リプレイ
嵐柴・暁翔
数え歌は恋歌としてなら最後は朝チュンの意味なのか…?
……取り合えず爆ぜろ
まあそれはさておきその四人の中でなら取り合えず鵜飼いの少将さん、かねぇ…?
鵜飼なら酉の刻にやるし、他の方は貴族っぽいから左京住まいで酉の方角の京の西側に住んではいなさそうだしな
しかしなんでまた痩せた鳥みたいな元公卿だけ被害者候補なのに他の殺人事件の黒幕扱いされているのやら…?
俺としては今までの被害者は恋歌になぞらえて殺されたのならリア充だったのかとか殺害方法が気になるんだけど…
……それにしても『雉撃ちの大納言』だけは下ネタの蔑称にしか聞こえないんだけど…
好意的に解釈するなら雉狩りが上手いとかなのかもしれないけどな…
●とり=鶏
平安鬼妖地獄変。
「数え歌は恋歌としてなら最後は朝チュンの意味なのか……?」
嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)は、例の数え歌の最後を端的に訳して、
「……取り合えず爆ぜろ」
お決まりの憎悪を燃やしていた。
「まあそれはさておき、その四人の中でなら取り合えず鵜飼いの少将さん、かねぇ……?」
そんな風に、数え歌の意味をスッと正しく呑み込んだ暁翔だが、次の被害者当ては残念ながら外していた。
「鵜飼なら酉の刻にやるし、他の方は貴族っぽいから左京住まいで、酉の方角の京の西側に住んではいなさそうだしな……」
とはいえ、酉の刻と酉の方角——彼の推理の根底には、確かに『とりのね』への理解がある。
とりのねとは、朝を告げる鶏の声のことだと。
「しかしなんでまた、痩せた鳥みたいな元公卿の北の方だけ、被害者候補なのに他の殺人事件の黒幕扱いされているのやら……?」
そして暁翔の思考は、4人の中でも、殊更気の毒な立場に置かれた北の方へと飛ぶ。
「俺としては、今までの被害者は恋歌になぞらえて殺されたのならリア充だったのかとか、殺害方法が気になるんだけど……」
被害者がリア充——恋人がいたかもしれないという可能性は、確かに殺人の動機の解明に繋がるかもしれない。
クロノヴェーダの動機ではない。世間が勝手に憶測する『殺人をした前提の北の方の動機』である。
「……それにしても『雉撃ちの大納言』だけは下ネタの蔑称にしか聞こえないんだけど……」
そんな風に容疑者を心配する一方、貴族の呼び名について下世話な想像もする、いつも通りの暁翔だった。
「好意的に解釈するなら、雉狩りが上手いとかなのかもしれないけどな……」
成功🔵🔵🔴
効果1【友達催眠】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
葛葉・狐狛
「………? よっぴて、よひとよからだとしたら」
候補、の中から指折り考えれば。
「宵っ張りの明け方。最初に酉の声を聞く。それなら、鶏合わせに強い参議さん、じゃないかねぇ」
色々と不足はしているが、唄だけを材料にすればそんな見立てだ。
「………逢瀬の終わりを告げる、明けの明星と仲良しの鶏の縁さ」
しばらく食べていない鶏料理を思い、少し間をおいてから口寂しさを紛らわすのに手持ちの菌類の山という現代の菓子を一つ、口に放り込む。
「推理合わせといこうか。おや、同じ答えじゃ賭けにならないねぇ」
大げさに戯けた仕草で、他の面々に菓子でも勧めよう。
今回の仕事は報せを走らせるのと次の準備は別の段取りみたいだから、略。
西堂・千衛蔵
「人間ごとき簡単に殺せると思って、遊んでいやがる」
恐怖や嫌悪感を煽るという実利があってやっているのだろうが、回りくどいやり方が気に入らない
ともあれ、謎解きだ
「難しい事は苦手だが、こいつはわかった」
単に、知ってるか知らないかの話だ
よっぴて(夜通し)逢瀬を楽しんだ後一番早く鳴く鳥は、鶏だ
つまり、鶏合わせに強い参議が次の標的だろう
いやしかし、「こいうた」の行に合わせて鯉売りを殺す犯人のことだから、絶対の自信があるわけじゃない
「なあ赤煙、お前はどう思う?」
赤煙は知らん顔で、プカプカ煙と炎を吐くだけで答えを返してはくれないので、他の人の推理も聞いてみよう……
●正解発表
続いて。
「人間ごとき簡単に殺せると思って、遊んでいやがる」
西堂・千衛蔵(竜燈鬼・g01901)は、連続殺人事件の犯人であるクロノヴェーダに対して、強い憤りを感じていた。
鬼や妖怪にとって人間の恐怖や嫌悪感を煽ることに実利があるからこそやっている——と頭では理解していても、千衛蔵にしてみれば回りくどいやり方が気に入らないらしい。
もっとも、クロノヴェーダが人間の感情を食い物にしていること自体、ディアボロスなら誰しも気に入らないだろうが。
「難しい事は苦手だが、こいつはわかった」
ともあれ、謎解きに挑む千衛蔵。
「よっぴて逢瀬を楽しんだ後、一番早く鳴く鳥は、鶏だ」
よっぴて、とは彼が言う通り、夜通しという意味だ。
「つまり、鶏合わせに強い参議が次の標的だろう」
そう言い切る千衛蔵だったが、
「いやしかし、『こいうた』の行に合わせて鯉売りを殺す犯人のことだから、絶対の自信があるわけじゃないが」
2人目の被害者が無理やりこじつけたどころか、駄洒落で殺されたような気がして、再び首を傾げる。
「なあ赤煙、お前はどう思う?」
ミニドラゴンの赤煙は、まるで襟巻きのように千衛蔵の首に巻きついていた。
だが、相棒の問いには知らん顔で、プカプカと煙と炎を吐くばかり。
千衛蔵も訊くのがクセになっているものの、赤煙が答えを返してくれないのはわかりきっているから、次は目線で仲間に推理を促した。
「………?」
視線を受けた葛葉・狐狛(狐憑き・g00840)がひとつ頷き、覚醒後に新たなトレードマークとなりつつある狐面の内側で、数え歌の歌詞を咀嚼する。
琥珀色の無造作ヘアと勝ち気そうな金の瞳、浅黒い肌がいかにも健康的な、元気な妖狐の少年。
この春から全寮制の中学で生活していた——本人曰く元普通の中学生だった——が、刻逆によって家族を失ったため、その飄々とした佇まいの裏に辛い過去を背負っている。
「けずりひ、こいうた、しおがひき……よっぴて、よひとよからだとしたら」
狐狛は被害者候補を指折り数えて思索すると、
「宵っ張りの明け方。最初に酉の声を聞く。それなら、鶏合わせに強い参議さん、じゃないかねぇ」
色々と情報が不足はしているが、唄だけを判断材料にすればそんな見立てだ、と次の被害者を断定した。
「………逢瀬の終わりを告げる、明けの明星と仲良しの鶏の縁さ」
仲間へ聞かせる狐狛の解説は、理にかなっている。案外ロマンチストなのだろうか。
だが、刻逆の引き起こしたディストピアが、狐狛の郷愁を自ずと食べ物へ向かわせる。
(「鶏料理……しばらく食べてないな」)
やや間があって、狐狛は口寂しさを紛らわすべく、持参していた菌類の山なるチョコ菓子を取り出し、口に放り込んだ。
現代人なら誰もが知る、加えて根深い戦争の火種を孕んだ、美味しいお菓子である。
「さあ、推理合わせといこうか」
狐狛は瞳の奥に自信を覗かせて、千衛蔵と赤煙へ向き直ったが、
「おや、同じ答えじゃ賭けにならないねぇ」
すぐ大げさにおどけた仕草で、2人へお菓子を薦めた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV1が発生!
