【刻逆決戦】⑳ジャンヌ・ダルク
このシナリオは【刻逆決戦】に関連する特別シナリオです。
500年後の未来から、人類改竄術式「刻逆」を使い、断片の王アル・カポネの歴史を奪った、『アル・カポネ』が、手に入れていた因子から再現した、断片の王『ジャンヌ・ダルク』です。
因子に残った残滓と、アル・カポネの記憶から再現されている為、過去の断片の王とは別人格となっています。
再現断片の王は、宇宙の戦いを優位にする為、ディアボロスを地上に誘引するべく、一般人を人質に取るような作戦を実行しています。
「成功したシナリオ数×5%」だけ、「⑱再現断片の王『ジャンヌ・ダルク』」の敵残存率を低下させます。
!特殊ルール!
このシナリオタイプが8月29日朝8時30分までに5シナリオ以上成功していなかった場合、最終人類史のフランスにおいて、一般人の虐殺が行われ、足りないシナリオ数×1万人規模の死傷が出てしまいます。
!特殊ルール!
戦場で再現断片の王『ジャンヌ・ダルク』と戦闘となった場合、ディアボロスは手も足も出す事が出来ず必ず『🔴🔴🔴🔴』判定となってしまいます。
再現断片の王は、一つの戦場に留まらずに移動する為、再現断片の王と戦闘となった場合でも、再現断片の王の移動後に周囲の敵を撃破する事で、作戦を成功させる事は可能です。
【刻逆決戦】再現の先に待つは、燃え盛りし復讐の炎(作者 北瀬沙希)
#火刑戦旗ラ・ピュセル
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#『刻逆』決戦
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●最終人類史:フランス、オルレアン――『火刑戦旗ラ・ピュセル再臨』領域内
最終人類史に奪還され、穏やかな一時を取り戻していたはずのオルレアンの地にて、突然炎が上がる。
炎は周囲の光景を中世風に塗り替えながら、瞬く間にオルレアン全域に広がっていった。
やがて、炎の中から、かつてディアボロスの手で討たれたはずの断片の王『ジャンヌ・ダルク』と多数のキマイラウィッチが現れる。
ジャンヌ・ダルクは、己と共に現れたキマイラウィッチを満足げに見回しながら、憎々しげに言の葉を紡いだ。
「全てのキマイラウィッチに命令します。
復讐を再開しなさい、復讐を継続しなさい、復讐を完遂しなさい。
あぁ、ディアボロスへの復讐心が何倍にも強まっているのを感じます。
アル・カポネの屑も、時には粋な事をするものですね。
さぁ、キマイラウィッチ達よ、私達を滅ぼした、最終人類史のディアボロスの為に『復讐祭』を準備し、出迎えるのです。
私達の甘美な復讐の為に」
命令ともとれる言の葉に、ジャンヌ・ダルクと共に再現されたキマイラウィッチたちが獣のような咆哮を上げながら、復讐のために動き出す。
現代と中世の家屋が重なり、切り替わるような光景は、まるで最終人類史のオルレアンに火刑戦旗ラ・ピュセルのオルレアンが重なろうとしているかのようだった。
●新宿駅グランドターミナル
「もともとジャンヌ・ダルクは復讐を糧にしていたけど……これは厄介だな」
慌ただしく大量のパラドクストレインが発着を繰り返す、新宿駅グランドターミナルの片隅で、時先案内人藤森・智樹(人間の魔導忍者・g08569)が独りごちる。
その言の葉を耳にし、集まって来たディアボロス達を前に、智樹は深々と一礼しながらタブレットに目を落とした。
「そろそろ状況は把握しているかもしれないけど、簡潔に状況を説明するよ。現在は『イデアロゴスが刻逆を利用して、最終人類史のディアボロスを滅ぼしに来た』最中だ」
数時間前に貰った500年間の観察猶予期間は、『500年後のイデアロゴス』が用いた『刻逆』のせいで、(感覚的には)一瞬にして終焉を迎えた。
どうやら『500年間の観察猶予期間』の間に、最終人類史のディアボロスの行動によりイデアロゴスが滅びに瀕したため、イデアロゴスは『刻逆』で過去を改竄し、ディアボロスを滅ぼしてしまうつもりらしい。
「未来のディアボロスが凄いのかもしれないけど、考えてみれば当然かもしれないね。『復讐心は歴史を進める原動力』だからさ」
『復讐心』を持たないイデアロゴスと、『復讐心』を持つディアボロスでは、500年という時の重みは大きく異なる。
そして、一般人レベルの復讐心でも、500年で大きく歴史を進めて来たのは――歴史そのものが証明している。
「より強い復讐心を持つディアボロスであれば、イデアロゴスを滅ぼす程歴史を進められても、不思議は無いんだよね」
