黄河探索~万里の長城を目指して

 攻略旅団の方針により、探索中の巨大昆虫の森から【黄河】を遡上して、黄河周辺地域を調査しつつ、その先にある『万里の長城』がどうなっているかを確認する作戦を行います。
 洛陽近辺を西から東に流れる黄河は、洛陽と長安のほぼ中間地点で北に向かっています。
 この黄河の向かう先の北方には、万里の長城がある筈ですので、そこまで探索できれば、今回の目的は達成されるでしょう。

 蟲将の勢力圏に無理矢理分け入る作戦である為、強い排斥力が働いており、探索中は、黄河から陸に上陸する事が不可能となります(上陸した場合は、その時点で作戦は失敗となります)。

 まずは、探索に必要な船を建造し、黄河の探索に乗り出しましょう。

目指すは万里(作者 凪未宇
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#大戦乱群蟲三国志  #黄河探索~万里の長城を目指して 


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#黄河探索~万里の長城を目指して


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「ちょっと気になることがあるの」
 園田・詠美(社畜(元)系魔法少女・g05827)が、周囲に呼びかけた。
「三国志時代では、万里の長城って放棄されてるのよね?」
 それが、どうなっているか確認してみないかというのだ。
 南に行ったから、今度は北へ。
 こうして調査を続けていけば、この大戦乱群蟲三国志の世界が見えてくるかもしれない。
「それから、中国文明の発展に古くから関わってきた、長江と黄河の近辺も、異常がないか気になるのよね」
 調べたい事は色々あるが、いっぺんに出来ることは限られている。
「だから黄河を遡って、万里の長城を皆で協力して目指しましょう!」
 詠美は、まだ見えない遥かなる目的地を指さし、目を輝かせるのであった。

 攻略旅団の提案により、黄河を遡り、北辺にある万里の長城を調査する探索を行う事になりました。
 蒼狐・珠萌(猫狐な天使・g03640)はスケッチブックに地図を描き、早速説明を始める。
「船の出航地点は、この巨大昆虫の森に近い黄河の畔からなのです。数百キロも黄河を遡上しなくてはならない、大探索になるのです」
 この辺りは蟲将の勢力圏。その中を踏破する必要がある為、排斥力の影響も高く、探索を成功させるのは非常に難しい地域となっている。
「でも、南蛮探索を成功させた皆さんなら、きっと万里の長城にも辿り着けると思うのです」
 この探索を成功させる事ができれば、大戦乱群蟲三国志の領域について、大きな情報を得られるかもしれないだろう。

「まずは船造りなのです。陸が駄目なら水上から攻めていくのです」
 今回の探索は、蟲将の勢力圏である為、陸上での探索は行う事が出来ない。そこで黄河を利用し、船で移動しようというのだ。
 必要となるのは、探索に耐えうる船の建造が必要だ。
「船を造ったことが無くても大丈夫なのです。皆さんがどんな船にしたいかアイディアを出してくれたら、新宿島の専門家さんが設計図を用意してくれるのです」
 後は、その設計図に従って、現地で船の建造を行うだけ。
 現地では巨大昆虫の森などから資材などを調達することができるだろう。
 工具類や、現地では作成が難しい部品などは、手荷物やアイテムポケットで運べる範囲であれば、持ち込んで建造に利用することもできるし、勿論パラドクスや残留効果も活用できる。
「色々な工夫次第では、頑丈な船を作れると思うのです。皆さんが、どんな船にするのか楽しみなのです」
 無事に船が完成すれば、後は黄河を遡るだけ。
「この黄河に棲息してる水棲の蟲将は、とっても警戒心が強いようなのです。ボクらが、襲撃を充分警戒してるのを見せ続ければ、襲われることは無いはずなのです」
 逆に注意を払っていないなど、隙を見せれば、襲撃してくるので注意が必要だ。
 数百キロも進む探索だ、何回も襲撃を受ければ、期限に間に合わなくなる可能性もあるだろう。
「皆さんの力も合わせて、出来るだけ速く移動出来るように考えないとなのです」

 今回の探索は、期限も短く達成は困難と思われている。もし、達成が困難だと考えたならば、途中で探索を終了させる事も選択肢の一つになるだろう。
「長い探索になるのです。でも、油断しきったり、周囲警戒を忘れなければ、川の旅を楽しむことも出来ると思うのです」
 川を遡らなければならないが、三国の世界でちょっとした船の旅を味わってみるのもいいかもしれない。
 そう珠萌はスケッチブックを閉じた。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


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 黄河探索を途中で中止すべきだと考えた場合は、この選択肢にプレイングをかけてください。
 『黄河をひたすら遡り万里の長城を目指す』の選択肢にプレイングが無い状態で、この選択肢にプレイングが掛けられている場合のみ、プレイングが採用され、探索の中断が行われる場合があります。
 また、探索の期限が超過してしまった場合なども、この選択肢で、探索の終了を行う事が出来ます。



特殊ルール 【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、シナリオは成功で完結する。
👑1


POW  激流突撃

技能:一撃離脱/空中戦/戦闘知識 (各8LV)

両の鎌を構え、水流を伴う高速飛行によって相手の懐へ飛び込み、一気に切り裂く技。その勢いと威力は凄まじいが、着地は少々苦手。
(元パラドクス:ダイブアンド​ズーム)

SPD  止水の刃

技能:風使い/吹き飛ばし/全力魔法 (各8LV)

両の鎌より次々に水の刃を生み出し、相手へ次々と放つ技。一撃の威力は浅いが手数で圧倒し、相手を足止めする。
(元パラドクス:ブラストウインド)

WIZ  防塞の矢雨

技能:砲撃/弾幕/統率 (各8LV)

仲間と呼吸を合わせ、相手へ一斉射撃を行う技。接近しようとする相手の勢いを削ぎ、自分らも位置取りを細かく変えることで、相手との距離を一定に保つ。
(元パラドクス:イマジナリキャノン)

特殊ルール この選択肢には、特殊ルールはありません。
👑70

●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【水源】
1
周囲に、清らかな川の流れを出現させる。この川からは、10秒間に「効果LVトン」の飲用可能な水をくみ上げる事が出来る。
【飛翔】
2
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
2
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わり、「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げて運搬可能になる(ただし移動を伴う残留効果は特記なき限り併用できない)。
【未来予測】
1
周囲が、ディアボロスが通常の視界に加えて「効果LV×1秒」先までの未来を同時に見ることのできる世界に変わる。
【フライトドローン】
3
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【プラチナチケット】
1
周囲の一般人が、ディアボロスを関係者であるかのように扱うようになる。効果LVが高い程、重要な関係者のように扱われる。
【モブオーラ】
1
ディアボロスの行動が周囲の耳目を集めないという世界法則を発生させる。注目されたり話しかけられる確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【平穏結界】
1
ディアボロスから「効果LV×30m半径内」の空間が、外から把握されにくい空間に変化する。空間外から中の異常に気付く確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【スーパーGPS】
1
周囲のディアボロスが見るあらゆる「地図」に、現在位置を表示する機能が追加される。効果LVが高ければ高い程、より詳細な位置を特定できる。
【完全視界】
2
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【活性治癒】
1
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【修復加速】
1
周囲が、破壊された建造物や物品の修復が容易に行える世界に変わる。修復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」する。
【土壌改良】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の地面を、植物が育ちやすい土壌に変える。この変化はディアボロスが去った後も継続する。
【液体錬成】
1
周囲の通常の液体が、ディアボロスが望めば、8時間冷暗所で安置すると「効果LV×10倍」の量に増殖するようになる。
【建造物分解】
1
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【操作会得】
2
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。
【ハウスキーパー】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建物に守護霊を宿らせる。守護霊が宿った建物では、「効果LV日」の間、外部条件に関わらず快適に生活できる。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【クリーニング】
1
周囲が清潔を望む世界となり、ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建造物や物品が、自動的に洗浄殺菌され、清潔な状態になる。
【アイテムポケット】
3
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV7 / 【命中アップ】LV3 / 【ダメージアップ】LV4 / 【ガードアップ】LV1 / 【フィニッシュ】LV2 / 【反撃アップ】LV4 / 【先行率アップ】LV4 / 【ドレイン】LV2 / 【ロストエナジー】LV1

