リプレイ
一里塚・燐寧
共闘アレンジ大歓迎
固い壁にきっつい毒ガス、いやー、安心安全の布陣だねぇ
でも、そーゆー固い陣地をぶち壊しにしちゃう時がさぁ、一番興奮しちゃうんだよねぇ!
敵陣を対して強襲を仕掛けるよぉ
まずバリケードにパラドクスによる【爆破】で穴を空けて
撒き散らされる破片による二次被害も含めて相手を【撹乱】しちゃおう
毒ガスを散布してくる敵に対してもパラドクスによる爆発の斬撃を振るって攻撃
ガスを離れたところや天井近くまで爆風で吹き飛ばして
充満していくのを遅れさせながら攻めるねぇ!
それでもかわしきれない毒ガスに対しては
【肉体改造】と【毒使い】で完全ではないにしろ耐性を作って耐えながら
ガスが充満しきる前に撤退するよぉ
●呪火が吹き飛ばす
「固い壁にきっつい毒ガス、いやー、安心安全の布陣だねぇ」
一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は自分達の周囲を見回すと、赤い瞳を細めて笑う。こんな固い陣地をぶち壊しにする時が一番興奮する。冷たい体に熱が駆け巡る気がするのだ。
「まーずーはー、風穴、あけちゃっかぁ」
燐寧はその身には不釣り合いな程に巨大な鎖鋸状の刃を構える。禍々しき気を放つ怪しき刃は力を振るう機会を得、獣の咆哮が如き哄笑を揚げる。刃の周りに視覚化される程に強い呪詛が絡みついて、青白い鬼火を灯す。それは剣全体を覆うほどに強く大きくなっていく。
「いやー、人の怨みを買うことはするもんじゃないねぇ?」
死して尚変わらぬ痛覚が、呪詛の炎に焼かれる苦痛を伝えても燐寧の表情に陰りはない。尋常ならざる巨大な鎖鋸剣を大きく振りかぶり、全力で振り抜いた。
瞬間、爆音と衝撃が走り抜ける。土煙が過ぎ去れば燐寧の立つすぐ隣にあったバリケードにおおきく穴があけられている。
「ふふふ、折角の毒ガス逃げちゃうよー」
ニヤリと笑う燐寧の握る鬼火を使い尽くした刃が、再び呪詛を纏い始めるのを確認した敵は、トーチカの窓穴から姿を見せてさらなる毒ガスを散布しようとする。だが、それを見逃さぬ燐寧ではない。
「隙あり、だよ!」
吹き付ける高濃度の毒ガスに肌を焼かれながら、燐寧は疾駆し鬼火纏いし鎖鋸の刃を、敵の頭上から振り下ろす。爆発の斬撃が敵を一瞬で弾け飛ばし、それでも尚止まらぬ大質量は床面を砕き食い込み刺さる。その反動は振るい手である燐寧を無事では済まさない。骨が軋み、肉が裂ける嫌な音が体の内から響いて来る。
「よーし。今日はここをあたしの死に場所にしちゃうよ~」
毒により体の外側を、振るわれる強大な力によりその身の内を、燐寧はその体と命を削りながら戦い続ける。さらりと口にした物騒な言葉。声色はマイペースだが赤茶色の瞳の奥には隠しきれない想いが横たわる。
バリケードに穴をあけた事で毒ガスが戦場外へ流出するようになり、それは確実にこちらの利になっている。だが、絶え間なく吹きかけられる毒ガス攻撃は確実に燐寧を蝕んでいて、このまま戦うのは危険だった。それでも彼女は覚悟を決めて刃を振るおうとする。
だが、そうしていると何故か逆に周囲の毒ガスが少し薄まって来た。背後で別のでぃうボロスが何かをしてくれているようだ。それを理解した燐寧は、自身の動ける限界まで、後に続く仲間の為に敵を傷つけ続ける。
成功🔵🔵🔴
効果1【照明】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
ラウム・マルファス
ソラ(g00968)と
薬品の扱いには慣れてるケド、どーしょっカナ
バリケードに隙間が無いってことは無いだろうし、それで散らないってことは空気より重いガスで、バリケードのある位置は多少低地ダロウ
屋外で滞留するなら結構重いだろうから吹き飛ばすよりは流したいナ
トラップ生成でバリケードの外から見え見えの落とし穴を設置
蓋に隙間があるから、ガスは穴の底に流れていク
ソラが突入したら、トーチカの射線を遮るように防護壁を作って援護しよウ
ボク自身は、攻めにくい場所のトーチカ内の敵を狙って、背負っている薬品タンクにPDで穴を開けるヨ
射撃口以外は密閉だから中にガスが溜まるハズ
対策装備してても濃度には限度があるデショ
ソラス・マルファス