――だが、その未来も、目の前に迫るイデアロゴスに敗北すれば、全てが失われる。
「500年後のイデアロゴスによる歴史の改竄など、許せるはずもない。皆の力を集めて、この戦い、絶対に勝つんだ!!」
そう、檄を飛ばす智樹を見て、ディアボロス達もまた、呼応するように声をあげていた。
「さて、今集まっている皆に向かってもらう場所は、フランスのオルレアン――『再現断片の王『ジャンヌ・ダルク』』の戦場だ」
世界6カ所に現れた『再現断片の王』は、500年後の未来からやってきたアル・カポネREDが回収していた『因子』と『記憶』、そして最終人類史のディアボロスへの『復讐心』とイデアロゴスから得た膨大なエネルギーにより、再現された『断片の王』となっている。
その強さは、かつて戦った『断片の王』を凌駕する程だが、アル・カポネREDの復讐心により、真の敵ではある『イデアロゴス』では無く、『最終人類史のディアボロス』に対する復讐心に囚われた、全く別の存在となっているようだ。
「『再現断片の王』は、宇宙の戦いを有利にするために、地上にディアボロスを引き付けようとする。だから、ディアボロスが来なければ、周囲の一般人を虐殺するという戦術を取るようだよ」
――一般人を守る事は、最終人類史のディアボロスにとって譲れない事。
となれば、今為すべきことは、自然と定まるだろう。
「そこで皆には、急ぎ、『再現断片の王』の戦場に向かい、一般人の虐殺を防いでほしいんだ」
頼めるかな、といつに増して深々と頭を下げる智樹を見て、ディアボロス達はそれぞれの想いを胸に頷いた。
「『再現断片の王』の戦闘力は非常に高く、戦闘中に遭遇すれば、命に係わるだろう」
ファーストアタックの時点では、戦略的にも『再現断片の王』との戦闘は避けるべきなので、『再現断片の王』の注意を引かないような戦いをするべきかもしれない。
逆に言えば、ジャンヌ・ダルクの関心を引くような戦いをすれば、現れるかもしれないが……。
「あと、ディアボロスが戦いを挑めば、強烈な復讐心を植え付けられた敵は、一般人の虐殺など忘れて襲い掛かって来るので、一般人の救援などは行う必要は無さそうだ」
とにかく気を付けてね、と頭を下げる智樹に見送られながら。
ディアボロス達はパラドクストレインに乗り、最終人類史のオルレアンへと赴いた。
リプレイ
クロエ・アルニティコス
因子より再現された断片の王はアル・カポネの記憶によるもの。
私たちの知る存在から性格も多少は変わっているはずですが……
ジャンヌ・ダルクは変わりませんね。アル・カポネが知るころからあのような性格だったのでしょう。
私たち……そして巻き込まれる者にとっては堪ったものではありませんが。
ジャンヌ・ダルクの目も本来ならこちらに向けたいのですが……今はするべきではないのでしょうね。
私たちが姿を現しさえすれば魔女どもの目はこちらに向きます。
必要以上に敵を引き付ける真似はしないように。
【平穏結界】を使用し、戦闘音にも気づかれづらくしましょう。
姿を見せた私たちに向かってくる敵に対し、【ヘカトンケイル・ユグランス】を使用。ギリシャ神話の怪物ヘカトンケイルを象った植物の怪物を作り出し、巨大なクルミを投擲させ、迎撃するようにして攻撃を。
俊敏な動きでクルミを避け、爪により攻撃を行ってくる者に対しては「守護の赤薔薇」の結界で防御を。
復讐を罪だと? 他人の事の前に、自らを顧みたらどうですか。
敵部隊を倒し終えたら一時帰還を
ア・ンデレ
復讐心、ラ・ピュセルと奪還戦で戦ったあのときには、たまたま私たち復讐者と同じ感情を力にしていると思っていました。
あの時から復讐心というものについていろいろ少しずつわかってきました。
復讐心とは、歴史を動かす力の源。
クロノヴェーダの復讐心を味わうためには、純粋な復讐心を力の源とするキマイラウィッチは最適でしょう。
再現とはいえ、キマイラウィッチを再び喰らう機会ができたのは幸運です。
復讐心を理解しはじめた今こそ、復讐心をしっかり噛み締めて、喰らっていきましょう。
星狼の魔女を星の光ごと噛みしめて喰らい進みます。
映し出された未来に対しては「そのような未来もありえますね」とさらっと流します。
未来は全くわかりません。
1秒後に死ぬかもしれないと覚悟しつつ生きているため不吉な出来事ごとしでは全く動揺しません。
ジャンヌ・ダルクが出てきたら「こんにちは、アンデレです。またね。」と元気に挨拶して、逃げます!
