの脆弱点を見抜いて攻撃を仕掛ける。
「ゼロ、遮断ッ!」
クラウスのクローアームがゾルダートの腰部を掴み、徹甲榴弾で破断した。
同時に、『生産区画』の照明が一気に落ちる。続いて改造設備に供給される動力が停止し、ゾルダートの生産能力が失われた。
「機械の兵隊はお利口さんだから、当然こっちに来るよなあ」
遊里が接敵する。移動中にガントレットの動力炉を臨界稼働させ、即時に内蔵コンデンサを充電。
「毎度! スクラップ解体の要請を受けてまいりましたってな!」
突進してくるゾルダートの勢いを殺さず、ゾルダートのクローアームに触れた。
「名付けて雷電掌。サイバネ殺しの我流拳、どこに触れても一撃必殺が売りさ!」
高圧電流がクローアームを経由して、ゾルダートの全身を瞬時に焼く。
「あら、遊里さん。面白い技をお持ちですこと。……磨き上げた技でしたら、わたくしにもございます」
通信が切れていなかったのか、小夜が遊里へとそう告げた。
「序ノ段『新月』。機械化帝国と戦うレジスタンス。鉄を一息に断つ剣術程度、身に付けなければ何も出来ませんので」
鋼鉄すら両断する一閃が、ゾルダートの首を次々と刎ねる。腕力脚力に頼らず、小手先の技巧に酔わず、闘争心に身を任せず。不可視の朔月の如き平静さを高次元で要求する技ゆえに、『新月』。
完璧に成立したならば、時空をねじ曲げて襲い来る反撃すら『断ち切る』銀閃。
「わたくしが剣を振るう姿を見たものは、生かして返すわけには参りません。お覚悟を」
「ヤバい、本職の方に火を点けたっぽいぞ俺。まあ、『便利屋』は『便利屋』らしく行きますか!」
「……強い人はいいね。罠なんて用意しなくても戦える。ああ、こちらも順調さ」
撃破後、まだ消えずに残っているゾルダートの残骸をもトラップの一部として使う誠司。
いかに数が多かろうとも、一対多が可能なパラドクスで立ち向かわずとも、連携と技巧で単位時間あたりの撃破数を伸ばすことは出来る。
『生産区画』、ならびに『材料保管庫』の警備に当たっていた『シュプールフート・クリーガー』は、一掃された。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【操作会得】がLV3になった!
【怪力無双】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
【一刀両断】がLV2になった!
効果2【先行率アップ】がLV3になった!
【能力値アップ】LV1が発生!
【ドレイン】がLV2になった!
【命中アップ】がLV4になった!
レイン・ナンバーナイン
ミッションの情報確認、これより参戦します…
取りあえずやるべきことである避難経路の確保、並びに囮作戦による潜入は他のディアボロスに任せるとして
私としてはその補佐と露払いを掛けて護衛するアイゼンヴォルフ達相手に【真正面】からの攻撃を仕掛け時間稼ぎと撃破を行いましょう。
特に避難経路の確保の為にこちら側に敵戦力を引き付けておけばその分あちらのミッション完遂の成功率がぐっと上がりますからね。
…と尤もらしい事を言いましたが本音を言えば私がそういうのに全く向いて無いから暴れて陽動した方がいいともいえる
アルスーリア・ドラグウィルド
他の場所で行動しているディアボロスの為にも、アイゼンヴォルフと派手に戦闘をして、他の人の行動を気取られないようにしましょう。
敵の射線を遮る障害物があれば余計な敵からの攻撃を受けないよう活用します。
あとはアイスエイジブリザードを放っては物陰に身を隠して移動し、別の場所から再び攻撃、を繰り返しましょう。
反撃は躱すか剣で捌くかしますが、すべて防げないのは想定の上。
活性治癒で治せる範囲にダメージを抑えるように意識して立ちまわります。
噛みつきに来た口にお守り代わりに持っているトネリコの枝を食ませ、詰まってる思い出を奪わせてみるのはどうでしょうか。
機械化した脳でも、何か、思う事があるかもしれませんし。
鎌夜・神月
さぁ、続きをやろうぜ
テメェらが俺を生かす理由がねぇように、俺もテメェらを一匹でも生かしとく理由はねぇんでなァ!
