リプレイ
河津・或人
せっかく断片の王に近づけるチャンスなんだ
援軍なんて無粋な真似させてたまるかよ
あーいや、当事者的には当たり前の対応だけどな?
移動の足は新宿島から冬装備・スキー用品一式を持ち込んでおくか
クロスカントリー用の、何かあった時には登りも意識した装備にしておこう
No Fog MODで視界を確保し
なるべく気づかれないコースを滑って一気に接近
可能なら不意を突いて多数を巻き込むように敵を射撃して優位に立つぜ
事実上のバイアスロン状態じゃねーかこれ
体力配分に注意して、バテねぇようにしないとな
敵の攻撃は水中じゃないから【完全視界】を利用して
位置を看破して意識外の攻撃を喰らわないように把握して防御するぜ
新城・橙花
味方と協力、常に位置は把握するようにするよー。
まずは白い外套とフードでカモフラージュ。
敵の通りそうなところに白く塗った糸とそれにつないだ手投げ焙烙を設置。
そして相手より高いところで待ち構える。
敵が仕掛けに引っかかったら手投げ焙烙を投げつけつつ側面から突撃。
混乱させながら攻撃しては通り抜けてを繰り返してこちらの位置を絞らせない。
[光使い]も使って幻惑もするよ。
「砂漠のキツネの敵は雪山の中の白狐だねっ」
十分に数が減ったらパラドクス発動。
「この刃は身を断ち、心を食みます」
逃がさないように先頭から倒していくよ。
四千寺・凱
ここで増援を絶ってしまえば
王宮で闘う皆々の為になるでござる
数多の地にて決起しているようでござるが
全滅させる所存で参る
準備品は新宿島より『すきー』用品と
『さばげー』の寒冷地仕様の一式
拙者は隠れ身の術にて【光学迷彩】を発動して
自分や隠密行動の仲間を支援して
初手の奇襲を成功させることに
注力するでござるよ
隠れたがる敵には斬撃や刺突で血を流させると目立ちそうでござるなあ
返り血を浴びぬよう注意するでござる
相手が見つかっているのならば反撃には落ち着いて防御するか
さっさと滑り降りて回避を行うでござる
撃ち漏らしのないように、上の敵から全滅させために
回避ルートは下になりすぎないよう選ぶでござる
雪の中、山越えを目指すゾルダート大隊の行軍は滞りなく進んでいた。
断片の王に復讐者が近づく機会を阻止せんとする指揮官に率いられし水中戦装備のゾルダート達は、降りしきる雪の間を泳ぐかのようにして山頂を目指していく。
「せっかく断片の王に近づけるチャンスなんだ。援軍なんて無粋な真似させてたまるかよ」
そんな光景を、山の上から冬の装備に身を固めた河津・或人(エンジェルナンバー・g00444)という復讐者が見下ろしていた。
断片の王が倒れればこのディヴィジョンは元の歴史に戻ってしまう。ゾルダート達が援軍に向かうのも当事者的には当然なのだろう。
けれど、復讐者達にはそんな事情は関係ない。
「ここで増援を絶ってしまえば王宮で闘う皆々の為になるでござる」
仮面の妖狐、四千寺・凱(妖狐の鬼狩人・g04874)が呟く。他の地からも援軍は向かってきているようだがそれも含め全滅させる、そんな気概で彼は戦に臨んでいる。
「それにしてもこの『すきー』と『さばげー』の道具は便利でござるな」
「ああ、俺もクロスカントリー用の装備で登ってきたけど便利だよな」
新宿島から準備して装着してきた寒冷地仕様の装備の具合を確認する凱に或人も同意する。
そんな二人から少し下った位置には真っ白な外套で体を覆う妖狐の新城・橙花(呪刀の裁定者・g01637)が雪に身を伏せていた。
深く被ったフードで金の髪と狐耳を隠し、坂を登ってくるゾルダート達に存在を悟られないようにしている彼女がいるのはゾルダート達の進行ルートの少し先の上方、既に奇襲の準備を整えている。
「……かかった」
そして仕掛けた白糸にゾルダートが触れ、糸の先に繋げた棒焙烙が引っ張られる感覚に橙花は小声で呟き流れるように導火線に火を灯す。
そして手投げ焙烙を橙花が投げ落とすと同時、凱と或人も行動を開始。
「――オン・アニチヤ・マリシエイ・ソワカ」
摩利支天の真言を唱え凱がパラドクスーー忍法・隠れ身の術を発動すれば、その姿は光学迷彩の残留効果により雪に溶け込むように見え難くなっていく。
「こういう時は、MODを入れて設定するだけ」
ゲーミングリアライザーを操作し或人がパラドクスを発動すると、瞬時に視界の降り続ける雪が不可視化し、ゾルダート達の姿がくっきりと見えるように現実が改変される。
白糸に繋がれた焙烙が引っ張られるようにしてゾルダートの足に命中し炸裂、同時に三人は一斉に動き出した。
或人と凱の作戦は装着したスキー板での滑降、空泳ぐゾルダート達が気付ような見え辛いルートは確認済で、炸裂音に気を取られたゾルダートは復讐者達の接近に気が付かない。
完全視界の補助を頼りに滑降する或人は滑降しつつ手にしたバスターライフルとアームドフォートより弾丸をばら撒くように乱射していく。
奇襲は見事に成功、クリアな視界で捉えたゾルダート達に銃弾が叩き込まれていく。
更に橙花が大隊の側面に回り込みゾルダートに突撃していく。
点火した手投げ焙烙を空泳ぐ軍勢のあちこちで炸裂させて撹乱しながら大隊を突っ切っていく。
雪のように白い外套の反射光を操作し吹雪の中を駆ける彼女はゾルダート達には視認し辛く、気配も音も絶ったゾルダートのダイビングナイフでの恐るべきパラドクスによる奇襲も上手く捉えきれない。
「砂漠のキツネの敵は雪山の中の白狐だねっ」