イシュア・アルミゴス
再現断片の王ねえ。ジャンヌに関しちゃ再現楽だったろうねえ。
ジャンヌダルクも本人だったろうに、こんなえげつない復讐を
選ぶってのはねぇ。それほどだったのか、歴史を知っているだけになんだかやるせないね。
さあて、随分と占い師気取りじゃないか。悪いけど僕の未来は
僕が決めるんだ、そんな余興に付き合う暇はないよ。
ライドスコルピオに跨りパラドクス発動。
凍結弾を放ち、標的をまとめて氷漬けにして高速で突進、
轢き壊していこう。
青い炎が敵味方問わず追ってくるようなら、
視界の端に捉えつつ軌道から逸れて距離を取っておこう。
狼の群れに構ってる暇はないからね。
ある程度削れたら深追いはせず、ジャンヌ・ダルクに見つかる前に
退散退散。復讐に狂った乙女なんて相手してられないよ。
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
本っっ当ーに二度と見たくない顔と声だよ
ジャンヌは相変わらずぶれずに、最強の嫌がらせをしてくるな
再び、現代に取り戻した街を蹂躙させることなど、あってなるものか
ラ・ピュセルのオルレアンの人々に受けた声援を、俺は、忘れる事はないだろう
手の届くだけを、どうか、護らせてほしい
女王の不在を確かめ
なるべく相手取りやすい数と位置の一群を狙う
攻撃を仕掛け、周りの人々から注意を引き離したら
【平穏結界】を展開し、戦闘の気配を抑える
仲間とは声を掛け合い連携を
両手の銃でPD攻撃
ダメージアップをのせ、早業で撃ち抜く
仲間と狙いを合わせ、より消耗した敵から確実に戦力を削ぐ
味方の死角を狙う敵がいれば優先し撃つ
一か所に長く留まらぬように
敵の攻撃には、迫る動きを観察しつつ、爪をSegenの魔力盾で防ごう
犯した罪の重さなんて、数えちゃいないよ
戦況は常に観察し把握
戦果が十分か、負傷が嵩む前に声を掛け撤退
女王の出現を警戒し、気配あれば安全を最優先し即撤退
復讐の女王に刃を向けたくなる思い、今は堪えて
必ずと、再戦を誓う
●
――最終人類史、オルレアン。
火刑戦旗ラ・ピュセル奪還と同時に平穏を取り戻したはずの彼の地に再び復讐の炎が上がり、現代から中世に、最終人類史から『火刑戦旗ラ・ピュセル再臨』領域に塗り替えられる。
そのきっかけとなったのは、ディアボロスに討たれた断片の王『ジャンヌ・ダルク』が、空想科学コーサノストラの断片の王『アル・カポネ』の手で『再現』されたことだ。
「再現断片の王ねえ。ジャンヌに関しちゃ再現楽だったろうねえ」
ジャンヌ・ダルクに見つからぬよう、機動戦闘二輪『ライドスコルピオ』に跨りながら、イシュア・アルミゴス(守護星蟲・g00954)は思わずため息を漏らす。
――ジャンヌ・ダルクの憎々し気な声が、オルレアン内から響き渡っている。
おそらく、別のディアボロスがジャンヌ・ダルクと接触し、蹂躙されたのだろう。
以前耳にした時とは変わらぬ、どこまでも復讐心に満ちた声音を耳に入れながら、クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)は大きく息をついた。
「因子より再現された断片の王はアル・カポネの記憶によるもの。私たちの知る存在から性格も多少は変わっているはずですが……ジャンヌ・ダルクは変わりませんね」
「本っっ当ーに二度と見たくない顔と声だよ。ジャンヌは相変わらずぶれずに、最強の嫌がらせをしてくるな」
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)も心底邂逅したくない、と言わんばかりに、珍しく語気を少しだけ荒げて吐き捨てた。
「ジャンヌ・ダルクも本人だったろうに、こんなえげつない復讐を選ぶってのはねぇ」
歴史を知っているだけに、なんだかやるせない気持ちになるイシュアに、クロエは努めて冷静に。
「アル・カポネが知るころからあのような性格だったのでしょう」
(「私たち……そして巻き込まれる者にとっては堪ったものではありませんが」)
それはともかく、とクロエは話題を変える。
「ジャンヌ・ダルクの目も本来ならこちらに向けたいのですが……今はするべきではないのでしょうね。私たちが姿を現しさえすれば魔女どもの目はこちらに向きますから」