兄貴(g00862)と
化学防護服とガスマスクをしていくぜ
敵のガスがPDなら、無いよりゃマシって程度だがな
毒ガスは兄貴に任せ、俺はバイクに乗ってスタンバイ
兄貴が毒ガスを溜める落とし穴を作ると同時、呼吸法で息を止めて突入だ
トラップ作成でバイクを跳ね飛ばす板状の罠を作り、バイクごとバリケードを飛び越えて侵入
機動力を活かしてトーチカの攻撃を避けつつ、外にいる敵を偃月刀で敵を横なぎに両断するぜ
毒の浸透が危ねぇからな、深追いはせず、すぐに戻ろう。バリケード近くでバイクを降りたら、リストバンドのワイヤーをバイクに引っかけて無理やり引っ張り上げて回収する
落ち着いたら兄貴の薬品で解毒して貰うとしよう
●兄弟で繋ぐ
「薬品の扱いには慣れてるケド、どーしょっカナ」
キラリと眼鏡を光らせてラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)は思案する。即死するような代物ではないが、長くこの毒ガスに身を置いていいわけではないのは明白だ。
澄んだ青い瞳で周囲をつぶさに観察する。バリケードは戦場を取り囲むように配置されている。一見してぴったりとくっついているように見えるが、完全に隙間がないというわけではないだろう。
次に濡れたハンカチで口を押えながら屈んでみる。床面はトーチカ側からこちらに向かって角度が付けられ低くさせられている。
喉の奥に痛みを感じて直ぐに立ち上がると、最後に他のディアボロスが明けたバリケードの穴を見る。それはラウムの腹の辺りの高さだ、今はそれよりも頭を低くしていて毒の影響を強く感じた。つまりこれは。
「これは空気より重いってことだネ」
それも屋外で滞留するなら結構な重さだろう。であるならば。
「吹き飛ばすよりは流したいナ」
再び眼鏡が煌く。悪魔の力宿したそのレンズ越しに捉えた床がが突然陥没し始める。それは幅広く、左右にバリケードギリギリまで伸びていく
「そりゃ落とし穴か? 兄貴」
ラウムの背後からソラス・マルファス(呪詛大剣・g00968)が声をかける。化学防護服を纏い、ガスマスクを被ったその奥の燃えるような赤い瞳が興味深げに見開かれていた。
「あぁ、穴の底に毒ガスが流れていくかなってネ」
「助かるぜ、敵のガスがパラドクスなら、この装備も無いよりゃましって程度だからな」
「気を付けていってらっしゃイ」
見送るラウムに手を上げて答えると、ソラスは用意したバイクに跨って発進する。落とし穴の眼前に発生した板状の物体にバイクが乗った直後、その板が勢いよく跳ね上がりバイク事ソラスの体を空中に押し上げた。
「うぉっとぉ!? おりゃあっ!」
普通のジャンプ台のような物を使ったわけではなく、トラップで跳ね飛ばされたバイクを、ソラスはなんとかコントロールし、トーチカの眼前で無事に着地するとそのままさらに加速。片手に偃月刀を構えて、戦っているディアボロスを襲うために出て来た敵を薙ぎ払う。
それに対して敵も生成した毒を噴霧しソラスが毒ガスにに飲まれる。
「ちっ!」
咄嗟にその場でバイクをぐるりと反転させ毒霧から飛び出すソラス。その傍らにはギリギリまで戦っていたディアボロスを抱えている。一度の毒霧でその化学防護服は既にボロボロで、ガスマスクも外れていた。
「ソラ!」
「助かる兄貴!」
なおも追い打ちをかけて噴き放たれた毒霧とソラスのバイクの間に、突如壁が出現する。勿論完全に防ぐことは出来ないが、分散される事で致命的な威力はそがれる、
毒霧を防がれ、トーチカ内の敵は次に右腕の砲身を構える。だが。
「!?」
トーチカ内部に毒が噴出する。
「対策装備してても濃度には限度があるデショ」
眼鏡をかけ直すラウム。その異能で以て微かに見えた薬品タンクに穴を開けたもだ。彼も薬品の扱いには一家言ある。構造的に射撃口以外は密閉されていて、中にガスが溜まるはずだと推測し、そこを穿ったのだ。
「対策装備してても濃度には限度があるデショ」
「いやほんと全くだぜ、こっちの装備も一発でアウトだ」
無事な砲から飛んできた毒弾の影響をハンカチで多少抑えつつ耐えているラウムの元に、ソラスと彼に連れられてディアボロスが戻ってくる。