この大隊を率いていた将軍の異名にかけて橙花が言いつつ、或人のパラドクスによる射撃で弱り高度を落としたゾルダートへと飛びこみながらパラドクスを発動。
「この刃は身を断ち、心を食みます」
背丈ほどもある譲葉という銘の呪剣の瘴気の如き呪いを開放してゾルダートを一閃、その肉体を侵食する呪詛と斬撃に腹部で両断されたクロノヴェーダはそのまま山を転がり落ちていく。
反撃のナイフが掠め傷を負うも、橙花は止まらず反撃を受けながらも大隊を突っ切り折り返し再び切り込んでいく。
そんな風に派手に暴れる橙花に合わせ、視認され難くなる加護を得ている凱が大金棒を振るい心理的死角からゾルダートを殴り飛ばす。
「……血は目立ちそうでござるなあ」
刺突、斬撃による流血。或いは返り血により目立つ事を避ける為の殴打。攻撃されたゾルダートは即座にダイビングナイフで反撃するが、凱はスキーで雪上を滑降し斬撃の直撃を回避する。
とはいえ下り過ぎて離れてしまえば逃がしてしまう可能性――討ち漏らしが発生してしまう。
一体たりとも逃がさぬよう、凱は忍法で敵の心理の死角に身を隠しながら敵を確実に叩き敵数を減らしていく。
一方の或人はクリアな視界で片手でストックを、片手でバスターライフルを構えて空のゾルダートを撃ち続けていた。
(「事実上のバイアスロン状態じゃねーかこれ」)
ライフル射撃とクロスカントリーを組み合わせた冬の競技があるが、今の或人はまさにその状態。
空泳ぐゾルダートの奇襲を姿勢を低くして雪を滑り回避しつつそんな事を考えてしまう。
残留効果による視界の確保は変わらず万全、雪に紛れた奇襲も意味を成さない。実際に消滅しているわけでないから冷たさは多少感じはするのだが。
ただ敵数は多く、指揮官との戦いも踏まえた体力配分は少々難しい。
バテないよう注意しながら或人は反撃を躱し、時には防御しつつ空のゾルダートを次々に撃ち落としていく。
広域に弾幕を張りゾルダートを撃ち落とす或人、身を絶ち心を食む呪剣で斬り刻む橙花、そして二人をサポートするよう身を隠し支援に徹する凱。
その布陣で三人は反撃を受けつつも被害を抑えて敵兵力を四割程度削り取り、そして包囲されてしまう前にスキーでの加速や雪に身を隠し一旦大隊の反攻から逃れ離脱したのであった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【完全視界】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
プターハ・カデューシアス
【賽】
■作戦
完全視界で視界確保
敵の行軍ルート確認し地形利用により
谷におびき寄せアヴァタールと分断し奇襲
雪山
エジプトには無い景色ですね、絶景
寒いですが気分は上がって参りました
アイテムの軍服とエグニママントで防寒
新宿島入手のスキー、ゴーグルを装備
私は囮役
雷獣召喚により、派手に敵の哨戒を攻撃
引き付けて目的の場所へ誘導
装備変えてもらえなかったんですね
帝国も世知辛い
反撃は翼を動力に使いスキージャンプで躱し
空中戦や幸運では負けません
潜伏中の仲間の元に届けます
故郷奪還に力添え下さるエトヴァ様の為
微力ながら、ご恩お返し致します
断片の王との決戦に水は差させない
ナディア様、ソレイユ様へのP攻撃は防御を
アドリブ歓迎
ソレイユ・クラーヴィア
【賽】の仲間と
凄い雪ですね
スキー経験は無いので少し新鮮です
それにしても何故雪山で潜水装備なのか
ゾルダートと相対すのも始めてですが、謎が多い相手の様です
ゴーグルと防寒着とスキーの装備で雪山対策します
完全視界で状況を確認して
待ち伏せに適した谷地形に光学迷彩で潜伏
プターハの囮に誘われて部隊が現れたら
エトヴァのパラドクス通信の合図に従い
仲間と不意打ちを仕掛けます
宙に展開した鍵盤で「鐘」を演奏し
シャムスの盾の後ろから一撃を入れ隊列を乱してやれば
ナディアの行動阻害に繋げられるでしょうか
仲間へのW攻撃で受けれるならディフェンス
慣れない場所ではありますが、遅れを取るわけにはいきません
精一杯努めを果たしましょう
シャムス・ライラ
【賽】で共闘
情報共有、連携
…ここは雪山のはずなのに
何故潜水装備の敵兵がいるのだろう
ドイツ七不思議的な?
雪対策にゴーグル、防寒着、スキーを持参
地形の利用、情報収集で戦場の概要を把握
行軍経路上の谷間等を利用し奇襲を仕掛ける
プターハ殿が囮を買って出てくれている隙に
忍び足、光学迷彩で潜み
伏兵として仲間と呼吸を合わせ不意打ち
視界は装備と完全視界でフォロー
「星の銀」で無数の盾を生成し、連ね
仲間も含む風除け、防御も兼ねながら
シールドバッシュで敵を連撃
仲間と狙いを合わせ、一体ずつ確実に倒す
敵のダイビングナイフは盾で反らし
ジャンプと一撃離脱で回避
ナディア殿、ソレイユ殿へのPOW攻撃はディフェンス
アドリブ等歓迎
ナディア・ベズヴィルド
【賽】
防寒具、ゴーグル、移動用にスキーのセットを用意していざ雪山に
【完全視界】で周囲を見渡し地形を確認
【光学迷彩】を使い、相手に気取られぬように行軍の横に位置しサイドから不意打ちを仕掛ける
ところで何であいつら潜水装備を雪山に持ち込んでるの?
科学力さえあれば何でもあり?それにしても見た目悪くない?
と、思い切りこき下ろして
使えそうな氷塊、雪塊があればそれらを《風使い》で吹き飛ばし
行動を阻害してPDで攻撃を
仲間と連携を取り乍ら負傷度合いが高い敵を優先に確実に仕留めていく
残念だけどヴィルヘルム2世に元へは行かせないわ
ここで埋もれて果てるがいい!
