樊城の戦い:魏

 『魏』の拠点、樊城には、首都・許都から、続々と援軍が集まり、『蜀』のジェネラル級クロノヴェーダ・関羽の侵攻に備えているようです。
 『蜀』の関羽の軍勢に対しては、別のディアボロスが大乱戦の阻止に動いているのですが、その作戦が成功したとしても『魏』の大群が樊城に集結していれば、『魏』が『蜀』に攻め込む大乱戦が発生してしまいます。
 大戦乱を阻止する為に、計略を用いて『魏』の援軍が樊城に到達するのを阻止してください。

大乱前夜の魏兵たち(作者 七尾マサムネ
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●大戦乱群蟲三国志
 森を進行する軍勢がある。
 鎧や旗印が、それが魏国の兵である事を示していた。
「疾く進軍せよ! 樊城(はんじょう)到着が遅れてしまうではないか」
 甲虫姿の将軍の元に、慌てた副将が参じた。
「進路上の橋が壊れておりまして、道を迂回せねばならず……何とか後れを取り戻さんとしている次第で」
「それは承知しておる。しかし、進軍速度が思うように上がっておらぬようだが?」
 副将の弁明は、続く。
「雑兵の中には『蜀軍が、意図的に橋を壊したのでは』という疑念を抱く者も出ておりまして、士気に影響が……」
「フン、そんな事があるものか。もっとも、我等クロノヴェーダの目的を知らぬ者ならば致し方ないか。ところで、我の顔色をうかがっている暇などあるのか?」
 将軍……曹純(そうじゅん)に睨まれた副将は、進軍を急がせるのであった。

●新宿駅グランドターミナル
 パラドクストレインでは、時先案内人たる王・天花(人間の無双武人・g03356)が、ディアボロス達へと、今回の事件を説明していた。
「お集まりいただき、感謝します。今回の行先は、『大戦乱群蟲三国志』です」
 このディヴィジョンでは、魏・呉・蜀、3勢力に分かれたクロノヴェーダが合い争い、本来の歴史をも上回る大戦乱を引き起こしている。
 クロノヴェーダ『蟲将』達は、大戦乱によって武力を増していくためだ。
「目下、3勢力の1つ『魏』の大軍が、大陸中央部にある『荊州(けいしゅう)』の北部へ移動中です。荊州を預かる『蜀』の将軍『関羽』との戦いに備えての事と思われます」
 なお、関羽への対応は、他のディアボロスにあたってもらう事になっていると、天花は言う。
「そこで皆さんには、魏の拠点である『樊城』に移動中の魏軍に入り込み、大戦乱を未然に防いでいただきたいのです」

 この魏軍を構成する兵士は、大半が一般人の雑兵。クロノヴェーダの目的は、大勢の雑兵同士を殺し合わせ、大戦乱を作り出す事にこそあるのだ。
「まずは、兵に志願する、しれっと元から居た風を装うなど、何らかの策を講じて雑兵達に混じってください。次に、不穏な噂……流言飛語を駆使して、敵を内部から混乱させ、撤退に向かうよう工作するのです」
 混乱に乗じれば、敵軍の中枢である精鋭部隊、そしてクロノヴェーダの指揮官への直接攻撃が可能となる。
 護衛たる『魏軍硬殻兵』を蹴散らし、指揮官の『曹純』を討てば、軍は無力化される。
 また、流言飛語の工作がしっかり成功していれば、軍がこちらの仕向けた場所へ移動したり、雑兵の離散により軍勢の瓦解も見込めるかもしれない。

 説明を終えた天花は、最後にこう付け足す。
「雑兵は、強制的に集められた村人ばかり。もし叶うなら、クロノヴェーダ以外の兵への対応は、穏便に進めていただきたく存じます」
 そうして天花は、皆に一礼したのだった。

●再び魏軍
 行軍の合間、末端の雑兵達は、わずかな休息を与えられていた。
「今度の戦いは結構しんどそうだな」
「まあ、母ちゃんや子供のため、糧を得るためには仕方ねえ」
 顔を見合わせ、肩をすくめる兵達。
 彼らに与えられた武具は貧弱で、士気もお世辞にも高いとは言えない。
「ま、蜀の連中が変な罠仕掛けてたり、いきなり襲い掛かってきたりしたら、さっさと逃げだすさ」
「おい、そこの! 異常はないな?」
「は、ははっ! 何も問題ありません!」
 陣内を見回っていた副将に、雑兵達は、とっさによい返事をしたのだった。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
1
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【傀儡】
1
周囲に、ディアボロスのみが操作できる傀儡の糸を出現させる。この糸を操作する事で「効果LV×1体」の通常の生物の体を操ることが出来る。
【水源】
2
周囲に、清らかな川の流れを出現させる。この川からは、10秒間に「効果LVトン」の飲用可能な水をくみ上げる事が出来る。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【エアライド】
2
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【モブオーラ】
1
ディアボロスの行動が周囲の耳目を集めないという世界法則を発生させる。注目されたり話しかけられる確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【スーパーGPS】
1
周囲のディアボロスが見るあらゆる「地図」に、現在位置を表示する機能が追加される。効果LVが高ければ高い程、より詳細な位置を特定できる。
【無鍵空間】
1
周囲が、ディアボロスが鍵やパスワードなどを「60÷効果LV」分をかければ自由に解除できる世界に変わる。
【落下耐性】
1
周囲のディアボロスと、「効果LV×300m半径内」の通常の生物に、どんな高所から落下しても、落下時の衝撃を2mの高さから落下した程度に軽減する能力を与える。
【操作会得】
1
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。
【通信障害】
1
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。
【アイテムポケット】
1
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV4 / 【ダメージアップ】LV1 / 【ガードアップ】LV2 / 【フィニッシュ】LV1 / 【反撃アップ】LV5(最大) / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV1

●マスターより

七尾マサムネ
 チェインパラドクスの世界、そしてディヴィジョン『大戦乱群蟲三国志』へようこそ!
 マスターの七尾マサムネです。

 このシナリオの最終目的は、敵将『曹純』の撃破です。
 流れとしては、何らかの演技を行って『敵の配下に紛れ込む』事を成功させた後、『流言飛語』で敵一般兵を混乱。
 その機に乗じて『護衛するトループス級』を蹴散らし、『アヴァタール級との決戦』を行う、というものになるでしょう。

 それでは、皆様のご参加、お待ちしております!
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


佐座・優夜
うわー、ほんとに三国志の世界だ
虫がワラワラはしてるけど……でも俺も今は虫だし……
……それに、今なら無駄な人死にを止められる
やるだけやってみよっか

まずは工作の第一歩
上手いこと雑兵の中に紛れ込めるよう頑張ろう

まずはアサシネイトキリングを発動、この軍の致命的な所を見極めよう
忍び足で周囲を見て回り、油断してそうな人や侵入出来そうな場所を見極め
【モブオーラ】を出しながら、そちらの方に近付こう
此方から相手に声をかけることはせず、しれっと「ずっとここにいましたよ?」みたいな顔をしておこう
仲間の手引きが出来そうな所も探しておこう