こちらも決して無傷とはいかなかったが、ディアボロス達の工夫と努力で毒ガス包囲は薄まり、トーチカから敵をあぶりだす事も成功した。あともう一息だ。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
百鬼・運命
絡みアドリブ◎
心情
さてと、毒ガス相手も何度目かな?とはいえ無作為にばら撒かれても、王宮内の探索の邪魔になる。手早く片づけてしまいたい所だな
行動
まずは毒ガス対策に水空両用で気密性のある大型動力甲冑に搭乗。
その後背面のマルチミサイルポッドよりアイススフィアを封じた凍結ミサイルに水ミサイルを混ぜて発射し、戦場を一帯を凍結させる
「八連装ミサイルポッド、四基三十二門の一斉発射だ。きくだろう?」
攻撃と同時に周囲の気温を一気に下げることで毒ガスの揮発性の低下やガス噴射口自体を詰まらせて毒ガスを使用不可にするのは慣れたものだ。毒ガスさえ使えなくなれば敵戦力は大幅に低下するからな
●吹き荒れる氷雪が押し止める
百鬼・運命(人間のカースブレイド・g03078)はモニタ越しにトーチカ周辺を見ている。他のディアボロス達によって損害を被った敵は、こちらへ一斉攻撃をする構えを見せていた。
「さてと、毒ガス相手も何度目かな?」
薄暗い中でモニタの光に照らされる運命の表情に、焦りの色は無い。だが、同時に悠長に構えている心算も無かった。毒ガスを無作為にばら撒かれでもすれば、この後のの王宮内の探索の邪魔になるだろうからだ。手早く片付けないと考える彼は一歩を踏み出す。
ズシン、と非常に重く固い音が響く。運命は今大型の動力甲冑に登場している。その姿は差ながら鉄の巨人のようだ。
水陸両用のこの甲冑の気密性ならば毒ガスにも有効だろうとの考えで、実際それは当たっている。仲間達の各種対策と合わせ、周囲に漂っている毒ガスに関してはもう心配の必要はない。
動力甲冑の背面からミサイルポッドが展開する。運命はモニタに映る戦場全体をロックオンし、ミサイルを発射させた。
発射されたミサイルは次々に着弾する。するとその瞬間着弾地点から激しい吹雪が発生し、床もバリケードも凍り付いていく。
「八連装ミサイルポッド、四基三十二門の一斉発射だ。きくだろう?」
ミサイルに搭載されていたのは爆薬ではない。氷の異能を封じた凍結ミサイル、そして水ミサイルが混ぜられていた。異能の力で生み出される局所的な吹雪にまき散らされる水が凍りつき、戦場一帯を凍らせるほどの効果を生み出したのだ。
周囲の気温が一気に下げられ、罠として設置された毒ガスは揮発性が低下し完全に封じ込められる。
幾発かの毒弾が動力甲冑を傷つけ、纏う運命に多少の痛みや苦しみを与えるが、敵が受けた被害の方が遥かに甚大だった。
しばし警戒するが、もはやトーチカ周辺で動く者の姿は無い。戦場内も滞留していた毒ガスは完全に消え去り、安全になったそこを運命は駆け上がる。
無人となったトーチカを、動力甲冑の拳で破壊した運命は、ディアボロス達と共にその先に待ち受ける毒ガス部隊の隊長の元へと急ぐのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【冷気の支配者】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
●
「毒の庭を突破されたか、やれやれまだまだ改良が必要だな」
モニタに表示される映像をみながら白衣のクロノヴェーダは独り言つ。
「やっぱり一般人を使った『実験』じゃディアボロスに効果的な毒ガスを作るのは難しいね。とはいえ今回はいいデータが取れたし、君達を片付けたらまた彼らの『協力』を募って改良を進めるよ」
辿り着いたディアボロス達に向かい語るその口調は飄々としたものだった。ディアボロスすら蝕む毒ガスを開発する為の実験、その意味するところは明白だ。だがこのクロノヴェーダの口調には悪びれる様子は微塵も無い。
「なに、この国を守る為なんだ。彼らだって喜んで命を捧げてくれるさ。無事に生き残れば改造してさらに国に役立てる体にしてあげられるしね」
こともなげに言い放つその声色には、どこか熱がうかがえる。歪み狂った愛国心の熱が。
レイア・パーガトリー
毒の庭を攻略した今、このマッドサイエンティストを撃破すればいいのね?