【賽】仲間のWIZ攻撃にはディフェンスに入る
アドリブ歓迎
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
【賽】
連携アドリブ歓迎
WIZはディフェンス
異国の仲間に
ドイツをいつかご案内したい……と思っていた
今は戦いの時
……頼もしい仲間と行こう
雪上迷彩で統一
コート、ゴーグル、帽子、手袋、覆面等防寒対策
移動は雪上スキーで
完全視界、光学迷彩を借り
【パラドクス通信】を共有し連携
双眼鏡で偵察し敵部隊を発見
待ち伏せに効果的な地形の情報収集
地形の利用し、雪原に紛れ潜伏。谷ならば上方に
氷雪使いでスキー跡を隠蔽
敵部隊が深く追い込まれたら、奇襲タイミングを合図
一斉に不意打ち
包囲し、仲間と連携攻撃で畳み掛ける
高低差は楔とロープで立体的移動
戦場を観察、味方を狙う敵を狙い、狙いを合わせ確実に倒す
魔力障壁で防御
遮蔽物と迷彩で回避
『援軍である我らは何としてでも辿り着かねばならない! 数を減れど熱き忠誠心を滾らせよ!』
精神論をぶち上げつつ、指揮官であるメカザウルスが吼え部下達を叱咤し削られた軍勢を再編成して雪中行軍を再開する。
先程よりも慎重に、山頂を越えて障害物が多く襲撃される危険が高いルートを避けて谷の方へと進んでいく。
――その先にディアボロス達が待ち構えている事を知らずに。
その少し前、行軍ルートの少し先にて。
復讐者達はV字型に窪み緩い谷のような地形になっている場所で奇襲の準備を整えていた。
「凄い雪ですね」
デーモンの少年、ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)の吐く息は白く、険しい雪山の寒さが見て取れる。
これ以上無い程に防寒装備を整えている彼、スキーの経験はないから少し新鮮だ。
「エジプトには無い景色ですね」
仲間と共にやってきたエジプト生まれのプターハ・カデューシアス(エジプトの龍人・g03560)にとって、このように深く積もった雪山は初体験。
寒い時期の砂漠の夜とはまた違った雪山の寒さを体感しつつも、竜人仕様の軍服に防風マントと十分防寒装備を整えている彼の気分は絶景を前にして上向いている。
「……ここは雪山のはずなのに何故潜水装備の敵兵がいるのだろう」
手際よくこの待ち伏せに都合のいい地点を見出したリターナーの青年、シャムス・ライラ(極夜・g04075)だけれども、その疑問についての答えは持ち合わせていない。
ゴーグルを装着した彼の視界は残留効果により降りしきる雪に妨げられずクリアである。
しかしゾルダート達にはその恩恵はなく、谷の底の方から見上げたとしても潜伏する復讐者達を発見する事は困難だろう。
「其方は大丈夫でしょうか」
その谷を挟んだ向かいに身を隠す天使の青年、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)が通信機越しに問いかけてくる。
「こっちは準備できたわ」
仲間たちと同じように防寒装備に身を固めた妖狐のナディア・ベズヴィルド(黄昏のグランデヴィナ・g00246)が応えた。
彼女がいるのも谷の上、他の四人よりは山頂側で準備を整えていた。
「それでは誘き寄せてきましょうか」
そう仲間達に言い残し、ゴーグルを装着したプターハは仲間達から離れゾルダート達のいる山頂側へと向かっていった。
スキーで一歩一歩登っていって、竜人はゾルダートの部隊を発見する。
雪の中、残留効果によって視界は十分に確保されている。この雪の中でも行軍の為に空を泳ぐゾルダート達の姿は丸見えだ。
仲間達が待つ場所に誘き寄せる為に、プターハはパラドクスを発動させる。
「天鼓響かせ、出でよ雷獣!」
プターハが叫びと共に家伝の杖を模したカデューシアスを翳せば、その先端から雷雲が空に広がっていく。
ゾルダート達の近くに雷が落ち爆発したと同時、爆発の中から雷で象られた豹が現れて空泳ぐゾルダート達の間を駆け抜け雷の衝撃を叩き込んでいく。
敵襲だ、反応したゾルダート達は右腕に装着したハープーンガンからプターハに向けて銛を発射、貫かれれば銛に繋がれたワイヤーに動きを阻害されることは避けられないだろう。
しかしそれらを冷静に見切ったプターハは雪山に合わせた白のマントを翻しつつ回避、
「装備変えてもらえなかったんですね。帝国も世知辛い」
哀れむように挑発をしてから背を向けて谷へとスキーで滑降し始める。
当然ゾルダート達は彼を追う。再び奇襲を受ければ戦力が削られてしまうからだ。
次々に竜人の背に向けて発射される銛は、翼をも活用して華麗にジャンプを決める彼には幸運も味方して直撃には至らない。
そのままプターハは斜面を下り先の谷底へと滑って行って、それをゾルダート達は空泳ぎながら追いかける形となっていた。
「――来ました」
双眼鏡越しにプターハの帰還を確認したエトヴァが通信機を通して仲間達に告げる。
ここに来るまでの五人の痕跡は氷雪を操って丁寧に消し去っている。元より囮のプターハにおびき寄せられており、残留効果による雪山に合わせた光学迷彩も合わさっているから、坂の上の復讐者達にゾルダート達は気付いていないようだ。
(「異国の仲間にドイツをいつかご案内したい……と思っていた」)
こんな形、こんな場所で仲間達を案内する事になるとは皮肉だとエトヴァは思う。
だが今は戦いの時だ、とプターハが坂の下に到達したことを確認して思考を切り替える。
彼がかつて修行した芸術の都を取り戻すために、頼もしい仲間達に向けてエトヴァは攻撃の合図を伝えた。
『おい、あまり先行するな!』
最後尾の指揮官が注意するが既にそこは谷底。
エトヴァの通信機越しの合図に合わせ、シャムスが坂の上からスキーで飛び出しながらパラドクスを発動する。
「星の加護を」
その言葉と共に不思議な金属が生成され、彼の想像するままに強靭な盾を無数に形成して眼前に整然と展開される。
雪混じりの冷たい風を盾で防ぎながら、思いきり息を吸って進路上にいたゾルダート達に盾を力任せに叩き付ける。
強烈な一撃に吹き飛ばされるゾルダート、しかしすぐさま水泳の要領で態勢を立て直すと、音もなく気配を消してシャムスの真上に飛んできて肉厚のナイフで急所を狙ってくる。
即座に対応するリターナーの青年は盾の表面を滑らせるように逸らし、スキーでの加速のままにジャンプして突っ切っていった。
シャムスの生成した盾は仲間達の前にも幾らか展開され、その影に隠れながらソレイユがグローブ型のVR機器を起動。