雑兵の中にいる時は常に彼らの話に耳を傾ける
もし声をかけられても誤魔化せるようにだね


 大戦乱群蟲三国志。
 五感を刺激する、空気や景色。佐座・優夜(書き紡ぎ・g02039)は、自分のいた世界や時間とは全く異なるそれらに、心を動かさざるを得なかった。
(「うわー、ほんとに三国志の世界だ。虫がワラワラはしてるけど……」)
 木々の向こう、優夜の視線の先には、休息中の兵士の一団。
 大半がごく普通の人間だが、戦力の中枢を担う将兵たちは、いずれも蟲型……それも甲虫類の姿をしていた。
 初めての『戦い』だ。臆する気持ちはある。だが、自分もクロノヴェーダと同じように『虫』である。
 それに何より、
(「今なら無駄な人死にを止められる。やるだけやってみよっか」)
 意を決すると、優夜は、休息中の軍に近寄っていったのである。

 優夜の見た所、兵士達の大半は、まだ敵軍との遭遇はないと油断している。
 その中でも、雑談に華を咲かせている若者の一団に、優夜は白羽の矢を立てた。
 余計に目立たぬよう、とにかく気配を消す。それでいて、「ずっとここにいましたよ?」という体。
「今度の敵は、蜀のなんたらっちゅう奴なんだろ? 強いのか?」
「強かろうが誰だろうが、俺たちゃ飯がもらえるとこに行くだけさ」
 こくこく。
 しれっと、無言でうなずく優夜。
 いつの間にか輪の中に入っている形だが、誰も優夜を怪しむ者はいない。
 だいたいにして、軍の全員の顔を把握している雑兵などいないだろうし、優夜のモブ演技が功を奏した格好だ。
(「潜入成功、でいいんじゃない?」)
 内心ガッツポーズの優夜をよそに、雑兵達の雑談は続く。
「……なあ、お前もそう思うだろ?」
「うんうん」
 不意に話を振られた優夜だったが、一切ためらいなく返答した。
「曹純様の持ってる剣だよね? ああいうの、俺らにも使わせてほしいなあ。そしたら、敵をバッタバッタ薙ぎ払って軍功上げて将軍になって、たらふく食べられるだろうし」
「違いねえ。こんなボロ剣じゃろくに……おっと、副将様だ。大人しくするか」
 兵達と並んで、上官をやり過ごす優夜。
 すっかり兵になじんだ優夜は、他のディアボロス達が潜入できるよう、機会をうかがう余裕さえ見せていたのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!

天津・凪
新宿島に流れ着いてから、三国志を知りましたけれど…はまりました。
そして、その時代も…

紛れ込むには、まず。さらしを巻いて胸と尻を圧迫。これで体型は男性を装います。頬かこけたような化粧も。
さらに、服を含む全体的に泥をまぶして、薄汚れを偽装。

そして、声を低くしつつ兵に志願します。
私も、少しでも明日の糧を得るために…この軍に参加すれば、それが叶うと、風の噂で聞いて…とかなんとか。

女と見破られれば、素直に認めましょう。変に言い訳すると、かなり怪しまれますから。
働き手になれるのが、女である自分だけであるとは言い足しますけれど。


 平安の時にルーツを持つ天津・凪(妖狐の神算軍師・g00326)が、三国志というものを知ったのは、新宿島に流れ着いてからの事だ。
 だが、はまった。そして、その時代の事も……。

 木々の向こう、沢山の兵達が束の間、休息をとっている。接触するには絶好の機と言えよう。
 しかし、兵士として女性が一般的でない事も、凪は承知していた。
 さて、何処を足掛かりとしましょうか。凪が様子をうかがっていると、先に潜入していた佐座・優夜が、こっそり手招きしているのが見えた。
 これに乗らない手はあるまい。

「ええと、私もこの軍に加えていただけないでしょうか」
 凪に声を掛けられた兵達が、振り向いた。
「んん?」
「なんだ、随分な美形じゃねえか」
 素直に感嘆する兵隊の口ぶりに、凪は、自らの計略が上手くいったことを悟った。
(「特段怪しまれてはいないようですね」)
 胸と尻は、さらしを巻いて、きゅっと圧迫。できるだけ体型を男性に近づけている。
 加えて、困窮しているように見せかけるべく、頬がこけたような化粧を施している。さ仕上げとばかり、全身は土や泥で薄汚れている。すなわち、雑兵達と大差ない外見。
 念には念を。出来る限り低くした声で、凪は訴える。
「私も、少しでも明日の糧を得るために……この軍に参加すれば、それが叶うと、風の噂で聞いて……」
「皆まで言うな。そんな奴はごまんといるからな。かくいう自分も……っと、よし、口きいてやるからこっちにこい」
 雑兵の中でも年長の男性が、凪を案内した。
 だが、いぶかしむ態度を見せたのは、他の雑兵である。
「そいつ、敵じゃないのか? こっちを油断させて後ろからばっさり、とか」
 途端に、疑念めいた雰囲気が、兵達の間に漂う。
 もっとも、それもごく一時の事であった。笑い声が上がったのである。
「はっ、んなわけあるか。俺なら、そんな大事な役目にこんな華奢な奴を使わねえよ」
「確かに、違いねえ」
 はっはっ、と笑いあう雑兵達。凪の安堵に気づく様子は、ない。
 無事、凪が軍内に入り込む事には、成功したようである。
(「これで、下準備は整いましたね」)
 次はいよいよ、内部から行動を起こす時だ。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【水源】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!

●「蟲」身中の「復讐者」
 再進軍のため、準備に取り掛かろうとする曹純軍。
 迂回を余儀なくされたとは言え、目指すべき樊城は、そう遠くはない。
 だが、魏軍の敵は、地形や蜀軍のみにあらず。軍の瓦解を目指すディアボロスは、既に兵の中にあり。
天咲・ケイ
三国志は私の好きな分野ですが、
このような形で改竄されているとは……。
一般人も巻き込んだ大戦乱など、何としても
阻止せねばなりません。

「蜀軍が橋を壊したという噂はどうやら本当のようですよ。
関羽が蜀でも智勇共に優れた五指に入る名将である事は
子供でも知っています。
こうして時間を取られている間に関羽はこちらを遥かに上回る
兵を集めて大規模な罠まで仕掛けているそうです。
残念ですが曹純様では太刀打ちできず、屍の山を築く事に
なるでしょう……」
と雑兵達に偽りの情報を流し不安を煽ります。

