リプレイ
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携、アドリブ歓迎
同戦場の方と協力
ああ、ようやく仇敵へ届くのか……
地下、強襲、長い迷宮のように、随分と戦場を駆け回ってきた
あと少し、届くまで、翔け抜ける
かつての仲間達の分まで……必ず、届かせる
ガスマスク、コート、手袋でガスが肌に触れぬように
戦況を偵察、観察し、仲間と情報共有
【飛翔】し空中戦
……姿なき毒には、姿なき手段を
発霧弾を投入、先に視界を乱し、混乱中に多方向へ攻撃を撃ち込み撹乱
戦闘知識で相手の陣形を看破し、連携の要から撃ち崩していく
味方と標的を合わせて速やかに倒し
死角や隙を晒した相手へ攻撃
反撃は魔力障壁で跳ね返し凌ぎ
飛翔でガスの薄い方へ回避
翼で風切り、風使いの力も駆使して、ガスを押し返そう
シル・ウィンディア
ガスかぁ…。やっかいだね。
でも、それで止められるとは思わないでねっ!
新宿島からガスマスクを調達して装備
通常の毒ガスならこれで防護できるはずっ!
練度が高いなら…
どうやって不意を突くかが勝負だよね
それなら、機先を制するっ!
高速詠唱からの風撃衝圧破っ!
風で思いっきり吹き飛ばしてやるーっ!
その後は、ダッシュで絶えず位置を変えつつ、右手の世界樹の翼type.Cでからの誘導弾で敵の気を惹いて、味方の攻撃の隙を作っていくよ
当たっても痛くないけど、鬱陶しいでしょっ!
こっちから気が逸れたら、風撃衝圧破で追撃っ!
無視したら、痛い目あうからね?
床にたまっている毒ガスは、クリーニングの効果で打ち消しを試してみるよ
エレナ・バークリー
自分たちの居城で毒をばらまくなんて、本当になりふり構わなくなってますね。せっかくです。まとめてお掃除と行きましょう。
散布される毒ガスを「風使い」で吹き散らし、逸らしきれなかった分を「浄化」で対応します。
効果範囲は自分の周囲ぎりぎりに絞り、確実に効果を発揮するように。
毒ガスさえなんとか出来れば、このゾルダート達は直接的な戦闘力は低いはず。
「勇気」をもって「突撃」し、「電撃使い」で帯電させたクレイモアで、力任せの屠竜撃の「強打」「斬撃」を喰らわせます。
とにかく毒ガスが危険なので、「臨機応変」に「一撃離脱」しながらなるべく多くの敵を屠竜撃で行動不能に追い込みます。とどめは後でも刺せます!
エルマー・クライネルト
アドリブ連携歓迎
参謀隊長殿も随分と焦っておられるようだ、此方の攻撃が大分効いているということだろう
更なる強襲を仕掛けもっと焦ってもらわねばな
鉄屑共の悪趣味は今に始まった事ではないが、
毒ガスなどと言う残虐で見境無い兵器を使う貴様等は輪を掛けて悪趣味だ。歴史に残る価値もない
パラドクスを発動し自身や仲間の周囲の毒ガスを[浄化]
更に[呼吸法]で呼吸を抑えて吸引を少なくする
毒霧による視界不良を逆に利用してくれよう
味方が撹乱している間に毒霧に紛れて[忍び足]で敵の懐へ潜り込み、意識外からの攻撃で不意を突く
[光使い]でフラッシュを炊いて視界を奪い撹乱
味方が毒ガスを吹き飛ばす際は、風下に立たない様立ち回る
●
ベルリン王宮・地上部分に進行を開始したディアボロスたちの前に現れたのは、毒ガスによる汚染や虐殺を得意とする『モデラーター・ハーバー』の戦闘部隊だった。
自らの体内で毒ガスの製造も可能とするため、『動く毒ガス工場』とも呼ばれている敵だ。
バリケードの奥にも多数の敵が配置されており、容易に突破できそうにはない。
「ガスかぁ……。やっかいだね。でも、それで止められるとは思わないでねっ!」
青い髪をなびかせ、真っ先に動いたのはガスマスクを身に着けたシル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)だ。
(「練度が高いなら、どうやって不意を突くかが勝負。それなら、機先を制するっ!」)