●マスターより

凪未宇
皆さま、こんにちは。凪です。
大戦乱群蟲三国志にて、船を建造し黄河を遡り万里の長城を目指してください。

今回特殊な選択肢があるのでご注意ください。
①より執筆いたします。船が完成するまで、他の選択肢は執筆できません。

②船旅となります。船を速く進められるよう工夫したり、頑張って漕いだり。
 友人などと旅を楽しんでも構いません。

③探索を切り上げ、旅を終了させる選択肢です。

④周囲の敵を警戒するという特殊な選択肢になります。選択肢の詳細『❓』を必ずご一読ください。
 『探索中、この警戒プレイングがかけられ常に一定以上あり、警戒が十分に行われていた場合は
 この選択肢のリプレイの執筆は行われません(プレイングは流れます)』
 警戒が不十分と判断された場合、襲撃が行われ『丹陽水爬兵』との戦闘が行われます。
 この戦闘を終え敵を撃退しない限り、②の選択肢はプレイングを頂いても執筆出来なくなります。
 最大で10回ほど遭遇する可能性がございます。ご注意ください。

作業状況等は、マスターページにてご確認くださいませ。
それでは、皆様のプレイングお待ちしております。
80

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


桜・姫恋
連携・アドリブ歓迎

こういう探索系ってなんだかワクワクしちゃうわね

女性の力でできることって限られてると思うから皆に差し入れとして食べ物とかでも用意しながら手伝えることは手伝いましょうか

【フライトドローン】を使い資材の運搬を行い、仲間の指示の元自身でもできそうなことを手伝う。

布で帆を作っておく。布は予め新宿島から持ってきておく。

あと必要そうなものは何かあるかしら?
仲間たちに適宜訪ねながら一生懸命探索船を作り上げる


御守・樹
アドリブ連携OK

俺はあんまりより案を出すってのには向かないんだけど…。
流れに逆らうからある程度の推進力は必要だよな。
エンジン関連は使うどころか持ち込みすらできないだろうし…いざって時に人力が必要な時ようにオールとかあったほうがいいかな?船のサイズ次第で人数どれだけいるかなぁ。
あとは曳舟ができるかだけど、日本の川と違って川幅も広いし流れも…まぁこっちよりは比較的緩やかっぽいし案の一つに入れてもいいかも。
曳舟にする縄にしろオールにしろ、あらかじめ積んでて問題はないだろ。
あと考えられる問題は水の色たる砂か。それも考えると川の水を使った何かしらは、シンプルな機構でない限り避けたほうがよさそうだ。


喩・嘉
速度は優先したいから、船体は流線型。必要分は確保しながらも小回りのきく大きさが良い。
船底はある程度の攻撃を凌げるだけの頑丈さが欲しい。
あとは周囲の警戒、探索時にも利用できる見張り台は備えたいな。
攻撃自体はディアボロスの攻撃の方が有用だろうから、戦えるだけの場所を確保しながら、雨風を凌げる船室もいるだろう。

推進力は……なるほど、運命の案が非常に良さそうだな。【水源】なら俺が生み出せる。協力しよう。
設計図をもとに分担して効率的に作業を進めていく。

南方探索ではパラドクスが使えなかったから、改めて便利さを感じるな

※アドリブ、連携歓迎


守都・幸児
船を造るぞーっ

俺はあんまり器用じゃねえから
材料を運んだり組み立てるのを手伝うぞ
喩嘉に指示してもらって
効率よく設計図の必要な場所に必要な材料を運んでくぞ

まずは材料の確保をするぞ
【怪力無双】で木をたくさん伐ってこよう
前に攻城兵器を造った経験と【植物知識】で
船に合う木材を集めるぞ
大きな船を造るためには皆の足場も必要だよな
竹もたくさん取ってきて足場を組むぞ

新宿島からは滑車と、ワイヤーロープって縄を持てるだけ持ってきて
材木の運搬効率を少しでも上げるぞ
これを使うと物を高いとこに持ち上げるのに便利だって
新宿島の再開発現場で教えてもらったんだ

長い距離を移動するんだ
とにかく頑丈な船にしてえな

※アドリブ、連携歓迎


杏・紅花
(名前)+サン呼び

【アイテムポケット】で鋸や斧、鉋などの必要そうな工具類全般を持っていく

管狐の天と一緒に、いい材料ないか偵察、情報収集
船に適した水に強くて浮力もあって、頑丈な素材を[植物知識]で選んで伐採をお手伝い
矢とか攻撃を防ぐ弾幕みたいなの作りたいな
…巨大昆虫の森に生えてるやつも使えるかなあ。虫っぽい装甲、頑丈そうなのあれば、使えないかなあ
見るだけ見とこ

水を進んでいくなら、水の抵抗が少ない流線型がいいっていうよね
喩嘉サンの指示を聞きながら作っていく!
凸凹してないほうがスムーズに進むだろうし、鉋がけして滑らかな船体にしようっと

細かい作業は割とすき
みんなで作るの、楽しいねえ

アドリブ、連携歓迎


孫・リア
黄河を遡るのね!川は好きよ!川遊びってとっても楽しいし……って遊びじゃないわね

まずは船作りね!『白金』を使って作業服に着替えて更にチェーンソーやハンマーなど船を作るのに必要な工具や必要な物をその都度を創造!皆にも使えるように個数を創造出来たら数を揃えるわ、そして私はチェーンソーで船の材料になる木材を伐採していきましょう!

伐採が終わったら……私は船造りの知識はないから皆の意見とか指示とかに従って創造した工具を使って船造りをしていくよ!

あっそうだ、船室からこっそり外を偵察できたり、飛び道具やパラドクスを打てたりできる小窓とかあれば心強いかも?まぁあくまでもオマケでもいいかな?

【アドリブ共闘歓迎】


鳴・蛇
アドリブと連携はご自由に

「母なる黄河よ、どうか御加護を...」

○提案
機関の燃料については【液体錬成】でガソリンを増殖すればいいと思う、だがら【怪力無双】を利用して可能の限り大きいの推進器を持って行く、ガソリンは【アイテムポケット】で運搬する。
そして砂とスラッジ対策は、【クリーニング】で洗浄すればいいと思います

○まとめ
全部のアイディアをまとめで、作りたい船は
1.人力と水力を同時に利用できる外車船
2.見張り台付きのマストと大きい帆がある
3.流線型船体そして適当の大きさ
4.頑丈で
5.船の各所にワイヤーひっかけるためのフックが必要
6.可能の限り複数の動力が必要
以上です


園田・詠美
アタシのプレゼンが採用された大型案件!
折角ですもの、気合を入れていきましょう!

排斥力が強いとのことですし、現地の素材や材料を活かした方が効果は大きい……という感じはしますね
長期間の探索、襲撃も考えられるとなれば優先すべきは頑丈さと見ます
巨大昆虫の森で昆虫の甲殻なども採取して材料にできないか試してみましょう
必要ならトラップヴァインで巨大昆虫を捕獲して材料確保………すごくモンスターを狩るゲームっぽくてワクワクしますね!

いざという時は人力で船を漕ぐ必要も出てくるかもしれないですから、専用のオールなども作っておきましょう

材料の確保ができたら、いざ製作!
皆さんと協力して頑張るわよー!