更に「こちらの軍の一部の兵は脱走を計画しているとも聞きました。
私も彼らと逃げようかと考えています」
と付け加えます。


 先行したディアボロス達の手引きもあり、天咲・ケイ(人間の破軍拳士・g01192)は、森にて休息中の魏軍に入り込んでいた。
(「三国志は私の好きな分野ですが、このような形で改竄されているとは……」)
 戦乱自体は、本来の歴史でもあった事。だが、既に時の流れは、ケイの知る道筋から外れ始めている。
 最たる異変として、この時代に、ケイの目に映るような蟲兵など、いたはずはない。
(「一般人も巻き込んだ大戦乱など、何としても阻止せねばなりません」)
 周りの雑兵達が、ケイを疑う様子は、ない。そろそろ頃合いでしょう……ケイは、『仕込み』にかかった。

「蜀軍が橋を壊したという噂はどうやら本当のようですよ」
 兵達の雑談の輪に、ケイが加わった。
「関羽が蜀でも智勇共に優れた五指に入る名将である事は、子供でも知っています。こうして時間を取られている間に、関羽はこちらを遥かに上回る兵を集めて大規模な罠まで仕掛けているそうです」
「なんだって?」
 興味を引く話題、そして、ケイの語り口調。
 雑兵達は、疑いもせず、この話を受け入れたようだ。
「都合よく橋が落ちるなんておかしいと思ったのだ」
「それじゃあ、このまま戦いを始めても、負け戦になるだけってわけか?」
「ええ、残念ですが曹純様では太刀打ちできず、屍の山を築く事になるでしょう……」
 雑兵達が、ざわめき始める。
 ケイの話の真偽のほどを確かめる術は、正直、ない。だが、可能性が全くないわけでもなさそうだ、というところが、肝であった。
 大半の兵達は、生きる糧を求めて従軍しているに過ぎない。武勇を示す場は元より、名誉ある死などというものは望んでいないのだ。
 ケイの計略は、成功したとみえる。だが、ケイは手を……言葉を、緩めない。
「既にこちらの一部の兵は、脱走を計画しているとも聞きました。私も彼らと逃げようかと考えています」
「なっ、残されて犬死などたまったものではない」
「命あっての物種だぞ」
 ケイの口車に乗せられた雑兵達。
 自分達もその逃亡計画に一枚噛ませてくれと、志願してくるのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【エアライド】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!

冰室・冷桜
狙いはいかにもやる気のなさそうな奴等
見回りも居るみたいだから、愚痴ったりするならあんまり大人数で固まったりしない気がするわ
2、3人でぼやいてるとこが狙い目……かしら
戦いについて話してるとこへすーっとお邪魔しちゃいましょ

あ、そういやこれから攻める蜀軍についてなんだけどさ……
やっぱ途中で壊れてた橋、奴さんの仕業なんだって
調べてた上のお偉いさんがさっきぼやいてたの聞いちゃった

それに蜀軍は敵に容赦しない、とか聞いたし……河に落ちた所で一気に襲い掛かってきたりするつもりだったのかも
命があっての物種だし、この先で変なことがあったらさっさと逃げた方が安全かもね


 首尾よく軍内に入り込むことに成功した冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)は、軍内部の様子に、目を光らせていた。
 既に、天咲・ケイも、別の場所で工作を始めている。
 ここに冷桜も呼応して噂を流せば、相乗効果で軍内を大きく混乱させられるのは間違いあるまい。

 冷桜の標的は、いかにもやる気のなさそうな雑兵達。
 陣内には、定期的に見回りがやって来る様子。あまり上官に聞かれて好ましくない話題を上げる分には、大人数で固まる事はないだろうと、冷桜は読んだ。
 2、3人程度で声を小さめに、ボヤいている連中などおあつらえ向きだ。そう、たとえば目の前にいるような……。
「オレ、腕っぷしには自信ないんだよなあ」
「まあな、自分も畑が恋しいよ……ハア」
 これから戦に出ようという者にはあるまじき態度で、世を儚む雑兵達の輪に、冷桜は、すーっと加わった。
 わかるわかる、と、調子を合わせ、
「ほんと、こんな事しなくても暮らしてけるといいんだけどね」
「全くだ、まあ、俺達にゃどうしようもねえけどな……」
 ひとしきり愚痴に付き合った後、冷桜は、本命の話題を切りだす。
「あ、そういやこれから攻める蜀軍についてなんだけどさ……」
「なんだい若いの」
「やっぱ途中で壊れてた橋、奴さんの仕業なんだって。調べてた上のお偉いさんがさっきぼやいてたの聞いちゃった」
 ぎょっ、と驚く兵達。
 つかみは上々。冷桜は用意していたとおり、話を進めていく。
「それに、蜀軍は敵に容赦しない、とか聞いたし……河に落ちた所で一気に襲い掛かってきたりするつもりだったのかも」
「ひえっ」
 冷桜の表情が迫真だったためか、兵達も思わず、その場面を想像してしまったらしい。
 顔は青ざめ、勇ましさなど微塵もない。
「よくわかんねえけど、俺達は命拾いしてたって訳か……」
「そ。せっかく拾った命でしょ? 命があっての物種だし、この先で変なことがあったらさっさと逃げた方が安全かもね」
 ざわざわ。
 畳みかけるような冷桜の進言に、兵達はすっかり戦意喪失、今にもこの場から逃げ出さん様相であった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【通信障害】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!

杏・紅花
魏軍も一枚岩じゃないんだね
大きい戦争は子どもの命も奪うもん。絶対に阻止しなくっちゃ!

雑兵の一人として潜伏
女であることを隠して長い髪も兜に入れておこう
ま、背は高い方だし声変わり前の少年ってことにしておこう

行軍の休息中や、与えられた任務で上役がいない隙を見計らって同じ雑兵たちに噂を流していこう
不安そうな演技をしながら

嫌な噂聞いちゃってさあ…
今度の戦いで集められた兵たちがいない間に、村や町に残してきた女子どもを捕らえて城に連れて行ってしまうって噂。
気に入られた娘は夫がいようが関係なくえらい人たちの妾にされちゃうんだって
俺、ねえちゃんがいるから不安でさ……


 流言は、静かに、しかし確かに曹純軍を蝕む。
 兵士達の間に流れる空気がざわめいているのを、杏・紅花(金蚕蠱・g00365)は、肌で感じ取っていた。
 クロノヴェーダとして、騒乱を求める者。
 一般の民として、生きる糧を得るために戦う者。あるいは、一旗揚げんと、戦に臨む者。
(「魏軍も一枚岩じゃないんだね」)
 だが、異なる思惑が行き付く先は、戦乱だ。
 大きな戦争は、当事者のみならず、民草……子どもの命すら無慈悲に奪い取る。
(「絶対に阻止しなくっちゃ!」)
 決意を胸に、紅花は、雑兵の一人として潜伏を試みた。
 天咲・ケイや冰室・冷桜らディアボロスが、既に工作を始めている。
 噂は噂を呼ぶ。火種はやがて炎となり、軍を焼き尽くすであろう。