先行を始めたモデラーター・ハーバーが、指先から高濃度の毒ガスを散布しはじめると同時に、シルの高速詠唱が完成している。
「悠久を舞う風よ、吹き荒れる嵐よ……。 ――風で、思いっきり吹き飛ばしてやるーっ!」
敵の真正面から高圧の風を敵陣に叩きつければ、毒ガスの拡散と、前進しようとしていた複数の敵を足止めする。
風の精霊による祝福の風を受け、鼓舞されたのは光吸う漆黒の長衣やガスマスクに身を包んだエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)だった。
大きな両翼を羽ばたかせ、空へ舞い上がる。
(「ああ、ようやく仇敵へ届くのか……」)
地下、強襲、長い迷宮と、ここまで数多の戦場を駆け回ってきた。
――それもすべて、かつての仲間を想い、帝国奪還に賭けるため。
戦場を飛翔しながら、眼下にモデラーター・ハーバーの集団を見据える。
羽ばたきざまに発霧弾を投げ込むが、通常兵器できることなど、多少、歩みを遅らせる程度だろう。
しかし、今はその間があれば、十分。
エトヴァは上空から敵の陣形を視認すると、連携の要と思しき敵めがけ無数の光輪を投げ放つ。
「――描け、魂の炎を」
敵が上空を見上げた時には、もう遅い。
舞い踊るように旋回する天使が、次々と陣形を打ち崩していく。
毒ガスの効果範囲に飛び込むわけにもいかず、エレナ・バークリー(アブソリュートウィッシュ/ルーンキャヴァリエ・g00090)は仲間たちの進撃に合わせ、歩を進める。
「自分たちの居城で毒をばらまくなんて、本当になりふり構わなくなってますね」
「参謀隊長殿も随分と焦っておられるようだ、此方の攻撃が大分効いているということだろう」
応えたのは、毒ガスを吸わぬよう呼吸を抑えながらも、泰然とした態度で佇んでいたエルマー・クライネルト(価値の残滓・g00074)だった。
シルが『風撃衝圧破(ウインド・ブラスト)』をはなてば冷静に風下へ移動し、エトヴァの光輪が舞えば、その隙に敵の不意を突いて攻撃を仕掛ける。
敵の毒ガスに対して有効なパラドクスを持たないエレナではあったが、連携がウリなのは敵だけではない。
「せっかくです。まとめてお掃除と行きましょう」
「更なる強襲を仕掛け、もっと焦ってもらわねばな」
エルマーがオラトリオ『フルーフ』に命じれば、エレナとエルマー、そして仲間たちの胸に次々とチトニアの花が咲く。
味方には守護の祝いを、敵には浄化の呪いをもたらすこのパラドクスがあれば、毒ガスなど恐れるに足りない。
エレナは周囲の地形ごと汚染していく敵の攻撃を見据えながら、チトニアの加護を胸に、勇気を奮って突撃を仕掛ける。
(「動きから察するに、このゾルダート達は直接的な戦闘力は低いはず」)
ならば、
「毒ガスさえなんとかできれば、ここは騎士たる私の独壇場です!」
己の間合いに踏み込んだ敵めがけ、帯電させた両手剣で力任せの一撃を叩き込む。
今は毒ガスの散布を阻むのが先と判断し、エレナは果敢に接近戦を仕掛け、間合いに入った敵を次々と行動不能に陥らせていく。
エルマーはその背を頼もしく見送りながら、地に伏した敵たちの前に立った。
「鉄屑共の悪趣味は、今に始まった事ではないが」
異国の呪詛を纏う機械人形を手繰りながら、淡々と続ける。
「毒ガスなどと言う、残虐で見境無い兵器を使う貴様等は、輪を掛けて悪趣味だ。……歴史に残る価値もない」
機械人形が踊ると同時に、身の内に隠されていた針やナイフが閃き、次々と敵の息の根を止めていく。
一方のシルは戦場を駆けまわりながら、上空を舞うエトヴァを狙う敵たちへ次々と誘導弾を撃ちはなっていた。
「ほらほら、当たっても痛くないけど、鬱陶しいでしょっ!」
挑発するように声をあげた瞬間、
「あと少し、届くまで、翔け抜ける。かつての仲間達の分まで……必ず、届かせる」
エトヴァの光輪が確実に敵を切り裂いていく。
残る敵群へは、
「嵐よ! 我が前の障害を吹き飛ばせっ!!」
仲間の攻撃に敵が意識を向けた瞬間、備えていた術で追撃!