「だろうな」
エトヴァもクロエに同調しながら、女王の存在……否、女王の『不在』を確認する。
不可逆的な未来を決めるための決戦を控えた今、ジャンヌ・ダルクとの遭遇は極力避けるべきだと時先案内人からも警告されている。
ゆえに、探すべき敵は――なるべく相手取りやすい数と位置の一群。
そう、考えながら敵群を探していると、他のキマイラウィッチの群れとは離れ、斥候のように移動しているトループス級キマイラウィッチ『星狼の魔女』の群れが目に入った。
魔女たちの周囲に、一般人の姿はない。
もちろん、ジャンヌ・ダルクの姿も……ない。
「今だ」
絶好の機会と判断し、エトヴァが下した合図をきっかけに。
ディアボロス達は其々の得物を手にし、一斉に魔女たちに仕掛けた。
●
「ディアボロスか!!」
「やはり仕掛けて来たようだな!」
イシュアたちディアボロスの姿を見た魔女たちが、ざわめくと同時に臨戦態勢を取る。
「さあて、随分と占い師気取りじゃないか」
ライドスコルピオに跨っているイシュアは、装甲剥離生体鋏『セルケトクロウ』を握り締めながら、パラドクスを発動した。
「悪いけど僕の未来は僕が決めるんだ、そんな余興に付き合う暇はないよ。『壊していくよ!』」
イシュアはパラドクスでライドスコルピオとセルケトクロウを融合し、鋏から凍結弾を発射する。
魔女たちも青い炎の狼を召喚し、凍結弾避けの盾としようとするが、凍結弾は狼の一部と魔女に命中し、氷像に変えた。
凍結弾の影響を免れた狼が、戦場一体を青い火の海に変えながら猛進し、イシュアを狩ろうとするが、イシュアもライドスコルピオを駆り、距離を取った。
(「よし、魔女たちが凍ったなら、轢き殺せる!!」)
イシュアは再びライドスコルピオのアクセルを吹かし、氷像と化した狼と魔女に向け突進する。
ライドスコルピオの車輪に轢かれた狼は一撃で消滅し、魔女たちも跳ね飛ばされた。
飛ばされる魔女たちを視界に収めながら、エトヴァは二丁の拳銃を構え、祈る。
『――閃け』
パラドクス発動の言の葉と共に、エトヴァは目にも止まらぬ速度でトリガーを引き、祈りが籠る弾丸を氷像と化した魔女に向け撃ち出す。
青白い銀に閃く弾丸は、魔女たちが銃を抜いたと気づくより早く、魔女たちの急所を撃ち抜いていた。
魔女たちも狼のような足で俊敏に飛び、走り、エトヴァに黒く輝く爪を振り上げる。
「さあ、お前の犯した罪の重さを知るがいい!」
振り下ろされた爪は、しかし冷静に観察していたエトヴァに軌道を見切られ、Segenの魔力盾で受け止められた。
「犯した罪の重さ何て、数えちゃいないよ」
「同胞を無数に狩ったディアボロスが、今さら戯言を……!!」
怒る魔女らの爪は、クロエにも振り下ろされる。
「ディアボロスの魔女め、お前も犯した罪の重さを、身をもって知れ!!」
(「魔女どもの目がこちらに向くなら、好都合です」)
しかしクロエも、予め展開してあった守護の赤薔薇の結界で受け止め、爪を逸らしながら糾弾した。
「復讐を罪だと? 他人の事の前に、自らを省みたらどうですか?」
ならば、とクロエはクルミの種を手に取り、パラドクスを発動する。
『種子に宿るは我が恐怖、芽吹け『ヘカトンケイル・ユグランス』!』
クロエは手にしたクルミの種に魔力と恐怖の感情を注ぎ、地面に落とす。
直後、クルミの種が芽吹き、急成長し――ギリシャ神話の百腕巨人『ヘカトンケイル』を象った植物の怪物が出現した。
出現した怪物は、神話上の伝承に擬えるかのように、巨大なクルミの実を百腕で持ち上げ、投擲する。
魔女たちもクルミの実を爪で落とそうとするが、それより早く巨大なクルミが次々と頭上から落下し、魔女たちを押し潰した。
その後も、イシュアとエトヴァ、クロエは互いに連携しながら、弱っている魔女を優先して集中砲火し、確実に数を減らしていく。
既に戦場には【平穏結界】が展開されているゆえ、増援が駆け付ける気配は、今のところはない。
(「これなら、目の前の魔女たちだけを排除すれば……」)
そんなことをクロエが考えていると、視界の片隅に別のディアボロスの姿が映った。
「あれは……ア・ンデレさん?」
●
――少しだけ、時は遡る。