 長い髪も兜に仕舞い、女である事を隠した紅花は、雑兵達の一団と交流していた。
 高めの背を利用しない手はない。『声変わり前の少年』で通せば、いぶかる者はいなかった。
 折よく、近くに上役がいない隙を見計らって、紅花は雑談を持ち掛けた。
「そういや、嫌な噂聞いちゃってさあ……」
 不安そうな声音で語られれば、他の雑兵達も、聞き流す事は難しい。
 そうして、皆の耳目を集めたところで、本題に入る紅花。
「今度の戦いで集められた兵たちがいない間に、村や町に残してきた女子どもを捕らえて城に連れて行ってしまうって」
 さっ、と、兵達の顔が青ざめた。
 曹純軍に従う兵の多くがそうであるように、彼らもまた、元をただせば村人。他人事ではない。
「詳しく聞かせてくれ」
 改めて、上役の気配がないことを確かめた上で、声をひそめて尋ねる兵に、紅花も小声で応じる。
「気に入られた娘は、夫がいようが関係なくえらい人たちの妾にされちゃうんだって」
「!?」
「俺、ねえちゃんがいるから不安でさ……」
 紅花の話に、とりわけ狼狽したのは、無論、妻子持ちの兵達だ。
「そ、そんな、蜀も魏もあったもんじゃねえ」
「俺達、ここでこんな事してていいのか……?」
 紅花の流言は、効果てきめん。
 浮足立った雑兵達は、今にも武器を捨て、村へと帰参しそうな勢いであった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!

●好機逸すべからず
 ディアボロス達の流した噂は、またたく間に曹純軍を侵食した。
 心の乱れは、いよいよ形となって表れる。兵達の動きが、にわかに慌ただしさを増した。

「何事であるか、この騒ぎは」
 異変を察した曹純が、配下の蟲将達を動員する。
「兵達の間の、噂の件でございます。既に蜀軍の術中にある、また、魏軍が領内の村々の婦女子をさらうなど、根も葉もないものばかり」
「全く、愚かしい」
「ですが、既に雑兵の中には、逃亡した者すらいるようで。こちらにも、真偽を問う雑兵達が殺到しております」
 報告を受け、嘆息する曹純。
「疾く、この事態を鎮めよ。抵抗する者は、多少危害を加えても構わぬ。見せしめとしてな」
「承知しました! 皆、聞くのだ! 我らの勝利は安泰である……!」
 曹純は、蟲将の精鋭『甲殻兵』に命じ、雑兵達の疑念の払拭を図る。

 統率が取れず、軍が乱れた今こそ、クロノヴェーダ達の首を獲る好機。
無堂・理央
うわ~、遠くから見ても乱れてますって状態。
先行した人達が上手くやったんだね。
それじゃ、乱れてる内にぶっとい釘を打ち込んじゃおっと。


あえて敵に見える形で正面から甲殻兵部隊に【突撃】!
そのまま薙ぎ払いつつ【一撃離脱】で突き抜けたら、突入方向を変えて【突撃】と【一撃離脱】を繰り返して薙ぎ払って敵の連携を潰し、部隊をズタズタに引き裂いてあげる。

勝利が安泰であると言った所に襲撃食らえば、一般兵の人達がこれは駄目だ負けると思って逃げてくれればいいな。
あ、そうすると一般兵的にボクは蜀の一騎駆けとかに見えるのかな?
うーん、まっ、いいか。
勘違いされたらその時はその時だよ。


青沢・屏
●目的
敵を撃破

●心情(セリフとしても使えできる)
「まず護衛を一掃し、あとは敵将を狙う。これは基本です」
神算軍師の出身地として、この場所での初戦、ちょっと綺麗勝ちたい欲しい。

●行動
イグジストハッキング使う。
敵を攻撃しながら自分たちを強化する。
時代の違う技法だが、虫にも未来の軍師の技を見せてやろう。

行動の合間にできるだけ敵の情報を集めて、初対面の相手ですから、情報が多ければ多いほど良いです。

(アレンジアドリブ大歓迎)


天咲・ケイ
さて、ここからが本番というわけですね。
この機を逃すわけにはいきません。
一気にやっちゃいましょう。

まずは、一般人の雑兵の方々に【号令】で避難を促して回りましょう。
そして敵陣に斬り込んで【グラップル】による接近戦を仕掛けていきます。
敵に包囲されないよう【トラップ生成】で周囲にトラバサミの罠を
仕掛けましょうか。勿論自分や味方が引っ掛からないよう注意します。
空中の敵に対してはジャンプしてからの【エアライド】で対応し、
敵が固まっている箇所を狙って【クイックアサルト】を放ちます。
敵の武器の投擲は【衝撃波】を放って防ぎ、【早業】で即座に反撃。
弱っている敵から優先的に潰していきましょう。


 無堂・理央(人間のカースブレイド・g00846)は、混乱の渦の中にある曹純軍を、高みの見物と洒落こんでいた。
「うわ~、遠くから見ても乱れてますって感じ。先行した人達が上手くやったんだね」
 事ここに至れば、多少声を上げても、敵軍に聞こえる様子はない。
 蟲将ならば、武力で鎮圧する事は容易いだろう。しかしそれでは、自軍の武力や士気にかかわる。
 時間さえあったなら、穏便な対処も行えたであろう。しかし、理央達ディアボロスがそれを許さない。
「それじゃ、乱れてる内にぶっとい釘を打ち込んじゃおっと」
 無双馬クロフサに騎乗し、敵陣に突入を敢行する理央に、青沢・屏(コーヒーアーティスト・g00202)もまた続いた。
「まず護衛を一掃し、あとは敵将を狙う。これは基本です」
 この時代、ディヴィジョンは、神算軍師たる屏の出身地。縁のある場所での初戦となれば、見事な勝利を収めたいというのが、屏の願いであった。
 2人に後れを取るまいと、天咲・ケイ(人間の破軍拳士・g01192)も構えを取る。
「さて、ここからが本番というわけですね。この機を逃すわけにはいきません。一気にやっちゃいましょう」
 いよいよ、ケイ達ディアボロスの武力を敵に示す時だ。