女王の下賜で馬上槍からの一撃をお見舞いするわ
ラボの装置だって、本人の邪魔はしないだろうから
反撃対策は距離を取らずに近づいたまま槍で対応するわ
離れようとするなら、リンバスの機動力で再度近づいて
近い間合いだけど私の方がリーチで有利、というのをキープしましょ
膠着しそうなら、ラボは好き勝手破壊させてもらうわよっ
ところでこの科学者自身は毒への態勢があるのかしら…?
無ければ猶更のこと距離をあけるわけにはいかないわね
死なば諸共、よ
●信念の槍が繋ぐ
「毒の庭を攻略した今、このマッドサイエンティストを撃破すればいいのね?」
レイア・パーガトリー(毒棘の竜騎士・g01200)は馬上から緑色の瞳で敵を睨め付ける。その手には王笏にも似た美しき馬上槍。相棒たる無双馬リンバスは主の意のままに駆け出す。
「それが出来るならば、だけどね?」
フリッツ・ハーバーはニヤリと笑うと周囲の空間を書き換えていく。毒の庭を観察していたモニタや計測器が姿を消し、室内にはいくつものガラス瓶やビーカー、密閉された容器が出現する。そのどれらも毒々しい色の内容物を湛えている。
「っ!」
一瞬険しい顔をしたレイアだが、その瞳に宿した決意はいささかも揺らがず槍を突き刺す。周囲の装置から噴き出した毒ガスを槍でかき回して散らしながらリンバスを駆けさせる。槍から逃れようとするフリッツを追撃する為だ。
気体である毒ガスの方がやり取り間合いは広い。レイアは毒ガスが身を焼く事を覚悟の上で迫る。
(「我が名のもとに授けます。生きとし生ける者に幸あれ、我が御前に於いて飢えること勿れ」)
レイアは生命力に満ちた歓びのオーラを全身に纏って毒に抗いながら槍を振るう。フリッツにではない毒ガスの噴射口を含む周囲のラボの設備にだ。
「ふ、それを壊しても私は何度でも作り変えられるんだよ?」
「そうね……ところで貴方自身は毒への態勢があるのかしら……?」
「お前……ぐっ!」
レイアの行動を無駄だと嘲笑うフリッツを前にして、彼女は充満する毒ガスに身を隠しながら接近し左肩を槍で貫き壁に突き刺す。
「無ければ猶更のこと距離をあけるわけにはいかないわね」
毒ガスは無慈悲に創造者の肉体すらも焼いていく。
「死なば諸共、よ」
「ディアボロスっ!」
壮絶な笑みを浮かべるレイアにフリッツは恐怖を覚えつつ、ラボを操作して毒ガスの中和剤を散布する。
だが、それはレイアにとっても活動限界を伸ばす事に繋がる。彼女の強い意思と覚悟が活路を切り開き、フリッツにより多くの傷を負わせる戦果となったのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】LV1が発生!