敵から何発ももらった攻撃が重いが問題ねぇ
その痛みから湧き上がる敵を殺してぇって衝動が『念動力』を強化してくれるさ
『念動力』で身体動作に補正と強化をさらに施し手近な奴から『ダメージアップ』を乗せた【怨技・惨月】でバラバラに『破壊』してやる
躱そうとすりゃ余計な手間を食うってのはその通りだったみてぇだが背後から撃たれるとはな
なら仕方ねぇ
例えどこから撃たれようがこの両腕はテメェらを殺す為だけに振るうさ
そんで受けた傷で体が動かなくなるってんなら『念動力』で無理くり自分の体を動かしてでも殺し合うぜ
●『かみつくもの』
(「理解不能。何かのオカルト現象でしょうか」)
レイン・ナンバーナイン(コード:№9・g00199)は、わずかに戸惑った。
『整備区画』では激戦が繰り広げられている。一対多という言葉の通り、鎌夜・神月(慇懃無礼千万・g01128)がアイゼンヴォルフを千切っては投げ、吹き飛ばされては千切り返しを繰り返していたのだから。
戦闘を一旦仕切り直し、休息を取れば良いものを。レインが到着するまで戦い続けていたのだから、尚更理解に困る。
「とは言え、きっと私も似たことをしたでしょう。戦い続けている限り、ディアボロスの手は届くのです」
神月がピンチに陥っているからこそ、他のディアボロスは、『整備区画』まで最速で移動することが出来るのだから。
「イマジナリキャノン展開。敵下級ゾルダートが沈黙するまで、真正面から砲撃を加えます」
幻影の砲兵達を伴い、レインは砲撃を開始する。反撃の誘導弾に怯まず砲撃を続けるのは、神月と同様で。
「私は兵器ですので、効率を考慮します。一体ずつなどと言う慈悲はありません」
違う点があるとすれば、それくらい。多数を相手取る攻撃手段があるのだから、それを使えば良いのだ。
「別に、好きにすりゃあいいんじゃねえの。ぶっ殺しに行くのは変わりねえ」
敵味方双方の砲撃をバックに、神月が向かう。ホバー移動と言えば格好は付くだろうが、最早脚が移動器官としての体を為していない。念動力で移動し、念動力で身体を動かして相手を壊す、破壊の権化である。
更に厄介なことに、他のディアボロスが尽力したことによる残留効果が、神月の力を更に増していた。
一撃の重さが違う。アイゼンヴォルフを捕捉するまでにかかる時間が違う。運悪く神月の攻撃が直撃などしようものなら、ゾルダートに対する無尽蔵の殺意が神月の継戦時間を引き延ばす。
「俺とテメェらは一緒だ、ぶち殺すしか能がねえ」
掴めば頭突き、倒せば踏みつけ。反撃の砲撃すら移動手段に利用し、エアライドで導き出した最適経路で、次々に襲いかかる。
「クロノヴェーダに何かされたってのも、まあ同じか。……テメェら、この工場で造られたんだろ?」
神月は、戦闘中に浮かんだ推測を口にする。アイゼンヴォルフは当然、答えるわけがない。
「けどよ、『共通点がある』程度で、手を止める理由にはならねぇよなぁ?」
神月とアイゼンヴォルフとの対話は、破壊をもってのみ為される。
「さぁ、続きだ続き。これはイカレ同士の殺し合い、それだけだろ」
神月は蹂躙する。
その様を見て、アルスーリア・ドラグウィルド(龍纏いの深淵歩き・g01887)はため息を零した。
「まるで、野獣同士が噛み付きあっているよう。ディアボロスは多種多様と言いますが、こういう方もいらっしゃるのですね」
避難誘導を他のディアボロスに任せ、陽動に回ろうとして向かった先が、この有様である。
派手と言うより、自滅覚悟の削り合い。気分屋とは言え、理知を武器とする魔術師としては頂けない。
凍気の嵐でアイゼンヴォルフを纏めて凍り付かせ、反撃は遮蔽を活かして軽減。攻防一体の立ち回りこそが、速度と知恵を武器とする妖精騎士の本領である。
「……実のところ。一般人相手の仕掛けばかりで、うんざりしているのです」
『次の戦争』とやらの気配を、一切感じないのだ。
「所詮は後方の工場一つ、悪趣味な遊びに興じていても戦力を増産しているなら良し。そういう、『効率重視』なのかもしれませんけれど」
噛み付きに来たアイゼンヴォルフの一体に、トネリコの枝を噛ませてみたものの。アイゼンヴォルフの口から出てきたのは、恐らく人であったころの思い出の一部。家族共々貧民街に押し込められ、爪に火を灯すような暮らしを語る、合成音声。
(「味のするスープなんて一週間ぶりとか、ソーセージを食べさせてやれて良かったとか、……ああもう」)
アルスーリアは、聞こえてきた音声を心の中で繰り返す。
「人殺しとでも詰れば、私達の手が止まるとでも?」
だが、攻撃の手は一切緩まない。愛用の魔杖を構え、凍気の嵐を打ち放つ。
「あまり人を馬鹿にしていると、噛み付きますよ」
アルスーリアにしては酷く珍しい平板な声音が、『整備区画』の壁に反響した。
程なくして、ディアボロス達の手により、アイゼンヴォルフは一掃された。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【隔離眼】LV1が発生!