【浮遊】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
金刺・鞆
京。……この京は、ともの世の京、なのでしょうか。ともの世は、正しき世? ゆがみにつづく世?
わからない、です。
されど、この世、民草のいのち、真の花。なれば、手折るは外道の所業、なりて。……がんばる、です。
被害者、目星。確認してから、行動開始、です。
いぬ、いきますよ。
数え歌をうたいながら、街をあるいて反応、みます。話しかける者、あらば。ききましょう。夜っぴて、鳥の音をきくはやさ。とも、は、鶏の御人、あぶないと、おもいます。他は、安全。……たぶん。
夜通し、鶏の鳴く早朝。……逢瀬、とはかように時を要するもの、です?
世間話をまじえつつ、下手人の予想、きいてまわります。
【パラドクス通信】、情報共有、です。
●容疑者は誰か
京の街中。
「京。……この京は、ともの世の京、なのでしょうか」
金刺・鞆(虚氏の仔・g03964)は、長い前髪に隠れた瞳を揺らめかせ、辺りを見回した。
「ともの世は、正しき世? ゆがみにつづく世? わからない、です」
歴史改竄された平安の京に拭えぬ違和感をそう口に出しつつも、路を歩く足どりは力強い。
「されど、この世、民草のいのち、真の花。なれば、手折るは外道の所業、なりて」
一般人の命を奪うクロノヴェーダへの怒りを原動力に、清らかな新宿島和装に身を包んで情報収集に挑む鞆だ。
「……がんばる、です。いぬ、いきますよ」
声をかけられたモーラット・コミュのいぬは、元気に地を跳ね飛ぶようにして、主の後をついてきている。
「皆も音なく潮が引き……夜っぴて、鳥の音をきくはやさ」
例の数え歌を歌いながら街中を歩き回れば、鞆の予想通り、頭に籠を乗せた苗売りの女性が声をかけてきた。
「おや、上手だねぇお嬢ちゃん。最近は怖い事件が多くていけないねぇ」
いかにも井戸端会議が好きそうな、よく舌の回るおばさんである。
「ありがと、ございます……ほんとに、続けて、殺されるの、でしょうか?」
「みんなそう言ってるけど、どうだろうかね。でも、大の男をどうやって殺すんだか」
「とも、は、鶏の御人、あぶないと、おもいます。他は、安全。……たぶん」
「おや、そうなのかい? やっぱり輦車にお乗りなさるような上つ方は、男でも力がないのかね」
「夜通し、鶏の鳴く早朝。……逢瀬、とはかように時を要するもの、です?」
鞆は世間話も交えながら、下手人の予想を訊き出そうと試みた。
「そりゃあ、楽しいことほど時間が早く過ぎるって意味だろうよ」
おばさんはからからと笑って、ふと気になることを言った。
「男にとっちゃ、新しい女のとこへ忍んでいくことが何より楽しいんだろ。だから、換えられそうな畳が心配もすれば、悋気も起こすんだよ。きっとね」
「かえられそうな、畳……」
鞆はそれを聞いて、キッと表情を引き締めた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
鳳・四葉
●心情
・謎解き…は、とりあえず、自信のある方に任せましょう。ボクは…そうですね…ちょっと街に出てみましょう。丁度、「鳥」を連れていますしね。上手いこと情報収集ができそうです。まあ…ボクが連れているのは、本物の鳥ではなく、悪魔なのですがね。
●情報収集
・肩に悪魔・ユーカリプタスを載せたまま街を練り歩き、街の人々から話を聞く。
「すみません。鳥に関わる人が狙われるという話を聞きいたのですが…。ボクもこいつになつかれちゃって…」
・悪魔を見せながら【友達催眠】の残留効果を使いつつ。まあ…実際にはこの悪魔は欠片もボクに懐いて何かいないけど…
・被害者になりそうな人の事や犯人と誤解されている人の事を聞いていく。
●隠れた共通点
一方。
「謎解き……は、とりあえず、自信のある方に任せましょう」
鳳・四葉(アンラッキー・クローバー・g02129)は、気負いのない様子でそう呟くと、人通りの多い雑踏へと目を向けた。
眩い炎の色をした魔力の翼を生やした、理知的な雰囲気のデーモンの少年だ。
「ボクは……そうですね……ちょっと街に出てみましょう。丁度、『鳥』を連れていますしね」
そう苦笑いして、四葉が肩を見やる。
実際、彼の肩にはまるで文鳥が停まっているような風情で、アークデーモンのユーカリプタスを載せていた。
「すみません。鳥に関わる人が狙われるという話を聞いたのですが……」
「ああ! あれやろ。氷屋の旦那が殺されはったやつ」
ユーカリプタスを見せる傍ら、友達催眠による態度の軟化を期待して、町人へ話しかける四葉。
「ボクもこいつになつかれちゃって……」
鳥を飼っているだけで命を狙われるなんて、と数え歌に怖がっているフリをするには、ユーカリプタスの嘴と翼、そしてまるっこい容姿はなるほど都合が良い。
(「まあ……実際にはこの悪魔は欠片もボクに懐いてなんかいないけど……」)
話し好きそうな町人は、四葉の内心の嘆息など気づかない様子で、明るく励ましてくれた。
「いやぁ、可愛らしい鳥やなぁ。よう懐いたはる。大丈夫や。鳥を飼(こ)うたはる人がみんな危ないわけちゃうらしいえ」
「ありがとうございます……それは、どういう意味ですか?」
「あんな、今までの被害者はな、みんな烏婆さんの旦那が贔屓にしてたらしいねん。御用達っちゅうやつやな」
烏婆さん——次の被害者と世間では目されながら、実際は命を狙われていないと判明したうちの1人だ。
(「確か元公卿の北の方、でしたか」)
「氷屋と鯉売りは、旦那の新しい奥さんの邸へよう出入りしたはったんやて。潮汲みは嫁ぐ前に旦那の邸の女房やって、結婚話もなんや、急にばたばた決まったみたいやから……なぁ?」
町人にしてみれば、良い話し相手ができたと何の気無しに喋っただけだろうが、それを聞く四葉の表情は真剣そのもの。
「そういえば、既に犯人と目されている人の話もちょっと小耳に挟んだんですが、それってまさか」
「そうやで。件の烏婆さんが下手人を使ったんちゃうかってみんな噂したはるわ。どっからどうみても、怪しいもんなぁ」
四葉の情報収集も、鞆同様に実り多いものとなった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
神宮寺・琴
平穏が訪れることなき京…
少しでも早くくろのべーだを排し、平和な日々を取り戻さなければ
これまでの被害者は氷屋、鯉売りと潮汲み女
氷屋はともかく他はさほどの身分でもなし
次の犠牲者候補は貴族やその身内…
3人は貴族の家と取引があったのかどうか知りたいですね
[翔之型]で鳥に変化させた式神を作り肩に止まらせて市中を歩きます
噂話をしている人たちがいたら、おずおずと精一杯の勇気を出したという体で声をかけます
あ、あの…!その話、詳しく聞かせてくれませんか?