ラウム・マルファス
ソラ(g00968)と
薬品実験でラットとか使ったことあるし、ボクが怒るのは筋違いなんだけどサ。相手も喜んでるなんてのは傲慢以前だと思うナ。
まぁ、同族嫌悪ってヤツかもしれないネ?
「ソラ、前衛は任せるヨ」
ボクはまず敵の攻撃に対処。ラボは毒薬の実験場だろウ。トラップ生成で、発動を邪魔するように柱を設置。発動された後は毒の噴出口をトラップの鉄板で防ぎつつ、観測機器に手持ちの薬品(酸)をかけて壊すヨ。
「そんなに薬品が好きなら、薬品にしてあげるヨ」
パラドクス発動。相手の内臓を揮発性の弱い毒に変えよウ。苦しめる趣味はないからネ。即死できるだけの量をあげるヨ。
ソラス・マルファス
兄貴(g00862)と
「てめぇ、命を何だと思ってやがる」
どんな答えであれ容赦はしねぇ。てめぇはこの場で切り捨ててやる。
「……おぅ、任された」
頭に血が上ったままじゃ、やれることもやれやしねぇ。
空間が書き換えられようと、相手の位置は変わらねぇ。呪詛を纏った大剣で壁を薙ぎ払って進むぜ。
なるべく毒が来る前に斬りつけるが、毒が来たら呼吸法で息を止め、浄化で身を守りつつパラドクスの強風に敵の毒を巻き込んで、まとめて叩きつける。
「自慢の毒なら、まずはてめぇが食らってろ」
攻撃後は兄貴の視界を邪魔しねぇよう下がるぜ。
浄化で呪力を相殺しつつ、解毒は兄貴に頼るとしよう。
●二つの怒り
「てめぇ、命を何だと思ってやがる」
フリッツの言葉に唸るような低い声でソラス・マルファス(呪詛大剣・g00968)が問いかける。
「何だとって、それはもちろん貴重なものだよ。失ったら取り戻せない」
フリッツは怒りを込めた問いかけに飄々と答える。
「生きていれば感情を摂取できる人間を使うぐらい大切な実験というわけだよ。何せこの国の為だからね」
「よくわかった。容赦はしねぇ。てめぇはこの場で切り捨ててやる」
ソラスが剣を握る拳の力が増す。怒髪天を突くやの形相で飛びかかり切りかかろうとしたその時。ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)がすっと腕を伸ばして静止させる。
「落ち着いテ、そのまま飛び込んだラ相手の思う壺だヨ」
このラボは毒薬の実験場だろう、であれば先ほどと同じような毒ガス攻撃がまだあるはずだ。ラウムの冷静な分析を聞き、ソラスは沸き立った思考を抑える様に頭を振る。
「頭に血が上ったままじゃ、やれることもやれやしねぇ」
「そういうコト。ソラ、前衛は任せるヨ」
「……おぅ、任された」
斯くして冷静さを取り戻したソラスは、敵を決して赦さぬ意思のみを伴として走り出す。
「結局やる事は突撃だけかな?」
特に策を弄したように見えなかったフリッツはラボの装置を動かして毒ガスの噴射口を向ける。
「それはさせないヨ」
だがラウムが一瞥すると床から勢いよく柱が飛び出し、噴射口に激突してその口を潰していく。ソラスを阻む物は何もない。
「ちっ」
フリッツはラボを操作して咄嗟にガス漏れ時用の防護壁を展開する。
「空間が書き換えられようと、お前の位置は変わらねぇ! 風纏い、旋風!」
だがソラスは旋風を巻き起こしながら大剣をそのまま防護壁に叩きつける。
激しい突風の風切り声に呪詛が乗り、悍ましい叫び声となって刃は壁を薙ぎ払う。その一撃は壁の向こうにいたフリッツをも斬りつけていく。
「ぐはっ! しかし、ここまで近づけばこの毒からは逃げられないぞ」
フリッツは血を吐きながら己を中心にソラスを巻き込むように毒ガスを散布した。彼自慢のその特製毒は数多の命を使い潰し、無数の屍を積み上げた末の成果物。それは単なる毒物ではなく、もはやある種の呪いにすらなっている。
毒ガスと共に苦しむ無数の叫びと、嘆きと、救いを求める声がソラスを襲う。
「……っ!」
ソラスにはその嘆きを救いあげる術は無かった。ただ彼はより風の勢いを高め、その強風に呪い事毒ガスを巻き込んでいく。