【使い魔使役】LV1が発生!
【建造物分解】がLV3になった!
効果2【先行率アップ】がLV4になった!
【能力値アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!
●水底の巨人
『地下軍需工場』の大半は侵入者の手に落ちた。
『整備区画』に釘付けにされていたアイゼンヴォルフ隊は全滅し、シュプールフート・クリーガー隊とも連絡が取れない。
だが、どちらも下級のゾルダート。無尽蔵に量産出来るとは言わないが、戦力としては下の下。
そして、下級ゾルダートの集団を圧倒出来るような者であろうとも、天然自然の力にまで打ち勝つことが出来るだろうか。
「我らが機械化ドイツ帝国軍は、自然をも征服した」
アイゼンヴォルフの残骸を前に、『工場長』は言い放つ。
「砲火に焼かれるか、水底に沈むか。選べ、侵入者ども」
飛鳥・遊里
『どうも、違法建築物の解体を請け負ってきた便利屋ですけど、あんたが責任者ってことでいいかな?』
他の奴らは片づけたし、責任取るのは一人しか残ってないけどな?
まずはざっと周りを見回して、防衛設備がないかの確認だな。自動タレット、セントリーガン、その他もろもろトラップの類。
全部まとめて【操作会得】で支配下に、あるいは使用不能にする
で、その後に、【ガンビット・フレキシブル】起動。攻撃開始だ
相手が対処に追われてる間に、【パラドクス通信】で、仲間に相手の動きや隙を観察して間隙を付いてくれって言っておくよ
『そいつら一機一機は実はたいしたことないんだけどな?けど、全機に意識割きながら仲間の相手ができるかな?』
アルスーリア・ドラグウィルド
自然とは打ち勝つものではなく、共に在り、共に歩むもの。
ましてやヒトの心すら機械に置き換えて支配するなど。
それを征服と称して是とするならば、帝国がこの世界に認められる事など無いと知りなさい。
聖剣に魔杖を連結し、【今は儚き幻想の光】を形成。
剣を振う魔力の余波で残骸を巻き上げるようにして火炎放射の直撃を防ぐようにします。
直撃さえ防げれば活性治癒で間に合うはず……多少のダメージは覚悟の上です。
周囲を冷気の支配者で冷やし、延焼しにくい状況を。
気温も下げて炎の勢いを削げればなお良し、ですが。
人々の脱出も終わってますし、思う存分いきますよ。
聖剣の魔力を解放し、その悪趣味な機械の頭もろとも全力で薙ぎ払います。
サァエフ・エピファニア
出会って早速ですが、倒させていただきます。身を守るもののない裸の指揮官、いささか気の毒ですね。それで罪が消えるわけでもありません。
アヌビスの膕を使用するため、地形を利用し気配を消して近づきます。味方との連携、できれば攻撃に乗じて不所に飛び込みたい所です
見たところ生物ではないものの構造は人型の様子。であれば脆弱な箇所も人とそう変わりはしますまい。狙うは首、と言いたいところですが、できなければ武器のついている腕に狙いを絞ります。
拘束して味方がトドメを刺せるだけの戦果があげられるのがベストです。食らいついてみせましょう。時には体を張るのも王のつとめというものです。
雨鈴・小夜
いざ尋常に……などと、勝負するとでも?