一網打尽になった敵を見やり、シルはガスマスクを外して素顔を見せると、悪戯っぽく微笑んだ。
「ほら。わたしを無視したら、痛い目にあうからね?」
敵をも超える連携で、モデラーター・ハーバーの敵群をいなして。
ディアボロスたちは防衛ラインを超え、さらに奥に待つアヴァタール級の元へと急いだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
【植物活性】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV2が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
●
ベルリン王宮を進めば、あちこちから他のディアボロスたちが展開しているであろう戦闘音が聞こえ来る。
王宮全体の戦況も気になるが、今は眼前の敵を確実に排除していくことが敵を追い詰めることに繋がると、一同は駆けた。
道の先に佇んでいたのは、液体金属で形成されたゾルダードだった。
力の代償に、記憶と自己同一性を失った無明の兵器。
――任務に忠実であり、何にでもなれるが、何者にもなることができない。
眼前に現れた『それ』は、言った。
「Ich bin eine Waffe(私は武器です)」
「Ich bin ein Spiegel(私は鏡です)」
「Wer bin ich fur Sie?(あなたにとって、私は何なの?)」
告げるその声は。
対峙するディアボロスと、全く同じ口調、全く同じ声色をしていた。
エレナ・バークリー
変化対象:ハイランド騎士団長
望む言葉:もう剣を置いていいんだ
姿を変えるクロノヴェーダというわけですか。騎士団長の似姿とは、やってくれます。
ですが、団長はハイランドの決戦でおまえたちが殺しきったじゃありませんか!
今更剣を置くなんて出来るはずがありません! 本物の団長なら決して言わない言葉。底が知れますね。
クレイモアに「電撃使い」で電流を流し、フライハイで「突撃」。師でもある騎士団長の幻像に「貫通撃」「強打」で一撃を!
剣戟を交わしながら、銃器が生成されたら【飛翔】で一旦距離を取って、そこから高速の「空中戦」。ジグザグの軌道で銃撃を回避しながら、クレイモアを偽物の騎士団長に突き刺してあげましょう。
●
軍服をまとった指揮官『シュピーゲル・アノーニュムス』は、エレナ・バークリー(アブソリュートウィッシュ/ルーンキャヴァリエ・g00090)を前にするなり液体金属を震わせて。
別の顔カタチへ変じるなり、エレナのよく知る者の声で、言った。
『エレナ・バークリー。きみはもう、剣を置いていいんだ』
かつての記憶そのものの姿へと変じたゾルダードを前に、エレナは奥歯を噛みしめ、うめいた。
「姿を変えるクロノヴェーダ、というわけですか。……騎士団長の似姿とは、やってくれます」
両手剣クレイモアに手を掛けたエレナを見やり、指揮官――『騎士団長の幻像』は悠然と歩み寄りながら、なおも繰り返した。
『きみはもう、剣を置いていいんだ』
けれど、エレナは理解している。
どれだけ巧妙に、記憶と同じ姿を写しとろうとも。
眼前の人物は、決してエレナの知る『ハイランド騎士団長』ではないのだ、と。
なぜなら。
「当の団長は。ハイランドの決戦で、おまえたちが殺しきったじゃありませんか……!」
抜き放ったクレイモアに電流を流し、地を蹴ると同時に突撃を仕掛ける。
疾風のごとく間合いに飛び込んだ切っ先は、幻像のわき腹をかすめて。
電撃がはじけると同時に、肉体の一部が元の液体金属へと戻っていく。
(「――鏡のように姿を写し取ったところで、身のこなしまでもが、かつての師と同じわけではない」)
そして、敵が師の姿をとるならば、なおのこと。
相手に遅れをとるわけにはいかない。
己は、あの戦場で喪った者たちの分まで、幾度も剣を振り。
あの頃の自分よりも、前進してきたはずなのだから。