実はわたし、とあるお屋敷の鳥の世話係をしているのです。
なんでも鳥に縁のある者の身が危ういとか…?
御方さまに危害が及ばないかと…もう、恐ろしゅうて…。
●罪なき被害者
「平穏が訪れることなき京……」
神宮寺・琴(見鬼の孫・g01070)は街中を散策しながら、焦燥に近い思いを抱えていた。
「少しでも早くくろのべーだを排し、平和な日々を取り戻さなければ」
元より妖怪退治を生業としてきた陰陽師の琴だから、クロノヴェーダを倒す決意は誰にも劣らぬ固さである。
「これまでの被害者は氷屋、鯉売りと潮汲み女。氷屋はともかく他はさほどの身分でもなし……されど次の犠牲者候補は貴族やその身内……」
元々この時代の出身だからか、琴は被害者と被害者候補の間の身分差へいち早く気づいて、違和感を覚える。
幸い、数え歌の噂話をしている平民たちは、すぐに見つかった。
「怖いわね。氷屋と鯉売りなんて、とばっちりやんか」
「ほんまになぁ。もし噂通りやったら、余計に恐ろしくて家に寄りつかへんわ」
1人は恰幅の良いおカミさん、もう1人はこざっぱりとした町娘だ。
「あ、あの……! その話、詳しく聞かせてくれませんか?」
琴は努めておずおずと、さも精一杯の勇気を出した体で、声をかける。
「実はわたし、とあるお屋敷の鳥の世話係をしているのです」
「まあ」
2人の目が輝きを増し、いかにも興味津々といった様子。
「はい。なんでも鳥に縁のある者の身が危ういとか……?」
「そうなのよ。数え歌の最後の節がねぇ」
琴は両手で自らを抱きしめ、ぶるりと肩を震わせる。
「御方さまに危害が及ばないかと……もう、恐ろしゅうて……」
「御方さま!?」
2人は、琴の演技をすっかり信じてくれた……までは良いのだが、
「ねぇその御方様って美しい? 緑の黒髪?」
「お歳はおいくつ? 背の君はいつからお通いに?」
それはそれで質問攻めに遭い、話が少しばかり前に進まなかったりした。
「大丈夫やて、そんなご立派な背の君がいやはるなら」
「そうそ。今までの人は例の北の方の嫉妬を買ってそうな方々ばかりやもの」
だが、2人が語ってくれたところによると、今の質問攻めにも意味は合ったと思い直す琴。
「嫉妬……ですか。ええと、氷屋と鯉売りは、少将様、大納言様、参議様、元公卿様のお邸に出入りはあったのでしょうか?」
すると2人は顔を見合わせ、意味深な笑いを洩らす。
「噂では参議様のとこやな」
「けど参議様のお口には入らへん。召し上がるのはそこのお姫さん」
「もう姫さんとちゃう。奥方様やんか、元公卿様の」
繋がった——被害者同士の思わぬ接点に、琴は内心驚いていた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
西堂・千衛蔵
こういうのはハッタリが大事だ
都でも人が集まる広場に出て演説する
頭に燈篭を載せて光を放ちながらな
【友達催眠】と【浮遊】も使えるなら使う
「善男善女よ、聞け
都を騒がす『けずりひ』の数え歌とそれになぞらえた人殺しは、近く解決するだろう
次の殺しは起こらない
何故なら、この事件は妖怪の仕業であり、そ奴は我らによって退治されるからである!」
数え歌の推理を語り、更に付け足す
「又、犠牲者達に関わりのある、さる人物を黒幕と疑う者があるようだが、それは根も葉もなき事である
その者が黒幕ならば、殺されるのは他の女に心を移した夫か、新たな妻である筈だが、その二人共生きているではないか!