これだけの人数で襲撃したのです
正面から挑みかかる以外に、バックアップに割く人員が居ても良いでしょう
「支援はわたくしが引き受けます!皆様は工場長への攻撃を!」
脱出路のキープと他の方のカバーをメインに動きます
積極的には攻撃を仕掛けず、他の方の隙を埋めるときだけ攻撃や攻撃する素振りで牽制
戦場の機械やコンテナなどの遮蔽物を利用し
牽制する時以外はなるべく相手の意識に登らないよう視界外に回ることを心がけます
無論、全ては味方ごと敵を欺く詐術
致命となるタイミング――例えば味方の渾身の攻撃が相手に炸裂した直後に、
一気に距離を詰めて背後から刀を突き立てて差し上げましょう
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
自然の生命力を舐めるなよ、適応・進化するのが命だ
そんな選択肢選ぶ訳がない、そのまま俺達に倒されろ
【行動】使用技能:情報収集、看破、地形の利用、捕縛、機械知識、計略、斬撃、電撃使い、忍び足、早業、ダッシュ、臨機応変
残留効果2を全て使用
敵の攻撃の動作の情報収集しつつ、機械知識を応用して装甲が薄い弱点を看破
敵の攻撃に紛れ忍び足で近づき、看破した弱点に左腕に内蔵されたワイヤーを巻き付け斬撃で攻撃
それだけで倒せなくてもワイヤーは食い込むはずだから、そのままジェネレーターで発生させた電気を流して追撃する
クラウス・ロイスナー
こいつと戦うのは数回目になるが…毎回頑丈で嫌になる、まだ戦車相手の方が気が楽だが、放ってはおけんしな。さっさと仕留めるとしよう
最初の狙い目は腰回りの予備弾薬だ。正面か側面からMGの連射で制圧してやれば味方が攻撃しやすくなるし、上手く誘爆できれば奴にダメージを与えられる。爆破せずともビームを喰らった予備弾薬が使い物になるといいな?
腰回りを潰した後は側面か背面に回り込み、脚を潰してから顔面にアイゼンを叩き込んでやろうか
くくっ…只でさえ重装甲の巨体という負荷がかかっている膝、しかも構造的に重装甲にはできん膝裏に【怪力無双】で破壊力を増したアイゼンを叩き込まれて立っていられるか、頑張って貰うとしよう
神薙・焔
部下がいないんじゃ一斉攻撃命令もカッコつかないわね、すでに脱出路は確保済、砲火に焼かれるのはあなたのほうよ。
あとは工場長の撃破だけ、もはや小細工は無用、細々した障害物は【一刀両断】でブチ抜いて、【エアライド】で最適化した経路で射撃を避けつつ吶喊! 最速で最短で真っ直ぐに、至近距離から全力全開の【対戦車猟兵戦術】を叩き込んであげるッ!
ヘンな薬入りの炊き出しとはいえ、久しぶりにドイツの料理が味わえたのは嬉しかったわね…さようなら。
ドナ・ゴーティエ
――ドナ・ゴーティエ
これより『工場長』の破壊に入ります
戦槌を手に、突撃
ただ突撃する訳でなく、敵の挙動は常に観察
身を屈め、極力死角を突くよう懐に踏み込む
他の復讐者と連携が叶うならばこの上なく
守りを崩すべく装甲を、機動を落とすべく関節部をと
強敵であれば尚更根気強く
弱体化を図るべく、粉砕を図ります
然し…あの鉄拳はまともに喰らえば痛そうです
数発は耐えられたとして、私の忍耐力にも限界があります
ならば――出力、上昇
刹那、放出する電力を上げ、眩い光で目眩しを試みます
感電して動きを封じられれば、それに越した事はありませんが
死に様を選ばせて頂けると、貴方は仰いましたね?
申し訳ありませんが…謹んで辞退致しましょう
鎌夜・神月
死に方を選ばせてくれるなんざずいぶんとお優しいこって
鉄クズの体でも心はあるってか?