すると彼の周囲の空間にピアノの鍵盤が浮かび上がり、
「裁きの時です」
鐘を打ち鳴らすように鍵盤上に指を激しく踊らせてパラドクスを発動、雪降らせる雲を割って不可視の何かが降臨し、空泳ぐゾルダートに痛烈な一撃を喰らわせる。
さながらゾルダート自身が鐘のよう。
反撃にかかろうとするゾルダートへと狙いを定め、エトヴァがパラドクスを発動する。
「Es ist Zeit――dass wir zusammenstehen.」
エトヴァの歌声が雪山の空気を震わせ仲間達を鼓舞する。同時、歌声の伝わった空間一帯にエトヴァから蒼き雷が放たれる。
音を媒介にしたかのようなその雷は強かに空のゾルダートを撃ち据えその身を硬直させた。
奇襲に動揺するゾルダート達を落ち着かせんと指揮官のメカザウルスが怒声をあげようとするが、それを坂の上から落下してきた大量の雪の塊が阻む。
それを成したのはナディアだ。彼女は隊列が伸びきって指揮官と分断できるタイミングを計っていて、このタイミングで風と共に雪の塊を落としたのだ。
雪の塊は最後尾のメカザウルスとその前を往くゾルダート達の間を分断するように砕け積もる。クロノオブジェクトでないからすぐに砕かれてしまうだろうが、その間にできる事はある。
ナディアもゾルダート達の側面を突くようにスキーで滑り降りながら詠唱を開始、
「来たれはるか冥河に厚く立ち込めたる死の霧よ――」
パラドクスを発動する詠唱、恐ろしきものへと語り掛け敵を砕き屠る願いの言葉の終わりと共に、悍ましき影の手の群れが負傷しているゾルダートに襲い掛かる。
奇襲の一撃に反応できず、無数の影の手に引き裂かれゾルダートは砕かれその生命の鼓動を停止させられる。
後には何も残らない。
「残念だけどヴィルヘルム2世の元へは行かせないわ。ここで埋もれて果てるがいい!」
スキーで加速しながらナディアが叫んだ。
ここまで惹きつけたなら十分、陽動の役割をきっちり果たしたプターハはエトヴァを見る。
「微力ながら、ご恩お返し致します」
エトヴァに恭しくプターハは言う。故郷、エジプトを奪還する為に力を貸してくれている彼への報恩、断片の王との決戦に水を差させないと、決意は固く。
混乱している間に決着をつける――そう目的を定めた復讐者達の攻撃は、ゾルダート達を容赦なく蹂躙していく。
一方の反撃も、混乱に陥ったゾルダートの攻撃は精彩を欠いていて、連携を綿密にとる復讐者達を切り崩す事は叶わない。
ピラニアの如く群がるゾルダートの集団戦術に対し、エトヴァはスキーを巧みに操り躱しながら歌声と蒼雷で迎撃する。
魔力障壁が削られる衝撃はあるがダメージは軽微で、反撃で与えたダメージの方が大きいだろう。
「ところで……何であいつら潜水装備を雪山に持ち込んでるの?」
そんな中、ふとナディアが呟いた。
「あ、ナディアもそう思いました?」
ゾルダートと初めて相対するソレイユも同意する。
何故雪山で潜水装備なのか――単にその装備を外せないだけなのかもしれないけれど、実際の所どうなのだろう。
「……ドイツ七不思議的な?」
シャムスもあくまで疑問形、それでも真実味を感じるのは何故だろう。
このような地でさえ活動できる科学力の賜物だと、ガスマスク越しにゾルダートは返してくるが、
「それにしても見た目悪くない?」
ナディアが直球でこき下ろし。
『貴様ァッ!』
ゾルダートは切れた。
右腕のハープーンを怒り狂ったように発射してくるが、プターハがそれを阻み蒼き雷獣にゾルダートを引き裂かせた。
(「……謎が多い相手の様です……」)
と、ソレイユは真面目に考え込みつつ、幻想的なピアノを奏で次のゾルダートに鉄槌を下していく。
慣れぬ冬山、けれど仲間と共にあるのであれば敵に後れを取るわけにはいかない。
持てる精一杯を尽くし、反撃の刃を魔力障壁で防ぎながらソレイユの演奏にも熱が籠っていく。
仲間のパラドクスに墜落させられるゾルダートを見つつ、スキーで滑りながらエトヴァは戦場全体を見渡す。
弱ったゾルダートへナディアが影の腕を伸ばし、呼吸を合わせたシャムスの盾がゾルダートを追撃し雪の斜面に叩き付けている。
雪の中、敵は雪に合わせた装いの復讐者達との距離感が掴めないのか残留効果の影響か狙いがやや甘くなっている。その状況で仲間達は標的を絞り確実に敵数を減らしていく。
確実に数を減らせているが油断は禁物、少しでも早く全滅させんと仲間達と合わせるようにエトヴァは再び歌声を響かせていく。
やがて指揮官が雪の塊を漸く突破し合流する。
だがその時には配下は全て雪上に叩き落され、立っていたのはディアボロスのみであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【避難勧告】LV1が発生!
【光学迷彩】がLV2になった!
【フライトドローン】LV1が発生!
【完全視界】がLV2になった!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
【アヴォイド】がLV2になった!
【先行率アップ】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
●機械恐竜吼える
『貴様らァッ!』
配下全てを失ったアヴァタール級クロノヴェーダ『メカザウルス』は体に纏わりつく雪を振り飛ばし復讐者達に向かい吼えた。
少々頭脳は足りないものの性能面では配下のゾルダートを上回る。
既にベルリン王宮への援軍はできなくなっているものの復讐者達に一矢報いんと、姿に相応しき暴力を振るわんとするクロノヴェーダに復讐者は相対する。
指揮官一体、それをわざわざ逃してしまう道理もないのだから。
雪が一層強く降り始める中、雪山の谷底での戦いが始まろうとしていた。
新城・橙花
「他の皆と協力してカラクリ犬を退治だよー」
残留効果【光学迷彩】と[光使い]で徹底的に自分の姿を隠すところから開始だねー。
雪の中の視界は残留効果【完全視界】で対応。
じっくり[観察]して[機械知識]で弱そうなところを把握したら[忍び足]でこっそり近づいて弱点を大剣型呪刀【譲葉】で攻撃。
なるべく一撃離脱で相手の攻撃を受けないような位置に移動しながら攻撃続行。
雪の中だから足をとられそうだけれど、[念動力]で足の動きを増強しつつ[ダッシュ]することでフォローするね。
相手の動きが鈍ればパラドクス呪剣【金剛豪閃】。
「我纏うは金剛力士が剛力…吹き飛べっ!」
四千寺・凱
潜水者たちを一網打尽に出来て天晴でござるな!