「今さら剣を置くなんて、できるはずがありません!」
トレンチコートをひるがえし、反転。
勢いよく両手剣を振りかぶり、叩きつけるように一閃させる。
と、そこで幻像が銃器を生成したことに気づき、地を蹴った。
風に乗り飛翔すれば、すぐに弾丸が迫りくる。
しかし、ジグザグに飛翔することで、それらの攻撃を回避。
改めてクレイモアを構え繰り出し、幻像を深々と貫きながら、言った。
「本物の団長なら、決して言わない言葉です。――底が知れますね」
大成功🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV3になった!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携、アドリブ歓迎
俺に化けるとは趣味がいいな
……と、このくらいの軽口には応じてもらおう
……対峙するのは二度目になるか
次は言ってやりたいと思っていた
【飛翔】し空中戦
弓で牽制を加えつつ、隙を看破し絵筆を運ぶ
宙に相手の液体金属のままの姿を精緻に描き出し、戦わせる
俺の精神から、親しい人の姿を映すならば
ひどく懐かしい声に
その顔は霞んだままだろう
……それが紛い物の証
……だが、礼を言う
少し、思い出したよ
君に会いに行くよ、と幻が語ったなら、微笑んで
……会いに行くよ、俺も
銃弾を撃ち込む
俺の手で貫こう
鈍器は羽ばたき後方へ飛び回避
魔力障壁で防御
この戦いが終わったら、会えるのかな……
それまで、俺は迷えども引き金を引く
●
エレナ(g00090)に身を貫かれたとて、液体金属で形成された指揮官『シュピーゲル・アノーニュムス』は、すぐに態勢を立て直して。
次に踏み込んだエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)が、まずは己の姿を模した姿を前に、唇の端をもたげる。
「俺に化けるとは、趣味がいいな」
――己に変じたゾルダードと対峙するのは、これで二度目。
次は、面と向かって言ってやりたいと思っていたのだ。
青空映す髪。
瞳は、銀の煌めき秘めた蒼穹。
語り口は己と同じく、穏やかで。
『Wer bin ich fur Sie?(君にとって、俺は何だ?)』
問いには応えず翼をひろげると、一気に上空へと飛翔する。
追いかけ舞い上がった敵めがけ、エトヴァはすぐさまクロスボウと一体化した銃『Paradiesvogel』――鳥の名を冠する弓で牽制。
その翼を射抜いた。
――偽りの己が、エトヴァを見あげながら墜ちていく。
その合間にも身体がぶるぶると小刻みに震え、また別のカタチへと変じていく。
(「俺の精神から、親しい人の姿を映すならば――」)
敵の行動を察すると同時に、絵筆を握るエトヴァの手もまた、宙をはしる。
描き出したのは、液体金属のままの指揮官『シュピーゲル・アノーニュムス』の姿。
実体化した絵姿は、堕ちる己を追いかけるよう地面に着地すると、何者でもない鉄仮面を敵へと向けて。
生成した銃器を手に、果敢に攻撃を仕掛けはじめた。
舞い降りたエトヴァが見守るなか、絵姿の敵と『親しき者』が銃撃戦をくり広げる。
しかし『親しき者』の面影は、霞んだように判然としないままで。
――それが、『紛い物』であるなによりの証。
(「……だが、礼を言う。少し、思い出したよ」)
俺はまだ、帰れない。
惑わされはしない。
『紛い物』が、鉄仮面の眉間を貫く。
倒れゆく『己』からすぐに標的を移し、『親しき者』は言った。
『君に会いに行くよ』
ひどく懐かしい声。
ふっと、エトヴァも微笑んで。
「……会いに行くよ、俺も」
告げると同時に、ためらいなく引鉄を引く。
動きを止めるまで何度でも、銃弾を撃ち込む。
己の手で貫く。
(「この戦いが終わったら、会えるのかな……」)
ふとよぎった想いに、微かに眉根を寄せる。
それまでは。
幾度迷おうとも、引き金を引き続けるのだ――。