生憎とテメェほど慈悲深くはねぇんでな
テメェの死に方はこのくだらねぇ工場と一緒にくたばる、それだけだ
さぁ殺し合おうぜクロノヴェーダ
まさに死に体ってな具合だが関係ねぇ
傷負い過ぎて全身が絶叫上げてんだ
早くテメェを殺してぇって衝動の絶叫をな
その衝動を込めた『念動力』で身体動作を補正、強化
動かねぇ体は『念動力』で無理くり動かす
死に体なモンで回避だ防御だは考えてる暇がねぇ
どれだけ鉄拳で打ち砕かれても止まらねぇ
クロノヴェーダを殺してぇって衝動は砕かれてねぇんだからよ
真っ向から『ダメージアップ』を乗せた【怨技・禍月】で殺し合うぜ
●『仕込む』ふたり
飛鳥・遊里(リサイクラー・g00512)は、『整備区画』内を走り回っていた。
機械技術が異様に発達しているこのディヴィジョンならば、センサー連動型のセントリーガン程度、実用化していてもおかしくはないはず。そう踏んで資材のチェックを始めたのだが、
「ゾルダート万能論にも程があるだろ、ここ!」
トループス級への改造手術に用いる資材などはあれど、自立機械による防衛設備が存在していないのだ。もしもあったなら、ひとつひとつ掌握して回るつもりであった。
ないならないで、出来る範囲で造るしかない。遊里は『整備区画』の各所に『仕込み』を行いつつ、既に交戦中の味方に向けて通信を飛ばす。
「機械のくせに、マイナスの感情に重点置きすぎだ。……あー、こちら『便利屋』。皆に頼みがある」
それは、自分の長所を一方的に押し付け続けるスタイルでもなければ、自然に行っているであろうこと。
「『仕込み』が済んだら合流する。それまで前線の維持、頼む」
通信による情報共有が可能だからこそ出来る連携。遊里の狙いは、そこにあった。
一方、もうひとり、交戦を極力避けて『仕込み』を行う者がいた。雨鈴・小夜(桜月の冷たい夜・g00135)である。
「脱出ルートの確保はわたくしが! 皆様は工場長への攻撃を!」
全員が攻撃にかまけて、最後の最後で脱出が出来ずに水底に沈むのは避けるべき。そう判断した小夜は、『整備区画』内の各所に身を潜めながら、脱出ルートが障害物で塞がれないように立ち回っていた。
仕込み箒で斬れるものは斬り、力仕事が必要ならば、タイミングを見計らって動く。味方の攻撃タイミングを作るために牽制が必要ならば、前にも出る。
首手柄にこだわらず、戦場全体を調整するように立ち回る様は、まさに工作員らしい動きである。
だが、諜報員は、任務のためならば時に味方を欺くものでもある。
小夜の狙いは、本当に、バックアップのみなのだろうか。
●対『要塞』戦開始
「相変わらず、嫌になるほどの固さだな。戦車小隊を一人で潰せと命ぜられた方がまだマシに思えるぞッ!」
クラウス・ロイスナー(機械化装甲兵・g04077)は、『工場長』の正面から、MG131/BGの連射を浴びせた。狙いは腰回り、スカート状に並んだ構造物。多少狙いが逸れても、背部タンクや、そこから繋がるパイプを狙える好位置だ。そこに何があろうとも、ダメージの蓄積を無視できる部位ではない。
が、現状、期待していたほどの有効打にはなっていなかった。
「対ビームコーティングか? いや、追加装甲か」
サブレンズを適宜切り替えて照射箇所の状態を確認し、制圧射撃を続ける。
荒田・誠司(雑草・g00115)が、制圧射撃の合間を縫って、『工場長』の至近距離に接近していた。足音を殺し、クラウスが張るビームの弾幕のみならず、小夜の牽制も有効に使いながら、至近距離で脆弱点を探す。
(「まずは、肘周辺に露出している動力パイプ」)
腕の動きを阻害すれば、機関砲掃射の脅威度はぐんと下がる。問題は、一度でパイプを切断できるかどうか。
(「この手の露出パイプは、露出している部分は装甲だと踏むべきだ。外装チューブ、保護パイプ、本命のケーブルなりパイプなりの三層構造」)
まずは構造の解析から。ゴーグルを掛け、誠司はワイヤーを放つタイミングを探る。