シャムス・ライラ
皆で造船と調査、世界が広がる想いがするな

まずは情報収集
この地方の気候、風土に合う船の材質、作り等や
船旅に必要な物資
今の時期の天候や気温の傾向、河の様子、船旅の際の注意事項等

後は皆と相談
【水源】や【フライトドローン】等推進力を複数持っておくことも賛成だ
この地域の情報に新宿島の技術や皆の知恵を合わせれば、きっと良いものが出来るはず

地形の利用で船の制作に適した土地を探そう
それなりに広くて資源の搬入もし易く、河に出るまでの距離も近い場所が良い

いざ造船作業ともなれば
【フライトドローン】を使い資材や細かな物等も搬送できるだろう
船旅の間、何かと運搬が必要な際にも有効に活用したい所

他者との絡み、アドリブ等歓迎


●船造虫森
「黄河を遡るのね! 川は好きよ! 川遊びってとっても楽しいし……って遊びじゃないわね」
「船を造るぞーっ!」
「折角の大型案件ですもの、気合を入れていきましょう!」
 パラドクス『白金(キラキラカガヤクプラチナチケット)』で、作業服に早着替えした孫・リア(勇武と炎を胸に秘めて・g03550)は、チェーンソーを創造し。
 前に攻城兵器を造った経験などを活かして、船に合う木材を集めるぞと、気合十分の守都・幸児(迷子鬼・g03876)と、その横で先導するのは、園田・詠美(社畜(元)系魔法少女・g05827)である。
 彼女が向かうのは、オフィスの会議室ではなく、巨大昆虫の森。手にしているのは資料ではなく、魔法の杖〈魔法発動デバイス:"Morgan"〉だ。
「排斥力が強いとのことですし、現地の素材や材料を活かした方が効果は大きい……という感じはしますね」
「……巨大昆虫の森に生えてるやつも使えるかなあ。虫っぽい装甲、頑丈そうなのあれば、使えないかなあ」
 クダギツネ『天』と一緒に、材料の偵察に出向く為、杏・紅花(金蚕蠱・g00365)は、
アイテムポケットに入れて持ち込んできた鋸や斧、その他工具類を取り出した。
「私はチェーンソーで船の材料になる木材を伐採していきましょう!」
「俺はあんまり器用じゃねえから、まずは材料運搬か」
「必要ならトラップヴァインで巨大昆虫を捕獲して材料確保………すごくゲームっぽくて、ワクワクしますね!」
 目を輝かせる詠美を筆頭に、いざ、森へ!
 昆虫を狩るのか、木を伐採するのか。彼女達は素材調達に森へと分け入っていった。
 頼もしいなと、その背を見送ったシャムス・ライラ(極夜・g04075)は、黄河の様子と周辺の地形とを調べ、造船に適した傾斜した開けた場所を探した。
「それなりに広くて資源の搬入もし易く、河に出るまでの距離も近い場所が良いでしょう」
 完成させても河へ出せなければ、本末転倒である。
 場所を確認し、仲間に声を掛けると、土台に出来そうな木をフライトドローンで運び込みはじめた。
「こういう探索系って、なんだかワクワクしちゃうわね」
 新宿島で、布である程度作り上げてきた帆を、桜・姫恋(苺姫・g03043)は広げ、確認した。
「あと必要そうなものは、何かあるかしら?」
「設計図を見ながら、部品をとって貰えると助かるぜ」
 見慣れない部品と格闘中の、御守・樹(諦念の珪化木・g05753)が顔をあげた。
「エンジン関連は、無理だと思ったんだが、簡単なものは大丈夫なんだな……」
 新宿島の技術者などに相談した結果、受け取ったのが、今目の前にある資材と設計図だ。
 ずっとディアボロスが船に乗って使い続けている為、排斥力の隙間を縫っての探索とはいえ、搭載するのは大丈夫なようだ。
 とはいえ、パラドクスを使って漕いだ方が速度は出るので、サブ動力ぐらいの役割になってしまうが、何か起きた時あった方が便利であろう。
 操作会得が無ければ、とっくに投げだしそうな組み立て作業なのが唯一の難点か。
「水源が使えれば良かったのだがな……」
 いい推進力になるのではと、期待した喩・嘉(瑞鳳・g01517)は少し残念そうに口にした。
 パラドクスとして攻撃で放つ水流と、残留効果は別物。
 清らかな川の流れが出現しても、鉄砲水というわけでもないし。汲みあげれば、当然その重みが船の不可になってしまう。
 飲み水の確保には有効なのだが、仕方ない。
「日本の川と違って川幅も広いし流れも……まぁ、こっちよりは比較的緩やかっぽいし、何とかなると思うぜ」
 そうしているうちに、エンジンが組みあがり、次は試運転。
 鳴・蛇(不吉な龍蛇・g05934)が、新宿島で用意してきたガソリンをアイテムポケットから注いだ。
 事前にアイテムポケットに入るだけガソリンはあるので、余程の無駄遣いをしない限り、燃料の心配は無さそうだ。
 エンジンの稼働も問題なし。後は、船の機関に組み込んでいくだけ。 
 そこへ、材料調達の第一陣とフライトドローンが戻ってきた。
「これは、どこへ置いたらいいか?」
 切り倒してきた木の丸太を、大量に怪力無双で肩に担いできた幸児は喩嘉に尋ねた。
「ありがとうございます。それでしたら、この辺りに」
 設計図を見ながら喩嘉が指示を出す。
 だが大変なのはこれからだ、フライトドローンに運ばせた素材は、向こうでシャムスと鳴蛇が同じように設計図を確認しながら荷下ろししている。
「どうぞ、差し入れよ」
 女性の力でできることって限られてると思うからと、用意してきたおにぎりやドーナッツを姫恋は差し出したり、タオルを配ったり。
 運動部のマネージャーのように、作業現場を動き、仲間に細やかな気配りをしてまわっている。
 現地素材の調達はある程度何とかなりそうだが、問題はここから。
「まるで、昆虫みたいな材質の木ですね。これは、普通の材木より頑丈な素材になります」
 甲虫の外殻のような質感の丸太を、シャムスは興味深そうに見つめた。
 多少話を聞いていたとしても、こうしてジックリ見る機会はそうないだろう。
 巨大昆虫の森の木は、どことなく昆虫っぽい材質になっている。
 その生育のせいなのか、存在そのもののせいなのか。
 森の探検としては、気味の悪い物だが、こうして素材として考えると心強い。
 丸太を木材に。
 シャムスと鳴蛇、姫恋が必要な大きさに丸太に印を付けていったとこに合わせ、樹が鋸を振るう。
 怪力無双があるとはいえ、地道でそして重労働。
「真っ直ぐに切るって、難しいんだな」
 工具の扱いを会得してなければ、刃を折ったり酷い切れ目のものが出来上がったに違いない。
「喩嘉サン、これも使えるかな?」
 紅花とリア、詠美が手に持ち帰って来たものは、小さなキャノピーのような形状のもの。
「虫の抜け殻を見つけたのよ。透明だし、小窓とかにいいかも?」
 巨大昆虫の眼だけあって、強度もあるし利用できそうだ。
 詠美が手にしているのは、たぶん抜け殻からではないのだろう。
 サッと鳴蛇がクリーニングの効果で、周囲を清潔を望む世界に変える。
 これで、砂もスラッジも対策できる。
「組み立てる時、余計な不純物がない方が、頑丈になるでしょう」
「長期間の探索、襲撃も考えられるとなれば、頑丈さは大事よね」
 それ以外に、獲って来たものの洗浄は必要だ。
 リアのチェーンソーも加わり、切り出し班のペースがあがったところで、紅花は鉋がけに回る。
「凸凹してないほうがスムーズに進むだろうし、滑らかな船体にしようっと」
 細かい作業は割と好きだと、紅花は終始笑顔だ。
「みんなで作るの、楽しいねえ」
「皆で造船と調査、世界が広がる想いがするな」
 この船が完成し、これから見られるであろう景色を思うと、自然とシャムスの表情も穏やかに綻んだ。
 木材となった木々に、印をつけ、次はパーツへの切り出し。
 沢山用意された工具の中から、姫恋は慎重に電動丸ノコを使って作業していく。
 DIYのお供、しかも充電式なのでケーブルなどの心配も無く扱いやすい。
「これなら、私でも簡単にできるわね。長い旅になるのよね、机とか椅子も作ってみようかしら」
 キャンプで使う程度の簡易テーブルや椅子なら、余った木材でいくつか作れるかもしれない。
 幸児は足場を作り、シャムスと手分けしてパーツを組み立てていく。
「おーらい、おーらい」
 どことなく工事現場を彷彿とさせる掛け声で、フライトドローンを誘導しパーツを受け取り組み立てていく。
「設計図からある程度完成が想像できるが、やはり組み上がって形が見えてくると、心が浮き立つな」
 喩嘉は、滑車とロープで土台ごと支えられている竜骨や骨組みに触れ、完成が楽しみだと見上げた。
「オールは持って来てあるのよね。いざという時、追加で必要になるかもしれないですから、追加で専用のオールなども作っておきましょう」
「帆には竹で骨組みを入れるのでありますか?」
 普通の帆では素早く上げ下ろし出来ないが、これならブラインドのように素早く上げ下ろしできるようだ。
 ジャンク帆とも呼ばれる縦帆で、中国が生み出した造りらしい。
 成程と、興味深そうに設計図と仕組を理解しながら、一同は日が暮れないうちにと作業の手を急ぐのであった。