大成功🔵🔵🔵
効果1【液体錬成】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
ワーズ・ディアハルト
対象:改竄世界史を共に戦った想い人(天使女性
望む言葉:もうその手を仲間の血で染めなくてもいいの
…この眼で。もう一度あなたを見られるなど思いもしなかった
ああ。あなたが俺を庇って…『戻らないまま』となってから、それはもう俺は悽惨たる有り様でしたよ
裏で牧師でありながら聖書を叩き付け、表では教会で神の名の元に、どれだけの仲間を鼓舞し、その身を戦場に駆り立てたか。
それでも、と。武器を構え敵を見つめ【戦闘知識】で状況を認識
同じ復讐者でもこの姿となった時、俺はあなたの存在を確かに感じた
同時に俺は自身で戦える力を得た。今は…あなたの力を継いだのだと思わせて欲しい
静かに語り、パラドクスに【捨て身の一撃】を乗せて
●
エトヴァ(g05705)の銃撃を受けてなお、液体金属で形成された指揮官『シュピーゲル・アノーニュムス』は倒れない。
次に対峙したワーズ・ディアハルト(守護者・g02389)を前に、その身を震わせて。
身を覆うようにして生成した翼を広げると、天使の女性――『改竄世界史を共に戦った想い人』は、いとおし気にワーズを見つめた。
――まるで本当に、あの頃の『彼女』が戻ってきたのではないか。
そう一瞬でも錯覚してしまうほど、よく似た姿。
写し身であるとは理解していても、思わず表情がほころんで。
「……この眼で。もう一度あなたを見られるなど、思いもしなかった」
赤眼を細め対峙すれば、『彼女』はすいとワーズへ手を伸べ、かつてと同じ声音で言った。
『もう、その手を仲間の血で染めなくてもいいの』
それは、ワーズにとって『神の恩寵』にも等しい言葉で。
しかし、だからこそ。
あたたかな慈悲に満ちたその言葉を、甘んじて受けるわけにはいかないのだと、唇を噛みしめる。
「……ああ。あなたが俺を庇って……『戻らないまま』となってから。それはもう、俺は、悽惨たる有り様でしたよ……」
――裏では、牧師でありながら聖書を地に叩き付けて。
――表では、教会と神の御名のもと仲間を鼓舞し、その身を戦場に駆り立てた。
数多の犠牲の上に、己はここまで歩んできた。
「それでも」
呟き、ワーズは杖を手に、『彼女』を見つめる。
長く己の主武器として扱ってきた杖『オラトリオ』を、しかと握りしめる。
「同じ復讐者という存在であっても。『この姿』となった時に、俺は『あなた』の存在を、確かに感じた」
たとえ、眼に見える形ではなくとも。
『あなた』の想いは、意志は、たしかに此処に存在しているのだ、と。
「同時に、俺は自身で戦える力を得た。今は……、どうか『あなた』の力を継いだのだと、思わせて欲しい」
静かに語ったワーズへ。
『彼女』はやわらかに微笑むと、まるで大天使のごとき清廉さで告げ、生成した銃を突きつけた。
『Wer bin ich fur Sie?(あなたにとって、私ってなに?)』
赤い瞳を向け。
一瞬、泣きそうな顔をしてから、ワーズは唇を引き結んで。
両手で杖を掲げると、茶色の大翼を広げる。
「俺もね。無駄に、戦場に送り込んだ仲間の消滅を、観察してきた訳ではないんだ――」
これまで目の当たりにしたすべてをこめてはなった、捨て身の一撃――闇に光はなつ星のごとき閃光が、『彼女』を射抜いて。
ゆめまぼろしのごとく融け、液体金属へと戻っていくその姿を、静かに見送った。
『彼女』の問いへの答えを、胸の奥に秘めながら。
大成功🔵🔵🔵
効果1【平穏結界】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV4になった!
一角・實生
目の前に立ち塞がる「俺」
俺はそんなに愉悦に塗れた笑みだったか
「全部あいつらのせいにして、化け物になればいいんだよ」
あいつら?
化け物?