誠司個人での攻略は、恐らく不可能。だが、この場には、前衛を務めてくれる優秀なベテランがいる。
「そのビーム砲は、要塞を攻略するのに十分な火力か?」
誠司の期待通り、『工場長』は、弾幕をものともせずに、クラウスの頭へと手を伸ばした。
「個人の携行火器としては十分だろう。だが、その緩慢な射撃では、要塞の外壁を溶断出来ん」
そのまま持ち上げて、クラウス目がけて鉄拳を叩き込んだ。狙いは左肩から胸部。一発目で斥力場が悲鳴を挙げ、二発目で動力甲冑の装甲部にヒビが入る。三発目以降は、被弾部位周辺を満遍なく潰す鉄槌と化す。
それでもクローアームが破損しないのは、幾度もの実戦運用を経て、更なる装甲強化を繰り返したおかげだろう。
「小細工など弄さず、最初からその左腕で来い」
『工場長』はクラウスを放り捨て、追撃の砲口を向ける。
「……たっぷり小細工を仕掛けないと、要塞は落ちないだろう?」
それは、クラウスのほうに向いた腕に、ワイヤーを巻き付けた誠司の声。『工場長』の目がクラウスに向いている間に、ワイヤーを巻き付けておいたのだ。
「解りやすい脆弱点を放置しない。人型兵器の基本的な強化方針だろう?」
鉄拳のダメージをものともせず、クラウスが立ち上がった。敵の猛攻を耐え忍んでからの突撃など、彼にとっては日常茶飯事。
「まずは腕一本、貰っていく!」
ワイヤーの周囲からオゾン臭が発生し、露出した動力パイプごと、クラウスのクローアームが『工場長』の肘に食らいつく。
金属が軋む音と、至近距離で砲弾が炸裂する音が次々と響いた。
ディアボロスの追撃は更に続く。
●柔らかい術と書いて『柔術』
「どれだけ固い鋼で身を覆っても、人の形を保っている限り、ファラオの手の内からは逃れられないのです」
不意に、サァエフ・エピファニア(勝利をもたらす腥風・g00099)の声がした。
通電を終えたワイヤーと、砲身冷却のために攻撃を一時中断したクローアームとが離れたほんの一瞬の間に、『工場長』の巨腕に絡み付いていたのだ。
今の体勢は、後世で言う飛びつき腕十字固に近い。彼我の体重差もあって、『工場長』が倒れることはないものの。妙齢の美女が機械の巨腕に絡み付く様は、この世のものとは言い難い雰囲気がある。
『工場長』はすぐさま、機関砲の連射で排除しようとするものの。
「動作不良だと!?」
クラウス達の攻撃が功を奏していた。否、こうなると見切った上で、サァエフは関節技を仕掛けに行ったのだ。
手首に肘、そして肩。最小限の力で、サァエフは関節を極めていく。特徴的なのは膝から先の動きだ。ひかがみ、膝の裏を示す名を冠する技だけあって、膝と足首の動きだけで関節を極める様は、芸術的とすら言える。
温かな褐色の肌が冷たい鋼の上で滑る度に、『工場長』の腕が軋む。柔らかな身体が、硬化した樹脂をねじ曲げる。サァエフの身体の中でも前に突出した部位が、大きく張りだした肩部装甲の上で潰れ。ミステリアスな視線が、無表情の髑髏へと向かう。
至福の抱擁を受け続けるか、安寧の死を選んで果てるか。胡座を掻いて天秤の傾きを見定める神のように、サァエフの技は問う。
だが、身体の大半を機械化した『工場長』は、そのどちらも選ばない。選べない。
「私の中で果てますか? それとも……」
「……なんかこう、変なクセが付きそうで怖いんだが。どうも、『便利屋』です。違法建築物の解体に参りました」
物陰から、遊里の声がした。
「広域データリンク展開。全機、アクティブモード!」
『整備区画』各所に仕込んでいた小型浮遊砲台が姿を現し、『工場長』目がけて、一斉に砲撃を仕掛けた。
勿論、サァエフに誤射することのないよう、射撃タイミングは調整済み。
(「柔らかい術と書いて柔術だけど、柔らかいとこを使う術じゃないだろ。そもそも何なんだ、ファラオ柔術って」)
内心でツッコミを入れつつも、小型砲台の制御をこなす遊里であった。
●狩人の喜び
「ファラオって、サキュバスなのかな……」