ゆめゆめ惑わされることなかれ」
●民衆説得
辻売りの屋台などが軒を連ねる広場。
「そうだなぁ。こういうのはハッタリが大事だ」
西堂・千衛蔵(竜燈鬼・g01901)は、パラドクス通信による仲間からの報告を受けて、いよいよ北の方の汚名を晴らすべく演説を始める。
「善男善女よ、聞け」
まずは人々の耳目を集めるのが必要と、頭に煌々と照り映える灯籠を載せたまま語り出す千衛蔵。
しかも残留効果のおかげで、足を地に着けず、宙に浮くことまで可能だ。
「都を騒がす『けずりひ』の数え歌とそれになぞらえた人殺しは、近く解決するだろう」
そんな奇跡を起こす修験者のような佇まいの千衛蔵が、重々しく言うのだ。行き交う人々の誰もが驚いて、一度は振り返るのも道理であろう。
「解決?」
「本当に?」
「ああ。次の殺しは起こらない」
人が吸い寄せられるように続々と集まってくるのを見渡しながら、声を張る千衛蔵。
「何故なら、この事件は妖怪の仕業であり、そ奴は我らによって退治されるからである!」
民衆がざわざわと響めいた。
千衛蔵は彼らに数え歌の推理を語って聞かせる。
「又、犠牲者達に関わりのある、さる人物を黒幕と疑う者があるようだが、それは根も葉もなき事である」
それを聞いて、中には不思議そうに囁き合う者もいたが、何より千衛蔵の推理が理屈にかなっていたので、
「なーんだぁ。烏婆さんは犯人じゃないのか」
「そりゃ、雨にも当てずに育てられた公卿の奥方様より、妖怪の方がよっぽど得心が行くねぇ」
と、多くの民が納得顔である。
「その者が黒幕ならば、殺されるのは他の女に心を移した夫か、新たな妻である筈だが、その二人共生きているではないか!」
だから、千衛蔵の断言には、
「本当だ!」
「烏婆さんが犯人なら、元公卿も参議の娘も生きてるわけがないのか」
「そうだな。北の方が真っ先に殺したいのはその2人だよなー」
この場にいた全員が、強い衝撃を受けたようだ。
「故に、ゆめゆめ惑わされることなかれ」
これで、北の方の気の毒な噂話を、少しずつでも『数え歌殺人事件の真の犯人は妖怪』という新たな噂で塗り替えられるだろう。
千衛蔵はホッと胸を撫で下ろし、灯籠と赤煙を落とさぬよう気遣いながら、ゆっくり地面へ降りた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【照明】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
嵐柴・暁翔
なんでこんな回りくどい真似をしているのか興味はあるからな
妖怪のクロノヴェーダなら『忌み嫌われる』のがエネルギーを得る方法の筈なのに自分の名前を出そうともしないというのはどうも理由が分からない
ただの趣味とかの個人的な理由だというならそれでも良いけどどうにも物事で疑問があると気になってしまう性質なんでな
もし最後に真犯人としてネタばらしをしつつ登場するつもりだったのなら…まあすまないな
それとついでに謎解きの報酬とかはないのか?
やりたいかどうかは別だけどお互いの立場上この後殺し合いをせざるおえないだろう?
謎解きの後に何かイベントを考えていたのなら先に聞いておきたくてな
……それじゃ、そろそろ始めるか…?
神宮寺・琴
ひとつ、聞きたいことがあります
これまでの犠牲者は三人
元公卿の新たな奥方となった娘のために参議が呼んでいた氷屋と鯉売り
元公卿の館に仕えていた…おそらくは手付きがあったであろう汐汲み女
全て元公卿に縁が繋がります
故に流れた、嫉妬から誰ぞを雇い手を汚させたと北の方さまを疑う市中の噂
これもお主の意図ではないのですか
北の方さまの悲しみ、嘆き、そして嫉妬
あの方が酷く痩せてしまわれたのも、
心を、魂を糧にされたためではないのですか
人の心は脆く移ろいやすきもの
色恋沙汰なれば猶のこと
しかし、それを他者の…物の怪の自由とされる謂れは非ず!
愚かなる物の怪よ、裁きを受けるが良い!
【バラドクス通信】で仲間へ情報共有
●対峙
鶏合わせが強い参議の邸。
ディアボロスたちは女房に事情を話して東の対に潜み、邪仙狐が姿を表すまで待った。
参議には囮として御帳台の中に寝てもらっている。
「ほう。妾の姿を見ても腰を抜かさぬとは、肝の据わった宿直(とのい)と女房じゃな」
縁側から滑るように入ってきた邪仙狐は、ディアボロスたちを見てそんなことを言った。
「もしや、数え歌に準えた次の標的を悟ったのかえ? いや、聡いことよ。聡い。聡い」
「ひとつ、聞きたいことがあります」
神宮寺・琴(見鬼の孫・g01070)がおもむろに顔を上げて、決然と問いただす。
「これまでの犠牲者は三人……元公卿の新たな奥方となった娘のために参議が呼んでいた氷屋と鯉売り。元公卿の館に仕えていた……おそらくはお手がついたであろう汐汲み女。全て元公卿に縁が繋がります」
邪仙狐はやはり問答を楽しむつもりらしく、無理に御帳台の内へ押し入ろうとはしなかった。
「故に流れた、嫉妬から誰ぞを雇い手を汚させたと北の方さまを疑う市中の噂。これもお主の意図ではないのですか」
「左様。左様」
頷く邪仙狐。
「人は案外な酷薄なものじゃ。他人が殺されたぐらいでは下手人をさほど嫌悪はすまい。否、嫌悪するからこそ努めて嫌な記憶を忘れようとする。それでは糧にならぬゆえな」
琴は義憤を押し殺して詰問を続ける。
「北の方さまの悲しみ、嘆き、そして嫉妬……あの方が酷く痩せてしまわれたのも、心を、魂を糧にされたためではないのですか」
「そうじゃ、そうじゃ。その通りじゃ」
邪仙狐は楽しそうに歯を見せて笑った。
「人の悋気は醜い、おぞましい、そして悋気は嫌悪に繋がる。あの北の方は、真の下手人たる妾をひと時たりとも忘れぬ。元公卿の新しい女かと邪推しては、執拗に忌み嫌う」
邪仙狐の語る理屈は、人の嫌悪を力として取り込む妖怪独特のものだ。
「俺からも良いか? なんでこんな回りくどい真似をしているのか興味はあるからな」
次いで嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)が口を開く。
「妖怪なら『忌み嫌われる』のがエネルギーを得る方法の筈なのに、自分の名前を出そうともしないのは、どうも理由が分からない」
暁翔の指摘は至極もっともなものだ。
「ただの趣味とかの個人的な理由ならそれでも良いけど、どうにも物事で疑問があると気になってしまう性質なんでな」