「作業終了したわよー!!」
 空が朱に染まりかけた頃、嬉しそうな詠美の歓声が響く。
 船の規模は大き過ぎず、ある程度の小回りが効く程度。
 船首は露橈や艨衝などのように細く流線形の船体に、楼船のような立派な甲板にメインマストを、櫓状の船室と最上部より見張り台のついたマストを設置。
「これだけの広さがあれば、戦う場所には困らないな」
「高さも十分。ここからなら、良く見渡せそうだぜ」
 余り戦わず足止めを食らわない方がいいがと、喩嘉は甲板を確認し。樹は見張り台の方を確認した。
 有事の際は、この船室の上も足場などに使えそうだ。
 船室など中の方は、姫恋が余分に持って来ていた布を使い、簡単な日除けや休憩用のハンモックを吊るしていく。
 甲板の下には、船倉に船室、動力部を備え。
 一番広い空間は、片舷十程の艪……オールを出すための開閉型の板戸のついた小窓は、スライド式で入れ替えることによって、オールだけが外に出る穴だけにもなるよう工夫されており。それとは別に、外を覗けるガラスのようなドーム型の小窓が数ヵ所。
「漕いでいる時も、閉じれば直接狙われることも無んだね」
「この窓なら、開けなくても外を見回すことが出来るね」
 紅花とリアは興味深そうに、中を歩き窓を確認した。
 船尾には大きな外輪が設置され、エンジンもしくは踏み車で動かせるようになっている。
「複数の動力は確保出来たでしょう」
 外輪の動作を確認しながら、鳴蛇はガソリンを忘れずに補給した。
 そして二つのマストには、素早く上げ下ろしできる帆が巻き上げられ準備は整った。
 虫の目の外殻を使ったせいか、それとも昆虫のような質感の木を使ったせいか、昆虫のような船体は中々のインパクトだ。
 シャムスと姫恋がフライトドローンを操り、船を引きつつ支えていた土台を外していく。
 そして幸児の組んだ、滑車とワイヤーロープも使い、ゆっくりと船を黄河へと進水させる。
「よしっ、これで完成だよな!」
 無事に黄河に浮いた船に、ディアボロス達は喜んだ。
「これで明日には、出航できますね」
 皆で協力して作った船だ。無事に航行する光景が楽しむだと、シャムスは感じた。
「母なる黄河よ、どうか御加護を...…」
 明日から始まるだろう船旅の無事を願うように鳴蛇は祈り、一同は船を岸に繋いだ。

 夜が明ければ、黄河を遡る長い船旅が始まる。
 まだ足りないものがあれば、乗船する時に持ち込めばいいだろう。
 どんな旅になるかは、まだ分からないが、新天地を目指して……北へ!
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【フライトドローン】LV2が発生!
【操作会得】LV1が発生!
【水源】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
【土壌改良】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV3が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV2が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!

平良・明
以前漕ぎ切ったナイル川は大荒れで、それどころではありませんでしたが
少しくらいは楽しめる余裕があるのがとてもいい

大陸の河はやはり勝手が違い
日本の小川のイメージのままだと、驚く事ばかりです
なにより緩やかで、こうやって遡上できるのが面白いです

ロープワークが趣味なので、帆の操作などやっていきます
流れが急な場所では、外輪を主に使うのがよさそう

夜は風も凪ぐでしょうし、船内のハンモックで寛ぎながら
【完全視界】を使い文庫本でも読んで一休みです
睡眠時間も短い方なので、沿岸の観察や見張りがてら甲板をうろついてみたり

自分達で操作し進む、船の旅はなかなかいいものです。


喩・嘉
明は実に船旅を満喫してるな
くつろぐ時は俺ものんびりしようか
新宿島の快適な環境も気に入ってるが
やはり故郷の川旅というのは落ち着く
俺は川も海も近い地域の生まれでな
水音は心が安らぐ

できることなら早く進みたいので、
動力源の踏み車は「幻鶴翼陣」で召喚した
幻影の兵士に可能な限り踏んでもらう
しっかり指揮をしていれば、それなりの推進力になるだろう

途中、気になることがあれば随時仲間に共有して情報を蓄積していく


シャムス・ライラ
仲間と情報共有、連携を大切に

いよいよ船旅の開始だ
体調を崩す者が出ないよう、念のため【活性治癒】を使っておこう
身は軽い方だ
見張り台に登り、持ち込んだ双眼鏡で全体を見渡す
地図を見つつ、地形の利用、情報収集を駆使
河や周辺の様子、敵影等を確認
異常があれば、即時仲間に知らせ対応策を取る

障害物や天候等も気になる所
向かい風で船の進みが悪い、障害物を回避する場合等
帆の調整に加え、フライトドローンでの牽引も動力として使用しよう

とはいえ、休憩もしっかりと
仲間と役割分担しつつ、堅実に旅を進めていければと思う

蟲将の領域に流れるこの河
巨大昆虫の森の形成に一役買っていたりするだろうか
雄大な流れを眺めつつ…

アドリブ等歓迎


御守・樹
アドリブ連携OK

なんかできる事ってあったかなぁ。基本戦闘特化だから足手まといにならないようにだけ気を付けよう。
荷物を運ぶ、船での川の遡上は地元の昔話で聞いた事はあっても、やったこともそれどころか見た事もない。だから人手が必要な事は何でもやろう。
幸い残留効果で【怪力無双】もあるし、力仕事でも何でも。あぁそれぐらいしか役に立てそうもないもんな。

時間が出来たら甲板でぼーっとしてる。そんな状態でも周りは一応見えて【観察】できてるから、違和感を感じたらすぐ皆に伝えるようにしようか。
あとは休める時はしっかり休む。無理してもろくなことは無いからな。


守都・幸児
船旅だーっ

はは、こんなに大きな船に乗るのは初めてだからわくわくするぞ
すごいよな、こんなすごい船を皆で造ったんだっ
見る景色もどれも新鮮で、ついはしゃいじまうぞ

俺はちょいと今、本調子じゃねえから
足手まといにならねえように、主にのんびり見張りをするぞ
これが喩嘉の故郷の景色かあ
そんなことを考えながら
もちろん、景色の中に不思議なもんや不自然なもんがねえか【看破】して
【情報収集】するのも忘れねえ
何か見つけたらすぐに皆と情報共有だ
皆に相談して有用そうなら
船に【平穏結界】も使っておくかな