聖剣を顕現し終えたアルスーリア・ドラグウィルド(龍纏いの深淵歩き・g01887)は、思わず素で呟いた。あの関節技、絶対に何かエナジー的になものを吸っている気がします、とも。
「力学的に実に効率が良い技には見えます。それに、小型砲台の射撃との相性も良い」
先行し、関節技が極まっている腕以外を戦槌で叩き続けるドナ・ゴーティエ(雷公・g04485)が返す。どうやらパラドクス通信がオンのままだったらしい。アルスーリアが声にならない声を挙げて悶える。
「裸の王様……。うん、やめようこの話。マズい気がする」
神薙・焔(ガトリングガンスリンガー・g01121)が二人を制止した。遊里が操る自動砲台すら足場にして、エアライドの多段ジャンプを駆使し、『工場長』へと突貫する。
「砲身がひとつ潰されようとッ!」
ファラオ柔術に捕らわれていないほうの機関砲が、焔の後を追うように砲弾を飛ばす。ただの掃射に見えて、ひとつでも弾が当たればすぐさま集中射撃に切り替え、足止めを仕掛けてくるのは確認済み。一発たりとも被弾していい理由は、焔にはない。
「音速(おそ)いッ! 私はここ、砲火に焼かれるのはあなたのほう!」
炎の軌跡を伴って、『工場長』の胸元にガトリングガンを突きつける。
「あたしの……そして、みんなの命の炎を受けて、燃えなさいッ!」
連射した。銃身が高速回転し、絶え間なく弾を放ち続ける。至近距離であれば着弾箇所が大きくブレることもなく、どれだけ固い装甲でも、同じ箇所を撃たれ続ければいずれ貫かれる。
更に、装甲を穿つのは銃弾だけではない。
「死に様を選ばせて頂けるとのことでしたね。謹んで辞退いたします」
ドナの操る戦槌が、脆弱点を作る。面を潰す槌と、点を穿つ弾。更にそこに、もうひとつ加わる。
「エクスカリバー……」
アルスーリアが振るう、聖剣の似姿。火炎放射対策として周囲の気温を下げたことで、陽炎のような揺らめきが生まれ。
揺らめきの中で、焔が移動した軌跡の名残である炎が散り。工場を脱出した貧民達の姿を、薄ぼんやりと映す。
「……デュスノミアッ!」
穿たれた点を繋ぎ、線を作る一閃。
時空が歪み、溢れる炎が、真正面の相手を捉えた機関砲が、鉄拳が、ディアボロスたちを撃つ。
「あなた方の言う『祝福』は、彼らが心から望むものではありませんでした」
打ち下ろす鉄拳を、戦槌で打ち上げていなすドナ。
「こんなの怖がってるようじゃ、あたし達は何にも取り戻せないッ!」
跳弾に脇腹を抉られつつも、狙いを反らさない焔。
「ヒトの心を機械で置き換えて、天然自然を歪めて我が物として、戦以外存在しない世界を作る『帝国』など」
火炎放射に肌を焦がされてなお、聖剣を維持し続けるアルスーリア。
認めるものか、と、ディアボロスは吠える。
狩りこそが命の炎を燃やすべきもの、この世界で唯一の楽しみと唄う狩人のように。
●Die in vain(役立たずで死ね)
他のディアボロスが奮戦している間に、鎌夜・神月(慇懃無礼千万・g01128)が戦線に復帰した。
念動力でクロノヴェーダに喧嘩を売り続ける姿があまりにも痛々しいというディアボロスの意見により、アイゼンヴォルフを排除してから『工場長』との戦闘を開始するまでの間、戦線から外されていたのだ。
「無理矢理休まされたと思えば、アー、何だよお前。ボッコボコじゃねえか」
復帰するなり、神月は『工場長』の有様を嘲笑う。
とりあえず今は、二本の脚で歩いてはいる。集団戦でボロボロになった肘も肩も指も繋がった。
だが、やることは変わらない。真正面から突っ込んで、念動力で身体能力を強化して殴るのみ。
想定される反撃は鉄拳制裁。よって、治った部位が再びボロボロになるのは必定。
「腕も足もぶっ壊れてたほうが動きやすくて楽なんだがよ、……まあ、やるぞ」
壊し合いが始まった。
突進直後、リーチの差で神月が殴られる。殴ってきた鉄拳を神月が殴り返す。神月を掴んで放り投げ、脚を振り降ろして踏み潰す。踏み潰されたまま、神月が踵の装甲を引き剥がして殴る。