欠けた記憶を読み取っているのか
俺はドイツで何者だったのだろう
知りたい気持ちが攻撃の手を緩めそうだ
敵の銃器は白鷲のお守りで軽減するよ
致命傷とならぬようグラナトゥムやアドウェナでも牽制を
どうやら「俺」は力に身を委ね呑まれろと言いたいらしい
(※詳細お任せ、ご自由に)
冷静でいられる許容範囲を振り切ったところでパラドクスを発動
石頭同士、俺も痛いかも
勝手な事ばかり言い過ぎだろ!
俺は誰のせいにもしない
真実が怖くても、諦めてはいないんだ
そう、機会は巡る
ここで立ち止まるつもりはない
●
ワーズ(g02389)の攻撃を受けた指揮官『シュピーゲル・アノーニュムス』が、脱力するようにがくりと膝をつく。
不定形にカタチを変える姿からは、敵が致命傷を負ったのかどうかは判然としない。
ぶるぶると身体を震わせ、まだ未完成の顔の半分を押さえるようにして。
ふいに仰いだ相貌は、対峙していた有翼の少年――一角・實生(黒頭鷲・g00995)と全く同じカタチをしていた。
――緑金の片眼と、己の双眸が、ぶつかる。
『それ』はニイと唇を曲げると、愉悦に塗れた笑みを浮かべて。
『全部、あいつらのせいにして。「化け物」になればいいんだよ』
警戒するように狙撃銃を構えた實生へ、はっきりとした口調で言った。
ゆるり顔から手を離せば、液体金属のままだった顔の半分が、完全に實生と同一のカタチに生成されていく。
(「あいつら? 化け物?」)
口には出さない。
できるだけ、動揺が顔に出ないよう努めもする。
『悪いのはお前じゃない。全部、あいつらなんだから』
しかし、相手が『精神に感応して変化する』存在だけに、己の欠けた記憶を読み取っているのではないかと、思考は巡り続ける。
(「俺は、ドイツでは『何者』だったのだろう」)
知りたい気持ちがふくれあがる。
問いかけたい言葉が、喉の奥までこみあげてくる。
しかし。
『それ』が大口径のセミオート式狙撃銃『グラナトゥム』――己が手にするそれと同じ銃器を生成するのを見やり、はっと我に返った。
敵が先制し、銃撃を仕掛けると同時に両翼を広げ、相手の間合いへと一気に飛び込む。
『もう抗わなくていいんだ。お前だって、ずっと「そう」したかったんだろう?』
――己と同じ、穏やかな笑み。
ただひとつ、告げる表情だけは愉悦に濡れて。
(「力に身を委ね、呑まれろとでも言うのか――」)
相手の言い分が脳裏をよぎった瞬間、白鷲の守りが展開した障壁を、敵の刃『哭戒』が一撃で貫通する。
欠けた記憶。
その詳細を知りたいという気持ちもあるが、攻撃の手を緩めるわけにはいかない。
敵の切っ先が己の身を貫く寸前、實生はレバーアクション式のソードオフショットガン『アドウェナ』を突きつけ、叫んだ。
「勝手な事ばかり、言い過ぎだろ!!」
至近距離にも関わらず、弾丸は敵をかすめた。
傷を与えるには至らなかったが、その隙は、パラドクスを発動するには十分で。
實生は相手の軍服を掴みむと、振りかぶって言った。
「俺は、誰のせいにもしない」
ゴッと鈍い音が響き、強烈な頭突きを受けた敵の身体がぐらりと傾く。
己の写し身とあって、實生自身も痛みを負ったが、魂のすべてまで写し取られたわけではない。
(「そう、機会は巡る」)
あの日、汀で失くしたもの達をすくいあげるまでは。
こんなところで立ち止まるつもりは、ないのだから――。
ゾルダードの相貌が、再びぶるぶると震える。
『Wer bin ich fur Sie?(お前にとって、俺はなんだ?)』
融けゆく顔を向け、問いかける『己』に。
實生は、その眉間を貫く弾丸をもって、応えた。
「真実が怖くても。俺は、諦めてはいないんだ」
大成功🔵🔵🔵
効果1【平穏結界】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV5になった!