「!? 貴様何者!?」
 正面から突撃してくる理央へと、誰何する硬殻兵。
 理央の回答は、明快であった。薙ぎ払う。
 硬殻兵達の間を、挨拶代わりに突き抜けた理央は、すぐさまクロフサを反転。敵の一団へと再突入する。
 そうして離脱と突入を反復し、敵の連携を寸断。疲弊させていく戦法だ。
「くっ、蜀軍でも呉軍でもない……まさか、ディアボロス!?」
「すぐ見破るなんて凄いね! だからってどうにもならないけど!」
 形ばかりの賞賛を送りつつ、クロフサと息の合った馬上戦闘を披露する理央。
「相手がディアボロスとあらば、手加減はできんぞ!」
 硬殻兵達が、槍や剣を手に、屏達へ対抗の構えを見せた。
 しかし、機先を制したのは、屏の方である。
「時代の違う技法だが、虫にも未来の軍師の技を見せてやろう」
 口調を戦に応じたものに改めると、屏は羽扇を振るった。
「曹純様の敵は排除する……何ッ!?」
 斬りかかって来た硬殻兵の姿が、ざざっ、と乱れる。屏のパラドクスによって、存在そのものが、書き換えられたのだ。息もつかせぬ刹那の間に。
 相手が体勢を崩した隙に、屏は敵の動きや陣容、連携など、敵の情報を抜け目なく収集。味方へと伝達する。
 一度乱戦が始まれば、蟲将達は、流れ弾が一般人に当たろうと構う事はない。
 そこでケイは、理央や屏が硬殻兵と相対している間に、雑兵達に呼び掛けた。
「今のうちに早く逃げてください。あちらに向かえば難なく逃げられますよ!」
「本当か!?」
 雑兵達は、言葉の真偽を見極める余裕も無く、ケイに従うのだった。

 理央達の奮戦は、多くの雑兵達の目にするところとなっていた。ただし、理央の素性を誤解して。
「本当に、蜀軍が奇襲を仕掛けて来たぞ!」
「これが世に言う一騎駆け!? 俺達なんかじゃ、かなうわけねえ!」
 理央の武勇は、正しく雑兵達に伝わったらしい。粗末な槍や剣を捨て、一目散に四方に散っていく。
 指揮系統も、もはや十全には機能していない。蟲将の声すら届かない。
「あれ、蜀のお株を上げちゃった気もするけど、みんな逃げてくれたし……まっ、いいか」
「隙あり!」
 その時、頭をかく理央を襲う、硬殻兵達の槍撃。
「とった……否!?」
「こんなの、かすり傷のうちにも入らないね!」
 だが、上半身をかがめてかわすと、にっ、と笑って見せる理央。
 クロノヴェーダたる蟲将はともかく、一般人の雑兵達が、パラドクスを知るはずもない。屏達の振るう力は、神仙の御業と言った風に映ったに違いない。
「な、蜀軍は仙人ばかりなのか?」
「こ、こんな強い相手とオレ達は戦わされるところだったのか」
 からん、と武器の落ちる音が、屏の耳を打つ。
 硬殻兵との戦いの間隙を縫って、ちらりと視線をやれば、雑兵達が背を向けて走り去っていく。
「どこに行く! 逃亡は重罪に処するぞ」
「余所見はいかんな」
 どう、と倒れる硬殻兵。その背後から悠然と現れる屏は、雑兵達にさらなる恐怖を与えた。
「おのれ、曹純様には指一本触れさせぬ!」
 槍を構えた硬殻兵の列が、屏目がけ、雷を放つ。
 が、激しい瞬きは、屏を完全に捉える事は叶わなかった。
「火傷でもしたらどうするのだ」
 煙の中から、涼しい顔で現れる屏。
 そして理央の戦いぶりを讃えつつ、ケイも、いよいよ硬殻兵達へと斬り込んだ。
「新手か!」
 なぜここにディアボロスがいるのか、硬殻兵達は理解できていないようだ。無論、ケイが答えをくれてやる義理などはない。
「敵は少数! 各個撃破せよ!」
それぞれの武器を携え、ケイへと殺到する硬殻兵。だが、その踏み込んだ足が、禍を呼んだ。
「!?」
 硬殻兵の足を噛んだのは、ケイの仕込んだトラバサミの罠。
「いつの間に!?」
「ならば!」
 蟲将は、その翅を有効活用した。地面の罠を避けるべく、集団で空中へと逃れる。
「くくく、空にまで計略は及ばぬ」
「翼なき貴様には、届く術はあるまい!」
「それはどうでしょう」
 たたんっ、と。
 ケイは、空を蹴って、硬殻兵へと肉薄した。先行したディアボロス達の力を巧みに生かした戦法に、硬殻兵は驚き通しだった。
 ケイが腕を伸ばした先、虚空から、槍が現れる。それをしかとつかむと、反撃にかからんとする敵が固まっている箇所へと投擲。
「!?!?」
 一度に蹴散らされる兵達。
 すかさず、反撃の射撃や投擲が来る。
 が、ケイの衝撃波が、矢も槍も弾き、地面に虚しく落下する。
「なんという武力……!」
 ケイの勇猛なる戦いぶりに、さしもの蟲将達も、おののくのみであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【士気高揚】LV1が発生!
【無鍵空間】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV2が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!

杏・紅花
よーし、ココまで来たらあとは目の前の護衛を叩いて親玉ガツンとやるだけ!後少し頑張るよ!

敵に突撃する前に、ワイヤーソーで切れる部位から切っていく!甲冑が切るの難しくても、絡めて足をもつれさせたりしたら隙が出来るかな?

バランス崩したらこっちのもん!
敵の肩や盾を【地形の利用】して、大きく【ジャンプ】
敵の脳天めがけて飛天流星脚をお見舞いするよ!

甲冑みたいなものなんてない方が身軽なのは間違いないんだかんね
あんたらに翅が生えてよーと、空を華麗に舞うのはあたしだぞっ!


天津・凪
さて、うまく潜り込めましたし…手勢は削れますかね?
ならば、策をなすのは今!

ちょっとモブオーラ借りまして。敵軍が見える位置に移動しまして。
さらにトラップ生成(落とし穴)しまして。

さて、青龍水計を。この水流の中、示すのは難しく。
さらに、流された先に落とし穴配置しましたので、簡単には戻れませんよ。

神算軍師たるもの、こうした策をなすのが仕事。
いえ、あの、故郷ではもっぱら後方支援でしたので、実は直接攻撃が苦手なんです。あはは…。


 留まるところを知らぬ騒乱の中。
 ディアボロスは、精鋭たる硬殻兵達を追い込んでいた。
「よーし、ココまで来たらあとは目の前の護衛を叩いて親玉ガツンとやるだけ! 後少し頑張るよ!」
「その慢心が命取りよ!」
 杏・紅花(金蚕蠱・g00365)が、爪のついた篭手で、硬殻兵の槍先と火花を散らす。
 一合の後、紅花が放ったのは、ワイヤーソー。
「ぬぬっ、こんな糸で……なんと!」
「慢心はそっちだったね!」
 細さをあなどった硬殻兵は、己の甲冑が傷つくのを見て、仰天した。

(「さて、うまく潜り込めましたし……策をなすのは今!」)
 天津・凪(妖狐の神算軍師・g00326)は、雑兵達の混乱、そして、硬殻兵とディアボロス達の戦端が開かれたのを知り、遂に決起した。
 右往左往する雑兵達に紛れる形で、硬殻兵達の見える位置まで移動する。
 ディアボロス達と一戦交え、次なる襲撃に備えていたところ、紅花に戦いを挑まれ、息つく暇もない。
 これは僥倖。凪は、一計を案じ、罠の工作に取り掛かったのである……!