「自慢の毒なら、まずはてめぇが食らってろ」
そして毒と呪いの暴風を大剣ごとフリッツに叩きつけるのだった。
毒から発せられる呪いは、離れた場所のラウムですら感じ取れるものだった。彼は表情を変えることなく眼鏡を指で直す。
「ボクが怒るのは筋違いなんだけどサ」
薬学に精通するラウムは薬品の実験をラットなどで行っている。その結果死なせてしまった実験動物も。けれどそんな彼だからこそ、フリッツが先ほど放った一言は決して許容できる内容では無かった。
「相手も喜んでるなんてのは傲慢以前だと思うナ」
ソラスの先ほどの怒りが、激しい業火の如きであるならば、ラウムの見せるこの怒りは凍てつく氷河か。静かな口ぶりの奥には明確な敵意がある。
「そんなに薬品が好きなら、薬品にしてあげるヨ」
万物を暴く悪魔のレンズ越しにさらけ出されるフリッツの内部構造。その内側部分を毒へと書き換える。
「ぐっぶふっ!」
フリッツの吐く血にどす黒い液体が混じり始める。
苦しめる趣味の無いラウムは即死出来るだけの量を生成しようとしたが、フリッツが抵抗しそれは阻止されたようだ。
外と内からの連続した大ダメージでフリッツはかなり損耗している、だがそれでも戦意は衰えてはいないようだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【無鍵空間】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
三苫・麻緒
国を守る為、ねぇ…
便利な言い回しを使っているようにしか聞こえないかな
【飛翔】して機動力を確保しつつ、戦場の変化による影響を極力減らすよ
制空権も取れそうなら積極的に取りに行くね
生体兵器に接近したらその挙動を≪観察≫
弱点や攻撃方法がわかったらそこを狙ってナイフを構えて急接近するよ
ナイフの間合にはいったら、加速した勢いを活かすようにナイフを振るって兵器を≪解体≫しちゃおう!
欲を言えばしっかり壊しておきたいけど、ある程度損傷させることができたらとどめよりもフリッツ・ハーバーへの攻撃を優先かな
≪連続魔法≫で再加速してもう一撃を狙っていくよ
こういうのは術者を蹴飛ばせば兵器も止まるっていうのが相場だよねっ!
●春が飛ぶ
「国を守る為、ねぇ……」
三苫・麻緒(ミント☆ソウル・g01206)はフリッツの言葉に眉をしかめる。聞こえはいいが、便利な言い回しを使っているようにしか彼女には聞こえなかった。
それを言い放ったフリッツは、他のディアボロス達の活躍により大きくダメージを累積していて、自らが戦う代わりに生態兵器を起動させていた。
幽鬼のように佇む人の形をした兵器、それは皆、フリッツの実験に使われた一般人達の成れの果てだ。
麻緒は不快を露わにしつつ空中に浮かび、ラボに備え付けられた武器に気を付けて距離を取りつつ、上空から生態兵器を観察する。
「わかった、そこだね!」
背に広がるミント色の翼が巨大化し麻緒は空中を疾走する。狙うは膝の駆動部分。彼女の手には銀の閃き、そして金緑石の煌き。自身とアークデーモンの魔力を宿したナイフが兵器達の脚部を一瞬で分解し崩れ落ちさせる。
「欲を言えばしっかり壊しておきたいけど……」
倒れても尚命令に従おうともがく生体兵器達を一瞥し、麻緒の意識はフリッツへと向かう。
「こういうのは術者を蹴飛ばせば兵器も止まるっていうのが相場だよねっ!」
突撃を終えて一度戻った翼に、再び魔力を滾らせ巨大化し、次なる標的フリッツへと狙いを定める。
「ちょこまかと目障りな……っ!」
苛立つフリッツが新たな生態兵器を顕現させ、迫りくる麻緒への迎撃を命じる。
加速しても尚躱しきる事の困難な弾丸が襲い掛かる中で、それでも麻緒のミント色の瞳に恐怖は浮かぶ事は無い。もう奪われてしまっているからだ。