そう頭を掻きつつ口だけで詫びる暁翔。物事をあらゆる視点から多角的に眺めて考えるのが好きなのかもしれない。
「もし最後に真犯人としてネタばらしをしつつ登場するつもりだったのなら……まあすまないな」
それでも、口先で邪仙狐と冷静に渡り合う傍ら、一般人を手にかけたことへの怒りも彼の声には滲んでいた。
「謝るには及ばぬぞよ。妾は種をバラすつもりなど無いからの」
邪仙狐が、そんな暁翔を軽くいなすかのように、さらりと応える。
「妾が己が名を出さぬ理由か……怨恨薄き殺人など、恐ろしく無いからじゃな」
「……?」
「妖怪が人を脅かして嫌悪を煽るのをただの食事ととるか、力を増すための鍛錬ととるか……どのみち、生命活動や力の維持など、繰り返していれば飽きもしようぞ」
細い目で弧を描き、口を吊り上げて笑う邪仙狐。
「どうせならうんと煮詰めた嫌悪が欲しい。人の数は少なくても良い。知らぬ間に殺人犯にされた北の方は、名も知らぬ妾をさぞ憎んだろう」
やけに素直に吐露した動機——それを聞いた琴の顔がますます険しくなる。
「世間だってそうじゃ。元々人に仇なすものだと恐れられる我ら妖怪より、人が人を殺す方が、強く忌み嫌われて当然では無いかえ?」
暁翔はひとつため息をついてから、わざと話題を変えた。
「それと、ついでに謎解きの報酬とかはないのか?」
「何?」
「やりたいかどうかは別だけどお互いの立場上この後殺し合いをせざるを得ないだろう? 謎解きの後に何かイベントを考えていたのなら先に聞いておきたくてな」
「ふん、おかしなことを言う宿直じゃの。報酬なぞ、参議の命で充分ではないかえ。万一、お主らが妾を先に屠れば参議は助かろう。同族を見捨てられぬ人間には何よりの褒美じゃろうが」
と、人間の命を軽んじ、馬鹿にしたように見下す邪仙狐へ、ついに琴の感情が爆発した。
「人の心は脆く移ろいやすきもの。色恋沙汰なれば猶のこと……しかし、それを他者の……物の怪の自由とされる謂れは非ず!」
愛用の護神刀を閃かせ、怒気を込めて言い放つ。
「愚かなる物の怪よ、裁きを受けるが良い!」
暁翔もそれに合わせて、バールのようなものを構えた。
「……それじゃ、そろそろ始めるか……?」
邸の女房たちが、御帳台から這い出た参議を庇うようにして、奥の間へと引き上げていく。
それを見て、ふと、数え歌の3つめの節に合点がいった暁翔。
あれは、新婚夫婦の逢瀬の邪魔にならぬよう、御帳台の周りから一斉に姿を消す女房たちの動きを歌ったものだったのだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【強運の加護】LV1が発生!
【書物解読】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!
葛葉・狐狛
「あれだけ耳目を引いてりゃね」
どのみち噂好きの殿上人の耳には届いているだろう。
『仕掛けが露見した妖怪は御身を畏れて近付きませぬ』
大納言と、少将の屋敷に【狐変身】【忍び足】で潜り込んで文を残す。
代筆は【友達催眠】で町人にお願い。
元北の方のとこも同様に潜り込むけど、【オーラ操作】も併用して警戒。
敵の気配があるなら【パラドクス通信】で仲間に連絡して、深追いはせず撤退。
なければ、妖怪はここに来ないと書いた文に【活性治癒】と天竺の菓子、菌類の山を添えておいてくる。
その後は結果を仲間に連絡して、襲撃を迎撃する準備に移るよ。
「誑かし、奪い、貶めた、とすれば糸は繋がる。……文字通り、尻尾を出して貰うかね」
●小さな文使い
さて、仲間たちが邪仙狐と問答している一方で。
(「あれだけ耳目を引いてりゃね」)
葛葉・狐狛(狐憑き・g00840)は単身でこっそりと、雉撃ちの大納言の屋敷へ赴いていた。
(「どのみち噂好きの殿上人の耳には届いているだろうし」)
千衛蔵の見事な演説が京中に広まる日も遠くはない。
そう確信できたから、狐変身した上で大納言の屋敷へ安心して潜り込む狐狛。
こういう時に狐の姿は便利である。元よりディアボロスであれば一般人とて大抵のことに協力してくれようが、狐狛にしてみればすぐにでも仲間へ加勢したいから時間が惜しい。
なればこそ、何をしても見咎められず、また事情を説明する手間も取られぬ動物形態は、実に都合が良かった。
『仕掛けが露見した妖怪は御身を畏れて近付きませぬ』
そこらの町人にお願いして代筆してもらった手紙を、寝所の縁側に置いておけば良い。
鵜飼いの少将の邸や、元公卿の邸内で北の方がおわす棟にも、同様に忍び込んだ。
変わらず、妖怪はここに来ないと書いた文に天竺渡りの菓子、菌類の山も添えて。
(「誑かし、奪い、貶めた、とすれば糸は繋がる。……文字通り、尻尾を出して貰うかね」)
後は、謎解きの段階で発生させておいた生命力溢れる世界が北の方の疲労を癒やしてくれるよう願って、狐狛は参議の邸へ向かう。
少なくとも、河童たちと邪仙狐を倒して新宿島へ帰るまで、まだ時間はある。
たとえ僅かな時間だけでも高まった自然治癒力と、狐狛の真実を告げる手紙が、北の方の心身をきっと常より早く回復させるだろう。
大成功🔵🔵🔵
効果1【狐変身】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
鳳・四葉
●心情
・妖怪は嫌悪を餌にするんでしたね。で、あるならば、ボクはコイツラを嫌いません。ただ…害獣として処理するだけです。
・『チチチッ(本当にできるのかしら?四葉?)』
・「できるかどうかじゃない。やるんですよ…ユーカリプタス」
●戦闘
・相手は相撲を使う。ならば…こちらは飛行します。相手の土俵に乗ってやる必要はありません。白炎の翼で飛翔。空中戦を仕掛けます。
・肩に載せたユーカリプタスに炎のブレスを吐かせつつ、魔導銃と翼から炎の誘導弾を地面にいる河童目掛けて乱射します
・敵が屋根や塀を伝って跳んでこないように注意しつつ戦う
・空中からの爆撃を仕掛けつつ、空からの視点で味方を支援しつつ、妖怪を1体、1体減らす
●相撲対爆撃
参議の邸、東の対。
邪仙狐を護らんと姿を現した河童は、総勢6体であった。
「妖怪は嫌悪を餌にするんでしたね。で、あるならば、ボクはコイツらを嫌いません」
鳳・四葉(アンラッキー・クローバー・g02129)も加勢に駆けつけると、人心を弄ぶ邪仙狐へ対抗して宣言する。
「ただ……害獣として処理するだけです」
「チチチッ」
肩に乗っているユーカリプタスが、そんな四葉の決意を嘲笑うかのように鳴いた。鳴き声まで小鳥に似ているらしい。