「えいやっ!」
 紅花のワイヤーソーが優れているのは、切れ味だけではない。足に絡みつく事で、相手の体勢を崩すことさえ可能とするのだ。
「ととっ、小癪な!」
 よろけた体勢を立て直し、敵を睨む兵の視界に、紅花の姿は……ない。
「き、消えた!?」
「こっちだよ!」
 兵が顔を上げれば、岩を蹴って大跳躍した紅花の姿。
「飛天流星脚!」
「!!」
 硬殻兵の体を、衝撃が駆け抜ける。貫通した威力は、地面すら砕くと、一拍の後、兵は地面に叩きつけられた。
「甲冑みたいなものなんてない方が身軽なのは、間違いないんだかんね」
 くるり回って技の反動を殺した紅花が、ふふん、と得意げに笑う。
「なんという技……貴様、仙術使いか!」
「無知なる有象無象の如き発言は控えろ、あれはパラドクスである!」
「し、知っているとも! だがディアボロスとは……ならば!」
 硬殻兵達が、一斉に地を蹴った。その翅で以て、空へと戦場を移したのだ。
「この戦場は我らのものなり!」
 そして雨が降る。
 紅花を濡らすのは、剣や槍、そして射かけられた矢である。
 しかし、命狩り取るそれに耐え、かわし、一矢を手でつかんで放り投げると、紅花は健在なる姿を敵に示す。
「この攻撃を受けてほとんど無傷だと……!」
 動揺する敵軍に、紅花は、びしっ、と指を突きつける。そして、跳躍!
「あんたらに翅が生えてよーと、空を華麗に舞うのはあたしだぞっ!」
 空の敵をも蹴散らす紅花の活躍に乗じて、凪が仕掛ける。
「やあやあ、我こそは……って!」
 硬殻兵達は、雑兵に混じり、いつの間にか接近していた凪に名乗りを上げる事すら、許さなかった。
 槍を突きつけ、雷を招来。一気呵成に攻め、凪に反撃の暇すら与えず征圧するつもりだ。
 だが、雷撃が及ぼした被害は、致命傷には程遠い。
「これはただの戦いでなく、『復讐』なんですから御膳立ては整えさせてほしいものですね!」
 笑みを隠すため口元を覆っていた羽扇を、振りかざす凪。
 すると、突如として木々が薙ぎ倒された。襲来せしは、大量の水。
 あたかも、荒れ狂う青龍の如き水の流れが、硬殻兵へと押し寄せたのである。
「くっ、これはパラドクスか」
 木を手掛かりに、あるいは武具を支えにその場に止まろうと試みる硬殻兵達であったが、それは無理難題であった。
 凪の発動した水計の前に、翅を思うように開く事もかなわず、ただ身を委ねる事しか出来ぬ。
 流された先に待つのは、凪の仕掛けた落とし穴。強制的に案内されたその場所から、再起するのは容易ではない。
「なんと! 正々堂々、武力を以て勝負せよ!」
 蹂躙される硬殻兵の訴えが、凪に届く。
「神算軍師たるもの、こうした策をなすのが仕事」
 きりり、と答えて見せる凪。
 だが、故郷では、もっぱら後方支援が役目。
 実のところ直接攻撃は不得手……そんな裏事情は一切口にせず、表情にも出さない凪であった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【落下耐性】LV1が発生!
【水源】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
【反撃アップ】がLV3になった!

●一『蟲』当千
 並み居る硬殻兵達を、見事討ち果たしたディアボロス達。
 残る敵は、敵将、曹純ただ1人。
「計略も武器のうち。ここまで我が軍を蹂躙した事、誉めてやろう。だがここからは、己の武勇のみが勝敗を決めると知れ」
 自慢の大剣を、地面に突き立てる曹純。
 蟲の異形なれど、蒼き甲殻より放たれる覇気は、勇傑とそん色ない。
 曹純は、トループス級を越えるアヴァタール級。硬殻兵戦のように、ディアボロスの優勢を保つ事は、至難かも知れぬ。
 ならば、これまでの活躍で蓄えた利を、そして、皆の力を束ねて敵を討つまで。
呂・伯魚
一度敗れた身ではあるが、まだ身体は動く。
ならば、命ある限り戦い続けるのみだ。

さて、統率は乱れ、蟲どもがようやく動き始めた。
ならば今こそ攻め時だな。

弓に矢を番え、息を潜めてじっと機を待つ。
狙うのは護衛の蟲たちが他のディアボロスにやられ、自ら動き出すその瞬間。

自慢の甲豹騎に乗り、ディアボロスたちをまとめて蹂躙する気か?
ああ、だが護衛も居ないというのに、そんな大きなものの背に乗って。
全く、いい的だな。狙ってくれと言っているようなものだ。

蟲への憎悪は矢に乗せて。頭は冷静に敵を見据えて。
狙い澄ました一矢を放つとしよう。


李・暁華
元は名のある武将であったのだろう
その名を奪い、辱める行い、断じて許す事は出来ない!
姓は李、名は暁華!その名に恥じぬ戦いが出来るなら、掛かってくるがいい!

甲豹騎による突進に対し正面から挑むような構えでぎりぎりまで引き付け【トラップ生成】で落とし穴を生成し穴に落とす
自身は【エアライド】で空中に上がり射角を取って【復讐の刃】による青龍偃月刀を出現させて投擲
曹純を文字通りぶち抜く
甲豹騎が飛んで落とし穴を回避したなら飛ばずに撃ち落とす
この手で素っ首落としてやりたいが、届かぬなら次に繋ぐ一撃を


「ディアボロスどもめ。我が軍を瓦解させてくれた礼はしてくれよう」
「我が軍、とは笑止!」
 静かな怒りをたたえた敵将・曹純と相対したのは、李・暁華(暁の戦華・g01302)。
 雄々しくも秀麗とは程遠い、曹純の面持ちを睨む。
「元はさぞ名のある武将……その名を、兵さえも奪い、辱める行い、断じて許す事は出来ない! 姓は李、名は暁華! その名に恥じぬ戦いが出来るなら、掛かってくるがいい!」
「よかろう、戦乱の先、我らクロノヴェーダの悲願は成る!」
 曹純が、自らの武力の象徴、大剣を掲げた。
「来い、甲豹騎!」
 曹純の元に、『愛馬』が馳せ参じる。
 木々を飛び越え現れたのは、巨大なる甲虫。自身に相似した体躯のその背に騎乗すると、戦場を駆ける。
「水を得た魚、ならぬ、蟲を得た蟲、という訳か」
 暁華の呟きは、敵将の耳に届いたであろうか。