実は動きたくてうずうずしてるんだよなあ
力仕事は控えておくが
手伝えることは手伝って回るぞ
あっ、船の操舵もちょっとやってみてえっ


●出航、大河の先へ
 薄っすらと霧がかった黄河に、ディアボロス達が造りあげた船が浮かぶ。
 甲板に飛び乗る様に守都・幸児(迷子鬼・g03876)は、完成した船の船首の方へ向った。
「船旅だーっ!」
「いよいよ、船旅の開始だな」
 ナイルの川とは違い、空気も湿っぽく、頬を撫でていく風も涼しい。
 広大な河の両岸が巨大昆虫の森だとは思えない、雄大な流れと自然を眺めつつ、シャムス・ライラ(極夜・g04075)は思った。
「蟲将の領域に流れるこの河。巨大昆虫の森の形成に、一役買っていたりするだろうか?」
 森の出で立ちは聞き及んでいるが、その間を流れる河がどうなっているかは、良く解らない。
 濁って水底は見えないが、もしかするとと考えると、少し複雑な気分になりそうだ。
「以前漕ぎ切ったナイル川は大荒れで、それどころではありませんでしたが、今回は少しくらいは楽しめる余裕があるのがとてもいいです」
 トレードマークの〈帽子〉と、愛用の〈ディガーパック〉を背負い、平良・明(時折の旅行者・g03461)は楽しそうに船から身を乗り出す。
「大陸の河は、やはり勝手が違います。日本の小川のイメージのままだと、驚く事ばかりです。なにより緩やかで、こうやって遡上できるのが面白いです」
「成程、本当に興味深いです。体調を崩す者が出ないよう、念のため活性治癒を使っておこう」
「それは、いいですね。船酔いとかにも効きそうです」
「では、折角色々見れる機会ですし、私は見張りに立ちましょう」
「私はロープワークが趣味なので、帆の操作などやっていきます」
 シャムスは双眼鏡を手に、明も足取り軽く、これからの旅を楽しみにテキパキと動いていく。
「なんかできる事ってあったかなぁ」
 船での川の遡上は地元の昔話で聞いた事はあっても、やったこともそれどころか見た事もない御守・樹(諦念の珪化木・g05753)は、何かあれば言ってくれと声を掛けつつ手伝いを考えた。
「幸い残留効果で怪力無双もあるし、力仕事でも何でも……あぁ、むしろ先ずはそれか?」
 気付いたように樹は、甲板下へ漕ぎ手に回り。
「明は実に船旅を満喫してるな。くつろぐ時は、俺ものんびりしようか」
 甲板より喩・嘉(瑞鳳・g01517)が、皆の様子を見渡していると、ロープが引かれ帆が張られた。
 船の出航だ。
 ゆっくりと船が進み出し、黄河を西へと遡り始める。
「はは、こんなに大きな船に乗るのは初めてだからわくわくするぞ。すごいよな、こんなすごい船を皆で造ったんだっ」
 嬉しそうに幸児ははしゃぎ、少し辛そうな表情を浮かべた。
「……ってて。俺はちょいと今、本調子じゃねえから足手まといにならねえようにしないとな」
 休める時には休んでも良いのではと、周囲が気遣ってくれる。
 とはいえ、何かあれば幸児は何でも手伝う心づもりだ。
「新宿島の快適な環境も気に入ってるが、やはり故郷の川旅というのは落ち着く。俺は川も海も近い地域の生まれでな、水音は心が安らぐ」
 河の風を楽しむ喩嘉の様子に、幸児も同じように景色を眺めた。
「これが、喩嘉の故郷の景色かあ」
「虫の森では無いがな」
 暫し、二人は無言でこの黄河の風景を眺めた。
 霧の向こうに広がっている両岸の森が、巨大昆虫の森でなければ、本当に絶景であったことだろう。
 とはいえ、さすがに、ここまで腐臭は漂ってはこず。こうして距離も離れ、不気味な複眼のような果実と眼も合わなければ、パッと見は普通の森のようにも見えた。
 日が昇り、霧が晴れてくると、広大な黄河の姿が見えてくる。
 両岸までは数キロといったところか。
 遠く見える木々が時折不自然に揺れるのは、きっと巨大昆虫が森を闊歩しているのだろう。
「何か、河の中にでっかい影が見えたぜ」
 一休憩と甲板に戻ってきた樹が、少しうんざりした表情を浮かべた。
 日が昇るのに合わせ、魚影ならぬ蟲影が、遠巻きにこちらを窺ってるがいくつも確認されたという。
「私の方でも、確認しましたよ。時折、水面に赤い蟲の眼が覗いてました」
 見張り台から降りてきた樹とシャムスの報告に、この旅が蟲将の勢力圏の中に侵入しているのだと改めて一同は実感するのであった。
「向こうも警戒してるのでしょう。急に襲ってくる感じではないようです」
 明が覗いた感じ、まずは見かけない船が何なのか偵察をしている雰囲気ではないかという。
「念のため、船に平穏結界も使っておくか?」
 既にこちらに気付いている蟲には、対して意味はないかもしれないが、少しでも他の目から気付かせにくくは出来るだろう。
「では、今のうちに少し距離を稼いでおこう」
 喩嘉はパラドクス『幻鶴翼陣(ゲンカクヨクジン)』を発動し、召喚した幻影の歩兵達に踏み車を歩み進軍して貰う。
 その間、暫し休憩を……。
「地図によると、この先は段々と川幅が狭くなっていくようですね」
「流れが急な場所では、外輪を主に使うのがよさそうです」
 地図を確認しながらシャムスと明は、今後の航行がどうなるか予測し対策を考え始めていた。
 まだまだ、先は長い。
 どこか旅慣れた雰囲気の二人が話し合っている様子を横目に、樹も甲板で少しぼーっとしながら水面を眺めていた。
「……向こうで跳ねたの、たぶん魚じゃ無いんだろうな」
 もしここが、蟲将治める世界で無かったら……。
 そんなことを考えていると、何だか船の進行方向が変わったというか曲がったような。
「思ったより曲がったか?」
 そんな楽しそうな幸児の声と、今は真っ直ぐ進めるだけでいいのだと注意するような喩嘉の声が、船橋の方から降ってきた。
 まだ旅は始まったばかり。
 景色は段々と移り変わり、前方の方にぼんやりと山峡が見え始めていた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【完全視界】LV1が発生!
【未来予測】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
【平穏結界】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!
【ドレイン】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV4になった!
【ガードアップ】LV1が発生!

桜・姫恋
連携・アドリブ歓迎

船もできたしいざ船旅へってね?

事前に残留効果の【アイテムポケット】へ1ヶ月分の食料や飲み物を(人数分)用意して持っていく

【怪力無双】にて船を漕ぐ際には無理なく漕げるようにする。
【フライトドローン】での牽引もしておきましょうかね。

【飛翔】して船体に破損部分はないかを定期的に見て回り壊れそうな所があれば適宜情報を共有し直す

道中何かしら発見し有力そうな情報は仲間と随時共有していく。

可能な限り早く着けるように仲間たちと協力し無理のない範囲で頑張りながらも船旅を少し楽しんでいく。

観光案内は助かるわね♪


鳴・蛇
定期的に【クリーニング】で外輪を洗浄
【液体錬成】でガソリンを増殖
召喚した仙神に周囲を調べてもらう

「洛陽周辺で出発すればもうすぐ黄河三峡に着きます、無数の珍鳥が生息する大湿地太極湖、恐竜の化石が大量に発見された発掘地老虎口、仏教の聖地白塔寺、全部この辺りにあるぞ」
「そして黄河三峡の後は全長50キロメートル以上の仰韶大峡谷、沿岸に無数の奇石と美しい景色が見られます」
「大峡谷を超えばその後は丹峡と三门峡、同じ美しい景色がある場所だ」
「そしてその後は天鹅湖と呼ばれた大湿地、無数の白鳥がここに生息しています」
「更に後は潼关、曹操軍と馬超率いる西涼軍が激鬥した場所だ」
ガイドのように周りの観光名所を紹介する


サティニフィア・ネイバーライト
目的
船を順調に進ませる

目標
水夫3人分の働きをする

心情
この広くて蟲将やら本来絶対原生してない巨大昆虫やらが蔓延ってる所為で見通し悪い世界!やっぱ地道な踏破によるこういう調査は必要だよな~!
情報屋としてはこの手の話は見過ごせねぇ、1枚噛ませてもらわねぇと♪
しっかし、黄河か…赤壁の戦い自体はもっと前にあったはずだが、遡る間に奴らの軍船に出くわさねぇか心配だな

行動
折角だしパラドクスの効果のテストも兼ねて飛翔にどれぐらいペイロードがあるかテストしてみるぜ
重たい船を押せたり曳けたりすりゃそれだけ持てるって事だしな
ゼンゼンだめなら…大人しく怪力無双で強化してオールを漕ぐか、仕方ないよな
疲れたら甲板でバテてる


杏・紅花
黄河、広いなあ
変わる景色は自然に溢れてるのかな
まさか巨大昆虫の森みたいなのはないよねえ
鳥とか魚がいたら見てて飽きないからうれしい
記録も兼ねて、スマホで動画撮影しよ
後で見返してなにか分かることもあるかもしれないし
手漕ぎに人が必要そうなら手伝う
楽しくおしゃべりしてればどんな仕事も楽しいっ

食べ物や飲み物は【アイテムポケット】から取り出せるから便利だよねっ
クスリや気温の変動に合わせた物も一通り出しとけば、有事に備えられるかな

腹が減っては敵が来ても戦えない
甘いものがあると気持ちも和むし
休憩時には持ち込んだおはぎとかクッキーとか、甘いものをみんなにも分配しながら大事に食べよ


●河の景色
 正史の黄河流域は、美しい山水風景が広がっている場所であった。
 両岸に、豊かな森は確かに見えている。
「この辺りは黄河三峡の様です。本来なら、無数の珍鳥が生息する大湿地太極湖、恐竜の化石が大量に発見された発掘地老虎口、仏教の聖地白塔寺、全てこの辺りにあります」
 鳴・蛇(不吉な龍蛇・g05934)は、パラドクス『斗部「召请呪」(トウブショウキンジュ)』で召喚した仙神に周囲を調べて貰いながら、残念そうな表情を浮かべていた。
 出発したばかりの頃は、女性陣達も賑やかにお喋りに華を咲かせていた。
「船もできたし、いざ船旅へってね?」
「黄河、広いなあ。変わる景色は自然に溢れてるのかな」
 これからの旅が楽しみだと、桜・姫恋(苺姫・g03043)と杏・紅花(金蚕蠱・g00365)は、遠ざかる離岸した森を眺めていた。
「まさか、ずっと巨大昆虫の森みたいなんてことはないよねえ」
「黄河三峡の後は全長50キロメートル以上の仰韶大峡谷、沿岸に無数の奇石と美しい景色が見られます。大峡谷を超えば、その後は丹峡と三门峡、同じ美しい景色があるのであります」
「観光案内は助かるわね♪」
 そんな、楽しみに満ち溢れたお喋りを繰り広げていたのは、少し前のこと。