「できるかどうかじゃない。やるんですよ……ユーカリプタス」
四葉はユーカリプタスを軽くいなすと、彼のおかげで生えた白炎の翼を広げ、ふわりと飛翔する。
(「相手の土俵に乗ってやる必要はありません」)。
河童に得意の空中戦を仕掛けるつもりなのだ。
奴らが屋根や塀を伝って跳んできやしないかと警戒して部屋の中央に陣取りつつ、魔導銃を河童たち目掛けて乱射した四葉。
「ギェエエッ!?」
炎の誘導弾による空中からの爆撃に襲われ、河童たちは皿や甲羅を容赦なく焼かれる。
それでも全身が燃えたまま四股を踏んで、四葉へ組みつこうと跳躍、突っ張りを仕掛けてきた個体もいた。
「危ない危ない」
幸い、飛んでいて心に余裕があったおかげか、四葉はこれを回避した。
実際のところ反撃に距離や高さは関係ないのだが、戦場にて気持ちで優位に立つことの大切さがよくわかる一幕といえよう。
残る河童は4体。
大成功🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
加奈氏・コウキ
味方との連携重視。
飛び込み参加ですが、他に参加している味方がいれば、連携し戦闘を行うよう心掛けます。
投擲ナイフに具現化させた復讐の刃を使用し攻撃。
尻子玉抜きを、動きをよく見て後ろに回り込まれないように回避しつつ、その隙をついて復讐の刃を投擲するように放って反撃していきます。
スピード重視での戦闘行動は負けない。
またここでも、何の罪もない人々が、クロノヴェーダの犠牲になっている。
俺は貴様らを許さない。
クロノヴェーダの全てを、殲滅する。
かつて刻逆によって、故郷も家族も、存在ごと消された恨みにより、その元凶となったクロノヴェーダを憎んでいます。
全てのクロノヴェーダを滅ぼすまで、彼の戦いは終わりません。
●永き復讐の一歩
続いて。
(「またここでも、何の罪もない人々が、クロノヴェーダの犠牲になっている……」)
加奈氏・コウキ(妖一刀流皆伝・g04391)が、河童たちをさっさと蹴散らすため助太刀に来てくれた。
漆黒の髪と瞳に加えて、着込んだ黒乃服の色味がまさに黒一色といった風情の、カースブレイドの青年。
刻逆によって故郷も家族も文字通り存在ごと消された恨みは当然ながら深く、元凶であるクロノヴェーダへの憎しみを糧に戦い続けているところがある。
実にディアボロスらしいディアボロスといえよう。
「俺は貴様らを許さない。クロノヴェーダの全てを、殲滅する」
全てのクロノヴェーダを滅ぼすまで、己が戦いは終わらない——コウキはそんな揺るがぬ決意から、残る河童たちへ啖呵を切る。
同時にその烈しい復讐の意思を複数の投擲ナイフとして具現化、河童目掛けて投げつけた。
「ギャァァァッ!!」
勢いよく空を切ったナイフが、河童たちの浮いた肋骨へと鋭く突き刺さり、3体中2体へ引導を渡した。
もう1体はあまりの痛みにのたうちながらも反撃とばかりに尻子玉を引っこ抜こうと、コウキの背後を取るべく回り込む。
だが、スピードに自信のあるコウキは奴の動きを見逃さず、片手で奴の腕を払い除けた。
その反射神経のおかげか、一瞬触れた掌に吸われた体力もごく微量で済んだ。
残る河童は2体。
大成功🔵🔵🔵
効果1【操作会得】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
金刺・鞆
有象無象に用ない、です。わるぎつねのくび、確実にはねるがため。まずは、蹴散らす、ですよ。
河辺の地形、敵の利。なれば、水計、控えたほうがよい、でしょうか。
『ワイファイスパーク』、用います。
いぬ、雷撃です。
河辺に棲まう妖。なれば、さぞや湿っている、です?
水、電気、よく通す、です。新宿の世にて、『かでん』の扱い、危険、ききました。
反撃せんと、背後に敵、現れる。なれば、その瞬間狙う、です。備えて、攻撃してまいりましょう。
計略、不意打ち、ともにも……多少の心得、ございますゆえに。
うばわれた生命力、は、【活性治癒】、【ドレイン】で補いましょう。
……首魁の首をおとすまで、倒れるわけにはまいりません、ゆえに。
●疾狗迅雷
一方。
「有象無象に用ない、です」
そう河童たちへ向かってきっぱりと言い放つのは金刺・鞆(虚氏の仔・g03964)。
「わるぎつねのくび、確実にはねるがため。まずは、蹴散らす、ですよ」
鞆は得意の青龍水計を起こそうとして仕掛け扇を構えるも、
(「河辺の地形、敵の利。なれば、水計、控えたほうがよい、でしょうか」)
ふと、敵が河童というのが気になったらしく、すぐ予定を切り替えて指示を出した。
「いぬ、雷撃です」
モーラット・コミュのいぬが、真っ直ぐ河童目掛けて跳んでいく。
(「河辺に棲まう妖。なれば、さぞや湿っている、です?」)
鞆がそんな想像をするのももっともな話で、
「水、電気、よく通す、です。新宿の世にて、『かでん』の扱い、危険、ききました」
新宿島で得た生活の知恵が、思わぬところで彼女に自信を与えたようだ。
とはいえ、青龍水計とワイファイスパーク——どちらもパラドクスであるからには、河童の体力を削る量や命中のしやすさへ鞆の能力以外の差異は無いのだが。
「計略、不意打ち、ともにも……多少の心得、ございますゆえに」
それでも、やはり河童を倒すのに水流を使うのでは、なんとなく効きづらそうで不安になるのだろう。
実際、いぬの放った電撃が河童たちに命中した際は、頭の皿から全身へ電流が流れて、想像を絶する痛さだと思われる。
「……首魁の首をおとすまで、倒れるわけにはまいりません、ゆえに」
鞆は河童が反撃で伸ばしてくる手にも、例の生命力溢れた世界やいぬが河童から奪ってくれた体力のおかげで、充分耐えることができた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
西堂・千衛蔵
「赤煙、どう思う……この、人を虚仮にした妖怪どもを、自分はどうしてやればいい?」
ああ、そうだろうとも。答えは最初から決まっているのだ
この怒りをぶつけさせてもらおう!
赤煙に死角を警戒させながら、手近な一体の河童と戦う
すぐに囲まれそうだから、その前に手を討とう
河童の頭を抱え込んで後ろに倒れ込みながら投げ落とし、頭の皿から水を流す
河童が力を失ったら、武器代わりに使わせてもらう
両足を掴んで、自分の体を軸に回転しながら薙ぎ払うぜ
これで雑魚は片付いたか?