(「統率は乱れ、蟲どもがようやく動き始めた。ならば今こそ攻め時だな」)
 呂・伯魚(未だ大鵬には至らず・g03243)は、息をひそめて待っていた。
 仲間達ディアボロスが、護衛の硬殻兵達を蹴散らす時を。そして、敵将が自ら動き出す、その瞬間を。
 かくして、伯魚の雌伏の時は、終わりを告げた。今こそ立つ時。
 伯魚は、常に弓に矢をつがえたまま、それを放つ時をうかがっていた。曹純の、一挙手一投足をも見定めて。
(「自慢の甲豹騎に乗り、ディアボロスたちをまとめて蹂躙する気か? ああ、だが護衛も居ないというのに、そんな大きなものの背に乗って」)
 甲豹騎と共に、暁華へと突撃する曹純。事ここにいたって、冷静さを若干欠いているようだ。
 二身一体となった甲虫達は、木々はおろか大気さえも振り払い、暁華へと迫る。
(「それでいい」)
 伯魚は、むしろ敵の判断を歓迎した。
 甲豹騎が最も高い突撃力を発揮する時、その動きは、至極直線的なものへならざるを得ない。
(「全く、いい的だな。狙ってくれと言っているようなものだ」)
 ぎり、と、矢にこもる力が高まる。
 かつて敗れた身、しかし今こうして動く体がある。ならば、命ある限り戦い続けるのみ。
 矢に宿るは、物理的な力だけではない。蟲への、クロノヴェーダへの憎悪。
 渦巻くそれとは裏腹に、伯魚の頭は、冷えている。射抜くべき標的を、しかと見据えて。
 不意に、暁華が姿勢を変えた。敵を狙う伯魚に気づき、射線を空けたのだ。
 撃つ。
「……!!」
 伯魚の手を離れた一矢は、まるで吸い込まれるようにして、曹純の胸を穿った。
 怨みや怒り、勝利への希求。伯魚やディアボロス達の想いは、痛みとなって曹純に伝播する。
「く、ははは、これがディアボロスの力! 久方ぶりに血がたぎる」
 受けた矢を強引に引き抜き、伯魚へと突進を浴びせる曹純。だが、その軌道は読まれていた。
 直撃は免れ、衝撃が身をかすめた程度に過ぎぬ。軽傷と呼ぶのもおこがましい。
 そこに、暁華が、正面から挑む構えを見せた。
「俺の付けた傷を狙うといい」
「承知した!」
 伯魚の助言に応え、加速する暁華。
「我とぶつかり合いを所望するか……その意気や良し!」
 押し寄せる殺気や覇気。此処に至っても、暁華が一歩も退くことはない。
 このままでは、体格や、重量に劣る暁華が押し負けるのは明らか。
 だが。
「!?」
 甲豹騎が、沈んだ。
 トラップによって生成された落とし穴を踏み抜き、落下したのだ。主たる曹純を道連れにして。
「この程度、痛くも痒くも無い。下策だったな」
「それはどうかな」
 指摘したのは、伯魚だ。
 いぶかる曹純に、見るがいい、と伯魚が示した先は……空だった。
 崩れた地面。しかし暁華自身は、損害を免れ、空中へと上がっている。
 そして、虚空より引き抜いたのは、青龍偃月刀。
「これが狙いであったか……!」
 暁華の策を看破すれども、時すでに遅し。身動きのとれぬ曹純目がけ、豪風を伴い、投擲。
刀身より立ち昇る闘気は、暁華の復讐の念。
「ぐはっ……!!」
 文字通り、甲冑と甲殻をぶち抜かれた曹純が、苦悶の声を上げる。
「息はあるか。素っ首この手で落としてやるのもいいが、復讐者は私の他にもいるのでな」
 滴る血で地を穢す曹純に、暁華が告げたのだった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【託されし願い】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV4になった!

無堂・理央
軍を四散させたし、精鋭部隊も全滅させた。
後は敵将を討てばここの戦いも終わりだね。


無双馬『クロフサ』に乗って馬上槍を構えていざ、突撃ー!
【ダッシュ】で一気に間合いを詰めたらすれ違いざまに一撃加えてそのまま【一撃離脱】で離れてからターンして【ダッシュ】+すれ違いざまの攻撃+【一撃離脱】を繰り返してくよ。

本来なら技能が完全にかち合うパラドクスは避けた方が良いんだろうけど、今回はあえてぶつかって押し切ってやる!


一騎討ちで戦うのが三国志の武将対決なんだろうけど、生憎とボクは武将でもないし、一騎討ちに拘る理由は無いからね。
仲間と共に討たせてもらうよ!


 曹純の猛攻を切り抜ける、ディアボロス達。
 李・暁華や呂・伯魚らと入れ替わりに挑みかかったのは、無堂・理央(人間のカースブレイド・g00846)である。
「ええい、次から次と!」
「悪いね! 一騎討ちで戦うのが三国志の武将対決なんだろうけど、生憎とボクは武将でもないし、一騎討ちに拘る理由は無いからね!」
 仲間達の攻撃につなげ、流れるように槍を繰り出す理央。
「構わぬ。それだけ我が強者であるという証左よ」
 大剣で理央の槍をいなし、距離を取る曹純。
 自身の武力に微塵の疑いも抱かぬ、迷いなき敵将。
 しかし、単騎で戦局を覆せるほど、甘くはない。
「雑兵もほとんど四散させたし、精鋭部隊も全滅させた。もうそっちに勝ち目はないよ!」
「確かに、ディアボロスの手並みは見事。だが、我とて武人の端くれ」
 曹純の名を持つ者、その複眼が光る。
 未来のロボットを想起させるそれに、理央は、微かに、しかし確かな誇りを感じ取った。
「敵にとって不足なし、だね。いざ突撃ー!」
 馬上槍を構え、理央が、一気に駆ける。
 大剣を操る曹純との読み合いを制し、胴に一撃を通す。
「ぐ……!」
 曹純の苦悶の声を拾いつつ、すれ違う。そのまま駆け抜け、転身。再び曹純へと突撃を敢行する理央。
 地面に淡々しくも紋様を描き出すかのような、間断ない突撃に、曹純は防戦一方。
 クロフサとともに演じる勇猛なる戦舞は、先ほどの硬殻兵戦を経て、曹純の目にも焼き付いていた。
 だが、今の理央は、先ほどより力が増している。ディアボロス達の刻みつけた力が、理央に宿っているのだ。
「貴様が駿馬を駆るならば!」
 曹純の返礼は、巨大甲虫・甲豹騎の召喚。
 南蛮の象兵を思わせる重量級の突撃と、あえて正面からぶつかり合う理央。
「っと、カブトムシは伊達じゃないね……!」
「な、我らの突撃を受けてほぼ無傷、だと……!」
 クロフサともども踏みとどまる理央を見て、曹純が驚愕する。
「さあ、もうひと押し! ボク達の力を見せつけてやるんだ」
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【スーパーGPS】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV4になった!

杏・紅花
偉いブショーだがなんだか知らないけど、大勢の人が死ぬことを先導してるような奴なんかあたしの敵だっ!倒す理由はそれで充分っ!