「この広くて蟲将やら、本来絶対原生してない巨大昆虫やらが蔓延ってる所為で、見通し悪い世界! やっぱ地道な踏破によるこういう調査は必要だよな~!」
 情報屋としてはこの手の話は見過ごせねぇ、1枚噛ませてもらわねぇとと乗り込んだ、サティニフィア・ネイバーライト(スゴ腕情報屋・g00008)は、見張り台の上から身を乗り出し周囲を見渡した。
 そこに広がっている景色は、美しい緑あふれる峡谷ではなく、やはり節足動物の脚や触覚を思わせる木々の生える森。
 要は、巨大昆虫の森である。
 記録も兼ねて、スマホで動画撮影しようとした紅花は、木々を揺らす巨大昆虫の姿を画面に見つけ溜息をついた。
「まさかずっと巨大昆虫森が続くなんて、残念よ……」
 それでも、何か手掛かりになるかもしれないと、時折動画を撮影しつつ、手漕ぎの手伝いに回る。
 怪力無双もあるし、今のうちに。
 いや、もしかすると先に行けば昆虫の森ではない景色が広がっているかもしれないという期待もこめて……。
 三门峡に差し掛かり、少しだけ風景は変わってきた。
「天鹅湖と呼ばれた大湿地はありましたか。さすがに白鳥は生息していないようですが」
 水陸が混じった湿地帯の光景に、少しだけ鳴蛇を初めとするメンバーの気持が浮上した。
 広大な河に伸びる背の高い草と、その合間に時折白や紫の花が見え、ほんの一時ではあるが、昆虫の森を忘れさせてくれた。
 やがて船は西から北へと進路を変えていく。
「潼关、曹操軍と馬超率いる西涼軍が激鬥した場所です」
 鳴蛇の言葉に、誰ともなく左側に広がる昆虫の森へと視線が集まる。
 現在、魏の動きは樊城を守っていた曹仁が退いてから、特に話を聞いていない。
 史実通りであれば、いつかあの森の向こうで何か動きが起こる日も来るかもしれない。
 風向きが変わったこともあり、甲板にテーブルと椅子を広げ、一同はお茶会ならぬ休憩会を開いていた。
 森の細部にさえ眼を向けなければ、広大な自然の中を進む船旅に変わりない。
「皆さん、おはぎとかクッキーとか、甘いものあるよ」
「お茶もありますよ」
 紅花と姫恋は、テキパキとアイテムポケットからお菓子や飲み物と準備をしていく。 
 まさに旅のお供にアイテムポケットである。
 この間、船の運航は姫恋の提案で皆でフライトドローンを多数出現させ牽引して貰い、少しでも前へと船を進めている。
 勿論、交代で漕ぎ手に降りていった仲間も居るが……。
「しっかし、黄河か……赤壁の戦い自体はもっと前にあったはずだが、遡る間に奴らの軍船に出くわさねぇか心配だな」
「どうでしょう。今のところ軍船の話も聞いたことはありませんね」
 水爬兵のような、直接河を泳ぐ敵はいますけどと、鳴蛇は水面に視線を向けた。
「本当に、襲ってこねぇの? たまに目が合うのが、なーんか嫌な感じだぜ」
 偵察されている。まるでそんな気分だと、サティニフィアは渋面を作る。
 段々と河の幅は狭くなり、心なしか森が迫ってくるようだ。
 ここからは、より流れに遡って進むことになるだろう。
 これからの航行に備え、持ち込んだ食料の確認に船のメンテと、姫恋とサティニフィアは船の周囲を飛翔しながら、破損部分はないか確認して回り。
 何かあった時の常備薬と薬や毛布を紅花が、船室に用意し。
 ガソリンの残量を確認した鳴蛇は、どうやら最初に持ち込んだ量で補給は不要そうだとアイテムポケットの空間より給油し、船の側や外輪が汚れで動きにくくならないようクリーニングの残留効果を使うのであった。
 旅は半分を超えたところ。まだまだ黄河の先は長い……。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【飛翔】LV2が発生!
【液体錬成】LV1が発生!
【アイテムポケット】がLV2になった!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【先行率アップ】がLV3になった!

孫・リア
う〜ん……やっぱり川は良いわね……なんだか前に川船遊びしたのが遠い昔のように感じるなぁ…… 
って感傷に浸ってる場合じゃないね、皆で協力して快適で有意義な船旅を楽しもう!

楽しむ時は楽しんで仕事をする時はしっかりと仕事をする!

見張りの時は飛べる鴉の阿黒と一緒に【完全視界】と【観察】で周りを警戒&気になった場所を確認と本当に怪しかったら皆で確認
その他皆で手分けして【怪力無双】も使って荷物整理や力仕事もするよ!

………クロノウェーダに改変されようが巨大な虫が森に巣食ってようがこの川にも蟲将が住んでようがこの川の雄大さは変わらないのよねぇ……

【アドリブ共闘歓迎】


袁・雀蜂
※アドリブ歓迎、共闘希望

・行動
予め歴史知識で当時の地形を書き写した地図を作製、持ち込んで
【スーパーGPS】でだいたいの現在地を把握できるようにする
その後運河を遡上するための見張りになる(偵察、地形の利用、情報収集)

水中からの奇襲に警戒を払いつつ
流木への激突や変な支流に進路がそれないかなどを注意しておく

・心情
やっぱりこれが母なる大河って感じだよね
新宿島の回りは何もない海ばっかりで殺風景だったから
なんだか楽しい旅路だよね!

見張りが終わったらあとで釣りでもしてみようかな
誰かしら食糧確保のために釣り道具ぐらい入れてくれたでしょ、きっと


八栄・玄才
おー、立派な船だな
後れ馳せながら、この旅路、オレも同行させてもらうよ

船の上での生活もやることがないと体がなまっちまうからな
《怪力無双》でオールを漕ぐ……、いや、いっそ縄を船に縄をくくりつけてその縄を【グラップル】、《飛翔》があれば飛んで、なければ泳いで船を前に前にと引っ張れねぇかな?
素直にオールを漕いだ方が早いか?
まあ、その辺りは【臨機応変】に、だ

う~ん、しかし、敵が来ないとできることも少ないな
一ヶ月もこんな生活してたら枯れちまう
誰か甲板で組み手でもしないかい?
船が壊れるからダメ?
この先、破損が起きてもイイように《修復加速》を用意してきたんだぜ~~

素直に警戒活動でもするかぁ

絡み・アドリブ歓迎


安藤・優
※アドリブ連携歓迎
【復讐の刃】ってさ、武器しか作れないのかな…上手く応用すれば釣竿とか作れたりしないかなー。……まぁ無理なら無理で普通に釣竿持ってくだけなんだけどね。
船旅で釣りをする事を思いついた。当時この川にどんな生き物がいたのかとか、はたしてクロノヴェーダは釣り針に引っ掛かるのかとか、その辺も考えながらぼんやりと釣りをする、クロノヴェーダが襲撃してくるまでは何があってもマイペースに釣りをする。
このまま何も起こらなければ、平和な旅なんだろうなぁ…