引き続き【光学迷彩】で敵から補足されぬよう隠密行動を心掛けるとしよう
とはいえ、さすがに存在を見つかってしまってはいるので
忍法・雪女衣の術で吹雪の追加を致そう
雪に紛れてそのまま逃げられれば良いのでござるが…
敵の反撃には雪女衣の【飛翔】で回避したり
雪の積もったところへ火炎を吐かせて一旦溶かしてしまうでござる
以降は再凍結で『あいすばぁん』となって
飛行できなければ足回りに不利をもたらすでござるよ
接近されたら鈍器で殴りつけて重心をずらして転びやすくするのも良かろう
谷底から一旦飛行で山肌を登ることで
もう一度『すきー』による奇襲も可能にしておくでござる
河津・或人
ついに谷底まで追い詰めたか…
一旦見つかっちまったが、状況によっちゃまた吹雪を利用させてもらうぜ
こっちは【完全視界】な分視認有利は相変わらずのはず
無を取得して【トラップ生成】
(スキー板で攻略できる程度の)足元ツルツルトラップにしてやるぜ
ダブルキャノンのロックオンから逃れるように滑ったり
吹雪の濃いところでロックオン自体を難しくしつつ戦おう
撃ち合い有利な遠距離砲撃をかましてやりたいところだが
上手くトラップがはたらいて転ぶようなら
スキーで加速して突っ込んで行って
プラズマパイルバンカーで遠慮なくぶち抜いてやるぜ
うーんあのフォルム、妙に浪漫にあふれててやっぱ一味違うんだよなぁ
(欲しいなー)
谷の底で吼える機械恐竜を、坂の頂点付近から三人の復讐者達が身を低くして覗き込んでいた。
「ついに谷底まで追い詰めたか……」
坂の上から吼えるメカザウルスを見下ろすのは河津・或人(エンジェルナンバー・g00444)。
僅かに感じる雪の冷たさは変わらないが、視界自体は残留効果によりクリアになっていて、倒されたゾルダートとメカザウルスの姿もよく見える。
「あのダイバー達ももういないみたいだね」
身の丈程もある呪刀を抱えた妖狐の新城・橙花(呪刀の裁定者・g01637)が言う。
最初の襲撃の後、一旦距離を取って態勢を整えた三人が再び追いついたのがこのタイミングだった。
「潜水者たちを一網打尽に出来て天晴でござるな!」
気づかれぬ程度の声量で上機嫌に言うのは四千寺・凱(妖狐の鬼狩人・g04874)。
潜伏している三人の姿は残留効果により坂下で吼えるメカザウルスには気づかれ難くなっている。
とはいえ、既に指揮官は戦闘態勢に入り神経を尖らせているだろうから完全な奇襲を仕掛ける事は難しいかもしれない。
「あのカラクリ犬も退治だよー」
そんな事を考えつつも橙花はすでにやる気満々。カラクリはともかくとして犬ではなく恐竜なのだが、皇帝の元を目指そうとする忠犬という意味なら間違ってもないだろう。
「うーんあのフォルム、妙に浪漫にあふれててやっぱ一味違うんだよなぁ」
一方で或人はどことなく物欲しげな様子。記憶は混濁して少しばかり曖昧だけれども、機械恐竜というあの姿には少しばかりロマンを感じてしまうようだ。
とはいえ、破壊しなければ一体だけでベルリン王宮へと馳せ参じてしまいそうな勢いのクロノヴェーダ。ここで必ず撃破せねばならない。
幸い残留効果はゾルダート達との戦いである程度重なっている。
その中の一つによってこの雪の中、敵の姿を変わらず視認できているのは大きい。
だから或人はもう一押し、攻め易くするためにパラドクスを発動する。
――するのだが、
「……何をしているのでござる?」
「儀式……かな」
パラドクスを発動させる或人に凱は困惑する。それもそのはず、或人がパントマイムのように何もない空間で物を持ち上げする奇妙な動作を始めたからだ。
だが或人自身は至って真面目。何故ならこうしなければミリ秒単位の短時間だけ訪れる時空の狭間に手を伸ばす事ができないのだから。
その内、何もないはずの彼の手に異様な物体が現れはじめる。これは違う、あれも違うと彼の手が動く度に異様な物体が切り替わるように変化していき、そして、
「セットアップ完了! 手品のお時間だ」
訳の分からない何かをその手に呼び出してそう宣言すると同時、メカザウルスの足元の雪がアイスバーンのように滑り易く変化する。
残留効果による非殺傷性の罠の作成により、滑り易い床という罠をメカザウルスの足元に生成したのだ。
(「これならばわざわざ雪を溶かさせずとも大丈夫でござるな」)
メカザウルスを翻弄し、その火炎放射の余波で似たような事を狙おうか考えていた凱だが、こちらの方がより簡単で確実だ。
敵周囲の地形の変化に合わせ、攻撃する為に凱もパラドクスを発動する。
「決して、誰にも話してはなりませぬ――然すれば」
詠唱と共に口寄せした白装束――『死』を表すそれを、凱は瞬時に身に纏って冷たく輝く息をメカザウルスに向けて坂の上から吹きかけた。
しんしんと降る雪が勢いを増して吹雪のように変化していく。――それは機械の身からも生命力を奪っていく冷気。
凱のパラドクスによる攻撃に対し、即座に機械恐竜の口から火炎のブレスが放たれる。
口内の火炎放射器から放たれたその火炎を、凱は白き衣を纏う仙女のように飛翔し雪の中に紛れるように身を隠しながら回避する。
飛翔する凱に機械恐竜の注意が向いたそのタイミングで或人がスキーで滑降を開始、バスターライフルから光線を発射してその頭部を狙い撃っていく。
着弾と同時、或人に向けて二門の砲から連続で砲弾が放たれる。
坂に着弾した砲弾が炸裂し降り積もった雪を吹き飛ばしていくが、スキーで滑走する彼を捉えられない。
そして二人の攻撃にに隠れる形で橙花も雪を静かに踏みながらメカザウルスへ回り込むようにして慎重に近づいていた。
先の戦いと同様に雪色に合わせた装いを光学迷彩が馴染ませるように隠している。
飛翔する凱、そしてスキー板での旋回で砲撃を回避する或人に意識が向いているメカザウルスの動き、そして構造的な弱点を観察しつつあと少し。
雪のない視界で切り込む隙と弱点を観察しつつ間合いに捉え、一気に斬りこみ右後足に呪剣を叩き付ける。
(「……固い……!」)
弱点と思われた箇所に攻撃を仕掛けた橙花だが、予想以上に固く切断できない。
しかしここで刃を止める訳にもいかない。強引に力で押し切る形で右後肢を持ち上げるように呪剣を振り抜いた。
片足を掬われ体勢を崩したメカザウルスはよろめきながらもその尾で周囲を薙ぎ払う。しかし一撃離脱を心掛けていた橙花は剣を振り抜いた直後に駆け出して射程から逃れてしまっている。
安定したメカザウルスの四足歩行ですら滑りそうになるアイスバーンではあるが、彼女は足の動きを念動力でフォローしてどうにか走れるようにしていた。
そして尾を振り抜いて重心を立て直そうとしたメカザウルスに、更に凱が飛び込んでくる。
飛翔によりそのまま坂の上へと戻ってスキーで滑降、加速。スピードが乗った状態で鬼棍棒を彼は握り、勢いと重量を以て機械の頭部を殴り飛ばす。
凱の奇襲の一撃で立て直せない程にバランスを崩してしまい、トラップにより非常に滑り易くなった地面で踏ん張り切れずメカザウルスは横倒しに転倒した。
その隙を見逃さずに或人はストックを雪に刺して思いきり加速しメカザウルスへと飛び込んでいく。
何も持っていないはずの手で何かを投げる動作をすれば、次の瞬間にはプラズマパイルバンカーが手元へと瞬時に呼び寄せられていて。
「これでも喰らいな!」
至近距離からスタン・パイルをメカザウルスの胸部にぶち込みつつ、エッジを効かせてターンしてメカザウルスの間合いから離脱。
更に或人の攻撃に合わせ、メカザウルスの背後から橙花がパラドクスを発動しながら飛び込んでくる。
「我纏うは金剛力士が剛力……吹き飛べっ!」