甲豹騎が突っ込んできたら【エアライド】で空中へできる限りジャンプ
空から落ちる勢いを利用して鉤爪で切り裂いちゃる!
【落下耐性】があるから思いっきり行くよ!

曹純を捉えられたら、管狐影縛法でその動きを捕縛
ねえ、その角、折られたら痛い?屈辱?
あっいけないあたしの中の金蚕蠱がつい敵をいじめようとしちゃう
でも弱点っぽいし挑発できそうだし、角を狙ってワイヤーソーで切っちゃおっかなー!


天咲・ケイ
曹純殿とお見受けします。魏軍は最早貴方のみ。
僭越ながら私達ディアボロスが御首を頂戴いたします。
お覚悟をッ!

敵の蹂躙に対しては【衝撃波】を放ち、勢いを削いでから
【エアライド】を利用したジャンプで回避を試みます。

まさに一蟲当千の武力ですね……。
ですが私達はディアボロス。勝負はここからですよ。

銀霊法印を輝かせた目潰しで甲豹騎との連携を【攪乱】し、
怯ませてから接近。
こちらの間合いに入ったら【グラップル】による近接攻撃の【早業】を
仕掛け、【呼吸法】で高めた【破軍衝】を放ち曹純と甲豹騎を
纏めて攻撃しましょう。


 無堂・理央と曹純の激突が巻き起こした、土煙。
 風に流された向こうから現れたのは、天咲・ケイ(人間の破軍拳士・g01192)である。
「曹純殿とお見受けします。魏軍は最早貴方のみ。僭越ながら私達ディアボロスが御首を頂戴いたします。お覚悟をッ!」
「覚悟なら常にできておる。勝利の美酒に酔う覚悟がな!」
 傲岸不遜な曹純の言に、杏・紅花(金蚕蠱・g00365)も、黙ってはいられない。
「偉いブショーだがなんだか知らないけど、大勢の人が死ぬことを先導してるような奴なんかあたしの敵だっ! 倒す理由はそれで充分っ!」
「それはこちらも同様。ディアボロスは全て抹殺する。クロノヴェーダの歴史の異物ども!」
 紅花への曹純の返答が、決戦の合図となった。

 曹純の掲げた大剣に応えるように、甲豹騎が飛翔する。
「我が愛騎は、己が意志で戦場(いくさば)を蹂躙する!」
 勇壮なる角を槍とし、ケイへと突撃する甲豹騎。軍馬と異なり、飛行の術さえ持つ甲殻の馬は、自在に周囲を飛び回り、ケイをつけ狙う。
 更にそこに、曹純の斬撃も加わる。
「阿吽の呼吸というわけですか」
 甲豹騎を、衝撃波が叩く。
 連携を切り抜け、ケイの打ち出した波動は、甲殻に弾かれる。だが、その勢いを削ぎ、減速させること事こそ狙い。
 必殺の突撃が来る。対するケイは、僅かに速力が低下した機に乗じ、空中へと跳躍を試みた。
 穿つべき標的を失った甲豹騎は、勢いを殺しきれぬまま、木々へと突っ込んだ。
 クレーターすらできそうな威力に、ケイは着地しつつ安堵する。
 幸い無傷で済んだものの、直撃していたら、一巻の終わりであったかも知れぬ。
「まさに一蟲当千の武力ですね……。ですが私達はディアボロス。勝負はここからですよ」
「同意である。我が甲豹騎の本領、括目せよ!」
 巨大甲虫の襲来を、これまた空へと跳び、逃れる紅花。
 だが、その足は安全圏を確保しただけでは飽き足らず、更に高みへと。
「尻尾を巻いて逃げるつもりか?」
「そんなわけないよっ!」
 曹純を見下ろす位置に到達した紅花は、一転、地面を目指す。
 落下しながら放つ光は、構えた鉤爪。地面にぶつかる事など、恐れはしない。
 激突する。
 重力を味方につけた紅花の一撃は、確かに甲豹騎の外皮に傷を刻んでいた。
「ぬう……甲豹騎の怨みは、返させてもらう!」
 大剣を振りかぶる曹純。
 倒木を振り払い、甲豹騎もまた、再度突撃を仕掛ける。
 しかし、両者の視界を、まばゆい銀光が焼いた。ケイの掌に浮かび上がった銀霊法印のものだ。
 輝きの源は、ケイの闘気のみならず、これまで戦ってきたディアボロス達の想い。
 視界を光輝に支配され、反射的に敵の足が止まる。反対にケイは地を蹴り、曹純との間合いを詰める。
 頑丈な甲殻に包まれた敵には、乱打系の技よりも、手数は少なくとも重い一撃が有効。ケイは瞬時にそう判断すると、早業で呼吸と態勢を整えた。
「破ッ!」
 渾身の一打が、曹純の腹に炸裂する。
「ぐはッ!!」
 一瞬遅れて生じた衝撃波が、曹純ばかりか、挟撃を狙っていた甲豹騎までも吹き飛ばす。
 遂に甲豹騎が動きを止めるのを見た紅花は、ケイと目配せすると、自ら曹純へと肉薄した。
「まだだ! まだ我が戦意は、曹操様への忠義は折れぬ!」
 曹純が伸ばした手が、しかし、大剣をつかむことはなかった。
「我が腕が動かぬ……!」
 曹純は、小さな狐の姿を認めた。紅花の管狐・天が影を噛み、曹純の実体をも縛ったのだ。
 その間に、紅花は悠々と曹純の間合いに進入している。
「ねえ、その角、折られたら痛い? 屈辱?」
「ぐ……!」
 怒りにうち震える曹純。
 しかし、紅花の影縛りからは逃れられぬ。
「あっいけないあたしの中の金蚕蠱が! つい敵をいじめようとしちゃう」
 きぃん、と。
 硬質の音が響いた直後、地面に、蒼角が突き立った。
 紅花のワイヤーソーで綺麗に切断されたそれが。
「勝負あり、じゃない?」
 そう告げる紅花の笑みは、復讐者のそれであった。

「く、認めよう、我の負けだ……!」
 ディアボロス達の猛攻を受け、甲虫の魂とも呼べる角すら失った曹純が、膝を屈した。
「だが覚えておけディアボロスよ。我等蟲将は、貴様らの存在を許さぬ。やがて一人残らず駆逐し尽くされるのは、貴様らの方である……」
 曹純が言葉を紡ぎ終えるのと、眼から光が失われるのは、ほぼ同時であった。
 敵将、討ち取ったり。

 来たる、三国の激突。
 今ここで潰したのは騒乱の種、その1つに過ぎぬとも、救われた人々の命は少なくない。
 それを確信しつつ、ディアボロス達は、新宿島……未来へと帰還するのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【傀儡】LV1が発生!
【エアライド】がLV2になった!
効果2【反撃アップ】がLV5(最大)になった!
【ガードアップ】がLV2になった!

最終結果:成功

完成日2021年08月28日