●怒り心頭、発して閃きに変ず
他方。
「赤煙、どう思う……この、人を虚仮にした妖怪どもを、自分はどうしてやればいい?」
西堂・千衛蔵(竜燈鬼・g01901)が怒りも露わに相棒へ問えば、赤煙も戦闘中で興奮しているのか、鼻息荒く煙と火を噴射している。
「ああ、そうだろうとも」
答えは最初から決まっているとばかりに、頷く千衛蔵。
「この怒りをぶつけさせてもらおう!」
首に巻きついた赤煙へ死角を警戒させつつ、手近な河童へ狙いを定めると、その両足をむんずと掴んで強く握りしめた。
「!?」
驚き狼狽える河童をよそに、千衛蔵はそのまま自分の体を軸にして河童をぶん回し、回転による遠心力を利用してもう1体の顔面へとぶち当てた。
ぶぉんっ!!
これぞ、ストリートストライクの様々な派生パターンの中でも、抜群に意表をつく武器では無かろうか。
何せ、河童本人のぶよんとした身体を武器がわりに軽々振り回しているのだから。
「フギェ……!」
充分な破壊力を乗せた状態で互いの身体同士を強打させられた河童たちは、当然の如くその衝撃で息絶えていた。
「これで雑魚は片付いたか?」
ぱんぱんと両の手の汚れを払って、千衛蔵は邪仙狐へ向き直った。
成功🔵🔵🔴
効果1【強運の加護】がLV2になった!
効果2【アヴォイド】がLV2になった!
嵐柴・暁翔
【内心】
……今回の事件の顛末は要するに相手がグルメだった、と…
無差別に殺して回られるよりは犠牲者は少なかったと解釈すべきか…?
【行動】
そこまで変わったものが食べたいならとっておきの珍味をくれてやるさ
……今まで見下していた人間に殺される情けない自分をどう思う…?
末期の水がわりに自分で自分に向ける嫌悪の味を精々堪能するんだな
……いやまあ言っているだけで、妖怪同士で忌み嫌っても腹の足しになるのかは知らないけどな…
【戦闘】
《復讐の刃》で出現させるのは弓矢
狐を討つ話では矢で射殺すというのはよくあるし撃ち合いになるなら遠距離攻撃が出来た方が有難い
……西洋のキツネ狩りみたいに犬をけしかけたりはしないけどな…
●飛び道具同士の激突
護衛の河童6体全員を倒されても、邪仙狐は特に焦る様子もなくその場に留まっていた。
「これは驚いたの。河童を退けたのは褒めてやろうぞ」
己が強さに傲った余裕なのか、それとも自己顕示欲の高さから来る、取り繕った態度なのかはわからない。
「……今回の事件の顛末は、要するに相手がグルメだった、と……」
嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)は、簡潔ながらも身も蓋もない纏め方をして、溜め息をついた。
「そこまで変わったものが食べたいならとっておきの珍味をくれてやるさ」
さらにはそう挑発して、自らの復讐心を弓矢へと具現化させる。
(「狐を討つ話に、矢で射殺すというものはよくあるしな」)
どうせ撃ち合いになるなら遠距離攻撃が出来た方が有難い——それが弓矢を選んだ理由らしい。
(「……西洋のキツネ狩りみたいに犬をけしかけたりはしないけどな……」)
それはそれで画にはなるかもしれない。
暁翔は益体もないことを考えつつも、しっかりと狙い済まして弓矢を発射。
「……今まで見下していた人間に殺される情けない自分をどう思う……?」
——ドスッ!
(「……いやまあ勝手に言っているだけで、妖怪同士で忌み嫌っても腹の足しになるのかは知らないけどな……」)
邪仙狐の青白い体毛に包まれた右前脚へ、深々と矢を突き刺したのだった。
「末期の水がわりに、自分で自分に向ける嫌悪の味を精々堪能するんだな」
やはり罪なき人々を殺した邪仙狐への怒りからか、珍しく饒舌になる暁翔。
「カカカ、妾の末期がそなたらより早く来るものか」
邪仙狐は、笑いながら高めた妖気を数多の流星と化して、暁翔目掛け降り注がせる。
だが、暁翔はその半分以上を見事に避け切り、軽い怪我を負うだけで済んだ。
成功🔵🔵🔴
効果1【操作会得】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
神宮寺・琴
協力歓迎
水怪の有象無象従えて、人より優位と思いこんでいましたか
見よ、その幻想は我らでぃあぼろすによってすでに霧散
さあ、残るはお主のみ
怪しの穢れを裂いて滅してやりましょう
【書物解読】の残留効果で敵の弱点を看破し攻撃に生かす
得た知見は【パラドクス通信】で仲間にも共有
参議さま、姫さまから元公卿さまに言伝いただけませぬか
我らが退けたる物の怪の意図、お聞きになられたでしょう
北の方さまは物の怪により心身とも弱っておいでです
寵愛は姫さまの元にありましょうが
僅かでもお情けを北の方さまにも傾けていただきたいのです
さすれば心和らぎ、魔物に付け入られることもなくなりましょう
…魔はいつ、誰を狙うとも限りませぬ故
金刺・鞆
化生風情が、ひとを語るか。
腹の底、ぐるぐる、なにか、うずまく。妖が喰らわんとする嫌悪より、もっと、焼けるがごと、違和感。
何故でしょう。北の方、おいたわしく思うが、ゆえ?
なぜ、ここまで血がはやるのやら。……いえ、いえ。いまは、それは、どうでもよきこと。
きつねのくび、はねとばして弔いとしましょう。
衣のすそ、破かぬように払って。はやる血、鬼の血、滾らせて。黒き膚、硬い爪、重く、するどく、横に薙ぐ。
重なりつなぐ力あらば、返す技など些末なり。気にすることなく、攻め立てましょう。
妬み、嫉み、嫌悪、憎悪。向けるも、向けられるも。そうしたものが妖、よびます。
参議さまも御災難でございましたが、どうかお忘れなく。
西堂・千衛蔵
この狐に直接の恨みはないが、自分はディアボロス。クロノヴェーダは悉く仇だ
『我らが退治する』と大通りで大見栄を切った以上、逃がすわけにもいかないしな
何より、こいつのやり方が気に食わない!