仏法の剛力が橙花に宿り、背の丈ほどもある呪剣を横倒しになったメカザウルスの背にその剛力で叩き付けた。
メカザウルスの胴体の中程まで呪剣はめり込み、滑り易い地面と言う地形の影響で機械竜の巨体は摩擦鳴く滑り、砲撃の余波で雪が吹き飛ばされた坂へと叩きつけられ停止した。
四足歩行に近く二門の砲を背負う構造――鋭き爪や火炎放射による迎撃を届かせ難い箇所への一撃は、反撃も許さぬ見事な一閃。
その上で、橙花は反撃を警戒して止まらずにそのままアイスバーンを走り抜けて雪の坂へと至った。
そして三人が注視する中、メカザウルスはよろよろと起き上がる。アヴァタール級だけあって強度も相当なものなのだろう。
しかしダメージは大きいようで、言葉にならぬ咆哮を雪山に響かせながら身体各所から火花を散らしていた。
それでも、止まる様子はない。
満身創痍のメカザウルスは復讐者達に再び攻撃を仕掛け始めるのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【グロリアス】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
桐生・八重
防寒装備に雪上戦用の迷彩服に身を包み戦場に
吹雪に加えて腐食の霧、トラップ作成での煙幕で相手の視界を不良状態に
こちらは完全視界と光学迷彩を使って隠密状態になって安全圏から視界が良好な状態でパラドクスを発動
空間を魔弾に変換して虚空から縦断が飛来してくる
視界状況が劣悪な相手は『どのような銃撃型パラドクスなのか』を十分に理解することができない
その状況を活かして相手の焦燥を煽り、冷静な判断力を奪っていく
相手がこちらの位置を把握できそうな兆候を見せたらトラップで騒音を各地に発生させ、それらに気を取られている隙に飛翔で安全圏に
そうやって銃撃を繰り返し、相手を消耗させて削り取っていきます
レイア・パーガトリー
これは…私も冬装備で行ったほうが良さそうね
もう谷底みたいだから、スノーブーツと白い防寒着にしておきましょう
竜翼翔破でそのまま谷底の敵へダイブよ
【完全視界】で敵を注視
【光学迷彩】を利用した天空からの不意打ちを狙うわ
死角になる方向から行きたいけれど
地形によっては素直に垂直落下で行くわね
反撃のダブルキャノンは真上へ【飛翔】して回避
【フライトドローン】も一緒に出現させてどれが私でどれがドローンか分からなくするわ
降りしきる雪で捉えづらい方向だけれど
敵が上を向けば地上戦を仕掛ける仲間からはがら空きよ
ドローンや仲間に気を取られて私へのターゲットが外れていたら
すぐに降下して、また追撃を行うわ
(「冬装備で来て正解だったわね」)
満身創痍ながら谷底で暴れ回るメカザウルスを見下ろしつつ、白い防寒着とスノーブーツを装着したレイア・パーガトリー(毒棘の竜騎士・g01200)はそんな事を思う。
彼女と同じく雪上戦用の迷彩服に身を包んだ天使の少女、桐生・八重(超中学級のホワイトハッカー兼電脳に聳える隠者・g03785)も防寒対策は万全にメカザウルスの様子を観察する。坂の上にいる二人に気付く様子はなく、光学迷彩を利用した潜伏は上手く機能しているようだ。
今なら仕掛けられる――そう判断した八重はトラップ生成の残留効果でメカザウルスの足元に罠を仕掛けた。
雪を踏みしめるように機械恐竜が踏み込んだ先、突如地面から煙が噴き出す。
煙幕の罠――八重の仕掛けたそれは、残留効果の加護を受けないメカザウルスの視界のみを悪化させるもの。
煙と降雪の混じった領域を八重が観察する中、レイアは矛を手にしてパラドクスを発動。ドラゴニアンとして有する背の竜翼を広げ曇天へと飛翔した彼女は、十分な高度を目指し急上昇する。
降雪は残留効果により視界の妨げにはならず、はっきりとした視界で狙うポイントは機械恐竜の背の呪剣にかち割られた一点。
幸い八重のトラップにより地上からの襲撃に意識を向けているようで、直上へと飛翔したレイアには気づいていないようだ。
翼を畳み気味にして急降下を開始。落下速度が上がり切ったタイミングで、ようやくメカザウルスは上空からの襲撃を感知する。
慌てて二門の砲を向けようとするものの、それらが放たれる前にレイアの王笏にも似た矛が傷口に叩き付けられた。
強烈な一撃を叩き込んだ手応えと共に即座にレイアは真上へと飛翔し離脱。だが、メカザウルスの二門の砲から轟音と共に反撃の砲弾が放たれた。
攪乱の為に上昇開始と同時にフライトドローンを出現させ別方向に飛ばしていたが、一撃を加えたレイアにずっと照準を合わせたアヴァタール級の砲撃は二発とも彼女に向かって飛来してくる。
翼を広げ急旋回し、何とか直撃を回避するレイアと入れ替わるように、八重もパラドクスを発動する。
「拡張せよ、無限の可能性秘めたる現実を。それは邪悪に死と破滅を齎す為に弾丸そのものとなる空間」
ワールドハッカーたる八重のパラドクスにより現実世界が改変され、空間そのものから魔弾を生成されていく。生じた魔弾は虚空よりメカザウルスに向け射出され、機械の身を貫き損傷させる。
召喚術にも似た完全に視覚外からの魔弾は、どのような銃撃なのかメカザウルスには把握できないだろう。
尋常の相手ならば焦燥するはずのその状況。けれどこの指揮官機は悩むには少々単純過ぎたのか、或いはそれを探る事に意味はないと切り捨てたのか――銃撃を無視し周囲の状況把握を開始。
攻撃動作中の八重の影を煙幕の向こうに見出したメカザウルスは、瞬時に狙いを定めて口腔の火炎放射器から火炎を放つ。
雪上を転がるようにして回避しながら八重は別のトラップを生成、作動させた。
すると非常に高い音が谷の周囲あちこちから響き、未だ立ち込める煙幕に視界を奪われたままのメカザウルスは音の方向に火炎を放ち焼き払っていく。
だがその隙に八重自身はメカザウルスの射程から離脱、標的から一瞬外れた隙に上空からレイアが再度の奇襲を仕掛けた隙に再び雪色の迷彩に身を隠すのであった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【操作会得】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
【賽】
連携アドリブ歓迎
……ドイツ帝国はこういう国なんだ……
うん
雪上迷彩の防寒対策に、光学迷彩を加え
姿を晦ましながら戦う
完全視界、P通信で同戦場の仲間と情報共有し連携
チーム内をディフェンス
溶けた雪の足場対策に、移動は天候に巻かれぬ程度に飛翔を
谷の地形の利用し、上方から攻撃を仕掛ける
仲間と包囲するよう立ち位置を調整、クロスボウの矢で貫通撃
一対一に持ち込ませず撹乱し
敵を観察、瞬発力や攻撃動作を看破
隙を見て二射で爆破
反撃には魔力障壁を展開、立体的に回避
雪と戯れるエジプトの皆を微笑んで見守ろう
心の和む心地がする
は、プターハさんが大変
登山用の防寒毛布とカイロで救援を
これで保温を……
皆、寒い所までありがとう
ナディア・ベズヴィルド
【賽】
配下は見た目が悪くて格好付かないのだったのに貴方…ちょっと可愛いかも怪獣さん
可愛い可愛くない関係なく貴方も此処で駆逐するだけです
完全防備のまま【完全視界】で視界を確保し乍ら【光学迷彩】を使いながら移動
雪崩が起きても大丈夫なように上方より攻撃
反撃には【飛翔】を用いて回避
あっつ!尻尾が焦げるじゃないの危ないわね
無事に戦いが終わったら、エジプト人らしく(?)雪と戯れましょう
わーい珍しい、すごーい…って、言うの遅い?