致命傷になり得る部分だけをミント色の魔力が護り、それ以外の全ての魔力を推進力にまわして、麻緒はミント色の星となりフリッツの胸にナイフを突き立てる。
「ぐあああっ!!」
加速の方向を上に、天井へ向かって上昇する勢いのまま肩まで斬り裂く。機械の部品とオイルをまき散らしながら苦悶の叫びをあげるフリッツ。生体兵器へ指示を下す装置が壊れたのか、糸の切れた操り人形のように動きを止める生体兵器達。
鉄の仮面に覆われたその顔は表情等あるはずがないのに、麻緒の手中にあるナイフから発せられた金緑色の煌きに照らされて、どこか安らかでいるように感じられた。
毒の庭に、もうすぐ『春』が訪れようとしている。それを祝福するように、金緑石は煌き続けるのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
クリーガ・エッシェルング
周囲をラボに変える……か。そうなると……うん、これが使えるな……
残留効果「冷気の支配者」を使用し、その上で【急凍】を放ってラボや装置の電気系統をダウンさせ、毒ガスも凍らせてやる、よ……
いくらオマエに有利な場になっても、その「場」が機能不全を起こしていればどうしようもないだろう?
フリッツもサイボーグなら、身体には電気系統が走っているだろ……ならば、【急凍】を継続して放ってフリッツも機能不全に追い込む……俺は防護服の「忍耐力」で耐える……我慢比べ……だ。
凍らせることができたらシャベルで粉砕。
もしくは元素炎放射器のカートリッジを火属性付与装置に取り替えて火炎放射……急激な温度差で壊す……よ。
●氷と共に眠れ
人としての尊厳を奪われ、実験体として使われ、兵器へと貶められた人の形をしたモノ達の終焉を前に、クリーガ・エッシェルング(無貌の火葬兵・g06836)がその防護服の中でどのような表情を浮かべたか。それは誰にもわからない。
寡黙な男がその事について何かを口にすることは無く、けれどただ一つだけ確かなのは。その内にはクロノヴェーダへの尽きぬ復讐の炎が燃え盛っている事だけ。
その炎を原動力に、クリーガは全てを終わらせるために動きだす。
「周囲をラボに変える……か。そうなると……うん、これが使えるな……」
防護服のレンズ越しに見える室内。敵のパラドクスにより顕現したラボの様子から、己の手札から斬るべきカードを選び出す。
かつて自分に貸与された火炎放射器型の兵器。そのカートリッジを輩出し、別のカートリッジに換装する。
これまでのダメージでフリッツは満身創痍といった様子だが、クリーガの動きに気付いてラボを起動させる。毒ガス噴射口と銃口がクリーガを排除せんと向けられるが、一手早い。クリーガの構える火炎放射器から激しい氷交じりの冷風が噴き出した。
たちまちのうちに室内の温度が急激に低下していく。大気中の水分が結晶化し、キラキラと照明を照り返す。
次にクリーガは機械類に向けて凍結ブレスを浴びせかける。機械類から甲高い警告音が発せられ、モニターの電源が喪失される。電気系統に異常が起きているのだ。
「いくらオマエに有利な場になっても、その『場』が機能不全を起こしていればどうしようもないだろう?」
「ここまで、か。今ので貴重な研究データも消えてしまっただろう。あぁ、残念だ」
最後の抵抗も封じられ敗北を確信したフリッツはぐったりと肩を落として、ラボと共に出現した椅子に体を預けた。その体は末端から氷ついていく。
一方クリーガもまた防護服に夥しい氷を纏わせていた。普段より緩慢な動きになりながら、その手にシャベルを持ち変えてフリッツの元へ歩み寄る。
「我慢比べは、俺の勝ちだな」
既に氷像と化したフリッツの前で独り言ち、クリーガはシャベルを思い切り叩きつける。小気味よい音共にフリッツは砕け散っていく。
斯くして毒の庭部隊は壊滅したのだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV2になった!
効果2【グロリアス】LV1が発生!