「人間を舐めた事を後悔させてやる!」
正面から突撃する
どうせ向こうは真っ向から受けて立とうとはしないだろう
それを承知の上で、わざと両腕を広げて向かって行き、わかりやすく大振りをする
敵の反撃は、敢えてまともに喰らって耐える
自分に注意を向けさせて、味方の攻撃の間合いに誘導するためにな
「只の莫迦だとでも思ったか? 後悔させてやると言ったろうが」
なに、活性治癒も効いているし、死にはしないさ
おい赤煙、そんな呆れた顔をするな
●連携の妙
「化生風情が、ひとを語るか」
金刺・鞆(虚氏の仔・g03964)が、静かな物言いなれども邪仙狐への反発をはっきりと口にする。
(「腹の底、ぐるぐる……妖が喰らわんとする嫌悪より、もっと、焼けるがごと、違和感」)
自分でも驚くほどにお腹の中で渦巻く激しい感情、逆流するかのような血の逸りを持て余して、思わず戸惑いすら覚える鞆。
(「何故でしょう。北の方、おいたわしく思うが、ゆえ?」)
それでもすぐに気持ちを切り替えて、衣のすそを破かぬように捲り上げ、手早くからげる。
(「いえ、いえ。いまは、それは、どうでもよきこと。きつねのくび、はねとばして弔いとしましょう」)
一方。
「水怪の有象無象従えて、人より優位と思いこんでいましたか……」
神宮寺・琴(見鬼の孫・g01070)も半ば呆れた風に零してから、キッと鋭い目つきで邪仙狐を見据えた。
「見よ、その幻想は我らでぃあぼろすによってすでに霧散」
護神刀の切先を滑らかに動かしながら、凛とした声音を響かせる琴。既に河童たちの遺骸は跡形もなく消え失せていた。
「さあ、残るはお主のみ、怪しの穢れを裂いて滅してやりましょう」
そう彼女が宣言すると同時に、素早い身のこなしで先行した者がいた。
(「この狐に直接の恨みはないが、自分はディアボロス。クロノヴェーダは悉く仇だ」)
西堂・千衛蔵(竜燈鬼・g01901)が正面から突撃するつもりで、片腕を異形化させるなりすぐさま飛び出していたのだ。
(「『我らが退治する』と大通りで大見栄を切った以上、逃がすわけにもいかないしな」)
演説に集まってくれた聴衆のためにも負けられない——そんなことを考えつつも勢いづいて距離を詰める千衛蔵。
(「何より、こいつのやり方が気に食わない!」)
どうせ邪仙狐はこちらの攻撃を真っ向から受けて立とうとはすまい。
「人間を舐めた事を後悔させてやる!」
そんな自分の見立てを承知の上で、わざと巨大化した両腕を広げ、わかりやすく大振りに殴りつけた。
「ほう?」
当然とでも言うべきか、千衛蔵のわざとらしく隙が多い鬼神変をのらくらと避け切って、ついでとばかりに人喰いの花矢を飛ばしてきた邪仙狐。
——ドスドスドスッ!!
しかし、奴にとって意外だったのは、千衛蔵が放たれた矢の全てを敢えてまともに喰らったように見えたことだ。
「ぐぅッ……!」
それこそが千衛蔵の策。
反撃に痛がって苦悶してみせれば、邪仙狐の注意を自分に引きつけられると踏んだのだ。
そうして生まれた隙に乗じて、味方が得意の間合いから攻撃できるように。
(「おい赤煙、そんな呆れた顔をするな……なに、活性治癒も効いているし、死にはしないさ」)
首に巻きついた赤煙は相棒を心配してか、それとも意図を理解してますます苦しんでいるように見せるためか、せっせと黒い煙を顔へ吐きつけている。
「カカカ、頭は聡いわりに鈍臭いのぅ」
そして、思惑通りに邪仙狐が気を取られた一瞬の隙を突いて、鬼の血が滾るままに片腕を巨大化させた鞆が迫る。
重く硬質化した黒き膚を振り下ろし、硬い爪を鋭く伸ばして、力一杯横薙ぎに薙ぎ払ったのだ。
「……なかなかの怪力じゃの」
邪仙狐は変わらず平静を装っていたが、その声音には、どこか受けた苦痛を我慢しているような固さがある。
(「重なりつなぐ力あらば、返す技など些末なり」)
それでも、まだ有り余る妖気で毒花の矢を拵えては撃ってきたが、攻撃に集中すると決めた鞆の確信通り、大した痛手にはなり得なかった。
「朱・玄・白・陣・帝・文・台・玉・青!」
他方の琴は空中に描いていた陣が完成すると共に詠唱も終わり、陣へ集めた天地の気を力に変えて護神刀を振り下ろす。
「グァアア……!」
頭から唐竹割りの如く両断された邪仙狐が、よろよろと倒れ臥して呻く。
「只の莫迦だとでも思ったか? 後悔させてやると言ったろうが」
目に見えてすぐ体力が戻る訳ではないがやはり活性治癒があると気分が違うのか、千衛蔵が余裕を見せてにやりと笑う。
「……真に利口なる者とは、うつけのふりができる者……なるほど……」
それが、邪仙狐の最期の言葉だった。 琴は宝剣を鞘に収めると、寝殿造りの最奥まで引っ込んでいた参議へ届けと声を発する。
「参議さま、姫さまから元公卿さまに言伝いただけませぬか」
「承りましょう」
腰でも抜かしていたのか、参議は返答こそしゃんとしていたものの、床へ這うようにしてまろび出てきた。殺されかけたゆえに仕方なかろう。
「我らが退けたる物の怪の意図、お聞きになられたでしょう。公卿の北の方さまは物の怪により心身とも弱っておいでです」
「はあ……」
「寵愛は姫さまの元にありましょうが、僅かでもお情けを北の方さまにも傾けていただきたいのです。さすれば心和らぎ、魔物に付け入られることもなくなりましょう」
琴は被害者たちの関係が判明してからずっと気にかかっていたことを頼んでいた。
「……魔はいつ、誰を狙うとも限りませぬ故」
「いや、相わかった。儂からも必ずや婿殿に申し伝えましょうぞ。娘のためでもござる」
参議はことのほか素直に聞きわけてくれた。
「妬み、嫉み、嫌悪、憎悪。向けるも、向けられるも。そうしたものが妖、よびます」
鞆も深く頷いて言葉を添える。
「参議さまも御災難でございましたが、どうかお忘れなく」
「承った。此度のそなたらの働きには感謝してもしきれぬ。某と娘の命を救ってくださって誠、かたじけなく候……」
9月に入ったばかりの宵闇は、昼の暑さ拭えぬ京を深閑に包んでいる。
今夜からは京の人々も数え歌の噂に脅かされず、ゆっくりと休めるに違いない。
中には、鶏の声を早いと疎ましく感じる心のゆとりも、きっと戻ってくることだろう。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【エイティーン】LV1が発生!
【怪力無双】LV2が発生!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV5になった!