ア・ンデレ(すごいぞアンデレちゃん・g01601)はあえて、エトヴァ達とは別で行動し、魔女たちを探していた。
(「ラ・ピュセルと奪還戦で戦ったあの時には、キマイラウィッチたちはたまたまディアボロスと同じ感情を力にしていると思っていました」)
だが、ラ・ピュセル奪還戦において、ジャンヌ・ダルクの口から明かされたのは――『『復讐』こそが、全てのクロノヴェーダの根源たる感情』という事実。
あの頃は、クロノヴェーダも『復讐』を根源としている理由はわからなかったが、絶滅人類史との邂逅やネメシス化実験等を通し、復讐心というものについて少しずつだが明らかになっていった。
その結果、判明した『復讐心』の根源とは――歴史を動かす力の源。
ゆえに、クロノヴェーダの復讐心を味わうためには――。
(「――純粋な復讐心を力の源とするキマイラウィッチは最適でしょう」)
ラ・ピュセル奪還後、他ディヴィジョンに漂着したキマイラウィッチもいたのはいたが、なかなか喰らう機会は訪れず。
(「再現であっても、再び喰らう機会ができたのは幸運かもしれません」)
そんなことをア・ンデレが考えていると、魔女たちが気配に気づく。
「ディアボロスが、ここにもいたか!!」
魔女たちは星を詠み、空中に何らかの映像を映し出す。
――それは、『再現断片の王やイデアロゴスに、ディアボロスが蹂躙される』光景。
決してあり得ない未来ではない、と言い切れない光景を見せられ、ア・ンデレが動揺する……かと思いきや、彼女の表情は全く変わらない。
「お前たちに待ち受ける未来は絶望しかないようだが?」
「ええ、そのような未来もありえますね」
魔女の指摘を間髪入れずサラリと流すア・ンデレに、魔女たちは二の句を失う。
「未来は全くわかりません。1秒後に死ぬかもしれないと覚悟していますから」
――もう、とっくの昔に覚悟していることだから。
『全て喰らい尽くす』
星が齎す不可逆的な未来が訪れる前に、少しでも取り込むべく。
ア・ンデレはキマイラウィッチの復讐心をしっかり噛み締めるように、魔女を次々と喰らい、味わっていた。
●
魔女たちを次々と喰らってゆくア・ンデレの様子は、イシュアやクロエ、エトヴァも目撃していた。
「凄い勢いで喰らっているけど、大丈夫かな?」
「ジャンヌ・ダルクの興味を惹かなければいいんだが……」
イシュアはもちろん、戦況を常に観察していたエトヴァも、その勢いには不安を抱くしかない。
「急ぎましょう」
クロエが百腕巨人を象った植物の怪物を召喚し、魔女たちにクルミを投げつけ圧し潰す。
エトヴァもクロエやイシュアの死角に回り込まんとする魔女を把握し、青白き銀の弾丸を射出、撃ち抜いた。
イシュアも再度ライドスコルピオから凍結弾を射出し、氷像に変わった狼と魔女を纏めて轢き殺す。
そうして魔女たちの姿がある程度消えたところで、エトヴァがある決断を下した。
「よし、女王が出現しないうちに撤退しよう」
復讐の女王に刃を向けたくなる思いをぐっと堪えながら、エトヴァはイシュアとクロエに提案する。
【平穏結界】で戦闘の気配を察しづらくはしているが、オルレアンの何処かでジャンヌ・ダルクがディアボロスと接触した以上、気づかれるのは時間の問題だろう。
「うん、見つかる前に退散退散。復讐に狂った乙女なんて相手してられないよ」
「同感です。ここが潮時かと」
クロエが同意したのを見て、イシュアは少し離れて戦うア・ンデレに声をかける。
「アンデレちゃん、ここまでにしよう。撤退だ!」
イシュアの声が届いたか、ア・ンデレもひとつ頷いた後、何処かに向けて「またね」と口にして撤退を始める。
続けてイシュアとクロエが撤退を開始したのを見て、エトヴァはもう1度戦場を俯瞰しつつ、言の葉を零した。
――決戦が始まったら、必ず。
そう、復讐の女王との再戦を誓う言の葉を残しながら。
エトヴァ達ディアボロスは、来るべきその時に備えて、パラドクストレインで新宿島に引き返した。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【平穏結界】LV2が発生!
【狼変身】LV1が発生!
【冷気の支配者】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!