「死兵がッ!」
「そんなんじゃねえ、とっくに死んでんだボケ。お前らに全部奪われちまって、俺は本当に『俺』なんだか解んねえ」
ここぞとばかりに、遊里の自動砲台が装甲のない踵を抉る。サァエフの柔術で全ての関節やアタッチメントがボロボロにされた腕を、誠司のワイヤーが切り裂く。更にドナの鉄槌が神月を踏みつけている脚の膝を打ち、神月が逃れる隙を作る。
「だから、お前も死ねよ。死んでくれよ。役立たずの鉄屑になってくれよ、なあ?」
神月が見せるのは、焔やアルスーリアが見せるような明るい感情ではない。
(「戦火に飲まれた一般人のそれに近い。身体を動かす念動力も、強い怨念の為せるものか?」)
クラウスはそう考察する。兵士としてのマインドセットとは正反対のものだ。が、ディアボロスが本能的に収集してしまう心の闇を、昇華せず己のものとして扱うだけあって、力の底は深い。
「新兵が闇に飲まれぬようにしてやるのも、下士官の仕事か!」
クラウスが、神月を踏みつけていた脚の膝裏にアイゼンを叩き込む。踵の装甲が外れたのだ、安定した姿勢を保つことは出来まい。更に膝に追撃を入れれば、巨体を倒すことも可能になる。
聖剣が、ガトリングガンが、次々と巨体を撃つ。
とうとう、鋼鉄の巨体が地に膝を突いた。
神月は、鉄兜に覆われた頭を掴む。
「せーのぉ……!」
頭突きを叩き込んだ。頭を掴んだ状態で大きく身体を反らしてから叩き込む、クラシックな喧嘩技。
一発。鉄兜が凹む。二発。神月の額が大きく裂けて、血が流れ出す。三発。髑髏にヒビが入る。
「おいちょっと待てあのヤンキー誰か止めろ! 頭が砕けても続けるぞアレ!」
遊里が叫ぶ。
「……かしこまりました」
四発目、未遂。『工場長』の背後から現れた何者かが、『工場長』の首を刎ねていた。
更に、返しの刃が、背部のタンクを固定していたジョイントを斬る。
「失礼いたしました。凶手の刃は、誰にも悟られてはなりませんので」
『工場長』の首を背後から刎ねたのは、小夜であった。
「撤収! 口上聞く前にさっさと逃げるぞ!」
ディアボロスたちは撤収した。
●それは、諦めないもの達の物語
事前の情報通り、『工場長』は自爆した。
皇帝ヴィルヘルム2世を賛美するようなことを叫んではいたものの、皇帝が何者かについての情報は得られず。
『地下軍需工場』は、生産途中のゾルダートや、ゾルダート用の装備も含めて、湖の底に沈むこととなった。
「……懐かしい味に触れられただけ、良しとするかしら」
焔が零す。視線の先には、工場を飲み込んだ湖。
「あの、ドイツのお料理ってどんなものなんですか? 新宿島だとお肉かおいもばかりで」
尋ねてくるアルスーリアに、例えばそうね、と返して。
パラドクストレインが着くまでの間、暫く、ドイツ料理に関して話に花を咲かせることとなった。
(「全部、取り戻すんだから。諦めるつもり、ないからね」)
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【修復加速】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【モブオーラ】がLV2になった!
【操作会得】がLV4になった!
【怪力無双】がLV2になった!
【託されし願い】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【隔離眼】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
【ガードアップ】がLV2になった!
【ロストエナジー】がLV2になった!
【フィニッシュ】がLV3(最大)になった!
【先行率アップ】がLV5になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!
【命中アップ】がLV5(最大)になった!