はっ、プターハさんの目が閉じている。流石竜人、冬眠ですか?冬眠しちゃだめですよ!!
起きてください、寝ちゃ駄目ですって(ビシバシ)
ソレイユさん、応援していないで運ぶの手伝ってください
プターハ・カデューシアス
【賽】
さて、残るは一体
メカザウルス…? うん、なかなか
ロマンですね
ガジェッティア心が疼きます
少し、内部を覗かせてください
死角から近づき一撃離脱で魔神共鳴
敵の弱点(先の攻撃で脆くなった所)を解析
P通信で仲間に共有
仲間と連携し狙いを定めて集中攻撃致しましょう
使える技能、残存効果は全て利用
賽の仲間への攻撃にはディフェンスを
戦い終わって
防寒もしているし大丈夫と高をくくって
積もった雪に年甲斐も無く飛翔からのダイブしたり
雪を堪能
雪山へのハイテンションと、戦いでの臨戦感が消えると
途端に眠気が
そういえば。…私、今 変温動物の気質があるの、忘れていました……
P通信で仲間に助けを呼び、スヤァ…と冬眠
ソレイユ・クラーヴィア
【賽】
潜水服の上官は怪獣とは
ドイツの司令系統はどうなっているのですか…
本当に不思議の国ですね
ピアノ鍵盤を展開し凱歌を演奏
大きな音で雪崩が起きる可能性があるのでしたか
念の為に飛翔しメカザウルスの上から攻撃を仕掛けます
反撃の火炎放射で雪が溶けたら、余計滑りやすくなるのでは…
防寒服が燃えては困ります
出来るだけ飛翔と光学迷彩を駆使して逃げ回ります
仲間のW攻撃は受けれるならディフェンス
戦闘が終われば少しだけ雪で遊んで
おや、プターハ冬眠してます?
ここで眠ったらトレイン飛ばして新宿島の岸に漂着しますよ
などど、ナディアのビンタを応援しつつ
スキー板で即席ソリでも作りますか
エトヴァは用意がいいですね
流石は地元です
シャムス・ライラ
【賽】
仲間と情報共有、連携
雪山なのに、巨大な爬虫類(?)が…
ドイツは不思議の国らしい
地形の利用、情報収集で戦闘に有利な位置取りをしつつ
光学迷彩で潜み機会を伺う
視界は完全視界でフォロー
仲間の攻撃に気を取られている隙に
飛翔、ジャンプも駆使し、速やかに接敵
「暁の一片」で日の隼を呼び
光使いの技能で光を雪で乱反射させ
敵視界を眩ませつつ貫通撃
敵の攻撃は一撃離脱で可能な限りダメージを減らす
無事戦闘が終了したら
しばし雪と戯れ
おや、プターハ殿?
冬眠なさるとは…
心なしか先ほどより頬のあたりがふっくらふくよかになった気がしますが
(そして何かに気づいて見なかったふりをし)
活性治癒を使っておきましょう
アドリブ等歓迎
空からの奇襲と煙幕や音響のトラップに苛立ったように、メカザウルスは火炎放射で周囲に生成されたトラップを焼き払っていく。
その余波の熱で谷底の雪が溶かされ地面が一部むき出しになっていく様子を、距離を取り隠れた5人の復讐者達は観察していた。
「メカザウルス……? うん、なかなか」
ロマンですね、とプターハ・カデューシアス(エジプトの龍人・g03560)は口にする。
ガジェッティア心が疼く造形、少しその中身の構造を確認したくなってしまうのは仕方がないだろう。
「……潜水服の上官は怪獣とは、ドイツの司令系統はどうなっているのですか……」
真面目に考えても仕方がない気はするが、やはりソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)にとっては気になるところ。
「雪山なのに、巨大な爬虫類……? が……」
爬虫類を模しているだけとはいえ、そんなものを当たり前に兵力に加えているドイツは不思議の国らしい、とシャムス・ライラ(極夜・g04075)は間違ったドイツ観を抱いてしまったようで。
「配下は見た目が悪くて格好付かないのだったのに貴方……」
傷だらけで立ち続けるそのシルエットに、ナディア・ベズヴィルド(黄昏のグランデヴィナ・g00246)は蹴散らしてきたゾルダートとはまた違った感情を抱いてしまう。
(「ちょっと可愛いかも怪獣さん」)
けれど可愛い可愛くない関係なく、このクロノヴェーダは此処で駆逐せねばならない。
「……ドイツ帝国はこういう国なんだ……」
困惑した様子の仲間達に、この国を故郷とするエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)はどこか遠い目をしているようにも見える。
見た目は少々アレだが、あの機械恐竜を討てば援軍は全滅する。
作戦遂行の為に、五人は一斉に動き出した。
最初に仕掛けたのはエトヴァ、極楽鳥の名を持つ特注のクロスボウより矢を発射し坂を利用して包囲するように走っていく。
彼に向かって鋭く爪が振るわれるが、それをプターハが阻み杖を模したガジェットを構え、
「少し、内部を覗かせてください」
ガジェットを通しパラドクスで反撃発動、電流を機械恐竜のボディに流しつつその機構を瞬時に解析する。
(「これはもう一押しですね」)
背の大傷を始め大小様々な傷が刻まれた機械恐竜は、いつ停止してもおかしくはないようにプターハには思えた。
痺れながらも鋭き爪の一撃がプターハを斬り裂こうとするが、解析直後に跳躍し離脱した彼を捉えられない。
だがメカザウルスは怒り狂い、思い切り足を踏み出し二人に向かってその双爪を振るい切り裂かんとする。
彼らに気を取られた隙にシャムスは気配を消しつつ光学迷彩で身を隠し、エトヴァと逆側に回り込んでいた。
「本当に不思議の国ですね」
そう言ってソレイユは先程のゾルダート達との戦いと同じようにピアノ鍵盤を展開、その状態で飛翔する。
大きな音は雪崩を誘発する危険があると警戒しての行動、エトヴァとプターハに気を取られている機械恐竜は彼に気が付かない。
「高らかに謳え、その歌を」