●上流域へ
 地図を確認した袁・雀蜂(ホーネットガール・g01434)は、スーパーGPSで順調に進んでいることを確認する。
 昨日までがここでと辿り、船は山岳地帯を進んでいる。
 周囲の景色も森は相変わらずだが、年代を感じさせる岩肌の地層が多く見られる場所であったり、流れもかなり速くなっている。
 逆に船の速度としてはグッと遅くなった印象だ。
「本当に立派な船だな。この先、破損が起きてもイイように修復加速を用意してきたておいて良かったんだぜ~~」
 後れ馳せながらと旅に同行していた、八栄・玄才(井の中の雷魔・g00563)は、流れを見つめこれからの航行のことを考えた。
「怪力無双でオールを漕ぐ……、いや、いっそ船に縄をくくりつけて、飛翔で飛んで、もしくは泳いで船を前に引っ張れねぇかな?」
 そんな事をボヤくも仕方ない、船の上での生活もやることがないと体がなまってしまう。
 ほんの少し、時間をもてあまし始めていたのだ。
「あまり目立った行動を取ると、狙われるかもしれないよ」
 雀蜂が矢を射る仕草をして見せた。
 警戒していれば襲い掛かってこないであろうとはいえ、丹陽水爬兵は弓矢を持つ蟲将だ。
 単独で迂闊に船から離れれば、狙い撃ちにされるかもしれない。
「……素直にオールを漕いだ方が早いか?」
 肉体労働でも頑張りますかと、軽く身体を解し玄才は漕ぎ手へと降りていった。
 そんな背中を見送り、改めて雀蜂は視線を周囲の景色へと戻す。
「やっぱりこれが母なる大河、大自然って感じだよね。新宿島の回りは何もない海ばっかりで殺風景だったから……」
 ちょっと両岸から迫る森に、触角のような形や節足動物の脚のような木の枝葉が見えてもそこまで気にならない。
「……クロノウェーダに改変されようが、巨大な虫が森に巣食ってようが、この川にも蟲将が住んでようが、この河の雄大さは変わらないのよねぇ……」
 しみじみと孫・リア(勇武と炎を胸に秘めて・g03550)が零す。
 昆虫の森のような不気味なものではないが、彼女の記憶の中でもこの黄河の周囲は豊かな自然が広がっていた。
「う〜ん……やっぱり川は良いわね……なんだか前に川船遊びしたのが遠い昔のように感じるなぁ……」
 何だか遠くまで来てしまった、そんな感傷に浸りかけ、いけないとリアは頭を振るう。
「……って浸ってる場合じゃないね、皆で協力して快適で有意義な船旅を楽しもう!」
「お? 何か釣れたかな」
 のんびりと持ち込んだ釣竿で、糸を垂らしていた安藤・優(名も無き誰かの代表者・g00472)が、浮きを沈める手応えに動いた。
 先程までと河の様子が変わっていることだ、もしかすると何か釣り上げられるかもと期待が膨らむ。
「何か、重い……凄く引っ張られるよ!」
 慌てる優の声に、雀蜂とリアも彼が引っ張り落とされないよう手を貸す。
 漕ぎ手に回っていた玄才も騒ぎ声に、釣り竿が持ってかれないよう手を貸して……。
 四人がかりで勢いよく釣り上げたのは……。
「敵っ!?」
 虫の頭とその手足に驚き、戦闘態勢に移ろうとしたのは、一瞬。
 甲板に転がったのは、巨大昆中の脱け殻。決して蟲将を釣り上げてしまったわけではない。
「……虫の脱け殻?」
「そうみたいね……」
 慌てた自分達がおかしかったのか、誰ともなく声をあげて笑い始めた。
「何だか楽しい旅路だよね!」
 見張りに行ってくるので、戻ったら釣り具を貸してと雀蜂は見張り台へと昇って行った。
 ここからは、流木に多少細い支流もある。目的地の確認も大事になるだろう。
「う~ん、しかし、敵が来ないとできることも少ないな。こんな生活してたら枯れちまう。後で誰か組み手でもしないかい?」
 半分本気で残り半分は冗談で玄才は、軽く拳を振るって見せた。
 さすがにディアボロス同士の組み手は、船の上では修復が追いつかなくなりそうだ。
「素直に警戒活動でもするかぁ」
「私はこの先の様子を見てくるね」
 リアはパラドクス『黒衣(クロゴノゴトクアンヤクスル)』で、鴉の阿黒と一緒に視界を共有し、上空から偵察に向かった。
「よし、今度は大物を狙うよ!」
 出来れば魚でお願いしますと、優は再び釣り糸を河に垂らすのであった。
(「復讐の刃を使って、釣竿とか作ってみたかったんだけどなー。武器としてじゃないと、やっぱり無理だったかぁ……」)
 本当に敵を釣り上げる目的で振るおうとすれば、出来るのだろうか……。
 そんな事を考えながら、のんびりと船に揺られるのであった。
 そして、また今日の旅も終わろうとしている。
「このまま何も起こらなければ、平和な旅なんだろうなぁ……」
 日の傾き釣れた川魚と共に片付けをしていた優の元に、リアが慌てて甲板を駆けてくる。
「大変だよ、滝が……この先、滝になっているの!?」
 それは黄河壺口瀑布。
 まさか、ここにきて滝のぼりが待っているとは……。
 ここまでは比較的のんびりと過ごすことができたが、さすがに滝は何らかの対策が必要だ。
 どうやって突破するか、ディアボロス達は、思案するのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【完全視界】がLV2になった!
【スーパーGPS】LV1が発生!
【修復加速】LV1が発生!
【操作会得】がLV2になった!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
【反撃アップ】がLV4になった!
【能力値アップ】がLV6になった!

●黄河壺口瀑布
 黄河には滝がある。
 現在の山西省と陝西省の交差点あたりに位置する、中国では2番目に大きい、黄河では最大の滝。
 湖口滝が船の行く手を阻むように待っている。
 滝の両側には森ではなく、青々とした連山が高くそびえ、奇妙な形の岩が所々に突き出ている。
 季節や雨量によって滝の幅は変わるらしいその流れは、水中の氷が溶け始めた今は水量が多くなっており大小様々な滝群が数十メートルに渡り広がり、黄色く濁った水が荒れ狂っていた。
 まるで獣の唸り声のように響く轟音が、航行するディアボロス達の船の元にも段々と聞こえてくるのであった。
ラウム・マルファス
船内を巡回
壊れてたりしたらRewriterの物質変換で直そウ
襲撃が来なければ大丈夫だと思うケド、壊れたままよりイイはずサ

あとは駆動系の改善でも考えようカナ
エンジンや外輪は止められないからオールの方を、一度に左右で均等に力が掛けられるようにしたいネ
真っ直ぐ進みやすくなるデショ

1組のオールの中央にパンチングマシンを置いて、殴った力で左右のオールを同時に漕ぐようにするヨ
材料は予備の木材でいいカナ
蹴ってもイイように的の位置は可変
復讐者の全力でも壊れないようにしテ
点数とか出たら面白いカナ?
勿論、オールのままでも使えるようにするヨ

動作確認はコミカルなネコ型ドローンに爆薬パンチさせる
多分ボクより強いからネ


百鬼・運命
アドリブ絡み◎

心情
【水源】利用は無理だったか…残念。まあドローンで牽引する為のフックは採用されたみたいだし、立派なオールもあるから素直に漕ぐとするかね

行動
とりあえず【怪力無双】を使用して人手のいりそうな漕ぎ手を担当するとしよう
しかし複数の動力で舟を動かしている以上、全員バラバラに動いても効率が悪そうだ。【パラドクス通信】を活性化して、見張りなんかをしている皆も含めて連絡を取って連携して動けるようにしておこう。地元の蛇さんや喩さんの案内も興味深いしな。

しかし夜も漕ぐのはきつそうだ。夜はドローン等に任せておこう。あとは今回の敵は警戒している事を知らしめる為に夜も灯りをつけっぱなしの方が良いだろうな


リオーネ・クア
ロッソを呼び出して船旅を一緒に楽しむよ
興味津々で船の上をうろうろしたり、他のディアボロスに「めー」と話しかけたり、黄河を覗き込むロッソが危ない目に合わないように気をつけながら、ときどき抱きしめて頭を撫でたりしてのんびり過ごすつもり
残留効果のレベル的にたぶん【アイテムポケット】からそれほど多くは物資を取り出せないから食べ物は温存を心掛けるね
ロッソがおなかすいたって鳴くけど、ごめんね少なめで我慢して

昼間はのんびり、睡眠もとる
夜は本格的に働くよ
【完全視界】があるから活動はそこまで苦労はしないかな
【怪力無双】の効果を使いながら全力で力仕事、オールを力いっぱい漕いで夜も止まることなく船を進ませようと思う


袁・雀蜂
※アドリブ歓迎、共闘希望

・行動
船の牽引と荷物の懸架を手伝う

【アイテムポケット】のLVを上げて収容量をUP
船を分解できる部分は分解して全体をなるべく軽くする

分解した部品を運ぶ人と
上流からワイヤーロープで船をけん引する人などに分かれて
滝を上り切ってから船を再建して旅を続ける

・心情
これが話に聞く黄河の湖口滝
この大河が丸ごと滝になって落ちてくるなんて考えもしなかったけど、
すごいや……(雄大な景色に目を奪われる)

さあ、この滝を上り切って我ら登龍と成らん!
みんなでがんばればこの難所だって必ず乗り切れるさ
ウチ達の旅はまだまだ続くよ!


八栄・玄才
滝登りか
船本体は装置を作って持ち上げようとしている人がいるんで、オレは持ち上げるのに邪魔になりそうなパーツとか船ごと運ぶとグチャグチャになりそうな細々した内装を【解体】して《怪力無双》で持っていこう
《飛翔》と併用できればそれで運べばイイし、無理そうなら仲間が組んでくれた足場を使って登ろう

さて、そろそろ万里の長城は見えてくるか?
それらしいモノが見えたら排斥力にひっかからない範囲まで《飛翔》して《完全視界》で確認
もし長城に近づける機会があったら《建造物分解》を試してみたいな
本当に放棄されているなら分解できると思うし、分解できないなら同意していない人がいる=誰かが所有しているってことにならないかな?