エルマー・クライネルト
(自身と同じ髪色の女性に変じた敵と対峙し、奥歯を噛み締める)
……姉さん。何で、こんなことになったんだろうな
その姿でふざけたことを抜かす前に仕留めてくれる
人形を差し向け喉を締め上げ、言葉を封じる
回避に意識を回したことで拘束を緩めることになるのを懸念し、銃撃は回避せず耐える
其れでも奴が言葉を発するのなら、ただ一言「愛してるよ」と
……嗚呼、貴女をあんなにも傷付けておいて
私はまだそんな言葉を言われたいと思っているのか
本当に浅ましい人間だな
だが、そんな言葉で惑わせると思った貴様もまた浅ましい
有りもしない幻想を見せられるのは逆に怒りが湧くのだよ
人形の腕に更に力を込め鉄屑の首を[粉砕]
失せろ、不愉快な鉄屑め
●
仲間たちからの度重なる攻撃。
さらに、實生(g00995)の攻撃を至近距離で受けた指揮官『シュピーゲル・アノーニュムス』は、もはやその生命力を殆ど残してはいないらしい。
少し距離を置いた地点に進み出たエルマー・クライネルト(価値の残滓・g00074)の前で、ゾルダードは地に座り込んだまま動かない。
――眼前の敵へ、追撃を仕掛ければ片がつく。
そうすれば、この戦場はディアボロスによって制圧され、王宮内の戦況も有利に働くだろう。
もっとも。
それができれば、だが。
「……姉さん」
エルマーは自身と同じ焦茶色の髪を持つ女性――『姉』の姿を写し取った敵を見やり、奥歯を噛みしめる。
己を見つめる姿は、かつてとそっくり、同じままで。
「……何で、こんなことになったんだろうな」
弟のこぼした言葉に、偽りの『姉』はゆるりと首を振って。
記憶に残る所作とまるで変わらぬ様子に、緑の瞳がわずかに揺れる。
「その姿で、声で、ふざけたことを抜かす前に。――仕留めてくれる」
エルマー自身は、佇んだ場所からは一歩も動かない。
己と操り人形【Schrecken】を繋ぐ――死に際まで消えることのない見えない糸を手繰り、組みつかせた人形の手で『姉』の喉を徐々に締めあげていく。
――たとえ、再び失望させることになっても。
「喉を潰せば、声を出せまい」
告げる弟を、『姉』は微笑んだまま見あげて。
そうして、かつてと同じように言った。
『愛してるよ』
銃撃を受けるよりも鋭く、その言葉はエルマーの胸を撃ち抜いた。
(「嗚呼、貴女をあんなにも傷付けておいて……。私はまだ、そんな言葉を言われたいと思っているのか」)
「……本当に、浅ましい人間だな」
今にも顔をおおって、自分自身を嘲笑いたい衝動にかられる。
「――だが。そんな言葉で惑わせると思った貴様もまた、浅ましい」
本来であれば、術の対象者が痛みを感じる度、機械人形に呪詛が蓄積され重さを増していく。
そして呪詛による苦痛は十指の糸を伝い、術者であるエルマーにも伝わるはずだった。
しかし。
糸からは、『姉』の苦痛はすこしも伝わってこない。
視覚よりもなお明確に『人ならざる者』である証明を付きつけられれば、拘束を緩めようなどと思うはずもなく。
「有りもしない幻想を見せられるのは、逆に怒りが湧くのだよ」
糸を手繰り、その戒めを強めていく。
『姉』は手の内に銃を生成すると、銃口を正確にエルマーに向け、言った。
『Wer bin ich fur Sie?』
問いかける『姉』には応えず。
『価値の残滓』たるエルマーは、厳かに告げた。
「失せろ、不愉快な鉄屑め」
言葉と同時に、『姉』が引鉄を引いて。
回避せず受けた弾丸が、顔の傷跡を引き裂いた。
流れる血には構わず人形の腕に力を籠めれば、鈍い音に続いて、『姉』の首がひしゃげた。
泥のように融けてカタチをうしない、人形の手からこぼれ落ちた『それ』を。
エルマーはしばらくの間、ただ静かに、見下ろしていた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【悲劇感知】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!