ピアノソナタ『凱歌』第一楽章、勝利の凱歌を知らせる早馬のように明るく激しいピアノの調べにより、騎乗の幻想の騎士が坂を駆け下りながらメカザウルスに突撃する。
馬上槍の一撃が機械恐竜を貫き、即座に機械恐竜はピアノの調べの方角を頼りに術者であるソレイユへと反撃の火炎放射を放つ。
ソレイユは演奏を継続しながら白黒の魔力翼を広げ火炎を回避する。防寒服が燃えては困るし、損傷によって弱まっている様子もないその威力を喰らうのは少々厳しい。
そして幻想の騎士の一撃で余裕ができたプターハが通信機越しに解析結果を伝達する。
「背中が弱点です」
彼の言葉に合わせ、復讐者達は一斉に仕掛けていく
「もがれた手足よ我が前に 流れた血潮よ我が前に 歌うように空を裂き 奏でるように地を揺らす ……」
坂の雪に身を隠していたナディアがパラドクスを発動すれば、メカザウルスの周囲に砂嵐が生じ包み込んでいって、
「……砂礫は刃となり骸に刻まん!」
その言葉と共に砂嵐は強く、メカザウルスの体を削り取るように吹き荒れる。
機械の体が軋み身動きも取れない状態、だが指揮官機は砂嵐を焼くように炎の息吹でナディアを狙う。
狙われた妖狐は慌てて飛翔し直撃を回避するも、その余波は直撃を回避してなお熱く、
「あっつ! 尻尾が焦げるじゃないの危ないわね」
自慢の狐の尾が焼けていない事を確認しつつ、ナディアが着地し隠れながら雪に再び身を隠しながら坂の上へと駆け上がっていく。
入れ替わりに雪色の迷彩を纏い忍び寄っていたエトヴァがクロスボウで狙いを定めて。砂嵐の中でも視界は残留効果で十分確保できている。
「――Blühe」
言葉と共にエトヴァはパラドクスの力を乗せたクロスボウの矢を放つ。
魔力媒体の塗料を籠めた矢はパイルバンカーに穿たれた穴に命中し、黄金の魔力媒体を周囲に撒き散らした。
エトヴァの一矢に気を取られたメカザウルスに対し、その背中側から飛び越えるようにしてシャムスがメカザウルスの眼前に回り込み、不意討ちでパラドクスを発動。
「来たれ、日の隼」
闇を吹き払う暁の白光が隼を象りメカザウルスの頭部に直撃し、鼻部分から頭頂部分にかけてを削り取るように貫通する。
白光の隼のみならず周囲の坂に残る雪に反射した光もメカザウルスの目に収束するように集められ機械恐竜の視界は真っ白に染まり、反撃すら行えない状態。
そしてエトヴァが残留効果により飛翔、空中では雪上迷彩の意味はなくなってしまうが背を狙うならば飛翔した方が確実。
飛翔する影を砂嵐の向こうに見定めた機械竜は口内の火炎放射器でエトヴァを焼かんと火を噴いた。
魔力障壁で直撃を防ぎつつ躱すが熱量は僅かに防寒装備の端が焼かれてしまうも、エトヴァはその炎の横をすり抜けさせるようにして二射目を放つ。
矢は機械恐竜の背の傷跡の中心を貫き、周囲に散布された黄金の塗料に引火。油彩で描き出したかのような黄金の薔薇が如き爆風がメカザウルスの背に咲いた。
その一撃が決め手、メカザウルスの機体は内部からの爆発に耐えきれずに弾け、谷底に部品を撒き散らし絶命したのであった。
「皆、寒い所までありがとう」
エトヴァは仲間達に微笑み、丁度その時に降り続けていた雪は止んで雲の切れ間から蒼穹の色と陽光が差し込み始めた。
●
そしてメカザウルスが倒れた後、復讐者達はパラドクストレインへと帰還していく。
その道中で、プターハ達はほんの少しだけ雪山を堪能していた。
エジプト育ちの多い彼らにとっては珍しい光景、好奇心が疼いてしまうのはまあ仕方がない。
戦いの中では堪能できなかったがエジプト人のナディアにとって雪はとても珍しく、ソレイユがスキー板を組み合わせ作った即席ソリやらを仲間と共に楽しんでいた。
仲間達の様子を見守るシャムスの残留効果により微かな火傷や傷痕は消えているから、痛みを気にする事もなく楽しめる。
年甲斐もなく、竜の翼を広げ積もった雪に空からダイブするプターハは妙にハイテンション。
「そういえば」
と、そこでプターハが呟いた。
「……私、今 変温動物の気質があるの、忘れていました……」
そう、竜人の男はパラドクス通信で言い残し雪の中に身を沈めたまま起き上がらない。
「冬眠ですか? 冬眠しちゃだめですよ!!」
「ここで眠ったらトレイン飛ばして新宿島の岸に漂着しますよ」
と、ビシバシと叩き起こそうとする妖狐に面白がってソレイユは言い手伝うようにと怒られて雪から引っ張り出す。
スヤァ、と安らかな表情のプターハだが、防寒装備は万全でも普通にこの寒さは少々危ないようにも思える。
「おや、プターハ殿? 冬眠なさるとは……」
心なしか彼の頬のあたりがふっくらふくよかになってしまったようにも見えるけれども、とそこでシャムスは何かに気付いてしまったようで、見なかった振りをする。
「は、プターハさんが大変」
雪と戯れる仲間達の様子に心和む心地で微笑んでいたエトヴァも少々焦り、カイロと防寒毛布でぐるぐるとプターハを包み保温する。
「用意がいいですね」
流石は地元です、とエトヴァの手際よさにデーモンの少年は感心した。
かくして山越えの部隊を全滅させた復讐者達は、パラドクストレインへと帰還したのであった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【フライトドローン】がLV2になった!
【土壌改良】LV1が発生!
【操作会得】がLV2になった!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【先行率アップ】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV2になった!
【ドレイン】LV1が発生!