守都・幸児
滝だーっ
すごいぞすごいぞ、こんな大きな滝は見たことがねえっ
だがはしゃいでばかりもいられねえな
さあ、滝登りだっ

【怪力無双】を重ねて船を持ち上げるのを手伝うぞ
岩の途中で踏ん張れるように
船を造ったときの手順を応用して竹で足場も作ろう
高いとこでの作業は【飛翔】を使って落ちねえように気をつける

船自体を持ち上げるのはもちろん
外した部品を運ぶのも頑張るぞ
船を持ち上げるときは重心をよく確認して
慎重に滑車とワイヤーロープを使って持ち上げるぞ
重心が崩れそうなら一旦止めて
足場と【飛翔】を利用し近付いて重心を調整してまた持ち上げる
もしも急激に重心が崩れた場合は
俺が【怪力無双】でロープを掴んで船体に固定して重心を保つぞ


●復讐者の滝昇り
 見渡す限りに、黄色く濁った水が荒れ狂ったように流れている。
 まだ周囲の滝の岩壁のあちらこちらに、まだ氷が残っているのが見えたが、水かさは確実に春の訪れで増えている。
 まだ寒い時期であれば、凍結した見事な滝を見ることもできたかもしれない。
「これが話に聞く黄河の湖口滝。この大河が丸ごと滝になって落ちてくるなんて考えもしなかったけど、すごいや……」
「滝だーっ!! すごいぞすごいぞ、こんな大きな滝は見たことがねえっ!」
 袁・雀蜂(ホーネットガール・g01434)は、目の前に広がる雄大な景色に目を奪われ、守都・幸児(迷子鬼・g03876)は子供のように、歓声をあげた。
「……っと、はしゃいでばかりもいられねえな。さあ、滝登りだっ!」
 まずは造船した時の滑車や、ワイヤーによる引き上げ方法を考えてみた。
 しかし、これだけの水流が直角に落ちてくる段差だ。傾斜や砂浜を引くのとは訳が違う。それ相応の設備を作り上げる必要があるだろう。
 だが、滝の周囲にそれだけの設備を作る広い土台も、安定した場所もない。
 下手に陸地に降りてしまえば蟲将の勢力圏内だ。強い排斥力が働いていることも考えると、探索を中断する事態にもなりかねない。
 あくまでも河の範囲で何とかするしかない……。
「オレは持ち上げるのに邪魔になりそうなパーツとか、船ごと運ぶとグチャグチャになりそうな細々した内装を解体して怪力無双で持っていこう」
 どんな手段になったとしても、何らかの方法で上るいじょう積載量は軽い方がいいと、八栄・玄才(井の中の雷魔・g00563)が言うとニヤリと雀蜂が微笑む。
「こんなこともあろうかと、増やしてみたよ」
 アイテムポケットの空間を指さす。
 運ぶ手間より確かに、ここに入れられるならその方が安全だ。
 とりあえず出来ることから。
 マストや家具やら、出来うる限り詰め込めるものを建物分解を駆使しつつアイテムポケットに詰め込んでいく。

「まさか、ここに来て量産することになるとはネ」
 予備の木材などで、ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)は一度漕ぐ力で、左右均等に力が掛けられるようにオールの改造をしていた。
 更に打撃などの力を漕ぐ力に変換でき、ディアボロスの力にも耐えうるよう物質変換の力を持つメガネ〈Rewriter〉の力で色々手を加えてきたわけだが……。
「まっ、ボク達の力に耐えられればいいだけだしネ」
 パンチングマシーン的なギミックを付けたものは、最初の一対だけ。他は普通に左右一体型に繋いで改造していく。
 操作会得があるから、道具さえ壊れなければ大丈夫なはずだ。
 後は……。
 パラドクス通信による小型無線機から、連絡が入りディアボロス達は、慌ただしく動き出した。
 凄まじい滝の音に掻き消され、少し離れれば会話もままならない。
 滝を間近に見上げた者達の中には、小さなナイアガラの滝を思い浮かべたかもしれない。
 展開したドローンを見届け、甲板下に戻った百鬼・運命(人間のカースブレイド・g03078)は小型通信機の向こうから聞こえる仲間の声に耳を傾けた。
「よーし、こっちは準備出来たぞ!」
「オレ達はこうでないとね」
 無数のある滝の中でも一番落差のない場所を選び、幸児と玄才が、河の中に顔を出していた岩に滑り止めを兼ね足元に竹を組み、ワイヤーロープを手にする。
 ロープで繋がれ上空に展開したディアボロス達のドローンは、ぶつからない様に雀蜂が見張り台の上から様子を見ていてくれる。
「まだ、お昼寝の時間だよ。そんなに人手が必要なのかな?」
 ウトウトと昼寝を取っていたリオーネ・クア(ひつじの悪魔・g01176)も、漕ぎ手に駆り出され。
 メーラーデーモン『ロッソ』が案じるように、隣で「めー」と窺うも、呼ばれたからには頑張るしかない。
「夕方だね。まだ少し早いけど、頑張るよ」
 そう欠伸を零しながら、リオーネはオールを手にした。
 滝越えは色々考えた末、割と力業となった。
 軽くする、持ち上げる、進む、引っ張る、である。
 通信機越しに号令が掛かり、ディアボロス達は一斉に、動く。
 運命が、船の下に水源を発生させ一時的に川の水位を増した。
 推進力としては使えなかったのは残念であったが、ただの水としてなら残留効果として問題なく使える。
 これで滝口との落差が少しなくなった。
 そこに合わせ、ラウムのパラドクス『薬災運ぶ自律機構』によるカラス型ドローンが滝に突撃し、玄才のパラドクス『デストロイスマッシュ』が水の勢いを一時的に抑え滝口を削る。
「さあ、この滝を上り切って我ら登龍と成らん! みんなでがんばればこの難所だって必ず乗り切れるよ!」
 雀蜂がフライトドローンを操るディアボロス達をサポートし、一気に引く。
 それに合わせ、玄才と幸児が岩の上から怪力無双で船を曳き。
 更に、運命とリオーネを始めとした漕ぎ手に回ったメンバーも、怪力無双を使いオールを漕ぐ。
 力業ではあるが、ディアボロスにしか出来ない荒業だ。
 一本釣りではないが、まるでそんな勢いで船を釣り上げ、玄才と幸児は反動で岩から滝へ落ちそうになりかけた。
 一瞬、飛んだ船は大きな水柱をあげ、滝口の上へと着水した。
 辺りに飛沫が飛び散り、陽の光に照らされディアボロス達の船から伸びるように虹が掛かった。
「ウチ達の旅はまだまだ続くよ!」
「よっしゃー! 行くぞー!」
 後は、修復加速と人海戦術で船を直し、再び一同は船の旅へと戻っていくのであった。

●蟲三国志、北の地
 それからの旅は比較的順調なものであった。
 滝を超えてから完全に山岳地帯に入った川幅は、かなり狭くなり昇って来たことを実感させられる。
 操舵に見張りにと楽しそうに船旅を楽しむ幸児に、ハンモックに揺られているリオーネのところから見学に来たロッソが、何をしているのと言いたそうに「めー」と話しかけていたり。 
 ラウムの作ったパンチングオールを玄才が試してみると、コミカルなネコ型ドローンの爆薬パンチが叩きだした得点の方が高かったり。
 夜になれば、交代と起きて来たリオーネ達が運命達と漕ぎ手を代わり。
 どんどん変わっていく景色に警戒を強めるよう、運命が甲板の上にいくつも灯りをともした。
 周囲は山岳地帯のはずが、いつの間にか砂漠へと変わっていた。
「蛇さんや喩さんの案内も、興味深かったな。今はどの辺りなんだろうか」
「もうすぐ、見えてくるはずだよ。砂漠に出るとは思っていなかったけどね」
 運命の問いかけに答えるように、雀蜂が答えた。
 船旅は穏やかに、夜風が優しくディアボロス達の頬を撫でていた。

 そして、夜は明ける――
「さて、そろそろ万里の長城は見えてくるか?」
 ここまで皆で力を合わせ、河を遡って来たのだ。
 玄才も始め、一同は期待に甲板へと集まって来た。
 黄河を昇り、抜けた先に広がった砂漠、その先に見えるはずの万里の長城……。
 その場所には何も無く、河は途切れ、一面の青が広がっていた。
「ない!? あんな、でっかいものがかよ」
 位置は間違えていないか確認するが、スーパーGPSを用いたからこそ余計ハッキリと解る。
 ここが万里の長城がある筈の場所。
「河が途切れているとはネ」
 この先上流は崖となり途切れており、その先に広大な海が広がっている。
 黄河の水はどこから流れ込んでいるか分からないが、こうして船を停留させている間も耐えず豊かな流れを作っている。
「つまり、ここが大戦乱群蟲三国志の北限ということだな……」
 運命の言葉に、一同はそれぞれの思いを抱きながら、その海を眺めた。
 河を遡る旅はここまで。
 一同は、帆を張ると今度は流れるままに、河下りを楽しむのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【フライトドローン】がLV3になった!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【モブオーラ】LV1が発生!
【アイテムポケット】がLV3になった!
【建造物分解】LV1が発生!
【怪力無双】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
【フィニッシュ】がLV2になった!
【先行率アップ】がLV4になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!
【能力値アップ】がLV7になった!

最終結果:成功

完成日2022年03月11日